ワコムは、人気クリエイターによる作品のPSDファイルやブラシなどをダウンロード可能な「Create more」キャンペーンにて、イラストレーター・おはぎ氏のebook配布を開始した。同キャンペーンは、同社のペンタブレット「Intuos Pro」で創作活動をしている、あるいはこれから行う人に向けて展開されるもの。国内外から参加する人気クリエイターが制作したオリジナル作品のPSDデータのダウンロード提供に加えて、その作品の制作ポイントが学べるチュートリアルeブックや、作品で使用したブラシや素材なども入手可能だ。今回配布が開始されたのは、ニコニコ動画やpixivにおいて活躍し、小林幸子「吉原ラメント」イメージイラストなどを手がけたイラストレーター・おはぎ氏のチュートリアルつきebook。同氏が描く"かわいい"テイストのイラストができる過程を動画で解説している。ebookは無料配布されており、同キャンペーンサイトでメールアドレスを登録した全員に進呈される。そのほか、同キャンペーン期間中に「Intuos Pro」シリーズのいずれかの製品を購入した人全員には、本格的な作品を制作できるスケッチソフトウェア「Autodesk SketchBook Pro」の1年ライセンスおよびWindows専用ペイントソフトウェア「openCanvas」を進呈。なお、キャンペーンサイト内では、人気バンドDIR EN GREYやthe GazettEなどのCDジャケットを手掛けるクリエイティブディレクターの依田耕治氏も登場しており、日本のみならず海外からも著名クリエイターが順次登場、ebookなどを配布するということだ。
2015年05月29日QREATOR AGENTは11日、クリエイターのためのプラットフォーム「QREATORS.JP」をオープンした。「QREATOR AGENT」は、多様な業界で活躍する"ぶっとんだ"クリエイターを「QREATOR」と定義し、プロデュースを行う総合営業代理店。このたびオープンした「QREATORS.JP」は、同社が新たな「人」のプロデュースの形として開設したものだ。Webサイトのかたちを取ったのは、クリエイターがより活躍するシステムを構築すべく、データサイエンスを取り入れて「人はどのように売れるのか?」というテーマを調査した結果であるという。また、同サイトでは、クリエイターの最新情報を常に更新しており、ポートフォリオ、 肩書、 プロフィール、 インタビュー記事、 動画、 推薦者などを公開。 また、同サイトからクリエイターのメルマガやサロンへの参加、 あるいは講演会やメディアへの出演依頼などが行える。そのほか、「田村淳×一岡亮大×QA代表・佐藤詳悟 対談・さとうの勉強会」をはじめ、同社契約のクリエイターと外部タレントとのコラボレーションコンテンツも拡充する。なお、現在、アートディレクター・千原徹也やファッションデザイナー・ハヤカワ五味、連続企業家・家入一真、 メディアアーティスト・落合陽一、映画監督・紀里谷和明、腸内環境研究者・福田真嗣など計73名のQREATORと契約を結んでおり、年内には200名のQREATORとの営業代理店契約を予定している。
2015年05月12日アドビは、同社の提供するクリエイター向けSNSに登録している約500万人のクリエイターの作品を対象として、全世界の業界トレンド調査"Adobe Digital Index「New Creatives Mashup」"を実施。その調査結果を発表した。このたび公開された調査結果は、アドビが提供するクリエイター向けソーシャルネットワークサービス「Behance」に登録している約500万人のクリエイターの作品を対象にデータ収集を行い、分析結果をまとめたもの。この調査結果によると、「新世代のクリエイター」である18~22歳のクリエイターの間では、クリエイティブワークのモバイル化が進む一方で、アナログ的な着想によるデザインワークも注目されているという結果となった。○クリエイティブワークのモバイル化新技術や最先端のプラットフォームの導入によりクリエイターたちは作業スペースを拡大し、「セカンドスクリーン」としてのモバイル端末が、若手クリエイターたちのワークフローにこれまで以上に密接に取り込まれるようになった。特に、Behanceで作品を投稿している100万人近い18~22歳のクリエイターの間では、モバイル利用が顕著に進んでいる。過去1年間でモバイルでのログインが36%増加しており、若年層のクリエイターは全体と比較してモバイルでのデザインワークに従事している割合も2倍以上高くなっている。また、この年代がモバイルで行っている新規プロジェクトは、ブランディングのほかタイポグラフィー、漫画などが挙げられる。今後、モバイルプラットフォームからのデザインワークへの従事・制作が増え続けることが予想されるということだ。○場所を問わないクリエイティブな着想世界的にクリエイティブワークはかつてないほど増加傾向にあるが、アイデア創出やプロジェクトが行われている中心地域は、ブルックリン、ハンブルク、ロンドン、サンフランシスコといった主要都市ではなくなったことが明らかとなった。現在、クリエイターが集中しているのは、ブラジル、中国、英国、インド、メキシコ、ロシア、カナダとなっている。さらに、特定の年齢層でクリエイターが増えつつある国は、ドイツ、フランス、インドネシア、エジプトが挙げられる。○触覚ベースのクリエーションへのシフトAdobe Digital Indexによると、デザインワークにアナログ要素や非加工要素が復活してくる傾向を示している。Behance上の新世代クリエイターたち(18~22歳)は、前世代のクリエイターたちによく見られたデザインテーマやデザイン要素(「デジタル」、「アプリ」、「ブランディング」、「ウェブ」、「ロゴ」など)と、デザインの物理的な要素や触感のある要素から得られるインスピレーションの両方をうまく活用している。また、新世代のクリエイターは線描とタイポグラフィーで他の世代を圧倒しており、「ポートレート」や「スケッチ」をより多く制作している。注目すべきは、上の年代に比べて「インク」や「鉛筆」をより多く使用している点である。しかし、デザイン制作におけるベーシックな要素への探究心は、若年層に限定されているわけではなく、年代ごとに最も重視しているプロジェクトのトップ3を調査したところ、すべての年代でハンドレタリングがランクインしたということだ。このように、アナログ的な着想によるデザインワークが突如として注目され、若年層クリエイターたちの間でフリーハンドデザインなどの分野への関心が急速に高まっていることから、ネットワーク化時代において、このような意識が広まり、触覚ベースのクリエーションへのシフトが今後続くことが予想できると分析している。
2015年05月01日サードウェーブデジノスは17日、ハイエンドグラフィックス「NVIDIA GeForce GTX TITAN X」を搭載し、グラフィック処理性能を重視したクリエイター向けデスクトップPC「Raytrek-V XK」を発表した。PCショップ「ドスパラ」にて即日販売を開始する。価格は税別299,980円から。前世代「GeForce GTX TITAN Black」の1.5倍以上という性能を備えたハイエンドグラフィックス「NVIDIA GeForce GTX TITAN X」を搭載。3Dモデリングなどの編集、ライブ配信、RAW現像など作業に特化したモデルだ。基本構成は、CPUがIntel Core i7-4790K(4.0GHz)、チップセットがIntel Z97 Express、メモリがPC3-12800 16GB(8GB×2)、ストレージが256GB SSD + 3TB HDD、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX TITAN X 12GB、光学ドライブがDVDスーパーマルチドライブ、電源が750W Seasonic SS-750KM3、OSがWindows 8.1 Pro 64bit。BTOによるカスタマイズに対応し、CPUやメモリ、ストレージのアップグレード、光学ドライブの複数搭載、サウンドカードの追加などが行える。
2015年04月17日ドワンゴは、クリエイターと協業して商品開発を行う完全受注生産の通販サイト「ドワンゴジェイピーストア」をオープンした。「ドワンゴジェイピーストア」は、「ここでしか入手できない作品や体験を商品化」をビジョンに掲げたWeb通販サイト。クリエイターと共に新たな商品の開発・販売を行うことが特徴。同社の音楽配信サイト「ドワンゴジェイピー」や「ニコニコ動画」を運営するドワンゴならではのネットワークを活かし、インターネット上で話題となっているクリエイターと協業を行うという。また、現在同サイトで販売が行われているのは9種類の製品。「球体宇宙」作品のビー玉や、男性編み物クリエイターによる手編みの「ペットボトル専用帽子」などニコニコ動画で話題になったアイテム、ニコニコ動画のマスコットキャラクター・ニコニコテレビちゃんをモチーフにしたLED照明、グラスを人の体に見立てた「パンティグラス」、出会いを演出するスマホ用アクセサリ「AYATORI」などがラインナップされている。今後もクリエイターとの商品開発に加え、アーティストとのコラボアイテムやイベントチケットの販売も予定している。なお、同サイトでは、ユーザーからの要望を受け付ける問い合わせフォームを設置。ニコニコ動画やインターネット上にあふれる「商品化してほしい」の声をキャッチしていくと同時に、ユーザーからの「こんなものを商品にしてほしい」という声も集めていくとのことだ。
2015年04月02日アメリカのヒップホップソロアーティスト、タイラー・ザ・クリエイターが9月14日(月)に東京・LIQUIDROOMで、一夜限りの単独来日公演を開催する。【チケット情報はこちら】タイラー・ザ・クリエイターは、ヒップホップ・アーティスト集団OFWGKTA (Odd Future Wolf Gang Kill Them All)のリーダー。2009年に1stアルバム『Bastard』をリリース後、同作を含めこれまで3作のアルバムをリリース。2013年発表の最新作『ウルフ』は全米アルバム・チャート初登場3位を記録している。チケットの一般発売は4月25日(土)午前10時より。なお、一般発売に先がけて、チケットぴあでは先行抽選プレリザーブを実施中。受付は4月9日(木)午前11時まで。■タイラー・ザ・クリエイター来日公演9月14日(月)開場18:00 / 開演19:00会場:LIQUIDROOM(東京都)料金:オールスタンディング 7000円※ドリンク代別途必要
2015年04月02日LINEは26日、ユーザーがLINEスタンプを製作・販売できるプラットフォーム「LINE Creators Market」に登録しているクリエイターを対象に行った「スタンプクリエイター実態調査」の結果を公開した。それによると、クリエイターの多くが、売れるスタンプを作成するために「LINEのトークで使いやすい内容にした」という工夫をしているという。同調査では、クリエイター達の実態について調査。クリエイターに最も多かった年齢層は、「30歳から34歳」で23.3%、次に「25歳から29歳」で20.4%、続いて「35歳から39歳」で32.7%。平均年齢は34.1歳となった。職業では、会社員が最も多く32.2%、次いで「自営業・フリー」で23.4%だった。スタンプの制作ツールについては、「イラスト・ペイント用ソフト」(74.6%)、「写真・画像編集ソフト」(36.5%)、「手書き」(34.7%)の順で多かったが、9.3%のクリエイターは「スマホ・タブレット端末用お絵かきアプリ」と回答。同社は、高度なソフトを使用せずとも、スタンプ制作が行えるとしている。また、売れるスタンプを制作するために工夫したポイントとしては、「LINEのトークで使いやすい内容にした」が最も多く59.9%、2番目は「テキストの内容を日常会話に近いものにした」で44.7、3番目は「イラストの表情や動きを大げさにした」で29.3%が回答した。同社は、「日常会話での使いやすさ」が重視されていると分析している。そのほか、スタンプの売上の使い道についても質問。最も多かったのは「貯蓄」で46.3%、次いで「レジャー・娯楽費」で20.7%、「スタンプを作るための道具代」が19.7%と続いた。ユニークなものとして、「マンションの頭金」、「整形」、「キャデラックの購入代金」といった回答もあったという。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年03月26日クリエイターアイテムショップ・PARKは、ファッションクリエイター・毒kinokopinkとの共催により、オタク文化と原宿ファッション文化をつなげるクリエイター見本市「公園会」を開催すると発表。同イベントにて自己PRや物販を行う参加クリエイターを募集している。会場は東京都・渋谷区の2.5D(渋谷PARCO part1 6F)。日時は3月1日 14:00~18:00。料金は前売1,500円、当日2,000円(ともに1ドリンク、入場特典ノベルティ付)。同イベントは、2014年5月のオープン以来、オタク文化と原宿ファッション文化の融合を目標に活動を続けているクリエイターアイテムショップPARKと、アーティストの衣装制作や「オスカル祭。」を主催した毒kinokopinkが、インターネット上で作品を公開し続けている若いクリエイターと、若い人材を発掘・起用したい業界との距離を縮め、仕事につながるチャンスの場を提供することを目的として開催するものだ。内容は、参加クリエイターによる自己PRやゲストコメンテーターによる講評、クリエイター物販、ライブステージという3つのプログラムで構成され、ゲストコメンテーターにはtomad(Maltine Records)、ミスミ(Zigg)、ヴィレッジヴァンガード渋谷宇田川店・増田日奈(ガールズポップカルチャー担当)が参加し、ライブステージにはtoriena、三代目パークマンサー (新生軟式globe)らの出演が予定されている。なお、主催者の毒kinokopink自身もクリエイターのひとりとして参加するということだ。また、現在募集しているのは、自己PRおよび物販に参加するクリエイター(若干名)。プレゼンテーションは最長10分間で、その様式や作品の既出/未発表は問わないという。なお、本人が顔出しNGの場合、プレゼンデータのみでの参加やショーケース形式等での参加も可能とのことだ。参加を希望するクリエイターは、こちらの応募フォームに名前やメールアドレス、自己PR、作品の概要がわかるPR素材URLを記入して応募する。締め切りは2月22日。
2015年02月12日「 主婦クリエイターが、扶養の範囲で働くには? 」で税金の基本的な仕組みを知り、「 主婦クリエイターの経費。ポイント4つ 」で経費について整理をした。では、仕事が順調に伸び、主婦クリエイターの所得が年間38万円を超えた場合はどうすればよいのだろうか。引き続きお話を益田先生に伺った。■「売上130万円」が目指すべきひとつのライン「私が主婦クリエイターの方によくお話しているのは、『売上130万円をひとつの目安として働いてみてはどうですか?』ということです。売上130万円といったら、結構、働けますよね? そこまでは、ひとまず、がんばって働いてみましょうと言っています」。売上130万円を、ひとつ目安にするのは、そこに社会保険の線引きラインがあるからだ。■「扶養の範囲」の線引きはふたつここで話が混乱してしまう人が多いと思うので、一度整理しておこう。「扶養の範囲」と、ひとくちに言っても、妻の収入が扶養の範囲、つまり配偶者控除の範囲にあることによって受けられるメリットは大きく分けて2つある。1つ目は税金が安くなるということ。2つ目はサラリーマンの妻の場合、社会保険料が免除になること。ちなみに自営業者の妻の場合は、もともと個人で独立して社会保険料を支払っているので、2つ目の社会保険料免除は関係ない。「税金が安くなること」については、 コチラ を読んでほしい。■主婦クリエイターの売上が年間130万円を超えたら「社会保険の加入組合によってさまざまなのですが」と益田先生は前置きされた上で、「多くの場合、サラリーマンの妻の収入が130万円のラインを超えると、社会保険の扶養の範囲から外れてしまいます」。そうなると、妻は自分で社会保険料を支払わなければいけなくなる。妻の公的年金を国民年金にした場合、月々の保険料は1万5,040円(平成25年度)、このほかに国民健康保険にも自分で入らなければならない。■扶養の範囲から外れても「家計としてみればプラスである」という視点「社会保険の扶養の範囲から外れてしまったら、キャッシュが出て行きますから大変です。でも、社会保険控除の範囲内にいれるのであれば、配偶者控除や配偶者特別控除は使えなくてもいいのでは? と、私はご提案しています」。その覚悟(!?)をするためには、配偶者控除を使えた場合、どれくらい税金が安くなるのか? を知っておきたいものだ。夫の年収が500万円の場合なら、安くなる税金の額は年間で約3万8千円。夫の年収が700万円の場合なら約78,000円、1,000万円の場合でも同じく約78,000円となる(いずれも年額)。「配偶者控除が使えず、ダンナさんの税金がたとえ年間5万増えたとしても、家庭としてみれば30万円収入があるわけなので、全体の収支でみれば、プラス25万円です。それに妻の所得が配偶者控除の枠から出てしまっても、配偶者特別控除があるので段階的に税制面の優遇は残ります。ですから、私個人としては、妻の収入が扶養の範囲を出てしまうことをさほど恐れなくていいでは?と思っています」と、益田先生。配偶者控除の見直しも検討されている現在、扶養の範囲に気をとられて働き方をセーブするのは、ナンセンスなのかもしれない。目先のことだけではなく、長い目で将来のことも考えて、自分自身の働き方を考えたいものだ。【連載:主婦クリエイターのお金特集】・ 第1回 主婦クリエイターが、扶養の範囲で働くには? ・ 第2回 主婦クリエイターの経費。ポイント4つ
2015年02月09日「 主婦クリエイターが、扶養の範囲で働くには? 」では、主婦クリエイターの税務の基本的な仕組みを知った。今回は、益田先生の主婦クリエイター向けマネー講座でよくある、経費についての質問4つにQ&A形式で回答してもらった。Q1.経費とは、どこまでのことを言うのでしょうか? A1.売上を生み出すために必要なお金すべてです益田先生曰く、「経費とは、事業に関連のあるもの。売上を生み出すために必要なものはすべて経費です」。そこで、具体例で考えてみた。結構いろいろなものが経費として落とせるようだ。【ネットを使ってビーズ細工を販売している場合の経費例】・材料費・仕入れに行く時の交通費・打合せの際のカフェ代金・プロバイダー料金・パソコン購入費・ビーズ細工をするのに必要な道具類・ビーズ細工に関する資料の本代 などQ2.領収書がない場合は大丈夫ですか? A2.大丈夫です「所得税は、帳簿ありきなんです。国は“帳簿をつけなさい”とは言っていますが、“領収書を集めなさい”とは言っていません」(益田先生)。つまり、領収書を集めるよりも、帳簿つけをきちんとする方が大切だということだ。まずは、お金の出入りをノートにつけてみよう。書くべき項目としては、(1)取引日 (2)何を買ったか (3)どこから買ったか (4)金額。「帳簿つけの最初は、これくらいで充分です。とにかく『帳簿をつけることを習慣にする』ことから始めてみましょう」。Q3.仕入れの支払いは、夫名義のクレジットカードですが大丈夫ですか? A3.問題ありません「主婦クリエイターの方は、支払いをダンナさん名義のクレジットカードでする場合も多いようですね。こちらは問題ありません。その分のお金の出入りを、帳簿にきちんとつけていれば大丈夫です」。Q4.自宅で事業を行っているのですが、家賃、水道・光熱費は経費になりますか? A4.リビングで作業をしている場合は厳しいことが多いです「税務的には、経費とできるのは『明らかに区分ができる部分』と言い方をしています」。たとえば、自宅の一部屋を完全に仕事部屋として、そこで仕事のすべてを行っているような場合。これは、仕事部屋として「区分」できるので、家賃や水道・光熱費のうち、仕事部屋分の割合を経費にできる可能性はある。「リビングの一角で作業をしている、という場合は区分が難しいので、経費とするのは厳しい場合が多いですね」と、益田先生。経費のよくある疑問点は、クリアになった。次回は、「妻の収入が配偶者控除の範囲を上回ってしまったら?」について考えてみよう。【連載:主婦クリエイターのお金特集】・ 第1回 主婦クリエイターが、扶養の範囲で働くには? ・ 第3回 主婦クリエイターが目指すべき収入の目安とは?
2015年02月06日ネットを使って手作り品を販売したり、LINEスタンプを作成したり…。最近、増えている主婦クリエイター。「主婦クリエイターの方が気にされることで多いのは、『扶養の範囲、つまり配偶者控除を受けられる範囲内で働くには?』ということです」と教えてくれたのは、税理士の益田あゆみ先生。クライアントさんには女性起業家も多く、主婦クリエイターのための税務講座なども行っている益田先生に、主婦クリエイターの収入と配偶者控除についてお話を伺った。■主婦クリエイターは、「事業主」である主婦クリエイターの税務を考える時、何よりも最初に知っておきたいのは、「クリエイターは事業主である」ということ。併せて、事業主として得た収入は、「事業所得」もしくは「雑所得」であることも知っておきたい。扶養(配偶者控除)の範囲と聞くと、「パートは103万円まで」といったフレーズを思い出す人も多いだろう。でも103万円は、あくまでパート(給与所得者)の課税ライン。主婦クリエイターになったのなら、事業主としての税金の納め方を知っておく必要がある。■103万円まで働けるって、どういうこと? 事業主としての税金の納め方って? それを考える前に、「なぜ会社員の妻は、パートの場合、103万円までなら課税されないのか?」について整理しておこう。パートやアルバイト(給与所得者)の場合、お給料から給与所得控除65万円をひいた金額が収入となる。給与所得控除とは、お給料をもらうための必要経費。サラリーマンでいえば「スーツや靴にお金がかかるでしょうから、その分はお給料から差し引いて収入を計算してあげますよ」という金額だ。一方で、サラリーマンの妻が税金上の特典としてうけられる「配偶者控除」の定義は、年収38万円以内。すると、こんな計算式が立てられる。103万円 - 65万円(給与所得控除) = 所得38万円つまり、パート勤務でお給料が103万円以内の場合、給与所得控除を差し引けば、収入は38万円以内となり配偶者控除の枠内となる。これが、「パートは103万円まで」の仕組みだ。■主婦クリエイターの収入とは? では、主婦クリエイターの場合の所得(事業所得・雑所得)は、どう計算するのだろう? 計算式はこうだ。売上 - 経費 = 利益(所得)具体例で考えてみよう。Aさんのネットショップの年間売上は60万円。それを売り上げるために必要な経費は、年間で40万円かかった。この場合、Aさんの利益(所得)は、以下の計算式の通り20万円となる。売上60万円 - 経費40万円 = 利益20万円利益が20万円なら、38万円の配偶者控除の枠内であるので、扶養の範囲内ということになる。ちなみに夫の会社の家族手当などの支給要件が「年収103万円以下」というところも多いので、こちらも一度確認してみよう。■主婦クリエイターの所得が38万円~76万円なら配偶者特別控除また、同じように計算した主婦クリエイターの妻の所得が38万円~76万円の間ならば、配偶者特別控除が適用される。この配偶者特別控除の額は妻の所得が高くなるほど、段階的に減っていく(夫の税額が増えていく)。妻も収入が100万円を超えると(自治体によって異なる)と住民税を払うことになるが、年収102万円なら4,000円程度となる。主婦クリエイターの税務の基本的な仕組みはわかった。では、主婦クリエイターの経費は、どこまでの範囲を言うのだろうか? 続きは次回!【連載:主婦クリエイターのお金特集】・ 第2回 主婦クリエイターの経費。ポイント4つ ・ 第3回 主婦クリエイターが目指すべき収入の目安とは?
2015年02月04日福岡市は、全国各地で活躍するクリエイターを迎え、クリエイターの地方移住を考えるイベント「地方移住クリエイターサミット2015 inTOKYO」を、2015年3月1日に東京・竹橋のマイナビ本社にて開催する。このイベントは、昨年9月から福岡市が実施している、福岡移住を考えるクリエイター・エンジニアの支援プロジェクト「ぼくらの福岡クリエイティブキャンプ」の一環として開催されるもの。福岡にとどまらず、北は北海道から南は沖縄まで、各地域で活躍するクリエイターを迎え、それぞれの地方で暮らすこと・働くことのメリット・デメリットなどを紹介する。イベントは全4部構成。第1部は、フジテレビ「とくダネ!」など多数のメディアで活躍する経済ジャーナリスト・木暮太一氏によるキーセッション。自身も鎌倉に生活の場を置く木暮氏の地方に拠点を構えて働くことへの考えを語るという。続く第2部では、「ぼくらの福岡クリエイティブキャンプ」の活動を報告。同プロジェクトで福岡へ移住したクリエイターの方を迎え、移住後の働き方や暮らす環境など、日々感じていることを紹介する。さらに第3部では、全国各地から移住クリエイターを招き、ご当地ライトニングトークを開催。第4部は、1部の移住クリエイターに木暮氏を交え、各地域の方々がさらにホンネをぶっちゃけるクロストークを予定しており、プログラム終了後は、登壇者も交えての大交流会を開催するとのこと。なお、参加者の中から抽選で1名に、航空券(羽田-福岡間往復)をプレゼントする。現在、同イベントのWebページにて事前申し込みを受け付けている。
2015年01月27日竹尾は、クリエイターが手掛けた年賀状を公開する「クリエイター100人からの年賀状展vol.10」を開催する。会期は1月19日~2月20日(土日祝休廊)、開館時間は10:00~19:00(1月19日は17:00まで)。会場は東京都・神保町の竹尾見本帖本店2F。入場無料。同展は竹尾が毎年開催している恒例の新春企画で、同社が各方面のクリエイターから受け取った年賀状100枚を一般公開する。それぞれの年賀状では、「紙とデザインにのせた、クリエイターからの新年のメッセージ」が楽しめるとのこと。参加クリエイターは、原研哉、水野学、廣村正彰、北川一成など100名以上となる予定。同社Webサイトでは参加クリエイターのリストが公開されているほか、随時更新も行われるという。また、同展のDMは、今年の干支にちなみ「羊毛紙」という名前の紙を使用しており、会場で配布をしているとのことだ。
2015年01月13日デジタルハリウッドは、Web業界で勢いのある動画領域で活躍するクリエイターを育成する新講座「ネット動画クリエイター専攻」の開講記念イベントとして、「ネット動画に特化したシナリオライティングセミナー」を開催する。開催日時は1月17日 18:30~20:30、会場はデジタルハリウッドSTUDIO渋谷。参加費は無料(要予約)。同セミナーは、クラウド型の動画制作プラットフォーム「Viibar」を運営し、多数のネット動画制作実績を持つViibarの高橋俊輔氏 と、多数の映像企画・プロデュース経験を持つ放送作家田中イデア氏(Viibar登録クリエイター)が登壇し、ネット動画時代に適したシナリオや字コンテ制作、企画の考え方、実際の企画の裏側などについて語られるというもの。参加対象者は、「ネット動画クリエイター専攻」へ入学を検討している人はもちろんのこと、ネット動画クリエイターとして活躍したいと考える人、クリエイティブな仕事に興味のある人まで幅広く参加可能となっている。なお、参加は無料だが事前予約制となっており、同学のWebページより手続きを行うことができる(定員35名)。
2015年01月10日今の時代、多くの日本人クリエイターがハリウッド映画の制作において活躍しているが、世界的な賞を受賞しているクリエイターはまだまだ少ない。そんななか、イラストレーターの上杉忠弘氏は映画『コララインとボタンの魔女』(2009年)でコンセプト・アートを手掛け、第37回アニー賞最優秀美術賞を獲得し、このほど公開された映画『ベイマックス』でも、コンセプトアートを担当し、同作の舞台となる"サンフランソウキョウ"をゼロから作り上げた人物だ。ハリウッド作品に携わりながらも、日本を拠点として活動している上杉氏に、同作の舞台裏や"クリエイター"として持論を聞いた。――映画『コララインとボタンの魔女』でアニー賞を受賞したことでも知られている上杉さんですが、これまでどのようなお仕事をしてきて、どういった経緯で、この作品のコンセプトアートを担当することになったのか、教えて下さい。もともと日本のファッション雑誌や広告などでイラストを描いていたんですが、それとは別に気分転換も兼ねて仕事と関係なく普段は描けないタイプの作品をウェブ上に公開していたんです。たまたま、それを見た海外の人たちの間で話題になっていたようで、海外のクリエイターたちが集まる掲示板のようなところで僕のイラストのスレッドが立ったりしてたようなんです。そうした中で、エンリコ・カサローサさん(後にディズニー/ピクサーの短編『月と少年』の監督を務める)が、日本に来た際に私を訪ねてきたんです。そしてその一年後くらいに、今度はロニー・デル・カルメンさん(ディズニー/ピクサー最新作『インサイド・ヘッド』共同監督)という方を伴って再び訪ねてきて。当時2人はストーリーボードアーチストだったんですが、この方たちが来た時に「アメリカで仕事があったらやる気があるか?」と訊かれまして。「そりゃ(仕事が)来たらやりますよって誰でも答えると思うんですが」と答えたところ、そのコメントが一人歩きして、当時ピクサーに在籍していた『コララインとボタンの魔女』の副監督のマイク・カチュエラに伝わり、彼が私をヘンリー・セリック監督に推してコンセプトアートの依頼に繋がっていったようです。もっとも、最初はキャラクターデザインの依頼だったのですけど。実は、こういった経緯を僕が直接聞いたのも、かなり後だったんですけどね。それで『コラライン』の仕事が前例となって賞も貰ったり、人的交流もあって、外国人ですけど仕事を依頼しやすい雰囲気になっていったのではないかと思います。いくつかの企画の立ち上げに携わったあと、『ベイマックス』のお話がありました。――一番最初にピクサーの方が会いに来たのは何年前ぐらいなんですか?2002年でした。そのころからアメリカの水道会社のイラストを制作するお仕事が突然入ってきたりとか、海外からのオファーを受けるようになったんです。どういった経緯で、オファーがきたのか理由はわからないんですが、きっとどこかで(ウェブ上に公開したイラストが)拡散されていたようです。なぜ外国で受けるのかというのも、未だにピンと来てはいないのですけどね(笑)。――ウェブ上に公開したイラストというのは、特にターゲットを決めずに、とにかく描きたいものを描いていたのですか?その時は女性向けの仕事の量がピークといっていい時期で、仕事に追われて自分の描きたいものが描けなくなっていました。それで、自分がおもしろいと思うものを描いてはウェブ上に発表していたんです。仕事で描いた作品ももちろんアップしていたんですけど、それが混然となって「なんか変なことやっている人が日本にいる」と思われたみたいなんですね。それでエンリコさんたちが会いにきてくれた後に、今度はディズニーのプロデューサーの方が会いたいと言ってきたんです。プロデューサーといっても下っ端の人が来るのかと思ったら、そうではなくて。ディズニーがその当時手書きのアニメーションの制作を止めてたんですが、もう1度復活させたいっていう機運があったようで、「それに協力しませんか?」という話をもらったんです。その時はちょうど映画『コララインとボタンの魔女』の仕事を引き受けたばかりだったので、そのときは依頼を断ったのですが、それ以降、ディズニーとの交流が始まったんです。その当時、貴重なディズニーの原画がたくさん見つかったというニュースがあり、ちょうど日本で展覧会が行われていたんですが、その展示会の人気がありすぎて入ることができなかったんです。その話をそのプロデューサーの方にしたら「キミがアメリカに来たら私が用意するから」って言われて。もちろん社交辞令だと思ってたんですけど、実際にディズニー・スタジオに行ってみたら「約束のものを見せましょう」と、私がその時好きだといった『眠れる森の美女』や『101匹わんちゃん』などの実際に使われた背景画や、メアリー・ブレアの原画などが大きいテーブルにたくさん並べてあって、個人展覧会をしてくれたんです。あれは感激しましたね。そのとき、アーカイブにあるものは何でもみせると言ってくれたんですが、展覧会の準備の時間が迫っていて、ゆっくり見ることが出来なかったのはとても残念でした。――ディズニー・スタジオにはいつ頃行かれたのですか?2005年にピクサーのクリエイターのふたりから「展覧会を一緒にやらないか」という話をもらって、ロサンゼルスに行ったんです。その時にディズニーのいろんな方にもお会いして。なぜディズニーの方たちが私のことを知っているのかと、たいへん驚きました。翌年に今度は6人展をやったのですが、そのとき先ほどお話したプロデューサーからディズニー・スタジオに招待されました。「君が来るので昼食会をやるから」と大きいホールに連れていかれたのですが、そこにはディズニーの全美術監督がいて、その前で自分の絵をスライドで見せながら質疑応答をやってくれということになり、観光気分で行ったのに、それまでの人生で最も緊張することになりました(笑)。――そこから今回の『ベイマックス』のコンセプトアートのお仕事のお話はどういった流れだったんでしょうか?いきなりはじまることが多いんですよ(笑)。今回も「今、リサーチトリップで日本にいるんですけど、ちょっと会いませんか?」という連絡を受けて、軽い気持ちで会いに行ったら「実はこういうのがあるんですけど」と大量の資料がドサっと出てきて、別れ際には守秘義務契約書にサインをしていました(笑)。「遊びに来ませんか?」と言われてスタジオへ行くと、コンセプトアートがたくさん貼ってある部屋に通されて「これ、やる気ある?」ってなるとか。そこから急に仕事が始まるんです。――オファーを受けてから最初のネタ出しまでの期間はどの程度で。オファーがあって三週間くらいあとからスタートしたと思います。基本的にはお題を出されて、1週間後に仕上げて提出するというパターンですね。何点かテーマに沿ったものを作り、また次のお題にとりかかるという繰り返しです。そのうち、"出された課題を全部やろうと思ったらだめだ"ということに気づきました。向こうは描いてほしいものをどんどん言いますので、それを正直に全部やろうと思うと、分量的な帳尻を合わせるだけになりかねないので、私自身が面白いと思うイメージ、より創造的なイメージになりそうなものを優先してやることを学んでいきました。――資料としてはどんなものが出されていたのですか?最初の資料でディズニーのクリエイターが書かれたサンフランソウキョウのイメージをたくさん見せてくれました。でも、日本人から見ると割と"勘違い日本"的なところが多くて。私としてはそれをどう取るかですよね。修正するほうに動くか、それをおもしろがるのか。最初のほうは混乱しながらやっていたというのが本音でした。――最初のものは折衷案というか、ある程度向こうからの意向も汲んだものを?自分がおもしろいと思うものを描きました。映画『007』シリーズなどに出てくる"やや勘違いした日本"のモダンなイメージって日本人からすると逆におもしろい感じがしますよね。そういうものをブラッシュアップしていくと、何かおもしろいものがあるかもしれないなと思いながら描いていたところがありますね。――上杉さんがイメージしたサンフランソウキョウを教えて下さい。もともと最初の設定は、1906年にサンフランシスコで大地震があって、それを立て直しに日本からたくさん移民してきたというものだったんです。そのため日本の文化が流入してきて、建築も日本の建物がたくさんあるというイメージで。特に私がイメージしたのは別府だったんですよ。別府は、戦争で空襲を受けておらず、戦前の建物がいっぱい残っているんです。内装は新しくしてるんですけど建物自体は戦前のものが多くて。それに基本的に坂道なんですよね。そのイメージとサンフランシスコの今の感じが合体した雰囲気。あるいは、箱根や熱海などの温泉地に、東京の近代的な雰囲気が合わさった感じですかね。――今回のコンセプトアートを制作するにあたり、一番気を付けた部分というのはなんだったのでしょうか?日本人が見たときに面白がってもらえる、引かれないというところが大事だと思っていましたね。――今回の映画のお話は『ビッグ・ヒーロー6』が元になっているそうですが、オリジナルの作品感というのは意識されましたか?それは最初にあまり気にしなくていいと言われていました。キャラクターも全部変えてしまう、全部違うものになってくると思うという説明でした。ロボットのデザインも私が仕事をした段階では決まってませんでした。なのでそこに関してはあんまり考えることはありませんでした。――今回、一番辛かったと思われることは?私の場合、ひとりで仕事をしているので描いているものが正しいのか正しくないかの判断がつかないときがあるんです。例えば内部で何人かの人が描いたものをディスカッションしていくとか、あるいは他の人が描いたものを見ながらディベートというかたちがあると思うんですけど、ひとりで仕事をしていると孤独な作業で。正しいかどうかがわからないというのがいつも辛いところではありますね。それに今回に関しては、善し悪しの返答があまりなかったんです。「アメイジング!」とか誉めてはくれるんですけど、それのどこがアメイジングなのかは明言してくれないので、それをそのまま続けていっていいのかっていうのを自分で判断するしかないんです。自由すぎるのが逆に辛いっていうのがありました。――グローバルに活躍されていらっしゃる日本人クリエイターのひとりとして、それを目指す人々に対してアドバイスはありますか?“空気を読むな”ってことですかね。仕事に関していうと、現状がこうだからそれに合わせるっていうことばかりをしていると、結局その範囲の中でしかできなくなってしまいますよね。私の場合も「仕事がなければ勝手に描きたいものを描けばいいじゃん」ってところがあったので。描いて発表すれば、誰かが見ているかもしれない。インターネットというツールを使えば、日本人は無反応でも海外の人がすごく反応するっていうパターンがあるんだなっていう証明だと思いますね。――最後に、この作品の上杉さんならではのPRをお願いします。先ほど述べたとおり、私が関わったのは本当に初期段階なのですが、完成したものを拝見すると、様々なイメージが混在していたものがうまく整理されて、非常にいい着地点に落ち着いているのではないかと思います。日本人が見ても魅力的な、とても楽しいものになっていると思います。実は主人公は最初の段階では東洋人のちょっとひ弱なメガネっこみたいなイメージがあって、ロボットなどもブリキのおもちゃみたいな方向に設定されていました。私自身はこれはどうだろうな?と思っていたのですが、それが最終的にはこれ以外にないだろうと思わせる素晴らしいキャラクター像に収まっているという、その取捨選択する能力がすごいと思いました。特にベイマックスの造形は最初を知っているだけにそぎ落とし感がすごくて、どうやってあそこにたどり着いたんだろうと思うくらい素晴らしいですね。BIG HERO 6 - Concept Art by Tadahiro Uesugi.(C)2014 Disney. All Rights Reserved.
2014年12月24日●異ジャンルの著名クリエイターたちの液晶ペンタブレット活用術ワコムは12月18日、6名のトップクリエイターによる合作映像作品「Cintiq Creative Mash-Up Powered by Wacom」に参加したメンバーが一同に集結した「Cintiq Creators Mash-Up トークセッション」を、東京都・秋葉原のパンダスタジオ・ハリウッドにて開催した。ここではその時の様子をレポートする。映像作品「Cintiq Creative Mash-Up Powered by Wacom」は、映像、イラスト、グラフィック、音楽、フォトグラフィー、アニメーションといった異なるジャンルで活躍する6人のトップクリエイターたちが、それぞれワコムのペンタブレット「Cintiqシリーズ」を使用し、1本の映像作品を制作するというコラボレーション企画だ。それぞれのクリエイターの作品に共通する「女の子」をテーマにした完成作品は、こちらの特設サイトで視聴できる。このたび開催されたトークショーでは、同企画に参加したクリエイターが集結し、Cintiqシリーズの使い勝手や同作品のメイキングなどが語られた。登壇したのは、Perfumeやサカナクションのほか、最近では米ロックバンド「OK Go」の"一発撮り"で話題となった「I Won’t Let You Down」などのPVを手がける映像ディレクター・関和亮氏、 初音ミクを使った楽曲などを手がけるサウンドクリエイター・kz氏、文化庁メディア芸術祭など国内外で多数の受賞歴を誇るアニメーション作家・水尻自子氏、写真集「スクールガール・コンプレックス」などで幅広い層から支持を集める写真家・青山裕企氏、クリエイター集団「supercell」のメンバーで漫画家/イラストレーター・三輪士郎氏の5名。そして、ボーカロイドオペラ「THE END」やソチオリンピックNHK公式放送のオープニング演出などを手がけるアートディレクター・YKBX氏はSkypeによるネット中継での参加となった。○異ジャンルの著名クリエイターの素顔今回は、作品完成後に5人がそろって顔を合わせた最初の機会だったという。青山氏は、関氏、水尻氏とは事前に"打ち合わせ"と称しして集まったものの、かなりフワッとしたもので「どうやってやるんだろう?」と感じたという。これが関氏のスタイルだと思ったと語ったが、関氏はこれに対し「しっかりと打ち合わせしたつもりでした」と反論。三輪氏は"顔出しNG"のためダースベイダー風の覆面をかぶっての参加となった。また、kz氏が「基本的に家でひとりで作業することが多いのであまりしゃべらないです」と語ると、関氏は「打ち合わせの時は皆さんそうでもないと感じた」と述べるなど、トークショーの前半はざっくばらんな雰囲気で、終始笑いの絶えないトークが繰り広げられた。○関氏「ペンタブは考えがまとまりやすい」トークセッションの後半は、Cintiqシリーズでは最も大きな「Cintiq 24HD touch」が設置されたブースから、おのおのが担当したパートをスクリーンに映しながらのメイキングデモを行いつつ、液晶ペンタブレットの活用方法や使用感などが語られた。今作品のディレクションを務めた関氏は、13.3型IPS液晶を搭載したAndroid端末としても使えるモバイルタブレット「Cintiq Companion Hybrid」を用いて、作品全体の企画や構成、集められた作品パートの編集、つなぎのパートなどをまとめていったという。実際の作品データを映像編集ソフト「Final Cut Pro X」で編集するシーンを簡単に紹介した。液晶ペンタブレットの使用感について、関氏は「直接ものを触ることによって、いま何をしているのかが非常に明確になり、すごく考えがまとまりやすかった、例えばタイムラインを動かすときも"物体を持っている"という気がして、自分が今どこにいるんだというのがわかりやすかった」と語った。「小っちゃいから良いかな」という理由で選んだ13.3インチの「Cintiq Companion Hybrid」については、椅子に座りながらコンテを描いたり、わからないことについて調べ物ができたり、持ち運ぶのにもラクだったりと、小さいことのメリットを感じたということだ。○青山氏「写真を扱うなら画面が大きければ大きいほど良い」次に登壇したのは、写真を担当した青山氏。同氏は普段の撮影スタイルは"手持ち"が基本で、理由は「女の子を見つめてドキドキして少しブレる」など、その時の心境を写真にも反映させたいためだという。しかし今回のプロジェクトでは、撮影した写真が動画の素材(コマ撮りアニメーション)になるということで、三脚の使用が必須であり、それが新鮮であったとのこと。ちなみに今回使用したカメラは、中判デジタル一眼レフ「PENTAX 645Z」ということだ。今回使用したタブレットは、関氏と同じ13.3インチの「Cintiq Companion Hybrid」。青山氏は同機を簡単なレタッチ作業に使用し、「液晶ペンタブレットとの相性が良いということに気づいた」という。また、ブースに設置された24インチタブレット「Cintiq 24HD touch」の液晶の美しさを絶賛し、「印刷が液晶に勝てない」と苦笑。サイズに関しては「写真を扱うならば、等倍で作業できるという面からも、タブレットの画面は大きければ大きいほどいい気がする」と感想を述べた。●kz氏が音楽制作に液晶ペンタブレットを活用。その感想は…?○kz氏「ジャンル毎のサイドキーがほしい」続いて、音楽を担当したkz氏。予想以上に音楽制作とペンタブレットとの相性が良かった点をアピールした。音楽制作ソフトはショートカットキーを多く使うこともあり、「Cintiq」が備える「ラジアルメニュー」(ショートカットのようなもの)を使いこなしている様子がスクリーンに映し出された。さらに同氏は、ペンタブレットの左側に備わる4つのファンクションキーやリングキーも駆使し、特に使用頻度の高い操作(コピー&ペーストなど)にはこれらのボタンに割り当て、少し頻度が下がる操作(新規トラック作成など)に対してはラジアルメニューを割り当てるなど、同タブレットが用意するふたつのファンクション機能を柔軟に使いこなしていたという。さらに、ピアノロール画面では、マウス入力よりも指が疲れない上により直感的に入力できることについて、「楽譜を書いている感覚に近い」と語った。また、音楽制作用としては物理的なキーが足りない点を指摘し、「音楽用やフォトレタッチ用といった各ジャンルごとの分離型サイドキーがあれば面白い」と要望を述べ、タブレットの使用感として「音楽制作は単純作業が多く、13.3インチの液晶ペンタブレットを膝の上に載せ、ラクな姿勢で作業できたことが何よりも良かった」と語った。○YKBX氏「Cintiq Companion上で「Maya」が動くことに驚き」ここで、会場に来られなかったYKBX氏がSkype中継で登場。「Cintiq Companion」で下絵を描いているシーンをスクリーンで映し出しながら、同氏が普段からマウスは一切使わず、イラストレーションのみならずあらゆる操作をタブレットで行っていることを紹介した。今回の作品では、3Dモデリングを「Maya」で行い、「Adobe After Effects」の「パペットツール」で顔の表情や呼吸なども再現したということだ。これらのソフトウェアは「Cintiq Companion」(Windows 8が動作するモデル)上で稼働させており、同氏は液晶タブレットでMayaを動かしたり、After Effectsでアニメーションやエフェクトを付けることに関し「スペック的に大丈夫だろうか」と心配しながらも、実際に動作させて「問題なく動作したことに驚いた」という。○水尻氏「ペンタブのサイズや角度はとても重要」続いて登場したのが、アニメーションを担当した水尻氏。今回は「Cintiq 22HD touch」を使って、「Adobe Photoshop」の通常のレイヤーに時間軸の付いた「ビデオレイヤー」機能でアニメーションを1枚ずつ手描きして制作したという。前後の絵を透かして表示するオニオンスキンモードが搭載されていたり、そのままレンダリングして動画ファイルに書きだせるなど、意外なことにPhotoshopはアニメーション制作向けの機能も充実しているという。同氏はこのPhotoshopを使う方法か、実際の紙に描くかのどちらかで、ほかのアニメーション作家の手法をまったく知らないとコメントしていた。ちなみに、今回制作した動画は12fps(1秒あたり12フレーム)で、1枚あたりの作業時間は10分~20分とのことだ。つまり、1秒のアニメーションを作るのに2時間~4時間掛かる計算となる。ペンタブレットの使用感については「アニメーション制作は黙々と行う作業なので、サイズや角度はとても重要。今回使った液晶ペンタブレットはそれがすごく良かった」と述べた。○三輪氏「操作感がアナログに近い」そして最後にイラストを担当した三輪氏が登場。漫画やイラストで活躍する同氏だが、液晶ペンタブレットを使って描いたのは今回が初めてだという。普段アナログで描くクセが強く、絵が右手で隠れないように左上から描いているとのこと。一時期、板タブ(液晶画面を備えない板型のペンタブレット)で描いている頃は手で隠れることがないためその制約から解放されていたが、今回液晶タブレットで描くに当たって「再びその制約が舞い戻った」としながらも、タブレット画面の上に直接定規当てて線をラクに引けるなど「感覚がアナログに近い」と語った。作品中に登場し、最初に描きはじめたという黒髪の女の子は、液晶ペンタブレットの操作に慣れない点などもあって試行錯誤して時間がかかったという。しかし、次に描いた白い服の女の子はタブレットの操作にも慣れ、短時間で描き終えることができたという。最後に同氏は目の前にある「Cintiq 24HD touch」を使ってスラスラと女の子のイラストを描き上げながら、トークショーのエンディングを迎えた。なお、同作品についての詳細や各クリエイターのインタビューなどは、ワコムの「Cintiq Creators Mash-Up」のWebサイトに掲載されている。
2014年12月22日福岡で働きたいと考えるクリエイターを支援する福岡市では、クリエイター同士と地元IT・クリエイティブ企業との交流を行なうイベント「ぼくらの福岡クリエイティブキャンプ IN FUKUOKA ~移住クリエイター×地元クリエイターでつくるぼくらの未来~」を、福岡市内の福岡県Ruby・コンテンツ産業振興センターにて開催する。開催日は2014年12月20日。同イベントは、福岡市内のIT・クリエイティブ企業や、福岡を始めとした九州のクリエイターたちが出会い・交流し、福岡で働くことや、これからの福岡のクリエイティブシーンを考える場をつくることを目的としたもの。参加対象者は、福岡や九州のクリエイター・エンジニアをはじめとしたIT・クリエイティブに関わる人や、福岡のIT企業で働きたいと考えている人となっている。トークゲストとして、鎌倉に拠点を構える村式の住吉優代表が登場。IT企業と地元企業が繋がり、鎌倉を盛り上げている『カマコンバレー』の一員として、IT・クリエイティブで地域をどう面白くさせているかという事例を紹介する予定だ。ほか、同イベントに参加する企業は現在求人を行っている企業のため、来場した採用担当者と、直接コミュニケーションをとることも可能となっている。なお、来場者特典として、「博多英語漬けシェアハウス」の1カ月滞在権(1名)や、九州大学芸術工学部大橋キャンパスで開催するイベント「dotFes 2014 福岡」(12月21日)の当日券が割引購入できる優待券(10名)をプレゼントする。現在、同イベントの公式サイトにて参加者を募集している。
2014年12月10日PhotoshopやIllustratorなど、クリエイターには欠かせないアプリケーションを提供しているアドビ システムズが、満を持してリリースした"ハードウェア"であるiPad対応デジタルペン&定規「Adobe Ink & Slide」。デジタルペン単体ではなく、「デジタル定規」という新機軸のデバイスとセットで用いることにより、「iPad上で"定規"を使って直線を引く」という懐かしくも新鮮な体験を可能にしている。同製品に対応した描画アプリは複数あるが、直線を描くという機能を存分に使うには、製図などを想定したアプリ「Illustrator Line」が適している。今回は、「Adobe Ink & Slide」と「Illustrator Line」を組み合わせてクリエイターに使ってもらう中で発見された、同製品を"仕事"で使うケースについてお届けする。○クリエイティブ心をくすぐるパッケージマイナビニュースでは、国内発売に先駆けた製品担当者インタビューやタッチアンドトライイベントのレポートなどを掲載してきたが、実機に触れる機会はまだ多いとは言えない現状がある。そのため、まだ実際にこのハードウェアに触れたことがない、というクリエイターもいるかもしれない。以前、「クリエイターのかばんと"中身"、見せてください!」というシリーズ記事にて取材に応じてくれたエディトリアル/グラフィック・デザイナーのSさんも、そんなクリエイターのひとり。「Adobe Ink & Slide」について聞いてみたところ、InDesignやPhotoshop、Illustratorといったアドビ製品は毎日必ず業務で使うものの、同製品にはまだ触れたことがないという。そこで今回、「Ink & Slide」初体験のSさんに、タッチアンドトライを行ってもらった。まずSさんが着目したのは、パッケージのできばえ。製品写真が印刷されたスリーブを外すと、透明なインクで立体的にCreative Cloudのマークが控えめにあしらわれている点に注目していて、その細やかな仕様には「アドビらしいデザイン」と一言。本体を収めているプレートも傾斜がつけられ、スムーズに出し入れができるようになっていることに対して、「ユーザーへのデザイン面からの配慮は、実務にあたっているデザイナーにとっても好ましく見えます」と語った。○「Ink & Slide」を"実務"で使うシーンを考えるSさんは普段、雑誌や企業広報誌などのエディトリアルデザインを手がけている。そのため、iPad対応ペンのレビューに多く見られるイラスト描画による使用感ではなく、何よりもデジタル定規「Slide」に興味を示していた。というのも、Sさんにとって、定規は実務を行う上で手放せないツールだからだ。ページレイアウトのラフを引く時には必ず定規を用いるため、直線を引くという行為が日常の仕事に根付いているという。それから、Sさんは「Illustrator Line」を立ち上げ、右手にデジタルペン「Ink」、左手にデジタル定規「Slide」を持ち、まずはSlideで直線を何度か描いた。それから、Slideに搭載されているボタンを押すことで、直線のガイドが円や三角形のものに切り替わる動作を試すと、「スムーズに切り替えられて使いやすいですね」とコメントした。その後、線や図形をいったんすべて消してしまうと、Sさんは直線を引いて画面中央に長方形を描き、何か細かく書き込み始めた。聞くと、これは仮想のページレイアウトのラフだという。普段はノートに手書きでラフを描いて、その後InDesignで実際のレイアウトなどを決めて行くということで、最初のラフと実際の作業との間には、デジタルとアナログの壁ができているそうだ。最後に、今回のタッチアンドトライの感想を聞いたところ、仮想のラフをある程度描き込み終えたSさんは、「もしもプロジェクトに参加しているメンバー全員にiPadとこのデバイスが支給されたら、Creative Cloud経由でラフのデータを共有して、遠隔地にいる人との確認作業が可能になるかもしれません」と、デジタルならではの利便性に言及。続けて、「Illustratorと連携できるのも便利そうですが、個人的にはInDesignと連携するアプリが出てきたらかなり嬉しいですし、業務のフローに組み込めて便利そうです」と、ラフの「デジタル化」と、アドビがアプリケーションやサービスをクラウド化したことによって可能になったシームレスな「共有」に期待をこめていた。ちなみに、アドビの技術をアプリに組み込むことを可能にする「Creative SDK」の配布によって、今後続々と「Ink & Slide」に対応したサードパーティアプリが登場することが予想される。その中に、Sさんが語った「InDesign連携のモバイルアプリ」が登場することもあり得るかもしれない。デジタルペンによる描画と言えば「イラスト」というイメージが強いが、エディトリアルデザインをはじめとしたその他の分野でも、このツールが生かされるようなアプリが登場することを期待したい。
2014年12月03日エイベックスは、作曲家、トラックメーカー、リミキサー、DJ等を募集する「クリエイター・DJオーディション」を開催している。音楽ジャンル、プロアマ、経験、実績等は不問。優秀者には、プロデビューへのチャンスが与えられるほか、楽曲制作またはDJコースのレッスンを無償提供される。エントリーの締め切りは来年2月15日。審査費用は無料。同オーディションは、エイベックスが若い才能を発掘すべく、J-POP、アニソン、ボカロから、EDM、HIP HOP、R&B、ハウス、テクノ、ダブステップといったクラブサウンドまでジャンルを問わず、クリエイターやDJを募集するもの。優秀者には、同社所属アーティストへの楽曲提供やリミックスのチャンスが与えられるほか、国内外トッププロデューサーやライターとの共同楽曲制作、レーベルのディレクターによる制作ディレクションなどの機会も与えられる。さらに副賞として、DJスクール「International DJ & Production School」(東京都・千代田区)の楽曲制作コースまたはDJコースのレッスンを半年間、無償提供されるなど、トップDJやプロデューサーとしてのプロデビューに向けてのバックアップが約束されている。エントリー希望者は、2015年2月15日までに同オーディションの特設サイトの下部にある「エントリー」ボタンから、写真や楽曲、動画ファイルをアップロードするとともに、設置された入力フォームにて必要事項を送信する(郵送不可)。応募終了後、3週間~1か月以内に一次通過者のみに連絡され、全国5都市の会場(札幌・東京・名古屋・大阪・福岡)で面談審査が行われるということだ。
2014年11月25日現在、様々な会社から発売されているスタイラスペン。ペンタブレット「Intuos」や「Cintiq」シリーズを展開する、クリエイター御用達のメーカー ワコムからも「Bamboo Stylus solo」「Bamboo Stylus duo」、「Bamboo Stylus fineline」、「Intuos Creative Stylus 2」といった数種のスタイラスペンが販売されている。今回はこれらの製品に対する同社の想いを、マーケティング担当者である則行あかね氏に聞いた。――iPhone6が発売され、画面サイズが大きくなりました。よりスタイラスペンの需要が増してきたなか、9月に4つの新製品を発表されましたね。はい。第3世代目となるBamboo Stylus solo、Bamboo Stylus duoと新しくペン先の細いタイプで筆圧感知をするBamboo Stylus fineline、Intuos Creative Stylus 2を発表しました。今回のBamboo Stylus soloとduoで、目新しさはペン先ですね。導電繊維を使っているので、滑らかさが増したのと、摩擦が少なくなるので、かなり耐久性もアップしました。それから、第2世代はペン先の細さを追求し5ミリだったものを6ミリに変更しました。これは近年様々なデバイスが発売されていて、それらのデバイスに幅広く使えるように最適化を図った結果です。――使われている導電繊維もワコム独自のものを採用されているとのことですが、その理由は?他社のものを利用することもできたのですが、今回はナイロンに炭素粉末を混ぜた特殊な繊維を、ワコムオリジナルで開発しました。そこにこだわった理由はやはり滑らかさと耐久性にあります。当社の検証結果ではこれまでの自社スタイラスペンの10倍ほどの耐久性を実現しています。スタイラスペンというと、絵を描いたり、文字を書いたりすることを想像される方が多いのですが、実は一番多い使われ方としては、画面のナビゲーション操作なのです。操作をする上でのスムーズさを追求したことと、ゴム素材だと画面にタッチした跡が残りやすいなどの課題を改善するため、オリジナル導電繊維を採用しました。――そのほか、たくさんある他社のスタイラスペンとの違いは?ひとつのペンを永く使っていただきたいので、当社の製品は基本的にペン先が交換できるようになっています。壊れてしまったら新しいものを購入いただかないといけない製品が多い中、ペン先が交換できる製品はめずらしいですね。交換用のペン先も他社よりお求めやすい価格でご提供しています。――デザインに関してもこだわりはありますか?第3世代Bamboo Stylus soloとduoに関しては1枚のアルミ板をプレスして作っているデザインが特徴です。また、書くことに集中できるデザインがテーマでしたので、ペン先の形状をよりアナログなペンらしさを実現するということを意識して開発しました。実はこの製品は、全世界共通して“Made in Japan”なんです。我々の製品はその製品によって商品企画やデザイナーのメンバーが違うのですが、今回は商品企画もデザイナーも日本人が担当しています。――iPad向けの極細スタイラスペン「Bamboo Stylus fineline」の特徴は?大きく分けて5つあります。やはり一番の特徴は細いペン先です。その細いペン先でより自然で滑らかな書き心地を実現させるため、ペン先に“ポリアセタール”という樹脂を使っています。ふたつ目は対応するアプリケーションをご使用いただくことで活用いただける筆圧感知です。よりアナログに近い感覚をiPad上で再現できるようにこだわっています。3つ目は対応するアプリケーションによって異なるのですが、サイドスイッチの割り当てです。例えば当社が開発しているBamboo Paperでは、サイドスイッチに消しゴムを割り当てることで、ペンを選択しておきながらも、サイドスイッチを押したまま操作をすることで消しゴムとして使うことができるのです。アンドゥなどに設定することもできるのですが、デジタルならではの機能だと思います。4つ目は、パームリジェクション機能です。対応しているアプリで、パームリジェクション機能に対応している場合、手を画面につきながらペンを使ってもペンに優先して反応するため、誤動作なく作業ができるようになります。最後に、2時間の充電で約26時間の連続使用ができることも特徴ですね。充電が必要となるスタイラスペンの中ではかなり長いほうだと思います。――クリエイター向けのハイエンド製品にあたる「Intuos Creative Stylus 2」の特徴は?デザインは「Intuos Pro」のペンを踏襲したもので、“フレア形状”と呼ばれる持ちやすさが特徴ですね。クリエイターの場合、長時間使用になるので持ちやすさに対する要望が強いのです。また、前機種ではペン先の素材はゴムで6mm径でしたが、使う方の好みもありますが、径が太いと描く際に描画される線とペン先との位置関係が分かりづらいという声もありました。ペン先の材質をゴムから樹脂に変更することで、ペン先の太さを細くするとともによりアナログのペンに近い形状にすることができました。それから、この製品とBamboo Stylus finelineは1本1本工場でスペック通りの筆圧感知が出ることを確認し、SDKを介してきちんと表現できるように調整してから出荷しています。そこは当社のこだわりですね。――今回からバッテリーが乾電池ではなくなっていますよね。そうです。乾電池を入れると後ろが重くなってどうしても書く際にバランスが悪くなってしまっていたのが改善されました。USB経由で充電できるコネクタを仕込んであります。――クリエイターの方が独自でグリップを作って換えたりカスタマイズしている方も多いのですが、メーカー側で純正の商品を発売するということは考えていないのでしょうか。技術的な制約がない限りはやってみたいとは思っていますが、スタイラスペンでのグリップというのは今のところはないですね。Intuos Proの場合はグリップが太いものもあります。――デジタルペンのこれからのあり方についてワコムとしてはどのように考えていらっしゃいますか?紙を完璧になくすべきだとは思っていません。紙は紙で良い部分がありますし、それを踏まえた上でデジタルペンの便利さを提供していきたいと考えています。例えば、アナログのペンにも種類がたくさんあるのと同様に太さやデザインが異なる製品を提供したり、ノートの代わりとなるアプリなど使用環境も踏まえて開発を行っています。今回発売したBamboo Stylus finelineのようによりアナログっぽさを体感できる製品を、今後も開発していきたいと思っています。――ビジネス用途での筆圧感知機能の搭載にはどのような意図があるのでしょうか。これまでも紙にメモを書く時に意識はしていなくても薄い字があったり、太い字があったりしますよね。それをデジタルでも表現したいというのが当社のこだわりなのです。筆圧感知はイラスト制作のための機能だと思われがちですが、我々としてはデジタル上でアナログを再現させるひとつの要素であると考えています。なくてもいいという方もいらっしゃると思いますし、実際社内でもなくてもいいのではないかという議論もありました。私自身も最初はなくてもいいのかなと思っていたのですが、アナログで書いている時は、少なからず筆圧は関係しています。それをあえてデジタル上でなくす必要はないよねという結論に至りました。――ありがとうございました。クリエイターがより繊細なタッチを再現するために磨いてきたと思っていた筆圧感知機能を同社では「デジタル上でアナログを再現させるひとつの要素」と表現したことが非常に興味深かった。タブレットPCやスマートフォンなど、"紙"に代わるデバイスは数多く生まれているのに対し、"筆"に代わるものがあまり生まれていない現状。この状況をどう打開していくのか、今後のワコムに期待したい。
2014年11月15日マイナビニュースは、クリエイティブに携わる人の制作・業務中の"あるあるネタ"をテーマとした川柳を募集するコンテスト「クリエイター川柳」のグランプリ作品を決定した。同コンテストでは、クリエイティブ職の人からそれを目指す学生まで、制作・業務中にありがちな事柄に関する川柳を募集。得票数上位の作品を編集部内で審査した結果、Webデザイナーの悲しい熱帯魚さんの作品「エクセルで 画像を送るな パワポもな!」が選ばれた。賞品として、マイナビニュース内の人気コンテンツ「デザイナー 哀の劇場」作者である漫画家のまずりん先生による、世界でひとつだけのSNS向けアイコンが贈られる。ちなみに、選出理由としては、クリエイターの制作現場でよくありがちな場面を切り取っていること、川柳自体の語気の強さと裏腹なコミカルかつ腰の低いコメントなどが挙げられた。なお、そのほかのクリエイター川柳についても特設ページから見ることができるので、現在クリエイティブに携わっている人も、逆にクリエイターへ依頼を行う側の人も、悲哀が込められた川柳の数々を読んでみてほしい。
2014年06月24日ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニーL.L.Cは28日、沖縄県名護市喜瀬に「ザ・リッツ・カールトン沖縄」をオープンする。ホテル「ザ・リッツ・カールトン」の世界78番目の開業。日本では大阪、東京に続いて3番目、初のリゾートホテルとなる。県内の金秀リゾートが昨年9月1日をもって営業を終了した「喜瀬別邸ホテル&スパ」を、コンバージョン(転換)プロジェクトとして約12億円かけて改装した。客室全97室のほか、3つのレストランやバー、ラウンジ、スパなどで構成される。また喜瀬カントリークラブ内に位置しており、海を見下ろす18ホール チャンピオンシップ コースに三方を囲まれている。「ザ・リッツ・カールトン スパ by ESPA」では、10室のトリートメントルームと風化珊瑚礁タイル岩盤浴、フィットネスジム、屋内プールを備え、トータルなスパ体験を提供。最高品質の植物エキスやマリンアクティブなどを原料とした英国ESPAブランドの製品が取り入れられているという。記者発表会で同ホテルの総支配人・吉江潤氏は、「日本で一番のラグジュアリーリゾートを目指す」と意気込み、「まだ沖縄に行ったことがない、という人にも訪れていただいて沖縄の観光業全体が盛り上がれば」とコメントした。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月19日リヴ・タイラーにより、新たな魅力が与えられた限定品ジバンシイは、ジバンシイを代表するフレグランス「ヴェリィ イレジスティブル ジバンシイ」のミューズ、リヴ・タイラーにより、新たな魅力が与えられた限定品「ヴェリィ イレジスティブル ジバンシイ エレクトリック オーデトワレ」(50mL 8,925円)を、5月2日より限定発売する(伊勢丹 新宿本店、阪急 うめだ本店、ジェイアール名古屋タカシマヤ で、4月18日より先行発売)。、「カリスマティックな魅力にあふれた現代の女性にふさわしい香り」「エレクトリック オーデトワレ」は、「ヴェリィ イレジスティブル ジバンシイ」が持つ、エレガントなバラの世界に、リヴ・タイラーが表現するロックの世界が融合した「エレクトリック」という名の新たな香りで、「意思が強く、カリスマティックな魅力にあふれた現代の女性にふさわしい香り」という。香調:フローラル・アロマティック・ウッディ〈トップノート〉フルーティなアクセント/ブルーベリー、レモン、バーベナ〈ミドルノート〉華やかなバラのブーケ/ローズ・ブーケ、スターアニス、スミレ〈ラストノート〉忘れられない痕跡/セダーウッド新作フレグランスのプロモーション映像にはリヴ・タイラーが出演、自らの歌声を披露。リヴ・タイラーが歌う『Need You Tonight』は、4月25日にジバンシイWEBサイトにて映像公開予定としている。なお、YouTubeのジバンシイ公式チャンネルでは「Givenchy Liv Tyler Need You Tonight video clip」を、すでに公開中。元の記事を読む
2012年04月08日木村拓哉主演の話題作『SPACE BATTLESHIP ヤマト』の主題歌を人気バンド「エアロスミス」のボーカル、スティーヴン・タイラーが歌うことが明らかになった。1970年代にTVおよび劇場版アニメで空前の“ヤマトブーム”を生み出した伝説的作品の実写映画化作品。正体不明の敵・ガミラスの襲来により放射能で汚染された地球を救うべく、遥か彼方のイスカンダル星へと向かう宇宙戦艦ヤマトの戦いの旅路を描く。今回、山崎貴監督をはじめ、映画製作陣がタイラーサイドに熱烈なオファーを送り、その熱意と作品の持つ世界観にタイラー自身が感銘を受け、主題歌「LOVE LIVES」を書き下ろした。タイラーにとっては記念すべき初のソロプロジェクトであり、エアロスミスとしてリリースしたアルバム「JUST PUSH PLAY」のプロデューサーを務めたマーティ・フレデリクセンとタイラーの再タッグが実現。セリーヌ・ディオンなどの楽曲を作曲したキャラ・ディオガルディを加え、バラード調の主題歌を作り上げた。山崎監督は、今回の決定に際し「大好きなスティーヴン・タイラーが『ヤマト』の主題歌を歌ってくれるのはそれだけでとても嬉しいことだったのですが、何より特筆すべきはこの曲が『ヤマト』のためのオリジナルな書き下ろしだということです。彼がこちらからのオファーに真摯に応えてくれて、共に悩み、共に戦ってくれたことは僕らの勇気になりました。『ヤマト』の世界観を理解しようとするその姿勢には本当に頭が下がる思いでした。本当の意味でのコラボレーションができたことを幸せに感じます」と喜びのコメントを寄せてくれた。1998年の映画『アルマゲドン』のメインテーマでエアロスミスによる「ミス・ア・シング(I DON’T WANT TO MISS A THING)」は映画と共に大ヒットを記録し、タイラーはその歌声を全世界に響かせたが、今回の「LOVE LIVES」はどのような楽曲に仕上がっているのか?「LOVE LIVES」は11月24日(水)リリース。『SPACE BATTLESHIPヤマト』は12月1日(水)より全国東宝系にて公開。■関連作品:SPACE BATTLESHIP ヤマト 2010年12月1日より全国東宝系にて公開■関連記事:ビョンホン、主演ドラマの声優、藤原竜也と初対面「好きな俳優、嬉しい」阿部寛山下達郎の音声メッセージに「本当に山下さん?」
2010年09月17日