若手俳優の男女8人が、共同生活を送りながら男女ペアで6つの恋愛ドラマの主演をかけてオーディションに挑む!しかもドラマには、毎回キスシーンが…。そんなNetflixのリアリティシリーズ『韓国ドラマな恋がしたい』に出演している山下リオさん。追い込まれた状況での優しさにいつも以上にキュンとしました。「このシリーズのことは、以前から知っていました。『恋愛ドラマな恋がしたい in NEW YORK』に出ていた方と帰国直後に現場で一緒になって、『キスとか恋愛とかいいじゃ~ん』なんて冷やかしていたんです(笑)。そのオファーがまさか自分にくるとは!驚きましたが、新しいお仕事に挑戦したいタイミングだったこともあり、すぐに心を決めました」今シリーズの舞台は韓国。共同生活を送る俳優陣は、韓国と日本の俳優8人。韓国人俳優の一人が日本語を話せるものの、そのほかのメンバーは相手の国の言葉をほとんど理解することができない。日常会話は、スマホアプリの翻訳機能でのやり取りだ。「直接会話はできなくても、それでかなりコミュニケーションはとれていたと思いますよ。でも、みんなと打ち解けられるようになったのは、共同生活を始めて半月以上経ってから。最初にペアを組んだ男性以外の異性と話すのは、自分のパートナーにも、ほかの女子メンバーにも悪い気がして…」この番組のキモは、男女ペアになって、ドラマ主演のためのオーディションに挑むこと。オーディションは6回あり、ペア決めは男性が話し合って女性を選ぶなど、毎回方法はさまざま。それによって、誰が誰のことを気になっているのかも浮き彫りになり、回を追うごとにメンバーの感情が揺さぶられていく様子が伝わってくる。「私は仕事と恋愛を分けて考えてきたタイプ。キスシーンもたくさん演じてきましたし、演技の恋が本気に変わるなんて、あり得ないって思っていたんです。でも今回は、恋愛リアリティ番組ということで、せっかくなので恋をしたいとも思っていました。それにいつもなら相手役の俳優さんと撮影が終わったら現場で別れるのに、ここでは共同生活をしているので、家に帰っても一緒。オーディションに受からないなどそれぞれ追い込まれることもあるなか、自分を飾る余裕がなく、本質的な部分が出やすい状況ではあったというか…。そういう時のふとした気遣いや優しさに、普段以上にキュンとしたところはあると思います」これまで「空気を読んで行動することが多かった」という山下さんが自分の殻を破り、恋模様に波乱(!?)を起こす展開にも要注目。また、今作は韓国の人気ドラマを手がけたスタッフなど韓国クルーがドラマ制作を担当しているのも大きな見どころ。いま勢いのある韓国エンタメの制作現場とは?「監督から裏方さんまでチームの連携がきっちりとれている。無駄な動きがなく、圧倒されるほどでした。でも、“演じる”という部分では日本と変わらず、私が感情に乗り切れなかったと思うところは監督も同じように気づいてくださるなど、言語が違っても通じ合える。海外作品への挑戦も遠いことではないと感じられました」この番組に出演して得られたことは、さまざまあるという。「女子メンバーとは役を掴むうえでも恋愛でも、時にライバルに。でも、そうならざるを得ない状況はお互いに理解していたので、負の感情は抱かなかったし、むしろ素の自分を見せ合ったことで、今もみんなで遊ぶほどの仲になれました。視聴者の方々には、私たちのリアルな人間くささを楽しんでいただけたらと思います(笑)」『韓国ドラマな恋がしたい』恋愛リアリティ番組『脱出おひとり島』『あいの里』を送り出してきたNetflixが、『恋愛ドラマな恋がしたい』シリーズのABEMAとタッグを組み制作。韓国ソウルを舞台に、若手俳優の男女8人が演技に恋に奮闘する姿を、スタジオMCの近藤春菜さん、あ~ちゃん、福徳秀介さん、小森隼さん、谷まりあさんが見守る。韓国男性のアツさも。最終回は12月26日配信。全12話。Netflixシリーズ「韓国ドラマな恋がしたい」独占配信中やました・りお1992年10月10日生まれ、徳島県出身。10代からCMやファッション誌のモデルとして活動。代表作は連続テレビ小説『あまちゃん』や、映画『寝ても覚めても』など。今回参加した女性メンバーの中では最年長で、大のお酒好き。ワンピース¥60,500ピアス¥42,900(共にハイク/ボウルズ TEL:03・3719・1239)右手のリング¥18,040左手のリング¥13,750(共にバルブス/ズットホリック)ブーツ¥50,600(オールセインツ/エイチスリーオーファッションビュロー TEL:03・6712・6180)※『anan』2023年12月27日号より。写真・吉松伸太郎スタイリスト・仮屋薗寛子ヘア&メイク・北 一騎(Permanent)取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2023年12月24日いま注目を集める俳優の一人、古川琴音さんが、『みなに幸あれ』でホラー映画に初出演。今作でタッグを組んだ下津優太監督と、作品の魅力や演技のことなど語り合いました。映画『みなに幸あれ』が切り拓く新しいJホラーの世界。――下津監督は、今作『みなに幸あれ』が商業映画監督デビュー作です。なぜホラーというジャンルを選ばれたのでしょうか。下津:そもそもになりますが、KADOKAWAが主催する日本ホラー映画大賞に今作の前身となる短編作品を応募したところ大賞をいただき、その副賞として長編化することに。コンペがあったのが大きいですが、日本のホラー映画というと、清水崇監督と中田秀夫監督というツートップの方々がいて。また、ホラーは言葉がなくても伝わるので、一番世界に出ていきやすいといわれているジャンルでもあり。お二人を超えること、そして世界でお仕事ができることを目指した、という感じです。――古川さんはホラー初出演です。古川:割とホラー映画を観ていて、結構好きなんだなと思っていたので、本当に楽しみにしていました。台本を読むと楽しみな気持ちが増幅(笑)。後味が悪い不気味さが、他ではあまり感じたことがないもので、なんか新しいなと。根底にある“誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている”というテーマも、現実と少しリンクしていて、いろいろ考えさせられました。下津:始まりは「地球上感情保存の法則」という都市伝説で。この世の家畜や動物などを殺すことで地球上に負の感情がたまり、それにより人間は負の行動を起こしてしまう。幸せな人と不幸な人の数を足すと0になるという内容ですが、もし本当ならば、意図的に不幸な人を作り出せば幸せを得ることができる、という設定のもとに作りました。古川さんがおっしゃったように、映画を観ていると、“こいつら気持ち悪い”って思うけど、ふと立ち止まって考え直すと、僕たちもこういうふうに生きてるかもしれないなと思うはず。古川:自分ごととしてとらえられる、身近な怖さですよね。下津:動物を食べるのをやめろというわけではなく、辛い現実を受け入れていくことの大切さがテーマです。たとえばいじめは悲しいし絶対にダメなことだけど、残念ながら、なかなかなくならない。「いじめは存在してはいけない」という理想を掲げすぎたために、いじめが隠蔽されることがあると思っていて。辛い現実が存在することをきちんと受け入れた上で理想を描き続けることが大事だなと。――完成した作品を観た感想を教えてください。古川:台本を読んだ時は怖いと思ったけど、映像で見ると、こんなにめちゃくちゃでカオスな映画だったんだ、と。楽しかったです。下津:気持ち悪い映画ですね。後味が悪そうで、やっぱり悪い(笑)。――演じる上で大事にされたことは何ですか?古川:監督がフレッシュな反応を大切にされているように感じて。リハーサルをあまり重ねず、サプライズ的な演出もたくさんありました。部屋の一角を隠した布をめくるシーンがあるんですけど、めくったところに何があるのかを本番まで見せてもらえなかったり…。お芝居をする時は、相手の反応を受けてから自分の反応を出すので基本、少しラグがあるんですけど、めくった瞬間に叫び声が何より最初に出て。あ、これが自然な反応なんだとびっくりしました。何か気になった時に質問をすることはあったんですけど、「わからないまんまやってください」と言われたのが、印象に残っています。下津:本当に古川さんだからできたことです。今回は時間がなく、ほとんどがワンシーンワンテイクで進めていって。だから、感覚的な部分を共有できていたのは大きかった。自分のビジョンを持って現場に入られて、これこれ!と思う演技を毎回してくださるんです。変な言い方ですけど、これが本物の俳優なんだなと感じました。古川:よかったです…!私は監督の長編1作目に出られたことがよかったなと思っています。多分、監督は、いろいろ実験をしながら撮影していたと思うんです。きっと、これから作品を撮っていくにつれて、いろいろな制約がかかり、できなくなることもあると思うので、貴重な体験をさせてもらえたなと。大変なこともあったんですけど、すごく楽しかったです。――キャスティングはどうされたんですか?下津:ほとんど、撮影をした福岡県在住のキャストさんでやらせていただいて。おばあちゃん役の方は、本当に演技初挑戦というくらいだったんです。素人感って一番難しくて、なかなか出せないものですから、そこを生かしながらやっていきました。古川:「こんな感じでいいのかしらね」っておっしゃっていて。下津:ははは。古川:でも、そのよくわかっていなさも不気味で。セリフで怖がらせようとか、何の邪心もなくて、すごくいいなって思いました。各々の自由なタイミングでセリフを言っていて、なんなら、「あ、次、私だっけ」みたいなこともあって(笑)。それゆえに生まれる微妙なバランスみたいなものが不気味さに繋がると思ったので、私もお芝居をしないようにしようと思っていました。と言いつつも、物語を引っ張っていくのは主人公の自分なので、ある程度の感情の運びというのは考えてくるんですけど。現場では自分のイメージを超えてくるものがたくさんあったので、結果的に、ほとんど何も考えずにやっています。――普段は演技経験の豊富な役者さんとの共演がほとんどだと思いますが、やはり違うものですか?古川:いつもは自然にお互いの呼吸を合わせていたりと無意識のコミュニケーションをしているんですけど、そうしたテンポを超えた何かを出せるのが、経験がない方の強みなんだと感じました。下津:結果的にうまく転んでよかったなと思います。『みなに幸あれ』看護学生の孫(古川琴音)は、ひょんなことから田舎に住む祖父母のもとへ。はじめは家族水いらずで楽しく過ごすも、家に“何か”がいることに気づき、追い込まれていく。“誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている”というテーマが根底に流れる作品。「日本ホラー映画大賞」大賞受賞作品の映画化第1弾。清水崇監督が総合プロデュースを担当。2024年1月19日から全国の劇場で公開される。ふるかわ・ことね1996年10月25日生まれ、神奈川県出身。2018年デビュー。NHK特集ドラマ『アイドル』や、NHK大河ドラマ『どうする家康』、映画『偶然と想像』『スクロール』など、数々の作品に出演して話題を呼んでいる。ぼたんを演じる『幽遊白書』(Netflix)が現在配信中。出演映画『言えない秘密』が2024年夏に公開される。ドレス¥96,800(3.1 Phillip Lim/3.1 フィリップ リム ジャパンcustomercare@31philliplim.co.jp)ネックレス、ショート¥74,800ロング¥100,100(共にe.m./イー・エム アオヤマ TEL:03・6712・6797)しもつ・ゆうた1990年11月9日生まれ、福岡県出身。CMやMVの企画・監督をする傍ら、映画の制作を行う。これまでに「ショートホラーフィルムチャレンジ」大賞、「第1回YouTubeホラー映画祭」特別賞など、コンペティションでの受賞歴多数。『みなに幸あれ』は上海国際映画祭をはじめ、さまざまな国際映画祭に出品されている。※『anan』2023年12月27日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・伊藤信子ヘア&メイク・伏屋陽子(ESPER)インタビュー、文・重信 綾(by anan編集部)
2023年12月23日ドラマ『となりのナースエイド』に出演する川栄李奈さんと高杉真宙さん。本作の魅力から、過去にハマったテレビドラマ、注目のエンタメまで伺いました。川栄李奈さんと高杉真宙さんが挑む、めくるめく医療エンタメ。――それぞれどんな役柄を演じるのか教えてください。川栄李奈さん(以下、川栄):私が演じる桜庭澪は、ナースエイドという、医療行為は行えないのですが、患者さんと一番近い距離でおむつ交換や入浴の介助などをする看護助手です。とにかく医療が好きな、パワフルで前向きなキャラクターですね。高杉真宙さん(以下、高杉):僕は天才外科医、やらせてもらってます(笑)。医療に関しては超一流で近寄りがたいんだけど、プライベートはダメダメ。このキャラクターも作品全体も、コメディとシリアスな部分が混在しているところが魅力ですね。――放送作家・オークラさんの脚本を読んだ感想は?川栄:病院を舞台にしたお仕事ドラマかなと思ったら、1話の後半から2話にかけてミステリー要素が入ってきて。物語の波が大きくて、引き込まれました。高杉:波が大きいがゆえに、見てる人を戸惑わせるかもしれないんですけど、僕はそれでいいと思ってて。今は、リアルであることがいいという風潮が強いですけど、必ずしもそうでなくてもいいんじゃないかと。展開に翻弄されながら、楽しんでほしいですね。川栄:オークラさんはコントを書いていらっしゃるから、テンポが絶対に大事になってくる掛け合いが多いのも、らしいなって。高杉:この取材の前にあった川栄さんとの本読みで、テンポがすごくきれいだと思った。川栄:そもそも、オークラさんが書くセリフが言いやすいんです。――ドラマを見られるプラットフォームが増えた今だからこそ、テレビで放送されるドラマを作るよさをどう感じますか。川栄:私は子供の頃から毎朝、新聞のテレビ欄をチェックするくらい、テレビっ子だったんです。ドラマを楽しみに生きてるみたいな(笑)。家族も好きだったので、家族団欒、気軽に見られるのがテレビドラマのよさなのかなって。高杉:家族しかり、いろんな層に届くことに、テレビドラマの価値があるのかなって思いますね。川栄:たくさんのドラマの中から見てもらうためにも、まずは“気になるドラマ”にならないと。高杉:演者は、いいものを作ること以外は、こうやって作品のよさを伝えることしかできないから。そこは精一杯頑張りたい。――同世代のお二人なので、学生時代に流行ったドラマも共通かと思うんですが。高杉:小さい頃から、朝起きたらアニメをつけて、学校から帰ってきて寝るまでずっとアニメで…。川栄:『ごくせん』とか流行ったよね?『ROOKIES』とかめちゃくちゃ盛り上がったじゃん。高杉:『ROOKIES』は地元で唯一、自分から観に行った映画だけど、ドラマを見てなかったから全然わからなかった(笑)。でも、山下智久さんと堀北真希さんの『クロサギ』は、母親に「見せて」って泣いて懇願したくらいハマった!悪が悪を倒す構図がアニメみたいで、面白かったな。川栄:私が人生で一番面白いと思ったのは『ヤンキー母校に帰る』。熱い思いを持った先生がグレた子を更生させる物語に、子供ながらに感動したな。――最近、注目しているエンタメはありますか?川栄:共演した高校生から「ニュースもTikTokで見てる」って聞いて、チェックするようになりました。ニュースにも字幕がついてるし、コンパクトでわかりやすいですね。公式TikTokで“主題歌踊ってみた”とかやってるドラマも多いですし、若い子たちは、そこから入ってドラマを見てくれるのかなって。注目してるエンタメは?高杉:これからの話になっちゃうけど、美術館や博物館に行きたいとは思ってる。川栄:願望で答えるのは、ちょっとずるくない!?高杉:“注目してるエンタメ”という質問の答えにはなってる!YouTubeで、美術は時代背景がわかると楽しいみたいなショート動画が流れてきて、作品に込められていることを知りたいと思いつつ、まだ行けてないです(笑)。『となりのナースエイド』大学付属病院に新たに配属された新米ナースエイド・桜庭澪は、患者ファースト。一方で、天才外科医の竜崎大河は技術至上主義。事あるごとに揉める二人だが、患者を救いたい思いを共有し、距離を縮めていく。やがて、澪の隠された正体が明らかに。原作は現役医師でもある知念実希人による同名小説。1/10より毎週水曜22時~、日本テレビ系にて放送。かわえい・りな1995年2月12日生まれ、神奈川県出身。NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』ヒロイン出演をはじめ、数々のドラマ、映画、舞台に出演。来年3月11日より上演される舞台『千と千尋の神隠し』に主演のひとりとして参加。3月15日公開の映画『変な家』、6月14日公開の『ディア・ファミリー』など予定。ブラウス¥90,200(トリー バーチ/トリー バーチ ジャパン TEL:0120・705・710)スカート¥22,000(ラコステ/ラコステお客様センター TEL:0120・37・0202)シューズ¥23,980(スタッカート/バロックジャパンリミテッド TEL:03・6730・9191)ピアス¥48,400ハートリング¥37,400リング¥80,300(以上アリータ/ブルーベル・ジャパン TEL:03・5413・1050)たかすぎ・まひろ1996年7月4日生まれ、福岡県出身。2009年にデビューし、‘13年、『仮面ライダー鎧武/ガイム』でブレイク。ドラマ『賭ケグルイ』(MBS)、『PICU 小児集中治療室』(フジテレビ)、映画『東京リベンジャーズ』シリーズなど、数々の話題作に参加。来年の大河ドラマ『光る君へ』には、紫式部の弟・藤原惟規役で出演。シャツ¥41,800(エイク/エイクショップinfo@eyck-tokyo.jp)その他はすべてスタイリスト私物※『anan』2023年12月27日号より。写真・KAZUYUKI EBISAWA(makiura office)スタイリスト・武久真理江(川栄さん)菊池陽之助(高杉さん)ヘア&メイク・KUMI(Lodge coop/川栄さん)堤 紗也香(高杉さん)取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年12月23日人間の負の感情から生まれる呪いと、それを祓う呪術師との戦いを描いた同名漫画を舞台化した『舞台「呪術廻戦」』。昨年初演され、そのビジュアルで大きな話題を呼んだのが、三浦涼介さん扮する五条。生身の人間が演じるライブ感を大事にしている現場だなと感じます。「もともと兄が原作のファンでしたし、同じ業界にもファンの多い作品ですから、最初はすごくドキドキでした。だからビジュアルが解禁されて、周りから好意的な反応をいただいて、最初の一歩で背中を押してもらえたような気がしました」役柄としては主人公の虎杖(いたどり)たちが在籍している東京都立呪術高等専門学校の教師だが、「自分が勉強させてもらうことが多かった」と語る。「経験豊富な方々ばかりで、集中力がすごいんです。とくに虎杖役の佐藤(流司)さんは求められていることをキャッチする能力が素晴らしいし、体も動く。しかも、いい意味で原作に縛られすぎず、ライブ感をとても大事にされている。当初は原作に忠実にと思っていたけれど、生身の人間が演じるからこその心の部分を大切にしていいんだなと」ただ、それでもやはりキャラクターとして、押さえておかなくてはいけない大事なポイントがある。「自分も原作を読んでファンになったからこそ、ここはこうあってほしいとか、ここは絶対に決めてほしいというポイントがあって、そこは意識しています。五条って適当な感じが面白いんですよね。上の人間に対しての口のきき方も失礼なんだけれど嫌みな感じはなく、何だか許せてしまう。彼自身が持っているチャーミングさが出ればと思っています」一方、三浦さん自身は「考えすぎてしまうタイプ」なのだとか。「だから五条さんに関しては、普段よりも役を決めていかずに、その場で受けたものを大事にするようにしています。ただ役の反動からか、適当な役をやっているときほど、部屋の掃除をいつも以上に几帳面にやってしまうことはあるかも(笑)」今回は「京都姉妹校交流会」と「起首雷同」の2つの物語が上演。「ひとりひとりのキャラクターだけでなく、家族愛とか兄妹愛も描かれていて、ワンシーンだけでも観る価値があるエピソードがちりばめられています。純粋に観て楽しい作品になっているのではと思います」『舞台「呪術廻戦」―京都姉妹校交流会・起首雷同―』虎杖(佐藤)を亡くした呪術高専は、伏黒(熊沢)や釘崎(山口)らが姉妹校交流会に向け特訓に励む日々。迎えた当日、五条(三浦)から驚きの発表が――。12月15日(金)~31日(日)東京・天王洲 銀河劇場2024年1月6日(土)~14日(日)兵庫・AiiA 2.5 Theater Kobe原作/「呪術廻戦」芥見下々(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)脚本/喜安浩平演出/小林顕作構成補佐/伊藤マサミ(進戯団 夢命クラシックス)出演/佐藤流司、泰江和明、山口乃々華、高月彩良、定本楓馬、寺山武志、南誉士広、立道梨緒奈、小柳心、梅津瑞樹、久家心、長谷川愛、竹内夢、塩田康平、平湯樹里、陰山泰、北村海、益川和久、小貫莉奈、青柳塁斗、三浦涼介ほか※泰江和明休演につき熊沢学が代演S席/S席サイドシート1万1000円A席(3階席)/A席サイドシート9000円ほか©芥見下々/集英社・舞台「呪術廻戦」製作委員会みうら・りょうすけ1987年2月16日生まれ、東京都出身。2002年デビュー。最近の主な出演作に、ドラマ『顔だけ先生』、舞台『オイディプス王』など。来年には舞台『儚き光のラプソディ』への出演も控える。※『anan』2023年12月20日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・村瀬昌広インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年12月20日注目の若手ガールを紹介するananのイットガール。ここでは、俳優の鈴木梨央さんに注目!物心がついた頃から、演じることに夢中です。芸能活動を始めたのは5歳の時。「ドラマが大好きで、セリフを暗記しては好きなシーンを再現して遊んでいました。芦田愛菜さんの演技を見た時に、私もテレビに出たいと強く思ったんです。人見知りで泣き虫でしたが、挑戦したいと母に必死に伝えたのを覚えています」12月15日公開のアニメーション映画『屋根裏のラジャー』は、想像の友達“イマジナリ”を題材にしたストーリー。鈴木さんはその物語の中心となる少女、アマンダを演じる。「私より9歳ほど下の年齢の役なので、自分が幼い頃の出演作を見返して、子供らしい表現を探りました。思い返せば、小さい頃ドラマごっこをしていた時、想像の相手役がいたんです。私にとっては、それがイマジナリーフレンドだったのかも!」サラダ作りにハマっています。野菜に合わせたチーズを入れてみたり。ドレッシングも手作りします。アロマキャンドルで睡眠前にリラックス。お気に入りはバニラ系。薄明かりのなか香りに包まれたら、もうぐっすり。大人な部屋を目指してインテリアを改造。コンクリート風のシートとフロアライトを導入したら、落ち着く空間に。すずき・りおNHK大河ドラマ『八重の桜』、ドラマ『Woman』など数々の話題作に出演。2024年4月26~28日上演の舞台『新生!熱血ブラバン少女。』への出演が決定している。※『anan』2023年12月20日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2023年12月20日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、共感できる相手がいる女性、「一緒にごほうびの会を楽しむ女」になりきり。好きなものを発信してごほうび仲間を見つけて。子どもが通っている保育園の近くにカラオケ店があって、2か月に一度くらいのペースで、保育園のママ友さんと集まっています。お互いに子どもを連れていき、ごはんを食べたり、カラオケをしたり。お祭り会場にあるような大きい滑り台などの遊具やおもちゃが充実しているので子どもたちも楽しく遊べるし、座席ではなくフラットシートな点も、すごくありがたいです。そこで、「今週も頑張ったね」とお互いをねぎらい合うのが本当に癒しの時間に。何回も、「お疲れ~!」と乾杯したくなります(笑)。子どもたちが同じ年齢なので、ぶつかる壁が似ていて、悩みを共有できることが多く、“うちも同じことがあったよ”と共感し合うことで、すごく気持ちが楽になります。彼女は、その日の夜ごはんを前日の夜に用意しておくタイプで、私は、その日の朝に作るタイプ。ごほうびの会の日は用意しなくていいので、お互いにバタバタして夜ごはんの準備ができなそうな時を狙って開催することも。そういう決め方ができるのも、似た境遇であったり、お互いの状況を理解しているからこそ。開催スケジュールが決まった瞬間からとにかく楽しみで、いろいろなことが頑張れる。私にとってはごほうびのような日になっています。私だけではなく、相手のママ友さんもごほうびだと思っていて、同じ温度感で喜んでくれていることもすごく嬉しいです!一緒にごほうびの会ができる人になるためには、身近に、ごほうびだと思うものの感覚が似ている人を探してみるのがいいと思います。自分にとって嬉しい食べ物が焼き肉だとしたら、喜んでくれそうな人を見つけて誘ってみる。逆に、「私はタイ料理が好き!」のように発信しておくと、声をかけられやすくもなるはずです。よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年12月20日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年12月19日日曜朝のテレビ画面いっぱいに広がるビッグボディ。ロバートの秋山竜次さんとアルコ&ピースの平子祐希さんが、体格ブラザーズとして自慢の体躯で笑いを生み出している。鍛えたりシェイプアップする代わりに、気の向くままに食べて寝る。そんな二人の体からは、ありのままのボディを全肯定してくれる、ポジティブなパワーが放たれていました。体格ブラザーズ(ロバート・秋山竜次×アルコ&ピース・平子祐希)――今回、「バランスバストのつくり方。」特集に合わせて、素晴らしいバストをお持ちの体格ブラザーズのお二人に登場いただきました。リュウ(秋山竜次):(シガールを葉巻のように指に挟んで)すみません、これ、やりながらでいいですか?ユウ(平子祐希):(ケータリングのおにぎりを手にとって)みなさんもね、食べながらやりましょう。――召し上がってください。さっそくですが、お二人はバストを仕上げるために何かされていますか?ユウ:「仕上げる」っていうのは何か作為的な言い回しだね。ちょっと乱暴だよな(おにぎりを食べる)。リュウ:今、答えが出てるじゃないか。どんなときも食い続けてゴロゴロして、ジムにも通わず欲望のままに生きる。それが良いバストが仕上がる秘訣なのかもしれねぇな。ユウ:だから、貪りが足りてないよね。バストっていうのは貪りが育むものなんだ。仕上げるとか鍛えるとか、俺らに言わせるとちゃんちゃらおかしいわけよ。リュウ:バストってのは脂肪も大事だからな。バキバキに鍛えて胸筋をつけるんじゃなく、人間らしい脂肪がある程度乗ってないと。――「鍛える」や「痩せる」ではなく、「体格」をポジティブワードとして使われているところにオリジナリティを感じます。「体格ブラザーズ」という名前を手に入れたとき、どう思われましたか?リュウ:自然と引き寄せられたんだろうね。普段は別のグループに属している俺たちがひょんなことから一緒になって、「おぉ、体格似てるなぁ。どういう食生活?同じじゃないか。年齢?同じじゃないか。通ってきたカルチャーは?同じじゃないか。兄弟じゃねぇか!」で、体格ブラザーズ結成さ。そう書けよ。――はい。ユウ:たまたま俺ら二人にそういう名称がついたのであって、これを読んでいる人たちには気づいてほしい。個々に異なっているけれど誰もが体格を持ち合わせて生きていて、何かを貪ってどこかに怠惰があって、必ず共通項がある。なりたいんだったら、お前らも明日から体格ブラザーズであり体格シスターズなんだよ(2つ目のおにぎりを食べる)。リュウ:これが俺たちのマジの姿なんだ。食いたいがままやってきた二人が出会ったら、メディアさんがそれを映像として映してくれて、そのうち反響が出てきてよ。今じゃ街で「体格ブラザーズだ」って言ってくる人も増えた。不思議なもんだよな。ユウ:シェイプアップだの筋トレだのがこれだけはやっている中で、言ってみれば反動分子だったんだ。地下で力を蓄えていたのが今こうして地上に出てきて、おたくらがそれをカメラで追っている。体格ブラザーズってのは現象なんだ。時代が生み出した化け物だよ。リュウ:すごいぜ、このユニットは。――お互いの体格で好きなポイントはありますか?リュウ:そりゃああるよ。ユウって、ラグビーをやっていた体がベースなんだよね。その上に脂が乗っかってる。ラグビーをやり続けたんじゃなくて、その後にダラダラした生活を送ったのが全部出てるっつうか。ユウ:ラグビーをやめ続けたらこうなれるね(サンドイッチを食べる)。リュウ:「いや、ラグビーやめたなぁ!」って感じ。昔の体が下に透けて見えるのがいいよ。ユウ:俺は「体格」って漢字を象形文字に戻したらグニャ~ッと曲がっていってリュウの体になるんじゃねぇかなって思ってるよ。昔の中国で漢字を考えた偉い学者さんたちがいるとしたら、リュウのような体の持ち主を描写して「体格」って文字をつくったんだと思う。それぐらいオリジンだよね。リュウ:言いすぎだよ。ありがとうな。俺は銭湯でおっさんに「体格いいなぁ!」って言われたくて生きているから、「体格」イコールこの体っていうのは嬉しいよ。鍛えている人のことも「体格がいい」って言うけど、やっぱり風格がないとダメなんだ。「格」って文字があるんだから。それってつまり、ほどよく腹が出て脂が乗った恰幅の良さなんだよ。――秋山さんの「体モノマネ」のように、芸人さんにとって体格はひとつの武器になると思います。体格と笑いの関係をどう捉えていますか?ユウ:体格の膨らみって表現方法の膨らみでもあるのよ。ガリガリにできること、筋肉質にできること、そのすべてを賄えるのが体格なわけでしょ。だからオールマイティのジョーカーみたいなものだよね。リュウ:最初っから体格があれば、カメラマンさんになんとか頑張ってもらって細く見せることもできる。捏造はいくらでもできるんだよ。でも痩せているやつを太らすのは嘘くせぇんだ。ユウ:体の横をパテで埋めてデカくするわけにもいかないだろ。リュウ:ただ、俺もまだ体格に憧れていない時代はあったよ。「細いラインがモテるんじゃないか」と思って、デビューして数年は着替えるときも腹を極力隠していた。腹なんて見せていじられたくないって思ったさ。ションベンくせぇよな。今は1秒でいいから服を脱がしてほしいよ。ユウ:昔は青くさかったね。俺も肌の露出は極力控えて雰囲気をつくって、空気感を重んじるコントをつくり続け、その結果あえいであえいで。リュウ:空気感に憧れて、いつまでもニン(※外見や人柄まで含めた「その人らしさ」のこと)に合ってないことをしてるやつを見ると思うよな。「一発、体見せりゃいいのによ」って。そうするとリミッターがぶっ壊れるから。――最後に、読者へのメッセージをお願いします。リュウ:やっぱり俺たちを見て思ってほしいよね。「あ、体格って活かせるんだ」って。彼氏や旦那さん、お父さんの腹を見て「だらしない体だな」って思っている人もいるかもしれないけど、一つ見方を変えればとてつもない武器になるわけだからな。痩せさせたら「なんだかつまらない」って後悔するときがくるぜ?ユウ:今これを読んでいる細いやつ、鍛えすぎて悩んでるやつ、俺らはすべての人に門戸を開いてる。誰しもが、体格ブラザーズセピアなんだ。君たちの挑戦を、俺たちはいつだって待ってる。リュウ:腹と腹でぶつかろうじゃねぇか。読者のみなさん、体格に関するお悩み、そして水回りのことは体格ブラザーズに…。リュウ・ユウ:(同時に)お任せください。/お任せあれ。リュウ:「ください」で来いよ。それは“勘定奉行”なんだよ。ユウ:「お任せあれ」は“勘定奉行”の専売特許ではないから。リュウ:あとお前、取材の間にケータリング何個食った!?5個!?ユウ:あー、おいしかった。ごちそうさまでした。体格ブラザーズ日曜朝の情報番組『シューイチ』のコーナー企画として結成された、ロバートの秋山竜次さんとアルコ&ピースの平子祐希さんによる体格ユニット(番組内での互いの呼び名は「リュウ」と「ユウ」)。食べて寝てお風呂に入って、“体格”を“仕上げ”ていくのがコンセプト。最近は行政とのコラボやアジア進出を狙うなど、体格も活動も幅を広げている。『シューイチ』は毎週日曜7:30~10:25、日本テレビ系で放送中(「体格ブラザーズ」は不定期放送)。あきやま・りゅうじ(写真左)1978年生まれ、福岡県出身。お笑いトリオ、ロバートのボケ担当。『キングオブコント2011』王者。ソロとしての活動に「ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル」など。自称・市民プール愛好家。ネックレス¥22,000(マリハ TEL:03・6459・2572)その他はスタイリスト私物ひらこ・ゆうき(写真右)1978年生まれ、福島県出身。お笑いコンビ、アルコ&ピースのボケ担当。高校のラグビー部時代は東北選抜に選出され強化指定選手として活躍。愛妻家としても知られる。相方の酒井健太と共にサウナ好き。ネックレス¥18,700(マリハ)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年12月13日号より。写真・森山将人(TRIVAL)スタイリスト・鹿野巧真ヘア&メイク・坂西 透取材、文・斎藤 岬撮影協力・BACKGROUNDS FACTORY(by anan編集部)
2023年12月13日超エリート高校生が校則で禁じられた“恋愛”に挑む姿を描くドラマ『恋愛のすゝめ』。名門進学校の創設以来の天才・鳳(おおとり)啓介を演じる綱啓永さんは、本作が連ドラ単独初主演。このタイミングで主演できたことがベストだったと今は思います。「主演をやらせていただけると聞いた時は、すごく光栄なのと同時に驚きもありました。舞台『タンブリング』でご一緒した中屋敷(法仁)さんが脚本を担当される繋がりもあって決まったと思うので、今までの努力が実ったと感じる瞬間でしたね」人生を勉強に捧げてきた役柄と自身では似ている点がほとんどなく、アプローチに苦戦したそう。「ただ、鳳啓介は常に全力な人間なので、この役を一生懸命演じていれば勝手に彼になっていくことに気づいたんです。なので、考えすぎて毎日頭が痛くなるくらい熱を込めてやらせてもらっています。頭がいい役だから、知らない単語が台詞にめっちゃ出てくるんですよ。全部調べたんですが、今までで一番ウィキペディアを使っているかも(笑)。長台詞も多く普段の覚え方が通用しなかったので、ボイスレコーダーに録音して、普段は音楽を聴く時間を台詞覚えに当てています。実は昨年撮影した映画も台詞量が半端なく、そこを乗り切った時に“俺は無敵だ!”と思ったんです。なのに、今回新たな壁が現れて…。それもなんとか乗り越えて“もう俺に怖いものはない”と思っているけれど、きっとまたこれを超えるものが現れるんでしょうね(笑)」今回“勉強の天才”を演じている綱さんに、自身は何の天才だと思うかを尋ねてみると意外な答えが。「“普通”の天才かな。何をしても中の上くらいなんですよ。わりとなんでも器用にできるけど、極めることがないから勝てはしないんです」デビュー6年目。着実にステップアップしているように見える俳優人生も決して順調ではなかったと語る。「たくさんの壁を経験しましたし、周りに恵まれている人も多いから、自分がスムーズに進んできたとは思いません。でも逆に、このタイミングで初主演ができたのは、自分にとってベストだったのかなって。ある程度経験してから臨むことができてよかったと思えるようになりました」初の座長を経験し、さらなる成長を遂げた綱さんの次の目標は?「ドラマだと、いつかゴールデンタイムでも主演ができたら嬉しいですね。成長の通過点としてやってみたいなって思います。そして、今回精神的にしんどい時に共演者の方が支えてくれているので、今後は僕も周りの方を支えていきたいです」『恋愛のすゝめ』厳格な進学校に通うカリスマ生徒会長(綱啓永)が、“恋愛”という難問に挑む異色ラブコメ。主人公の学友を演じる一ノ瀬ワタルやひょっこりはんなど、ユニークな共演陣も話題に。毎週火曜24時58分~、TBS系にて放送中。つな・けいと1998年12月24日生まれ、千葉県出身。2017年に第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストにてグランプリを受賞し、俳優として活躍。出演映画『違う惑星の変な恋人』が’24年1月26日に公開予定。衣装協力・ヴィクティムワンスリー コンパウンド フレーム※『anan』2023年12月13日号より。写真・Nae.Jayスタイリスト・三宅 剛ヘア&メイク・牧野裕大インタビュー、文・真島絵麻里(by anan編集部)
2023年12月12日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、時代の空気を読める女性、「キャッチコピーを令和版にする女」になりきり。時代に合わせたマイナーチェンジは大事。6~7年前のことになりますが、ボジョレーヌーヴォーの解禁イベントでMCの女性が、「若くないのに“若井”です」というキャッチコピーを披露していて、記憶に残っていたんです。それが最近、別のイベントで再会を果たすことに!嬉しくなって、「以前、お会いしましたよね?私の口からは言いづらいですけど、あの、一言をお持ちの方ですよね?」と聞いたところ、「覚えていてくださって嬉しいです」と。さらに、「今はコンプライアンスがありまして、『いつまでも若くいたい、若井です』になったんです」と教えてくれました。それを聞いて、ちゃんとアップデートをして令和の時代を生き抜いている姿勢に感動したんです。もちろん、MC業としてもプロ。再会したのは婦人科系の病院で行われたイベントだったのですが、私がコメントを言いやすいようにお膳立てしてくれるんです。思い返すと、ボジョレーヌーヴォーの解禁イベントでも、みなさんをアシストしながら会場を盛り上げていました。その時は、ボジョレーヌーヴォーを広めたフランス人の方が、フランス語で乾杯の掛け声をかけるのが見せ場の一つだったのに、なぜか、日本語で「乾杯」と言ってしまったというハプニングが発生したのですが、若井さんが見事にフォロー。むしろ、若井さんがしっかりと見せ場について説明していたことがいいフリとなって、よりハプニングが面白く際立っていました。そういうところも素晴らしいですよね。若井さんのような人になるには、時代の空気を読み、きちんとマイナーチェンジをしていくことが求められると思います。また、ウケなくなった言葉は使わず、人に迷惑をかけないようなフレーズを選ぶ。そうして、人からツッコまれるような状況を整えたいですね。よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年12月13日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年12月12日思わず見惚れてしまうほどキュートな丸い形に、ふっくらとしたハリのある質感。そして、そんなマシュマロバストを引き立てるキュッとくびれたウエスト。まさに世の女性の憧れをすべて詰め込んだような体の持ち主、華村あすかさん。でも実は、自分の体型にコンプレックスを抱えていた過去もあったそう。正しい位置を保つためにも毎日のトレーニングは必須。「学生時代はバスケットボール部で、毎日部活三昧。めちゃくちゃ筋肉質でしたし、もともと食べることも大好きなので、体重は76kgもありました。あの頃は自分の体にもファッションにも無頓着だったんですよね」その後、芸能界入りをきっかけにダイエットを開始。試行錯誤を繰り返しながらも食事制限と筋トレにより、約4年間で今のスタイルに。しかしバストサイズにはこんな変化が。「ダイエットをしたことによって、胸も2カップサイズダウンしてしまったんです。当時はグラビアのお仕事が多かったので、“前の体型のほうがよかった”と言われることも多くて、せっかくここまで頑張ったのに自分の体に自信が持てなくなってしまったりもして…。そんな時、よく撮影でご一緒していたスタイリストさんに、“あすかちゃんは今の体のほうが合ってるよ”と言っていただけたり、私自身がファッションに目覚めたこともあって、あまりボリュームがありすぎても服をきれいに着こなせないし、今くらいがベストかなって、ようやく自分の体に自信が持てるようになりました」それ以来、胸はボリュームよりも、形と位置にこだわってケアを。「ダイエットした時、左右の胸の位置が離れてしまったことがあったんです。これはやばいと思い、『ひなちゃんねる』などのYouTubeやSNSで流れてくる動画を参考に、鎖骨の中心と左右のバストトップの距離が正三角形になる“胸の黄金比率”を目指して、中央に寄せるトレーニングを始めました。両手を頭の後ろで組んで、肘を閉じたり、開いたりするトレーニングは、シンプルだけどすごく効く。それから、肩甲骨の可動域が狭いと猫背になってバスト位置も下がってしまうので、肩甲骨を柔らかくするトレーニングも毎日やっています。そんなにボリュームがなくても、位置が整っているだけで満足感が上がるんですよね。でも、たった1週間さぼるだけで胸はすぐに離れちゃうので、正しい位置をキープするには、日々のトレーニングが必須だなと思っています」そんなトレーニングの効果を最大限に引き出すべく、“胸の栄養になる食事”も意識しているそう。「一番は、やっぱりタンパク質。胸は脂肪ですけど、土台となる胸筋がしっかりしていないとデコルテは削げるし、胸も垂れてしまうので、しっかり自炊をして、豆腐、納豆、鶏のささみなど、食事からタンパク質を摂るようにしています。あと、糖質の抜きすぎも肌にハリがなくなってしまうのでNG。太らないようにグルテンや大好きなラーメンは極力我慢しますけど(笑)、お米はしっかり食べるようにしていますね」質感ケアは、保湿を最優先に。「いつまでもハリのある胸が理想なので、保湿はマスト。とはいえ、クリームやオイルで油分を入れると胸の谷間にニキビができてしまうし、スクラブをすると乾燥しちゃうような気がするので、デイリーケアは顔用のローションパックの余った液体を、そのままバストに塗るだけ。こうやって水分を補給するくらいが私にはちょうどいいのかなって。あとは、腋の下のリンパを流すことも習慣。ちょっとやるだけで、すぐに胸がふっくらするんです」体の変化を見逃さないよう、毎日鏡でのチェックも欠かさない。「昨日と今日、朝と晩で変わりがないか、毎日2回、鏡の前に立って確認します。そうすれば、多少変化していても、“明日から筋トレをもう少し長くやってみよう”とか、すぐに気づいて対処できるので」華村さんのマシュマロバストは、こんな日々の努力の賜物だ。そのモチベーションとなるのは、大好きなファッション。そして、今日の撮影で着こなしてくれた華やかなランジェリーもまた、「モチベーションに繋がりそう」と華村さんは言う。「いつもは着け心地がラクで、服に響かないシンプルなブラを選ぶことが多いんですけど、今日は今まで着けたことがないような華やかなランジェリーを身に纏って、すごく気分が上がったんです。ラクなものばかり着けていると、自分の胸にもアンテナが向かなくなってしまいますよね。こういう素敵なランジェリーが似合う体でいるためにも、これからもトレーニングやケアを続けていきたいなと思いました」はなむら・あすか1999年3月18日生まれ、山形県出身。2018年、ドラマ『宮本から君へ』で俳優デビューしたのち、’22年10月期のドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』に出演。一躍注目を集める。’24年は出演映画3作品の公開が控えている。ジャケット¥39,600パンツ¥27,500(共にランバン オン ブルー/レリアン TEL:0120・370・877)ブラジャー¥5,500ショーツ¥3,300(共にシュット!インティメイツ/シュット!インティメイツ カスタマーセンターinfo@chut-intimates.com)ネックレス¥14,300(ココシュニック TEL:03・5413・5140)シューズ¥25,960(ランバン オン ブルー/モーダ・クレア TEL:03・3875・7050)※『anan』2023年12月13日号より。写真・柴田フミコスタイリスト・SHOCOヘア&メイク・鈴木かれん取材、文・恒木綾子撮影協力・バックグラウンズ ファクトリー(by anan編集部)
2023年12月10日今年6年ぶりに、最新写真集『and more』を発売した磯山さやかさん。タレントやMC、ファッションモデルなどとして多方面で活躍するなか、20年以上グラビアアイドルとして第一線に立ち続けてきた。日々のマッサージでキープしているやわらかさが自信に。「今回の写真集のテーマは“原点回帰”。昔から応援してくださっているファンのみなさんに、懐かしいとか、変わってないねってホッとしてもらいたくて。当時、グラビアの撮影によく行っていたグアムで撮影をして、2000年代前半の雰囲気づくりを意識しました。体型は、年齢を重ねた変化はありつつ、昔からぽっちゃり。ただ、当時のグラビア界は、痩せていることがトレンドでした。その中で私は“健康的ボディ”なんて言われていたけれど、太っているから…と自分の体をコンプレックスに感じていた時期もありました。ボディポジティブや多様性の考え方がメジャーになった今、当時の写真集を見ると、すごくいい体じゃんって思えるんですけどね(笑)」体型へのコンプレックスが解消されたのは、30代後半になってから。「なんとなく体調が悪い日が出てきたり、体の表面にたるみを感じ始めた時に、これは私の体なんだから否定せずに向き合おうと思ったんです。その頃から毎日、日記の最後にその日あったいいことを3つ書くようにして。例えば、ラザニアが美味しかった、誰々さんと久しぶりに会えた、など些細なことなんですが。でもそれを続けていたら、一日がハッピーな気持ちで終われて、自分の気持ちの浮き沈みや体との向き合い方、人との接し方など何でも、すべて自分の考え方次第だと思えるようになったんです。今まで痩せなくちゃって思ってきたけど、それは周りの意見。私にはこの丸みのある健康的な体がベストなんだと納得するようになったら、不思議と胸のサイズが大きくなってきて(笑)。ストレスフリーの幸せなマインドがそうさせたのかも。そこから自分の胸をもっと大事にするようになりました」バストケアはナイトブラを着けることと、マッサージが基本。「入浴時に、手にボディソープをつけてグーにして、腋の下から胸の脇をゴリゴリとほぐすマッサージをすると、効果抜群。凝りがほぐれて血行がよくなり、脂肪がやわらかくなることで、胸がふわふわになります。日々の意識とケアの積み重ねで、ちゃんと変われるんですよね。私の場合、胸のボリュームがなくなってしまうと全身のバランスがよくないので、胸のサイズを落とさないように意識するのもポイントです」グラビアの仕事によって、ブラを選ぶ目も養われたそう。「まず、脇をすっきりさせて胸が横に流れないことと、胸の形を丸くキープしてくれるものを選ぶことは大前提。買う時は必ず試着をします。その上で、着る服によって胸の見え方が変わるので、仕事でもプライベートでも服に合わせてブラを選んでいます。フィット感のある服の時はワイヤー入りでホールド感があるものを選んでしっかりサポートし、グラビアの仕事なら、谷間に少し隙間がある個性を生かして無理に寄せすぎないように意識したりします。ありのままを見せることは自分の自信にもなりますから。また、胸を強調させたくないグルメロケなどでは、胸を小さく見せるブラを選んだりも。リラックスした服を着る時や、家でくつろいでいる日は、ノンワイヤーの心地よさを楽しんでいます。日々使い分けられるように、ワイヤー入りとノンワイヤーは、半々ぐらいで揃えておくと安心なんです」ブラの色やデザインの好みは、年齢を重ねて変化しているそう。「昔は白やピンクなどの明るい色を選んでいましたが、今はグレーやくすんだピンク、少し暗めのパープルなどを素敵だと思うようになりました。そうやって好みが変化することで、20代、30代、40代といろんな年代を楽しめるのもいいですよね」「胸の形よりも感触がいいことを大事にしている」と、磯山さん。「お風呂のお湯に浮かんだ時の、胸の高さや形こそ理想ですが、そうはいきません(笑)。私の場合は、マッサージによってキープしているふわふわの胸が自慢で自信になっていますが、もし悩んでいるならプロの手を借りたり、育乳ブラや補整下着などにお金をかけるのも手。胸の形や大きさ、悩みは人それぞれですが、毎日胸が心地よくなる環境を整えてあげるということは自分の胸を愛することでもあると思っています。今の自分を愛し、ベストを知り、納得していると、体が変化した時に対処もしやすいですから。そして、自分が美乳だと思えば美乳。考え方次第で誰でも美乳になれるんですよね」いそやま・さやか1983年10月23日生まれ、茨城県出身。2000年にグラビアでデビューし、バラエティ、ドラマ、ラジオなど多岐にわたり活躍。スポーツ番組のMCを務めるほか、茨城放送のラジオ番組などレギュラー多数。最新写真集『and more』&デジタル限定版写真集『and you』(共に撮影:松田忠雄/講談社)が発売中。ワンピース¥19,800(LIBJOIE)サンダルはスタイリスト私物※『anan』2023年12月13日号より。写真・KAZUYUKI EBISAWA(まきうらオフィス)スタイリスト・SHOCOヘア&メイク・遊佐こころ取材、文・若山あや(by anan編集部)
2023年12月10日朗らかで穏やかな雰囲気と、人懐っこい笑顔。しっかりとした受け答えと丁寧な口調から、誠実な人柄が伝わってくる。多くの同世代俳優がファンを公言するが、さもあらん。愛らしくて、会えば誰もが好きにならずにいられない富田望生さん。――現在、舞台『ジャズ大名』の稽古中ですが、いかがですか?演出の福原(充則)さんとは今回が初めましてなんですけれど“挑戦状”をいただいたような気持ちがして、楽しみだったんです。でも、稽古が始まって最初の本読みで4回くらい心が折れまして。…というのもあまりに怒涛なんです。一応いま、一通り全部の場面をみなさんとセッションしたところなので、その安堵みたいなものはあるんですけれど。―― 一体何がそんなに…?ひとりで何役もやるんです。一役終わったと思ったら、次の場面ではまた違う役をやるので、声の調整や体のあたため方が追いつかなくて。なかには男性の役もあったりもして、混乱しちゃったり。でも今は、その混乱を楽しみながらできるようになってきたかなと。――それだけ毎回ひとつの役に集中されるからってことですよね?きっとそうなんです。今はこの役だと思っていたら次の役の番が来てしまうので、脳みそがうまく切り替えられなくて。この間福原さんに言われたんですが、私、稽古中に福原さんの話を、役になったまま聞いているらしいんです。男性の役のときは男性になったままなので、「富田さんと話していると笑っちゃいそうになる」と言われました(笑)。――でもそうなると、同時に複数の作品を並行して撮っているときなどが大変そうですが、そちらの切り替えはできるんですか?最初の頃は絶対無理だと思っていましたが、だいぶ慣れました。今も、朝、別の現場でドラマを撮って、昼過ぎに稽古場に来ていますが、来ると不思議と落ち着くんです。仮のセットが組まれた稽古場のフロアに寝て、みんなと「おはよう」って挨拶していると、ホームに戻ってきた気持ちになるんです。毎日、同じメンバーで顔を合わせていると、みなさんが同志みたいに思えて「こっから創作の時間だ」ってワクワクします。――切り替えのスイッチみたいなものはあるんですか?人に会うことです。現場に入り、ヘアメイクしてもらったり、衣装を着たりしている時間がそのタイミングです。自分でも、意外とそこで切り替えできるんだなって。――舞台はどうですか?同じ場面を何度も演じるわけですが。私はご褒美だと思っています。こんなにひとつの場面をじっくり何度もやれるなんてすごく贅沢なことだと思っています。本番に入ってからも、昼公演と夜公演、初日と中日と千秋楽でも、馴染むというか変わるというか…感覚があるみたいです。私は一生懸命やっているのみで、先輩方に「馴染んできたね」と言っていただいて、そうなのかなと思うくらいの段階ですけれど。本番が始まってからも演出家の方から細かく修正点をいただくこともあって、次の日にそれを生かせるステージがあるということが贅沢で、それが舞台の魅力なのかなと。今は年に1本はやっていけたらと思っています。――役に入り込むタイプだと、確かに今回の作品は大変そうです。大変ですが、それも新たな挑戦で、これを経たら切り替えが早くなるかもしれないと思っています。これまで舞台のお芝居は、みんなで意見を持ち寄って細かく話し合って役を突き詰めていくイメージだったんですけれど、今回はどちらかというとパッションでやっていく作品なのかなと感じています。――これまで、じっくり考えて役を作っていくタイプだったと思うのですが、今回の作品に向き合うことで変化は感じていますか?今はわからないけれど、とにかくやれることをやってみようって感じです。考えるより先にまずは体を動かしてみる、ということが今回は多いです。「ここの場面でこう見て」とか、「ここでは大きくしゃべってみて」と言われて、まずはその通りにやってみる。これまで、あまりそういう演劇的なアプローチでお芝居をしたことがなかったんですが、今回に関しては、福原さんからいただくヒントに思い切って乗っかって、わかりやすくお客さんに伝えていくことが必要なのかなと思っています。自分の役を深く深く追求することより先に、この場面での自分が果たすべき目的は何かをまず考えて、それをどう伝えるかっていうことを、求められているのかなと。――でも普段の作品では、それだけ役を丁寧に読み解いて演じられているということでもあります。富田さんなりの、役作りのセオリーのようなものはありますか?役に近づけるものがあるなら惜しまずにやらないとっていう、それだけです。よく、「なんでそんなに痩せられるんですか」「そんなに太れるんですか」と聞かれますが、自分がやらないと気が済まないというだけです。何かやっていないと不安になる性格で。そんなことをしなくても役にアプローチできる方はたくさんいらっしゃるけれど、私はそれができないだけで。見た目だけでも役に近づける要素があるならとりあえず試してみたいんです。これをやれば必ず見つかるって確かなものはないけれど、その過程で何か染み付いたものがきっとあると信じたい。その過程が大事だとデビュー作で教えてもらったので。――デビュー作の映画『ソロモンの偽証』で、役に近づくために体重を増やして臨んだのは有名な話です。ただ、気持ちの上でどうしても理解できない役もあるかと…。確かに普段から憎んだりするのはしたくないですが、台本を読んで役としてその場に行くと、自然と憎い感情が出てくるんですよね。――その感情を準備しておく?事前に台本は読みますけれど、基本的に何かを固めすぎて現場に行っちゃうと、相手が自分の想像と違うことをしたときに噛み合わなくなるので。だから台本からは、このシーンが何を伝えたいのか、言葉をどう届けたいのかっていうことを読み取って、あとはなるべく現場で、相手から受け取ったものを返すようにしています。とみた・みう2000年2月25日生まれ、福島県出身。’15年に映画『ソロモンの偽証』でデビュー。ドラマ『3年A組‐今から皆さんは、人質です‐』、連続テレビ小説『なつぞら』などの話題作に出演。’18年『ハングマン‐HANGMEN‐』(演出:長塚圭史)で舞台初出演。現在、ドラマ『コタツがない家』(日本テレビ系)、連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK)に出演中。舞台『ジャズ大名』は、筒井康隆による時代小説が原作。幕末に黒人奴隷を乗せたアメリカの船が漂着し、彼らの奏でる音楽の虜になった小藩を描いた物語。12月9日(土)~24日(日)KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉にて上演。地方公演もあり。出演はほかに、千葉雄大さん、藤井隆さんなど。チケットかながわ TEL:0570・015・415(10:00~18:00)※『anan』2023年12月13日号より。写真・神戸健太郎スタイリスト・阪上秀平ヘア&メイク・千葉万理子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年12月09日昨年大好評を得た『演劇ドラフトグランプリ』 が今年も開催!プロデューサーの荒牧慶彦さんと、座長を務める七海ひろきさん、高野洸さんに“演劇”への想いを伺いました。『演劇ドラフトグランプリ』とは…座長に選出された数名の俳優たちが、ドラフト会議によって演出家や共演する俳優を自らドラフト指名してチームを結成。上演時間や舞台形式などのルールにのっとり、クジで決まったテーマに沿って演劇作品を創作し、公演当日に作品を披露。審査員と観客の投票によりグランプリを決定するイベント。荒牧慶彦さんが発案し、その企画・プロデュースで昨年6月に第1回が開催され好評を得た。高野 洸×荒牧慶彦×七海ひろき荒牧慶彦:「演劇ドラフトグランプリ」を初めて開催した去年は手探り状態で、始まるまでは不安でいっぱいだったんですけど、いざやってみたら本当に面白くて!これは絶対に続けた方がいいということで、今年も開催することになりました。高野 洸:今年もお声かけいただいて嬉しいです。去年の「演劇ドラフトグランプリ」は役者一人ひとりのパワーがとんでもなかった(笑)。僕もそれを間近で感じることができて嬉しかったですし、1日でいろんな作品が観られるのは面白いですよね。七海ひろき:私も去年は配信で観ていたんですが、役者の情熱も、舞台を見守るお客さんの集中力もひしひしと伝わってきて、全部ひっくるめて“演劇”だなあと感動しました。荒牧:今年は七海さんと演出家の三浦香さんという新しい風が加わってくれました。(高野)洸とはもともと仲がいいので信頼関係があるし、若い座長がいてほしいという思いもあって去年に引き続きお願いしました。他チームの座長である玉ちゃん(玉城裕規)も染くん(染谷俊之)も、僕が尊敬する先輩としてオファーさせていただきました。高野:去年声をかけてもらったときも思ったんですけど、正直、僕でいいんですか?という思いはあるんですよね(苦笑)。荒牧くんは僕がめちゃくちゃリスペクトしてる先輩なので、この人が言うのならついていこうと思ってはいるんですけど。七海:私も同じ気持ちです。でも、こんな機会はもうないと思うので、出させていただけるのであれば精一杯がんばります!荒牧さんとは、舞台『ゲゲゲの鬼太郎』でご一緒したのが初めてだったけど、お芝居が大好きなんだなというのが伝わる熱い人。すべてに情熱を持って臨んでいて、どうしたらもっといい舞台になるかをつねに考えていらっしゃる。荒牧:いやー…(照)。僕は、僕にはないものを持ってる人が好きなんですよ。例えば洸はアーティストとしてライブをやっているし、七海さんは宝塚歌劇団出身で、今は声の仕事もされている。お互いが自分のスキルを提示し合いながら、より高め合える仲間だと僕は思っていて…。仲間でありライバルであり、この業界を一緒に盛り上げてくれる同志であると思ってるんですよね。高野:でも、チームのメンバーを決めるドラフト会議では、僕と荒牧くんが同じ役者を指名して、僕が負けてしまいました(笑)。荒牧:そうだったね(笑)。高野:僕は出演者の中で一番付き合いが長い(福澤)侑(ゆう)くんをまっ先に指名したんですけど…。荒牧:僕のチームのテーマが“アイドル”だったから、振り付けができる侑が欲しかったんだよね。それに侑とはいろんな作品で共演してるから、チームにいてくれたら心強いと思って。七海さんのチームはすごいメンバーが揃いましたよね。七海:個性的なチームになりました(笑)。唐橋充さんは一度共演してみたいと思っていたんですけど、玉城さんと指名が重なってドキドキしました。幸い、クジの引きが強くて、最高のメンバーが揃いました。荒牧:うちも“アイドル”というテーマにふさわしく、動けるメンバーが揃いました。顔もいいですし(笑)。高野:僕はドラフト1巡目で侑くんが取れなかったので逆に吹っ切れました。去年は最年少座長として新しいことをやろうとダンスを取り入れたりしたので、今年はまた違ったことに挑戦しようかなと。荒牧:今年、洸が選んだメンバーは意外だったかも。2年目の覚悟が見えたよね。七海:ドラフト会議はすごく緊張しました!自分が選ぶ立場であることにも震えましたが、私たちがいた会場も、実際に野球のドラフト会議をする場所なんですよね。荒牧:おふざけは本気でやる、というのが「演劇ドラフトグランプリ」のテーマなので(笑)。もちろん、演劇の素晴らしさを届けたいという気持ちはありますが、ある意味お祭りでもあるので、ファンの方に一緒になって楽しんでもらいたいんですよね。“グランプリ”と銘打つ以上、勝ち負けは出てしまうけど、僕は全員が一番星だと思っているし、ぜひ自分の推しだけでなく、この人の演技が好きだなという人を見つけてもらいたいです。高野:豪華なキャストが揃っていますし、みんなの新たな一面が発見できる場でもありますよね。僕としては配信も盛り上がってほしいんですよ。自宅でスポーツ観戦するように、少しでも演劇に興味のある人に観ていただけたら嬉しいです。七海:この1回の舞台のためだけにみんなとものを作る、という時間を大切にして本番を楽しみたいです。この「演劇ドラフトグランプリ」が“演劇を観た!”と感じてもらえるような、心動かされる時間になったらと願っています。(写真中央)あらまき・よしひこ1990年2月5日生まれ、東京都出身。2012年に、ミュージカル『テニスの王子様』2nd seasonでデビュー。2.5次元舞台を中心に、舞台『刀剣乱舞』『ヒプノシスマイク‐Division Rap Battle‐』Rule the Stageなどで人気を博す。’22年にはドラマ『たびくらげ探偵日記』で主演を務めるなど活躍の幅を広げている。ジャケット¥82,500シャツ¥23,100パンツ¥33,000(以上ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿 TEL:03・3470・6760)イヤカフ、上¥9,900下¥12,100リング¥33,000(以上ライオンハート/シアン PR TEL:03・6662・5525)その他はスタイリスト私物(写真右)ななみ・ひろき1月16日生まれ、茨城県出身。2003年に宝塚歌劇団に入団し、男役スターとして人気を博す。’19年の退団後は、俳優、歌手、声優など幅広く活躍。昨年にはドラマ『合コンに行ったら女がいなかった話』に主演。今年、舞台『THE MONEY』のプロデュースも手がけた。’24年放送開始のアニメ『戦国妖狐』千夜役で声の出演。ジャケット¥72,600(ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿)シャツ¥41,800(ガラアーベント/サーディヴィジョンピーアール TEL:03・6427・9087)右手のリング¥24,200左手のリング¥15,400(共にライオンハート/シアン PR)その他はスタイリスト私物(写真左)たかの・あきら1997年7月22日生まれ、福岡県出身。2009年よりDream5メンバーとして活動し、’14年に「ようかい体操第一」でNHK紅白歌合戦出演。活動終了後は俳優としてミュージカル『刀剣乱舞』膝丸役で人気を博し、今年は舞台『キングダム』で主人公・信を演じた。’19年にソロCDデビューも果たし、’24年1月30日に新曲『ex‐Doll』がリリース。ジャケット¥64,900シャツ¥23,100パンツ¥31,900ベルト¥13,200(以上ラッド ミュージシャン/ラッドミュージシャン 原宿)その他はスタイリスト私物『演劇ドラフトグランプリ2023』12月5日(火)17:00開演日本武道館総合演出/植木豪総合司会/山寺宏一特別審査員/中川晃教楽屋レポーター/髙木俊アシスタントレポーター/田中涼星【劇団『一番星』】座長/荒牧慶彦演出/川尻恵太出演/木津つばさ、高橋怜也、福澤侑、松井勇歩【劇団『びゅー』】座長/高野洸演出/松崎史也出演/北川尚弥、高木トモユキ、古谷大和、松島勇之介【劇団『国士無双』】座長/染谷俊之演出/中屋敷法仁出演/糸川耀士郎、椎名鯛造、鳥越裕貴、長妻怜央【劇団『恋のぼり』】座長/玉城裕規演出/私オム出演/石川凌雅、小西詠斗、萩野崇、服部武雄【劇団『品行方正』】座長/七海ひろき演出/三浦香出演/加藤大悟、唐橋充、後藤大、廣野凌大アリーナ席・1階席1万3500円2階席1万1500円3階席9500円Mitt TEL:03・6265・3201(平日12:00~17:00)※『anan』2023年12月6日号より。写真・宮崎健太郎スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・車谷 結(荒牧さん)塩田勝樹(七海さん、高野さん)取材、文・尹 秀姫構成、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年12月06日俳優たちがチームを作り演劇で競い合う。昨年大好評を得た『演劇ドラフトグランプリ』 が今年も開催される。プロデューサーの荒牧慶彦さんと、座長を務める七海ひろきさん、高野洸さんに“演劇”への想いを伺いました。『演劇ドラフトグランプリ』とは…座長に選出された数名の俳優たちが、ドラフト会議によって演出家や共演する俳優を自らドラフト指名してチームを結成。上演時間や舞台形式などのルールにのっとり、クジで決まったテーマに沿って演劇作品を創作し、公演当日に作品を披露。審査員と観客の投票によりグランプリを決定するイベント。荒牧慶彦さんが発案し、その企画・プロデュースで昨年6月に第1回が開催され好評を得た。荒牧慶彦演劇は、お客さんに観てもらって初めて完成するもの。舞台のよさはなんといっても生であること。僕はミュージカル『テニスの王子様』で初めて舞台に立たせていただいて以降、その魅力に取り憑かれました。演劇って、幕が上がりお客さんに観てもらって初めて完成するものだと思うんですよ。どんなに稽古場で完成したと思っても、初日の緊張感は格別ですし、思わぬところで笑いが起きたりもする。ときに起きるハプニングも大好きです(笑)。劇場の中にいろんな感情が渦巻いて、演劇という空間が出来上がる。だから台詞や物語は同じでも、毎回違うものが出来上がるし、それが演劇の魅力だと思います。MANKAI STAGE『A3!』で劇団員の月岡紬(つきおか・つむぎ)を演じ、舞台は役者の力だけで成立するものではなく、裏で支えてくれるスタッフがいてこそということにも気づかされました。この考えは今、僕がプロデュース業をする上でもひとつの指針になっています。僕がプロデュースする「演劇ドラフトグランプリ」は1話完結型の演劇が複数、オムニバス形式で上演されます。ひとつの舞台でジャンルの異なる演劇を一気に観られるのが魅力です。僕が座長を務める劇団『一番星』のテーマは“アイドル”。みんな動ける子たちなので、いい舞台になると思います。あらまき・よしひこ1990年2月5日生まれ、東京都出身。2012年に、ミュージカル『テニスの王子様』2nd seasonでデビュー。2.5次元舞台を中心に、舞台『刀剣乱舞』『ヒプノシスマイク‐Division Rap Battle‐』Rule the Stageなどで人気を博す。’22年にはドラマ『たびくらげ探偵日記』で主演を務めるなど活躍の幅を広げている。ジャケット¥82,500シャツ¥23,100パンツ¥33,000(以上ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿 TEL:03・3470・6760)イヤカフ、上¥9,900下¥12,100リング¥33,000(以上ライオンハート/シアン PR TEL:03・6662・5525)その他はスタイリスト私物七海ひろきみんなが私の台詞を待っている、“間”がすごく好きなんです。小学校時代の朗読の授業でお芝居に興味を持って、そこからずっと夢中になり続けています。むしろ正解がないものだから、やればやるほどもっと進化できるんじゃないかとやめられない。思ったように全然できなくて苦しかったり、落ち込むことがあっても、私はきっと一生やるんだろうなと思っています。とくに舞台で、相手が台詞を言ってからの“間”…私が何を言うのか、みんなが注目して待っている瞬間がものすごく快感(笑)。自分の言葉で話すときの“間”はすごく苦手で何か言わなきゃって焦るのに、台詞だと全然平気なんです。しかもそこで私が発した言葉でお客様が泣いたり、ときには怒ったり…劇場の空気が動くのを感じるのも好き。結局やっぱり、観てくださる方がいるっていうことがモチベーションになっているんです。近年は声優や映像のお仕事もさせてもらっていますが、そちらはスタッフさんも一緒にお芝居を作っている感覚がより強いです。制作側の思い描くイメージにのっかって一緒に作り上げていく感じ。こう見せたいからこう演じてほしいと、自分では思いつかなかったお芝居を求められる瞬間があって、まだまだいろんな可能性があるんだなと思うと本当に楽しいです。ななみ・ひろき1月16日生まれ、茨城県出身。2003年に宝塚歌劇団に入団し、男役スターとして人気を博す。’19年の退団後は、俳優、歌手、声優など幅広く活躍。昨年にはドラマ『合コンに行ったら女がいなかった話』に主演。今年、舞台『THE MONEY』のプロデュースも手がけた。’24年放送開始のアニメ『戦国妖狐』千夜役で声の出演。ジャケット¥72,600(ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿)シャツ¥41,800(ガラアーベント/サーディヴィジョンピーアール TEL:03・6427・9087)右手のリング¥24,200左手のリング¥15,400(共にライオンハート/シアン PR)その他はスタイリスト私物高野 洸お客さんに見せる上で、嘘にならない芝居がしたいんです。俳優をやろうと決めてから、ドラマ、舞台、映画といろいろな現場で気づきをもらいながら、少しずつ演じることを学んでいる感覚です。なかでもとくに発見が多かったのが、今年出演した舞台『キングダム』の現場。共演者はそれこそ“演劇”のど真ん中にいるような方々ばかりで、舞台に登場した瞬間に観客を引き込んでいく力と、その見せ方がすごかったんです。でも同時に、僕が同じことをしても意味がないとも思いました。みなさんそれぞれが歩いてきた道の中で自分はこれだというものを見つけて、それを貫き通してきて身につけたもの。僕も自分なりのものを見つけていきたいです。今、僕が重視しているのは、いかにナチュラルに見せるかということ。お芝居は“嘘”ですが、お客さんに見せる上で、嘘にならないようにしたいんです。どんなに自分が役の気持ちに寄り添えても、お客さんに伝わらなければ意味はなくて。作品での自分の立ち位置を理解して、役柄の背景をどう落とし込んだらナチュラルに見えるかを考える。必ずしも毎回100%やれるわけじゃないけれど、ときには想像の120%できる瞬間もあって。お芝居って、わからないなとも思うし、面白いなとも思うんですよね。たかの・あきら1997年7月22日生まれ、福岡県出身。2009年よりDream5メンバーとして活動し、’14年に「ようかい体操第一」でNHK紅白歌合戦出演。活動終了後は俳優としてミュージカル『刀剣乱舞』膝丸役で人気を博し、今年は舞台『キングダム』で主人公・信を演じた。’19年にソロCDデビューも果たし、’24年1月30日に新曲『ex‐Doll』がリリース。ジャケット¥64,900シャツ¥23,100パンツ¥31,900ベルト¥13,200(以上ラッド ミュージシャン/ラッドミュージシャン 原宿)その他はスタイリスト私物『演劇ドラフトグランプリ2023』12月5日(火)17:00開演日本武道館総合演出/植木豪総合司会/山寺宏一特別審査員/中川晃教楽屋レポーター/髙木俊アシスタントレポーター/田中涼星【劇団『一番星』】座長/荒牧慶彦演出/川尻恵太出演/木津つばさ、高橋怜也、福澤侑、松井勇歩【劇団『びゅー』】座長/高野洸演出/松崎史也出演/北川尚弥、高木トモユキ、古谷大和、松島勇之介【劇団『国士無双』】座長/染谷俊之演出/中屋敷法仁出演/糸川耀士郎、椎名鯛造、鳥越裕貴、長妻怜央【劇団『恋のぼり』】座長/玉城裕規演出/私オム出演/石川凌雅、小西詠斗、萩野崇、服部武雄【劇団『品行方正』】座長/七海ひろき演出/三浦香出演/加藤大悟、唐橋充、後藤大、廣野凌大アリーナ席・1階席1万3500円2階席1万1500円3階席9500円Mitt TEL:03・6265・3201(平日12:00~17:00)※『anan』2023年12月6日号より。写真・宮崎健太郎スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・車谷 結(荒牧さん)塩田勝樹(七海さん、高野さん)取材、文・尹 秀姫構成、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年12月06日小日向文世さんを筆頭に、出演者の名前の並びだけでワクワクさせる舞台『海をゆく者』。今回、キャストをほぼ変えずに再々演されるのだから、その評価は推して知るべし。古希を迎える俳優たちが元気で、一緒に舞台がやれるのが嬉しいです。「正直初演は、セリフの量も多いし段取りも大変で苦労した覚えがあるんです。ただ評判が良かったから、もしかしたら再演するかもな…と思ったくらい。でも今回の再々演のお話は、純粋に嬉しかったですね。ひとりだけ高橋克実さんに代わりましたけど、古希を迎える俳優たちが元気で、再び一緒に舞台がやれる。こんな嬉しいことはないですよ」アイルランドのダブリン北部の町。クリスマスイブに集まった男たちがカードゲームに興じる中、ロックハートと名乗る男がやって来る。それこそが小日向さんの役なのだけど、じつは正体が…という、サスペンス要素満載のダークコメディだ。「登場する男たちはみんな、けっして幸せとは言えない人生をおくっている人たち。それでもクリスマスイブに大好きなウイスキーを飲んで浮かれて。しかもオヤジなもんだから、お互いに無邪気にみっともない部分をさらけ出す。そのワイワイしている感じとか、本当に愛すべき人たちだなって思うんです。でもそこにロックハートが来ることで雲行きが怪しくなってくるんですけど」その正体は…なんと驚き。知っているのは平田満さん演じるシャーキーのみで、ふたりにしかわからない駆け引きが繰り広げられる。「一緒にポーカーをやっている間は、直接挑発したりは絶対にしないんですけど、シャーキーだけは彼の無言の圧力を感じているんです。ただ、ふたりきりになると、彼らだけがわかる言葉で追い詰めていく。そこのセリフの掛け合いがうまい具合に進んでいくのが楽しいです。栗山(民也)さんの演出も、音楽で物語を色付けしたりせず、人物ひとりひとりをちゃんと浮き立たせて見せてくださっているのも本当にいいんです」丁々発止のセリフのやり取りだけで、じゅうぶんに場を持たせられる俳優たちが揃っているからこそ、だ。「このメンバーだから一緒にやっていて楽しいっていうのはあります。お互いに20代の頃から知ってるし、さんざん芝居してきている連中だから信頼もしているし。今回はみんな70歳に近づいて、哀愁も漂うんじゃないかと期待しています(笑)」PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『海をゆく者』クリスマスイブの朝。兄・リチャード(高橋)とシャーキー(平田)の兄弟が暮らす家に、ロックハート(小日向)という男が訪れる。彼の顔を見たシャーキーは顔色を変え…。12月7日(木)~27日(水)渋谷・PARCO劇場作/コナー・マクファーソン翻訳/小田島恒志演出/栗山民也出演/小日向文世、高橋克実、浅野和之、大谷亮介、平田満全席指定1万円ほかパルコステージ TEL:03・3477・5858新潟、愛知、岡山、福岡、広島、大阪公演あり。こひなた・ふみよ1954年1月23日生まれ、北海道出身。オンシアター自由劇場を経て、ドラマ『HERO』などで注目を集めるように。最近の出演作に、ドラマ『VIVANT』、映画『大名倒産』、舞台『ART』など。放送中のドラマ『下剋上球児』にも出演している。※『anan』2023年12月6日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・石橋修一ヘア&メイク・河村陽子(vitamins)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年12月04日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、発想の転換が上手にできる女性、「昔のおもちゃを残す女」になりきり。よく遊んだおもちゃには、青春や思い出が宿るもの。以前、実家に帰った時、私の親が子どもたちにおもちゃを出してくれたのですが、全部、私が小さい頃に遊んでいたものだったんです。すごく懐かしくて、うわー!という気持ちに。親は多分、思い出もあるし、なかなか捨てられなかったんでしょうね。おもちゃが並んでいる様子や、子どもが遊んでいる姿を見て、思わず写真を撮りたくなるくらい嬉しくなりました。ちなみに、その一つが「ミメル」です。携帯の形をした電子ゲーム機で、ICカードを使うことで、同じくミメルを持っている友だちと電子メールの交換ができるというもの。一緒に遊んでいた友だちに写真を撮って送ると、「懐かしすぎて涙が出そう」という感想が届きました(笑)。ほかに、「グルタンの森」や、私が勝手に“ゆかり”と名付けた人形もあり、当時、それを欲しいと思っていた時のことから買ってもらえた瞬間まで、すべての記憶が蘇りました。おもちゃには、青春や思い出が宿るんだな~と。そして、使わないものはできるだけ捨てたほうがいいと、親に片付けや処分を勧めていたんですが、ほどほどにしたほうがいいなと気づきました。それに、次から実家に帰る時は、おもちゃを持っていかなくて済むので、荷物が減って助かりますよね。親が、私が過去に使っていたおもちゃを、“いらないもの”ではなく、“孫が遊ぶもの”として認識しているように、発想の転換をすることがポイントだと思います。私も、子どもがハマっていたものとかを使わないからと捨てるのではなく、ちゃんと残しておくことが大事だなと考え直しました。物を減らしたい時は、捨てる前に写真に収めたり、動く様子を動画に撮るなどしておくと、あとで振り返ることができ、思い出に浸ることもできるので、よさそうです!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年12月6日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年12月03日人の血をすすり陽を避け夜の街に生きる、少年少女たち“夜行”の過酷な運命を描いたドラマ『秘密を持った少年たち』。女王蜂のアヴちゃんプロデュースの龍宮城が主演するドラマで、夜行狩りのリーダー・黒瀬を演じているのが大東立樹さん。衝撃を与えられるような悪役に。「毎日役のことばかり考えていました」「これまで舞台中心でドラマの経験があまりなかったんです。18歳になっての新たな挑戦なので気合を入れて臨まないとと思って、毎日役のことばかり考えて生きてきました」黒瀬は、親を夜行に殺されたとはいえ、かなり非情な人物。そのため「真っ先に悪役を研究した」そう。「僕の中で最高の悪役といえば、映画『ダークナイト』のジョーカーなんです。完全に悪に狂っていて、人間の領域を超えている。あれ以上の悪って想像がつかないくらい。悪い人になるのではなく、悪い人としての心のスタンスを意識して演じていました。今回のドラマは、ホラー、恋愛、音楽…いろんな要素が詰まった作品なので、僕がそこで衝撃を与えられるような悪役として存在できたら、いい調和になる気がして」現場では同世代の共演者が多い。「とくに龍宮城の面々はガッツがあって、一緒にいるだけで刺激を受けます。(西田)至くんと闘うシーンを撮った後、帰りが一緒になって話したら、お互いに相手が本当に嫌いになっていたみたいで(笑)。それくらい役に入り込めたんだと思ったし、やり切った感があった場面だったのですごく嬉しかったです」黒瀬と自分自身は真逆だと言うが、ならば大東さんはどんな人?「いろんな要素を持ってはいると思うけれど、間違いなく言えるのは、人を軸に生きているってことかな。たとえばファンの方、観てくださる方、スタッフさん、もちろん家族…そういう人たちがいるから頑張れる。あと共演者の存在も大きいです」子役としてミュージカルなどの舞台に立ち、その後アイドルとして活動も。今後についても気になるが…。「目標はカメレオン俳優になること。あと、タイミングがきたらアーティスト活動もしたいと思っています」『秘密を持った少年たち』片想いの幼馴染み・ユキ(大原優乃)を救うために夜行になった玲矢(佐藤海音)は、同じく夜行の少年たちとバンド活動をしながら人間に戻るすべを探していたが、ひとりまたひとりと仲間が命を落としてゆき…。毎週金曜24:30~日本テレビ系にて放送中。おおひがし・りつき2004年11月29日生まれ、東京都出身。出演中の、本作を舞台化した『音楽劇「秘密を持った少年たち」』は11月23日まで全10公演、日本青年館ホールで上演。ドラマの前日譚が描かれる。※『anan』2023年11月29日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・山本隆司ヘア&メイク・井手賢司(UM)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年11月28日Google Mapsの検索窓に、行きたい、あるいは探したい場所のキーワードを入れれば、瞬時にその場所が示される。もはやそれが普通の世の中で、わざわざ、しかも白地図に、地元の人におすすめスポットを書き込んでもらい、“地図に書かれたところにしか行けない”というのが、この『秋山ロケの地図』。しかも白地図をショッピングモールに掲示するお知らせは、なんと折り込みチラシで。やれデジタルだ、AIだという社会の真逆をいく、超絶アナログな番組です。天然のエキストラみたいな人と、町でコントをやりたいんです。「もともと僕は、地方ロケでは前日にその土地に入り路地を歩き回って、喫茶店でお茶をしたり、洋品店で翌日の衣装を買ったりするのが大好き。だからこの番組、もう楽しくて仕方がないんです。ロケの冒頭、びっしり書き込まれた地図を見る瞬間は、心からワクワクします」と言うのは、この番組の主役であるロバート秋山さん。良い意味でクセのある冠番組を多数やってきた秋山さんからしても、「かなり変わった番組です」とのこと。「最初に企画を聞いたときから、“面白そう!”とは思いました。ただ、本当に皆さんが書き込んでくれるのか、という不安もありました。書いてくれないと番組始まりませんし(笑)。でも、1回目は今年の春の単発企画で千葉県の九十九里町にお邪魔したんですが、もうね、初回から最高だったんですよ。地元の人しか知らないディープな場所はもちろん、“気になるので確認してきてくれ”とか、お使いじゃないか、みたいなものもあって。最近すごかったのは、“やめちゃったパートの制服を返し忘れたから、一緒に返しに行ってくれませんか?”って(笑)。あと自分の家の自慢のソファに座りに来てほしい、という中学生とか、とにかくものすごく自由!だからめちゃくちゃ楽しいです」どの場所に行くかはすべて秋山さんの気分次第。地図を見て、綴られた文章や文字の雰囲気を見て、ピンときたところを訪ねていく。来るか来ないかは、まさに神のみぞ知る、なのが面白い。「だいたい皆さん、“もしかしたら来るかな、でも来ないよな”的な気持ちなんですよね。で、実際行くと、“どうせ来ねえんだろ?”とか“もう夕方5時過ぎたから来ねえだろ?”みたいな顔だったのが、僕を見ると、“ホントに来るんだ!”って表情になって、ワッと歓迎してくれる。あのガチ感は、他の番組では絶対ないですね」また秋山さんと住民の方々とのコミュニケーションの中に、リアルさとコントっぽさが奇跡のようなバランスで混在しているのも愉快。「もともと僕は、地元のおっちゃんとかおばちゃんに話しかけるのが好きで、みんながちょっと警戒するような名物親父みたいな人にも全然行っちゃうタイプなんです。また、基本的にどこでもコントをやりたいので、だからこそこの番組では一般の方々にミニコントをさせたい。でね、やっぱりゴロゴロいるんですよ、町の中には、素晴らしい天然のエキストラが。そういう人を見つけたときはもう、遠慮なしに行きます(笑)」九十九里はカフェの情報が書かれることが多かった、三崎は改めて大根の町だと思った…など、その土地の姿が浮かび上がるのも面白い、と秋山さん。「ネットでサラッと検索しただけでは出てこない、面白い場所や人がうじゃうじゃいるんだろうなと、ワクワクしてます。番組の知名度が上がると、書き込まれる情報の種類やテイストが変わるような気もしていて、そのあたりもとても楽しみです」『秋山ロケの地図』事前にロケ地に白地図を設置し、住民がおすすめスポットを書き込んだ地図を見ながらロケをする番組。秋山さんは毎回地元中学のジャージを着用。この日は、神奈川県・三崎のロケ帰りだったため、三崎中のジャージ&本物の白地図とともに取材&撮影。毎週火曜23:06~、テレビ東京系で放送中。©テレビ東京あきやま・りゅうじ芸人、俳優、お笑いトリオ・ロバートのメンバー。コントや歌ネタ、憑依芸には定評が。YouTube「ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル」はNetflixにも進出し人気。来年は大河ドラマにも出演予定。※『anan』2023年11月29日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2023年11月27日声優、アーティストとして、声を武器に音に乗せて思いを表現してきた内田雄馬さん。最新アルバムでは、新たな挑戦でひとつ自分の殻を破ったという。その理由と、新しい今の自分自身について聞いてみました。3rdアルバム『Y』発売記念インタビュー自分の言葉で内田雄馬という物語を育てていく。『呪術廻戦』の伏黒恵役、『ちいかわ』のラッコ役など、数々の人気作で存在感を発揮。’19年「第十三回声優アワード」で主演男優賞を受賞した後もさらなる飛躍を遂げ、現在最も注目を集める人気声優・内田雄馬さん。’18年にはアーティストデビューを果たし、5周年を迎えた今年5月からは6か月連続デジタルリリースにも挑戦。「声優を始めて10年が経ち、アーティストデビューからも5年を迎えましたが、気持ちとしてはデビューした時からずっと地続きで。まだまだ生まれたての小鳥のような気持ちでいるんです。『これから頑張っていかなきゃ』って。今後もその気持ちは変わることなく、20年30年と続けていきたいと思いますし、続けられるように頑張りたいです。とはいえ、変化はいろいろとありました。声優一本だった頃は、演じる役の影響を強く受けてしまい、私生活でもスイッチが切り替えられないことが多々あったんですよ。どのように役と付き合っていくべきなんだろう、と葛藤していました」そんな悩みを抱えながら声優活動をしていた内田さんだが、アーティスト活動を始めたことで表現への向き合い方に変化が起きた。「最初は歌うことが好きなだけで。自分がアーティストとして何を表現すべきか、よくわかっていなかったんです。なので、楽曲ごとに表現を変え、その歌の物語を表現するという形でアプローチしていくことにしました。それって、声優でやっていることに近い感覚で。そんな中、活動を続けていくうちにアーティスト内田雄馬として、何を届けたいのか。それを僕個人だけじゃなく、チームで作り上げていくことを学びました。『内田雄馬は自分だけのものじゃなく、みんなで作っていくものなんだ』と気づけたんですよ。それが客観的な視点を持つための大きな一歩だったような気がします。アーティスト活動を始めたからこそ、声優としても演じる役を俯瞰して捉えられるようになりました」約2年ぶりとなるニューアルバム『Y』は、内田さんが声優として個人として感じたことも楽曲に落とし込もう、と決めて制作したという。なかでも自身で作詞・作曲をした「旅路」には、これまで見せてこなかった内田さんのパーソナリティが強く表れている。「僕は今まで『みんなで一つのことを共有して一緒に歩いていくことは心強いし、大切なことなんだよ』と皆さんに言ってきたんです。だけど実は、僕自身はずっと自分の気持ちを形にするのが、得意じゃなかったというか…怖かったんですよ。でも、改めて自分自身の言葉で曲をお届けすることで、内田雄馬の人間性がより届いて、これまで発表してきた楽曲の説得力も増すんじゃないかなと思い、勇気を出して自分の言葉でつづり、曲を制作しました」そんな内田さんが、心のファスナーを開けようと思ったのはどうしてだったのだろう?「自分を応援し続けてくれている方がいるのは、本当に大きな力になっていて。その感謝をしっかり届けたいと思っていました。今年、新型コロナでライブを延期にしてしまった時、『どうしよう』という混乱や皆さんへの申し訳ない気持ちでいっぱいでした。もしかしたら『大切な時にこんなことになって、本当にダメだな』とか『頼りないな』と思われても仕方ないなって。でも、心配して待ってくださっている方がたくさんいてくれた。それにとても救われました。僕は弱くて一人では何もできないけど、そんな自分がみんなとなら楽しい空間を作り上げることができると教えられてきたんです」『Y』はリード曲「Joyful」をはじめ、5周年の記念にふさわしい、洗練された楽曲が多数入っている。だからこそ素直な顔を覗かせた「旅路」が際立っており、いろんな表情を感じられるからこそ、素晴らしい一枚になった。「今作は、今の内田雄馬を余すところなく描き切ったアルバムになったと思います。アーティストとしての覚悟も含めて、しっかりと気持ちを乗せることができました。何より、僕が僕自身と見つめ合うことで、自分と向き合うことや一歩踏み出すことが怖かったりする方の力になれるようなアルバムになったのではないかと思います」内田さんが30代に突入して1発目のアルバムとなった『Y』。これからどのように30代を突き進んでいこうと考えているのだろうか。「ここ数年は僕の参加する現場でも、若い役者さんがどんどん出てきていて。今後は僕が若い方を支えていけるような役者になっていきたいんです」その言葉の裏には、若手時代に支えてくれた先輩声優の背中が。「デビューした頃は、主役を任されることが重要だと思っていました。でも仕事をしていく中で、いろんな立ち位置や役割があることを知った。一人では作品を形作れないんです。主人公には主人公の役割があるし、他のキャラクターたちにもそれぞれの役割がある。そのどれもが大切なものなんです。自分も初めて主演させていただいた時、支えてくださる先輩たちがいたから、僕はまっすぐ全力投球をし続けていけばよかった。そのことに後々気づけたんですよ。変化や新しい風はどの業界にも必要で、僕ら役者もそう。新しい子たちが出てきた時に、今度は僕らの世代が支えていけるようにしっかりステージアップをしていくことが大事だと思っているんです。もちろん変化していくことは大変なことですが、だからこそ新しい気づきに繋がっていくと思っています。音楽も同じだと思うんです。自分のやりたいこと、残したいものを届けるために今の自分の形をどんどんアップグレードしていくこと。それは、想いを人へ届けていくためにも、大事なことだと思っています」うちだ・ゆうま東京都出身。主な出演作に、TVアニメ『シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~』(サンラク)、『MFゴースト』(片桐夏向)、『呪術廻戦』(伏黒恵)、『BANANA FISH』(アッシュ・リンクス)など多数。ナイロンシャツ¥33,000(THE JEAN PIERRE/ADNUST TEL:03・5456・5821)デニムシャツ¥35,200(junhashimoto/ADNUST)パンツ¥33,000(NEPHOLOGIST/ADNUST)3rdアルバム『Y』。【5th Anniversary BOX(CD+Blu‐ray)】¥9,900【CD+BD盤(CD+Blu‐ray)】¥4,290【通常盤(CD)】¥3,5205th Anniversary BOXには、写真集や内田雄馬化カードなど豪華特典が封入。11月29日発売。(KING RECORDS)※『anan』2023年11月29日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・奥村 渉(WM)ヘア&メイク・花嶋麻希取材、文・真貝 聡(by anan編集部)
2023年11月27日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、場を盛り上げる余興を準備する女性、「アクティビティを用意する女」になりきり。場を盛り上げるためにはスムーズな段取りが必須。この間、『王様のブランチ』『プチブランチ』『よるのブランチ』の出演者やスタッフさんが集まる、BBQ大会がありました。女性のスタッフさんが中心となって、野菜やお肉を焼く以外にも、カレーを作っている人やスイカを切ってくれている人がいたり、わたあめやかき氷が食べられるなど、フードが充実。さらに、番組のMC陣による5連けん玉や、あみだくじ、ひも引きといったアクティビティも用意され、優勝したチームには賞品として伊勢海老や高級な牛肉が贈られるなど、とにかく豪華でした。また、BBQ大会のために編集された動画も流され、みんなが盛り上がるという場面も。大人数が集まる会は、スケジュールを調整して場所を予約するだけでも大変なのに、みんなが楽しめるアクティビティを考えて準備するのは、本当にすごいなと。テレビというエンタメ業界に携わる人の底力を感じました。思えば、婚活パーティでイントロゲームをしたことがあり、やはり一致団結できるし、リーダー性が垣間見えるなど、人柄もわかるもの。また、旅行に陶芸やそば打ちなどのイベントを盛り込んでも楽しいですよね。前に参加した結婚式の披露宴では、テーブルごとにペンライトが配られ、新婦が入場時に着ているドレスの色を当てるクイズがあり、盛り上がったことも。面白い余興の重要性を改めて感じました。アクティビティで場を盛り上げるには、スムーズに進行するための段取りが大事になってくるはず。いろいろな会に参加して、どんな役割の人が必要かなどを学んで知っておくといいのではないでしょうか。実際、ブランチのBBQ大会では、経費担当や呼び込み担当など役割分担がされていて素晴らしかったです。盛り上がりは、経験や知識の蓄積があってこそ!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年11月29日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年11月26日ドラマ『エルピス』で軽薄なようで内に熱いものを秘めたテレビプロデューサーを演じ、注目された岡部たかしさん。今さまざまなドラマでお見かけする“あの人”の正体とは?自分の普通の生活も、突き詰めて演じれば、人には面白く見えるんだなと。――もともと俳優を目指されたのは、どういう理由からですか?僕はバブル最後の頃に高校生だったんで、卒業後はわりといい会社に就職できたんですよ。でも、つまらなくて1年くらいで辞めちゃったんです。当時は会社に入ったら一生勤めるのが当たり前みたいな時代だから母親は大激怒。そこからバイトはしてたけど、23~24歳くらいになると周りと話が合わなくなって、田舎にいたくなくなるんですよ。そんなときに、芸能人になったらオモロいかなって…ただの現実逃避ですけどね。――でも芸能人になろうと思って、なれるものでもないですよね。だからまず劇団に入ろうと思うわけですよ。松田優作は文学座出身やったな、とか思って。でもそういう有名な劇団の研究所は授業料も高い。そんななか、非常に安かったのが柄本明さんの東京乾電池でした。でも当時は柄本さんのこともようわかってなかったです。ジャッキー・チェンは好きだったけど、映画をたくさん観てたわけでもないし、小津安二郎も黒澤明も観たのは東京に出てきてから。それも、観たら柄本さんと喋れるようになるのかなっていうくらいの理由でしたから。――東京乾電池というと、チェーホフなどの翻訳劇や、別役実の不条理劇などをやりますが、当時はそれも面白かったですか?僕は3年くらいしかいなかったんですけどね。別役さんも初めて知ったし、劇団内の作家が書いたホンもやってましたけど、あんまり意味はわかってなかったです。――でもお芝居は面白かった?城山羊の会(※山内ケンジさんが主宰、作・演出)の最初の頃と同じですけど、言葉も難しいし、苦しみしかなかったです。ただ、その頃所属していた事務所がホテルなどでミステリーイベントを製作していて、そこでお芝居するのは楽しかったんですよね。結構自由にやらせてもらえて。でも、“演劇”ってなると苦しみの方が大きくてどう楽しんでいいかって感じで。――でも辞めなかったわけで…。少しずつわかってきてはいたんでしょうね。でも、30代半ばぐらいになって、山内さんとやってきたこととかそれまでやってきたいろんなことと、自分の中の面白いと思えることとが、ようやく一致してきたというか。それまでもふざけてはいたんですけどね。――先ほどの話でいうと、フィットしない服をどうしたら面白がって着られるかをずっと模索し続けてきたのかなと思いました。本当に、面白くなかったらあかんっていうのはつねに思っていますね。何をするにも。――その頃には、演劇も面白くなってきたわけですか?城山羊の会で共演している岩谷(いわや)(健司)さんから、「あの瞬間から岡部がすべてわかった感じがした」と言われる舞台はあります。自覚はないんで「そうなんや」くらいですが。でも僕は感覚でやるタイプで、結局今でもノリなんですけど、岩谷さんは面白さを論理立ててやれる人なんですよね。――そんな岡部さんが、ご自身ですすんで出たいと思うような作品とか役はありますか?これはあまり言いたくない、というか恥ずかしいですけど、やっぱり城山羊の会にずっと出続けたいというのはあります。山内さんは、おもんなくなったら絶対呼んでくれへんやろなって思うんで。それは本人にもよう言わないですけど、山内さんが舞台をやるって聞いたら、声をかけられる前から勝手にスケジュールを空けて待ってます。でも少し前に、山内さんが長塚(圭史)さんと僕とで鼎談したときに「岡部さんとずっと一緒にやっているのは、やっぱり面白いからですよね」って長塚さんに聞かれて、「まあ、ずっといるからね」って答えたんですよ。少なくとも“いる”才能があってよかったと思ってます(笑)。でもそれ、なんかいい言葉やなと思ったんです。面白いですよね。――じつは昨年、出演者が自分の身に起きたことを演劇にして演じる『ワレワレのモロモロ』という舞台で、息子さんである俳優の岡部ひろきさんの回を拝見しまして。観ましたよ。――あれ(両親が離婚。久しぶりに会った父親の舞台を観て俳優を目指すお話)はどうご覧になりました?岩谷さんと村松(利史/としふみ)さんと午後の男優室というユニットで舞台をやっていたときも、自虐ものばかり作ってたんです。「自分のことじゃないと面白くない」というのは村松さんによく言われていて、それを書くのもどっか好きだったんですよね。自分の普通のあまり面白くない生活も、突き詰めて書いて自分で演じると、人には面白く見えるんだな、と。――そこは知らせないでよ、とかは思われなかったんですね。そうですね。本当のことですし、面白かったんでいいかなと(笑)。城山羊の会『萎れた花の弁明』は、12月8日(金)~17日(日)まで三鷹市芸術文化センター 星のホールにて上演。作・演出は、映画監督として『At the terraceテラスにて』なども発表している山内ケンジさん。本作では山内作品の常連である岩谷健司さん、岡部たかしさんのほか、岡部さんの息子である岡部ひろきさんも出演。おかべ・たかし1972年6月22日生まれ、和歌山県出身。劇団東京乾電池を経て、城山羊の会のほか、岩谷健司と共に、自身が演出も担当する演劇ユニット・切実を結成し活動。映像作品では、ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』のほか、『リバーサルオーケストラ』『ハヤブサ消防団』、現在放送中の連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK)などに出演。ジャケット¥81,400(カズキ ナガヤマ/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)シャツ¥24,200(ユハinfo@juha.tokyo.com)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年11月29日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・鹿野巧真ヘア&メイク・浜田あゆみインタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年11月25日近頃、頻繁にドラマでお見かけするようになった岡部たかしさん。でもご本人ときたら「気づかれても、たぶん名前は出てこないと思う」と自嘲する。でも間違いなくその存在が気になっている人、増えてます。役とノリが合わないときに助けてくれるのが、自分の体やったりするんですね。――連続テレビ小説『ブギウギ』をはじめ、近年ドラマでの存在感が光っています。ご自身ではその活躍をどう感じていますか?舞台でも映像でも、お仕事をいただけるのは光栄なことだと思っています。でもそんなに変化はないんです。店で隣り合わせて気づかれても、たぶん名前は出てこないし、呼ばれたと思ったら検索したスマホ画面が見えてたり(笑)。――仕事を引き受ける、引き受けない、の線引きはありますか?いや全然ないですね。こういう役をやりたいとか、やりたくないとか全くないんですよ。――そうなんですね。少しトボけた風味の笑える作品に出られている印象が強いので…。それは城山羊の会によく出ているからじゃないですか。――それはあるかもしれません。山内ケンジさんが主宰、作・演出する城山羊の会は、隠しきれない人間の本能や本性があぶり出される瞬間を笑いに包んで描く作風で人気の演劇ユニットです。城山羊の会には長いこと出してもらってるんで、山内さん、もう書くことなくなるんちゃうかって不安になったりすることはありますけど。どんな作品でも、声をかけてもらえるのは、嬉しいです。――山内作品を初めて観たとき、あまりにシュールで笑っていいのか迷ったんですが、岡部さんは当初から面白いと確信してました?面白いとは思っていましたけど、最初の頃は全然芝居ができないし、和歌山出身で標準語も慣れてなくて、苦労した覚えがあります。山内さんが求めるのは…今も一貫しているんですが、声のトーンと大きさ。とにかく役を作らないでくれ、と。でもやっぱり初めの頃は作っちゃう。それで「やりすぎ。そんなでっかい声でやるんだったら聞こえない方がマシ」って言われてました(笑)。当時、山内さんの舞台には亡くなった深浦加奈子さんが毎回出ていらして、深浦さんに相談したりしてたんですけど、「世界一面白い人と芝居やってるんだから、それを自覚しなさい」と言われたのは覚えています。――今やレギュラーメンバーです。稽古初日の台本の読み合わせから、やっぱり笑えるんですよ。山内さんは結構当て書きされる人で、その人が言うだけで面白かったりするんで、すごいんですよ。僕が面白くなってるかはわからないんですけど、その人にフィットしているセリフやから、無理にいじったり作ったり無理矢理着こなさない方がいいんかなって思います。――でもつい、面白く見せたいって気持ちになってしまいそうです。僕はむちゃくちゃなるんです。でも一回、本番でめちゃくちゃウケて終わった後に、「狙ってやってるのがムカつく」と言われました。バレないようにやってたつもりだったのに。だから最近はバレないように(笑)。そこはちょっとうまくなってきている気がします。――次回作『萎れた花の弁明』は、どんな作品になるんでしょうか。まだわからないんですが、前作がわりと王道だったので、次はめちゃくちゃなことをしたいと言ってましたから、楽しみにしています。ただ、過去には途中でお客さんが帰るくらい激しいものもありましたからね。まあ、山内さんはそれすらも喜んでましたけど(笑)。――出ている側としては?まあ面白いですよね(笑)。山内さんが喜んでるんやったらええか、みたいな感じです。――ちなみに岡部さんご自身は、どんなものを面白がるんですか?この間の『キングオブコント2023』のサルゴリラさんとか、ニッポンの社長さんとか好きでしたよ。ただ、単にネタだけじゃなく、やっぱり演技のうまさがきいてて、やってるその人自身が滲み出るような方が好きなんかなと思います。山内さんの言葉じゃないですけど、やっぱりその人に似合ってないことをやってると笑えなかったりするんですよ。――でも、自分にフィットする役がくるとは限りませんよね。役をもらって困ることがあるんですよ。自分と役のノリが全く合わなくて。いくら面白くしようとしても全然楽しくならない。でもそういうときに助けてくれるのが、自分の体やったりするんですね。じつはそういうことを考えたのはわりと最近なんですけど。たとえば、銀行員っていうとちゃんとせなあかんイメージありますけど、姿勢が崩れた人もいるわけじゃないですか。必ずしも感情から入らなくても、体から役のノリを作っていくのもありかなって。――なにかそこに気づいたタイミングがあるんでしょうか。いろいろなタイミングがあるんですけど、近いところだとドラマ『リバーサルオーケストラ』ですね。主人公を追いかけた後に、すごく長いセリフを喋るんですけど、どうも面白くない。それで追いかけるシーンで、必死になって本気で走ったんです。そしたらすごく滑稽な体になって、それがノリになって、セリフも喋れたってことがあって。体が変わったら感情が追いつくんやって、この歳になって発見するっていう(笑)。城山羊の会『萎れた花の弁明』は、12月8日(金)~17日(日)まで三鷹市芸術文化センター 星のホールにて上演。作・演出は、映画監督として『At the terraceテラスにて』なども発表している山内ケンジさん。本作では山内作品の常連である岩谷健司さん、岡部たかしさんのほか、岡部さんの息子である岡部ひろきさんも出演。おかべ・たかし1972年6月22日生まれ、和歌山県出身。劇団東京乾電池を経て、城山羊の会のほか、岩谷健司と共に、自身が演出も担当する演劇ユニット・切実を結成し活動。映像作品では、ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』のほか、『リバーサルオーケストラ』『ハヤブサ消防団』、現在放送中の連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK)などに出演。ジャケット¥81,400(カズキ ナガヤマ/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)シャツ¥24,200(ユハinfo@juha.tokyo.com)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年11月29日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・鹿野巧真ヘア&メイク・浜田あゆみインタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年11月25日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、相手が理解しやすい言葉に変換する女性、「犬の気持ちをわかりやすく伝える女」になりきり。伝え方次第で、印象がいい方向に変わることも。この間、仲良しのpecoちゃんのおうちに、3人の子どもを連れて遊びに行ってきました。アリソンという名前の、めちゃめちゃ大きなワンちゃんがいて、私は小さい時から存在を知っているので、“かわいい!”“こんなに大きくなって~”と思っていたのですが、初めて会った子どもたちは、「怖い…」と怯えてしまったんです。すると、pecoちゃんが、「最初はみんなそうなんだけど慣れてくるよ」と。さらに、「絶対に噛まないから大丈夫だよ。アリソンは一緒に遊びたいだけなの」「鬼ごっこしてくれている、遊んでくれていると思って楽しくなるから追いかけちゃうんだよ」と、優しく教えてくれました。その、子どもの目線に合わせた犬の気持ちの表現の仕方がすごく上手ですよね。言葉をわかりやすく変換して伝えられるところが素晴らしいなと思ったんです。私はpecoちゃんのおうちに遊びに行く前、子どもたちに、アリソンが嫌がらない撫で方みたいなものは伝えていたのですが、それ以前のコミュニケーションのとり方の部分を教えてあげればよかったなと。長女は、攻撃するつもりはないんだというアリソンの気持ちを理解したのか、心の整理ができたようでした。その後、「また遊びに行きたい!」と話していましたし、街を散歩している犬を見かけた時には、「あの小さなワンちゃんなら触れるかも!」と言っていました。まずは、子どもが理解できるよう、噛み砕いて伝える変換能力を身につけることが大事だと思います。私が子どもの頃、おばあちゃんちの隣の家で飼っていた犬に追いかけられ、必死に逃げた記憶がありますが、pecoちゃんの話を聞いた後だと、“あれは遊びたかったんだ、なんだ、かわいいじゃん”と印象が変わりました!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年11月22日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年11月20日一昨年の主演映画『サマーフィルムにのって』など、俳優として活動するかたわら、さまざまなジャンルのクリエイターとコラボし個展を開催。そんな多彩な魅力を発揮する伊藤万理華さんの脳内に迫る。インタビュー中、何気なく「好きなものを大切に大切に育んできたので」という言葉を口にした伊藤万理華さん。まるで当たり前のことであるかのような口調に、根底にある愛情深さを感じた。取材でも、こちらの質問に思い当たる限りの言葉を尽くして返す。役にも作品作りに関しても、そして対峙する人たちに対しても、できる限り誠実に応えようとする人なのだろう。――撮影中、面白い顔や悪い顔までいろんな表情をされていて、かわいくとかきれいに撮られることに固執しないんだなと思いました。いつの頃からか、自分がかわいいとかきれいというところで戦う人間ではないなと思うようになりました。所属していた乃木坂46は容姿端麗で清楚なイメージが強いグループで、そこに追いつけていないことへのコンプレックスもあったかもしれません。――乃木坂46時代に制作した個人PVも個性が突出していました。まだ自分の個性も武器も何かわからない15とか16歳の頃から、面白いクリエイターさんと組ませていただけたことが、今も自分の大きな土台になっています。おかげで映像に興味を持てましたし、私の明るい部分を絶妙なバランスで引き出してもらえたこともラッキーでした。乃木坂46に個人PVという企画があったことや、そこで若いクリエイターさんに撮ってもらおうと企画した運営側の心意気にも感謝しています。ジャケ写やMVを撮るときにも、事前にテーマや物語性の説明があり、アイドルの裏側にこんなに奥深い世界があったんだと、とても感動しました。グループに入らなかったら知らなかったし、興味を持つこともなかったかもしれないなと。――もともとアイドルに憧れが?とくにはなくて…。それ以前にモデル事務所に所属していて、アイドルやCMのオーディションをいっぱい受けていました。その中に乃木坂46があって、知識も情報もなかったけど興味を惹かれました。クラシックバレエを習っていて、踊ることが好きでしたし、両親の仕事がファッションやデザイン系で表現やものづくりが身近だったことも大きいと思います。でも、入るまで自分がカメラの前で笑うとか踊るとか演じるなんて考えたことがなかったので、不思議な縁だなと思います。――グループを辞めるとき、今のような活動は想定していました?辞めてからが茨の道だと聞きますし、世間的に私のことを知らない人の方が多い。当たり前にグループの活動があったアイドル時代とは違い、もはやゼロからでした。落ち込んだ時期もありましたが、おかげでちゃんと仕事ということに向き合えたし、仕事をしないと生活していけないんだ、という当たり前のことを自覚しました。このままだと世間に存在を忘れられて終わってしまう。じゃあどうしたらいいんだろう、自分ができることってなんだろうって考え悩んで、乃木坂46在籍中にパルコで開催した個展(’17年)に思い至って、自分から企画書を書いてパルコさんに持ち込みました。――そこで個展っていう発想になるのが面白いですよね。それだけ当時パルコさんでやらせていただいた個展が、自分にとって大きかったんです。たぶんあれがなかったら、私はこれから何を表現したらいいんだろう、と途方に暮れていたと思います。自分がどういう人間で、どんなことが好きで何をしたいのか、自覚というか…自我の目覚めでした。――でも、自分の表現方法が確立してるからこそですよね。自分は何者になりたいんだって考えたときに答えが見つからず、いろいろなことに手を出してきた感覚です。ただお芝居に関しては、15歳で初めて経験して、こんな夢みたいな世界があるんだと、ときめいたことは覚えています。あのときの現場の音、匂い、照明とかカメラ…すべてが頭にこびりついて離れなかった。その一方で、グループ卒業後の次の仕事を待つ間に再認識した作ることの面白さとか、自分のルーツにあるファッションや写真、ムービー、漫画…そういうものを一緒くたにして、自分を表現する作業もやってみたかった。私はものづくりに助けられたし、いろんなクリエイターさんとの出会いが自分の転機になったという実感がすごくありました。グループに入ったとき、現場にたくさんの人がいて、全員が同じ方向に向かって何かを作っている空間がとても特別なものに感じたんです。それを見るのも好きだったし、自分がその一部になれているのも嬉しかった。あの気持ちは絶対に忘れたくないし、あの瞬間をずっと追いかけて、近づきたくて、ここまでやってきた自覚があります。だから今、自分が憧れの部分にちょっと触れられていることが嬉しいです。あとは、恩返しの気持ちもあります。私に個展をやりませんかと声をかけてくれたパルコさんや、私がクリエイティブなことが好きな人間だと知ってくれて、肯定してくれて、たくさんの素敵な方々と出会わせてくれた乃木坂46の運営さん…。そういう方々に、今こんな作品に関われていますって報告できる環境にあるのが嬉しいし、もっと頑張って喜んでほしいなって思っています。伊藤さん出演の映画『女優は泣かない』は、12月1日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開。スキャンダルで仕事を失った女優・梨枝(蓮佛美沙子)の復帰仕事は、生まれ故郷で撮る彼女自身のドキュメンタリー。伊藤さんは、上司から念願のドラマ班への異動をエサにディレクターを押し付けられたADの咲役。監督・脚本は有働佳史。いとう・まりか1996年生まれ、大阪府出身。2011年から’17年まで乃木坂46のメンバーとして活動し、卒業後は俳優として活躍する一方、PARCOで個展を開催するなど、クリエイターとしての才能を発揮。現在、出演ドラマ『時をかけるな、恋人たち』(フジテレビ系)、『ミワさんなりすます』(NHK)が放送中。シャツ¥94,600(baziszt/Diptrics TEL:03・5464・8736)ネックレス¥18,500(Marland Backusinfo@marlandbackus.com)※『anan』2023年11月22日号より。写真・沖島悠希スタイリスト・和田ミリヘア&メイク・外山友香(mod’s hair)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年11月18日作家を志す文学青年の弟・トムをストーリーテラーに、極度に内気な姉のローラと独善的で口うるさい母親のアマンダとの閉塞感ある家族の姿を描いたテネシー・ウィリアムズの『ガラスの動物園』。その後日譚を、日本の不条理劇の第一人者である別役実が描いた『消えなさいローラ』。この2本の戯曲を連続上演する企画が実現。吉岡里帆さんは、演出を手がける渡辺えりさんから直々に出演をオファーするメッセージをもらったという。「これまで現場でご一緒したことがなかったので、最初は驚きました。でも、私が出演していたドラマ『しずかちゃんとパパ』を見て、耳が聞こえないお父さんと暮らしている娘の役を暗く演じてないのがよかったと言ってくださって。今回の『ガラスの動物園』も戦争が迫りくる重苦しい時代の物語ではありますが、その中でも明るさを大事にしたいと、お声かけくださったそうです」吉岡さん演じるローラは、極端なほど内向的な役だが、今回、「2本立てにしたことで、より一層面白いキャラクターになっている」と話す。「『ガラスの動物園』は何かわからない不安な気持ちや切なさがじわっと残るような終わり方をします。でも、その日々がどれだけ美しくて尊かったかが『消えなさいローラ』で見えてきて、台本を読んだときの後味がガラッと変わりました。ローラも、口数が少ないイメージだったのが、『消えなさいローラ』では、それまでの溜まりに溜まったフラストレーションを爆発させているかのようにすごく情熱的。えりさんがおっしゃるには、別役さんが書かれる作品の多くが自己や自己のアイデンティティに迷う人の物語で、この作品もまさにそうなのだとか。実際、ここに出てくるローラも、途中からローラなのかアマンダなのかわからなくなっていって、台本上の役名も“女”という表記になっています。自分という存在は不確かで、それを認識してくれている他者がいなくなってしまえば、まるで存在していなかったかのように消えていく。その切なさとか、逆に、誰かがいることで確かになる、ある種の生命力を大事に演じたいと思っています」母・アマンダはその渡辺さんが、弟のトムは尾上松也さんが演じる。「トムはストーリーテラーの役割も担っているので、この役がブレるとすべてがブレてしまうと思うのですが、松也さんがしっかりと基盤を作ってくださっています。例えると、枠組みが木じゃなくて鉄でできているような(笑)安心感というか。アマンダは娘や息子に言葉で圧をかけるような役なのに、えりさんが演じることで、口うるさいけれどとても愛情深いお母さんになるから全然嫌な気持ちにならない。むしろ毎日顔をつき合わせて、ケンカしながらもコミュニケーションをとっていた古き良き日本の家庭みたいに見えてくる。娘として相対していても自然と心が開くので暗くなりようがなくて、母親がこうだとこんなふうに娘は育つんだなって思っています(笑)」『消えなさいローラ』は二人芝居。松也さんの相手を、渡辺さんと吉岡さん、そして和田琢磨さんの3人が日替わりで務める趣向もユニーク。「間違いなく、三者三様のお芝居になると思います。スタミナのあるトムでよかったです(笑)」『ガラスの動物園』『消えなさいローラ』大恐慌時代のアメリカ。工場で働く文学青年のトム(尾上)は、口うるさい母・アマンダ(渡辺)と極度に内気な姉・ローラ(吉岡)との暮らしに閉塞感を抱いていた。ある日、娘の将来を憂う母の働きかけで、トムが職場の同僚・ジム(和田)を家に連れてきた。彼はかつてローラが憧れた相手で…。上演中~11月21日(火)新宿・紀伊國屋ホール『ガラスの動物園』作/テネシー・ウィリアムズ翻訳/田島博『消えなさいローラ』作/別役実上演台本・演出/渡辺えり出演/尾上松也、吉岡里帆、和田琢磨、渡辺えり全席指定1万円Bunkamuraチケットセンター TEL:03・3477・9999(10:00~17:00)山形、大阪公演あり。よしおか・りほ1993年1月15日生まれ、京都府出身。昨年主演した映画『ハケンアニメ!』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。現在放送中のドラマ『時をかけるな、恋人たち』(フジテレビ系)に主演。ピアス¥133,100(シャルロット シェネ/エドストローム オフィス TEL:03・6427・5901)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年11月15日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・ちばひろみヘア&メイク・北原 果インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年11月15日小池栄子さんが演じるやり手のウェディングプランナーにして社長の深堀万里江が、夫、息子、父親の3人のダメ男を養うハメになるホームコメディ『コタツがない家』。脚本はドラマ『俺の話は長い』でも小池さんとタッグを組んだ金子茂樹さん。「オリジナル作品かつ、多くの人が共感するホームドラマを書くのはすごくハードルが高いと思うんですけど、私の想像の遥か上を行く脚本で、金子さんはやっぱり素晴らしいなと思いました。誰が見ても“あるある”と笑える部分があるはずです」そう語る小池さん自身も、共感できる部分がとても多かったそう。「夫の悪口を自分が言うぶんにはいいんだけど、周りから言われると庇いたくなるし、イラッともする。でも自分が振った話だから居心地の悪さを出すわけにもいかなくて…みたいな部分は共感できるし、すごく面白いなと思いました。これって、女子あるあるですよね(笑)」頭の回転が速く、懐が深くて頼もしい。そんな万里江の姿は実際の小池さんのイメージと近いものがある。「確かに似てると思います。ただ、私はあまり怒らないし、なんでも呑み込んでしまう性格なので、言い返せる万里江が羨ましくもあります」深堀家のダメ男3人衆も豪華な顔ぶれ。売れない漫画家の夫は、吉岡秀隆さん、進路に迷走中の息子は作間龍斗さん、熟年離婚を言い渡された父親は小林薫さんが演じている。「吉岡さんと小林さんは大先輩なのに、すごく謙虚な方々で驚きました。なるだけ監督の要望を理解して、“そっちもやってみよう”と柔軟に対応される。私もこういう人になりたいなと思いました。作間くんは最初は緊張していたみたいですけど、徐々に表情が豊かになってきて、それは見ていて楽しいし、頼もしくもある。みなさんすごく穏やかなので、現場の雰囲気もすごくいいんです」本作は、そんなダメ男たちと過ごす日々の中で、新たな家族の形を探していく物語。では、小池さん自身が思う、新しい家族の形とは?「いろんな選択肢を選んでいくことを認めてあげることなのかなと思います。『私は男の人が稼がなければいけないとは思ってない』とさらっと言える万里江はカッコいいし、そうやって人と比べず自分だけの幸せを受け入れていくことで新しい形ができていく。見ている方にも、こんな家族の形もあるんだなって面白がって見ていただけたら嬉しいです」『コタツがない家』深堀万里江(小池)はニート生活を送る夫・悠作(吉岡)と高校生の息子・順基(作間)と3人暮らし。そんなある日、父・達男(小林)が警察に保護されたという連絡が入り…。日本テレビ系にて、毎週水曜22:00~放送中。こいけ・えいこ1980年11月20日生まれ、東京都出身。来年2月に上演される舞台『KERACROSS第五弾「骨と軽蔑」』に出演するほか、『クレイジージャーニー』や『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』の司会も務める。ブラウス¥28,000スカート¥26,000(共にLE PHIL/LE PHIL NEWoMan 新宿店 TEL:03・6380・1960)イヤリング、ネックレス 共に参考商品(以上NATURALI JEWELRY/プレスハウス TEL:03・3746・2091)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年11月15日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・宮本茉莉ヘア&メイク・大野真二郎インタビュー、文・恒木綾子(by anan編集部)
2023年11月13日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、相手に気を使わせず物を渡せる女性、「おさがりの写真を送ってくれる女」になりきり。ちょっとした一言や気遣いで印象は変わります!長女が生まれた時、友だちの近藤千尋ちゃんから、「お食い初めの服、いる?」というメッセージとともに、スマホに写真が送られてきました。長女が生まれる数か月前に、千尋ちゃんにも子どもが生まれていて、「一回だけ着たものなんだけど、よかったらどう?」とのこと。すごくかわいいし、「え、ちょうだい!」と言ってもらい、それを着てお食い初めをしました。さらに、次女と三女も同じものを身につけ、結果的に3回着ることに。お食い初めという人生に一度しかないイベントでしか使わない服なのに、こんなに何度も活躍するなんて…!と嬉しい気持ちになりました。ちなみに、そのお食い初め用の服には、千尋ちゃんのあだ名にちなんで、「ちぴちゃんの」という呼び名がついています(笑)。「おさがりあげるよ」と、有無を言わさず、いきなり送りつけたりするのではなく、事前に「いる?」と聞いてくれたり、写真を送ってくれるというのが親切ですよね。当然、イベントの服にこだわりがあり、自分で選びたい人もいるでしょうから、いらない時は「いらない」と言いやすい状況や逃げ道を作ってくれると気が楽になるはず。もらう側としては、一番ありがたい方法だなと思いました。また、おさがりは、断っても角が立たない関係性の中でこそ、できるものだとも。相手に気を使わせることなく、おさがりを渡せるようになるためには、相手が断れるようなスキを、きちんと作っておくことがポイントだと思います。千尋ちゃんの他にも、おさがりをくださったママ友もいるのですが、「いらなかったら捨てちゃっていいから」とか、「逆に、ごめんね」と一言を添えてくれていたなと。ちょっとした気遣いで、印象は全然違うものになると思います!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年11月15日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年11月12日昨年のY2Kブームから地続きでありつつ、徐々に進化を遂げている2023年のファッション。本誌注目のファッションアイテムに、俳優の原菜乃華さんがトライ!普段は「なるべく楽に動ける服装を選びがち」だという原菜乃華さん。スポーティなスタイルを選ぶことが多く「可愛い服はなかなか着ることがない」のだとか。「ガーリーな服は持っているだけで幸せな気分になれるから、ビビッときたらすぐ買っちゃう!でも、ついついスウェット素材のセットアップなど、ラフに着られるアイテムで出かけることが多くなりがちです(笑)。それから、シルエットが綺麗な服を着ることも多いかも。自然と姿勢が良くなるんですよね。気合を入れたいとき、体のラインが出る服を選ぶようにしています」基本的に服を買うのはネットショップが多いという原さん。撮影の合間にも「これ、どこの服ですか?」とスタイリストの番場直美さんへ尋ね、カートに入れるべきかスマホとにらめっこしている姿が。気になっているファッションキーワードは?「今回の撮影でシアーアイテムにはすごく興味を持ちました。古着のトラックジャケットなど、自分が持っているスポーティなアイテムにプラスオンしてみたいです。上品なトーンとカジュアルなトーンを組み合わせて遊べるようになったらいいな、と買い物欲が湧いてきました。あと、私自身がすごく寒がりなんですよ(笑)。機能的な意味でも、厚手のモコモコした素材のアウターはゲットしたい。ただ冬場はどうしても黒ばっかりになっちゃうので、今回のコーディネートのように色で遊べたらな、と思いました」“シアー”アイテム重ね方で個性を演出、十人十色のスタイリング。・“ユニマメ”が火付け役。服と下着の中間をいく提案。・これから注目すべきは“キラキラ”したシアー。・インナーだけではなくトップスの上に重ねても。Z世代を中心にシアーアイテムの着こなしが広まるきっかけとなったUniqlo and Mame Kurogouchi。さまざまなシースルーコーデがストリートに散見されるなか、今後注目すべきはラメやスパンコールを用いたシアー素材。トップスの上から重ねる着方が今風。今年は“キラキラ”したシアー素材に注目。レイヤードスタイルを楽しむためのアイテムとして登場した、チュール素材をはじめとするシアーアイテム。2~3枚重ねることでニュアンスに個性が出せるからこそ「ストリートでもいろんなスタイリングを観測できた」とACROSS編集室シニアエディターの高野公三子さん。「ここまで流行った背景の一つに、ユニクロとのコラボレーションが話題となったMame Kurogouchiのパワーもあるんじゃないかな、と。洋服と下着の中間をいくような曖昧な提案が、Z世代を中心に幅広く受け入れられた。だからこそ、ここまで流行したのではないかと考えています」(高野さん)2021年頃から登場し、レイヤードスタイルの楽しみ方を拡充させてきたシアー素材。最新の着こなしではどういったことを意識すべき?「今年は“キラキラ”がキーワードです。スパンコールを使っていたり、ラメが入っていたりするアイテムが本当に多くて。今まではインナーとしてシアーを用いることが多かったと思います。でもキラキラ素材はトップスの上にも重ねられる。今までと少し違ったレイヤードスタイルを楽しめます。また、首元が寂しい印象になってしまうとき、プラスするだけでアクセントが生まれますよ」(スタイリスト・番場直美さん)ボリューミーな袖と真四角なシルエットがコーデに立体感をプラス。チュールトップス¥60,500(マージ/エストネーション TEL:0120・503・971) ジャケット¥121,000(リトコフスカ)グローブ¥26,400(キャサリン オスティ)タイツ¥6,160(スウェディッシュ ストッキングス)ブーツ¥86,900(ロランス) 以上エストネーションスカート¥39,000(コス/コス 青山店 TEL:03・5413・7121)イヤリング¥25,300(ガルニ/ガルニトウキョウ TEL:03・3770・4554)チェーンネックレス¥58,300(バルブス/ズットホリック )1、裾のリボンでシルエットを調節できるシャツ。¥35,200(ラム・シェ/ブランドニュース TEL:03・3797・3673)2、インナーとしても使える万能ブラウス。¥53,240(ベース マーク/エム TEL:03・6721・0406)3、遊び心をくすぐるスカートは、レイヤードアイテムとして活躍。¥30,800(バウム・ウンド・ヘルガーテン/エストネーション)4、コケティッシュになりすぎないラインを攻められるコルセットは、シアー素材ならではの魅力たっぷり。¥17,930※セット価格(メゾンスペシャル/メゾンスペシャル 青山店 TEL:03・6451・1660)はら・なのか2003年生まれ、東京都出身。俳優。’23年の大河ドラマ『どうする家康』千姫役、同年9月公開の映画『ミステリと言う勿れ』の狩集汐路役など、話題の映画・ドラマで活躍している。ACROSS編集室シニアエディター・高野公三子さん渋谷、原宿、新宿にてスナップとインタビューで「定点観測」し、東京の若者と文化を研究。編著に『ストリートファッション1980‐2020 定点観測40年の記録』(PARCO出版)。スタイリスト・番場直美さんスタイリストの白男川清美氏に師事したのち、2005年に独立。現在は本誌のAntennaページをはじめとして、さまざまな雑誌や広告等で活躍している。モデルや俳優からの支持も厚い。※『anan』2023年11月15日号より。写真・MELON(TRON)スタイリスト・番場直美ヘア&メイク・淡路美里取材、文・高木 望(by anan編集部)
2023年11月11日ビジュアルの再現度の高さに加え、音楽や照明、場面転換などの演劇的手法を駆使した多彩な演出で評価を受ける舞台『鬼滅の刃』。シリーズ4作目の今回は、重層的なドラマが描かれる遊郭編。本作から主人公の炭治郎を、阪本奨悟さんが演じる。「炭治郎のまっすぐな純粋さを大事にまっさらな気持ちで臨みたいです」「オーディションを受けさせてもらったんですが、すでに期待値が高い中で自分がそれを越えていけるかプレッシャーはありました。ただ、僕自身が兄姉と仲が良く、妹の禰豆子(ねずこ)を想う炭治郎に共感する部分も多く、演じてみたい役でもありました。炭治郎の魅力って、家族を想う純粋さだったり責任感だったり、諦めない心だったり…少年らしいまっすぐさなんですよね。15歳の炭治郎を自分が演じるにあたって、ここまで身についたものをとっぱらって、まっさらな気持ちで臨みたいです」鬼となった妹を人間に戻すため鬼殺隊に入った炭治郎。「其ノ肆 遊郭潜入」と銘打った今回は、鬼の動向を探るため遊郭に潜入する。「“柱”の宇髄さんの生い立ちが色濃く描かれる回でもありますし、僕としては花魁に扮した上弦の鬼・堕姫(だき)と炭治郎との戦いが舞台でどう表現されるのか楽しみです。それには僕もちゃんと準備しておかないと」迫力ある殺陣も魅力の舞台だけに、舞台稽古に入る前から自主的に殺陣のレッスンに通っていたそう。「殺陣の経験はあっても、そこまで激しいものはやってきていないんです。この作品には炭治郎を含めて超人的なキャラクターばかり。普通より1段上のレベルでないと表現できないものがあると思うので、事前にやれることはしておきたくて」それは原作へのリスペクトゆえ。「原作漫画や小説なら読んでおきたいし、アニメ化されていれば見て、作品や役への理解は深めておきたいじゃないですか。ただ、演じるのは生身の人間同士で、相手のお芝居を受けて生まれる感情もある。それが時には原作とは少し表現が変わってくることもあるかもしれない。でも、そこでリアルに生まれてきた感情を無視してしまったら物語として破綻してしまう気がするんです。僕は人と人が相対して生まれるものも同時に大事にしたいと思っています」アーティスト活動もおこなっており、伸びやかな美声の持ち主として評価も高い阪本さん。今作でも歌を披露する場面があるそう。「作品に自分が貢献できるとしたらやっぱり歌なのかなと思っています。歌を通じて役に繋がれる瞬間もありますので、そこも楽しみなんです」舞台『鬼滅の刃』其ノ肆 遊郭潜入11月12日(日)~19日(日)メルパルクホール大阪、12月1日(金)~10日(日)TOKYO DOME CITY HALL原作/『鬼滅の刃』吾峠呼世晴(集英社ジャンプコミックス刊)脚本・演出/末満健一音楽/和田俊輔出演/阪本奨悟、髙橋かれん、植田圭輔、佐藤祐吾、辻凌志朗、蛭薙ありさ、倉持聖菜、西葉瑞希、梶川愛美、佐竹莉奈、遠山裕介、廣瀬智紀、宮本弘佑、佐々木喜英ほか【大阪公演】全席指定1万1500円サイドシート1万1500円【東京公演】S席(アリーナ、第1・第2バルコニー)1万1500円S席サイドシート1万1500円A席(第3バルコニー)9500円A席サイドシート(第3バルコニー)9500円©吾峠呼世晴/集英社©舞台「鬼滅の刃」製作委員会さかもと・しょうご1993年6月13日生まれ、兵庫県出身。最近の主な出演作に、ミュージカル『刀剣乱舞』、演劇調異譚『xxxHOLiC』など。シンガーソングライターとしても活躍中。ニット¥44,000(CULLNI/Sian PR TEL:03・6662・5525)中に着たTシャツ¥14,300(CLOUD LOBBY/JOYEUX TEL:03・4361・4464)※『anan』2023年11月8日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・山田安莉沙ヘア&メイク・木内真奈美(オティエ)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年11月08日村上春樹の小説を原作に、意識と無意識を融合させたキュートかつダークな世界。ダンス、音楽、美術、衣装、全てにおいてセンスを感じる舞台『ねじまき鳥クロニクル』は、観客を極上の観劇体験にいざなった。イスラエルのインバル・ピントが演出・振付・美術を手掛け、大友良英率いるバンドが生演奏を行った。初演は好評を博したが、コロナで全公演の上演は叶わず、3年ぶりに再演が実現。門脇麦さんは初演に続き、17歳の笠原メイを演じる。五感を使って演出意図をキャッチして体に落とし込む作業をしてました。「インバルは、視覚センスが突出している人。人物の立ち位置から場面を組み立ててみたり、時間をかけて振り付けても、やはり違うと思ったら、潔く一から作り直したり。ニュアンスや空気感をとても大切にされていて、その創作過程は稽古場で見ていても刺激的でしたね」原作は全3巻もある長編小説である。門脇さんは村上作品の大きな魅力の一つは文体にあると感じていた。「ただ、あの日本語のニュアンスは翻訳ではおそらく伝わらないと思います。だから、私が原作を読んで感じ取った空気感やメイという少女を表現することよりも、イスラエル人のインバルが日本文学の村上作品を読み、どんなエッセンスを受け取り表現したいと思ったのか。それを体現することの方がこの舞台では大事なんじゃないかなと思いました」稽古場での、言葉に頼らないコミュニケーションは性に合ったらしい。「文学作品の舞台というと、言葉が一番大切なように思うけれど、日本語を介さない創作現場では、削ぎ落とした骨組み、本質だけが残ります。インバルたちがどうしたいのかを五感を使ってキャッチして、体に落とし込む作業を稽古場ではひたすらしていた気がします。私もたいてい勘で生きているので、全く違和感はなかったです(笑)」14歳まではバレエダンサーを目指していた門脇さん。フィリップ・ドゥクフレや野田秀樹など、これまでも身体的な表現を得意とする演出家の舞台に多く出演してきた。そんな経験が、インバルの創作現場を楽しむ力を蓄えていたのかもしれない。「もともと身体先行の感覚人間なので、言葉を使うと、どう説明しようという方に気持ちが傾いて、そっちの方が意味を限定してしまい、かけ違うことがあるように思いますね」最近では、映画『ほつれる』や『渇水』などの映像でも言葉以外の、表情や佇まいでその人物を強く印象づける豊かな表現をしている。「映像は日に3~4シーン撮らなければいけないので迷っていられません。想像以上に感情が高まってしまったなと後から思うような時もあります。その点、舞台は稽古期間があり、試行錯誤できます。基盤がある状態で本番を迎えられるから映像より自由度は高いかもしれないです」最近特に表現に深みが増して見えると伝えると、年齢のせいじゃないですか?と笑う。「一応、毎日一生懸命生きているので、ちょっとは深まってもらわないと困るんですよね(笑)」どんな現場でも、能動的に楽しもうと取り組めば楽しみは必ず見つかる。そう気づいてから演じることがますます面白くなってきたらしい。「楽しむパワーって、大きいんですよね。客観視して没入しすぎない方法を今は楽しんでいますけど、また気が変わるかもしれません(笑)」舞台『ねじまき鳥クロニクル』飼い猫捜し、女子高生の笠原メイとの出会い、謎の女からの電話、妻の失踪…。岡田トオルの身に次々と不可解な出来事が起きる。現代の世田谷から戦時中の満州まで、時空を超えて世界が繋がる。11月7日(火)~26日(日)池袋・東京芸術劇場 プレイハウス原作/村上春樹演出・振付・美術/インバル・ピント脚本・演出/アミール・クリガー脚本・作詞/藤田貴大音楽/大友良英出演/成河、渡辺大知、門脇麦、大貫勇輔・首藤康之(Wキャスト)、音くり寿、松岡広大、成田亜佑美、さとうこうじ、吹越満、銀粉蝶ほかS席1万800円(土・日・祝日1万1800円)、サイドシート8500円ホリプロチケットセンター TEL:03・3490・4949(平日11:00~18:00)大阪、愛知公演あり。かどわき・むぎ1992年8月10日生まれ、東京都出身。2011年ドラマデビュー。主な出演作に映画『愛の渦』(’14)、『浅草キッド』(’21 Netflix)、『あのこは貴族』(’21)、『ほつれる』(’23)、ドラマ『リバーサルオーケストラ』(’23)など。台湾映画『Old Fox』が台湾にて公開。モヘアニットトップス¥45,100中に着たカットソー¥11,000スカート¥39,600(以上オーラリー TEL:03・6427・7141)ブレスレット¥53,900左手のリング¥32,400右手のリング¥35,200(以上サピア バハール/フィルグ ショールーム TEL:03・5357・8771)※『anan』2023年11月8日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・高野智史ヘア&メイク・伏屋陽子(ESPER)インタビュー、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年11月05日