●ロックにダメ出しはないから心配ロックミュージシャンとして独特の存在感を放ち、更には映画・ドラマ・バラエティにも多数出演、自身の経験から『成り下がり』『タネナシ。』『育爺。』といった著書を上梓するなど、多方面にわたって活躍するダイアモンド・ユカイ。さらに2016年、世間を驚かせたのが、初めてのミュージカル出演という発表だった。しかも演目は『ミス・サイゴン』。アメリカ・ブロードウェイでロングランを重ね、世界中で公演が行われており、日本でも1992年の初演以来24年間定期的に上演が続けられている。芸歴30年にしてオーディションを受け、この大作に挑む。ベトナム戦争下のサイゴンで売春宿を経営するしたたかな"エンジニア"役について、どのようにとらえているのだろうか。○子供の頃に憧れた世界――ミュージカルとユカイさんの出会いはいつ頃でしたか?初めて見たのが劇団木馬座の『ピーターパン』で、「大人にならない子供だよ」っていうセリフが今も残ってますね。その後も、アメリカのエンタテインメントに対するあこがれはずっとあるから、映画で見るジーン・ケリーのタップとか、フレッド・アステアとかフランク・シナトラとか、歌って踊る人のことはかっこいいなと思ってた。でも、中学でビートルズに出会ってからは、ロックの道をまっしぐらだったんで、離れていったけど、根底には歌って踊れる人に対する憧れはあったね。――ミュージカルという世界に50代で新たに挑戦する心境はいかがですか?それが、初めて『ミス・サイゴン』を見た時、ロックで表現したかったものが、このミュージカルに詰まってると思ったんだよね。エンジニアが歌う楽曲も、まさにダイアモンド・ユカイが歌いたかった曲で。ほかのミュージカルも見てきて、その中の曲がいい歌だなと思うことはあったけど、自分の表現したいドンピシャの曲があるとは思ってなかったから、雷に打たれたみたいだったね。――どういう部分に打たれたんでしょうか。全部だね。エンジニアの曲『アメリカン・ドリーム』は、デイヴィッド・リー・ロスの『カリフォルニア・ガールズ』とか、マリリン・モンローの『Diamonds Are a Girl’s Best Friend』とか、マドンナの『マテリアル・ガール』をよりぶっ飛んだロックの世界だなと。ダイアモンド・ユカイとしても、そういう世界をやってきたつもりではあったんだけど、ミュージカルの物語の中で、そういう曲をやる意味ってまた格別で。興味深いなって。『ダイ・イン・ベッド』に関して言えば、戦争で荒れ果てて混とんとした中から這い上がっていくエンジニアの姿はワイルドだし、ロックそのものだなって。歌いたいと思ったね。――芸能生活30年で新たにオーディション受けるって、怖くはなかったですか?ロックにオーディションなかったからね。でも、ダメでも仕方ないと思ってたから。経験も少ないし、どういう表現をしたらいいかわかんない中で受けたオーディションなんでね。自分のやりたい表現がそこにあって、歌いたいと思うことって、一生のうちでも、そんなにあることじゃないからさ。これから稽古じゃない? 役者さんって、演出のときにダメ出しがあったりするけど、ロックにダメ出しもなかったから、俺、ダメ出しあったら立ち直れるかなって思ってたりもするよ(笑)。でも、凹んでる暇はないからね。あと、新人だからさ、あんまり偉そうにしないように、粗相のないようにというのが、第一の目標ですよね(笑)。もちろん、エンジニアという役については、自分でぶつかって切り開いていかないといけないんだけど。●役者の仕事と言われ行ったら、『さんま御殿』○足かせの中を逆走してきた――"エンジニア"に自分の姿を重ねたりしますか?俺はそこまでワイルドな人生じゃないけどさ。公務員の息子で平々凡々と生きてきたから。でも、ロックの世界に入ってからは、ああしろ、こうしろっていう足かせの中を逆走したっていうのはあるけどね。――どういう形で逆走してきたんでしょうか。俺の中高生のときは、いい大学に入っていい会社に入って一人前という道筋がはっきりしてて、そこに向かわないとお前はアウトロ―なんだという日本全体がそんな学校教育だったから、個性みたいなものが尊重されないところがあったんだよ。俺はかたい家庭で育ったから、ロックなんてもってのほかで、その上、当時はロックが商売になるなんて夢のまた夢だったね。中学2年でロックに目覚めて、大学5年生でデビューしたけど(笑)、ロックスターになるか、親が喜び安心させる事ができる公務員になるかと言う選択で迷ってたね。――好きなことをやることを選んでも、続けることは大変だったのでは。22のときに本を読んでさ。自分が自分の人生の主役。好きなことを選ばないと本当の幸せは得られないっていう言葉が、響いちゃったんだよね。そんなとき、親父が死んだ。悲しかったけど、そこでひとつの山は越えた。でも、鮮烈なデビューをして西武球場や武道館でLiveもやったんだけどバンドは解散して、好きなことでお金にならなかった時代もある。『成り下がり』って本を書いた。でも、自分で選んだ好きな道だから苦労を苦労とは思わない。○あのころ罵倒していたバラエティにも――その後、第2の山はありましたか?耐えずジェットコースターみたいな感じだよ。バラエティを始めたのも転換期だったと思うしね。レッド・ウォーリアーズというバンドを知ってる人からしたら、あの時代からしたら、最も遠いバラエティの世界に出てるのを見て、「コイツ大丈夫かな」と思ってただろうしね。でも、挑戦するっていうのは、意味があると今はそう思ってる。――バラエティをやってみて、得たものってありますか?最初は、役者の仕事が入ったって言われて、いざ行ってみたら『踊る!さんま御殿!!』だったんだよ。自分としては素で話してたんで、何が面白いかわからなかったけど、やってくうちに、これはこれで一つのエンタテインメントだなと。お客さんを楽しませるという意味ではロックと共通してるよね。――そこにはすぐ気づいたんですか?最初はオファーが来るからやってたんだけど、一年たったらやめようと思ってました。でもやってるうちに勉強することも多いし、新しい発見も沢山あって、そんなときに子供を授かったりもして、世間の人達の見え方も変わって来たような気がして、目の前にあることは、実は意味があるんだなと思えるようになった。――この『ミス・サイゴン』に今出会うことも意味ですよね。もちろん。「アメリカン・ドリーム」に雷に打たれて、歌いたいって思って、オーディションを受けてさ。でも果たして俺にできるのかっていうプレッシャーは今も持ってて、大きな関門だね。でも、挑戦することに意味があるんだ。挑戦してるときって、魂がキラキラするんだよね。――これから稽古、そして本番ですけど、どういう舞台にしていきたいですか?今は、何がどうなっていくのかまったく分からないけど、小さな光だけは見えていて、それに向かってるところです。俺って、いつもロックロック言ってるけど、見に来てくれる人には、キムとクリスのストーリーはとても痛くて悲しい事であるからこそ、ベトナム戦争時代の混沌とした八方塞がりの中で自分の夢に向かって逞しく生きるエンジニアのロック精神を感じてもらえたら嬉しいな。ロックミュージシャンである自分にしかできない自分なりのエンジニアを表現できたらなって思っています。西森路代ライター。地方のOLを経て上京。派遣社員、編集プロダクション勤務を経てフリーに。香港、台湾、韓国、日本などアジアのエンターテイメントと、女性の生き方について執筆中。現在、TBS RADIO「文化系トーラジオLIFE」にも出演中。著書に『K-POPがアジアを制覇する』(原書房)、共著に『女子会2.0』(NHK出版)などがある。
2016年09月09日「ピース」の又吉直樹が執筆し、第153回芥川賞を受賞した「火花」をNETFLIXがオリジナルドラマ化。本作の190か国配信記念外国人上映イベントが6月9日(木)に都内で行われ、チャド・マレーンと鈴木奈々が登壇した。「火花」は日本独特の話芸・漫才の世界に身を投じた青年たちの生きざまをリアルに映し出したドラマ。1話を1年で計10年の人生を描き、生きることの意味、愛しさを謳いあげる青春物語だ。芥川賞受賞の日本発の「火花」が、果たして諸外国ではどのように受け取られるのか注目が集まっていることから、世界約60か国の外国人75名を招く画期的な上映イベントとなった。英語字幕を担当したチャドさんは、「(出身地の)オーストラリアでは、売れた人はリムジンに乗ったりするんです。『ペナルティ』のワッキーの冠番組に出たとき、ワッキーがボロボロの原チャリでやって来て、すごい悲しかった」と、芸人になって理想と現実のギャップに驚いたと話した。日本のイマドキ若者代表として、芸人風の赤いコスチュームで現れた鈴木さん。ドラマ内で若手芸人が過酷な営業仕事をしていることについて、鈴木さん自身も先日過酷なことがあったと明かす。「岡山県でロケしてたら、東京行きの飛行機が欠航になってしまったんです。でも次の日、東京で仕事があって絶対に帰らないといけなくて」と言い、岡山から名古屋までは飛行機で行き、名古屋からは5時間かけてタクシーで東京まで帰ってきたそう。「タクシー代が22万円だったんです。びっくりしちゃって(笑)。そのときダイアモンド ユカイさんと一緒だったんですけど、ダイアモンドさんが5時間ロックンロールの歌をずっと歌ってて…迷惑でした」と、22万円よりも歌のほうが精神的にきつかったと冗談交じりに話した。劇中では、飲み歩く芸人の姿も描かれている。鈴木さんは「旦那さんとお付き合いしているときに、はなの舞とか行ってました。お酒の力を借りて逆プロポーズしました。いま、女子会では代官山のレタしゃぶとかに行きますね」と居酒屋からおしゃれ店へ移り変わったことを話すと、チャドさんが「レベルアップしたね」と突っ込み、鈴木さんは頷いて「旦那さんとはいまも飲み歩きます。この間は焼き鳥屋に行ったりして。仲良いです。ラブラブです」と、うれしそうにのろけていた。Netflixオリジナルドラマ「火花」は世界190か国にて全10話一斉同時配信中。(cinamacafe.net)
2016年06月09日ユカイ工学は、グッドスマイルカンパニーの展開するフィギュア「ねんどろいど」シリーズが誕生10周年を迎えることを記念し、同社のロボットドール「iDoll(アイドール)」と「ねんどろいど」のコラボレーションモデル「HATSUNE MIKU by iDoll x Nendoroid」を開発し、特設サイトをオープンした。「HATSUNE MIKU by iDoll x Nendoroid」は、グッドスマイルカンパニーが制作する「ねんどろいど」の造形と、ユカイ工学が開発する「iDoll」の技術を組み合わせることによって誕生したロボットドール。原型・彩色は、グッドスマイルカンパニーが監修する。2月2日現在、特設サイト上ではイントロダクションムービーが公開されており、「SING」、「DANCE」、「COMMUNICATE」という3つの特徴と、動作の様子を見ることができる。なお、2月7日に幕張メッセにて開催される造形イベント「ワンダーフェスティバル2016[冬]」の「ねんどろいど10周年コーナー」にて、同コラボレーションモデルを実物展示し、デモンストレーションを実施。同日に特設サイトを更新し、より詳細な情報を公開予定ということだ。
2016年02月02日ユカイ工学は9月8日、同社のコミュニケーションロボット「BOCCO」の無料Androidアプリをリリースしたと発表した。「BOCCO」は、家に設置することで、外出先から伝言もしくはテキストの送信を可能とするロボット。例えば、家庭で子供が親より先に帰宅した場合、ドアにつけた積み木センサーが反応し「玄関センサーが反応しました」などのメッセージを親のスマートフォンに通知することができる。また、スマートフォンから音声メッセージをBOCCOへ送り再生できるほか、メール読み上げ機能を有するため、文字が読めない子供やスマートフォンの操作に慣れない高齢者ともコミュニケーションを図ることが可能だ。価格は3万1320円で、DMM.make ROBOTSおよびau Wallet Marketで購入することができる。また、ユカイ工学は同日よりリノべると提携し、住宅での音声による通知が"状況に応じた音声"での通知となるBOCCOのAPIを利用したアプリケーションの開発を開始したことも明かした。これにより給湯器などからあらかじめ決まった音声の再生だけだったものが、ニュースや天気予報、家族の帰宅時間などを相手に合わせた内容で伝えることができるようになるという。
2015年09月09日メタップスはロボット開発者のマネタイズ支援プラットフォーム「Metaps Robotics」の提供に向けて、ユカイ工学と業務提携を実施したと発表した。IoTが社会に浸透し、ロボットが単体で独立して動くタイプから、クラウドを通して高度な連携が可能なスマートロボットが普及していくとされる一方、IoTデバイスやロボットの開発者のマネタイズが課題となっている。「Metaps Robotics」はメタップスがアプリ収益化支援で培ったノウハウを活用してロボットのマネタイズを支援する開発者プラットフォームで、今年の夏以降の提供を予定している。ユカイ工学はソーシャルロボット「ココナッチ」、家庭向けコミュニケーションロボット「BOCCO(ボッコ)」など、インターネットとセンサーを活用した製品の開発実績をもつ。メタップスは、今回の業務提携により両社の知見とノウハウを融合させることで、クラウド、センサー、ハード、アプリを連動させた新しいビジネスモデルの確立を目指すとしている。
2015年04月07日劇団四季のミュージカル『ライオンキング』東京公演が12月20日、13周年を迎え特別カーテンコールを行った。1998年12月20日に東京・四季劇場[春]のこけら落としとして日本初演の幕を開けた本作は、その後各地での上演も並行しつつ、同劇場では13年の長きにわたり公演を続けている。同一劇場でここまでのロングランを続けているのは、日本では『ライオンキング』だけだ。『ライオンキング』チケット情報はこちらこの日は公演終了後、ふたたび幕が開くと星空の中、主人公シンバ役の田中彰孝らが登場し、劇中歌『終わりなき夜』をこの日のための特別な演出で歌唱。ナンバーの終了とともに「13th ANNIVERSARY IN TOKYO,JAPAN」と書かれた大看板が登場すると、客席からは大きな拍手が沸きあがった。田中は看板にはツイッターで寄せられた13周年を祝福するメッセージがデザインされていることを話し、「皆さまのお言葉を目の当たりにしますと、改めて作品に携わる喜びと責任を感じずにはいられません。これからもご期待を裏切らないよう、誠心誠意、舞台を務めてまいります」と感謝の言葉を述べた。その後出演者全員で作品を代表するナンバー『サークル・オブ・ライフ』を合唱、この日の特別カーテンコールは終了となったが、その後も鳴り止まない熱い拍手に何度も出演者は舞台に呼び戻され、カーテンコールは繰り返された。この日の公演は、今年生まれた双子の子どもに“頼音(ライオン)”君と“匠音(ショーン)”君と名付けたというダイアモンド☆ユカイも観劇。公演後に出演者たちと交流を持った彼は「グレイトだね。しょっぱなから持ってかれた感じ、最高! 『ライオンキング』はロールしてるね、ロックンロールだね」と興奮の面持ちで登場。「(息子は)音から生まれたという名前を考えて、ひとりはショーンと決めていた。もうひとりは“ライオン”というのがいきなり空か降ってきて、その時実は『ライオンキング』が頭に浮かんだんだよね。今日観て、ライオンという名前にして良かったと改めて思った。シンバは人生そのもの。シンバでも良かったかな、ダイアモンド☆シンバ!」と子どもの命名のエピソードを明かし、出演者たちに子どもの写真を見せるなど嬉しそうに話をしていた。また劇中に登場する“プライドロック”に登ると「俺、高いところ大好きだから、登ると降りたくなくなっちゃう。また名前がいいよね、“ロック”だし、俺が行くための岩だよね」とも語っていた。公演はロングラン上演中、チケットは現在5月31日(木)公演分まで発売中。なお札幌でも公演中、こちらは北海道四季劇場にて、3月11日(日)公演分まで発売中になっている。
2011年12月21日