ビデオ軽量化サービス「Beamrクラウド」、Mac Studio / MacBook 向け盗難防止製品などを展示予定ジャパン・トゥエンティワン株式会社(本社:愛知県豊橋市、以下:J21)は、2023年11月15日(水)~17日(金)に幕張メッセにて開催される「Inter BEE 2023」に出展いたします。ビーマー社(Beamr Imaging, LTD.、NASDAQ:BMR、本社:イスラエル)のビデオ軽量化サービス「Beamrクラウド」、コンピュロックス・ブランド社(Compulocks Brands Inc.、本社:アメリカ)の Mac Studio / MacBook 専用盗難防止製品などを展示いたします。展示会概要展示会名:Inter BEE 2023会期:2023年11月15日(水)~17日(金)時間:10:00~17:30(最終日のみ17:00終了)場所:幕張メッセ小間番号:5105Web: オンライン案内状: 出展製品ビーマー社製品「Beamrクラウド」ダッシュボード画面2024年第一四半期に商用サービス開始予定のビデオ軽量化サービス「Beamrクラウド」をご紹介します。同サービスは、動画ファイルに対してコンテンツ適応型の軽量化処理を行うクラウドサービスです。出力フレーム候補と入力フレームとを比較して「視覚的な品質を維持」という条件下において可能な最大圧縮レベルを自動で探し出して出力フレームを生成、ファイル全体を構成していくもので、NVIDIA社NVENCハードウェアアクセラレーション・ビデオエンコーディングと統合したサービスです。コンピュロックス・ブランド社製品Mac Studio専用に開発された盗難防止製品3種 -「Mac Studio用セキュリティスタンド」、「Mac Studio用セキュリティスロットアダプター - Ledge」、「Mac Studio用セキュリティマウント」に加え、MacBook専用製品 - 「MacBook Pro用セキュリティスロットアダプター – Ledge」、「MacBook Air用セキュリティスロットアダプター – Ledge」などをブースにご用意いたします。是非、手に取ってご覧ください。事前来場者登録フォームはこちら 弊社出展詳細はこちらからご確認ください。 皆様のご来場を心よりお待ちしております。ビーマー社(Beamr Imaging, LTD.)についてイスラエルのヘルツェリアに本拠を置くNASDAQ上場企業で、コンテンツアダプティブビデオソリューションの世界的リーダーです。「テクノロジー&エンジニアリング・エミー賞2021」や「Seagate Lyve Innovator of the Year 2021」を受賞、53件もの関連する取得特許に裏付けられた同社の映像知覚最適化技術は、視覚的品質を維持したまま最大50%のビットレート削減を可能にします。Web: コンピュロックス・ブランド社(Compulocks Brands Inc.)についてコンピュロックス・ブランド社は、幅広いPCやタブレット向けの盗難防止製品をデザインし、製造および販売を行う米国の企業です。業界での豊富な経験と迅速かつ綿密な作業は、メーカーの最新製品に適した革新的な製品をデザインして、いち早く市場に投入することを可能にしています。同社の製品は、ショップやレストラン、病院、教育、政府・自治体など幅広い業種にわたって、全世界で使用されています。ジャパン・トゥエンティワン株式会社について1992年9月に創業し、“イノベーションを市場化する”を掲げ、イスラエルを中心に世界最先端のハイテク企業の技術や製品のビジネス開発を日本で展開。主な取り扱い製品には、自動車の後付け衝突防止補助システム「モービルアイ」、車両の運行情報を管理・分析するフリートマネジメントシステム「イトラン」、タブレットの盗難防止製品「コンピュロックス」、プログラミング学習サービス「コードモンキー」、聴力アシスト機能付き無線イヤホン「BeHear® NOW」、衛星画像データを活用した水道インフラ管理・更新のための「アステラ製品」、視覚的品質を維持したまま動画のファイルサイズを削減する「Beamrビデオクラウドサービス」などがあります。Web: ※ 製品名、サービス名などは一般に各社の商標または登録商標です。※ 内容は発表日現在のものです。予告なしに変更されることがあります。お問い合わせ先ジャパン・トゥエンティワン株式会社東京本社:東京都渋谷区神宮前6-19-13 J-6ビル4FTel:03-6775-7450【ビーマー社製品】E-mail: beamr@japan21.co.jp Web: 【コンピュロックス社製品】E-mail: compulocks@japan21.co.jp Web: Webshop: 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年11月02日ビデオエンコードソリューションの新たな進化、NVIDIA GPUのサポートを追加2023年10月18日 ― ジャパン・トゥエンティワン株式会社(本社:愛知県豊橋市、以下:J21)は、ビデオエンコードソリューションのリーディングプロバイダーであるビーマー社(Beamr Imaging, LTD.、NASDAQ:BMR、本社:イスラエル)が開発・運営する「Beamrビデオクラウドサービス」のサードベータ版がリリースされたことをお知らせいたします。J21は同サービスの国内代理店を務めております。ビーマー社Webサイト - 今回リリースするサードベータ版は、NVIDIA社NVENCハードウェアアクセラレーション・ビデオエンコーディングと統合(※1)したサービスとなります。2023年6月にリリースしたファーストベータ版により、ユーザーはシンプルなWebブラウザベースのアプリを通じて、ビーマー社の誇るコンテンツ適応型軽量化処理を施した動画ファイルの品質を手軽に確認できるようになりました(※2)。同年9月には、セカンドベータ版としてWeb APIをリリースし、同社の動画ファイル軽量化処理の大規模自動化機能が準備されつつあることを示しました(※3)。そして今回、大規模かつコスト効率の高い軽量化処理を高速で行うためのNVIDIA GPUのサポートを追加したサードベータ版をリリースしました(※4)。開発中のBeamrビデオクラウドサービスダッシュボード「Beamrビデオクラウドサービス」は、動画ファイルに対してコンテンツ適応型の軽量化処理を行うクラウドサービスです。出力フレーム候補と入力フレームとを比較して、「視覚的な品質を維持」という条件下において可能な最大圧縮レベルを自動で探し出して出力フレームを生成、ファイル全体を構成していく本技術は、コンテンツアダプティブビットレート(CABR)最適化技術として、2021年に「テクノロジー&エンジニアリング・エミー賞」を受賞(※5)している先進的なものです。コンテンツ適応型軽量化処理の概要2024年第一四半期に開始予定の有償サービスでは、軽量化処理1GB毎に0.05 USドルの価格を予定しています。J21は2012年からビーマー社の画像最適化ソフトウェアソリューション「JPEGmini Server」のライセンスおよび国内サポートサービスを提供してきました。今後も同社のソリューションを国内企業に安心してご利用いただくことに注力してまいります。ビデオ最適化の未来をいち早く体験するために、「Beamrビデオクラウドサービス」Webサイトにアクセスし、ベータ版プログラムに参加して下さい。ビーマー社は、今後もビデオコンテンツ最適化技術でストレージやネットワークのコスト削減に革命を起こし続けます。より詳細な情報は、当社ウェブサイトまたはお問い合わせフォームからお問い合わせください。※1 ※2 ※3 ※4 ※5 Beamrビデオクラウドサービス(サードベータ版)概要URL: 費用:無償(節約された容量が100GBに到達した時点で終了)登録・認証:Eメール、または、Googleアカウント(クレジットカード等の登録は不要)最適化ファイルのダウンロード期限:24時間(自動削除)対応ファイル:1ファイル5GBまで、4K解像度まで、300FPSまで、H.264およびHEVC処理プロファイル:1. 軽量化、2. 軽量化+リサイズ、3. 軽量化+フォーマット変換その他:REST API、S3バケット接続機能プライバシポリシー: (英語)注)上記仕様は予告なく追加・変更になる可能性があります。ビーマー社(Beamr Imaging, LTD.)についてイスラエルのヘルツェリアに本拠を置くNASDAQ上場企業で、コンテンツアダプティブビデオソリューションの世界的リーダーです。「テクノロジー&エンジニアリング・エミー賞2021」や「Seagate Lyve Innovator of the Year 2021」を受賞、53件もの関連する取得特許に裏付けられた同社の映像知覚最適化技術は、視覚的品質を維持したまま最大50%のビットレート削減を可能にします。Web: ジャパン・トゥエンティワン株式会社について1992年9月に創業し、“イノベーションを市場化する”を掲げ、イスラエルを中心に世界最先端のハイテク企業の技術や製品のビジネス開発を日本で展開。主な取り扱い製品には、自動車の後付け衝突防止補助システム「モービルアイ」、車両の運行情報を管理・分析するフリートマネジメントシステム「イトラン」、タブレットの盗難防止製品「コンピュロックス」、プログラミング学習サービス「コードモンキー」、聴力アシスト機能付き無線イヤホン「BeHear® NOW」、衛星画像データを活用した水道インフラ管理・更新のための「アステラ製品」、視覚的品質を維持したまま動画のファイルサイズを削減する「Beamrビデオクラウドサービス」などがあります。Web: ※ 製品名、サービス名などは一般に各社の商標または登録商標です。※ 内容は発表日現在のものです。予告なしに変更されることがあります。お問い合わせ先ジャパン・トゥエンティワン株式会社東京本社:東京都渋谷区神宮前6-19-13 J-6ビル4FTel:03-6775-7450E-mail: beamr@japan21.co.jp Web: 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年10月18日ディスカヴァー・トゥエンティワンは9月22日、『「ひとりが好きな人」の上手な生き方』(著:ティボ・ムリス、訳:弓場隆)を発売しました。■すぐに実践できる具体的なエクササイズも掲載同書では、内向性について解説のうえ、内向型としての本来の生き方ができることを目的とした書籍となっています。著者でフランス出身のビジネスコーチのティボ・ムリス氏は、自身も内向型であったとのこと。若い頃は明るく振る舞って出会いを楽しみたいと思いつつ雑談を続けるだけのエネルギーがなく、なるべく目立たず人前で言葉を発しないように気を付けてきたものの、その後に内向性について正しく理解し、内向的な性格を直そうとやっきになるのは誤りであると気付いたそう。書面では、現代社会で生きづらさを抱えがちな「内向型」の人々が強みを活かし、幸せな人生を送るためのノウハウを分かりやすく掲載。すぐに実践できる具体的なエクササイズを多く紹介するほか、内向的な性格を素直に受け入れ、気まずさや恥ずかしさといったネガティブな感情を取り除き、人生を再設計させる事を目指す一冊となっています。購入者には、特典として「ひとりが好きな人」のためのワークシートも用意しています。■書誌概要書誌名:「ひとりが好きな人」の上手な生き方著者:ティボ・ムリス訳者:弓場隆価格:1,650円(フォルサ)
2023年09月28日ディスカヴァー・トゥエンティワンは6月23日、『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない―自分の言葉でつくるオタク文章術』(三宅香帆・著)を刊行しました。◇ぼる塾 田辺さん推薦!自分の言葉で表現するのって、すごく大事。「やばい!尊い!」で片付けてたけど、ちゃんと言葉にして推しと向き合うと、推しのより好きなところが見えてきました。■発信方法ごとの推し語りのコツを、この1冊にまとめて伝授!「推しを語ると『やばい』『最高』『尊い』以外の言葉がでてこない」「自分だけの感情を伝えたいけど、いつもありきたりな言葉になってしまう」「誰かと同じことしか言えないので、自分が発信する意味がないとあきらめてしまう」推しについて語るとき、そんな歯がゆさを感じている人も多いのではないでしょうか。同書は、書評家である三宅香帆さんが長年培ってきた文章技術を、「推し語り」に役立つようにまとめあげた1冊です。SNS発信、ブログやファンレター、友人とのおしゃべり、音声配信といった発信方法ごとに、推しの魅力を自分の言葉で伝える技術を伝えています。「推し語り術」は、仕事でライティング作業がある人だけではなく、推しについて語るSNSやブログを発信している人、推しにファンレターを書きたい人、推しを友だちに布教したい人…そんな人たちに幅広く役に立つ技術です。「推しについて語るネタをどうやって見つけたらいいかわからない…」「推しについて語りたいけど、語彙力がなくて、言葉が一様になっちゃって困る!」という悩みを解消します。自分だけの言葉で推しを語ることができれば、もっともっと推し活が楽しくなります。ありきたりな言葉に流されず、自分の言葉でつくる「推し語り」を楽しんでください!■書誌概要『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない―自分の言葉でつくるオタク文章術』刊行:ディスカヴァー・トゥエンティワン定価:1,760円(エボル)
2023年07月16日ディスカヴァー・トゥエンティワンは5月26日、『「誰かのため」に生きすぎない』を刊行しました。同書の著者は、「世界一受けたい授業」などテレビ番組にも多数出演している人気精神科医・藤野智哉さん。Twitterでは、精神科医としてのアドバイスに加えて、自分自身を大切にするためのメッセージを発信し、フォロワーは7万人にものぼります。藤野さんがこんな発信を続ける背景には、幼いころ、川崎病という病気の後遺症が原因で、大きくなるまで生きられるかどうかわからないと言われたという経験があります。運動もできず、あきらめなければいけないこともたくさんあったそうです。今も薬を飲み続けなければならず、制限される部分も大きいです。しかし、この「人より人生が短いかもしれない」と切実に感じた経験が、自分を大切にしてやりたいことをやることの重要性を感じることにつながったとも言えます。つらさ、しんどさがたまってしまうと、うつなどの「心の病気」になってしまう人もいます。そうなる前にラクになってほしい、持ち直してほしいとの考えから、SNSで発信したり、本を執筆したりしています。同書では、一生懸命だったり、優しいあまりに頑張りすぎてしまう人が、適切に休んだり甘えたりすることができるよう、疲れてしんどい心にしみ込む、ゆるっと優しい言葉たちと精神科医の知見を贈ります。自分をいたわり、大切にするためのメッセージとともに、ちょっとしたワークも収録。書籍に書き込みながら、自分自身に目を向ける練習をしましょう。すでにさまざまな人より好評を得ており、発売前に重版が決定している、話題の書籍です。仕事でも家庭でもついがんばりすぎてしまう人、人間関係で「誰か」の決めた価値観やルールに合わせすぎたり、振り回されてしまいがちな人が、立ち止まって、少しだけ自分をねぎらう、自分をケアする、自分を大切にするきっかけになる1冊。「しんどい」「もうイヤ」と感じたときに、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。◇【目次】1章まずは「お休みする」だけでいい2章もっと自分のことを気にしてあげよう3章あなたの体の声が教えてくれること4章無理せずがんばりすぎない人間関係のヒント5章うかつに幸せになってもいいんじゃないかな◇早期購入特典あり!同書を5月31日までに予約・購入した人限定で、著者による限定メッセージ動画を配信します。「しんどいときは、まず休む」ことの大切さや、藤野先生自身が「明日はちょっと休もう」と気づくとき、藤野先生が普段の人間関係で大切にしていることなど、藤野先生自身の自分を大切にして力を抜くコツについて話しています。詳細は以下を確認してください。■書誌概要『「誰かのため」に生きすぎない』発売日:2023年5月26日刊行:ディスカヴァー・トゥエンティワン仕様:四六判/240ページISBN:978-4-7993-2951-1定価:1,650円【同書の購入はこちら】<紙書籍>Amazon:楽天ブックス:<電子書籍>Kindle:楽天Kobo:(エボル)
2023年06月01日ディスカヴァー・トゥエンティワンは4月21日、『携書 察しない男 説明しない女』(五百田達成・著)を刊行しました。■あなたは男タイプ?女タイプ?すぐわかるチェックシート付『携書 察しない男 説明しない女』は、シリーズ100万部を突破している『察しない男 説明しない女』を持ち運びやすい携書サイズにし、再編集したもの。著者はメディアでも活躍する心理カウンセラーの五百田達成(いおた・たつなり)氏。コミュニケーションのプロフェショナルが、仕事・家庭・恋愛で「あるある」のすれ違いシーンに効く魔法のひとことを伝えています。同書によると、「男と女は異星人」と言ってもいいほど違うとのこと。鈍感で察しが悪くて、理屈っぽくて、上下関係が大好きで、なめられたくないのが男。よく気がまわり、感情的で、感覚的で、言わなくてもわかってほしいのが女。「同じ人間なんだからわかるはず」「日本人同士だから伝わるはず」という思い込みが、男女のコミュニケーションのすれ違いを生むと話します。また、同書でいう男・女とは、性別的なものではなく、コミュニケーション上の「カテゴリ」。男性的な感じ方・考え方・話し方・伝え方をするのが「男」、女性的な感じ方・考え方・話し方・伝え方をするのが「女」で、コミュニケーションのパターンを2つに分けたうえで、その象徴として「男・女」を使っています。自分のコミュニケーションが、男タイプ、女タイプなのかは、同書のコミュニケーションタイプチェックシートで確認できます。タイプがわかれば、コミュニケーションがうまくいかない「異性(自分とは逆のタイプの人)」の考え方や行動パターン、習性などを学び、相手に伝わる言葉を使って話してみましょう。同書では「男のヤンキー好き・女のファンシー好き」、「男は子どもでいたい・女は女でいたい」などの例を挙げ、全項目で「男は女に(⇔女は男に)こう言えば伝わる!」という象徴的なフレーズとして「ひとくち男女語会話」を紹介しています。■書誌概要タイトル:『携書 察しない男 説明しない女』発売日:2023年4月21日刊行:ディスカヴァー・トゥエンティワン仕様:携書判/256ページISBN:978-4-7993-2945-0定価:1,210円(フォルサ)
2023年05月10日~予約6ヶ月待ちの大人気ライフコーチによる、初の「紙上コーチング」で、 人生を切り拓く「7つの武器(スキル)」が身につく!~アップルシード・エージェンシー契約作家で、ライフコーチのボーク重子さんの新刊『人生・キャリアのモヤモヤから自由になれる大人の「非認知能力」を鍛える25の質問』が2月17日(金)にディスカヴァー・トゥエンティワンより発売されます。ボーク重子さんは「非認知能力」育成について日本での普及に貢献したパイオニアです。2020年の教育改革により、日本でも教育現場で「非認知能力」が重視されるようになりました。最近では、ビジネスの場でも注目されており、資格や知能テストなどのように数値化できないといわれる「非認知能力」を採用基準や人事評価などに取り入れる企業も出てきています。人生100年時代といわれる現在、少子高齢化による労働人口不足や、AIなどの技術革新、デジタル化による仕事の淘汰が取沙汰されています。5年後に自分の仕事がなくなるかもしれない-先行き不透明かつ不確実な時代に生きていく私たちは、どんなスキルを身につければいいのか、ロールモデルも見つけづらく、キャリア迷子や、生き方の正解を模索している人も多いと思います。そんな悩みを抱える人たちに向けて、ボーク重子さんが行う「非認知能力」のコーチングセッションは非常に人気で、予約半年待ちとなっています。本書は、ボーク重子さんが「大人の非認知能力」について書いた初めての書籍。読者に問いを投げかけ考えさせ、時にはワークシートを活用して行う「紙上コーチング」を実現しました。これからの時代、誰かの指示待ちや敷かれたレールの上を器用に歩く力ではなく、何があるかわからないけれど、「何が起こっても大丈夫な自分」をつくる力が大切だとボーク重子さんは言います。そのために必要な武器(スキル)の身につけ方を解説しています。■紙上「コーチング」によって7つの武器=非認知能力が身につく本書では、ボーク重子さんがこれまで修得した本場アメリカのコーチングメソッド、非認知能力育成スキル、科学的リサーチとデータ、論理的なビジネスツール等に加え、日本の文化的・慣習的背景を考慮して考案したスキルを収録。コーチングはスキル(行動)ベースだから結果が出るとボークさんは解説しています。各章「気づき→肯定→決断→行動」の4ステップを読み進めると必ず1つの武器=スキルが身につく構成となっています。【目次】第1の武器 「自己肯定感」ポジティブ思考を身につけ、ありのままの自分を受け入れる第2の武器 「自分軸」「他人軸の自分」から卒業して、人生の主導権を握る第3の武器 「成功体質」完璧主義と学習性無力感に別れを告げて、「できる自分」をつくる第4の武器 「主体性」「やりたい」を見つけて、好奇心を育む第5の武器 「オープンマインド」柔軟性を手に入れて、新しいやり方に目を向ける第6の武器 「共感力」巻き込む力を育み、「応援される自分」をつくる第7の武器 「偶然力(プランド・ハップンスタンス)」 「何となく+短期の人生設計」で、最高に自分らしいキャリアをつくる「第1の武器」から「第5の武器」まではどこから読んでも良く、すでに身につけていると思える武器の個所については読み飛ばしても大丈夫です。「第6の武器共感力」のみは全員必修で、「第7の武器」から始めるのはNGです。「今ある自分」から「なりたい自分」になるという目標達成のプロセスを支えるライフコーチ、ボーク重子さんの励ましの声も豊富で、思考と行動の書き換えをして非認知能力を高めるお手伝いをします。■「非認知能力」とは非認知能力とは、2000年にノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン教授が「人生の幸せと成功に学力よりも大きく寄与する能力」と証明した能力。読み書き、IQや資格など数値や基準によって測ることができない「目に見えない能力」ともいわれている。本書では、自己肯定感、自分軸、成功体質、主体性、オープンマインド、共感力の総称で、「生きる力」「人間力」とも呼べるものとしている。■『大人の「非認知能力」を鍛える25の質問』早期購入特典のご案内書籍を2月28日までにご予約・ご購入いただいた方から抽選で3名の方に、著者、ボーク重子さんの30分オンライン個人コーチング特典をプレゼントします。【特典内容】ボーク重子コーチの30分オンライン個人コーチング(5万円相当)を抽選で3名様にプレゼント※Zoomを利用したオンラインで、期間内に1回30分、ボーク重子コーチの1on1コーチングを体験いただけます。【申込締切】3月1日(水)15時まで【申込フォーム】 ※Amazon注文番号、その他サイトも書籍予約・購入時の注文番号をご準備の上、お申込みください。書店での予約・購入の場合は、購入書店名・レシート番号やご予約番号をご記入ください。【当選発表】厳正なる抽選の上、2023年3月10日(金)までに当選されたお客様のみにメールにてご連絡。【書誌情報】・出版社 : ディスカヴァー・トゥエンティワン・発売日 : 2023/2/17・単行本(ソフトカバー) : 250ページ・料金:1,760円(税込)・ISBN : 978-4799329306【著者プロフィール*ボーク重子】BYBSコーチング代表、 ICF会員ライフコーチ福島県生まれ。30歳目前に単独渡英し、美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学、現代美術史の修士号を取得する。1998年に渡米、結婚し娘を出産する。非認知能力育児に出会い、研究・調査・実践を重ね、自身の育児に活用。娘・スカイが18歳のときに「全米最優秀女子高生」に選ばれる。子育てと同時に自身のライフワークであるアート業界のキャリアも構築、2004年にはアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年、アートを通じての社会貢献を評価され「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。現在は、「非認知能力育成のパイオニア」として知られ、140名のBYBS非認知能力育児コーチを抱えるコーチング会社の代表を務め、全米・日本各地で子育てや自分育てに関するコーチングを展開中。大人向けの非認知能力の講座が予約待ち6ヶ月となるなど、好評を博している。著書は『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)など多数。本書は大人の非認知能力について書いた初めての著となる。人生・キャリアのモヤモヤから自由になれる 大人の「非認知能力」を鍛える25の質問 | ボーク 重子 |本 | 通販 | Amazon : BYBS Coaching by Shigeko Bork : 『大人の「非認知能力」を鍛える25の質問』早期購入特典のご案内 : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年02月17日株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(本社:東京都千代田区、取締役社長:谷口奈緒美)は2020年12月18日に『365日のしあわせ』(編:ディスカヴァー・クリエイティブ/イラスト:NozomiYuasa)を刊行します。不安に縛られない、毎日の確かな「しあわせ」に気づける本新型コロナウイルスの流行によってこれまで「当たり前」だったものが失われた今、変化にとまどい、心の疲れやストレスを感じる人も多いのではないでしょうか。そんななか、SNSに書くほどでもないちょっとしたことや、忙しくしているうちについつい見過ごしてしまうような、「小さなしあわせ」が私たちの支えてくれるはずです。例えば、お気に入りのスカートでお出かけしたとき、ふとした時にふわりと香る金木犀のにおい、揚げたてコロッケの最初の一口……。そんな「しあわせのかけら」をディスカヴァー・トゥエンティワンの編集部員一人ひとりがかき集め、1990年に『2001のしあわせ』として出版したところ、多くの共感の声をいただきました。30年たった今、「しあわせたち」を一つひとつ選びなおし、新たに読者のみなさまからSNSで集めたものも加えてお届けします。「すぐそばにあるけど、見えにくい小さなしあわせ」をかわいいイラストともに見つけていただけると嬉しいです。クリスマスにも、母の日にも。大切な人に贈って欲しい本本書で紹介される多種多様なエピソードは、だれにとってもが一度は体験したことのあるものばかり。年齢や性別をとわず共感を呼び起こし、ふんわりと温かい気持ちになれます。季節や環境も選ばないので、プレゼントにもぴったりの一冊です。大好きな人、お世話になった人、そしてしばらく会えていない人にも、ぜひ手紙を書くような気持ちで贈ってみてください。NEXTWEEKEND代表・村上萌さん推薦!「ささやかな「しあわせ」を知っている人は、きっと見える景色が違うんだと思う。全ページが誰かからの絵葉書のような、温かい1冊。」【著者情報】編:ディスカヴァー・クリエイティブイラスト:NozomiYuasa東京都出身。武蔵野美術大学油絵科中退後、スタイリストアシスタント、アタッシュドプレスなどを経験し、2013年イラストレーターとして独立。みずみずしく鮮やかな色彩表現が評判となり、広告、Web、雑誌などを中心に国内外で注目され、さまざまなファッションブランドのイベントにイラストが起用されるなどジャンルを問わず活躍中。2019年よりニュージーランドに拠点を移し作品制作をしている。–Instagram/@joetonozomi【書籍情報】タイトル:『365日のしあわせ』発売日:2020年12月18日刊行:ディスカヴァー・トゥエンティワン仕様:B6判変形・並製/192ページISBN:978-4-7993-2709-8本体価格:1,300円(税抜)Amazon楽天ブックスセブンネット企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2021年01月01日ストリートスタイル・フォトグラファーとして活躍するシトウレイと三越伊勢丹オリジナルブランド・ナンバートゥエンティワン(NUMBER TWENTY-ONE)のコラボレーション、待望の第2弾。今回はレッグウエアブランド・FAKUIとのトリプルネームコラボが実現した。シューズは「見てカワイイ、履いてカワイイ、そして何より履きやすい、という事」、ソックスは「靴との一体感をPOPに、カラフルに演出」をポイントに、シューズ全8種類、ソックス全15種類を展開。10月4日から伊勢丹新宿店本館2階=婦人靴他、銀座三越・ジェイアール京都伊勢丹・名古屋三越栄店・岩田屋本店にて販売開始される。また、10月7日には伊勢丹新宿店本館2階=婦人靴にて、シトウレイが来店しトークイベントを開催予定。詳しくはナンバートゥエンティワンの公式インスタグラム()で随時告知していく。また、10月4日から10月17日の期間中、伊勢丹新宿店本館2階=婦人靴ではシトウレイ撮り下ろしの写真展示を行う。
2017年10月03日『プロフェッショナル・ミーティング』(長田英知著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は元政治家で、現在は大手外資系コンサルティングファームのシニアマネジャー兼新規事業部門副責任者として事業開発に携わっているという人物。国内最大手の生命保険会社を筆頭とする、さまざまなキャリアの持ち主でもあります。つまり本書ではそんな実績を軸として、「成果を挙げるミーティングを行うための考え方と手法」について解説しているわけです。■業務時間の15.4%は会議だという現実NTTデータ経営研究所が2012年10月に行った「会議の革新とワークスタイル」に関する調査によると、会社で開催される会議の全体業務に占める割合は平均して15.4%になるのだそうです。業種別でもっとも会議の割合が高かったのは通信・メディア業で、会議が業務の約2割を占めていたのだといいます。つまり週5日勤務の社員は、毎週1日をまるまる会議に費やしている計算になります。また、同じ調査で「会社で開催される会議等は価値創造(仕事の生産性向上、イノベーションの創出等)に貢献していると思いますか」と尋ねたところ、「まったくそう思わない」「あまりそう思わない」と答えた人の割合は66.9%。実に3人に2人は、会社の会議が生産性向上やイノベーションといった価値の創造に貢献していないと答えたわけです。■外資系企業では会議の業務専有割合が高いなお外資系企業では会議の業務専有割合が20.1%と、日本企業の平均よりも約5%高い数値を示していのだとか。一方、会議が価値創造に貢献していないと答えた外資系企業は56.2%で、日本企業の平均よりも10%低い数値となっているのだそうです。また、さまざまなタイプの会議を、ビジネスプロセスのさまざまな場面に合う形で組み合わせているのが外資系企業の特徴。そうすることによって、「強いチーム」と「確実な目標達成」の実現を図っているというわけです。著者はこれまで政府・自治体の政策立案、企業における新規事業戦略や実行計画の策定、不採算事業の改革やオペレーション改善といったプロジェクトに携わってきたのだそうです。そんななかで意識していたのは、「どんなに優れた戦略や実行計画を立案しても、実際に実行されなくては意味がない」ということだったといいます。■PDCAで真のイノベーションを促進する先に触れたとおり、著者は政治家からコンサルタントに転身したという異例のプロセスの持ち主ですが、いかに「実行される」戦略や計画を立案するかについて悩んでいたときに思い当たったことがあるのだと記しています。それは、自分が勤めている外資系企業が、複数のタイプの会議を使い分けることによってビジネスを推進する仕組みを採用しているということ。そこで、以来、ビジネス戦略・計画の実行を管理する仕組みであるPDCAに対し、PDCAの各場面で適切と思われるタイプのミーティング手法を適宜組み合わせるようにしたのだとか。そうすることによって、業種、製品、サービス、社風、計画の中身にかかわらず、ビジネスを自然な形で望む方向へと動かし、真のイノベーションを促進できるようになったというのです。■そもそもミーティングはPDCAを回す動力源「Plan」「Do」「Check」「Act」からなるPDCAは、もともと工場現場で製造工程を管理し、製品の品質を改善する手法として考案されたもの。当然のことながら、そんなPDCAをビジネス管理の手段として活用する場合には、より長い時間軸で活動管理を行い、外部影響を考慮した計画調整を頻繁に行うことが必要になってきます。そしてミーティングは、常に変化していくビジネスの状況を把握し、目的達成の落とし穴がないかを探り、他者との競争のなかで自社を差別化するための対策を適切なタイミングで実行し、PDCAの各フェーズを円滑に回す歯車としての役割を果たしているもの。つまりミーティングは、PDCAを回す動力源だという考え方なのです。■ミーティングを有効に活用するためには本来であれば、社内ミーティングはビジネスを推進させるために行われているはず。しかし多くの人は、ビジネスの現場で会議を行うことに価値を見出せなくなっていると著者は指摘しています。そこで本書では、ビジネスリーダーを目指す人が、ビジネスミーティングを有効に活用できるプロフェッショナルとなるための基本的な考え方と実践的なコツを明かしているわけです。*一向に進まず、有効なアイデアも生まれない会議の経験は誰にでもあるもの。しかし、ミーティングの設計をきちんと行っておけば、コンスタントに成果を上げ、ビジネスを前に進めていけると著者はいいます。効率的な会議を実現するために、ぜひ読んでおきたい一冊です。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※長田英知(2016)『プロフェッショナル・ミーティング』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年10月20日『小さな野心を燃料にして、人生を最高傑作にする方法』(はあちゅう&村上萌著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、日本最大規模のオンラインサロン『ちゅうもえサロン』を主宰するブロガー・作家のはあちゅうさん、NEXTWEEKEND代表・ライフスタイルプロデューサーの村上萌さんによる共著。いうまでもなく両者ともまったく違う仕事をしているわけですが、そんななか、ひとつだけ共通していることがあるのだそうです。それは、「一度夢をあきらめている」ということ。つまりここでは、そのような共通点とそれぞれの視点に基づき、自分らしい人生の創り方、仕事、恋愛、暮らしへの考え方、小さな野心を叶え続けるための方法などについての考え方を記しているわけです。きょうはPART 4「小さな野心を叶え続ける私たちのマイルール」のなかから、時間についての考え方を引き出してみましょう。■1週間の最初に予定を見なおすはあちゅうさんが運営しているサイト『ちゅうもえサロン』では、毎週自分の「来週の予定」を投稿するようにしているのだそうです。最初にするのは、毎週日曜日に翌日からの1週間の予定を見て「今週はこんな週だな」「こういう予定があるな」ということを頭のなかで把握すること。そのうえでしっかり時間配分をし、効率的に動くことや、バランスよく予定を入れることを心がけるというのです。そして週末には、「今週はインプットが多い週だったな」「人前に出ることが多かったな」など、どんな週だったかを振り返っているのだといいます。■朝の時間を自分のものにする!萌さんはもともと、朝起きるのがとても苦手だったのだとか。そこで以前は、翌朝のために食べたいものを用意し、おいしいもので自分を釣って起きる作戦をとっていたのだといいます。しかしいまでは、朝の時間、朝ごはんをとても大切にしているのだとか。そんな著者は、「一年の計は元旦にあり」という以前に、「1日の計は朝にある」と考えているそうです。なぜなら、朝のプチリセットの時間をどう過ごせるかによって、「きょうも頑張ろう」と思えるかどうかが変わってくるから。■一石二鳥のながら時間を増やす「同じ時間を何倍にも濃く使いたい」という思いから、はあちゅうさんは“一石二鳥のながら時間”をたくさんつくるようにしているといいます。たとえばドライヤーで髪の毛を乾かしながらアマゾンビデオで映画を見たり、お掃除をしながら音楽を聴いたり。また、そのように趣味の時間にあてるだけではなく、「インプットの時間が少ない」と感じるときは、ポッドキャストやラジオなどメディアをフル活用し、移動時間や家事をしているとき、メイク中に情報収集をするのだとか。■どんなに短い時間でも集中する萌さんは旦那さんの仕事が特殊で、朝ごはんを食べて見送ったら、13時には帰ってきて昼ごはんを食べ、18時半くらいには夜ごはん、23時には消灯というスケジュールで動いているのだそうです。そのため、時間の密度を濃くし、深く集中することが重要になってくるのだといいます。そこでまず、「朝のうちにやらなければいけないこと」と、「やれたらやりたいこと」をすべて付箋に書き出し、パソコンに貼るのだとか。それらを次々と片づけていき、「やれたらやりたいこと」が終わらなかったら翌日に繰り越すというのです。ちなみに好きなのは、やることが終了した付箋を毎回捨てず、机の上にためて行って一気に捨てることだとか。些細なことではありますが、たしかにストレス解消にはなりそうです。■1日の予定にメリハリをつけるはあちゅうさんは、打ち合わせやプレゼンなどの「人に会う予定」は、できるだけ同じ日に集約させ、「喋る」モードの自分で挑むのだといいます。そして逆にデスクワークがメインの日は、1日中作業に集中できるようにする。つまり、意識的に予定にメリハリをつけるようにしているということ。「人と会う」と決めた日は朝から人としゃべる予定をどんどん入れておくと、舌や脳が「しゃべる」モードになり、その日1日なめらかに話せるような気がするというのです。また自身の1か月を俯瞰してみても、人にたくさん会う「開いてる」モードのときと、少し自宅作業の多い「閉じてる」モードのときが自然に交互になっているのだといいます。自分のリズムを保つために、このメリハリが自分に必要なのだと実感するそうです。*決して難しいことが書かれているわけではなく、両社がそれぞれのスタンスから、思うこと、してきたことを紹介するという体裁。だから肩の力を抜き、リラックスしながら読むことができるでしょう。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※はあちゅう&村上萌(2016)『小さな野心を燃料にして、人生を最高傑作にする方法』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年09月22日三越伊勢丹のプライベートブランド・ナンバートゥエンティワン(NUMBER TWENTY-ONE)とアーティストの鹿児島睦のコラボレーションシリーズより、ポーター(PORTER)をコラボレーターに迎えたシリーズ第3弾が登場。9月14日より伊勢丹限定で販売されている。今回のコラボレーションでは、リュック(3万5,000円)、ヘルメットバッグM(3万円)、ヘルメットバッグS(2万5,000円)といったポーターの3種類のバッグに、鹿児島睦が特別に描き下ろした3種類の絵柄をプリント。ファイブフラワーズ(グレーの裏地に仕様)、ゼブンシスターズ、トリトハナの3種類の絵柄が、バッグの表面や裏地にそれぞれ施された。取り扱いは、伊勢丹新宿本店本館1階のハンドバッグ/プロモーション、伊勢丹オンラインストアとなっている。
2016年09月14日『できる大人の「見た目」と「話し方」』(佐藤綾子著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、日本における「パフォーマンス学」の第一人者である著者が、「見た目」と「話し方」についてのエッセンスをまとめた書籍。パフォーマンス学とはあまり聞き慣れませんが、説明によればそれはパフォーマンスを日常生活における自己表現と位置づけた考え方。そして著者は35年間もの長きにわたり、自己表現を「科学」として研究してきたというのです。■人は34秒以上笑顔で快適になる話を聞いてくれている相手が微笑むと、自分が受け入れられたような気持ちになってうれしくなるもの。しかし逆に、無表情でただ話を聞いているだけだったとしたら、気詰まりで話すのをやめたくなったとしても無理はありません。このように笑顔には、相手の話を弾ませたり、あるいは止めたりする「言語調整動作(レギュレーターズ)」という役割があるわけです。では私たちは、人前でどのくらいの時間笑っているのでしょうか?このことについて著者は、二者間での対話の実験をしたことがあるそうです。相手と話していて「快適な会話」の笑顔の時間を調べた結果、1分間あたり平均34秒だったのだというのです。つまり半分以上の時間、相手が笑顔であれば快適に感じるということ。■意識的なスマイルの表情が大切!口のまわりの筋肉は、「あいうえお」という音と言葉の使い分けのため、縦に長くなったり、あるいは閉じたり、いろいろな形に動くもの。とはいえ、ただ話すためだけに口のまわりの筋肉(口輪筋)を動かすだけでは不十分。たとえば相手に「おもしろい話ですね」と楽しさや喜びの感情を伝えるためには、発声のための動きだけではなく、唇の両サイドをほんの少し上に引き上げる“意識的なスマイル”の表情が必要だという考え方です。笑うことに使う筋肉は、総称して「笑筋(しょうきん)」と呼ばれるそうです。つまり、口のまわり、目のまわり、頬の筋肉、これらが緩んでいるのがスマイルだということ。そして笑顔などの表情を意図的につくることが、「表情統制(フェイシャルコントロール)」。モデルさんが微笑んでいるポスターの写真を見てみると、口はたしかに笑っているのに、目が妙にキツかったりします。そんなところからもわかるとおり、楽しい気持ちがまるでないのに、表情筋を無理やりコントロールしてつくった笑顔には、わざとらしさを感じる場合があるわけです。■日本語のわからない人にも笑顔で「おはよう」「こんにちは」など日本語のわからない外国人に挨拶をする際には、にっこりと微笑みかけ、挨拶の気持ちを伝えることが大切だと著者はいいます。そんな場合は、笑顔が親しみの言葉や挨拶の代行をすることになるわけです。このような笑顔は、相手と親しくなりたいという親密欲求が出ているので、自然なります。先に触れたとおり、笑顔は秒数を守ることも大切。しかし本当に楽しいという気持ちや感謝、親しくなりたいという気持ちを込めて、すべての表情筋を動かすことがもっとも重要だというのです。■笑いと楽しい気持ちはワンセットさて、ここで持ち出されているのは、「笑い講」という日本の古い祭についての話題です。本当におもしろいことがあるわけではないのに、「ワッハッハ」と声を上げて笑うというもの。はじめはぎこちなくても、目の前の人の奇妙な顔を見たり、自分の顔も変だろうなと想像したりするうちに、だんだん本気で笑ってしまうというのです。「笑う」という動作は、喜びや楽しさ、滑稽さやおもしろさなどの感情が心のなかにこみ上げてくること。脳から表情筋に対して「動け」と命令が行き、引き起こされるのだそうです。しかし「笑い講」は、逆方向で成り立っているわけです。おもしろくなくても大笑いするうちに楽しくなり、連体感にまでつながってしまうということ。「笑い講」で使うのは、とびきり大きなスマイル。なぜなら相手と「ここはひとつ、一気に仲よくなろう」というときに、小さなスマイルでは不十分だから。ケラケラと笑う、あるいはおなかを押さえて笑い転げるくらいの大きなスマイルが有効だということです。笑っているうちに気持ちも楽しくなり、さらに笑いが広がるということ。いってみれば、「笑い」と「楽しい気持ち」は、いつもワンセットなのです。*他にも本書では、相手と共有関係を築くために必要なコツが数多く紹介されています。どれもすぐに試せることばかりなので、きっと役に立つはずです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※佐藤綾子(2016)『できる大人の「見た目」と「話し方」』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年09月07日『伝説の算数教室の授業』(宮本哲也著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者が経営する「宮本算数教室」への入塾方法は、「無試験先着順」。にもかかわらず、毎年、生徒の大半が開成、麻布、栄光、筑駒、駒東、桜蔭、フェリスなど首都圏の最難関校に進学するという実績を叩き出しているのだそうです。本書は、小3~小6、中学受験直前までの授業の実況中継に加え、これまで明かされることのなかった問題を含め、実際に同教室で使われているパズル、テスト問題を全種類網羅したもの。2006年の『超強育論』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を再編集して刊行した『宮本算数教室の授業』(同)に、『超強育論』の理論編から一部抜粋したものを加え、再々編集したのだそうです。では著者は、算数を教えることについてどう考えているのでしょうか?「はじめに」から、基本的な考え方を確認してみましょう。■子どもが算数を学ぶ目的はなにか著者は本書の冒頭で、「子どもに算数をやらせる目的はなんでしょうか?」と読者に問いかけています。もしも「いい中学に入れるため」と答えたとしたら、残念ながら0点なのだとか。なぜなら算数をやる目的はただひとつ、「賢くなるため」だからだというのです。では、なんのために賢くなるのでしょうか?それは「よりよく生きるため」。これは、「自分に合った生き方を見つける」ここといいかえることもできるそうです。当然ながら、自分に合った生き方は本人にしか決めることができません(著者は、親がかわりに決めるなどもってのほかだと主張してもいます)。だとすれば、そのために必要なのは「情報を取捨選択する力」と「条件を整理する能力」。そしてこの2つの能力は、算数によって高めることができるというのです。そして著者は、これ以外の目的を持つべきではないともいいます。中学受験の成功など、ささやかな副産物にすぎないもの。なのに、そちらにばかり気を取られて本質を見失うと、間違った方向に進んでしまいかねないから。■大切なのはやはりバランスである人生は二者択一の連続。「どっちに進むべきか?」という岐路に立ったとき、後悔しないためにはあらゆる情報を集め、優先順位を決めることが必要です。いうまでもなく自分にとって優先順位の低いものから消していくことになるわけですが、そうすればおのずと方向は決まるということ。このことを踏まえたうえで著者は、「私の授業の目的は子どもを賢くすることにあります」と断言しています。たとえばピアノの国際的なコンクールで入賞するためには、実績のある先生について、ひたすら練習をする以外にありません。水泳でオリンピックに出て優勝するためにも、実績のあるコーチのもとで、ひたすら練習する以外に方法はないでしょう。しかしどちらも、やればやるほど上達するというわけでもありません。大切なのは、健康であることと、自分の意思で練習に臨むこと、そのふたつのバランス。■算数のできる子はどんな子なのかこの考え方を算数に当てはめてみた場合、練習は計算練習ということになります。では、「算数のできる子」とは「計算が速い」「難しい問題をすらすら解く」子どもでしょうか? それは違うと著者。大切なのは、「どれくらい深く考えられるようになるか」だというのです。計算は正確でありさえすれば、それほどスピードは必要ないそうです。また、本当に難しい問題は、誰がやってもすらすらとは解けないもの。70ページの「究極の数理パズル」など、誰がやっても10分以内に解くことなど不可能なわけです。もちろん繰り返し練習すれば速く解けるようにはなるでしょうが、初見では無理。■大切なのは計算の速さではない!そして重要なのは、すらすら解ける問題を解いているだけでは、学力は向上しないということ。著者が教室で、できる子を見ていて感じるのは「集中力の高さと考える深さ」だそうです。そういう子は、いったん問題を解きはじめると決して顔を上げず、ノートの上で問題と壮絶な戦いを繰り広げるというのです。しかも、答えを出したとしても、そこで終わらないのだとか。むしろ勝負は、答えを出してから。つまり、自分が出した答えに誤りがないかどうか、あらゆる方法を駆使して確認するのです。これが、「大切なのは計算の速さではなく、考える深さ」ということの意味。■自分なりの価値観を持つのが大切事実、最近の中学入試算数では、レベルの高い学校ほど問題数が少ない傾向にあるそうです。だから速さなど必要なく、粘り強く問題に取り組み、時間がある限りひたすら見なおしをする。計算の速さは有効な武器にはならず、無理にスピードを上げようとすると、雑になるだけだということです。「算数の上達=賢くなる」。そして賢くなることとは、計算が速くなることではないという考え方。ましてや算数の点数が上がることでもなく、レベルの高い中学の入試問題が解けることでもなく、そういう中学に受かることでもないといいます。大切なのは、ものを考えることができるようになること。つまり、自分なりの価値観(=判断力)を持てるようになることが大切だというわけです。*こうした考え方に基づいた本書には、説得力のある考え方がぎっしりと詰まっています。「たし算パズル」「お楽しみテスト」「思考力アップ問題」「推理パズル」「ラストスパート問題」など、掲載されている問題もオリジナリティ豊か。子どものいる方であれば、一度、手に取ってみる価値はあると思います。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※宮本哲也(2016)『伝説の算数教室の授業』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年08月24日『人望が集まる人の考え方』(レス・ギブリン著、弓場隆訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、「よい人間関係とは、自分が求めているものを手に入れるのと引き換えに、相手が求めているものを与えること」だと主張しています。そこで本書では、相手が求めているものを与えることによって、自分が求めているものを手に入れるための方法を説いているのです。それは、きわめてフラットな考え方。自分が求めているものを相手から奪い取るのではなく、ましてや与えてもらうために媚びを売るのでもなく、あくまでもギブアンドテイクの精神で「公平な交換を行う」ということなのですから。心理カウンセラーで、なおかつ累計500万部突破ベストセラー作家でもある著者は、よい人間関係を築くためには、人間の習性についてしっかり学ぶことが大切だとも主張しています。そして、そのためには人間の理想の姿を追求するのではなく、人間の現実の姿を究明する必要があるのだとも。人間の習性をよく理解して初めて、成功と幸福を手に入れるきっかけをつかむことができるということなのかもしれません。たとえばそのひとつが、「人々を引きつける3つの条件」。あるいは、「友情をはぐくんで相手を味方につけるための3つの条件」といいかえてもいいのだといいます。その内容をよく理解したうえで活用すれば、多くの人のことを引きつけることができるというのです。それぞれを確認してみましょう。■人々を引きつける3つの条件とは?(1)相手を受け入れる人間は誰しも、あるがままの自分を受け入れてほしいと強く思っているものです。しかしその一方、現実的には人前で自分を曝け出すだけの勇気を持っている人はほとんどいません。そこで私たちは、一緒にいて自分らしくいられる相手を求めるものだというのです。なぜなら、そういう人といると、ありのままの自分を受け入れてもらえるように感じるから。逆にいえば、絶えず人のあら探しをし、そればかりか欠点をなおすためのアドバイスまでするような人は、親友を見つけることができないわけです。だから、「他人がどう振る舞うべきか」について厳格な基準を設定してはいけないと著者はいいます。大切なのは、自分らしく振舞う権利を相手に与えること。その人が少し変わっていたとしても、それは否定すべきではない。むしろ、相手が自分と同じように振る舞い、自分と同じものを好きになるように主張してはいけないといいます。そこで一緒にいるときは、相手がくつろげるように気を配るべきだというのです。相手をあるがままに受け入れて好きになる人こそが、相手の行動を改善するだけの影響力を持つのだと著者はいいます。他人を変える力を持っている人はいないけれども、相手をあるがままに受け入れると、自分を変える力を相手に与えることができるというのです。(2)相手を認める当然ですが、すべての人が自分を認めてほしいと強く思っています。人はみな、「承認願望」を持っているものだから。そして相手を認めることは、相手を受け入れることよりもさらに進んだものだと著者は主張しています。相手を受け入れることは、「欠点があるけれども受け入れる」という意味なので、ややネガティブ。一方、相手を認めるということは、相手の欠点を辛抱することを超え、積極的に長所を見つけることだからポジティブなのだという考え方。誰にでも相手のなかに「認めるべきもの」を常に見つけることができるし、「認めるべきでないもの」も見つけることができるもの。そして、それは「なにを探し求めるか」によるといいます。もしネガティブな性格なら、相手の欠点を絶えず探し求めるだろうし、ポジティブな性格であれば、相手の長所を常に探し求めるということ。ネガティブな人は相手の欠点に焦点を当てるため、相手のなかにある最悪のものを引き出してしまいがち。しかしポジティブな性格の人は認めるべきものに焦点を当てるので、相手の長所を引き出すことが可能。そして人々は他人に認めてもらうと気分がよくなり、さらにいい気分になるために他の資質も伸ばして「もっと認めてもらおう」と努めるものだといいます。(3)相手を尊重するすべての人は、自分を尊重してほしいと強く思っているもの。この「尊重する」とは、相手の価値を高く評価するという意味だといいます。だからすべての人は、自分の価値を高く評価してくれる人を常に探し求めているというわけです。だからこそ、相手の価値を高く評価していることを伝えることはとても大切。相手に感謝し、相手を待たせず、相手を特別扱いすることが大切だというのです。■相手を尊重していることを示す方法このような考え方を軸に、著者は「相手を尊重していることを示す方法」についてまとめています。(1)できるかぎり相手を待たせない(2)すぐに面会できない場合、来訪を確認していることを知らせ、なるべく早く面会する(3)相手に感謝する(4)相手を特別扱いする人がもっとも「軽んじられた」と感じるのは、ぞんざいな扱いを受けたとき。繰り返しになりますが、すべての人は自分の価値を認めてもらい、自分を特別扱いしてほしいと思っているもの。そこで、これらを踏まえて相手と接すれば、関係はよりよいものになっていくというわけです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※レス・ギブリン(2016)『人望が集まる人の考え方』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年08月15日『大切なことだけやりなさい』(ブライアン・トレーシー著、本田直之監訳。片山奈緒美訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の原書は、アメリカでもっとも著名なスピーカーのひとりであると同時に、ビジネスコンサルタントの権威としても著者が2001年に出版したベストセラー。そして本書は、2009年に実業家・本田直之氏の監修のもとで刊行した翻訳版を、さらに新装改題版として刊行したものです。展開されているのは、「半分の労働時間で生産性と収入を倍にできる」という考え方。きょうは「シンプルであること」の重要性を説いた第3章「すべてをシンプルにせよ」から、「シンプル化のための7つのR」をご紹介しましょう。■1:「よく考える(Rethinking)」やるべきことが山積しているのに、あまりにも時間がなくて途方にくれることは誰にでもあるものです。そんなときは手を休め、「もっといい方法がないだろうか?」と自問しようと著者は提案します。どんな仕事でも、まわりからの抵抗や圧力を感じたり、問題点に気づいたりしたとき、それを無視して前に突き進んではいけないというのです。だから大切なのは、社外コンサルタントとして雇われたつもりで、現状を査定してみること。客観的に見て、どんな処置をアドバイスしたらいいのかを考えてみるわけです。広い視野で、なんでも受け入れる心を持つ。そして、いまのアプローチ法が間違っている可能性を真摯に受け止めるべきだといいます。■2:「再評価する(Reevaluating)」新しい情報を手に入れたときに大切なのは、「いまのやり方で間違いがないか」を見つめなおすこと。ゼネラル・エレクトリック社の元会長兼CEOであるジャック・ウェルチは、これを「真実の原則」と呼んでいるそうです。そして「真実の原則」によれば、「自分自身に100%正直でいること」「いつでもその瞬間から現状に合ったやり方で行動すること」、この2つを守る必要があるのだとか。「以前はこうだった」とか、「こんなはずではない」などと考えてはいけないわけです。■3:「再編成する(Reorganizing)」投入した資金や労力に見合う結果を得るためには、人生や仕事を組み替えることも重要。社会が目まぐるしく変動する時代には、絶えず物事を再編成しなければならないということです。そこで、まずは職場環境の洗いなおしをし、1日のすべての予定をもう一度組み立てるべき。仕事の順番や優先順位を見なおし、いま進めている方法よりも、もっとその仕事に適した方法が見つかる可能性に目を向けるべきだというのです。■4:「リストラする(Restructuring)」著者によればリストラとは、「自分の時間やエネルギー、資金、手段のほとんどを上位20%の行動に集中させること」。なぜならそれらの活動こそが、大部分の成果と大きな利益を生み出しているから。そして自分自身の人生をリストラする場合にも、多くの成果を生み出す行動に、時間とエネルギーを集中させることが大切。つまり、いちばん価値のある業務に注意を集中させなくてはならないということです。■5:「改良する(Reengineering)」シンプル化するためには、現状の欠点を改良することがもっとも実際的で効果的。まずは重要な仕事について、業務の開始から終了まで、段階を踏んでリストにまとめる。そしてはじめは、リストにある作業段階全体のうち、30%を削減する目標を立てるといいそうです。実践してみれば、この削減作業がいかに簡単で、素晴らしい効果をもたらすかがわかるといいます。そして著者は、以下の「人生と仕事の『改良』の6つの方法」を実践することを勧めています。(1)ばらばらに進めている幾つかの仕事をひとつにまとめる。(2)複数の仕事をひとりに任せる。ひとりの裁量範囲を広げると同時に、責任を増やす。(3)特定の仕事を外注する。その分野を専門にしている他企業や第三者に外注する。(4)他の人や他の部署に委託する。(5)必ずしも必要とはいえない仕事をやめる。(6)仕事をやり遂げるための障害を減らして効率を高めるために、仕事の順番を変える。■6:「最初からつくりなおす(Reinventing)」激動する時代においては、6カ月から12カ月ごとに自分自身と自分の仕事を更新していかなければならないのだとか。すべてを白紙に戻してから考える癖をつけることが大切で、まずは自分にこう尋ねてほしいと言います。「もう一度ゼロからはじめるなら、同じ手順で取り組むだろうか?」生涯を通じてさまざまな仕事や地位につくからこそ、しっかり前を見つめ、自分がやりたいことを考えるように心がけてほしいと著者はいいます。そして、次のように自問することも大切。「私の次の仕事はなんだろう?」「専門にする仕事はなんだろう?」「自分はなんになりたいのだろう?」こうした質問を自分に投げかけ、自分で答えを見つけなければならないということ。■7:「コントロールを取り戻す(Regaining Control)」この段階までくれば、新しい目標を定め、新しい計画を立てているはず。そして、あらゆることに自分で責任を持つことによって、自分の人生を自分でコントロールしはじめているはず。「いいことが起こりますように」などという受け身の姿勢ではなく、自ら行動し、自分の力で「いいこと」を起こすようになるということ。それは自分で、自分の時間と人生に責任があると理解したからなのだといいます。*著者の主張はシンプルかつ実用的、そしてパワフル。人生に勢いをつけたい人にとって、大きな力となってくれるはずです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※ブライアン・トレーシー(2016)『大切なことだけやりなさい』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年08月10日『圧倒的な勝ち組になる効率のいい考え方と仕事の仕方』(天明麻衣子著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者はフリーアナウンサー。東京大学文学部卒業後にNHK仙台放送局にキャスターを務め、その後JPモルガンへ転職。弁護士の夫と結婚し、スペインで1年弱を過ごし、帰国後にフリーアナウンサーとして活動を開始したというエリートです。印象的なのは、「いまどき“勝ち組”しかも“圧倒的な勝ち組になる”ってなんだよ(笑)」という意見に対して、「そんなのは所詮キレイごと」だと真正面から反論している点です。結果を出した人はきちんと評価され、大きな見返りを得ることができる。望むと望まないとにかかわらず、現実には勝ち負けがあるのだから、どうせなら圧倒的に勝ちたいという考え方なのです。そこで本書でも、独自の「必ず結果を出す法則」を記しているわけです。■数字はゴールまでの道しるべゴールへの道の途上には、いくつか指標となる数字を置いたほうがいいと著者はいいます。たとえば、将来的にもっと英語を仕事で活用するためにTOEICに挑戦するとします。900点を目指していてもまだ400点だったとしたら、「まだまだだな。もっと勉強時間を確保してがんばろう」と喝を入れる必要があります。しかし、もし800点まで来たら、「あともうひと息。ここからはがんばりすぎず、無理のないペースで」ということになるでしょう。つまり、数字があればこのように、その時点での自分に合った戦略の立て方がわかるということ。数字は道しるべのように「いま、ゴールを目指す道のりの、このあたりにいます」と示してくれるので、より効率的に努力することができるというのです。■数字がやる気スイッチになる数字を設定することのもうひとつのメリットは、数字が「“わかりやすいやる気スイッチ”になってくれる」ことだそうです。「次のTOEICの点数を10点上げる」というような小さなことでも、達成できたら嬉しいもの。そのとき数字があれば、自分がなにかを達成したと実感しやすくなるわけです。成功体験は、重要なモチベーションになると著者はいいます。成功体験を積み重ねていくことによって、「やればできるんだ。今度は30点上げたい」と、やる気スイッチが自然と入るもの。それだけではなく、計画の途中でだらけそうになったときも、数字を意識すれば「先は長いのに、時間を浪費している場合じゃないよね」と罪悪感や危機感が大きくなっていくので、そのぶん重い腰を上げやすくなるというメリットも。■大きすぎる数字を設定するなただし、気をつけなければならないこともあるといいます。それは、適切でない数字を指標として設定してしまうこと。大きすぎる数字にしてしまうと、達成が難しくなり、燃え尽き症候群になる可能性を否定できないというのです。なんとか達成するために、持てるすべてのエネルギーと時間を集中的に費やし、「よかった、なんとか達成できた……とホッとした瞬間に燃え尽きてしまうということ。そうなってしまうと、ふたたびやる気を奮い起こして次の数字を目指すまでに、長い時間がかかってしまいます。10日で100点を取って、そのあとの10日間なにもしないより、8日で70点を取ることを2回繰り返したほうがいい。そうすれば、結果的には16日間で140点取れるからです。そう考えてみても、無理のしすぎは逆効果だということがわかるのではないでしょうか?■小さすぎる数字の設定もダメとはいえ、能力にくらべて小さすぎる数字も、それはそれで考えもの。たとえば、本当は10日間で80点取る力があるのに、「まぁ、ここは60点くらいかな」と無駄にハードルを下げたりすることがそれにあたるわけです。それよりも、もし60点を目指してみた結果、「意外とつらくないぞ」と感じたなら、思い切って80点を目指すのも手だということ。自分の限界を低く見積もりすぎると、結果的に自分が損をしてしまうことになると著者は主張します。そういう意味ではむしろ、「もう無理だ」と感じるくらい、「時間とエネルギーをすべて費やしたらどこまで達成できるのか」を一度試してみるのもいいかもしれないとか。もちろんそれは楽なことではないでしょう。しかし、そうすることによって、「次からはその少し下くらいが数字目標としてちょうどいい」という感覚がつかめるというわけです。*「圧倒的な勝ち組」を目指すことだけが人生の選択肢ではないので、本書の内容がすべての人に当てはまるかどうかはわかりません。しかし、その点を踏まえたうえで目を通してみれば、参考になる箇所を見つけることはできるかもしれません。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※天明麻衣子(2016)『圧倒的な勝ち組になる効率のいい考え方と仕事の仕方』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年07月16日『ビジネスマンのための最新「数字力」養成講座』(小宮一慶著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、2008年3月に初版が発行されるや15万部以上のヒットとなった『ビジネスマンのための「数字力」養成講座』に次ぐ、8年ぶりの第二弾。著者は企業規模や業種を超えた「経営の原理原則」に基づき、幅広く経営コンサルティング活動を行っている経営コンサルタント。また、日経新聞の景気指標を用いた講演にも定評があります。本書の趣旨のひとつは、ビジネスパーソンの「数字力」の養成。しかし、もうひとつの趣旨にこそ、注目すべきポイントがあるといえるかもしれません。それは、数字をとおして日本の現状を理解してもらおうというもの。いま政治的、経済的に世の中で起こっていること、日本のディープな部分の多くは、公開されているさまざまな数字から誰もが知ることができるというのです。きょうはそのなかから、「日本の人口」に関する部分をチェックしてみましょう。■人口は毎年30万人ずつ減少中国勢調査は5年に1回、大規模な調査だと10年に1回しかないため、あくまで推計値だといいますが、現在の日本の人口はおよそ1億2,000万人だろうといわれています。昨年1年間で、30万人減っているのだそうです。昨年生まれた子どもの数は、約100万5,600人。亡くなった人の数が130万人強。一昨年は、生まれた子どもの数が100万1,000人で、亡くなった人の数が127万人。ときどき新聞に掲載されるこうした推定値から計算すると、だいたいのところ人口は30万人ずつ減っているわけです。ただし団塊の世代が亡くなりはじめるころには、毎年100万人単位で減るだろうと著者は推測しています。団塊世代は一学年200万人単位、多い学年だと現在でも約240万人ですが、このところ、生まれる子どもの数は100万人程度。今年成人式を迎えた人が120万人ですが、多少出生率が上がって、そこまで戻ったとしても、やはり人口は毎年100万人単位で減少していくだろうということです。放っておくと数十年後には8,000万人台になってしまうため、政府は1億人を目標にしているわけですが、あまり現実的ではないわけです。■構造をどう変えていくかが課題団塊世代は退職後も元気で、退職金がある程度入ってきて、経済的にも余裕があるため、GDPには消費面で貢献していることになるといいます。しかし著者が懸念しているのは、後10年も経つと、「もう旅行するのもしんどいな」という人たちが数多く出てくるであろうということだとか。つまり今後、人口が格段に減っていくことは確実で、消費も減っていくため、GDPの伸びも期待できないことになるのです。その一方、この先数十年にわたり、若い人たちの社会保険料負担と税負担が増えていきます。これも可処分所得が減るので、GDPの減少要因となります。だからこそ、この構造をどう変えていくかが、現在の最大の課題だということです。■アベノミクスは「机上の空論」この課題の難しさは、「経済が安定しないと子どもが増えない」という点にあると著者は指摘します。ただでさえ子どもを産まない理由としては経済的理由が大きいのに、経済が安定しない現在、将来不安のなかで進んで子どもを産む人が増えるとは考えにくいわけです。そうした状況下、「アベノミクスでGDPを600兆円に」などということは机上の空論だといわざるを得ない。著者はそう主張しています。90年代初頭、すでに(合計特殊出生率)「1.55ショック」というものがあり、こうした事態になることはわかっていたそうです。そして、現在の合計特殊出生率は1.46。なのになぜ、抜本的な少子化対策がとられてこなかったのでしょうか?この問いに対する答えは簡単。「票にならない」からだというのです。背に腹は変えられなくなったせいか、いまになって待機児童や保育所の問題が国会でも討議されるようになりました。しかし合計特殊出生率が回復しつつあるヨーロッパでも筆頭の位置にいるフランスでは、保育、学費など、多くの育児、教育費が無償。いまや50%を超える非嫡出子が、それらにおいて不利になることもないといいます。■名目GDPを上げることが重要ただしベースのところで、経済が豊かでないと支えきれないわけです。フランスも経済状態は決してよくはありませんが、ひとりあたりのGDPは日本よりはずっといい状態。それは、出生率が大きく回復したデンマークやスウェーデンなどの北欧諸国も同じだそうです。少子化対策もとったものの、基本は経済がよくなったからだといいます。一方、日本はどうでしょう?介護の問題もそうですが、経済の足腰をいかに強くするか。重要なその点が、ずっとなおざりになっているというのです。だからこそ重要なのは、とにかく名目GDPを上げることだと著者はいいます。それ以外に、根本的な方法はないとも。*著者の解説はとてもわかりやすいので、読み進めれば無理なく、数字を通じて世の中の構造を把握できるはず。ぜひ、手にとってみてください。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※小宮一慶(2016)『ビジネスマンのための最新「数字力」養成講座』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年06月14日『4つの性格タイプから見つける いつの間にか人生が変わる服』(みなみ佳菜著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、これまで7,000人以上のスタイリングを手がけきたというパーソナルスタイリスト。アメリカのアウトドアブランド「Eddie Bauer Japan」をスタートラインとして、MAX&Co.などを経て2008年にファッションレスキュー入社。プロパーソナルスタイリストとして活動したのち、10年に独立したのだといいます。現在は、三越伊勢丹グループや六本木ヒルズ主宰のセミナー講師なども務めていらっしゃいます。つまり本書ではそんな実績を活かしつつ、オフィスからカジュアルまで使える「働く女性のための11アイテム」とコーディネートレッスンを紹介しているわけです。きょうはそんな本書のなかから、着こなしをワンランクアップさせるための「7つのキーワード」をご紹介したいと思います。■1:サイズ感どんなに似合う色やデザインでも、体のサイズに合った服でなければ魅力が半減して当然。しかし、「小さすぎ」「大きすぎ」の服を着ている人は少なくないのだそうです。サイズ感については、「私のサイズは○号」と決めつけるのはやめるべき。表示の号数と実際のサイズはメーカーによって微妙に違うので、表示サイズに惑わされることなく、とにかく試着が命だということです。■2:シルエット知っておきたいのが、スタイルよく見せる4パターンのシルエット。上下ともゆるい服を着てモワッとしたシルエットになっている人も少なくはないものの、「どこを絞るか」がポイントなのだとか。1つは、上半身・下半身ともにコンパクトにまとめる「I」型(Tシャツにスキニーパンツなど)。2つ目は、下半身を絞る「Y」型(チュニックブラウスに細身のパンツやタイトスカートな土)、3つ目が、上半身を絞る「A」型(タイトなトップスにワイドパンツやマキシスカートなど)、そして最後はウェストを絞る「X」型(スカートがAラインになったワンピースなど)だそうです。■3:トレンド感「おしゃれ=トレンドに敏感でなければならない」ということではなく、大事なのは「自分の内面を正しく表現すること」。季節ごとに移り変わる流行の色やデザインは、誰にでも合うものではなく、つまり万人に似合うトレンドはないということ。だからこそ、「いまのトレンドは私の長所を活かしてくれるものかな?」という視点で賢く見極めることが大切だというわけです。■4:季節感季節をちょっと先取りするような着こなしは、それだけでおしゃれな印象を与えてくれるもの。そしてチャンスは年に2回、2月と8月だそうです。まだ寒く、多くの人がダークカラーのコートを着ている2月に、春の息吹を感じさせる色をまとう。まだまだ夏休みの印象が強い8月に、秋先取りの着こなしをする。そんな先取り感が、おしゃれな印象を生み出すわけです。■5:小物使い小物使いが苦手な人は少なくないそうですが、そんな人たちに著者がいつも伝えているのは、「まずネックレスだけあればいい」ということなのだそうです。なぜなら、顔まわりを明るくしてフォーマル感を伝えられる小物として、優先順位はトップになるから。そしてネックレスに飽きたり、変化をつけたくなったりしたら、同じく顔まわりを明るくする小物としてピアスやいたリングを投入。その次に、シルエット調整もでき、アクセントにもなるベルト、さらに体温調節もできるストール。それだけで十分だといいます。■6:抜け・こなし「抜け感」「こなれ感」を演出するためにおすすめなのが、「アケ・まくり・まくり」のテクニック。体の上から順に、まず首まわりが詰まらないようにシャツのボタンや巻物をほどよく開けて、デコルテ部分に“抜け”を。そして、羽織りものやシャツの袖をまくって手首を見せる。さらにパンツの裾をアップして足首を見せる。女性が美しく見えるパーツを隠さずに見せることで、抜け感が生まれるといいます。■7:柄使い柄ものは、気軽にトレンドを取り入れられるアイテム。著者の経験則として、目が大きくインパクトのある人は大きめの花柄や幾何学模様などの「大きい柄」、繊細な顔立ちの人は「小さめの柄」がマッチするそうです。逆の組み合わせになると、「顔と服が合っていない」「顔が服に負けている」という印象になってしまうというのです。*似合う色や形の見分け方から、性格チェックまで豊富な内容。もちろん着まわしコーディネートも、豊富な写真とともに紹介されています。つまり、きわめて実践的な内容。持っておけば、日々のコーディネートに役立つこと間違いなしです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※みなみ佳菜(2016)『4つの性格タイプから見つける いつの間にか人生が変わる服』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年06月13日きょうご紹介するのは、『第二言語習得論に基づく、もっとも効率的な英語学習法』(佐藤 洋一著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)。聞きなれない言葉ですが、「第二言語習得論(Second Language Acquisition)」とは、効果的な外国語学習方法を科学的に探究している分野。中学・高校で英語を学んだものの、習得するには至らないまま大人になった人が、最短距離で成果を上げるために必要なことを示したものなのだそうです。■大人の頭で学びなおす手順英語学習については一般的に、「早く学べば学ぶほど効果的」というようなイメージがありますよね。しかし、大人の頭で学びなおすことによって、短期間で英語力をアップさせることができるというのです。そんな方法が本当にあるのかと疑いたくもなりますが、具体的には次のような手順を踏むのだとか。(1)文法のコアを、自然順序仮説に沿って学習する・・・2ヶ月(2)十分な量の英語をインプットする・・・2ヶ月(3)受信型の英語」から「発信型の英語」へ切り替える・・・2週間(4)「発信型の英語」から「相互理解のための英語」へ切り替える・・・1ヶ月(5)自分の英語をモニタリングする方法を身に付ける・・・2週間(6)学習方法をカスタマイズし、学習を継続する最初のステップは、英文法のコアを押さえること。その際、「論理的な思考が得意な大人の頭がどのように文法知識を習得していくかについての理論」に基づいた順序で学習していくことが重要なのだといいます。次のステップは、インプットを蓄積すること。現在の自分よりも少しレベルの高い英語を、おもにリスニングを通して大量に取り込んでいく作業。そんな方法からもイメージできるとおり、「質より量」がポイントになるそうです。次いで必要となるのは、理解するだけの「受信型の英語」から「発信型の英語」へのモード切り替え。この作業には、短い英作文やスピーチが役に立つといいます。さらに行うのは、一方通行な「発信型の英語」から、双方向の「相互理解のための英語」への切り替え。ちなみに英会話学校で会話練習をはじめるタイミングとしては、ここがベスト。基礎が固まらないうちから英会話学校に通うのは、避けるべきだそうです。なお英会話を練習する際には、ネイティブのように自然な話し方を意識する必要はまったくないといいます。むしろ心がけるべきは、文法のコアを意識しながら、ゆっくりでもいいので、整った文を発話するように心がけること。自分の話す英語を常にモニタリングすることにより、倍以上の学習効率があると著者は断言しています。そして最後は、自分の学習方法を自分の手でカスタマイズしていく作業。自分が興味を持っている教材を用いることがポイントだとか。■決め手はモードの切り替えこのメソッドをひととおり終えたときが、英語学習の第二のスタート地点。以後は学習方法をカスタマイズしながら、継続的に学んでいくことが大切なのだそうです。なお、「英語をやりなおす」という点も重要。何故なら第二言語習得論においては、新たな言語を習得するためには相当量のインプットが必要だから。私たちは中学・高校の授業だけでも800時間程度英語に触れてきているので、そのインプットを活かさない手はないというわけです。いわば、大人の頭で文法を学び直す、過去のインプットを活かす、そのうえで学習に関するさまざまなモードの切り替えを行うことが言語習得の必勝手順だということ。■成功した人の3つの共通点著者によれば、英語のやりなおし学習に成功した人の共通点は、大きく以下の3つ。(1)やみくもに勉強するのではなく、筋道を立て、体系立てて学習を進めている(2)自分自身の学習段階を理解し、次になにを学ぶべきかを把握している(3)学習に関するさまざまな外的要素を自分でコントロールしているビジネスのための英語学習に成功する人は、「語彙や文法をひたすら暗記する」という受験英語のマインドセットを捨て、「自分のいいたいことを伝えるために必要な量の語彙と文法をおぼえ、繰り返し使う」という割り切りができているのだそうです。そして「次にやるべきこと」がわかっているからこそ、目の前の課題に手当たり次第に取り組み、壁に突き当たってしまうということもなくなるわけです。さらに、「なにをすべきか」がわかっている人は、学習時間の捻出など、学習に関するさまざまな外的要因をうまくコントロールできるようになるのだとか。*ざっとご紹介しただけでも、第二言語習得論に基づく英語学習法のオリジナリティがわかるはず。英語力がなかなかつかずに悩んできた人にとっては、本書が突破口になるかもしれません。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※佐藤洋一(2016)『第二言語習得論に基づく、もっとも効率的な英語学習法』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年06月08日『NASAより宇宙に近い町工場』(植松努著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、紆余曲折を経たのち、北海道の小さな田舎町で宇宙開発に取り組んでいるという異例の人物です。注目すべきは、本書においてはっきりと「宇宙開発はお金を稼ぐ対象ではない」と断言している点。宇宙開発には、お金よりも大切な意味があるように思えるというのです。そして宇宙開発は、「あること」を実現するための手段だとも考えているのだとか。それは、「どうせ無理」という言葉を世の中からなくすこと。多くの人があきらめてしまう夢を実現できれば、「どうせ無理」といわない人がひとりでも増えるのではないかという考え方です。■手加減した働きかたをしてはいけないそんな著者は、給料に関しても明確な考え方を持っています。手加減をして給料分の仕事しかしていないと、本当に給料分の人間になってしまうというのです。「俺は正しく評価されていないな、俺の給料は安いな、だから、このへんで手を抜いておこう」と考えるような人は、本当にその給料どおりの輝きしか持たなくなるというのです。いいかたを変えれば、(給料をいくらもらっているかにかかわらず)仕事とは自分の人生の時間。そうであるだけに、手加減した働きかたをしていると、手加減した生き方になってしまうということ。しかしそれでは、人生の時間を無駄に浪費していることになってしまう。だからこそ、職場という環境を生かして、学ぶべきことを徹底的に学ぶことが大切だというのです。■トレーニングをしながら給料をもらうもしも職場で徹底的に学ぶことができれば、その結果として人はもっと輝きを放つようになるそうです。そればかりか、そのことを評価できる人と出会ったときに、その輝きは「本当の力」を持つようになるといいます。とはいっても現実的に、「その職場では評価されない」というケースもあるでしょう。でも、それはトレーニングやランニングだと思えばいいのだと著者はいいます。ランニングをしてもトレーニングをしても、誰かがお金をくれるわけではありません。だから、「トレーニングをしながら給料を少しもらえている」と考えたほうがいいということです。「俺はこんなにがんばっているのに、あいつはたいして仕事をしていない。でも、あいつのほうが給料を多くもらっている。おもしろくない」そう感じるようなことは、誰にでもあるかもしれません。しかし、そんなふうに考える必要はまったくないと著者。なぜなら、人生において最後に勝つのは、どれだけ「やったか」だから。どれだけ「もらったか」ではないということです。■前例がない世界に刺さることが大切!だからこそ、給料に不満を抱きながら手加減をするのではなく、できるだけのことをすべき。また、不景気で仕事が減ったとか、暇になったと嘆いてみたところで状況が好転するわけでもありません。むしろ大切なのは、世界を取り囲んでいる不景気を打破するためには、いかにして暇を生かし、前例や規則のない分野に挑戦していくかということ。ビジネスの現場匂いては、新しいアイデアなどが「前例がないから」という理由で却下されてしまうことは少なくありません。けれども、前例がない、規則がない世界に刺さっていくことが、もしかしたらこの不況を打破するための大切な考え方になっていくかもしれない。「そのために、不景気が暇をつくってくれていると考えればいい」という著者の意見は、とてもユニークです。しかし、そこに本質が見え隠れしているのもまた事実ではないでしょうか。さらにいえば、そんな思いが著者の仕事に対するポテンシャルになっているということがはっきりとわかります。*語り口は、きわめてソフト。しかし、その裏側には煮えたぎるような情熱があることがわかります。それが、本書の強い説得力につながっているのです。また、ここで紹介したことがら以外にも、学びとなるトピックスが随所に盛り込まれているため、得るものは大きいはずです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※植松努(2016)『NASAより宇宙に近い町工場』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年05月14日『社会人1年目からの「これ調べといて」に困らない情報収集術』(坂口孝則著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、「フレッシュパーソンのためのあたらしい教科書」と銘打って創刊された「やるじゃん。」ブックスのなかの一冊。タイトルからもわかるように、「情報収集術」に関するノウハウがわかりやすく解説されています。きょうはそのなかから、大切な基本について解説された「情報収集5つの鉄則」をご紹介したいと思います。■1:情報収集は、上司へのヒアリングから社会人になると、上司から「◯◯について調査して報告しなさい」と要求されることがあります。しかし、ネットで検索しただけではよくわかりませんし、誰に聞いたらいいのかも検討がつかないもの。それどころか、資料が世の中のどこに存在するのかすらわからなかったりします。そんな新社会人に対して、著者は自らの経験値をもとにアドバイスをしています。資料を作るに際しては、次の表の項目を明確にすることが大事だというのです。・いつまでにつくればいいのか・資料の目的は明確になっているか・対象者は上司だけか、あるいは、さらに上の役員なども見るものか・報告手段はなにを求めているか・できれば、どういう結論を導きたいのか・上司はどのくらい詳しいのか︎特に重要なのは、「できれば、どういう結論を導きたいのか」。上司の意見を尊重しつつ、上司の仮説をていねいに修正し、適切な資料をつくることが大切だということです。■2:資料は「会社に役に立つもの」でなくてはならない情報収集とは、調べる行為だけではなく、考えることでもあり、さらには仮説を検証し続ける行為でもあると著者。しかも仕事でつくった資料は、会社のなかで使われるもの。だからこそ、会社が得するのか、効率化するのか、コスト削減できるのか、売り上げが伸びるのが、社員の職場環境が改善するのかなどの「実利」を追求することが必要。そこで資料をつくる前には、次のことを意識して情報収集をすることが大事。・ネットだけのつぎはぎ資料になっていないか・そのほか、情報源として信頼のおけないソースに拠っていないか・書籍、雑誌、テレビといった情報の単なるまとめになっていないか・あまりに原則論の、誰でもわかっている情報ばかりになっていないか大切なのは、その情報から新たな発見を導くことだといいます。■3:情報には「種類」がある著者によれば、情報には、一次情報、二次情報、三次情報があるそうです。一次情報とは、その情報源に直接当たったもの。誰かについて調べるとき、その人と会話したりインタビューすることです。二次情報は、新聞や書籍、テレビ、ラジオ、論文などから得た情報。誰かの発言を間接的に得る場合もあてはまるのだとか。一次情報を元につくりあげられているだけに密度は濃いものの、一次情報の「次」にあたるということを意識する必要があるといいます。そして三次情報は、情報源すらわからなかったり、何重にも編集しなおされたりしたもの。正式かつ厳格さを求められる資料であれば、避けるべきだということです。また、どの情報であれ、それが「事実」なのか「分析」なのか「希望」なのかを意識しなくてはならないわけです。■4:情報は常に疑おう!一次、二次、三次に限らず、その情報が信頼に足るものかどうかを意識することはとても大切。そして一次情報を使うときは、それを裏づける他の一次情報か二次情報を探すべき。つまり、重要なのは二重で確認すること。そのうえで大切なのは、直感的にも正しいかを常に自問すること。新しい内容に接するときは、「ほんとかな」と5回くらい疑うべきだといいます。■5:情報収集は「時間」が命資料提出に際しては、なによりも「期限」を守ることが大切。期限ぴったりに資料を報告したら及第点、期限より早ければ得点は3割増し、遅延は3割減だと著者はいいます。さらにもうひとつ重要なのは、情報の鮮度。つまり「いつの時点の情報を使うか」。常に資料の趣旨・目的をとらえ、多くの人たちが納得してくれるかを自問するとよいそうです。*情報収集は社会人に必須のスキルであるだけに、目を通してみればきっと役立つはず。また新社会人のみならず、すでに相応のキャリアを身につけている中堅ビジネスパーソンにとっても、忘れかけていたことを再確認するのに最適だと思います。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※坂口孝則(2016)『社会人1年目からの「これ調べといて」に困らない情報収集術』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年04月21日『あなたのまちの政治は案外、あなたの力でも変えられる』(五十嵐立青著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、茨城県のつくば市で8年間にわたって市議会議員を務めてきたという人物。そのような活動を通じ、感じたことがあるのだそうです。それは、多くの人が「どうして保育園に入れないのか」「なぜ街灯が少ないのか」など日常生活の不便さには関心を持っているのに、その原因となっている“政治”には関心を持っていないということ。しかし現実的に、私たちの毎日の生活は政治から切り離されたものではないはず。だからこそ、多くの人々に政治への関心を持ってもらいたい。そんな思いから、本書を執筆したのだといいます。主人公で主婦の香織、夫でサラリーマンの大輔、小3で長男のソウタ、2歳の長女ヒナタからなる「香織一家」を軸としたストーリー仕立て。話の要所要所で、ママ友や市議会議員、市役所職員などが絡んできます。そのやりとりを読み進めるうちに、子育て、介護、交通、都市計画などさまざまな問題への疑問を無理なく解消できるわけです。きょうはそのなかから、“政治とお金”についての気になる話を引き出してみたいと思います。■市議会議員の報酬は人口によって変わるこの項で、「政治家ってやっぱり儲かるの?」というストレートな疑問が浮上します。市議会議員の山下の回答によれば、議員は“報酬”を受け取っており、彼の議会の場合、額面は月額45万円なのだそうです。「やっぱり多いんだな」という印象を否定できませんが、詳しく説明を聞くと、どうやらそうともいい切れないようです。なぜならこれは、会社でもらう給料とは違って、税金などが引かれていないものだから。ここから所得税、国民健康保険税や市県民税、国民年金などをマイナスすると、手取りは月平均で24万円くらいだというのです。それに加え、「期末手当」というボーナスのようなものももらえるので、実質は年450万円くらい。なお、業績に関係なく支払われるのだそうです。ちなみに全国どこの市区町村でも同じ額だというわけではなく、人口が多いところは金額が多く、人口が少ないところは金額も少ないのだといいます。人口によって仕事が変わるわけでもないので、仕組みとしてはちょっとおかしい気もします。また報酬の他に、政務活動費というものも支払われるそうで、山下のまちの場合は月額3万円なのだそうです。■県議会議員と国会議員の報酬はいくら?しかし、もしも県議会議員になったとすると、金額はずいぶん上がるのだとか。額面で年収約1,200万円だといいますから、税金や年金を払ったあとの手取りもかなりの額になりそう。しかも県議会議員の場合、政務活動費は月額30万円。つまり市議会議員のひと月の手取りとほぼ同じ額が政務活動費としてもらえるわけです。さらに国会議員になると、年収は約2,200万円。そして報酬の他に文書通信費が月額100万円もらえることに。しかも領収書がいらず、つまりはなにに使ってもいいということ。秘書給与費なども合わせると、年間約7,000万円くらいがもらえるというのです。また、公務ということになると新幹線のグリーン車が乗り放題になるなどの特典も。■市会議員にはなにが求められているのかしかし、そういう話を聞くと、「はたして金額に相当した仕事をしているのか」ということが気になります。その点については、市議会議員の場合だと、議員として必ず出席しなければいけないのは年に4回の定例会で、年間で30日くらいだそうです。それに加えて、委員会が開催されたり、全員協議会という会議が開催されたりしますが、すべてを合わせても公務は年50~60日くらい。それだけで何百万円ももらえるとはうらやましい気もしますが、議員としての活動は、公務以外の部分で差が出てくるのだといいます。たとえば政策の勉強や現場の声を聴くことに時間をかなり割く議員もいれば、もっぱら地域のお葬式やお祭りに有力者として顔を出す冠婚葬祭専門というような議員もいるということ。「冠婚葬祭専門議員」には1年で100~150回も出席する人がいるそうで、そのため新聞のお悔やみ欄をしっかりチェックしているのだとか。そんな議員に税金から高い給料を払ってほしくないと感じても不思議はありませんが、議員報酬を高いと思うか低いと思うかは、その人が政治家になにを期待するかということとも関係しているもの。葬式や結婚式に来てほしいとか、道路などの陳情を市に届ける役割をするとか、仕事の口利きをしてほしいとか、姿勢の問題点を追求してほしいとか、いろいろなニーズがあるわけです。つまりそう考えると、政治家を育てるのは、選挙で投票している市民の仕事ということになるのです。*話の大半が会話形式で進んでいくため読みやすく、知りたいことを無理なく知ることができる良書。政治に関心を持つために、有効な内容だといえそうです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※五十嵐立青(2016)『あなたのまちの政治は案外、あなたの力でも変えられる』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年04月18日『社会人1年目からのお金の教養』(泉正人著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、そのタイトルどおり、新社会人を対象とした“お金の教科書”。入社3年目までに身につけておくべきだと著者が考える「お金の教養」43をピックアップし、わかりやすく解説しているわけです。きょうはそのなかから、いくつかのトピックスを抜き出してみたいと思います。■「消費」「投資」「浪費」の違いとは当たり前のことですが、自分が稼いだお金だけで生活する社会人は、お金をコントロールして使う必要があります。なにを買うべきなのか、なにを買ってもいいのか、なにを買ってはいけないのか、すべてを自分で判断しなければならないということです。そのためにはまず、お金の使い方が「消費」「投資」「浪費」の3つに分けられることから知る必要があるのだと著者はいいます。消費とは、毎日を生きていくうえで欠かすことのできないもの。電気・水道・ガスといった光熱費や家賃、通信費、毎日の食費、日用品などが含まれます。投資は、株や不動産など将来の資産形成につながるもの。キャリアアップのために資格取得や、健康維持のための食費などの自己投資も含まれます。そして浪費は、必要以上に飲み食いしたお金とか、欲に任せて買う高級品や嗜好品など、生活に不要なもの。いい方を変えれば、「消費=買ったものが払ったお金と同等の価値を持っているもの」「投資=買ったものが払ったお金以上の価値のあるもの」「浪費=買ったものが払ったお金より価値がないもの」といえるそうです。■新社会人は消費に慣れることが重要!社会に出たばかりの人についていえば、「買うべきもの」は投資であり、「買っていいもの」は消費にあたり、「買ってはいけないもの」が浪費にあたるものだと大別できるそうです。そして、毎月決まって十数万円以上のお金が振り込まれる経験が初めてであるはずの新社会人にとっては、心がけるべき重要なことがあると著者。当然のことながら、浪費を控えるように心がけ、まずは「消費」に慣れることが重要。どのような生活をすれば、毎月の消費が「使っていい金額」のなかにおさまるのか、その感覚をつかむことが大切なのです。次に投資ですが、社会に出たばかりのときは、日常業務に追われ、3~5年後を見据えて行動することなどできないのが普通。しかし、そんな時期だからこそ、自らの成長に投資をする「自己投資」を意識することが大切。そうすることによって、社会人として一気にライバルを引き離すことすらできると著者はいいます。■毎月の支出と収入を正確に把握しようお金をコントロールするためには、毎月いくら稼いでいるのか、なににいくら使っているのかという「お金の現状」を把握することが必要。住居費や食費などの出て行くお金(=支出)と、毎月会社から振り込まれる給与(=収入)を正確に把握しなければならないわけです。収入とは、新社会人にとっては給与に当たるものですが、給与には「額面金額」と「手取り金額」があります。額面金額は、基本給に時間外手当や通勤手当、住宅手当などの手当を足したもの。会社から支払われる報酬のすべてを合計した金額だということ(一般的には給与明細に「総支給額」と書かれています)。手取り金額は、「差引支給額」と書かれたもので、額面金額から税金(所得税、住民税)や社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険)などが差し引かれたもの。つまり自由に使えるのは、手取り金額だということです。■把握しづらい支出を管理する方法は?支出の基本は「毎月の生活費」であり、固定支出と変動支出に分けられます。固定支出とは、住居費や月払いの保険料、教育費といった毎月一定に支払っているもの。預金通帳を見れば、すぐに把握できるものです。対する変動支出とは、食費や光熱費、通信費、レジャー費など、月によって変わる支出。特に食費やレジャー費は把握しづらいので、レシートや家計簿を活用して、1週間、1ヶ月単位で管理するべきだといいます。他にも年払いの保険料や冠婚葬祭費、家電・家具の購入費など「年に数回の支出」、学校の入学金、住宅購入の頭金、自動車購入など特定の年にだけ発生する「一時支出」が。いずれにしても収入と支出は、ひとり暮らしで生計を立てていくうえでの基本。必ず把握することが大切です。*このように基本がわかりやすく解説されているため、聞くに聞けない疑問も解消できるはず。ぜひ、手にとってみてください。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※泉正人(2016)『社会人1年目からのお金の教養』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年04月07日三越伊勢丹のプライベートブランドであるナンバートゥエンティワン(NUMBER TWENTY-ONE)は、4月6日、図案家で陶芸家の鹿児島睦(かごしま まこと)とコラボレーションしたハンドバッグを伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店各1階ハンドバッグ売場で発売する。同コラボレーションのために、鹿児島は3柄のオリジナル柄を製作。「セブンシスターズ」、「鳥と花」(マルチ柄)、「ファイブフラワーズ」、「鳥と花」(イエロー柄)の4種類が用意された。コラボレーション第1弾となる今回は、日本でも有数のプリント技術を有するセーレン社のヴィスコテックス技術が使用され、筆のタッチまで繊細に出るプリントで同氏の世界観がバッグに表現された。
2016年03月26日『図解 テレビに学ぶ 中学生にもわかるように伝える技術』(天野暢子著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、ニュース番組の内容や文字をチェックする「校閲」の仕事を通じてテレビと関わっているという人物。ふだんはプレゼンテーションの現場で指導にあたっているそうですが、数年前からその仕事に関わってから、大切なことに気づいたのだといいます。それはずばり、映像をはじめとして音声、音楽、文字、地図、図解などさまざまな情報が詰め込まれているテレビの可能性。テレビは、視聴率10%で視聴者が約1,000万人といわれています。つまり、1,000万もの人たちが一瞬で内容を理解できるように極限まで工夫されているだけに、いわばテレビは「見せる」「聞かせる」「理解させる」ことを研究しつくした、究極のプレゼンテーションだというのです。だとすれば、テレビで用いられている手法の数々は、ビジネスのさまざまな場面で応用できるということにもなるはず。そこできょうは、すぐに応用できそうなポイントをひとつご紹介したいと思います。■大切な3つのキーワードいうまでもなく、テレビは視聴者が気まぐれに見るメディア。だとすれば当然のことながら、いつチャンネルを変えられるかわからないわけです。だからこそテレビ制作側は、視聴者が一度スイッチを入れたら、チャンネルを変えさせない工夫を重ねているのだといいます。そこで必要となるのは、「楽しい」「ためになる」「好きなタレントが出ている」など、視聴者を引きつけるためのフック。そして、その際の重要なキーワードが「お得感」「意外感」「期待感」の3つなのだそうです。これについては、思い当たることがあるのではないでしょうか?たとえば情報番組内で、松阪牛のハンバーグ・ランチで大繁盛しているお店を紹介するとします。そのとき、映像を番組内で流すにあたって重要な要素は、司会者の言葉とテロップ(字幕)。具体的には「次は、あの高級肉がたったの1,000円で食べられる店を突撃取材です!」とコメントし、画面上には「銀座に大行列そのワケは?」と短いテロップを出すわけです。コーナーがはじまる前の数秒だけで、「高いお肉がたったの1,000円で食べられるらしい」という「お得感」をアピールし、「高級店の多い銀座にそんな激安店が?」という「意外感」も伝え、さらに「それはどんなメニューなんだろう?」という「期待感」も視聴者にインプットするわけです。別な表現を用いるとすれば、そうやって視聴者を囲い込んでいくということでもあると著者。■プレゼンにも必要不可欠そして同じように、プレゼンで最初から相手の心をつかむためにも、この手法を応用することが可能だといいます。やはり最初から押さえておくべきポイントは、「お得感」「意外感」「期待感」の3点の「つかみ」。逆にいえば、これらが存在しないプレゼンには、だれも興味を示してくれないということ。だからこそ、もしもない場合はあとづけでもかまわないので、考えて加えることが大切だというのです。そしてこの3点の「つかみ」に対し、それぞれ次のような「あおりキーワード」を組み合わせます。(1)「お得感」のあおりキーワード:激安、無料、行列、完売、殺到、穴場(2)「意外感」のあおりキーワード:秘密、秘話、マル秘、珍◯◯、涙、潜入(3)「期待感」のあおりキーワード:話題、仰天、驚きの、豪華、絶品、逸品つまり、これらを組み合わせて、表したスライドのタイトルで目立つように見せることが大切。なお、これらをレイアウトやフキダシを利用してキャッチコピーやサブタイトルのように使ってみたり、本編の見出しや図解の表題などに使ってみたりしてもいいといいます。*このように、紹介されている数々の手法はとてもシンプル。しかも大きな効果が期待できるだけに、プレゼンの機会が多い人は特に、ぜひとも本書に目を通しておきたいところです。B5サイズなので大きくて見やすく、イラストなどの図版もふんだんに盛り込まれているので、気軽にページをめくることができます。(文/書評家・印南敦史)【参考】※天野暢子(2015)『図解 テレビに学ぶ 中学生にもわかるように伝える技術』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年02月21日『ベンチャーキャピタリストが語る 着眼の技法』(古我知史著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、シティバンク、マッキンゼーなどを経て、現在は独立系キャピタリストとして活躍する人物。これまでに60社以上の起業や、事業開発の現場に直接参画してきたのだそうです。本書ではそのような経験値をもとに、そして「着眼」をテーマとして、新しいビジネスを生み出すための視点を明らかにしているわけです。しかし、そもそも「着眼」とはなにを意味するのでしょうか?その問いに対する回答は、まず本書のページをめくると飛び込んできます。■ひらめきとは着眼のこと「天才とは1パーセントのひらめきと99パーセントの汗である(Genius is one percent inspiration and ninety-nine percent perspiration)」ここで取り上げられているのは、有名なトーマス・エジソンの言葉。そして著者は、この真意を読者に対して明らかにします。努力を積み重ねるということが美徳という意味ではなく、「どれだけ必死になって努力を積み重ねても、ひらめきがない限り、すべては無に帰する」という、非情な現実を認識すべきだという意味だというのです。そして、こうもいいます。「ひらめきとは着眼です。突き抜ける着眼がひらめきです」と。■「着眼を得る」ためにはたとえ毎日が忙しくとも、着眼を得るため意識的に取り組んでほしいことがあると著者はいいます。着眼を阻む、次の3つのブロックを外す練習がそれで、忙しいなかでもできるものなのだそうです。[1]ルール・ブロック(会社のなかの内部統制やコンプライアンスなどがうるさい)[2]ソーシャル・ブロック(他人の目がうるさい)[3]セルフ・ブロック(自分のなかにいるもうひとりの自分がうるさい)これら3つのブロックは、多くの現代人を無意識のうちに苦しめるもの。そして、自分をいつの間にか制御し、制約している圧力、あるいは立ちはだかる壁を意味するのだとか。■外すべき3つのブロック[1]ルール・ブロックルールによるブロックが生じる背景は明確で、子どものころからの家や学校でのしつけの帰結だということ。いわば、やむを得ないものですが、あえてたまにはルールを忘れ、自分の頭で考えようと著者は勧めています。ルールがもたらす問題は、ルールに従っていれば「いい子」だと評価してもらえるということ。そして「ルールこそが正しい」と信じてしまう結果、言動の一元性や一面性の固定化、思い込み、思考の硬直が起こるというわけです。しかし、常識的な世の中のルールを学校で教わり、社会人になってからは会社のルールをただ信じるだけでは、新しい発想も着眼も生まれなくて当然。だからこそルール・ブロックを外すことが大切で、そのためにはまず、自分が無意識に遵守しているルールで、社会的に問題のないものを列挙し、自分の五感と地頭を駆使して状況対応をしてみるといいそうです。[2]ソーシャル・ブロックこれは、他人の目を機にするという制約。まわりの人間の(ソーシャルな)意見や感情に自分の言動が左右されていくという、アイデンティティ喪失のブロック(プレッシャーともいえるもの)。ソーシャル・ブロックが働いてしまうと、自分の判断や意見を曲げてまで、他人たちがつくる空気を読んでしまうもの。本来は主体的に自分の発想や考え、意志に従って意見表明し、行動すべきところでも、自分を押し殺してしまうわけです。しかし、空気を読む暇とエネルギーがあるのなら、まず主体性を持って考え行動することにエネルギーを注いだほうがいいと著者。それが、着眼力をつける最初の、ほんの小さな、しかし絶対に必要な一歩になるからだというのがその理由。なお、ソーシャル・ブロックを外すのは簡単で、疑問や反対の考えが湧いてきたら、そのまま流れに沿って「すみませんが、自分の意見をいわせてください」と枕詞で断り、自然体で意見を述べればOK。どうしても意見がいえない人は、最初は質問をするだけでもいいそうです。[3]セルフ・ブロック自分のなかにいるもうひとりの自分との闘いは、なかなか厄介なもの。なぜなら、もうひとりの自分があるべき自分を導くこともあるけれども、反対に制御することもあるから。しかし、「どうせダメだろう」「やっても仕方がないだろう」などという“内なる声”をよく聞く人は、セルフ・ブロックの奴隷になっていると著者は指摘します。セルフ・ブロックを外すためには、多重人格にならない程度に、もうひとりの内なる自分を意識的に演じてみるのがいいとか。なんでも肯定する、常に楽観的で積極的姿勢の、自分を応援するもうひとりの頼りになる自分を、意識してつくりあげるということです。*どのような仕事に就き、どのようなシチュエーションに身を置いていたとしても、「着眼」は必要不可欠。そのためにまず、これら3つのブロックを外すところからスタートしてみてはいかがでしょうか?(文/書評家・印南敦史)【参考】※古我知史(2015)『ベンチャーキャピタリストが語る 着眼の技法』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年02月16日「ソロ男」とは、想像できるとおり未婚男性のこと。『結婚しない男たち 増え続ける未婚男性「ソロ男」のリアル』(荒川和久著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)によれば、その数は増加の一途をたどっているのだそうです。昔と違い、「夫婦と子からなる標準世帯」よりも単身世帯が上回っているのが現代。家族生活者よりもソロ生活者の方が多いわけで、ソロ男こと独身男性も、もはや少数派として片づけられないボリュームにまで成長しているというのです。だとすれば、そこには「消費」のポテンシャルも生まれてくるはず。そこで本書では、2014年に立ち上がった「博報堂ソロ男プロジェクト」を通じて得た調査結果を軸として、マーケティングの視点から状況を分析しているというわけです。■自分に対してお金を使いたい人たちソロ男の消費行動を探るにあたって注目すべきは、彼らが「自分に対してお金を使いたい」人たちであるという事実。たとえばこだわりの強い趣味にお金をかけ、普段の食事を筆頭とする飲食にもお金をかけ、ひとりで旅行に出かけたりもするということ。一方、お金をかける場面と、節約する場面とを使い分けるメリハリがあるのも特徴のひとつ。主婦のように厳しく商品を選択する眼を持ち合わせていながら、一度気に入った商品は一途に指示する傾向が強いというのです。つまり企業にとっては、息の長い優良顧客となりうる可能性があるということ。ではそんななか、ソロ男は今後、モノとは別にどのようなサービスを利用したいと考えているのでしょうか?■ソロ男が利用したいと考えるサービス(1)金融系サービスソロ男は、生命保険や医療保険についてまったく興味を示していないのだといいます。たしかに生命保険に入ったところで、残す相手がいないのだから当然かもしれません。だから唯一、自分で受け取れる個人年金には多少興味を持っているのだとか。しかし、だからといってソロ男が生命保険会社のターゲットにはなり得ないかといえば、そうともいえないと著者。つまり家族がいる前提で考えられている現状の生命保険とは違う、生涯独身であるソロ男向けメリットが提供できれば、彼らを振り向かせることは可能だという考え方です。(2)銀行系サービス利息がほとんどつかない定期預金に、ソロ男が関心を示すはずもありません。しかし投資信託、外貨預金、NISAなどについては、ソロ男の方が現在でも利用しており、今後の利用意向も高くなっているそうです。そもそもソロ男は2割以上が、1,500万円以上の貯蓄額を持っているのだそうです。だとすればなおさら、金融業界も彼らに対するサービスを検討すべきだということ。(3)消費行動系のサービスソロ男はもともとネットとの親和性が高いので、「宅配レンタル」「ネット通販」「ネットオークション」の利用率は高め。加えて「電子マネー・プリペイドカード」の利用率も利用意向も高く、「マイレージ」や「ポイントカード」などへの関心も強いそうです。またリアルな来店行動も多く、独身女性よりも、お店に入って消費しているのだといいます。だからこそ、ネットとリアルの買いものをシームレスにつなげる「オムニチャネル」時代の強力なターゲットとして、ソロ男に注目すべきだということです。(4)レジャー系サービス旅行でもパックツアーに関しては、ソロ男は既婚男性とくらべて利用度も利用意向もかなり低い結果となったそうです。これはソロ男が今後旅行しないということではなく、いままでのパックツアーが、基本的には「複数申し込み」だったため利用されなかったということ。最近では旅行会社各社から「ひとり旅のパックツアー」が販売されているので、今後その認知度が上がっていけば、ソロ男の利用動向も上がってくるかもしれないと著者は予想しています。(5)学び系サービスソロ男は、「英会話教室」「ビジネスセミナー」など、自己啓発型のサービスを積極的に利用し、利用意向も高いのが特徴。仕事しながら平日の夜間や土日に大学院に通ったり、大学の公開講座に積極的に参加したりする人も増えているそうです。なお、ソロ男ながらも「結婚情報サービス」に対する利用意向もわずか6%ながらあるのだといいます。彼らが本気で結婚しようとしているのかは疑問であるものの、40代をすぎて結婚を意識するソロ男が多いのは事実。そこで婚活サービスも、いままでのように20~30代中心ではなく、40~50代のソロ男にターゲットを広げていくのも一考だと著者は主張しています。*たしかに周囲を見回してみれば、ソロ男は決して少なくないはず。重要な消費者として可能性を持つ彼らのことを、本書を通じて知っておくのもいいのではないでしょうか?(文/書評家・印南敦史)【参考】※荒川和久(2015)『結婚しない男たち 増え続ける未婚男性「ソロ男」のリアル』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年01月06日『未来に先回りする思考法』(佐藤航陽著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、株式会社メタップス代表。大学在学中の2007年に同社を設立し、2011年には人工知能を活用したアプリ収益化プラットフォーム『metaps』をスタート。これまでに累計57億円の資金調達を実施し、東京、シンガポール、香港、台湾、上海、サンフランシスコ、ソウル、ロンドンの世界8拠点で事業を展開しているのだそうです。そんな著者が本書で明らかにしているのは、「どんな状況にあっても未来を見通せる汎用的な思考体系」です。いきなりこう聞いただけでは、具体的なことをイメージできないですよね。しかし、まず認知すべきは、「99.9%の人が未来を見誤る」という事実だと主張しています。■飛行機も宇宙船も実現不可能?「飛行機の実現までには百万年から一万年かかるだろう」ニューヨーク・タイムズがこのような記事を掲載してからわずか数週間後に、ライト兄弟は人類で初めて空を飛んだのだそうです。この話を当時の人々は笑ったといいますが、しかし彼らとてジャーナリストより賢かったわけではありません。なぜなら野心に満ちあふれた人々が宇宙船の開発に取り掛かると宣言したとき、99.9%の人は「宇宙船なんて夢のまた夢だ」と切り捨てたというのですから。そして未来を見誤るという意味では、現代を生きる私たちも過去の人々を笑えないと著者は指摘します。たとえば、現在の日本では2,000万以上のユーザーが存在するFacebookが日本に進出したとき、多くの人たちが「日本人には実名で登録するSNSは流行らない」と否定したものです(おぼえている方も多いのではないでしょうか?)。また、いまや多くの人が愛用しているiPhoneにしても、その発売当初には「おサイフケータイが使えない」「赤外線がないなんてありえない」といわれたものです。■未来予測がだいたい外れる理由では、なぜ私たち人間はこうも繰り返し未来を見誤るのでしょうか?著者によればその原因は、人々の「思考法」にあるのだとか。つまり人は、「いま目の前で起きていること」からしか将来のことを考えることができないということ。ところが、現在の景色という「点」を見て考える未来予測は、だいたいにおいて外れるものだといいます。FacebookやiPhoneの普及を多くの人が予測できなかったことが、その証拠。なぜなら、現実は人間が認知できないほどの膨大な要素にあふれ、しかもそれらが複雑に影響し合うことによって社会を進化させているから。それをすべて把握することは、人間の脳では不可能だといいます。しかし、わずかながら驚異的な先見性を発揮して大きな成果を上げる人がいるのもまた事実。たとえば、30代だった1980年代の時点で、個人がスマートフォンを持つ未来を予言し、それを実現させて見せたスティーブ・ジョブズがいい例です。つまり彼は現在という「点」を見て考えるのではなく、長い時間軸から社会の進化のパターンを捉え、それを「線」としてつなげて意思決定をしているわけです。いわば、未来へ先回りしていたということ。■テクノロジーが時代を牽引する未来に先回りできる0.1%の人たちを調べていくと、99.9%の人とはまったく違った思考法を用いて未来を見通していることがわかったのだそうです。両者を分けているものとは、「パターンを認識する能力」。なお、パターンを認識するにあたり、もっとも重要な要素となるのがテクノロジーだと著者はいいます。なぜなら社会の進化は、いつの時代においてもテクノロジーが牽引してきたから。テクノロジーと聞くと特別なもののように思えるかもしれませんが、たとえば古代人が使った石器も、数百年前の社会を根底からつくり変えた革命的なテクノロジー。同じように貨幣も電気も、私たちの生活はいつでもテクノロジーの誕生によって書き換えられてきたというわけです。そして、インターネットという新しいテクノロジーが、現在進行形で社会をデザインしなおしているのが現代。インターネットの誕生からは20年が経過しましたが、いまはちょうど「変化への準備」が整った段階だというのです。だから、インターネットが本当の意味で私たちの生活を変えていくのは、実はこれからだと著者は推測しています。注目すべきは、テクノロジーが社会に与える影響力は、時間が経つほどに高まっていくということ。だとすれば、進化のスピードが急速に上がった現代においては、テクノロジーに焦点を当てることが、社会の構造を理解するための近道であるはず。そこで本書では、「もしも社会が進化するパターンを見抜いていれば、たとえ状況が変わっても未来を見通すことが可能になる」と考え、そのための汎用的な思考体系を明らかにしているわけです。*その視野は、テクノロジーの可能性やイノベーションのあり方はもちろんのこと、国家、政治、資本主義などさまざまな方向へと広がっていきます。だからこそ、ここで明らかにされている思考法とその周辺の環境は、私たちが未来とつながっていることを実感させてくれるでしょう。(文/書評家・印南敦史)【参考】※佐藤航陽(2015)『未来に先回りする思考法』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015年12月21日『「英語が話せない、海外居住経験なしのエンジニア」だった私が、定年後に同時通訳者になれた理由』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者・田代真一郎氏は、プロ通訳者として活躍する人物。とはいっても英語の素養があったわけではなく、もともとは自動車会社で働く普通のサラリーマンだったのだといいます。それどころか海外に住んだ経験もなく、初めて飛行機に乗ったのも30歳を過ぎてから。にもかかわらず、60歳で会社を定年退職してからすぐに受けたTOEICでは満点を獲得。いまでは同時通訳までこなし、クライアントやエージェントからリピートの仕事や指名も入るのだそうです。注目すべきは、著者が「仕事こそが、英語を身につける最高の機会だった」と明言している点。50歳になったころ、勤めていた会社が海外メーカーの傘下に入ったため、必要に迫られて英語を学んだことがよかったというわけです。だとすればそれは、多くのビジネスパーソンにも真似できるものなのではないでしょうか?そこで、すぐに活用できそうな「仕事を通じて英語を身につける4つの勉強法」を見てみましょう。■1:知識を最大限に増やす(活用する)意識すべきは、知識を最大限に増やし、それを活用すること。その際、大きなチャンスになるのは、意外なことに2020年の東京オリンピック・パラリンピックだといいます。今回のオリンピックの経済効果は、直接的なものだけでも数兆円にのぼるといわれています。また政府も成長戦略のひとつとして「観光立国」を標榜しており、2030年には訪日外国人旅行者の数を3,000万人以上にすることを目標に掲げています。だとすれば、英語がもっと必要になるわけです。そこで、まずは東京オリンピックについての知識を増やし、内容の理解を深めることに集中する。英語そのものの話とは関係なさそうですが、ここを充実させておくことが、のちのち役立つのだそうです。なぜならコミュニケーションに大切なのは中身で、手段としての英語は虹的なものだから。「なんでも話せる英語」ではなく、「オリンピックについてなら話せる英語」を目指すという考え方です。だからこそオリンピックに関心を持ち、インターネットを利用して知識の充実と内容の理解を図っていくべきだということです。■2:仕事の語彙は、単語帳をつくっておぼえる英語コミュニケーションにおいて、「語彙力」の果たす役割はとても大きいと著者はいいます。そこで大切なのは、みなさんそれぞれの仕事で使う単語を自分のものにしてしまうこと。そして、ここで意識しておくべきことがあるといいます。それは、「単語が役に立つのは、話すときだけとは限らない」ということ。単語を知っているということは、「読む」「書く」「聞く」「話す」のすべてにおいて強みとなるのだそうです。ちなみに、著者が実践しているという「単語力をつける5か条」は次のとおり。(1)単語は出会ったときがおぼえるとき。そのときの場面に関連付けると記憶に残りやすい(2)自分オリジナルの単語帳をつくる(3)単語は隙間時間でおぼえる。単語帳をクリアファイルに入れて、常に持ち歩く(4)クイックレスポンスが大事。自然に言葉が出るようになるまで鍛える(5)単語学習は継続。何度もしつこく繰り返す。忘れることを気にしない■3:「イメトラ」と「サイトラ」で、イメージを英語にする通訳者の学習方法に、「サイト・トランスレーション」(sight translation サイトラ)と呼ばれるものがあるそうです。書かれた原文(英語でも日本語でも)を目に入った単位ごとに頭からどんどん口頭で訳していくこと。対する「イメージ・トランスレーション」(image translationイメトラ)は著者の造語だそうですが、頭のなかにあるイメージを英語にしていく方法。相手にどう説明するか、めまぐるしく頭を働かせ、心のなかで、場合によっては小声で口に出し、話すことを練習するわけです。まずは単語を洗い出し、情報を集めたら、次はそれを英語でいえるように練習するのが有効。最初はサイトラ、慣れてきたらイメトラで行うのがいいそうです。■4:文法は、仕事のなかで試して磨く知識、語彙、イメトラ・サイトラと並び、もうひとつ欠かせない学習項目が「文法」。英語は通じさえすればいいので、文法は必要ないという考え方もあります。しかし基本的な文法知識がないと、「正しく」という部分があやしくなってしまうからだといいます。そうなると文法書を読むことが重要な意味を持つことになりますが、そこにはポイントがあるのだとか。つまり、あれこれといろんな文法書を読み漁るのではなく、よいと思ったものを、じっくりと腰を据えて読むべきだということ。同じ本を何度も読み返し、理解や記憶の深度を深めることが大切だという考え方です。おぼえては忘れ、理解しては忘れるーーそういうものだと達観して繰り返せば、必ず身につくと著者は断言しています。*本書内では、これらの勉強法についてさらに具体的に解説されています。著者自身の体験がベースになっているだけに、説得力も抜群。英語力を身につけたい人は、ぜひ手にとってみてください。(文/書評家・印南敦史)【参考】※田代真一郎(2015)『「英語が話せない、海外居住経験なしのエンジニア」だった私が、定年後に同時通訳者になれた理由』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015年12月18日