映画やドラマの撮影現場で長年愛されてきたお弁当屋「ポパイ」に焦点を当てたドキュメンタリー映画『映画の朝ごはん』。昨年11月10日よりキネカ大森、シネスイッチ銀座での公開を皮切りに、口コミが口コミを呼び、現在は24の劇場で公開、いまなお公開館数が増え続けている。ロケ撮影の定番の朝ごはんとして熱烈な支持者を持つポパイ。本作は、ポパイのおにぎり弁当ができるまでの工程はもちろん、ポパイがどのような経緯で撮影現場のお弁当受注に注力するようになったのか、さらにはポパイで大量のお弁当を日々発注する“制作部”メンバーによる影の努力、ポパイのおにぎり弁当が生む撮影現場での笑顔を捉えていく。雨の日も、風の日も、雪の日も…撮影現場には撮影、照明、録音、美術などそれぞれのセクションでカメラに写らない大勢のスタッフが働いている。朝から晩まで撮影に明け暮れる彼らにとって温かいお弁当がいかに大切なのか、その温かいお弁当を口に運ぶまでにどんな苦労が詰まっているのかなど、映画好きにはたまらない情景の数々をカメラが次々と明らかにしていく。配給会社彩プロからは、「昨年11月10日、キネカ大森 シネスイッチ銀座からスタートした『映画の朝ごはん』。季節が変わっても映画、テレビを含む撮影は全国各地で進められています。現場では『ロケ弁』がつきものなので、この『映画の朝ごはん』は現場を経験した方、また現場を知らない方にもお仕事の現場のごはんの大切さを知る良い機会だと思い、全国各地での上映を続けます。今後『東京での凱旋公開』に向けて営業を続けます」と『映画の朝ごはん』の劇場ブッキングの状況についてコメントが到着。さらに、4月20日(土)には、横浜シネマ・ジャック&ベティで「ポパイ」のおにぎり弁当付きの1日限りの特別上映が実施されることが決定した。この特別上映では、おにぎり2個、おかず1品、沢庵が入ったシンプルながらも映画スタッフに愛されるポパイのおにぎり弁当を実際に味わいながらの鑑賞が可能となる。チケットは4月16日(火)24:00~(=4月17日(水)00:00)より劇場WEBサイトにて販売開始。さらにこの度、俳優の窪田正孝や映画監督の斎藤工ら映画人からも「ポパイ愛」溢れるメッセージが到着した。窪田正孝(俳優)初めて会ったのは18年前。目紛しく新しくなっていく業界で、ずっと変わらない味で現場を支え続けてくれている大先輩。ほっこり優しく美味しそうに、大好きな現場を教えてくれる今作をぜひご賞味ください。斎藤工(俳優・映画監督)日本の映像の現場を、数々の作品を当たり前に支えてくれていた現場の朝ご飯、そして制作部さんは、物作りの背骨であり心臓なのだと言う事を、志子田監督の眼差しを通して改めて気付かされました。当たり前は当たり前じゃない。そこに人がいる限り、そこに映画(物語)があるのだと。追記 個人的には玄米のおにぎりもあったら最高に嬉しいです。『映画の朝ごはん』ポパイお弁当付き特別上映日時:4月20日(土)『映画の朝ごはん』10:00の回 ※お弁当はご入場時にお渡しいたします場所:横浜シネマ・ジャック&ベティ SCREEN ベティ一律料金:2200円(税込) ※各種割引、株主ご優待券、各種ご鑑賞券利用不可 ※お弁当、缶ウーロン茶付『映画の朝ごはん』は全国にて順次公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:映画の朝ごはん 2023年11月10日よりキネカ大森ほか全国にて順次公開©ジャンゴフィルム
2024年04月17日男性中心の社会に映画を通じて一石を投じるニナ・メンケス監督の『マグダレーナ・ヴィラガ』『クイーン・オブ・ダイヤモンド』、現時点での最新作ドキュメンタリー『ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー』が「ニナ・メンケスの世界」として上映。この度、予告編が解禁された。自らプロデューサーや撮影を務める特異な作品づくりと、そこから生み出される研ぎ澄まされた映像世界によって、多様なアメリカ映画界の中でも唯一無二の存在として1980年代初頭から現在まで活動を続けてきた女性監督、ニナ・メンケス。近年、初期作品がレストアされるなど評価の機運が高まり、日本でも昨年国立映画アーカイブで開催された特集「アカデミー・フィルム・アーカイブ 映画コレクション」にて代表作『クイーン・オブ・ダイヤモンド』が上映。シャンタル・アケルマンやケリー・ライカート、ウルリケ・オッティンガーといった女性監督の上映、再発見に続き、最も注目を集めているといっても過言ではない。『クイーン・オブ・ダイヤモンド』©1991 Nina Menkes ©2024 Arbelos今回解禁となった本予告は劇映画2本、初の長編『マグダレーナ・ヴィラガ』と代表作『クイーン・オブ・ダイヤモンド』、そしてドキュメンタリー『ブレインウォッシュ』の二部構成。初期の劇映画はどちらもメンケス監督の最大の協力者にして実の妹、ティンカ・メンケスが主演。『マグダレーナ・ヴィラガ』では社会から隔絶された娼婦の役を、『クイーン・オブ・ダイヤモンド』ではラスベガスのディーラーの役を演じ、どちらも孤独なキャラクターながら力強くもある女性像を類まれな存在感で圧倒する。『マグダレーナ・ヴィラガ』©1986 Nina Menkes ©2024 Arbelos真紅のネイルや指輪にウエディングドレス、ネオンの煌めきからターコイズブルーのプールサイドと、メンケス自身のキャメラがとらえる詩的な映像美も魅力だ。また、1本の木が燃え盛るさまを映した『クイーン・オブ・ダイヤモンド』での驚異のロングショットのシーンも確認することができる。『クイーン・オブ・ダイヤモンド』©1991 Nina Menkes ©2024 Arbelosそして『ブレインウォッシュ』は現時点での最新作で、現在に至るまで映画がいかに「Male Gaze=男性のまなざし」に満ち、その描写がいかに我々の実生活にも影響をもたらしているか、多くの映画のクリップを用いて解き明かしていくドキュメンタリー。『ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー』© BRAINWASHEDMOVIE LLC予告編でもアルフレッド・ヒッチコック『めまい』、クエンティン・タランティーノ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、ポール・トーマス・アンダーソン『ファントム・スレッド』などのクリップが登場。映画という視覚言語がもつパワーについて、そして男性中心の社会に溢れる問題をめぐって投げかけるメンケスの問いと対話は見逃せない。さらに、フェミニズム映画に詳しい明治学院大学教授・斉藤綾子からコメントも到着している。【斉藤綾子(明治学院大学教授)コメント】公開から30年。私たちはやっとニナ・メンケスのイメージに出会える幸運を味わえる。スロット・マシーンの音が鳴り響くラスヴェガスのカジノ。真っ赤な爪が光り、黙々とカードを配るディーラーをじっと見つめるカメラ。色鮮やかなウィール・オブ・フォーチュンの前にじっと立つ監督の妹、ティンカ・メンケス。バーバラ・ローデン、シャンタル・アケルマン、ウルリケ・オッティンガー、アニエス・ヴァルダ、ジェーン・カンピオンの孤独なヒロインたちと同じく、ティンカは寡黙だ。内なる抵抗を、怒りを表す女たちの沈黙。ネヴァダの砂漠、ロサンジェルスのモーテル。メンケスが描く荒涼としたアメリカ西部にジョン・ウェインはいない。そのカラフルでミニマルな映像を一度目にしたら、決して脳裏に焼き付いて離れない。「ニナ・メンケスの世界」『マグダレーナ・ヴィラガ』『クイーン・オブ・ダイヤモンド』『ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー』は5月10日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:マグダレーナ・ヴィラガ 【ニナ・メンケスの世界】:2024年5月10日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開©1986 Nina Menkes ©2024 Arbelosクイーン・オブ・ダイヤモンド 【ニナ・メンケスの世界】:2024年5月10日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開©1991 Nina Menkes ©2024 Arbelosブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー 【ニナ・メンケスの世界】:2024年5月10日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開© BRAINWASHEDMOVIE LLC
2024年04月11日日本のドキュメンタリー史上最も重要な映画作家のひとり、佐藤真監督のレトロスペクティブ「暮らしの思想 佐藤真 RETROSPECTIVE」が、5月24日(金)より開催決定、ポスタービジュアルと予告編が解禁された。革新的手法と映画哲学によって数々の傑作を世に残したドキュメンタリー作家、佐藤真。ありきたりの「日常」を撮り、その中に潜むもうひとつの世界への入り口を探し、言葉にからめとられる前の世界の感触を伝えた。2007年に49歳で突然この世を去ったが、いまなお多くの人たちに影響を与え続けている。佐藤真監督©村井勇今回のレトロスペクティブでは、知的障がい者と呼ばれる7人のアーティストたちの活動を通して芸術表現の根底に迫った『まひるのほし』(1998)。『まひるのほし』(C)1998 「まひるのほし」製作委員会重度の自閉症を抱えた1人のアーティスト今村花子と、彼女を取り巻く家族の物語『花子』(2001)。『花子』(C)2001 シグロパレスチナの窮状と真実を世に伝え、和解と共生の地平を探り続けた知識人エドワード・サイードの不在を見つめた『エドワード・サイード OUT OF PLACE』(2005)の3作品を4Kレストア上映。『エドワード・サイード OUT OF PLACE』(C)2005 シグロまた、日本のドキュメンタリー映画の金字塔といわれている、新潟水俣病の舞台ともなった阿賀野川流域に暮らす人々を描いた長編デビュー作『阿賀に生きる』(1992)とその10年後の人々を捉えた『阿賀の記憶』(2004)。『阿賀に生きる』(C)1992 阿賀に生きる製作委員会『阿賀の記憶』(C)2004 カサマフィルム『ドライブ・マイ・カー』『悪は存在しない』の濱口竜介監督作『寝ても覚めても』でもその作品が引用された、孤高の写真家・牛腸茂雄の作品世界に肉薄する『SELF AND OTHERS』(2000)もあわせて上映する貴重な機会。今回、本レトロスペクティブ開催に際して、日本映画界を牽引する映画監督3名のコメントが到着。『ドライブ・マイ・カー』『悪は存在しない』濱口監督は「一度お会いしたかった」と尊敬の念を滲ませ、『LOVE LIFE』の深田晃司監督は「ノスタルジーから遠く現在と生々しく接続している」と絶賛。『夜明けのすべて』の三宅唱監督は「新たな問いばかり見つかります」とレトロスペクティブ開催に期待を寄せた。『SELF AND OTHERS』(C)牛腸茂雄また、エドワード・サイードと親交の深かったノーベル文学賞受賞作家、大江健三郎氏がかつて『エドワード・サイード OUT OF PLACE』について書いたコメントも解禁となった。到着したポスタービジュアルは『まひるのほし』の登場人物のひとり、「しげちゃん」の画像を配したもの。美術・書籍・音楽・ファッション等の領域で活躍する加瀬透と本田千尋の制作スタジオ「khôra場」によるデザインは、日本のドキュメンタリー史上最も重要な作家の1人と位置づけられながらもこの世を去ってしまった佐藤真の作品群をいまもう一度新たに捉え直すべく、彼が主に作品を製作していた1990~2000年代を彷彿とさせながらも“今”を感じられる斬新なものとなっている。<コメント>敬称略・50音順大江健三郎(作家)エドワード・サイードの「不在」の風景のなかを、ゆったりと美しいカメラが、いつまでも追ってゆく。パレスチナ、イスラエルの苦しみのひだひだが照射される。人々の色濃い思い出を横切るサイード。そしてサイードの「希望」が私らの頭上に現われる。(『エドワード・サイード OUT OF PLACE』について)濱口竜介(映画監督『悪は存在しない』)佐藤真の映画ではカメラが人物の前に回ることが多い。対立でもなく、対峙でもなく、被写体の前で立ちすくむカメラ。そんな印象を受ける。答えのない過酷な生を、人々の声が和らげる。佐藤真はインタビューすることを恐れない。インタビューの一つ一つが説明に堕することがないのは、人の声自体を「できごと」として捉える感性ゆえだろう。一度お会いしたかった。深田晃司(映画監督『LOVE LIFE』)生きていると佐藤真監督の映画のことを不意に思い出す。阿賀の景色、花子の笑顔、パレスチナの難民たち。それら映像の記憶の断片はノスタルジーから遠く現在と生々しく接続している。三宅唱(映画監督『夜明けのすべて』)なぜそう撮ったのか。なぜそう繋いだのか。なにを撮らずにいたのか。なにを撮れなかったのか。あるショットから次のショットへ、そのすべての変化が、新たな発見として、新たな応答として、そして新たな問いとして迫ってくるように受け止めています。自分なりに考えてきたつもりでも、いままた見直すと、まだまだぜんぜん受け止められていないことに気づき、新たな問いばかり見つかります。レトロスペクティヴの開催を嬉しく思っています。「暮らしの思想 佐藤真 RETROSPECTIVE」は5月24日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:阿賀に生きる 2012年11月24日よりユーロスペースにて公開© 阿賀に生きる製作委員会
2024年04月11日先日開催された第96回アカデミー賞で⻑編ドキュメンタリー映画賞を受賞した映画『マリウポリの20日間』が、4月26日(金) より公開されることが決定し、併せて予告と日本版ポスタービジュアル、場面写真5点が公開された。本作は、2022年2月、ロシアがウクライナ東部マリウポリに侵攻開始した際の記録映像を元にしたドキュメンタリー。AP通信取材班が命がけで撮影した、戦火に晒された人々の惨状やマリウポリからの決死の脱出劇を映し出す。「これを見るには覚悟がいる。それでも見なければならない」。予告では、ロシア軍の印〈Z〉が刻まれた戦車が走り、爆撃投下を知らせるサイレンに怯えながら地下に避難する市⺠の姿など、穏やかだった日常から一転、混沌の渦となってしまったマリウポリの様子が次々と映し出される。「この光景を必死に忘れようとしても、決して忘れることはできない」と監督自身が語る〈歴史の現実〉を、世界の人々へと突きつける映像となっている。ポスターは、戦地となり荒れ果ててしまったマリウポリの街を記録する取材班の姿を切り取ったビジュアルを採用。場面写真は、AP取材班の姿、ロシア戦車によってアパートが爆撃される様子、空爆によって被害を受けた産科病院から怪我をした妊婦が運び出されるカットのほか、取材チームの1人でもある写真家のエフゲニー・マロレトカが、空爆の後にマリウポリ市内の産科病院から立ち上る煙を指さす姿、マリウポリ市内で避難生活を送る人々の姿が写し出されている。『マリウポリの20日間』ポスタービジュアル2024.3.10 第96回アカデミー賞授賞式ミスティスラフ・チェルノフ監督の受賞コメント(全文)この作品はウクライナ映画史上初めてアカデミー賞を受賞しました。しかし、おそらく私はこの壇上で、この映画が作られなければ良かった、などと言う最初の監督になるだろう。このオスカー像を、ロシアがウクライナを攻撃しない、私たちの街を占領しない姿と交換できれば、と願っています。ロシアは私の同胞であるウクライナ人を何万人も殺している。私は、彼らがすべての人質たち、国を守るために戦うすべての兵士たち、刑務所にいるすべての民間人たちを解放することを願っています。しかし、歴史を変えることはできません。過去を変えることもできません。私はあなた方に、世界で最も才能のあるあなた方に呼びかけます。私たちは、歴史を正しく記録し、真実を明らかにし、マリウポリの人々や、命を捧げた人々が決して忘れ去られないようにすることができます。なぜなら、映画は記憶を形成し、記憶は歴史を形成するからです。『マリウポリの20日間』予告編<作品情報>『マリウポリの20日間』4月26日(金) 公開公式HP: The Associated Press and WGBH Educational Foundation
2024年04月02日3月15日に開幕した『TBSドキュメンタリー映画祭』。3月29日(金) より福岡、3月30日(土) より札幌でも上映がスタートし、舞台挨拶を実施。ここでは、その舞台挨拶の一部をレポートとしてお届けする。<3月29日(金) 福岡 舞台挨拶>『リリアンの揺りかご』【登壇者】監督:神戸金史監督ゲスト:ジャーナリスト 臼井賢一郎(KBC解説委員長)神戸監督はRKB毎日放送のジャーナリストであるとともに、障害を持つ息子の父親でもある。作品では相模原事件について描き、さらにはヘイトスピーチや、去年9月1日の関東大震災100年をめぐる混乱など、「不寛容」をキーワードに現代社会の問題が監督の視点で描かれている。今回、登壇トークの中では、「主観的に取材に動いていく自分を客観的にみて作品にしていくことにチャレンジした。放送局のつくるドキュメンタリーに今後も是非期待していただきたい」とコメント。今回は、系列の枠を越えてKBC九州朝日放送の臼井賢一郎解説委員長も登壇し、「ドキュメンタリーはニュースの続きであり帰結である。この神戸監督の問題提起作品は、長年の取材の賜物。例えるなら、ジェットコースターのピークのようなものが沢山ある、深い内容である」と語った。『リリアンの揺りかご』舞台挨拶より<3月31日(日) 福岡 舞台挨拶>『魚鱗癬と生きる ー遼くんが歩んだ28年ー』【登壇者】監督:大村由紀子ゲスト:梅本遼(出演者)、梅本千鶴(出演者)大村由紀子監督と、出演者の梅本遼さん、千鶴さんが登壇。出演者の梅本さんは、「最近撮った映像を中心に映画を作るのかと思っていたが、こんな映像を撮っていたのかと思うような昔の映像も沢山使われていたことが驚きだった」と語った。また、大村監督は、「25年に渡ってRKB報道部で取材を続けてきた記者たちがタスキを渡しながら続けてきたからこそ完成に至った」と話した。梅本さんの母、千鶴さんは、来場者に涙ながらに感謝の想いを伝えていた。『魚鱗癬と生きる ー遼くんが歩んだ28年ー』舞台挨拶より『方舟にのって ~イエスの方舟45年目の真実~』【登壇者】監督:佐井大紀ゲスト:千石まさ子(出演者)、千石恵(出演者)、千石成美(出演者)満席で熱気に包まれた劇場に佐井大紀監督と、出演者のイエスの方舟の千石まさ子、千石恵、千石成美が登壇。千石たちは、「佐井監督が中立な立場で自分たちのありのままを撮ってくれたことは、嬉しいです。この映画をご覧になった方が観た方ご自身の捉え方で、『イエスの方舟』のあり方を理解してくれれば嬉しい」と語った。また佐井監督は、千石たちが自分たちの生き方を貫いていて力強さや逞しさを感じていたことを明かした。『方舟にのって ~イエスの方舟45年目の真実~』舞台挨拶より<3月30日(土) 札幌 舞台挨拶>『102歳のことば ~生活図画事件 最後の生き証人~』【登壇者】監督:長沢祐ゲスト:菱谷良一(画家)、高橋健太郎(写真家)治安維持法に違反したとして学生らが逮捕された生活図画事件の「最後の生き証人」である菱谷良一を追った本作。舞台挨拶には102歳の菱谷本人が旭川から駆けつけて登壇し、ほぼ満席となった客席から大きな拍手で迎えられた。「無名の老人を天下の大スター並みに扱ってもらい感激しました」といきなり観客を笑わせると、そこからは菱谷の独壇場となった。102歳とは思えない滑らかな弁舌で自らの生い立ちと生活図画事件までを振り返った菱谷。最後のメッセージを求められ、「自由と平和が私の生涯の生きる目的。皆さんも自由と平和のために頑張って下さい」と力強く締めくくると、劇場は再び大きな拍手に包まれた。『102歳のことば ~生活図画事件 最後の生き証人~』舞台挨拶より<3月29日(金) 大阪&京都 舞台挨拶>『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:中下雄貴、内海太一、岡大和名古屋を拠点に活動するBOYS AND MENの弟分・カラフルダイヤモンドの奮闘を追った本作。舞台挨拶には、津村有紀監督とカラフルダイヤモンドのメンバー(中下雄貴、内海太一、岡大和)が登壇。登壇したメンバー3人は全員大阪出身ということもあり、リラックスした雰囲気の中でトークが始まった。映画の中では食事シーンもたびたび登場し、大阪出身の内海はお好み焼きのシーンにはりきっていたそうで「大阪の人だったらあんなに混ぜない!と突っ込まれるくらい混ぜてましたし、油もひき忘れたんで」と反省。実はこのシーン、3時間くらいしゃべっていたため、お好み焼きは真っ黒になったそう。「大阪で今度撮ってもらえるならカスうどん食べたい。カスうどん広めたいねん」と岡。「僕は、吉本新喜劇に出たい」と内海。3人の仲のいいやりとりを笑顔で聞いていた津村監督は、最後に「カラフルダイヤモンドは日常の些細なことでも面白がるやさしい感性があります。みなさんの中の感性のスイッチに入ってもらえると嬉しい、そんな思いでこの映画を作りました」と締めくくり、お客さんのスタンディングオベーションで、温かい拍手に包まれた。1回目の登壇から30分後、2回目のお客さんを迎えて上映前に再び登壇。内海が「楽屋にダイヤモンドのアイシングクッキー置いてもらってて、士気がバカ上がりしています」と3人。士気の上がったところで、それぞれの映画のおすすめポイントを語った。「雄貴君の入ったばかりの頃の初々しい挨拶も楽しんでください。画の後にカラフルダイヤモンドを検索してほしいです。僕らの成長も感じていただけます。これからも一緒に楽しいことをしていきましょう」(内海)。「映画を観る前より、カラフルダイヤモンドを好きになってもらえると思います」(中下)。「キラキラしようとしていたり、泥臭い部分や悔しい思いをしているところが見てほしいポイントです」(岡)。津村監督は映画への思いを「彼らは熱量があって、常に前向きです。その青春真っただ中の姿が詰まっている映画をぜひお楽しみください」と締めくくった。この後、津村監督と3人は京都に移動、UPLINK京都でも舞台挨拶に登場。お互いのベストシーンを発表し合った。本編を通じて本人たちでもスクリーンを通じて初めて知るメンバー同士の思いや再発見について語り、これからの思いや映画の魅力を伝えた。<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭2024』※終了分は割愛『TBSドキュメンタリー映画祭2024』キービジュアル大阪:3月22日(金)~4月4日(木) シネ・リーブル梅田愛知:3月22日(金)~4月4日(木) センチュリーシネマ京都:3月22日(金)~4月4日(木) アップリンク京都福岡:3月29日(金)~4月11日(木) キノシネマ天神札幌:3月30日(土)~4月11日(木) シアターキノ公式サイト:
2024年04月01日3月15日に開幕した『TBSドキュメンタリー映画祭』。3月22日(金)・23日(土)・24日(日) には大阪・名古屋・京都でも上映がスタートし、舞台挨拶も実施。ここでは、その舞台挨拶の一部をレポートとしてお届けする。<3月22日(金) 大阪 舞台挨拶>『家さえあれば ~貧困と居住支援~』【登壇者】監督:海老桂介ゲスト:田村裕(芸人)、坂本慎次(NPO法人生活支援機構ALL代表理事)生活困窮者への住宅支援を続ける坂本慎次を追った本作について、海老監督が「撮影期間は2年くらい。90分の撮影素材が120~130本くらいあり、途中で鬱になりそうになった」と冗談交じりに編集の苦労を語ると、ほぼ満席となった会場は笑いに包まれた。ナレーションを担当したのは『ホームレス中学生』という自叙伝を出したこともある麒麟の田村。「相方は声も良いが、僕はコンプレックスがあり最初は断ろうと思った。でも、映画のタイトルを聞いて僕がやらねばと思った」と当時の心境を明かした。自らの経験から「家がなくなる恐怖感。屋根や壁がない不安感。そして家に入ったときの安心感は気持ちとしてわかる」と語ると、本作の主人公でもある坂本は「孤独にさせないのが大切。正しい生活保護の知識を持った上で、今後も本当に困っている人たちに手をさしのべたい」と今後の活動継続に向けた決意を示した。『家さえあれば ~貧困と居住支援~』舞台挨拶より<3月23日(土) 名古屋 舞台挨拶>『私の家族』【登壇者】監督:久保田智子ゲスト:奥田初恵(名古屋市里親会こどもピース代表理事)2019年に特別養子縁組で新生児を家族に迎えた、元TBSアナウンサー・久保田智子監督自身の家族に迫る『私の家族』。舞台挨拶当日は満席だった。久保田監督をMCに、名古屋市里親会こどもピース代表理事の奥田初恵と養子縁組したお子さんを迎えている当事者としての話、家族の話を繰り広げた。久保田監督は「本作は『真実告知』、つまりルーツについて早い段階から話をするということを一つのテーマにしました。基本的にはどの養子縁組をした家庭でも早い段階から真実告知しようとされています」と話す。ただ現在は自身のお子さんに対して積極的に真実告知をしないようにしている。その理由は「『産みの母』という言葉への反応が、あまりそれを聞きたくないというリアクションに見えて、相談員の方と相談をして今は積極的に言うのはやめて、本人が聞きたくなったり会話の中でいえる時があれば言うようにしようとなった」と、一方的に真実告知をするのではなく、子どもの様子を見ながら伝える、伝えない、どう伝えるか選択をするという。特別養子縁組で家族となった12歳の長男がいる奥田は「私の場合は、長男は乳児院にいたので、誕生日などの節目の時には乳児院にいたんだよ、と段階的に話をしていって、こちらから言うというより、長男から出会ったときの話を聞いてくることが少しずつ増えてきて、私が答える形になっています」と自身の体験を伝えた。久保田監督は「おそらく奥田さんの家族の中では何を聞いても大丈夫だという子どもの信頼感が強くあるからこそ、そういった関係性になれているんだと思うんですね。私もそういう風に子どもを育てていくことができればいいなと思います」と奥田氏の経験から感じたことを話した。奥田は当事者同士が支え合うという活動をしており、特別養子縁組や里親に興味を持っている方からよく「血のつながりがないのにきちんと育てていけるか」という質問をされるという。奥田は「主人と結婚して家族になったということを考えると、そこに血縁がなくても家族が築けるので、子どもを迎えいれることもそれと同じように考えています」と自身がどう考えているかを話した。久保田監督は「不安が生じる理由は、見えないものに対する不安なのかなと思っています。自分で産んで育てるのであれば見えているのでなんとなく理解できるけど、血のつながりがない家族というのはあまり見えてこないのでどんどん不安になり、『血のつながりがないのに……』という質問に繋がっていくのかな」と質問の理由を解説。それに対し奥田も同意するようにうなづいていた。舞台挨拶の後は久保田監督のサイン会を実施。共感した多くの来場者一人ひとりと笑顔で交流している様子が印象的だった。久保田智子監督<3月23日(土) 京都 舞台挨拶>『サステナ・フォレスト~森の国の守り人(もりびと)たち~』【登壇者】監督:川上敬二郎ゲスト:山極壽一(総合地球環境学研究所 所長)“森の国”、日本の現在を、森の守り人たちが語る『サステナ・フォレスト~森の国の守り人(もりびと)たち~』の舞台挨拶には、川上敬二郎監督と、作品にも出演している山極壽一が登壇。実はこの日初めて本編を鑑賞した山極、「俺が出てきてびっくりしたよ」の登壇第一声で場内は笑い声に包まれ、柔らかい雰囲気の中トークがスタート。サステナブルな林業をテーマにした本作で、「道づくり」がひとつのキーワードになっていることに着目した山極。実際に新しい林業で一度過疎化した村が復活した場所では、“道が残っていた”ことが復旧の大きな理由になっていることを例に挙げた。そして「日本という“森の国”で守り人が少なくなる中、たくさんの人たちが頑張っていることを目の当たりにした」という川上監督の話を受けて「かつて男性の仕事だった林業に、技術の進化もあり、女性たちの進出が目立ってきているし、若い人たちが自然と付き合いながら、自然を再生させるということを楽しみながら林業に携わるようになってきているのも素晴らしいこと」と山極が続けた。『サステナ・フォレスト~森の国の守り(もりびと)たち~』舞台挨拶よりまた本作では“小さな林業”“自伐型林業”に着目し紹介していることを受け、「林業だけではなく、エネルギーなどほかの分野にも通じること、これから栄えるのは分散型の産業」とし、川上監督が劇中の山極のインタビューを引用し、「新しい発想と今のテクノロジー、そこに古くからの知恵を掛け合わせることの重要性」と結んだ。その後話題は“持続可能性を秘めた森と教育”へと繋がり、農業・林業、さらには教育まで及び、来るべき日本の未来を考える示唆に満ちたものとなった。<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭2024』3月15日(金) より東京、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌で順次開催『TBSドキュメンタリー映画祭2024』キービジュアル東京:3月15日(金)~28日(木) ヒューマントラストシネマ渋谷大阪:3月22日(金)~4月4日(木) シネ・リーブル梅田愛知:3月22日(金)~4月4日(木) センチュリーシネマ京都:3月22日(金)~4月4日(木) アップリンク京都福岡:3月29日(金)~4月11日(木) キノシネマ天神札幌:3月30日(土)~4月11日(木) シアターキノ公式サイト:
2024年03月26日今年で4回目となる『TBSドキュメンタリー映画祭』が3月15日(金) に開幕し、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷にて15日(金)・16日(土)・17日(日) に各作品の舞台挨拶が実施された。さまざまな作品の監督や出演者が登壇し、満席が続出した舞台挨拶の一部をレポートとしてお届けする。『私の家族』【登壇者】監督:久保田智子ゲスト:杉山文野(東京レインボープライド代表)2019年に特別養子縁組で新生児を家族に迎えた、元TBSアナウンサー久保田智子監督自身の家族に迫る『私の家族』。久保田監督は、「作り手としては取材対象に近づいて生の映像を撮りたいと思うけれど、一方で自分は取材される側でもあって……。そこには自分を守りたいという気持ちもありました。曝け出して大丈夫なのか?私の家族はどう思うのか?そんな葛藤がありました」と心境を吐露。不安な背中を押してくれたのは「せっかく作品として発表するのならば、社会に影響を与えられる方が良いのではないか?」という夫からの一言だったという。久保田監督は「この作品は家族が賛成してくれたからこそ出来た映画」と家族のサポートに感謝していた。久保田智子監督また久保田監督は、「特別養子縁組を選択する前は、家族とは子供を産んで育てることだと思っていました。それが自分に出来ないと思った時に、急にマイノリティーになる瞬間があると感じました。当たり前が出来ないと知った時に、どう生きたらいいのかわからない葛藤もありました。その意味でも選択肢があることは大切。一般的な当たり前から外れても選択肢さえあれば別の選択をすればいいと前向きに思えるから」と、特別養子縁組を経ての想いを口にしていた。舞台挨拶ゲストとして登場したのは、東京レインボープライドの代表で自身もトランスジェンダーの杉山文野。友人からの精子提供により、パートナーとふたりの子供を育てている杉山氏。本作を観て、「自分には子育ては出来ないと思っていたので、ゼロだと思っていた分、実際に子育てが出来るとそのふり幅分楽しんでいるところがあります。血の繋がりさえ気にしなければ、子育ては出来る」と実感したという。LGBTQ+当事者で実際に子育てをしている人もいるそうだが、「日本では法的なハードルがあり過ぎてその数は限られている。選択肢が増えることによって子育てへの様々な関わり方が生まれたら嬉しい」と時代の変化に期待していた。杉山文野舞台挨拶の最後に久保田監督は、「自分のありのままを受け入れるのは難しかったけれど、ありのままの自分を受け入れて生きるしかないと思うことが出来て、それを発信するところまで来たわけですから、作品が完成して上映に立ち会っていることが感慨深いです」と噛み締めるようにコメントした。『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:古川流唯、内海太一、設楽賢、高垣博之、國村諒河、岡大和、小辻庵、関優樹、永遠、加藤青空名古屋を拠点に活動するBOYS AND MENの弟分、カラフルダイヤモンドの奮闘を追った『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』。舞台挨拶には、津村有紀監督とカラフルダイヤモンドのメンバーから古川流唯、内海太一、設楽賢、高垣博之、國村諒河、岡大和、小辻庵、関優樹、永遠、加藤青空が登壇した。カラフルダイヤモンドチケット即完で迎えたこの日の舞台挨拶。古川は「凄く緊張していたけど、皆さんに笑顔で待っていただけて……。そして僕らカラフルダイヤモンドの歴史を見てもらえて嬉しいです!」と喜色満面。設楽も「場内に入った瞬間、皆さんの顔がいっぱいあって良かった。ドキュメンタリーということで堅苦しいイメージもあったかもしれないけれど、皆さんが笑顔で観てくれたのが嬉しいです。この作品を通して僕らの魅力が伝わったら!」と期待を寄せた。高垣は、「感動的なシーンもあったので、皆さんのお顔に涙の跡の線2本があったら嬉しい。ポップコーンを食べながらカラフルダイヤモンドを見ることはレア体験。2回目を見る人は、ポップコーンをマストで作品を見てほしいです!」とお勧め。岡は「上映初日という特別な空間を皆さんと一緒にいられるのが幸せです。ステージに立って良かった、ドキュメンタリー作品になって良かったと思えました!」と感激していた。グループにとって初の密着取材となった本作。これに小辻は「初の密着ということで緊張したけれど、メンバーそれぞれの顔がしっかりと映っていて、しかもメンバーの知らないところも知れたりして嬉しかった」と達成感を覚えたことを明かす。関は「真面目に語っているシーンは正直ド緊張しました。でも監督とどんどん打ち解けて、素の表情になっていきました。インドカレー屋さんのシーンでは、思わず素の姿になっています!」と見どころポイントも挙げていた。永遠は、「映画の経験もドキュメンタリーの撮影も初めてだったのでド緊張。それもあってか僕は素が出る前に撮影が終わりました。……この作品に映っている永遠は、永遠の中の永遠じゃないところが出ています。まさに永遠役の永遠でした」といまだ緊張しきり。加藤も「カメラや照明、そして何人もの大人に囲まれて、そんな中で椅子に座らされて質問されて……。緊張しないわけがない!カメラには映っていないけれど手はブルブルでした。ヤバかったです!」と大いに緊張していたことを明かしていた。劇中には、國村と内海が神妙な面持ちで本音を吐露するシーンも。内海は「お好み焼き屋さんで1時間語る予定が、大いに盛り上がって3時間くらいになった。お店の席に座った時は緊張していたけれど、本音をぶつけ合うことが出来ました」と回想。國村も「毎日会っているのに、最初は元彼に会ったみたいな気まずい雰囲気に(笑)。一緒に暮らしているのに、『最近元気?』とか聞いたりして。でも自分の中で思うところもあったので、今日はその話をするぞと挑んだ。あの瞬間に思いをぶつけることが出来て、本音トークが出来ました」と手応え。内海は「あの本音のぶつけ合いをきっかけに前に進めた気がする」と本作の撮影がグループとしてのターニングポイントだと実感していた。そんなメンバーたちの姿に、津村監督は「彼らはこちらが質問を投げかけなくても色々な話をしてくれて、それが自然とドキュメンタリーになった。グループとしてはもちろんの事、それぞれ個人としても考えが深くて、ご本人たちの哲学も滲み出しています。私は彼らよりも倍以上の年齢だけれど、彼らの考えや悩みが重なるところもあって勉強になりました」と影響を受けていた。津村有紀監督舞台挨拶の後には、カラフルダイヤモンドのメンバーたちが観客を見送る「ハイタッチ会」も実施。映画の感想や応援メッセージを伝えられたメンバーたちは、ますますまぶしい笑顔を見せていた。ハイタッチ会の模様第4回の開催となる今年の『TBSドキュメンタリー映画祭』では、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障害など多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選ばれた15作品を上映。そのほかの上映作品は以下の通り。<上映作品>『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』『サステナ・フォレスト ~森の国の守り人(もりびと)たち~』『家さえあれば ~貧困と居住支援~』『102歳のことば~生活図画事件 最後の生き証人~』『リリアンの揺りかご』『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』『魚鱗癬と生きる ー遼くんが歩んだ28年ー』『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』『映画 情熱大陸 土井善晴』『最後のMR.BIG~日本への愛と伝承~』『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』『旅する身体~ダンスカンパニー Mi-Mi-Bi~』『BORDER 戦場記者 × イスラム国』<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭2024』3月15日(金) より東京、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌で順次開催『TBSドキュメンタリー映画祭2024』キービジュアル東京:3月15日(金)~28日(木) ヒューマントラストシネマ渋谷大阪:3月22日(金)~4月4日(木) シネ・リーブル梅田愛知:3月22日(金)~4月4日(木) センチュリーシネマ京都:3月22日(金)~4月4日(木) アップリンク京都福岡:3月29日(金)~4月11日(木) キノシネマ天神札幌:3月30日(土)~4月11日(木) シアターキノ公式サイト:
2024年03月18日映画『ジョン・レノン失われた週末』が、2024年5月10日(金)より全国で順次公開される。ジョン・レノンの“失われた週末”に迫るドキュメンタリーザ・ビートルズのリーダーで、ボーカルやギターなどを担当し、多くの楽曲を制作したジョン・レノン。映画『ジョン・レノン失われた週末』は、ジョンと妻のオノ・ヨーコが別居していた“失われた週末”と呼ばれるプライベートな日々の真実に迫る、ドキュメンタリーだ。映画『ジョン・レノン失われた週末』は、ジョンとヨーコの個人秘書で、プロダクション・アシスタントを務めていた中国系アメリカ人、メイ・パンの証言により制作。ヨーコの強い希望でジョンとメイが過ごすことになった1973年秋から75年初頭にかけての18か月間が明らかとなる。「 “ジョンとうまくいっていないの。あなたボーイフレンドいないわよね。彼と付き合って”」とヨーコから発案されたというメイ・パンは、ジョンとともに18か月間を過ごすことに。メイは「ヨーコの奇妙な発想は理解を超えていた。ヨーコは2週間しか続かないと思ってたけど 私たちは大恋愛に」とも発言している。また、ジョンはこの間、メイの助けを借りて、最初の妻シンシア・レノンとの長男ジュリアン・レノンと再会することができたほか、アルバム『マインド・ゲームス』、エルトン・ジョンをゲストに迎え全米シングルチャート第1位を獲得した「真夜中を突っ走れ」を含む『心の壁、愛の橋』、名盤『ロックン・ロール』を創作した。デヴィッド・ボウイやハリー・ニルソン、ミック・ジャガー、リンゴ・スターらとのコラボレーションや、ポール・マッカートニーとの久々の再会など、ビートルズ解散以降のソロキャリアのなかで最も多作で、充実したと言える日々を過ごした。ジョン・レノン名曲やプライベート写真など紹介劇中では、ジョンの名曲の数々や貴重なアーカイブ映像、ジョンとメイが互いの姿をとらえたプライベートな写真、イラストの名手として知られるジョンが贈ったユニークな描写の数々をふんだんに紹介。同時に、若き日のメイがジョンと共に過ごした忘れがたい日々を語る。【作品詳細】映画『ジョン・レノン失われた週末』公開日:2024年5月10日(金)監督:イヴ・ブランドスタイン、リチャード・カウフマン、スチュアート・サミュエルズ出演:メイ・パン、ジョン・レノン、ジュリアン・レノン、ポール・マッカートニー、デヴィッド・ボウイ、エルトン・ジョン原題:The Lost Weekend:A Love Story字幕:松浦美奈字幕監修:藤本国彦配給:ミモザフィルムズ
2024年03月16日テレビやSNSでは伝えきれない事実や声なき心の声を発信し続ける本気のドキュメンタリー作品に出会える場として2021年から開催されている「TBSドキュメンタリー映画祭」。その4回めの開催となる「TBSドキュメンタリー映画祭2024」が3月15日(金) から開催される。今回は「ソーシャル・セレクション」「ライフ・セレクション」「カルチャー・セレクション」といった3つのテーマを設けるという新機軸も打ち立てながら、日本の15作品と海外から2作品の珠玉のドキュメンタリーが全国6都市の会場で上映される。日頃からドキュメンタリー映画の魅力を発信していたLiLiCoが同映画祭のアンバサダーに就任したのは、昨年開催の「…2023」から。昨年の会見では感極まって思わず涙を見せ、今年ももちろんアンバサダーを連続登板する彼女に、その目から見た今年の作品の傾向や注目作についてアツく語ってもらった。見た目で判断することの愚かさを知るラッパー紅桜さんのドキュメンタリー昨年もアンバサダーを務めて、全作を観てきましたが、今年はまた色が違いますね。昨年の上映作では『魂の殺人』など、今でも心に住み着いてしまっている問題作が多数ありました。あれを観たときは、心がズタボロになってしまったほど。それと比較すると、今年の上映作は、かなりバラエティに富んでいるんですよね。社会派の作品はもちろんですが、エンターテインメント系もあったりするので、若い方にどんどん観てほしいなと思っているんです。『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』や『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』なんてエンタメ好きな方からしたら、表舞台に立つ人たちの本心を垣間見られる傑作だと思いますよ。J-WAVEで一緒にMCをしている俳優の稲葉友さんがラップ好きなんですが、この『ダメな奴…』のことを知ってすごく驚いていたんですよ。私は詳しく存じ上げなかったんですが、詳しい彼からすると紅桜さんはラッパーの間では雲の上の人。そんな人が人知れず4年間服役していて、出所した後から復活ライブまでを追った作品です。(c)TBS彼の奥さんがずっと待ってくださってたことや、仲間たちが待ってくれてることで、薬物に手を出したことを本気で反省し、本気で生きようする。それができる人なのに、間違った道に行っちゃうときがあるんだなって考えさせられました。紅桜さん、すごくピュアな人なのよね。しかも可愛い。ヒップホップになじみの薄い人たちからすると、ラッパーはなんかガラが悪いっていうイメージがあるんじゃないかと思うんですが、見た目で判断することの愚かさをこの作品で知ることができると思います。坂本龍一さんのドキュメンタリーは観る人をも動かしてくれるまた、坂本龍一さんの地雷撲滅活動を追った『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』もあります。紅桜さんは自分を再生しようとしましたが、坂本龍一さんは音楽で世界のために何かをなそうとしている。同じミュージシャンを追っていても、こんなにも違ったドキュメンタリーになるんだ、って多様さをまざまざと知ることができますよね。(c)TBS坂本龍一さんって偉大すぎて、この作品を観るまではこんな気さくな人だとは思っていなかったんですよ。実は一度だけ直接お会いしたことがあるんですが、それもひと言交わしたくらいだったのね。審査員をしている報知映画賞で『Ryuichi Sakamoto:CODA』を選出したときだったんですが、「君がいろいろ言ってくれたんでしょ」っておっしゃって握手。もっと話しておけばよかった……。坂本さんは、活動のために直接ボリビアに足を運んで、現地の様子を自分の目で見ているんです。そこまでの活動を果たしてどれくらいの人が知っていたのかな。しかも、同じように平和活動をする若い子たちが彼を招き入れ、彼もまた若い子たちに思いを託していく。このバランスもすごくいいし、「良くない」と思ったらすぐに動く人。音楽家として大成している方だけど、そのネームバリューを自認した上で、他の活動にもアクティブなのってすごく素晴らしいですよね。私もウガンダの子どもたちの支援活動をしていますが、直接は行けないから経済的援助だけ。この作品を観たら、直接なにかできることをしようって思いましたし、観る人をも動かしてくれる素敵なドキュメンタリーだったんだと気づかされました。久保田智子さんとはハグして「大丈夫だよ」って励ましたい作品を撮った監督と喋りたいなって真っ先に思ったのは、『私の家族』の久保田智子さん。TBSのアナウンサーだった彼女が『王様のブランチ』に出演していた時期があったんですけど、その頃は静かな方ってイメージだったんですよ。そんな彼女が、自分の経験を基に監督した作品だから、もっと深堀りした話を聞いてみたいですね。(c)TBS彼女は20代の頃に自分が妊娠できないことを知って、特別養子縁組を選ばれました。びっくりしたのは、申し込んで数週間で(縁組成立の)連絡が来たっていうこと。私の知人にも特別養子縁組を希望している人がいるんだけど、何年も待ってるんですよ。アメリカだと養子縁組の件数は年間6万もあるのに、日本って年間でひと桁なんですって。日本のこの制度と条件がどうも理解しがたいくらいに遅れていることは気になっていたんですが、彼女に会ってそのへんのことを聞いてみたいし、血の繋がりの有無で引け目を感じていらっしゃるのか、作品の中でネガティブな発言が目立つことについても語り合いたいし、ハグしたい。15年ぐらい会ってないかもしれないけど、「大丈夫だよ」って励ましたい気分にさせられました。養子縁組については、いろいろと私の回りにエピソードがあるもんだから、この作品は昨年一番ハマった『魂の殺人』と並ぶブっ刺さった作品。そうそう、仙台で出演している番組で、3人組の女性に街頭インタビューをしたとき、そのうちのひとりが「ごめんね、子どもが小さいから迎えに行かなきゃ」って席を外したのね。そのあとで、残ったおふたりから、彼女は60歳のときに養子を迎え入れられたんだって聞いたんです。7年前ぐらいの話なんですが、日本も変わったなと思って、すごく嬉しかったんですよね。日本の人には家族や年齢に対して、なにか変えがたい思い込みみたいなものがあるように私はいつも思っているんですが、そこが変わるとずいぶんと生きやすい社会になるんじゃないかな、って。それがちょっとずつ変わってきていることを実感できたんですよ。『私の家族』もそれを後押しする作品になると思っています。私の料理に対する考え方を2度も変えてくれた土井善晴さん最後にひとつ、私のお気に入りの『映画 情熱大陸 土井善晴』のことも。TBSの『情熱大陸』で放映した、料理研究家・土井さんのドキュメンタリーを再編集したものです。ワタシってホームパーティーをよくやるから料理も好き、みたいなイメージがあるみたいなんだけど、実はすごく苦手なのね。自分の好きなものしか作れないし、日本に来たら、旨みとか、みりんとか、出汁とか……知らないものにぶち当たっちゃって。18歳までスウェーデンで一応ひと通り覚えたのに、日本での料理はめんどくさい!って思ってしまったんですよ。(c)MBS一度『プレバト』で、料理の盛り付け部門に出演したときの審査員が、土井さんだったんですが、「ちゃんとお客さんのことを考えてる」って言ってくれたのが嬉しくて。それがきっかけで、前よりちょっと料理することが苦じゃなくなったんですよ。「自信持っていいんだ、盛り付けはとりあえずできてるんだ」と思って。それが今よくやっているホームパーティーにつながったんです。この作品でも分かるとおり、土井さんはいつも家庭料理が楽しくなるようなレシピを紹介しているんですよね。ひとり分の味噌汁をパパっと作ったり、楽しく、しかもいい意味で適当に教えてくれる。この作品ですごく幸せな気持ちになったんですよ。私の料理に対する考えを、彼は2回も変えてくれたのよね。TBSドキュメンタリー映画祭も、今回で4回目。「本気の人間は面白い」っていうスローガンですが、どの作品も「こうあるべき」っていう価値観を分かりやすく見せてくれます。4回目だからこそ、観る側もそれを受け止めて変わらないといけない時期だと思います。世界幸福度ランキングでかなり低いところに日本がいるでしょ。思い込みと偏見がそうさせてるんじゃないかな、って思っているんです。だからこそ、これからの世の中を担う若い方たちに、これらのドキュメンタリーの面白さを体験してもらいたいんですよね。取材・文:よしひろまさみち撮影:源賀津己(c)TBS(c)MBSTBSドキュメンタリー映画祭2024東京会場:ヒューマントラストシネマ渋谷3月15日(金)~3月28日(木)大阪会場:シネ・リーブル梅田3月22日(金)~4月4日(木)名古屋会場:センチュリーシネマ3月22日(金)~4月4日(木)京都会場:アップリンク京都3月22日(金)~4月4日(木)福岡会場:キノシネマ天神3月29日(金)~4月11日(木)札幌会場:シアターキノ3月30日(土)~4月11日(木)公式サイト:公式X:
2024年03月14日3月15日(金) より東京・大阪・京都・名古屋・福岡・札幌で順次開催される『TBSドキュメンタリー映画祭2024』開祭宣言イベントが3月13日(水) に東京カルチャーカルチャーで開催。爆笑問題の太田光(『TBS DOCS』チェアマン)、ラッパーの紅桜(『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』出演)、嵯峨祥平(『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』監督)が参加した。第4回の開催となる今回は、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障がいなど多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選ばれた15作品が上演される。TBSテレビやTBS系列各局の記者、ディレクターたちが、歴史的事件や今起きている出来事を追い続け、ドキュメンタリー映画として世の中に発信し続けるブランド『TBS DOCS』に長きにわたり関わってきた太田は、「観ていて苦しくなるようなものもあれば、勇気づけられるものもある。見応えがありますよね」と本映画祭の特色について解説。「ドキュメンタリーということで事実を映しているから『VIVANT』とは違う。同じTBSながらも製作費は2桁くらい違うけれど」と笑わせつつ、「人間の心を動かすのがドキュメンタリーの魅力」と熱弁した。そんな太田が今回の上映作品で注目しているのが、『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』。ヒップホップシーンで脚光を浴びるも突如表舞台から姿を消し、“伝説のラッパー”と呼ばれた「紅桜」を取り上げ、彼が服役し出所した瞬間から復活ライブまでの軌跡を追う1作だ。R-指定やZeebraほかヒップホップ業界や芸能界にもファンが多い“熱い男”にして、一度大きな失敗を経験した“ダメな奴”でもある、紅桜という人物に密着した注目のドキュメンタリーとして話題を集めている。この日のために地元・岡山県津山から上京した紅桜は、「新幹線に揺られてやって来ました」と笑顔で太田とグータッチすると、すかさず太田が「このビルの入り口には警察が待機しているので……」と毒舌ジョークを飛ばす一幕も。ヒップホップ好きという嵯峨監督は、「彼は圧倒的に他のラッパーとは違ってポエティックなところがある」と紅桜に惚れ込み以前から注目するも、ドキュメンタリーのための取材を申し込んだ時、紅桜は刑務所の中にいたという。一方、嵯峨監督からオファーの手紙を受け取った紅桜は、「筆跡から監督の情熱を感じたので、自分もちゃんと返さないとカッコ悪いと思った。ドキュメンタリーに出演することは、悩むことなく即決でした」と出演経緯を振り返った。すでに本作を観た太田は、「紅桜君と僕は喧嘩ひとつでここまで来たようなところがあるので、通じるものがあると思った」とボケながらも共感を寄せ、「この作品を観ると、“ダメな奴”の割には、紅桜君のことをこんなにも好きな人たちがいるんだというのが徐々にわかってくる。彼の奥さんも、子どもたちも、仲間たちも、紅桜君のことが大好きだし、とても感動しましたね。この男には魅力があるんだというのが、観ていてひしひしと伝わってきました」と激賞していた。上映前にも関わらず、すでに反響も上々で、紅桜も「地元を歩いていると、小さい子からお年寄りまで“映画に出るらしいな!”と言ってくれる」と嬉しそうに語った。ただ、家族にはまだ作品を見せていないそうで「照れくさいから」と赤面していた。本作の撮影のために紅桜が暮らす岡山まで車で通い詰めたという嵯峨監督は、「すでに作品を観てくれた方が、“ラップを好きじゃなくても紅桜の曲は聴ける”と涙してくれているそうで、とても嬉しい」と手応えを感じ、「僕はダメな人の人間賛歌が好きなので、そのようなものが好きな人に観てほしい」と呼び掛けていた。最後に紅桜は、太田との本映画祭の開祭宣言を前に、即興で歌を生熱唱。これに太田は「演歌みたいでカッコいい!シンパシーを感じました」と感動しながら、紅桜と声を合わせて「TBSドキュメンタリー映画祭2024、開祭!」と力強く声を上げ、華やかに桜吹雪が舞い散る中、開祭宣言が行われた。<イベント情報>TBSドキュメンタリー映画祭2024『TBSドキュメンタリー映画祭2024』ポスタービジュアル東京会場:ヒューマントラストシネマ渋谷3月15日(金)~3月28日(木)大阪会場:シネ・リーブル梅田3月22日(金)~4月4日(木)名古屋会場:センチュリーシネマ3月22日(金)~4月4日(木)京都会場:アップリンク京都3月22日(金)~4月4日(木)福岡会場:キノシネマ天神3月29日(金)~4月11日(木)札幌会場:シアターキノ3月30日(土)~4月11日(木)公式サイト:公式X:
2024年03月13日2024年3月15日(金)から開催される「TBSドキュメンタリー映画祭2024」の中で上映される『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』は、名古屋をベースタウンとして活動するBOYS AND MENの弟分として2023年にデビューしたボーイズグループ“カラフルダイヤモンド”を追いかけた作品。グループ結成当初からデビューを経た直近まで、スターになってカラフルに輝く日を目指して、メンバーそれぞれが時に悩み苦しみながらも地に足をつけて活動している姿に密着している。そんなカラフルダイヤモンドに、TBSドキュメンタリー映画祭のアンバサダーでもあるLiLiCoがアツいラブコール!名古屋から東京にやってきたメンバーたちとの対談が実現した!「35年前、デビュー時の自分を思い出して初々しくて楽しい気持ちになりました」(LiLiCo)LiLiCo完成した映画はご覧になりました?國村諒河はい。今朝8時20分にここTBSで観ました!LiLiCoえ、今日観たの!?國村諒河そうなんです。完成版を待ちかねてたんですけど、ようやくみんなでさっき観ることができまして。LiLiCo頑張っている人たちの素顔を観るのって気持ちいいなと思ってるんですが、この作品を観て、初々しくてすごく楽しい気持ちになりました。35年前、デビュー時の自分を思い出しちゃいました。おひとりずつ観た感想を聞かせてもらえますか?國村諒河はい。僕たちカラフルダイヤモンドはデビューさせていただいてからまだ1年も経ってないんですけど、研究生期間を含めるともう5〜6年活動していて、今年で7年目に入りました。これまで、僕たちの苦悩とか葛藤とか、ファンの皆さんには見せてこなかったので、この映画を観ることで「そっか、そういう面をこの映画で初めて見てもらえるんだ」ということに気づきましたね。どういう反応がもらえるのかがすごいドキドキしてます。國村諒河高垣博之研究生時代、まだ顔つきがまだタレントらしくないとき。まだなにも分かってない姿も出てるんですよね。顔つきが変わっていく瞬間を見られるのは、僕たちにとっても発見でした。あと、個人的には、エンドロールを観て「あ、映画だ」って思っちゃいました。多くのスタッフのお名前を見ることで、僕たちに関わってくださってる方々がこんなにたくさん、ってあらためて感謝しています。高垣博之LiLiCo映画だけでなく、普段の活動もスタッフに支えられていることを再確認できますよね。じゃ、次は緑の内海さん。内海太一まず思ったのは、実際に映画になったのがものすごい嬉しかったこと。そして、アイドルとしてキラキラしていない部分を見せていたり、普段言わないような気持ちも話したりしたので、ファンの方はもちろんですが、いろんな人に見てもらえたら嬉しいですね。普段表に出さない部分が描かれているので、ちょっと恥ずかしいんですけど(笑)。内海太一古川流唯素直にめちゃくちゃ嬉しかったです。メンバーと普段言い合うこともなかなかない中で、密かに気にしていた部分とかを吐露していたりするんですよ。だから僕たちも映画を見て気づくこともありましたし、これからはもっとお互いに言い合っていかないといけない、って気づかされました。僕たちの1から現在までのストーリーなので、ファンの方だけでなく初めて僕らを知った方にも見ていただいて、好きになってもらえたらいいな、と思ってます。古川流唯中下雄貴僕はこの映画を、カラフルダイヤモンドを知らない方がこれを観たらどんな感じなんだろう、っていう視点で見たんです。それであらためて、アイドルっていう仕事をしている人たちが、葛藤を抱いていたり、キラキラしていない部分もあったりすることを知らせることができる映画だと思いました。アイドルもひとりの人間なので、そこを知っていただくにはもってこいの映画ですよね。中下雄貴LiLiCoありがとうございます。お待たせしました、次はさっきからちょいちょいコメントを挟んでくれていた紫の設楽さん(笑)。設楽賢待ってました!(笑)。あらためて、自分が出ている映画のワクワクが止まらなくて、今もドキドキしています。僕は東京出身なんですが、普段は名古屋で活動していて、そのふたつの町はなじみが深いんですが、この映画は全国で公開されるじゃないですか。おまけにLiLiCoさんにも会えちゃいましたし。もう本当に嬉しくて。LiLiCo名古屋と大阪は『王様のブランチ』が放映されていないから私が映画コメンテーターをしていることを知らない方もいるんだけど、設楽さんは東京出身だったのね。設楽賢そうなんです。ほんとに。テレビから出てきて、僕らの前にいるLiLiCoさんに感動してて。LiLiCoテレビから出るって、貞子じゃない(笑)。一同爆笑設楽賢LiLiCoこの後でしゃべるの大変ですが、ピンクの岡さんはどう感じた?岡大和ほんとやりにくいですね(笑)。僕たちの過去が詰まった作品を作っていただいたので、 このときに彼はこうやって思って活動してたんや、って知れたのはいいサプライズでした。僕たちは、初期から活動しているメンバーと後から入ってきたメンバーがいるんですけど、気持ちを告白しているところを観て、あぁもっとこうしてやればよかった、とか、自分が考えさせられることも多くて。 これからの活動で気を配るべきところが見えてきた気がします。岡大和LiLiCoはい、おまたせしました。最後は黄色の小辻さん。小辻庵もうほぼ言われ尽くしたんですが……(笑)。LiLiCoそうだよねー(笑)。小辻庵みんな全然違うことを言うから、すごいなと思って聞いてました。僕たちが歩んできた6年間をこうして映画にしていただいたことは、本当に嬉しいですね。僕は12歳からグループに入って、何歳のときはこう思ってたんだ、とか、映画を見ながら思い返すことができて、これからは初心を忘れずに頑張ろうと思いました。客観視って大事ですよね。小辻庵「気だるさがかっこいいみたいな時代に一生懸命何かにぶつかるのが僕たちのモットーなんです」LiLiCoありがとうございました。さて、初心を忘れずって話が出ましたけど、では映画でも最後の方にあった質問で、10年後にどうなっているか、どうしていたいか、って今はどう考えてます?あのシーン、私はすごく興味深かったんですよ。みんな年齢のことを言ってたでしょ?私が知りたかったのは、人としてどう成長しているかってこと。10年後なりたい自分へ向かうために、何をするべきか、ってことはどう考えてらっしゃいます?LiLiCo國村諒河映画にも出てきますが、日本レコード大賞新人賞が昨年の1番の目標でした。新人賞を取れなかったことが分かったときに、事務所の社長が「(レコ大が)ゴールではないから、むしろここで落ちたからってみんなが気落ちしちゃダメ」って鼓舞してくださったんですよね。で、そのときに、もちろんそれが全てじゃないから、1個1個みんなと目標を決めようと提案したんです。そこでみんなで決めた目標が、日本武道館のライブ。今はZepp名古屋など、名古屋でライブをさせていただいてるんですけど、全国レベルでお客さんに集まっていただく大きなライブを目標にしようということになりました。僕たちの強みは、いつでもアグレッシブに、前のめりに取り組むところ。名古屋から全国へ、ということを目標にしてるので、気だるさがかっこいいみたいな時代に、一生懸命何かにぶつかるっていうのが僕たちのモットーなんですよね。目標のために、ここから10年間、それを忘れたくないなって思います。LiLiCo映画の最後、マネージャーさんが「ガツガツしてないのがちょっと問題じゃないかな」って言ってたのを聞き逃さなかったんだけど、今の話とだいぶ違いますね。設楽賢僕らの先輩にあたるボイメン(BOYS AND MEN)さんたちが、ガツガツの天才なんですよ(笑)。LiLiCoそうそうそう!國村諒河雑草魂ですよね。ボイメンさんたちのガツガツ感と僕たちのコンセプトのキラキラ感がだいぶギャップあるんですよね。それについては、ちょっと迷いつつも、1個1個の仕事をエンジョイする気持ちがあるので、できることをどんどんやっていきたいですね。LiLiCoメンバーみんなでビラ配りしたり、本当にすごいですよね。設楽賢ボイメンのメンバーの田村(侑久)さんが、チラシ配りの原点を作って、今の地位を築かれた方なので、僕らは見習ってやってるんです。配信ライブとかだと僕らのことを知っている人しか見ていただけないじゃないですか。でも、チラシ配りは僕らを知らない人たちに自分から積極的にいけるんで。この手法自体は古くさいんですけど、今の時代に逆行した強みなのかなと思ってるんですよ。たとえば、男性にもチラシを配れるのってこうでもしない限りチャンスがないじゃないですか。広く知っていただくために自分たちで動く、というやり方は、10年後も続けていたいなって思います。LiLiCoいいと思う。ライブ会場の男子トイレにも行列ができるようになるのって素敵だもん。デビュー1年でZeppでライブができてるだけでもすごいんだけど、それにしても、目標は武道館……とは。めっちゃ大変よ。「名古屋の男性アイドルと言ったらボイメンさんまずはボイメンさんたちを超えないと話にならない」國村諒河カラフルダイヤモンドは、元々エリア研究生といって、東京、福岡、大阪、それに名古屋出身のメンバーで4つのチームが集まってできたんです。だから、活動の拠点になっている名古屋はもちろんですが、そこから全国に行くことによって、それぞれの地元に帰って名を広めることが目標にもなっています。僕自身は埼玉県出身で、東京の研究生だったんですが、地元の友だちは知ってくれてるけど、まだそれ以外の人は全然知らなくて。親や友だちとかが自慢できるようなグループになるためには、まず全国に名を広めること。だから武道館が目標なんですよね。LiLiCo私がデビューした頃も「名古屋で売れると全国で売れる」って有名な話だったのよ。特に歌手の世界では。名古屋自体も大きな街だけど、東京と大阪のちょうど中間だから、いろんな人たちが往来するし、エンターテイメントに慣れてるんですよね。中下雄貴僕は大阪の研究生だったんですが、名古屋で活動することがなかったので、新しい場所でチャレンジすることから始まったんです。だから、知らない土地でファンの人がついてくれるのはすごく嬉しいですし、ファンの皆さんによって自分たちが活動している意味ができるんですよね。さっき諒河くんも言ってくれたんですけど、この輪を広げるためには10年後に向けて動き続けていなきゃいけないと思っていて。ライブはもちろんですけど、SNSとか個人でも広める活動はあるんじゃないか、ってあらためて思ってるんです。國村諒河ちなみに流唯が唯一の名古屋出身です。古川流唯名古屋出身だからすごく身にしみているのが、名古屋の男性アイドルと言ったらボイメンさんってこと。まずはボイメンさんたちを超えないと話にならないし、名古屋だけで戦っていても、僕たちの夢には絶対進んでいかないと思うんですよね。東京だとスターがたくさんいますけど、名古屋はまだそんなにいない、ってことが逆にメリットかな、と。LiLiCo私も一時期名古屋に住んでたから、その感じはよく分かります。どんな売れてるグループでも、ソロ活動とか、グループの活動とは別のことやったりとかあるでしょ。たとえばリポーターだったり。その辺はどう考えてる?小辻庵そうなんですよね。僕は、主に2.5次元系の舞台に出演させていただいてるんですが、そこで知ってくれた新しいファンの方も、グループでイベントをやるときには遊びに来てくださったりとかしてるんです。外で個人の活動を頑張って、カラフルダイヤモンドに貢献できたらいいな、って思います。中下雄貴僕も今、2.5次元の舞台を稽古中なんですよ。もともと俳優業もしたいって思っていたので、これをきっかけに俳優業も広げて、カラフルダイヤモンドに還元していけるように頑張りたいです。そのためには、自分磨きしていくことが必要ですね。LiLiCo稽古ってすっごい時間かかるし、グループ活動がそのときできなかったりするでしょ。小辻庵2023年は(舞台などの仕事で)カラフルダイヤモンドの活動が3カ月しかなかったんですよ。その間はひとり減っちゃうので、ライブの立ち位置が変わっちゃったりしたんです。高垣博之でも、彼がグループに帰ってくると、お客さんの数が明らかに違うんですよ。舞台で知ってくれた方を連れてきてくれたんですよね。いないことは寂しいですけど、外で頑張ってくれたから、それが目に見える結果になって、ありがたいです。LiLiCo立ち位置変わるとだいぶ難しいでしょ。古川流唯11人もいるので。でも、僕たち、人数の変動がもともとすごかったんです。やめちゃった人もたくさんいますので。そういう過去があったから、立ち位置変更もすぐに対応できるメンバーが残ってるんですよね。そういう過去があったことは役に立っています。設楽賢庵くんが外のお仕事のときに、僕らが下地を固めておいて。帰ってきたときに完成できるようにしているんです。そのときは、「あ、これが本家だ」って自分たちでも思えたんですよね。この気持ちの高まりみたいなものは、多分ファンの方も受け取ってくださったと思うんです。メンバーそれぞれに“色”が決まったときはデビューが決まったのと同じくらい嬉しかったLiLiCo今回の映画の中にはメンバーカラーを決めるシーンもありましたよね。色についてはどう思ってます?内海太一だいぶ慣れました。研究生のときは、個人の色はなかったんですよ。全員同じ真っ白のブレザーを着たりとか。 デビューが決まったときに色をつけますってなった瞬間は、デビューが決まったのと同じぐらい嬉しかったです。それと同時に、色が決まってからは、私物がだんだんその色になってくるんですよね(笑)。今までは黒とか白の服が好きだったんですけど、そこに緑が選択肢に入ってきた。古川流唯そうそう。私服を選ぶときも、赤の靴かっこいいなと思ったり。LiLiCo日本でアイドルって言ったら、やっぱり色がすごく大切なのね。ピンクはどう?岡大和僕たちの事務所でピンクは、代々先輩方の中でもインテリ系の色なんです。僕、全然インテリじゃないんですけど(笑)。だから、これまでのイメージとは違う新しいピンクのキャラを作っていけると思って、楽しくなっちゃいました。僕、グループで最年長なんですけど、1番お勉強ができないんです。ラジオの収録でみんなと一緒になると、いつも「これなんて読むの?」って聞いちゃうくらい。國村諒河シンプルにアホですよ、彼(笑)。岡大和ははは(笑)。それはそうと、やっぱり色があると覚えてもらいやすいんですよね。ステージに立ったときに「何色の子が良かった」とかSNSに書き込んでくれる方もいらっしゃいますし。LiLiCo今の色じゃないのが良かったと思う人はいないのかな?中下雄貴はい。青も好きなんですけど、1番好きなのは紫だったので。でも寒色だったらいいな、と思っていたので青に慣れました。小辻庵僕も寒色がめちゃくちゃ好きで、私服はほとんど黒だったんです。だから、黒がいいなって思ってました。國村諒河えー!そうなの!?小辻庵もともと根が結構暗い方だから、黄色になってプラマイゼロかな(笑)。設楽賢僕は赤が好きだったんですよね。戦隊モノとかでも、強めのイメージじゃないですか。次に好きだったのが青。でも、混ぜたら紫になるんで、納得してます(笑)。LiLiCo自分たちは恵まれていると思う?高垣博之すごく思います。たとえば、名古屋から東京に来るとき、夜行バスなんですけど、ライブのMCでそれを言うとすごくウケるんですよね。一見きついことでも、覚えてもらいやすいネタを持っている。でも、実際は寝れなかったりとか、腰痛くなっちゃったりとか、のどが乾燥したりとかでけっこう大変ではあるんですけど。当たり前に新幹線に乗れるようになりたいですね。古川流唯僕たちは先輩方がイチから築き上げたところに参加させてもらっているから、先輩たちよりは恵まれている環境でスタートができているんですよね。まさかの映画もできちゃいましたし、感謝の気持ちはめちゃくちゃあります。この気持ちをずっと忘れたくないですね。高垣博之ボイメンの後輩ですって言うと「あー」ってなるから、本当に先輩の努力のおかげです。先輩方も「俺らの名前使っていいから」って言ってくれていて、頼らせていただいています。國村諒河研究生で入ったときに、ちょうどボイメンさんが名古屋ドームでライブをされるということで、バックダンサーで出させていただいたんですよ。僕らがZeppでライブができるのも先輩たちが切り開いてくれてたから、レールに載せてもらってるんですよね。環境面ですごく恵まれているからこそ、自分たちの力にするのがここからの勝負だと思ってます。キラキラ王道のアイドルはうちの事務所では初めてなので、ボイメンさんとはまた違う道を開けるんじゃないかな。それに研究生時代から含めてもたった6年でドキュメンタリー映画を作っていただくなんて、恵まれていないなんて思えませんから!取材・文:よしひろまさみち撮影:源賀津己『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』TBSドキュメンタリー映画祭2024にて上映<TBSドキュメンタリー映画祭2024開催概要>東京会場:ヒューマントラストシネマ渋谷3月15日(金)~3月28日(木)大阪会場:シネ・リーブル梅田3月22日(金)~4月4日(木)名古屋会場:センチュリーシネマ3月22日(金)~4月4日(木)京都会場:アップリンク京都3月22日(金)~4月4日(木)福岡会場:キノシネマ天神3月29日(金)~4月11日(木)札幌会場:シアターキノ3月30日(土)~4月11日(木)公式サイト:公式X:<カラフルダイヤモンド舞台挨拶情報>■東京:ヒューマントラストシネマ渋谷3月16日(土) 16:30の回上映後【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:古川流唯・内海太一・設楽賢・高垣博之・國村諒河・岡大和・小辻庵・関優樹・永遠・加藤青空3月16日(土) 18:45の回上映後【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:古川流唯・内海太一・設楽賢・高垣博之・國村諒河・岡大和・小辻庵・関優樹・永遠・加藤青空■大阪:シネリーブル梅田3月29日(金) 14:20の回上映後舞台挨拶【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:中下雄貴・内海太一・岡大和3月29日(金) 16:30の回上映前舞台挨拶【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:中下雄貴・内海太一・岡大和■センチュリーシネマ(名古屋)3月22日(金) 15:15の回上映前舞台挨拶【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:古川流唯・中下雄貴・内海太一・設楽賢・高垣博之・國村諒河・岡大和・小辻庵・関優樹・永遠・加藤青空3月22日(金) 17:30の回上映後舞台挨拶【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:古川流唯・中下雄貴・内海太一・設楽賢・高垣博之・國村諒河・岡大和・小辻庵・関優樹・永遠・加藤青空3月23日(土) 15:15の回上映後舞台挨拶【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:古川流唯・中下雄貴・内海太一・設楽賢・高垣博之・國村諒河・岡大和・小辻庵・関優樹・永遠・加藤青空3月23日(土) 17:30の回上映後舞台挨拶【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:古川流唯・中下雄貴・内海太一・設楽賢・高垣博之・國村諒河・岡大和・小辻庵・関優樹・永遠・加藤青空3月24日(日) 13:00の回上映後舞台挨拶【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:古川流唯・中下雄貴・岡大和・小辻庵・永遠3月24日(日) 15:15の回上映後舞台挨拶【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:古川流唯・中下雄貴・岡大和・小辻庵・永遠■京都・UPLINK京都3月29日(金) 18:00の回上映後舞台挨拶【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:中下雄貴・内海太一・岡大和■福岡・キノシネマ天神3月30日(土) 16:15の回上映後舞台挨拶【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:小辻庵
2024年03月13日「TBSドキュメンタリー映画祭」にて海外招待作品が上映されることが分かった。今回で第4回の開催となる「TBSドキュメンタリー映画祭」は、テレビやSNSでは伝えきれない事実や声なき心の声を発信し続けるドキュメンタリー作品に出会える場として、2021年より開催されてきた。本年は、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障害など多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選ばれた15作品を一挙上映する。この度、過去カンヌでも上映され話題となった至極のドキュメンタリー映画2作を<海外招待作品>として上映することが決定。本映画祭で海外招待作品を上映するのは、これが初めての試みとなる。栄えある1作目を飾るのは、実際の外科手術を医師の視点で撮影し、人間の体の神秘に迫るショッキングかつ感動的な異色のドキュメンタリー『人体の構造について(原題)』。『リヴァイアサン』、『カニバ パリ人肉事件38年目の真実』といった話題作を共に手掛けてきた、ルーシァン・キャステーヌ=テイラーとヴェレナ・パラヴェルの人類学者コンビが贈る衝撃作だ。『人体の構造について(原題)』パリ北部近郊の5つの病院のオペ室に密着し、脳や大腸、眼球、男性器など様々な外科手術や帝王切開の模様を医師の視点で見つめる本作。普段なかなか目にすることのできないオペの様子を通じて、我々人間の体を構成する様々な臓器の神秘や儚さを体験すると同時に、休みなく働き続ける医療従事者たちへの果てしない敬意を呼び起こす。2022年度のカンヌ国際映画祭でお披露目をされると、その目を覆うようなシーンに目を背ける観客がいた一方で、前代未聞の素晴らしいドキュメンタリーという称賛を受け、現在もメタクリティックのスコア92、ロッテントマト95%フレッシュという高評価を獲得している。医師以外見たことのない光景をダイナミックに切り取った驚愕の一作が、本映画祭でも観客たちに強いインパクトを残すことは必至だ。また、A24製作の『オキュパイド・シティ(原題)』も上映決定。『それでも夜は明ける』『SHAME シェイム』のアカデミー賞受賞監督、スティーヴ・マックイーンが贈る、4時間を超える圧巻のドキュメンタリー。『オキュパイド・シティ(原題)』監督の妻であり歴史家のビアンカ・スティグターによる書籍「Atlas of an Occupied City (A msterdam 1940-1945)」をベースに、オランダ・アムステルダムのナチス占領下の記憶と、新型コロナウイルスによる緊急事態下の風景が、驚くべき形で重なり合っていく。現在の映画界を背負う監督と制作陣がタッグを組み、映画でしか味わうことのできない、奇跡の映像体験を実現させた。2023年度のカンヌ国際映画祭で特別上映されるや否や、その極めて映画的で深淵な作風が高い評価を集め、各国の映画ファンからも大きな注目を集めた。映画業界を激震させ続けるA24が本作を通じ、観客たちに新たな世界を見せてくれることだろう。「TBS ドキュメンタリー映画祭 2024」は3月15日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて順次開催。(シネマカフェ編集部)
2024年03月05日3月15日(金) より開催される『TBSドキュメンタリー映画祭2024』にて、初の海外招待作品が上映されることが決定した。第4回の開催となる今年の『TBSドキュメンタリー映画祭』では、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障害など多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選ばれた15作品が上映予定。上映されるのは、実際の外科手術を医師の視点で撮影し、人間の体の神秘に迫るショッキングかつ感動的な異色のドキュメンタリー『人体の構造について(原題)』。『リヴァイアサン』『カニバ パリ人肉事件38年目の真実』といった話題作を共に手がけてきた、ルーシァン・キャステーヌ=テイラーとヴェレナ・パラヴェルの人類学者コンビが贈る衝撃作だ。普段なかなか目にすることのできないオペの様子を通じて、我々人間の体を構成する様々な臓器の神秘や儚さを映し出すと同時に、強烈なインパクトを残す作品となっている。また、唯一無二の世界観で衝撃を与え続けるA24製作の『オキュパイド・シティ(原題)』も上映されることが決定、本作は、『それでも夜は明ける』『SHAME シェイム』のスティーヴ・マックイーンが贈る4時間を超えるドキュメンタリー。監督の妻であり歴史家のビアンカ・スティグターによる書籍「Atlas of an Occupied City (Amsterdam 1940-1945) 」をベースに、オランダ・アムステルダムのナチス占領下の記憶と新型コロナウイルスによる緊急事態下の風景が、驚くべき形で重なり合ってゆく。<作品情報>『人体の構造について(原題)』『人体の構造について(原題)』ビジュアル監督:ルーシァン・キャステーヌ=テイラー&ヴェレナ・パラヴェル『人体の構造について(原題)』予告(C)Norte Productions - CG Cin?ma - S.E.L - Rita Productions - 2022『オキュパイド・シティ(原題)』『オキュパイド・シティ(原題)』ビジュアル監督:スティーヴ・マックイーン『オキュパイド・ シティ (原題)』予告(C)2023 DE BEZETTE STAD BY AND OCCUPIED CITY LTD. ALL RIGHTS RESERVED.<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭2024』3月15日(金) より東京、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌で順次開催『TBSドキュメンタリー映画祭2024』キービジュアル東京:3月15日(金)~28日(木) ヒューマントラストシネマ渋谷大阪:3月22日(金)~4月4日(木) シネ・リーブル梅田愛知:3月22日(金)~4月4日(木) センチュリーシネマ京都:3月22日(金)~4月4日(木) アップリンク京都福岡:3月29日(金)~4月11日(木) キノシネマ天神札幌:3月30日(土)~4月11日(木) シアターキノ公式サイト:
2024年03月05日94歳の男性同性愛者に密着したドキュメンタリー映画『94歳のゲイ』が4月20日(土)よりポレポレ東中野にて公開。予告編とポスタービジュアル、場面写真が一挙に解禁された。かつて同性愛は“異常性欲”“変態性欲”だと公然と語られ、“治療が可能な精神疾患”とされてきた。1929年生まれの長谷忠さんは、誰かと交際したことも性交渉の経験もない。ゲイであることを誰にも打ち明けることなく、好きな男性ができても告白することもできない時を過ごしてきた。詩作を心の拠り所にしながら孤独の中で生きてきた長谷さんに訪れた大きな変化、90歳を超えて初めて経験する“出会い”と“別れ”。多くの悲しみを見つめてきたその心に去来する思いはーー。この度、解禁されたのは、若かりし頃のどこか緊張した面持ちの長谷さんと、ひとり静かに短歌を詠む現在の姿が対比されたポスタービジュアル。また、「セックスは一回もやったことない」という言葉から始まる予告編は、詩人として成功しながらも「ものすごく生きづらかった」と語る過去と、現在の日常生活が淡々と映し出され長谷さんの孤独な人生が浮き彫りになっていく。一方で、日本初の商業ゲイ雑誌「薔薇族」の元編集長である伊藤文学さんのインタビューなどで同性愛者たちが歩んできた歴史も語られ、作品の世界観を伝えている。そして、ラストは長谷さんが日々書き綴っている短歌からの引用「笑っておくれ、人の弱みを」という印象的な言葉で締め括られ、余韻が残る予告編が完成した。『94歳のゲイ』は4月20日(土)よりポレポレ東中野ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:94歳のゲイ 2024年4月20日よりポレポレ東中野ほか全国にて順次公開©MBS/TBS
2024年03月03日『TBSドキュメンタリー映画祭2024』が、3月15日(金) より全国6都市で順次開催される。このたび、TBSテレビ報道局の局次長であり、本映画祭の企画・エグゼクティブプロデューサーを務める大久保竜による特別講義が、2月26日(月) に映画学校「ニューシネマワークショップ」で行われた。第4回の開催となる本映画祭は、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障がいなど多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し、新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選ばれた15作品が一挙に上映される。特別講義では、映画業界を目指す学生や社会人約40名に向けて、大久保プロデューサーが「我々は普段膨大な人とお金をかけて様々な取材を行っていますが、取材映像はテレビだとニュースの中のたった数分の紹介で終わってしまうこともあるので、それをまとめる場所があればいいなと思っていました。こうした取材映像は当時の記録として大切に保管すべきですし、今ならまだ実際に事件や歴史を知る人が生きているので、ファクトチェックもできます。そうしたロードマップの作成にも意義があると思いますし、実際に賛同してくれる人々も多かったです」と、取材映像を形として残すことの重要性を説明。そうしたTBSのアーカイブ映像を整えて映画として上映したら面白いのではないか、それを望んでいる人がどこかにいるのではないか、という思いから『TBSドキュメンタリー映画祭』は始動したのだという。大きなきっかけとなったのは、2021年に開催された第1回でも上映された『三島由紀夫vs東大全共闘 〜50年目の真実〜』(豊島圭介監督)。TBSが所蔵する映像をもとに製作されたドキュメンタリー映画である本作は、報道部門と映画部門のコラボによって作られ、ドキュメンタリーでは異例の興行収入2億円以上を記録。知的財産である膨大な取材映像を使ったIP展開の可能性を高める1作となった。以来大久保プロデューサーは、過去の取材映像をアップデートして作品化し、映画館で上映することをミッションとしているそうだ。当初はアーカイブ映像の発表の場として生まれた本映画祭だったが、実際に社内で上映作品を募集すると、記者やディレクターたちから次々に手が上がり、アーカイブ映像に限らず、新作も含めて自分たちが伝えたいことを映画にして伝えたい人たちが多数いることが判明。そこでTBSのドキュメンタリー番組『解放区』で反響が大きかったものを中心に、作り手の熱量の高い作品を上映ラインナップとして選定していったのだという。上映作品に応募してくる監督は、記者やニュース編集やドラマのプロデューサーまで実に様々。大久保プロデューサーは、「普段の仕事という意味での本業は別にある人たちですが、自分のライフテーマ、気になったことをどうしても世間に伝えたいという思いや熱意にあふれています。本当にいろんなテーマのドキュメンタリー作品が出てくるので、テーマが絞れないこともこの映画祭の特徴のひとつ。だから毎年、どうしても撮りたいものがあって熱い気持ちが感じられる作品を選定しています。今年上映する15本も力作揃いです!」と自信を覗かせている。さらに、テレビとは違う映画ならではの強みとして、「表現の幅」について言及。「テレビで放送する時は、放送コードも意識しながら適宜映像を編集しますが、発信者にはジレンマがあります。たとえばストレートニュースだと事件や事実を紹介するだけでも、映画ならもっと掘り下げられる。表現の幅が広がるし、自分の伝えたいテーマを深く掘り下げられるのも、映画祭の重要なポイントです」と語った。大久保プロデューサーが重視しているのは、映画祭という興行を意識した作品選び。「ドキュメンタリーの場合、興行作品として重要なのは、ジャンルのコミュニティやソサエティの人々に興味を持ってもらえるかどうか。たとえば今年のラインナップでいうと、ボーイズグループ・カラフルダイヤモンドに密着した『カラフルダイヤモンド君と僕のドリーム』は、彼らのファンクラブの方々が観に来てくれるというイメージがつきやすい。坂本龍一さんの活動を追った『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』も、坂本さんのファンや影響を受けた世代の方々がたくさんいらっしゃるので、そういったコミュニティやソサエティに属する人たちを呼べる可能性が高い。お金を払って作品を観ていただくというのは、それだけ大変なことなんです」と、上映ラインナップの選定における戦略についてもコメントした。その上で、「もちろんそれだけでなく、イスラム国の今を追いかけた『BORDER 戦場記者 × イスラム国』のような、見る人に問いかけをする“問題提起作品”も扱っていきたい。まだあまりファンがついていないと思われる作品を広めることも本映画祭の使命だと思っているので」と語り、「いずれは海外の映画祭にも出品するなど、世界にも広げていきたいんです。もっと気軽にドキュメンタリーが観られる空気を作って、ドキュメンタリー文化も発展させていきたい。世界ではどんなドキュメンタリーが流行っているかとか、ソーシャルで話題になりやすいのはどんなものかとか、いろいろとしっかり勉強していかねばと思っています」と今後の展望についても明かした。講義の後半には、参加者たちから続々と質問が。「予告編でドローンの映像など本格的なシーンも見られたが、社内ではどんな体制でドキュメンタリーを撮っているのか?」という質問には、「希望する監督にはプロの編集ディレクターを用意して、適宜アドバイスしたり、監督の撮りたいイメージを具現化するサポートをしています」と、日々いろんな番組を手掛けているTBSならではの充実したサポート体制について言及。作品や映画祭に関する費用についての質問をされると、「たとえ報道番組のアーカイブ映像から作ったドキュメンタリー作品であっても、映画祭はイベント事業として別の予算になります。テレビ放送と興行は別なので、映画祭はすべて興行の予算になるんです」と、意外と知られていない予算事情について答える一幕もあった。最後に大久保プロデューサーは、「本気で頑張っている熱量が高い人々がいて、それに負けない熱量の監督たちがいる。その集合体がTBSドキュメンタリー映画祭です。監督たちは、自分の思いや人生を投影してドキュメンタリーを作っているので、どうかその熱量の高さを受け取ってほしいなと思います。もっともっと映画祭の認知度を上げていかに盛り上げるかが、私のミッションでもあります」と力強いメッセージを送った。<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭2024』3月15日(金) より東京、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌で順次開催『TBSドキュメンタリー映画祭2024』メインビジュアル東京:3月15日(金)~28日(木) ヒューマントラストシネマ渋谷大阪:3月22日(金)~4月4日(木) シネ・リーブル梅田愛知:3月22日(金)~4月4日(木) センチュリーシネマ京都:3月22日(金)~4月4日(木) アップリンク京都福岡:3月29日(金)~4月11日(木) キノシネマ天神札幌:3月30日(土)~4月11日(木) シアターキノ公式サイト:
2024年02月27日TBSが立ち上げたドキュメンタリー映画の新ブランド「TBS DOCS」のもと、今回で4回目を迎える『TBSドキュメンタリー映画祭 2024』のアンバサダーに、映画コメンテーターのLiLiCoが就任し、2月20日に都内で行われたラインナップ発表会見で抱負を語った。4回目の開催となる今回は、新たな取り組みとして、現代を取り巻く重要なテーマを考える今だから見るべき作品を選んだ「ソーシャル・セレクション」、多様な生き方や新たな価値観を見出せる作品を集めた「ライフ・セレクション」、感覚を司る表現者たちやテーマを通して新たな感性に出会える作品をセレクトした「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選出された15作品を、全国6都市で上映する。昨年に引き続き、アンバサダーに就任し「良かったです。役に立てたということですね」と続投に喜びの声。「絶対に名前だけのアドバイザーにはなりたくないと思い、出演する番組で告知したり、(連載を)持っている媒体に取り上げたりしましたが、今年はもっともっと頑張りますし、来年もここに立てるように、努力と協力をしたい」と決意を新たにしていた。LiLiCo以前から、ドキュメンタリー映画に深い関心があったといい「伝えること、知ること、見て考える時間を持つことが、大切。どんなテーマであれ、自分と向き合う時間になりますし、人生観が変わります」と魅力を熱弁。「もしも自分や友だちがそういう立場だったら。それに、もしかすると今後自分がそうなるかもしれないと考えさせてくれる」と語り、「バチバチと生きている音がします、それが伝わります」と今年のラインナップに大いに期待を寄せていた。また、「もっと若いときに、ドキュメンタリーに触れていたら良かったのにと思うことも。今回は、大学生の皆さんも参加していると聞いて、希望を抱いています」と笑顔。昨年上映された『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~』『ヤジと民主主義』は、その後に劇場公開もされ「改めて魅力を語りたくなる」と声を弾ませた。もしも、自分がドキュメンタリーを撮るとしたら「題材は私かな。実は『情熱大陸』に売り込んだこともあるが、いまだに(オファーが)来ません」と笑いを誘う場面も。「タレントは表に出ている部分が2割、裏で頑張っているのが8割だと思うので、そういった部分も伝えたい」と構想を明かしていた。取材・文・撮影=内田涼<上映ラインナップ>「ソーシャル・セレクション」●人種や戦争、社会問題など、現代を取り巻く重要なテーマを考える今だから見るべき作品『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』監督:金富隆『サステナ・フォレスト~森の国の守り人たち~』監督:川上敬二郎『BORDER 戦場記者 × イスラム国』監督:須賀川拓『家さえあれば~貧困と居住支援~』【大阪・京都限定上映】監督:海老桂介『102歳のことば~生活図画事件 最後の生き証人~』【北海道限定上映】監督:長沢祐『リリアンの揺りかご』【福岡限定上映】監督:神戸金史「ライフ・セレクション」●家族の形や身体的な障害など、多様な生き方や新たな価値観を見出せる作品『私の家族』監督:久保田智子『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』監督:佐井大紀『魚鱗癬と生きる−遼くんが歩んだ28年−』【福岡限定上映】監督:大村由紀子『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』【名古屋限定上映】監督:柳瀬晴貴「カルチャー・セレクション」●視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚など、感覚を司る表現者たちやテーマを通して新たな感性に出会える作品『映画 情熱大陸 土井善晴』【東京・大阪・京都限定上映】監督:沖倫太朗『最後のMR.BIG~日本への愛と伝承〜』監督:川西全『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』監督:嵯峨祥平『旅する身体~ダンスカンパニー Mi-Mi-Bi~』監督:渡辺匠、志子田勇『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』監督:津村有紀<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭 2024』3月15日(金)~3月28日(木)東京:ヒューマントラストシネマ渋谷3月22日(金)~4月4日(木)大阪:シネ・リーブル梅田3月22日(金)~4月4日(木)名古屋:センチュリーシネマ3月22日(金)~4月4日(木)京都:UPLINK京都3月29日(金)~4月11日(木)福岡:キノシネマ天神3月30日(土)~4月11日(木)札幌:札幌シアターキノ公式サイト:公式X:『TBSドキュメンタリー映画祭 2024』本予告
2024年02月20日韓国芸能界を震撼させた性加害事件をきっかけに制作されたドキュメンタリー映画『成功したオタク』から、「私は被害者か加害者か」ファンの葛藤と苦悩を描く予告編と、本ビジュアル、「強制終了した推し活」が垣間見える新場面写真が解禁された。本作は、あるK-POPスターの熱狂的ファンで、「推し」に認知されテレビ共演も果たし「成功したオタク」と呼ばれたオ・セヨン監督が、推しが性加害者として逮捕されたことをきっかけに同じような経験をした友人たちの話を聞きに行き、真の「成功したオタク」とは何なのかを問うた作品。釜山国際映画祭ドキュメンタリー・コンペティション部門出品、韓国のアカデミー賞と称される大鐘賞映画祭最優秀ドキュメンタリー部門ノミネート、そして2022年に韓国国内で公開され大きな話題を呼んだ。今回解禁された予告編は、推し活が人生の全てだったオ・セヨン監督による「私は○○のファンで、“成功したオタク”だった」という独白から始まる。そして「性的動画拡散の疑いで○○氏に逮捕状が出ました」という衝撃のニュース映像が挟まれる。突然「犯罪者のファン」になってしまった彼女は受け入れ難い現実に苦悩し、混乱のなか自分は被害者なのか加害者なのか悩み、同じような経験をした友人たちに会いに行く。彼女たちは何を語るのか、本当の意味での「成功したオタク」とは果たして何なのか――。併せて解禁された本ビジュアルは、アニメーション作家、イラストレーターのぬQによるイラストがフィーチャーされたもの。「信頼や信仰、心の拠り所が、ある日を境になくなってしまった!どうしよう!という混乱やショック。魂を費やした時間や思い出が輝く間欠泉のように吹き出している様子を描きました」とは、ぬQ氏の談。また、ハングルを大胆に配したティザービジュアルに引き続きデザインを担当した潟見陽氏は「推しへ胸躍るときめきが裏切られ、複雑な悲しみを抱えることになったファンの気持ちを、絶妙なテイストでアーティストのぬQさんが描いてくださり、そのイラストをかつてのアイドル雑誌のフレームに入れることで、”無邪気に幸せだったあの頃が残酷にさえ思えてくる”そんなファンの心境を刻印するように表現してみました」とコメントしている。解禁となった新場面写真は、推しの影響で買ったはいいが壊れて仕舞い込んでいたギター、推しへの想いを綴ったかつての日記。長年大切にしてきたグッズにお別れする儀式など、「誰かのファンというアイデンティティを持って生きてきた年月は、そうでなかった時代よりも長い」と語る監督の「推し活とその終焉」が垣間見えるもの。強制終了した推し活を後にして「ファン一人ひとりの声、そして自分自身の声をきく番だ」とカメラを構えた作品がうかがえる場面写真となっている。『成功したオタク』は3月30日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:成功したオタク 2024年3月30日よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて公開
2024年02月20日デザイナーの中里唯馬にフォーカスしたファッションドキュメンタリー映画『燃えるドレスを紡いで』が、2024年3月16日(土)に全国で順次公開される。ファッションデザイナー・中里唯馬とは中里唯馬は、パリのオートクチュール・コレクションに日本から唯一参加するファッションブランド「ユイマ ナカザト(YUIMA NAKAZATO)」のデザイナーだ。2008年にベルギー・アントワープ王立芸術アカデミー卒業後、ユイマ ナカザトを設立。翌年7月、日本人としては森英恵以来2人目となるパリ・オートクチュールコレクションの公式ゲストデザイナーに選ばれ、継続的にパリで作品を発表している。世界で活躍するアーティストとのコラボレーションをはじめ、近年は、ボストン・バレエ団の新作バレエ『ラ・メール(LaMer)』の衣装デザインを手掛けるなど、精力的に活動している人物だ。中里のショー制作の旅に完全密着したファッションドキュメンタリー『燃えるドレスを紡いで』は、そんな中里のショー制作の旅に完全密着したファッションドキュメンタリー映画。監督は、『生きてるだけで、愛。』や『太陽の塔』を手掛けた関根光才が務める。もともと、別の仕事で意気投合したという関根と中里。本作では、「生み出された衣服はどこに行くのか」という問いを出発点に、“衣服の最終到着点”ともいわれるアフリカ・ケニアに共に向かい、初となる中里のショーの裏側にも密着する。『燃えるドレスを紡いで』では、役目を終えた衣服が集まったケニアのゴミ山、異臭、川に流れる古着、現地の人々の生活を目の当たりにする中里の姿や、これまで自分がデザイナーとして発表してきたことに自問自答しながらも、新しい衣服づくりの可能性に挑戦していく姿、チーム一丸となってショーの成功へ向かっていく姿を映し出す。ファッションという側面だけにとどまらない、中里自身にもフォーカスした作品となってる。本作で描かれているのは、ひとりのファッションデザイナーが「現実」にぶち当たった時に何ができるのか、そしてそれを見出した瞬間が映し出された時に観る者にとってできることは何かという問題提起だ。普段のおしゃれから少し意識を変えるだけで、未来につながる可能性を発見できるドキュメンタリーに仕上げた。中里唯馬コメント中里は『燃えるドレスを紡いで』公開にあたり、「衣服は何処からやって来て何処へ行くのか。私たちは普段、息をするように、当たり前のように服を着て生活しています。本作を観た方たちが、少し立ち止まって、衣服って何だろう、何で着ているんだろう、そんな風に考えるきっかけになっていただけましたら嬉しいです。」とコメントを寄せている。【作品詳細】ファッションドキュメンタリー映画『燃えるドレスを紡いで』公開日:2024年3月16日(土)監督:関根光才出演:中里唯馬プロデューサー:鎌田雄介撮影監督:アンジェ・ラズ音楽:立石従寛編集:井手麻里子配給:ナカチカピクチャーズ
2024年02月09日『鉄西区』『三姉妹 雲南の子』『死霊魂』のワン・ビン監督によるドキュメンタリー映画『青春』が4月20日(土)より公開されることが決定。ポスタービジュアルと場面写真が解禁された。中国出身の世界的ドキュメンタリー監督ワン・ビンの最新作となる本作は、中国の巨大経済地域の小さな衣料品工場で働く名もなき若者たちを描く。舞台は長江デルタ地域。上海を中心に、大河・長江の下流一帯に広がり、中国の高度経済成長を支えた地域で、経済規模はここだけで日本のGDPをはるかに上回るという。しかし映画が描くのは、長江デルタの大企業でも大工場でもない。織里という町の小さな衣料品工場で働く10代後半から20代の若い世代の労働と日常だ。世界は注目しないが、彼らのような若者も実は長江デルタの経済を支えている。自分がやるべき仕事は「世界から見えない人たちの生を記録すること」と語るワン・ビン監督の、真骨頂のドキュメンタリーだ。ポスタービジュアルに使われたアメリカの映画誌フィルムメイカー・マガジンの「被写体の存在を惜しみなく肯定する行為として、彼らの経験を記録するワン・ビンの仕事は気高い」という言葉からも、ワン・ビン監督の仕事の凄さが伝わってくる。本作は、ワン・ビン監督のドキュメンタリーで特筆される「映画としての興奮」にもまた圧倒される一作であり、シークエンスごとに、アクション映画であり、恋愛映画であり、経済の映画でもある。また全体としては、この上なくみずみずしい青春映画であることがさらに観客の興味を惹くことだろう。なお、東京のシアター・イメージフォーラムでは、同時期にワン・ビン監督の過去のドキュメンタリーの傑作『鉄西区』(1999-2003)、『鳳鳴 --中国の記憶』(2007)、『収容病棟』(2013)、『苦い銭』(2016)、『死霊魂』(2018)の上映も予定されている。『青春』は4月20日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2024年02月09日『TBSドキュメンタリー映画祭2024』が3月15日(金) より全国6都市で開催される。このたび映画祭の開催を記念して、映像業界を目指す学生限定の特別ワークショップが2月6日(火) に行われた。ドキュメンタリー映画コミュニティ「D会議室」が主催となって開催された本ワークショップ。東京・大阪・名古屋・福岡の4都市から集まった学生たちを前に、本映画祭で『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』の上映が控える佐井大紀監督と、同じく本映画祭で『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』が上映される柳瀬晴貴監督、そして前回の映画祭で上映された『93歳のゲイ』の吉川元基監督が登壇し、自身の作品を通してドキュメンタリーの持つ魅力や影響力について熱弁を振るった。それぞれ入念な取材のもと完成した作品だが、監督陣が何よりも大切にしたのは、取材対象との向き合い方だったという。1980年代に謎のハーレム教団として世間を騒がせ、主催者亡き後も今なお女性たちが共同生活を送る「イエスの方舟」の実態に迫った『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』の佐井監督は、「カメラを向けるというのは、暴力的なことでもあると思います。イエスの方舟というひとつのコミュニティを描いたので、取材対象となる女性たちとの信頼関係がとにかく大切で、どう距離を取っていくか重視しました」と自身の作品を振り返る。自分の意思に反して体が動いたり声が出たりするトゥレット症候群の人々の様々な日常を映し出した『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』の柳瀬監督は、「たまたまウーバーイーツを頼んだら配達員の方がトゥレット症で、彼を取材するために半年ほど家に通って信頼関係を築いていきました。カメラを回さず話すことを続け、取材させてもらうことが多くの患者さんのためになるかもしれないことに共感してもらい、最終的に承諾してもらいました」と、運命的な出会いから時間をかけ信頼を獲得していったのだという。孤独に生きてきた93歳の長谷さんの姿を通し、この国の同性愛の歴史を紐解きながら、本当の自分を隠し続けた彼の日々を見つめるドキュメンタリー『93歳のゲイ』の吉川監督は、「高齢者のLGBTQの存在を想像できない人が多い中で、日本の同性愛の歴史を掘り下げれば伝えられることがあると思い、長谷さんにアプローチしていきました。取材希望を伝えると、長谷さんは“僕には家族も身寄りもいないから、どう描いても大丈夫なので取材してほしい”と言ってくれたんです」と、作品にかける熱い思いが伝わったことで取材が実現したことを明かした。参加した学生からは、「この作品が公開されることで、社会にどんな影響が生まれたらいいと思いますか?」という質問も。佐井監督は「信じることとは何か、宗教はどんな影響をおよぼすのかということについて、この映画を観たらもう少しフラットに感じられるはず。ただ対象を追いかけるだけでは、きっと本質的な部分にはたどり着けないと思う。僕は記者ではないので、違う角度で、個人の宗教を切り取って世の中の人に受け取ってほしいと思っています」とコメント。柳瀬監督は、「この映画を通して、トゥレット症を広くみなさんに知ってほしい。病気について詳しく知ってもらった上で、しゃっくりやくしゃみのような生理現象と同じだよね、という扱いになればいいなと思います」と作品に込めた願いを明かした。前回の映画祭で作品が上映された吉川監督は、「今ではLGBTQというワードも広まり、同性婚を求める声が国会で取り上げられたりとしていますが、いきなり変わったのではなくて、ずっと戦ってきたり差別や偏見に晒されて来た人たちがいます。本作で長谷さんを通して、すぐ隣にそういう人たちがいることを知ってもらいたいという思いで作りました」と、改めて作品にかけた思いについてコメントした。さらに本ワークショップでは、『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』の特別上映を実施。いち早く鑑賞した学生と佐井監督の質疑応答や、「イエスの方舟はカルトなのか?」「異常なのは報じたメディアの方ではないか?」などの議題をもとに学生たちとの討論会も行われた。最後は、学生たちが『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』のキャッチコピーを考えるグループワークを実施。事件のリアルタイム世代を狙う意図も込めた現在のキャッチコピー「鑑賞後もあなたは、ハーレム教団と呼びますか?」に対し、学生たちからは「罪とされた私の信条」「完璧で究極のアイドル・おっちゃん」などさまざまな角度のコピーが飛び出し、佐井監督が「自分でも気づかなかったアイデアに驚きました」「今から差し替えたいぐらい!」と絶賛する一幕も。ドキュメンタリーの持つ強さや面白さ、影響力について、そこに込めた思いはもちろん、映像効果や演出などテクニカルな話題にもおよぶなど、映像業界を志す学生たちにとって有益な話が多数飛びだす、大盛況のワークショップとなった。<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭2024』3月15日(金) より東京、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌で順次開催東京:3月15日(金)~28日(木) ヒューマントラストシネマ渋谷大阪:3月22日(金)~4月4日(木) シネ・リーブル梅田愛知:3月22日(金)~4月4日(木) センチュリーシネマ京都:3月22日(金)~4月4日(木) アップリンク京都福岡:3月29日(金)~4月11日(木) キノシネマ天神札幌:3月30日(土)~4月11日(木) シアターキノ公式サイト:
2024年02月07日「推し」のスキャンダルに向き合うファンを映すドキュメンタリー映画『成功したオタク』が、2024年3月30日(土)より順次公開される。もし「推し」が犯罪者になったら?真の「成功したオタク」とは何かを問う『成功したオタク』は、あるK-POPスターの熱狂的ファンであり「推し」から認知されるなど“成功したオタク”と呼ばれたオ・セヨンが、「推し」のスキャンダルをきっかけに自らメガホンをとったドキュメンタリー作品だ。「推し」とテレビ共演まで果たすなど「成功したオタク」であった監督のオ・セヨンが突如直面したのは、「推し」の逮捕だった。自分の応援していた人が性加害で逮捕されるという受け入れがたい現実に苦悩し、葛藤したオ・セヨンは、同じような経験をした友⼈たちの話を聞きに⾏くことに。もともと「成功したオタク」とは、⾃分の好きな分野で成功した⼈や、好きな歌⼿や俳優に会ったファンなどを表すときに使われる⾔葉だが、真の「成功したオタク」とは何なのかを様々なファンたちの声を通じて紐解いていく。傷ついたファンたちの声を記録、連帯と癒しのドキュメンタリー映画『成功したオタク』では、“「推し」が犯罪者になったらどうすればよいのか?”という事実と向き合いながら、「応援していたからこそ許せない」「最後まで寄り添うべき」「ファンを辞めるべきか」「彼を推していた私も加害者なのではないか」「かつて彼を思って過ごした幸せな時間までも否定しなくてはならないのか」など、様々な意見を持つファンたちの声を直接聞きに行き、その社会的意味を記録。楽しい時間を「推し」ともに過ごし、衝撃的な事実に傷ついたファンたちによる・ファンのための連帯と癒しのドキュメンタリーとなっている。なお、映画『成功したオタク』は釜⼭国際映画祭ドキュメンタリー・コンペティション部⾨に出品された作品だ。【作品詳細】映画『成功したオタク』公開日:2024年3月30日(土) シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開監督:オ・セヨン英題:FANATIC原題:성덕
2024年02月04日数年前に韓国芸能界を震撼させた性加害事件をきっかけに、ある“ファン”によって制作されたドキュメンタリー映画『成功したオタク』が3月30日(土)より全国順次公開されることが決まった。本作は、あるK-POPスターの熱狂的ファンで、“推し”に認知されテレビ共演も果たし「成功したオタク」と呼ばれたオ・セヨン監督が、推しの逮捕をきっかけに同じような経験をした友人たちの話を聞きに行き、真の「成功したオタク」とは何なのかを問う作品。ある日、推しが性加害で逮捕された…。突然「犯罪者のファン」になってしまった彼女はひどく混乱した。受け入れ難いその現実に苦悩し、様々な感情が入り乱れ葛藤した。そして、同じような経験をした友人たちのことを思った。信頼し、応援していたからこそ許せないという人もいれば、最後まで寄り添うべきだと言う人もいる。ファンであり続けることができるのか。いや、ファンを辞めるべきか。彼を推していた私も加害者なのではないか。かつて、彼を思って過ごした幸せな時間まで否定しなくてはならないのか。「推し活」が人生の全てだったオ・セヨン監督が過去をふり返り傷を直視すると同時に、様々な立場にあるファンの声を直接聞き、その社会的意味を記録する。「成功したオタク」とは果たして何なのか…?傷ついた「ファン」による「ファン」のための連帯と癒しのドキュメンタリー。釜山国際映画祭ドキュメンタリー・コンペティション部門出品、韓国のアカデミー賞と称される大鐘賞映画祭では最優秀ドキュメンタリー部門ノミネート、そして2022年に韓国国内で公開されると大きな話題を呼んだ本作。「刺激的な題材を扱っていますが、特定の人物を誹謗中傷したり攻撃することは目的ではありません。この映画は最初から最後まで一貫して同じ話をしています。楽しい時間、つらかった日々を一緒に過ごしてきた【私たち】、【ファン】の話です」とオ・セヨン監督は語る。この度解禁されたティザービジュアルは、原題の韓国語「ソンドク」をハングルで大きくあしらったデザイン。ソンドクとは「成功したオタク」の意味のこと。「成功したオタク」とは自分の好きな分野で成功した人や、好きな歌手や俳優に会ったファンなどを指す言葉として使われている。本作では「成功したオタク」の新たな定義を試みている点に注目だ。『成功したオタク』は3月30日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2024年02月01日『TBSドキュメンタリー映画祭2024』が3月15日(金) より全国6都市で順次開催される。このたび、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマを考える今だから見るべき作品を選んだ「ソーシャル・セレクション」の予告とポスタービジュアルが公開された。第4回の開催となる今回は、「ソーシャル・セレクション」に加え、家族の形や身体的な障がいなど、多様な生き方や新たな価値観を見出せる作品を選んだ「ライフ・セレクション」、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚など、感覚を司る表現者たちやテーマを通して新たな感性に出会える作品を選んだ「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選出された15作品が上映される。「ソーシャル・セレクション」の中で注目を集めているのは、2023年3月に逝去した音楽家・坂本龍一の活動に密着した『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』。作曲家、ピアニスト、編曲家、音楽プロデューサー、アーティストなど様々な顔を持ち、“教授”の愛称で親しまれた坂本は、晩年、環境や憲法に関する運動にも積極的に参加していたことでも知られている。本作は911テロ、イラク戦争、そして東日本大震災と、2000年代に様々な形で坂本の活動に密着してきたTBS報道局の秘蔵映像で構成。坂本が抱いていた「戦争と平和」への思いや、彼が遺したメッセージを読み解いていく意欲作となっている。監督は、TBSの報道番組『筑紫哲也NEWS23』で、ディレクターとして坂本を担当してきた金富隆が務めた。現在はプロデューサーとして、戦争や社会問題等を扱う番組を多数手がけている金富監督は、「坂本龍一さんは、戦争や災害の現場に足を運び、メッセージを発し続けた人でもありました。911同時多発テロ、アフガン攻撃、イラク戦争、そして東日本大震災……。とりわけ社会的な発信を強めたのが2001年からの20年余りです。激動の時代の中で、坂本さんはなぜ社会発信を強めていったのか」と、坂本の活動を振り返る。また本作について「『地雷ZERO21世紀最初の祈り』や『筑紫哲也ニュース23』での様々な番組企画……。私が取材したものはその一部でしかありませんが、今回は自分が撮った番組の未公開映像まで調べ尽くし、坂本さんが遺した言葉にこだわりました。戦争のきな臭い匂いが広がっていった2000年代、坂本さんが抱いていた危機感や憤りはどんなものだったのか。そして発信し続けた平和へのメッセージ。TBSに残る秘蔵映像からは、現場に足を運び、真摯に人と向き合い、発信を続けた音楽家・坂本龍一の姿が浮かび上がります。教授が遺した言葉たちには、“現在”を考えるヒントがあります。是非味わって頂けたらと思います」と語っている。そのほか「ソーシャル・セレクション」として、TBS『NEWS23』専属ジャーナリスト・須賀川拓監督の最新作『BORDER 戦場記者 × イスラム国』、川上敬二郎監督による『サステナ・フォレスト ~森の国の守り人(もりびと)たち~』、海老桂介監督による『家さえあれば ~貧困と居住支援~』、長沢祐監督による『102歳のことば~生活図画事件 最後の生き証人~』、神戸金史監督による『リリアンの揺りかご』がラインナップされている。『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』予告編『サステナ・フォレスト ~森の国の守り人(もりびと)たち~』予告編『家さえあれば ~貧困と居住支援~』予告編『102歳のことば~生活図画事件 最後の生き証人~』予告編『リリアンの揺りかご』予告編<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭2024』3月15日(金) より東京、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌で順次開催『TBSドキュメンタリー映画祭2024』キービジュアル東京:3月15日(金)~28日(木) ヒューマントラストシネマ渋谷大阪:3月22日(金)~4月4日(木) シネ・リーブル梅田愛知:3月22日(金)~4月4日(木) センチュリーシネマ京都:3月22日(金)~4月4日(木) アップリンク京都福岡:3月29日(金)~4月11日(木) キノシネマ天神札幌:3月30日(土)~4月11日(木) シアターキノ公式サイト:
2024年01月31日映画配信サービス「JAIHO(ジャイホー)」より2月1日から配信開始される全作品ラインナップを解禁。イ・チャンドン監督を敬愛するフランス人ドキュメンタリー作家、アラン・マザール監督が手がけたドキュメンタリー『イ・チャンドン アイロニーの芸術4K』、『ランガスタラム』で知られるスクマール監督による、22年インドNo.1ヒット作『プシュパ 覚醒』、<ジャパニーズ・ディスカバリー企画>の第3弾『この日々が凪いだら』などが配信される。ドキュメンタリー『イ・チャンドンアイロニーの芸術4K』日本初独占配信★配信開始:2月3日(土)00:00寡作ながら新作を撮るごとに世界中から熱い注目を集め、クリエイターたちの羨望を集め続ける、紛うことなき“巨匠”のひとり、イ・チャンドン。コロナ禍でアラン・マザール監督の渡韓が叶わず、リモート形式という異例の手法で撮影された同作は、イ・チャンドンと彼の制作会社パインハウス・フィルムが全面協力。代表作『ペパーミント・キャンディー』に倣って時間を逆行するスタイルをとり、小説家から映画監督に転身した異色のキャリア、さらに創作活動の原点となった生い立ちや家族との関係など、パーソナルな面まで明らかにされる本作は、かつてないほど率直なイ・チャンドン本人の述懐、そして自ら所縁の地に足を運ぶ“聖地巡礼”の模様まで映し出す、貴重な一編となった。これまで彼の作品に出演した、ソン・ガンホ、ソル・ギョング、チョン・ドヨンといった錚々たる名優陣が次々に登場、撮影当時の思い出を語るくだりも必見。なお、本配信を記念し、イ・チャンドン監督過去6作品を、新たに4K版として配信されることも決定。『バーニング 劇場版4K』(2月11日~)、『ポエトリー アグネスの詩 4Kレストア』(2月19日~)、『シークレット・サンシャイン 4Kレストア』(2月27日~)、『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア』『オアシス 4Kレストア』『グリーンフィッシュ 4Kレストア』(以上3月~)など、ファン垂涎のラインナップとなっている。インドエンターテインメント大作『プシュパ 覚醒』日本初独占配信★配信開始:2月5日(月)00:00昨年劇場公開され話題となった『ランガスタラム』で知られるスクマール監督による、22年インドNo.1興収を記録した迫力満点のエンタテイメント大作『プシュパ 覚醒』。『RRR』の大ヒットをきっかけに注目が集まった南インド・テルグ語圏の映画を<熱風!!南インド映画の世界>として23年10月に特集上映、また新たな熱狂的なファンを産んだ伝説的企画の全4作品のラインナップから『プシュパ 覚醒』が、ついにJAIHOに初登場する。主演のプシュパを務めるのは自身の主演作が日本で正式に劇場公開されたのは本作が初(※英語字幕での特集上映や期間限定上映等を除く)。『RRR』のNTR Jr.、ラーム・チャランと肩を並べるテルグ語界の大スター、アッル・アルジュンが主演。南インドにのみ自生する高級木材・紅木(こうき)の密輸組織で働く青年プシュパが、やがて組織のトップにまで昇りつめ、成り上がっていく。主人公の出生にまつわる親兄弟の権力争い、組織間の抗争や警察との対立で巻き起こるど派手なアクションなど、これぞエンタテイメント!な1作。<ジャパニーズ・ディスカバリー企画第3弾>『この日々が凪いだら』日本初!独占配信★配信開始:2月21日(水)00:00<JAIHO>ユーザーが新たな発見・感動を体験できる作品の配信を目指す企画として始まった<ジャパニーズ・ディスカバリー企画>の第3弾『この日々が凪いだら』。本作の監督・脚本は、これが長編デビュー作となる常間地裕(つねまぢ・たか)。1997年生まれ、多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科演劇舞踊コース卒業後、在学時に制作した短編『なみぎわ』(18)が国内多くの映画祭で入選、5つの映画祭でグランプリを獲得した新鋭監督が、様々な変化と向き合う若者たちの姿を繊細なタッチでつづった青春ムービーを生み出した。主演は『クレマチスの窓辺』(22)のサトウヒロキが務めるのは、故郷を捨てるように上京してきた宮嶋大翔。第45回モスクワ国際映画祭 メインコンペティション部門 最優秀女優賞受賞の瀬戸かほ(『クレマチスの窓辺』)、バラエティや雑誌でも活躍中の山之内すず、映画『his』、TVドラマ「監察医 朝顔」など藤原季節ら個性派キャストが出演。また、主題歌「夕凪」と、挿入歌「サイレン」はオルタナティブロックバンド「羊文学」による書き下ろしとなっており、作詞・作曲を手がけた塩塚モエカは劇中音楽も担当、若者たちの日々に寄り添いながら、物語を叙情的なものにしている。(シネマカフェ編集部)
2024年01月30日サンダンス映画祭で上映されたドキュメンタリー映画『Super/Man:The Christopher Reeve Story』の配給権を、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが取得することになりそうだ。買収価格は1,500万ドルとのこと。他の配給会社も手を挙げているが、『スーパーマン』映画を製作してきたワーナーが公開するのは自然な流れだ。映画は、事故に遭遇した後、アクティビストとして活動するようになったリーヴの姿に焦点を当てるもの。ワーナーは、2025年に、ジェームズ・ガンが監督する『Superman:Legacy』を公開する予定でもある。そこも踏まえ、スーパーマンのレガシーに最も敬意を捧げるような形で公開されることが予想される。文=猿渡由紀
2024年01月30日『TBSドキュメンタリー映画祭2024』が3月15日(金) より全国6都市で順次開催される。このたび、家族の形や身体的な障害など、多様な生き方や新たな価値観を見出せる作品を選んだ「ライフ・セレクション」全4作品の予告とポスタービジュアルが公開された。第4回の開催となる今回は、「ライフ・セレクション」に加え、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマを考える今だから見るべき作品を選んだ「ソーシャル・セレクション」、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚など、感覚を司る表現者たちやテーマを通して新たな感性に出会える作品を選んだ「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選出された15作品が上映される。「ライフ・セレクション」の上映作品のひとつとしてラインナップされたのは、TBSの元アナウンサーとして知られる久保田智子の初監督作となる『私の家族』。2019年に特別養子縁組で新生児の娘を家族に迎えた久保田は、2歳になった娘に対し、生みの母の存在や出自について伝える“真実告知”を行うことを決意する。さらに、自身の両親・家族の過去とも向き合い、さまざまな対話を重ねる中で、久保田がたどり着いた“真実”と伝え方とは――。本作について、久保田は「自分の家族をさらけ出しすぎじゃない?そんな風に感じられてしまうかもしれません。正直私もここまで公開していいものかと、今も葛藤しています。それでも、伝えたいと思ったことがあります。私はいま、特別養子縁組という“当たり前”のスタートではない家族を築いています。だからこそ、一つ一つを丁寧に重ねていきたいと強く思っています。そのためには何が必要なのか、自分に問いながら制作をしました」と胸の内を明かしている。また、久保田が本作を制作する上で何よりも重視したのは、「家族と話そう」という強い思い。「長い時間一緒にいる家族は、ともすると後回しになったり、わざわざ聞かなくてもわかると思ってしまいやすいものです。でも、わかったつもりにならず、相手に寄り添って話をしてみると、自分では想像できなかった家族の真実が見えてきました。いま私は、やっと『私の家族』に向き合えたのだと感じています。この映画を通して、家族と丁寧に話してみようかな、と思ってもらえたとしたら監督として冥利に尽きます」と語っている。そのほかライフセレクションでは、『日の丸~寺山修司 40 年目の挑発~』『カリスマ~国葬・拳銃・宗教~』などで評価される若手注目株・佐井大紀監督が、80年代に世間を騒がせた集団「イエスの方舟」で現在も共同生活を送る人々に迫った『方舟にのって~イエスの方舟 45 年目の真実~』、皮膚が魚の鱗のように硬くなり剥がれ落ちていく指定難病「魚鱗癬(ぎょりんせん)」と向き合いながら、自立し成長していく男性の28年を追った『魚鱗癬と生きる ─遼くんが歩んだ28年─』(大村由紀子監督)、自分の意思に反して体が動いたり声が出たりするトゥレット症候群の人々の、さまざまな日常を映し出した『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』(柳瀬晴貴)も上映される。『私の家族』予告編『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』予告編『魚鱗癬と生きる ─遼くんが歩んだ28年─』予告編『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』予告編<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭2024』3月15日(金) より東京、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌で順次開催『TBSドキュメンタリー映画祭2024』キービジュアル東京:3月15日(金)~28日(木) ヒューマントラストシネマ渋谷大阪:3月22日(金)~4月4日(木) シネ・リーブル梅田愛知:3月22日(金)~4月4日(木) センチュリーシネマ京都:3月22日(金)~4月4日(木) アップリンク京都福岡:3月29日(金)~4月11日(木) キノシネマ天神札幌:3月30日(土)~4月11日(木) シアターキノ公式サイト:
2024年01月25日性被害者として勇気を持って声を上げ、「TIME」誌から「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれた伊藤詩織が、映画監督デビューを果たした。タイトルは『Black Box Diaries』。当時TBSの政治部記者でワシントン支局長だった山口敬之から性暴力を受け、誹謗中傷にさらされても負けずに真実を訴え続けた過程を自ら振り返る、パワフルなドキュメンタリー映画だ。映画は、「性被害を受けた人はたくさんいます。必要だったら、目を閉じて、深呼吸をしてください。私はそれに助けられました」と、観客の中にもおそらくいるであろう、同じ経験をした人たちに配慮するメッセージで始まる。次に出てくるのは、事件の日、ふたりが乗ったタクシーを運転していた男性の証言。続いて、シェラトン京都ホテルで止まったタクシーから、男性がさっさと降り、まだ中にいる女性を無理やり引きずり出す防犯カメラの映像も見せられる。加害者が強烈なコネクションを持っているせいで、警察に話しても、真剣に対応してもらえなかった。逮捕状が出て、警察が成田空港で山口を待ち伏せした時も、上からのひとことで急遽逮捕は中止に。無念さを乗り越えて、伊藤は民事で戦うと決意。さらに、著書「Black Box」も出版した。そんな彼女にインスピレーションを受け、支援しようとする人たちが大勢いた一方、同じ女性の中にも批判をしてくる人は相変わらず絶えなかった。だが、強く、勇気のある彼女も、繊細な心を持つひとりの人間だ。映画のはじめのほうには、自殺は絶対にしない、もし自分が死ぬようなことがあっても自殺ではないと親しい人に明るく言うシーンがあるが、後半には、両親に向けて、涙ながらに最後のメッセージを録画する状況も出てくる。「第3者としてこの件を見ようとしてきたけれども、もう耐えられなくなった」と、彼女は告白。それは、最も胸が苦しくなるシーンのひとつだ。一方で、多くの女性たちから支えられた彼女が、「これまでは裸で前に出ているような気持ちだった。今日は、みんなから一枚ずつ毛布をかけてもらった気分」というシーンには希望を感じ、スクリーンの彼女と一緒になって感動の涙を流してしまう。性加害、それに対する司法、社会のあり方について、多くを問いかけてくる重要な映画だ。文=猿渡由紀
2024年01月25日ウィル・フェレルと脚本家ハーパー・スティールが出演しているドキュメンタリー映画『Will & Harper(原題)』が、サンダンス映画祭にてスタンディングオベーションを受けた。「Variety」誌によると、カンヌ国際映画祭やヴェネチア国際映画祭とは違い、サンダンスでスタンディングオベーションが起きることは少ないという。本作は90年代に「サタデー・ナイト・ライブ」でコメディアンと脚本家として出会い、30年近く友情を築いてきたウィルとハーパーの17日間に及ぶロードトリップを収めたもの。ニューヨークからカリフォルニアにかけて旅する2人は、途中でバスケの試合、大衆酒場、おしゃれなラスベガスのレストランなどに立ち寄りながら、2022年にトランス女性であることを公表して性別移行プロセスにあるハーパーがウィルとの友情を再確認したり、アメリカにおいてトランスジェンダーであることの意味を考える。ウィルはサンダンスで「この映画がトランスジェンダー問題の会話におけるガイドブックになったらいいな」とコメント。監督は現在公開中の『スラムドッグス』のジョシュ・グリーンバウム。ウィルは同作にも出演しており、主人公で犬のレジー役の声を担当している。(賀来比呂美)
2024年01月24日3月15日(金) より全国6都市で開催される『TBSドキュメンタリー映画祭2024』の予告編とキービジュアルが公開された。第4回の開催となる今回は、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマを考える今だから見るべき作品を選んだ「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障がいなど、多様な生き方や新たな価値観を見出せる作品を選んだ「ライフ・セレクション」、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚など、感覚を司る表現者たちやテーマを通して新たな感性に出会える作品を選んだ「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選出された15作品が上映される。公開された予告編では、2023年3月に逝去した音楽家・坂本龍一による社会発信の歩みを描いた『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』や、劇場公開された『戦場記者』の須賀川拓監督が過激派組織イスラム国の“いま”を追いかけた最新作『BORDER 戦場記者×イスラム国』など、本映画祭で上映される全15作品をダイジェストで見ることができる。また、本映画祭発足時にはアンバサダーを、現在はブランド「TBS DOCS」全体のチェアマンを務める太田光(爆笑問題)のコメントが到着。2024年の開催に向けて「“本気の人間は面白い”とあるぐらい、生々しい人間の色んな生き様というのはすさまじい。描かれている内容も、作品によって全然違う。人間を生々しく描くっていうのは、それだけ後にも残る。何か忘れられなくて、ずっと頭の中には残っていたりする。そういうものを観れるのが、TBSドキュメンタリー映画祭の素晴らしいところです」とコメントしている。そして、2021年の映画祭発足以来、毎年中東に関わる問題作をエントリーし続けるジャーナリスト、須賀川監督(現在は、TBS系報道番組『NEWS23』専属ジャーナリスト)の作品を例にあげ、「パレスチナのイスラム組織ハマスとイスラエルの衝突によって注目を浴びたように世間一般的にはなっているが、今までも継続的に須賀川さんがレポートをしている作品を観てきた我々はずっと観察することができた。そういう意味では、凄く意義があると思います」と、本映画祭の意義についても語っている。『TBSドキュメンタリー映画祭2024』本予告『TBSドキュメンタリー映画祭2024』60秒予告<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭2024』3月15日(金) より東京、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌で順次開催『TBSドキュメンタリー映画祭2024』キービジュアル東京:3月15日(金)~28日(木) ヒューマントラストシネマ渋谷大阪:3月22日(金)~4月4日(木) シネ・リーブル梅田愛知:3月22日(金)~4月4日(木) センチュリーシネマ京都:3月22日(金)~4月4日(木) アップリンク京都福岡:3月29日(金)~4月11日(木) キノシネマ天神札幌:3月30日(土)~4月11日(木) シアターキノ公式サイト:
2024年01月18日リトル・リチャードのヒューマンドキュメンタリー映画『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』が、2024年3月1日(金)より公開される。“ロックンロールの創設者のひとり”リトル・リチャード『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』は、ロックンロールの偉大なる創設者のひとり、リトル・リチャードの知られざる史実と素顔を描くヒューマンドキュメンタリー映画。リトル・リチャードは、1950年代半ばにデビュー・シングル「トゥッティ・フルッティ」をリリースし彗星の如く音楽シーンに現れた黒人アーティストだ。後進のビートルズやザ・ローリング・ストーンズ、デヴィッド・ボウイ、エルヴィス・プレスリーらも多大な影響と刺激を受けたという。差別と偏見、栄光と苦悩の狭間リチャードは、ピアノ演奏では左手でブギウギを、右手では打楽器的な打鍵を披露し、叫ぶように歌い、さらにはステージを縦横無尽に駆け巡ったりと、現代では見慣れたパフォーマンスを当時いち早く開発。これらのパフォーマンスは、現代ロックの礎となったと言えるだろう。アーカイブ映像で見るリチャードの演奏などは、今見ても全く色褪せず魅力に溢れている。輝かしい功績を残した一方で、当時のアメリカは南部を中心にまだまだ人種差別が激しく、リチャードは差別にも苦しんだ。また、ゲイを公言する性的マイノリティーでもあり、陽気なキャラを演じつつも壊れやすく繊細な魂を持った人物であった。映画『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』では、そんなロックンロール界の真のレジェンドという一面の裏に隠された、ひとりのミュージシャンの「魂の軌跡」を描き出す。性的差別や偏見、時代と流行、そして信仰と音楽活動。様々な狭間の中で、苦悩し戦い抜いたリトル・リチャードの姿が明らかになる。ポール・マッカートニーやエルヴィス・プレスリーらの言葉も映像には、「学校の机の上でリチャードの曲を歌ったよ」と嬉しそうに話すポール・マッカトニーをはじめ、リチャードへの尊敬の言葉を並べるミック・ジャガーやエルヴィス・プレスリーなど音楽界のレジェンドらも映る。【作品詳細】映画『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』公開日:2024年3月1日(金)監督・製作:リサ・コルテス出演:リトル・リチャード、ミック・ジャガー、トム・ジョーンズ、ナイル・ロジャーズ、ノーナ・ヘンドリックス、ビリー・ポーター、ジョン・ウォーターズ字幕:堀上香字幕監修:ピーター・バラカン配給:キングレコード原題:LITTLE RICHARD:I AM EVERYTHING
2023年12月31日