ピアニスト小川典子のリサイタルは、ロシア音楽だけで構成されたプログラム(11月7日・ミューザ川崎シンフォニーホール)。ラフマニノフの前奏曲集から8曲、プロコフィエフの戦争ソナタ第7番、そしてムソルグスキー《展覧会の絵》を弾く。「スケール大きなイメージのラフマニノフの音楽ですが、実はこの前奏曲ぐらいの長さの作品が最も適している。一度のクライマックスで音楽のシェイプができるので、焦点が定まって、彼の書法をとてもわかりやすくお聴きいただけると思います。プロコフィエフのソナタ第7番は、『非情』という言葉が似合う音楽。その中で、痛みを抱えた切ないフレーズも出てくるし、第3楽章は、7拍子という珍しい、座りの悪いリズムで突進して爆発します。素晴らしいミューザ川崎の響きの中で、どこまでぎんぎんに弾けるか、楽しみです。ムソルグスキーの音楽には、他の二人のような緻密さはありません。でもだからこそロシアの土臭さを感じるし、二人には書けなかった冒険もできる。豪華絢爛なオーケストラ編曲版よりも、原曲のピアノ独奏版のほうが、それがいっそうよく現れます」なお《展覧会の絵》は作曲家の自筆譜に基づいて演奏する。よく知られた出版譜とは微妙に異なっており、随所にハッとする発見があるという。ところで、じつは小川にとって初のオール・ロシア・プロ。しかしラフマニノフの協奏曲などのイメージも強い彼女だけに、もちろんロシア音楽は大好きで、その背景にもずっと興味を持って向き合ってきた。「高校の頃からドストエフスキーが好きだったし、ノーベル賞作家ソルジェニーツィンとソビエト政府の関係にも興味がありました。抑圧された環境で生きる人間の気持ちに関心があって、そんなテーマのドキュメンタリー番組などもよく見ていました」ロシアのピアノ曲には、楽器を鳴らしきるような豊かな音量や厚みのある音色が大事。それはそのまま小川のピアノの魅力の一端でもあるのだが、彼女はさらに、「エッジの効いた音」が必要だと説く。「そういうエッジの効いた音で弾いてこそ効果が出るように音が配列されている。たとえばシューベルトはそんな音で弾いたらダメ。それでは曲にならないように書かれているからです」ピアニストは日々、その作曲家と作品にふさわしい音を探し、見きわめ続けているのだ。そうやって見つけた音が彩る小川のロシア名曲。その音が震わせる空間を直接共有してこそ、より深く共感できるはず。そしてその聴き手の共感がもう一度、演奏にも還元される。「言葉にはできない客席の“気”のようなものはいつも感じて、演奏にも目に見えない反応があります。あえて私のリサイタルを選んでくださる熱心なお客様と一緒に、密度の濃い演奏会になることを楽しみにしています」開演前には音楽評論家・下田幸二とのプレトークも。これも聞き逃せない。余裕を持って、少し早めに会場へ。小川典子の公演情報はこちら取材・文:宮本明
2020年10月29日巨匠ロベール・ブレッソン監督の映画『バルタザールどこへ行く』が、4Kリストア・デジタルリマスター版で復活。2020年10月30日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次公開される。映画史に残る最高傑作がスクリーンに復活1966年公開の『バルタザールどこへ行く』は、フランス映画界の巨匠ロベール・ブレッソン監督の代表作として映画史に輝く最高傑作だ。ロベール・ブレッソンが長年映画化を望んだ本作は、聖なるロバ“バルタザール”をめぐる現代の寓話。ドストエフスキーの長編小説「白痴」の挿話から着想し、一匹のロバ“バルタザール”と少女マリーの数奇な運命を繊細に描いている。純粋さから悪の道へと堕ちていく少女マリーを演じたのは、当時17歳のアンヌ・ヴィアゼムスキー。初の映画出演作となった本作を皮切りに、『中国女』など、ゴダール作品への出演を重ねていくこととなる。ストーリー小さな農村で、農園主のジャックと幼なじみのマリーは、生まれたばかりのロバに「バルタザール」と名づけ可愛がる。だが年月が経ち、「バルタザール」は別の飼い主のもとへ。やがて逃げ出した「バルタザール」は、美しく成長したマリーと再会し、まるで愛し合う恋人のように慰め合う。だが運命は、「バルタザール」にもマリーにもあまりにも過酷な試練を与えていく。マリーの両親は誇り高さゆえに没落し、マリーは不良少年ジェラールに拐かされ悪徳の道に落ちていく。「バルタザール」もまたマリーの元を引き離され、次々と人手に渡っていく…。ロベール・ブレッソン監督作『少女ムシェット』も同時公開なお、公開同日より、一人の少女の悲運な運命をまざまざと描いた映画『少女ムシェット』も全国公開。ロベール・ブレッソンが遺した名作が、4Kリストアのデジタルリマスター版でスクリーンに蘇る。【詳細】『バルタザールどこへ行く』公開日:2020年10月30日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次公開※一部の劇場を除き、上映は 4K リストア・デジタルリマスター版から変換された2K上映となる。監督:ロベール・ブレッソン脚本:ロベール・ブレッソン出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー、フランソワ・ラファルジュ、フィリップ・アスラン、ナタリー・ジョワイヨー、ヴァルター・グリーン、ジャン=クロード・ギルベール、ピエール・クロソフスキー、ロバのバルタザール配給:コピアポア・フィルム+lesfugitives
2020年09月14日最新長編小説『逃亡者』の著者・中村文則さんに、作品に込めた思いを伺いました。突然追われる身となった男。逃亡の果てに見える景色は?第二次世界大戦時、悪魔の楽器と呼ばれるトランペットがひとつの作戦を成功に導いた。時は現代、その楽器を手にした一人の青年が、謎の人物や宗教団体に追われる身となる――中村文則さんの最新長編『逃亡者』は、謎と歴史と記憶が多層的に構築されていくスリリングな一冊。「数年前、ドイツのケルン文学祭に参加して翻訳者と楽器が好きだという話をしていた時に、“人を洗脳する楽器”というモチーフが浮かんだんです。それがはじまりでした」元ジャーナリストの山峰は、いわくありのトランペットを抱き、失望のなかケルンに流れつく。そこに現れたのは、謎の男、“B”。彼は山峰に奇妙な選択肢を与えるのだが…。「“B”は本当に存在しているのかも分からない、謎めいた存在にしたかった。得体の知れない人間が一番怖いので」他の追手も現れ、彼らから逃れるために山峰は再び旅立つ。「社会に馴染めず外れてしまった人間が、逃亡者という特殊な存在になったことでさまざまなことが発生していく。ただ、普通このタイトルでそうした話だと逃げまくる話と思われそうですが、それだけでなく、主人公は過去と向き合うことになっていく。そこからまた展開があるんですけれども」逃げる山峰のパートのほか、作中には創作や対話、手記といった形でさまざまな物語が交錯する。「ドストエフスキー的なポリフォニー(多声)を取り入れました」と中村さん。「作者とは違う考えもあえて書きこんで、意見を戦わせるということもやっています。たとえば以前書いた『教団X』では、宗教を駄目なものとして書く傾向がありましたが、今回はできるだけ寄り添おうとしました。僕は宗教が政治をゆがめていると知っていますが、一辺倒に“こういう宗教は駄目だ”と言っても届かない人たちがいる。だから今回は、人生にすごくダメージを受けた時に宗教にはまることを否定できるのか、という部分も書きました」他には、恋人だったアインの日本での苦難や彼女の故国ヴェトナムの物語や、山峰のルーツである長崎の、潜伏キリシタンや原爆についてもページが割かれている。「日本の外国人の労働問題は書こうと思っていました。それと、ヴェトナムの歴史を見ると、作中でも書いたように、人々が強国に歯向かってきたんですよね。それがすごくいいし面白いなと思って。長崎については、実は僕のルーツでもあり、いつか書きたかったことなんです」そして、トランペットが使用された太平洋戦争の戦地の惨状をしたためた手記の中身――。「僕はよく小説内に手記を挿入しますよね(笑)。一応、毎回書き方を変える努力はしていて、今回は当時の言葉をそのまま書くと読みにくいので、フランス語からの日本語現代訳という設定にしました。今は明治と昭和初期の劣化コピーが流行っていて、第二次大戦の前と似ていると感じています。そのことを意識して書きました。手記に書かれた慰安婦に起きた凄惨な出来事は、史実をもとに書いている。読んで“知りたくなかった”という人もいるかもしれないけれど、過去を直視しなければ、この先改善も成長もないと思う」山峰もまた、かつて出版した書籍で第二次世界大戦時の軍部と財閥の癒着に触れたところ、“知りたくなかった”という感想をもらって落胆した過去がある。「人々は社会が公正で安全であると思いたいから、そうでないことが書かれてあると不安になり、別の理由をつけてその本を批判したり、“知りたくなかった”と思ってしまう。実はこの感想は、僕が『教団X』を書いた時の反応をほぼそのまま書きました。社会には問題がないと思いたい心理が行きすぎると、何か被害者が出た時、社会構造がではなく“お前に落ち度がある。お前が悪い”と個人批判する社会になってしまう。だから、僕の中には、みんなが求めている安心できる物語を提供することが本当にいいことなのだろうかという根本的な問いがあります。僕はあえて、知りたくないような事実も書きながら、いかに物語として面白いものにするかを考えている。それが物語を作る側の姿勢だと思っているんです」これまでに描いてきたモチーフや問題意識も盛り込んだ今回の大作。「『教団X』よりももっとグラデーションを持たせて、いろんな問題を詰め込み、僕の集大成的な作品になったと思います。普段社会問題に興味のない人でも読めばいろんなことが分かるだろうし、保守的な人でも読めば“ああ、そういう考えもあるのか”と分かってもらえると思う」いつでも人間社会への警鐘を鳴らし続けている中村さん。「以前から、これからの世の中はどんどん悪くなっていくと感じていましたが、新型コロナウイルスの影響でその速度は上がるでしょうね。差別をする傾向や、責任を困窮する個人に転嫁する動きがさらに強まっていくと思います。そういうタイミングで、この本を世の中に出すことは意味があると思っています」中村文則『逃亡者』人生に倦んでドイツのケルンに流れついたジャーナリストの山峰。だが、“悪魔の楽器”と呼ばれるトランペットを密かに携えていたことから、追われる身となる。逃亡の中で、彼が向き合うものとは。幻冬舎1700円なかむら・ふみのり1977年、愛知県生まれ。2002年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。’04年『遮光』で野間文芸新人賞、’05年『土の中の子供』で芥川賞、’10年『掏摸〈スリ〉』で大江健三郎賞、’16年『私の消滅』でドゥマゴ文学賞を受賞。※『anan』2020年6月10日号より。写真・土佐麻理子(中村さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2020年06月04日3月2日(月)放送の日本テレビ「映画天国」では、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』や『若者のすべて』など数々の名作で知られる名匠ルキノ・ヴィスコンティ監督の『ベニスに死す』をオンエアする。1906年にイタリア・ミラノの貴族の家に生まれ、1942年に『郵便配達は二度ベルを鳴らす』で映画監督デビュー。その6年後には『揺れる大地』を発表。『ベリッシマ』『夏の嵐』、ドストエフスキーの小説を映画化した『白夜』などを世に送り出すと、アラン・ドロンらを起用した『山猫』ではカンヌ映画祭のパルム・ドールに輝き、『熊座の淡き星影』ではヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞。1967年にはカミュの『異邦人』を映画化するなど、映画史に残る名作の数々を生み出してきたヴィスコンティ監督。彼が1971年に製作したのが本作となる。ドイツの高名な老作曲家アッシェンバッハ(ダーク・ボガード)は静養のために赴いたベニスで、究極の美を体現したような美少年タージオ(ビョルン・アンドレセン)に出会う。ゆるくカールした金髪と澄んだ碧眼の瞳。まるでギリシャ彫刻のようなタージオにアッシェンバッハは次第に心を奪われてゆく…というストーリー。アッシェンバッハ役には『召使』『ダーリング』で英国アカデミー賞に、『わが恋は終りぬ』ではゴールデングローブ賞にノミネート、ヴィスコンティ作品には本作のほか『地獄に堕ちた勇者ども』にも出演しているダーク・ボガード。タージオ役には本作への出演で一躍アイドル的な人気を博し、日本でも熱狂的なファンを生んだビョルン・アンドレセン。またタジオの母役で『デューン/砂の惑星』などのシルヴァーナ・マンガーノも出演する。映画天国『ベニスに死す』は3月2日(月)深夜25時59分~日本テレビで放送。(笠緒)
2020年03月02日演出家・三浦基が代表を務める京都の劇団・地点が、ドストエフスキー作『罪と罰』を2月29日(土)・3月1日(日)に神奈川県立青少年センター 紅葉坂ホール、3月20日(金・祝)から22日(日)まで京都芸術劇場 春秋座で上演する。同作は、三浦がロシアの国立ボリショイ・ドラマ劇場からの依頼で、現地の所属俳優とともに制作、今年6月に同劇場での上演を予定しているが、ロシアでのクリエイションを前に、まずは自身のインスピレーションの源泉となる地点でその世界観を作り上げ、日本で披露する。物語の舞台は、ロシア帝国の首都サンクトペテルブルク。猛暑の7月、青年ラスコーリニコフは、質屋の老婆とその妹を斧で殺す。娼婦のソーニャ、妹ドゥーニャ、苦学生ラズミーヒン、快楽主義者のスヴィドリガイロフら、彼を取り巻く人間たち。その関係の中で、法を超越する特権的個人や、人を殺す権利をめぐる彼の思想も徐々に明らかにされていく……。ロシアでもっとも読まれてきた小説のひとつ『罪と罰』を、その舞台となっているサンクトペテルブルクの劇場で日本人演出家が手がけるという、かなり大胆で意欲が感じられる今企画には、三浦独自の“読み”の可能性に期待が持たれているという。三浦の作品づくりは、既存のテキストを再構成・コラージュするという独自の手法で、発語法も言葉の抑揚やリズムをずらし、言葉そのものを剥き出しにすることから音楽的とも評されている。そんな彼の演出スタイル“自由な読み”によって、原作の大きなテーマのひとつとなっている信仰問題などが大胆に普遍化されることも期待される。また、この作品は「棺桶のような狭く暗い小部屋に閉じこもっていた主人公が殺人を契機に外へ出かけ、人々と出会う物語」とも言われるが、人から人へ向かう“ベクトル=矢印”を視覚化し、歩くという日常的動作により空間を形づくっていくという。2007年から取り組んできた「チェーホフ四大戯曲連続上演シリーズ」をはじめ、ロシアの作家の作品を継続的に上演してきた三浦にとって、本作はこれまでの創作活動の集大成といっていい。まずは日本で、どんな可能性を拓くのか。4月にはロームシアター京都の新館長就任も控える三浦。大きな節目となる2020年の第一歩が幕を開ける。文:伊藤由紀子
2020年02月26日恒例の特集「ポーランド映画祭」が今年も開催されている。8回目を迎える本年度は、映画作家のイエジ―・スコリモフスキが監修を担当。ポーランドの最新作から歴史に残る名作、レア作まで幅広い作品が揃う。映画ファンにとってポーランドは、アンジェイ・ワイダやクシシュトフ・キェシロフスキを輩出したなじみの深い国で、近年も『イーダ』や『COLD WAR あの歌、2つの心』など良質な作品が多く製作されている。2019年はポーランドと日本の国交樹立100周年、ポーランド民主化30周年にあたるアニバーサリー・イヤー。これまで以上に充実した作品群が映画祭に集まった。巨匠アンジェイ・ワイダの特集では名作『灰とダイヤモンド』、『死の教室』、そして彼が創設した映画学校の生徒による短編作品を上映。2017年に翻訳が出版され話題を呼んだボレスワフ・プルスの小説を映画化した1968年製作の『人形』、ワイダがドストエフスキーの『白痴』を原作に坂東玉三郎を主演に迎えて描く『ナスターシャ』、ロマン・ポランスキー監督がポーランド時代に手がけた短編集など、映画ファン垂涎のプログラムが並ぶ。さらに最新のポーランドも数多く紹介され、本映画祭でジャパンプレミアを迎える。飛行機に乗り合わせた様々な人々の姿を描いた『パニック・アタック』をはじめ、映画祭の監修者スコリモフスキが俳優として出演する『ユリウシュ』、知られざる史実に迫るドキュメンタリー『パラグアイへのパスポートポーランド外交における秘話』などが続々と上映される。会期中には上映だけでなく監督によるトークや、ゲストを招いた上映後解説も予定されており、長年に渡って映画ファンを魅了し続けてきたポーランド映画をさらに深く、多角的に楽しめる内容になっている。ポーランド映画祭201911月23日(土)まで東京都写真美術館ホールで開催中
2019年11月14日映画『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』が、2020年2月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて公開される。“運命の絵”に魅せられた老美術商主人公は、年老いた美術商オラヴィ。仕事一筋に生きてきた彼のもとに、ある日、音信不通だった娘から、問題児の孫息子・オットーを職業体験のため数⽇預ってほしいという依頼を受けることから物語は始まる。その矢先、オラヴィが出会ったのは、オークションハウスで飾られた1枚の肖像画。署名がないもののその価値を確信したオラヴィは、その絵画を手に入れようと資金集めに走る。そのなかで明らかになる、娘親子の過去──絵画に魅せられ生涯を捧げた男と、その家族が見出す“本当に価値のあるもの”が描きだされる。アラヴィが出会った“幻の名画”物語のキーとなる、オラヴィがオークションハウスで見つけた1枚の肖像画。全てがベールに包まれた作品だったが、孫息子・オットーの協力もあり、近代ロシア美術の巨匠イリヤ・レーピンの作品という証拠を掴む。イリヤ・レーピンといえば、19世紀に⽂学のトルストイやドストエフスキー、作曲家のチャイコフスキーなどと並び、近代ロシア美術を牽引した国宝級と称される画家のひとり。そんな“幻の名画”が何故ここにあるのかー?名画に込められた真実が明かされる時、すれ違う家族の秘めた想いが絆を紡ぎだす―。監督にクラウス・ハロ監督を務めるのは、クラウス・ハロ。⻑編のデビュー作でベルリン国際映画祭クリスタル・ベア賞を受賞、過去4作品がアカデミー賞外国語映画賞フィンランド代表に選出され、フィンランドを代表する監督と称される。アカデミー賞のショートリストに選出、ゴールデングローブ賞外国語映画賞にもノミネートされた前作『こころに剣士を』の脚本家と再びタッグを組み、国宝級絵画を多数有するフィンランド国立アテネウム美術館などの全面協力のもと、本作を作り上げた。詳細映画『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』公開日:2020年2月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて公開原題:ONE LAST DEAL監督:クラウス・ハロ脚本:アナ・ヘイナマー出演:ヘイッキ・ノウシアイネン、ピルヨ・ロンカ、アモス・ブロテルス、ステファン・サウク配給:アルバトロス・フィルム、クロックワークス2018年 / フィンランド / シネマスコープ / 95分 / DCP5.1ch / フィンランド語・スウェーデン語・英語
2019年10月27日映画『読まれなかった小説』が、2019年11月29日(金)に公開される。トルコの巨匠 ヌリ・ビルゲ・ジェイランが描く父子の物語映画『読まれなかった小説』を手掛けるのは、前作『雪の轍』で第67回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したトルコを代表する監督 ヌリ・ビルゲ・ジェイラン。今回そんな監督自身の人生も反映させたという本作は、作家を夢見る青年・シナンと、小さな街の教師として平凡に生きる父・イドリスとの関係を描いた親子の物語。まるで正反対の彼らは、互いの気持ちが永遠に交わらぬようにみえたが、意外にもそんな2人を繋いだのは、誰も読むことのなかったシナンの小説だったー。“ジェイラン監督史上、最も美しい映画”第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品である『読まれなかった小説』は、“ジェイラン監督作品中で最も美しい映画”と賞されるほど、芸術的な映像美も魅力の1つ。トルコを舞台にした広大な景色だけでなく、室内の装飾にいたるまで完璧に計算し尽くした美しいフレーミングは、3時間という長編作品であることを忘れさせてくれるほどだ。さらにバッハの旋律や、シナンが訪れる書店に飾られたフランツ・カフカやヴァージニア・ウルフの肖像、チェーホフ、ドストエフスキー、ニーチェら世界中の偉大な作家たちを感じさせ語り口も相まって、崇高な文学のような作品に昇華させている。■あらすじシナンの夢は作家になること。大学を卒業し、トロイ遺跡近くの故郷へ戻り、処女小説を出版しようと奔走するが、誰にも相手にされない。シナンの父イドリスは引退間際の教師。競馬好きな父とシナンは相容れない。気が進まぬままに教員試験を受けるシナン。父と同じ教師になって、この小さな町で平凡に生きるなんて……。父子の気持ちは交わらぬように見えた。しかし、ふたりを繋いだのは意外にも誰も読まなかったシナンの書いた小説だった――。【詳細】映画『読まれなかった小説』公開日:2019年11月29日(金)監督・編集:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン撮影監督:ギョクハン・ティリヤキ脚本:アキン・アクス、エブル・ジェイラン、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン音楽:ミルザ・タヒロヴィッチ挿入曲:J.S.バッハ「パッサカリア ハ短調BWV582」(編曲:レオポルド・ストコフスキー)出演:アイドゥン・ドウ・デミルコル、ムラト・ジェムジル、ベンヌ・ユルドゥルムラー、ハザール・エルグクルほか英題:The Wild Pear Tree配給:ビターズ・エンド
2019年09月05日距離も時間も虚実すら超えた世界を見せてくれる「本」。芥川賞作家の上田岳弘さんと、直木賞作家の島本理生さんが読んできた好きな海外文学作品と、その向こうに広がる世界を語り合います。海外文学を読み始めた頃。島本:小さい頃は海外の児童文学も読んでいましたが、大人向けの海外文学を読み始めたのは中学生の頃ですね。カポーティの『遠い声 遠い部屋』などが好きで、そこからジョン・アーヴィングやカート・ヴォネガットといったアメリカ文学を読むようになりました。日本とは違う土地の広さとか匂い、空気を感じさせるものや、乾いた文体が好きでした。上田:僕は中高生の頃に趣味で海外のファンタジーを読んでいましたが、大学生の時に村上春樹さんが訳したり影響を受けている海外小説を読み始めるというベタな人間で、僕もヴォネガットやカポーティ、フィッツジェラルドを読みましたね。そういえば、春樹さんの『風の歌を聴け』に、デレク・ハートフィールドって作家が出てくるじゃないですか。島本:出てきましたね。上田:彼の作品も読んでみたくて探したら、そんな作家は実在しないっていう(笑)。島本:私も、そういう作家が本当にいるんだって思っていました。上田:あれは、あの頃の文系少年少女がハマるトラップですね(笑)。僕はそれから大学生の時に作家になるために勉強しようと思って、体系的に200冊くらい読んだんです。その時にベーシックなものとしてシェイクスピアやドストエフスキー、ミラン・クンデラなどを読みました。島本:海外のものが多かったんですか?上田:そうですね。夏目漱石も読みましたが海外小説が多かったです。性格的に世界史と日本史だったら世界史を選ぶタイプですし。日本は世界の一部なので、グローバルスタンダードというか、読書も世界の基準に合わせたほうがいいんじゃないかなと思っていました。あまり文体の研究とか今の日本文学に何が起きているかは気にしなかった。今も読むのは海外文学が7割です。島本:上田さんの小説には海外文学の雰囲気があるなと思っていました。少し重力が違うというか、自由な感じがして私、スペインに行く飛行機の中で上田さんの『私の恋人』を読んだんです。それがもう、しっくりきて、それこそ作中の世界の果てまで一緒に行ったような気がしました。上田:ありがとうございます。島本:私自身は海外小説と国内小説の割合は半々くらい。でも文体を学ぶのは海外小説が多かったです。日本の近代文学は私小説が多いですが、私は個人の内面よりも情景描写を書きたくて。それこそ一時はカポーティのような潮騒とかの比喩を書きたくて「さざ波のように」って表現をかなり使いました(笑)。上田:サガンの『悲しみよ こんにちは』は読みました?島本:はい。でも私、サガンよりもマルグリット・デュラスのほうが好きなんですよね…。上田:僕、仕事の必要があって最近読み返したんです。あれって、アラフォーの恋愛を17歳の女の子の目線で描いているじゃないですか。19~20歳で読んだ時は少女の視点で読んだけれど、今読むと40歳のほうの目線になるので、大人たちが打算込みでいろいろやっているのがわかる。17歳からは今の僕もこんなふうに見られているのかな、って怖くなりました(笑)。島本:確かに私も昔、100%少女の視点で読んだので、今読むと感じ方が変わるかもしれない。上田:サガンよりもデュラスが好きというのは?島本:昔読んだ時はサガンの主人公はただ生意気だなと思って。デュラスは同じ恋愛を書くにしても、絶望して達観した中に情熱や官能を秘めている。基本的に恋愛ものは絶望があるものが好きです。上田:絶望のある恋愛もの…。自分好みの海外恋愛小説。島本:上田さんの『私の恋人』もそうですけれど、男の人が一方的に女の人を追いかける話も好きで、アンナ・カヴァンの『氷』は、氷の壁が迫ってくる世界で、超法規的な手段を使って地の果てまで好きな少女を捜しに行っては、フラれてすごすご帰る話。設定の大胆さとリアリティとのバランスが不思議な一冊です。グレアム・グリーンの『情事の終り』は嫉妬深い作家が、自分を振った女性に他の男ができたと思って調べ始める。信仰が絡んでくる話なんですが、キリスト教と恋愛小説の親和性って高いなと感じて、自分も宗教と恋愛というものを書いてみたくなりました。上田:フランスのミシェル・ウエルベックやイギリスのイアン・マキューアンは読みます?この二人は僕にとって、淀んだヨーロッパの2大巨頭なんです。西洋文化はこの500年くらいのトレンドですけれど、今はもう煮詰まっている。その問題を書いている二人ですね。ウエルベックのほうが露悪的で原始的で欲望に忠実。たとえば『服従』はヨーロッパがイスラムのマネーや文化に服従していく話なんですよ。島本:難しいけど面白そう。上田:マキューアンの『土曜日』なんかは、脳神経外科医が認知症の母親をシステマティックに面倒を見たりする様子や、テロの脅威が描かれていく。彼らの作品のように“現実ってこうですよね”と突きつけてくるものが僕は好きだし、影響を受けていると思います。『遠い声 遠い部屋』著:トルーマン・カポーティ訳:河野一郎590円(新潮文庫)『ティファニーで朝食を』などで知られる、戦後のアメリカ文学を代表する作家が、23歳の時に書いたデビュー作。父を捜すためにアメリカ南部を訪れた少年を主人公にして、繊細なその心の内や街の風景を、鮮烈な比喩を用いながら綴った半自伝的小説。『悲しみよ こんにちは』著:フランソワーズ・サガン訳:河野万里子490円(新潮文庫)フランスの女性作家、サガンが18歳の時に発表したデビュー作。17歳のセシルが父と彼の愛人と過ごすコート・ダジュールの別荘にやってきた亡き母の友人、アンヌ。はじめは彼女を慕うセシルだが、父を取られると感じて反発、やがてある計画を思いつく…。『氷』著:アンナ・カヴァン訳:山田和子900円(ちくま文庫)著者はイギリスの小説家で、SFや幻想文学の色の強い作品で知られる。異常気象で寒波が押し寄せるなか、一人の男が異様な執着心で一人の少女を捜し求める。冷たくも美しい氷のイメージの中で、幻想と現実を交錯させながら描き出すディストピア小説。『情事の終り』著:グレアム・グリーン訳:上岡伸雄670円(新潮文庫)第二次大戦直後のロンドン。小説家のモーリスは、知人のヘンリーから妻のサラが浮気をしているのではと相談される。実は以前、モーリスはサラと不倫関係にあり、彼は一方的に別れを告げられた身。サラの今の浮気相手を知ろうと調べ始めるのだが…。『服従』著:ミシェル・ウエルベック訳:大塚 桃920円(河出文庫)センセーショナルな作品を発表し続けるフランスの現代作家の長編。舞台は2022年、極右政党を倒して穏健派のムスリム政党が政権を握ったフランス。文学教授の「ぼく」は、パリを去ることにするが…。テロ、移民といった現実問題を盛り込んだ予言的な作品。うえだ・たかひろ作家。1979年、兵庫県生まれ。2013年「太陽」で新潮新人賞受賞。’15 年『私の恋人』で三島由紀夫賞、今年『ニムロッド』で芥川賞受賞。新作は世界文学的大作『キュー』。しまもと・りお作家。1983年、東京都生まれ。2001年に『シルエット』で群像新人文学賞優秀作に入選。’03年『リトル・バイ・リトル』で野間文芸新人賞、’18年『ファーストラヴ』で直木賞受賞。※『anan』2019年7月10日号より。写真・小笠原真紀取材、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年07月05日劇団「地点」の演出家・三浦基が、来年、ロシア・サンクトペテルブルクの国立劇場「ボリショイ・ドラマ劇場」の依頼を受け、ドストエフスキー作『罪と罰』を演出することが発表された。先駆けて今月5月より、ロシアの劇作家チェーホフの紀行文と短編小説をコラージュした『シベリアへ!シベリアへ!シベリアへ!』と、チェーホフの人気戯曲『三人姉妹』の2本をKAAT 神奈川芸術劇場で上演、その会見が行われた。【チケット情報はこちら】5月27日(月)に初日を控える『シベリアへ!~』は、KAATが2011年の開館当初より地点と共同制作を続けてきた最新作にあたる。1890年にチェーホフが旅した、流刑地だったサハリン島までの道のり。未開の地だったシベリアを横断し、命の危険が伴うなか9か月にも及ぶ長旅を断行した。家族や友人達も驚いたチェーホフの意欲的な旅路について、三浦は「他者と出会うバイタリティが現代の閉塞感を打ち破るエネルギーになれば」と語った。三浦はこれまでチェーホフ戯曲を継続的に上演。本作の舞台化にあたっては、複数名のロシア文学専門家が創作に携わっている。三浦は「やっぱりチェーホフは良い」と改めて言葉にした。会見にはKAAT神奈川芸術劇場の館長・眞野純も登壇、「『罪と罰』の成功のために『シベリアへ!~』が良い布石となることを願っております。ロシアとの交流がうまれる環境をつくっていきたい」と述べた。上演は5月27日(月)から6月2日(日)・7月13日(土)から16日(火)まで。また、7月4日(木)に初日をむかえる『三人姉妹』は、2015年に上演し好評を博した公演の再演となる。そして、新たに発表された『罪と罰』の制作。ロシアの国立劇場が日本人演出家によるレパートリー作品を創作・プログラムするのは、2004年以来だ。キャスティングは今年6月に現地へ行き、オーディションワークショップを実施する。「日本ではなかなか起用できない人数」とのことで、大規模な作品となりそうだ。「(ロシアの俳優は)日本人の身体感覚と全然違う。基本はストレートプレイのリアリズム。それをぶちこわさないと」。上演は2020年6月に同劇場で行うが、先駆けて2~3月に原型となる地点版の公演を、横浜・京都で上演する。これまでロシア作家の作品上演に力を注いできた三浦。「チェーホフとドフトエフスキーの関係において、ドフトエフスキーを読むこと、眺めることはライフワークとしてきた」と述べ、今回の両作家作品に挑む意欲を見せた。「シベリアへ!シベリアへ!シベリアへ!」「三人姉妹」、両公演ともにチケット発売中。取材・文・撮影:河野桃子
2019年05月24日インド古来の伝記を、インド映画史上最大級の製作費を費やした絢爛豪華な映像美で描き、全世界で大ヒットした『パドマーワト 女神の誕生』がついに日本上陸!めくるめく日本版予告編と場面写真が公開された。ストーリー13世紀末、シンガル王国の王女パドマーワティは、西インドの小国、メーワール王国の王ラタン・シンと恋に落ち、妃となった。同じころ北インドでは、叔父を暗殺した若き武将アラーウッディーンが、イスラム教国のスルタン(王)の座を手に入れていた。獰猛で野心に満ちた彼は権勢を広げていく中で絶世の美女、パドマーワティのうわさを聞きつけ、メーワール国に兵を差し向ける。しかし、堅牢な城壁とラタン・シンの抵抗により、パドマーワティの姿を見ることも許されなかった。やがて始まるラタン・シンとアラーウッディーンの誇りと野望を懸けた戦い。圧倒的に不利なその戦に、パドマーワティはある決意をもって臨んでいた…。この度解禁された予告編では、ドストエフスキーの「白夜」を下敷きにした作品や、「ロミオとジュリエット」を原案にした『銃弾の饗宴ラームとリーラ』など、歴史大作を中心に耽美的な映像を追究するインドの巨匠サンジャイ・リーラ・バンサーリー監督が本領を発揮。圧倒的な美しさを見せつける王妃パドマーワティ、狂気さえ感じさせる野望に満ちたイスラム王アラーウッディーン、小国の王ながら高潔さを重んじるラタン・シン。この3人の信念が交錯して、やがて一国の運命を揺るがす戦いとなっていく様を、まるでシェークスピア劇のような重厚さで描きつつ、全編を通してインド映画特有の華麗なダンスシーンはもちろん、当時の建築を再現した壮麗なセットや豪華な衣装、圧倒的な数の群衆シーン、スケール感溢れる戦闘シーンなど、大迫力かつ荘厳な世界を表現。インド映画ファンの間では「黒澤明監督の『乱』のようだ」「暴力的なまでの美」などと称されるほど、絢爛豪華な映像美を映し出している。公開時点でインド映画史上最高となる約30億ドルの製作費が投じられ、絶世の美女パドマーワティの衣装は、一着およそ200万ルピー(約320万円)、重さは30キロに及ぶものも。『トリプルX:再起動』でハリウッド進出も果たし、インド映画界で最も出演料が高額といわれるトップ女優ディーピカー・パードゥコーンは1日12時間もの間、その衣装を着続け撮影に臨んだという。また、アラーウッディーン役を熱演したのは昨年ディーピカーと結婚し、話題を呼んだランヴィール・シン。だが、彼は撮影後、実際の性格や振る舞いにも大きな影響が現れ、元に戻るために精神科医のカウンセリングを受けたとか。500年にわたり語り継がれる、あまりにも有名な伝記の映画化に、インドでは製作段階から注目を集めていたが、劇中でのヒンドゥー教やインド古来の民族ラージプート族の描写に憶測が飛び交い、一部の過激な宗教団体による上映中止運動などが勃発。その話題の高まりもあり、2018年インド国内興収で3位となる約61億円、インド映画の世界興行成績でも歴代10位となる約100億円の大ヒットを記録している。『パドマーワト 女神の誕生』は6月7日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年04月11日ロシアの文豪、ドストエフスキーの世界的な名著『罪と罰』が、2019年新春、三浦春馬さんを主演に迎えて舞台化。今回は主人公のラスコリニコフと心を通わす娼婦のソーニャを演じる大島優子さんにインタビュー!3年ぶり3度目の舞台出演となる本作にかける思いから、30歳を迎えて変化したという心情やライフスタイルまで、幅広くお話を伺います。『罪と罰』は行間からにじむ“人間らしさ”————本作は、世界文学の最高峰とも言われるドストエフスキーの長編小説『罪と罰』が原作ですが、初めて小説を読んだときの印象は?大島優子さん(以下、大島さん):ドストエフスキーの作品は重厚な世界観でかなり読みごたえがあるので、最初に読んだときは正直、心にズドーンと大きな重りが乗ったように感じました。でも、何度か繰り返し読んでいくうちに、それぞれの登場人物の「人間らしさ」が浮かび上がってきて、どのキャラクターにも共感できる部分を見出している自分に気づいたんです。そこからは、ストーリーが格段に面白く感じられるようになりました。——今回演じるソーニャの人物像についてはどのように受け止めていますか?大島さん:家族を養うために、娼婦として体を売って働くという自らの過酷な人生だけではなく、ラスコリニコフの犯した罪までも受け入れて生きる……。ソーニャは、いかなる物事も赦す広い心をもったマリア様みたいな人だと思います。そんな深い慈愛に満ちた女性像を舞台上でどう表現するのか、台詞の中に秘められたソーニャの真意を紐解きながら、これから模索する日々が続きそうです。——これから始まる稽古に先駆け、本作の脚本・演出を手がけるフィリップ・ブリーンさんによるワークショップが催されたそうですが、参加していかがでしたか?大島さん:意外なことに、今回のワークショップでは『罪と罰』の話は一切出てこなかったんです。ワークショップでは、シェイクスピアを題材に取り上げ、その作品への「アクセス」の仕方(演じ方)をレクチャーしていただきました。フィリップさんの指導法は、まずは役者に自由に演技をさせ、それを見てアドバイスをしながら表現を肉づけしていくというやり方なんです。彼の演劇への愛と熱情に圧倒されながら、私自身も息つくことを忘れるくらい、いろいろな感情をくすぐられた2日間でした。フィリップさんから学んだ演劇スキルを、今回の舞台で活かしたいと思っています。三浦春馬さんのストイックさが刺激に——初共演となる三浦春馬さんの印象は?大島さん:三浦さんは、演技に対してとてもストイックな方ですね。舞台上で、力強くラスコリニコフを演じる姿が今から目に浮かびます。先日お会いしたときに、「フィリップさんは僕がとても信頼している演出家だから、安心してついていけば大丈夫だよ!」と心強い言葉をかけてくれました。そんな頼もしい座長とベテラン俳優さんたちの足を引っ張らないよう、まずはこれから始まる稽古を頑張ります!——本作には、「自分にとっての正義とは何か」という深いテーマが潜んでいると思いますが、大島さんにとっての正義とは?大島さん:自分、他者、もの……。何に対しても誠実であることかな。人間だから、その時々の環境の変化によって感情のアップダウンはあるけれど、常に心がけているのは、人や物事に正面から丁寧に向き合うこと。そうすれば、誰も嫌な思いをせずに、気持ちよくお付き合いすることができますからね。——長期間にわたる舞台公演を乗り切るための体力づくりはしていますか?大島さん:1カ月前から筋トレを始めました!三浦さんが役づくりでかなり体を絞られた姿を見て、私のやる気に火がつきましたね。自分でサーキットトレーニングのメニューを組み立てています。例えば、腕立て6回+スクワット12回+腹筋15回を20分間繰り返すというように、自宅で毎日トレーニングをしています。続けるうちに筋肉がついてきたので、これから食事制限もやろうかなと。そう意気込んだ矢先、昨日は好物のラーメンを食べてしまいました(苦笑)。今朝もみっちりトレーニングをしたからチャラになるかな!?——普段から心がけている健康法や美容法はありますか?大島さん:食事では、なるべく炭水化物を控え、野菜を多めに摂るようにしています。美容では、とくに肌の乾燥に注意して、化粧水をたっぷりつけたり、パックをしたり。最近、美顔器を手に入れたので、毎日のスキンケアがより楽しくなりました。いずれも、大切なのは自分に合った方法でストレスなく続けられること。実は、私はフルーツが苦手で、以前は健康や美容のために何とか克服して食べなきゃ!と頑張っていましたが、それがけっこう苦痛だったんです……。苦手なものは無理して受け入れなくてもいいやと、あるとき吹っ切れて、それからは今までよりも自分に優しい考え方ができるようになりました。これまでの20代、これからの30代——10月に30歳を迎えて、価値観やライフスタイルに変化はありましたか?大島さん:30歳になってから、自分のまわりの空気がフワッと軽くなった気がしますね。20代は、いろいろなことに気にしすぎて、わりと窮屈な考え方をしていましたが、最近では良い意味で妥協することを覚えたというか、気持ちの割り切り方が上手くなったと思います。おのずと肩の力が抜けて、心に余裕が出てきました。——周囲をパッと明るくする大島さんの笑顔も一段と輝いていますね!大島さん:ありがとうございます。仕事のときも、友人に会うときも、常に楽しく!を心がけています。そうすると自然と笑顔が溢れてきますね(笑)。——最近、思わず笑顔になってしまうような楽しみはありますか?大島さん:コーヒーを飲んでいるときが幸せですね。昔はあまり飲まなかったけど、海外でおいしいコーヒーに出会ってから大好きになりました。毎朝、良い香りに包まれながら、自分でゆっくりとコーヒーを淹れる時間がお気に入りです。最近、味覚が変わったのか、20代のときには食べなかった甘い物も好きになりました。食べ過ぎは注意ですが、おいしいコーヒーとスイーツの組み合わせを想像するだけで、もう最高!これからは、食でもオトナの楽しみを探求していきたいです。——筋トレにコーヒータイムと、おうち時間も充実していますね。ちなみに、今のお部屋の雰囲気はどんな感じですか?大島さん:インテリアはすべて明るめのウッディカラー、ファブリックはオフホワイトで統一しています。観葉植物やお花も飾って、リラックスできる空間づくりをしていますよ。やはり、ナチュラルな雰囲気が一番落ち着きますね。音楽を聴いたり、録画しておいたバラエティ番組を見て笑ったり、おうち時間も私らしく楽しんでいます。意外にもハンドメイドがお好き!?——LIMIAのユーザーのみなさんは物作りを好まれます。大島さんは何かDIYやハンドメイドはしますか?大島さん:友人と一緒にアロマキャンドルをハンドメイドしました。ウェブで作り方を調べて、何種類かのキャンドルを削って、身体に優しい着色料や化粧品のラメを使ってデコレーションしたんです。自分で何かを手作りするのは楽しいですよね!——最後に、海外渡航後初めての舞台出演作となる本作への意気込みと、2019年の抱負を聞かせてください!大島さん:私自身、脚本を読むたびに毎回違う感情が湧いてくるような奥深いストーリーなので、観てくださる方によって作品の捉え方は変わってくると思います。いろいろな角度から、濃密な人間ドラマを楽しんでいただけると嬉しいですね。観客のみなさんに、舞台上から熱いメッセージをお届けできるよう、私らしくソーニャと真摯に向き合いながら、本番に向けて役づくりを深めていきたいと思います。来たる2019年は、復帰を待ち望んでくださったファンのみなさんをハッピーにできるよう、私自身も楽しみながら、魅力的なお仕事にどんどんチャレンジしていきたいです!公演概要【Bunkamura30周年記念シアターコクーン・オンレパートリー2019DISCOVERWORLDTHEATREvol.5『罪と罰』概要】●原作:フョードル・ドストエフスキー●上演台本・演出:フィリップ・ブリーン●翻訳:木内宏昌●美術・衣裳:マックス・ジョーンズ●会場:Bunkamuraシアターコクーン●上演期間:2019年1月9日(水)〜2月1日(金)●チケット:全席指定S席10,500円、A席8,500円、コクーンシート5,500円(税込)●キャスト:三浦春馬、大島優子、南沢奈央、松田慎也、山路和弘、立石涼子、勝村政信、麻実れい、他『罪と罰』オンライン予約はこちら●インタビュー・文:中山理佐●撮影:土佐麻理子●ヘアメイク:犬木愛(Agee)●スタイリング:百々千晴
2018年12月03日人気アイドルグループ・乃木坂46のメンバーには、実はそれぞれ偏愛するものがあるのだとか。今回は佐々木琴子さんに、自身が偏愛するものについて語ってもらいました。自他ともに認めるアニメ好きの佐々木琴子さん。今ハマっているというロシアを好きになったきっかけも、アニメ作品でした。「フィギュアスケートを題材にしたアニメ『ユーリ!!!on ICE』にロシア人のキャラクターがいたんです。そこからロシアという国にも興味がわきました」さらに、また別のアニメ作品の影響で、ロシア文学への関心も。「『文豪ストレイドッグス』という、世界の文豪が登場するアニメを見ていて、ドストエフスキーの『罪と罰』が気になり、読んでみました。どちらかというと理系なので、小説は大の苦手だったんですけど、好きな2つのアニメに背中を押されるようにして小説も頑張って読みました。結局1年くらいかかっちゃいましたけど…」そして念願かなって、この9月にはプライベートでロシア一人旅に出かける予定なんだとか。「2泊3日でウラジオストクに行ってきます。飛行機で2時間半くらいだし、去年の夏にビザが緩和されて、行きやすくなったんです。本当は好きなキャラの故郷、サンクトペテルブルクに行きたくてガイドブックも買ったんですけど、飛行機で13時間以上かかるし、ビザが取れずに断念しました」初めての海外一人旅となるロシア。楽しみにしていることは?「いま持っているガイドブックにはウラジオストクの情報が3ページしかなかったんですよ(笑)。だから、あんまり調べられてなくて、『鷹の巣展望台』っていう場所が良さそう、ということしか知らないんです。『地球の歩き方』のウラジオストク編がそろそろ届くはずなので、楽しみにしてます」ロシア語も独学で勉強中。旅行でも役に立ちそう?「ロシアのことを調べる時に、ロシア語の原典にあたって読みたいので、2000円くらいの文法の本を読みながら、格変化や活用、発音を学んでます。まだ他の人とは話したことがないから、現地で通じるかはわからないですけど。でも、巻き舌も練習したし、わりといけるような気がします!」ささき・ことこ1998年8月28日生まれ、埼玉県出身。映画『名探偵コナン』をきっかけに、コナン・ドイルの小説を最近読み始めたところ。※『anan』2018年10月3日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・市野佑大ヘア&メイク・PON江原理乃取材、文・森野広明田島太陽(BLOCKBUSTER)池永 亘森 祐介執筆協力・堀田隆大
2018年10月02日展覧会「国立トレチャコフ美術館所蔵ロマンティック・ロシア」が、2018年11月23日(金・祝)から2019年1月27日(日)まで、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて開催される。ロシア美術の殿堂、国立トレチャコフ美術館所蔵のコレクションが来日本展は、“ロシア美術の殿堂”と評されるモスクワの国立トレチャコフ美術館が所蔵する豊富なコレクションより、19世紀後半から20世紀初頭のロシアを代表する作家の風景画、風俗画、人物画、静物画を、自然や人物像に内在するロシア的なロマンをテーマに紹介するもの。帝国崩壊にロシア革命、激動の時代に描かれた“ロシア的なロマン”ロシア帝国崩壊の足音が聞こえ始め、やがてロシア革命を迎える激動の時代であった19世紀後半。この時代に多くの画家たちが大いなるロマンを見出し、絵画の題材としたのが、白樺や樫の木の深い森、雪に覆われた大平原、樹木や草花が芽吹く春といったロシアの大自然だ。それは人々に芽生え始めた郷土愛からなのか、これらの美しい自然とともに、当時の複雑な社会やその厳しい時代を生き抜いた人々、男性たちの目を釘付けにする女性像もまた題材となっている。例えばクラムスコイの《忘れえぬ女(ひと)》は、過去にも何度か来日を果たしている名作であり、本展で最も注目すべき作品の一つ。トルストイの小説「アンナ・カレーニナ」の主人公をモチーフにしたとも指摘されており、後述する19世紀後半のロシア文化の発展、そして“ロシア的なロマン”を象徴する作品と言えるかもしれない。激動の時代で隆盛を見たロシア美術界この時代のロシア文化について、チャイコフスキーやムソルグスキーといった作曲家、トルストイ、ドストエフスキーに代表される文豪は日本でもよく知られているが、美術の分野でも多くの才能を排出している。制約の多い官製アカデミズムに反旗を翻す形で、クラムスコイら若手画家たちが、ありのままの現実を正面から描くことを目指した「移動派」を組織した一方で、モスクワ郊外・アブラムツェヴォのマーモントフ邸に集まったクズネツォフ、レヴィタン、コローヴィンらは、懐古的なロマンティシズムに満ちた作品を多く残す。注目すべきは、いずれのバックグラウンドにも、“祖国に対する愛”という共通点があることだろう。今注目を集めるロシア的なカルチャー最も近い話題では、サッカーワールドカップの開催地として注目を集めているロシアだが、近年のファッション・カルチャー界ではコム・デ・ギャルソン(COMME des GARÇONS)の川久保玲に見出されたゴーシャ・ラブチンスキー(Gosha Rubchinskiy)が大いに活躍しているほか、ロシア革命と共に発展したロシア・アヴァンギャルドのデザインの世界が注目を集めるなど、その文化的な側面が再評価されつつある。そんな今、“ロシア的なロマン”に思いを馳せながら、ロシア美術の殿堂と評される、国立トレチャコフ美術館所蔵の名作の数々を鑑賞してみてはいかがだろう。開催概要展覧会「国立トレチャコフ美術館所蔵ロマンティック・ロシア」開催期間:2018年11月23日(金・祝)〜2019年1月27日(日)※2018年11月27(火)、12月18日(火)、2019年1月1日(火・祝)のみ休館。開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム入館料:一般 1,500円(1,300円)、大学・高校生 1,000円(800円)、中学・小学生700円(500円)※( )内は前売・団体料金。※学生券購入の際は、学生証の提示が必要。※障害者手帳の提示で割引料金あり。詳細は窓口にて。チケット販売期間:<前売券>2018年9月15日(土)~2018年11月22日(木) 予定<当日券>2018年11月23日(金・祝)~2019年1月27日(日)チケット取扱:<前売券>チケットぴあ、ローソンチケット、セブンチケット、e+(イープラス)、他主要プレイガイド
2018年07月20日音楽家の椎名林檎、演出振付家のMIKIKO、そして小説家の西加奈子というトップクリエイターの3人が、初めて旅番組に挑戦した「猫にまた旅 ~椎名林檎・MIKIKO・西加奈子 ロシアを行く~」が、6月30日(土)に放送されることが決定した。今年デビュー20周年を迎え、書き下ろしたドラマ「カルテット」の主題歌が話題になったことも記憶に新しい椎名林檎、「Perfume」「BABYMETAL」など様々なアーティストの振付を手掛けるMIKIKO、そして、「まく子」が実写映画化されることも決定している直木賞作家・西加奈子。プライベートでも親交を深める彼女たちが訪れたのは、帝政ロシアの都として栄えたサンクトペテルブルグ。歴史と芸術に彩られた美しい街で、“3人の猫娘たち”が“芸のこやし”をハンティング。クリエイターならではの視点で、古都の魅力を掘り下げていく。番組内では、ロシアの伝統楽器「バラライカ」のバンドアンサンブルを体感したり、世界5大バレエ団として名をはせる「マリインスキー・バレエ団」に潜入したり。またロシアの文豪ドストエフスキーの家の訪問など、3人の創作に通ずるシチュエーションが満載。ほかにも、世界の猫・ロシア編として、ロシアンブルーのブリーダーを訪ね、ロシアの一般家族の夕食に突撃も。もちろん、エルミタージュ美術館をはじめとする名所も周る。「猫にまた旅 ~椎名林檎・MIKIKO・西加奈子 ロシアを行く~」は6月30日(土)23時5分~NHK総合テレビにて放送。(cinemacafe.net)
2018年06月19日レバノン出身の劇作家ワジディ・ムワワドが執筆し、数々の演劇賞に輝いた『炎 アンサンディ』に続き、上村聡史が演出を手掛ける『岸 リトラル』が東京・シアタートラムで上演される。舞台『岸 リトラル』チケット情報生きる意義を見いだせない青年・ウィルフリードと自らの死を受け入れられない父親・イスマイルの魂が、死体を埋葬すべき場所を求めて旅するさまを描く本作。ウィルフリードの死んだ母親や父子が旅路で出会う“歌う娘”など4役を演じるのが、上村作品初出演となる中嶋朋子だ。8年前に初めて本作を読んだという上村。改めて本を読み返し「荒唐無稽に突っ走りながら、古代と現代を行き来するような叙事詩のような質感が面白いと感じた」と明かす。『炎~』を含めたムワワドの“「約束の血」四部作”の第一作目に位置づけられ、作者が28歳の時に書いた作品だが、いま読んで、強く感じたのは若さゆえのエネルギーだという。「何かを創造し、世界を変革するには、このエネルギーは必要なんだと感じました。個人史的な部分から、大きな歴史――『オイディプス王』からシェイクスピアの『ハムレット』、ドストエフスキーの『白痴』まで様々なモチーフを抱えながら、大きな物語に展開していく。いまだからこそ、それをやりたいと思った」中嶋は、上村の舞台を観て「個人的で、でもすごく大きな物語があると思う」とムワワド作品と重なるものを感じているようだ。中東の荒野で展開する壮大な物語に圧倒されつつ、ワクワクした気持ちも抱いている。「『炎~』もそうなんですが、どうやって稽古から作っていったの? と感じさせるんです。今回、オファーをいただいて、掴み切れないような大きさを感じつつ、でも『あぁ、演劇するってそういうことなんだ』とどこかで思わせてもらいました。いまは『上村さんにすごい切符をもらったぜ!』と思ってます(笑)。私にとって新たな格闘のスタイルになると思うし、地球の硬い核のような深い部分まで掘り起こさないといけない何かがあるはずで、そこに触れた時、私はどうなるんだろう? という気持ちです。いまはまだ、全く想像がつかないですけど、生命として海から陸に上がって、肺呼吸になるくらいの変革、衝撃があるんじゃないかと思ってます」そんな中嶋に対し、上村は彼女の発する声、言葉に特別な“何か”を感じたという。「言葉が美しいんですよね。リアルなお芝居でも古典でも、発語された言葉が透明感をもって伝わってくる。愛することや憎しみ、その葛藤や、静謐さが時に荒々しさをもって、中嶋さんの声を通して伝われば」と期待を寄せる。その発言を受けて中嶋は「未知数です」と苦笑しつつ、歌で世界を変えようとする難役に対し「彼女の歌は歌唱というより、魂の響き。だから、きっと大丈夫」と語る。「俳優の身体を通した言葉に明かりを当てる」――。これは上村が信頼を置く照明の沢田祐二に言われ、自らの核としてきたという言葉。中嶋の歌声がどんなパッションを帯びて発せられるのか。楽しみだ。公演は2月20日(火)から3月11日(日)まで。取材・文:黒豆直樹
2017年12月28日仕事や恋愛への情熱が人を突き動かす原動力ではあるものの、人生においてはそれが苦悩の種になることもしばしば。そこで、そんな思いを経験したことのある女子にオススメしたいのは、芸術と愛に人生を捧げたひとりの天才彫刻家の半生を描いた注目作。それは……。没後100年記念作品となる『ロダンカミーユと永遠のアトリエ』!【映画、ときどき私】 vol. 1231880年、長い下積み生活を送っていた彫刻家のロダンは、初めて国から大きな仕事を発注され、精力的に創作活動に取り組んでいた。完成すればパリに建設予定の国立装飾美術館の庭に設置される壮大なモニュメントになることが決まっていたが、思うように構想がまとまらず悩める時期を過ごすことに。そんなとき、美しく優秀な弟子のカミーユ・クローデルと出会ったロダンは、内縁の妻であるローズがいるにも関わらず、カミーユに夢中になってしまう。師弟関係を越えて愛し合ってはいたが、ロダンは2人の女性の間で優柔不断に揺れ動くことになる。さまざまな葛藤と苦悩を抱えたロダンを待ち受ける運命とは……。「考える人」をはじめ、日本でも高い人気を誇る彫刻家のロダン。その名を知ってはいても、彼が送った波乱に満ちた人生については、まだまだ知らないという人も多いはず。そこで今回は、この映画を制作するにあたってロダンを調べ尽くしたある方にお話を聞いてきました。それは……フランスが誇る名匠ジャック・ドワイヨン監督!『ポネット』など、これまでに数々の名作を生み出してきているドワイヨン監督ですが、今回はロダン美術館から提供された膨大な資料を読み解き、新たなロダン像を生み出していると高く評価されています。そこで、監督から見たロダンの真実や女性に対する愛について語ってもらいました。今回、劇中で再現されているアトリエや当時の空気感は、まるでタイムスリップしたかのようなリアルさで映し出されており、その世界観には誰もが引き込まれてしまうはず。本作を演出するうえで、こだわったところは?監督この作品では、クリエイションの部分が他の伝記映画よりも重要になるということは最初からわかっていたんだ。というのも、ロダンとカミーユが出会ったのは仕事のためであり、そのなかでお互いの創作に対する愛が2人を結びつけていたからなんだよ。あと、今回は映画の半分以上をアトリエのシーンにしたんだけれど、それはロダンにとってアトリエがすべてのことが起きる場所だったから。それに、もし町のシーンを撮ったとしたら、馬車や発明されたばかりの初期の車を走らせたりしてものすごく予算がかかるうえに、おもしろくもなく時間を無駄にしてしまうと思ったからなんだよ。実際、ロダンは仕事のことしか考えていない人で、アトリエの外では内気で口数が少なく、何もしていないんだ。ロダンは傲慢で自分勝手なところがあるものの、一方ではすごく情熱的で仕事に対しても一切妥協しないという男性。そんな姿に女性たちが次々と魅了されてしまうのは女性目線からすると思わず納得してしまうところ。では、監督から見たロダンはどのように感じましたか?監督1900年当時、ロダンはフェミニストたちからとても支持されていたんだ。というのも、ほかの彫刻家たちが男性の彫刻作品を作るなか、ロダンは女性像を作るようになっていて、「女性の官能性を引き出せたのはロダンだけ」といわれたほど。つまり、デッサンや彫刻で女性の体をデリケートに表現していたことを高く評価されていたんだ。彼は絶えず女性に囲まれた女好きの男性でかなり性欲が強く、女性と関係を持たずにはいられなかったところもあったけれど、女性は男性の召使いではなく、自立した存在であることをロダンは理解し、女性を崇拝していたんだよ。1989年に『カミーユ・クローデル』という作品がヒットしたことで間違ったロダン像が生まれてしまったと僕は思っているんだけど、彼こそが女性の官能性の擁護者だったと感じているよ。ロダンにとって創作の源は女性への愛ですが、監督も共感するところはありますか?監督テレビや長編などいままでに30本以上の作品を作っているけど、僕にとっても創作の源はやっぱり女性、それから子どもだと思うよ。というのも、長い間男性の役を脚本に書くのもつらかったくらい、男性は僕にインスピレーションを与えてくれなかったからなんだ。ただ、フランスでは70~80年代に男性の友情を描く映画が多くなって、仕事で2人の男性を撮ったことはあったけど、僕は基本的に男性を主人公にした作品はできないんじゃないかとも思っていたんだよ。以前、ドストエフスキーの小説をもとにした作品を手掛けたときも、原作では2人の男性の話だったのに、それを2人の女性の話に変えて撮ったくらいだからね(笑)。だから、数えたことはないけど、自分の作品の主人公の数は男性よりも女性のほうが圧倒的に多いんじゃないかな。そんなふうに昔から女性に対しての意識は強いほうだったのですか?監督打ち明け話というか罪の告白になるんだけど、実は子供時代は男性が怖く感じていて、何とかして女性のお気に入りになろうとずっと努力していたんだ。つまり、母親だけでなく、祖母や親戚のおばさんたちや女性のいとこたち、それから小学校の女性の校長先生や女性教師たちなど、彼女たちのひいきの子になって男性たちとまったく関わらなくて済むようにしていたんだよ(笑)。それから、僕は4人の娘がいるんだけど、実は父親としても息子が生まれることがすごく怖かったんだ。だから、長女が生まれるときに「絶対女の子じゃないと嫌だ!」と思っていて、2人目も3人目も4人目も同じふうに思っていたんだよ。ただ、僕にとって5人目の子どもをパートナーの女性が妊娠したときは、「今回は男の子でも悪くはないな」と思っていたら息子が生まれたんだけど、ほとんどロダンと同じだよね(笑)。ロダンの奔放な愛も描かれていますが、日本の女性にどのように受け止めて欲しいかメッセージをお願いします。監督まず、これは1世紀半近く前のいまとはまったく別の時代の話だということ。風俗や習慣やメンタリティもそのときとは変わってきているから、その当時の官能性やセクシュアリティに対していまの道徳を持ち込んで良い悪いの判断を下すのはおかしいことだよね。だから、我々には理解できない部分があって当然だと思うし、理解するのは不可能なんじゃないかな。ロダンの場合には30~40人くらいの女性がいたけど、詩人のビクトル・ユゴーなんて日記を見ると、1日に1人くらい女性がいて、ものすごい数の女性と関係を持っていたんだよ。というのも、当時の結婚というのは家族同士の話し合いでなされるお見合い結婚だったので、結婚生活のかたわらに別の恋愛を並行させて浮気をするのは当たり前の時代だったんだ。いまでいうと、ものすごい有名人でロックスターのような存在がロダンなんだけど、たとえばアメリカでも日本でも同じように、巡業に行くと毎晩違う女の子が押し寄せてくるのは当たり前のことだよね。だからといって、「自分の子どもたちにそのスターのコンサートを聴きに行くな!」とか、その人を呪ったりすることはできない。だって、普通の人ではないわけだから。それと同じよう話でもあるから、これはロダンの名誉のためにも言っておくことにするよ(笑)。知られざる真実から愛と人生の意味に迫る!愛情や憎しみ、そして創造が生まれる瞬間を目の当たりすることができる本作は、誰の心も揺さぶるはず。数々の傑作の裏に秘められた官能的で情熱的な天才の生きざまを体感してみては?胸を打つ予告編はこちら!作品情報『ロダンカミーユと永遠のアトリエ』11月11日(土)より新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマほか全国公開!配給:松竹=コムストック・グループ© Les Films du Lendemain / Shanna Besson
2017年11月09日『ラブホの上野さん』でもおなじみ!Twitterで20万人以上のフォロワー数を誇るラブホスタッフ上野さんが、アニメや漫画、文学作品から学び取れる、現実世界でも通用する"モテの極意"を解説します。参考になる点も、反面教師にしたい部分も、上野さんならではの冷静な目線でズバズバ切り取ります。オタクにモテるだけじゃない、普遍的なモテの真髄がそこにあるはず…!?■第1回『罪と罰』さて、今回はドストエフスキー著『罪と罰』から学ぶ恋愛のテクニックということでコラムを書かせて頂くのですが、そもそも『罪と罰』とは何ぞやという方が圧倒的多数かと思います。読んだことがない方でもお楽しみ頂けるように、あらすじについてお話しながら恋愛テクニックをご紹介させて頂きたく思います。■ハードルを越えられないあなたへそもそも、このコラムの目的は恋愛テクニック云々というわけでもありません。それより、罪と罰を読んでみたいけど「比較的厚めの文庫本2冊」「名前がロシア語で覚えにくい」「独り言が多すぎてとんでもなく読みにくい」「そもそもテーマが重すぎてわかんない」という数多くのハードルのせいで手を出せていない方に向けて書かせて頂きました。このコラムをお読み頂ければきっと明日から「『罪と罰』?ああ、それってこういう話でしょ?」とドヤ顔が出来ることと思いますので、皆様ぜひお気軽にお楽しみくださいませ。■『罪と罰』はデスノート×ギャルゲーまず、『罪と罰』という作品を一言で説明すると「デスノート×ギャルゲー」で御座います。つまりものすごく簡単に『罪と罰』を解説すると「夜神月っぽい主人公※1と、Lっぽい警察※2が頭脳戦を中心に戦い、ついでに可愛い女の子が3人も登場する話」ということ。主人公ラスコーリニコフのこと。母親は彼のことをロージャと呼ぶので紛らわしい。「優秀な人間は人を殺す権利がある」という理念のもと、金貸しの老婆を殺す。ただし夜神月と比較すると、1人目を殺した時点で精神を病むので、悪役になりきれない人間らしさがある。ポルフィーリー・ペトローヴィチのこと証拠もないのに心理でラスコーリニコフを追い続ける名(迷)刑事なんと別の犯人が自首しても「あいつは偽物。お前が犯人だ」と諦めない。本作きっての変人。「放っておくと、賢い犯人は不安になって勝手に飛び込んでくる」は至言それでは早速この3人の可愛い女の子をご紹介させて頂きます。■優しすぎ&献身的すぎる妹キャラ1人目はドゥーニャ(本名アヴドーチヤ・ロマーノヴナ・ラスコーリニコワ)見ての通り本名はとんでもなく長く覚えにくいのですが、このコラムでは「ドゥーニャ」で統一させて頂きます。ドゥーニャは主人公のラスコーリニコフの妹で、家族のために大富豪のおっさんのところに嫁ごうとする献身的な女性です。また嫁ぐ前にも、ラスコーリニコフの学費を稼ぐべく家庭教師をするなど、兄のために体を張ってお金を稼ぐ妹です。ちなみにそんな妹の努力もむなしく「学費滞納」でラスコーリニコフは大学を退学になりますし、せっかく家族のために嫌々大富豪と結婚を覚悟したにも関わらず、その大富豪と兄のラスコーリニコフが喧嘩をして婚姻は破談。びっくりするほどクズな兄に対して物凄く優しい妹、それがドゥーニャです。2人目の女性ナスターシャとは… 続きは明日プロフィールラブホスタッフ上野さん豊かな知見と人間観察眼をもとにした悩み相談への深みある回答が人気を集め、Twitterのフォロワー数は20万以上を誇る。漫画『ラブホの上野さん』(漫画:博士/原案:上野)の原案もつとめ、書籍は現在4巻まで発売されている。同漫画は2017年1月よりフジテレビ系にて本郷奏多主演で連ドラ化。
2017年10月07日こんにちは。ママライターのあしださきです。突然ですが、皆さんに質問です。最近美しいものを見て心を動かされたことはありましたか?「美は世界を救う」ロシアの小説家であり思想家である、ドストエフスキーが残した言葉です。暗いニュースが毎日流れる現代社会の中で、この言葉の示す通りその美しさで世の女性を救っている(彼女たちに生きがいを与えるほどに心酔させている、という意味で)男性たちがいるのをご存じでしょうか?2次元でもなく、3次元でもない。“2.5次元”という活躍のフィールドを新たに生み出し、その美しい容姿、話し方、歌声で多くの女性ファンを獲得している「2.5次元俳優 」の魅力を、今回はご紹介したいと思います。●2.5次元俳優ってどんな俳優さん?・漫画やアニメ、ゲームを元にした舞台(主にミュージカル)に出演する俳優。・これまでは2次元(漫画などの中)に存在していたキャラクターを、(1)高い演技力 (2)圧倒的歌唱力 (3)魅力的な容姿 の3本柱をもって完璧なまでに舞台上で演じきる、まだメジャーになっていない若手俳優。●美しくて当然! さらに、原作ファンをもうならせる“憑依系”であることが必須これは、2.5次元俳優ファンの方が各方面でおっしゃっていることですが、彼女たちは「原作への愛」が半端じゃないんです。漫画は何百回と(あるいはもっと)読み、アニメ化されたものも総チェック。登場人物のセリフの一言一言まで暗記しているなんてザラなんだとか。『自分の大好きなキャラクターが実際の人間として動き、話し、歌う姿をただ見るためにこんなに入れ込んでいるんじゃない。キャラそのものになっていて欲しい』(20代女性/看護師)というのが、彼女たちの意見。完璧にそのキャラクターを自分のものにしていてくれないと嫌 なわけです。つまり、役が完全に“憑依”したかのような仕草、振る舞い、話し方が大事。そのためには、俳優自身もその原作への愛を十分に観客にアピールできないとダメなのです。このような高すぎるハードルを悠々と越えてきた俳優さんのみが与えられる、「2.5次元俳優」というポジション。●舞台の魅力は“一期一会”の出会い私のような無知な主婦(しかも若くはない30代)にとってみると、足を運ばないと見られない“敷居の高さ”を感じるミュージカルや舞台。また高額なチケット代も、世間一般の感覚との差を感じてしまうポイントになるのです。趣味にしてはコストがかかりますから。ただ、今は動画配信サービスが充実し、誰もが広く利用できる環境になりました。自宅に居ながら好きなドラマや映画も手軽に楽しむことができますよね。では、なぜあえて舞台なのでしょうか。そこには、舞台にしかない“一期一会”の出会いが待っている から。2.5次元俳優の魅力を語る上で欠かせない、最高のエッセンスがこの“一期一会”。『生の舞台は1度として同じ回はないです。アドリブやその日の空気も全然違う。俳優さんと観客が一体感をもって舞台を完成させている実感が味わえるから好き』(20代女性/会社員)これが2.5次元舞台の最大の魅力でしょうか。●まだメジャーになっていない若手俳優さんじゃないと出せない“萌え”多くの2.5次元俳優の皆さんは、まだテレビや映画にバンバンでまくっているような方ではないということに、お気付きでしょうか?『2.5次元って、すでに売れている俳優さんがやってしまうと「何か違う」という感じだと思います。まだ発掘されていない原石のような若手俳優さんがキャラクターそのものになってくれる。それに“萌える”ファンが多いと思います』(30代女性/主婦)すでに何かの役で認知され、イメージが付いてしまった俳優さんではなく、“原石”の俳優に萌える のですね。本当に奥が深い!----------いかがでしたか?私は実はまだ2.5次元ミュージカルは見たことがありませんでした。しかし、今回の調査でかなり興味がわいてきて、これからもしかしたらハマっていくこともあるかもしれないな、と感じています。皆さんもぜひ、この奥深き、美しい世界を覗いてみませんか?●ライター/あしださき(元モデル)●モデル/坂井由有紀(央将くん)
2017年02月13日●宝塚とジャニーズの共通点1980年に発売された村上龍の小説『コインロッカー・ベイビーズ』(講談社)。発行から36年の時を経て、このたび舞台化される。乳児の頃にコインロッカーに残された青年・ハシを橋本良亮(A.B.C-Z)、キク役を河合郁人(A.B.C-Z)が演じる。昆夏美やシルビア・グラブといったミュージカル界の実力者、更にはROLLYや芋洗坂係長など豪華なキャスティングで一体どのような世界が展開されるのか。脚本・演出を務めた木村信司は、宝塚歌劇団に所属し、ふだんは「清く、正しく、美しく」を信条に舞台を作り上げている。今作にかける思い、宝塚との違いなどについて、改めて話を伺った。○宝塚では絶対にできない脚本にチャレンジした――木村さんは宝塚歌劇団の演出家ですが、今回はなぜ『コインロッカー・ベイビーズ』に関わることになったのでしょうか?頼まれて書いたわけではなかったんです。自分は宝塚をすごく愛していて「清く、正しく、美しく」という教えのもとに頑張っているのですが、「宝塚では絶対にできないような脚本を書けるんだろうか」という思いがあり、一番遠い題材を考えたときに、この作品が浮かびました。原作が出版されたときには面白いSF小説として読んだんですが、21世紀になった時に読み返して、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』と共通するところがあるなと。「僕たちを殺すな、生き残る。もう一度現れる」という子供の叫びを聞いた気がして、脚本に起こしました。2001年頃の話です。――書いたものを形にしようと動き始めたのはいつからですか?いろいろな伝手を使いまして、5年前、村上先生の手元に脚本と企画書が届きました。それから10日も経たないうちに、ぜひやってほしいという話が来まして、びっくりしましたね。「条件もそちらの思うように」というお話でした。あとになってから知ったのですが、映画界では常識となっているくらい難攻不落の著作権だったそうです。舞台化が動き出したのは、村上先生に「やってよろしい」と言っていただけたことがすべてでした。――そこはやはり脚本の力が大きかったのでしょうか。もし感じ取ってもらえたものがあったとすれば、熱だったんだろうなと思います。○その瞬間、輝くことに命をかける――主演がジャニーズの方で、木村さんは宝塚の方ですが、宝塚とジャニーズの違いは感じますか?共通点を話した方が早いかもしれません。一番の共通点は、皆、良い子だということです。舞台には正直に人柄が出てしまいますし、何を隠していても根底が出るので、見ているとよくわかります。うちのタカラジェンヌたちと同じ情熱をもって舞台にかける男の子たちだと思います。――パフォーマンスの点などではいかがでしょうか?その瞬間輝くことに命をかけるようなパフォーマンスは、共通しているところかもしれません。スキルはもちろんですが、一瞬一瞬にかける情熱が、より大きな魅力になっています。――主演のお二人の印象はいかがですか?公演も何回か見せていただいて、ジャニーズ事務所が手塩にかけて育て上げた舞台の申し子達だなと思っています。河合くんは、口調からも感じられますが、ガッツがありますよね。橋本くんは、見た目もロマンティックじゃないですか。先日の製作発表では、シルビアさんを自然とエスコートしていて、女の子がぽーっとなるのは無理もない(笑)。ライブでお客様にアピールすることをずっと勉強してきた2人ですから、これから脚本に2人の想像力を加えて、冒険していけることを楽しみに思っています。やりたいことはミーハーなこと。河合くんの曲にガッツがあった、橋本くんクールだったね、昆ちゃん可愛かった、シルビアさんの歌が心にしみた。そういったミーハーをつなぎ合わせて、お客さんに喜んでもらえるものを作りたいと思います。●入るまで、宝塚を観たことがなかった○脚本・演出家を目指したきっかけ――木村さんご自身についてお聞きします。脚本・演出家を目指したきっかけについて教えて下さい。脚本を書こうと思ったのは、小田島雄志先生訳のシェイクスピア全集を全部読んだことがきっかけなんです。それまでもずっと小説などは書いていたのですが、自分はリアルな話よりも、ロマンティックな物語に資質があるのではないかと思っていました。そこへシェイクスピア全集を呼んで「脚本家だ!」と。実は僕、少し変わった経歴なんです。"引きこもり"なんて言葉もない時代でしたが、大学に入る前の3年間、本ばかり読んで過ごしていました。シェイクスピア全集を読んだことによって、「ぜひ大学で勉強したい」と受験して、合格して入学したあとはずーっと脚本を書いていました。――そのころから、宝塚歌劇は視野に入っていたのですか?実は、入るまで観たことがありませんでした(笑)。就職活動時に台本を送ったところ、試験に通ったのですが、最初に上演された『扉のこちら』と言う作品は、宝塚を観ないままに書いた試験台本そのものなんです。宝塚歌劇について知っていたのは「男役さんという、素敵な人がいるらしい」ということだけ。イメージする素敵な人を主人公で書いてみたら通ったので、やはりもともとロマンティックな要素を持っていたのではないでしょうか(笑)。――宝塚以外の作品も書いていらっしゃるんですね。時間があくと腕が落ちて来ますので。上演するあてもないままに書いている作品も、今4~5作はありますね。これからの宝塚のためのプレゼンとして書いているものもあれば、「これは宝塚でできない」と思って書いたものもあります。アスリートと一緒で、日々の研鑽ですね。○単に観劇ではなく、経験として残るものに――宝塚歌劇団の演出家の方も、宝塚歌劇以外の外部の公演の演出をされたり、活躍されていますね。宝塚には、優秀な脚本家・演出家がたくさんいます。外部舞台に出すのは、他流試合で腕を磨いて、戻ってきたときにその経験を活かして、仕事に励んで欲しいということじゃないかと思うんです。やっぱり一定期間は人材を外に出すことにはなりますので、勉強の一貫ととらえているのではないかなと。――留学のようなイメージでしょうか。脚本家同士、演出家同士など内部の交流はあるのですか?タカラジェンヌも含めて、スタッフ皆が家族なんです。宝塚という家に住んでいます(笑)。――今回の作品は「清く、正しく、美しく」とはかなり離れた世界観ですが、演出プランの違いは出てきますか?「清く、正しく、美しく」は宝塚では絶対に外せない、大切な教えですが、僕自身の役者に対するスタンスは、宝塚で演出するときと変わりません。これまでもモーニング娘。と『リボンの騎士』、声楽家団体「二期会」と一緒に『シューベルト』など外部舞台の経験がありますが、スタンスを変えたことなく、裸のままでいって、可能性を探っていきます。――客層の違いは意識されますか? 今回は舞台を観慣れている方も多いのかなと思います。幕が開くまで、どんなお客様がいらっしゃるのかはわかりませんから。宝塚にしても、大劇場と地方公演では変わってきますから、見慣れている・見慣れていないということではなくて、お客様に何か一つの経験として残るものにしたいと思っています。単に観劇ということではなく、Experienceとして、という気持ちはありますね。音楽劇『コインロッカー・ベイビーズ』公演日程:2016年6月4日~2016年6月19日会場:赤坂ACTシアター原作:村上龍脚本・演出:木村信司音楽:長谷川雅大出演:橋本良亮(A.B.C-Z) 河合郁人(A.B.C-Z)昆夏美 シルビア・グラブ 真田佑馬 芋洗坂係長 ROLLY
2016年05月18日2015年にピースの又吉直樹さんが『芥川賞』を受賞し世間を賑わせましたが、それを機に雑誌やテレビで読書好きな芸能人がおすすめの本を紹介する機会も増えました。こうした影響により、それまで本に興味がなかった人たちの中でも、読書に興味を持つ人が増えてきたように思います。読書好きな男性は知的に見えますし、話題も豊富。会話を通して、自分の世界をどんどん広げていってくれそうですよね。そこで恋愛jpでは、女性読者のみなさんに「一緒に書店デートしたい“読書男子”芸能人は?」というアンケートを実施してみました。その結果をランキング形式で発表したいと思います。中には、「え!この人も読書好きだったんだ!」という方もいるかもしれません。意外な素顔に、好感度もアップしちゃうかもしれませんよ。●女性に質問! 一緒に書店デートしたい“読書男子”芸能人は?・1位:岡田准一(V6)……17%(56人)・2位:斎藤工……16%(52人)・3位:又吉直樹(ピース)……14%(46人)・4位:櫻井翔(嵐)……11%(36人)・5位:向井理……9%(31人)・同率6位:若林正恭(オードリー)……7%(24人)・同率6位:坂口健太郎……7%(24人)・8位:千葉雄大……7%(23人)・9位:水嶋ヒロ……5%(17人)・10位:堺雅人……5%(15人)・11位:中居正広……3%(9人)※有効回答者数:333人/集計期間:2015年1月6日~2015年1月11日(恋愛jp調べ)●第1位:岡田准一(V6)1位はV6の「岡田准一さん」で、17%(56人)という結果でした。ファンのあいだでは読書好きとして有名な岡田准一さん。女性ファッション誌『MORE(モア)』2014年1月号(2013年11月28日発売)では、『今、薦めたい“永遠の10冊”』として、司馬遼太郎・著『燃えよ剣』、ドストエフスキー・著『カラマーゾフの兄弟』など、自身の愛読書を紹介していました。『ルックスは文句なしにカッコいいし、趣味も幅広いから一緒にいて退屈しなそう。カッコいいだけじゃなくて中身もしっかりある感じがいい』(20代女性/事務)岡田さんは読書だけでなくクラシックや骨董にも精通 しているのだそう。さらに、武術のインストラクター資格を持っていたり、本格的な登山もしていたりと、幅広い知識や教養、経験を持っています。そんな人とのデートであれば、書店デートに限らずいつも刺激的なデートが楽しめそうですね。●第2位:斎藤工続いて2位に選ばれたのは「斎藤工さん」で、16%(52人)でした。1位の岡田さんとはわずか4票差!イケメン俳優として大人気の斎藤工さんも読書好きの一人。総合文芸誌『ダ・ヴィンチ』の運営するサイト『ダ・ヴィンチニュース』では、『一本の映画を観るより一冊の本を読んだほうが内面に養分を蓄えられる気がする』と語っていました。『色気があって知的で……繊細な感じも大好きです!ぜひデートしたいです!』(30代女性/看護師)読書を通して内面を構築していく という斎藤さん。書店デートだけでなく、おうちデートでまったり読書をして感想を伝え合う、なんてことも楽しいかもしれませんね。●第3位:又吉直樹(ピース)3位にランクインしたのはピースの「又吉直樹さん」で、14%(46人)でした。いまやすっかり「芥川賞作家」としてもおなじみの又吉さん。単なる読書好きにとどまらず、自分でも小説『火花』を書き芥川賞を受賞してしまうのだから本物です。バラエティ番組でも“読書芸人”としておすすめの本を紹介していましたが、町田康・著『人間小唄』、村上龍・著『コインロッカー・ベイビーズ』、西加奈子・著『漁港の肉子ちゃん』、ねじめ正一・著『長嶋少年』など、読書慣れしていない人でも抵抗なく読み進められそうなラインナップにリアリティがあり、好感を持ちました。『いろんなことを教えてくれそうだし、一緒にいて癒されそうな雰囲気が好き。何気におしゃれなところも高ポイントです!』(20代女性/営業事務)又吉さんはファッションセンスの良さ も女性から人気。一緒に好きな本を買っておしゃれなカフェで読書を楽しむ……なんて過ごし方も絵になりそうです。----------いかがでしたか?塩顔王子として人気の坂口健太郎さんや、甘いマスクで若い女性を中心に人気の千葉雄大さんも読書好きなんですね。イケメン揃いな中で、芸人でありながら3位にランクインした又吉さんや、6位にランクインしたオードリーの若林さんは快挙と言えそうです。読書に興味がなかった方も、自分の好きな芸能人がおすすめしている本を読んでみると、読書の魅力にハマるかもしれませんよ。【参考リンク】・【アンケート結果(1位~11位)】女性に質問! 一緒に書店デートしたい“読書男子”芸能人は? | 恋愛jp()
2016年01月15日●日本は今、チャンスの時期自動家計簿・資産管理サービスや、ビジネス向けクラウドサービスなど、お金に関するプラットフォームを開発・提供しているマネーフォワードは、11月22日に品川インターシティホールで「Money Forward お金のEXPO2015」を開催した。1500人分のチケットは完売となり、世の中の「お金」に対する関心の高さを示していると言えるだろう。「銀行、証券、保険、ライフプランニングなど、暮らしに不可欠なお金に関する課題をすべて解決する1日」として設定された本イベントでは、各分野のスペシャリストたちによるさまざまな講演が行われた。その中に、2001年に小泉内閣の経済財政政策担当大臣に就任、その後金融担当大臣、郵政民営化担当大臣、総務大臣などを歴任した竹中平蔵氏が登壇。竹中氏からは、「誰も知らなかった『お金』と『日本の未来』の見据え方」と題した講演が行われた。本稿では、その講演内容をお届けしよう。○世界の偉人たちが捉える「お金」の価値「お金について議論したり、学んだりする機会が日本は少ない。今日は自分のために、これからの人生や日本、経済について考えをめぐらす時間にしてもらいたい」と、竹中氏は話を始めた。小泉元総理がスピーチをする際に、原稿作成を行っていたという竹中氏。その際、世界の偉人たちの名言を参考にすることが多かったという。「名言集を読んでいて、おもしろいことがわかった」と竹中氏は言う。「経済や法律、政治に関する名言はそこまで多くない。圧倒的に多い名言は男女の問題。そして、その次がお金について。例えば、イタリアのベルルスコーニ元首相は『なぜ私が女性にモテたのか、それは金を持っていたからだ』という言葉を残している。ドストエフスキーは『金、金とは鋳造された自由』と表現している。お金というものは圧倒的な存在感を持っている。お金がなくても幸せな人はいるが、お金があることによっていろいろなことができるようになる。人生の中で、お金と正面から向き合うことは重要なことである。アインシュタインは『宇宙で一番力の強い論理は金利の複利計算だ』と述べている」(竹中氏)金利の複利計算とはどういうことか? 例えば、資産を年7%の利回りで運用していったとすると、10年で資産は元の2倍になるということになる。「私たちは、1%でも所得を増やし、資産を1%でも高い利回りで運用することに対して、もっと真剣に考えなければならない。資産を金利で儲けるのは怠け者のすることだと、批判されることがあるが、日本はこれまでのように額に汗して働くのでは、発展途上国に勝てない状況になっている。これからは、額ではなく、脳に汗する仕事が大事になってくる。所得には、労働所得と資産所得の2通りがある。日本には1500兆円の資産があるはずなのに、それをうまく生かせていない。まず、労働所得で資産を貯め、それを運用して1%でも利回りを高くするよう考えなければいけない」(竹中氏)竹中氏によると、GDPに占める資産所得の割合は、アメリカは2割なのに対し、日本はアメリカの10分の1以下だという。その理由は「低金利だということ以上に、株式や投資信託を避け、銀行預金による資産運用だったからだ」と竹中氏は述べる。「2020年までにがんばれる基礎をつくれるかどうかで、その先の日本の未来が大きく変わるだろう。2020年までの5年間は、日本にとって非常に貴重なチャンスの時期。貪欲に考える期間にしてもらいたい」(竹中氏)●世界と日本の変化○世界の経済状況は?では、世界全体の経済状況はどうなっているのだろうか? 竹中氏は次のように解説した。「毎年1月末にスイスで開催されるダボス会議では、今年、非常に楽観的な雰囲気が支配していた。会議では、今年の成長率は去年よりも高まり、特にアメリカ経済が安定し、世界を引っ張っていくと予測された。しかし、これは基本シナリオであって、リスク要因についても挙げられた。それは、中東問題、新興国(特に中国)経済の減速、アメリカ金融政策の正常化である。まず、シリアからの難民問題やパリでのテロ、ベルギーの駅封鎖、ワシントン攻撃の懸念など、1つめの中東のリスク要因は顕在化している。また、中国株も6月12日をピークに株価が4割下がった。現在中国は世界で2番目に大きな輸入大国であり、その中で日本は2番目に輸入をしてもらっている状況。つまり、中国の経済状況によって、日本は大きく影響を受けることになる」(竹中氏)竹中氏は続けて中国経済について次のように言及した。「どうして世界の歴史の中で、イギリスが最初に産業革命が起きたのか? それは、Rule of the law(ルール・オブ・ザ・ロー)、すなわち法の支配を最初に確立したから。法の支配とは、自分ががんばって稼いだお金は自分で自由にできるということ、すなわち自分の権利が守られているということ。この法の支配があるから、安心して経済活動に取り組める。中国の最大の課題は法の支配が確立していないことだ。中国は、今回の株価の低下は乗り越えるだろうが、今後5~10年のタームでみると、必ず成長率を落としてくるだろう」(竹中氏)竹中氏は「これからはどの国の経済もイノベーションを起こさないとやっていけない時代。イノベーションが起こせるかどうかで変わってくる」と話す。「イノベーションは自由が保証され、権利が確立されている社会で生まれる」と、竹中氏は経済学者のシュンペーターの言葉を引用した。「世界はいま、ものすごく動いている。その中でしっかりと稼いでいかないといけないが、私たち日本人は日本のことを誤解している面がある。その誤解を指摘しておきたい」(竹中氏)○日本の未来は?竹中氏は、日本に関する4つの誤解について、次のように指摘した。「日本は経済的に豊かな国」という誤解「日本における一人あたりのGDPは世界で20番目くらい。これは先進諸国30カ国の中だとBクラス。ルクセンブルクやノルウェーなどと比べるとGDPは半分以下である。これは、決して豊かだとは言えない」(竹中氏)「日本は大量の借金をしている」という誤解「日本は大量の借金は背負っていない。ギリシャは外国に借金をしているが、日本は政府が国民に借金をしている。例えるならば、旦那さんが奥さんに借金をしているような状況」(竹中氏)「日本人はよく働く」という誤解「日本の製造業の労働時間は、アメリカと同じくらい。韓国と比べると3割くらい低い。統計に表れないサービス残業もあるだろうが、思い込んでいるほど世界の中で働いているわけではない」(竹中氏)「日本人はもっと消費をすべき」という誤解「日本人はもっと消費をすべきだというのはうそ。昨年、家計の貯蓄率はマイナスとなっており、これは予想通り低くなったと言える。人口が高齢化すると、貯蓄率は低くなる。消費が進まないのは財布が小さいから。つまり、稼げなくなってきているからということ」(竹中氏)では、どうすれば稼ぐ力をつけられるのだろうか?「稼ぐ力をつけるには、マーケットで競争力を持たなければいけない。その方法はただ一つ、競争すること。競争しないと競争力はつかない。アベノミクスの支柱とされているTPPによって、たくさんの競争力のあるものが輸出入できるようになる。そして、この競争を高めるために必要なことが規制緩和だ」TPP以外にも、日本では徐々に変化が起きている。「これまで日本の農業は、企業が参入できないことから輸出もできず、IT投資も遅れているといった状況だった。これは医療の分野でも言える。日本では過去36年間、新しい医学部は一つもつくられていない。それが36年ぶりに成田空港の近くにできることになった。また、インフラの運営権を民間に売る動きもある。東日本大震災で津波の被害にあった仙台空港は、地域開発の拠点として、東急建設と前田建設に運営が任されることになった。関西空港も、オリックスとフランスのヴァンシが第一交渉権者として確定している。これは、世界でも注目されているコンセッションだ」(竹中氏)最後に、竹中氏は次のように語って、講演を締めくくった。「日本に来る外国人観光客は昨年1300万人だったのに対し、今年は1900万人を超えると言われている。さまざまなチャンスの最後の決め手が2020年のオリンピック・パラリンピックだ。今アジアには中間所得層が5億人いて、2020年には17.5億人になると予測されている。新幹線ができたのは、当時のオリンピックが発展途上国型のオリンピックだったからであるが、今回は違うだろう。一体何が生み出されてくるのか、それは政治家にもジャーナリストにも学者にもわからない。それを経済の中で皆さんが手探りで探していくことが重要なのではないだろうか。過去と他人は変えられないけれど、未来と自分は変えられる。それを肝に銘じて、皆さん自身の人生を考えてもらいたい」(竹中氏)
2015年12月22日カタルシツの新作「語る室」が先日、東京芸術劇場シアターイーストにて開幕した。イキウメの主宰・前川知大による別ユニットである。前回のカタルシツ公演(2015年2月)は、一人称で語られるドストエフスキー小説「地下室の手記」の舞台化。主人公の膨大な語りを演劇的な傍白(内心を表す脇セリフ)に変換していく前川の作劇と、それを実践してしまう俳優・安井順平のタッグによる、興奮に満ちた一人芝居だった。カタルシツ『語る室』チケット情報今回は前川の新作SFミステリー。舞台は空き地なのか、公園なのか、交番前の広場で、バーベキューが行われているところから始まる。集まっているのは、とある事件に巻き込まれた人たちだ。5年前のある日、幼稚園バスの運転手と一人の園児が突如姿を消してしまい、いまだに行方がわからない。消えた園児の母(中嶋朋子)、その弟の警官(安井順平)、バス運転手の兄(盛隆二)がそれぞれの思いを胸に、バーベキューを囲んでいる。そこに登場する霊媒師(板垣雄亮)、未来から来たと話す男(大窪人衛)、父を亡くした兄と妹(浜田信也・木下あかり)たち。彼らを廻る人間関係や、非日常的な出来事が語られていくことで、事件の全貌が現れる。全編を通じ、登場人物たちは傍白を多用し、その分、物語の時間は圧縮され、膨大な情報量が表現されていく。観ているこちらの想像力で参加していく分、点でしかなかったものが徐々につながり、線となる。観客の想像力で事件の全貌が紡ぎ出されていく。物語の世界に参加していくと、日常の隣には異界が口を開けて待っており、静かな恐怖がそこにある、ということがわかる。と同時に、そこには「ただ生きていくこと」への喜びと愛しさを見つけることが出来る。「語り物」に着目した作劇と、それを縦横無尽に体現していく俳優たち。熟練と瑞々しさが同居し、過不足のない絶妙なバランスでつくられた、果実のような本作。演劇の醍醐味にあふれた「秋の舞台」である。東京公演10月4日(日)まで。大阪公演は10月9日(金)よりABCホールにて。チケットは発売中。
2015年09月29日こんにちは、ぽこひろです。以前、ハウコレで「目指せ客モテ!男子が「常連以上」になりたくなる女子店員の特徴・5選」という記事を紹介しました。そして今回は、その好評を受け、さらに、「カフェ編に絞ってもう一回やってほしい」というサイバー攻撃かと思うほどの大量のご要望にお応えしさっそくやっていきたいと思います。休日などにカフェに行くのが好きという20代男子50人に聞いてみました。全国のカフェ店員さん、必見でありんす!■1.本の話が好き「カフェって、やっぱり本好きが多いと思うの。だから、俺が読んでる本とかに対して、『それ、我孫子武丸ですか!? 私も大好きなんです!』って食いついてきたら最高だよね。てか、お願いだから食いついてほしい」(大学生/22歳)あくまでイメージですが、カフェはお客もお店の人も、本が好きそうですよね。これをキッカケに仲良くなろうと狙っている男子は少なくないかもしれません。見かけたら是非、興味を持ってあげましょう。ドストエフスキーやサルトルなど、いかにもカッコつけな感じだと、また少し微妙ですけどね・・・・・・。■2.俺にだけ懐っこい「基本静かで黙ってる感じの子が、俺にだけ親しげに接してくれるとすごく嬉しいよね。年が近かったりってのもあるかもしれないけど」(フリーター/26歳)カフェに限らずですが、こういった特別感は効果的です。1みたいに本を取っ掛かりとして仲良くなったあとに、これができたら最高ですね。■3.近くに住んでるっぽい「シフトが終わるのが比較的遅かったり、休日も午前中から働いてたりすると、『この近所なのかなー』って思うよね。近くに住んでるって想像すると、なんか俄然興味が湧いてくる」(公務員/24歳)これはどういうわけか、男子としてはたしかにドキッときてしまうポイントかもしれません。「近くなんですー」と言うくらいは構わないと思いますが、具体的な家の場所は言わないほうが、万が一のためには安全かもしれません。ストーカーにならないといいのですけどね・・・・・・。■4.「本日のコーヒー」を熱く語る「ちょっとカフェでバイトするのって、軽い一種のステータスみたいになってるところあるじゃん?そういうミーハー的な子が多い中で、本当にコーヒーが大好きでカフェで働いてる子は、すごくいいよね。俺も純粋にコーヒーが好きで、カフェに通ってるし」(大学院生/25歳)チェーン店じゃない本格的なお店だと、スタンダードなメニューから、ラムを入れたコーヒーやミント入り、水出しなどなど世界各国のコーヒーがあり楽しいですよね。それを熱っぽくお客さんに語る姿は、とても魅力的に違いありません。せっかくカフェで働くんですから、見た目などにばかり気を遣わずに、コーヒーを極めたいですよね。■おわりにいかがでしたか?カフェのアルバイトというのは人気で、倍率もなかなかと聞きます。その難関をくぐり抜けたんですから、誇りをもってしっかりと仕事とモテを両立させてほしいところです。(ぽこひろ/ハウコレ)(伊東亜梨沙/モデル)(柳内良仁/カメラマン)
2015年07月01日昨年の第67回カンヌ国際映画祭にて「パルム・ドール」を受賞した『雪の轍(わだち)』が、まもなく6月27日(土)より日本公開される。本作の上映時間は、なんと3時間超。審査員長を務めていたジェーン・カンピオンは当初、「正直3時間16分という上映時間を聞いたときは、トイレ休憩が必要だわ、なんてことを考えながら、みんなで観ることを怖がっていた」と言う。だが、観賞後には「物語が始まった途端に魅了されてしまった。あと2時間は座って観ていられたでしょう!!」と絶賛。その結果、本作は見事「パルム・ドール」史上最長の上映時間の作品となった。3時間を超える映画と聞くと、確かに一瞬たじろいでしまうが、『風と共に去りぬ』『七人の侍』『シンドラーのリスト』、そして最近では『愛のむきだし』など、3時間を超える名作は数え切れない。さらに、アカデミー賞で最多11部門を受賞している3作品、『ベン・ハー』『タイタニック』『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』はいずれも3時間以上の大作ばかり。ラストまで観客の集中力を途切れさせることなく、ドラマを描く監督の演出力があるからこそ成立する“長尺映画”は、映画体験の真骨頂ともいえるのだ。トルコが誇る巨匠ヌリ・ビルゲ・ジェイランによる本作『雪の轍』は、カッパドキアの洞窟ホテル・オセロを舞台に、ホテルのオーナーとして暮らす元舞台俳優のアイドゥンと、若く美しい妻、そして妹との愛憎、さらにアイドゥンが思わぬ形で恨みを買ってしまったある一家との不和を描く、濃厚な人間ドラマ。文豪チェーホフの著作をもとに、シェイクスピア、シューベルト、ニーチェ、さらにドストエフスキーなどといった数々の名作のモチーフが散りばめられている。「美しく、長い物語は、徐々に抽象性を失い、骨の髄にこたえるものになっていく」(ソー・フィルム)、「その長さに怖気づいてはならない。これは雄大な映画なのだ」(TF1ニュース)と、海外メディアも長さを一つの特長として紹介し、「こんな大胆な、無謀な映画作りがあるのかとあきれながら、3時間16分の大作を身を乗り出して見た」(作家・池澤夏樹)、「あきるところがない。画面の美しさ、凄さにも堪能」(作家・阿刀田高)、「主人公の心の鎧を溶かすには、3時間もの長尺の物語が必要だったのだ」(ロシア文学者・浦雅春)と、日本の著名人からも絶賛の声が寄せられている。世界各国、時代を超えて、映画ファンに愛され続けている3時間越えの名作たち。ちなみに、ギネス記録の長尺映画は1987年にアメリカで製作された『The Cure for Insomnia』。上映時間は5,220分、87時間!俳優による自作の詩の朗読で、初演は同年の1月31日~2月3日まで、3泊4日かかったという。『雪の轍(わだち)』は6月27日(土)より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年06月19日2015年度ポニーキャニオンが贈る映画グルメのための最新名画コレクション“映画美食宣言 シネマ・スペシャリテ”が好評につき第4弾が本日よりスタートされた。その他の写真第4弾では、メキシコの新鋭女性監督の実体験に基づくヒューマン・ドラマ『マルタのことづけ』(6月2日発売)や、文豪ドストエフスキー原作を映画化した『嗤う分身』(7月2日発売)、“映画美食宣言”タイトルでは初の邦画作品となる『繕い裁つ人』など個性豊かな作品がラインナップ。また、各界の著名人や評論家からも絶賛され、異例の大ヒットを記録した『おみおくりの作法』や、クチコミが広がって公開8週目で1億円突破と大ヒット上映中の『はじまりのうた』など、映画ファンからも高い評価を得た作品が揃っているのも注目だ。さらに今回は、“映画美食宣言第4弾”タイトル購入者を対象にした店舗参加型キャンペーンもスタート。購入者を対象に、店頭で配布される応募はがきに必要事項を記入し、応募すると抽選でDVD詰め合わせが当たるキャンペーンを6月1日から開始する予定だ。“映画美食宣言 シネマ・スペシャリテ”第4弾のキャンペーンの概要やラインナップ作品については、公式ホームページで確認することができる。『はじまりのうた』上映中発売・販売元:ポニーキャニオン
2015年05月26日第67回カンヌ国際映画祭にてパルム・ドール大賞受賞した『雪の轍(わだち)』の本ビジュアルが、このたび解禁となった。カッパドキアに佇むホテル・オセロ。若く美しい妻と、離婚で戻ってきた妹と暮らす元舞台役者のアイドゥン。オーナーとして悠々自適に暮らす毎日だが、冬の訪れによって閉ざされいくホテルの中で、それぞれの内面が次第に明らかになっていく。さらに、アイドゥンへの家賃を滞納する一家との不和が彼を悩ませる。妻と妹、気の置けない友人、そして相容れない隣人との終わりのない会話をつづけながら、アイドゥンは人を赦すこと、愛することの意味と自らの人生に思いを馳せていく。凍てつく大地の雪解けを待ちながら―。過去に、カンヌ国際映画祭コンペティション部門にてグランプリを2回と監督賞を受賞した、トルコが誇る巨匠ヌリ・ビルゲ・ジェイラン。昨年の第67回カンヌ国際映画祭にて、満を持してのパルム・ドール大賞受賞した監督作『雪の轍(わだち)』が、初の日本公開作品として6月27日(土)より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開する。本作は、カッパドキアの洞窟ホテルを舞台に、今は裕福なホテルのオーナーとして暮らす元舞台俳優のアイドゥンと、若く美しい妻、そして妹との愛憎、さらに主人公が思わぬ形で恨みを買ってしまったある一家との不和を描く。彼らの住むカッパドキアに冬が訪れるとともに、取り残された彼らの鬱屈した内面が静かに明らかになっていく、濃厚な人間ドラマだ。ストレートな言葉で感情をぶつけ合う登場人物たちには、そこはかとない滑稽さも漂い、さらに「人間であること」を考えさせられる、見応えのある作品となっている。さらに本作の大きな特徴は、文豪チェーホフの著作をはじめ、シェイクスピア、シューベルト、ニーチェ、さらにドストエフスキーなどといった数々の名作のモチーフがちりばめられているところだ。劇中にはドストエフスキーの「白痴」を想起させるシーンや、主人公たちの交わされる会話にロシア文学を代表する文豪トルストイやドイツの哲学者ニーチェの言葉が用いられたりと、細部に至るまであらゆる名作へのオマージュが感じられる。カンヌ国際映画祭では審査員長を務めたジェーン・カンピオン監督は「知的で洗練された、素晴らしい作品。あまりに引き込まれて3時間の映画であることを忘れてしまった!」と絶賛。濃厚な世界観と人の心をえぐる展開、そして圧倒的な映像美によって紡がれる3時間16分に、世界的なメディアから賛辞が送られ、見事最高賞のパルム・ドール大賞を受賞した。世界の名だたる戯曲、音楽、哲学の要素が、3時間16分という長さに凝縮された、今まで体感したことのない極上の見応えに仕上がった本作。鑑賞後、誰もが圧倒されるという極上の映画体験を楽しみに待とう。『雪の轍(わだち)』は、6月27日(土)より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年05月08日米BOX OFFICE MOJOは12月26日~12月28日の全米週末興業成績を発表した。『ロード・オブ・ザ・リング』前日譚“ホビット”シリーズ最新作『ホビット 決戦のゆくえ』が2週連続トップ。累計興行収入1億6,852万2,000ドルと堅調に業績を伸ばしている。2位はアンジェリーナ・ジョリー監督第2作目となる『Unbroken(原題)』が初登場。第二次世界大戦で旧日本軍の捕虜となった米兵の実話を映画化した。ジャック・オコネルが主人公を演じている他、準主役の残忍な看守役を歌手の雅-MIYAVI-が演じていることでも話題だが、日本兵による残虐な虐待シーンが物議を醸し、日本での公開は未定だ。3位も初登場の『イントゥ・ザ・ウッズ』。1987年初演のブロードウェイミュージカルを『シカゴ 』、『NINE』のロブ・マーシャルが映画化。シンデレラ、ラプンツェル、赤ずきんなどのおとぎ話の主人公たちのその後をディズニーが描いた作品。魔女をメリル・ストリープが演じる他、ジョニー・デップ、エミリー・ブラントら実力と人気も兼ね備えた豪華キャストの出演にも注目が集まる。その他、マーク・ウォールバーグが大減量してギャンブルに溺れる大学教授を演じた、『The Gambler(原題)』が7位に初登場。ドストエフスキー原作の『熱い賭け/ザ・ギャンブラー』(1974)のリメイク作にあたる。第二次世界大戦時、解読不可能と言われたドイツ軍の暗号“エニグマ”の解読に挑んだ英国人数学者の数奇な運命を描いた『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』が前週16位から8位に公開5週目で初のトップ10入りを果たした。主演は今や押しも押されもせぬ人気俳優、ベネディクト・カンバーバッチ。
2014年12月30日文豪ドストエフスキーの小説を原作とし、『ソーシャル・ネットワーク』のジェシー・アイゼンバーグが一人二役の難役に挑んだ『嗤う分身』。第26回東京国際映画祭で大きな話題をさらった本作が、ついに11月8日(土)より全国で公開される。このたびシネマカフェでは、本作でヒロインを演じたミア・ワシコウスカのインタビュー映像を独占入手!本作での共演をきっかけに交際を始めたジェシーの魅力を堂々と語る、ミアの貴重な姿をお届けする。内気で存在感の薄いサイモン(ジェシー・アイゼンバーグ)は、会社の上司や同僚にもバカにされるサエない存在。コピー係のハナ(ミア・ワシコウスカ)に恋をしているが、話しかけることもできない。そんなある日、サイモンとまったく同じ容姿を持つ新人ジェームズ(ジェシーの二役)が入社してくる。容姿は同じだが、性格は正反対の2人。しかもジェームズは、女性にモテモテの男だった。サイモンは次第にジェームズのペースに翻弄され、やがて思いもよらぬ事態へと飲み込まれていく――。ドストエフスキーの隠れた名作を、見事に映画化した本作。メガホンを握ったのは、新世代の鬼才として注目される英国出身のリチャード・アイオアディだ。主演は、本作で自身初の一人二役という難役に挑んだジェシー・アイゼンバーグ。そして、同じ容姿の2人の男の間で揺れ動くヒロインを、『アリス・イン・ワンダーランド』の若き実力派ミア・ワシコウスカが好演。孤独を抱え、どこか掴みどころのない可憐な存在感で、物語に華を添えた。また、製作総指揮にはイギリスの名優マイケル・ケインが名を連ねているだけでなく、劇中歌に日本の60年代昭和歌謡(坂本九、「ジャッキー吉川&ブルーコメッツ」)が挿入されるなど、意外なコラボも実現。レトロで奇妙なディストピア世界を舞台に、もう一人の“自分”の出現によってすべてを狂わされていく男の顛末を、ダークユーモアとロマンスたっぷりに描いている。このたび公開されたミアのインタビューでは、容姿は同じでも性格が真逆な2人の男を相手に演技したことを始め、本作への出演のきっかけが『スプリング・ブレイカーズ』の監督ハーモニー・コリンだったことを明かし、また、本作をきっかけに交際を始めたジェシーのことを「俳優として大好きだった」と共演前から気になる存在だったことを笑顔で語るなど、非常に貴重な映像となっている。今後も、デヴィッド・クローネンバーグ監督の最新作『マップ・トゥ・ザ・スターズ』や『アリス・イン・ワンダーランド』続編など、個性的な役柄が続くミア。さらなる活躍が期待される彼女の素顔を、こちらからご覧あれ。『嗤う分身』は11月8日(土)よりシネマライズほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:嗤う分身 2014年11月8日よりシネマライズほか全国にて公開(C) Channel Four Television Corporation, The British Film Institute, Alcove Double Limited 2013
2014年11月04日ケータイ、スマホ、電子書籍端末などでも小説が読める時代になりました。文字だけで私たちを楽しませてくれる「小説」は最もお手軽で、しかし深みもあるエンターテインメントではないでしょうか。今までにあなたを感動させた小説はありますか?その小説は何でしょうか? マイナビニュース会員に聞いてみました。調査期間:2012/10/25~2012/10/28アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 916件(ウェブログイン式)■あなたは今までに読んで感動した小説はありますか?はい232人25.3%いいえ684人74.7%まず「感動した小説があるか」を聞いてみました。約25%、1/4が小説で感動した経験があるとのこと。一番感動させてくれた小説は何か、またどんな点に感動したかを聞きました。結果、票が大変に割れました。一番票数を集めた小説でも6票でした。小説に関しては好みが非常に分かれるようです。代表的な意見と共にご紹介します。●『ノルウェイの森』著者:村上春樹別れようと思っていた恋人となぜかやり直してもいいかなと思ったきっかけになった。(京都府/女性/29歳)同回答が合計6人。今やノーベル文学賞の本命となっている村上春樹さんの代表作。ファンが多い作品として知られています。●『西の魔女が死んだ』著者:梨木香歩子供向けの小説ながら奥が深く、主人公とおばあちゃんの言葉が心に響くから。(栃木県/女性/28歳)同回答が合計6人。日本児童文学者協会新人賞を受賞しています。児童文学の新しい傑作です。●『塩狩峠』著者:三浦綾子利己的に生きるのではなく、利他的に生きるところ。(東京都/男性/29歳)同回答は合計5人。実際に起こった鉄道事故を元に、クリスチャンである三浦綾子さんが「自己犠牲」をテーマに描いた古典的な名作です。●『いま、会いにゆきます』著者:市川拓司純粋で温かい物語だったところ。(兵庫県/女性/27歳)同回答は合計5人。メディアミックス展開で大成功を収めた小説。映画は2004年に公開されています。●『手紙』著者:東野圭吾人間同士の温かいきずなに触れた。(東京都/男性/42歳)同回答は合計4人。毎日新聞に連載され、単行本になるや第129回直木賞候補になったベストセラー。●『容疑者Xの献身』著者:東野圭吾見返りを求めない、こんなに深い愛があるものかと感動しました。(広島県/女性/29歳)同回答は合計4人。ミステリー小説です。映画化もされて大々的に宣伝されたので、読んでなくても知っている人が多いのでは。それにしても東野圭吾さんの小説は人気がありますね。●『白夜行』著者:東野圭吾読んだ後の余韻を残すうまさ。(大阪府/女性/30歳)同回答は合計4人。これまたベストセラーになった東野圭吾さんのミステリー。2006年にはテレビドラマ化。2011年には映画化されました。●『恋空』著者:美嘉まだ若い自分が好きな人をおいて死んでしまう。(富山県/男性/31歳)同回答は合計3人。元はケータイ小説で、美嘉さんのデビュー作でもあります。2006年に書籍化されてベストセラーになりました。●『星の王子様』著者:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ読んでいて純粋な気持ちになった。(大阪府/女性/23歳)同回答は合計3人。児童文学史に残る永遠の名作。大人になってから読むと、また別の感動が心に広がります。●『アルジャーノンに花束を』著者:ダニエル・キイス人間にとっての幸せってなんだろうと考えさせられるところ。(栃木県/男性/39歳)同回答は合計3人。SF小説の傑作です。映画化された際の邦題『まごころを君に』は、あの『エヴァンゲリオン』に引用されています。●『罪と罰』著者:フョードル・ドストエフスキー主人公が殺人を犯してもその男を愛した女が彼の送られるシベリアまでついて行って彼をずっと見守っていたところ。(熊本県/男性/29歳)同回答は合計3人。長いことでも有名なロシア文学の古典です。ロシア文学は登場人物の名前を覚えるのも大変なんです。長いので。●『おおつごもり』著者:樋口一葉人間の業を見事に描いているから。それも24歳の女性の作品であるから。(東京都/男性/45歳)樋口一葉と言えば今や5千円札の人。彼女は夭折しましたが偉大な文学者でした。今読んでみるとみずみずしい筆致に驚かされます。●宮部みゆきさんの小説全般人物描写の匠(たくみ)さと、目に浮かぶような情景描写のテクニックには嫉妬(しっと)心さえ浮かびます。(東京都/男性/37歳)宮部みゆき作品で「これ」という票をたくさん集めたものは残念ながらありませんでした。しかし、「全部好き」という回答がこの人以外にも。さすがベストセラー作家ですね。熱い支持者がいます。この記事を読んでいるあなたが感動した小説は何でしょうか?(高橋モータース@dcp)
2013年01月13日