「あなたがいいならそれでいいけど」は、坂上忍さんと土田晃之さんが毎週異なるテーマに小気味よく回答する『anan』人気連載。今回のテーマは「ニンフォマニアック」。自分から積極的にセックスする女性のこと。女性が主体的に“自分で、セックスしたい自分好みの男を選ぶ”姿勢を貫く。誰とでもやるんでしょ?という偏見やセクハラとも闘う。そんな「ニンフォマニアック」に対する坂上さんの意見は?リスクを負うのは女性、を忘れてはいませんよね性に対する積極性は、いわゆる“ヤリマン”とは違う。先日テレビ番組で会った、「ニンフォマニアック」的な考え方の女性たちは、そこの線引きをしたがっている印象でした。自分でセックスしたい男を選ぶので、受け身であるヤリマンとは違うのだと。もちろん、こういう考え方を否定はしませんよ。今のご時世、性欲旺盛で、自分本位でやりたい時にやるという、男のような思考を持った女性がいても不思議じゃない。ただ、男の場合は、気が小さくてかわいい部分があるんですよ。頭の片隅で、悪いことをしているというジレンマを持っているものなんです。その点、女性は悪びれた様子はまったくない。そこが怖いな、と思っちゃうんです。“セックスする相手を主体的に選ぶ女性はかっこいい”とアピールするのは、ちょっと待って。セックスにおいてリスクがあるのは女性のほう、ということを忘れてはいませんよね。声高に訴えて世の女性を巻き込んでいくと、女性が傷つく機会が増える懸念もあるということを、念頭においたほうがいいと思いますよ。さかがみ・しのぶ俳優。『バイキング』(フジ月~金曜)メインMC。『好きか嫌いか言う時間』(TBS月曜19:56~)、『ダウンタウンなう』『有吉ゼミ』レギュラーほか出演番組多数。※『anan』2017年9月20日号より。写真・中島慶子イラスト・3rdeye文・神保亜紀子(by anan編集部)
2017年09月17日やっぱり、普通じゃない。ラース・フォン・トリアーという監督は。最新作は『ニンフォマニアック』。女性の色情狂=ニンフォマニアを意味するタイトルがつけられた本作は、女性のセクシャリティをテーマに、幼い頃から性に特別な関心を抱き、好奇心とそこから生まれた欲望を満たすため、数えきれない男性と身体を重ねてきた女性主人公・ジョーの遍歴を描いています。道端に倒れているジョーを助け、彼女がそこに至るまでの話に真剣に耳を傾ける紳士セリグマンとの会話が中心。これまでのフォン・トリアー作品と比べても、過激でセンセーショナル。いつもの気の滅入るような要素はないけれど、性表現が苦手な方はご覧にならない方がいいかもしれません。でも、フォン・トリアーの挑発に乗るのが好きな方、人間を深く探求するが好きな方には、決して見逃して欲しくないのが本作。性とは、人間が避けて通れない欲望のひとつで、それなしに生命は続いて行かない、生き物の根幹にかかわること。にもかかわらず、なかなか公には語られることのないタブーや恥ともされる性への好奇心に迫り、しかもそれを女性側から語る手法は、社会への挑戦とも言えるのかもしれません。人があまり表に出そうとしない感情、性質を、臆さず赤裸々に語っていく主人公・ジョーを見ていると、誰よりも純粋で正直に思え、いじらしささえ感じてきます。性への関心、欲求と、純真さとは正反対だと思われていますが、本作を通して、その社会通念に疑問を覚えたりして。極論を言えば、監督が本作を撮った意図とは、誰もが抱えているくせに、まるでそれがありもしないかのような顔をして暮らす人々に、自分の真の姿を否が応にも発見させる、ということなのかもしれません。それを認識してこそ、より自分や他者への理解が深まる…。そう、やっぱり人間“ありのままで”生きられたら、そのほうがいいに決まっています。つまり、ラース・フォン・トリアーが、『アナ雪』で話題になった“ありのまま”を描くと、こうなっちゃうということなのでしょうか…。そして本作で驚かされるのは、監督のヴィジョンを実現すべく“本番”も辞さず演技に臨む俳優たち。体だけでなく、心も裸にして作品に献身する姿に、敬意を表さずにはいられません。欲望、羞恥、痛み、快楽、喜び、悲しみと、多くの劇的な感情を内包するセックスは、人の本質、人の本音を語る際、どうしても避けて通れず、人の何たるかをつきつめればどうしてもそこに行き着くというテーマ。この作品が、過激表現を主たる目的としたものだったり、思い付きだったり、中途半端な考えで作られたものでないことは、宗教、哲学、芸術にも及ぶジョーとセリグマンとの会話を聞いていれば分かること。つまり、役者たちの身を削るような献身は、壮大なる精神世界をも意識させる本作に、大きな意義を感じたからこその結果なのでしょう。こういった作品は、性表現ばかりが取り沙汰されがちで、“アートかポルノか”という議論が常につきまといます。でも、正直ってどちらでもいい。アートもポルノも、作り手、観客がそれぞれ感じるべきことで、好みに合うか合わないかで、観客自身が観るか観ないかの判断をしていけばいいわけですから。つまり、人間というものを突き詰めるために過激な表現を用いた本作は、誰でも楽しめるというわけではありません。でも、映像作品ができる人間表現のひとつの極致を見たいと感じる人にはおすすめしたい1作。ただし、鑑賞の際には、それなりの覚悟が必要なことだけはお忘れなきよう。(text:June Makiguchi)■関連作品:ニンフォマニアック Vol.1 2014年10月11日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国にて公開(C) 2013 ZENTROPA ENTERTAINMENTS31 APS, ZENTROPA INTERNATIONAL KOLN, SLOT MACHINE, ZENTROPA INTERNATIONAL FRANCE, CAVIAR, ZENBELGIE, ARTE FRANCE CINEMAニンフォマニアック Vol.2 2014年11月1日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国にて公開(C) 2013 ZENTROPA ENTERTAINMENTS31 APS, ZENTROPA INTERNATIONAL KOLN, SLOT MACHINE, ZENTROPA INTERNATIONAL FRANCE, CAVIAR, ZENBELGIE, ARTE FRANCE CINEMA
2014年11月28日先日公開を迎えた鬼才ラース・フォン・トリアーの問題作『ニンフォマニアック』。シャルロット・ゲンズブールを主演に迎え、女性の“セクシュアリティ”を大胆に描いた本作から本編映像がシネマカフェに到着した。凍えるような冬の夕暮れ、年配の独身男・セリグマン(ステラン・スカルスガルド)は、裏通りで怪我を負って倒れている女性・ジョー(シャルロット・ゲンズブール)を見つけた。彼は自分のアパートでジョーを介抱し、回復した彼女に尋ねた。「いったい何があったんだ?」するとジョーは自身の生い立ちについて赤裸々に語り始めた。それは、幼い頃から“性”に強い関心を抱き、数えきれないほどのセックスを経験してきた女性の驚くべき数奇な物語だった…。自らを色情狂と認める女性ジョーの「性」の旅路を、8つの章で描いた本作。『Vol.1』が先日公開されたが、SNSでは「面白かった」「フォントリアー入門作としても最適」「『Vol.2』を早く観たい」など絶賛の声が上がっている。その中で公開された今回の映像は、第3章のユマ・サーマン演じるH夫人の乱心シーン。色情狂のジョーの行動はいともたやすく、家庭を崩壊させるに値するものだったが、悪びれる様子もなく淡々としている。ジョーを演じるステイシー・マーティンに向かって「これほど残酷な人はいないわ。20年かけて織り上げた愛を引き裂くなんて冗談なんかじゃ済まない」と感情的になるユマは、子どもたちの居る前で叫び狂い、取り乱す。全編至るところに盛り込まれた過激なセックス描写にとどまらず、物語、映像、演技、ディテールのあらゆる面で、前代未聞のサプライズに満ちた本作は、トリアー作の中でも娯楽性豊かな“喜劇”ともいえる作品に仕上がっている。そんな本作に集結したのは、シャルロット・ゲンズブール、シャイア・ラブーフ、クリスチャン・スレイター、ウィレム・デフォー、ジェイミー・ベル、ステラン・スカルスガルドなど錚々たる役者たち。トリアー渾身の作品で新境地を開く俳優陣をぜひ劇場でご覧あれ。『ニンフォマニアック Vol.1』は公開中、『Vol.2』は11月1日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ニンフォマニアック Vol.1 2014年10月11日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国にて公開(C) 2013 ZENTROPA ENTERTAINMENTS31 APS, ZENTROPA INTERNATIONAL KOLN, SLOT MACHINE, ZENTROPA INTERNATIONAL FRANCE, CAVIAR, ZENBELGIE, ARTE FRANCE CINEMAニンフォマニアック Vol.2 2014年11月1日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国にて公開(C) 2013 ZENTROPA ENTERTAINMENTS31 APS, ZENTROPA INTERNATIONAL KOLN, SLOT MACHINE, ZENTROPA INTERNATIONAL FRANCE, CAVIAR, ZENBELGIE, ARTE FRANCE CINEMA
2014年10月14日女優ステイシー・マーティンが、今秋日本公開の映画『ニンフォマニアック(NYMPH()MANIAC)』の出演やミュウミュウ(miu miu)の広告キャンペーンのモデル起用で注目を集めている。『ニンフォマニアック』は、『奇跡の海』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『ドッグヴィル』など、暗く悪夢のような作品を発表してきた、ラース・フォン・トリアー(Lars von Trier)監督の最新作。「女性のセクシュアリティー」をテーマに、自らをニンフォマニアック(=色情狂)と自覚するヒロインの半生をポエティックかつユーモラスに八つのチャプター、Vol.1・117分、Vol.2・123分の長きに渡り、主人公のジョーによる回想録形式で描き出す。本作のVol.1でジョーの若かりし頃を演じるステイシー・マーティンがミュウミュウ14-15AWの広告キャンペーンにも抜擢されたのは、本作で高い評価を得たことが飛躍のきっかけとなっており、業界内外で注目度はさらに急上昇しているという。ステイシー・マーティンは色情狂という難しい役を堂々と演じ人々を魅了し、高い評価を得ている。1991年にパリで生まれた彼女は、本作でデンマーク映画批評家協会賞の主演女優賞にノミネートされたほか、今後はイギリスの俊英ベン・ウィートリによるSFアクション『High-Rise』やイタリアのマッテオ・ガローネ監督による歴史ファンタジー『Il racconto dei racconti』などへの出演を控えており、女優としてのキャリアを猛進している。『ニンフォマニアック Vol.1』は10月11日(土)、『ニンフォマニアック Vol.2』は11月1日(土)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国順次公開。
2014年08月29日シャルロット・ゲンズブールを主演に迎え、鬼才ラース・フォン・トリアーが女性の“セクシュアリティ”を大胆に描いた映画『ニンフォマニアック』。先日、シャルロットを始めとした豪華実力派キャストの衝撃なビジュアルが公開されたが、このほど主人公の「性」の旅路を覗き見ることができる予告編が到着。そのあまりの過激さに、ソフトver.とハードver.の2種類として異例の同時公開されることとなった。凍えるような、ある冬の夕暮れ。年配の独身男・セリグマン(ステラン・スカルスガルド)は、裏通りで怪我を負って倒れている女性・ジョー(シャルロット・ゲンズブール)を見つけた。自分のアパートでジョーを介抱した彼は、回復した彼女に「いったい何があったんだ?」と尋ねる。やがて、ジョーが語り始めたのは、幼い頃から“性”に強い関心を抱き、数えきれないほどのセックスを経験し、自らを“色情狂”と認めた女性の驚くべき数奇な物語だった…。カンヌ国際映画祭において『奇跡の海』で審査員特別グランプリ、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』でパルムドールを受賞したトリアー監督の最新作。自らを色情狂と認める女性の半生をVol.1、Vol.2の2部構成で描き切った。全編至るところに盛り込まれた過激なセックス描写にとどまらず、物語、映像、演技、ディテールのあらゆる面で、前代未聞のサプライズに満ちた衝撃作と言われている。このトリアー渾身の企画に、集結したのは主演を務めるシャルロットほか、シャイア・ラブーフ、ユマ・サーマン、クリスチャン・スレイター、ウィレム・デフォー、ジェイミー・ベル、ステラン・スカルスガルドら演技派俳優陣。今回到着した2種類の予告編。ニンフォマニアック(色情狂)と自認するシャルロット扮するジョーが辿ってきた人生を、セリグマン(ステラン・スカルスガルド)に独白する形で物語は進む。若かりし頃のジョー(ステイシー・マーティン)が奔放に性を謳歌する『vol.1』と、ジョーが苦悩しながらも真の愛を探求する『vol.2』の全8章からなるめくるめく映像世界に魅了される予告編に仕上がっている。ソフトver.は、本編の魅力を極力削ぐことなくレイティングGの作品にも掲出可能なように過激な表現を抑えている。一方のハードver.では、映像世界の魅力を最大限に伝えるべく、R18+本編と同様にセンセーショナルで過激な性表現の一端も盛り込んだ映像に仕上がっている。ハードver.の予告編は劇場掲出不可とのことで、公式HPでは注意文と共にアップされるようだ。『ニンフォマニアック Vol.1』は10月11日(土)より、『Vol.2』は11月1日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ニンフォマニアック Vol.1 2014年10月11日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国にて公開(C) 2013 ZENTROPA ENTERTAINMENTS31 APS, ZENTROPA INTERNATIONAL KOLN, SLOT MACHINE, ZENTROPA INTERNATIONAL FRANCE, CAVIAR, ZENBELGIE, ARTE FRANCE CINEMAニンフォマニアック Vol.2 2014年11月1日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国にて公開(C) 2013 ZENTROPA ENTERTAINMENTS31 APS, ZENTROPA INTERNATIONAL KOLN, SLOT MACHINE, ZENTROPA INTERNATIONAL FRANCE, CAVIAR, ZENBELGIE, ARTE FRANCE CINEMA
2014年07月30日