「教えて!『かくれ脱水』委員会」はこのほど、ノロウイルスとインフルエンザに関するセミナーを東京都内で開催。感染症の有識者が登壇し、2015-2016シーズンの傾向や感染した際の対処法などについて講演した。○医療機関あたりの患者数はノロの方が多い首都大学東京の矢野一好客員教授は「ノロウイルス感染症とインフルエンザに関する今シーズンの特徴」との題で講演した。ノロウイルスは冬季の感染性胃腸炎や食中毒の原因となるウイルスで、感染すると下痢やおう吐、吐き気などの症状を引き起こす。冬に流行するウイルスといえばインフルエンザを真っ先に思い浮かべる人も少なくないだろうが、ノロウイルスの感染力も相当な驚異だ。矢野客員教授はその証拠として、全国に数千カ所ある定点医療機関からの患者報告数を挙げる。2000年から2011年までの12年間においては、1つの医療機関から感染性胃腸炎の患者が年間平均で321.17人報告された。一方で、インフルエンザの患者は255.52人と、感染性胃腸炎の約8割にとどまっている。○今冬は「新型ノロウイルス」が流行か多くの患者をうみだすノロウイルスだが、今シーズンはウイルスの遺伝子型がこれまでと微妙に異なる「新型ノロウイルス」が流行しそうだと矢野客員教授は懸念している。「2006年、2012年、昨年に主に流行していた遺伝子型は『GII.4』です。今年は今まで流行していなかったウイルスの『GII.17』が、少し変異して流行しそうということで注意喚起をしているところです」。「新型ノロウイルス」の症状や感染経路は従来と変わりはない。ただ、これまで日本で流行したことがない遺伝子型がやや変異しているため、私たちの体に免疫がなく、今冬に一気に感染が広まる恐れがある。例年以上に予防や感染防止対策に努めたほうがよいだろう。矢野客員教授はインフルエンザに関しても言及。今年は11月初旬の時点において、AH3亜型やB型など複数のウイルスが検出されており、どれが流行するか予測しづらいという。ただ、検出されているすべてのウイルスは今年のワクチン株に含まれているとのことなので、予防接種の効果は見込めそうだ。○ウイルスに感染した際は脱水に注意だが、どれだけ予防をしていたとしても、ノロとインフルエンザという2つの強力なウイルスから体を100%守りきることは不可能だ。そのため、有事に備えて発病してしまった際のケア方法について、済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科の十河剛医師が解説してくれた。十河医師はウイルスに感染した際、「自分の免疫で体からウイルスを排除するまでの期間をどのように過ごすかが重要」としたうえで、特に大事な取り組みとして「脱水予防」を挙げた。脱水は、体に入ってくる水分より出て行く水分が多くなるために起きる。ノロウイルスやロタウイルスなどの消化管感染症は下痢やおう吐、食事摂取量低下などが、インフルエンザやRSウイルスなどの気道感染症では、食事摂取量低下や発汗などが脱水の主な原因となる。○経口補水療法の効果特に感染性胃腸炎に由来する下痢・おう吐では、体内の水分と共にナトリウムやカリウムなどといった電解質も失われてしまう。電解質は筋肉細胞や神経細胞の働きなどに関わっているため、これらの症状に悩まされた際は水分と一緒に電解質も摂取することが重要だ。市販されているスポーツドリンクにもナトリウムやカリウムが含まれているが、含有量が十分ではない。そこで、十河医師は手軽に失われた電解質を補うためには、電解質と糖質の配合バランスが考慮されている「経口補水液」が有効だと話す。実際、患者に経口補水液を摂取させる「経口補水療法」は、点滴と同等の効果が得られるそうで、「ほとんどの人が経口補水療法だけで大丈夫だと示唆するデータも出ています」。経口補水療法で重要なのは「1回5ccを、1~5分ごとに飲ませる」ことだ。5ccはティースプーン1杯分に相当し、「おう吐があっても少しずつ飲ませましょう」と十河医師は力を込める。感染性胃腸炎のおう吐のピークは半日から1日程度のため、吐き気が止まれば少しずつ一度に飲ませる量を増やしていくとよい。○水分と一緒に電解質の補給をノロウイルスもインフルエンザウイルスも、感染拡大を防ぐためには「手洗い」や「マスク」が基本となるのは共通している。そして、原因は違えど脱水症状につながる恐れがある点も共通している。今冬はできる限りの予防をしたうえで万一、感染してしまった場合は水分と一緒に電解質もしっかりと補給するようにしよう。
2015年11月21日おう吐や下痢などの症状に悩まされるノロウイルス。自分が苦しいのはもちろんだが、恐ろしいのが「もしかしたら……感染させてしまったのではないか」と思う瞬間だ。周囲にも自分と同じつらさを経験させてしまった罪悪感は、計り知れないものがあるのではないだろうか。今回はノロウイルスの感染経験があるマイナビニュース会員300人に、「ノロウイルスを周囲に感染させた、もしくは感染させてしまったのではないかと思ったことがあるか」尋ねた。Q.ノロウイルスを周囲に感染させた、もしくは感染させてしまったのではないかと思ったことがありますか?はい: 11.3%いいえ: 88.7%Q.「はい」と回答した人にお聞きします。そのときの状況を具体的に教えてください■看病してくれた人が感染・「看病してくれていた奥さんの具合が悪くなったとき」(33歳男性/電機/技術職)・「子どもの看病にお手伝いに来てもらった私の母にもうつり、母から父にもうつり、大変だったらしい」(38歳女性/情報・IT/事務系専門職)・「看病に来た母親と彼氏にうつった」(27歳女性/その他/その他)■友人や職場の人に感染・「旅館の宴会の時に感染したっぽい」(30歳男性/学校・教育関連/専門職)・「親友と前日もいっしょにいて、翌日いっしょにノロにかかったとき」(24歳女性/商社・卸/事務系専門職)■家族が感染・「家族の前でマスクを外している時に大きなくしゃみをしてしまった」(26歳男性/農林水産/技術職)・「最初は普通の腹痛だと思い、家族のお弁当や食事を作っていて、家族にうつった」(33歳女性/建設・土木/事務系専門職)・「家族でタオルなどを共有していたので」(30歳女性/人材派遣・人材紹介/秘書・アシスタント職)■その他・「ブラック企業勤務だった当時にノロウイルスに感染し症状もあったが出社した。結局帰宅中に倒れて病院に担ぎ込まれたがブラック企業ゆえ会社を休むと叱責(しっせき)されるため、そのまま会社をトンズラした。トンズラしたので後のことはどうなったか分からない」(31歳男性/機械・精密機器/事務系専門職)Q.「いいえ」と回答した人にお聞きします。感染を防げたと思う理由について具体的に教えてください■消毒を徹底・「トイレの消毒を徹底した」(36歳女性/医療・福祉/専門職)・「つらい中、家族に感染させたくなったので、トイレ使用後自分で除菌作業しました」(50歳以上女性/その他/その他)・「母が私の行くところへアルコールを持ってついてきていたからだと思う」(24歳女性/生保・損保/事務系専門職)■隔離された・「部屋に隔離されていたから」(32歳女性/金融・証券/事務系専門職)・「自分だけ別の部屋でひたすらこもっていたから」(38歳女性/生保・損保/事務系専門職)■その他・「トイレが2カ所あったので片方だけをつかった」(47歳女性/医療・福祉/専門職)・「理由はわからない。特に対策はしていなかった。運が良かっただけかもしれない」(24歳女性/食品・飲料/専門職)・「子ども→主人→自分と、自分(の感染)が最後だった」(32歳女性/自動車関連/事務系専門職)・「空気清浄機をつかっていたから」(29歳男性/建設・土木/事務系専門職)■総評結果としては、「感染させてしまった(感染させたかもしれない)」と回答した人は約1割にとどまった。症状が発症する前に気づかず感染させてしまったケースや、看病してくれた人や家族など、身近な人への感染が防げなかったケースが主だった。およそ9割の人が感染の拡大を防げたのはなぜだろうか。理由としては「徹底して消毒を行った」という対策をとっていた人が多かったことがあるだろう。「徹底的に効果があると書いてあったアルコール剤で除菌していたから(母が)」(26歳男性/マスコミ・広告/営業職)など周囲が気をつけていたり、自らトイレを消毒したりしていたという回答もあった厚生労働省はノロウイルスの感染について、「ふん便や吐ぶつからの二次感染、ヒトからヒトへの直接感染、飛まつ感染を予防する必要があります」と指摘。「吐ぶつやふん便は乾燥しないうちに速やかに処理し、十分に換気を行う」「感染者が使用した食器は次亜塩素酸ナトリウム液で消毒する」などの対策が必要としている。自らの感染を防ぐことももちろんだが、症状の苦しみを周囲の人に広げないためにも、感染してしまった場合には対策の徹底をお願いしたい。※写真と本文は関係ありません調査時期: 2015年11月6日~11月13日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性122名 女性178名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年11月20日脱水状態および「かくれ脱水」に対する正しい知識と予防方法・対処方法を発信している「教えて!『かくれ脱水』」委員会」は11月19日、都内でメディアセミナーを開催し新型ノロウイルスおよびインフルエンザの今年の傾向と対処法について説明した。○いよいよ流行の季節寒い時期に流行する感染症の筆頭に挙げられるのはインフルエンザだが、インフルエンザよりもノロウイルスの患者数が多いことはご存知だろうか。全国の約3000カ所の小児科を対象とした集計では、2001~2011年の平均で1つの医療機関につき年間255.52人がインフルエンザと診断されているのに対し、ノロウイルスは年間321.17人を記録している。ノロウイルスの患者数は例年11月からピークに向かい、まさにこれからが流行の季節だ。さらに、今年は「新型ノロウイルス」が大流行する可能性があるという。全く新しいウイルスのように感じる「新型ノロウイルス」だが、分類上は昔からあったものだという。ヒトに感染するノロウイルスは30種類あり、これまではGII.4というタイプが流行していた。しかし、川崎市などが調査したところ、今まで流行したことのないGII.17が変異したものが流行しそうだということがわかった。同セミナーに講師として登壇した首都大学東京の矢野一好 客員教授は「今まで流行したことがないため、ヒトに免疫がないので大流行になるのではと危惧されている」と説明する。ただ、変異をしていても症状や感染経路に変化はないと考えられているため、従来と同じ予防法で対策できるだろうとされている。一方のインフルエンザもこれからが流行の季節だ。矢野客員教授によれば、今年はH1型やB型など、例年になくさまざまなタイプのウイルスが検出されており、どのウイルスが流行するかわからない状況だという。しかし、検出されているウイルスに関しては今年のワクチン株に含まれているため、予防接種を受ければ安心できそうだ。ノロウイルスとインフルエンザともに感染拡大の予防策はほぼ共通しており、手洗い・うがい・マスクの装着・嘔吐物の処理など基本的な対策を怠らないことが重要となる。○感染したら脱水に注意 - 水分だけでなく電解質も摂取をとはいえ、いくら予防を徹底していても、感染してしまうことはある。インフルエンザの場合、タミフルなどの抗インフルエンザ薬があるが、ノロウイルスなどの胃腸炎ウイルスは対症療法が基本となる。そのため、発熱や咳、嘔吐などによってウイルスを体から排除する期間をどのように過ごすのかが重要となるが、なかでも注意しなければならないのは脱水の予防だ。脱水は、体に入ってくる水分より出て行く水分が多くなってしまうことで発生する。ノロウイルスやロタウイルスなどの消化管感染症では、下痢や嘔吐、発汗によって出て行く水分が多くなるため、その分水分を摂取する必要がある。その際、ナトリウムやカリウムなど電解質とのバランスに気をつけなければならない。下痢や嘔吐では水分だけでなく、ヒトにとって不可欠なナトリウムなども出て行ってしまう。この時、電解質が含まれていない飲み物を摂取すると塩分濃度が下がり、低ナトリウム血症という状態に陥ってしまう。そのため、電解質が多く含まれている経口保水液による経口補水療法が推奨されており、同セミナーに登壇した「教えて!『かくれ脱水』」委員会」委員の十河剛 医師は「経口補水療法は点滴と同じくらいの効果があることがわかっている」とその有効性を語る。同医師によれば、経口保水療法では吐いても飲ませることが重要であり、その時なるべく吐かないように1回5ccずつの少量を5分毎に飲ませることがポイントだという。一方、インフルエンザやRSウイルスなどの気道感染症の場合、嘔吐や下痢は軽度であるものの、低ナトリウム血症のリスクはあるため、十河医師は風邪やインフルエンザなどの発熱時にも、水分だけでなく電解質の補給も考慮したほうが良いかもしれないとしている。
2015年11月20日国立感染症研究所は11月17日、11月2~8日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、ノロウイルス感染由来とみられる感染性胃腸炎の全国患者が、直近1カ月で1.8倍に増加していることが明らかになった。食品などを介して感染するノロウイルスはおう吐や下痢、腹痛などの症状を引き起こす。ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は通年で発生しているが、特に冬季に流行する傾向がある。厚生労働省によると、ウイルスの潜伏期間は24~48時間で、吐き気や下痢などの症状が1~2日続いた後、症状は回復に向かうという。ただ、症状が治まってからも長いときで4週間程度、ウイルスは体内から排出され続けるため、二次感染に注意が必要となる。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の定点医療機関から11月2~8日(第45週)の期間中に報告があった感染性胃腸炎の患者数は1万8,010人。第42週(10月12~18日)は1万393人だったが、そこから1万3,628人(第43週)、1万5,919人(第44週)と患者は増加の一途をたどっている。第41週(10月05~10月11日: 1万224人)から第45週の約1カ月の間で、1週間あたりの患者数は約1.8倍となっている。第45週において、都道府県別での感染者が最も多かったのは東京都(1,394人)だった。以下、大阪府(1,350人)、福岡県(1,215人)、神奈川県(988人)、兵庫県(953人)と続き、大都市圏での感染者が増えている。東京都だけに限ってみると第41週の患者は911人で、約1カ月の間に1週間あたりの患者数が約1.5倍へと増えている。ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、治療は対症療法に限られるため、予防が肝心となる。予防に関しては手洗いや食品の加熱調理が有効とされており、厚労省は「子どもやお年寄りなどの抵抗力の弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱することが重要」と注意を呼びかけている。※写真と本文は関係ありません
2015年11月17日数ある感染症の中でも、おう吐や下痢など複数の重い症状に苦しめられるノロウイルス。寒さも厳しくなってくるこれからの季節、注意しなければならないウイルスの1つだ。感染予防への意識を高めるためにも、今回はノロウイルスに感染したことのあるマイナビニュース会員300人に具体的な症状や、症状が続いた期間について聞いてみた。感染中につらかったときのエピソードもあわせてご紹介する。Q.ノロウイルスにかかったときの症状を教えてください(複数回答可)1位: 下痢(69.0%)2位: おう吐(68.3%)3位: 吐き気(67.0%)4位: 腹痛(40.3%)5位: 発熱(27.0%)6位: 頭痛(12.0%)7位: 筋肉痛(4.7%)Q.ノロウイルスの症状が続いた期間を教えてください1位: 2日以上~4日未満(41.0%)2位: 1日以上~2日未満(31.7%)3位: 4日以上~1週間未満(14.7%)4位: 1日未満(9.3%)5位: 1週間以上(3.3%)Q.ノロウイルスに感染し、つらかったときのエピソードを具体的に教えてください■トイレから離れられない・「トイレと友達だと言えるくらいずっとトイレにいた」(33歳女性/建設・土木/技術職)・「下痢が止まらず、ずっとトイレにいて、そこで寝ていた」(33歳男性/電機/技術職)・「下痢とおう吐が止まらなくてトイレに張り付きっぱなしだった。両方のにおいでさらに吐き気が増した」(28歳女性/ソフトウエア/技術職)■水分が十分にとれない・「脱水状態になり倒れた」(32歳女性/金融・証券/事務系専門職)・「下痢が続いて脱水症になりかけたこと。身体からどんどん水分が抜けていくのが分かった」(24歳女性/食品・飲料/専門職)■家族で感染・「下痢が止まらないのと、おう吐がひどいなか、同じ症状の子どもの看病をしなくてはならなかったこと」(36歳女性/団体・公益法人・官公庁/技術職)・「子どものノロウイルスが家族全員にうつってしまい、みんなトイレの順番待ち。つらいのに子どもが吐きまくるから、洗濯物がたまるし、乾かない地獄になりました」(38歳女性/情報・IT/事務系専門職)■旅行中に発症・「台湾でウイルスにかかった。ずっとトイレとベッドの往復。せっかくの旅行が台無しだった」(28歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)・「旅行中で電車の中でもよおすなど最低でした」(30歳男性/運輸・倉庫/技術職)■複数の症状を発症・「おう吐しながら下痢をしていた」(37歳女性/商社・卸/事務系専門職)・「下痢と吐き気が同時に来て、どちらを優先するか悩んだ」(30歳女性/機械・精密機器/事務系専門職)■その他・「デートした次の日からかかったので彼氏にうつしたのではないかと自分の体以上に心配でつらかった」(34歳女性/その他/その他)・「1人暮らしの時だったので非常につらかったです。ご飯が食べられないし動けなかったので本当に死ぬかと思いました」(39歳/食品・飲料/販売職・サービス系)・「ブラック企業勤務だったので症状があったが休めず会社に行き失神しそうになった。帰り道の駅で失神し救急車で運ばれた」(31歳男性/機械・精密機器/事務系専門職)■総評具体的な症状については、6割以上の人が「下痢」「おう吐」「吐き気」を訴えた。ほかにも、約4割が「腹痛」と回答。少数ではあるが、頭痛や筋肉痛をあげる人もいた。症状が続いた期間としては、「2日以上~4日未満」と答えた人が最も多かった一方で、「4日以上~1週間未満」(14.7%)、「1週間以上」(3.3%)など、長期間苦しめられた人も少なからずみられた。さらに、ノロウイルスに感染してつらかったことについて自由回答で答えてもらったところ、「トイレから離れられない」という内容の回答が目立った。「胃の中に何もなくなっても吐き気が止まらずトイレから離れられなかった」(25歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)など、離れられない事情から症状の重さがうかがい知れる結果となった。また、「家族全員でおう吐下痢の症状があり、きつかった」(31歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)という回答があった一方、1人暮らしで症状に対処する大変さを訴える人もいた。これらのエピソードに加えて、やはり多かったのが「症状自体のつらさ」に関する回答だ。複数の症状が同時に発症したり、これらの症状が派生して痔(じ)や脱水症状になったりする人もいた。厚生労働省によれば、現在ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、発症した場合、水分と栄養の補給を十分に行って回復を待つしかないとのこと。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になるという。苦しい症状に悩まされることのないよう、手洗いや食品の加熱処理などを徹底し、事前の予防をぜひとも徹底してほしい※写真と本文は関係ありません調査時期: 2015年11月6日~11月13日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性122名 女性178名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年11月17日朝晩が寒くなり、乾燥が気になってきました。これから冬にかけて流行してくる感染症として、インフルエンザやノロウイルスなどがあります。東京都感染症情報センターによると、すでにインフルエンザとみられる症状で学級閉鎖になった都内の小学校もあるとのことで、これからの季節、流行が心配されます。また、ひどい吐き気や下痢といった、つらい症状を引き起こす、ノロウイルス。家族間で感染しやすく、肉体的ダメージが多いこともあり、私のママ友の間でも「子どもにかかってほしくない感染症」で上位にランクインしています。免疫力の弱い小さいお子さんを持つママは、特に心配ですよね。そんな感染症の予防法はというと、まずは「手洗い・うがい」です。しかし、ちゃんとした手洗い・うがいってできていますか?親指も忘れずに! 正しい手洗いの方法まずは正しい手洗いの仕方から。1.水で簡単に汚れを落とした後、石けんをつけます。2.泡立てた石けんで、手のひら・手の甲・指の間を洗います。3.次は爪を洗いましょう。手のひらに爪を立てるようにしてこすり洗います。ここで、ポイント! 手のひらのしわや溝の部分にこすりつけ、汚れをかき落とすようにすると、さらに効果的です。4.忘れがちなのが、親指です。特に、親指と人差し指の間には汚れやばい菌がたまりやすいので、しっかり汚れを落としましょう。親指を握るようにして洗うときれいになります。指しゃぶりなどが多い小さなお子さんは、特に気をつけて洗ってあげてくださいね。5.最後に手首まで洗っておしまい。水で流しましょう。 実はこのようにしっかり洗おうとすると20~30秒くらいかかります。お子さんが飽きてしまわないように、横についてあげて、一緒に歌を歌いながら洗うと、時間が経つのも早くておすすめですよ! たとえば「チューリップ」の歌の1番を歌うと、20秒ちょっとかかります。そのほか、幼稚園や保育園では、正しい手洗いを歌で教えているところもあります。楽しく歌うことで、正しい手洗いが習慣になるといいですね。小さな子供は「ぶくぶくぺっ」の練習から、正しいうがいの方法まずは、口をゆすぎます。そして口の中をきれいにしてからうがいをするのが、正しい方法です。小さいお子さんも、まずは「クチュクチュうがい」から始めてみましょう。水を口に含んで、「ぶくぶくぺっ」の練習です。それに慣れてきたら、水を口に含んだまま顔を少し上に向けて「あー」と声を出す練習をしてみましょう。これで「ガラガラうがい」ができるようになります。横で数を数えてあげたりすると、「何秒できた!」という達成感があってお子さんも嬉しいかもしれませんね。感染症を防ぐには、とにかく「手洗い・うがい」が大切です。しっかりした手洗い・うがいでこれからの季節を元気に過ごしましょう。(あい)
2015年11月01日「ブランでスッキリ! 」委員会はこのほど、首都圏在住の20~50代の女性を対象に、冬に感じる心身の悩みについて調査を実施し、その結果を発表した。まず、便秘に悩む女性にもっとも悩む季節を尋ねたところ、「冬」と回答した人は、他の季節の約2倍にあたる約7割(67.5%)に及んだ。また、冬に風邪、インフルエンザ、ノロウィルスやロタウィルスなどの感染症にかかりやすい女性のうち「インフルエンザ」「風邪」で約半数、「感染症」の6割超が便秘になりやすいと感じていることが分かった。次に、風邪・インフルエンザ予防に効果的だと考える対策を尋ねたところ、「外出からの帰宅時にうがい・手洗いを必ず行う」(90.5%)、続いて「マスクをする」(82.5%)との回答が上位となり、多くの女性が外敵を自分の体に侵入させない方法で予防していることがうかがえる。また、注目度はあまり高くないものの、「腸内環境を整える」と回答した人も36.3%を占めた。続いて、冬に風邪、インフルエンザ、ノロウィルスやロタウィルスなどの感染症にかかりやすいと考える女性に原因を聞いたところ、約半数が「免疫力の低下によるもの」と回答。また、免疫力を高めるために効果的と考えられることは何かという問いに対しては、「睡眠を十分にとる」(85.9%)、「ストレスをためない」(80.3%)など、生活習慣の見直しが8割以上を占めた。一方で、「腸内環境を整える」は43.0%にとどまっており、多くの人が免疫力強化の方法を模索中であることが浮き彫りになったとしている。調査結果を受け、同委員会の委員で医療法人小林メディカルクリニック東京院長の小林暁子医師は、「冬に風邪やインフルエンザにかかりやすいのは、体の免疫力の低下が影響している可能性がある」と指摘。免疫細胞は70%が腸に集まり腸内環境と密接に関わっているため、便秘解消によって腸内環境を改善すれば、免疫の活性を助ける働きがあるとのこと。また、腸の動きをコントロールしている自律神経は、交感神経が優位になると動きが悪くなるという。冬は寒さから交感神経が優位になりやすく腸の蠕動(ぜんどう)運動が鈍って便秘になりやすい季節であり、年末年始は食生活が乱れて運動不足も重なって便秘を悪化させてしまいがちだという。そこで、食物繊維が豊富な食品を習慣的に摂(と)り、便秘を解消することが大切だとアドバイスしている。同調査は、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)在住の20~50代女性400名を対象に、インターネット調査によって8月に実施された。
2015年10月23日ライオンはこのほど、ノロウイルスによる食中毒が気になる時期に向け、「正しい手の洗い方」と「適切な手洗いのタイミング」についての情報を公開した。秋から冬にかけてはノロウイルスによる食中毒に注意が必要な時期で、特に今年は新型のノロウイルスが流行する恐れがあるとも言われているという。そこで同社は、ウイルスを体の中に入れないために、普段より丁寧に手を洗うことが重要であるとしている。今回は、同社のヘルスケアマイスター・山岸 理恵子さんが手の汚れについて行った実験の結果を公開した。手を洗った後に残った汚れについて、どの部分に汚れが残りやすいか実験したところ、「指先」「指と指の間」「手首」に汚れが残っていることがわかった。手洗い時間(自己申告)について聞くと、30秒以上かけて手を洗っている人は、小学生が28.4%、中学生が14.9%、保護者(大人)が10.6%だった。山岸さんによると、手洗いを正しく行うと、泡を立てた後から洗い流す前までの工程だけで最低でも30秒はかかるという。「洗い残しを防ぐためにも、正しい手の洗い方を覚えて実践することが大切です」。正しい手洗いのポイントは「こすること」「ねじること」だという。まず、時計や指輪を外してから手をぬらし、石けんやハンドソープをあわ立て、手のひらをこすって洗う。続いて手の甲もこすって洗い、指の間は両手を組むようにこすり合わせて洗っていく。親指は反対の手で、手首も同様に反対の手でねじるようにして洗う。指先や爪の間は、手のひらの上で指先をこするようにするのがコツとのこと。そして、流水で石けんやハンドソープの汚れを十分に落とし、乾いた清潔なタオルで拭き取る。続いて、通勤後の手を水だけで洗ったときとハンドソープで洗ったときの汚れを比較した。その結果、水だけでは十分に汚れが落ちていないことがわかった。「石けんやハンドソープの洗浄成分である界面活性剤には、汚れを包みこんで手から引き離す働きがあります。界面活性剤自体にはノロウイルスを直接失活する効果はありませんが、ウイルスを手指から洗い流して体の中への侵入を防ぐ効果が期待できます」。泡と泡のすき間には汚れを吸い寄せる作用があるため、ソープはよく泡立てることが大切とのこと。また、ノロウイルス対策として重要な手洗いのタイミングについても解説した。適切なタイミングは「調理を行う前後」「食事の前」「トイレに行った後」「下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後」。さらに「外出から帰った後」「動物に触った後」「咳・くしゃみを手でおさえた後」の手洗いも大切であるとアドバイスしている。
2015年10月13日IPAは、コンピュータウイルスや不正プログラムの状況分析から、「今月の呼びかけ」を発表している。今月は、そのWebサイトを閲覧すると、日本語音声でウイルスに感染したことを警告し、偽のウイルス対策をするように促される。このような手口は、初めてであり、騙されてしまうことが少なくないと、IPAでは注意喚起している。これまで、音声を使った詐欺的な行為は、スマホでカメラのシャッター音を使い、いかにも本人を撮影し、個人を特定できたかのように振る舞うものが存在した。しかし、今回は日本語を使い、ウイルスの感染を警告する内容を読み上げる。ちなみに声は女性であった。その内容であるが、以下の通りである。警告あなたのコンピュータでウイルスが検出されました。ただちに提供された番号に電話していただくと、あなたのコンピュータ上のアドウェア、スパイウェア、ウイルス除去のためにガイドされます。このメッセージが表示されたということは、あなたの個人情報、写真、パスワードやクレジットカード情報が危険にさらされているということです。提供された電話番号に連絡していただけるまでは、インターネットの使用、Webサイトにログインすることや、オンライン上での商品の購入はなさらないでください。文面は、かなり日本語に精通した人が作成したと思われるレベルである。しかし、「ガイドされます」のように不審を感じ得ない部分もある。また、実際に音声を聞いた印象であるが、完全なネイティブとは思えない印象であった。このことから、海外の攻撃者が、明確に日本人を狙った攻撃といえるだろう。IPAに寄せられた相談内容によると、「PCサポート」といったWebサイトのアクセスしたところ、音声データが不意に再生されたとのことである。その詐欺サイトへは、広告バナーのクリックやリダイレクトによるものとIPAでは指摘する。音声を再生するのは、BGMなどと同じ仕組みである。その詐欺サイト閲覧したら、ウイルス感染などを調べることなく、無条件で警告音声を再生するようになっていた。警告音声にあったように、表示されたメッセージにある電話番号に電話をかけるように薦められる。このような手口に遭遇したことのないユーザーの中には、不安から電話をしてしまったユーザーもいたとのことである。そして、電話では遠隔サポートによるウイルス駆除を行うので、指定された遠隔操作ソフトのインストールを行うように告げられたとのことである。実際に、遠隔操作ソフトをインストールすると、なんらかの遠隔操作が行われた。その後、有償のセキュリティ対策ソフトの購入を促された。IPAでは、遠隔操作ソフトは速やかにアンインストールするように推奨した。有償のセキュリティ対策ソフトは断ればすむ。しかし、IPAではもっとも確実なのは、このような誘いに乗らず、指定された電話番号に決して電話をかけないこととしている。そして、IPAでは、日頃からのセキュリティ対策こそが重要と注意喚起する。脆弱性の解消、正しいセキュリティ対策ソフトの導入、地味であるが確実な対策となる。それを決して忘れないでほしい。その一方で、筆者が脅威に感じるのは新たな手口を考え、攻撃を仕掛ける攻撃者である。ウイルスや不正プログラムなどに大きな変化はない。それ以上に巧妙化しているのは、ドラマ性であったり、危機感を煽る演出、注力を働かせないようにする工夫である。個人データを入力するまえに、重要な判断をするまえに、今一度、振り返ってみることがいかに重要か。改めて思い知らされた事例であった。
2015年08月04日●ウイルスバスタークラウド10と太田雄貴選手トレンドマイクロは、ウイルスバスタークラウドの新バージョンとフェンシングの太田雄貴選手とのスポンサー契約を発表した。○太田雄貴選手とのスポンサー契約太田選手であるが、北京五輪にて日本フェンシング界の初のメダル(銀)の獲得、ロンドン五輪では団体銀メダル、2015年の世界選手権で金メダルを獲得したことで知られる。今回、トレンドマイクロ社が太田選手とのスポンサー契約を結ぶにあたって、代表取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏は以下のように語った。フェンシングの名前は「FENCE(守る・囲い)」から生まれたもので、相手の攻撃からの防御、変化する相手の攻撃に対応する戦略性などが重視される。この発想は、トレンドマイクロの脅威からの防御、そしてさまざまな手法で攻撃を仕掛ける攻撃者に対応する姿勢と一致する部分がある。そして、各種大会での立派な成績もさることながら、小学生のフェンシング大会の企画・プロデュースなども手掛け、若い選手への育成にも力を注いでいる。こういった活動を高く評価すると、エバ氏は語っていた。さらに、エバ氏自身が、フェンシングが大好きであることも、スポンサー契約の理由の1つとのことである。エバ氏は、コーチからつねに早く、集中力を高め、相手の攻撃を予測できなければならないと教わった。トレンドマイクロの驚異対策も同じで、いかに早く驚異への対策を講じ、未知の脅威への対策と同じ姿勢が求められる。トレンドマイクロでは、太田選手のスポンサーとしてさらなる活躍と成長を支援するとともに、次世代選手育成キャンプなどの支援を継続し、グローバルに活躍する人材の育成の協力に取り組む予定とのことである。太田選手は、この場に立てることをとても感謝しているという言葉から挨拶が始まった。太田選手もトレンドマイクロが大切にしているフェンスとフェンシングには、とても似通ったものがある。相手の先の攻撃を予測して防御する点も、トレンドマイクロの思想とフェンシングが共感していると思うと語った。東京五輪が開催される2020年のセキュリティについて尋ねられると、インターネットと実社会は非常に近いものとなっている。それはこの先もより加速していくだろう。5年後、もっともっと近い存在となっていくがゆえに、ウイルスの脅威も増大していくのではないかと答えた。2020年には、ウイルスバスターに守ってもらいながら、次世代のアスリートを育成し、もしかしたら自分もチャンスがあれば、五輪にチャレンジしたいと夢を語っていた。○ウイルスバスタークラウド10必要な10理由続いて、ウイルスバスタークラウド10の発表となった。まずは、エバ氏がウイルスバスタークラウド10が必要な10の理由を披露した。以下の通りである。SNSWeb閲覧ネットバンキングネットショッピング動画視聴仕事遊び共有通信学習たとえば、共有ではOneDriveが、Windows 10の登場でより普及が進むと予想される。そこで、ウイルスバスター10では、クラウドストレージのスキャン機能が搭載された。実際にデモが行われ、CPU負荷がほとんどかからないことが示された。このように、新しいOSによる新しい環境や利用形態に沿ったものとなっていることを強調していた。○トレンドマイクロのコンシューマビジネス次いで登壇したのは、取締役副社長の大三川彰彦氏である。まず、トレンドマイクロが27年間貫き通したビジョンの「デジタルインフォメーションを安全に交換できる世界実現」、そしてミッションとして「お客様のデジタルライフやITインフラを脅威から守る」を再確認した。そして、環境の変化についてふれた(図3)。多くのユーザがPC以外にもスマホなど複数のデバイスを持つ、平均的には1人で3.5台になる。しかし、PCのセキュリティ対策はしても、スマホなどの対策があまり行われていない。次に、クラウドサービスが普及する一方で、セキュリティへの懸念が拡大している。また、トレンドマイクロのデジタルライフサポートの利用者も急増している。これは、複雑化するデバイスの設定がわからない。警告が表示されたが、どう対応していいかわからないといったものである。実際にサポートで、何が起きているかを確認するだけで、30分もの時間を費やしてしまうこともあるとのことだ。こういった問題を解決するために開発されたのが、ウイルスバスタークラウド10である。以下では、個々の新製品の新機能などを見ていこう。●ウイルスバスタークラウド10/モバイルの新機能○ウイルスバスタークラウド10の新機能など製品紹介は、マーケティング本部プロダクトマネジメント部の石橋達司氏である。まずは、PC用の製品である。新機能などは図6の通りである。Windows、Mac以外にも、Android、iOS、Kindle Fireなどにも対応する。クラウドストレージスキャンであるが、図7を見てほしい。ユーザのPCを介さずに直接スキャンを行う。現状、対応するのはOneDriveのみであるが、Microsoftから提供されるAPIを利用してスキャンが行われるとのことだ。そして、デジタルライフサポートプレミアムであるが、特徴的なのはユーザ側にサポートツールをインストールすることで、ユーザの環境を直接サポートが知ることができる。OSなどの情報はもちろん、今、ユーザの画面で何が起きているかを把握できる(図8では、怪しげなポップアップが表示されているが、それもモニタ可能だ)。さらには、サポートからコントロールパネルを開くといった操作も可能になる。障害のより詳しい把握、サポート時間の削減などが期待できるだろう。一方、Windows 10の新ブラウザEdgeでは、一部の機能(ブラウザガード、リンクの安全性表示)はサポートされない(現時点では対応次期は未定とのことだ)。○ウイルスバスターモバイルの新機能などAndroidなどのモバイルデバイス向けのセキュリティ製品が、ウイルスバスターモバイルである。今回の新機能などは、図9の通りである。オンラインバンキングなどでの安全性の向上が期待できる機能が追加された。図10は、偽アプリを検出そたこの対象であるが、国内の主要銀行でオンラインバンキング用のアプリを提供する銀行を対象としている。トレンドマイクロでは、この仕組みを作る前に存在するアプリにスキャンを実行し、問題があれば銀行に連絡をとったとのことである。新バージョンへの対策であるが、すでにチェックが終わったアプリは定期的に確認をしている。新たなアプリについては、一定間隔で確認を行うとのことである。大三川氏のマルチデバイスの普及に関して、平均3.5台という数字をあげていた。今回の標準パッケージでは、3台までのデバイスが利用可能である。しかし、家族のすべてのデバイスに対応できない。そこで、トレンドマイクロでは、OKAERIという月額制のサービスも提供している(台数無制限)。状況によっては、こちらも検討したい。
2015年07月27日アクト・ツーは5月26日、未知のウイルスからPCを守るアンチウイルスソフト「DeP(ディフェンスプラットフォーム HomeEdition)」の無償版を一斉配布すると発表した。「DeP(Defense Platform)」は、ウイルスをAPIで察知・捕捉し対処する。新型ウイルスの侵入も阻止する「情報漏洩対策」として開発された技術を搭載している。アクト・ツーによると、日本は先進国の中でもホワイトリスト型セキュリティソフトの導入が遅れているという。そのため、開発元であるハミングヘッズの全面協力の下、日本国内での認知度と普及を促進するために、無償版の配布を決めたという。また、米国でも同日に無償版の提供を開始する。日本国内で900社以上が導入する「メイドインジャパン」の技術を米国市場でも本格的に普及させることを目的としており、米国版「DeP」は「SHINOBI」という名称で提供される。使用期間に期限はないが、利用者側で操作できるリスト項目数は1000個(有償版は無制限)までに限定される。
2015年05月27日ニフティは2月3日、@nifty会員向けサービスとして、各端末にウイルスソフトをインストールすることなく、同社の「@niftyセキュリティセンター」にてウイルススキャンを行い、ネットワークに接続された機器の通信に対してセキュリティ機能を提供する「スマートサーブセキュリティ機能」を備えた「常時安全セキュリティ24プラス」の提供を、同日より開始した。同社では2003年より、3つの端末までウイルス対策ソフトをインストールできる「常時安全セキュリティ24」を提供しているが、セキュリティソフトがインストールされていない端末は保護できないという課題があった。「常時安全セキュリティ24プラス」では、この課題を解決するため、IoT時代を見据え、セキュリティソフトがインストールされていないネットワークカメラやゲーム機、スマートデバイスにも対応する(HTTP通信、SMTP通信、POP通信が対象)「スマートサーブセキュリティ機能」を追加した。月額料金は従来と同じ500円だが、別途初期費用が5000円必要(いずれも税別)。「スマートサーブセキュリティ機能」では、インターネット接続する際、「@niftyセキュリティセンター」を経由し、ここでウイルススキャンを行う。そのため、「@niftyセキュリティセンター」経由でインターネットにアクセスされるデータに関しては、端末を問わず防御できる。この機能は、同社が従来から提供していたスマートサーブ機能を活用したもの。スマートサーブは、自宅のネットワーク(LAN)に接続された機器を外出先から操作できるネットワークサービスだ。「@niftyセキュリティセンター」と自宅間はVPNで接続することにより、安全性を担保する。そのため、自宅のVPN端末としてスマートサーブ機能も合わせ持ったサービスアダプタ(NV900W)を設置する必要がある。初期費用の5,000円はこの端末代だ。サービスアダプターは、ルータ機能も備え、無線LANも利用できる。なお、「スマートサーブセキュリティ機能」は台数の制限はなく、サービスアダプター配下の端末はすべて保護される。また、「スマートサーブセキュリティ機能」として、2015年2月25日から「@niftyセキュリティセンター」にて「安全評価機能」も提供する。この機能はサービスアダプターの配下の機器が、詐欺サイトやフィッシングサイトなどの悪質なサイトに接続されることを防ぐ機能。ウイルススキャンおよび「安全評価機能」はシマンテックのウイルススキャンエンジン「Symantec Protection Engine」と、悪質な活動の発生源、新種の脅威などに関する情報を提供する情報サービス「DeepSight Datafeed」を活用している。シマンテックによれば、「DeepSight Datafeed」を利用したサービス提供は国内初だという。なお、同社ではサービス開始を記念して、2015年3月31日までに「常時安全セキュリティ24プラス」に申し込んだ場合、初期費用を無料にするキャンペーンを実施する。
2015年02月03日受験シーズンを目前に控え、受験生の子どもを抱える家庭では最後の追い込みの時期となった。これまでの努力の結果を最大限に発揮できるよう、試験本番は体調管理を徹底し、万全の状態で迎えたいものだ。インフルエンザやノロウイルスなどの感染症の流行期でもあるこの時期。受験生本人はもちろん、家庭内に病気を持ちこまないよう家族も十分気を付ける必要がある。ウイルスなどの病原体に感染しないためには、身体の免疫力を高めることが大切。そこで今回は、免疫力を高め、インフルエンザだけでなく、ノロウイルスなどへの感染予防効果が認められるという、“ラクトフェリン”と呼ばれる成分を紹介したい。ラクトフェリンの感染防御に有効と考えられているメカニズムの1つは、体を守る免疫細胞“NK(ナチュラルキラー)細胞”の活性化にある。ヒトを対象に行われた疫学調査では、NK細胞活性が低いグループでは、発がん率や風邪にかかる頻度が高いと報告されている。このNK細胞活性は、ラクトフェリンを摂取することで上昇することがヒトを対象にした臨床試験で判明している。また、健常成人女性を対象に行ったアンケート調査では、ラクトフェリン含有サプリメントを3カ月間摂取したところ、3カ月目に腹痛や下痢などの胃腸炎症状を発症した人は、ラクトフェリン含有サプリメント摂取群において有意に少なかったと報告されている。そのほか、ノロウイルスをはじめ、様々な病原体に対して発症抑制効果を示すことが報告されている。北海道大学の島崎敬一名誉教授によると、「ラクトフェリンは、体がもともと備えている防衛・防御反応を支えている“防波堤”のようなものではないかと考えられます。疲れがたまったりすると、免疫系に“隙”ができます。そんなときには、栄養と十分な睡眠をとるのが有効ですが、ラクトフェリンを摂取するとさらに良いでしょう」と解説。そして、「実際に、ラクトフェリン摂取によって、風邪にかかりにくかったという調査結果も出ています。特に加齢や運動不足、ストレスなど、免疫力が落ちる要因がある人にとっては、ラクトフェリンの常日頃からの摂取が免疫系の補強に作用し、細菌やウイルス感染による病気への備えになると言えるでしょう」と話す。受験生が多く通う学研CAIスクール港中央校では、塾生に対してラクトフェリン入りのヨーグルトを配布して食べさせているという事例もある。ラクトフェリンは、ヨーグルトなどに配合された形で商品が売られている。受験本番に備え、ラクトフェリンを体調管理に取り入れてみてはいかがだろうか。
2015年01月27日シャボン玉石けんはこのほど、ノロウイルス予防に関する調査の結果を発表した。同調査は2014年12月9日~15日、全国の20~60代の女性1,000人を対象にインターネットで実施したもの。「ノロウイルス対策に有効だと思うこと」を聞くと、92.5%の人が「手洗い」と回答した。また、ノロウイルスの感染が広がることが予想されるこれからの時期、意識して手洗いの回数を増やそうとしている人も76.9%と、4人に3人以上の人が予防を心がけていることがわかった。また、厚生労働省もホームページ内で「ノロウイルスに関するQ&A」を公開しており、「手の脂肪などの汚れを落とすことにより、ウイルスを手指からはがれやすくする効果がある」として、石けんを使った手洗いを紹介している。「実際に手洗いの際にどこまで意識的に洗っているか」を聞くと、指先や手首を常に意識して洗えている人は少なく、中でも「手首」を常に意識して洗えている人は17.1%にとどまった。「ノロウイルス対策について家族と話したことがあるか」を聞くと、56.3%の人が家族と話し合ったことがないことがわかった。感染力の高いノロウイルスは、嘔吐(おうと)物の処理や、感染者が調理した食事などで身近な人に感染することがあり、身近な人を感染から守るためにも家族で予防法などを確認することが大切だという。調査結果を受け、しんどう小児科・院長の進藤静生氏は、「ノロウイルスの予防方法は、嘔吐物の処理を慎重に行うことや、感染者が触れる可能性のある部分を次亜鉛酸ナトリウム溶液でふき取ることが大切です。一般家庭で普段からできる予防では、石けんによる手洗いなどが重要です。時計や指輪を外し、手首の付け根から5センチメートルくらいまで流水でぬらし、十分に泡を立てた石けんで、指先、指の間、手のひら、手の甲、親指の全体などを洗いましょう。すすぎは流水の下で十分に行います」とコメント。
2015年01月06日嘔吐(おうと)や下痢などのつらい症状が現れるノロウイルス。寒い冬の季節になるとよく耳にするウイルスのひとつだが、どのような特徴があるのだろうか。ライオンのヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんに話を伺った。○ノロウイルスの発生時期は近年、ニュースに取り上げられることも多いノロウイルスだが、感染しやすい時期や流行時期はあるのだろうか。「ノロウイルスは、2002年に命名されたウイルスで、それまで一般の人にとっては、単に『おなかの風邪』として認識されることが多かったようです。1年を通じて発生していますが、秋ごろから感染報告が多くなり11月~1月ごろがピークとなります。ノロウイルスは自然界での抵抗力が強く、空気中で長く生きることができます。気温が低くなるとさらに長く生存できるようになるため、冬場に感染した患者が多くなります」。自然界での抵抗力の強さからか、ノロウイルスは集団食中毒の原因となることも多い。気温が低くなってきた時期が、感染に注意したい季節となる。○10~100個のウイルスで感染では、ノロウイルスにはどのような特徴があるのだろうか。「ノロウイルスはウイルスの中でも比較的小さく、空気中に浮遊しやすいです。また、手のシワなどにも入り込みやすいので、丁寧に手洗いしないと残留してしまいます。たった10個から100個のウイルスで感染するとされており、発症後、症状が治まった後も2週間から4週間ほどはウイルスを排出し続けるため、感染が広まりやすいと考えられます」。感染しても症状の出ない場合(不顕性感染)もあり、本人の自覚が無いままウイルスを排出しているケースもあるという。「ノロウイルスは、宿主であるヒトの小腸上皮細胞でのみ増殖します。つまり、増えるのはヒトの体内のみで、食べ物の中などでは増えません。そのため培養して特性をつかむことも難しく、類似の代替えウイルスによる研究がされています」。培養が難しいウイルスの場合、ウイルスを分離して特定することも困難となるため、食品中のノロウイルスを検出することが難しい。そのことが、食中毒の感染経路や原因の究明をより難しくしているという。○感染はほとんどが経口感染自然界での強い抵抗力をもつノロウイルスだが、ヒトへの感染経路は限られるという。「ノロウイルスはほとんどが経口感染で、予防には口からウイルスを入れないことが大切です。『手洗いをきちんとする』『加熱された食材を摂(と)る』などを心がけることで、感染のリスクは減らすことができます。また、体力のある人は軽症で済む場合も多いので、普段から免疫力の高い、健康的な生活を心がけておくことも大切です」。万一感染しても、より軽症で済ませるためには普段の生活で免疫力や体力をつけておくことが肝要。栄養のある食事、適度な運動などでノロウイルスに負けない体作りもしておきたい。写真と本文は関係ありません○取材協力: ライオン ヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんボディーソープほか、スキンケア商品の開発に長年携わった後、現在のヘルスケアマイスターとなる。商品開発の経験を生かし、主にライオン快適生活研究所にて健康で快適な暮らしのための情報発信に尽力している。
2014年12月10日森永乳業はこのほど、ノロウイルスに関する実態調査の結果を発表した。同調査は11月8日、内科・小児科に勤務している医療従事者100名を対象にインターネットを通じて行ったもの。過去にノロウイルスと思われる感染性胃腸炎に感染した経験の有無について尋ねたところ、感染したことがある人は37.0%だった。そのうち二次感染と疑われることがある人は59.5%となり、医療従事者の5人に1人(22.0%)が二次感染と疑われる感染性胃腸炎にかかった経験があるということがわかった。家庭でのノロウイルス対策の実態について尋ねたところ、「ノロウイルス対策をしている」と回答したのは42.0%だった。さらに、家庭で実践しているノロウイルス対策について尋ねたところ、「毎日の石けんを使った手洗い」が95.2%で最多。以下は「バランスの取れた食事」(59.5%)「食品の十分な加熱」(57.1%)「十分な睡眠」(52.4%)「次亜塩素酸の常備」(50.0%)の順に多い結果となった。ノロウイルスやインフルエンザなどの感染症について「手洗い」や「マスク」などの外部からの対策以外に、身体の中からの対策を行うことへの興味度合いを尋ねたところ、既に「身体の中からの対策」を取り入れている人は14.0%だったものの、78.0%が「興味がある」と回答した。ノロウイルスやインフルエンザなどの感染症対策として、身体の中からの対策が有効だと思うかどうかについて尋ねたところ「有効だと思う」が23.0%、「ある程度有効だと思う」が69.0%という結果となった。ノロウイルス対策として注目を集めている「ラクトフェリン」に対する興味度合いを尋ねたところ、「非常に興味がある」が13.0% 、「興味がある」が62.0% となった。これについて同社は、「腸内環境を整えるなど身体の免疫力を高めると、ノロウイルスの予防に効果的だといわれています。中でも、ラクトフェリンは腸内で免疫を高める作用に加え、ノロウイルスが細胞へ付着することを防ぎ、ウイルス自体の増殖も抑制するため、予防効果が見られるということが当社の研究から分かっています」とコメントした。
2014年11月28日東京大学と科学技術振興機構(JST)は11月21日、インフルエンザウイルスの増殖に関わる約300個の宿主タンパク質の同定し、それぞれのウイルス増殖サイクルにおける作用を決定することに成功したと発表した。同成果は同大学医科学研究所の河岡義裕 教授と渡邉登喜子 特任准教授らによるもので、11月20日付け(現地時間)の米科学雑誌「Cell Host and Microbe」オンライン版に掲載された。現在、インフルエンザの治療薬としてタミフルなどの抗ウイルス薬が使われているが、それらの薬剤は特定のウイルスタンパク質の働きを抑えるため、遺伝子の変異によって薬が効きにくくなる耐性ウイルスが発生してしまう危険性がある。そのため、ウイルスのタンパク質に作用せずにウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬の開発が求められている。ウイルスは宿主細胞内のたんぱく質の働きを利用して増殖するため、宿主細胞のタンパク質とウイルスの相互作用を抑える薬剤があれば、有効なインフルエンザ治療薬となる可能性がある。同研究グループは、インフルエンザウイルスタンパク質と結合するヒトタンパク質(宿主因子)を網羅的に探索。その結果、11種類のインフルエンザウイルスタンパク質と相互作用する1292個の宿主因子を同定した。次に、それらの宿主因子がインフルエンザウイルスの増殖とどのように関係しているのかを調べたところ、ウイルスの増殖効率に影響を与える323個の宿主因子を同定した。また、それらの宿主因子の機能を阻害する薬剤が抗ウイルス薬として有効であるかどうかを検討した結果、いくつかの薬剤に抗ウイルス効果があることが確認された。今回得られた成果は、インフルエンザウイルスの増殖や感染のメカニズムを明らかにするために有用であるとともに、インフルエンザ治療薬開発の重要なターゲットになると期待される。
2014年11月21日英ケンブリッジ大学は10月21日(現地時間)、富士フイルムのグループ会社が開発した抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」として知られ、エボラ出血熱の治療薬になる可能性があるとして注目を集める、「ファビピラビル」がノロウイルスに対して効果を示す可能性があると発表した。同研究成果は同大学のIan Goodfellow教授が率いる研究グループによるもので、英オンライン科学誌「eLife」に掲載された。今回の研究では、ノロウイルスを保持するマウスに「ファビピラビル」を投与したところ、ウイルスが減少したほか、中には検出されなくなったマウスもいた。これは同薬がウイルスの増加を抑制し、自滅させる効果を発揮した結果だという。「ファビピラビル」はエボラ出血熱のほかにも、西ナイルウイルス、黄熱ウイルスにも効果があると考えられており、同研究チームは「治療だけでなく感染予防にも効果的である可能性がある」とコメントしている。
2014年10月22日プロテクティアは9月24日、独自技術「CateProtect」に基づくカテキン誘導体が、ノロ類縁ウイルスであるネコカリシウイルスを効果的に無力化することを見出した公表し、「日本防菌防黴学会 第41回年次大会」で詳細を発表した。同社は、大阪大学産業科学研究所の開發邦宏 特任准教授が研究してきた天然カテキン(EGCG)の誘導体に着目し、同大学発の産学連携ベンチャーとして、その実用化技術「CateProtect」の研究開発に取り組んできた。「CateProtect」は、天然カテキンの中で、最も抗ウイルス機能が高いエピガロカテキンガレート(ECCG)をベースに、EGCGを膜親和性にすることで、ウイルスや細菌の膜を捕えることを可能にする技術。これまで同技術を応用した部材がインフルエンザウイルスや細菌に対して優れた効果を示すことが確認されている。同社は非膜ウイルスであるノロウイルスにも同技術が応用できないかと考え、研究を進めた結果、カテキン誘導体がノロ試験用代替ウイルスであるネコカリシウイルスを最大99.9%以上無力化することを確認した。また、EGCGはタンパク質を含む汚れた環境で効果を発揮できないが、同技術を施したカテキン誘導体は、同環境においてもウイルスを効果的に無力化することもわかったという。今回の研究成果について同社は「従来のカテキンでは効果が現れにくい、嘔吐物や糞便などで汚れた環境下でも機能する、優れた消毒部材への応用が期待される」と説明。今後、「CateProtect」技術を用いて、食中毒対策も可能とするカテキン由来の新しい感染症対策部材の開発を進めていくとのこと。
2014年09月26日毎年、12月頃に猛威をふるう「ノロウイルス」。下痢や嘔吐(おうと)を引き起こし、8人に1人が感染しているという推計もある恐怖のウイルスだ。予防方法はいくつかあるが、先ごろノロウイルス対策商品としてにわかに脚光を浴びた商品がある。その正体とは―。○ウイルス界のフェラーリノロウイルスは主に腸管で増殖し、腸管の粘膜上皮のポンプ機能を破壊することで腹痛、嘔吐(おうと)、水溶性の下痢などの症状を引き起こす。インフルエンザウイルスの3分の1ほどの大きさで、口から10~100個ほど入っただけで感染が成立するとされており、その感染スピードの速さから「ウイルス界のフェラーリ」とも呼ばれている。感染症に詳しい、東京医科大学の松本哲哉微生物学講座主任教授は「ノロウイルスの感染経路としては、食中毒よりもむしろ人から人へとうつるケースが多いことがわかっています。ただし周囲に感染者がおらず、どこで感染したかわからない場合もあります。また、インフルエンザと違って、ノロウイルスの場合はワクチンも治療薬もありません。以前、ノロウイルスに感染した人でも繰り返し感染を起こすので、毎年ノロウイルスへの備えをしておかないといけません」と話す。○救世主の名はラクトフェリン30秒以上の手洗い、食品や調理器具などの加熱といった対策手段がある中、注目されているのが「ラクトフェリン」という成分だ。ラクトフェリンはたんぱく質の一種で、母乳、特に初乳に多く含まれており、赤ちゃんを感染症から守る役目を果たしている。「ラクトフェリンはヒトの免疫力を高める作用と病原体を弱める作用の2つの側面を持っています。その相乗効果がノロウイルスの感染を防ぐと考えられています」。○棚から消えた「森永ラクトフェリンヨーグルト」そのラクトフェリンを配合した商品の中で今最もホットなのは、森永乳業が販売している「森永ラクトフェリンヨーグルト」だろう。今月9日にNHKの番組でノロウイルス対策としてラクトフェリンが紹介された途端、スーパーなどの小売店に消費者が殺到。一部店舗では売り切れ状態になったり、買い占めを防ぐための購入数制限が設けられたりするなどの現象が起こった。森永乳業によると、「今年ならではのノロウイルス対策法」として紹介されたことにより、放送直後(12月9~15日)の森永ラクトフェリンヨーグルトの売り上げは、前年同期間比で770%となっているという。森永乳業は、ラクトフェリンの有効性を科学的にも分析しており、今年9月に461人(平均年齢59.3歳)を対象にした調査結果を発表した。試験では100mgのラクトフェリン含有食品の摂取頻度ごとに6つのグループに分けて、ノロウイルス感染性胃腸炎と思われる症状(腹痛、吐きけ・嘔吐(おうと)、下痢)での医療機関の受診者割合や医師の診断結果などについて調査した。その結果、ノロウイルス感染性胃腸炎と思われる症状で医師の診断を受けた人の割合は、摂取頻度が「ほぼ毎日」の人は「週1回程度」の人に比べて7.1%も減少しており、有意な差が見られた。また、医師からノロウイルスの疑い、または検査でノロウイルス確定と診断された人の割合に関しても有意な差が見られた。摂取頻度が「週1回程度」の人に比べて、「週4~5回」の人で6.1%、「ほぼ毎日」の人で6.5%の減少が確認された。○チーズ200gかラクトフェリン強化商品か松本主任教授は、ラクトフェリンはノロウイルスだけでなく風邪やインフルエンザにも有効かもしれないと話す。「実際、冬の流行期に行われた調査で、ラクトフェリンを摂取していたグループは、ラクトフェリンを摂取していなかったグループと比べて、発熱や鼻水など感染症の症状の発症率が有意に低かったという結果が認められています」。ラクトフェリンは冬場に摂取しておいて損はない成分なのだ。ラクトフェリンは、生乳やナチュラルチーズなどからでも摂取可能だが、有効量の目安となる100mgを摂取しようとなると「チーズでは100gとか200gの単位で食べる必要があり、毎日食べるのは現実的ではないと思います」。基本的には、ラクトフェリンが重点的に配合されている製品を食べた方が継続もしやすいという。チーズ200gかラクトフェリン強化食品か―。どんな方法にせよ、きちんと毎日ラクトフェリンを摂取することが、寒い冬を健康に過ごすためのコツとなりそうだ。
2013年12月24日大幸薬品は12月21日、同社商品「正露丸」「セイロガン糖衣A」についての効能をあらためて発表した。また、毎年冬季に流行するノロウイルス感染症に関する情報も同社サイトで公開している。同社によると、同商品の主成分は”木クレオソート”で、腸の動きを止めずに腸内の水分バランスを調整し、おなかに作用する働きがある。特に食あたり、水あたり、消化不良といった食べ物、飲み物が原因で起こる軟便、下痢およびストレス、かぜなどの原因で起こる軟便、下痢にすぐれた効き目を発揮する。2012年はノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者が、過去10年で第2位という流行を見せている(厚生労働省発表)。同社によると、ノロウイルス予防のワクチン、治療のための抗ウイルス剤はなく、ノロウイルスによる感染性胃腸炎にかかった時の治療は、痛み止めや整腸剤、腸の動きを止めない下痢止め薬の投与などの対症治療になるという。同社は日ごろの感染対策として、ウイルスを口に入れないことが最も重要なこととし、「手洗い・うがい」「十分に過熱した食品の摂取(85℃、1分間以上)」、「調理場や調理器具、家族で共用する箇所でのウイルス除去」をあげている。詳しくは同社サイトで情報を公開している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月26日内閣広報室は13日、首相官邸ホームページに「インフルエンザ&ノロウイルス特集ページ」を新設した。同特集ページは、冬に流行のピークを迎えるノロウイルスとインフルエンザへの注意喚起を目的として、家庭や職場でできる予防対策や政府の取り組みなどをまとめたもの。「インフルエンザにかからないためには」「政府が取り組むインフルエンザ対策」「ノロウイルスによる感染を防ぐには」などを閲覧できる。「インフルエンザにかからないためには」では、感染経路を断つこと、予防接種を受けること、免疫力を高めることなどを推奨。「正しい手の洗い方」など、インフルエンザから身を守るために気をつけるポイントを紹介する。ノロウイルスについても、家庭でできる予防対策の3つのポイント、「手洗い」「人からの感染を防ぐ」「食品からの感染を防ぐ」について、具体的な方法を示すなど、感染の拡大防止を呼びかけている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月17日