彩の国シェイクスピア・シリーズ2ndが2024年5月に始動する。その第1作目『ハムレット』が、2024年5月7日(火) から彩の国さいたま芸術劇場大ホールにて上演される。蜷川幸雄のもとでシェイクスピア全37戯曲を完全上演することを目指し、1998年のスタート以来、国内外に次々と話題作を発表してきた彩の国シェイクスピア・シリーズ。シリーズ完結間際でこの世を去った蜷川から芸術監督のバトンを引き継いだ吉田鋼太郎は、2017年から残された5作品を上演し、23年2月に『ジョン王』をもってシリーズを完結させた。しかしその後も、シェイクスピア作品を長年愛し続けてきた吉田ならではの解釈とエンターテインメント性を意識した演出で高い評価を得た吉田のもとには、新たなシリーズを望む声が多く寄せられた。その声に押された吉田はこの度「彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd」を立ち上げ、その記念すべき1作目として『ハムレット』を上演する。2月22日(水)、3月1日(金) のリニューアルオープンを控えた同劇場で製作発表会見があり、演出・上演台本・出演の吉田のほか、ハムレット役の柿澤勇人、オフィーリア役の北香那が登壇した。吉田鋼太郎司会者から新シリーズが目指すものや思いを問われた吉田は「もし蜷川さんが生きていらっしゃったら、もう30年近くにわたって彩の国のシェイクスピアシリーズをやってきたわけですね。毎回毎回お客様が満員で、シェイクスピアを演じ続けてこれたということがほぼ奇跡のようなもの」と振り返りつつ、「蜷川さんはシェイクスピアは大衆演劇だと仰っていた。僕たちは西洋人でも1600年代の人間でもないので、この現代の21世紀のお客様たちになるべく分かりやすく観てもらうために架け橋を作らないといけない」と演出の心得を話す。観客と話し込む吉田鋼太郎(前列右)吉田は、製作発表を観にきた一般オーディエンスと『ハムレット』のストーリーを語り合う場面も含めて約17分間の熱弁を繰り広げ、「『ハムレット』が1番好きな芝居で、どうしても『ハムレット』だけは自分でも納得がいくようにしたいと思う部分が強くて。今回は素晴らしい理想のメンバーが集まった。これは観ないと損だと思います」と締め括った。柿澤勇人ハムレット役の柿澤は、吉田との二人芝居『スルース〜探偵〜』(2021) の大千穐楽後に、本作の話をされたといい「先輩で、演出家でもある鋼太郎さんに『やろうぜ』と言ってもらえたのがすごく嬉しくて。念願かなって今に至ります」。そして「おそらく僕の役者人生の中で後にも先にも一番のセリフ量だと思いますし、自分の持っているものを全部曝け出しても追いつかないのではという不安もあるのですが、鋼太郎さんを信じて、なんとかいい舞台を開けたいと思います」と話した。北香那オフィーリア役の北香那は「オフィーリアを演じるということがまだずっと新鮮なまま嬉しくて、少し夢見心地なところがあるんですが、これからお稽古が始まっていくにつれて、だんだんとはっきりと実感が湧いてくると思います」と思いを語りつつ、「この作品をやっていく中で、きっと『こんなお芝居をする自分がいたんだ!』と初めての出会いがあるような気がしていて。それが私は今すごくワクワクしているし、 楽しみです」。彩の国シェイクスピア・シリーズ 2nd Vol.1『ハムレット』PV ロングバージョン埼玉公演は5月26日(日)まで。その後、宮城、愛知、福岡、大阪公演を予定している。取材・文・撮影=五月女菜穂<公演情報>彩の国さいたま芸術劇場開館30周年記念彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1『ハムレット』彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1『ハムレット』ビジュアル作:W.シェイクスピア翻訳:小田島雄志演出・上演台本:吉田鋼太郎(彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)■出演柿澤勇人北香那白洲迅渡部豪太豊田裕大櫻井章喜原慎一郎山本直寛松尾竜兵いいむろなおき松本こうせい斉藤莉生正名僕蔵高橋ひとみ吉田鋼太郎【埼玉公演】5月7日(火)~5月26日(日)会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール【宮城公演】6月1日(土)・2日(日)会場:仙台銀行ホール イズミティ21 大ホール【愛知公演】6月8日(土)・9日(日)会場: 愛知県芸術劇場 大ホール【福岡公演】6月15日(土)・16日(日)会場:J:COM北九州芸術劇場 大ホール【大阪公演】6月20日(木)~6月23日(日)会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティチケット情報:()公式サイト:
2024年02月23日吉田羊主演舞台「PARCO PRODUCE 2024『ハムレット Q1』」の全キャストが決定し、メインビジュアルが公開された。シェイクスピアの四大悲劇のひとつに数えられる『ハムレット』。本公演はその『ハムレット』戯曲の原型とも言われるQ1版を、シェイクスピア劇全37作品の翻訳を達成した松岡和子の新訳で上演。演出は、2019年に現行の『ハムレット』『ジュリアス・シーザー』など、数多くのシェイクスピア劇を手掛けてきた森新太郎が務め、正義や復讐のためにまっすぐに生き抜いた男と、陰謀渦巻くデンマーク王家の物語を描く。主人公のハムレットを演じるのは、映像での活躍も華々しく、森新太郎演出の『ジュリアス・シーザー』(2021) で第56回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞した吉田羊。そしてモデルとしても活躍し多くの映像作品に出演する飯豊まりえ、2.5次元の舞台から本格的な舞台まで多彩に活躍する牧島輝、個性的な演技で映像・舞台問わず数々の作品で強い印象を残す大鶴佐助、舞台のみならず数多くの映像作品で存在感を放つ広岡由里子、昨年俳優デビュー35周年を迎えた吉田栄作と豪華キャストが集結する。そのほか、第51回紀伊國屋演劇賞、第25回読売演劇大賞優秀賞を受賞した佐藤誓、舞台での活動と並行して自主映画出演もする駒木根隆介、劇団「柿喰う客」の永島敬三といった実力者たちが顔を揃えた。公開されたメインビジュアルは、赤い糸が絡まる様で陰謀や復讐に掻き乱される登場人物たちの運命を表現。不穏な雰囲気を感じさせるアートワークとなっている。<公演情報>PARCO PRODUCE 2024『ハムレット Q1』『ハムレット Q1』メインビジュアル作:ウィリアム・シェイクスピア訳:松岡和子演出:森新太郎出演:吉田羊飯豊まりえ牧島輝大鶴佐助広岡由里子佐藤誓駒木根隆介永島敬三/青山達三佐川和正鈴木崇乃高間智子友部柚里西岡未央西本竜樹/吉田栄作<東京公演>5月11日(土)~6月2日(日) PARCO劇場【チケット料金】(全席指定・税込)マチネ:11,000円ソワレ:10,000円■ペアチケットマチネ:21,000円ソワレ:19,000円おとな・こどもペアチケット:11,000円(おとな1名とこども1名(観劇時15歳以下対象)のペア対象)U-35チケット:5,500円(観劇時35歳以下対象)※ペアチケット:枚数限定、一般発売日より先着販売、当日券取扱いなし※おとな・こどもペアチケット、U-35 チケット:要身分証明書(コピー・画像不可、原本のみ有効)/ 当日指定席券引換※未就学児入場不可チケットはこちら:()【大阪公演】6月8日(土) 13:00 / 18:306月9日(日) 13:00会場:森ノ宮ピロティホールチケット料金:11,000円(全席指定・税込)※未就学児入場不可【愛知公演】6月15日(土) 13:006月16日(日) 13:00会場:東海市芸術劇場 大ホールチケット料金:11,000円(全席指定・税込)※未就学児入場不可【福岡公演】6月22日(土) 13:00 / 18:306月23日(日) 12:00会場:久留米シティプラザ ザ・グランドホールチケット料金:S席 11,000円 / A席 8,800円 / B席 6,600円 / C席 4,400円 / 学生券 2,200円(当日座席指定・要学生証/全席指定・税込)※未就学児入場不可公式サイト:
2024年02月19日PARCO PRODUCE 2024『ハムレットQ1』が、5月から6月にかけて東京・大阪・愛知・福岡で上演されることが決定した。シェイクスピアの四大悲劇のひとつに数えられる『ハムレット』には3種類の原本があり、ふたつの四折版(Quatro)がQ1とQ2、もうひとつの二折本(Folio)がF1と呼ばれている。今回上演されるQ1は長さが現行のF1版の約半分で、物語が凝縮された作品。翻訳はシェイクスピア劇全37作品の翻訳を達成した松岡和子、演出は2021年上演の『ジュリアス・シーザー』で高い評価を得た森新太郎が務める。主人公のハムレットを演じるのは、森演出の『ジュリアス・シーザー』で第56回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞した吉田羊。森との再タッグで、ハムレットの複雑な心理をより繊細に、そして鮮明に浮かび上がらせる。またハムレットの恋人オフィーリア役で飯豊まりえ、ハムレットの親友ホレイショー役で牧島輝、オフィーリアの兄レアティーズ役で大鶴佐助、ハムレットの母親ガートルード役で広岡由里子、ハムレットの叔父で策略によって王位を手にするクローディアス役で吉田栄作が出演する。■訳:松岡和子 コメント『ハムレットQ1』の特徴をひと言で言えば、「コンパクト」でしょうか。簡にして要。『ハムレット』が書かれ上演されたのは1600年から1601年ごろと言われています。当時から大変な人気作だったらしく、すぐに本になりました。最初のQ1が出たのは1603年、その翌年にはQ2(キュー・ツー)が。1623年に出版された戯曲全集F1(エフ・ワン)にも収録されています。QとかFは判型のことです。全紙を半分に折ったサイズをフォリオ(二つ折本)、それをさらに半分に折ったサイズをクオート(四つ折本)と言い、頭文字を取ってFとかQと呼ぶ。ですからQ1は第一・四つ折本、Q2は第二・四つ折本、F1は第一・二つ折本。大方のモダンテクストがこれらの折衷版です。三つの古本は長さが違います。一番短いQ1は上演台本として魅力があります。なにしろ短いから、劇としての展開が早い。上演時間も短い。主人公があまり物思いに耽らない。ハムレットと言えば独白が有名ですが、そもそもQ1の独白の回数はQ2やF1より少なく、各独白が短い。でもこの人物の特徴である言葉遊びはQ1でも楽しめます。また、母ガートルードとの関係も、Q1をご覧になると、あっと驚くのでは?Q1によって、いままで知らなかったハムレットの顔が見えてくるはずです。■演出:森新太郎 コメント逃れようのない人間の宿命を体現する新たなハムレット像を求めて初めて『ハムレット』を演出したのは2019年。その時、故 蜷川幸雄氏はじめ演出家の大先輩たちが何故、回を重ねてこの戯曲を演出したのか、その片鱗に触れた気がした。『ハムレット』は演出家の意図とはまた別に、〝誰がハムレットを演じるか〟によって、大きく変化する戯曲なのだ。また『ハムレット』には、美しい修辞の長大な台詞に彩られた上演すれば4時間越えは確実な「F1」と「Q2」、その約半分の行数からなる「Q1」という異なる3つの印刷原本が存在している。今回は畳みかけるように展開する、疾走感のあるドラマが魅力の「Q1」で、自分の中のハムレット像に別の側面から光を当ててみたいと考えている。さて、誰にハムレットを演じてもらうか、だ。2021年、ここPARCO劇場で同じシェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』を女性だけの配役で上演させていただいた。政治と闘争の果ての悲劇。血に塗れ、苦悩しながらも清廉さを失わない孤高の人ブルータスを体現した吉田羊氏の佇まいが、私の中でいつしかハムレットの孤独と重なり、気づけば今回の上演のためのピースにぴたりとはまっていた。今、考えているハムレットは思いがけず死に直面し、恐れ、懊悩しながらもついにはそれを受け入れる、人間の逃れようのない宿命に対峙する青年だ。その儚くも壮絶な内的葛藤を、俳優・吉田羊は舞台上で生きてくれるに違いない。流星のように駆け抜ける人の生の煌めきを、共に目撃していただける舞台を夢想している。■吉田羊 コメント森新太郎さんと再びのシェイクスピア。前作『ジュリアス・シーザー』が終わった瞬間から願っていた舞台が叶い、夢のようです。血がたぎり、髪の毛一本にまで神経が通るようなパッションに満ちたあの稽古の日々がもう一度訪れるのかと思うと既にワクワクが止まりません。前回のオールフィメールという趣向とは打って変わり、今回はまさしく男性役、そして戯曲は「Q1」。想像するだに新しく、挑戦的な舞台になりそうです。共演の皆さまは、華やかさと力強さ、そして色気を放つ方々ばかり。知恵を出し合い、切磋琢磨しながら、皆一丸となって『ハムレットQ1』を作り上げたいと思います。シェイクスピアの言葉の美しさ、読み解く面白さを、みなさまと共有できれば幸いです。どうぞ、応援よろしくお願いいたします。■飯豊まりえ コメント舞台経験の少ない、まだ右も左もわからない、演劇赤子の私がシェイクスピアで、オフィーリアです。嬉しいやら畏れ多いやらを行ったり来たりしています。じっくりと映像では体験出来ないほど長くお芝居を作っていくお稽古というものも、舞台経験が少ない私にとっては新鮮です。劇場で客席に座られている皆さんとお会い出来る頃には、自分がどんな気持ちになっているのか想像もつきませんが、実はそれが楽しみでもあります。スタッフ、キャストの皆さんの背中をみて学ばせて頂きながら、お芝居を作っていきたいと思っています。■牧島輝 コメント森新太郎さんの演出で吉田羊さん主演のハムレット。それもQ1での上演ということで、本当に挑戦的な企画で、また新しいハムレットになるのだなと感じております。そんな作品に出演できることをとても嬉しく思います。僕はシェイクスピア作品に出るのは初めてです。ハムレットQ1のホレイショーを演じるということは僕の中ではかなりの挑戦です。今回の本を読んでいてもまだ分からないことも多いですが、役が決まった時のやってやるぞという気持ちを胸に、やってやりたいと思います。劇場に来てくださるお客様にこの作品を大いに楽しんでいただけるよう頑張りたいと思います。『ハムレットQ1』よろしくお願いいたします■大鶴佐助 コメントレアティーズを演じます大鶴佐助です。ハムレットは幼少の頃から何度も見ていたので今回出演する事になり嬉しく思っております。脈々と紡がれる作品を森新太郎さんが稽古場や劇場でどのように立ち上がって行くのか楽しみですし、ハムレットを吉田羊さんが演じる事によりどのような化学反応がおき、松岡和子さんがQ1を新しく翻訳しどんな匂いが立ち込めるのか今から楽しみです。■広岡由里子 コメント20年いや25年……30年くらい前になりますか?記憶が定かではありませんが、シェイクスピアの作品を見た事がなかった私。見てみたくシェイクスピア劇場へ足を運びそこで見たのが『ハムレット』でした。今回読み返すまで内容も役柄もこれまた定かには記憶していませんでしたが、おもしろかった!という印象だけが色濃く定かに残っていました。『ハムレット』の世界に浸ってみたい。演じてみたい。と思ったのを覚えています。そして演るとしたら、えっ?女性って二人しか出て来ない……。オフィーリアは清純、純真しかも年齢的にももうむりかな?となるとガートルード……。いつかガートルードで『ハムレット』の世界に浸る!!と思ったのを思い出しました(笑)。この度オファーを頂き食い気味に「やらせて頂きます!」と答えました。初めましての方、お久しぶりですの方、素敵なキャストの皆さんと『ハムレット』の世界にどっぷり浸かれるのが楽しみです!皆さまも一緒に『ハムレット』の世界に浸かってみませんか?お待ちしております!!■吉田栄作 コメント戯曲『ハムレット』にQ1というショートバージョンがあることを初めてしりました。また、この度PARCO劇場さんには初めて出演させていただきます。そして吉田羊さんはじめ共演者の皆さんも「はじめまして」の方ばかり。ワクワクとドキドキが重なります……。演出の森新太郎さんとは『メアリ・スチュアート』以来4年ぶり2回目のお仕事をさせていただきます。僕が演じさせていただくデンマーク国王クローディアスは、ハムレットにとっては親の仇。森さんの演出によって今作がどんな世界観に創り上げられるのか、今から稽古が楽しみです。<公演情報>PARCO PRODUCE 2024『ハムレットQ1』作:ウィリアム・シェイクスピア訳:松岡和子演出:森新太郎出演:吉田羊飯豊まりえ牧島輝大鶴佐助広岡由里子吉田栄作ほか東京公演:2024年5月11日(土)~6月2日(日) PARCO劇場大阪公演:2024年6月8日(土)・9日(日) 森ノ宮ピロティホール愛知公演:2024年6月15日(土)・16日(日) 東海市芸術劇場大ホール福岡公演:2024年6月22日(土)・23日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール公式サイト:
2024年02月01日ナショナル・シアター・ライブ(NTLive)の10周年記念アンコール上映のひとつ、ベネディクト・カンバーバッチが主演した「ハムレット」の追加上映が決定した。イギリスのナショナル・シアターが厳選した、いま観るべき話題の舞台をこだわりのカメラワークで撮影し、世界各国の映画館で上映する企画となっている「NTLive」。12月29日(金)から、TOHOシネマズ 日本橋/大阪ステーションシティシネマ/福岡・中洲大洋映画劇場にて、10周年を記念したアンコール上映が実施予定となっている。12月27日0時より、初日にTOHOシネマズ 日本橋で上映される「ハムレット」の座席の販売が開始となったが、明け方までに完売。そこで急遽、TOHOシネマズ 日本橋での同作上映を2回、1月2日(19:20~)&3日(19:50~)に追加することが決定。本作は、オンラインチケットが発売されるやいなや10万枚のチケットが即日完売した大人気舞台。オリヴィエ賞最優秀演出賞ノミネート歴をもつ精鋭の女性演出家リンゼイ・ターナーによる、舞台の奥行を活かしたダイナミックな演出は、劇場の空間でありながら大作映画に匹敵する躍動感が溢れる。タイトルロールを演じたベネディクトは、彼特有の個性を評価されながら、同時に歴代の「ハムレット」俳優に匹敵する名演が賞賛された。NTLive10周年記念アンコール上映は12月29日(金)~2024年1月11日(木)TOHOシネマズ 日本橋/大阪ステーションシティシネマ/福岡・中洲大洋映画劇場にて開催。(シネマカフェ編集部)
2023年12月28日彩の国シェイクスピアシリーズ2nd『ハムレット』の全出演者が決定した。本作は、彩の国さいたま芸術劇場が開館30周年を迎える2024年に吉田鋼太郎が新しく立ち上げる【彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd】の記念すべき第一作。演出と上演台本を吉田が担い、主演のハムレット役は吉田がこのタイトルロールを演じてほしいと熱望した柿澤勇人が務めることが発表され、大きな反響を呼んだ。今回発表されたのは、ハムレットの恋人・オフィーリア役に北香那、ハムレットの親友・ホレーシオ役に白洲迅、オフィーリアの兄・レアティーズ役に渡部豪太、ノルウェー王子・フォーティンブラス役に豊田裕大、オフィーリアとレアティーズの父でありデンマーク王の顧問官・ポローニアス役に正名僕蔵、ハムレットの母・ガートルード役に高橋ひとみ。新シリーズの開幕に相応しい清新な顔合わせが実現した。併せて、埼玉公演の詳細が決定。埼玉公演チケットは1月26日(金) より抽選先行がスタート。<キャスト コメント>■吉田鋼太郎(演出/クローディアス役)ハムレットがあらゆる戯曲の最高峰、最高傑作と呼ばれる事が稀ではないようです。彩の国シェイクスピアシリーズの評価と人気を不動のものにした故蜷川幸雄氏も生涯でこの芝居を全9回に渡って演出しており、まさに人生を賭けて取り組み続けた戯曲でもあるようです。それだけ演出家たち、俳優たちを魅了して止まない高く美しい山のような存在であるのかも知れません。 今回いよいよその最高峰を目指す事になりました。 さて、どのルートからアプローチするのか?アプローチの仕方によっては遭難する危険も孕んでいるでしょう。かと言って、今更初心者向けのルートを選ぶ事はしたくない。 幸い、今回は上級者用のルートを選ぶに相応しい心強いバディが集結しました。 だとすれば、迷う事なく最難関のルートを選択して、彼等と共に今まで見た事のない景色を見渡すことの出来る特別な頂きを目指そうと思っています。この戯曲のテーマや構造、更には面白さ、完成度の高さについては沢山の人々、その無数の著述によって知る事が出来ます。ただ、今回ひとつだけ僕がしっかりと心に留めておきたい事があります。それは、この戯曲はシェイクスピアが彼の夭折した息子に捧げたものだったのではないかという事です。息子の名前はハムネットでした。この想像は僕だけのものではないかも知れませんが、僕には想像ではなく、確信に思えて仕方ないのです。 シェイクスピアが、亡くなった息子の名前に酷似した名前をタイトルロールにした芝居。大切に大切に、そして繊細にダイナミックに創って行きたいと思っています。■柿澤勇人(ハムレット役 )『ハムレット』という役は僕にとってプレッシャーでしかなく、僕が持っているものや今まで経験してきたこと全てを出しても敵わない大変な役だと思っています。生半可な気持ちで出来るものではありません。全身全霊で挑みたいと思います。劇場にてお待ちしております。■北香那(オフィーリア役)舞台の上でオフィーリアとして演じることが出来ると思うと、今から本当にワクワクして仕方がないです。本公演を観てくださる皆様の心をどのくらい動かすことができるか、ということが自分の中で目標になっています。吉田鋼太郎さんはじめ、素敵なキャストの皆様と一緒に一歩一歩前に進めるよう、自分を奮い立たせて頑張っていきたいと思っています。■白洲迅(ホレーシオ役)またひとつ大きな挑戦をさせていただけることを本当にありがたく思います。僕にとって初めてのシェイクスピア作品であり、それが『ハムレット』であるということ、とても身の引き締まる思いです。鋼太郎さんとは何年もドラマでご一緒させていただいていますが、そんな鋼太郎さんに演出をしていただけることが本当に楽しみです。稽古に励みながら、ハムレットの世界に没入していけたらなと思っております。皆さんもぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。■渡部豪太(レアティーズ役)『ハムレット』という大作に、レアティーズという大役でこの度出演することになりました。役者としてシェイクスピア作品に携わることが出来てとても嬉しいです。険しい道のりだとは思いますが、カンパニーの皆様と、楽しく前を向いて今の私にできることを精一杯出し切りたいと思います。■豊田裕大(フォーティンブラス役)初めての舞台で、初めてのシェイクスピア作品で、わからないことだらけです。一方で、映画やドラマの現場との違いも興味深いです。不安や緊張だけでなくワクワク、たくさんの気持ちがすでに溢れています。その気持ち全部をこれから演じるフォーティンブラス役にぶつけて、一生懸命作り上げていけたらと思っております。■正名僕蔵(ポローニアス役)2年前に『終わりよければすべてよし』で初めて吉田鋼太郎さんの演出を受け、舞台の楽しさを改めて教えていただきました。そんな鋼太郎さんの演出で、しかもなんと『ハムレット』に参加できることが非常に嬉しいです。と同時に私は役を全うできるのか、という不安と恐怖が裏側にあり、武者震いが止まりません。恐らく観客の皆さまも並々ならぬ期待を持って劇場にいらっしゃると思われますので、我々もさらに並々ならぬ熱量を持ってお迎えしたいと思います。どうぞご期待ください。■高橋ひとみ(ガートルード役)長くお仕事をさせていただいておりますが、シェイクスピア作品は初めてです。自分が出演できるなんて、本当に夢のようです。今までたくさん観させていただいてきた分、どうしようどうしよう、ワクワク、ドキドキ、楽しみ、大きなことが待ってる、と、色々な感情が溢れておりますが……やっぱり喜びですね。この年齢になっても、初めてのことがまだまだあるんだなと思うのと同時に、鋼太郎さんの上演台本、演出、そして、初めて共演させていただける方々ばかりなので、本当に楽しみにしております。<公演情報>彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1『ハムレット』作:W・シェイクスピア翻訳:小田島雄志演出・上演台本:吉田鋼太郎(彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)【キャスト】柿澤勇人北香那白洲迅渡部豪太豊田裕大櫻井章喜原慎一郎山本直寛松尾竜兵いいむろなおき松本こうせい斉藤莉生正名僕蔵高橋ひとみ吉田鋼太郎【埼玉公演】期間:2024年5月7日(火)~26日(日)会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール【チケット料金】S席:10,000円A席:8,000円B席:6,000円U-25:2,000円※劇場でのみ取扱い■一般発売2月17日(土) 10:00~【ツアー公演】■宮城公演期間:2024年6月会場:仙台銀行ホール イズミティ21 大ホール■愛知公演期間:2024年6月会場: 愛知県芸術劇場 大ホール■福岡公演期間:2024年6月会場:J:COM北九州芸術劇場 大ホール■大阪公演期間:2024年6月会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公式HP:
2023年12月19日吉田鋼太郎による新たなシェイクスピア・シリーズの第1作目「ハムレット」に、柿澤勇人が主演することが分かった。蜷川幸雄のもとでシェイクスピアの全37戯曲を完全上演することを目指し、1998年のスタート以来、国内外に次々と話題作を発表してきた彩の国シェイクスピア・シリーズ。蜷川さんから芸術監督のバトンを引き継いだ吉田さんは、2017年から残された5作品を見事に上演し、2023年2月に「ジョン王」の上演をもって、彩の国シェイクスピア・シリーズが完結した。そして、観客の期待に応えるように来年5月、吉田さんによる新シリーズ<彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd>がスタートする。その記念すべき1作目は「ハムレット」。タイトルロールを担うのは、吉田さんからの信頼も厚い柿澤さん。「デスノート THE MUSICAL」「アテネのタイモン」「スルース~探偵~」に続いて4本目の共演となり、演出と主演のタッグとしては、「ブラッド・ブラザーズ」以来、2年ぶりだ。なお、全37戯曲の中でも、その奥深さをもう一度伝えたい作品を吉田さんが選び、年に1本を目安に上演。25年には「マクベス」、26年には「リア王」の上演が予定されている。コメント<吉田鋼太郎(演出/クローディアス役)>僕がずっとハムレットをやって欲しいと思っていた柿澤くんを迎えての『ハムレット』ということで、今からワクワクドキドキ、素晴らしいものができるのではないかという予感に満ち溢れています。ハムレットという役は、誰にでも出来る役という訳ではないと思っています。イギリスには“ハムレット役者”という言葉があるくらいなので、ぜひ選ばれた役者、柿澤勇人のハムレット、見届けていただけたらと思います。<柿澤勇人(ハムレット役)>「ハムレット」という役は僕にとってプレッシャーでしかなく、僕が持っているものや今まで経験してきたこと全てを出しても敵わない大変な役だと思っています。生半可な気持ちで出来るものではありません。全身全霊で挑みたいと思います。劇場にてお待ちしております。ストーリーデンマーク王国では、2か月前に王が亡くなり、先代の王の弟クローディアス(吉田鋼太郎)が王に即位。そして、先代の王妃ガートルードはクローディアスと再婚する。父の死の悲しみも冷めぬ間に母が叔父と再婚したことに、王子ハムレット(柿澤勇人)は憤りを感じていた。ある日、従臣から亡き王の亡霊が夜な夜なエルシノアの城壁に現れるという話を聞き、ハムレット自身も確かめに行く。父の亡霊に会ったハムレットは、父の死はクローディアスによる毒殺であったと告げられ、復讐を決意する。やがて、叔父クローディアスが父である王を暗殺した確かな証拠を掴んだハムレットは、王妃ガートルードとの会話を盗み聞きしていた侍従長ポローニアスを、クローディアスと誤って刺殺してしまう。ポローニアスの娘で、ハムレットの恋人であったオフィーリアは、悲しみのあまりに正気を失い、川で溺死してしまう。ポローニアスの息子であったレアティーズは、父と妹の仇をとろうと怒りを募らす。クローディアスはハムレットの存在を恐れ、復讐心を持ったレアティーズと結託してハムレットを剣術試合に招き、毒剣と毒入りの酒を使って殺そうと画策する――。彩の国シェイクスピア・シリーズ2ndVol.1「ハムレット」は2024年5月、彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて上演予定。※ほかツアー公演あり(シネマカフェ編集部)
2023年10月31日PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』が、6月6日(火) から25日(日) にPARCO劇場で上演される。それに先駆け初日前会見と公開ゲネプロが実施された。『新ハムレット』は、太宰治が戯曲形式の小説として書き下ろした作品で、シェイクスピアの四大悲劇の一つに数えられる『ハムレット』のパロディ。設定は同じながらも太宰治のレンズを通すことで、ハムレットや彼を取り巻く人物たちが拗らせる悩みや関係性が身近に感じられる内容となっている。主人公・ハムレット役は木村達成、ハムレットを慕うオフヰリヤ役は島崎遥香がそれぞれ務めるほか、ハムレットの学友ホレーショー役で加藤諒、侍従長ポローニヤスの息子レヤチーズ役で駒井健介、侍従長ポローニヤス役で池田成志、ハムレットの母でデンマーク王妃ガーツルード役で松下由樹、現王にしてハムレットの叔父にあたるクローヂヤス役で平田満が出演する。演出は、『コーヒーと恋愛』『貴婦人の来訪』『毛皮のヴィーナス』で第30回読売演劇大賞の最優秀演出家賞を受賞した五戸真理枝が手がける。撮影:宮川舞子撮影:宮川舞子木村は本作について「僕はほぼ出ているので客観的には見られていませんが、すごくいろんなところに日本人にも共感できるポイントがあり、それこそハムレットにも共感できるポイントが詰まっています。この舞台が何で成り立っているのかと言えば“愛”です。誰かを思いやる気持ちで成り立っています」とコメント。また「太宰治の書いた原作を読んだ方、シェイクスピアの『ハムレット』を読んだ方、どちらも読んでいる方、それぞれの想いがあると思いますし、長いセリフにさえも魅力を感じていただけると思います。ぜひ、劇場に観に来ていただきたいです」と呼びかけた。撮影:宮川舞子『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』は東京公演を上演後、7月6日(木) に福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、7月9日(日) に大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。■木村達成 コメント『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』は明日から始まります。僕はほぼ出ているので客観的には見られていませんが、すごくいろんなところに日本人にも共感できるポイントがあり、それこそハムレットにも共感できるポイントが詰まっています。この舞台が何で成り立っているのかと言えば「愛」です。誰かを思いやる気持ちで成り立っています。太宰治の書いた原作を読んだ方、シェイクスピアの『ハムレット』を読んだ方、どちらも読んでいる方、それぞれの想いがあると思いますし、長いセリフにさえも魅力を感じていただけると思います。ぜひ、劇場に観に来ていただきたいです。■島崎遥香 コメント今日まで先輩方にたくさんアドバイスを頂いて、皆さんのお力を無駄にしないように精いっぱい千秋楽まで突っ走っていきたいと思います。自分のセリフではありませんが、原作を読んだ時から父・ポローニヤスの心得がとても好きで、こんな父の娘を演じられるのは嬉しいなと思います。あとは(加藤)諒くんのセリフで、ホレーショーのお母さん像が感じられるセリフがあってそれがすごくいいなと思います。自分が演じるオフヰリヤには「(これから)私は思ったことをポンポン言おうと思うの」というセリフがあるのですが、私自身は思っていなくてもポンポン言ってしまいますね(笑)。■加藤諒 コメントハムレットに「あぁ、ホレーショーに会いたい」というセリフがあって、そのセリフのシーンになると、僕はいつも舞台袖でキュン!となっています(笑)。演じるホレーショーに共感できるところは、僕も噂話とか好きだったりして友達に伝達することもあるのですが、その中でこじれた経験もあるので、そこはホレーショーと似ていると思います(笑)。稽古中に、本当に不安で押しつぶされそうだったのですが、(池田)成志さんにたくさんアドバイスしていただいて、救っていただいたので、完走できるように頑張ります。■駒井健介 コメント回りくどいセリフがたくさんあるので、僕自身、そして皆さんも苦労していますが、何とか形にしたいと思っています。僕の目標としては気張らずに硬くなりすぎず、頑張れたらと思います。好きなセリフがいろいろありますが、僕は「愛は言葉だ」というセリフが一番好きで、いちいち回りくどく言うのは愛があるからではないかと思っています。■池田成志 コメント一言で言うととても“問題作”だと思います。不条理劇のようにおとなしい芝居だと思いきや、ぶっとんでみたり、また急におとなしくなったりと、詩劇に訴え朗々と言葉が羅列されていくけど人情劇であったり、観ている方が「人間ってこんなにしゃべるんだ」と呆れて眠くなってしまわないように我々頑張ってまいりたいと思います。観た方には「非常に問題作だった」と言っていただければ宣伝になると思います。宜しくお願いします。■松下由樹 コメントシェイクスピアの『ハムレット』をもとに太宰治が書いたものなので、今まで感じたことのない作品になっていると思います。ちょっと遠くに感じるシェイクスピアの作品も、この「新ハムレット」はぐっと身近に感じながら心にも届くような作品になっていますので、丁寧に演じて明日の初日を迎え、最後まで走り抜けたいと思います。「あなたもハムレットにそっくりね」というセリフがあるのですが、ハムレット像がシェイクスピアのハムレットとはまるで違うイメージで、ただの“復讐劇”ではないというのがよくわかるセリフだと思います。■平田満 コメント今回は、衣裳を見ても、童話のような、昔話のような仕立てもありつつ、中には現代的なやり取りもあり、なにか一つでも伝わればといいなという芝居にしたいと思っております。これからお客様が入って完成するものですので、不安とともに楽しみでもあります。クローヂヤスはとても小心者だし、小さい人間なので、「強くなれ、クローヂヤス」というセリフを私の銘にしたいと思っています。■五戸真理枝 コメント今回の台本は137ページ中、133ページはすべて太宰の言葉のままで構成しており、俳優のしゃべりづらさは考慮せずに作ってしまいました(笑)。皆様には大変なご苦労をおかけしてしまっていますが、太宰治という作家が一文一文に込めた読者を楽しませたいという精神がとても強く感じられるなと思っています。読み合わせの時から感じていましたが、全てのセリフに愛があります。それをいかに舞台上で立体化するかを皆さんと試行錯誤してきました。お客様にいびつな愛を受け取っていただけたらと思います。<公演情報>PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』作:太宰治上演台本・演出:五戸真理枝出演:木村達成島崎遥香加藤諒駒井健介/池田成志松下由樹平田満東京公演:6月6日(火)~25日(日) PARCO劇場福岡公演:7月6日(木) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール大阪公演:7月9日(日) 森ノ宮ピロティホールチケット情報はこちら:公式サイト:
2023年06月06日太宰治の初めての長編小説は、あのシェイクスピアの『ハムレット』の翻案だった。戯曲形式で書かれたその作品に以前から惹かれていたのが、第30回読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞したばかりの五戸真理枝である。その思いが叶い、自身の上演台本と演出で『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』が上演される。ハムレットを演じるのは、ミュージカルからストレートプレイまで自在に活躍する木村達成。演出家と俳優が、“太宰版ハムレット”の魅力を語る。太宰の小説「新ハムレット」を読んだとき、「太宰治といえば暗くて内向的なイメージがありましたが、シェイクスピアの『ハムレット』という有名な戯曲を自分で語り直そうと闘う強さを感じた」と五戸は言う。その闘いの結果できたものに、「笑えるところもいっぱいある、パロディとしての強烈さ」も感じ取った。「その従来のイメージとは違う太宰治の息遣いが、実際に立ち上げることで聞こえてくるのではないかという興味があって」、いつか上演したいと、長すぎるセリフを削るなどした上演台本を自身で作っていたそうだ。その台本を読んで、ハムレットを演じる木村はまず、「太宰治さんは僕に当て書きしたんじゃないかと思うくらい(笑)、ハムレットのセリフが僕が普段口にしていることと同じでびっくりした」のだそう。この大役のオファーについても、「僕は、作品が決まった瞬間が喜びのピークで、その後それがどんどん苦しみに変わっていくタイプなので、そこも悩み苦しむハムレットに似ている」と語る。まさしくハムレットに適任だ。そんな木村を、「ハムレットにも太宰にも似ている」と評し、「木村さんの、繊細で正直でストレートで、弱みも出せるところは、太宰版ハムレットを演じていただくうえで一番重要かもしれません」という五戸。木村が演じるハムレットに期待が募る。それと同時に、現代の日本で生きる俳優がそれほどシンクロするという太宰版ハムレットへの興味も尽きない。五戸は、「今回の上演は、シェイクスピアというビッグネームの、なかでもビッグネームな『ハムレット』を、いかに日本人感覚、お茶の間感覚に引きずり下ろせるかが最大のテーマ」と話す。ハムレットや彼を取り巻く登場人物たちが、今の私たちと変わらず悩んでいる。それも目の前で。劇場にはきっと、演劇ならではの共感が広がっていくだろう。取材・文:大内弓子
2023年05月29日第30回読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞した五戸真理枝が上演台本と演出を手がける『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』。あのシェイクスピアの『ハムレット』を、あの太宰治が翻案した、いわば“太宰版ハムレット”である。太宰の手によって、日本人の感覚にフィットするものに語り直されたこの作品で、主人公ハムレットを慕うオフヰリヤを演じるのは島崎遥香。ハムレットの学友ホレーショ―を加藤諒が演じる。新たな『ハムレット』にふさわしい華と個性のあるふたりは、この注目作にどう臨むのか。太宰版の『新ハムレット』について、まず島崎は、「シェイクスピアの『ハムレット』には復讐劇という恐ろしいイメージがあったんですけど、『新ハムレット』はユーモアにあふれていて。王子のハムレットと王のクローヂヤスの対立も、親子喧嘩に思えてしまうくらいポップに描かれているので、観やすいものになるんじゃないかなと思いました」と話す。高校生のときに『ハムレット』がテキストのワークショップに参加していたという加藤も、「シェイクスピアは詩的なセリフを理解する難しさがあったんですけど、太宰版はこのセリフはどういう気持ちで言っているんだろうと考えさせられるところがあって、そこが逆に、人間味があって面白いなと感じました」と、本家と比較しながらその魅力を語る。島崎が演じるオフヰリヤも人間味にあふれ、ただハムレットに翻弄される女性にはならないようだ。「本当の感情を話しているのか、嘘を言っているのか、本音が見えづらいんですけど、要所要所では思っていることをズバッと言って人の心を刺していくので(笑)。そのポイントをつかめたらいいなと思っています」。一方、加藤が演じるホレーショ―はハムレットの親友で、「唯一ハムレットにストレートにものが言える存在。ハムレットを演じるたっちゃん(木村達成)とはもう8年くらいの仲なので、僕たちの人間関係も作品に投影していけたら」と意欲を見せる。ふたりはハムレットを巡る恋と友情を演じることになるが、島崎は言う。「愛とは何だろうといった答えが出ない悩みはいつの時代にもあって、人間は悩み苦しみ続けていくんだなと思ったら、逆に、明るく生きていこうと勇気づけられます」。そして、「噂話に翻弄されたりするのも今と変わらない。今に通じるところをきちんと表現できたら」と加藤。すでに様々なものを感じ取っているふたりが、それをどう深め広げていくか。楽しみである。取材・文:大内弓子
2023年05月29日PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』が6月6日(火) から25日(日) にPARCO劇場で上演される。このたび木村達成が歌う劇中歌「ハムレットRap」の詳細が発表された。『新ハムレット』は、太宰治が戯曲形式の小説として書き下ろした作品で、シェイクスピアの四大悲劇の一つに数えられる『ハムレット』のパロディ。演出は、第30回読売演劇大賞 最優秀演出家賞に輝いた五戸真理枝が担当する。劇中歌の作詞作曲を手がけたのは、ヒップホップMCのMummy-D(RHYMESTER)。演出の五戸、そして劇中音楽を担当する斎藤ネコとのやりとりを経て、最先端の音を導入した楽曲となっている。エッジでキャッチーなトラックとともに、Mummy-Dが編み直した太宰治の言葉がエンタテインメントへと昇華。木村がリリックをビートに乗せて歌う姿が見どころとなりそうだ。『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』は東京公演を上演後、7月6日(木) に福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、7月9日(日) に大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。■五戸真理枝 コメント一つの曲でこんなに心を動かされるんだと感動しました。太宰の内省的なつぶやきを180度転換してエンタテインメントにしてくださっています。あまり知られていない、太宰のエンターテイナーとしての一面が音楽になって姿を現した感じです。木村さんはもともとリズム感の優れた方ですが、Mummy-Dさんの歌唱指導でより深みのある歌になりました。素晴らしいラップに負けないように、ほかの場面も丁寧に作っていかなければと思っています。■Mummy-D コメント斎藤ネコさんから「演劇でラップをやりたいんだけど、誰かいい人いませんか?」と連絡をいただいて。ずっと一緒にやりたかったので「俺、やりますよ」とお返事しました。五戸さんとの話や衣裳や舞台のデザインに触発され、「これは最新の音でいかないとダメなやつだ」と思ってオケを作りました。難易度の高いラップですが、木村くんがすぐ歌いこなしてくれて本当にセンスがあるし、また俺の指導がいいんだなと思っています(笑)。<公演情報>PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』作:太宰治上演台本・演出:五戸真理枝出演:木村達成島崎遥香加藤諒駒井健介/池田成志松下由樹平田満東京公演:6月6日(火)~25日(日) PARCO劇場福岡公演:7月6日(木) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール大阪公演:7月9日(日) 森ノ宮ピロティホールチケット情報はこちら:公式サイト:
2023年05月26日PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』が、6月6日(火) から25日(日) にPARCO劇場で上演されることが決定した。『新ハムレット』は、太宰治が戯曲形式の小説として書き下ろした作品で、シェイクスピアの四大悲劇の一つに数えられる『ハムレット』のパロディ。設定は同じながらも太宰治のレンズを通すことで、ハムレットや彼を取り巻く人物たちが拗らせる悩みや関係性が身近に感じられる内容となっている。本作の主人公・ハムレット役は木村達成、ハムレットを慕うオフヰリヤ役は島崎遥香がそれぞれ務める。またハムレットの学友ホレーショー役で加藤諒、侍従長ポローニヤスの息子レヤチーズ役で駒井健介、侍従長ポローニヤス役で池田成志、ハムレットの母でデンマーク王妃ガーツルード役で松下由樹、現王にしてハムレットの叔父にあたるクローヂヤス役で平田満が名を連ねた。演出を手がけるのは、『コーヒーと恋愛』『貴婦人の来訪』『毛皮のヴィーナス』で第30回読売演劇大賞の最優秀演出家賞を受賞した五戸真理枝。古典作品を現代的かつ親しみやすく描く手腕に定評のある五戸が、この戯曲形式の小説を上演用台本にブラッシュアップし、“新しい”ハムレットを立ち上げる。また本作は地方公演も予定されており、詳細は後日アナウンスされる。■上演台本・演出:五戸真理枝 コメント太宰治が筆を執ったこの翻案戯曲は、日本の現代演劇の隠れた至宝なのではないかと、強く惹かれています。『新ハムレット』が書かれた昭和16年は、太宰に初めての子供が生まれ、12月には太平洋戦争が開戦するという年でした。どの登場人物もシェイクスピアの傑作でお馴染みの人物ですが、ひとりひとりの、人生に対する期待と不安が、よりはっきりと描かれています。本家『ハムレット』のように、何度も再演され、語り継がれる物語として存在してほしいです。戯曲の魅力をお客さまにご堪能いただけますように、キャスト、スタッフの皆さまと力を合わせてがんばります。■ハムレット役:木村達成 コメントとんでもない苦悩にぶち当たる、そんな初夏を迎えることになりそうです。冒頭の「からかわないでください、僕は地獄へ行くんです」というセリフがイヤな親近感をわかせます。不思議と読み進めていくうちにフラストレーションより共感することが勝っていました。理解とまではまだいきませんが、その気持ちわかるよハムレットと、背中をさすってやりたい。ぜひお楽しみに、よろしくお願いします。■オフヰリヤ役:島崎遥香 コメントPARCO劇場50周年という記念すべき年に出演させて頂けるなんて光栄です!自分自身、新たな挑戦とも思えるこの作品でまだ出会ったことのない自分に出会えたら嬉しいです。『ハムレット』はイメージとして復讐悲劇のイメージがありますが、『新ハムレット』はユーモアに溢れ、ひとつの家庭のちょっとした喧嘩のようにさえ感じてしまう面白さがあると思いました。そしてどの時代も『愛とは?』という正解があるようでないテーマに悩み苦しむ姿は、現代を生きる私も考えさせられるものがありました。是非観に来て下さい!■ホレーショー役:加藤諒 コメント演出の五戸真理枝さんをはじめ、素敵な座組の一員として、2020年に新しくなったPARCO劇場へ立たせて頂けること、大変嬉しく思います。今は台本をいただいて読んだ所なのですが、未知の洞窟に入っていくような不安と、遠足前夜のようなわくわくが混ざった気持ちを抱いています。力みすぎずに、不安を拭いながら挑めたら良いなと思ってます。僕は出演者なので観る事は出来ませんが、『新ハムレット』早く観たいです。■レヤチーズ役:駒井健介 コメントPARCO劇場開場50周年おめでとうございます。このようなお祭りに、出演者として参加することが出来てとても嬉しいです。登場人物はみんな、ゴツゴツしていて、とても人間くさいです。そこがなんだか愛おしいし、たくさん共感出来る部分でもあります。あ、自分もこういう所あるなって。太宰治の描く新ハムレット。太宰は言います。「作者の勝手な、創造の遊戯にすぎない」と。そんな作者の言葉に勇気をもらいながら、自分も精一杯、創造して遊べたらなと思います。■ポローニヤス役:池田成志 コメントなんじゃこれは!最初に脚本を読んだ感想です。確かに『ハムレット』の体裁なのだけども……確かに普通のお芝居ではないですね。太宰治の小説の中の人間が、いますね、皮肉で、夢想家で、理屈っぽいのに、寂しがり。そして誰もが饒舌なのです、饒舌多弁なのに、肝の事はなかなか言わないんです。普通ではないです。気が滅入りそうです。やるのは難しそうです。でも、少し楽しみです。■ガーツルード役:松下由樹 コメント太宰治のハムレットに今から緊張と期待でいっぱいです。私自身新たな挑戦をする心持ちです。演出家の五戸真理枝さんとキャストの皆さんと面白い舞台になるように頑張ります。新ハムレット、キャストの面々に面白い舞台になる予感しかないです!是非観に来てください。■クローヂヤス役:平田満 コメントシェイクスピアの舞台に出るなんてまったく想像もしなかったのですが、読んでみたらどこをとっても太宰印で、これなら案外恥ずかしくないかも、とその気になってしまいました。みんなが悩んでいるのも小人物ぶりも太宰治らしくて、グローバルスタンダードではない『新ハムレット』は、バズりはしなくても意外といけるかもしれないなと思いました。そんな、器量の小さい、失敗の多い、それでいて真面目な太宰のハムレットが、僕は嫌いではないです。<公演情報>PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』6月6日(火)~6月25日(日) PARCO劇場※地方公演ありPARCO劇場開場50周年記念シリーズ『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』ビジュアル作・太宰治上演台本・演出:五戸真理枝出演:木村達成島崎遥香加藤諒駒井健介/池田成志松下由樹平田満【チケット料金】(全席指定・税込)一般:11,000円U-25チケット:6,000円(観劇時25歳以下対象、要身分証明書(コピー・画像不可、原本のみ有効)、当日指定席券引換/「パルステ!」、チケットぴあにて前売販売のみの取扱い、指定席との連席購入不可(連席ご希望の場合は指定席をご購入ください))一般発売日:4月8日(土)公式サイト:
2023年03月10日『ハムレット』が、3月6日(月) のプレビュー公演を終え、本日3月8日(水) に東京・世田谷パブリックシアターで初日を迎えた。本公演は、2002年から2022年まで世田谷パブリックシアターの芸術監督を務めた野村萬斎が演出と出演を担う作品。ハムレット役は息子の野村裕基が務めるほか、ハムレットを導く亡き父王の亡霊と、その父を暗殺しハムレットの母を娶る叔父王クローディアスの2役を野村萬斎が演じる。また、ハムレットと対峙するオフィーリアの兄・レアーティーズと、廷臣ローゼンクランツの二役で岡本圭人、ハムレットを慕うオフィーリア役で藤間爽子、ハムレットの友人にして腹心ホレイシオ役で釆澤靖起が出演。さらに野村萬斎演出『子午線の祀り』(2017年・2021年)に出演した若村麻由美、村田雄浩、河原崎國太郎も名を連ねている。野村萬斎は初日を迎えるにあたり「プレビュー公演のお客様は集中力が高く、静かに、でも場面によっては笑いをもって見守ってくださいました。この、”オールジャパン『ハムレット』カンパニー”にとって良いスタートを切ることができ、更なる躍進を遂げられると確信しています」とコメント。また「私にとっては、20年間芸術監督を務めた世田谷パブリックシアターでの集大成ともいえる公演。やがては世界へ打って出る作品にしたいと思います。その為にも世田谷、江戸川、枚方で皆様の洗練を受けて、大いに磨き上げたいと思います」と意気込みを語った。『ハムレット』は世田谷パブリックシアターで上演後、3月25日(土) に東京・江戸川区総合文化センター・大ホール、3月29日(水) に大阪・枚方市総合文化芸術センター・関西医大 大ホールで上演される。■構成・演出&亡き父王の亡霊/クローディアス:野村萬斎 コメント全文野村裕基、岡本圭人さん、藤間爽子さん、釆澤靖起さんらフレッシュな面々と、若村麻由美さん、村田雄浩さん、河原崎國太郎さんをはじめとする『子午線の祀り』メンバー。若手からベテランまで、思う存分それぞれの魅力を結集させた総合力のある座組みで稽古を重ねてきました。プレビュー公演のお客様は集中力が高く、静かに、でも場面によっては笑いをもって見守ってくださいました。この、“オールジャパン『ハムレット』カンパニー”にとって良いスタートを切ることができ、更なる躍進を遂げられると確信しています。私にとっては、20年間芸術監督を務めた世田谷パブリックシアターでの集大成ともいえる公演。やがては世界へ打って出る作品にしたいと思います。その為にも世田谷、江戸川、枚方で皆様の洗練を受けて、大いに磨き上げたいと思います。どうぞご期待ください。私が演じたかったやり方のハムレット、裕基が羨ましいなぁ~。■ハムレット:野村裕基 コメント全文稽古場でも様々に稽古を積み重ねてきましたが、実際にお客様の前で公演できる喜びを感じると共に、お客様の視線や熱量を浴びながら演じることで発見したこともある、ありがたみを感じたプレビュー公演でした。この物語は、ハムレットという人物の追体験をお客様にしていただく作品。ハムレットが葛藤し、もがきながらも、一つの答えを見出し、死を迎えるまでの過程を、お客様には、ハムレットの友人ホレイシオと同じ立場でご覧いただき、証人になっていただけたら。ハムレットがどのような人物で、どのような答えを導き出して死んでいったかを探していただけたらと思います。誰しも人生において、”To be, or not to be”、二つの分岐点に立つことがあると思います。この『ハムレット』という作品が、ご自身の”To be, or not to be”を考えるきっかけとなれば幸いです。劇場でお待ちしております。■レアーティーズ/ローゼンクランツ:岡本圭人 コメント全文あこがれ続けてきたシェイクスピアの言葉を綴ることができ、光栄です。プレビュー公演で、お客様が見守ってくださることで、この『ハムレット』というドラマの最後のピースがはまったと感じました。お客様と一緒に『ハムレット』を作り上げたという感動があります。戯曲を読み込んでも、稽古を重ねても理解しきれずにいたところもあったのですが、実際に舞台に立つことで、『ハムレット』が400年以上の時を超えて愛され続けてきた理由が少しわかったような気がします。世田谷パブリックシアターを皮切りに、江戸川、枚方へも参ります。難解なイメージもあるかもしれませんが、萬斎さんの素晴らしい演出で、どなたでも気兼ねなく楽しんでいただける『ハムレット』になっていると思います。僕自身がずっと魅了されてきたシェイクスピアの世界をもっと多くの皆さんにお伝えできたら……。ぜひ劇場で体感してください。■オフィーリア:藤間爽子 コメント全文今日までの約一か月半という稽古期間があっという間に通り過ぎ、初日にたどり着きました。衣裳を身に着け、舞台に立ち、共演者の皆さんから発せられる台詞を受けると、シェイクスピアの言葉が稽古場よりも更に素直に心に届き、私自身腑に落ちた状態で、オフィーリアとして生きることができたように感じます。無事千秋楽までカンパニー全員で駆け抜けたいと思います。初演から400年以上を経て上演される、この萬斎さん版『ハムレット』が、令和を生きる皆様にどう感じていただけるか……劇場でお待ちしています。■ホレイシオ:釆澤靖起 コメント全文僕の役ホレイシオは野村裕基さん演じるハムレットのご学友、腹心の友です。因みに私はこの3月で40になります。一方、裕基さんは現在23歳。え、ご学友?むしろ先生じゃねーの?そう思った貴方。ご安心を。年齢差は芝居でカバーします。私達は楽屋が同じ。互いの心的距離は日々縮まり、プレビュー公演でも昨日までなかった芝居が多数自然発生。良い傾向です。昨日までなかったシミが自然発生。これはいけませんので僕の方はスキンケアも怠りません。益々絆を強めていくであろうハムホレコンビにどうぞご注目下さい。■ポローニアス/墓掘り:村田雄浩 コメント全文初めてのシェイクスピア作品。言葉の使い方や羅列がとても難しく、解釈も様々にできる。これまで多くの俳優陣が挑戦したいと願ってきた意味がよく分かりました。日々ブラッシュアップを重ねたいという気持ちと、ご覧いただく限りは楽しんでいただきたいという欲とで、より緊張しています。シェイクスピアというと台詞が長くて難解というイメージがあるかもしれませんが、さすがは萬斎さん演出だけあり、視覚的にも聴覚的にも、これまでに見たことのない『ハムレット』になっていると思います。ぜひ温かい目で見守っていただけると嬉しいです。■座長/廷臣オズリックほか:河原崎國太郎 コメント全文約一か月半、稽古を重ねてきました。初めてのシェイクスピア戯曲への挑戦は、その言葉の巧みさ、面白さ、そして難しさを感じる毎日となりました。難しさを感じる一方で、立役、女役と、私自身が努力してきた芸を生かすことができる演出にしてくださったことに感謝しております。西洋の戯曲と、和風の衣裳や美術が、アンバランスなようで不思議な調和を奏でているのを感じていただけたら。和と洋とがコラボレーションした新しい『ハムレット』、存分にお楽しみいただけますと幸いです。■ガートルード:若村麻由美 コメント全文幕を開けることができて嬉しいです!約3時間半、笑ったり手を叩いてくださるお客様の息づかいのお蔭で芝居が出来上がりました。そして、この悲劇の源は、ハムレットの母の無自覚な罪でもあったと感じました。「女」としてこの世の春を迎えた王妃が、「母」として、最期を迎えるまでの過程を台詞を変えることなく演出していただいたお蔭で、今までにないガートルードとして誕生しました。ご覧くださる方は、あらすじを知っていると、よりお楽しみいただけると思います。ガートルードにとっての「To be, or not to be」をお見逃しなく!劇場でお待ちしています。撮影:細野晋司<公演情報>『ハムレット』『ハムレット』ビジュアル作:W.シェイクスピア翻訳:河合祥一郎構成・演出:野村萬斎【出演】野村裕基/岡本圭人/藤間爽子/釆澤靖起/松浦海之介/森永友基/月崎晴夫/神保良介/浦野真介/遠山悠介/村田雄浩/河原崎國太郎/若村麻由美/野村萬斎【スケジュール】3月6日(月)~19日(日)会場:東京・世田谷パブリックシアター【終演後ポストトーク】■3月14日(火)登壇予定者:野村萬斎(演出・出演)、野村裕基、岡本圭人、藤間爽子、若村麻由美■3月16日(木)登壇予定者:野村萬斎(演出・出演)、 白井晃(世田谷パブリックシアター 芸術監督)※開催回のチケットをお持ちの方がご参加いただけます【チケット料金】■一般S席:9,500円A席:5,500円【チケット取扱い】世田谷パブリックシアターチケットセンターTEL:03-5432-1515(10:00~19:00)※託児サービスあり ※車椅子スペース取扱あり【ツアー公演】■江戸川公演3月25日(土)会場:東京・江戸川区総合文化センター・大ホール■枚方公演3月29日(水)会場:大阪・枚方市総合文化芸術センター・関西医大 大ホール
2023年03月08日舞台『ハムレット』が2023年3月6日(月)から3月19日(日)まで東京・世田谷パブリックシアターで上演され、その後、東京・江戸川公演、大阪・枚方公演が実施される。野村萬斎が演出・出演する。野村萬斎演出・出演『ハムレット』ウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇の1つ『ハムレット』。デンマークの王子・ハムレットが、父王を暗殺し、母親と王座を奪った叔父・クローディアスへの復讐を誓う様を描いた作品だ。今回上演される『ハムレット』は、2022年2月の「戯曲リーディング『ハムレット』より」に引き続き、野村萬斎が演出を手掛けると共に、ハムレットを導く亡き父王の亡霊と、その父を暗殺しハムレットの母を奪う叔父王クローディアスを演じる。タイトルロールに野村裕基またタイトルロールのハムレット役は、野村萬斎の長男であり芸の弟子でもある狂言師・野村裕基が担当。さらに、岡本圭人、藤間爽子、釆澤靖起といったフレッシュなキャストに加え、若村麻由美、村田雄浩、河原崎國太郎らベテランキャスト陣が集結する。登場人物■ハムレット(野村裕基)…デンマークの王子。父である先王の亡霊から死の経緯を知らされる。叔父クローディアスへの復讐を誓い、狂気を装うことに。■父王の亡霊(野村萬斎)…死の経緯を息子に明かし、ハムレットを導く。■クローディアス(野村萬斎)…先王を暗殺し、ハムレットの母を娶る叔父。■オフィーリア(藤間爽子)…ハムレットの恋人。■レアーティーズ(岡本圭人)…オフィーリアの兄。ハムレットと対峙する。■ローゼンクランツ(岡本圭人)…廷臣。ハムレットの友人。■ホレイシオ(釆澤靖起)…ハムレットの友人であり腹心。■ガートルード(若村麻由美)…王妃。ハムレットの母親。■ポローニアス(村田雄浩)…レアーティーズとオフィーリアの父親。■旅芸人一座の座長(河原崎國太郎)【詳細】舞台『ハムレット』作:W.シェイクスピア翻訳:河合祥一郎構成・ 演出:野村萬斎出演:野村裕基、岡本圭人、藤間爽子、釆澤靖起、松浦海之介、森永友基、月崎晴夫、神保良介、浦野真介、遠山悠介、村田雄浩、河原崎國太郎、若村麻由美、野村萬斎■東京公演日程:2023年3月6日(月)~3月19日(日)会場:世田谷パブリックシアター住所:東京都世田谷区太子堂4-1-1チケット料金:・一般:S席 9,500円、A席 5,500円・プレビュー一般:S席 8,500円、A席 4,500円※ほか高校生以下、U24など各種割引ありチケット取り扱い:世田谷パブリックシアターチケットセンター TEL 03-5432-1515(10:00~19:00)、世田谷パブリックシアターオンラインチケット※託児サービスあり※車椅子スペース取扱ありチケット一般発売:2023年1月22日(日)■ツアー公演・江戸川公演日程:2023年3月25日(土)17:00場所:江戸川区総合文化センター・大ホール住所:東京都江戸川区中央4-14-1・枚方公演日程:2023年3月29日(水)18:00場所:枚方市総合文化芸術センター・関西医大 大ホール住所:大阪府枚方市新町2-1-60
2023年01月16日2023年3月6日から19日にかけて東京・世田谷パブリックシアターで上演される『ハムレット』のビジュアルが公開された。本作の構成・演出を務めるのは、自身も翻訳劇デビューをハムレット役で果たした野村萬斎。タイトルロール・ハムレット役は、萬斎の長男であり弟子である狂言師・野村裕基。萬斎は、ハムレットを復讐へと導く亡き父王の亡霊と、その父王を暗殺するハムレットの敵である叔父王クローディアスの2役を演じる。また、恋人オフィーリアの兄・レアーティーズと廷臣ローゼンクランツには岡本圭人、オフィーリアは藤間爽子、ハムレットの腹心ホレイシオには釆澤靖起とフレッシュな面々が顔を揃え、萬斎とともに『子午線の祀り』(2017年 / 21年) を作り上げた若村麻由美、村田雄浩、河原崎國太郎と実力派俳優陣の出演が決定している。現代社会を「白か黒かの二進法的世界では割切れぬ灰色の現実の苦悶。まさにハムレットな状況がある」と語る萬斎。チケットは、1月22日(日) より一般発売が開始される。<公演情報>『ハムレット』『ハムレット』ビジュアル作:W.シェイクスピア翻訳:河合祥一郎構成・演出:野村萬斎【出演】野村裕基/岡本圭人/藤間爽子/釆澤靖起/松浦海之介/森永友基/月崎晴夫/神保良介/浦野真介/遠山悠介/村田雄浩/河原崎國太郎/若村麻由美/野村萬斎【スケジュール】2023年3月6日(月)~19日(日)会場:東京・世田谷パブリックシアター※3月14日(火) 昼公演終演後にポストトークあり※登壇予定者:野村萬斎(演出・出演)、野村裕基、岡本圭人、藤間爽子、若村麻由美※開催回のチケットをお持ちの方がご参加いただけます【チケット料金】■一般S席:9,500円A席:5,500円■プレビュー一般S席:8,500円A席:4,500円※ほか高校生以下、U24など各種割引あり一般発売:2023年1月22日(日)【チケット取扱い】世田谷パブリックシアターチケットセンターTEL:03-5432-1515(10:00~19:00)※託児サービスあり ※車椅子スペース取扱あり【ツアー公演】■江戸川公演2023年3月25日(土)会場:東京・江戸川区総合文化センター・大ホール■枚方公演2023年3月29日(水)会場:大阪・枚方市総合文化芸術センター・関西医大 大ホール
2023年01月13日2023年3月6日から19日に東京・世田谷パブリックシアターで上演される『ハムレット』の全キャストが発表された。本公演は、2002年から2022年まで世田谷パブリックシアターの芸術監督を務めた野村萬斎が演出と出演を担う作品。ハムレット役は息子の野村裕基が務めるほか、ハムレットを導く亡き父王の亡霊と、その父を暗殺しハムレットの母を娶る叔父王クローディアスの2役を野村萬斎が演じる。また、ハムレットと対峙するオフィーリアの兄・レアーティーズと、廷臣ローゼンクランツの二役で岡本圭人、ハムレットを慕うオフィーリア役で藤間爽子、ハムレットの友人にして腹心ホレイシオ役で釆澤靖起が出演。さらに野村萬斎演出『子午線の祀り』(2017年・2021年)に出演した若村麻由美、村田雄浩、河原崎國太郎も名を連ねている。『ハムレット』は世田谷パブリックシアターで上演後、3月25日に東京・江戸川区総合文化センター・大ホール、3月29日に大阪・枚方市総合文化芸術センター・関西医大 大ホールで上演される。併せてキャスト陣からコメントが到着した。■野村萬斎 コメントハムレットのタイトルロールを2回経験しての3度目の挑戦である。とは言え、この度は演出と、ハムレットを導き惑わす父王の幽霊、そして敵対する叔父王の役である。ハムレット経験者である私がこの二役を演じること、そして師弟関係にもあり常に共演者(ライバル)である息子・野村裕基と組むことに、演出の大きなキモがある。この戯曲では血縁が複雑に絡み、しかし家庭劇には収まらぬ国家存亡の危機が横たわる。私達親子にとっては日本の伝統的文化存亡の危機が重なって見える。一方現実社会では、隣国同士が戦争を始め、元首相が暗殺され、女王の死を目の当たりにした。そしてデジタル化が進む白か黒かの二進法的世界では割切れぬ灰色の現実の苦悶。まさにハムレットな状況がある。『子午線の祀り』以来の素晴らしい共演者、共同創作者に恵まれた。新たに参加してくれるメンバーも実にチャーミング。乞うご期待!■野村裕基 コメントハムレット役をさせていただきます、野村裕基です。今年2月にリーディング公演でハムレットをさせていただきましたが、この度いよいよ本格的なストレートプレイとして初めて舞台に上がる機会をいただきました。師匠でもある父の、ハムレット像を上手く自分に落とし込んで演じることを目標にしたいと思います。普段の古典芸能とは少し違う自分にも、是非ご期待頂きたいと思います。■岡本圭人 コメント子供の頃からシェイクスピア作品に触れ合ってきた自分にとって、シェイクスピアの言葉を紡ぐことは憧れでした。野村萬斎さん演出のもと、かつて自分が魅了されたハムレットの物語をお客様に感じていただけるように、そして舞台の上で役として生きられるように一生懸命稽古に励んでいきたいと思います。■藤間爽子 コメント私にとって初めてのシェイクスピア作品です。ハムレットという作品が放つ圧倒的な存在感に正直怖気付いておりますが、野村萬斎さんの織りなす世界観に思いっきり飛び込んでみたいと思っています。約400 年前に作られたこの作品を、現代の人々の心にどう届けるのか。幕が開くまで沢山悩み、真摯に向き合っていきたいです。また同じ古典芸能の世界で生きる野村裕基さんと共演できますことも、とても楽しみです。他にはないハムレットが誕生するような気がしています。■釆澤靖起 コメント「『ハムレット』を各自、用意しておくように」 そう言われ、「え、何その加工肉」と思ったのは演劇学校に入りたての頃であった。サラリーマンか役者か。まだ人生に悩んでいた僕は浮世を嘆くハムレットにシンパシーを覚えた。彼の美しき嘆息に不思議と心が救われたのである。(いつか、この作品と真正面から対峙したい。)あれから15年。今こうして改めて『ハムレット』に出会い直す機会に恵まれた事を心から光栄に思います。■河原崎國太郎 コメント南北さんや黙阿弥さんとは長いお付き合いをさせて頂いておりますが、ウィリアムさんとのお付き合いは今回が初めて。人生の節目となる年を迎えて新たな出会いと挑戦の出来る事は大変にありがたいことです。歌舞伎でのこれまでの経験がシェイクスピアの『ハムレット』にいかに活かすことができるのか、ワクワクとドキドキでいっぱいです。新たな可能性を求めながらシェイクスピアの世界を存分に楽しんで勤めたいと思います。■村田雄浩 コメント実は…40年以上役者やってて、シェイクスピアに関わるのは初めてなんです…避けていた訳ではないのですが、何故か縁がありませんでした、戯曲は読ませていただいていたので、倉庫から引っ張り出して読み返して見たら、とても新鮮!還暦過ぎて新たな挑戦が出来るというのは、幸せなことですね~それに萬斎さんが演出ですから、きっと見たことがないハムレットになるんだと思うので楽しみです…とは言え初めてのシェイクスピアですから、共演者のみなさんの胸を借りて初心にかえって勉強させていただきます。■若村麻由美 コメントデンマークの王権は王妃にある!と河合先生は仰った。先王亡き後、その弟と結婚した母ガートルードに対して"Frailty,thy name is woman."(脆き者汝の名は女)と息子が言うのはもっとも。母はなぜ息子に跡を継がせず結婚したのか?演出家萬斎さんとの闘いが始まる!『子午線の祀り』でご一緒させていただいたメンバーとの再会♡素直で新鮮なパワー溢れる裕基さん、圭人さん、爽子さん、釆澤さん、面白いに決まってる!<公演情報>ハムレット2023年3月6日(月)~19日(日) 東京・世田谷パブリックシアター作:W.シェイクスピア翻訳:河合祥一郎構成・演出:野村萬斎【出演】野村裕基/岡本圭人/藤間爽子/釆澤靖起 松浦海之介 森永友基 月崎晴夫神保良介 浦野真介 遠山悠介村田雄浩/河原崎國太郎/若村麻由美/野村萬斎【お問い合わせ】世田谷パブリックシアターチケットセンターTEL:03-5432-1515【ツアー公演】2023年3月25日(土) 東京・江戸川区総合文化センター・大ホール年3月29日(水) 大阪・枚方市総合文化芸術センター・関西医大 大ホール
2022年10月20日俳優のレオナルド・ディカプリオが主演を務めた映画『レヴェナント 蘇えりし者』(15)が、映像配信サービス・dTVで配信開始した。19世紀初頭のアメリカ北西部に実在したハンターのヒュー・グラスの壮絶な実話をもとにした小説を映画化。『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で第87回アカデミー賞を受賞したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが監督を務め、レオナルド・ディカプリオが主人公ヒュー・グラスを演じる。音楽は、『ラストエンペラー』の坂本龍一が担当している。ハンターのグラスは、息子のホークを含む仲間たちとともに山へ猟に出かけ、残虐な原住民・アリカラ族と熊に襲われて瀕死の重傷を負ってしまう。狩猟チームメンバーの1人、ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に見捨てられ置き去りにされたばかりか、息子を殺されたグラスは、フィッツジェラルドに復讐するために、約300キロにわたる過酷な旅に出る。同作でレオナルド・ディカプリオは、初のアカデミー賞主演男優賞を獲得。さらにゴールデングローブ賞でも最優秀主演男優賞を受賞した。
2022年09月19日今年、『The Long Goodbye』でアカデミー短編映画賞を受賞したリズ・アーメッドとアニール・カリアが、現代版「ハムレット」で再びタッグを組むという。「Deadline」が報じた。『The Long Goodbye』では、2人は脚本を執筆し、リズは主演、カリアは監督も務めた。今回2人が挑むのは、シェークスピアの悲劇「ハムレット」。舞台は現代のロンドンで、リズはハムレットを演じる。監督はカリア、脚本はマイケル・レスリー(『マクベス』)。ほかのキャストには、オフィーリア役にモーフィッド・クラーク(『セイント・モード/狂信』)、レアティーズ役にジョー・アルウィン(『女王陛下のお気に入り』)が決定しているとのこと。リズとカリアは「私たちのハムレットは、裕福なイギリス系インド人の家庭のアウトサイダー」と語っており、「人種、メンタルヘルス、不平等を描く『ハムレット』で、物事を正すことは古い秩序に火を放つことなのかと問いかける」という。「多様なキャスト、現代のロンドンという舞台、それに私たちが長年取り組んできたジャンルのラップのエネルギーを古典に注ぎ込むことによって、より多くの人のためにこの不朽の物語を切り開いていきたい」と意気込んでいる。(Hiromi Kaku)
2022年05月12日G.Garage///『Oshiire Hamlet 押入ハムレット』が2022年5月18日 (水)に彩の国さいたま芸術劇場小ホール(埼玉県さいたま市)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式Twitter 俳優×ピアニスト×能楽師上質な即興狂読シェイクスピア!俳優・河内大和(シェイクスピア楽師)がシェイクスピアの一作品の全役を狂い読み、"今"を更新し続ける革命のピアニスト・スガダイロー(音楽師)による全音楽の即興演奏、というスペシャル企画第四弾。今回の演目は、400年経ってもなお世界中で愛され続けているハムレット。翻訳は、今やほとんど上演されていない坪内逍遥訳でお届けいたします。今回はさらに、重要無形文化財能楽総合認定保持者である能楽師・津村禮次郎氏が特別出演!この三楽師の狂宴、いかなエクスプロージョンが巻き起こるのか乞うご期待!G.Garage///【ジーガレージスリースラッシュ】2013年、俳優の河内大和が主宰となって立ち上げたシェイクスピアユニット。その名前には、「身一つで宇宙を作り出し、重力さえも変容させようと意気込む表現者たちの重力倉庫」そんな大層な思いが込められています。英国の古典であるシェイクスピアを、その世界観をより深めて、日本人が日本語で上演することは、果たして可能なのか?シェイクスピアの詩のような言葉の海を、人間の言葉として普通に喋りながら悠々と泳ぎ渡るには、どうすればいいのか?シェイクスピアは超絶面白い、それを強烈に共有したい、そのためには一体どうすれば?全てはそこから始まりました。今を生きる私たち日本人の感覚で、発するときは慎しみを忘れずに、日本語によるシェイクスピアの世界を余白の美しさとともに立ち上げる。"斬新さというものは、王道の中にこそ存在する"それを信じて、劇場という特別な空間で、今日もはちきれんばかりの命の光を発しながら、私たちのシェイクスピアに挑みます。公演概要『Oshiire Hamlet 押入ハムレット』公演日時:2022年5月18日 (水)18:30開場/19:00開演(※上演時間:約90分)会場:彩の国さいたま芸術劇場小ホール(埼玉県さいたま市中央区上峰3-15-1)原作:ウィリアム・シェイクスピア翻訳:坪内逍遥■出演者出演:河内大和音楽・演奏:スガダイロー(piano)特別出演:津村禮次郎(能楽師)■スタッフ演出・出演:河内大和照明:鷲崎淳一郎(ライティングユニオン)音響:岡田悠(One−Space)美術:河内大和舞台監督:株式会社ステージワークURAK宣伝美術:魚住和伸宣伝写真:BUN能面協力:観世流緑泉会制作:吉田千尋(LUCKUP)企画・製作:G.Garage///後援:カンフェティ■チケット料金一般:4,000円U-25(25歳以下):2,500円高校生以下:1,000円(全席指定・税込)※U-25・高校生以下はLUCKUPのみの受付・枚数限定・入場時身分証提示※未就学児童の入場はご遠慮いただいております。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年05月12日五十田安希ひとり芝居『語りかけるハムレット』が2022年2月22日 (火) ~2022年2月23日 (水・祝)に東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都豊島区)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ 2022年2月の五十田安希ひとり芝居は『語りかけるハムレット』『華のロザリンド』の中断から『語りかけるハムレット』への経緯2021 年 1 月に予定していた『華のロザリンド』公演は新型コロナ感染拡大により、実施わずか 1 カ月前に中断しました。半年前に台本が上がり、演出プラン・大道具・照明・音楽・衣裳・かつら・印刷物が完成しチケット販売・通し稽古にまで進んだものをあきらめるのは断腸の思いでしたが、振り返ってみれば適切な判断であったと考えています。その節は大変ご迷惑ご心配をおかけしました。丸 1 年間の空白は辛いものでした。五十田安希の年齢を考えると残された上演機会は限られます。「次のひとり芝居は今のかたちで上演できる最後になるかもしれない」そう思った時、第一番目に『語りかけるハムレット』の再演を果たしたいと考えました。五十田安希と三島由紀夫著「ハムレット」との再会イングランド中部に位置するバーミンガムは産業革命時代はロンドンを凌ぐ英国一の豊かな都市でした。その富を結集し設立されたバーミンガム市立図書館(Birmingham City Library)に世界一の蔵書コレクションを誇るシェイクスピア図書館があります。30年以上前にこの図書館から五十田安希にレターが届きました。その前年に五十田安希が行った英国公演の上演写真を収蔵したいとの要請でした。舞台写真を送ったところ「展示を見に来ないか」とお招きを戴きました。渡英して図書館を訪ねると五十田の写真はロイヤルシェイクスピアシアターの舞台写真と隣り合わせの展示で嬉しく拝見しました。しかしそれ以上に感激したのが通常は見られない貴重なシェイクスピア関係蔵書の何百年分もの書庫を見学させて頂けたことでした。初版本や大型本、装丁も挿絵も素晴らしいものばかりでした。その書架にカタカナで「ハムレット」の活字が目にとまりました。手に取って見ると「三島由紀夫著」とあり驚きました。以来ずっと気にかかっていた三島由紀夫の「ハムレット」でしたが、ある時三島由紀夫文学館からご連絡を戴いた際に問い合わせたところ所蔵していることが解り再会が叶いました。『語りかけるハムレット』の舞台三島由紀夫の「ハムレット」はシェイクスピアの原作に登場人物の心の動きや場面の情景が加えられ補われています。五十田安希の『語りかけるハムレット』はこれらの心理や情景を落ち着いた語りによって進行し、他方でハムレットやオフィーリアの登場人物をダイナミックなひとり芝居の演技で表現する。加えてスクリーンに英国の城郭で撮影した画像を映し、オリジナル作曲の音楽を駆使して悲劇の舞台としての「ハムレット世界」を現出します。聞いて心地よく見て楽しくそしてわかりやすい『語りかけるハムレット』でシェイクスピアのロマンを感じて戴きたいと願っています。ひとり芝居として演じ、語る。五十田安希の舞台にご後援・ご協賛をお願いいたします。五十田安希プロフィールシェイクスピア作品から独自の発案によるひとり芝居『マクベス夫人』を生み出し1971年に上演を開始した、わが国ひとり芝居の先駆者。ひとり芝居上演を続ける一方、五十田安希朗読研究所を主宰して個性を生かす朗読表現の指導を行っている。著書:「朗読誕生」~美しく歌うように~【経歴一部抜粋】1991年ロンドンのシェイクスピアグローブトラストからシェイクスピア・イン・ジャパンアワード受賞1996年7月ロンドンのグローブ座復元舞台開きで『マクベス夫人』『オフィーリア幻想』を上演2010年7月女優として初の外務大臣表彰を受賞2016年7月シェイクスピア没後400年記念事業でグローブ座にオープンした室内劇場Sam Wanamaker Playhouseで『オフィーリア幻想』を上演2020年1月ひとり芝居50年を迎えて第1回の上演作品であった『マクベス夫人の幻想と現実との交叉』を東京芸術劇場で上演した。公式ホームページプロフィール: 公演概要五十田安希ひとり芝居『語りかけるハムレット』公演期間:2022年2月22日 (火) ~2022年2月23日 (水・祝)会場:東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都豊島区西池袋1丁目8番1号)■出演者五十田安希■スタッフ原作 :W.シェイクスピア翻案・脚本 :三島由紀夫(あかね書房刊「ハムレット」による)台本・演出 :吾妻 正美術 :中嶋 正留装置 :明治座舞台㈱照明 :桜井 真澄(東京舞台照明)音楽 :川上 慎一効果 :山北 史郎 山口 ゆり(T.E.S.)衣裳 :本宮 悦子 野沢由里子 坪木 哲子かつら :細野 一郎(細野かつら店)舞台監督 :樋口 友治制作 :五十田安希事務所協力 :三島由紀夫文学館■公演スケジュール02月22日(火) 14:00 / 19:0002月23日(水・祝) 13:30■チケット料金全席指定:5,500円→ カンフェティ席3, 300円!(税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年01月13日シェイクスピア四大悲劇のひとつとして圧倒的な知名度を誇り、日本でもさまざまな演出で毎年のように上演されている『ハムレット』。本日11月8日に東京・博品館劇場で開幕するのは、独自の美学で個性的な舞台を創出し続ける宝塚歌劇団出身の演出家、荻田浩一が脚本・演出を手がけるミュージカルバージョンだ。『ハムレット』のモデルとなった北欧伝説「アムレート」のイメージを盛り込み、また原作では登場シーンの少ない隣国ノルウェーの王子フォーティンブラスの存在を強調したストーリーになるという。タイトルロールのデンマーク王子に挑むのは、荻田とはミュージカル『アルジャーノンに花束を』でもタッグを組んだ矢田悠祐。今年だけでも岡田将生、松井珠理奈、菊池風磨らが演じてきたこの世界一有名な主人公を、その歌唱力とみずみずしい感性でどう造形するかに注目が集まる。ハムレットに想いを寄せながら悲しい結末を迎えるオフィーリア役は、荻田の前作『イヴ・サンローラン』での好演が記憶に新しい皆本麻帆。ハムレットの母ガートルードと伯父クローディアス/先王ハムレットの亡霊(2役)にはそれぞれ、ベテランの彩輝なおと舘形比呂一が扮するほか、総勢10名のキャストがさまざまな役を演じ分ける。荻田らしい、イマジネーション豊かなミュージカル『ハムレット』になりそうだ。11月18日(月)まで。文:町田麻子
2019年11月08日歌舞伎の演出家で振付師の藤間勘十郎が演出を手掛ける音楽劇『ハムレット』(作:ウィリアム・シェイクスピア)が10月22日(火・祝)に開幕する。主演・ハムレット役を務める韓国の人気ボーカルユニットCROSS GENE(クロスジン)のキム・ヨンソクに話を聞いた。【チケット情報はこちら】「シェイクスピア作品は初めてで、むちゃくちゃドキドキします!」と日本語で語ってくれたキム。本作への出演を「とても光栄です。『ハムレット』は俳優なら誰でもやりたい作品ですよね。僕は、シェイクスピア作品の中でも『ハムレット』が一番好き」と喜ぶ。本作で特に楽しみにしていることは「やっぱり音楽。『ハムレット』の重いストーリーも、音楽で届けることで、お客さんに届きやすくなるんじゃないかと思うので」。その音楽に演出を手掛ける藤間勘十郎ならではの発想で、生演奏の和楽器の鳴物を加えた上演になるという。「特に心配はしていないです。僕は音楽が大好きだし、自信もありますから。キム・ヨンソクならではの歌を届けられたらと思います」日本では数本の舞台に出演。「シェイクスピア作品はもともと台詞が多いですし、日本語の発音やイントネーションが難しいだろうなと思っています」と明かしながらも、それでも出演を決めた理由は「挑戦です」と笑顔。「僕は俳優として、韓国と日本を行ったり来たりできるようになりたいと思っています。そしていつかはブロードウェイにも出たいです」と言うキムだが、今年8月の日本での舞台(『マイ・バケットリストSeason5』)での経験は「正直言うと大変でした。台詞を覚えるのも一苦労ですし、発音を間違うと相手に届かない。すごく苦労しましたね。でも、公演が終わって、韓国に帰ったら、『もっと成長したい。もっと上手になりたい』と思ったんです。“もう嫌だ”とは全く思わなかった。だから次はもっとレベルアップした僕の姿を見せたいと思っています」。そういう志もあり、実はこのインタビューでも、通訳者は同席していたのだが、基本的にはキムが日本語で話してくれた。舞台で大切なのは「チームワーク」だそう。「皆さんとは初共演ですが仲良くなりたい。チームワークは客席に伝わりますから。ハムレットは寂しい人だし、辛い思いをする役で、僕は役を引きずりがちですが、稽古の休憩時間は『珈琲をどうぞ』と言って(笑)、仲を深めたいです」。がんばれるのは「お客様の反応がもらえるから」。「それが俳優としても歌手としても命です」と明かす彼が主演を務める音楽劇『ハムレット』は、10月22日(火・祝)から25日(金)まで東京・天空博劇場にて上演。
2019年10月09日アイドルグループ・Sexy Zoneの菊池風磨が、舞台『HAMLET ―ハムレット―』で単独初主演を務めることが17日、明らかになった。同作はシェイクスピア四大悲劇の一つで、デンマーク王・ハムレットが父王の死に復讐を誓い、狂気を装って、王座を継いだ叔父・クローディアスに迫る。演出は『クレシダ』『The Silver Tassie 銀杯』『プラトーノフ』等、卓越した演出力で高い評価を得ている気鋭の演出家森新太郎が務める。菊池にとっては、2015年9月に上演された「DREAM BOYS」以来約4年ぶりとなる舞台出演で、CDデビューから8年目となるSexy Zoneメンバー初の、外部舞台への挑戦となる。ハムレットの婚約者・オフィーリア役には南沢奈央、オフィーリアの父・ボローニアス役には大鷹明良、ハムレットの叔父・クローディアス役には大谷亮介、ハムレットの母・ガートルード役には安蘭けいと、豪華な面々が顔を揃える。更に、宮崎秋人、章平、風間由次郎、小柳心、味方良介、末原拓馬、福原冠、冨永竜、森田甘路、駒井健介、天野勝仁、新垣ケビン、花王おさむと、若手からベテランまで個性あふれる役者がそろった。東京公演は東京グローブ座にて9月8日~10月6日、大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて10月9日~15日。○菊池風磨 コメント今回出演が決まって、まさか自分がハムレット役をやらせて頂く事になるとは思ってもみなかったので、とにかく驚いた次第でございます。もちろん、喜びもありましたが、何より驚きが大きかったです。『ハムレット』は、作品自体に歴史と伝統があり、国内外においても、様々な方々が演じられてきた由緒正しき役であることは私でも百も承知ですので、かなりのプレッシャーを感じていることは否めません。ですが、やりたいと思ってやらせて頂ける役ではないからこそ、この機会に全身全霊で向き合いたいと強く思っております。ストレートプレイに対する意識は強く、恐縮ながら役者としても活動させて頂く以上、一度はストレートプレイの舞台に立ちたいと思っていたので、これ以上光栄なことはございません。Sexy Zoneの可能性を広げるきっかけになれればと思っております。ハムレットという大役を、歴史と伝統に則り、真摯に演じて参りたいと思っております。その表現の中で現れる新たな菊池風磨をお見せすることを約束致しますので、是非ご覧ください。○森新太郎 コメントそこに活劇としての魅力があるとはいえ、『ハムレット』が相当血なまぐさい復讐劇であることは確かです。主要人物のほとんどが残酷な死を遂げます。「復讐せよ」とハムレットに命じた父の亡霊もまさかこれほどの事態になるとは想像していなかったのでは。人間の理性を信じ “正義”や“名誉”というものを希求して止まなかったハムレット。そんな彼による凄惨な復讐劇だからこそ、この物語はいま上演する意義があり、現代にも通じる問題作として我々の前に立ちはだかるはずです。古典戯曲の金字塔に真っ向勝負で挑んでいけたらと思います。
2019年05月17日4月18~21日に東京・品川プリンスホテル クラブeXで公演されるSKE48版『ハムレット』の公開稽古が17日、同所で行われ、SKE48の松井珠理奈、古畑奈和、鎌田菜月、高柳明音、佐藤佳穂、野島樺乃、熊崎晴香、北川愛乃、末永桜花が最終リハーサルに臨んだ。SKE48のメンバーが演技の指導を受けながら本気で芝居に挑戦する日本テレビ系『SKEBINGO!~ガチでお芝居やらせて頂きます!~』。同番組では、全員参加のオーディションが行われ、それに勝ち抜いた松井珠理奈ら9人のメンバーが、同番組の集大成として公演されるSKE48版『ハムレット』に出演することに。主人公のハムレット役には舞台初出演の松井珠理奈、その敵・クローディアス役には古畑奈和が決定。そのほか、鎌田菜月、高柳明音、佐藤佳穂、野島樺乃、熊崎晴香、北川愛乃、末永桜花が出演し、劇団鹿殺しの丸尾丸一郎が脚本・演出を、プロデュースには松田誠が参加する。公演を翌日に控えたこの日は、報道陣や関係者を前にして公開稽古が行われた。演目はシェイクスピアの四大悲劇の一つでもある『ハムレット』。これまで何度も映画化され、舞台化されている作品で、今回はSKE48のメンバーたちのホームグランドでもある名古屋・栄を舞台に、随所でオリジナル色が散りばめられている。途中、帽子を落とすなどのハプニングもありつつ、はあったが、それを物ともしない彼女たちの姿から、日頃鍛えられている公演での経験が垣間見えた。その対応力には目に見張るものがある。また、『ハムレット』といえば長ゼリフがあることでも有名だが、メンバーたちはセリフを間違えることなくこなし、抑揚の効いたセリフ回しを披露した。最後には、感極まって高柳明音が泣き崩れる場面もあった。
2019年04月18日来年5月から上演が始まる岡田将生主演舞台「ハムレット」。この度、本作のスタイリッシュで幻想的なビジュアルが到着した。待望のシェイクスピア作品、そして念願のタイトルロールを演じる岡田さん、その恋人オフィーリアを黒木華が演じ、舞台初共演を果たす。今回到着したビジュアルでは、ハムレットがオフィーリアを抱き、憂いの表情を浮かべている。演出家サイモン・ゴドウィンは、「ハムレット」という作品を「ダークなおとぎ話」と捉え、今回のプロダクションにおいては「真実とファンタジーが入り混じることになる」と語っており、今回のビジュアルにも、その世界観が写し出されているようだ。岡田さんと黒木さんのほかにも、本作には主人公の母親王妃ガートルード役の松雪泰子。レアーティーズ役に青柳翔。ノルウェー王子フォーティンブラス役に村上虹郎。さらに山崎一、福井貴一、竪山隼太、秋本奈緒美らが出演する。Bunkamura30周年記念 シアターコクーン・オンレパートリー2019DISCOVER WORLD THEATRE vol.6「ハムレット」は2019年5月9日(木)~6月2日(日)Bunkamuraシアターコクーン(東京公演)、6月7日(金)~6月11日(火)森ノ宮ピロティホール(大阪公演)にて上演。(cinemacafe.net)
2018年12月18日ウィリアム・シェイクスピア作の舞台『ハムレット』 が、岡田将生主演で公演。期間は東京・渋谷のBunkamura シアターコクーンにて2019年5月9日(木)から6月2日(日)まで、大阪・森ノ宮ピロティホールにて6月7日(金)から11日(火)まで。岡田将生がハムレットに挑むシェイクスピア四大悲劇の1つ『ハムレット』。デンマーク王子ハムレットが、父を殺し、母親と王位を奪った叔父へ復讐を誓う様を描いた、不朽の名作だ。タイトルロールを演じるのは、『伊藤くん A to E』や『家族のはなし』といった映画やテレビドラマのみならず、舞台『ニンゲン御破算』などでも活躍する岡田将生。初舞台作品で、演出家・蜷川幸雄に「いつか君とシェイクスピアをやりたい」と言われていたこともあるといい、待望のシェイクスピア作品への出演となる。恋人オフィーリアには、『日日是好日』『ビブリア古書堂の事件手帖』『来る』など、話題の映画に数多く出演する黒木華、主人公の母親王妃ガートルードには、NHKの連続テレビ小説『半分、青い。』で母親役を好演した松雪泰子が出演。復讐に燃えるレアーティーズには青柳翔、ノルウェー王子フォーティンブラスには村上虹郎と若手の注目株が、ポローニアスには山崎一、クローディアスには福井貴一と実力派ベテラン陣が揃う。また、ホレイシオに堅山隼太、劇中劇の女王に秋本奈緒美といった精鋭キャストが脇を固める。演出を務めるのは、今作で日本初登場となる、ロンドンを拠点に活動する演出家サイモン・ゴドウィン。美術・衣裳は、トニー賞にノミネート経験もあるデザイナーのスートラ・ギルモアが担当する。あらすじ舞台はデンマーク。国王が急死し、王の弟クローディアスは王妃ガートルードと結婚し、跡を継いでデンマーク王の座に就く。父王の死と母の早い再婚とで憂いに沈む王子ハムレットは、従臣から父の亡霊が夜な夜なエルシノアの城壁に現れるという話を聞き、自ら確かめに行く。父の亡霊に会ったハムレットは、実は父の死はクローディアスによる毒殺だったと告げられる。父の復讐を誓ったハムレットは狂気を装う。王クローディアスと王妃ガートルードはその変貌ぶりに憂慮するが、宰相ポローニアスは、その原因を娘オフィーリアへの実らぬ恋ゆえだと察する。父の命令で探りを入れるオフィーリアを、ハムレットは無下に扱う。やがて、王が父を暗殺したという確かな証拠を掴んだハムレットだが、母である王妃と会話しているところを隠れて盗み聞きしていたポローニアスを刺殺してしまう──。【詳細】シアターコクーン・オンレパートリー2019 DISCOVER WORLD THEATRE vol.6Bunkamura30周年記念公演『ハムレット』作:ウィリアム・シェイクスピア出演:岡田将生、黒木華、青柳翔、村上虹郎、竪山隼太、玉置孝匡、冨岡弘、町田マリー、薄平広樹、内田靖子、永島敬三、穴田有里、遠山悠介、渡辺隼斗、秋本奈緒美、福井貴一、山崎一、松雪泰子翻訳:河合祥一郎演出:サイモン・ゴドウィン美術・衣裳:スートラ・ギルモア企画・製作:Bunkamura■東京公演期間:2019年5月9日(木)~6月2日(日)時間:13:00~、18:30~ ※日によって公演時間が異なる。会場:Bunkamura シアターコクーン(東京都渋谷区道玄坂2-24-1)チケット発売日:3月2日(土)10:00チケット取扱い:・Bunkamuraチケットセンター(10:00~17:30/オペレーター対応) 発売日初日特電TEL:03-3477-9912、3/3以降TEL:03-3477-9999、オンラインチケットMY Bunkamura(要事前登録)、Bunkamuraチケットカウンター(Bunkamura1F 10:00~19:00)※発売日初日の取扱いはなし、東急シアターオーブチケットカウンター(渋谷ヒカリエ2F 11:00~19:00)※発売日初日の取扱いはなし・チケットぴあ 発売日初日特電TEL:0570-02-9980(10:00~23:59/Pコード不要)、3/3以降TEL:0570-02-9999(24時間・音声自動応答/Pコード:490-619)、オンラインサイト、セブンイレブン(24時間 毎週火・水曜日の1:30AM~5:30AMを除く)、チケットぴあ店舗・イープラスオンラインサイト、ファミリーマート各店舗(店内Famiポート直接購入)・ローソンチケット 発売日初日特電TEL:0570-084-632(10:00~23:59/Lコード不要)、3/3以降TEL:0570-000-407(10:00~20:00/オペレーター対応)、オンラインサイト、ローソン・ミニストップ各店舗(店内Loppi直接購入 Lコード:32828)■大阪公演期間:6月7日(金)~11日(火)時間:13:00~、18:30~ ※日によって公演時間が異なる。会場:森ノ宮ピロティホール(大阪市中央区森ノ宮中央1-17-5)チケット発売日:4月14日(日)10:00チケット取扱い:・チケットぴあ 発売日のみTEL:0570-02-9530、発売所TEL:0570-02-9999(Pコード:491-541)、オンラインサイト・ローソンチケット 発売日のみTEL:0570-08-4653、発売日翌日以降TEL:0570-00-0407、0570-08-4005(Lコード:53693)、オンラインサイト・CNプレイガイド 発売日翌日以降TEL:0570-08-9977 0570-08-9999、オンラインサイト・イープラスオンラインサイト・森ノ宮ピロティホール 窓口販売問い合わせTEL:0570-200-888(10:00~18:00/キョードーインフォメーション)
2018年11月22日シェイクスピアの名作「ハムレット」が渋谷のBunkamuraシアターコクーン公演を皮切りに、東京と大阪の2都市で上演されます。岡田将生さんが主演を務める本作の最新情報をご紹介します。舞台「ハムレット」2019年5月上演岡田将生さん主演の舞台「ハムレット」が2019年5月9日~6月2日に上演されることが発表されました。シアターコクーンが実施する「DISCOVER WORLD THEATRE」の第6弾公演となる本作は、豪華キャストが名作を演じるとあって注目が集まっています。豪華キャストが多数出演本作では、岡田将生さん演じるハムレットの恋人・オフィーリア役を女優の黒木華さんが演じます。約5年ぶりとなる岡田将生さんとの共演は必見です。ほかにも女優の松雪泰子さんや俳優の村上虹郎さんなど、ベテランから若手まで華やかなキャストが多数登場します。舞台「ハムレット」公演詳細東京公演日程:2019年5月9日(木)~2019年6月2日(日)会場:東京都 Bunkamura シアターコクーン大阪公演日程:2019年6月7日(金)~2019年11日(火)会場:大阪府 森ノ宮ピロティホールスタッフ原作:ウィリアム・シェイクスピア翻訳:河合祥一郎演出:サイモン・ゴドウィン出演者岡田将生黒木華青柳翔村上虹郎松雪泰子など問い合わせ先舞台「ハムレット」を見に行こうシェイクスピアの名作「ハムレット」を豪華キャストが演じる本作は、チケット発売前から注目を集めています。ぜひこの機会に、劇場で「ハムレット」の世界を感じてみませんか。イベント情報イベント名:ハムレット(東京公演)催行期間:2019年05月09日 〜 2019年06月02日住所:〒150-8507 東京都渋谷区道玄坂2丁目24−1東京都 Bunkamura シアターコクーンイベント情報イベント名:ハムレット(大阪公演)催行期間:2019年06月07日 〜 2019年06月11日住所:〒540-0003 大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1丁目17−5森ノ宮ピロティホール
2018年10月24日シェイクスピア作品の中でも特に人気が高い名作『ハムレット』を、内野聖陽主演で上演する。演出は『レ・ミゼラブル』オリジナル版演出で知られ、英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクターである巨匠ジョン・ケアード。本作の製作発表が1月10日、都内にて開催された。舞台『ハムレット』チケット情報ジョンは以前より内野に「いつかハムレットをやるべき」と強く薦めていたという。その理由を「ハムレットはシェイクスピアが描いた中でも一番大きな役。若い役と思われているかもしれませんが、本当は経験豊かで技術がある人がやらなきゃいけない。この物語は哲学を描いているから、“ただ稽古でやったことをやる”のではなく、シェイクスピアの描いたことについて考えられる人じゃないと出来ない。内野さんはそういうことが出来る人」と熱弁。これに対し内野は「(考えることは)一番苦手」と笑いながらも、「ハムレットはもっと若い人がやるべきと思う人がいるかもしれませんが、そうじゃないんだぞというのを、今回必ずお見せします」と力強く意気込む。また名匠ジョン・ケアードについて「彼の“どんなキャラクターにも、特殊な役にも、それぞれ共感できるところがないといけない”という考え方が大好き。この作品にも難しい部分はあるかもしれないが、万人に共感できるところもたくさんある、豊かな作品になるのでは」と期待を話した。ちなみに劇中、ハムレットは「太っている」という描写があると訊き「(『真田丸』の家康役のために)16キロ太って必死にいま痩せようとしてたのに、気が緩みました(笑)」と内野。会見ではジョンによる構想も語られたが、中でも注目は、30人ほどの登場人物を、わずか14名のキャストで演じきるということ。内野含め、ほとんどの俳優が複数役を演じ、そのことで演劇的構造を浮かび上がらせる仕組み。「内野さんも(ハムレットが死んだ後)フォーティンブラスとして戻ってきてもらいます。もともと僕は、ハムレットの死後、全然知らない人(フォーティンブラス)が国をとっていってしまうのが疑問でした。ハムレットが自分がなるべきだった王として復活した…となると、この劇のテーマである“蘇る死と生の関係”というものがクリアに見えてくるんじゃないか」と語るジョンに、出演者自身も興味深そうに耳を傾けていた。なお、ヒロイン・オフィーリア役は、オーディションでこの役を掴んだという貫地谷しほり。「本当に今、ここに立てていることが嬉しい」と喜びを語った。ほか出演は北村有起哉、加藤和樹、山口馬木也、今拓哉、壤晴彦、村井國夫、浅野ゆう子、國村隼ら。公演は4月9日(日)から28日(金)まで、東京芸術劇場 プレイハウスにて上演(4/7・8にプレビュー公演あり)。チケットは1月14日(土)に一般発売を開始。その他兵庫・高知・福岡・長野・愛知公演あり。
2017年01月10日アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督のもと、主演を務めたレオナルド・ディカプリオが本年度アカデミー賞をはじめ、賞レースを席巻した『レヴェナント:蘇えりし者』。今回は、念願のオスカー獲得につながったディカプリオの俳優魂を明らかにする、7つの“過酷すぎるチャレンジ”に注目した。本作の舞台は、19世紀、アメリカの広大な未開拓の荒野。狩猟中に熊に喉を裂かれ瀕死の重傷を負ったハンターのヒュー・グラス(ディカプリオ)は、狩猟チームメンバー、ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)の裏切りで置き去りにされてしまうばかりか、目の前で愛する息子を殺されてしまう。フィッツジェラルドに復讐を果たすため、“生きる”という意志だけを武器に、グラスは厳しい冬の寒さに耐え、交戦中の部族の熾烈な襲撃を交わし、約120キロの容赦ない旅を生き延びようとする――。本作で何より注目を集めるのは、まさに文字どおり“渾身”で挑んだディカプリオの熱演だ。その中の7つの過酷なチャレンジについて迫った。■チャレンジ1:手付かずの大自然を相手に挑んだ撮影!本作の撮影でロケ地として選ばれた場所は、手つかずの自然が残るリアルな未開の土地で、あらゆる場所に点在した撮影ポイントは100か所近くに及んだという。しかも、アカデミー賞史上初、3年連続の撮影賞受賞を果たしたエマニュエル・ルベツキによる撮影は、自然光のみを使うというこだわりのため、1日の内、実際に撮影に使用できた時間は1時間半程度。そのために8~9時間に及ぶリハーサルを行い、ミスの許されない状況の中で毎日撮影が行われた。まるで鑑賞者がその場に居合わせたかのように感じる臨場感は、こうして作り上げられたのだ。■チャレンジ2:バナナで釘が打てる!気温がマイナス27度まで低下することも!手つかずの大自然が広がる土地はとにかく寒く、時にはマイナス27度まで気温が下がったことも。クルーたちは、お互いに凍傷の兆候がないか確認し合ったほどだったという。ディカプリオも「低体温症になりかけたし、何度も風邪を引いたよ」と語っている。しかし、そんな過酷な冬の寒さを相手に、ディカプリオは裸になり、雪にも埋まり、さらには極寒の川にダイブするという荒業をやってのけ、グラスの経験にリアリティを生み出している。■チャレンジ3:本物そっくりのゼリーがあるのに、バイソンの生レバーを食す!劇中で、グラスは木の根を食べ、川で手づかみした魚をそのまま食し、飢えを回避する。それらのシーンも非常に印象的だが、最も衝撃的なのは、ベジタリアンといわれるディカプリオがバイソンの生肉を食らうシーンだろう。このシーンの撮影にあたり、撮影班は本物そっくりのゼリーで作ったレバーを用意したが、ディカプリオはそれを使うことを拒否。リアルさを追求するため、本物の生レバーを食した。思わず咳き込んで吐き出すも、演技を超えた本気のそのリアクションは、そのまま本編に使用されている。■チャレンジ4:鼻の骨を折るほどの格闘シーン!劇中で、重傷のグラスを置き去りにするばかりか、彼の最愛の息子を殺害してしまう非情な男ジョン・フィッツジェラルド。アクションシーンにもリアルさを求めた監督は、終盤、グラスを演じるディカプリオと、フィッツジェラルドを演じるトム・ハーディを実際に殴り合わせた。その過程でディカプリオは鼻を骨折。それでも撮影は続行され、並のアクション映画を超えるほどの迫真のアクションシーンが完成することとなった。■チャレンジ5:世界で話せる人はほとんどいない!?先住民族の言語をマスター!当時の人々の様子もリアルに描くことにこだわった本作。実在する部族も描かれており、歴史研究家も作品に多くのアドバイスを送っている。グラスは部族の女性と結婚しているため、矛盾を生まないよう、ディカプリオは本物の部族の中でも現在では話せる人が10人未満と言われる2種類のネイティブ・アメリカンの言語を習得した。劇中では、息子とのやり取りや回想シーンで、ディカプリオがこれらの言葉を使いこなすところが目撃できる。■チャレンジ6:役作りに1年半! ヒゲを伸ばし続けたのは映画のためだった!リアリティにこだわり抜いた撮影は、なんとあごヒゲにまでも及んでいた。ディカプリオは2014年の冬ごろ、かなり伸びたあごヒゲが端正な顔立ちを台無しにしていると話題になり、世界中を悲しみに暮れさせたが、これは本作に向けた準備だったのだ。当時のハンター、グラス役として求められる量のあごヒゲを蓄えるのにかかった期間は1年半。それだけの間、プライベートでの見てくれには脇目もふらず、ヒゲを伸ばし続けたディカプリオの役者魂には感服だ。■チャレンジ7:まさかのノースタント! 熊に襲われるシーンでは実際に地面にたたきつけられた!劇中で、グラスは灰色熊に襲われて重傷を負う。このシーンばかりはCGも使用されたが、その撮影は過酷を極めた。熊に襲われるグラスの姿を再現するため、ワイヤーで吊るされたディカプリオを何度も地面にたたきつけるという撮影は、スタントマンなしで、1週間に渡って続いたという。劇中で熊に襲われながらグラスが見せる苦悶の表情は、実際にディカプリオが見せたリアルな反応そのものなのだ。ちなみに、熊はどう見ても実物にしか見えないリアルさで、思わず手に汗握る迫真のシーンとなっている。こうした過酷過ぎる撮影は、すべて映画の“リアルさ”のために行われている。CG、スタントといった手法があふれる現代にありながら、ハリウッドの大作映画にもかかわらず、それらの手段をあまり使用せずに撮影された本作の映像からは、大自然の過酷さや登場人物の動きを、まるでその場に居合わせたかのようなリアルさで体験できる。その中で描かれる親子の深い愛と、そこから紡ぎだされる奇跡のサバイバル。まさに唯一無二の映像体験といえそうだ。『レヴェナント:蘇えりし者』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年05月11日公開中のレオナルド・ディカプリオ主演映画『レヴェナント:蘇えりし者』のメイキング映像が公開になった。本作で、3年連続でアカデミー撮影賞に輝いた名撮影監督エマニュエル・ルベツキの描き出す映像の魅力に迫った内容だ。『レヴェナント:蘇えりし者』メイキング映像ルベツキは、1964年にメキシコシティで生まれ、朋友アルフォンソ・キュアロン監督の作品を数多く手がけて、好評を博した。彼の名が世界に轟くようになった大きなきっかけは鬼才テレンス・マリック監督の作品を手がけるようになったことだ。これまでネストール・アルメンドロス、ジョン・トールら名だたる撮影監督と仕事をしてきたマリックは、新たにルベツキとタッグを組み『ニュー・ワールド』『ツリー・オブ・ライフ』『トゥ・ザ・ワンダー』を発表。その精緻な映像は多くの観客を驚かせた。その後、ルベツキは2013年の『ゼロ・グラビティ』、2014年の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、2015年の『レヴェナント: 蘇えりし者』で3年連続アカデミー撮影賞を受賞。このほど公開になった映像で、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督は「ルベツキは私の友人であり、兄弟であり、相棒、教師でもある」と言い、ディカプリオは「誰にでも撮影できるような単純な物語ではない」とコメント。映像にはルベツキのインタビューや、リハーサル風景も収録されている。監督が語る通り、ルベツキの最大の魅力は「光を巧みに利用する」ことだ。本作では自然の姿を繊細にとらえるため、本作の物語の時代にはまだ電灯が普及していなかったことを考慮して、撮影はすべて自然光のみで行われた。一方で、ルベツキの映像はいつも“レンズ”の存在を重視し、自然を“単に美しく”切り取ることを良しとしない。映画では、主人公グラスが瀕死の状態で大自然の中を旅する過程が描かれるが、彼が地面を這いながら荒々しく呼吸すればレンズは曇り、太陽の強い光が差し込めば映像に虹色の模様のようなレンズフレアが発生し、誰かが負傷すると飛び散った血がレンズに付着し、しばらく画面に残る。大自然の姿を繊細にとらえながら、“肉眼”で見たものとは違った景色を徹底的に追求し、映画でしか描けない映像がそこに現れる。映像の最後でディカプリオは「息をのむような体験ができる」と作品に自信を見せている。『レヴェナント:蘇えりし者』公開中
2016年04月28日「アカデミー賞」を獲得したレオナルド・ディカプリオの鬼気迫る演技、坂本龍一の自然と人間の葛藤を描いた音楽でも話題の『レヴェナント:蘇えりし者』。このほど、本作で「アカデミー賞」監督賞を2年連続受賞したアレハンドロ・G・イニャリトゥとタッグを組み、同賞史上初の3年連続撮影賞受賞を果たした撮影監督エマニュエル・ルベツキの手法に迫る特別映像が到着した。19世紀の未開拓の荒野を舞台に、ディカプリオが熊に喉を裂かれ瀕死の重傷を負った上に、目の前で息子を殺され復讐心をその胸に宿す主人公を熱演、約300kmの壮絶なサバイバルを繰り広げる本作。今回、到着した映像は、『ゼロ・グラビティ』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に引き続いて、本作で「アカデミー賞」撮影賞を受賞、ディカプリオやイニャリトゥ監督から親しみを込めて“チーヴォ”との愛称で呼ばれるルベツキの仕事ぶりについてフォーカスしたもの。監督とルベツキは、ディカプリオ演じるグラスの旅の自然な流れを維持するため、時系列に沿って撮影を進めること、自然光をクリエイティブな方法で使うこと、長回しのなめらかで継続的な撮影法を『バードマン』とは全く違う効果を狙って利用することの3つのルールを決めたという。なかでも、自然光撮影については、「当然の選択だったと思う」と監督は言う。「第一に、森に照明を当てる方法はない。太陽があれば、光は十分だ。自然光が持っている複雑ですばらしいところに匹敵するような人工照明は存在しない」と、本作独自の撮影スタイルを明かしている。さらに、撮影は冬だったために、午後2時半ともなれば、樹木の下はもう光がない状態だったという。「何度もリハーサルを重ねて準備を万全にして臨んだ。長いテイクを2、3回撮り直しするのに1時間か、1時間半ぐらいしかなかったからだ」と失敗の許されない撮影だったことを監督はふり返る。このような撮影ができたのは、『バードマン』に引き続いて監督とタッグを組んだルベツキの功績だといえるだろう。その証拠に「ルベツキは照明の名人だ」と監督は絶賛。ディカプリオも「息をのむような体験ができる」と明かすように、自然が持つ美しさや優雅さ、そして荘厳さをも堪能することができるはずだ。『レヴェナント:蘇えりし者』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年04月28日