ハラール認証のホテルアメニティイスラム圏旅行者向けに化粧品等の販売、輸出入、輸入代行や卸売り事業を行うgram nine株式会社は、ハラール認証を受けた植物由来のホテルアメニティ「AkillFeel(アーキルフィール)」を発売すると発表した。日本ならではの「おもてなし」により、ムスリムの旅行者にも快適な旅を提供したい考えだ。世界中の誰もが安心して使えるアメニティ「アーキルフィール」は、イスラムで禁止されている豚由来の成分やアルコールを一切使わず、天然成分だけで製造している。安心で身体に優しいアメニティは、ムスリムだけでなく全世界からの全ての旅行者にも嬉しい内容だ。商品はスキンローション、シャワージェル、ヘアクレンザー、スキントナー、ヘアーコンディション、クレンジングバーの全6種類だ。先行して、3月には300,000円を目標金額とするクラウドファンディングを開始する。イスラム対応が遅れている日本治安の良さや安全性の高さから、イスラム圏の旅行者にとって日本は人気の観光地の一つだ。訪日観光客の約3.5%がムスリムであると言われているが、国内のムスリム対策は遅れている。イスラム教の信仰上、許された成分や食べ物であることを保証しているハラール認証対応や、礼拝室などの環境は整っているとは言えず、まだまだ不足しているのが現状だ。実際、「イスラム教徒が旅行しやすい国ランキング」では34か国中32位と、かなり後れを取っているのがわかる。同商品の発売とクラウドファンディングにより、ハラールやホテルアメニティへの関心が集まり、国民の意識が高まる突破口となるか、注目される。(画像はプレスリリースより)【参考】※gram nine株式会社公式サイト※【クラウドファンディング】AkillFeel(アーキルフィール)
2020年02月20日ベジタリアン、ヴィーガン、ハラール、グルテンフリーなど、食に対するさまざまなニーズが浮き彫りになってきたこの頃だが、残念ながら、日本には食の多様性に対する配慮がまだ当たり前ではない。世界中の料理が比較的安価に楽しめる東京でも、それは変わらない。しかし、西麻布にひっそりと軒を構える、とある割烹料理屋が、数少ない例外として注目を集めている。彼の言葉を聞いて、結局「食は文化」なんだと再認識したんです。和食を誇りに思っていた当時の僕は、「でも自分は生まれ育った三重県の食文化すらよく知らないじゃないか」と反省し、帰国後、伊勢の生産者を訪ねるなどして勉強し直しました田中さんは帰国後いったん地元の三重県に戻ったのち、「割烹 伊勢 すえよし(以下、すえよし)」を2015年に東京・西麻布で創業。店名に“伊勢”とあるように、すえよしで出される一品にはふんだんに伊勢の食材が使われている。これは帰国後、田中さんが伊勢で学びの日々を過ごすなかで出会った生産者から直接仕入れているものだ。伊勢の食材を使っているのは、伊勢が僕のベースにあるからです。帰国当初は「フュージョン料理をやるのか?」とよく聞かれたんですが、そうではなく、外から日本の食文化を見つめ直して、先ほど話に出たパルマの料理人のように、食に向き合いたいと思ったんですある日ベジタリアンの方からお問い合わせがあったんですが、当時は完全なベジタリアンフードを提供できないと判断して、予約をお断りさせていただいたんです。それ以降この件がずっと心に引っかかっていました。「懐石料理を通して世界中に和食の多様さを広めようとしているのに、お客様の多様な要望を断っちゃダメだろう?」とそんな経緯で植物性の出汁の開発から始め、今では完全なヴィーガンフードを提供できる段階にまでなった。しかしそこに至るまでには、それ相応の苦労もあったという。動物性の出汁が使えないなかでのレシピ開発には苦労しました。それに提供するときには通常のものと分けて調理をしないといけないので、普段の倍は手間がかかります。だからあまりこういうことをやる人がいないのもうなずけますね。ただ、食材へのアレルギーが体に出る人がいるように、それが心に出る人もいるんです。体に異常は出ないけど、心に異常が出る。僕はそれぞれの宗教や思想にとやかくいう立場にはありません。それぞれの方がそれぞれの思想を持ちつつ懐石を食べたいと来てくれるから、できる限りのことがしたい、応えたい。そういう気持ちなんです並行してハラールなどほかの要望にも対応するうちに、自然とその評判が広まっていったという。ユネスコの無形文化遺産になり、その存在自体が一つの観光目的になった和食であるが、日本全体でフードマイノリティへの対応が遅れており、訪日に際してあまり和食を楽しめなかったという層から支持を受けたのが、すえよしの知名度向上に一役買ったのだろう。調理だけが仕事じゃない。これからの料理人のロールモデル和食の再認識やフードマイノリティへの配慮のほかにも彼の思考は及ぶ。たとえば、生産者と消費者の関係がそれだ。「食とそれを支える生産者への感謝が薄れてきているのは気になります。これはたぶん、生産者と消費者の距離が広がっているのが原因ですね」と田中さんは切り出し、こう続けた。▶︎オススメ記事・3店目:ヴィーガンの枠を超えた「壁のない料理」が食べられる新宿の隠れ家コミュニティスペース みせるま| フーディーなBi編集部オススメ『TOKYO GOOD FOOD』・「西洋の真似だと芯が弱い」。東京に和菓子カフェを開いた28歳の女性がトレンドよりも本物を追求する理由All photos by Jun Hirayama unless otherwise statedText by Yuuki HondaーBe inspired!
2018年06月15日