2017年10月、大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが複数の女性から性暴力被害の告発を受け、「#MeToo」運動が本格化するきっかけになった。2019年にはニューヨーク市警に過去の性的虐待容疑などで逮捕され、翌年禁錮23年の実刑判決を受けすでに服役中。ロサンゼルスでも複数の女性に対する性的暴行などの罪に問われ、今年10月から裁判が行われていた。そして19日(現地時間)、2005年から2013年までに起きたとされる強姦罪を含む3件の性的暴行罪で有罪判決を受けた。これにより、ニューヨークでの禁錮刑23年に加え、さらに18年から24年の服役に直面することになった。ワインスタインは代理人を通じて「評決に失望している」とコメント。3件で有罪判決が認められた被害者女性は、「ハーヴェイ・ワインスタインは2013年のあの夜、私の一部を永遠に破壊した。決してそれを取り戻すことはできない。刑事裁判は残酷なものだった。ワインスタインの弁護士は証言台で私を地獄に突き落とした。それでもやり遂げなければならないと思い、そうした。私を信じ、すべての被害者のために尽力し戦ってくれたロサンゼルス郡の検察官たちに感謝したい。ワインスタインには一生、刑務所の独房の外を見ることがないよう願っている」とコメントした。(賀来比呂美)
2022年12月21日「#Me Too」運動が注目されるきっかけとなった、ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの女優らに対する性的暴行事件。先月有罪判決が下され、11日(現地時間)にはニューヨークの裁判所で禁錮23年が言い渡された。ワインスタインからセクハラやレイプ被害に遭った過去と向き合い、勇気を振り絞って公にした女優を含む100人以上の女性たちや、「#Me Too」運動の支持者たちは喜びの声を上げた。ミラ・ソルヴィーノは、ワインスタインの禁錮23年の刑に対し、「文字通り泣いた。司法制度がちゃんと機能していることに驚きと感謝」とツイート。アーシア・アルジェントは「ついに正義が下された。23年、刑務所入りか。ロサンゼルスの公判も楽しみにしている。世界を変える手助けをしてくれた、すべての勇敢な女性たちに感謝」と、ワインスタインがニューヨークのみならず、ロサンゼルスでも訴えられていることを思い出させた。映画『スキャンダル』で描かれた通り、FOXニュース設立者の故ロジャー・エイルズのセクハラ被害者であるメーガン・ケリーは「キャリアを守るか、セクハラ加害者を告発するか、思い悩んだすべての女性たちや、必死に声を上げた人たちに感謝。そうしないことを選んだ人も、もちろん愛されているし、支持する」とつづった。(Hiromi Kaku)
2020年03月12日長年ハリウッドを牛耳ってきた映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン被告が逮捕されてから約1年。数人の原告と4,400万ドル(約48億円)で暫定の和解に達したと複数のメディアが報じている。ワインスタイン被告にセクハラスキャンダルが降って湧いたのは2017年10月。数多くの女優が駆け出しの頃にホテルの部屋へと呼び出され、性的関係を強要された過去を次々と告発し、辣腕プロデューサーの裏の顔がついに暴かれた。ローズ・マッゴーワンはレイプされるも、『プラネット・テラー in グラインドハウス』(2007)への出演と1,000万円ほどの口止め料で涙をのんだことを告白。アンジェリーナ・ジョリーやグウィネス・パルトロウらアカデミー女優らもホテルに誘われていたことを明かした。セクハラ被害に遭った女性は、そのショックと恥ずかしさから口をつぐんでしまう傾向にあるが、有名女優やモデルが勇気を出して過去の被害を告白する流れは、その後の世界的な「#MeToo」運動へと拡大していった。現在ワインスタイン被告は性的暴行で複数の訴訟を起こされている。今回、和解に達したのはそのうちの一件に過ぎない。ウォールストリート・ジャーナルによると、合意文書が締結されれば、4,400万ドルのうち、3,000万ドルは被害者への支払いに、残りの1,400万ドルは訴訟費用にあてられるという。ただし、この和解金はかつてのワインスタイン・カンパニーが入っていた保険から支払われ、彼個人の懐が痛むことはない。9月9日にはレイプと性的暴行で2人の女性から起こされた裁判に出廷する予定だ。
2019年05月24日一昨年、ハリウッドを皮切りに世界中に拡がった「MeToo運動」。その“震源地”とも言える、ハーヴェイ・ワインスタインのオフィスがついに他人の手に渡った。ある家具を除いて。大物映画プロデューサーとして、長年ハリウッドを牛耳ってきたワインスタイン。役をちらつかせ、多くの女優を性的に搾取していたことがわかり、彼の帝国は崩壊した。ロバート・デ・ニーロが経営するレストラン「トライベッカ・グリル」の上階にあったワインスタインの巨大オフィスも1,000万ドルで売りに出された。550平方メートル超、シャワーを備えたバスルーム付きの物件は、余りにもかつての持ち主の悪名が高いためになかなか買い手がつかず、結局600万ドル(約6億6千万円)で不動産開発業者ケイプ・アドバイザーズに売却されることが決定した。そこで気になるのが、オフィスにあったソファの行方だ。ハリウッドでは、昔から「キャスティング・カウチ」という悪習が受け継がれてきた。女優がキャスティングの権限を持つ大物のオフィスにあるカウチ(ソファ)でセックスをすることと引き替えに役をもらっていたことが語源だ。ワインスタインも多分に漏れずカウチを活用していたと、『恋に落ちたシェイクスピア』や『ギャング・オブ・ニューヨーク』に出演した女優が証言している。この悪名高いソファは新しい持ち主により、あっさり廃棄されたようだ。「あれはもうない。捨てたよ」と買い手に近しい情報提供者がニューヨーク・ポストに語ったという。
2019年02月15日女優のケイト・ブランシェット(48)が、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインからのセクハラ被害を明かした。ケイト・ブランシェット(C)BANG Media International数々の作品でワインスタインと仕事を経験したケイトは、ワインスタインからは常に「嫌な雰囲気」を感じていたそうで、それは彼の要求を断ったせいで嫌われたからだと考えているようだ。ケイトはヴァラエティ誌に「セクハラはいろいろあるわ。もちろん、ずっと悩まされていたし、悩んでいる人はたくさんいると思う」と語り、ワインスタインからセクハラされたり、不適切な行動を取られたことがあるかと尋ねられると「私の場合、イエスね。彼は本当に、多くの捕食者がやるように弱者を主に餌食にしていたと思うの。彼には嫌な予感がしたの。よく『友達なんかじゃない』って言われてた」「それに、彼に要求されても従わなかったしね」と明かした。詳細は明かそうとしないケイトだが、ワインスタインが起訴されることで先例となり、今後権力を持たない人が同じような状況になった時に自分を守りやすくなるだろうとして、「ハーヴェイのように、タガが外れて罪を犯す人に本当に興味があるし、同じような男性は多くの業界にいるわ」「彼は残念なことにある種の典型的な男性だから、例として挙げられている。他に起訴された人にも興味があるし、判例を作る必要がある」「タイムズ・アップ運動の使命の一部は、自分を守るのに必要なお金を持たない人たちを助け、平等で公平かつ安全な職場を目指すことにあるの」「実際に有罪となった判例があれば、他の人もそれを利用する恩恵を得られるわ」と語った。ワインスタインは数々の訴えを否定し、性行為は全て合意の上だったとしているが、ケイトは実刑が下ることを望んでいるようで、懲役刑が下されると思うかと尋ねられると「そう願うわ。私が調べた限りでは、法定強姦は犯罪だもの」「司法制度を通し訴えることが本当に大切だと思う。様々な脅威があるから、司法制度という民主主義の方法を支持することが本当に重要なの」と話した。(C)BANG Media International
2018年05月04日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介します。■『You An Orchestra You A Bomb』シグ・ハーヴェイ(Cig Harvey)人生の中でのスピリチュアルな体験を写真イメージで表現する作品でコアなファンを持つイギリス出身の写真家シグ・ハーヴェイの第3作目のモノグラフ。活気に満ち、大胆で、恐らくこれまでのなかでもとりわけ美しい本書は、写真家と人生そのものの関係を探索し、壊れやすい贈り物に注意を向け、感謝することを語る。畏怖の瞬間をとらえ、日常の遺恨を作り、魔法と災いの間の狭間で人生を見る作品群には、写真家の人生の儚さに対する意識の高まりを感じることができる。【書籍情報】『You An Orchestra You A Bomb』写真:Cig Harvey出版社:Schilt Publishing言語:英語ハードカバー/144ページ230x230mm発刊:2017年価格:7,790円■Shelfオフィシャルサイト『You An Orchestra You A Bomb』購入ページ
2017年12月02日ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインが、2013年に起きたとされる婦女暴行容疑の捜査対象となっている。30年以上に及んで行われてきたとされるセクハラ騒動の渦中にあるワインスタインだが、匿名のイタリア人モデルが4年前にレイプされたと被害報告を出したことで、ロサンゼルス警察によって捜査を受けている。TMZによれば、2013年2月に行われたイタリア映画・ファッション・芸術フェスティバルの際にワインスタインから接触されたという女性の被害報告について、ロサンゼルス警察はワインスタインに対する犯罪捜査を開始したという。当時34歳だったというその女性は、ワインスタインから「話をしたいだけ」とホテルへ誘われたとロサンゼルス・タイムズ紙に説明している。そしてワインスタインから裸を見たいと言われ、髪の毛をつかまれてバスルームへと引きずり込まれた挙げ句にレイプされたという。止めるように頼み込んだもの、45分間に渡って行為はおよび、その女性を部屋に残して去ったとしている。セクハラ疑惑が浮上した当初は、夫を支えるとしていた10年来の妻ジョージナ・チャップマンが離婚の意向を表した際には、その決断を支持するとコメントを出しているワインスタインだが、2児をもうけたジョージナと将来的にやり直せることを願っていると明かしていた。(C)BANG Media International
2017年10月22日30年間にわたる多数の女性へのセクハラ疑惑が告発されたプロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン(65)が、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)から追放された。アカデミー賞を主催する同団体が、ワインスタインを除名することを声明で発表した。「理事会は早急にワインスタインをアカデミーから除名することに決定しました。単に彼のような、同僚からの尊敬に値しない人物を追放しただけでなく、我々の業界での性的暴力や職場でのハラスメントに対し、見て見ぬふりをしたり、恥ずべき加担行為を働いたりする時代は終わったというメッセージでもあります」「ここで問題となっているのは、我々の社会において許されることのない深い問題です。理事会は今後も、全てのアカデミー会員が例示することが期待される、倫理的な行動規範を確立するため努力を続けていきます」スティーブン・スピルバーグやトム・ハンクス、ウーピー・ゴールドバーグらを含む理事会の幹部らが今回の追放を決定したと報じられている。同団体においては、理事会は3分の2の投票によって会員を正当な理由として除名できる決まりとなっており、今回の件に関しては「3分の2を優に超える」投票を得たという。アカデミー追放に先立っては、ワインスタインの弟ボブが、ワインスタイン・カンパニーの株主持ち分をワインスタインが失う可能性があると明かしていた。また、ワインスタインはフランスの名誉であるレジオンドヌール勲章をはく奪されることが発表された。エマニュエル・マクロン仏大統領は、2012年にニコラ・サルコジ元大統領によってワインスタインに授与されていたその栄誉をはく奪することに向けて動き出したことを、広報担当を通じて発表していた。(C)BANG Media International
2017年10月16日今年のアカデミー賞には夫婦連れ立って出席していた。(写真:ロイター/アフロ) 多くのタランティーノ作品をはじめ、『英国王のスピーチ』などのアカデミー受賞作を数多く手がけてきたハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(65)がセクハラで自社を追われてからおよそ1週間。これまでワインスタインに性的嫌がらせを受けながらも、口を閉ざし続けてきた女優たちが次々と声を上げている。若かりしグウィネス・パルトロウやアンジェリーナ・ジョリー、ヘザー・グラハムらも、役と引き替えにホテルの部屋へと誘われた過去を明かしている。 すべての女性の敵となったワインスタインは、最も近しい女性からも見放されたようだ。妻で、高級ブランド「マルケッサ」の共同設立者兼デザイナーのジョルジーナ・チャップマン(41)が、離婚を決意したことをPEOPLE誌に向けた声明で発表した。 「許しがたい行為によって多大な苦しみを背負わされた女性たちを思うと心が張り裂けそうです。私は夫との別れを選択しました。小さな子どもたちの心をケアすることが、今の私にとっての最優先事項です。どうかプライバシーを尊重してくださるよう、お願いします」 2人は10年前に結婚し、現在は7歳と4歳の子どもがいる。今月5日にNew York Times紙にセクハラによる解雇を報じられて以降、ワインスタインは疑惑を否定し、妻チャップマンは自分の味方だ、と言い続けてきた。「私とジョルジーナは今回の件でじっくりと話し合い、よりよい人間になれるよう手助けする、と言ってくれている」と、New York Postの取材でも話していたが、騒ぎがあまりにも大きくなりすぎたが故だろうか。チャップマンは夫を切り捨てた。レッドカーペットでマルケッサのドレスを着る女優が増えたり、ワインスタイン・カンパニーのテレビ部門が制作する『プロジェクト・ランウェイオールスターズ』では審査員に抜擢されたりと、これまで夫の恩恵に浴してきただけに、ソーシャルメディアでは同情よりも「保身に走った」と眉をひそめる意見が多く見られる。 TMZによると、四面楚歌のワインスタインは米国時間10日夜、ひっそりとプライベートジェットに乗り、ヨーロッパにあるセックス依存症のリハビリ施設へ向かったという。
2017年10月11日