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絶賛バイリンガル教育中!ロシアンハーフの語学習得法みなさん、こんにちは。ロシアンハーフ子育てに奮闘中の室伏真由子です。息子のニコライは、5月で3歳になります。1年前と比べると、だいぶ話せる言葉も増えてきて、母が教えていない単語なども突然出てくることもあり、本当に日々驚かされます。ロシア人のパパからはロシア語を、私からは日本語をたっぷりと聞いている息子は、両方の言語をどちらも理解しています。せっかく国際的な境遇で生まれたのだから、息子には少なくとも両親の母国語はできるようになって欲しいと考えていたので、ロシア語と日本語がうまく聞き分けられている現在、我が家のバイリンガル教育は今のところは順調に進んでいると言えそうです。まずは両親の母国語を覚えてほしい英語教育はというと…、今のところは本格的に始めていません。なぜなら、あらゆる言語の中でも特に難解だと言われる日本語とロシア語を習得している最中で、「英語も!」となるのは子どもに負担が大きいと思ったからです。ただ、「レッツゴー!」「スリー・ツー・ワン、スタート!」のような文は、定番の掛け声のように使い始めています。英語にはロシア語と似ている単語が多くありますし、文法構造もシンプルな言語なので、ロシア語をしっかり習得した後に勉強を始めれば、より簡単に理解できると思っています。実は私は、大学からずっとバイリンガル教育や英語教育について勉強してきました。そこで今回は我が家で実践するバイリンガル教育と、簡単に始められる幼児英語教育についてご紹介したいと思います。バイリンガル教育には、徹底したルール作りが大切国際的な家庭で育つハーフなどの子どもが、自然にバイリンガルになるかといわれると、そうではありません。複数の言語をバランスよく習得するには、徹底したルール作りとそれを継続させる努力が必要なのです。しかし、いくつもルールがあるわけではなく、我が家で実践しているものはいたってシンプル!それは「お互いの母語をしっかり子どもに話すこと」です。私がロシア語で話したり、主人が日本語で子どもに話しかけると、間違った発音やアクセントなど余計なことまで子どもに伝えることになり、それが一旦定着してしまうと、なおすのに時間がかかります。お互いの母語をきれいな形で伝えることが子どものためになると考えています。そして、将来的には、「母には日本語で話すことを、父にはロシア語で話すこと」をルールとして徹底させようと考えています。なぜなら、息子が「パパも日本語がわかるしわざわざロシア語で話さなくても良い」と認識してしまうと、主人はロシア語で話すのに対し、息子は日本語で返す可能性があります。そうすると、ロシア語が理解できるけれども話せないという言語能力の偏りが出てきます。実際に、このようにしてバイリンガル教育に失敗したというケースは沢山あるのです。テレビの過信はNG! パパママとの会話が言語習得の基本母語はほぼ全員の人たちが完璧に話せるようになるのに対し、外国語となるとその習得度合いは人によって差が出ます。また、小学校高学年を過ぎると、それまでに蓄積された母語の知識や発音が外国語に影響を及ぼしてしまい、どんなに懸命に外国語を勉強してもネイティブのようになるには難しいと言われています。それは、思春期に突入することで外国語を話すことの照れくさや帰属意識が強くなることも原因かもしれません。たまに本やインターネットで目にするのが、乳幼児にテレビで英語を習得させようとする親。子どもが好きで娯楽として見ているならまだ良いですが、テレビを言語習得ツールとして過信するのは危険です。あるアジアの国で、英語ができない両親が「子どもには英語が喋れるようになってほしい」と考えて、なるべく親の母語を使わないようにして、子どもにはテレビで放送される英語の教育番組ばかりを見せて育てていたというケースがありました。その子どもは結局、英語も話せるようにならず、母語の習得にもかなり遅れが出てしまったそうです。乳幼児期においては、パパママとのコミュニケーションをしっかり取り、母語がしっかり話せるようになってから英語の学習を始めても遅くはありません。子どもが楽しく英語を勉強できる環境作りが大切英語学習で一番大切なことは、子ども自身が外国語を楽しく学習できるかどうかです。子どもが「英語が楽しい!」と思える環境を作り、そして飽きることなく継続させることがとっても難しいのです。学習を始めるにあたって気軽にできることは、外国の絵本やおもちゃを購入すること。洋書の置いてある書店も多くなり、インターネットでも簡単に輸入盤の絵本を入手することができるので、子どもの好きな動物、乗り物に関するものなどから取り入れてみるのがよいでしょう。また、外国のイベントや文化を楽しむことも効果的です。外国文化の理解を深め、興味をもつことは、言語学習にも効率的にはたらきます。クリスマスやハロウィン、イースターなどは日本でも徐々に定番化してきていますよね。私の友人の子どもが通っている保育園では、子どもに仮装をさせてお菓子をもらうハロウィンパーティがあるそうで、福祉や教育関連の施設でもすっかり浸透していて驚きました!また、歌が好きなお子さんなら、日本語でも歌われているお歌の英語バージョンのCDや音源を購入し、子どもと一緒に練習するのも楽しいですよ。体も一緒に動かせる「あたま・かた・ひざ・ポン!(Head, Shoulders, Knees & Toes)」「幸せなら手をたたこう(If You’re Happy and You Know It Clap Your Hands)」などがおすすめです。英語教育には、音が出たり歌の鳴る知育玩具も。アメリカ生まれの知育玩具ブランドリープフロッグのアイテムは、遊びの中でアルファベットや英語の発音に親しむことができるのがいいところです。まずは、子どもがその言語を楽しみながら使うことが、習得への一番の近道!英語教育やバイリンガル教育がますます熱を帯びている中で、皆さんのお役に立てればうれしいです♪
2018年04月20日みなさま、こんにちは!海外生活25年続行中、国際結婚、国際子育て真っ只中のバイリンガル教育パパ、Golden Beanです。お子様に英語を学ばせてあげたい、とお考えのパパ、ママはたくさんいらっしゃいますよね。「かわいいわが子が将来英語で苦労しないようにしてあげたいな」「これからの時代、英語ができたほうが進学にも就職にも絶対有利よね」その一方で、不安もありますね。「パパも私(ママ)も、学生時代、英語が苦手だった。子どもに英語を教えるのは無理」「景気が悪いのに、高い学費を出して英語を習わせるのは難しいな」大丈夫です!パパ、ママが英語ができなくても、高いお金を払わなくても、お子様が英語が大好きになる方法があるのです!娘を英語、日本語、中国語のトリリンガルに育てた私が、自身の経験を交えつつお話させていただきます。●“インプット”と“アウトプット”英語学習には、大きく分けて“インプット”と“アウトプット”があります。簡単に言いますと、・インプット……“聞くこと”と“読むこと”・アウトプット……“話すこと”と“書くこと”となります。英語学習でまず必要なのはインプットです。なぜならば、インプットしなければ、アウトプットはできないからです。まずは、インプットを十分に得る必要があるのです。言語学者による数々の研究結果によると、3歳から7歳までに自然な英語環境の中で生活し始めた子どもほど英語の習熟度が高いということは確かな事実のようです。この年齢までに、英語に慣れ親しむ習慣を身につける、つまり質の良いインプットを十分に得ることがバイリンガルへの第一歩 なのですね。では、各ステップごとに見ていきましょう。●第1ステップ:まずは耳から自然にインプット(1か月目〜2か月目)ご家庭で常に、お子様の好きそうな英語の歌やラジオ放送をBGMのように流しておきましょう。とにかく英語をお子様の耳に入れてあげるのです。たとえお子様が関心を示さなくても一向にかまいません。自然にお子様の耳は英語の音、リズム、イントネーションに慣れていきます。BGMとして英語を流しておくだけで本当に効果があるのかしら、と不安に思われるパパママもいらっしゃると思いますが、子どもの耳は大人の想像以上に柔らかく英語の音を吸い取っていきますので、心配はいりません。このステップでは、パパママが教育熱心なあまり、子どもに「集中して聞きなさい!」と叱りつけることがありがちなのですが、お子様が英語嫌いになってしまう恐れがありますので、叱らないよう気を付けてくださいね。英語のインプットは、自然でリラックスした状況で行われるべきもの です。パパもママも、毎日お仕事に家事にと、本当にお忙しいですよね。でも、パパとママが忙しいそのときが、お子様の耳に英語の音をインプットするチャンスなのです。食事の準備をしたり、お部屋のお掃除をしたり、車の運転をしたりしている間にBGMとして流れる英語のラジオや音楽が積み重なり、そばにいらっしゃるお子様は全体としてかなり長い時間英語のインプットを行うことができるのです。●第2ステップ:目からもインプット(3か月目〜4か月目)(1)DVDや動画共有投稿サイトなどで子どもが興味のある分野の短めの英語の動画や、アニメなどを見せる(2)1回の視聴時間は子どもが集中できる10〜20分くらいで、朝と夜の2回視聴できれば最高幼稚園や保育園に行く前に、英語のDVDや動画共有投稿サイトなどの短い動画やアニメを見せましょう。それが楽しみになって、お子様に早起きの習慣が身に付けば一石二鳥ですよね。動画共有投稿サイトを上手に活用すれば、お金をかけずに質の良い英語のインプットを行うことが可能です。子ども向け番組として作成されたコンテンツは、3〜4分とそれほど長くないものが多いですから、集中力の続かない小さなお子様にも最適です。動画共有投稿サイトで「子ども向け英語」で検索すると、歌からアニメまで実にいろいろな番組が出てきます。英語の歌のコンテンツも効果抜群。子どもは歌が大好きですので、楽しく英語が耳に入ります。ここでは、お子様が興味を示すコンテンツを選ぶ のが重要なポイントです。うちの娘は2歳を過ぎたころからダンスに強い関心を示しておりましたので、お兄さんやお姉さんと一緒に小さい子どもたちがダンスを踊ったり、英語の歌を歌ったりするオーストラリアで人気のあるテレビ番組のDVDを買ってきました(当時は動画投稿サイトのような便利なものはありませんでした)。幼い娘は夢中になってテレビを見ながら踊っておりましたが、そのうちお兄さんやお姉さんの話す英語のマネをしたり、英語の歌を歌ったりするようになりました。娘は大好きなダンスを見よう見まねで踊ったりしながら、ネイティブの英語のインプットを行っていたわけです。子どもは好き嫌いがとてもはっきりしています。せっかくパパとママが一所懸命選んだ楽しいコンテンツでも、興味を示してくれない、という寂しいこともあり得ます。お子様ご自身にコンテンツを選ばせてあげましょう。仮に動画共有投稿サイトでお子様が選んだコンテンツの内容が、多少パパとママのお好みに合わなくても、お子様が夢中になって見ているなら、それが最高の教材 なのです。「こっちにしなさい!」とか「こっちの方がおもしろいわよ」などと親が押しつけては、子どもが英語そのものに興味をなくしてしまう恐れもあります。また、言語学習の助けとなる“あいまいさに関する耐久力”は、一般に子どもの方が優れているといわれています。全部がわからなくても、興味のある内容であれば、子どもは英語をかなり長く聞き続けることができたという報告もあるそうです。内容を理解しているかどうかを心配して、「今何て言ったの?」と動画を見ているお子様にたずねるのはやめましょう。うちの娘も、私の「今何て言ったの?」という質問をとても嫌がっておりました(笑)。理解しているかどうかは別にして、子どもは夢中になって、英語をインプットしているのです。●第3ステップ:徐々にアウトプットにチャレンジ(5か月目〜6か月目)子どもが英語の歌を歌ったり、憶えた英語を口にし始めたりしたら、DVDや動画投稿共有サイトなどの視聴に加えて、英語の絵本を見せてみましょう。絵本はインプットとアウトプットの両方に有効な教材 です。「だって、パパもママも英語が上手に読めないし……」心配しないでください!パパ、ママお二人とも英語が苦手な場合は、ネイティブスピーカーが吹き込んだCD付きの絵本を利用すればいいのです。1文字ずつ追いながらCDを聞いて、その後に声に出して読ませましょう。上手に読めたときには「読めたね!すごいね!」と大げさにほめてあげましょう。絵本には対象年齢が書いてありますが、これは英語を母国語とする子どもの年齢ですから、お子様の年齢よりも少し下の対象年齢の本を選びましょう。子どもは難しいと思うとやる気を失ってしまいますから、注意が必要です。絵本の他には、歌も効果的なアウトプットトレーニング になります。うちの娘もそうでしたが、ほとんどの子どもは歌やダンスが大好きだからです。ただ、アウトプットさせることを決して急いではいけません。**********『日本の小学校では、コミュニケーション重視ということで、クラスの子ども全員に発話させるなど、アウトプット中心の授業をしばしば見かける。発話させること自体は悪くないのだが、強制は好ましくない。十分なインプットのないままにアウトプットを急がせると、児童によっては、逆に英語を話すことへの抵抗感が増してしまうことがあるからだ。子どもには大きな個人差があり、憶えたことをすぐに使ってみたい子もいれば、アウトプットがほとんど見られない沈黙期と呼ばれる期間を体験する子どももいるのである』(『英語学習は早いほど良いのか』バトラー後藤裕子・著(岩波新書)より引用)**********焦らないでください。子どもたちが英語を口にし始めるのは、ほとんどがインプットを始めて6か月以上経ってから です。半年から1年くらいはインプットの期間と考え、焦らずに取り組むことがバイリンガルへの近道なのです。国際的な英語能力試験“TOEFL”で常に上位に入っているオランダでは、小学校で英語の授業をしているものの、学習時間はわずか週1時間程度だそうです。しかし、研究によると、幼いころからテレビで英語の映画やアニメを見ている環境が、英語習得に大きな効果を与えているとのことです。つまり、英会話スクールに通ったり英語授業がある幼稚園に通ったりしなくても、家庭の中で英語の音に頻繁に触れていれば、英語を聞いたり話したりする基礎力を養うことが十分にできるのです。----------いかがでしたでしょうか。英語が苦手なパパとママが、お金をかけずに子どもをバイリンガルにする基礎教育方法をご理解いただけましたでしょうか?1人でも多くのお子様が、音楽や動画で楽しく英語を学び、バイリンガルになれますように!【参考文献】・『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』平川裕貴・著・『バイリンガルは5歳までにつくられる』三幣真理・著・『英語学習は早いほど良いのか』バトラー後藤裕子・著●ライター/Golden Bean(バイリンガル教育パパ)●モデル/藤本順子(風悟くん)
2017年04月06日みなさま、こんにちは!海外生活25年続行中、国際結婚、国際子育て真っ只中のバイリンガル教育パパ、Golden Beanです。月刊誌『ケイコとマナブ』が2015年に実施したアンケートでは、「子どもに習わせたい習い事」第1位は「英語、英会話」であったそうです。たくさんのパパ、ママが子どもに英語を学んでほしいと考えている一方で、早期英語教育に批判的な意見 もありますよね。本当のところはどうなのでしょうか?バイリンガル教育のメリットとデメリットを、事実に基づいて冷静に検証する必要があると思います。娘を、英語、日本語、中国語のトリリンガルに育てた私が、自身の経験を交えつつお話しさせていただきます。●バイリンガル教育の歴史私たち日本人から見ると、バイリンガル教育が始まったのはつい最近のことのように思えますよね。しかし、実はバイリンガル教育は世界中で5千年以上にわたって行われてきた のです。『二言語使用や多言語使用は人間社会の初期段階に見られる特徴であって、一言語使用というのは社会的変化や、文化の発達、民族主義の高まりなど、何らかの原因で制限が加わった状態である』と、E.G.Lewisは述べています。つまり、人は多言語を使用する能力を基本的に有しており、むしろその状態の方が自然だと言えるのです。以前勤務していたシンガポールでは、基本的に全員が中国語と英語のバイリンガルでした。中にはマレー語まで話せる人もおり驚いた記憶があります。ヨーロッパでも、3か国語、4か国語を話す人がたくさんいらっしゃるそうです。●バイリンガル教育への偏見19世紀初めから1960年代までの時代、バイリンガリズムが思考に有害である という考え方が研究者たちのあいだにありました。バイリンガル教育が5千年以上にわたってさまざまな形で行われてきたことを見逃してしまっていたのですね。たとえば、Laurie(1890)はバイリンガルの知的成長はバイリンガルになることによって倍になるのではなく、むしろ半減すると論じています。このLaurieの考え方は、20世紀に入ってもイギリスやアメリカで一般的なものであったそうです。この時代は、バイリンガリズムを「2つの言語がはかりの上で共存している状態」とする考え方があったのです。つまり、はかりの上で、第二言語が増えると第一言語が犠牲になって減っていくとイメージされていたのです。このはかりの考え方は実態に合っていないことがその後の研究で明らかにされていきました。脳には2つの言語だけではなく、それ以上の言語にも十分に対応できる余裕がある ということがわかったのです。●バイリンガル教育のメリット2つ以上の言語を話せるようになることによって、どのようなメリットがあるのでしょうか?●異文化を理解でき、広い視野で物事を判断できるバイリンガルになることやバイリンガルであることは、自尊心と自己に影響を与えるとLambert(1974)は述べています。たとえば、英語を習った日本人が英語で外国人とコミュニケーションができるようになると、そのコミュニケーションにより新しい文化に触れることになり、その結果自己の文化が影響を受ける ことになります。バイリンガリズムには異文化への接触、適応が含まれるのです。その結果として、モノリンガルの人とは違った大きな夢、世界観、価値観を持つことができる可能性が高くなります。●学校や職業や住む場所の選択肢が広がる英語ができることで受験することができる高校、大学の数も増えますし、留学することも可能になります。海外勤務のチャンスも多くなりますし、海外への移住を選択することもできますよね。●収入が増える『ダイジョブ・グローバルリクルーティング株式会社』が20〜50代の男女に対して実施した「語学力と年収に関する調査」(2014年版)によると、「日常会話レベル以下」と「ビジネスレベル以上」で比較した場合、年収の差は40代から顕著 になり、50代の場合は、女性の「ビジネスレベル以上」の年収は「日常レベル以下」の約3倍、平均700万円台となることがわかったそうです。●バイリンガル教育のデメリット良いことづくめのようなバイリンガルですが、バイリンガルになるための教育、学習の過程において、気をつけないといけないこととは何でしょうか?●外国語に対する不安とストレス小さい子は英語をすぐに話せるようになる、外国生活にも適応できる、という話はよく耳にしますが、実際はかなり個人差がある ようです。子どもの場合、外国語学習に関する不安は少ないと思われがちですが、必ずしもそうではありません。クロアチアで7〜10歳、11〜14歳、15〜18歳の児童を対象に、外国語学習での不安に関して行った調査では、どの年齢グループでもほぼ半分の児童が授業中に英語を話すことに不安を抱いていたそうです。Skutnabb-Kangas(1981)は、十分発達していない言語で学ぶときに感じるストレスについて指摘しています。よくわからない言語で授業を聞く場合には、高度の集中力が要求され、それは大変に疲れることなのです。その上、常に言葉自体に注意を払っていなければならないので、授業の内容まで考える余裕がない ということになってしまいます。子どもは各教科の理解を深めると同時に、言語も学習しなければならないのです。結果として、ストレスの高まり、自信喪失、そしてドロップアウトなどが起こる危険性があるのです。小さい子どもの場合でも、この不安とストレスについて十分に注意を払わなければならないのは同じです。2歳半のときに渡米。家ではとてもおしゃべりであるにも関わらず、通っている現地幼稚園ではいっさい声を発しない5歳の日本人少女の事例が『異文化に暮らす子どもたち―ことばと心をはぐくむ』という本の中で紹介されております。『この少女は、プレッシャーと戦いながら、異文化に放り出された自分を失わないための自分なりの手段として、家庭と幼稚園での自分を使い分けていたのだろう』と著者である早津邑子さんは述べています。残念なことに、この少女は専門医により重い心の病気であると診断され、治療のため日本に帰国することになってしまったそうです。このような、つらく悲しい思いをかわいい子どもにはさせたくありませんよね。私の娘の場合は、この事例の女の子とほぼ同じ年齢である2歳半でシンガポールに住み始め、英語の幼稚園に通い始めたわけですが、風邪を引いて熱があるにも関わらず幼稚園に行きたいと泣いたほど幼稚園が好きで、英語も短期間で驚くほど上手になりました。良い先生に恵まれたのだと思います。子どもの性格が外向的であったことも幸いだったでしょう。小さい子どもを外国語環境で学ばせる場合は、お子様の性格、学校環境、先生の質などに特に注意を払うことが必要ですね。●まとめ(1)バイリンガル教育は5千年以上の歴史を持ち、多言語社会の方がむしろ自然である。(2)研究の結果から、脳には言語能力用に限られたスペースしかないためモノリンガルの方が望ましい、と考えるのは間違っていることが示されている。(3)バイリンガル教育の結果、(a)異文化を理解でき広い視野で物事を判断できる、(b)学校や職業や住む場所の選択肢が広がる、(c)収入が増える、などのメリットがある(4)子どもにも外国語学習や外国語環境に対する不安やストレスはある。子どもの性格を見極め、それにあったバイリンガル教育方法を選ぶ必要がある。----------いかがでしたでしょうか?バイリンガルになることは決して不自然なことではないこと、バイリンガルになると良いことがたくさんあること、しかし、外国語の学習や環境は時として人に不安やストレスを与えるため、その人に合った方法を選ぶ必要があることなどがご理解いただけたでしょうか?一人でも多くのお子様が英語を楽しく学び、バイリンガルになれますように!【参考文献】・『バイリンガル教育と第二言語習得』コリン・ベーカー(著)・『バイリンガルは5歳までにつくられる』三幣真理(著)・『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』平川裕貴(著)・『英語学習は早いほど良いのか』バトラー後藤裕子(著)・『異文化に暮らす子どもたち―ことばと心をはぐくむ』早津邑子(著)【参考リンク】・語学力と年収に関する調査(2014 年版) | Daijob ダイジョブ・グローバルリクルーティング株式会社()●ライター/Golden Bean(バイリンガル教育パパ)●モデル/REIKO(SORAくん、UTAくん)
2017年02月16日みなさま、こんにちは!海外生活25年続行中、国際結婚、国際子育て真っ只中のバイリンガル教育パパ、Golden Beanです。日本では、2011年度に英語が小学校5年生から必修になりました。今後さらに英語学習の低学年化が進み、2020年にはなんと小学校3年生から英語が必修になるそうです。「英語って、何歳から勉強し始めるべきなの?早ければ早いほどいいの?」「あまり早くに始めると、子どもが混乱して日本語が下手になったりしないの?」など、心配は尽きませんよね。娘を英語、日本語、中国語のトリリンガルに育てた 私が、自身の経験を交えつつお話させていただきます。●バイリンガルへの道バイリンガルになる道筋はさまざまです。・家庭で小さいころから2つの言語に接する場合・地域社会、保育園、小中学校や高校などで第二言語を習得する場合・大人になってから外国語の授業で第二言語を学ぶ場合などなど。それぞれのパターンを見ていきましょう。●幼児期のバイリンガリズムの類型幼児期のバイリンガリズムには(1)同時的(2)連続的の2種類があります。●(1)同時バイリンガリズム(Simultaneous bilingualism)早い段階で同時期に2つの言語を習得するケース です。例えば、母親が子どもにある言語で話しかけ、父親が別の言語で話しかける場合には、この子どもは両方の言語を同時に習得します。●(2)連続バイリンガリズム(Sequential bilingualism)子どもがある言語を先に習得し、その後に第二言語を習得する場合 です。子どもが家庭で第一言語を習得し、その後に保育園や小学校に通い、そこで第二言語を学ぶ場合などです。----------この同時バイリンガリズムと連続バイリンガリズムは、おおよそ3歳を境に分かれます 。子どもが3歳前に2つの言語を習得した場合、『第一言語としてのバイリンガリズム』と呼ばれます。3歳前ならば、2つの言語の習得は自然で、会話体中心のものとなります。3歳を過ぎると、習得する第二言語は学校教育による部分が多くなります。●同時バイリンガリズムの事例子どもをもっとも効率よくバイリンガルに育てるためには、それぞれの親が子どもに別々の言語を話すのが理想であると言われています。それは、『1人1言語(one person, one language)の原則 』と呼ばれています。オーストラリアで英語とドイツ語を使って2人の息子をバイリンガルに育てた事例があります(Saunders,バイリンガル教育研究者、1988)。この父親は、ドイツ語のネイティブではありませんでしたが、以前ドイツに住んだことがあり、そこでドイツ語を学び、ドイツ語には自信を持っていました。それで、息子が生まれたときからドイツ語で話しかけ、母親は英語で話しかけたそうです。わが家の場合は、娘が生まれたばかりのときから私は日本語で、妻は中国語で話しかけました。娘が3歳になる前に台湾からシンガポールに転勤になり、娘を英語の幼稚園に入園させました。つまり、娘は3歳になるまでに、毎日3か国語に接していたことになります。「混乱するんじゃないの?」と、周りの人には心配されましたが、それはなかったようです。15歳になる今では、英語、中国語、そして日本語をほぼ完璧に話すことができます 。●3歳までの『第一言語としてのバイリンガリズム』3歳までの、同時バイリンガリズムの習得に関する研究では、2つの重要な点が指摘されています。第1に、2つの言語の同時習得はひとつの言語の習得の発達順序や過程と同じであることをSwain(バイリンガル教育研究者、1972)という人が示しています。子どもたちはまるでひとつの言語を学ぶかのように2つの言語を学んでいる のだそうです。第2に、それと関連して、二言語併用が第一言語になる場合もあります。バイリンガルの子どもの2つの言語が、ひとつの言語体系によって支えられているという考え方です。3歳になるまでの子どもは、数か国語に囲まれる生活でも混乱することはありません。もし、国際結婚のご家庭の場合は、安心してパパはパパの国の言葉を、ママはママの国の言葉を生まれた赤ちゃんに話しかけてあげてください!●3歳以後の、連続バイリンガリズム連続バイリンガリズムとは、子どもが第一言語を習得し、それから第二言語に習熟していくような状況のことです。McLaughlin(バイリンガル教育研究者、1984)は、3歳という年齢を同時バイリンガリズムと連続バイリンガリズムの一応の境目として用いることを提案しています。子どもが3歳以後、第二言語に堪能になるための方法はさまざまで、唯一最良というものはありません 。●おすすめの学習時期第二言語を学習する年齢と、習熟に成功することとは関係があるのでしょうか?Singleton(バイリンガル教育研究者、1989)は、その詳細な分析を、下記のようにまとめています。**********(1)第二言語学習では、必ずしも若い学習者の方が年齢が上の学習者よりも効率よく上手に第二言語を身につけるとはかぎらない。(2)幼児期に第二言語を学ぶ子供たちのほうが、確かにそれ以降から学習を始めるよりも非常に熟達度の高いレベルに到達する傾向にある。しかし、この事実は、幼児期以降でも第二言語に十分に習熟できるという考えと矛盾しない。(3)おおまかに言えば、言語学習の過程において、年齢に関連した大きな違いはない。年齢に関係なく、第二言語の学習者は類似した言語発達の順序を示す傾向がある。(4)第二言語に触れる時間が長いこと(第二言語の教育を受けた時間)が第二言語の学習がうまくいくかどうかの重要な要因になる。第二言語の学習を小学校から始めてその後もずっと継続した子供は、後から第二言語の学習を始めた子供よりも高い習熟度を示す。(5)高い動機付けがあれば、学習の開始が遅れた者でも高い語学力を身につける可能性がある。**********年齢に関係なく高い語学力を身につけることはできるが、できれば幼児期や小学校から第二言語学習を始めれば、第二言語に触れる時間が長くなるので、熟達する可能性が高くなる、ということですね。●まとめバイリンガル教育についてまとめると、以下の5つになります。(1)同時バイリンガリズムは3歳までに起こる(2)同時バイリンガリズムにおいて、特に効率のよい方法は“1人1言語”である。それぞれの親が異なった言語を子どもに話す方法である(3)3歳以後の連続バイリンガリズムでは学校教育や日常生活(友人、近所の人とのつきあい、テレビ、映画など)で第二言語が習得される(4)第二言語に触れる時間が長いことが、第二言語の学習がうまくいくかの重要な要因となる。できれば幼児期、小学生のころから学習を始めれば、高い語学力を身につけることができる可能性が高くなる。(5)教室の授業や、生活の中で言語を学習することで、どの年齢の人でもバイリンガルやマルチリンガルになる可能性が残されている----------いかがでしたか?3歳までのバイリンガル教育と、それ以降のバイリンガル教育の違いについておわかりいただけたでしょうか。わが家の場合は、3歳前からの“同時バイリンガリズム”環境で娘を育てましたが、小学校から英語を始める“連続バイリンガリズム”でも、高い語学能力を身につけることができるのです。1人でも多くのお子様が英語を楽しく学び、バイリンガルになれますように!【参考文献】・『バイリンガル教育と第二言語習得』コリン・ベーカー(著)●ライター/Golden Bean(バイリンガル教育パパ)●モデル/藤本順子(風悟くん)
2017年01月07日みなさまはじめまして、香坂コーリー知永子です。私はアメリカ人の夫との間に現在2歳9カ月のハーフの男の子を持つ国際結婚ママです。みなさんはわが子に英語が喋れるようになってほしいと思いますか? 私自身、40歳で今の夫に出会うまで英語を話す機会がありませんでした。息子は現在、日本の区立保育園に入れ、息子は日本語メインの生活をしています。しかし、英語は塾に行かずに修得することができるんです。今回は、私がバイリンガルや帰国子女、国際結婚先輩カップル数十人にインタビューをして分かった「家にいながらにして子どもをバイリンガルに育てる方法」をお教えします。そうは言っても、最近は幼いころから高いお金を出して英語塾に行かせているご家庭もたくさん。極端な例をあげると、まだ5歳なのに片親とともにインドネシアやシンガポールに留学させ、家族全員揃うのは夏休みや冬休みだけという方々も私の周りにいてビックリしました。そもそも教育って 何なのでしょうか? 「良い学校に入れる」「英語での教育を受けさせ国際的な競争力のある子どもに育てたい」など、さまざまな思いがあると思います。私は 真の教育とは 「ひとりの人間としての人格を養うこと」であって、学校や塾がやってくれる事ではないと思います。いい学校に入れたからいい教育が受けられるというのは、果たして本当なのだろうかと疑問に思いました。それでは、どうやって家族全員日本にいながらにして英語を家でどう教えたら良いのでしょうか。多くの人に話を聞いて思ったことは、やはり家庭での環境が大事だということ。しかも全員が口を揃えて言う「英語を習得するよりも、日本語を習得する方がはるかに難しい」という事実!ハーフだからと言って、英語も日本語もペラペラになるのかと思いきや、全員が全員そうではありません。やはりちゃんと勉強して、その語学に慣れ親しまないと駄目なのです。そのために、我が家が実践していて、誰でも簡単に真似出来る方法をお教えしましょう。(1) 1本のアニメ映画を、1回目は日本語、2回目は英語というように交互に繰り返し見せる。はじめは特典映像などの短いストーリーからはじめるのがおすすめ。(2) 日本語と英語が出る音の絵本で、繰り返し読み聞かせる(3) ピアノや鼓 、ヴァイオリンなどの楽器のおけいこをさせ、脳を刺激することで、聞いた音楽を記憶したり、再現する事が耳と脳を養う。私自身、40歳を過ぎるまで英語が全く話せませんでしたが、小さいころにピアノを習っていたおかげで、英語を「音」として捉え、英語の発音やリズムをつかむのがとても容易でした。テレビ番組もNHKのニュースなどは副音声の英語を聞き、毎日少しでも英語のシャワーを浴びさせるようにしています。英語を勉強と構えず、まずは「音に慣れ親しむ」ことが大事。読み聞かせや語り聞かせが語学習得の土台だとも言われているため、わが家は日本語の絵本と英語の絵本を交互に読み聞かせています。英語習得にはさまざまな方法がありますが、今回ご紹介した方法もみなさんの参考にしてみてくださいね。
2015年08月14日米国の知育おもちゃブランド「フィッシャープライス」は、クリスマスシーズンに向け、日本語と英語のバイリンガル知育おもちゃ「おどる!バイリンガルわんわん」を全国の主要玩具店などで販売している。価格は7,980円。同商品は、日本語と英語のバイリンガルでしゃべる犬の形をしたぬいぐるみ。遊びながら日本語と英語を学習することができるのが特徴となっている。2つのモードを選択でき、「ABCモード」では、「おどろうよ!」「”Let’s dance!”」、「上に!」「”Up!”」、「下に!」「”Down!”」、「だーいすき!」「”I love you!”」といったセリフや、アルファベット、数と数え方、あいさつ、体の部分の名前などを、日本語と英語で学ぶことができるという。また、「あそぼうモード」では、「しあわせなら手をたたこう」、「ABCの歌」など全10曲の歌を、日本語や英語で一緒に歌うことができる。なおいずれのモードでも、音楽に合わせてぬいぐるみが「ふりふりダンス」をするので、言葉をしゃべらない生後9カ月の赤ちゃんでも動きをまねするなどして遊ぶことができるとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月17日拓人は2013年4月にバイリンガル幼児園「キッズデュオインターナショナル」を、神奈川県横浜市都筑区に開園する。保育園と幼稚園のメリットを併せ持つ新しい教育機関になるという。同園は3歳から6歳までの4学年制。各クラス専属のネーティブスタッフによる英語教育で、1日の半分を英語、残りの半分を日本語で過ごす。また、東京大学大学院・深代教授監修の独自の運動能力開発システムも実施。さらに、小学校3年生レベルの算数力、国語力を身につけるカリキュラムも提供する。幼児期の脳の器を広げる教育を取り入れている。同園では独自の「テーマ学習」や「職業体験」のプログラムを通じ、様々な国の文化や習慣を学ぶ。園の生活の中でも多くのネーティブスタッフと一緒に過ごし、単に「英語を話せる」だけではなく、英語圏の人と日本人の良さを兼ね備えたパーソナリティー作りを目指す。また、預かり時間を最大7時30分~20時まで設け、送迎サービスも実施。保育園に不足している教育的要素と、幼稚園にはない長時間の預かりの両方を満たし、夫婦共働き世帯の子育てサポートにも力を入れていく。保護者向けの入園説明会は、9月29日、10月6日・10日・14日・16日・20日・21日に開催。詳細は同園公式サイトでも案内している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月27日