ロシャス(ROCHAS)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。今シーズンのミューズは、高貴であるのに控えめな1970年代のフランスのブルジョア。慎みを持った淑女の姿をファッションを通して描き出す。社交界で纏うような煌びやかなドレスは、キラキラと輝くビジューをあしらって華やかに仕上げた。しかし今季は、オブラートに包むように上からシースル素材をレイヤード。輝きをあえて隠すことで、ミューズの慎ましやかな性格を表現する。ワンピーススタイルには、鋭角に尖った襟をのせ、ビジューにはスパイダーやカマキリなど昆虫をモチーフにしたものをセレクト。エッジの効いたディテールを多用して、ダークな遊び心と茶目っ気を見せたヒロインの側面も具現化している。今季のニュースは、デラクアが初めてディウェアに着目したこと。ファーストルックは、初めてパンツルック。ダブルフェイスのカシミヤを用いて、マスキュリンなスタイルの中に柔らかさを内包させる。コレクションには、ポロシャツ、Rロゴ付きのニットなどカジュアルなピースも登場し、ドラマティックなスカートやドレスもジャケットでカジュアルダウンさせている。カラーはニュアンスカラーを主役に。パウダーピンク、ミント、キャメル、サンイエローといった色彩の優しさを楽しむようにワントーンでコーディネート。シューズは新型のソールを使用したもので、パイソンとグリッターなどパンチある素材で作られている。
2018年03月11日ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。今季はランウェイに初めてメンズモデルが登場。先に披露された2018-19年秋冬メンズコレクションより初披露となる8体のカプセルコレクションが登場し、ランウェイに現れた。今季ブランドが目指したのは、ステラ マッカートニーらしさを意識すること。デザイナー自身が自分の経歴などを振り返ると共に、アイコンバッグ・ファラベラを初めてランウェイで紹介するなど、ブランドの強みを意識したコレクションとなっている。たくさんのファッションブランドが溢れる中で、ステラ マッカートニーが向かうものとは。その問いの先に待っていたのは、時を経てもデイリーワードローブに残るようなエフォートレースなピースとなっている。ステラ マッカートニーウーマンが描く女性のセクシーさ。一つは、服を着ることで生まれる女性のセクシュアリティにフォーカスした。レースやベルベットなど、テクスチャーの異なるファブリックで作られたロングドレス。胸元から背中にかけて配されたのは、コルセットやブラトップなどランジェリーを想起させるディテールだ。後ろのホックはあえてかけずに、ゆらゆらと揺れ動くテキスタイルの様をランウェイで紹介。また、前から見るとウール素材なのに、バックスタイルはシルクになっているジャケットなど、前後で異なる表情を持つアイテムもある。そしてもう一つは、一見セクシーさとは縁遠いピースを使って表現する、内なる女性性。デザイナーの故郷である、英国の田園風景から着想したというオーバーサイズのニットは、そのカラー、フォルムなどからステラ本人の内面を露わにする。アイボリー、キャメル、グレーなど様々な色彩が層のように重なったニットは、重量感があるのにどこか優しい温もりを持つ。印象的に刺されたプリントシリーズ。花をモチーフにしたプリントは、50~60年代の生け花モチーフのポストカードから生まれた。連続的にフラワーをのせたテキスタイルの上にはスリップドレスをレイヤード。さらに、英国アーティストの作品にフォーカスした女性をモチーフにしたプリントもある。新作シューズは「ループ スニーカー」。接着剤を使わずフックを使って仕上げたラバーソールのスニーカーは、ブランドが大切にしているサスティナビリティを具現化するもの。また、アイコンのファラベラバッグは、ボディと同色のチェーンを配した新しいデザインで登場している。
2018年03月11日ビューティフルピープル(beautiful people)2018年秋冬コレクションがフランス・パリにて2018年3月6日(火)に発表された。ブランドが向き合ったのは、相反する要素としての「男女」。ジェンダーを隔てるものとは何だろうか?make/female(男女)で共通しているのmaleを抜き取ったときに現れる「/fe」。交わらない二つのものを結ぶことができる対角線と、顕現する女性性。今シーズンのクリエーションでは、この「/fe」をテーマに男性性をフェミニンに表現する。マスキュリンな印象を持つ装いがバイアスカットを用いることによって女性的なラインを獲得する。フロックコート、テーラードジャケット、レザージャケットの直線は、裁断の遊びによってグラスのような柔らかなシルエットに代替された。服のパーツが装飾の一部として使われていたことにも注目。装飾として2重に重ねられたトレンチコートの襟や、大きく強調されたフードやカラー。肩の印象を強めることでウエストの細さを際立たせ、曲線的なシェープラインを表現することにも一役かっている。全体的にレングスは長め。大きな布を巻いて止めただけのように見えるボトムスや、深くスリットが入ったスカートも、インナーにロングレングスのものを取り入れることで露出が抑えられ、より上品な印象に仕上げられている。小物使いにも注目したい。三角形のころんとしたシェイプのバッグは、持ち手を長めにしたことで歩くたびに揺れ動き、ルック全体に動きを加えている。マフラーはコートやシャツの襟に巻き込ませることでまるで服の飾りの一部であるかのように演出されている。
2018年03月10日サカイ(sacai)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで2018年3月5日(月)に発表された。サカイの作るハイブリットスタイル、今季はマスキュリンなムードを持つ力強いピースの融合によって構築されているように映る。リズミカルな音楽とともに現れたモデルたちが纏うのは、ダウン、MA-1、カウチンニット、レジメンタルストライプのジャケット、テーラードなど見覚えのあるピースたちがドッキングされた新発想のアウターだ。その結合方法は自由奔放。ダウンで作ったボリュミーなアーム、キルティングとウール地を重ね合わせ2重にした前身頃。バックスタイルをのぞけば、ギャザーでウエストを絞っているものもあれば、シフォン素材でふわりと仕上げたものものもある。似通ってみえるのに1つとして同じものはない。パンチの効いたストライプ模様、イーグルのモチーフ、マスキュリンなチェック柄。テキスタイルにのったのは、そういったパワフルなエレメントである。発色のよいカラーストリング、金ボタン、ハトメ付きのリボンといった随所に散りばめられた装飾も、力強さを印象付ける。足元を見てみると装い同様に、ポップな遊び心が満載。サイドゴアブーツ、ピンヒールのブーティ、ストラップサンダルなどには、レオパード、ゼブラ柄などアニマルパターンが描かれていて、左右ちぐはぐの柄のシューズをコーディネートしている。
2018年03月09日ピエール・エルメ・パリ(PIERRE HERMÉ PARIS)よりイースターに向けたショコラコレクション「パック(PÂQUES)」が登場。2018年3月19日(月)から4月17日(火)の期間でピエール・エルメ・パリ直営ブティックにて販売される。フランスのイースター「パック」フランス語の「パック(PÂQUES)」は、英語では「イースター」と呼ばれるキリスト教最大の祭事「復活祭」を意味する言葉。ピエール・エルメ・パリでは、そんな「復活祭」にちなんだうさぎや卵の形のショコラを用意する。ウフ「ウフ」は生命の源を表現し、復活祭を象徴するモチーフである卵をモチーフにしたショコラ。周りにドライフルーツやナッツを散りばめた"ウフ マンディヤン"や繊細なレースを模った"ウフ ダンテル"、ミニエッグのアソート"プティ ウフ"が登場する。ラパン卵と並んで復活祭のシンボルとされるのが、跳ね回る様子が生命の躍動を表していると言われるウサギ。まるで木彫りの人形のようにウサギがデザインされたショコラ「ラパン」からは"ラパン ア ラ オット"、"グラン ラパン"、"ラパン ア ラ ブルーエット "、"ラパン リュール"の4種類が登場。全長約27センチメートルの「グラン ラパン」は入園、入学のお祝いなど、ギフトにもぴったりだ。ミナ ペルホネンとコラボレーションまた、ピエール・エルメ・パリは、2018年3月には伊勢丹新宿で開催されるミナ ペルホネン(minä perhonen)の特別企画「Dear Friend,Department」内にて「ピエール・エルメ・パリ×ミナ ペルホネン パック 2018 カプセルコレクション『オレイユド ボヌール』」を発売。こちらでは、限定パッケージの「プティ ウフ」や、その他ショコラなど4商品を展開予定だ。原美術館でイースターイベントも開催さらに、原美術館との共同企画として、「エッグハント」を開催。原美術館の中庭に隠されたイースターエッグ探しを親子で楽しむことが出来る。同時に館内のホールでは、復活祭の歴史や、それにちなんだショコラの説明や展示、ピエール・エルメ・パリのフランス人パティシエによるショコラのデモンストレーション行われる。【詳細】■ピエール・エルメ・パリ「パック」販売期間:2018年3月19日(月)~4月17日(火)(予定)販売店舗:ピエール・エルメ・パリ 直営ブティック価格例:・ウフ マンディヤン ブロン 7,560円(税込)(Mサイズ 約20cm)、ノワール 6,480円(税込)(Mサイズ 約20cm)、レ 4,320円(税込)(Sサイズ 約14cm)・ウフ ダンテル レ 4,320円(税込)(Mサイズ 約20cm)、ノワール 3,456円(税込)(Sサイズ約14cm)・プティ ウフ 1箱 1,944円(税込)・ラパン ア ラ オット ノワール/レ 4,320円(税込)(約22cm)・グラン ラパン レ 6,480円(税込)(約27cm)・ラパン ア ラ ブルーエット 3,024円(税込)(約15cm)・ラパン リュール 1,944円(税込)(約12cm)■ピエール・エルメ・パリ×ミナ ペルホネン パック 2018 カプセルコレクション『オレイユド ボヌール』開催期間:3月28日(水)~4月2日(月) 最終日18:00終了場所:伊勢丹新宿店 本館 7階 催物場「Dear Friend,Department」住所:東京都新宿区新宿3丁目14−1※ピエール・エルメ・パリ直営ブティックでも一部販売予定■ピエール・エルメ・パリ×原美術館「エッグハント」開催日:2018年4月1日(日)場所:原美術館 中庭/ザ・ホール住所:東京都品川区北品川4-7-25対象:3~12歳以下の子ども(子ども1名+同伴の大人1名)※1家族1組のみ参加可能。※開催時間、参加費、申し込み方法などは後日ホームページにて公開。
2018年03月09日アニエスベー(agnès b.)の2018年秋冬コレクションが、フランス・パリにて2018年3月5日(月)に発表された。イメージしたのは、常にフレンチシックでありつつ、自分らしいスタイルを保つ術を知っている知的な女性。今季のアニエスベーは、ブランドのテイストを日々の様々な場面に合った形で発揮することに挑戦した。序盤はリラクシングなオフホワイトのルックから始まる。ゆるめのシルエットやフラットシューズによってくつろいだ印象を演出し、首元のスカーフなどの小物によってエレガンスが加えられている。ストリートライクなキャップやスウェット、オフィスにも向かえそうなテーラリング、旅スタイルに合わせたくなるスーツケースにウエストバック、エスニカルなターバン。中盤ではあらゆるオケージョンに合うルックをいかにフレンチシックに着こなすかが提案された。後半に集中して登場したのは、美しい風景が毎季取り入れられるプリントテキスタイル。今季は光の美しさを切り取ったような意匠が用いられた。水面に反射する陽光、南国で眺めるサンセット、夜の海に映る街のネオン。光の踊るようなイラストは見るものの気分まで高めてくれそうだ。ラストに向けてルックの華やかさが増していく。裾絞りのパンツでさえもサテンの輝きとはためく布の演出により優雅に仕上げられた。フィナーレを飾ったのは男女のペア。春の訪れを告げるようなペールピンクのドレスを纏った女性が、タキシードを着た男性と連れ立って歩いていく。ウェディングを見ているかのような絢爛なルックでショーは締めくくられた。
2018年03月09日メゾン マルジェラ(Maison Margiela)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。今シーズンのテーマは「リラックスド・グラマー」。昨シーズンの「アンコンシャス・グラマー」の進化版として、アーティザナル2018年春夏コレクション同様のテーマで進行する。クリエーションの対象となったのは、メンズのワードローブだ。テーラードジャケットやトレンチコート、またスポーツアイテムも男性のユニフォームの代表としてピックアップされている。それらは「ドレッシング・イン・ヘイスト(Dressing in haste)=急いで服を着る」のジェスチャーがシルエットに落とし込まれ、上下逆さまに着る発想や、洋服の構造を露わにする「デコルティケ」の技法など、ブランドらしい発想を持って新しい形で解釈され、ユニークなスタイルで登場している。トレンチコートは、ライナーに光に反応して色が変化するリフレクション素材を採用した。カメラのフラッシュなどを浴びると、テキスタイルがじんわり色づく。テーラードジャケットやカウボーイジャケットは、オーバーサイズに。ウールジャケットには、3Dプリンターでアランニットのパターンを象ったディテールが施されている。さらに、スポーツウェアに代表されるナイロンパーカはバイアスカットのドレスへと昇華。カジュアルであるという概念を壊すように予想外のアプローチで取り入れられている。着こなしは、ウィンドブレーカーの上にランジェリーがのっていたり、ジャケットの上からニットを着ていたり…。本来インナーに着るはずの服がアウターとして現れ、ここにもまた「ドレッシング・イン・ヘイスト」のジェスチャーがユニークなレイヤースタイルで登場した。新アクセサリーは、レインコートのようにすっぽりバッグを包み込むクリアカラーのポーチ。ディテールにリフレクションをあしらったシューズやバッグもラインナップしている。
2018年03月09日ノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。今季は、フラワーアーティストの東信とコラボレーション。ノワール ケイ ニノミヤの漆黒の世界に花々がヘッドピースとなって色彩の命を宿し、美への探求心をより感じさせられるシーズンである。クリエーションのキーワードは、様々な要素を融合させること。テキスタイルを縫うのではなく、パズルピースのようなバーツをハトメを使って留め合わせることで服を作るデザイナーの二宮啓。ブランドのカラーは黒と決まっていて、制約がたくさんある中で、素材、組み合わせ方などを変えて、一つひとつのピースから個性を引き出している。キーワードとなったのは通常だとミックスされることのない“レアなパートナー”と同居させること。例えば、秋冬シーズンに多く用いられる温かみのあるフェザーを、春夏っぽいオーガンザと組み合わせて一つにしたり。アコーディオンや扇子のようなジャンバラ型のシースル素材に毛足の長いファーを取り付けたり。洋服の原型となるパーツそのものを異素材で融合。作り上げたパーツをパズルのように組み合わせて出来たドレス、ジャケット、コートといった装いは、ふわふわ、ひらひらととにかく動きまわり躍動的。漆黒で染まっているのに軽さがありエレガントだ。ボリューミーで存在感抜群なピースが揃うなか。ボトムスも負けじと重量感のあるピースを組み合わせた。象徴的なのは、フェイクレザーのキルティングやオーガンザなどで仕上げたフレアなスカートの起用だ。
2018年03月08日ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。キーワードは、ベーシックになっているものを新しく構築すること。新しい着眼点から洋服と向き合うことで洋服そのものにより豊かな表情をもたらしているように映る。テーラードジャケットやトレンチコート、MA-1、ダウンジャケット、スカジャンなど男性的な要素の強いピースが主役。かっちりとしていて知的、またはスポーティーでワイルド。そういったアイテムそのものの印象は壊れていないが、シルエットそのものは原型を維持することなくアレンジされる。アームはストンと落ちるストレートなラインは消え、テキスタイルをふんだんに使ったドレープ、フレアなシルエットといったフェミニンなスタイルで登場する。かと思えばボディよりずっと長くアームをとってシャープに決めたもの、斜めにカットアウトしてフレンチスリーブ風にしたものもある。ジャケットと相性のよい白シャツ。クラシックなピースは、昨シーズンもブランドが取り組んでいたプリーツ加工によってベーシックから距離をとる。アームラインとボディの一部分にランダムにプリーツを配して、アシンメトリーなフォルムとアンバランスなシルエットを構築させた。テーラードのピースが多い中、印象的に差し込まれたフラワーファブリック。どこか懐かしみを感じさせるレトロなフラワープリントは、ソフトな質感のワンピースに取り入れられた。やはりここでも定番を崩すことがキーワードに。本来は首下~胸元で止まっているはずの襟口がデコルテを強調するように、大きく開かれている。今季のニュースは2つのブランドとのコラボレーションシューズの登場だ。ドイツのバッファローとのコラボレーションでは厚底スニーカーを提案。リアルパイソンで仕上げたシューズはエッジの効いた仕上がりだ。またリーボック(Reebok)とは、スタッズ付きのハイカットスニーカーをデザインしている。
2018年03月08日コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。今シーズンの起点となったのは、デザイナーの川久保玲の心を捉えた「キャンプ」という思想だ。アメリカ出身で小説家、エッセイストとしても活躍するスーザン・ソンタグが唱えるその考え方は“不真面目、悪趣味の中に新しい価値があるのではないか”という発想。彼女の思想に共感した川久保玲は、様々なテキスタイルを使ってこのメッセージを発信する。巨大で重量級。左右に大きく広がるもの、ゴロンと丸みを帯びているもの。時に花のようなシルエットで、時にジャケットと認識できる“洋服の形”で。コレクションピースはまるでオブジェのような圧倒的な存在感がある。シルエットから共通項を見出すことは困難であるが、テクニックの視点でみると「レイヤー」を統一したキーワードに据えていることは見てとれる。凹凸、うねり。そういった洋服の表情を引き出す部分には、レース、ニット、オーガンザ、加えてスポンジのように弾力のあるメッシュ地など、テクスチャーの異なるファブリックを断層のように重ね合わせて製作。花の形、雲のような形、不規則な曲線ライン。そういった個性的なシルエットの中から何重にも重なったテキスタイルの内側が顔を出している。この「レイヤー」のテクニックは、ボトムス、ましてはアンダウェアーの部分でも共通して取り入れられた。引きずるようにのびたスカートには、ガードルなどセクシーなランジェリーがやはり重なり合うようにレイヤードされている。本来洋服の中に隠れている下着が、繰り返される重ね合わせによってパンチの効いた形でランウェイに現れている。フットウェアは今季もナイキとコラボレーションした。洋服同様に「レイヤー」というキーワードがシューズにも落とし込まれ、ソールは黒と白の素材を層のように重ねた厚底ソールになっている。
2018年03月08日アンダーカバー(UNDERCOVER)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年3月2日(金)に発表された。コレクションピースの中で「TOTAL YOUTH」「GENELATION」といったワードが飛び交う今シーズンは、明るくフレッシュな仕上がり。ラインナップしたのは、スウェットパーカー、スタジャン、デニムパンツなどカジュアルなものが多く、それらを素材とデコレーションで遊びを加えてオリジナリティをもたらした。印象的に取り入れられていたのは、異なる要素のドッキング。共通項のないピースが身を寄せ合うように一緒になり一つの洋服となって登場している。前身頃はポロシャツであるが、後ろを振り返ると作業着のようなオールインワンになっていたり、ボアジャケットの外側からコルセットのディテールが浮き出ていたり、テーラードジャケットの襟元からフーディが顔を出していたりする。また、数種類の洋服を重ね着しているようにみえるトロンプルイユのピースも登場。ダウンの下のニット、Tシャツ、さらにスウェットスカートまで一色丹になったピースは、ユーモラスで個性的に映る。デイリーワードローブも個性的なファブリックを用いて、定番のカテゴリーから脱している。プリント付きのスウェットトップスは、くしゃくしゃとした紙のようなファブリックで立体的にフォルムで展開。ステンカラーコート、ミリタリージャケット、Uのロゴ入りコートも同様に、このくしゃっとした素材でアップデートされている。赤、緑、黄色…鮮やかなカラーがひしめき合っていたランウェイも、フィナーレに向けてモノトーンカラーで統一されて落ち着きのある雰囲気に。ドッキング、パッチワーク同じ手法で作られている洋服であるのに、色彩が違うと放つ印象も大きく変わる。
2018年03月07日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリにて2018年3月2日(金)に発表された。コレクションノートに記されたテーマは「サイレント エナジー」。厳しい冬に息を潜めていた命が再び芽吹いていくエネルギーを、螺旋を思わせる有機的なディテールのニット、徐々に力強さを増して行くカラーパレットにより表現した。一面の銀世界を想起させる、オールホワイトのルックからショーは始まる。柔らかなモヘアははらはらと舞い積もる繊細な新雪を思わせた。雪解けを示すかのように、重く重ねられていたレイヤードは徐々に薄くなって行き、ホワイトルックの終わりには大地の色であるオレンジかかった茶が現れた。雪解け水が大地を奔る。カラーパレットにはブラウンと深い青が足され、水の流れを感じさせる曲線が織りや縫製によって立体的にピースに落とし込まれた。多く登場したニッカポッカのように下部が膨らんだパンツは、テキスタイルの錯視効果により、ライン以上に大胆なシェイプに見える。ショーの終盤にはエナジェティックなネオンカラーが花のようにルックに綻んで行く。染め上げられた糸によるステッチは横のラインを強調し、相反するテキスタイルの縦の模様が見るものの目を惑わせる。混沌とした状態をあえて作ることで、自然の制御できない力強さを表現しているようにも感じられた。
2018年03月06日アンリアレイジ(ANREALAGE)が、2018年秋冬パリコレクションにて、アシックスが展開するブランド「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」とコラボレーションしたスニーカー「オニツカタイガー×アンリアレイジ タイガーエムエイチエスシーエル(Onitsuka Tiger×ANREALAGE TIGER MHS CL)」を発表。今季のアンリアレイジのコレクションのテーマは“PRISM”。オニツカタイガーのオリジナルモデル「TIGER MHS CL」をベースに、光を分けて虹色を生み出すプリズム現象を応用して、光源の位置と視る角度により、青〜緑〜黄〜赤と変化する特徴を持つプリズムテキスタイル(分光素材)を新開発。光を虹色に変えて、色が移ろうマルチカラーを発色し、歩いたり、走ったり、日常的な動作によってアッパーに施されたプリズムテキスタイルが変化して多様な表情を魅せるシューズは、今回のショーのために特別に製作された。コラボレーションモデルのデザインは、「MEXICO 66」のアイコンを取り入れながら現代的なデザインへとアレンジされたもの。オニツカタイガーストライプを使用しない代わりに、大胆なラインをデザインへ取り込み、クリーンなイメージに。また、レザーの質感やステッチ加工にこだわり、カジュアルとフォーマルをシームレスに対応できる現代人のためのスニーカーに仕上げている。クラシカルなシャークソールをアップデートして快適な履き心地を追求し、中敷にはオーソライトを採用し足入れ時のクッション性を高めている。
2018年03月05日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで、2018年3月2日(金)に発表された。山本耀司の作る黒ーノワール一色にまとめられたその世界はとても静かな始まりだった。ファーストルックから繰り返し続いたアウター群。秋冬らしい暖かみのあるウールで仕立てられたコートは、解体され再構築され独自のフォルムで佇んである。身体を包みこむコート、それとは別に肩から脱ぎかけのようなもう一枚のアウターが、時が止まったように静かに存在する。時間の流れとともにウールコートのシルエットはバリエーションが豊かになる。開ききった襟、デコルテを美しく見せる首回り、アームの下から不可思議に伸びるもう一本のアーム。前身頃に整列したボタンたちと相反して、サイドやバックスタイルのシルエットは自由で開放的だ。そこに現れた印象的なピース。これまでの変幻自在なシルエットと対峙する、シンプルなロングドレスだ。無駄な装飾は1つとしてない。そしてこのドレスの登場とともに、新しいノワールの世界の扉が開く。続くのは、序盤と同じ解体と再構築、そしてレイヤードを繰り返して生まれたピースだ。しかし先と異なり大きな動きは全くない。静かであるからこそ浮き立つドレープの美しさやタックで作った豊かなボリューム。テキスタイルが見せる優美でなめらかな動きに心惹かれる。フィナーレに向けて山本が投じたのはレザーのシリーズだ。黒の世界に放たれたブラウンのジャケットはパワフルにその存在感を発揮する。そしてそのレザーはスタイルを変え、黒のジャケットへと変わり、さらにコルセットへと姿を変える。始まりは身体を重量感たっぷりのテキスタイルで始まったショー。ラストはそれらの洋服が剥ぎ取られ、女性本来の美しさを浮かび上がらせるようにシンプルでプレーンなものになっている。
2018年03月05日ジバンシィ(Givenchy)は、2018-19年秋冬コレクションを、日本時間の2018年3月4日(日)18:00にパリで発表する。ファッションプレスではその模様をライブ配信。前シーズンは、元クロエ(Chloé)のクレア・ワイト・ケラーを新アーティスティック・ディレクターに迎えた初のコレクション。メンズ・ウィメンズを同時に披露した。メンズとウィメンズが呼応するように寄り添う形で作られたウェアが目を惹く。ウィメンズはショルダーラインを大きく広げると、メンズは反対にストレートなラインを描き、結果的には双方ともシャープなスタイルに。トレンチコートなどの英国文化の要素や、伝統的な「4G ロゴ」の復活など、ジバンシィの新たな幕開けを印象付けるコレクションが展開された。最新コレクションも、メンズ、ウィメンズ合同ショーで発表される。どのようなスタイルがランウェイを飾るのか、期待が高まる。【詳細】ジバンシィ(Givenchy) 2018-19年秋冬コレクション開催日時:日本時間 2018年3月4日(日)18:00現地時間 2018年3月4日(日)10:00
2018年03月04日ツモリチサト(TSUMORI CHISATO)の2018年秋冬コレクションがフランス・パリにて2018年2月28日(水)に発表された。ブランド25周年を迎えるツモリチサト。今季のインスピレーションは中米・グアテマラから。咲き誇る花々の鮮烈な赤、かつて栄えたマヤ文明に馳せる思い、暑さの中で自然とともに生きる人々。デザイナーの津森千里が出会った全てのものがプレイフルなコレクションを形作る。ショーはジャングルを模した小島にモデルが順に立ち止まり動いていくという、特徴的な形式で行われた。荘厳な宮殿から雑然とした市場、神秘的な岩肌の山々にまで背景が変化していくプロジェクションマッピングによる演出も魅力的だ。古代から残る石像やピラミッドは抽象化され、円や三角の集合パターンがプリントされたテキスタイルに姿を変えた。鮮やかな色彩は生命力溢れる草花やアティトラン湖に反射する光の変化が齎したものだ。体を締め付けず、涼やかで機能的な民族衣裳に影響を受けつつも、シルエットはモダンな女性らしさを保っている。
2018年03月04日アンリアレイジ(ANREALAGE)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで2018年2月27日(火)に発表された。テーマは「プリズム」。光を屈折・分散させ、周囲とは屈折率の異なる三角柱の空間という意味を持つ分光をテクニカルテキスタイルを用いてファッションとして表現する。初めに登場したのは、プリズムPVCと呼ばれるシースルテキスタイルを使ったコートドレス。レンズのようにこの素材を通して中をのぞくと、見た像が二重に変化するという。会場中央に設置されたライトにモデルたちが近づくと、インナーが変化。白い光に当たると桃色の光がドレスの中を充満するように広がってみえ、ブルーライトに近づくと青く見える。そしてモデルがくるくると回転すると、合わせてドレスの中のインナーも変化してみえる。続くのは光の三原色赤、緑、青の3色を使った幾何学的な柄のルック。千鳥格子やタータンチェック風にその3色が組み合わされているが、色の重なり方によって黄色や橙色のような本来の3色とは異なる色が現れる。さらに、その上にはレンズコーティング素材と呼ばれるシースル素材をアタッチ。多眼効果を持つレンズフィルムをコーティングしたというこの素材は、幾何学的な模様をより立体的に映し出していく。玉虫色に変化するメタリックヤーンを織り込んだというオーロラカラーのワイドパンツ、万華鏡のような幾何学模様のジャカードニット。そういったパワフルなピースを挟んで、フィナーレに向けて登場するのは、開発したオリジナルのプリズム素材。光の位置と見る角度によって七色に変化するというこのテキスタイルは、明るい光の元では、三角形が羅列した姿や幾何学的な模様をほんのりと映し出すが、ブルーライトにあたると明るく発色。その光り方はソフトで空のようにゆっくりと変化する。
2018年03月03日ラコステ(LACOSTE)が、フランス・パリでメンズ・ウィメンズの2018-19年秋冬コレクションを発表した。パリ・ファッション・ウィーク3日目の2018年2月28日(水)のことである。今シーズンは、ブランドの創業者ルネ・ラコステにまるわる一つのエピソードから始まった。第二次世界大戦初期多くの人が強制労働を強いられるなか、ルネ・ラコステと妻のシモーヌは、地元の人々を集め、ファミリーゴルフコースの設計を計画。当時農林従事者は徴兵制から守られていたため、このルネの試みは多くの労働者たちの安全を確保したといわれてている。共感、親切、希望を示したこのエピソードを起点に、今季はクリエーションを進めた。会場は、大きな1本の木を囲むように芝が広がっていて、ゴルフコースさながらの開放的なムード。モデルたちは、ゴルフを楽しむ人々のように芝の周りをくるくると回ってキャットウォークする。歩みを進めると、マキシ丈のフード付きレインコートやハンティングポンチョは帆をはるように裾を大きく広げてみせ、サイドにスリットを入れたタートルニット、バックスタイルにもう一枚ニットをかませたトップス、アシンメトリーにカッティングされたスカートなどは風をきるように動きまわる。ルネ・ラコステらのゴルフ場製作の思い出は、プリントやモチーフになって綴られる。フーディコートの上にプリントされたのは、ゴルフコースやクラブハウスなどを捉えたフォト。ニットの上にのっているのは、スイングするゴルフ選手の姿だ。足元はラバーブーツが多用されていて、植木職人たちの姿を想起させる。ブランドのアイコンであるワニのワッペン付きポロシャツは、ストリートテイストにアレンジ。生地をスウェット地にして、裾をアシンメトリーにカットアウトし、遊び心あふれるピースへ昇華させている。
2018年03月03日サンローラン(Saint Laurent)の2018-19年秋冬コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク2日目の2018年2月27日(火)に発表された。昨シーズン同様会場は、エッフェル塔を目の前にしたトロカデロ庭園に設置。ボックス型の会場には小さなライトが無数に取り付けられ、またランウェイ上の天井にも隙間なくライトが散りばめられている。ショーのスタートと共に天井一面に取り付けられたライトが発光。サウンドに合わせて波のように点灯したり消灯したりを繰り返す。そこに浮かび上がるように登場したのは、サンローランのコード、ブラックで統一されたルック。トップスはどれもスリムなシルエットで、アイコンのスモーキングジャケットをはじめ、ベルベット地やスパンコール、ビジューなど光沢ある素材や装飾で彩られたジャケットなどがラインナップ。ボトムスは、アンソニー ヴァカレロが得意とするセンシュアリティを打ち出しているのか、極短のショートパンツで統一だ。続くドレスルックは、ショルダーを強調し胸元を大きく開けたドレス。逆三角形の尖ったシルエットでやはりジャケットスタイル同様に黒で統一されている。ウィメンズのモデルが続くと、次に現れるのはメンズモデル群。スリムフィットなパンツにタイトなジャケットのセットがお決まりのようで、上半身にラメ入りの生地やベルベッドなど光沢素材を取り入れて遊びを加えている。合わせたのは、70年代のロシアンコレクションを彷彿とさせる、ビックサイズのロシアン帽。中には首元にボリューミーなニットマフラーを巻いているモデルもいる。暗転して2章目に映るかのようにパッと明かりが灯ると、現れたのは先ほどとは打って変わって色鮮やかなルックの数々。スパンコールのエンブロイダリーなどで、花のように模様が描かれたジャケット、ドレスが続いた。ワンショルダーであったりボックス型のショルダーであったり、シルエットは様々だが共通しているのはウエストの位置にポケットがあること。そこに両手を入れて同じスタイルでモデルたちはランウェイを颯爽と歩いていく。先までピンヒールだった足元も、チャンキーヒールのブーツで統一されている。
2018年03月03日ジョルネ(JOUR/NÉ)の2018-19年秋冬コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク2日目の2018年2月27日(火)に発表された。ピガール周辺の劇場で行われた今シーズンは、パリのアーティストとコラボレーション。ショーは2部制に分かれていて、間にフランス人ラッパーのライブパフォーマンスが行われた。コレクションのキーワードはパッチワーク。ジャケット、ドレス、スカートあらゆるピースに異なる素材がドッキングされている。ギンガムチェック、花模様のジャカード地、シンプルなブラック生地。そして音楽のインスピレーションからか音符をモチーフにしたプリントシルクも揃った。それらは規則性を持つことなくボディの上で花を開かせている。女性らしさを感じさせるピースが多く、ビスチェやバルーンスリーブのワンピース、フリルのついたロングコート、スリット入りスカートがなどがラインナップ。それらを可愛らしく着こなすのではなく、足元にごついハイキングブーツを合わせてカジュアルダウンさせるのが、今季のジョルネのスタイルだ。
2018年03月03日ラコステ(LACOSTE)は、2018年秋冬コレクションをパリにて日本時間2018年2月28日(水)18:00より発表する。ファッションプレスでは、その模様をライブ配信。前回の2018年春夏コレクションは、85周年を機に再びパリへ帰還してショーを開催。創業より大切にしてきた"タイムレスでヘリテージ"をキーワードに、スポーツをインスピレーションの源としつつもストリートを意識した現代化を図り、新たなラコステワールドを築き上げていた。前シーズンから引き続き、パリで発表される最新コレクション。ラコステがどんな新しい世界を魅せてくれるのか、注目したい。【詳細】ラコステ 2018年秋冬コレクション開催日時:日本時間 2018年2月28日(水)18:00現地時間 2018年2月28日(水)10:00
2018年03月02日グッチ(GUCCI)は、2018年プレフォールコレクションのビジュアルを公開した。今シーズングッチが向かったのは、花の都パリ。舞台となるのは、旧体制からの変化を求める若者が起こした1968年の"5月革命"だ。ビジュアルには、パリでデモ行進を行ったり、バリケードを作ったり、美術に専念したりする、自由なスピリットにあふれた若者たちが映し出されている。フランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールら、この運動に触発された映画人たちからインスピレーションを受け、大胆で実験的な手法が用いられた。歴史的な瞬間を切り取ったビジュアルでありながら、登場人物たちはもちろんグッチの最新コレクションを身に纏っている。反抗的な若者のエネルギーとグッチのコレクションが生み出す、革新的でロマンチックなムードが感じられる。【詳細】グッチ2018年プレフォールコレクション ビジュアル「Gucci Dans Les Rues」【問い合わせ先】グッチ ジャパン カスタマーサービスTEL:0120-88-1921
2018年02月19日ジュン・ジー(JUUN.J)の2018年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。デフォルメによる空間づくりを得意とするジュン・ジーが、今回はさらに身体との対話に熱心になった。ある一方では空間。もう一方では密着。重ねることで見出したのは、均衡と不均衡が紙一重で調和するワードローブの数々だった。構築的な洋服の中でもキー素材となったのは、まず一つ目にダウンだ。アウターだけでなく、ハイウエストスカートやマフラーとして異彩を放っている。特に首元のボリュームは今シーズンの特徴的なシルエットのひとつ。そこから裾へと流れるように直線的なラインが築き上げられているのだ。直線的なラインと言えども、今回は重なりと空気感があるからか、どこか歪みが感じられる。しっかりプリーツのかかったランダムヘムのスカートと、交差するチェック柄の直線はその関係性を如実に表している。不規則に並べられたプリーツが、本来直線であるはずのチェック柄を蜃気楼越しに見た景色のようにしてしまう。これが2つめのキー素材ではないだろうか。直線というのはシルエット全体からも感じられ、身体をすっぽりと覆うような縦のラインが強調されている。ワイドパンツは裾を引きずるほど長く、そこに同じくらい長いロング丈のウールコートを羽織っている。ラペルまで肥大化されたチェスターコートは、膝丈ほどまであり、その裾からはプリーツの縦線がなびいている。ディテールでは、紐やむずびのディテールが目に留まる。裾に忍ばせたドローコードは、丸いフォルムを生み出している。一方でただ垂らしたコートの紐は、裾をするほどに長く、今季の特徴的な縦のラインを繊細にも表現しているようだ。
2018年02月14日シャネル(CHANEL)が1月23日、2018年春夏オートクチュールコレクションをパリのグラン パレで発表した。© CHANEL
2018年02月04日アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)が2018-19年秋冬メンズコレクションをパリで発表。
2018年01月31日リック・オウエンス(RICK OWENS)がパリで2018-19年秋冬メンズコレクションを発表。
2018年01月29日トム ブラウン(THOM BROWNE)がパリで2018-19年秋冬メンズコレクションを発表。
2018年01月29日ポール・スミス(Paul Smith)の2018-19年秋冬コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク最終日の2018年1月21日(日)に発表された。この日の天気はあいにくの雨。今回のファッションウィークは雨続きで、どんよりした空気に少し嫌気がさしていた。そかし、そんな雰囲気と気分を払拭してくれたのがポール・スミスのショーだった。ドリーミーな色使い、幻想的なモチーフや刺繍によって、会場は来場者皆の気分を躍らせるポジティブなムードに溢れた。カラーパレットは、挿絵画家のエドマンド・デュラックにインスパイアされたロマンティックなコード。ミッドナイトブルー、バーガンディ、エメラルドグリーンなど。絵画のようなプリントは、サイケデリックなフラワーモチーフや優美な月明かりに照らされた風景でとにかくハッピーだ。なかでも、“Dreamer”プリントは特別な存在で、ウールやモヘアのニットに編み込まれている。表が一見トラッドなグレンチェックやブラックウールだとしても、裏地にはたくさんの色を用いたカラフルな世界が広がっている。一方で、あくまでテーラリングがベースなのは、これまでとは全く変わっていない。ただ少し違うのは、ジャケットの着丈を少し長くすることでリラクシングな着こなしを提案していること。これは、80年代にポール・スミスが積極的に提案していたスタイルに基づいたものだ。滑らかなサテンのラペルとプリーツのディテールが特徴的なテーラードコートは、ウールジャカードの袖に踊る妖精のモチーフを表している。シングルジャケットは、千鳥格子とプリンスオブウェールズの2種類のチェック柄をパネル使いで組み合わせたり、暖かく肉厚なウールコートの袖にレザーを組み合わせたりと、色柄のミックスによって構築されている。スーツというアイテムを尊重しつつも、素材、デザイン、着こなしをモダナイズしているのが今季らしさなのだろう。
2018年01月27日Y-3(ワイスリー)の2018年秋冬コレクション「NICE TO MEET YOU」が、2018年1月21日(日)にフランス・パリのグラン・パレにて発表された。今季は、スタイリングを構成するレイヤードのテクニックが光った。ドレープカラーのクロップド丈ブルゾンは、ふくらはぎ中程まであるチェスターコートの上に羽織ったり、テクニカル素材のパーカーはトラックスーツを重ねたり。コンパクトなレザーブルゾンはインナーにロング丈のシャツをあわせて、ボトムスではズワーブパンツとジョガーパンツの組み合わせで足元までキチンとレイヤードした。ヘムだけでなく袖口でもそれを強調していて、アウターを腕まくりしてトップスを見せるという着こなしも提案。袖にスリーラインがあしらわれたクラシックなラップコートの裾からは、今季のキーカラーであるイエローのプルオーバーが、そしてオープンカラーのオールインワンからはカッターシャツのクリーンな袖が覗いている。身体との空間を意識しながら楽しむレングスの遊びは、ただスポーティなものを重ねるわけではなく、トラッドなものも取り入れる。複雑化したスタイルの中には、これまでY-3 が大切にしていた部分とこれからに向けて進化する部分の両方を蓄えている。新鮮さを加えたファブリックはインサイドアウトの手法でさらに多様性を導きだしたようだ。ライニングで使われるキルティングは、アウターやトップスとして主役級の役割をしっかりと務めている。また、フラワーパターンはリバーシブルのMA-1で提案。同柄のナイロンジャケットは、スケルトンの黒から花柄が透き通ってほんのりと映るようになっている。常に進化し続けるY-3にとって、シューズは重視すべきアイテムのひとつで、今季も新しいスタイルが登場している。アディダスのアーカイブからインスパイアされた「Kaiwa」は、控えめなミッドソールによってミニマルな印象。また、靴下のようなフィット感を誇る「Ekika」は、滑らかなネオプレンメッシュのアッパーにスエードのアクセントとステッチのディテールを組み合わせた先駆的なスタイルだ。もちろん、ブランドを象徴する「Y-3」のロゴとスリーストライプは、どんなアイテムにも寄り添っている。それをより主張的に表したのは大判のマフラーだろう。そこにはスリーラインが伺えるだけでなく、ブランドのヒストリーを想わせる「Y DON’T YOU CALL ADIDAS」、そして今季のテーマ、革新的なものを迎える言葉「NICE TO MEET YOU」も配されている。
2018年01月27日