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「ヒトラー南米逃亡説」をモチーフに作られた映画『お隣さんはヒトラー?』が、7月26日(金) に全国公開される。ことしは、5月、6月だけでも『関心領域』『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』『フィリップ』といった、ナチス/ヒトラーの残虐さを独特な表現方法で描く作品が登場しているが、本作はそれらと比較しても、キラリと光る逸品。よく練られたミステリーの仕立てで、デヴィッド・ヘイマンとウド・キアの怪演も加わり、ほんのりコミカル。これまでにない後味をかみしめながら劇場をあとにできる。この夏、おとなを満足させる出色の一本だ。『お隣さんはヒトラー?』ヒトラーが南米で生きていた!?そんな都市伝説が、まことしやかに語りつがれている。多少眉唾ものの説も入った『ヒトラー 狂気の伝説』(宝島社)という本によると、「ヒトラーは飛行機でベルリンを脱出したあと、Uボートで南米に逃れ、パラグアイとアルゼンチンを経由して、ブラジル奥地のノッサ・セニョーラ・ド・リブラメントという小さな町に移住した」という。ヒトラーは「アドルフ・ライプツィヒ」と名乗り、95歳まで生きていた、という説まである。1945年4月にベルリンで自殺して燃やされたヒトラーの遺骸が、炭化していて「本人確認ができなかった」という事実に端を発した、風聞だ。しかし、ホロコーストの中心人物のひとり、アドルフ・アイヒマンが南米アルゼンチンに潜伏していて、1960年にイスラエルの情報機関モサドに拘束されたのは、歴史的事実である。この映画は、まさにその年を舞台にしている。ストーリーはこんな感じ。ナチスのホロコーストで家族を失い、南米コロンビアの人里離れた土地で家族の思い出とともに孤独に暮らす老人ポルスキー(デヴィッド・ヘイマン)の隣家に、突然、ドイツ人のヘルツォーク(ウド・キア)が引っ越して来た。時折秘書のような女性は来るし、風体はいかにもお金持ち、夜になってもサングラスをかけ、謎めいた雰囲気をもつ男だ。あるとき、ポルスキーはそんなヘルツォークの素顔をみて強い衝撃を受ける。その男の鋭い青い目は、ヒトラーに酷似していたのだ。1934年に開催された世界チェス選手権の会場でヒトラーとすれ違った鮮明な記憶があるので、間違いない。そこから、ポルスキーは、妄執にとりつかれたように独自観察を始めるのだが……。監督はイスラエルのレオン・プルドフスキー。脚本は監督と脚本家・ドミトリー・マリンスキーによるオリジナルだ。男ふたりの激動の人生が、終盤に差し掛かり運命的に交差するさまをミステリータッチに描いていく。ポルスキーを演じたデヴィッド・ヘイマンは、イギリスの人気TVシリーズ『ロンドン警視庁犯罪ファイル』の主演を10年以上にわたって務めた人気俳優。ヘルツォーク役のウド・キアといえば、アンディ・ウォーホルが企画制作した怪奇映画『悪魔のはらわた』『処女の生血』で名をなし、デンマークの巨匠ラース・フォン・トリアー作品によく出演する、怪優中の怪優。ナチスの残党が月に秘密基地を建設する“トンデモ映画”『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』(監督:ティモ・ヴオレンソラ)でもヒトラー役を演じている。謎を解いていくミステリーのスリルと恐怖はそのままに、ふたりのやりとりが多少コミカルなところが、この映画の魅力だ。デヴィッド・ヘイマンは本作を「『裏窓』と『ラブリー・オールドメン』 を足して2で割ったような作品だ」といっている。アルフレッド・ヒッチコックの『裏窓』は、主演のジェームズ・スチュアートが、隣のアパートを望遠カメラでのぞき見しているうちに事件にまきこまれる。『ラブリー・オールドメン』は、家が隣り合ったジャック・レモンとウォルター・マッソーの漫才風な“いがみあい”が魅力。そんな仕立てでふたりの人生が浮き彫りになっていくのだから、実によくできている。しかも、こんな結末になるなんて……!文=坂口英明(ぴあ編集部)【ぴあ水先案内から】中川右介さん(作家、編集者)「……歴史のなかのほんの小さな亀裂をうまく利用したストーリーに感服した。90分程度と短いのもいい……」中川右介さんの水先案内をもっと見る()高松啓二さん(イラストレーター)「……黒バラの花言葉は、憎しみと永遠の愛。ある意味ホロコースト映画のアンサー映画のように思えた。意外にも深いコメディである。」高松啓二さんの水先案内をもっと見る()(C)2022 All rights resrved to 2-Team Productions (2004) Ltd and Film Produkcja
2024年07月15日アドルフ・ヒトラーの「南米逃亡説」をモチーフに、起こり得たかもしれない世界線を大胆なアプローチで描いた『My Neighbor Adolf』が、邦題『お隣さんはヒトラー?』として7月26日(金)全国公開決定。6点の場面写真が解禁となった。日本では、ヒトラーやナチスを題材とする映画が多数公開され、観客の関心度も高い本ジャンル。600万人のユダヤ人のほか、兵士、一般市民を合わせて数千万の尊い命を奪った現実。数えられない悲劇があり、幸運にも生き残った人たちにより語り継がれたエピソードがあった。2024年はアドルフ・ヒトラーの死亡、第二次世界大戦の終結から79年。特に1945年4月30日は、ヒトラーが長年の恋人だったエヴァ・ブラウンと結婚式を挙げ、総統地下壕の自室で、エヴァは毒を仰ぎ、ヒトラーが拳銃自殺を図った日である。本作『お隣さんはヒトラー?』は、ヒトラーの遺体を西側諸国が確認していない点、ナチス高官のアドルフ・アイヒマンなどが中南米に逃亡した事実、2015年にコロンビアのジャーナリストによってもたらされたCIAの極秘文書の中にヒトラーに関する資料を発見、SNSで公開したことなどから、まことしやかに囁かれる「ヒトラー生存説」「南米逃亡説」をモチーフに、もし、アドルフ・ヒトラーが生存していてホロコーストを生き延びた男の家の隣に引っ越して来たらどうなる?という世界線を大胆なアプローチで描いた。監督は、本作が長編2作目となるレオン・プルドフスキー。隣人をヒトラーと疑うポルスキー役に、英テレビドラマ「ロンドン警視庁犯罪ファイル」のマイク・ウォーカー警視役で知られる、デヴィッド・ヘイマン。ヒトラーに疑われるヘルツォーク役に、『マイ・プライベート・アイダホ』や『アルマゲドン』のほか、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』をはじめ、ラース・フォン・トリアー監督のほぼ全作に出演しているウド・キア。併せて解禁された場面写真では、敷地の塀越しに何やら話すカット、隣人がヒトラーだと信じてもらえないため、カメラを購入して隠し撮りするポルスキー、ヒトラーの特徴である青い瞳で凝視するヘルツォーク、ユダヤ人協会で必死に訴える様子、ヘルツォークの家でチェスを指す場面などが解禁されている。『お隣さんはヒトラー?』は7月26日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:お隣さんはヒトラー? 2024年7月26日より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開© 2022 All rights resrved to 2-Team Productions (2004) Ltd and Film Produkcja
2024年05月05日2022年7月にコロナウイルスの影響で延期となっていた高羽彩主宰タカハ劇団の公演『ヒトラーを画家にする話』が、9月28日(木) 東京芸術劇場シアターイーストにて開幕した。今作は、1908年のドイツへタイムスリップした現代の日本の美大生が、芸術家を目指す若かりし頃のアドルフ・ヒトラーと出会うストーリー。ヒトラーを画家にして過去を変えるべきか否か葛藤する学生の姿を描き、世間における芸術の価値を問う。才能の有無の残酷さを抉り出す痛快な社会派劇でありながら、若者たちが時間と国境を越えるひと夏の青春を体当たりで描く群像劇だ。美大生を演じるのは、舞台『昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ』(作・演出:蓬莱竜太)での好演が記憶に新しい名村辰、映画『法廷遊戯』(監督:深川栄洋)や数々のドラマ、CMに出演中の芳村宗治郎、ミュージカル『ダーウィン・ヤング』(潤色・演出:末満健一)で主演を務めた渡邉蒼、アドルフ・ヒトラーにはNHK連続テレビ小説『らんまん』に出演した犬飼直紀、実在したヒトラーの親友クビツェクに『王様戦隊キングオージャー』や話題のドラマに多数出演中の川野快晴、ヒトラーとともに美術アカデミー受験に挑むユダヤ人の青年に、舞台『ラビット・ホール』(演出:藤田俊太郎)出演の山﨑光、彼らが暮らす下宿の娘を、TikTokで人気を博し、女優・インフルエンサーとして幅広く活動する重松文が演じる。さらに、タイムスリップのきっかけを作る大学教授に異儀田夏葉、売れっ子モダンアーティストに砂田桃子、重松演じるシュテファニーの叔父に結城洋平、下宿の主人に柿丸美智恵、名村演じる僚太の父に金子清文、ウィーン美術アカデミーの教授に有馬自由と昨年出演予定だった実力派俳優たちが全員続投した。2021年『美談殺人』より取り組んでいる視覚・聴覚に対応する鑑賞サポートは今回も継続。舞台手話通訳のほか、字幕タブレット貸し出し、事前舞台説明会などを実施。また、25歳以下、高校生以下向けの割引チケットを販売し若年層の観劇の機会を後押ししている。■高羽彩 コメント一年越しの初日が明けました。感慨深いかといえば、今はその余裕もなく、とにかく千穐楽まで無事に駆け抜けられることを祈るばかりです。この一年で大いに成長した俳優たちのおかげで、昨年とは比べ物にならないくらいブラッシュアップすることができました。一年分の思いを客席で受け取っていただけると嬉しいです。<公演情報>タカハ劇団 『ヒトラーを画家にする話』脚本・演出:高羽彩出演:名村辰、芳村宗治郎、渡邉蒼、犬飼直紀、川野快晴、山﨑光、重松文、異儀田夏葉、砂田桃子、結城洋平、柿丸美智恵、金子清文、有馬自由日程:9月28日(木)~10月1日(日)会場:東京芸術劇場 シアターイースト公式HP:
2023年09月29日コロナ禍で2022年7月からの公演が延期になっていたタカハ劇団『ヒトラーを画家にする話』が、ついに9月28日(木)から東京芸術劇場シアターイーストにて上演される。キャストは、2022年の上演決定時に発表された名村辰、芳村宗治郎、渡邉蒼、犬飼直紀、川野快晴、山﨑光、重松文、異儀田夏葉、砂田桃子、結城洋平、柿丸美智恵、金子清文、有馬自由が全員続投となった。舞台『昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ』(作・演出:蓬莱竜太)での好演が記憶に新しい名村、映画『法廷遊戯』(監督:深川栄洋)や数々のドラマ・CMに出演中の芳村宗治郎、ミュージカル『ダーウィン・ヤング』(潤色・演出:末満健一)で主演を務めた渡邉蒼、NHK 連続テレビ小説『らんまん』に出演中の犬飼直紀、「王様戦隊キングオージャー」や話題のドラマに多数出演中の川野快晴、舞台『ラビット・ホール』(演出:藤田俊太郎)出演の山﨑光、TikTokで人気を博し女優・インフルエンサーとして幅広く活動する重松文をはじめ、注目の若手実力派俳優が延期期間を経てどのように作品を深めてきたのか注目せずにはいられない。タカハ劇団『ヒトラーを画家にする話』チラシ(裏面)タカハ劇団は、高羽彩が脚本・演出・主宰をつとめるプロデュースユニット。日常に普遍的に存在しているちいさな絶望や、どんな壮絶な状況でも変わることのない人間の些細なあり方、生き方を笑い飛ばしながらすくい取る、リリカルでクールな作風が特徴だ。2005年、早稲田大学にて自ら旗揚げし、大学内外より高い評価を得て以降、全ての主宰公演で高羽が脚本・演出をつとめている。舞台脚本以外にもアニメ・ドラマ・小説・ゲームなど執筆の場は多岐にわたり、タカハ劇団第12回公演『嘘より、甘い』(2016年)では主演の佐藤誓が紀伊國屋演劇賞を受賞するなど、話題を集めている。高羽彩今作は、1908年のドイツへタイムスリップした現代の日本の美大生が、芸術家を目指す若かりし頃のアドルフ・ヒトラーと出会うストーリー。ヒトラーを画家にして過去を変えるべきか否か葛藤する学生の姿を描き、世間における芸術の価値や、才能の有無の残酷さを抉り出す痛快な社会派劇となる。【あらすじ】進路に悩む美大生、僚太、朝利、板垣。三人はひょんなことから、1908年のウィーンにタイムスリップしてしまう。そこで彼らが出会ったのは、ウィーン美術アカデミーの受験を控えた青年、アドルフ・ヒトラー。彼らは未来を変えるため、ヒトラーの受験をサポートすることに。けれどヒトラーにはまったく絵の才能がなくて――果たして三人は、ヒトラーを独裁者でなく画家にすることができるのか?!人類の未来をかけた絵画レッスンが始まる。【高羽彩コメント】2022年の7月、『ヒトラーを画家にする話』は関係者にコロナ陽性者が確認されたことを理由に開幕直前に全公演中止となりました。整然と立つ空っぽの舞台美術。人類滅亡後の遺跡を見るような、不思議な美しさを感じたのを覚えています。あれから一年。世界は変わらず激流の只中にあります。主人公たちがタイムスリップした時代はまさに第一次大戦前夜ともいえる時期なのですが、劇中の空気と現在に不気味な符合を感じることも。だからこそ、歴史を変えようと奮闘する主人公たちの物語に共感していただけるのではないでしょうか。出演者たちにとっては実りある一年だったようで、表現者として大いに成長した姿に毎日目を見張っております。一年前にはできなかったことを今でこそ。贅沢な熟成期間を経た作品を、是非劇場でお楽しみください。タカハ劇団『ヒトラーを画家にする話』は2023年9月28日(木)から10月1日(日)まで東京芸術劇場シアターイーストにて上演。なお、2021年『美談殺人』より取り組んでいる視覚・聴覚に対応する鑑賞サポートとして舞台上手話通訳のほか字幕タブレットの貸し出し・事前舞台説明会などは今回も継続して予定。また、25歳以下・高校生以下向けの割引チケットを販売し、若年層の観劇の機会を後押しする。<公演情報>タカハ劇団『ヒトラーを画家にする話』脚本・演出:高羽彩出演:名村辰芳村宗治郎渡邉蒼犬飼直紀川野快晴山﨑光重松文異儀田夏葉砂田桃子結城洋平柿丸美智恵金子清文有馬自由2023年9月28日(木)〜10月1日(日)会場:東京芸術劇場シアターイーストチケット情報公式サイト
2023年09月21日映画『ヒトラーのための虐殺会議』が、2023年1月20日(金)より公開される。ユダヤ人絶滅政策を決定した“史上最悪”の会議映画『ヒトラーのための虐殺会議』は、絶滅収容所へのユダヤ人強制送還の始まりとなった“ヴァンゼー会議”の全貌に迫る映画。実際にヴァンゼー会議に出席していたアドルフ・アイヒマンによって記録された会議の議事録に基づいて作られた作品だ。ヴァンゼー会議は、1942年1月20日正午、ドイツ・ベルリンのヴァンゼー湖畔にある大邸宅にて、ナチス親衛隊と各事務次官が国家保安本部長官のラインハルト・ハイドリヒに招かれ、高官15名と秘書1名によって開催された。議題は「ユダヤ人問題の最終的解決」について。「最終的解決」はヨーロッパにおける1,100万人ものユダヤ人を計画的に駆除する、つまり抹殺することを意味するコード名。移送、強制収容と労働、計画的殺害など様々な方策を誰一人として異論を唱えることなく議決された。ユダヤ人絶滅政策を決定した、史上最悪の会議にかかった時間は、たったの90分だった……。劇中に映し出される会議では、書類を指でなぞって確認するまじめな者もいれば、発言者をじっと見つめる者も。まるでビジネス会議のような風景の中、国家元帥であるゲーリングの言葉を朗々と引用して会議の目的や力関係を明確にするラインハルト・ハイドリヒの、そこはかとない怖さに独特の緊張感が漂う。80年の時を経て明かされる、驚愕の真実に注目だ。フィリップ・ホフマイヤーらが出演国家保安本部長官であった、ラインハルト・ハイドリヒを演じるのは、フィリップ・ホフマイヤー。その他、ヨハネス・アルマイヤー、マキシミリアン・ブリュックナーらが出演する。監督はマッティ・ゲショネック監督は、ドイツ・ポツダム出身で、俳優エルヴィン・ゲショネックの息子である、マッティ・ゲショネックが務める。マッティ・ゲショネックは、日本での『ヒトラーのための虐殺会議』公開に向け、以下のようにコメントを寄せた。「今この映画が日本で上映されることは非常に重要なことだと思います。ご存知の通り、1940年にドイツと日本、イタリアの間で日独伊三国同盟も結ばれています。この映画では、産業的な大量殺戮の経緯を冷静かつ客観的に描いています。これがジェノサイドの事実なのです!かつてあった現在であり、少し前に起きた出来事であり、それがかつての今日だったことを私たちは知るべきなのです!」【詳細】映画『ヒトラーのための虐殺会議』原題:Die Wannseekonferenz英題:THE CONFERENCE公開日:2023年1月20日(金) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、恵比寿ガーデンシネマ ほか監督:マッティ・ゲショネック出演:フィリップ・ホフマイヤー、ヨハネス・アルマイヤー、マキシミリアン・ブリュックナー配給:クロックワークス/G
2023年01月08日高羽彩が脚本・演出・主宰を務めるタカハ劇団による舞台『ヒトラーを画家にする話』が2022年7月20日(水)から東京芸術劇場のシアターイーストで開幕する。進路に悩む美大生、僚太、朝利、板垣の3人がひょんなことから1908年のウィーンにタイムスリップ。そこで彼らが出会ったのは、ウィーン美術アカデミーの受験を控えた青年。アドルフ・ヒトラー。彼らは未来を変えるため、ヒトラーの受験をサポートすることに。しかし、ヒトラーにはまったく絵の才能がない。3人はヒトラーを画家にすることはできるのか?人類の未来をかけた絵画レッスンが始まるーー。僚太役を演じる名村辰は「日本の美大生が1908年のウィーンにタイムスリップして、ヒトラーを画家にする......現実では絶対にできないことですが、とんでもなく面白い設定だなと思いました」と作品の第一印象を語る。一方、アドルフ・ヒトラー役の犬飼直紀は「立場が違う人物がたくさん出てくるのですが、一人の人物をとっても、同時に3つぐらいのことを心配したり考えたりしているんです。高羽さんはこの話を一人で考えて作られたのかと驚きます。難しそうですが、やりがいのある作品だなと思いました」。演じる役について、名村は「画家になりたい僚太は、将来に不安を抱えている役。僕も俳優をやっていて、自分の可能性を信じて、自分に期待をしている反面、3年後、5年後はどうなっているか分からないし、漠然とした不安もある。揺れている人物像が自分自身ともリンクするなと思っています」と話す。犬飼は「ヒトラーは自分が思っていることを正直に言わないで詭弁でカバーしたりする。そこで怒らないだろうというところで怒ったり、過剰に照れを隠そうとしたり通常の人間の感情の動かし方では太刀打ちできない部分に難しさを感じています」。役づくりの過程で、ヒトラーを題材にした映画や本などを下敷きにしている部分もあるが「この脚本から浮かび上がってくるヒトラー像を演じなくてはいけないと思っています。ヒトラーを擁護するつもりはありませんが、ひとりの人間としてのリアルな心理描写ができたら」とも。東京公演は24日まで。その他の出演者は芳村宗治郎、渡邉蒼、川野快晴、山崎光、重松文、異儀田夏葉、砂田桃子、結城洋平、柿丸美智恵、金子清文、有馬自由。取材・文:五月女菜穂
2022年07月15日史実を基に、ホロコーストを生き延びたユダヤ人たちによる驚くべき復讐計画を描いた衝撃のサスペンス『復讐者たち』(原題:PLAN A)が、7月23日(金)より全国公開決定、ポスタービジュアルが解禁された。1945年、敗戦直後のドイツ。ホロコーストを生き延びたユダヤ人マックス(アウグスト・ディール)は収容所で離ればなれになった妻子がナチスに殺された事実を知り、絶望のどん底に突き落とされた。復讐心を煮えたぎらせ、ナチス残党を密かに処刑しているユダヤ旅団と行動を共にすることになったマックスは、より過激な報復活動をしていたユダヤ人組織“ナカム”に参加したことで、“プランA”と呼ばれる計画が進行中であることを知る。それは、ドイツ人600万人を標的にした驚くべき復讐計画だった…。監督のドロン・パズ、ヨアヴ・パズが、“プランA”と呼ばれた復讐計画の生存者への取材を基に脚本を執筆。その真相と組織間の諜報戦、そして衝撃のクライマックスを実にリアルに描き出した。クエンティン・タランティーノ監督作『イングロリアス・バスターズ』でのナチス高官役をはじめ、テレンス・マリック監督作『名もなき生涯』ではヒトラーへの忠誠を拒んだ農夫を演じたことが記憶に新しいアウグスト・ディールが、埋めようのない喪失感と憎しみを内に秘めたマックスを渾身の演技で体現。ヒトラーやナチス・ドイツを扱った映画はこれまでにも数え切れないほど作られてきたが、本作は初めてユダヤ人たちによる大規模な復讐計画にフォーカス。世界が驚愕した知られざる史実を基に、魂揺さぶるサスペンスドラマとして描き出した。この度解禁されたポスタービジュアルも、「絶対に許さない」というキャッチコピーとともに、鋭い眼差しで復讐に燃えるマックスの表情が印象的なものとなっている。『復讐者たち』は7月23日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:復讐者たち 2021年7月23日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国にて公開© 2020 Getaway Pictures GmbH & Jooyaa Film GmbH, UCM United Channels Movies, Phiphen Pictures, cine plus, Bayerischer Rundfunk, Sky, ARTE
2021年05月11日世界的絵本作家ジュディス・カーが少女時代の体験をもとに書いた自伝的小説を映画化した『ヒトラーに盗られたうさぎ』より、思わず胸が締め付けられてしまう本編映像がシネマカフェに到着した。ナチス迫害から逃れるため、家族と共に様々な国へ渡る少女アンナ。到着した映像は、ドイツからスイスへ逃亡し、初めてできた友人・フレネリとのシーン。戦争の状況が刻々と変化する中、アンナら家族はまた次の国へ渡ることとなってしまい、「親友がいっちゃうのは寂しいよ」と言うフレネリに、「亡命者に別れはつきもの」と気丈に振る舞うアンナ。しかし、どうしても寂しさを隠しきれない。そんな少し暗くなってしまった空気を変えるように、フレネリは以前、アンナが教えてくれた側転を披露する。そして、小道や大きな石と、日常を支えてくれた風景やものたちひとつひとつに丁寧に別れの挨拶をする途中、彼女をずっとからかっていた少年とも別れを交わすのだ。そんな大人の都合で振り回される子どもたちだが、状況を受け入れながら、痛みや優しさを飲み込み、徐々に成長していく姿が本作では描かれていく。『ヒトラーに盗られたうさぎ』は11月27日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ヒトラーに盗られたうさぎ 2020年11月よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開©2019SOMMERHAUS FLIMPRODAKTION GMBH/LA SIALA ENTERTAINMENT GMBH / NEXTFILM FILMPRODAKTION GMBH&CO.KG/WARNER BROS.ENTERTAINMENT GMBH
2020年11月21日世界的絵本作家ジュディス・カーの少女時代の体験を基にした自伝的小説を、『名もなきアフリカの地で』のカロリーヌ・リンク監督が映画化した『ヒトラーに盗られたうさぎ』。この度、本作の公開日が11月27日(金)に決定。シーン写真も到着した。ナチス迫害を逃れるため、ドイツからスイス、フランス、そしてイギリスへ――9歳の少女アンナが、貧困や差別などの困難を乗り越えながら、家族との絆を深めていく本作。到着した写真では、言葉も友達もゼロからスタートするという辛い生活の中、出会った当初は言葉が理解できなかった友人と仲良くなってふざけて遊ぶようになったり、ドイツで暮らしている大好きなお手伝いさんと電話で久々に話せることになり、家族で電話口に集まったり。また、落ち着いたと思ったらすぐまた別の国へ船で渡ることになったアンナがしっかり前を見据える様子、ドイツから逃亡する前日に“一つだけ”おもちゃを持って行けることになったアンナが、大好きなピンクのうさぎを手にして悩むシーンなど、過酷な状況でも前を向き、明るく生活を送る瞬間が切り取られている。『ヒトラーに盗られたうさぎ』は11月27日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ヒトラーに盗られたうさぎ 2020年11月よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開©2019SOMMERHAUS FLIMPRODAKTION GMBH/LA SIALA ENTERTAINMENT GMBH / NEXTFILM FILMPRODAKTION GMBH&CO.KG/WARNER BROS.ENTERTAINMENT GMBH
2020年10月21日世界的絵本作家ジュディス・カーの自伝的小説「ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ」を映画化した『ヒトラーに盗られたうさぎ』より、ポスタービジュアルとシーン写真が到着した。1933年、ヒトラーの台頭によってナチスが政権を握る直前にその迫害から逃れるため、家族と共に故郷ドイツを出国。スイス、フランスを経て1936年にイギリスへと渡ったジュディス自身の少女時代の過酷な逃亡生活の体験をもとに、“9歳の少女アンナ”が貧困や差別などの困難を乗り越えながら、家族との絆を深めていく様子を描く。主役のアンナ役は、1000人ものスカウトから見出された新人リーヴァ・クリマロフスキ。どんなに過酷な状況に出会ってもまっすぐに前を向く少女を瑞々しい感性で演じた。今回到着したシーン写真では、どんなときも“うさぎのぬいぐるみ”を手放さなかったアンナの様子や、逃亡先の国で新しいクラスメイトと一緒に授業を受ける様子、家族全員で列車に乗り込むショットなど、第二次大戦前、世界に翻弄されながらもたくましく生き抜く少女の姿が切り取られている。ほかにも、アンナの父は『帰ってきたヒトラー』のオリヴァー・マスッチ、母は『ブレードランナー 2049』のカーラ・ジュリ。アンナとその家族を常に気に掛ける心優しいユリウスおじさんは『ヒトラー ~最期の12日間~』のユストゥス・フォン・ドホナーニ。そして、アンナの兄マックスは『はじめてのおもてなし』に出演したマリヌス・ホーマンが演じている。なお、監督は『名もなきアフリカの地で』で第75回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したカロリーヌ・リンクが務めた。併せて到着したポスタービジュアルは、逃亡生活を始める直前、“持ち物は一つだけ”と母に言われたアンナが、ピンクのうさぎのぬいぐるみを抱きしめて眠りにつく写真が使用されている。『ヒトラーに盗られたうさぎ』は11月、シネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:ヒトラーに盗られたうさぎ 2020年11月よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開©2019SOMMERHAUS FLIMPRODAKTION GMBH/LA SIALA ENTERTAINMENT GMBH / NEXTFILM FILMPRODAKTION GMBH&CO.KG/WARNER BROS.ENTERTAINMENT GMBH
2020年10月06日『シン・レッド・ライン』『ツリー・オブ・ライフ』などの巨匠テレンス・マリック監督最新作となるサーチライト・ピクチャーズ作品『名もなき生涯』。この度、ヒトラーへの忠誠を拒絶し、自らの信念を貫いた主人公フランツの妻役を務めたオーストリア出身の女優ヴァレリー・パフナーのロングインタビュー映像が、シネマカフェに到着した。ヴァレリー・パフナーといえば、『エゴン・シーレ死と乙女』(’17)ではプレイボーイで非情、野心的な画家エゴン・シーレの美のミューズを演じたことで知られ、名作「死と乙女」のモデルとなった女性を体当たりで熱演し、オーストリア映画賞で最優秀女優賞を受賞した。そんなヴァレリーは本作『名もなき生涯』で、第二次世界大戦時のオーストリアに実在した、ヒトラーへの忠誠を拒絶し自らの信念に殉じた農夫フランツ(アウグスト・ディール)の妻、ファニことフランチスカ・シュワニンガーを演じた。山と谷に囲まれた美しい村で農夫として働くフランツのもとにも、やがて召集令状が届くが、彼はヒトラーへの忠誠を誓う署名を頑なに拒み、直ちに収監されてしまうのだ。ヴァレリーは役に惹かれた経緯について、「脚本よりも前に“手紙”が送られてきて、読んでみたら最初の3分の1で涙が出てきました。それから最後まで泣きどおしでした」と語る。“手紙”とは、フランツが収監されている時にファニと交わした実際の書簡のことで、英訳版として出版されているもの。「彼らは最後まで本当に通じ合っていたし、互いに力を与え合っていたんです。ただの農民なのに、あんなにも強い。知識人でもなんでもなくても、心に強い気持ちを持っている。とても感動的な話だと思いました」と明かす。実際のフランチスカが94歳くらいの時のインタビューを見たことがあるそうで、「近所の人が2人のことを語るシーンもあって『本当に愛し合っていた』と言っていました。『愛し合っているのが見て分かる』と。当時の農民にとって、恋愛結婚は珍しいはずです。でも2人はしたんです」。そんな彼女の役作りについて、独特な手法で撮影をすることで知られる監督テレンス・マリックに対し、「テレンスは常に本物の瞬間を追い求めています。だからこそ、出演する女優としては何かをしようとしては絶対にいけない。その瞬間を生きなきゃいけない。それがとても難しい時もあります。ただそこにいて吐き出すしかないのです」とふり返る。時に1テイク28分もの長回しで、即興や想像力が尽きるまで演じることを求められたというが、その撮影法を通じて「キャラクターには幾つもの層があって、1つに絞れるものじゃないことを学びました」とも語った。神の存在すら身近に感じさせる、あまりにも美しい光と風景のなか、愛に満ちた胸を震わす書簡を紐解きながら、人間の真実と尊厳に迫る本作。ひたむきな瞳でナチスに立ち向かった男の妻を、「監督を信頼しているから、安心して手を離せます」と監督に全面的な信頼を寄せながら、スクリーンの中で生きたヴァレリーの姿に注目してみてほしい。『名もなき生涯』は2月21日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:名もなき生涯 2020年2月21日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox
2020年02月08日第72回カンヌ国際映画祭において「人間の内面を豊かに描いた作品」に贈られるエキュメニカル審査員賞を受賞した巨匠テレンス・マリック監督最新作『A Hidden Life』が、邦題『名もなき生涯』として2020年2月21日(金)に公開決定、予告編が解禁となった。カンヌ国際映画祭パルム・ドールや監督賞、ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞するなど、唯一無二の映像体験によって観る者を別次元へと誘う映画監督テレンス・マリックが、46年のキャリアの中で初めて実在の人物を描いた本作。76歳を迎えた巨匠が作家生命をかけ、第2次世界大戦下、ヒトラーへの忠誠を拒絶し自らの信念に殉じた一人の農夫フランツの生涯を、力強く崇高に描き切る。この度解禁となった予告編に映し出されるのは、神の存在を身近に感じさせるような、山と谷に囲まれた村の美しい光と風景。そして、決してナチスドイツには屈せず、あまりに不条理な現実を前にしても、妻や娘への愛と自身の信念を貫き通そうとしたフランツの姿。いま伝えなければと巨匠を駆り立てた、人間の真実と尊厳に迫る彼の姿が魂を揺さぶる映像となっている。『名もなき生涯』は2020年2月21日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年11月01日こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。10連休はいかがお過ごしですか?面白いアートや映画に触れて五感をリフレッシュするのもいいですね!【シネマの時間】第64回は、“ヒトラーの秘宝、闇の美術史” 名画ミステリー映画『ヒトラーVS.ピカソ奪われた名画のゆくえ』をお送りします。アドルフ・ヒトラー(1889年4月20日〜1945年4月30日)が若い頃、画家を志していた逸話はよく知られていますが(ウィーン美術アカデミーを2度受験するが不合格)、政権掌握後も美術に関心の強かったヒトラーは、右腕的存在のゲーリング国家元帥や息のかかった画商を通じて、ユダヤ人富裕層が所有する美術品の略奪に躍起になります。なぜ、ナチス・ドイツは、いやヒトラーは、これほどまでに美術品略奪に執着したのでしょうか?ナチス・ドイツがヨーロッパ各地で略奪した芸術品の総数は約60万点にのぼり、戦後70年以上経った今でも10万点が行方不明と言われます。彼らは、ピカソ、ゴッホ、フェルメール、マティス、ルノワール、ブリューゲル、モネらの傑作に「退廃芸術」の烙印を押し、一方で純粋なアーリア人による写実的で古典主義な作品を擁護。同時に故郷近くのオーストリア・リンツに“総統美術館”を建設する野望を抱きました。本作は、欧米で活躍する歴史家、美術研究家をはじめ、略奪された美術品の相続人や奪還運動に携わる関係者の証言を元に、ヒトラーの思想の背景と略奪された美術品が辿った闇の美術史に迫ります。ちなみにフランスの皇帝ナポレオン(1769年8月15日 〜1821年5月5日)もヨーロッパを制覇する過程で各地の城や邸宅から膨大な数の美術品を略奪したのだとか。それらには、資産価値があり政治的にも権威を高める影響力の大きさを知っていたからでした。「壁を飾るために絵を描くのではない。絵は敵に対する盾にも矛にもなる、戦うための手段だ」―パブロ・ピカソナチスに弾圧され奪われた美術品と、それに関わる人々の数奇な運命に迫る名画ミステリー!ぜひこの機会にお楽しみいただければ幸いです。■映画『ヒトラーVS.ピカソ奪われた名画のゆくえ』あらすじーナチスに弾圧され奪われた美術品とそれに関わる人々の運命を追った名画ミステリー!ナチス・ドイツはふたつの手段で芸術を支配しました。ひとつはピカソ、ゴッホ、ゴーギャン、シャガール、クレーらの傑作に「退廃芸術」の烙印を押しそれらを貶め、一方で、純粋なアーリア人による写実的で古典主義的な作品を擁護。同時に、青年時代に画家志望だったヒトラーは、故郷近くのリンツに“総統美術館”を建設する野望を抱き、右腕的存在のゲーリング国家元帥や息のかかった画商を通じてユダヤ人富裕層が所有する古典美術の名品を次々と没収。オランダ、フランスなど周辺国を占領するとその勢いと大胆さは加速し、かのルーブル美術館やパリ在住のユダヤ人美術収集家から問答無用で憧れの名品や価値ある退廃美術の略奪を繰り返しました。権力は芸術をも支配できると妄信するナチスが行った歴史上最悪の美術品強奪と破壊。今なお続く奪還をめぐる戦いを、歴史家や美術研究家、関係者らの証言をもとに描き、ヒトラーの思想の背景と略奪品が辿った闇の美術史を浮かび上がらせていきます。ヒトラーの秘宝たちが語る知られざる真実とは……?■『グレート・ビューティー追憶のローマ』などで知られるイタリアの名優トニ・セルビッロが案内人!ナチス・ドイツによる美術史上最悪の美術品略奪やそれらのヒトラーの秘宝が辿った知られざる真実を案内するのは、『グレート・ビューティー/追憶のローマ』(14)や『修道士は沈黙する』(18)など、イタリア映画界が誇る名優トニ・セルヴィッロ。監督は、ヴェネチア・ビエンナーレやイタリア国立21世紀美術館などのドキュメンタリーを手掛けた新鋭クラウディオ・ポリが務めています。ベストセラー「怖い絵」シリーズの著者・中野京子が、日本語字幕監修を担当。作中では、約100点にも及ぶ退廃芸術やヒトラーが偏愛した名品が紹介されます。■映画『ヒトラーVS.ピカソ奪われた名画のゆくえ』作品紹介映画『ヒトラーVS.ピカソ奪われた名画のゆくえ』2019年4月19日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー!公式サイト:hitlervspicasso-movie.com原題Hitler contro Picasso e gli altri監督:クラウディオ・ポリ製作総指揮:ベロニカ・ボッタネッリ原案脚本:ディディ・ニョッキ編集:クラウディオ・ポリ音楽:レモ・アンツォビーノ字幕監修:中野京子(作家/『怖い絵シリーズ』)日本語字幕:吉川美奈子製作年:2018年製作国:イタリア・フランス・ドイツ合作配給:クロックワークス、アルバトロス・フィルム上映時間:97分映倫区分:G©︎2018 - 3D Produzioni and Nexo Digital - All rights reserved案内人:トニ・セルヴィッロ(『グレート・ビューティー/追憶のローマ』『修道士は沈黙する』)【シネマの時間】アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美©︎YUMIMOROTO
2019年04月29日ナチスに弾圧され奪われた美術品と、それに関わる人々の運命に迫る名画ミステリー『ヒトラーVS.ピカソ奪われた名画のゆくえ』から、ゴッホの名画がナチス・ドイツによって没収され、売り飛ばされていた衝撃の事実を紹介する本編映像が到着した。ピカソ、ゴッホ、フェルメール、マティス、ムンク、モネ…いまもなお多くの名画たちが行方不明――。1933年から45年にかけて、ナチス・ドイツがヨーロッパ各地で略奪した芸術品の総数は約60万点にのぼり、戦後70年以上経った現在でもなんと10万点が行方不明と言われる。彼らはピカソ、ゴッホ、ゴーギャン、シャガール、クレーらの傑作に“退廃芸術”の烙印を押し、それらを貶め、一方で純粋なアーリア人による写実的で古典主義的な作品を擁護。同時に、ヒトラーは故郷リンツに“総統美術館”設立の野望を抱き、右腕的存在のゲーリング国家元帥と張り合うかのうように、ユダヤ人富裕層やルーブル美術館からも問答無用で美術品の略奪を繰り返したという。フィンセント・ファン・ゴッホの誕生日である3月30日、今回解禁された本編映像では、晩年ゴッホが診察を受けていたパリ・近郊に住む医師ガシェがモデルで、ゴッホが死の1か月余り前に描いたと言われている彼の傑作「医師ガシェの肖像」(1890)が、ナチス・ドイツから堕落とみなされ、ゲーリングの命でフランクフルトの美術館から没収されていた事実を紹介。また、ゴッホの自画像「Self-Portrait Dedicated to Paul Gauguin」もスイスのオークションにかけられていたと説明している。権力は芸術をも支配できると妄信するナチスが行った歴史上最悪の美術品強奪によって、不遇な運命を辿っていた名画たち。本作を観れば、今後、きっと美術鑑賞でも見方が変わってくることだろう。『ヒトラーVS.ピカソ奪われた名画のゆくえ』は4月19日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2019年03月30日©YUMIMOROTOこんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。ファッション店や花屋の店頭では、春の装いや花々が並び始め、春めいてきましたね。読者の皆さまの中には、会社やさまざまな場面でリーダーとして活躍されている方や人生の転機を迎え輝く未来に向けて気持ちを新たにされている方も多いと思います。今回【シネマの時間】にておすすめする映画は、「世界のCEOが選ぶ、最も尊敬するリーダー」(2013年PwCJAPAN調べ)に、スティーブ・ジョブズやガンジーを抑えて選ばれ、今なお世界中の人々に影響を与え続ける伝説の政治家ウィンストン・チャーチルの真実の物語『ウィンストン・チャーチルヒトラーから世界を救った男』です。1940年、第二次世界大戦初期。ナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落間近、イギリスにも侵略の脅威が迫っていました。連合軍がダンケルクの海岸で窮地に追い込まれるなか、ヨーロッパの運命は、新たに就任したばかりの英国首相ウィンストン・チャーチルの手に委ねらます。ヒトラーに屈するのか、闘うのか?最大の国難に直面したその時、いかにして判断し人びとに勇気と希望を与えたのか?政敵に追い詰められながら究極の選択を迫られるのですが、民衆の声なき声に耳を澄ませ首相としての葛藤と苦悩を抱えながら言葉で人々を奮い立たせたウィンストン・チャーチル。のちにノーベル文学賞を受賞した”言葉の魔術師”ウィンストン・チャーチルが、約4分間にも渡る演説を披露するラストシーンは圧巻で、名優ゲイリー・オールドマンが彼になりきりその魅力を余すところなく演じており話題です。見事、第90回アカデミー賞主演男優賞受賞!第75回ゴールデン・グローブ賞主演男優賞(ゲイリー・オールドマン)受賞!「英国一型破りな男が、歴史を変えた」実話を基にチャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの知られざる27日間を描く、感動の歴史エンターテインメントをどうぞお楽しみください!■映画『ウィンストン・チャーチルヒトラーから世界を救った男』 あらすじーー英元首相ウィンストン・チャーチルの歴史的決断描く伝記映画!1940年5月、第二次世界大戦初期。ヒトラー率いるナチス・ドイツの勢力が拡大し、北欧諸国を制圧、フランスは陥落間近となり、イギリスにも侵略の脅威が迫っていました。内閣不信任決議が出されたチェンバレン首相の後任として、連立政府を組閣できる強いリーダーを求めて外相のハリファックスが最適任者だという声があがるが、本人はこれを固辞。そこで、国民からの人気は高いが、たび重なる失策から政党内の “嫌われ者”であったウィンストン・チャーチルに白羽の矢が立つことになったのです。朝から酒をたしなむ(朝食にスコッチ、昼食にシャンパン1本、夕食にも1本。夜はブランデーにボートワインとお酒が好きだった)変わり者のチャーチルを叱咤激励する愛妻のクレメンティーン。気難しくもウィットとユーモアに富んだチャーチルの言葉をタイピングする秘書エリザベス。周りの人々のサポートを受けながら、国難に陥ったイギリスの新首相に就任したチャーチルは、ドイツとの和平交渉を進めます。政敵チェンバレンやハリファックスらに陰口を叩かれながらも、「ヒトラーには決して屈しない。我々はどんな犠牲を払っても国を守るべきだ」と徹底抗戦を誓うのです。そんななか、ドイツ軍に追い込まれた英国軍は、フランス・ダンケルクの海岸まで撤退し孤立状態となっていました。30万人もの兵士が包囲され、救出するすべがありません。ならば彼ら兵士を救うべく大型船はもちろん、ボートや小型船など民間の船もすべて召集して 船をダンケルクへ向かわせよう。地図を凝視しながらチャーチルは作戦を思いつきます。「兵士たちを故郷に戻さねば」こうしてダイナモ作戦が実行されました。日に日にナチス・ドイツの勢いは増す一方で、英国にも上陸の危機が迫ります。ヒトラーに屈するのか、それとも戦うのか。ヨーロッパのみならず世界の運命がチャーチルの手に委ねらました。日々悩み、葛藤するチャーチル。そんな彼の姿に、就任当初はチャーチルに対して懐疑的だった英国王ジョージ6世も心を開き、ふたりは絆を育み真の友となります。「私は君を支持する。君の首相就任を誰よりも恐れたのはヒトラーだ。あのケダモノを怯えさせる男を私は信頼する。戦おう」また「党の信任がなければ戦えない」というチャーチルに、国王は街に出て国民の声を聞くことを勧めます。そしてついに、英国は歴史的決断の瞬間を迎えるのでした……!■最高のキャスト、スタッフ陣と共に再現した”歴史を変えた27日間”メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した現代美術家・特殊メーキャップアーティストの辻一弘 氏ウィンストン・チャーチルを演じるのは、『裏切りのサーカス」『レオン』など多くのハリウッド大作で活躍、俳優仲間からも尊敬を集める名優ゲイリー・オールドマン。本作では、姿形、声、話し方に加え、まとう空気までもチャーチルになりきった抜群の演技力で、第75回ゴールデン・グローブ賞主演男優賞受賞に輝き、見事念願の第90回アカデミー賞主演男優賞受賞も成し遂げました。チャーチルを支える妻クレメンティーンには、『イングリッシュ・ペイシェント』のクリスティン・スコット・トーマス。そのほか秘書エリザベス役に『シンデレラ』『ベイビー・ドライバー』のリリー・ジェームズ、英国王ジョージ6世に『ローグ・ワンスター・ウォーズ・ストーリー』のベン・メンデルソーンが扮するなど、演技派たちが脇を固め見事なアンサンブルを奏でており見どころです。監督は、『プライドと偏見』『つぐない』が高く評価されたジョー・ライト。脚本は、『博士と彼女のセオリー』のアンソニー・マクカーテンが手がけ、現存する膨大な史料を基に、チャーチルの知られざる人間的魅力を描いています。また、アカデミー賞に2度ノミネートされながらも、2012年に現代美術家に転向してハリウッドから引退していた日本人の辻一弘が、ゲイリー・オールドマン直々のオファーにより数年ぶりに特殊メーキャップアーティストとして参加し、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を初受賞。オールドマンの演技力もさることながら、合計200時間以上もかけて作り上げられた“変身”ぶりに注目です!■心に響くウィンストン・チャーチルの名言「夢を捨てるとき、この世は存在しなくなる」「成功とは、失敗に失敗を重ねても、情熱を失わない能力のことだ」「行動することは少しも恐れはしない。恐れるのは、ただ無為に時を過ごすことだけだ」「私が感と信念に基づいて行動している限り、いくら悪口を言われようと何ともない」「力や知性ではなく、地道な努力こそが能力を解き放つ鍵である」「私は楽観主義者だ。それ以外のものであることは、あまり役に立たないようだ」「いらぬ取り越し苦労をするよりも、前もって考えたり計画するほうが大事だ」「悲観主義者はあらゆる機会の中に問題を見いだす。楽観主義者はあらゆる問題の中に機会を見出す」「誠実でなければ、人を動かすことはできない。人を感動させるには自分が心の底から感動しなければならない。自分が涙を流さなければ人の涙を誘うことはできない。自分が信じなければ、人を信じさせることはできない」「変転する状況のただ中で、ひとりの人間が終始一貫性を保つただひとつの可能性は、すべてを支配する不変の目標に忠実でありながら、状況に応じて変化することにある」■映画『ウィンストン・チャーチルヒトラーから世界を救った男』作品紹介2018年3月30日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー!公式サイト:原題・英題:Darkest Hour監督:ジョー・ライト脚本・製作:アンソニー・マッカーテンプロデューサー:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、リサ・ブルース、ダグラス・アーバンスキー撮影:ブリュノ・デルボネル美術:サラ・グリーンウッド衣装:ジャクリーン・デュラン編集:バレリオ・ボネッリ音楽:ダリオ・マリアネッリ特殊:メイク/ヘア&メイクデザイン(ゲイリー・オールドマン)辻一弘制作年:2017年制作国:イギリス上映時間:125分/カラー/ビスタユニバーサル作品配給:ビターズ・エンド/パルコ©2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.■映画『ウィンストン・チャーチルヒトラーから世界を救った男』 キャストゲイリー・オールドマン=ウィンストン・チャーチルクリスティン・スコット・トーマス=クレメンティーン・チャーチルリリー・ジェームズ=エリザベス・レイトンスティーブン・ディレイン=ハリファックス子爵ロナルド・ピックアップ=ネビル・チェンバレンベン・メンデルソーン=国王ジョージ6世絵・文=諸戸佑美(アートディレクター・編集ライター・イラストレーター)
2018年03月07日映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』が、2018年3月30日(金)に全国で公開。トロント国際映画祭で絶賛を集め、アカデミー賞では主演男優賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。名優ゲイリー・オールドマンがチャーチルに主演は、クリストファー・ノーランによるバットマンシリーズでもお馴染みの、名優ゲイリー・オールドマンだ。ストーリーは、実話を元にしており、チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの知られざる4週間を描いていく。ノーラン監督の映画『ダンケルク』とセットで見るとより楽しめるかもしれない。ゲイリー・オールドマンは、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』での演技が認められ、ゴールデン・グローブ賞のドラマ部門の主演男優賞を受賞し、次のようにコメントした。「ウィンストン・チャーチルは"自分の好みはとても簡単だ。最高のものさえあててくれれば満足する"と言いましたが、クリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームズ、ベン・メンデルソーンをはじめ、私は最高な人々に囲まれました。素晴らしいメイクアップチームにも感謝します。あなたの芸術は誰にも真似するができません」なお、ゲイリー・オールドマンは、アカデミーで主演男優賞を受賞した。30年以上にわたってハリウッドの一線で活躍し名優と言われてきたが、アカデミー賞の受賞は初めてとなった。アカデミー賞では6部門にノミネート第90回アカデミー賞では、ゲーリー・オールドマンの主演男優賞、メイクアップ賞、作品賞、美術賞、撮影賞と計6部門にノミネートされ、主演男優賞、メイクアップ賞を受賞した。チャーチルそっくりの特殊メイク - 立役者は辻一弘『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』では、ゲーリー・オールドマンが、特殊メイクでチャーチル首相に変身。本人そっくりに見えると話題になっている。特殊メイクでチャーチル首相に変身させたのは辻一弘だ。彼は、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『メン・イン・ブラック』などの人気作品のメイクを手掛けてきたほか、アダム・サンドラーの『もしも昨日が選べたら』、エディ・マーフィーの『マッド・ファット・ワイフ』ではアカデミー賞にノミネートされている特殊メイクの実力者。なお、本作では、3度目のノミネートにして初めて、アカデミーメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。メイクアップ賞を受賞したのは日本人初のこと。脇を固める豪華キャストチャーチルを支える妻クレメンティーンはクリスティン・スコット・トーマス。『イングリッシュ・ペイシェント』『フォー・ウェディング』が代表作で、演技派女優だ。秘書エリザベス役は、『ベイビー・ドライバー』『シンデレラ』と話題作に出続けるリリー・ジェームズ。国王ジョージ6世にベン・メンデルスゾーン(『名もなき塀の中の王』)を配役。監督はジョー・ライト監督は、若くして手掛けたした『プライドと偏見』で一躍脚光を浴びその後、『つぐない』『アンナ・カレーニナ』などでメガホンをとったイギリスの秀才ジョー・ライト。脚本は、『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞候補となったアンソニー・マクカーテンが担当した。あらすじ第二次世界大戦の初期。ナチスドイツの勢力は拡大し、フランスは陥落するのではないかという状況になっていた。イギリスにも侵略の脅威が徐々に迫る。連合軍がダンケルクの海岸で窮地に追い込まれる中、ヨーロッパの運命は新たに就任したばかりのイギリス首相のウィンストン・チャーチルの手にゆだねられた。ヒトラーとの和平交渉か、あるいは徹底抗戦か?この時、チャーチルは究極の選択を迫られる。議会の嫌われものだったチャーチルは、どう選択したのか?いかに世界の歴史を変えたのか?作品詳細『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』公開日:2018年3月30日(金)原題:Darkest Hour監督:ジョー・ライト出演:ゲイリー・オールドマン、クリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームズ、スティーヴン・ディレイン、ロナルド・ピックアップ、ベン・メンデルソーン2017年/イギリス/125分配給:ビターズ・エンド/パルコ(C)2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
2017年12月03日映画『ヒトラーに屈しなかった国王』が2017年12月16日(土)に公開される。本作は1940年の第二次大戦中、ナチス・ドイツに最後まで抵抗し続けたノルウェー国王・ホーコン7世の実話を描いたドラマ。歴史に残る重大な決断を下すまでの“運命の3日間”にスポットライトを当てる。本国ノルウェーでは、国民の7人に1人が鑑賞するという社会現象的大ヒットを記録した作品。8月19日(土)に発表されたノルウェー・アマンダ賞では、作品賞・助演男優賞含む8部門を受賞した。実在した主人公のホーコン7世を演じきったのは、「007」シリーズのミスター・ホワイト役で知られるイェスパー・クリステンセン。彼は今回プロデューサーとしてもクレジットされている。また息子のオーラヴは「コン・ティキ」のアンドレス・バースモ・クリスティアンセン、ノルウェーに降伏を迫るドイツ公使は「ヒトラーの贋札」のカール・マルコヴィクスが演じる。メガホンを握るのは「おやすみなさいを言いたくて」のエリック・ポッペだ。■ストーリー1940年4月9日、ナチス・ドイツ軍がノルウェーの首都オスロに侵攻。ドイツ軍の攻撃に交戦するノルウェー軍だったが、圧倒的な軍事力によって、主要な都市は相次いで占領される。降伏を求めてくるドイツ軍に対しノルウェー政府はそれを拒否し、ノルウェー国王のホーコン7世は、政府閣僚とともにオスロを離れる。一方、ドイツ公使は再度の降伏要求のため、ノルウェー政府に国王との謁見の場を設けることをつきつける。翌日、ドイツ公使と対峙した国王は、ナチスに従うか、国を離れて抵抗を続けるか、家族のため、国民のため、国の運命を左右する究極の選択を迫られるー。【詳細】『ヒトラーに屈しなかった国王』公開日:2017年12月16日(土) シネスッチ銀座ほか全国順次公開出演:イェスパー・クリステンセン、アンドレス・バースモ・クリスティアンセン、カール・マルコヴィクス監督:エリック・ポッペ製作:ピーター・ガーデン(C)2016 Paradox/Nordisk Film Production/Film Väst/Zentropa Sweden/Copenhagen Film Fund/Newgrange Pictures
2017年07月13日ひとり息子を亡くした夫妻が、ペンと葉書だけを武器にヒトラー政権に抵抗していった驚くべき実話を映画化した『ヒトラーへの285枚の葉書』。このほど、妻アンナを演じたイギリス出身のアカデミー賞女優エマ・トンプソン、夫オットーを演じたアイルランド出身の名優ブレンダン・グリーソンのインタビュー動画がシネマカフェに到着した。フランスがドイツに降伏した1940年6月、ベルリンのアパートで暮らすオットーとアンナのクヴァンゲル夫妻のもとに1通の封書が届く。それは最愛のひとり息子ハンスが戦死したという残酷な知らせだった。心のよりどころを失った夫婦は悲しみのどん底に沈むが、ペンを握り締めたオットーは、「総統は私の息子を殺した。あなたの息子も殺されるだろう」とヒトラーへの怒りをポストカードに記し、アンナとともにそれを街中にこっそりと置く、というささやかな活動を繰り返すようになる。だが、ゲシュタポのエッシェリヒ警部(ダニエル・ブリュール)の捜査がクヴァンゲル夫妻に迫り…。600ページを越す大著をわずか4週間足らずで書き上げたという、ハンス・ファラダによる原作「ベルリンに一人死す」をもとに、ナチスドイツの“恐怖政治”に抵抗した実在の労働者夫婦を描いた本作。息子を戦争で亡くした母親アンナを熱演したのは、『ハワーズ・エンド』(’92)でアカデミー賞主演女優賞、『いつか晴れた日に』(’95)ではアカデミー賞脚色賞受賞と2度のオスカーに輝き、『ハリー・ポッター』シリーズのトレローニー教授や『美女と野獣』のポット夫人役でも知られるエマ・トンプソン。イギリスの名門ケンブリッジ大学で学んだ知性派の彼女は、最愛の息子を失ったことで戦争に疑問を抱く労働者階級の母親を演じた本作について、市民が互いに監視しあい、行動を密告することが推奨され、普通の人間として振る舞うことが難しかった時代に、夫婦が純粋に行動した姿に感動したと熱く語る。「私は高等教育を受けることができ、知識を得ることで自信を持つことができたが、恵まれない境遇で狭い世界で生きてきたアンナが生きる目的をみつけ、自発的になっていくことが素晴らしい」と、アンナの思いにも寄り添った。さらに、「(夫役の)ブレンダン・グリーソンとの関係構築を主導してくれた」のはヴァンサン・ペレーズ監督だったそうで、「夫婦の物語の真実を描いている」と絶賛を贈っている。また、オットーを演じたのは、同じく『ハリー・ポッター』シリーズのマッドアイ・ムーディ役として世界中の子どもたちの人気者でもあり、最近では『未来を花束にして』でキャリー・マリガン演じる主人公モードと密接に関わる警部役が印象深い名優ブレンダン・グリーソン。私生活では、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』などのハリウッド大作から『ブルックリン』『エクス・マキナ』などの個性的な作品で活躍している俳優ドーナル・グリーソンの実父としても知られている。グリーソンは、「エマ・トンプソンと共演できるまたとない機会だ」とその共演を喜び、本作を「息子の死で打撃を受けて消えかけた夫婦の愛情が再び燃え上がる美しい物語」と分析。物語のモデルとなった夫妻が残した実際の葉書も目にしたそうで、原作の名著が生まれるまでの経緯にも触れながら、「残された写真を見るとなんだか鳥肌が立つよ」と明かしている。『ヒトラーへの285枚の葉書』は7月8日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ヒトラーへの285枚の葉書 2017年7月8日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開(C) X Filme Creative Pool GmbH / Master Movies / Alone in Berlin Ltd / Pathé Production / Buffalo Films 2016
2017年07月03日エマ・トンプソンとブレンダン・グリーソンというベテランの英国俳優2人が、ペンでナチス政権に抵抗した実在の労働者夫婦を演じる『ヒトラーへの285枚の葉書』。本作で、夫婦を追い詰めるナチス・ドイツの秘密警察(ゲシュタポ)の警部を熱演する、ダニエル・ブリュールのインタビュー映像がシネマカフェに到着した。フランスがドイツに降伏した1940年6月、ベルリンに暮らすオットー(ブレンダン・グリーソン)とアンナ(エマ・トンプソン)のクヴァンゲル夫妻のもとに1通の封書が届く。それは最愛のひとり息子ハンスが戦死したという残酷な知らせだった。心のよりどころを失った夫婦は悲しみのどん底に沈むが、ペンを握り締めたオットーは「総統は私の息子を殺した。あなたの息子も殺されるだろう」とポストカードに記し、アンナとともにそれを街中にこっそりと置く、というささやかな活動を繰り返すようになる。だが、それを嗅ぎつけたエッシェリヒ警部(ダニエル・ブリュール)の捜査がクヴァンゲル夫妻に迫りつつあった――。父親がドイツ人、母親がスペイン人で、ドイツ・ケルンで育ちというブリュール。本作で演じたエッシェリヒ警部は、「昔気質の刑事で 真面目で博識の知的な男だ」と説明する。「(彼は)ナチスの賛同者ではなかったが、事件解決が難航し、圧力をかけられ恐怖心から自分の信念や価値観を捨て去ってしまう。彼の存在は当時のドイツの典型的な市民の姿だ」。そんな警部を演じるにあたり、「ナチスとのわが闘争―あるドイツ人の回想:1914~1933」(セバスチャン・ハフナー著)を参考にしたと明かすブリュール。彼が10代のとき、介護施設でボランティアをしていた際、当時のことを年配者に尋ねるとみな、異口同音に「知らなかった」「従うしかなかった」と答えていたそうだが、「本を読むと、当時の人も知る手段があったし、どのように変化していったかが克明に記されていて興味深い」「少数だが 抵抗運動をした勇敢な市民もいた」と語っている。また、共演したエマについては「あまりの素晴らしさに圧倒されたよ」と大絶賛、ブレンダンとは「毎日、脚本やシーンについて議論した」ことを明かすブリュール。ヴァンサン・ペレーズ監督についても、「この映画について熟知しており、素晴らしい経験だった。この作品に出られたことを誇りに思う」と、言葉に力を込めている。『ヒトラーへの285枚の葉書』は7月8日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年05月28日イギリスを代表する名優、エマ・トンプソンとブレンダン・グリーソンの2人が、ナチス政権に抵抗した平凡な労働者夫婦を演じる『ヒトラーへの285枚の葉書』。この度、本作の緊迫感あふれる予告編が到着した。フランスがドイツに降伏した1940年6月、ベルリンの古めかしいアパートで暮らすオットー(ブレンダン・グリーソン)とアンナ(エマ・トンプソン)のクヴァンゲル夫妻のもとに、一通の封書が届く。それは最愛のひとり息子ハンスが戦死したという残酷な知らせだった…。心のよりどころを失った夫婦は悲しみのどん底に沈むが、ペンを握り締めたオットーは「総統は私の息子を殺した。あなたの息子も殺されるだろう」とヒトラーへの怒りをポストカードに記し、アンナとともにそれを街中にこっそりと置くというささやかな活動を繰り返すようになる。だが、それを嗅ぎ付けたゲシュタポのエッシェリヒ警部(ダニエル・ブリュール)の猛捜査が、クヴァンゲル夫妻に迫りつつあった――。出演は、エマとブレンダンがヒトラー政権に挑んだ平凡な夫婦役を演じるほか、追い詰める秘密国家警察(ゲシュタポ)の警部をダニエル・ブリュール。そのほか、ミカエル・パーシュブラント、モニーク・ショメットらが参加。そして、監督は『インドシナ』『王妃マルゴ』に出演したフランス映画界きってのフェロモン俳優だったヴァンサン・ペレーズが務める。原作は、600ページを越す大著をわずか4週間足らずで書き上げた、ハンス・ファラダの集大成とも言うべき著書「ベルリンに一人死す」。本書がドイツで出版されたのは戦後すぐの1947年だが、ペレーズ監督は、2007年にフランス語版が出版された際に初めて読み、その内容に感動し映画化を試みるが資金繰りに難航。その後2010年にアメリカ、イギリスで英語版が発売されるやベストセラーとなり状況が好転し、英語での映画製作が進み始めたのだ。このほど到着した予告編では、「真実を書いてる、人に読ませたい」という夫・オットーが、“自分を信じろ ヒトラーを信じるな”と記したカードを、妻・アンナと共に街中にこっそりと置くというささやかな活動が映し出される。ヒトラー政権時代の不穏な空気の中、戦争、政府に異議を唱えることがどれだけ危険な行為だったのかを想像させる緊迫感あふれるサスペンスタッチから、お互いへの愛情と敬意を再確認する切ない夫婦愛のドラマも盛り込まれ、思わず引き込まれてしまう映像となっている。『ヒトラーへの285枚の葉書』は7月8日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年05月16日『美女と野獣』のエマ・トンプソンと、『未来を花束にして』のブレンダン・グリーソンが、ペンと葉書だけを武器にヒトラー政権に抵抗した実在の夫婦を演じる『ヒトラーへの285枚の葉書』。このほど、その夫婦をとらえたポスタービジュアルが解禁、さらに彼らを追い詰める秘密国家警察(ゲシュタポ)の警部を演じた、ドイツを代表する実力派イケメン俳優ダニエル・ブリュールの場面写真も解禁となった。フランスがドイツに降伏した1940年6月、ベルリンの古めかしいアパートで暮らすオットー(ブレンダン・グリーソン)とアンナ(エマ・トンプソン)のクヴァンゲル夫妻のもとに1通の封書が届く。それは最愛のひとり息子ハンスが戦死したという残酷な知らせだった。心のよりどころを失った夫婦は悲しみのどん底に沈むが、ペンを握り締めたオットーは「総統は私の息子を殺した。あなたの息子も殺されるだろう」とヒトラーへの怒りをポストカードに記し、アンナとともにそれを街中にこっそりと置く、というささやかな活動を繰り返すようになる。だが、それをかぎつけたゲシュタポのエッシェリヒ警部(ダニエル・ブリュール)の捜査が夫婦に迫りつつあった――。イギリスを代表する名優2人が、ナチス政権に抵抗した平凡な労働者夫婦を演じる本作。監督を務めるのは、『インドシナ』(’92)で大女優カトリーヌ・ドヌーヴ、『王妃マルゴ』(’94)ではイザベル・アジャーニの相手役を務め、カルラ・ブルーニ(サルコジ前仏大統領の妻)らと浮名を流した90年代フランス映画界きってのフェロモン俳優、ヴァンサン・ペレーズ。フランスの美男俳優として知られたペレーズ監督の長編3作目となる。原作は、ドイツの小説家ハンス・ファラダが、わずか4週間足らずで書き上げたという600ページを越す大著「ベルリンに一人死す」。ドイツでは戦後すぐの1947年に出版されたが、ペレーズ監督は2007年に出版されたフランス語版で初めて読み、その内容に感銘を受けた。やがて映画化へと動き出すが、資金繰りに難航。その後、2010年にアメリカ、イギリスで英語版が発売されるやベストセラーとなり、状況が好転し、英語での映画製作が進みはじめる。本作が英語映画になったことに対し、ペレーズ監督は「どこの国、いつの時代でも極端な人間が急に現れる可能性がある、大切なのは、あらゆる場所に住む人たちにこの話を伝えることだ。そして、誰でも闘うことができる、そして闘うには勇気が必要になると示すことが大切だった。だったら、英語の作品にするほうがよいだろうと感じた。そうすることでみんなの計画が進むし、この話はいろいろな人に知ってもらうべきだからね」と、前向きな姿勢を語る。しかも、母親がドイツ人であるペレーズ監督は本作の製作過程で、本作の主人公クヴァンゲル夫妻との共通点を知ることになった。クヴァンゲル夫妻は、まだ若いひとり息子をロシア戦線で失ったことで、戦争とヒトラーの政策に疑問を持ち、葉書にメッセージを書いて世間の人々へと訴え始める。ペレーズ監督の叔父も、同じくロシア戦線で当時17歳で亡くなったという。そして、もう1人の叔父は戦時中、精神病院に収容されており、後にガス室に送られて亡くなったそうだ。また、監督の父親はスペイン人であり、祖父は25歳のときに、右翼政党党員に射殺されている。それらのことが重なり、本作の映画製作に使命を感じた監督は、長い年月をかけ完成を実現させた。さらに注目は、『グッバイ、レーニン!』で一躍注目され、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』などハリウッド作品にも出演しているドイツの美男俳優ダニエル・ブリュールの出演だ。ブリュールが演じるのは、夫妻を追い詰めていく頭脳明晰なエッシェリヒ警部役。彼は父親がドイツ人、母親がスペイン人でバルセロナ生まれだが、生後すぐに移ったドイツのケルンで育っている。『イングロリアス・バスターズ』ではナチスの兵士を演じていたブリュールは、本作でも渾身の演技で魅せてくれそうだ。『ヒトラーへの285枚の葉書』は7月8日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年04月04日笑うに笑えない“危険な笑い”で世界中を沸かした、“超問題アリ”のベストセラーの映画化『帰ってきたヒトラー』。6月17日(金)に迫った本作の公開に先駆け、現代にやってきたヒトラーがテーブルマナーの講師に悩みを打ち明けるという、何ともかわいらしい(?)本編映像が解禁となった。原作は、誰もが知る歴史上の“絶対悪”ヒトラーが現代に甦り、モノマネ芸人と誤解されて引っ張り出されたテレビの世界で大スターになるという大胆不敵な小説。2012年にドイツで発売されるや、絶賛と非難の爆風をくぐり抜け、国内で250万部を突破、世界42か国で翻訳出版され、ここ日本でも累計17万部を超える売り上げを記録している。主役を演じるのは、リアリティを追求するために選ばれた無名の実力派舞台俳優オリヴァー・マスッチ。ヒトラーに扮した彼がドイツの街に飛び込み、実在の政治家や有名人、果てはネオナチと顔を合わせるというアドリブまで盛り込んだセンセーショナルな展開と、原作とは違う予測不能な結末は、本国でも一大ブームを巻き起こした。そんな本作から届いたのは、“そっくり”なオリヴァー・マスッチ演じるヒトラーが、自身のお悩みを打ち明ける場面の本編映像。「現代のドイツ人が私に敬礼をしてくれない」というヒトラーのお悩みに、「なぜ僕が?」と言わんばかりのたどたどしさでマナー講師は対応する。また、つい熱くなって講師の顔に唾を飛ばしてしまったヒトラーが、講師の顔を拭いてあげようとする様は、あの絶対的悪の象徴である姿からは想像もできないほど愛らしい…?本作はフィクションとドキュメンタリーを融合させたセンセーショナルな展開が見どころとなっているが、この映像はドキュメンタリー部分なのか、はたまた台本通りなのか…。思わずクスッと笑わされてしまうところが危険すぎる(?)ヒトラーの“策略”を、まずはこちらからご覧あれ。『帰ってきたヒトラー』は6月17日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月15日ヒトラ―を怒らせた最強の陸上選手、ジェシー・オーエンスを描いた勇気の実話「RACE」(原題)。この度、本作の邦題を『栄光のランナー/1936ベルリン』とし、今夏、日本でも公開されることが決定。併せて特報映像も到着した。1936年、のちの「ヒトラーのオリンピック」とも呼ばれたベルリンオリンピック。ナチス独裁政権のもと開催されたこの大会で、ヒトラーを怒らせ、歴史に名を残した陸上競技選手がいた。その名はジェシー・オーエンス。史上初の四冠を達成した彼の輝かしい活躍は、80年後の今でも多くの人に影響を与え、オリンピックの英雄のひとりとして語り継がれている。本作は、アメリカ国内の人種差別の歴史やヒトラー政権による抑圧を打ち砕くオーエンスの勇気と決意と忍耐、そして、彼を厳しくも心から支え続けた名コーチや仲間との友情、家族の絆を描いた感動の物語。監督には、『プレデター2』や「24 -TWENTY FOUR-」第1シーズンなどを手掛けるスティーヴン・ホプキンスが務めた。伝説のジェシーを演じるのは、『グローリー/明日への行進』で公民権運動の活動家ジョン・ルイスを演じたステファン・ジェームス。そして、オーエンスのコーチのラリー・スナイダー役には、『モンスター上司』のジェイソン・サダイキス。そのほか、オリンピック参加への鍵を握るUSOC(アメリカオリンピック委員会)の委員役に、オスカー俳優のジェレミー・アイアンズとウィリアム・ハートが脇を固めている。このほど公開された特報には、人種や政治、様々な問題が渦巻く中、オリンピックに人生を賭けた一人のアスリートの熱い人生が映し出されている。未だに多くのものに分け隔てがある現代にも通ずる、ジェシーの闘いの物語を垣間見ることができる映像となっている。ベルリンオリンピックでヒトラーの鼻を明かし、歴史を変えた“四冠メダリスト”ジェシー・オーエンスの勇気の実話を描く本作は、リオデジャネイロオリンピックが開幕するこの夏、大注目の1本となりそう。『栄光のランナー/1936ベルリン』は2016年夏、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年05月11日あの世界一有名な独裁者ヒトラーが現代に甦り、“モノマネ芸人”と誤解されてテレビの世界で大スターになる…という大胆不敵なベストセラー小説を原作にした映画『帰ってきたヒトラー』が、6月より全国公開されることが決定。ドイツではディズニー/ピクサーの『インサイド・ヘッド』を抑えて第1位を獲得した本作からポスタービジュアルも解禁となり、まさに“そっくり”な主演俳優オリヴァー・マスッチが来日することも明らかとなった。リストラされたテレビマンに発掘され、彼の復帰の足がかりにテレビ出演させられた男は、長い沈黙の後、とんでもない演説を繰り出し、視聴者のド肝を抜く。自信に満ちた演説は、かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸として評価を集め、その過激な毒演はユーモラスで真理をついていると話題になり、やがて大衆の心を掴み始める。しかし、誰もがその男の“真実”に気づいていなかった。彼が70年前からタイムスリップしてきた“ホンモノ”であり、天才的な扇動者(アジテーター)である彼にとって、現代のネット社会は願ってもない環境であることを…。2012年にドイツで発売されるや、絶賛と非難の爆風をくぐり抜け、国内で200万部を売り上げ、世界41か国で翻訳。権威ある「タイムズ」のベストセラーリストでも堂々NO.1に輝いた問題小説が、まさかの映画化!第二次世界大戦から70年。全てが変わった現代社会で、あのころと変わらぬ思想とともに生きる男が繰り出すギャップに爆笑し、誰よりも愛国心に富んだまっすぐな情熱に惹かれてしまい、正気と狂気の一線を見失う現代の民衆の危険さを、本作はモラルと背徳の間ギリギリのユーモアで描き出していく。主人公を演じるのは、リアリティを追求するために選ばれた無名の実力派舞台俳優オリヴァー・マスッチ。ヒトラーに扮した彼が街に飛び込み、実在の政治家や有名人、果てはネオナチと顔を合わせるというアドリブシーンを盛り込んだセンセーショナルな展開と、原作とは異なる予測不能な結末は、本国では『インサイド・ヘッド』越えで第1位を記録するなど、一大ブームを巻き起こした。今回解禁されたポスターは、トレードマークの大きな七三ヘアと、そのすぐ横に立つヒトラーを見比べれば、思わずクスッとしてしまい、チョビヒゲスペースに置かれた「笑うな危険」の文字にもブラックなユーモアが利いているビジュアルとなっている。「21世紀の諸君、お待たせしました。」というヒトラーから私たちへのメッセージにも、ドキリとすること間違いなし。しかも、このヒトラーことオリヴァー・マスッチが日本にやってくるのだから、街角で遭遇することもあるかもしれない!?『帰ってきたヒトラー』は6月よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月22日戦後70年の今年、ドイツ国家が封印した真実に迫る衝撃の実話『ヒトラー暗殺、13分の誤算』が、ついに日本でも公開となった。このほど、ヒトラー暗殺まであと1歩に迫ったごく普通の男、主人公のゲオルク・エルザーが暗殺を企てた理由が垣間見られる緊張感あふれる本編シーンと共に、演じたクリスティアン・フリーデルの貴重なインタビューが到着した。1939年11月8日、ミュンヘンのビアホールで恒例の記念演説を行っていたヒトラーは、いつもより早く切り上げた。その直後、ホールに仕掛けられていた時限爆弾が爆発、ヒトラーが退席してから、わずか13分後のことだった。その日のヒトラーの予定を徹底的に調べあげた計画は緻密かつ大胆、時限装置付の爆弾は精密かつ確実だった。ゲシュタポ(秘密警察)の推理では単独犯はありえない、イギリスの諜報員の仕業だと睨んだが、逮捕されたのは、36歳の平凡な家具職人、ゲオルク・エルザー。スパイどころか、所属政党もなく、たった1人で実行したと主張する。にわかには信じられない供述の数々。その事実を知ったヒトラーは、決行日までの彼の人生を徹底的に調べるよう命じる…。『ヒトラー ~最期の12日間~』で“人間、ヒトラー”を描き、アカデミー賞「外国語映画賞」にノミネートされた名匠オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督が、『白いリボン』のクリスティアン・フリーデルを主演に、ドイツ国家が封印していた衝撃の事実に迫る本作。クリスティアンは、監督から「彼のようにエルザ―を演じられる人間はいないだろう」と絶賛されるほど、繊細かつ鬼気迫る存在感で“暗殺犯”の心情を体現して見せた。そして今回、解禁となったのは、単独犯での暗殺実行を主張するエルザ―が、黒幕の存在を執拗に問い詰める警察長官に対し、「自由を失ったら死ぬ」と彼の信念を初めて語る重要な本編シーン。まず、クリスティアンは「恥ずかしいことにゲオルク・エルザーについては知らなかった」と率直に語り、「脚本を読んで初めて知った。そして彼のやったことについて凄く興味が沸いた」という。そのうえで役作りに関して、「彼の伝記を読んだり、彼の家族についての映像をユーチューブで見たり、当時の目撃者へのインタビューを読んだり、写真を見たりした。また事実も重要だったが、自分なりの解釈や創作も役づくりには大切だと感じた。そして監督の視点を踏まえつつ、自分なりの視点でこの役を演じたかったので、あるシーンによっては、事実を詳しく知らずに、その場の成り行きに任せて演じることを大切にした」と明かす。さらに、演じたエルザ―については、「女性を愛し、音楽を愛し、自由を愛する静かな男だった。重要な点は、そんな彼が政治的な行動をとったという点だ。政治に関心のない男が、行動をとらなければならないと気が付き、変わったと言う点だ」という。さらに自らもドイツ人であるクリスティアンは「当時、自分があの時代に生きていたら、どんな行動に出ただろうかは分からない。巧みなプロパガンダに操られたかもしれない。多くの人はそのプロパガンダに心奪われ、真実を見失った。ところがエルザーの目は真実をしっかりと見据えていた。故郷に帰ってきて、自由を略奪された家族の生活を目の前にしたエルザーの気持ちには共感した」と、覚悟を決めるまでに至った彼の信念を代弁する。多くのドイツ国民がヒトラーに心酔していた時代に、周りに流されることなく、正しいことを自分の眼で確かめ、頭で考え、心に問うた男、ゲオルク・エルザー。その知られざる真実に、魂が震える本作をスクリーンでも確かめてみて。『ヒトラー暗殺、13分の誤算』はTOHOシネマズ シャンテ、シネマライズほか全国にて順次公開中。(text:cinemacafe.net)
2015年10月19日アドルフ・ヒトラーとナチスにスポットを当てたシリーズ『ヒトラーの帝国』が、15日にドキュメンタリーチャンネル「ディスカバリーチャンネル」で放送される。同シリーズは、第一次世界大戦後にヒトラーとナチスがドイツ国内で台頭していく様子を追う『ナチス黎明期』(13:00~14:00)、第二次世界大戦前のドイツにおけるナチスの躍進や独裁政権が築かれるまでを解説する『独裁政権の確立』(14:00~15:00)、国民の絶対的な支持を得たナチスの戦い方とヒトラー最期の日々に迫る『終焉への道』(15:00~16:00)の3部構成の「ヒトラー盛衰史」。第二次世界大戦終結から70年を迎え、ここでは彼が秀でたとされる演説術や『わが闘争』秘話などを振り返る。プロパガンダの天才と称されたヒトラー。映画や宣伝を通して人心を操作していったヨーゼフ・ゲッベルス、恐怖で人々を支配する技術を持ち、大量虐殺を促進したハインリヒ・ヒムラー、貴族的で華美な生活を好んだ軍人のヘルマン・ゲーリングら側近たちの協力を得て、国民の人気を獲得しながら強力な権力を握った。ヒトラーは、1889年4月20日にオーストリア・ブラウナウで生まれる。両親はオーストリア人。手当たり次第に本を読みあさる熱心な読書家で、頭脳明晰だったが集中することが苦手だったことから、学校での評価はあまり高くなかった。1907年に画家を目指してウィーンに赴くも、造形美術大学の入学試験は不合格。ヒトラーにとっては挫折だったが、後に「ドイツへの愛ゆえ、絵筆を折った」と言い残している。父が厳格な一方、母は息子に甘く、小遣いを与え続けた。中にはヒトラーを「怠け者」と評する伝記作家もいるが、彼はウィーンで気ままに遊んでいたわけでなく、カフェに通って文化人たちと親交を深めることで、さまざまな着想を得ていく。この時のことをヒトラーは著書『わが闘争』で「あれが私の思想の土台となった」と述べている。家族の遺産と絵を描いて稼いだ金で経済的な余裕ができたヒトラーは1913年、ドイツ・ミュンヘンに移る。彼の故郷であるオーストリア・ハンガリー帝国は広い領地を有する強国だったが、民主主義の台頭で議会が紛糾。二重国家としての均衡は失われ、両国議会は常に民族間の怒鳴り合いに発展した。ヒトラーはその状況を知って議会を見限り、「強烈な統率力を持つ独裁的な指導者にしか国家の混乱は治められない」と考えるようになった。その後、ヒトラーはドイツ軍に入隊。極めて優秀な兵士として兵長にまで昇進し、戦死者が多数出る中で生き延びた。戦闘員として戦った期間は短く、最前線で伝令兵として奮闘。鉛の雨をかいくぐる危険な任務だが、戦闘兵より楽だと見られることが多く、統率力も欠けていたことから士官にはなれなかった。仲間からの人望は薄く、「変わり者」と見られていたという。ドイツは第一次世界大戦で敗戦国となり、ヒトラー自身も完全に打ちのめされた。右翼勢力が唱えたように、敗戦した理由を「悪いのは社会主義者とユダヤ人」と結論付けた。国内で変化と不安が続く中、大勢が軍から去ったが、ヒトラーは残ることを決意。政治思想を啓発し、指導者を育てる教育を軍で受ける。その後、兵士を啓発する講師に任じられ、扇情的な思想教育で著しい成果を上げた。その過程で磨かれたのが、後に彼の武器となる演説術だった。1919年に結党されたドイツ労働党の調査を命じられたヒトラーは、集会で弁舌の才能を発揮すると同時に過激な反ユダヤ的思想も受け入れ、この調査期間中に政治活動にのめり込んでいく。やがて、巧みな演説により党で重要な役割を担うようになり、プロパガンダの責任者に任じられた。政治活動のスタートは、指導者ではなく「宣伝マン」。ヒトラーは極めて刺激的で扇動的なポスターを作製し、大規模な集会を開いては党員を増やしていった。そして1920年、ヒトラーは訴求力を高めるために党名の変更を決断。国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)はこうして誕生した。翌年、一度は離党しながらも復帰して党首となったヒトラーは、忠実で賢く、残忍な側近を身辺に集めはじめる。彼らを強固に結び付けたのは、敗戦による喪失感、失望、怒り。さらに猛烈なインフレや失業問題などによって国民の政治不信は高まり、ヒトラーの演説は聴衆に啓示を与え続けた。1923年、ヒトラーらナチス党員が参加したドイツ闘争連盟はクーデターを起こすも、わずか半日あまりで鎮圧。このミュンヘン一揆でヒトラーは収監されるも、その獄中で執筆したのが"ナチス必読の書"だった。それまでは自分の特別な人間だと思っていなかったヒトラーは、収監中に初めて自らを選ばれた存在と認識し、独裁者への道を歩みはじめる。今の立場に至った過程と自分の信念をつづり、その半生を振り返った。もとの原稿に使われていたタイトルは「虚偽 愚鈍 臆病に対する4年半のわが闘争」だったが、出版社から「もっと大衆受けしそうな題名に」と勧められ、『わが闘争』となった。発行部数は瞬く間に何十万部にも達した。判決は禁固5年だったが、所内では特別待遇を受けた。ほどなく釈放されるも、ヒトラーは演説が禁止されていることを「弾圧」と主張。後に完全に解かれると表舞台に再登場し、まるで人気スターのように大衆を魅了した。演説が解禁された後の議会選挙で、ナチスは議席数を伸ばした。芝居がかった演説は催眠術のように聴衆を引きつけたが、内容的には空疎だったという。このように「ヒトラー盛衰史」を振り返る今回のシリーズ。『終焉への道』の最後はこのようなナレーションで締めくくられている。「いつの時代でもナチス風の行動様式に魅力を感じる若者はいるでしょう。ナチスの宣伝は実像ではなく理想像に過ぎません。驚くべき事実です。他国出身の目立たない男が恐るべき野望に駆られてドイツの独裁者になったのです。そして史上最大の戦争と犯罪を引き起こした。戦後70年経った今も歴史的な興味は尽きません。ドイツは再統合されました。マーシャルプランのおかげで西ドイツが奇跡の復興を遂げ、経済的・政治的安定がもたらされたのです。しかし真の奇跡は、ドイツの人々です。自国の野蛮な過去を直視し。歴史の教訓として世界に示してくれました。今も世界では迫害や紛争が絶えません。 しかし、同じ過ちは繰り返してはならないと歴史は訴えます」(C)2015 Discovery Communications, LLC.
2015年08月14日