寒い季節に注意したいこととして、“ヒートショック”が挙げられます。高齢者と一緒に暮らしている方は、普段から気を付けている家庭も多いかもしれませんね。家族はもちろん、年齢に関係なくヒートショックは注意が必要です。今回は女医の筆者が、注意すべきポイントや対策を解説いたします。ヒートショックとは?ヒートショックとは、気温の変化によって血圧が上下することで心臓や血管の疾患が起こることを指します。具体的には、失神したり、心筋梗塞・不整脈・脳梗塞を起こすことがあり、特に冬場に多く見られます。入浴事故の危険性厚生労働省の研究班の調査によると、入浴中の推定急死者数として約19,000人もの数に及ぶと言われています(※1)。入浴事故による死亡は、死因統計のみでは実数把握が困難なので、必ずしもヒートショックによる死亡というわけではありません。ですが、入浴中の事故の多くが浴槽内で起きており、熱いお湯に肩までつかるという日本固有の入浴スタイルが影響しているケースも考えられます。ヒートショックは高齢者に多いのですが、若い世代で起こることもあるので注意が必要です。ヒートショックが起こる原因ヒートショックは、冬場に暖房の効いたリビングから脱衣所に移動し、浴槽に入るときなどに起こることが多いです。リビングから脱衣所に移動した際には、寒さに対応するために血圧が上昇。衣服を脱いで浴室へ入るとさらに血圧が上昇しますが、浴槽に入るときには急に身体が温まるため、血圧が下降します。これによって、心筋梗塞や脳梗塞などが起こることがあると考えられています。ヒートショックが起こりやすいのは、脱衣所と浴槽の移動だけではありません。寝室と廊下、リビングと廊下など、温度差が大きくなりやすい場所を行き来することでも起こることがあります。特に10℃以上の温度差がある場所は危険とされており、注意が必要です(※2)。ヒートショックが起こりやすい時期冬は特にヒートショックの危険が高まります。昔ながらの日本家屋や温泉施設などでは床がタイルだったり、暖房設備がない場所が多く、温度差が生じやすくなるため注意が必要です。ヒートショックを予防する対策ヒートショックは急激な温度差によって起こることから、できるかぎり温度変化による負担をかけないようにすることが大切です。自分はもちろん、年齢を重ねた親世代はさらにヒートショックのリスクが高いので要注意。ここでは、親と同居している人向けの対策も含めてご紹介していきます。入浴前に脱衣室や浴室を暖める生活空間であるリビングは暖房で暖めていても、脱衣所での防寒は何も行っていないという人も多いです。寒い時期には、脱衣所にも暖房器具を置いておくなど、気温差が生じにくいようにしましょう。浴室内に暖房がない場合は、お湯を浴槽にためるときにシャワーから給湯するのがおすすめ。そうすると、シャワーの蒸気で浴室の温度を上げることができます。勝手に沸かすことができる浴室設備の場合は、浴槽内のお湯をかき混ぜることで蒸気を立てるようにするのもいいですね。浴室内の壁にシャワーで温水をかけて温めると、浴室内を早く温めるのに役立ちます。湯温は41度以下に設定し、長風呂は避ける寒い冬は熱いお風呂に長時間浸かっていたいと思う人も多いかもしれません。ですが、熱すぎるお湯に長時間入浴すると、意識障害を起こすリスクが高まります。ヒートショックの予防としては、お風呂の温度は41度以下を目安にしてみてください。浴室内に温度計やタイマーを置いておくなど、温度や時間などがわかりやすいようにしておくのもいいですね。浴槽から急に立ち上がらない横になっている状態から立ち上がったとき、ふらっとした経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。浴槽から立ち上がる際には、特にこの立ちくらみが起こりやすいので注意が必要です。入浴中には、体に水圧がかかっています。そこから急に立ち上がると、脳に行く血液が減ることで、めまいや立ちくらみなどを起こすことがあります。浴槽から出るときは、手すりなどを使ってゆっくり立ち上がるようにしましょう。若い方でも、飲酒しているときや妊娠中は、立ちくらみやふらつきを起こしやすいので注意が必要です。食後すぐの入浴や、飲酒後の入浴は避ける飲酒によって酩酊している状態だと、いろいろな感覚が鈍りやすくなり、事故発生につながることがあります。飲酒をしたら、アルコールが抜けるまでは入浴しないようにしましょう。高齢世代では、食後に血圧が下がりすぎることで起こる、食後低血圧で失神してしまうことがあります。そのため高齢者には、食後すぐの入浴は避けてもらった方がよいですね。また、深夜や早朝など、同居者が異変に気づきにくい時間の入浴も避けてもらうようにしましょう。お風呂に入る前に同居する家族に一言かける入浴中に事故が起こったときには、早期に対応する必要があります。そのため、入浴前に同居者に声をかけるようにしましょう。もし親が入る場合は、「いつもより入浴時間が長い」「音がまったくしない」「突然大きな音がした」などの異常がないか注意してください。何か異常を感じた場合は、様子を見に行ったり声をかけたりすることで、早期に対応しやすくなります。おわりに気温差の影響による血圧の変化は、年齢に関係なく誰にでも起こることがあります。そのため、「自分は元気だから大丈夫」ではなく、「自分にも起きるかもしれない」と意識することが大切ですね。【参考】※1 厚生労働省.浴室内の死亡として報告された事例についての検討※2 東京都健康長寿医療センター.冬場の住居内の温度管理と健康について©yu_photo/Adobe Stock ©poko42/Adobe Stock ©JMer/Adobe Stock筆者情報ママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは4人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は15万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこ産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2024年01月29日「寒さが増すと、こたつが活躍する家庭も多いことでしょう。しかし、こたつも注意しないと場合によってはヒートショックの原因となり、心筋梗塞、脳梗塞、大動脈解離といった、重篤な血管疾患につながるリスクがあります」こう警鐘を鳴らすのは、きくち総合診療クリニック院長の菊池大和先生だ。ヒートショックは、暖かい場所から脱衣所やトイレなどの寒い場所へ移動して、血圧を急上昇させてしまうことで起こることが知られているが、こたつからも起こりうるというのだから驚きだ。「ヒートショックは血管の収縮や拡張が頻繁に起こることでそのリスクが増すとされ、10度以上の温度差で発生しやすくなると言われています。たとえば、暖かい部屋から寒いお風呂や脱衣所に行くと、血管が急に収縮されて血圧が上がり、その後、温かいお風呂に浸かったりすると血管が拡張して血圧が低下します。これが、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすのです。寒いところから室内の温かいこたつに入ることもこれと同様の血圧の変動を起こすことがあります」(菊池先生、以下同)気温の低い外からこたつにはいることで、血管が拡張して血圧が低下し、そこから寒い場所に移動したりすれば、さらに血圧の乱高下が起こり、ヒートショックを引き起こすリスクが高まるのだという。「こたつでうたた寝した後にお風呂に入ろうとすることがありますが、こういう時もヒートショックのリスクが上がります」多くの場合は、吐き気や頭痛といった状態が起こっても、少しの間、横になって安静にすることで血圧が安定して、症状が改善するという。ところが、重篤になると、意識を失ったり、強い痛みを訴えたり、冷や汗が出るなど、命の危険に及ぶことがあるのだ。■血圧の乱高下は、高齢になるほどそのリスクが上がる「若い時は血圧をコントロールする自律神経が働きますが、高齢になるほどその働きが弱まります。日本の高血圧人口は増加の一途をたどっていて、今や2人に1人が高血圧というほどです」特に女性は、更年期以降、血管がもろくなり、高血圧のリスクが上がる。他にも、糖尿病、不整脈、動脈硬化などの既往歴がある人もヒートショックの注意が必要だ。そもそも、こたつでうたた寝をすることは、さまざまなリスクがある。「のどが乾燥して免疫力が落ち、風邪をひきやすくなりますし、脱水状態になりやすい、低温やけどになるなどが考えられます」菊池先生は、こたつを使うとき、設定温度を高すぎないようにし、室内に合わせた温度にして使うことをすすめる。こたつを布団替わりにするのは禁物だ。入るのは足だけにして、肩まで入らない。そして、うたた寝をしない。たとえうたた寝したとしても5~10分程度にとどめておく。年末年始はテレビを見ながら、こたつで家族団らんという人も多いことだろう。上手にこたつを活用して、楽しいひとときを過ごそう。
2023年12月30日ヒートショックとは、急激な温度変化の影響で、血圧や心拍数が大きく変化し、血管や心臓の疾患が生じることだ。軽度であれば、めまいや立ちくらみですむが、最悪の場合、心筋梗塞や脳卒中、大動脈解離などの引き金となり、命取りになることも。ヒートショックが起きやすいのが、冬場の脱衣所や浴室。厚労省の発表では、ヒートショックが原因と思われる入浴中の死亡は、年間約1万9千人。なんと、交通事故死より多いという。「寒くなる冬場は、入浴前に浴室を暖めるなどの対策と同時に、体の内側からヒートショックを予防することも大切です」そうアドバイスするのは、管理栄養士の小原水月さん。そこで小原さんに、ヒートショックを防ぐ食材を使った冬の温かスープレシピを紹介してもらおう。■ごぼうと豚肉の塩スープ1. ごぼう50g(4分の1くらい)をささ打ち(平たくスライス)する2. 豚こま切れ肉50gを細切りにして1と鍋に入れ、中火で炒める3. 肉の色が変わったら、水200ml、塩小さじ2分の1くらいを入れる4. 沸騰してから7分くらい煮る。味見をして物足りなければ塩を足す「ヒートショックを防ぐには、血管をしなやかに保ち、高血圧や動脈硬化を予防してくれる食材を取り入れましょう。とくに冬が旬のごぼうには、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種“クロロゲン酸”が豊富に含まれているので、これからの季節はオススメです」(小原さん、以下同)ごぼうを水につけておくと茶色いアクが出るが、あの茶色成分が“クロロゲン酸”だ。「クロロゲン酸は、体内で発生した活性酸素によって傷つけられた血管内部のダメージを修復し、血中の脂肪の酸化を防ぐ働きをしてくれます」ごぼうと一緒に合わせる豚肉にも、こんな効果が。「豚肉に含まれている良質なタンパク質には、流れやすい血液をつくる作用があるほか、強くしなやかな血管をつくる細胞のもとにもなっています。また、豚肉の脂肪部分には“ステアリン酸”という脂肪酸が含まれており、善玉コレステロールを増やす一方で、血管内の余分なコレステロールを排出する働きも担ってくれる優れものです」ダイエット中でも、多少の脂身は摂取するのがよいという。■春菊と卵のお味噌汁1. だし汁200mlを鍋で沸かして、大さじ1杯の味噌を溶く2. ざく切りにした春菊50g(3本くらい)を1に入れ一煮立ちさせる3. 2に溶き卵(1個分)を優しく入れる。卵が固まりすぎないようにする「春菊には、βカロテンが豊富に含まれていて、体内に入ったときに強い抗酸化作用をもつビタミンAに変わります。このビタミンAが血管にコレステロールが詰まるのを防いでくれます。さらに、血管を広げる作用のあるビタミンEも含まれているので動脈硬化を防ぐには最適の食材といえるでしょう」加えて、春菊特有の“香り”には、リラックス効果を高めて副交感神経を優位にする効果も。「“アルファピネン”という成分が香りの正体です。リラックスすると、末端の毛細血管まで拡張され、体の隅々まで血液が行き渡ります。これにより、急な血圧の上昇を防いでくれるのです」また、スープの最後に投入する卵も、言わずと知れた栄養満点の食材だ。「良質なタンパク質源であることに加え、卵黄には“レシチン”とビタミンEが含まれているので、強い抗酸化作用や、血管を正常に保つ役割が期待できます。 また、卵白に含まれる“システイン”にも、悪玉コレステロールを減らす作用があるので、動脈硬化を防いでくれるのです」卵を食べるとコレステロールが増える、と敬遠されていた時期もあったが、「卵を食べたほうが血中のバランスが整いやすい」という。■長ねぎと鮭の中華スープ1. 200mlの水に、鶏ガラスープの素大さじ1杯を入れる2. 塩鮭1切れを一口大に切ったものを1の中に水の状態から入れて煮る3. 2が煮立ったら長ねぎ10g(半分くらい)を斜め薄切りにして入れて一煮立ちさせる「長ねぎに含まれている“硫化プロピル”という辛味成分には、コレステロールの代謝を促す作用が。また、傷ついた血管の内側を修復してくれるので、血栓の予防効果も期待できます」玉ねぎにも同様の成分が入っているので、好みに応じて長ねぎを玉ねぎに替えてもいい。さらに、合わせて入れる鮭にも、“アスタキサンチン”という強い抗酸化作用のある物質が含まれる。「アスタキサンチンは、血管の酸化を防いで若返らせる効果があります。また、鮭の脂分に含まれているDHAやEPAなどの脂肪酸には、血中の中性脂肪やコレステロールを減少させる働きがあるので、鮭はヒートショックを防ぐ優等生の食材です」食材選びに迷ったときは、緑黄色野菜を多く取るとよいという。色の濃い野菜には、抗酸化成分が多く入っているからだ。こうした食材を摂取することで、体の内側からヒートショックを防ぐ効果が期待できる。しかし「必ず、ご飯も一緒に食べてほしい」と、小原さん。「ご飯を一緒に食べることで、摂取した食材の栄養素が生かされ、実際に血液をサラサラにしたり、血管の内側を修復したりする効果を発揮できるからです」いわば、ご飯は食材の栄養素を働かせる“電力”のような存在なのだ。このような食材を取り入れて、体の内側からヒートショックを防ごう!
2023年12月25日2023年1月24~26日にかけて『この冬一番の強い寒気』がやってくる予報です。全国的に10年に一度の低温になる可能性があるといわれています。気象庁は、積雪のある地域に対して、大雪による交通障害や事故の発生に備え、不要不急の外出を控えるよう注意喚起を行いました。気象庁「不要不急の外出を控えて」24日からの大雪に『警告』また、今回のような強い寒気では、『ヒートショック現象』にも注意が必要です。ヒートショック現象とは?日本医師会によると、『ヒートショック現象』とは、温かい居間から寒い風呂場やトイレに移動した際、寒暖差によって心筋梗塞や脳卒中を引き起こすのだとか。浴室とトイレは家の北側にあることが多く、冬場の入浴では、暖かい居間から寒い風呂場へ移動するため、熱を奪われまいとして血管が縮み、血圧が上がります。お湯につかると血管が広がって急に血圧が下がり、血圧が何回も変動することになります。寒いトイレでも似たようなことが起こりえます。血圧の変動は心臓に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中につながりかねません。ヒートショックの予防のため、脱衣所やトイレを暖めましょう。公益社団法人鹿児島県医師会ーより引用消費者庁は『ヒートショック現象』を防ぐため、入浴時には下記5つの点に注意するよう呼び掛けています。(1)入浴前に脱衣所や浴室を暖めましょう。(2)湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にしましょう。(3)浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう。(4)食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避けましょう。(5)入浴する前に同居者に一声掛けて、意識してもらいましょう。消費者庁ーより引用湯を貯めて入浴するなら、入る前に数分間フタを開けておき、湯気で浴室を暖めることができるでしょう。また、トイレや脱衣所は小型の暖房機で暖めておくといいかもしれません。不慮の事故が起こらないよう、できる対策は行っていきたいですね。[文・構成/grape編集部]
2023年01月24日気温の差や入浴前後の体温の差などが原因で起こる突然死。一般にヒートショックとも呼ばれる現象を避けるには、日ごろの食事から健康な血管を鍛えることが大切だーー。急激な寒暖差に「体がついていかない」という人が増えている。「これから一段と寒さが厳しくなり、つい先ほどまで元気だった人が突然倒れて帰らぬ人となるといった“突然死”に見舞われる可能性が高くなるので気をつけましょう」そう注意を促すのは、循環器専門医で池谷医院院長の池谷敏郎先生。突然死とは医学的に、「瞬間的な死亡もしくは直接の死因となる症状が出現してから24時間以内に亡くなること」を指す。具体的には、心筋梗塞、心室性不整脈、大動脈破裂、脳卒中などがその原因となる。「これらの病気の共通点は、血管トラブルを起こしていること。年齢とともに血管が老化してくるだけでなく、高血圧、高脂血症、糖尿病といった生活習慣病を抱えていますと、動脈硬化を引き起こしそれがもとになって血管事故、突然死を招く可能性が高くなります。命が助かったとしても、その後寝たきりや認知症の原因にもなり、自分の力で生きる“健康寿命”に大きな影響を与えてしまいます」(池谷先生、以下同)突然死を起こす発火装置は血圧の急上昇。暖かい場所から急に寒い所に移動するとき、入浴時に寒い脱衣所から熱い湯船につかるときはヒートショックでかなり血圧が上昇する。このほかにも、夜中のトイレ、朝のゴミ出しなど危険な場面があるという。「ふだんから血圧を測定してご自身の体調を把握することが大事です。冬場には高くなりやすいので、毎日測定を習慣づけると安心できます。朝起きて1時間以内、朝食前に2回測定し、2回とも上の血圧(収縮期血圧)が135mmHg、下の血圧(拡張期血圧)が85mmHgを上回ったら病院でしっかり診てもらいましょう。特に若いころは低血圧で悩んでいた人でも、更年期以降になると高血圧症になる人が多いので気をつけましょう。高血圧は症状が出にくいので、見過ごしてしまう傾向があるので注意が必要です」突然死を防ぐためには、ふだんから血管の状態をよくする“血管力”を鍛えることが大事で、池谷先生がすすめているのは食生活の改善。塩分控えめだけでなく、「最近太った」という人は、1~2カ月かけて体重を元に戻そう。■食事抜きはNG!朝は温かい飲み物を「糖質や炭水化物を食べすぎる偏った食生活を続けますと、内臓脂肪がつきやすく、メタボリックシンドロームで血圧が高めになったり、血糖値や中性脂肪が上がってきたりします。食事を少しずつ抑えて、適度な運動を始めましょう。ただし、ダイエット中でも食事を抜くのはNGです。朝食を抜くとストレスで血圧が上がりやすくなります」先生おすすめの食材はトマトジュース、蒸し大豆の2品。それぞれをベースに簡単アレンジしたレシピを4つ教えてもらった。【ホットトマト甘酒】〈作り方〉:トマトジュース(100ml)と甘酒(50ml)をカップに入れる(2対1になる分量)。電子レンジ(500W)で約1分30秒温める。【ホットトマトジュース】〈作り方〉:トマトジュースにオリーブオイルを入れて温める(500Wで1分30秒)。温めたジュースにゴーダチーズをふたつまみ程度入れ混ぜる。お好みでパセリを散らす。【蒸し大豆とヨーグルト】〈作り方〉:プレーンヨーグルト1食分(120mg)に適量の蒸し大豆(市販のものでOK)をトッピングしてかきまぜる。お好みでバナナやドライフルーツを入れてもいい。【蒸し大豆のチーズスープ】〈作り方〉:スープのもと(コンソメでもカップスープでもいい)にお湯を注ぐ。とろけるチーズと蒸し大豆をトッピング。「朝は“寒い”という刺激が血圧を上げるので、起きたら温かい飲み物で体を温めながら水分補給しましょう。私が患者さんにおすすめしているのはトマトジュースを温めて飲むこと。トマトには長期的に血圧を下げるGABAというアミノ酸が入っています。さらには、血管の老化を防ぐ抗酸化作用のあるリコピンは温めることで4倍になるといわれています。そのままでも、甘酒をトマトジュースで割って飲んでもいいでしょう。ちなみに、血圧を正常値に戻すためにはEPAとDHAなどのオメガ3脂肪酸の摂取もおすすめ。使うのはトマトジュースではありませんが、トマトパッツァはトマトソースとサバ缶で煮込むだけで、簡単でも栄養満点です。しなやかな血管を作るためにはタンパク質が豊富な大豆も必要です。朝から納豆が食べられないという人は、蒸し大豆を使ったメニューを食べましょう」どのレシピも簡単で、かつ安上がり。毎日続けて血管力をキープしよう。
2021年12月20日冬に熱い風呂に入ったことが原因でヒートショックを起こす人は、毎年たくさんいます。しかし、入浴中にヒートショックを起こしてしまうケースは都道府県によって差がある可能性があるみたいなんです。つまり「ヒートショック予備軍」がたくさんいる県があるのです。それは、住宅機器メーカーのリンナイが行ったインターネット調査でも、明らかになっています。そこで日本全国の入浴事情の調査の結果とともに、入浴とヒートショックについてお話ししたいと思います。■ 日本一の長風呂県は、温暖な千葉県住宅機器メーカー、リンナイは47都道府県20〜60代の男女計2,350人を対象にインターネット調査を実施し、都道府県別の入浴事情を調べました。調査には東京都市大学で風呂を医学的に研究する早坂信哉医師が監修した「ヒートショック危険度チェックシート」も活用し、ヒートショック予備軍が多い県なども判明しております。入浴時間に関する調査結果は、全体の平均入浴時間が「12.6分」となり、早坂医師(前述)が提唱する安全な入浴時間「10分」を上回る結果に。いかに日本人のお風呂好きかが分かりますよね。simeneko / PIXTA(ピクスタ)また都道府県別でみると、長風呂が日本一の県は「15.5分」で、比較的気候の温暖な千葉県となっています。一方、入浴時間の短い県は、暑い沖縄と温暖な愛媛が「9.5分」でトップ、次いで高知「9.9分」、鳥取「10.0分」と続きます。寒い地方での長風呂を予想していましたが、温暖な千葉県が長風呂のトップということは、意外な結果ですね。Ushico / PIXTA(ピクスタ)■ 熱い風呂が好きな県の1位は愛媛県次は、冬場にはいる浴槽の温度設定についての調査結果です。40℃が28.3%と最も多く、40~42℃が全体の7割ということがわかりました。すり~る / PIXTA(ピクスタ)また、ヒートショックを起こしやすいといわれている41℃以上のお風呂に入浴している人は57.9%と、全体の半数以上いることが判明、日本人の熱風呂好きが実証されました。都道府県別で見ると、「日本一熱風呂の県」は愛媛県が平均41.6℃、次いで広島県、栃木県、鳥取県と続きます。Hina / PIXTA(ピクスタ)寒い地方での熱風呂を予想していましたが、温暖な愛媛県が熱風呂のトップとなるという、またまた意外な結果でした。■ 「ヒートショック予備軍」が多いのは千葉県と宮崎県また、この調査では、早坂医師監修「ヒートショック危険度チェックシート」を使い、「生活習慣病や持病の有無」「浴室の暖房設備」「入浴時の習慣」など10項目の質問から、ヒートショックになりやすい「ヒートショック予備軍」のランキングを作成しています。その結果、ヒートショック予備軍の割合が最も多いのは「千葉県」と「宮崎県」で、約4人に1人がヒートショックの危険度が高いという、衝撃的な結果になりました。aijiro / PIXTA(ピクスタ)一方、ヒートショック予備軍が最も少なかったのは「長野県」で、その数値は0%という、大変優秀な結果となっています。ヒートショックは、単純に寒い地方だけの問題ではないことがわかりますね。また、長野県は、寒さ対策のための家の断熱も進んでいます。YNS / PIXTA(ピクスタ)そのため、暖房が効率よく家の中が温かいため身体が冷えないなどの、長風呂・熱風呂を必要としないのかもしれません。いかがでしたか?寒い地方での長風呂、熱風呂を予想していましたが、比較的温暖な県が多いという意外な結果でした。温暖な県は、寒さ対策のための家の断熱が進んでいないことが多く、身体が冷えることによって、温かいお風呂に、長く入りたいという心理になるのかもしれません。(しかまのりこ)【参考】※<熱と暮らし通信>日本人の入浴習慣について全国47都道府県別徹底調査ヒートショック予備軍が最も多い県は千葉県・宮崎県日本一長風呂県は千葉県、日本一熱風呂県は愛媛県
2019年02月24日冬の気温低下と浴室内の急激な温度の変化によって血圧が変動し、それが原因で起きる「ヒートショック」。最悪の場合には死に至ってしまうヒートショックは、毎年、寒暖差の激しくなる12月~2月に多く起きているって知っていましたか?春の足音が聞こえては来るものの、まだまだ朝晩の寒さが厳しいこの季節。自然エネルギー利用技術を研究開発し、製品化してきたOMソーラー株式会社は、全国の30代以上の男女500名を対象に暖房についてアンケート調査を実施。この結果によって、住宅内のヒートショックのこと以外にも、まだまだ改善の余地のある家の寒さ対策の実態が見えてきました。■ 現在の暖房機器への不満がある人は3割強まず、現在使用している暖房機器に対しての不満について聞きました。不満があるかどうかについての回答は以下の通り。6割以上の人が、「とても満足」「どちらかといえば満足」という回答でした。つまり、3割以上の人は現在使用している暖房機器に満足していないことがわかります。次に、同じ満足度を回答したグループごとに、不満点を聞きました。すると、「とても満足」「どちらかといえば満足」のグループでは、「乾燥する」が最も多く、「どちらかと言えば不満」「不満」のグループでは、「暖房費」が最も多く、続いて「暖かくなるまで時間が掛かる」が多くなるという、大きな違いが出ました。コストと暖かくなるまでの時間について、多くの人が不満を持っていることがわかります。■ 水回りよりも重要視されがちなリビングの暖かさまた、家の中で暖かさに不満を感じる場所としては「とても満足」のグループは「不満がない」がトップに。「どちらかといえば満足している」のグループは「浴室」「トイレ」「洗面」といった水回りでの不満が高くなっています。PHOTO NAOKI / PIXTA(ピクスタ)一方、「どちらかといえば不満」「とても不満」のグループでは、水回りよりも「リビング」を不満にあげる回答が多く見られました。やはり家族が集うリビングの暖かさは、家の中でも最も大事。ここが不十分だと感じることで、暖房機器に対する不満が募るようです。さらに日々の暮らしの中で暖かさに不満を感じる時としては、どのグループも「起床時」が最多。そして「とても満足」のグループでは、ほぼ同数で「不満はない」の回答がありました。■ ヒートショックを防ぐためにも気にしたい、水回りの寒さ対策!最後に、暖房機器を選ぶ上で重視することについて聞いてみると、いずれも「光熱費」がトップに。はる / PIXTA(ピクスタ)そして「とても満足」のグループは、「家全体が暖房できる」の回答が多くあがりました。これは、このグループが家の中で暖かさに不満を感じる場所や日々の暮らしの中で暖かさに不満を感じる時について「不満がない」と多くの人が回答していることから見ても、実体験からくる回答でしょう。一方で、今回の調査結果からは水回りの暖かさへの不満が目立ちました。水回りの寒さは、ヒートショックが発生する大きな原因でもあります。maruco / PIXTA(ピクスタ)水回りが寒くても「どちらかといえば満足」の回答が多いことは、その危険性が理解されていないことが推測できます。また、全体的に暖房機器の選定に関して、「暖かさ」よりも「光熱費」を重視されていることがわかりました。適切な暖かさには、ヒートショック対策などの健康面のメリットや、それに伴う長期的な経済的メリットがあります。しかし、それが光熱費以上の価値があることは、意外と理解されていません。ヒートショックによる事故を防ぐためにも、リビングや寝室だけではなく、トイレや浴室、洗面の暖かさについて気にしてみてください。【参考】※《全国500名に聞いた「暖房」の実態》 寒さ対策が不十分でも、不満は「寒さ」より「光熱費」。
2019年02月22日都心で最低気温が0度を下回る冬日が続いたり、福井県では記録的な大雪に見舞われたり、今年の冬は例年に比べ寒さが厳しい印象を受けます。冷えた体を温めてくれるお風呂はとっても気持ちいいものですが、「ヒートショック」には気を付けたいところ。ヒートショックとは?最近では、耳にする機会も増えてきた「ヒートショック」という言葉。少し古いデータになりますが、東京都健康長寿医療センター研究所が2013年に発表した「冬場の住居内の温度管理と健康について」というプレスリリースによると、ヒートショックとは、「温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動する等によって起こる健康被害」とのこと。ヒートショックによって失神したり、心筋梗塞や不整脈、脳梗塞を引き起こしたりすることもあり、特に冬場に多く見られるそうです。また、同リリースには、1年間で約1万7000人もの人がヒートショックに関連した入浴中急死をしていると推計されるというデータも掲載されています。ヒートショックを予防するためにできることヒートショックは、温度の差が激しいときにおこりやすい現象。お風呂やトイレなど、衣服を脱ぐシチュエーションでは特に注意が必要です。では、ヒートショックを防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?こちらも、東京都健康長寿医療センター研究所の情報を参考に見ていきましょう。【ヒートショック対策】(1)脱衣所や浴室、トイレに暖房器具を設置これらの場所は冷え込みやすいため、暖房器具を設置して急激な温度変化に備えましょう。(2)シャワーを活用してお湯をはるシャワーを高めの位置において浴槽にお湯をはることで、浴室内が温まりやすくなるそうです。(3)夕食前・日没前などに入浴外の気温が比較的高い時間帯に入浴することで、温度差への適応がしやすくなるのだとか。(4)食後すぐや飲酒時は入浴を控える血圧が下がりやすいため、入浴を控えたほうが賢明とのこと。ヒートショックによる死亡事故については、お年寄りが注意すべきこととのイメージをもつ人が多いのではないでしょうか?しかし、年齢に関係なく、誰にでもその可能性は十分にあります。特に対策をしていないというときには、ぜひ参考にしてみてください。(文・三軒茶屋すみ子/考務店)
2018年02月08日ドウシシャが、壁掛け・縦置き・横置きの3通りの使い方ができる人感センサー付壁掛けセラミックヒーター(CHS-122J/SHC-122J)を9月に発売しました。3通りの使い方ができるセラミックヒーター近年、脱衣所と浴室等の寒暖差によるヒートショック対策として、脱衣所を暖めるための壁掛け用のヒーターが市場で多く見られるようになりました。しかし、壁掛け用は使用範囲や用途が限定されます。新商品「人感センサー付壁掛けセラミックヒーター」は、床や棚に置いて縦置きでも横置きでも使用できる構造、機能になっています。また消し忘れを防止するため、人感センサー機能が搭載されています。人感センサー機能によって、人が近付くと自動で運転、人を感知しなくなると自動で運転停止します。石膏ボード用、ベニヤ板用の壁掛け固定金具付きです。本体に収納できる便利なリモコンも付いています。商品概要名称:人感センサー付壁掛けセラミックヒーター型番:CHS-122J/SHC-122J希望小売価格:10,880円(税抜)消費電力:強1,200W弱800Wサイズ:W38.5×D14.5×H19cm質量:2kg(リモコン・取付金具含まず)色展開:ホワイト(WH)のみ機能:切タイマー(1・2・4H)、人感センサー付、スライド式背面プレフィルター付、手動で風向調節可その他:石膏ボード用、ベニヤ板用固定ネジ付き販売開始日:2017年9月末日商品ページ問い合わせ先株式会社ドウシシャお客様相談室Tel:0120-104-481〔受付時間〕9:00~17:00(祝日以外の月~金曜日)
2017年10月16日冬になると、お風呂での突然死のニュースをよく耳にする。その原因のひとつといわれるのが、「ヒートショック」。いちばんリラックスしている入浴時に頻発するこの現象を防ぐには、どんな対策をとればよいのだろうか? 住宅のプロフェッショナル・積水化学工業に聞いてみた。○死者数は交通事故死者の約4倍そもそもヒートショックとは、急激な温度変化で身体がダメージを受けること。例えば、冬場の入浴の場合、温かいリビングから寒い廊下を通って脱衣所で服を脱ぐ。この間、体が冷えるため、血管が縮んで血圧はグングン上昇する。ところが湯につかると血管が広がって血圧は急下降。このように血圧が乱高下することにより、心臓に負担がかかり、心筋梗塞や脳卒中などが起こるのが、ヒートショックだ(日本医師会HPより)。ある調査によると、ヒートショックによる死者数は年間1万7,000人(※1)で、年間の交通事故死者数(4,373人/※2)の約3.8倍にも上る。この現象について、住宅の快適性に詳しい積水化学工業 住宅カンパニー 商品開発部 商品企画部 環境・快適住宅推進グループ グループ長で一級建築士の資格を持つ太田真人さんに聞いた。太田さん「部屋と部屋の間の温度差が大きいとヒートショックを起こしやすくなります。我々はこの部屋間の温度差を「暖差」と名づけ、「暖差」が引き起こす健康上の危険性を「暖差リスク」と呼んでいます。浴室、脱衣洗面室、トイレは、どこもリビングとの暖差が大きく、ヒートショックを起こしやすい場所です。特に浴室では、リビングとの暖差が10度以上になりますから、高齢の方や心臓・血管の弱い方にはかなりの負担がかかる場所といえるでしょう」--1軒の家の中で、どうしてそんな暖差が?太田さん「日本の住宅は、高温多湿の夏でも木材が傷まないように、通気性を重視して作られています。ただしその分、冬は熱が逃げやすく、私たちの調査でも、多くの方が『暖房を入れても冬は家の中が寒い』と答えています。リビングなどには壁掛け式エアコンがありますが、浴室やトイレ、廊下までは温められませんよね」--たしかに、ふだん人がいない場所にエアコンをつける余裕はありません太田さん「それに、エアコンを使っても、暖気は上に集まりますから、足元は寒いままという状況がよくあります。床暖房は床面を温めますが、空気まではなかなか温まりません。そこで、この問題を根本的に解決しようと、2004年頃から『冬でも寒くない家をつくる』ための新たなプロジェクトを立ち上げたのです」○温かい家作りのカギは床下に - 積水化学工業の取り組み太田さんたちが取り組んだのは、暖差リスクを最小限にするために「熱を徹底的に逃さないこと」と「人のいない場所まで確実に温めること」。太田さん「積水化学工業は、工場で生産したユニットを組み上げる『ユニット工法』を得意としています。この方式ですと気密・断熱性を高めることができるので、いわば”魔法瓶”のような、熱を逃しにくい構造の家がつくれるのです。しかしどんなに気密・断熱性を高めても、足元が温まらないと冷えを感じてしまいます。そこで注目したのが床下でした」--床下って、普通は何もないですよね?太田さん「その通り、何もないからこそ使える、と考えたのです。住宅の下には『基礎』というコンクリートの土台が埋まっています。これまでの家では、基礎を線状に作る『布基礎』という形式の家が多かったのですが、それでは地面を伝わって冷気が出入りしてしまうというデメリットがありました。そこで私たちは、基礎を箱状にする『ベタ基礎』を採用した上 で、その内側に断熱材を敷きつめ、冷気をシャットアウトしたのです」--家の底まで魔法瓶にしたんですね太田さん「これを『躯体(くたい)断熱』というのですが、せっかく床下の構造を変えたので、そこにもうひとつ仕掛けをして、家中を一気に温めてしまおう、と」--家中を温める”仕掛け”?太田さん「床下に巨大なエアコンを設置して、そこからダクト(配管)を通じて、温風が室内にどーっと吹き込むようにしたのです。この『全館空調』システムによって、温風を床下にも巡らせるので、リビングだけでなく、洗面所や浴室、トイレまで全室が温かくなりました。冬なら室温も床面も21度くらいにキープできるので、はだしで歩いてもひやっとしないんですよ」それだけ大きなエアコンだと電気代が心配だが、太田さんによると、不在時や人のいない部屋では人感センサーの働きで自動的にキープ運転に切り替わるので、ムダな電気代はかからないそう。さらに、値段の安い深夜電力を効率よく利用することで、家中どこにいても、24時間快適に過ごせるようになっているという。--これらの設備はどのような層に需要が?太田さん「暖差リスクを最小限にして、ヒートショック対策も期待できる躯体断熱や全館空調ですが、これから家を新築する30~40代に人気があります。『ずっと住む家だし、壁掛け式エアコンを設置するよりも得だし、快適だから』と、新築する方の約60%は導入を決めてくださいますね。リフォームの際に入れることもできますが、新築時の方が簡単に工事できますし、後々の工事費や電気代を考えると、かなりリーズナブルなのです」○手軽にできるヒートショック対策廊下や浴室の暖差には悩まされるものの、今すぐ家を建て替えるのは難しい。そこで太田さんに、手軽にできるヒートショック対策を教えてもらった。太田さん「家の中で熱の出入りがもっとも多いのが窓ですから、カーテンレールはできるだけ高い位置に設置し、カーテン自体も床につく長さにして、窓をしっかりカバーしましょう。天井から床までをカーテンで覆うと、インテリアにも高級感が出るのでお勧めです」--お風呂やトイレはどうしたら?太田さん「お風呂はヒートショックが起こりやすいところの第1位ですから、暖房器具を設置するのがベストです。バスタブに給湯するときはシャワーを使うと、入浴前に室内の空気を暖めることができます。トイレでは、最近は本体から温風が出て足元や室内を暖められる『暖房機能付き便座』というものがあります。元の便座を外して付け替えるだけなので、プチリフォームとして取り入れるとよいですね」手軽な対策はいろいろあるものの、やはり家全体がヒートショックに対応しているのが一番ラクそう。この先家を建てる予定があるなら、暖差リスクに考慮して、体に優しいシステムを備えておくのが得策かもしれない。<参考<※1東京都健康長寿医療センター研究所「2011年・入浴中の心肺機能停止者数」※2全日本交通安全協会「平成25年中の交通事故死者数」
2015年02月04日みなさんは「ヒートショック」という言葉をご存じだろうか?はじめて聞いたという方も多いかもしれないが、冬場は特に命に関わる危険な問題なのだ。○ヒートショックとは?ヒートショックは、急激な温度変化によって血圧が上下してしまい、心臓や血管に大きな影響を及ぼす現象のことで、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こすと言われている。特に高血圧の方は注意が必要になる。東京都健康長寿医療センターによると、入浴中の死亡者総数は全国で約17,000人と推計している。高齢者は動脈硬化が進みやすく、高血圧の人も多いため注意が必要で、死亡した人の過半数は高齢者が占めている。寒い冬場、せっかく気持ちよくお風呂に入ろうと思ったら、急に体調が悪化して……という事態に陥らないためにも、日頃からの対策が必要になるというわけだ。ノザキクリニック院長野崎豊氏によれば、「冬は夏と異なり、寒さのために血管が収縮して末梢の血行が悪くなることで、血圧が高くなりやすくなります。ヒートショックは特に高血圧の方が起こしやすく注意が必要です」とのこと。○「ミネラル入りむぎ茶」がヒートショックに効果的では普段からできるヒートショック対策には、どのようなものがあるのだろうか。赤穂化成株式会社のリリースによれば、同社とノザキクリニックが実施した共同研究により、「ミネラル入りむぎ茶」を飲むことで血圧が低くなる傾向が認められた。前述の野崎氏によると、ミネラル入りむぎ茶を飲むことで「収縮期血圧(最高血圧)」「拡張期血圧(最低血圧)」共に低下したことが確認できたという。特に「最低血圧」が下がったということは血管が柔らかくなったと考えられるため、すなわち動脈硬化のリスクなど様々な心臓トラブルを減らす効果が期待できるという。また、血液通過時間が短縮する「血液さらさら効果」の傾向が認められた。血行が良くなることで血管の詰りを防ぐ働きもあるため、血圧低下作用と同様に心臓の負担を和らげていると言えるとのこと。気温の低い冬は、体感温度が低いことから喉の渇きを感じにくくなるため、水分とミネラルが不足しがちだという。皆さんの中にも、寒さのためにトイレの回数が増えたり、厚着や暖房などで、知らず知らずのうちに発汗しているという人も多いのではないだろうか。水分とミネラルが補え、カフェインゼロ、カロリーゼロのミネラル入りむぎ茶は、子供からお年寄りまで安心して飲め、冬にもおすすめの飲料と言えるそうだ。いかがだろう、あなたも日頃から水分とミネラル補給はもちろん、冬の健康トラブルであるヒートショック対策を意識してみてはどうだろう。
2014年11月18日