フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は韓国ごはんの店『モゴ』のビビンパ定食です。経堂にかわいい食堂ができた。その名はモゴ。韓国語で「食べて」を意味する韓国ごはんのお店だ。店主の山口泰子さんは韓国の食はもちろん、韓国文化を10数年来愛してきた人。韓国へ通い、料理を身につけ、今年の3月、自身のお店を開くに至った。韓国料理といえば辛い!のイメージが先行するけれど……「実は辛くない、滋味深いすてきな料理がたくさんあるんです」と山口さん。おっしゃる通り、モゴのビビンパはそこまで辛くない。真っ赤な自家製コチュジャンは辛さというより香り高さと深みがあって、ピカピカのナムルや、肉の味わいがぎゅっと濃厚な塩豚そぼろ(山形・平田牧場から指名買い。甘辛く味つけてはもったいないので塩味で!)と混ざれば混ざるほど、おいしさが重層的に広がっていく。この味わいの充実感、それでいて食後感は軽やかで、ランチは毎日これがいい!と前のめりになる。「野菜とお米をたっぷり食べられる外ごはんがあればいいのに」と思い続けてきた山口さん。体に負担が少なくて、栄養も満点で、豆や野菜をもりもり食べられて、ご機嫌な気持ちでごちそうさまって言える店。モゴには山口さんの理想が詰まっている。あ、帰りには、山口さんお手製の韓国民芸モチーフクッキーも忘れずに買って帰らなきゃ(実は山口さん、お菓子の名店『foodmood』出身なのです)!昼メニューからビビンパ定食(¥1,100)。たっぷり野菜と塩豚そぼろと自家製コチュジャンに、数種のおかずとスープ(この日はもやし。もやし出汁のおいしさ侮るなかれ!)付き。モゴ東京都世田谷区経堂2‐31‐20TEL:03・6680・704311:30~14:30、18:00~21:00(日曜除く)水・木曜休詳細はインスタグラム(@mogo_pap)で。ひらの・さきこ1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)など。※『anan』2022年4月20日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2022年04月13日「今日の昼飯は、ご飯が食べたいなぁ」お昼はイタリアンにしようと思って準備をしていたら、彼から急なリクエストがきた。私はパスタが食べたかったけれど、リゾットに変更したほうがいいのかな。私:「じゃあ、私はイタリアンが食べたいから、リゾットでもいい?」彼:「リゾット? う~ん、できればビビンパとか食べたい」私:「困ったなー。ビビンパの材料は家にないから、どうしよう」彼:「それなら、イタリアンな感じのビビンパにしたら?」私:「え、イタリアンビビンパ?」あまり聞いたことのない料理だけど、意外とおもしろそう。うまくできるかわからないけど、彼のためにチャレンジしてみようかな。■イタリアンビビンパの材料(つくりやすい分量:2人分)ご飯…2人分卵…2個ニンニク…2片ピーマン…2個(50~80g程度)トマト…1個(100~150g)コーン…適量(100~150g程度)チーズ、ベーコン…各適量(60~100g程度)タバスコ、バジル…各適量濃縮麺汁…大さじ3杯※材料の分量は目安です。ご飯の量や好みに合わせて加減してください。※チーズは切りやすくてクセの少ない、プロセスチーズなどがお勧めです。※ベーコンは薄切りでもOK。あればブロックタイプを使用してください。※タバスコは種類によって味や辛さに差があるため、お好みで加減してください。※バジルは生でも乾燥でもOK。卵は冷蔵庫で冷えているものを使用してください。 ■つくり方1.まず、ピーマン、トマト、チーズ、ベーコンをそれぞれ1cm程度の角切りにします。終わったら、コーンの汁をきり、ニンニクは使う直前までにすり下ろします。2.小さめのフライパンでベーコンをじっくりいためます。焦げつきにくいなら油はしかなくてOK。火加減は弱火~中弱火。 3.ベーコンにかるく焼き色がついたら取りだし、ピーマンも同じようにいためます。好みの硬さになるまでいためてください。4.終わったらピーマンも取りだし、フライパンに麺汁、ニンニク、バジルを加えます。混ぜながら弱火で一煮立ちさせ、火を止めます。タバスコを加えたら、タレの完成。 5.器にご飯を盛り、レンジで熱々になるまで温めます(※ラップはしないこと)。終わったらご飯をドーム状に整えて、中心を少し凹ませます。その後、凹みに卵を割り落とし、黄身の中心をつまようじで1回刺しておきます。刺すときの深さは1cm~1.5cm程度。6.ラップをせず500wのレンジで1分間加熱し、取り出します(※1分より長く加熱すると、黄身が破裂してしまうので注意してください)。7.周りにピーマン、トマト、チーズ、ベーコン、コーンを盛りつけたら完成。盛りつけるときは同じ食材が対角線より少しずれた位置になるように盛ると、みばえがアップします。8.タレを回しかけて卵を崩し、全体をよく混ぜたら召し上がれ。それぞれの食材に卵の黄身が絡んで、まろやかな味わいになります。王道のビビンパと比べると脂っこくないので、ダイエット中でも安心です。「唇に黄身がついているけど、僕がもらってもいい?」食事が終わったと思ったら、急に顔を近づけてくる彼。唇は拭いたはずなのに、ノーとは言えない私。なんだかんだ言っても、彼の押しにはやっぱり弱いですね…。暑い日はまだ続くので、皆さんもしっかり食べて夏バテにならないよう注意してくださいね。献立がマンネリ化している人は、イタリアンビビンパもぜひお試しあれ。
2015年08月28日