ピアノと歌う ミュージカル~100万のキャンドル~ /ピアノと歌う ミュージカル~ダンスはやめられない~定番作品から人気のナンバーを収載。ピアノ伴奏CDがついているので、伴奏者がいない、ピアノがないといった方でも気軽にお楽しみいただけます。練習に、発表の場にぜひご活用ください。【付属CDについて】ピアノ伴奏CDは、ピアニストが演奏したものをデジタル音源で収録しています。また、本書にはガイド音は入っておりません。ピアノと歌う ミュージカル~100万のキャンドル~ 【ピアノ伴奏CD付】『マリー・アントワネット』『レベッカ』など近年人気の作品や『天使にラブソングを』『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』『マイ・フェア・レディ』といった定番作品から人気のナンバーを12曲収載。【歌詞について】「100万のキャンドル(Blinded By A Thousand Candles)」「レベッカ(Rebecca)」のみ日本語詞。その他の収載曲は英語詞です。【収載曲】[1] 100万のキャンドル*「マリー・アントワネット」より[2] トライ・トゥ・リメンバー*「ファンタスティックス」より[3] レベッカ*「レベッカ」より[4] オー・ハッピー・デイ*「天使にラヴ・ソングを2」より[5] アイ・ウィル・フォロー・ヒム*「天使にラヴ・ソングを・・・」より[6] 愛を感じて*「ライオン・キング」より[7] 誰かが私を見つめている*「クレイジー・フォー・ユー」より[8] サドンリー・シーモア*「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」より[9] オール・ザット・ジャズ*「シカゴ」より[10] 君住む街で*「マイ・フェア・レディ」より[11] ストレンジャー・イン・パラダイス*「キスメット」より[12] すべての山に登れ*「サウンド・オブ・ミュージック」より【商品詳細】定価:3,080円(10%税込)仕様:菊倍判/64ページ発売日:2021年9月22日ISBN:978-4-636-98144-5商品コード:GTC01098144 amazonにてご予約受付中! : ピアノと歌う ミュージカル~ダンスはやめられない~ 【ピアノ伴奏CD付】『モーツァルト!』『エリザベート』など近年人気の作品や『コーラスライン』『アニー』『サウンド・オブ・ミュージック』といった定番作品から、人気のナンバーを12曲収載。【歌詞について】「ダンスはやめられない(Irgendwo Wird Immer Getanzt)」「私だけに(私は私だけのもの)(Ich Gehor Nur Mir)」のみ日本語詞。その他の収載曲は英語詞です。【収載曲】[1] ダンスはやめられない*「モーツァルト!」より[2] 私だけに(私は私だけのもの)*「エリザベート」より[3] シーズンズ・オブ・ラブ*「RENT」より[4] トゥモロー*「アニー」より[5] 虹の彼方に*「オズの魔法使い」より[6] サウンド・オブ・ミュージック*「サウンド・オブ・ミュージック」より[7] 踊り明かそう*「マイ・フェア・レディ」より[8] 雨に唄えば*「雨に唄えば」より[9] シェルブールの雨傘*「シェルブールの雨傘」より[10] ありのままの私*「ラ・カージュ・オ・フォール」より[11] ワン*「コーラスライン」より[12] 愛した日々に悔いはない*「コーラスライン」より【商品詳細】定価:3,080円(10%税込)仕様:菊倍判/64ページ発売日:2021年9月22日ISBN:978-4-636-98147-6商品コード:GTC01098147 amazonにてご予約受付中! : ★「ピアノと歌うシリーズ」 特設ページピアノと歌うシリーズ特集 : お求めは、全国ヤマハ特約楽器店・書店または弊社オンラインショップ >まで。【本商品に関するお問い合わせ】(株)ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス ミュージックメディア部問い合わせフォーム: 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年09月13日5年に1度、ショパンの祖国ポーランド・ワルシャワで行われる「ショパン国際ピアノコンクール」開催が目前だ(2021年10月2日〜23日)。本来ならば2020年秋の予定が、コロナ禍によって1年延期。2021年10月17日のショパンの命日を含む前後20日あまりの開催となった第18回。ポリーニやアルゲリッチにツィメルマンなど、今に至るピアノ界のスーパースターを多数輩出してきた同コンクールだけに、世界中のクラシックファンが注目するのも納得だ。さて、ショパン作品のみが演奏課題とされる「ショパン国際ピアノコンクール」だけに、ショパンの名曲を知っておくのはコンクールを楽しむ上での必須条件。そのための予習にピッタリのコンサートが開催される(9月26日:サントリーホール)。「ショパンの旅」と題された及川浩治のリサイタルは全国で3万5千人以上を動員し、日本全国で大きな感動を呼んだ人気企画。特にショパンの没後150年にあたる1999年に開催されたプログラムの充実ぶりは今も語り継がれる素晴らしさだ。そのコンサートが復活するとなれば聴き逃がせない。「ノクターン第20番」や「幻想即興曲」に「英雄ポロネーズ」などなど。ショパンの代表作がこれでもかとばかりに繰り出されるステージは、まさにショパン尽くしの極地。コンクールに向けての予習はこれで完璧と言えそうだ。感動の原点に向き合う及川浩治のパフォーマンスに注目したい。●公演詳細9月26日(日)サントリーホール大ホール及川浩治ピアノ・リサイタル「ショパンの旅」1999年オリジナル版
2021年09月11日シンガーソングライターとして活動している平井ミエ(@hirai_mie)さんは、自身が体験したハプニングをとらえた動画をTwitterに投稿。2021年8月14日、平井さんは大阪府豊中市にある豊中市立文化芸術センターで、家族や友人を対象とした毎年恒例のピアノの発表会を行っていました。平井さんが、セルゲイ・ラフマニノフの『鐘』を演奏していた時、まさかの出来事が起こったのです!ピアノの発表会中、2歳の息子がステージに乱入!発表会の本番で、必死に『鐘』を弾いていた、平井さん。しかし次の瞬間、ステージ上に本来ならばここにいるはずのない人物が登場し…!そんなピアノ発表会。ラフマニノフ「鐘」を必死で弾いてたら息子2歳が乱入してきてまじ焦った。なんでステージおるんや… pic.twitter.com/eHc0lgvuFz — 平井ミエ (@hirai_mie) August 14, 2021 ステージ上に現れたのは、2歳になる平井さんの息子さん!発表会が始まった時、息子さんは客席の最後列で観ていたといいます。しかし、平井さんがステージに登場をしたのを見ると、席から立ち上がり、ステージに向かってしまったのだとか。先述したように、息子さんはまだ2歳。きっと、大好きなお母さんが登場したのを見て、そばに行きたくなってしまったのでしょう。演奏者の集中力を乱すようなヒヤッとするハプニングですが、幸いこの発表会は、演奏者も観客も平井さんの家族や友人のみであったため、大ごとにはならなかった様子。むしろ、その様子を見ていた観客は息子さんの姿に癒されたことでしょう![文・構成/grape編集部]
2021年08月16日『ストリートピアノ』という言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。『ストリートピアノ』とは、商業施設や駅などの公共施設に設置された、誰でも弾くことができるピアノのこと。東京では東京都庁の展望室に設置してあるグランドピアノが有名です。最近ではストリートピアノを演奏し動画を公開するYouTuberも増えており、注目されています。そんな中、プロのトロンボーン奏者でありながら、ストリートピアノでSNSを中心に爆発的な人気を博しているYouTuberがいます。鹿児島県出身の“みやけん”こと、宮原健輔(30)さんです。※プロのトロンボーン奏者として活躍する、みやけんみやけんさんは、東京都交響楽団や東京フィルハーモニー交響楽団など、数々のオーケストラにエキストラ出演しているプロのトロンボーン奏者。一方で、全国各地のストリートピアノを行脚し、主にJ-POP楽曲をアレンジして披露しています。耳コピのレパートリーは1000曲以上!その素晴らしい演奏テクニックは人々を魅了し、瞬く間にファンを増やしました。また音楽ユニット『YOASOBI』の大ヒット曲『夜に駆ける』を演奏したことから、『YOASOBI』の公式Twitterアカウントでも紹介され、いまやYouTube登録者数は9万人となっています。今回は、人気ストリートピアノYouTuber・みやけんさんに、これまでの軌跡について伺いました。幼少期から開花させていたピアノの才能ピアノ調律師の父と専業主婦の母のもとに生まれたみやけんさん。実家にアップライトピアノはあったものの、幼少期にピアノを学んでいたわけではないといいます。しかし当時から、親が聴いていたJ-POP楽曲の音を鍵盤で探して弾くのが好きだったとか。天性の才能は幼少期から現れていました。――教わっていないのに、幼稚園児の頃からピアノを弾いていた?みやけんさん:幼稚園の歌の時間も、一番前に立ってずっと先生のピアノを見ていました。ある時、担任がお休みで別の先生がピアノを弾いたそうです。その先生が園児からのリクエスト曲に対応できなったみたいで。ほかの園児が「けんちゃんなら弾けるよ」といって、僕が弾いたらしい。後から親にお礼の電話があったみたい。小学1年生の時も入学式で初めて校歌を聴いて、家に帰って耳コピで弾いていました。休み時間は、当時流行っていたJ-POPを耳コピで弾いて遊んでいました。当時は『モーニング娘。』や『SPEED』が流行っていたので、自分でアレンジして弾いていましたね。――すごい才能!みやけんさん:当時からピアノが好きで、『習う』というよりは『楽しむ』というところから入っていきました。小学校でトロンボーンに出会いプロの道へ小学生になり、ピアノの個人レッスンに通うようになったみやけんさん。ここでさらにJ-POPをたくさん弾くようなります。また小学4年生で金管バンドに加入し、先生からいわれるがままトロンボーンの担当に。中学でも吹奏楽部でトロンボーンを続け、鹿児島県内の音楽高校にトロンボーン専攻で進学しました。その後、トロンボーン専攻で愛知県立芸術大学に進学。在学時からオーケストラのオーディションに合格するなど、トロンボーンの才能も開花させます。この頃から「就職先はオーケストラ」と考えるように。一方で、流行りの曲をピアノで弾くことも続けていました。この大学時代に、ひっそりとYouTubeチャンネルを立ち上げたみやけんさん。当時は電子ピアノで吹奏楽の楽曲を演奏する程度でしたが、後にストリートピアノによって大人気チャンネルに成長することになるのです。そして大学卒業後、上京したみやけんさんはオーケストラのオーディションを受け、徐々に演奏に呼ばれるようになります。――プロのオーケストラに参加するのはハードルが高い?みやけんさん:うまく成果を発揮できれば次も呼ばれますが、ちょっとしたミスが命取り。厳しい世界ですね。そして完全に口コミの世界です。参加したオーケストラの人が「みやけん、よかったよ」といってくれたり、「いいね」と思ってくださって、次も呼んでくれたり。逆に一緒に吹いていて音が微妙だったとか、本番で間違えれば、次から呼ばれなくなる。先方の反応が「また次もよろしく!」だと安心します。逆に「ありがとうございます」といわれ、それ以降連絡がないと心配になります。――かなり限られた枠なのでは?みやけんさん:オーケストラの世界はすごく狭い。都内のプロのオケも数えるくらいしかありません。その中でトロンボーン奏者は2~3名だけ。募集も1名。その1名に対して50~100名がオーディションを受けるので、結構大変です。30歳になってもプロのオーケストラに呼ばれたことがない奏者もたくさんいます。厳しいオーケストラの世界でも、みやけんさんはフリーランスのエキストラとして地位を確立。東京都交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、読売日本交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団など、さまざまなオーケストラに定期的に呼ばれるようになります。「なんだこの世界は!」ストリートピアノで味わった感動体験プロのトロンボーン奏者として活躍していたみやけんさんですが、ピアノでのJ-POP演奏は続けていました。そんな中、ストリートピアノに出会います。――ストリートピアノにハマったきっかけは?みやけんさん:新型コロナウイルス感染症が流行る前の2019年11月に、オケの仕事で京都に行きました。京都駅の改札の目の前に大きなグランドピアノが置いてあって、弾いている人がいました。周りにすごく人が集まっていて、「あ、YouTubeでよく見る光景だ!こういうの、本当にあるんだ!」と。僕はその時は弾きませんでしたが、翌日次の仕事場へ移動する前に弾きに行くことにしました。翌朝京都駅に向かい、特に何も準備していなかったので、当時流行っていた『Official髭男dism』の『Pretender』や米津玄師さんの『Lemon』を弾きました。そうしたら、ありえないくらい人が集まった!関西の人たちはすごく温かくて、「ブラボー!アンコール!」って大歓声!「なんだこの世界は!YouTubeみたいなことって本当に起きるんだ!本当にこんなに盛り上がるんだ!」って感動して。この盛り上がりと拍手で、「ストリートピアノっていいな」と思いました。ここからハマりましたね。――かなり印象的な感動体験ですね。みやけんさん:はい。すぐに京都駅のビックカメラで三脚を買って動画を撮り、大学時代に作ったYouTubeチャンネルに投稿しました。この時は音質も悪かったけど、登録者数が伸びたんです。それからストリートピアノを巡るのが楽しくなって、オケの仕事で遠征する際は『○○県・ストリートピアノ』と検索して、弾いてまわるようになりました。――トロンボーンとストリートピアノの違いは?みやけんさん:僕にとって、単純に音を楽しむことができる楽器はピアノ。自分の魅力や、やりたいことを発揮しやすい。トロンボーンは仕事というイメージが強いです。感覚だけでなく、しっかりやらなければならない。オケはほかの楽器のいろんな音を聴いて合わせながらやるので、協調性がないとできない。自分を完全に出しきるよりは、周りと合わせる感じが強いんです。トロンボーンではクラシック曲しかやらないのに対して、ピアノでは絶対クラシックはやらず、「J-POPをやる!」と決めています。もともとJ-POP を聴いている方が好きなので。――その後もさまざまな場所のピアノを弾いて回った?みやけんさん:はい。弾いては動画を撮っていました。そのうち、現場で出会う人達にYouTubeのアカウントを聞かれ、人の縁やネットワークが広がっていきました。――2019年11月に京都駅で初めてストリートピアノを弾き、翌12月には東京都庁でも弾いています。みやけんさん:はい。2019年のクリスマスに都庁で初めて弾きました。いろいろなストリートピアノを弾いてきましたが、都庁はハードルが高いというか、「気軽には行けない」と勝手に思っていて。『ストリートピアノの聖地』なので。都庁は距離感や聴いている人の数が駅とは全然違うんです。「あの展望室で弾くなら、ちゃんと弾かないとダメだ!」と思って、「1曲ちゃんと仕上げてから持っていかないと」と思っていました。今まで即興で楽しんで弾いていましたが、この時は練習してから行きました。楽曲は『Official髭男dism』。『Pretender』はほかの方もよく弾くので、『イエスタデイ』にしました。有名な曲なのに弾いている人がいなかったので。都庁での演奏は、ストリートピアノでは感じたことがないくらい緊張して、足も震えました。ここは特別な場所です。そして、京都駅と東京都庁。この2つの体験が今のみやけんさんに続いているといいます。ついにYOASOBI公認!再生回数ミリオン突破で人気YouTuberへ2019年末からストリートピアノに目覚めたみやけんさん。2020年に入りコロナが爆発的に広がると、本業であるトロンボーンの仕事に陰りが見え始めました。みやけんさん:3月の緊急事態宣言頃から、4・5月の公演がなくなりました。3月から10月までプロの公演の仕事はありませんでした。オケによっては、楽団の人でさえ「9月まで仕事がない」といっている人もいました。本業の仕事がなくなっただけでなく、人が集まるストリートピアノも自粛しなければならなくなったみやけんさん。自粛中はYouTubeでピアノ演奏の生配信を決行しました。みやけんさん:「YouTubeで視聴者からリクエストをもらって、生配信したらいいのでは?」と思い、6月頃まで生配信をしていました。目の前の拍手はないけど、web上でリアルな反応をしてくれたり、配信で聴いてくれる人がいることに幸せを感じました。――緊急事態宣言が明け、再びストリートピアノが再開できるように。みやけんさん:緊急事態宣言解除後も、不特定多数が集まり、密になるストリートピアノをいつ再開するかを迷っていました。ただ、楽器メーカのヤマハ株式会社が、『LovePiano』というストリートピアノを全国に設置しているんですね。1号機から5号機まで5台あります。そのヤマハが緊急事態宣言解除後の6月19日に、商業施設『有明ガーデン』のオープンに合わせて、『LovePiano5号機を初お披露目します』と告知したんです。ヤマハが設置してくれるんだったら、そろそろ弾いて動画を出してもいいかなと思い、再開しました。弾くんだったら「絶対最初に弾きたい!」と思って1番に弾けるように行きました。――ここでの演奏が、みやけんさんを人気YouTuberに押し上げるターニングポイントに。みやけんさん:はい。この演奏も特別でした。有明で弾いたYOASOBIさんの『夜に駆ける』を、YOASOBIさんが公式Twitterアカウントで紹介してくださり、公認をいただきました。この時初めて、動画再生数がミリオンを達成したんです。YOASOBIさんのMVを見ていた人達や、J-POPを聴くのが好きな人達がストリートピアノを知って、僕の動画を見たり、現地に聴きに来てくれるようになりました。――その後どんどん登録者数が増えました。みやけんさん:6月時点で3000人だったのが、8月には1万人。毎日100人ずつ登録者数が増えていく状態でした。動画を投稿しなくても『夜に駆ける』のパワーが強くて、自動的に増えていきました。今はどんな投稿をしても1万再生を突破します。当初は視聴者やお客さんも「この曲が好きだから聴く」という感じでしたが、今は「この人が弾くから聴く」にチェンジしている気がします。2021年2月には登録者数が6万人近くなり、今は9万人に達しました。――ストリートピアノYouTuberとして認められてからの反響は?みやけんさん:今までトロンボーンをやっていても、外で声をかけられることはありませんでした。でもストリートピアノだと必ず声をかけられます。身近だからこそ、演奏後に「よかったです!」「今の曲なんですか?」と声をかけてもらえる。「写真いいですか?サインいいですか?」と、ちょっとアイドルみたいな世界ですが、より生で、距離感を近くに感じられるのがすごくいい。――今後はストリートピアノをメインに?みやけんさん:有明で弾いた去年の6月頃は、本業はトロンボーン奏者で、YouTubeやストリートピアノは趣味だと思っていました。好きだから毎週弾いていたけど、だんだんYouTubeが『稼げるもの』になってきて、今は完全にトロンボーン奏者時代より収入が上回っています。YouTubeをメインとした案件や企画などのオファーも増えました。『やりたいこと』をやらせてもらっているのでありがたい。いろいろ経験してシフトチェンジできたことはよかったです。ただ、“トロンボーン奏者・宮原健輔”としても、“YouTuber・みやけん”としても両立させたいです。「全部の役が自分」 YouTuber・みやけんとして意識していること――YouTuberとしてのこだわりは?みやけんさん:動画配信を始めた頃は、プロの演奏家から『YouTube?』ってちょっと馬鹿にされることもありました。YouTubeで『プロ、アマ・素人』の垣根がなくなっているのに、そこにばかりこだわっている人もいます。でも、「今はこういう時代だから、外で弾けない中でSNSで活動していいね」っていってくれる人もいました。変な表現になりますが、コロナ禍にすごくマッチしたと思います。僕は今できることを発信するしかない。YouTubeは全部の役が自分。撮影も編集も演奏も全部自分。弾くのは数分だけど、編集はすごく時間がかかっています。撮ったものをその場でポンと配信するのもいいけど、それだと再生率が伸びない。「どう伸ばすか」、そして企画は常に考えています。例えば演奏でミスをしても、これまでは「ミスは動画に出せない」と思っていましたが、そのミスをあえて笑いに変えて動画にしたり。――総合プロデューサーですね!みやけんさん:いろんなYouTuberの方から学ばせていただいています。サムネイル1つにしても、クリックしたいと思わせるタイトル付けなど、意識しています。――最後に、ストリートピアノの魅力は?みやけんさん:ストリートピアノは、一瞬で、身近でいい演奏が聴けます。オケの時の自分は、燕尾服やタキシードなどきれいな格好をして舞台上にいる。客席とほどよく距離があり、厳粛な感じで音楽を聴いてもらいます。ストリートピアノは真逆。普段着で、すぐ近くに鍵盤を見ているお客さんがいる。見ている人はより身近に音楽を感じられる。「こんな世界があるんだ!」と感動しました。自分が想像する『楽しめる音楽の世界』に近いです。気軽に楽しめるのが一番いい。すごく楽しいです。幼少期からずっと続けてきた大好きなピアノとJ-POP。ストリートピアノを始めたことで、『好きなこと』で人々を感動させ、さらに新しい仕事にもつながっています。みやけんさんのますますの活躍に今後も目が離せません!みやけんさんの演奏を生で見たい方はこちら!アメリカ出身のピアニスト・ジェイコブ・コーラー氏のコンサートにみやけんさんがゲスト出演します。「Street Piano Concert 2021」日時:2021年7月23日(金・祝)14:00開演(開場13:00)場所:横浜・関内ホール 大ホール[文/コティマム・構成/grape編集部]
2021年06月14日2021年1月現在も流行し続ける、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)。手指衛生を徹底するため、多くの企業や店舗で設置されている消毒液を使用する人は多いでしょう。ヤマハの『消毒液スタンド』が話題に「さすがヤマハ」そんなひと言とともに1枚の写真をTwitterに投稿したのは、S.Tanaka(@shun_tana)さん。『INNOVATION ROAD』という、株式会社ヤマハの企業ミュージアムを訪れた際、あるものを発見したそうです。それが…こちら!さすがヤマハ。 pic.twitter.com/UC7crhjjoW — S.Tanaka (@shun_tana) January 9, 2021 足踏み式の消毒液スタンドの踏む部分が、ピアノのペダルになっていたのです!ヤマハのウェブサイトによると、この消毒液スタンドは『ヤマハらしさ』を追求して作られたもので、一部の施設や店舗に設置されているのだそう。電子楽器用のパーツが応用されており、下部のペダルを踏むのはもちろん、上部の鍵盤を手や指、肘で押しても消毒液が出る仕組みです。また、子供でも手が届くよう、消毒液の高さは903に設計されているといいます。投稿には6万件以上の『いいね』と、さまざまなコメントが寄せられています。・かわいい!ドラムペダルではなく、ピアノを起用しているのがおしゃれ。・ペダルの下部分に、ピアノが置かれているであろう室内の板張りのフローリングを表してるのも芸が細かい!・ナイスアイディア!遊び心を取り入れて、楽しませようとするのがいいですね。S.Tanakaさんは「非常に安定感があり、踏み心地も良かったです」と、消毒液スタンドのペダルを踏んだ感想をつづっています。老若男女を問わず楽しく手指衛生ができる仕組みに、多くの人が感動しました![文・構成/grape編集部]
2021年01月13日ついに「Disney+」にて配信がスタートした、生まれる前の魂<ソウル>の世界を描く『ソウルフル・ワールド』。劇中に登場するピアノシーンに込められた、アニメーションのこだわりが明らかになった。生まれる前のソウル<魂>の世界に住む“人間に生まれたくない”ソウルの女の子22番と、ジャズ・ミュージシャンを夢見る音楽教師のジョーを主人公に描かれている本作。実は、“音楽”が物語の中で重要な要素となっているのだという。劇中の音楽制作を務めたのは、米国「フォーブス」誌の名物企画「世界を変える30歳未満の30人」にも選出された世界的アーティストのジョン・バティステ。ソウルの世界で流れる楽曲の制作とアレンジを担当した。さらに、ピクサーの製作陣は、バティステがピアノを演奏している姿を参考にして、ジョーがピアノを弾くシーンを描いているという。バティステがピアノを弾いている手元を録画し、指の動き方を正確に把握。それを忠実にアニメーションで再現することで、リアルなピアノの演奏シーンが完成した。アニメーションチームのモンターク・ラフィンは「僕らは幸運にもジョン・バティステに文化コンサルタントとして作品にかかわってもらった。彼はいつもライブで演奏してくれて、ライブ中に何を考えているのかも教えてくれたんだ。彼のピアノを弾いている姿を録画してアニメートしたから、音楽をやっている人こそ“正確”だと思うはずだよ」と明かした。『ソウルフル・ワールド』はDisney+にて配信中。(cinemacafe.net)■関連作品:ソウルフル・ワールド 2020年12月25日よりDisney+(ディズニープラス)にて配信©2020 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2020年12月27日新型コロナウイルスのパンデミックのため、来日アーティストの公演が軒並み中止となるなか、日本にいながらにして、ドイツで生まれ育ち、ドイツ・ピアノの正統派の流れにある音楽教育を受けたピアニスト、ゲルハルト・オピッツの演奏でドイツ音楽を聴くことができるのは、実に貴重な機会だ。1953年、西ドイツのバイエルンに生まれたオピッツは、19歳の頃、20世紀の巨匠であり、ベートーヴェンの解釈者として名高いドイツのピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプの教えを享受した。ドイツ音楽の古い伝統を土台に育んだ音楽を今の聴衆に届ける、数少ないピアニストのひとりといえる。世界的な活躍のきっかけは、1977年、イスラエルで行われたルービンシュタイン国際ピアノコンクールでの優勝。彼は未だ、このコンクール唯一のドイツ人優勝者として歴史に名を刻む。そのオピッツが、この冬、ソロリサイタルやオーケストラとの共演で、日本ツアーを行う。なかでも12月11日に東京オペラシティコンサートホールで行われるリサイタルで取り上げるのは、生誕250年のベートーヴェン。それも、〈鍵盤音楽の新約聖書〉と呼ばれる32曲のピアノ・ソナタから、最後の3つのソナタを演奏する。記念年の締めくくりに来日を果たしてこのプログラムを披露してくれることに、感謝せずにいられない。加えて、12月17日には、東京都交響楽団「都響スペシャル2020」にソリストとして登場。小泉和裕のタクトのもと、やはり得意とするブラームスから、ピアノ協奏曲第1番を演奏する。ドイツ音楽ならではの様式美と、あふれるほどの詩情を兼ね備えたこの楽曲を、持ち前のあたたかく骨太な音で聴かせてくれるだろう。生のオーケストラサウンドに包まれる喜びも、存分に堪能できる。オピッツのレパートリーはもちろんドイツものに限られるわけでなく、幅広い作品を演奏しているが、歳を重ねるにつれ、「ベートーヴェンから続く系譜にある音楽がどんどん自分に近い存在となってきた」と話す。コロナ禍にあって、音楽からエネルギーを得たい今日この頃。ドイツ音楽の真髄を知るオピッツの演奏により、ベートーヴェンやブラームスの音楽が秘める底力を、ひしひしと感じることになりそうだ。音楽ライター高坂はる香
2020年11月25日アメリカ・マサチューセッツに暮らすランディさんはTikTokに母親のエレインさんの動画を投稿しています。2020年11月現在、92歳のエレインさんは認知症を患っています。ランディさんは認知症について人々の認識を高めることを目的にエレインさんの動画をシェアしているのだそう。彼女のTikTokのフォロワーは15万人以上。なぜこんなにも多くの人たちがエレインさんの動画を見ているのでしょうか。その理由は動画を見ればすぐに分かります。ピアノの前に座るエレインさんにランディさんがこう伝えます。「ピアノソナタ『月光』第3楽章を弾いて」エレインさんが「知らないわ」といいつつ、ピアノを弾き始めると…!@orifbone##dementia ##alzheimers##music##Beethoven##moonlightsonata♬ original sound - orifbone「そんな曲知らないわ」といいながら、エレインさんの指は瞬時にベートーベンの名曲を奏で始めました。実は彼女は幼い頃からピアノを弾くことに情熱を注いできたのです。人生で何十年間もピアノを演奏してきた彼女の指は、弾き方をちゃんと覚えているのですね。この動画は200万件を超える「いいね」がつき、多くのコメントが寄せられています。・すごい。脳の記憶が薄れても身体と魂は覚えてるのね。・鳥肌が立って涙が出た。・この動画は僕の祖父母に希望を与えてくれたよ。ありがとう。海外メディア『Metro』によると、エレインさんは短い期間の記憶を覚えていられないのだそうです。そのため、娘のことも分かっていますし、着替えや食事も自分でできますが、5分前にピアノを弾いたことは忘れてしまうといいます。エレインさんは3年前から認知症患者専用の高齢者施設で暮らしています。そして彼女は毎週日曜日に施設内で入所者の皆さんのためにピアノを演奏しているのだそう。それはエレインさんが「音楽への情熱を忘れないように」というランディさんのアイディアだということです。素晴らしいですね。情感たっぷりにピアノを弾くエレインさんはとても認知症を患っているようには見えません。音楽の力は偉大ですね。[文・構成/grape編集部]
2020年11月25日今年生誕250年を迎える“楽聖”ベートーヴェンが、13歳か14歳の1874年に作曲したと伝えられる「ピアノ協奏曲第0番」を体験できるコンサートが開催される。「チェンバロ協奏曲ホ長調」とも呼ばれるこの作品には、残念ながらピアノ・パートのみしか遺されていないため、他の5曲のピアノ協奏曲とは全くの別扱い。録音はもとより、演奏されるケースも極めて少ない幻のベートーヴェン作品と言えそうだ。演奏するためには当然ながら、失われてしまったオーケストラ・パート譜の復元が求められる。これについては、すでに何人かの音楽学者や演奏者の手によって復元された楽譜が複数存在する。今回行われるコンサートではどのような復元譜が用いられるのかも気になるところだ。ベートーヴェンが遺した草稿や部分的なパート譜をもとに復元された楽譜を元に演奏された録音からは、少年ベートーヴェンの豊かな才能が聞き取れる。これを生演奏で体験できる絶好のチャンス到来。まさにベートーヴェンのメモリアルイヤーならではのイベントだ。公演は、9月13日(日)に開催されるミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団の「第159回名曲全集」。原田慶太楼の指揮のもと、鐵百合奈のピアノが、若きベートーヴェンの幻の作品を蘇らせる!●公演詳細「ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団名曲全集第159回」2020年9月13日(日)14:00開演/ミューザ川崎シンフォニーホール原田慶太楼(指揮)、鐵百合奈(ピアノ)、東京交響楽団(プログラム)スッペ:喜歌劇『詩人と農夫』序曲ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第0番プロコフィエフ:交響曲 第5番
2020年08月13日2020年8月4日、レバノンの首都ベイルートで大規模な爆発が起きました。死傷者は5千人以上とみられています。爆風の影響で、多くの住宅や施設が破損。市民は片付けに追われています。荒れ果てた部屋で演奏する高齢女性の姿に涙…79歳になるメイ・アブード・メルキさんは、当時、家を留守にしていたため無事でしたが家は爆風で大きく破壊されてしまいました。家の中に窓ガラスや家具が散乱する中、宝物であるピアノの無事を確認したメイさん。静かにスコットランド民謡『オールド・ラング・サイン(通称、蛍の光)』を弾く様子を、孫のメイリー・メルキさんがFacebookに投稿したところ反響が上がりました。メイさんのさまざまな思いが伝わってくる演奏をお聴きください。May-Lee Melkiさんの投稿 2020年8月5日水曜日これまでの暮らしが一変した悲しさや、絶望、その中でもまた希望を持って新たに生活をしようという新たに生活をしようという前向きな意思が伝わってくる演奏。CNNによると、メイさんはこの家に60年住んでおり、ピアノは結婚の日に父親からもらったものだといいます。投稿には世界中からコメントが寄せられていました。・言葉にならない。ピアノとともにガラスを集める音がして、心が痛い。・大切な家がこんな形になって、悲しかっただろうな。・演奏を聴いて涙がこぼれた。レバノンに幸あれ…。「希望を持ち続けたい」というメイさん。ピアノ演奏は多くの人の心に響いたことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年08月09日全盲のピアニスト・辻井伸行さんは、自身のYouTubeチャンネルでピアノの演奏動画を公開しています。2020年5月13日に投稿された動画は、40万回再生を超え反響が上がりました。辻井さんが演奏したのは、歌手の松任谷由実さんの名曲『春よ、来い』の演奏動画。Twitterでも多くの人が「感動した」などの感想を投稿していました。辻井さんは、「新型コロナウイルス感染症の状況が早く終息するように、名曲に想いを込めて演奏しました」とコメント。美しいピアノの音色をお聴きください。辻井さんが奏でる美しい音色は、多くの人の心に届いたようです。・無料で聴けていいのでしょうか。勇気をもらえました。・思わず涙があふれてきました。ありがとうございます。・鳥肌が立った!心が落ち着きました。不安な世の中に、心も疲れていたことでしょう。辻井さんの演奏は、そんな人たちの心を穏やかにしてくれるはずです。[文・構成/grape編集部]
2020年05月23日フローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなみ、毎年5月12日は『看護の日』。2020年の『看護の日』には、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の流行もあり、多くの人が看護師たちへ感謝の気持ちを表明しました。かつて自分や家族、友人などがお世話になった看護師たちに感謝する人が多いようですが、中には別の視点からの感謝もありました。医師から看護師への感謝の気持ち「看護師さんには感謝しかありません。身近では、救命センターでも、ICU(集中治療室)・病棟でも、ドクターヘリでも、看護師さんなくして我々医師は仕事ができません」医師の松村圭祐(keisuke828)さんが、そんな言葉とともに1本の動画をInstagramに投稿。兵庫県にある、北近畿エリア唯一の救命救急センター『公立豊岡病院 但馬救命救急センター(以下、但馬救命救急センター)』に勤務している松村さんは、日々の感謝の気持ちを込めてピアノを演奏しました。その時の演奏がこちらです! View this post on Instagram A post shared by Keisuke Matsumura (@keisuke828) on May 12, 2020 at 1:25am PDTドラマ『コウノドリ』(TBS系)のメインテーマ曲『Baby, God Bless You』を弾く松村さん。しっとりとした曲が大勢の人々の心にしみました。・素敵な曲に元気をもらいました!・医療関係の人たちには、尊敬と感謝しかありません。・松村さん、『コウノドリ』の産婦人科医・鴻鳥サクラみたい!・人命を助け、そのうえピアノも弾けるなんてすごいです!・どうか医療従事者のみなさまが感染することなく、どうか健やかでありますように。毎日途切れることなく重症対応が続いている、但馬救命救急センター。現在、ドクターヘリも感染に注意を払いながら、コロナウイルス対応だけでなく、いつも通り地域の救急需要にも対応しているそうです。患者を助けることができるのは、医師だけでなく看護師がいてこそ…医療従事者の間でも感謝をし合っていることが分かる投稿に、胸が熱くなりますね。[文・構成/grape編集部]
2020年05月20日広いピアノ室がほしい大谷さんが家をつくろうと思ったきっかけのひとつは「別に住んでいた高齢の母と一緒に住もうと思った」ことだった。そしてもうひとつは「ピアノのレッスン室がほしかったから」だったという。ほぼ一日中ピアノを弾いているという大谷さんは、以前と同じように自宅で練習ができかつピアノ教室を開くことができることにくわえ、クラシックのコンサートを行えるスペースをつくりたいと思ったという。「コンサートもできる広いピアノ室がほしいとお伝えしました。それと家にあるモノをぜんぶ見ていただいてこれがすべて収まる家にしてくださいと。あと1階のピアノ室と2階のプライべートスペースとで玄関をふたつにわけること、コンサートの出演者の控室が1階にほしいというのもお願いしました」コンサートを開けるピアノ室のためにつくられた玄関。前庭の植栽デザインも建築家の岸本さんが手がけた。ピアノ室のための玄関からアプローチを見る。家型のポストもacaaの設計。防音にこだわる大谷さんが一番気にしていたピアノ室の防音は住宅の設計を依頼した建築家の岸本さんが自ら手がけた。「大谷さんは人生をかけてピアノをやっていて、この住宅はそのためにつくったような家」だと話す岸本さん。「木造2階建てのコスト規模の中でいかに広い空間を確保しつつ、防音性能を上げていくかということが一番の要望でありまた一番の問題でもありました」と続ける。最初は防音部分については専門の業者に依頼することも検討したが、コストがまったく折り合わず岸本さんが考えたオリジナル仕様で対応することに。反響を起こさないようなプランを練るとともに「あらゆるところから情報を集めて、音を伝えない方法と材料を徹底的に調べあげて」つくりあげたピアノ室は「防音のプロがやったよりも性能が上がっている」と胸を張る。間接光が壁の下部にぐるりとめぐり、また開口のある壁側にはカーテンがかけられているため落ち着いた空気感のあるピアノ室。空気感をつくる照明出来上がったピアノ室には静かに音楽へと集中できる落ち着いた空気感が漂うが、これには間接照明を採用したことが大きく作用しているように見える。「岸本さんが間接照明にしましょうと。それで壁際にライトがぐるりと回っているんですが、それがすごくきいてます」と大谷さん。グランドピアノの置かれている壁側にはカーテンがかけられているが、これが法規上必要とされる上部の開口部から入る自然光を和らげるとともに下部からの間接照明によってふわっと和らいだ光を周囲に広げている。さらにまたこのカーテンは楽器の響きを調整するための装置でもあるという。「正面にある壁と正対しているため反響があります。そこで一方の壁にカーテンをかけることで音の響きを調整することができるようにしたんです」(岸本さん)。左奥の先にエントランスがありそのレベルからピアノ室は3段下がっている。奥の壁とピアノの上の天井は反響を避けるためにフラットにせず傾斜させている。24脚置かれたセブンチェア。大谷さんはこの椅子が気に入りプライベートスペースのほうでも使うことに。天井にはロックウール吸音板を張っている。コンパクトな中でつくる距離感と一体感2階の居住スペースは約55㎡(ロフト含まず)。大谷さんのお母様と2人の息子さんとの4人家族のためのものとしてはかなりコンパクトだが、大谷さんは「ほどよく居場所が離れている」という。「寝室に向かう途中に3段の階段があって、ワークスペースとは仕切りもないんですが、ダイニングキッチンとうまく距離が保てているのでいいですね」と話す。これは「とてもコンパクトな面積の中で狭さを感じさせないために」行った岸本さんの建築的工夫によるもの。「仕切りをできるだけ設けずに床の仕上げを変えてそこに丸柱を立てたり、スキップフロアをつくったり」しているのだ。しかしそれだけではなく、逆に、小さな場所が集合してできたこの2階スペースに一体感をつくり出すためにその上に大屋根を架けている。1階のプライベートスペース側につくられた演奏者の控室。2階のプライベートスペース。正面奥が階段。左がお母様の部屋で右に洗面所と浴室がある。動線も自然狭いスペースでは移動がしづらくなることがあるが、プライベートのほうの玄関から2階に上がってダイニングキッチンとワークスペースを通り奥の寝室までの「動きがとても自然で、動線がすごくよくできている」と大谷さんは話す。かつまた「どのスペースもまんべんなく使われていて無駄がない」という。左の女性が大谷さん。ダイニングキッチンの奥に息子さん2人の寝室と大谷さん用のロフト、3人が使うクローゼットがある。階段を上がって右手にワークスペースがあり、テレビとパソコンが置かれている。階段は3段で54㎝。床の仕上げを変え柱を立てることでダイニングと奥のスペースを分節。またキッチンとワークスペースとは階段によってゆるやかに分節されている。ダイニングテーブルは岸本さんにオイルと磨き方を教えてもらい大谷さん自身が塗装した。家型が反復する特徴的な造形が見られる天井部分。もうひとつの玄関からピアノ室への動線も気に入っているという。「わたしはピアノの部屋がいちばん気に入っているんですが、階段を3段下りてその下がホールになっているんですね。コンサートホールって階段を下りていくことが多いですが、それをイメージしてそうしてくださった」防音のほうも完璧だという。周りに気兼ねする必要のない環境かつ音楽に浸るのにうってつけの空気感のなかで、今まで以上に練習にも生徒さんのレッスンにも熱が入るのではないか。そしてたぶん、大好きだというベートーベンやショパンを弾く喜びも増しているにちがいない。プライベート用の玄関はガレージ側につくられている。大谷邸設計acaa撮影上田宏所在地神奈川県藤沢市構造木造規模地上2階延床面積109.09㎡
2020年05月06日アイドルグループ・嵐の櫻井翔が25日、グループ公式インスタグラムのストーリーズを更新し、ピアノを演奏している動画を公開した。櫻井は「まさに…全くの…」というコメントを掲載してから、「未完…」という言葉を添えてピアノを演奏している動画を公開。「The Greatest Showman」の「A Million Dreams」と思われる冒頭部分を披露した。SNS上では、「翔くんインスタ…ヤバい泣きそう」「素敵な音色を届けてくれてありがとう」「ピアノ翔くん見られるなんて・・・」「翔くんのピアノ、、、なんか落ち着くな。。。」「翔ちゃんのピアノ癒される」「翔くんのピアノ弾いてる姿がカッコよすぎる…」「翔くん、ピアノを弾いてる姿、最高に素敵だよ」「最高に感動したよ」「翔さんがA Million Dreams弾いてるこの世界に乾杯」などと称賛や感動の声が上がっている。嵐の公式インスタグラムでは、20日よりメンバーが日替わりでストーリーズを更新していく企画を展開中。初日は相葉雅紀がヘルメットコレクションを紹介する動画を、21日は二宮和也が過去のトレーニング中の写真を、22日は大野智がタケノコを使った手料理と自撮り写真を、24日は松本潤が作業部屋で撮影した自撮り写真をアップしている。
2020年04月26日人気イラストレーターのしばたまさんが、フォロワーのみなさんから募集した実話のエピソードを漫画化!今回は…「ほっこりするお話」です!プラスな想いを本人に伝えるのは、大事なことですよね!なかなか伝えるのって難しいけど、私もちょっと頑張ってみようかなと思えるお話でしたbyしばたま 『1万人がいいね!した 心ゆさぶる本当の話』 イラストレーターしばたまさんのInstagramに集まった、ほんわかゆるーいストーリーから衝撃的なオチや深く考えさせられる話が書籍化。日常の中で起こる心揺さぶられる珠玉のドラマたち!▼前回の記事を見る 【キュンとする話】妊娠中の夏バテで寝てばかり…呆れた夫に意見したのは! 【スカッとする話】強引な引き止めで結婚退職できない…パワハラ上司に意見したのは! 【感動する話】小学生だった私を助けてくれた彼…10年後にわかったヒーローの正体 \「しばたまさん」の記事が動画になりました!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年04月18日“ロシア・ピアニズム”の申し子、イリーナ・メジューエワが、祖国を遠く離れた東京で、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会に挑む。その第1回と第2回公演(同日開催)が目前だ。会場となる東京文化会館は、1997年のイリーナ・メジューエワ日本デビュー公演の会場となった思い出のホール。以来、日本に拠点を据えて幅広い演奏活動を続けてきただけに、公演にかける思いも一際強いに違いない。第1回公演は、23番『熱情』を筆頭に1番、6番、24番、25番の5曲。そして同じ日の夜公演となる第2回では、21番『ワルトシュタイン』を筆頭に、2番、5番、19番、20番の5曲が披露される。J.S.バッハの『平均律クラヴィーア曲集』が音楽の『旧約聖書』に例えられるのと同様『新約聖書』と称されるベートーヴェンのピアノ・ソナタ32曲。この傑作群を名手イリーナがどのように描き出すのかに注目したい。●公演概要・3月7日(土)東京文化会館小ホール「イリーナ・メジューエワピアノソナタ全曲演奏会第1回、第2回」・6月13日(土)東京文化会館小ホール「イリーナ・メジューエワピアノソナタ全曲演奏会第3回、第4回」●イリーナ・メジューエワ IRINA MEJOUEVA(ピアノ)(C)奥村和泰ロシア生まれ。モスクワのグネーシン特別音楽学校とグネーシン音楽大学(現ロシア音楽アカデミー)でウラジーミル・トロップ教授に師事。1992年ロッテルダム(オランダ)で開催された第4回エドゥアルド・フリプセ国際コンクールでの優勝後、オランダ、ドイツ、フランスなどで公演を行う。1997年からは日本を本拠地として活動。2002年、スタインウェイ・ジャパンによる国内コンサートツアー。2003年、サンクトペテルブルク放送交響楽団と日本国内4都市で共演。2005~06年にはザ・シンフォニーホール(大阪)で4回にわたるリサイタル・シリーズを開催。2006年からは毎年京都でリサイタルを行う。2017/2018シーズンには、日本デビュー20周年記念として東京文化会館において全3公演のリサイタル・シリーズを行うなど精力的な演奏活動を展開している。CD録音にも精力的で、これまでに多数のアルバムをリリース。「ショパン:ノクターン全集」は2010年度レコードアカデミー賞(器楽曲部門)に輝く。2017年9月には「ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ」(講談社現代新書)を出版。2006年度青山音楽賞受賞。2015年、第27回ミュージック・ペンクラブ音楽賞(クラシック部門、独奏・独唱部門賞)を受賞。
2020年02月29日2020年は5年に1度の「ショパン国際ピアノコンクール」開催年に当たる。これまでにアルゲリッチやポリーニにツィメルマンなどなど、クラシック界を代表する名ピアニストを世に送り出してきた同コンクールへの注目度は抜群だ。過去の栄光の歴史の中にあって一際異色の出来事が、1980年の同コンクールにおける「ポゴレリッチ事件」だ。本選を前にポゴレリッチを落選させたことについての論争と、審査員を努めていたアルゲリッチがこの結果に抗議し、「だって彼は天才よ!」という一言を残して帰国してしまったことによって、ポゴレリッチは一躍時の人となり、その後の活躍の大きな後押しとなったことは忘れられない。そしてその後のポゴレリッチの活躍によって、アルゲリッチの見識がいかに正しかったのかが証明された格好だ。あれから40年の歳月が過ぎ、今や巨匠の域に足を踏み入れたポゴレリッチの来日公演が目前だ。昨年21年ぶりの新録音を行うなど、新たな歩みを始めた鬼才の今を確かめたい。公演詳細: ●公演概要・2月15日(土)ザ・シンフォニーホール・2月16日(日)サントリーホール「イーヴォ・ポゴレリッチピアノ・リサイタル」●イーヴォ・ポゴレリッチ(ピアノ)(c)Alfonso Batalla1958年ベオグラード生まれ。12歳からモスクワの中央音楽学校で、その後はチャイコフスキー音楽院で勉強を続けた。1976年からは著名なピアニストで教育者のアリス・ケゼラーゼに師事。数々の国際コンクールでの優勝に続き、1980年のショパン国際コンクールで、本選を前に彼を落選させたことについての論争とそれに抗議して帰国してしまった審査員のひとり、マルタ・アルゲリッチの「だって彼は天才よ!」という言葉によってポゴレリッチは一躍脚光を呼び、たちまち世界的に名を知られることになった。1981年のカーネギーホールでのデビュー以来、世界中で活躍、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロンドン響、パリ管、シカゴ響、ボストン響など世界有数のオーケストラと共演を重ねている。若い人への教育にも熱心で1986年にはクロアチアに若い演奏家をサポートするための財団を設立。1989年から開催しているドイツのバート・ヴェリスホーフェンでのポゴレリッチ音楽祭では若い音楽家たちに著名な演奏家と共演する機会を与えている。また赤十字やサラエヴォ再建、癌や硬化症と闘う人のためにも多くのチャリティ・コンサートを行っている。1988年にはユネスコから親善大使に任命された。1982年、ドイツ・グラモフォンからレコードデビュー。以来10数点のCDリリースがされ、いずれも人気を博している。数年間の療養期間を経て2005年に6年ぶりの来日を果たして以来、定期的に来日。いつも大論争を起こす中、特に14年の来日公演は型破りな凄みの内にも統一された秩序があり、完全復活を果たしたことを聴衆に印象付けた。
2020年02月09日国際ピアノコンクールに挑む4人の若きピアニストたちの姿を描いた恩田陸原作の映画『蜜蜂と遠雷』のヒットによって、ピアノ・コンクールへの注目度が大幅にアップしている。それは、映画に登場する主人公たちの演奏を担ったピアニストたちのコンサートにも影響があるらしい。今までコンサートに来たことがないような人たちまでがクラシックに興味を持ったのだとしたら、それは実に喜ばしいことだ。そしてその効果は、原作の舞台となった「浜松国際ピアノコンクール(浜コン)」自体にもありそうだ。同コンクールは、後に「ショパン国際ピアノコンクール」優勝者となるラファウ・ブレハッチ&チョ・ソンジン、そして「チャイコフスキー国際コンクール」を制した上原彩子などなど、過去に錚々たる優勝者や入賞者を排出してきたことにより、レベルの高さは折り紙付き。映画公開の1年前に開催された第10回「浜コン」の優勝者ジャン・チャクムルは、今まさに「優勝者ツアー」の真っ只中だ。2019年4月16日にスタートしたこのツアーは、日本国内22公演とドイツ&フランスの2公演を加えた24公演の長丁場。これは若きピアニストにとって、世に出るためのご褒美であるとともに、大きな負担のかかる課題でもあるに違いない。いよいよ終盤に差し掛かった優勝者ツアーは要チェック。「浜コン」を制した俊英の実力や如何に⁉ジャン・チャクムル photo:公益財団法人墨田区文化振興財団 2019/8/5すみだトリフォニーホール大ホール (c)三浦興一●公演概要1月31日(金)横浜みなとみらいホール大ホール「ジャン・チャクムルピアノリサイタル」●ジャン・チャクムル(ピアノ)トルコ人ピアニスト、ジャン・チャクムルは、2017年スコットランド国際ピアノコンクール、続く2018年第10回浜松国際ピアノコンクールで第1位となった。(公財)アルゲリッチ芸術振興財団賞受賞。1997年アンカラ生まれ。レイラ・ベケンシル、アイシェ・カプタンのもとで音楽を学び始め、菅野潤やエムレ・ シェンに多大な影響を受ける。2012年、アンカラの高校を卒業後、パリ・スコラ・カントルムにてマルセラ・クルデリに師事し、2014年首席で卒業。以来、アリエ・ヴァルディ、レスリー・ハワード、ロバート・レヴィン等多くの著名な音楽家との演奏機会に恵まれる。これまでに母国トルコの主なコンサートホールを始め、アッシャーホール(エディンバラ)、サルコルトー(パリ)、ムジークヘボウ(アイントホーフェン)等で演奏したほか、著名な国際音楽祭にも多数出演している。現在ヴァイマル音楽大学にてグルツマン教授の指導のもと研鑽を積んでいる。
2020年01月27日向井理が娘を誘拐された父親を演じる「10の秘密」の第2話が1月21日放送。松村北斗演じる伊達翼のピアノ演奏とシャツ姿に「ピアノ姿カッコいい」「最高じゃないか」などの反応が多数。向井さん演じる白河圭太は妻の由貴子と離婚後、シングルファザーとして懸命に娘・瞳を育て、娘と信頼関係があると信じていたが、ある日、瞳が誘拐されたことをきっかけに娘の、さらには妻の秘密を知っていく。そして圭太もまた秘密を抱えていた…というオリジナル脚本でおくる本格サスペンスドラマとなる本作。仲間由紀恵が圭太の元妻で弁護士の仙台由貴子役で、山田杏奈が2人の娘・瞳役で出演するほか、仲里依紗が圭太とは兄妹のような関係の保育士・石川菜七子に、渡部篤郎が由貴子の現在の交際相手で大手建設会社・帝東建設の社員・宇都宮竜二に、松村さんが瞳と親しいジャズバーのピアニスト・伊達翼に扮する。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。瞳の誘拐がきっかけで元妻・由貴子のセレブ生活が偽りで多額の借金まで抱えていることを知った圭太。ようやく連絡が取れた由貴子は瞳を誘拐した犯人の見当がついている様子で、自分に任せてほしいと圭太を諭す。しかし圭太は由貴子がただならぬ事態に巻き込まれていることを察知、それが圭太と由貴子が抱える“10年前の秘密”と関係があるのでは?と問いただす。そこに同じく由貴子を探していた竜二が現れ、由貴子は動揺し逃げ出してしまう。瞳を探すなかで、誘拐された当日にピアニストの翼と会う約束をしていたことを知った圭太は、繁華街で聞き込みしジャズバーでピアノを弾く翼を発見するが、圭太に声をかけられた翼は走って逃げ出してしまう。翼を見つけ部屋を探す圭太だが、そこに瞳の姿はなく、翼から瞳にとって父親の存在が重荷になっていたことを聞かされる…というのが今回の展開。今回から本格的に物語に絡んできた翼。ジャズバーでピアノを弾く翼の姿に「ジャズピアノ弾く伊達翼さん!」「ほっくん、ピアノ姿カッコいい」などの声が上がったほか、その白と黒のシャツ姿にも「白シャツも黒シャツも良い」「白シャツと黒シャツ同時に拝める第二話最高じゃないか」と興奮を抑えられない視聴者からの投稿が続出中だ。また娘の本心を全く理解していなかった父親の圭太に「私もいややわこんな縛りつける父親なんて」などという声が上がっている。(笠緒)
2020年01月21日ウクライナ出身の若き巨匠コンスタンチン・リフシッツが、首都圏8つのコンサートホールを巡り、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲を演奏する「ベートーヴェンへの旅」が2020年のゴールデンウィークに開催される。公演に先立ち、リフシッツが来日し、11月13日、都内で記者会見を行なった。【チケット情報はこちら】ベートーヴェンの生誕250周年を記念して、8館が共同制作するというこれまでにない形で開催されることになった今回の演奏会。リフシッツはベートーヴェンのピアノ・ソナタの魅力について「交響曲、室内楽に並ぶ、ソナタ集と呼ぶべきひとつのジャンルを構成していて、素晴らしい道、新たなる旅を作り上げ、それはワーグナー、スクリャービンといった作曲家に引き継がれています」と語る。リフシッツ自身、これまでスイス、香港、台湾でピアノ・ソナタ全32曲の演奏会を行なった経験はあるが、その際は1番から32番を順番に演奏しており、今回のように順番を独自に入れ替えての全曲演奏は初めて。この順序入れ替えについてリフシッツは「1番から順番に弾くということは、年代順に弾くということであり、面白くはありますが、例えば19番と20番はベートーヴェンが初期に作曲した作品であったり、必ずしも完璧な年代順ではありません。日本でやるにあたって、順番を変えるべきだと思った」と語る。ではどのように曲を振り分けたのか?「32曲の中には(『悲愴』『田園』など)名前の付けられた有名な作品があります。それらをメインとして配しつつ、8つのメイン曲の周囲に、それに見合う共通性を持ったソナタを散りばめていきました」と説明。「このような形でやるのは初めてであり、正直、怖くもあり、私自身も興味津々です。このやり方が吉と出ることを願っております。8つのうちのひとつの演奏会にしか来られなくとも、ベートーヴェンの音楽の宇宙を堪能していただけるプログラミングをしたつもりです」と意気込みを語った。来春には、2017年の香港大学でのコンサートより収録した10枚組の「ベートーヴェンピアノ・ソナタ全集」も発売されるが「最初に話が出たのは昨秋ですが“まず無理だろう”と思ってました」と振り返りつつ「1年以上の時間をかけて、話し合いを進めながらじっくりと作り上げていきました」と手応えを口にしていた。「ベートーヴェンへの旅」は4月25日(土)のよこすか芸術劇場を皮切りに、神奈川県立音楽堂、フィリアホール、狛江エコルマホール、武蔵野市民文化会館、東京文化会館、所沢ミューズ、ウェスタ川越で開催。全8公演のスタンプを集めると、もれなく「コンスタンチン・リフシッツ ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全集」BOX CDがプレゼントされる。取材・文:黒豆直樹
2019年11月18日幅広いレパートリーを武器に、ピアノ音楽の様々な可能性を切り開いてきたロシアの俊英ヴォロディンが来日する。そのヴォロディンの今回のテーマは、自らのルーツと言える“ロシアの作曲家たちの音楽”だ。20世紀前半似活躍したニコライ・メトネルのロマンティックな小品集「おとぎ話」に、チャイコフスキーの名高いバレエ組曲「眠れる森の美女(プレトニョフ編)」。そして締めくくりには、ピアノ音楽の中でも最高の技巧が求められる難曲、バラキレフの「イスラメイ」というプログラムには、ロシア伝統のロマンティシズムと気高いピアニズムの香りが充満する。「日本の聴衆は、真摯に演奏家の心に寄り添ってくださる。来日公演を重ねる度に、皆様がより身近な存在になっているのを実感する」と語るなど、親日家の側面も持つヴォロディンが描き出すロシアピアニズムの“凄さ”を体験したい。●公演概要10月21日(月)紀尾井ホール「アレクセイ・ヴォロディン ピアノ・リサイタル」●アレクセイ・ヴォロディン非常に繊細なタッチと華麗な技巧が高く評価されているヴォロディンは、桁外れに多様なレパートリーを有し、ベートーヴェン、ブラームスからチャイコフスキー、ラフマニノフ、プロコフィエフ、さらにガーシュウィンからシチェドリン、メトネルまで自在に弾きこなす。1977年レニングラード生まれ。モスクワのグネーシン音楽大学で学んだ後、モスクワ音楽院でヴィルサラーゼに師事した。2003年、チューリヒで行われたゲザ・アンダ国際ピアノ・コンクールでの優勝を機に国際的にその名が知られることとなった。ゲルギエフ、アシュケナージ、ナガノ、インキネンらの指揮のもと、マリインスキー劇場管、ロシア・ナショナル管、SWR響、モントリオール響、N響、中国国家大劇院管などと共演、リサイタルはウィーン・コンツェルトハウス、マリインスキー劇場、フィルハーモニー・ド・パリ、チューリヒのトーンハレなどのホールで定期的に演奏。室内楽にも力を入れ、ボロディン弦楽四重奏団、モディリアーニ弦楽四重奏団、ヤンセン、ラクリン、マイスキー、ガベッタらと共演している。2019/20年シーズンは、ローマ・サンタ・チェチーリア国立管、シドニー響、ハンブルク・フィル、ロイヤル・フィル、サンクトペテルブルグ・フィルなどに招かれ、ロンドンのサウスバンク・センターで開催される「インターナショナル・ピアノ・シリーズ」やウィグモア・ホール、アムステルダムのコンセルトヘボウでの「マスター・ピアニスト・シリーズ」にも登場する。最新の録音は、マリインスキー・レーベルからリリースされたゲルギエフの指揮によるプロコフィエフのピアノ協奏曲第4番。チャレンジ・クラシックス・レーベルでラフマニノフ、シューマン、ラヴェル、スクリャービンのソロ作品も録音している。ショパンの作品を録音したCDは、クラシカ誌のショック賞とディアパゾン誌の5つ星を受賞した。スタインウェイの専属アーティストである。
2019年10月16日1970年アメリカ生まれのピアニスト、ニコラ・アンゲリッシュが来日する。熱烈なピアノ・ファンが相手ならば、過去の来日時におけるソロ・リサイタルやオーケストラとの共演、さらには「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」での素敵なパフォーマンスでもお馴染みのアンゲリッシュについて、前置きなしですらすら話ができそうなところだが、一般の方々に彼の魅力を伝えることは、原稿用紙(今やPC)を前にしたこの期に及んでなかなか難しいことにはたと気がつく。そう、アンゲリッシュには、これといった強烈な個性が見当たらないのだ。しかしながら、「だったらだめじゃん」などと思うのは大間違い。強烈な個性というものは、一歩間違えば奇をてらった陳腐な演奏と紙一重であるということも認識しておきたい。アンゲリッシュには、そのあたりの世界とは全く無縁の領域に生息するピアニストとしての存在価値があるように思えるのだ。言い方を変えればオーソドックス。しかしそのオーソドックスの絶対的な高みとは、他に代えがたい価値であるということを知ってほしい。特に今回のプログラムに並ぶドイツの作曲家たちの作品においては、オーソドックスであることの意味が大きく物を言いそうだ。音楽の価値や演奏の価値とはいったいどこにあるのだろう。そんな事を改めて考えさせられそうな重みを持つアンゲリッシュのリサイタルになりそうだ。●公演概要10月15日(火)紀尾井ホール「ニコラ・アンゲリッシュピアノ・リサイタル」●ニコラ・アンゲリッシュ(ピアノ)(c)Jean-François-Leclercq-Erato1970年アメリカ生まれ。5歳で母からピアノの手ほどきを受け、7歳でモーツァルトのピアノ協奏曲K.467を弾き演奏会デビュー。13歳でパリ国立高等音楽院に入学し、アルド・チッコリーニ、イヴォンヌ・ロリオ、ミシェル・ベロフ、マリー=フランソワーズ・ビュケに師事した。ピアノと室内楽で1等賞を授与され、同音楽院を卒業。レオン・フライシャー、ドミトリー・バシキーロフ、マリア・ジョアン・ピリスのマスタークラスも受講。クリーヴランドのロベール・カサドシュ国際ピアノ・コンクールで第2位(1989年)、ジーナ・バッカウアー国際ピアノ・コンクールで第1位(1994年)に輝く。ドイツでは、フライシャーの推薦でルール・ピアノ音楽祭の新人賞を受賞。2013年、フランスのヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークより年間最優秀器楽奏者に選出された。2003年5月、クルト・マズアの指揮でベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番の独奏を務め、ニューヨーク・フィルハーモニックにデビュー(リンカーン・センター)。マズア指揮フランス国立管弦楽団の日本ツアーでは、ブラームスのピアノ協奏曲第2番を演奏した。2007年10月にはウラディーミル・ユロフスキよりモスクワに招かれ、ロシア・ナショナル管弦楽団のシーズン・オープニング・コンサートに出演した。これまでソリストとして、シャルル・デュトワ、ロジャー・ノリントン、ウラディーミル・ユロフスキ、ヤニック・ネゼ=セガン、トゥガン・ソヒエフ、ステファン・ドゥヌーヴ、マルク・ミンコフスキ、エマニュエル・クリヴィヌ、チョン・ミョンフン、ジャナンドレア・ノセダ、ダーヴィト・アフカム、パーヴォ・ヤルヴィ、クリスチャン・ヤルヴィ、ダニエル・ハーディング、ヴァレリー・ゲルギエフ、ミヒャエル・ザンデルリング、クシシュトフ・ウルバンスキ、デイヴィッド・ロバートソン、ヘスス・ロペス=コボス、ケネス・モンゴメリー、アレクサンドル・ドミトリエフ、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン、ヒュー・ウルフ、クリスティアン・ツァハリアス、大野和士らの指揮のもと、フランス国立管弦楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、パリ管弦楽団、フランス国立リヨン管弦楽団、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団、トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、ロサンジェルス・フィルハーモニック、ピッツバーグ交響楽団、サンクトペテルブルク交響楽団、マリインスキー劇場管弦楽団、ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団、モンペリエ管弦楽団、ローザンヌ室内管弦楽団、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団、南西ドイツ放送交響楽団、hr交響楽団、スイス・イタリアーナ管弦楽団、シュトゥットガルト放送交響楽団、トーンキュンストラー管弦楽団、モントリオール交響楽団、アトランタ交響楽団、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団、スウェーデン放送交響楽団、ソウル市立交響楽団、マーラー・チェンバー・オーケストラ、ヨーロッパ室内管弦楽団などと共演。ロンドン、ミュンヘン、ジュネーヴ、アムステルダム、ブリュッセル、ルクセンブルク、ローマ、リスボン、ブレシア、東京、パリを始め、各地でリサイタルを行っており、ヴェルビエ音楽祭、マルタ・アルゲリッチ主宰のルガーノ音楽祭より定期的に招かれている。2009年7月には、ヤニック・ネゼ=セガン指揮スコットランド室内管弦楽団との共演で、BBCプロムスへのデビューを果たした。古典派・ロマン派作品を得意とし、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲やリストの《巡礼の年》全曲を世界中で演奏。さらに20・21世紀の音楽にも関心を寄せ、ラフマニノフ、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ、バルトーク、ラヴェル、メシアン、シュトックハウゼン、ピエール・ブーレーズ、エリック・タンギーらの作品を演奏。ブルーノ・マントヴァーニの《Suonare》、ピエール・アンリの《オーケストラのないピアノ協奏曲》、バティスト・トロティニョンのピアノ協奏曲《Different Spaces》(Naïveレーベルに録音)をそれぞれ初演している。室内楽にも精力的で、マルタ・アルゲリッチ、ギル・シャハム、ヨーヨー・マ、ジョシュア・ベル、マキシム・ヴェンゲーロフ、諏訪内晶子、ドミトリー・シトコヴェツキー、ルノー・カプソン、ゴーティエ・カプソン、ジャン・ワン、ダニエル・ミュラー=ショット、レオニダス・カヴァコス、ジェラール・コセ、ポール・メイエ、エベーヌ四重奏団、モディリアーニ四重奏団、イザイ四重奏団、プラジャーク四重奏団、パヴェル・ハース四重奏団がらと共演している。レコーディングでは、代表的なソロ・アルバムに、『ラフマニノフ:ピアノ作品集』(Harmonia Mundi)、『ラヴェル:ピアノ作品集』(Lyrinx)、『リスト:巡礼の年』(Mirare、「ル・モンド・ド・ラ・ミュジク」Choc賞、「クラシカ」推薦盤)、『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番、第21番「ワルトシュタイン」、第32番』がある。Eratoレーベルとはブラームスに重点を置き、ピアノ三重奏曲(共演:ルノー&ゴーティエ・カプソン、ドイツ・レコード批評家賞)、ヴァイオリン・ソナタ(共演:ルノー・カプソン、ディアパゾン・ドール、「ル・モンド・ド・ラ・ミュジク」Choc賞、「グラモフォン」エディターズ・チョイス、「スケルツォ」特選盤)、ピアノ独奏曲(「ル・モンド・ド・ラ・ミュジク」Choc賞、「BBC ミュージック」優良盤)を録音。さらに諏訪内晶子との共演で『ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」、第7番 』(Decca)を、パーヴォ・ヤルヴィ指揮hr交響楽団との共演で『ブラームス:ピアノ協奏曲第1番、第2番』(Erato)をリリースしている。このほか、フォーレの室内楽作品、J.S.バッハの《ゴルトベルク変奏曲》、『Dedication:献呈されたピアノ作品~リスト、シューマン&ショパン』などの録音も高い評価を得ている。最新盤は、『ベートーヴェン: 三重協奏曲、ピアノ三重奏曲第4番「街の歌」』(共演:パーヴォ・ヤルヴィ、フランクフルト放送交響楽団、ギル・シャハム、アンヌ・ガスティネル)、またロランス・エキルベイ指揮、インスラ・オーケストラとの最新レコーディング『ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番・第5番「皇帝」』も2018年9月にリリース。
2019年10月10日今年もさまざまな小説が映画化されてきましたが、そのなかでも「映像化は不可能」と言われていた『蜜蜂と遠雷』の映画版がついに完成。史上初の快挙となる直木賞と本屋大賞のW受賞を果たした原作の世界観が見事に再現されている作品ですが、今回はそのなかで主要キャストを務めたこちらの方々にお話をうかがってきました。写真・大内香織(森崎ウィン、鈴鹿央士)森崎ウィンさん&鈴鹿央士さん!【映画、ときどき私】 vol. 263国際ピアノコンクールで世界を目指す4人の若き天才ピアニストたちの挑戦を描いた本作。ルックスと育ちの良さから「ジュリアード王子」と呼ばれるマサル役を演じたのは、スティーヴン・スピルバーグ監督作『レディ・プレイヤー1』で注目を集めた森崎ウィンさん(写真・左)。そして、ある現場でエキストラとして参加していたところを広瀬すずさんにスカウトされたことがきっかけでデビューを果たした新星・鈴鹿央士さん(写真・右)が、突如現れた異端児の風間塵を演じています。今回は、本作での共演を通じて意気投合した森崎さんと鈴鹿さんのおふたりに、お互いの印象や現場で感じた思いについて語っていただきました。クラシックが身近なものだと初めて知った―まずは、完成した作品をご覧になったときの感想を教えてください。森崎さん石川慶監督が「この作品は音楽映画」とおっしゃっていましたが、その言葉通り、まずは音の良さに驚きました。僕はいままであまりクラシック音楽を聴いてこなかったのですが、この作品のおかげで好きになれましたし、見方が大きく変わったと思います。クラシック音楽はこんなに身近なものだったんだと感じることができて新鮮でした。―鈴鹿さんにとってはデビュー作でありながら、森崎さんだけでなく、松岡茉優さんや松坂桃李さんといった豪華キャストと肩を並べていますが、ご覧になったときはいかがでしたか?鈴鹿さんまずは「あ、自分が出てる!」というのが最初の感想でした(笑)。今回は、共演者のみなさんが優しい方ばかりで助けていただきましたし、僕を受け入れてくださったのもありがたかったです。事務所の社長から「一流の人は、一流の心を持っているもの」と聞いてはいましたが、今回の現場を通して、本当にそうだなと実感しています。「僕もそうなれるようにがんばります!」とは言ったものの、みなさんを間近で見てしまうと、まだまだ遠いなと感じているところです。―そういう意味では、初めての現場で目標となるような先輩たちと出会えたんですね。鈴鹿さん本当にそうですね。目指すべき道が見えたので、そこを追いかけていけばいいんだというのがわかった気がしています。苦労はあっても心は楽しんでいた―劇中では、おふたりとも天才ピアニストとしての佇まいに説得力がありましたが、一番苦労したのはどのあたりですか?鈴鹿さん苦労しながらも、楽しかったのは「カデンツァ」と呼ばれる即興的な演奏をするシーン。激しい演奏が求められていたので、何回も撮り直しているうちに腕が疲れてしまったんですけど、好きなメロディのときは気持ちが乗っているのを感じることができました。なので、腕の苦労はありましたが、心は楽しんでいたと思います。森崎さん僕も苦労したのは、ピアノのシーンですね。今回は、短期間でピアニストの人生を自分に落とし込むのが難しかったので、ピアノとの向き合い方を知るために、自分でピアノ教室にも通ってみました。そういう描写があったわけではないですが、自分自身のバックボーンとしてやっておきたい気持ちが強かったです。あとは、原作のファンでもあったので、マサルを演じることもそうですが、「あそこまでジュリアード王子にはなれるだろうか」というプレッシャーを感じていました。―森崎さんの姿からは、マサルの“王子感”も十分に醸し出されていたと思いますが、鈴鹿さんから見た森崎さんの印象はいかがですか?王子っぽいなと感じたエピソードなどがあれば、教えてください。鈴鹿さん僕のオーディションのときに初めてお会いしましたが、部屋に入ったらウィンくんがいたんですよね。森崎さんそうそう。僕は先に決まっていて、マサルと塵の並びを見たいということで、呼ばれて行ったんです。鈴鹿さんそこで、なぜか「いままでにバレンタインのチョコを最高でいくつもらいましたか?」みたいな話になって、僕が「4、5個くらいかな」と答えたら、ウィンくんが「200個」と言っていて……。森崎さんじゃなくて、「うそでも『200個くらいもらった』と答えないとね」と言ったんだよ。だから、200個はもらってないです(笑)。鈴鹿さんでも、そういう受け答えとか、現場にいるときの佇まいとかもさまになっているし、挨拶するときに握手する姿を見ていると、「ああ、ハリウッドだ!」と思っていました(笑)。ウィンくんの持つ海外の雰囲気は、まさにマサルだと感じたところです。鈴鹿さんから見た森崎さんの印象とは?―ということは、憧れのお兄さん的な存在ですか?鈴鹿さんいや、というよりは僕からすると、カッコイイお兄さんという感じです。森崎さん「いや」って何?憧れではないということ(笑)?鈴鹿さんそういうことではなくて……。森崎さんいやいや、もう大丈夫。これ以上傷をえぐるのはやめておこうかな。鈴鹿さんとにかく、ひと言でまとめるとカッコイイお兄さんです!―(笑)。監督や原作者の恩田陸さんが鈴鹿さんの印象を「天然」とか「得体の知れない」という言葉を使って表現されていますが、その意味がわかってきました。実際に、森崎さんから見た鈴鹿さんはどんな人ですか?森崎さんまさにその通りですね。正直言って、彗星のごとく天才が現れるというのはこういうことなんだというのを感じました。「風間塵が本から出てきた」と思ったくらいなので、すごい人を見つけたなというのが僕の印象です。本人は謙遜しますけど、鈴鹿くんの持っているすごさを改めて実感しています。でも、裏ではけっこうギャップもあるので、いまは弟みたいですね。―おふたりの兄弟感は先ほどから伝わっていますが、森崎さんが知る鈴鹿さんの天然エピソードなどもありますか?森崎さん「ウィンくんって、彼女いるんですか?」とか僕だったら聞けないようなことをいきなり普通に聞いてくるんですよね(笑)。しかも、「僕、恋したいんですけど……」と言ってくるので、「僕もしてないから知らないよ!」みたいな絡みを現場でも2人でしていました。そういうお茶目で、いい意味で染まってない感じが鈴鹿くんの強みだと思います。すごく勉強になる現場だった―確かに、自然体なところがすごく魅力的ですね。現場での楽しい様子も目に浮かぶようですが、そのほかの共演者の方についてもおうかがいします。まずは、ライバルのひとりでもある松岡茉優さんとご一緒されてみていかがでしたか?森崎さん松岡さんは僕よりも経験豊富なので、現場での佇まいや空気の作り方など、リスペクトできる部分が本当にたくさんありました。なので、すごく勉強になりましたし、彼女と共演できたことは、僕にとって宝物になったと思います。やっぱりあれだけの表現力がある女優さんはなかなかいないですからね。―では、松坂桃李さんの印象はどうでしたか?鈴鹿さん僕は同じシーンがあまりなくて、ピアノのレッスンで入れ違いになるくらいでしたが、松坂さんの醸し出す優しいオーラはすごいなと思いました。人の良さというのはこんなにもにじみ出るものなんだという印象です。あとは、「まさに『芸能人』みたいな感じがカッコイイな」と思っていたりしていました(笑)。森崎さん(笑)。鈴鹿くんにはこのままでいて欲しいんですけど、1年後に会ったら変わっちゃうのかな。鈴鹿さんでも、僕は芸能界に染まりたいんですよ!いま、片足突っ込んだので、来年にはひざくらいまで行きたいですね(笑)。森崎さんいや、いまのままがすごくいいと思うよ。どちらにしても、年を取ったら勝手に変わっていくものだと思うから。鈴鹿さんじゃあ、それを待つことにします!これからもお互いに高め合っていきたい―(笑)。おふたりの関係性も楽しいですが、この作品で描かれている4人の関係は、ライバルでありながら、お互いを高め合う存在だったと思います。おふたりにも“よきライバル”はいますか?森崎さんいまはやめてしまったんですが、僕が音楽を続けているなかでパートナーと言っても過言ではないアメリカ人のハーフのボーカリストがいました。彼とは10代のときからの長い付き合いでしたし、ライバルだけどお互いを高め合える仲間だったと思います。鈴鹿さん僕は人を敵対視したことがないので、ライバルではないですが、いま男3人で寮に住んでいるので、彼らが僕にとってはそういう存在ですね。2人がドラマとか舞台とかCMに出るという話を聞くと、「僕もがんばらなきゃ」と思いますから。いまは一緒に台本を読んだり、映画を観たり、いろいろなものを共有しながら生活をしているので、すごくいい環境にいるなと感じています。いつか離れるときがきますが、これからもお互いを高め合えたらいいなと思っています。―どちらもステキな関係ですね。また、今回の作品ではおふたりとも天才ピアニストという役どころでしたが、いままでに「この人、天才だな」と圧倒された人がいれば教えてください。森崎さん僕は、やっぱりスティーヴン・スピルバーグ監督ですね。僕にはまったく想像できないことでも、監督の頭のなかには見えているものがあったんだなとあとで感じました。たとえば、現場で役者たちはポールに向かって演技していましたが、監督にはそれでさえも3D以上の何かに見えているんですよね。そういった構想があったうえでの演技指導や演出だったので、「天才だな」と思いました。撮影中は刺激しかない毎日でした。鈴鹿さん僕は、今回の作品で塵のピアノ演奏を担当してくださった藤田真央さんです。何回かお会いする機会もありましたが、本当にピアノを愛し、愛されている人だと感じました。「1日にどのくらいピアノを弾くんですか?」と聞いたら、「いつまででも弾いています」とおっしゃっていたのが印象的です。みんなにも認められている“ピアノの天才”だと思いました。忙しい毎日で癒しを感じる瞬間とは?―いまはお忙しい日々を過ごしていると思いますが、おふたりにとって癒しの時間を教えてください。鈴鹿さん息抜きに散歩をすることが多いですが、最近はあえて音楽を聴かずに、街の音を聞いています。というのも、僕は岡山県の田舎で育ったので、家の外からカエルの声が聞こえたりするのが好きでした。東京だと機械音とかが多いですが、僕は自然の音が聞きたいので、雨が降っているときは癒しになってうれしいです。でも、この前、雨の音が聞きたくて窓を開けっぱなしで寝たら、窓際がびしょびしょになっていて大変でした(笑)。森崎さん僕は夜にひとりでふらっとドライブに出たりします。目的地を決めないで走り出すんですけど、結局お台場のほうに行ってしまうんですよね。というのも、僕が大好きな飛行機が見える場所があるんです。なので、音楽を聞きながら、飛行機を見て、コーヒーを飲んで帰ってくる、という地味なことをしています(笑)。―それでは、女性ファンの多いおふたりから、読者に向けてメッセージをお願いします!鈴鹿さんこの作品を撮っているときは18歳だったんですけど、最近は背も伸びて、少しずつ顔が大人っぽくなってきたと言われるので、これからも僕のいろいろな成長を見ていただけるようにがんばります!森崎さんまずは「疲れたときは僕がいるから大丈夫だよ」って言いたいですね(笑)。あとは、映画はぜひ劇場で観てください!インタビューを終えてみて……。劇中の2人の関係とは違い、兄弟のような仲の良さを見せている森崎さんと鈴鹿さん。しっかり者の森崎さんと天然の鈴鹿さんとの絶妙なコンビネーションに、笑わされっぱなしの取材となりました。今後さらなる活躍が期待されるおふたりが、また新たな形で共演される日を楽しみにしたいと思います!心の琴線に触れる魂の音楽!コンクール会場ならではの独特な空気感と緊張感、そして音楽の迫力を体感できる本作。苦しみを抱えながらも目標に向かって成長していく4人のピアニストたちの姿にも、心が共鳴するのを感じられるはずです。ストーリー若手ピアニストの登竜門として、3年に1度開催されている芳ヶ江国際ピアノコンクール。かつて天才少女と言われながらも、母親の死をきっかけに表舞台から消えていた栄伝亜夜は、再起をかけて、コンクールに挑んでいた。そこで亜夜が出会ったのは、サラリーマン奏者の高島明石、人気実力を兼ね備えた優勝大本命のマサル・カルロス・レヴィ・アナトール、そして突如として現れた謎の少年・風間塵という3人のコンテスタントたち。熾烈な争いが繰り広げられるなか、最後に勝つのは一体誰なのか……。熱のこもった予告編はこちら!作品情報『蜜蜂と遠雷』10月4日(金)より全国公開出演:松岡茉優松坂桃李森崎ウィン鈴鹿央士(新人)臼田あさ美ブルゾンちえみ福島リラ / 眞島秀和片桐はいり光石 研平田 満アンジェイ・ヒラ斉藤由貴鹿賀丈史配給:東宝©2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会
2019年10月03日子どもの習い事の選択肢が多すぎて、何を習わせるかで悩む人は多いでしょう。子どもが喜んで通ってくれる・脳の刺激になることをやらせたいなど習い事を決めるポイントはさまざまです。子どもの習い事を決めるコツと注意点について紹介していきます。子どもが喜んで通える選び方子どもが習い事を始めたら、できる限り長く続けてほしいと考えるでしょう。習い事を継続するためには、子どもが進んで『やりたい!』という気持ちを持てるかどうかが大事です。子どものやる気を引き出してくれる習い事を選ぶポイントについて、見ていきましょう!子どもがやりたいものを尊重しよう習い事を決めるときは、親の意向ではなく子どもの気持ちを尊重することが大切です。子どもから『○○を習いたい!』と言い出したときは、できるだけその気持ちを尊重してあげましょう。習い事を続けるには熱心な親のサポートよりも、本人のやる気が大切だからです。習い事をやるのは親ではなく、子どもです。『上手になりたい!』『もっとやってみたい!』という気持ちを子どもが持たないと、壁にぶつかっても乗り越えられず、習い事を辞めたいと考えるようになります。スクール・先生はしっかり吟味を同じことを習っていても、スクールの指導方針や先生の教え方次第で、子どもの習い事に対する姿勢が大きく変わることがあります。子どもが興味を持って始めた習い事でも、スクールの雰囲気や先生との相性が悪いと苦痛に感じることがあるからです。子どもに何を習わせるかを決めるときは、スクールと先生について情報を集めて、事前に見学をしておくことをおすすめします。費用や送迎など親の負担も考えて子どもが好きで始めた習い事でも、親の負担が大きくなると続けられなくなることがあるので、送迎や費用のことも考慮した上で習い事やスクールを決めることをおすすめします。子どもが小さいうちや遠くにあるスクールに通わせるときは、親が送迎していくことになるでしょう。習い事の場所が自宅から離れている、幼い弟や妹がいる場合など、送迎するだけでも親にとってかなりの労力になってしまいます。習い事の内容にもよりますが、月謝以外にユニフォームや合宿・発表会などで別途費用がかかる習い事も少なくありません。習い事費用の負担が重くなってくると、子どもが習い事を好きでも続けさせることが困難になってくるでしょう。おすすめな習い事・人気ランキング子どもに合った習い事を見つけるのは、思っていた以上に難しいものです。子どもの習い事選びで迷ったときは、人気の習い事ランキングが参考になるかもしれません。基礎体力向上も 1位 スイミング習い事の定番といえばスイミングで、人気ランキングでも1位です。人気の理由は、『健康な体』を作ることにあります。体力アップだけでなく、心肺機能を高めてくれるので、ぜんそくの予防や改善も期待できるといわれています。また、ママが妊婦のときからマタニティースイミングに通ったり、子どもが生後6カ月くらいからベビースイミングを習わせたりと、長く通えるのも特徴です。苦手意識を持つ前に 2位 英語・英会話2020年から小学校での英語教育が必修となりますが、英語の必要性を感じて親が率先して習わせるケースが多くみられます。親自身が英語に対して苦手意識がある、習得するのに苦労している人ほど、子どもに早いうちから英語を身に付けさせたいと考えるようです。センスを磨ける 3位 ピアノ以前は女の子の習い事といえば『ピアノ』というくらい、定番でした。現在でも人気の習い事の1つですが、昔と違うのはピアノを習う男の子が増えたことです。ピアノを習うと、音符が読めたり音感が身に付いたりすることが期待でき、ほかの楽器を習うときにも役立ちます。また、ピアノを弾くときは右手と左手でそれぞれ異なる動きが求められるので、脳を鍛える効果も高いといわれていますよ。習い事に関する注意点子どもが楽しく習い事に通ってくれていると、親としてもうれしくなるでしょう。しかし、習い事でスケジュールをいっぱいにしたり、皆の前で強く叱りつけたりすると子どものやる気を失わせることになってしまいます。掛け持ちのし過ぎはNG習い事は多くても2種類程度、週に2~3日くらいが無難です。それ以上多くなってしまうと、子どもだけでなく親の負担も増えてしまいます。子どもに習い事をたくさんやらせたら、それだけ『見返り』も大きいと考えるかもしれません。ほぼ毎日習い事に通うような生活を送っていると、子どもでもストレスがたまります。本当は友達と遊びたい日もあるのに『習い事があるから無理』ということが何度も続くと、子どもにとって習い事が重荷になってきます。ふざけたときは頭ごなしに叱らない子どもが習い事の最中にふざけてしまったら、親としては周りの目を考えて注意したくなってしまうでしょう。ふざけてしまったのは、それなりの理由があるので、頭ごなしに叱るのはおすすめできません。叱ってしまうと、子どもが落ち込んで『習い事に行きたくない』と言い出すようになるかもしれません。子どもがふざけたときは、その理由を親が優しく聞いてあげることが大切です。そして、ふざけずに習い事に参加できたときは、たくさん褒めてあげましょう。子どものやる気や楽しむ心を支えよう習い事の選択肢がたくさんありすぎると、親としては我が子に何を習わせるかで頭を悩ませてしまいます。親の意向よりも、子どもの『やりたい!』という気持ちを尊重して習い事を決めると、子どもが楽しく通ってくれるようになります。また、スクールや先生の指導方針や送迎やお金の負担などもよく考えて、子どもに合った習い事を決めていくことがポイントです。習い事を通じて、子どものやる気や楽しいと感じる気持ちをサポートしてあげましょう。
2019年09月24日韓国の俊英チョ・ソンジンが第17回ショパン国際ピアノコンクールを制覇してからすでに4年の歳月が過ぎようとしている。この間、常にピアノ界の第一線で活躍を続けたチョ・ソンジンの存在感はますます大きくなり、たくましさを増した印象だ。そのレパートリーも、得意のショパンはもとよりモーツァルトやドビュッシーなどなど、自らの可能性を確かめるかのように慎重に広げられてきたことも功を奏し、今や押しも押されもしないピアノ界のスターとして認知されている。まさにショパン国際ピアノコンクールの栄光の歴史に名を刻むにふさわしい存在と言えるだろう。そのチョ・ソンジンが今回のリサイタルで披露するのは、モーツァルトの「幻想曲ニ短調」&ピアノソナタ第3番に、シューベルトの「さすらい人幻想曲」。そして、ベルク&リストのピアノ・ソナタという、ピアノファン垂涎のプログラムだ。特に気になるのが後半のベルクとリストの2つのソナタ。ともに「ロ短調」で書かれたこの2曲の存在感は、ピアノの歴史の中でも特筆モノだ。このよりすぐりの名曲に対峙するチョ・ソンジンの心意気やいかに。俊英の今を聴く上で最良の時間がここにある。◆公演概要9月24日(火)サントリーホール大ホール「チョ・ソンジンピアノ・リサイタル」◆チョ・ソンジンSeong-Jin Cho(ピアノ, Piano)(c)Harald Hoffmann DG2015年10月第17回ショパン国際ピアノ・コンクール優勝、ポロネーズ賞も同時受賞し、国際的な脚光を浴びる。卓越したテクニックと透明で美しい音色、身体中から溢れ出る音楽性が聴く人の心を打ち、若き世代で最も際立つピアニストの一人として、高く評価されている。1994年ソウル生まれ。2008年モスクワ・ショパン国際ピアノ・コンクールで優勝、2009年浜松国際ピアノ・コンクールでは15歳で最年少優勝を果たし、2011年チャイコフスキー及び2014年ルービン・シュタイン国際コンクールで第3位受賞。これまでにチョン・ミュンフン、マゼール、ヤンソンス、ゲルギエフ、プレトニョフ、アシュケナージ、ラトルなどの著名な指揮者の指揮の下、ベルリン・フィル、バイエルン放送響、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、ミュンヘン・フィル、フィルハーモニア管、フランス国立放送フィル、チェコ・フィル、ブダペスト祝祭管、マリインスキー歌劇場管、ロシア・ナショナル管、デンマーク放送響などの世界一流のオーケストラと共演。また、カーネギー・ホール、コンセルトヘボウ、ロッテ・ホール、ラ・セーヌ・ミュージカル、マリインスキー歌劇場をはじめとする世界を代表するコンサートホールでリサイタルを行っている。現在ベルリン在住。老舗ドイツ・グラモフォン・レーベルと専属契約を結び数々のCDが発売されており、最新録音は「モーツァルトのピアノ協奏曲第20番、ピアノ・ソナタ第3番、第12番」。
2019年09月19日リトミックと聞いて、何を思い浮かべますか?私と娘のリトミックとの出合いは、児童館で催されたイベントでした。全8回で幼稚園入園前の娘と楽しく通ったのですが、習い事の選択肢にはしていませんでした。リトミックを始めたきっかけ娘が3歳で幼稚園に入園したとき、ピアノを習わせようと思いました。私自身が年中から中学1年生までピアノを習っていたことと、実家のピアノを引き継いだからです。私は週2回、全国展開するピアノ教室に通い、グループレッスンと個人レッスンを受けていましたが、あまり楽しんで通った思い出はなく、親に言われてイヤイヤ通っていました。他の生徒と自分を比べて、劣等感を抱いた記憶もあります。そのため娘にピアノを習わせる際、個性や本人のペースを尊重してもらえるような個人教室を検討しました。近所のママ友に相談したところ、お子さんが通っているピアノ教室を紹介してもらい、早速体験することに。そのとき、私はすぐにピアノを習わせたいと希望したのですが、その教室ではリトミックとピアノの両方を教えているとのことで、先生からはリトミックからはじめてみるように提案されました。ピアノの前にリトミックを習うメリットその理由として、3歳児は先生が話したことを理解し、ピアノに向かうことがまだ難しいことや、鍵盤を弾くには手が小さく指が未発達なことなどを説明されました。それよりもリズムを体現できるリトミックから始める方が、スムーズにピアノに移行できるとのこと。リトミックでは、ピアノに合わせて手や足、体全体を動かしながら、拍子の取り方を学んでいきます。ボールやフラフープを使ったり、ママと手を繋いで散歩したり、向き合ってダンスをしたり…。二分音符、四分音符、八分音符の違いも、イラスト入りのカードを使って習得していきました。1年間通ったリトミックで、娘には本来の音を楽しむという「音楽」の素養ができた気がします。その後ピアノに移行した際、4拍子から3拍子に楽譜が変わっても、「あ、これはママとお姫さまみたいにダンスしたリズムだ」と体得したことを思い出しながら、メロディをとらえることができました。それもリトミックの下地があったからだと感心したのを覚えています。現在1年生になった娘娘は年少の春から1年間リトミックを習い、年中さんの春からピアノレッスンに移行。4か月後に開催された5教室合同のピアノ発表会に参加し、プログラム1番で3拍子と4拍子の曲を両手で弾き切りました。年長さんの秋には、中学校のグラウンドを借りて行われる運動会のマーチングで、スーパーマン、スターウォーズ、ゲゲゲの鬼太郎、ゴジラのメドレーのキーボードを担当するまでになりました。小学生になった今も、前向きにピアノの練習に励んでいます。個人差はあると思いますが、娘がリトミックを習わずに、そのままピアノを習っていたら、手で拍子をとることはあっても体全体でリズムを体得することはなかったかもしれません。そして、拍子が変わった時のリズムの取り方について、壁にぶつかることもあったのではないかと思います。また、ピアノは子どもが主体で頑張っていく要素が強い気がしますが、リトミックは親も一緒にリズムに合わせて動いたり、工作を作ったりする機会があります。このように親が積極的に関わることができる部分が多いのもオススメな理由です。リトミックが習える教室は全国に広がっています。詳しくは下記のホームページをご覧くださいね。リトミックは音楽だけでなく工作の時間も<文・写真:ライターふたえにじ>
2019年07月04日「ソロのピアノコンサートは私の原点であり、ライフワークでもあるのです。この10年ほどはカルテットやオーケストラとの活動が増えていたので、あらためて初心に戻って自分の芯の部分を再確認するためにも必要でした」そう語るのは、作曲家でピアニストの加古隆さん(72)。40年前、フランス・パリ国立高等音楽院に留学中だった加古隆さんは、大雪で出演できなくなったピアニストの代役で初のソロ・コンサートに挑んだ。それ以来、加古さんにとってソロ・コンサートは「たったひとりでピアノと対峙するかけがえのない特別な空間」なのだという。「ステージ上にはピアノ1台だけ。私のオリジナルの曲を、私の演奏で弾くわけですから私のエッセンスが詰め込まれた究極のエレメントだと言えます。自分らしさを表現する場として欠かせないものなのです。その自分らしさがあるからこそ、映画やドラマの曲作りにも活きてきます」“ピアノの画家”とも呼ばれる加古さんは’95年以来、映像作品にも参加している。特にNHKスペシャル『映像の世紀』のテーマ曲『パリは燃えているか』は大きな反響を呼んだ。映像作品では事前に台本を何度も読み込み、監督やプロデューサーと何度も打合せをし、イメージをふくらませていくのだという。「曲の出だし5秒の“ひらめき”を捕まえることができれば、あとは経験とこれまで培ったものでなんとかなるものです。ただ、『これだ!』という“ひらめき”がすぐには出てこないこともあります」来年’20年に公開予定の映画『峠 最後のサムライ』にも参加。メガホンをとった小泉堯史監督には、『阿弥陀堂だより』『博士の愛した数式』『蜩の記』など、これまでにも多くの曲を提供している。「『峠 最後のサムライ』も台本を何度も読んで作品のコンセプトを理解し、言葉にならない作品のイメージをつかむことから始めました。すでに録音も終わっていますので、楽しみにしてください」荘厳かつ澄んだメロディが特徴的な加古さんの楽曲は、一朝一夕にできあがったものではない。クラシックやジャズ、ロックなど様々なジャンルを経て行き着いたものだ。「音楽家であれば『クラシックをやってます』『ジャズをやってます』と自分を紹介するのが普通ですが、私の場合は『音楽をやってます』としか答えようがないんです。小学生のころに友人宅で聞いたベートーベンに始まり、中学生のころはストラビンスキーに夢中になって1日じゅう聞いていました。作曲の勉強に行った留学先のパリではフリージャスに感銘を受け即興演奏に明け暮れていました。そうやって寝る間を惜しんでハマった様々なジャンルの音が血となり肉となって、私のベースになっています」できるだけ長く音楽生活続けるために、毎朝1時間ほどのヨガを何十年も続けているという加古さん。フランスでのソロ体験からちょうど40周年にあたる今年は、ソロ・コンサートツアー『ピアノと私』を開催中。5月11日のサントリーホール(東京)から6月22日のいずみホール(大阪)まで、4都市で公演予定。令和の時代を迎え、時代は大きく変わろうとしている。加古さんの作品にも新しい要素が加わることがあるのだろうか。「確かに時代によって変わることも多いでしょう。ですが、たとえば人間の生死(しょうじ)に向き合った時の人の心の喜びや痛みなどは変わらないのではないでしょうか。夕日や夜空を見て美しいと感じる気持ちや、人に接した時の優しさや愛情など、普遍的なものは残っていくはず。そういう人としての根本的なものこそが芸術として残り、また創られていくのだと思っています」【PROFILE】加古隆(かこ・たかし)フランス・パリ国立高等音楽院でオリヴィエ・メシアンに作曲を師事。帰国後、クラシック・ジャズ・現代音楽のジャンルを包含した音楽家として活躍。ピアノ・ソロ曲からオーケストラ曲まで幅広い作品を発表し、映画音楽での受賞も多い。
2019年05月09日長年にわたり、人気の習い事として名が挙がる「ピアノ」。ピアノが弾けるようになると、楽譜が読めるようになる、音感が身につくなど、さまざまなメリットがあります。この記事を読んでいる親御さんのなかにも、習ったことのある方は少なくないでしょう。では、東大生の多くが幼少期にピアノを習っていた、ということはご存じでしょうか。もしそれが事実なら、ピアノを習うと頭がよくなるの? と、期待が高まりますよね。実際はどうなのか、ピアノが脳にもたらす影響について調べてみました。ピアノが東大合格に役立った!?ミキハウス子育て総研が2017年に行った調査「Weekly ゴーゴーリサーチ(第815回分析結果)」によれば、ピアノを習っている子どもは全体の23.9%。これはスイミングに次いで2番目に多い割合です。およそ4人に1人がピアノを経験しているといえます。また、別の調査では、東大生のおよそ2人に1人がピアノを習っていた、と判明したそうです。また、ヴァイオリンやエレクトーンなど音楽系全般となると、その数は全体の約6割を超えるといいます。この調査を行なった教育ジャーナリストのおおたとしまささんは、この数字について下記のようにコメントしています。世の中全体では楽器を習っている子供の割合は1:3くらいで女子が圧倒的に多いのに、東大は4:1の割合で圧倒的に男性が多い母集団であるということも考慮すれば、「6割以上」という数字がいかに突出した数字であるかがわかるだろう。(引用元:東洋経済オンライン|東大生にピアノ経験者が圧倒的に多い理由)さらに、東京大学新聞社では、東大生を対象に小学生時代の習い事が東大合格に役立ったかどうかの「貢献度」についての調査が行なわれました。この調査では、習い事の種類ごとに、「とても役に立った」なら4点、「ある程度役に立った」なら3点、「少し役に立った」なら2点、「役に立たなかった」なら1点を加算していき、平均点を算出します。ピアノは2.5点で、学習塾や英会話などを除く非学習系の習い事のなかでは、習字に次いで2番目に高い貢献度でした。つまり、小学生時代にピアノを習っていた現役東大生の多くは、ピアノの経験が少なからず東大合格に役立ったと考えているようです。ピアノはすべての脳機能を高めてくれる習い事では、科学的にピアノと学力向上に相関関係はあるのでしょうか。結果からいうと、「ある」と示す論文や調査結果が数々発表されています。例えば、ヨーロッパで8~10歳の小学生を対象に行われた研究では、小学生を2つのグループに分け、片方にはピアノを、もう片方には演劇を週1回習わせました。4カ月後、8カ月後に問題解決能力を測定すると、ピアノを習っていたグループのほうが能力の伸びが明らかに大きかったと発表されています。同じくヨーロッパで行なわれたほかの研究では、ピアノを習うことでIQ(知能指数)が向上する効果が認められました。これは、片手で弾くピアニカや、両手の動きが異なるヴァイオリンには、まだ認められていない効果だそうです。また、脳科学者の澤口俊之さんは、ピアノを習うことでHQ(人間性知能)が向上し、夢の実現や社会的成功、器用さなどにつながると話しています。さらに澤口さんは、左右の脳のバランスがよくなること、海馬と呼ばれる部分が発達し記憶力がアップすることなど、ピアノが脳にもたらすよい影響を複数述べています。ほかにも、「ピアノは両手を複雑に使い、楽譜を一時的に記憶し、楽譜を先読みする」ことで、脳機能がまんべんなく鍛えられるとしています。地頭がよくなり、スポーツにまで効果を及ぼすそうですよ。一見、勉強とは何の関係もないような習い事ですが、ピアノはこんなにも多くのメリットを脳にもたらすのです。であれば、多くの東大生が習っていたという事実にもうなずけるでしょう。グループレッスンなら協調性も身につくピアノがもたらす影響は、脳に関するものだけではありません。例えば、ピアノに向かい座って演奏することで、落ち着きをもたせる効果があるといわれています。それは、机に向かい集中して勉強することにもつながるかもしれません。また、グループレッスンの場合、生徒どうしでパートを分けて演奏する「アンサンブル」を通して、協調性が身につくといわれています。グループレッスンを行なっているヤマハ音楽教室には、生徒の親から下記のような声が寄せられるそうです。「アンサンブルを経験するうちに、自分ばかりが出過ぎるのではなく、お友達との兼ね合いに気を配れるようになった」「自分が練習しないと友達に迷惑をかけるという意識が芽生えた。皆のために練習しようという気持ちになれるのは、グループレッスンならでは」(引用元:日経デュアル|小学校で差がつくヤマハ音楽教室幼児科の秘密)協調性を身につけることは、学力向上に直接関係するわけではありません。ですが、ライバルと切磋琢磨したり、仲間と勉強や受験に関する情報交換を行なったりするなど、大学合格までのプロセスに役立てられる可能性があると考えられます。このように、ピアノの経験は、勉強する子どもをあらゆる角度から支えてくれるのです。***音楽の能力を高めてくれるだけでなく、勉強にもよい効果をもたらしてくれるピアノ。「習い事をしながら、難関大学を目指したい」「成績を下げることなく、勉強以外に打ち込めることを見つけたい」と考えているお子さんには、ピッタリの習い事かもしれません。ぜひ、候補として検討してみてはいかがでしょうか。(参考)ハッピー・ノート ドットコム|Weekly ゴーゴーリサーチ(第815回分析結果)東洋経済オンライン|東大生にピアノ経験者が圧倒的に多い理由東大新聞オンライン|東大生の65%が習っていた習い事とは?デイリー新潮|なぜ東大合格生の2人に1人は「ピアノレッスン」経験者なのか3つの理由を分析日経デュアル|小学校で差がつくヤマハ音楽教室幼児科の秘密PTNA|今こそ音楽を!第3章 脳科学観点から~澤口俊之先生インタビュー(1)脳科学者はかく稽ふ|【10/09/01】ピアノ稽古の良さ:一般知能gFの向上
2019年02月19日こんにちは。私はこいしさんと申します。4歳差の姉妹を育てる主婦です。子どもが少し大きくなってくると考え始めるのが「何か習い事をさせてみようかな?」ということではないでしょうか。わが家は娘が4歳になったころ、「ピアノが弾きたい」と言い始めたのでピアノのおけいこに通わせることになりました。これが想像以上に大変で、やたらと習い事をさせると大変なことになるぞ…と思ったので、今回はそのことについて書きたいと思います。■まあまあ高くつく習い事をするには、毎月のお月謝代やテキスト代、ときには発表会の衣装などが必要になることもあります。トータルで考えるとまあまあの出費に。私は自分が小さいころ、いくつかの習い事をしていたので、「親(もしくは祖父母)に感謝だな…」としみじみ感じました。■家での練習が大変本当に大変なのが家での練習です。「習いたいって自分が言ったやん!」という理屈はまだまだ通用しないのか、練習や宿題を自主的にしてくれないので、親がさせないといけないのが一苦労!!練習したらしたで、難しいと娘が機嫌を損ねたり、そんな娘をみて親も機嫌を損ねてしまったりとなかなか大変でした。■習い事はやたらと増やすもんじゃない「やりたい!」という子どもの気持ちはすてきだし、尊重してあげたいところですが、習い事が増えればその分月謝や家での練習や宿題が増えることになります。ほんと、やたらと増やすと大変ですよ!わが家の場合は娘が希望した2つの習い事に通っていますが、宿題の声かけと、送り迎えの調整が意外と大変で、これ以上増やせないなあというのが現状です。単純にお子さんだけでなく親も大変なので、今後はあれやこれやと手を出すのではなく、「これだ!」と思うものを親子で協力しつつ挑戦していこう! と思っています。
2019年01月31日