コロナ禍で話題作の公開延期が続き、アカデミー賞も盛り上がりは期待できないとはいえ、オスカー像の行方はやっぱり気になる。最有力と目されているのが、オスカー女優フランシス・マクドーマンドが車上生活を送る女性ファーンを演じた『ノマドランド』。ジェシカ・ブルーダーの渾身のルポ『ノマド:漂流する高齢労働者たち』をもとにしたロードムービーだ。ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞し、ゴールデングローブ賞でも作品賞&監督賞の2冠を獲得。中国出身でアジア系女性としては初の監督賞受賞(女性としては2人目)となったクロエ・ジャオは、マーベルの新作映画『エターナルズ』の監督でもある。特定のオフィスを持たず、おしゃれなカフェで仕事する「ノマド・ワーカー」がもてはやされた時代もあったけれど、ここで描かれる生き方は過酷さと背中合わせだ。思い出の品々を倉庫に預け、古びたバンに乗って、住み慣れた土地を後にしたファーンは60代。あるときはアマゾンの配送センター、あるときはキャンプ場スタッフと、仕事を求めて移動する姿は、まさに「現代のノマド」。でも、そんなおしゃれな呼び方を与えられても、その生活は原作のタイトルにあるようにまさに漂流。そもそもファーンが車上生活を始めることになったのも、夫と共に暮らしていた町そのものが企業の破綻によって消滅してしまったから。夫亡き後、たった一人で仕事を求めて移動する彼女は、とても孤独に見える。そんなファーンを支えているのは、自分への誇り。代用教員時代の教え子の少女に、「先生はホームレスになったの?」と尋ねられ、自分はハウスレスだと答える姿は印象的だ。ホームレスとハウスレスは、全然違うのだと。そう、ファーンが出会うノマド仲間も、ハウスレスを選んだ理由はさまざまながら、誰も自分を不憫だなどと思っていない。むしろ、家賃や家のローンから解放されたことを喜ぶ者もいれば、人生に悔いを残さないための選択である者もいる。そんなノマド仲間役で、原作にも登場する本物のノマドたちが本人役で出演。ジャオ監督は、過酷な現実をたくましく生きる彼らにアメリカの開拓者精神を感じているようで、その思いは、皮肉にも夫が不動産業で成功しているファーンの姉の言葉にもうかがえる。とはいえ、こちとら定住してナンボの農耕民族。しかも老後に不安しかないフリーランスの身としては、ファーンがクルマを走らせる広大なアメリカ西部をとらえた詩的な映像に心洗われてばかりはいられない。その美しさが自然の大きさを感じさせるほど、帰るべき“ふるさと”を持たない人々を生む社会の現実を考えずにいられなくなるのよね。それにしても、マクドーマンドの佇まいの味わい深いこと。彼女を見るたびに、その昔、美容整形をしていない自分のことを「年配女性を演じる歳になったら独り勝ちだ」と言っていたのを思い出すのだけれど、重ねてきた人生が刻まれた彼女の顔は、ファーンがノマドな日々を通して見つけるものを私たちの胸に深く響かせる。単純に面白いと言える作品ではないけれど、ちゃんと受け止めるためにもう一回観たくなるのも、マクドーマンドがファーンをリアルな存在にしているからだろうな。『ノマドランド』監督・脚色・編集・製作/クロエ・ジャオ製作・出演/フランシス・マクドーマンド出演/デヴィッド・ストラザーン、リンダ・メイ、スワンキー、ボブ・ウェルズほか3月26日より全国公開。©2020 20th Century Studios. All rights reserved.※『anan』2021年3月31日号より。文・杉谷伸子(by anan編集部)
2021年03月29日数多くの名作を世に送り出してきたサーチライト・ピクチャーズが、新鋭監督クロエ・ジャオと共に贈る映画『ノマドランド』。この度、主演のフランシス・マクドーマンドが一般のノマドのなかに完璧に溶け込んだ本編映像が到着した。今回解禁されたのは、マクドーマンド演じる主人公ファーンがノマドの友人リンダに誘われ、ノマドたちが集まってコミュニケーションを交わすイベント“RTR(Rubber Tramp Rendezvous)”に参加するシーンの一部。最初は不安な表情を浮かべているファーンだが、リンダやイベントで出会った新たな友人スワンキーともに交流していくなかで、次第に笑顔を見せていく。アメリカ各地から実際のノマドたちが集まるイベントということもあり、本シーンには大勢のノマドたちが登場。イベントの主催としてトークをするボブ・ウェルズは「(社会から)放り出された者たちで助け合うしかない」とノマドたちに語りかけている。プロの俳優はファーンを演じたマクドーマンドと、デイヴを演じたデヴィッド・ストラザーンのみで、ファーンと仲良く会話するリンダや、一緒に炊き出しに並ぶギプスをつけたスワンキー、ボブ・ウェルズを含むほかの登場人物は全員が一般のノマドたち。ノマドに自然に溶け込むマクドーマンに驚きを隠せない本編映像となっている。ノマドの生き様をリアルに体現するための役作りのひとつとして、マクドーマンドは自らノマドの労働に身を投じたそう。「アマゾン社の発送センターで、アカカブの収穫工場で、観光客向けのカフェで、国立公園のキャンプ指導員として、ファーンであるわたしも、実際に働くひとたちに混じりながら、働きました。ほとんどの場合、一介の従業員としか思われていませんでした」と様々なエリアで労働に励んでいたことを告白。さらに「高齢者が働くことの肉体的な限界と苦痛、と同時に、働くこと、キャンプ指導員として自然のなかで暮らすこと、生きる目的をもつこと、そして、こうした仕事から収入を得られることの喜びを演じようとしました」と役作りに込めた自身の想いを語っている。クロエ・ジャオ監督は「マクドーマンドはいつまでも役柄について悩み続けるような女優ではありません。からだで理解していくタイプなのです。実際に手に触れて納得していくのです」と分析。マクドーマンドがノマドとしてリアルに息づいている様子を目の当たりにした海外評論家からは、「マクドーマンドの顔はまるで“動く国立公園”のようだ」との声が上がっている。『ノマドランド』は3月26日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年03月24日本年度アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞など主要6部門にノミネートされたクロエ・ジャオ監督『ノマドランド』。本作は、主演フランシス・マクドーマンドら2名のメインキャスト以外は、実際のノマドを役者として起用したことでも話題。原作ノンフィクションにも登場したベテランノマドたちと、ジャオ監督やマクドーマンドらとの撮影エピソードが明らかになった。主人公ファーンを演じたマクドーマンド、デイヴを演じたデヴィッド・ストラザーン以外のノマド役に一般のノマドを役者として起用している本作。一般人を起用する手法は、ジャオ監督の前作『ザ・ライダー』でも実践した演出方法。メインで登場するノマドに抜擢されたのは、ジェシカ・ブルーダーによる原作にも登場したリンダ・メイとスワンキー。ほかにも劇中で焚火を囲んでノマドたちが身の上話をするシーンなどでは、ノマドたちが集まってコミュニケーションを交わすイベント”RTR(Rubber Tramp Rendezvous)”にジャオ監督自ら足を運び、ひとりずつ顔を合わせてキャスティングを決めていったそう。『ザ・ライダー』に引き続き、プロデューサーを務めたモリー・アッシャーは「現場には静寂が保たれました。カメラはノマドに固定されたきりになります。心おきなく話ができるように、十分な時間、話しやすい環境、気遣いが用意されました。このシーンによって『ノマドランド』の核心に達することができました」とジャオ監督による徹底ぶりを振り返る。10年以上ノマドとして生活しているスワンキーは「この映画に出演するために、実生活の状況を少しの間、忘れることにしました。出演してよかったです。ジャオは、なんと、わたしの腕のギプスのことも映画の筋に入れてくれました。素晴らしい人でした」と、ジャオ監督に信頼を寄せ、慣れない映画の撮影を心から楽しんでいた様子。2度のオスカーに輝いているマクドーマンドとの共演についても「まるでわたしが有名な映画スターで、彼女がわたしの熱烈なファンであるかのようにふるまってくれました。“一緒に映画に出られてとても嬉しい”と言ってくれました。なんだか、長い間離ればなれになっていた旧友に再会したような気持ちになりました。撮影中は今までに感じたことのなかったような愛、存在意義、感謝を感じました」と、撮影チームと丁寧に心を通わせながら作り上げたことを明かしている。彼女たち一般のノマドたちはほとんどが本名で登場し、自身の役に実体験も盛り込んでおり、ジャオ監督に演出を付けられながら映画用のキャラクターとして演じている。『ノマドランド』は3月26日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年03月21日第78回ゴールデン・グローブ賞で作品賞(ドラマ部門)、監督賞の主要2部門を受賞した『ノマドランド』。アジア人女性初の監督賞ノミネートにして初受賞の快挙を果たしたクロエ・ジャオ監督らが、ノマドたちのリアルな生き様を活写した本作について語るインタビューやメイキング映像が存分に詰まった特別映像が到着した。『最強のふたり』『三度目の殺人』などの劇伴を担当したイタリアの巨匠ルドヴィコ・エイナウディの美しい音楽と共に、本作の舞台となったアメリカ西部の美しい光景が映し出されてスタートする本映像。リーマンショックによって住居を失い、やむを得なく車上で生活を送るノマドの過酷ながら希望にも溢れた生き様を描いた本作に、ジャオ監督は「放浪する人々の物語を語るために必要なのは人々が放浪に魅了される理由を理解すること」と明かすように、ノマドの生き方そのものに寄り添いながら本作の製作は進められたと明かす。本作で主人公ファーンを演じ、プロデューサーとしても参加している名優フランシス・マクドーマンドからのオファーによって本作の監督を務めたジャオだが、同じくプロデューサーのモリー・アッシャーは「監督が本作で描いたのはアメリカンドリーム。外国出身者ならではの鋭い視点で捉えている」と、その手腕を大絶賛する。ノマドの生き様をリアルに描くためにジャオ監督が採用したのは『ザ・ライダー』でも行った“俳優ではない一般人を役者に起用する”ということ。ファーンを演じたマクドーマンドと、オリジナルキャラクターのノマドを演じたデヴィッド・ストラザーン以外のノマド役が全て一般人によって演じられている。そのひとりで劇中でファーンと友人になるノマドのリンダ役として出演したリンダ・メイは「監督はただ歩き回って、人々の振る舞いを観察し、それを完璧に捉えた」と監督について言及するように、本映像では、リンダがファーンにノマドの生活について語る様子、また2人で自由な生活を謳歌する様子も映し出される。そのあまりに自然な掛け合いに微笑ましくなると同時に、驚きも隠せないワンシーンとなっている。ジャオ監督は「リアルな作品にするために必要なのは、登場人物を軸に、配役やロケ地を決めること。彼らの経験と彼ら個人に光を当てること」「ありのままの世界が映画を特別にする」と力強く持論を語っている。また、そんな本作をひと足先に鑑賞した是枝裕和監督や、今泉力哉監督、ふくだももこ監督、モデルの冨永愛ら著名人からも多くのコメントが到着している。是枝裕和(映画監督)終始マクドーマンドから目が離せない。いや、目を逸らすことを許されない。そこに写っているのは最早、女優ではない。演技でもない。上手い言葉が見つからない。とにかく、凄いものを見てしまった。今泉力哉(映画監督)とても不思議な気持ちになった。人間ってちっぽけなんだなと思った。でもそれを感じることができるのも人間で。自然の方が人間より優れてるとかじゃなくて人間も自然の一部であることを教えてくれる映画。ふくだももこ(映画監督・小説家)映画は、監督が世界をどう見ているかがはっきりと映る。クロエ・ジャオ監督の、薄暮のように嫋やかなまなざしが好きだ。喪失を抱きしめながら車を走らせる主人公に、やさしい夜が訪れますように。冨永愛(モデル)生きることは旅する事というけれど、旅する事で私達は何を探し求めているのだろうか。生きる上で何を選択し、何を排除するのか…。逞しくも哀しく生きる彼女に自分を重ねずにはいられない。もし私が彼女だったら…。ピーター・バラカン(ブロードキャスター)最底辺で生きる人たちの姿を淡々と、ほとんどドキュメンタリーのように描いた美しい映画です。フランシス・マクドーマンドと聞いただけで間違いない!酒井順子(エッセイスト)経済というくびきに翻弄されるアメリカという国、そしてアメリカ人の心中に広がる“荒涼たる絶景”に、圧倒されました山崎まどか(コラムニスト)今のアメリカのシステムでは救えない人々それでも政府の介入を望まず、自分の生き方を貫こうとする人々彼らの厳しい生活、自由と裏表の危うさ、矛盾、人生の輝きを包み込んで、クロエ・ジャオは何という映像の叙事詩を綴ったのだろう『ノマドランド』は3月26日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開©2020 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年03月12日放送映画批評家協会賞のノミネーションが発表になった。最多ノミネーションを受けたのは、デビッド・フィンチャー監督の『Mank/マンク』で、12部門。次は、『ミナリ』の10部門だった。作品部門の候補は、『ザ・ファイブ・ブラッズ』『マ・レイニーのブラックボトム』『ミナリ』『あの夜、マイアミで』『シカゴ7裁判』『Mank/マンク』『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ』『ノマドランド』『この茫漠たる荒野で』『Promising Young Woman』の10本。映画の主演男優部門候補は、リズ・アーメド(『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ』)、チャドウィック・ボーズマン(『マ・レイニーのブラックボトム』)、アンソニー・ホプキンス(『ファーザー』)、ゲイリー・オールドマン(『マンク』)、スティーブ・ユァン(『ミナリ』)、トム・ハンクス(『この茫漠たる荒野で』)、デルロイ・リンド(『ザ・ファイブ・ブラッズ』)、ベン・アフレック(『The Way Back』)。映画の主演女優部門候補は、ヴァイオラ・デイヴィス(『マ・レイニーのブラックボトム』)、ヴァネッサ・カービー(『私というパズル』)、フランシス・マクドーマンド(『ノマドランド』)、キャリー・マリガン(『Promising Young Woman』)、アンドラ・ディ(『The United States vs. Billie Holiday』)、シドニー・フラニガン(『Never Rarely Sometimes Always』)、ゼンデイヤ(『マルコム&マリー』)だった。授賞式は3月7日。文=猿渡由紀
2021年02月09日SAGアワードのノミネーションが発表になった。俳優組合SAG-AFTRAの会員が投票するこのアワードは、演技に対して贈られるもの。通常のアワードで「作品部門」にあたるのは、「キャスト部門」となる。今年、キャスト部門に候補入りした映画は、『ザ・ファイブ・ブラッズ』『マ・レイニーのブラックボトム』『ミナリ』『あの夜、マイアミで』『シカゴ7裁判』。テレビシリーズのキャスト部門候補は、『ブリジャートン家』『ザ・クラウン』『オザークへようこそ』『ベター・コール・ソウル』『ラヴクラフトカントリー 恐怖の旅路』。映画の主演男優部門候補は、リズ・アーメド(『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ』)、チャドウィック・ボーズマン(『マ・レイニーのブラックボトム』)、アンソニー・ホプキンス(『The Father』)、ゲイリー・オールドマン(『マンク』)、スティーブ・ユァン(『ミナリ』)。映画の主演女優部門候補は、エイミー・アダムス(『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』)、ヴァイオラ・デイヴィス(『マ・レイニーのブラックボトム』)、ヴァネッサ・カービー(『私というパズル』)、フランシス・マクドーマンド(『ノマドランド』)、キャリー・マリガン(『Promising Young Woman』)だった。授賞式は4月4日。文=猿渡由紀
2021年02月05日『スリー・ビルボード』で自身2度目のアカデミー賞主演女優賞を手にしたフランシス・マクドーマンドが主演、注目の新鋭監督クロエ・ジャオと共に贈る最新作『ノマドランド』。来週2月3日(現地時間)に発表されるゴールデン・グローブ賞ノミネートにも期待がかかる本作から、ポスタービジュアルと場面写真が一挙に解禁された。今回解禁されたのは、アメリカの広大な自然と夕焼け空のなかを、車上で生活を送るノマドの主人公・ファーン(マクドーマンド)がたったひとりで歩んでいく姿を美しく捉えたポスタービジュアルと、ファーンのノマド生活や旅の途中で出会うほかのノマドたちの姿が切り取られた場面写真。10年以上も車上で生活している実際のノマドたちが主要キャラクターとして出演するほか、マクドーマン自身も撮影期間中にノマド生活や労働に身を投じるなどリアルを追求した撮影が行われた本作。場面写真からもノマドの日常のなかで自然と溶け込み合うマクドーマンドや実在のノマドたちの姿が確認できる。前作『ザ・ライダー』でも実在のカウボーイたちをキャストに起用し、高く評価されたジャオ監督の演出が本作でどのように作用するのか見逃せない。すでに、賞レースの幕開けとなったボストン批評家協会賞では作品賞、監督賞、撮影賞、そしてゴッサム賞で作品賞、観客賞、全米映画批評家協会賞で作品賞、監督賞、主演女優賞、撮影賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞では撮影功労賞を獲得し、作品賞トップ10にも選出するなど、本年度アカデミー賞最有力との呼び声も高い。さらに第78回ゴールデン・グローブ賞にも期待がかかる。なお、1月29日(土)から全国のTOHOシネマズの幕間で上映されるTOHOシネマズハリウッドトピックスにて、マクドーマンドが登壇したドライブ・イン・シアターの貴重な舞台挨拶の様子が流れるという。『ノマドランド』は3月26日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開©2020 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年01月29日フィルム・インディペンデント・スピリット賞のノミネーションが発表になった。作品部門の候補は『マ・レイニーのブラックボトム』『ミナリ』『ノマドランド』『First Cow』『Never Rarely Sometimes Always』の5本。監督部門は、クロエ・ジャオ(『ノマドランド』)、リー・アイザック・チョン(『ミナリ』)、イライザ・ヒットマン(『Never Rarely Sometimes Always』)、ケリー・ライシャード(『First Cow』)、エメラルド・フェンネル(『Promising Young Woman』)。主演男優部門はチャドウィック・ボーズマン(『マ・レイニーのブラックボトム』)、リズ・アーメッド(『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ〜』)、アダーシュ・ゴーラヴ(『ザ・ホワイトタイガー』)、ロブ・モーガン(『Bull』)、スティーブン・ユァン(『ミナリ』)。主演女優部門はフランシス・マクドーマンド(『ノマドランド』)、ヴァイオラ・デイヴィス(『マ・レイニーのブラックボトム』)、シドニー・フラニガン(『Never Rarely Sometimes Always』)、キャリー・マリガン(『Promising Young Woman』)、ニコール・ベハーリー(『Miss Juneteeth』)だった。受賞発表は4月22日。文=猿渡由紀
2021年01月28日第55回全米映画批評家協会賞が発表された。クロエ・ジャオ監督の『ノマドランド』が作品賞、監督賞、主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)、撮影賞の最多4部門で選ばれた。ジャオ監督は一昨年も『The Rider』(原題)で作品賞、監督賞を受賞した。『ノマドランド』は、ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション作品「ノマド:漂流する高齢労働者たち」を原作に映画化。リーマンショックで仕事と家を失い、キャンピングカーで全米を放浪(ノマド)しながら働き口を探す女性ファーンに焦点を当てたロードムービー。第77回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞、第45回トロント国際映画祭で観客賞、第46回ロサンゼルス映画批評家協会賞で監督賞など、すでに数々の賞を受賞している話題の作品だ。同作の映画化権を獲得していたフランシスが、2017年の第42回トロント国際映画祭で上映されたジャオ監督の『The Rider』を鑑賞して才能に一目ぼれ。ラブコールを送って今作の監督にスカウトしたのだという。ジャオ監督はアンジェリーナ・ジョリー主演の『The Eternals』(2021年11月公開)のメガホンも取っている。主な受賞者は以下の通り。作品賞『ノマドランド』監督賞クロエ・ジャオ(『ノマドランド』)主演男優賞デルロイ・リンドー(『ザ・ファイブ・ブラッズ』)主演女優賞フランシス・マクドーマンド(『ノマドランド』)助演男優賞ポール・レイシー(『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』)助演女優賞マリア・バカローヴァ(『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』)脚本賞エリザ・ヒットマン(『Never Rarely Sometimes Always』)(Hiromi Kaku)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開©2020 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年01月12日全米映画批評家協会賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『ノマドランド』。今作ではほかに、クロエ・ジャオが監督賞、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞を受賞した。主演男優賞は『ザ・ファイブ・ブラッズ』のデルロイ・リンドー。助演男優賞は『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ〜』のポール・レイシー、助演女優賞は『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』のマリア・バカローヴァ。脚本賞は『First Cow』のイライザ・リットマンだった。文=猿渡由紀『ノマドランド』3月26日(金)公開
2021年01月11日ときに、異彩を放つ作品が映画ランキングを賑わせることがある。日本政治の闇に斬り込んだ『新聞記者』、超格差社会を描き、アジア映画で初のアカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』などが記憶に新しいだろう。この2作品に共通するのは、社会問題を扱いながら優れたエンターテインメントでもあり、多くの観客に受け入れられたということ。普段は劇場へ行かない人が「とにかく観たほうがいい」「すごいらしい」といううわさを聞いて足を運び、鑑賞後には「観てよかった、観ればわかる」とさらに口コミが拡散してロングラン、異例のヒットを記録した。そんな映画界の風穴となりえる良質な社会派エンタメ映画が、2021年の幕開けから怒涛の勢いで公開される。新型コロナウイルスの流行とともに、社会が抱える根深い問題も否応なしに浮き彫りとなった2020年を経て、これまでにないほど“社会を見つめる目”が問われるいまだからこそ楽しみたい、2021年の“これぞ!”の社会派エンタメ映画を紹介する。『すばらしき世界』人生のレールを外れた男の物語…2月11日(木・祝)公開『ディア・ドクター』『永い言い訳』の西川美和監督が、直木賞作家・佐木隆三氏の小説「身分帳」を原案とした最新作。一度人生のレールを外れた男が刑務所の外で懸命にもがき生きる姿と、そんな彼を追う若きテレビマンを通して「社会」と「人間」の“いま”をえぐる問題作。役所広司扮する元ヤクザの男・三上は、人生の大半を刑務所で過ごし何十年ぶりの社会復帰を誓うが、真っ直ぐすぎるがゆえに社会の壁に何度もぶつかってしまう。私たちが生きる社会は愚直なまでに誠実な人間が生きていくのは難しい世界なのか――。人との繋がり方、社会の在り方について気づかされる心揺さぶる物語。『ノマドランド』リーマンショック後のアメリカ…3月26日(金)公開リーマンショックにより町の経済が破綻した後、1台のキャンピングカーとともに現代の“ノマド(遊牧民)”となった、ひとりの車上生活者の生き様を描いたロードムービー。『スリー・ビルボード』のアカデミー賞女優、フランシス・マクドーマンドが主人公の女性を演じ、『ザ・ライダー』で注目を集めた中国生まれの女性監督、クロエ・ジャオがメガホンをとる。本年度のヴェネチア国際映画祭金獅子賞(最高賞)、トロント国際映画祭では観客賞を受賞し、現在もっともアカデミー賞に近い作品とされている大注目作。『KCIA 南山の部長たち』大統領暗殺の裏側…1月22日(金)公開1979年に起きた朴正煕(パク・チョンヒ)大統領の暗殺事件を描いた大ベストセラー小説を原作にした実録サスペンス映画。暗殺は権力闘争の果てか、はたまた正義か。KCIAとは、大統領直属の機関として権力を握った韓国中央情報部の通称。韓国政治に潜む歴史の闇を鋭く描き出しながら、見応え抜群のエンタメ作品に仕上がっている。2020年の韓国年間興行収入第1位を記録し、主演のイ・ビョンホンは『パラサイト』のソン・ガンホを抑えて国内の映画賞で主演男優賞を受賞した。本年度のアカデミー賞国際長編映画賞の韓国代表作品。『護られなかった者たちへ』震災後の事件描く…2021年秋公開「このミステリーがすごい」受賞作家の中山七里の同名小説を佐藤健、阿部寛の豪華キャストで映像化。社会問題を描くことに定評のある瀬々敬久監督がメガホンをとる。東日本大震災から9年後、宮城県内で起きた連続殺人事件の容疑者とそれを追う刑事が繰り広げるスリル溢れるサスペンスストーリーの中で、いまの社会が抱える貧困問題や格差社会をあぶり出す。2020年は緊急事態宣言の最中に映画館も休館し、日常から映画が遠のいた人も多くいる。春の自粛期間には、エンタメは“不要不急”とされていたが、エンタメに携わる映画人、演劇人からは「エンタメは“不急”ではないが“不要”ではない」との声が上がった。映画だからこそ伝わる想いやメッセージがあり、ポン・ジュノ監督は『パラサイト』製作について「クリエイターたちが資本主義時代を生き抜きながら、テーマとして思いつき辿りつくのが格差問題だと思う。多くの人たちが露骨に見て見ぬふりをし、隠したりすることもあるが、避けることなく、映画的な方法でこのテーマを描いてみたかった」と語っていた。映画には、社会に潜む問題を直接的に訴えるのではなく、エンターテインメント性を持たせることで観客の心へストレートに響き、各々の気づきや自発的な行動へ繋げる力があるのかもしれない。(text:cinemacafe.net)■関連作品:すばらしき世界 2021年2月11日より全国にて公開©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会護られなかった者たちへ 2021年秋、全国にて公開予定©2020映画『護られなかった者たちへ』製作委員会©中山七里ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開©2020 20th Century Studios. All rights reserved.KCIA 南山の部長たち 2021年1月22日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© 2020 SHOWBOX, HIVE MEDIA CORP AND GEMSTONE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.
2021年01月03日昨年はコロナ渦で多くの映画が公開延期になり、莫大な予算を投じたハリウッド大作が次々と公開を延期した。そのため、2021年は昨年に公開される予定だった超大作と、今年公開予定の映画が揃って待機中。まだ予断を許さない状況で、さらに公開が延期になる可能性もあるが、今年は例年以上に映画館の大スクリーンで観たい作品が揃っている。映画ファンがその公開を待ちわびるも、やむなく公開延期を繰り返している『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は今年こそスクリーンに登場することになりそうだ。映画史にその名を刻むアイコン的存在“ジェームズ・ボンド”をこれまでにない側面から描き出したダニエル・クレイグ主演のシリーズは名作『007 スカイフォール』など、単なるスパイアクションにとどまらない作品を生み出してきた。そんなクレイグが“最後の出演作”と明言する『…ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、現役を退いたボンドが誘拐された科学者の救出を依頼され、正体不明の敵と対峙する。『闇の列車、光の旅』のキャリー・ジョージ・フクナガが監督を、『ラ・ラ・ランド』でオスカーに輝いたリヌス・サンドグレンが撮影を務め、ビリー・アイリッシュが主題歌を担当。『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックがボンドに敵対するキャラクターを演じる。緊張感あふれるアクションを次々に繰り出しながら、これまでのシリーズでは多く描かれてこなかったボンドの過去や内面に迫った本シリーズ。慎重に創作が重ねられた本作は、最適な公開時期を探りつつ、その日を待っている。そのほかにも映画館の大画面、大音響で観たい大作が目白押しだ。昨年話題を集めた『TENET テネット』のクリストファー・ノーラン監督も公開を楽しみに待っているという『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』はシリーズ9作目。カスタムカーが空を舞い、潜水艦と一騎打ちし、戦車と真っ向勝負を繰り広げてきた“ワイスピ”シリーズ。新作でも観客の想像の斜め上を爆走するような超絶アクションが待っているはずだ。ほかにも日本生まれの人気ゲームを実写化する『モンスターハンター』や、マーベル最新章を告げる『ブラック・ウィドウ』、ディズニーランドの人気アトラクションを基に生まれた一大アドベンチャー大作『ジャングル・クルーズ』、ミュージカル史に残る名作をスティーヴン・スピルバーグ監督が再映画化する『ウエスト・サイド・ストーリー』、アイヴァン・ライトマン監督の名作を息子ジェイソンが引き継いで再始動させる『ゴーストバスターズ/アフターライフ』も今年公開予定。映画館でみんなで集まって観たい作品がズラリと並んでいる。昨年の前半は『パラサイト 半地下の家族』が口コミで動員を増やし、オスカー受賞のニュースがもたらされるなど話題を集めたが、今年も賞レースの有力候補とみなされている作品が続々と公開になる。トロント映画祭、ヴェネチア映画祭で作品賞に輝いた『ノマドランド』は3月26日から公開。季節労働をしながら、車でひとり孤独な旅を続ける女性が、旅先で様々なノマドたちに出会い、心を通わせていくドラマが描かれる。主演のフランシス・マクドーマンドは『スリー・ビルボード』でもオスカーを手にした当代きっての名女優で、今年も各映画賞で彼女の名前が繰り返しあがることになるだろう。また、オスカー常連のA24とPALN Bがタッグを組んで制作にあたった『ミナリ』や、Netflixで配信中の『シカゴ7裁判』も各映画賞の有力候補と目されている。なお、今年のアカデミー賞は4月25日に延期になっているが、授賞式は行われる予定だ。アニメーション映画も今年は数多く公開される。現在、ディズニープラスで配信中の『ソウルフル・ワールド』が絶賛を集めているピクサーは、最新作『ルカ』を6月に全米で公開予定。昨夏に公開を予定していた『ミニオンズ フィーバー』も少し遅れたが今夏に公開を予定している。喧嘩ばかりしている人気コンビの活躍をアニメーションと実写を融合させて描く『トムとジェリー』や、ディズニーの最新作『ラーヤと龍の王国』も今年、映画館のスクリーンに登場する。いずれも時間とアイデアをふんだんに投じて制作された作品ばかりで、日本だけでなく世界各地で人気を集めることになりそうだ。ほかにも、ザ・ビートルズが1969年に行った通称“ゲット・バック・セッション”の際に撮影された膨大な記録映像を、ピーター・ジャクソン監督が再編集したファン垂涎のドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:Get Back』、ケネス・ブラナーが再び名探偵ポアロを演じる『ナイル殺人事件』、日本でも撮影が行われたアクション作『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』などの話題作も公開に向けて待機中。昨年は新作が映画館で上映されることなく配信サービスに直行するニュースなども流れたが、映画館でみんなで集まって、大きな画面で新作映画を楽しむ、そんな映画ファンの“なんてことのない日常”が早く戻ってくるのを願うばかりだ。■2021年に公開予定の外国映画(一部)1月1日 新感染半島 ファイナル・ステージ3月5日 ラーヤと龍の王国3月12日 キングスマン:ファースト・エージェント3月19日 トムとジェリー3月26日 モンスターハンター3月26日 ノマドランド3月26日 映画 きかんしゃトーマス おいでよ!未来の発明ショー!4月29日 ブラック・ウィドウ5月21日 フリー・ガイ7月9日 シャンチー・アンド・ザ・レジェンド・オブ・ザ・テン・リングス(原題)8月13日 ジャングル・クルーズ8月27日 ザ・ビートルズ:Get Back10月29日 エターナルズ(原題)12月10日 ウエスト・サイド・ストーリー2021年 ゴーストバスターズ/アフターライフ2021年 ワイルド・スピード/ジェットブレイク2021年 モービウス2021年 ナイル殺人事件2021年 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ2021年 ミニオンズ フィーバー2021年 クワイエット・プレイス 破られた沈黙2021年 G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ2021年 ピーターラビット2/バーナバスの誘惑2021年 ザ・バットマン(C) 2019 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation(C)Marvel Studios 2020(C) 2020 20th Century Studios. All rights reserved.(C) 2020 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.(C) 2020 Disney. All Rights Reserved.(C)2021 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.(C)2020 Warner Bros. All Rights Reserved.(C)Constantin Film Verleih GmbH
2021年01月03日賞レースを席捲する数多くの名作を世に送り出してきたサーチライト・ピクチャーズが、『スリー・ビルボード』のフランシス・マクドーマンド主演、最注目監督クロエ・ジャオと共に贈る『ノマドランド』。その公開日が2021年3月26日(金)となり、現代の“ノマド”(遊牧民)たちをとらえた予告編が解禁された。第77回ヴェネチア国際映画祭では金獅子賞、さらには第45回トロント国際映画祭では観客賞を受賞するという史上初の快挙を成し遂げ、本年度アカデミー賞最有力作品として注目を集めている本作。解禁された予告映像では、ある事情から過酷な季節労働をこなしながら、ひとり孤独に愛車を走らせる主人公ファーン(フランシス・マクドーマンド)が、往く先々でノマド=車上生活者たちと出会い、心を通わせていく姿が、ルドヴィコ・エイナウディの豊かな音楽と共に丁寧に紡がれていく。アメリカ西部の雄大で美しい大自然とともに映し出される詩的な情景や、マクドーマンド以外のノマド役に実際のノマドたちを起用したドキュメンタリーのような演出は、ジャオ監督が生んだ傑作『ザ・ライダー』を彷彿とさせる。今年の東京国際映画祭で行われた日本最速上映チケットは即日完売するほどの人気を見せた本作。また、鑑賞者からも高評価を続々と獲得しており、ますます期待が高まっている。『ノマドランド』は2021年3月26日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開©2020 20th Century Studios. All rights reserved.
2020年12月16日ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞、トロント国際映画祭では観客賞を受賞し、本年度アカデミー賞最有力作品として賞レース最前線を堂々と独走中のフランシス・マクドーマンド主演映画『ノマドランド』。この度、本作が「第33回東京国際映画祭」の特別招待作品部門にて、日本最速上映されることが決定した。賞レースを席捲する数多くの名作を世に送り出してきたサーチライト・ピクチャーズが、『スリー・ビルボード』で2度目のアカデミー賞主演女優賞を手にしたフランシスを再び主演に据え、いま最も注目されている新鋭監督クロエ・ジャオと共に贈る本作は、大きな反響を生んだ原作ノンフィクションを基に、実在のノマド(遊牧民)たちと共に見つめるいまを生きる希望を、広大な自然の中で探し求めるロードムービー。キャンピングカーに全ての思い出を詰め込み、車上生活者“現代のノマド”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩くことを選択する女性ファーンを演じたフランシスは、主演だけでなく製作としても本作に携わっている。また、米批評家たちによるレビューサイトRotten Tomatoesでは、99%Freshの高評価を獲得。世界のジャーナリストからも絶賛評が相次いでいる。「第33回東京国際映画祭」は10月31日(土)~11月9日(月)六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかにて開催。『ノマドランド』は2021年1月、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年1月より全国にて公開©2020 20th Century Studios. All rights reserved.
2020年09月25日トロント映画祭の受賞結果が発表された。観客賞に選ばれたのは、クロエ・ジャオ監督、フランシス・マクドーマンド主演の『ノマドランド』。今作は先のヴェネツィア映画祭でも金獅子賞を受賞している。トロントとヴェネツィアの結果が一致するのは初めてのこと。過去10年以上、トロントの観客賞を受賞した作品はオスカーの作品部門に候補入りを果たしており、今作もオスカーに向けて弾みをつけた形だ。次点はレジナ・キングの監督デビュー作『One Night in Miami』。ドキュメンタリー部門の観客賞はミシェル・ラティマーの『Inconvenient Indian』。ミッドナイト・マッドネス部門の観客賞はロザンヌ・リアンの『Shadow in the Cloud』で、女性陣が圧勝する画期的な結果となった。また、キャリアを通じて多くの貢献をしてきた人々に贈られるトリビュート・アワードでは、ケイト・ウィンスレットが女優賞、アンソニー・ホプキンスが男優賞、『ノマドランド』のジャオが監督賞を受賞している。文=猿渡由紀
2020年09月23日『スリー・ビルボード』で2度目のアカデミー賞主演女優賞を手にしたフランシス・マクドーマンド主演、マーベル・スタジオ最新作『エターナルズ』(原題)に抜擢されたクロエ・ジャオ監督の『ノマドランド』が、第45回トロント国際映画祭の最高賞である観客賞に選ばれた。映画賞レースを席巻する数多くの名作を世に送り出してきたサーチライト・ピクチャーズが、オバマ前・米大統領が絶賛した『ザ・ライダー』やアベンジャーズに続く最強ヒーローチームを描いた『エターナルズ』(原題)を手掛ける最注目のアジア系女性監督クロエ・ジャオと組んだ本作。トロント国際映画祭では過去10年間で観客賞受賞作品の3本、『グリーンブック』『それでも夜は明ける』『英国王のスピーチ』はアカデミー賞の作品賞を受賞していることから、同・観客賞は最もアカデミー賞に近い賞との呼び声高いことでも知られる。昨年はタイカ・ワイティティ監督の『ジョジョ・ラビット』が受賞した。ヴェネチア国際映画祭でもすでに最高賞である金獅子賞を受賞している本作。9月11日(現地時間)に、第77回ヴェネチア国際映画祭、第45回トロント国際映画祭、LAにて開催されるテルライド映画祭主催のドライブ・イン・シアターなどで同時ワールドプレミアが行われ、上映が終了するや否や、世界のジャーナリストから本作の絶賛評が続出。ガーディアン紙は星5つの最高評価を付け、「実在する“ノマド”たちに自然と溶け込んでいくマクドーマンドの演技は、キャリア史上最高のパフォーマンスとも言える素晴らしさだ。また並外れた知性とスタイルで引き出されたプロットにも圧倒された。ジャオが手掛ける作品には偉大さが詰まっている」と絶賛。バラエティ紙は「テレンス・マリックに影響を受けた撮影手法だが、編集は確実にジャオ自身のリズムだ。長くて豪華な夕日を眺めているような気分だった。『イントゥ・ザ・ワイルド』の哲学が染み渡り、それらをより深化させた作品に仕上がっている」と評価。ハリウッドレポーターは「ジャオの初となる著名俳優とのコラボレーションは、マクドーマンドが完全に、スクリーンを共有する現実の“ノマド”たちと一体になる、素晴らしい演技を引き出した。またジャオは全作でコンビを組む撮影監督のジョシュア・ジェームズ・リチャーズとともに、雄大な風景と豪華な水彩画の夕焼けをスクリーンに映し、また孤独な道、険しい山と岩だらけの砂漠といった生活の本質的な部分では、自然の強さと独立性を見事に引き出した」と評している。米批評家による辛口レビューサイト「Rotten Tomatoes」では59ものレビューが全て絶賛、100%Freshの高評価を獲得している(9月18日時点)。『ノマドランド』は2021年1月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年1月より全国にて公開©2020 20th Century Studios. All rights reserved.
2020年09月21日ヴェネチア、テリュライド、トロント、ニューヨークという、秋の4つの映画祭すべてでかかる『ノマドランド』が、10月のニューヨークを除3つの映画祭で、ほぼ同時にプレミア上映された。テリュライドは今年、コロナのためにキャンセルされたが、L.A.のローズボウルに特設されたドライブインシアターで、「テリュライド・イン・L.A.」の名のもとに、一般に向けて上映されている。トロントでも現地の一般観客のためにドライブインシアターで上映が行われたが、マスコミ試写はデジタルのみだった。この同時プレミアの翌朝、今作は、ヴェネチアで、最高賞にあたる金獅子賞を受賞。主演のフランシス・マクドーマンドは受賞を逃したものの、オスカー候補入りはほぼ間違いないと思われる。『ノマドランド』は、夫を亡くし、勤めていた会社が倒産したために仕事も失った60代の女性ファーンが、RV車で移動しつつ、あちこちで仕事を探して生活していく様子を描くもの。原作であるノンフィクション本の映画化権を買った主演のマクドーマンドは、『Songs My Brothers Taught Me』と『The Ryder』でアメリカ西部を描写した中国生まれのクロエ・ジャオ監督にこのプロジェクトを持ち込んだ。ジャオは過去作品で、プロの俳優ではない、一般人を映画に起用してきたが、オスカー女優マクドーマンドが主演する今作でも、基本的にその方針を貫いている。その結果、映画は、時にドキュメンタリーを見ているような錯覚を起こす、とてもリアルなものに仕上がっている。ファーンをはじめとするノマド(遊牧民)たちが見せつけるのは、現代社会で見逃されている、リタイアする経済的余裕のない高齢者たちの実態だ。60代かそれ以上の彼らは、働きたくても安定した雇用がなく、アマゾンの倉庫業務など、季節労働の職を求めて動き回るしかない。だが、彼らには威厳があるし、決して不幸ではないのだ。そんな彼らを、温かな目線で、敬意を持って見つめるのが、この映画なのである。アメリカの話ではあるが、日本を含む多くの先進国では、多くの高齢者が同じような問題に直面している。それらの人々に共感を呼ぶであろう今作は、これからのアワードシーズンで健闘が期待されそうだ。アメリカ公開は12月4日、日本公開は来年1月。文=猿渡由紀
2020年09月14日映画『ノマドランド』が、2021年3月26日(金)に全国公開。第93回アカデミー賞アカデミー賞では、作品賞・監督賞・主演女優賞を受賞する快挙となった。オスカー女優フランシス・マクドーマンドが“車上生活者”に『スリー・ビルボード』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンドが『ノマドランド』の主演を務める。過去に2度のオスカーに輝いた名優が演じるのは、現代の“ノマド(遊牧民)”、車上生活者だ。『ノマドランド』は、原作ノンフィクションをもとに、実在の車上生活者の生き様をアメリカ西部の大自然の映像美と共に描き出すロードムービー。マクドーマンドは、撮影で自ら実在の“ノマド”たちの中に身を置き、実際に彼らの生活を体験。また、主演だけでなく製作としても携わるなど、作品への並々ならぬ意欲が込められている。ストーリー『ノマドランド』リーマンショック後、企業の倒産とともに、長年住み慣れたネバダ州の企業城下町の住処を失った 60 代女性ファーン。彼女の選択は、キャンピングカーに全ての思い出を詰め込んで、車上生活者、“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩くことだった。その日その日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うノマドたちとの心の交流とともに、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく。監督は新鋭クロエ・ジャオ『ノマドランド』のメガホンを取るのは、マーベル・スタジオが贈るアベンジャーズに続く最強ヒーローチームを描いた『ジ・エターナルズ(原題)』の監督に抜擢されたクロエ・ジャオ。アメリカ西部の厳しくも壮大な自然や路上の崇高な美しさのなか、一日一日を懸命に生き延びながらも誇りを持って自由を生きるノマドの生き様を映し出す。世界の映画祭で快挙第93回アカデミー賞で3部門受賞映画『ノマドランド』は世界の映画祭でも快挙を達成。第78回ゴールデングローブ賞では、<ドラマ部門>作品賞と監督賞の計2部門を受賞。見事監督賞を手にしたクロエ・ジャオは、アジア系女性初の同賞受賞であり、女性監督としては37年ぶりの受賞となる快挙となった。そして注目の第93回アカデミー賞でも、作品賞、監督賞、主演女優賞をトリプルで受賞した。そのほか第77回ベネチア国際映画祭では<金獅子賞>、さらにはアカデミー賞にもっとも近い賞との呼び声も高い第45回トロント国際映画祭では<観客賞>を受賞。このふたつの映画祭における最高賞W受賞は、映画史における史上初の出来事となる。作品詳細『ノマドランド』公開時期:2021年3月26日(金)監督:クロエ・ジャオキャスト:フランシス・マクドーマンド、デヴィッド・ストラザーン、リンダ・メイ原題:Nomadland配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
2020年09月12日「サーチライト・ピクチャーズ」×主演:フランシス・マクドーマンド×クロエ・ジャオ監督の注目タッグで贈る『ノマドランド』の日本公開が決定した。リーマンショック後、企業の倒産と共に長年住み慣れたネバダ州の企業城下町の住処を失った60代女性ファーン。彼女の選択は、キャンピングカーに全ての思い出を詰め込み、車上生活者“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩くことだった。往く先々で出会うノマドたちとの心の交流と共に、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく――。大きな反響を生んだノンフィクション「ノマド:漂流する高齢労働者たち」(ジェシカ・ブルーダー著)を基に描く本作は、実在のノマドたちと共に見つめるいまを生きる希望を、広大な西部の自然の中で探し求めるロードムービー。『スリー・ビルボード』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したフランシスが演じるのは、現代のノマドとして過酷な季節労働の現場を渡り歩くことを選択するファーン。撮影では、フランシス自らが実在のノマドたちの中に身を投じ、ドキュメンタリーとフィクションの境界を超えた新しい表現ジャンルを開拓。主演だけでなく製作としても携わる彼女の渾身の意欲作となっている。そして監督は、アメリカ西部に生きるロデオライダーたちの姿を力強くも痛切に描いた『The Rider』(’17原題・未)でインディペンデント・スピリット賞の作品賞・監督賞ほか4部門にノミネートされ、『エターナルズ』(原題)の監督にも抜擢されたクロエ・ジャオ。『The Rider』『ゴッズ・オウン・カントリー』の撮影監督ジョシュア・ジェイムズ・リチャーズと共に、厳しくも壮大な自然や、一日一日を懸命に生き延びながらも、誇りを持って自由を生きるノマドの生き様を映し出す。なお本作は9月11日(現地時間)、ベネチア国際映画祭、トロント国際映画祭、LAにて開催されるテルライド映画祭主催のドライブ・イン・シアターなどでワールドプレミアも決定している。『ノマドランド』は2021年1月、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年1月より全国にて公開©2020 20th Century Studios. All rights reserved.
2020年09月09日ジャーナリストで作家のジェームズ・アンドリューが世界のサクセスストーリーの起源を紐解くポッドキャスト「Origins with James Andrew」で、今年公開から20周年を迎えた『あの頃ペニー・レインと』を取り上げた。同作はクロウ監督にとって半自叙伝的な青春映画であり、思い入れの強かった作品。ケイト・ハドソンが主人公の少年が想いを寄せるグルーピーのペニー・レインを演じ、ブレイクするきっかけとなった。ポッドキャストで明らかになったのは、撮影前の製作初期に考えられていたキャストの面々。フランシス・マクドーマンドが演じた主人公ウィリアムの母親役にメリル・ストリープ、ケイトが演じたペニー・レイン役にナタリー・ポートマン、そしてビリー・クラダップが演じたラッセル・ハモンド役にブラッド・ピットの名前が挙がっていたという。ブラピは1996年のクロウ監督『ザ・エージェント』が公開された後、自らクロウ監督に電話をかけて「ぜひ次の作品に出演させてください」と頼んでいたため、クロウ監督が熱意を買って呼び寄せた形だ。ブラピはビリー役に4か月ほど関わっており、ナタリーとの読み合わせも行ったものの、降板。クロウ監督は「(ブラピが)ラッセル役を完全に気に入っているわけではなさそうだと気づいていた」というが、彼のことをかなり気に入っていたため、降板が決まると「泣いてしまった」と語っている。当時、降板の理由はギャラ問題と報じられたが、クロウ監督は「そうじゃないって彼は言っていたけど。でもきっと半分半分だと思う。(ギャラと)、ラッセルとペニーの年齢差がかなりあることが気まずかったようだ」と推測している。(Hiromi Kaku)
2020年07月10日世界的スターパフューマー、フランシス・クルジャンが、現代におけるジェンダーの自由を表現したデュオフレグランス、「ジェントル フルイディティ」。2020年6月3日、携帯にも便利な35mLサイズを限定店舗にて、数量限定で発売いたします。 すべてを包みこむようにリッチな「ジェントル フルイディティ ゴールド オードパルファム」、躍動感あふれる爽やかな香りの「ジェントル フルイディティ シルバー オードパルファム」。同じ49種の香料でつくられた異なる2つの香りは、ジェンダーの枠を超え、自分らしい個性と感性を引き出してくれます。その日の気分で使い分けたり、手軽に携帯したり、そしてギフトとしても最適なサイズです。 公式オンラインショップ「ラトリエ デ パルファム」では、2つのプレゼントキャンペーンを開催いたします。 ■「ジェントル フルイディティ」について常に社会とその変化を見つめ、その物語を香りで描いてきた、フランシス・クルジャンが創り上げた「ジェントル フルイディティ」は、現代のジェンダーに対する彼の考え方です。レディース、メンズと決められたジェンダーに縛られることなく、自由に個性を表現する。「ジェントル フルイディティ」は、自由な選択で自分らしさを表現する、新しい時代のフレグランスと言えます。49種類の同じ香料から生まれた2つのフレグランスは、調香の固定概念を超えて、纏う人に感動をももたらすはずです。■同じ香料でつくられた、異なる2つの香りフランシス・クルジャンは、2つのフレグランスの調香に用いた49種類の香料のうち6つの香料、ジュニパーベリーエッセンス、ナツメグエッセンス、コリアンダーシードエッセンス、ムスク、アンバリ―ウッド、バニラアコードにハイライトをあて、それぞれの香りの輪郭を創りながら、心地よい香りに仕上げています。「ジェントル フルイディティ ゴールド オードパルファム」すべてを包み込むようなリッチなムスキーオリエンタルノート。優美な花を思わせる芳醇なコリアンダーシードエッセンスに、グルマンなバニラアコードとムスクがまろやかに溶け合い、明るく華やかな印象を与えます。「ジェントル フルイディティ シルバー オードパルファム」躍動感あふれる爽やかなウッディ アロマティックの香り。ジンフラッペを思わせる軽やかで爽やかなジュニパーベリーエッセンスとドライでスパイシーなナツメグエッセンスが、調和します。ラストはアンバリ―ウッドの温かで力強い香りが余韻を描きます。■洗練されたボトルデザイン35mLサイズにも、オリジナルの洗練されたボトルデザインが受け継がれています。ゴールドとシルバー、それぞれの香りを特徴づけるために、ボトルキャップとボトルに刻まれたロゴには、それぞれのカラーを配しています。ボトルに刻まれた製品ロゴは、ゴールドはFluidityの「F」が大文字に、シルバーは、Gentleの「G」を大文字にし、シンプルで洗練されたデザインの中にもさりげない個性と美しい調和を演出しています。<メゾン フランシス クルジャン> ジェントル フルイディティ ゴールド オードパルファムジェントル フルイディティ シルバー オードパルファム各35mL 各1万4,800円(消費税別)2020年6月3日(水)店舗限定・数量限定発売(取り扱い店舗)●サロン デ パルファム GINZA SIX店、ラトリエ デ パルファム 大阪高島屋店、ラトリエ デ パルファム ジェイアール 京都伊勢丹店●ブルーベル・ジャパン公式フレグランスサイト「ラトリエ デ パルファム」【公式オンラインショップ限定!キャンペーンを開催】◎「ジェントル フルイディティ」キャンペーン「ジェントル フルイディティ ゴールド」、「ジェントル フルイディティ シルバー」のいずれか70mLをご購入の方に、「ジェントル フルイディティ」のもう一つの香りのミニチュアサイズ(5mL)をプレゼントいたします。シルバーとゴールド、2つの香りを一度にお楽しみいただける絶好の機会です。◎<メゾン フランシス クルジャン>父の日キャンペーン「メゾン フランシス クルジャン」関連製品を2万円(消費税別)以上ご購入の方に、「天空の水」という名を持つ、この上なく清々しく透明感に満ちたムスキー フローラル シトラスの香り「アクア セレスティア オードトワレ」のミニチュアサイズ(5mL)をプレゼントいたします。父の日への香りのギフトとして、ぜひこの機会をご利用ください。キャンペーンについて≫≫企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年06月05日『マンチェスター・バイ・ザ・シー』で弱冠20歳にしてアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、『レディ・バード』『ある少年の告白』など話題作に出演してきたルーカス・ヘッジズ。この度、全編を彩る音楽が物語を紡ぐ“プレイリスト・ムービー”『WAVES/ウェイブス』から、彼の新場面写真が解禁された。ルーカスといえば、出演する映画が軒並み良作ばかりという若手きっての実力派。『ギルバート・グレイプ』の原作・脚本を手掛けたピーター・ヘッジズを父に持つ彼は、10歳のときに父が監督した『40オトコの恋愛事情』でエキストラ出演ながら映画デビュー。その後、ウェス・アンダーソン監督作『ムーンライズ・キングダム』でボーイスカウトのいじめっ子役として出演。彼がその名を映画界に知らしめたのは、第89回アカデミー賞で主演男優賞と脚本賞の2冠を獲得した『マンチェスター・バイ・ザ・シー』。同作での好演が認められ、アカデミー賞助演男優賞に初ノミネート、一躍脚光を浴びた。本作『WAVES/ウェイブス』のトレイ・エドワード・シュルツ監督は、「『マンチェスター・バイ・ザ・シー』が大好きで、特にルーカスのファンでした」と告白。また、初めてルーカスに会った日をふり返り、「彼も僕の作品を観てくれていて、彼から連絡してきてくれました。会った瞬間に意気投合しました。うまく説明はできないけど、どこか深いところで繋がっている気がしたんです。バーガーを食べながら楽しく話したのを覚えています」と回想する。以降も彼の快進撃は続き、翌第90回アカデミー賞で主演女優賞と助演男優賞を獲得した『スリー・ビルボード』では主人公(フランシス・マクドーマンド)の息子を演じ、また同賞で6部門にノミネートされた『レディ・バード』では主人公(シアーシャ・ローナン)が恋する少年役を演じた。満を持して初主演を務めたのが、同性愛“矯正”施設に送られる青年を演じた『ある少年の告白』。俳優のジョエル・エジャトンが監督し、母親役にニコール・キッドマン、父親役にラッセル・クロウと、ハリウッド屈指の名俳優たちと共演を果たし、これまで賞レースを賑わす良作に出演を続けてきたルーカスは、初主演作品において第76回ゴールデン・グローブ賞主演男優賞にノミネートされた。その後、日本で立て続けに公開された主演2作目となる『ベン・イズ・バック』で演じたのは、薬物依存に陥る少年。ここでもまた、ジュリア・ロバーツが母親役を演じるなど、映画界の大物を相手に堂々の演技を披露している。そんな彼の待望の最新作では、見えない傷を抱えた少女エミリー(テイラー・ラッセル)に優しく、そして静かに寄り添う恋人役。その屈託のない笑顔で作品に爽やかな風を運び込んでいる。『WAVES/ウェイブス』に出演を決めた理由についてルーカスは、「僕がこれまでに演じてきた役はどれも大きなプレシャーを感じながら生きています。どの作品でも泣いていると茶化されたこともあります。次第にどの役も僕らしさが反映されていないと感じるようになりました。だから今回のピュアなラブストーリーに飛び付いたんです。純粋なラブストーリーという点に惹かれました」と明かしている。『WAVES/ウェイブス』は4月10日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:WAVES/ウェイブス 2020年4月よりTOHO シネマズ日比谷ほか全国にて公開©2019 A24 Distribution, LLC. All rights reserved.
2020年02月25日スター俳優たちの場面写真とポスタービジュアルがお披露目され、注目を集めたウェス・アンダーソン監督の最新作『The French Dispatch』(原題)から、世界中のファン待望の予告編映像が解禁された。ベニチオ・デル・トロやティモシー・シャラメ、ジェフリー・ライトという新参組に、エイドリアン・ブロディ、ティルダ・スウィントン、レア・セドゥ、フランシス・マクドーマンド、シアーシャ・ローナン、ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、ウィレム・デフォーら、お馴染みの常連組も合わせ、豪華キャストが集結している本作。20世紀のフランスのある架空の街、「ニューヨーカー」誌をモデルにした「The French Dispatch」の記事を3つの物語にした形で、アンダーソン監督によれば「ジャーナリストへのラブレター」を描くという。予告編には、アンダーソン監督ならではのポップな色使いの雑誌社の様子が映し出されるカラーパートと、何やら不穏な雰囲気のモノクロパートに分かれ、その中には1968年5月に学生運動から広がったフランスの「五月革命」を思わせるシーン、早速話題を呼んでいる頭にタオルを巻いたティモシーのバスタイムなどのシーンが登場している。『The French Dispatch』は7月24日より全米公開予定。(text:Reiko Uehara)■関連作品:The French Dispatch(原題) 2020年より公開予定
2020年02月12日ウェス・アンダーソン監督最新作『The French Dispatch』の全米公開日が決定した。配給のサーチライト・ピクチャーズの発表によると、今年の7月24日だという。同日公開の映画は、ほかにドウェイン・ジョンソンとエミリー・ブラントが主演するディズニーの『Jungle Cruise』(原題)がある。今作の正式タイトルが『The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun』(原題)であることも明らかになった。20世紀のフランスの架空都市にある、アメリカの新聞社の支局で働くジャーナリストたちの物語が描かれる。今月中旬、IMDbが上映時間を「4時間1分」で、1部が「1時間57分」で2部が「2時間4分」という情報を掲載し、話題となったがこれは誤りで、現在は「108分」に訂正されている。豪華キャストが出演することでも注目されている今作。ベニチオ・デル・トロ、エイドリアン・ブロディ、ティルダ・スウィントン、レア・セドゥ、フランシス・マクドーマンド、ティモシー・シャラメ、ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、ウィレム・デフォーらと錚々たるメンバーが集結している。キャストのほとんどは、アンダーソン監督の過去の作品にも登場した常連メンバーだが、ベニチオとティモシーが参加するのは初。(Hiromi Kaku)
2020年01月30日ティモシー・シャラメと並ぶ若き実力派ルーカス・ヘッジズを主演に、その両親役でニコール・キッドマン、ラッセル・クロウというアカデミー賞俳優が脇を固める『ある少年の告白』。自らが同性愛者であることに気づいたある少年が、両親の勧めで同性愛を“治す”矯正セラピーに参加する、という衝撃の実話を元にした本作は、俳優でもあるジョエル・エドガートンのメガホンにより、自分を受け入れ“ありのままでいること”の大切さや、親子の絆を再発見するまでを描き、豪華キャストたちの真骨頂ともいえる演技を目にすることができる。そんな彼らが過去に紡いできた、本作につながる家族の愛を描いた出演作を紹介する。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』弱冠20歳でアカデミー賞ノミネート!ルーカス・ヘッジズアメリカ・ボストン郊外で便利屋として暮らしていた主人公リーが、兄の死をきっかけに故郷マンチェスター・バイ・ザ・シーへと戻り、親を亡くした16歳の甥パトリックの後見人となることに戸惑いながらも、過去の悲劇と向き合っていくヒューマンドラマ。大切な人を亡くした喪失感や悲しみとの向き合い方、家族のあり方を描き、第89回アカデミー賞では作品賞など6部門にノミネート。監督ケネス・ロナーガンが脚本賞、ケイシー・アフレックが主演男優賞を受賞した。パトリックを演じたルーカスも、その見事な演技でその名を一躍世に知らしめ、弱冠20歳にしてオスカー候補に。主人公の元妻役にミシェル・ウィリアムス、プロデューサーにはマット・デイモン。彼らと仕事ができることに、喜びのあまり叫んでいたというルーカス。彼の役者人生の中で貴重な経験となり、転機となった作品をぜひ。『スリー・ビルボード』母の思いを受け止める…成長したルーカスが多感な青年を熱演第90回アカデミー賞では、孤独に奮闘する母親・ミルドレッドを演じたフランシス・マクドーマンドが主演女優賞、差別主義の警察官を演じたサム・ロックウェルが助演男優賞と2部門を獲得。何者かに娘を殺された主婦のミルドレッドが、犯人を逮捕できない警察に業を煮やし、抗議のために町はずれに巨大な3枚の広告看板を設置する。それを快く思わない警察や住民といさかいが絶えなくなり、事態は思わぬ方向へ...。母親の身勝手ともいえる行動に傷つき、口喧嘩をしながらも、姉を失い、母親を理解しようと苦悩する息子・ロビーを、ルーカスが抑えた演技で熱演。複雑な感情を抱える青年を演じたルーカスは、『ある少年の告白』でさらに磨きのかかった演技を見せる。『LION/ライオン ~25年目のただいま~』家族のかたちとは…ニコール・キッドマンが母として魅せる演技インドで迷子になった5歳の少年サルーが、25年後にGoogle Earthで故郷を探し出したという実話を、『スラムドッグ$ミリオネア』のデヴ・パテル、『キャロル』のルーニー・マーラ、ニコール・キッドマンら豪華キャスト共演で映画化したヒューマンドラマ。サルーを養子として引き取る母親をニコールが演じ、『ある少年の告白』同様、モデルとなった人物の体形や歩き方まで再現する、こだわり抜いた演技を披露。育て親として深い愛情を注ぐ母親を熱演したニコールは、アカデミー賞助演女優賞にノミネート。彼女の母親としての芯の強さ、子どもを支える愛の深さは、『ある少年の告白』へも生かされており、各界から高い評価を得ている。『パパが遺した物語』優れた脚本にラッセル・クロウも涙!家族の無償の愛を描く感動作『幸せのちから』のガブリエレ・ムッチーノ監督が、ニューヨークを舞台に父と娘の絆を描いた。事故で妻を失った小説家のジェイクが幼い娘との愛しい日々を綴った遺作と、成長した娘をめぐる、喪失と愛の物語が感動を呼んだ。『レ・ミゼラブル』で共演したラッセル・クロウとアマンダ・セイフライドが父娘役に。脚本を読んで涙があふれたというラッセルは、当時のインタビューで「自分の仕事にルールを設けていて、感動しなければ絶対に引き受けない」と答えている。最新出演作『ある少年の告白』ではそうした物語の力強さに加え、エドガートン監督との仕事に惹かれて出演を即決。同作ではルーカス演じる主人公の父親に扮し、彼が放つラストの台詞にこらえきれず涙する人が続出。ラッセルだからこそ演じることができた、父の姿は必見!『Mommy/マミー』奇才グザヴィエ・ドランが贈る!母と息子の不器用な愛の物語世界中から熱視線を浴びるグザヴィエ・ドランの監督第5作。第64回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門に出品され、大御所ジャン=リュック・ゴダールの『さらば、愛の言葉よ』と並んで審査員特別賞を受賞した。主人公は15歳の息子スティーヴを育てる、気の強いシングルマザーのダイアン。スティーヴはADHD(注意欠如・多動症)のため、普段は純朴だが、一度スイッチが入ると攻撃的な言動を抑えられなくなる。あるとき、隣家に住む女性教師カイラと親しくなったことから、少しずつ日々に変化が訪れ...。人間の本質に焦点を当て、一貫して母と息子のテーマを撮り続けるドラン。彼にしか表現できない人物描写は映画界から高い評価を得ている。また、子役から活動してきた彼は『ある少年の告白』では俳優として参加、同性愛者であることを公表している彼の発するセリフの1つ1つは“完璧な人間はいないからこそ、他人を理解すること”の大切さを、表現者として教えてくれる。ぜひスクリーンで、彼の久々の演技を堪能してみて。『ある少年の告白』は4月19日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ある少年の告白 2019年4月19日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開Ⓒ2018 UNERASED FILM, INC.
2019年03月31日『ボヘミアン・ラプソディ』が今年度のアカデミー賞で、最多となる4冠を達成した。クイーンを題材にした同作は、24日にロサンゼルスのドルビーシアターで開催された同授賞式で、故フレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックの主演男優賞をはじめ、編集賞、音響編集賞、録音賞を受賞した。ラミは、受賞スピーチの中で「いつか、こんなことが起きるんだと幼い頃の自分に伝えたらどんな感じだろうと考えるのですが、カーリーヘアーの小さな頭は、吹き飛んでしまうほど驚くことでしょう」と喜びを表現した。そして、「当時は、自分のアイデンティティに悩んでしました。自分が何者かに悩み、自分の声を見つけようとしている人なら誰もだと思うのですが。自分らしく人生を生き抜いた移民のゲイ男性を描いたこの映画が作られ、そして僕らがその映画とストーリーをこうして祝福しているという事実は、僕らは皆このような物語を待ち望んでいたという証拠なのです」と熱弁。「僕はエジプト移民の息子で、アメリカ人としては1世になります。そんな僕の物語の1ページがここで今つづられているのです。この瞬間を思い描いてくれた皆さんに感謝せずにいられません。これは残りの人生の宝物になることでしょう」と語った。『ボヘミアン・ラプソディ』に続いては、『ROMA/ローマ』や『ブラックパンサー』、『グリーンブック』がそれぞれ3部門を制す結果となっている。30年ぶりに司会者抜きで開催された今年度の授賞式は、アダム・ランバートとクイーンの演奏で幕を開けたほか、レディー・ガガとブラッドリー・クーパー、ベット・ミドラー、ジェニファー・ハドソンなどがパフォーマンスを披露した。また各部門のプレゼンターとして、ジュリア・ロバーツやダニエル・クレイグ、ゲイリー・オールドマン、アリソン・ジャネイ、サム・ロックウェル、フランシス・マクドーマンド、ジェニファー・ロペス、クリス・エヴァンスらが壇上に上った。(C)BANG Media International
2019年02月26日WOWOWでは、日本時間2019年2月25日に行われる世界最高峰の映画の祭典「第91回アカデミー賞授賞式」をアメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターより独占生中継。案内役にジョン・カビラと高島彩、スタジオゲストとして映画プロデューサーの川村元気と映画評論家の町山智浩が参加する。WOWOWの日本のスタジオでは、今年もカビラさんと高島さんを案内役に迎え、作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞などの全世界が注目する発表の瞬間をナビゲート。カビラさんは「エンターテインメント追求のヒット作から社会の闇をえぐる問題作までがノミネートされること必至。映画を愛してやまないプロフェッショナルたちが互いを讃えあう舞台でどんなドラマが展開するのか」とコメント。また、高島さんは昨年、セクハラ問題などに揺れたハリウッドをふり返り、「あれからアカデミー賞はどう変わったのでしょうか。それとも変わっていないのでしょうか。いまのアメリカ社会を色濃く映し出すアカデミー賞の舞台。今年もみなさんとともに生放送で見届けたい」とコメントし、「個人的には、『リメンバー・ミー』を超えるアニメーションへの期待を高めつつ、昨年から引き続きティモシー・シャラメの美しさを追いかけながら、アカデミー賞のノミニーとしてレディー・ガガが登場することを期待」しているそう。さらに、『告白』『おおかみこどもの雨と雪』『君の名は。』『億男』などを次々生み出し、今回スタジオゲストとして参加する川村氏も「いち映画製作者の視点で、僕自身が楽しみながら映画界最大の祭りをお伝えできればと思います」と期待を込めている。■前回の第90回授賞式は、力強いメッセージが続々!第90回は、2017年に表面化した大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン氏によるセクハラ問題がハリウッド映画界を震撼させた後の授賞式に。2018年が明け、アカデミー賞の前哨戦とも呼ばれる第75回ゴールデン・グローブ賞授賞式では、女優陣や一部男優たちが黒いドレスやタキシードで出席、レッドカーペットは黒一色という異様な雰囲気に包まれた。そのような中で迎えた「第90回アカデミー賞授賞式」は、列席するセレブ達のファッションにも注目が集まっていた。白やピンク、ゴールドの衣装など華やかできらびやかなドレスに身を包む人も多く、映画最高峰の祭典を感じさせたが、「Time’s up」と書かれたピンバッジを付けるなどメッセージを発信していた。この影響は受賞スピーチにも見られ、随所に男女格差や地域・移民問題へのメッセージも。中でも、『スリー・ビルボード』で主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンドが「各部門でノミネートされている女性は全員立ち上がって」と呼びかけ、会場から大きな喝采を浴びたシーンは印象的だった。ハリウッド映画界での男女格差が指摘されるなかでのスピーチに感動を与え、司会のジミー・キンメルからも「エミー賞並みのスピーチだった」と絶賛された。また、最多となる13部門でノミネートされていた『シェイプ・オブ・ウォーター』が、作品賞、監督賞、美術賞、作曲賞の最多4部門を受賞。また対抗馬として挙がっていた『スリー・ビルボード』は主演女優賞、助演男優賞の2部門、第2次世界大戦でのダンケルク脱退を描いた『ダンケルク』は編集賞、録音賞、音響編集賞の3部門を受賞。“アカデミー賞に最も近い日本人”と言われてきた特殊メイク・アーティストの辻一弘氏が、3回目のノミネートにして『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でメイク・ヘアスタイリング賞を初受賞。同部門で日本人が受賞するのは初となり、日本人のアカデミー賞受賞は第87回に宮崎駿監督が名誉賞を受賞して以来の快挙となった。また同作品では、主演のゲイリー・オールドマンが主演男優賞に輝き、ダブル受賞となった。「生中継!第91回アカデミー賞授賞式」は2019年2月25日(月)8時30分 [二] [同時通訳]、21時~[字幕版]をWOWOWプライムにて放送。(text:cinemacafe.net)
2018年12月14日シャーリーズ・セロンが18キロもの体重増量を行い、3人目の子の妊娠中から出産後の姿を文字どおり“体を張って”演じた『タリーと私の秘密の時間』が日本公開され、話題となっている。『マッドマックス 怒りのデスロード』のスキンヘッドのフュリオサや、『スノーホワイト』『ワイルド・スピード ICE BREAK』の悪役といった“強い女性”のイメージがある中、今回シャーリーズが演じているのは、仕事で不在がちな夫の助けを求めることなく、生まれたばかりの赤ちゃんと上の子2人の育児を完璧にこなそうとして疲れ切り、夜間のベビーシッターの助けを得ることになる現代に生きるママ。モデル並のスタイルで知られる彼女の今作での激変ぶりには、すでに「見事なおばちゃん体型」「子育てに心身ともに憔悴しきった姿をリアルに演じてる」「体をしっかり作って見せてくれる母の姿」「女優魂がすごい」といったコメントが続々。シャーリーズの“体を張った”演技は、まさに彼女の女優魂そのものだ。壮絶な少女時代、挫折からの女優デビュー1975年、南アフリカ生まれのシャーリーズ・セロン。先日8月7日に、43歳(!)の誕生日を迎えたばかり。15歳のとき、アルコール依存症で日常的に暴力を振るっていた父親を、母親が正当防衛により彼女の目の前で射殺するという、痛ましい少女時代を送る。その後、バレエダンサーになるために母娘でニューヨークへ。モデルの仕事をしながら、「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」に出演するも、膝の怪我でバレエを断念する。1つの転機となったのは1994年。女優を目指し、母親に買ってもらった片道切符で何のコネもないままロサンゼルスへ向かったときのこと。なんと、500ドルの小切手を換金できず銀行員と口論していたところを、エージェントがスカウト。アメリカ英語を習得するよう言われた彼女は、テレビのソープオペラを見て覚えたとか。最初に出演したホラー映画は出演時間わずか3秒、セリフもなかった。そして1997年、殺人事件をきっかけに交錯する人間模様を描いた群像劇『トゥー・デイズ』で妖艶な愛人役を演じて本格デビューを果たす。生来のブロンドに抜群の美貌とプロポーションは瞬く間に業界で注目され、トム・ハンクス主演『すべてをあなたに』、キアヌ・リーブス主演『ディアボロス悪魔の扉』などに抜擢、レオナルド・ディカプリオが自身のような若手スター俳優を演じたウディ・アレン監督『セレブリティ』にはスーパーモデル役で登場。賞レースを席巻したラッセ・ハルストレム監督の『サイダーハウス・ルール』ではトビー・マグワイアが恋に落ちるヒロインを演じ、ジョニー・デップ共演『ノイズ』、マット・デイモン&ウィル・スミス共演『バガー・ヴァンスの伝説』などで着実に知名度を上げていく。『マイティ・ジョー』ではCGの心優しきゴリラとも共演していた。2001年の『スウィート・ノベンバー』で期間限定の恋人同士で再共演したキアヌとは、交際報道が出たこともあったが、後に『アトミック・ブロンド』のデヴィッド・リーチ監督のジムで再会、『ジョン・ウィック:チャプター2』が控える彼と一緒に激しいトレーニングに勤しんでいたという。13キロ増の肉体改造!『モンスター』でオスカーを手にそして、“ハリウッドに好まれる”セクシーなブロンド美女のイメージを払拭するかのように挑んだ『モンスター』(’03)で、ついにアカデミー賞主演女優賞を獲得し、ゴールデン・グローブ賞やベルリン映画祭銀熊賞など様々な女優賞を受賞。その実力が広く認められることになる。同作の監督は、この14年後に『ワンダーウーマン』で女性監督史上最高の興行収入を記録したパティ・ジェンキンス。監督から『ワンダーウーマン』にも出演の打診を受けていたそうだが、スケジュールの都合で参加できなかったことを後に明かしている。2005年にはハリウッドのウォーク・オブ・フェイム入り。ほかにも、当時の実生活での恋人スチュアート・タウンゼントを相手役に『モンスター』とは打って変わったミステリアスな女性を演じた『トリコロールに燃えて』(’04)、来日してPRを行った『ハンコック』(’08)、ヴィゴ・モーテンセン主演『ザ・ロード』(’09)、グリム童話「白雪姫」を大胆にアレンジし、邪悪な女王を喜々として演じた『スノーホワイト』2作(’12/’16)、鍛えあげたボディでプロジェクト責任者を演じたリドリー・スコット監督の『プロメテウス』(’12)などに出演。手塚治虫の原作をハリウッドでアニメ化した『ATOM』(’09)や、日本をモチーフにし、映画賞レースで絶賛された『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(’16)では声の仕事も務めた。ケイト・ブランシェットが演じたマーベル『マイティ・ソー バトルロイヤル』のヴィラン、ヘラ役にはシャーリーズも候補に挙がっていたという。2016年にはタイム誌の「最も影響力を持つ100人」にも選ばれている。プライベートでは、スチュワートと9年間交際し、誰もが結婚するかと思われたが破局。その後は、アカデミー賞俳優ショーン・ペンとの交際、婚約でも知られた。アフリカの内戦地を舞台にしたシャーリーズ主演、ショーン監督による『ラスト・フェイス』は2016年・第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたが、その前年のラブラブぶりとは一転、このころには破局しており、レッドカーペットや記者会見でも微妙な距離を保っていた姿が話題となった。2012年には自身の故郷である南アフリカから男の子を、2015年にはアメリカ生まれのアフリカ系の女の子を養子として迎えており、現在は2児の母。『スノーホワイト/氷の王国』で愛憎の“女王姉妹”を演じたエミリー・ブラントとは映画の後も交流を深め、エミリーの第2子の“ベビーシャワー”をシャーリーズがハリウッドの自宅で盛大に開いたと伝えられている。プロデューサーとしての手腕シャーリーズが20代のころとはまた違った形で、いやむしろ、現在のほうが生き生きと仕事を続けているのは、彼女自身がプロデューサーであることも大きい。2008年、主演と製作総指揮を務めた『あの日、欲望の大地で』においては、まさに原石だったジェニファー・ローレンスにヴェネチア映画祭の新人俳優賞マルチェロ・マストロヤンニ賞をもたらしている。シャーリーズが設立した製作会社「デンヴァー&デリラ・プロダクション」では、美しいボディと超絶アクションを披露した『アトミック・ブロンド』など彼女自身の主演作だけでなく、様々なテーマの作品に果敢に挑んでいる。Netflixシリーズのデヴィッド・フィンチャー監督による「マインドハンター」や『ピッチ・パーフェクト』シリーズのケイ・キャノンと手掛けた「ガールボス」、クロエ・グレース・モレッツを主演に迎えた『彼女が目覚めるその日まで』のほか、セス・ローゲンと共演するコメディ映画『Flarsky』(原題)も待機。公開最新作の『タリーと私の秘密の時間』も、もちろんその1つだ。最新作『タリーと私の秘密の時間』って?シャーリーズが演じた主人公のマーロは、家事や育児、なんでも1人でこなしてきたが、3人目の子どもが生まれたことで、ついに夜間だけベビーシッターを雇うことに。やってきたのは、気さくだが年上にもタメグチ、へそ出しルックのタリー(マッケンジー・ディヴィス)。人は見かけによらず?朝になるとそっと姿を消している彼女は、実は完璧に仕事をこなすスーパーベビーシッターだった!しかも、夫とのセックスレスや、長男に発達障がいの可能性があることなども1人で抱え込むマーロの話を、タリーは親身になって聞いてくれる。2人の間には不思議な絆が生まれ、マーロは輝きを取り戻していくが…。「朝はファーストフード、ミルクシェークを2杯」といった具合にジャンクフードを食べまくり、体重を増量させ、どってりとした産後体形を見事に作ったシャーリーズ。しまいには、うつ気味にもなるほど壮絶な体験だったという。そこまでして彼女が描きたかったのは、出産直後のオムツ姿や、搾乳しないと母乳でパンパンに張る胸など、これまであまり描かれることのなかった産後のリアルさ、日本でも問題となっている“ワンオペ育児”だけではない。人生のうちで何度か訪れる、“もう、あの頃とは違う”と実感する瞬間をどう受け入れていくかというメッセージもはらみ、結婚していてもいなくても、男性であっても、誰もが共感できるポイントとなっている。脚本を手掛けた、自らも3児の母であるディアブロ・コディと、メガホンをとったジェイソン・ライトマン監督とは『ヤング≒アダルト』(’12)以来のタッグ。この脚本&監督コンビは『JUNO/ジュノ』から続いて3作目となり、奇しくも“応援せずにはいられない女性”を描く3部作となっている。では、思わず応援したくなる、シャーリーズの女優魂あふれる作品を見てみよう。お飾り女優ではないことを実証『モンスター』約13キロも体重を増やし、眉も全て抜いて特殊メイクで二重アゴになるなど、衝撃の肉体改造で挑み、アカデミー賞女優となった『モンスター』。製作も担当して演じたのは、アメリカ史上初の女性の連続殺人犯アイリーン。彼女は幼少期より虐待され、何度もレイプされ、虐げられてきた女性であり、愛する少女(クリスティーナ・リッチ)のために犯した罪の数々は、いわば彼女にとっての“反逆”だった。シャーリーズは、アカデミー賞授賞式のころにはすっかり元の体形を取り戻して華やかなドレス姿を披露、そのギャップにも感嘆の声が上がった。まるでオーシャンズのノリ!?『ミニミニ大作戦』強盗団のリーダーである父(ドナルド・サザーランド)を殺め、金塊を横取りした裏切り者(エドワード・ノートン)に復讐を誓う、金庫破りのプロを演じた『ミニミニ大作戦』(’03)。その男に口説かれるも、毅然とした態度をとり、真っ赤なミニクーパーで街を駆け巡る姿がカッコいい!マーク・ウォールバーグやジェイソン・ステイサムなど、キャストも豪華な小気味よいクライムアクション。初のセクハラ集団訴訟を描く!『スタンドアップ』いまの時代にこそ、改めて見てほしい社会派ドラマ。『スタンドアップ』(’05)は「セクシャル・ハラスメント」という言葉が初めて生まれた90年代はじめ、アメリカ北部の鉱山を舞台に、筆舌尽くしがたいほどの“性的迫害”を受ける女性労働者による世界初のセクハラ集団訴訟を描いた。今作でも、同僚役を演じたフランシス・マクドーマンドとそろってアカデミー賞にノミネート。同僚役でミシェル・モナハンや、まだ垢抜けていないジェレミー・レナーらが出演、シャーリーズの高校時代をアンバー・ハードが演じた。ディズニー実写版『ムーラン』のニキ・カーロ監督作。黒髪でアサシンに変身!『イーオン・フラッグス』2415年の近未来を舞台にしたSFアクション『イーオン・フラッグス』(’08)でも肉体改良を行い、マーシャルアーツなどを徹底トレーニング、バレエで鍛えた柔軟さも生かしたアクションを披露している。ブロンドを黒髪に染め演じたのは、独裁者を狙う女性暗殺者。作品ごとにまったく新しい顔を見せてくれるのも、彼女の魅力の1つだ。『ガールファイト』などを手掛けている日系女性監督カリン・クサマがメガホンをとった。イタいけど愛おしい『ヤング≒アダルト』ヤングアダルト小説のゴーストライターで人気は落ち目、バツイチ・恋人ナシ、アルコールと愛犬のポメラニアン(その名もドルチェ)だけが友達…というアラサー女性を描いた『ヤング≒アダルト』。高校時代の人気者がオトナになれないまま、帰郷。赤ちゃんが産まれたばかりの元カレ(パトリック・ウィルソン)はいま「絶対に幸せじゃない」と勝手に思い込む、とにかくイタい彼女を熱演。だが、彼女の孤独さと痛みを誰も見放すことなどできない。変なコメディがつらいよ!?『荒野はつらいよ~アリゾナより愛を込めて~』『テッド』のセス・マクファーレンが手掛けたパロディ満載のウェスタン・コメディ『荒野はつらいよ』(’14)は、自ら「ラブ・コールを送った」という。ダメ男の羊飼い(セス)を巡ってアマンダ・セイフライド、ニール・パトリック・ハリスと四角関係になるミステリアスな美女のガンマン、しかも大悪党(リーアム・ニーソン)から逃げる妻というかつてない役どころ。「ずっと前からコメディには興味を持ってたんだけど、観客が私に対してそうじゃないイメージを根強く持ってるでしょ。私が興味あるのは、変なコメディなの」とコメントしていただけに(?)、その年、ゴールデン・ラズベリー(ラジー)賞にノミネートされた。自身の過去と向き合う…『ダーク・プレイス』1985年、田舎町で起こった一家惨殺事件の生き残りの少女が大人になった姿を熱演した『ダーク・プレイス』(’15)。プロデュースも務めている。有名事件の真相を追う“殺人クラブ”の主催者ライル(ニコラス・ホルト)から、事件について語れば謝礼が出ると聞き、生活に困っていた彼女は忘れ去りたい忌まわしき過去に向き合っていく。作品の評価はけっして高くはないが、自身のトラウマと対峙しようとするヒロインはシャーリーズ自身とも重なり、彼女を知る上でもぜひ見ておきたい1本。ハマリ役になった女スパイ『アトミック・ブロンド』全米でシャーリーズ単独主演作史上最高のオープニングを記録した『アトミック・ブロンド』(’17)。構想5年、『ジョン・ウィック』『デッドプール2』のリーチ監督のもと、8人ものパーソナル・トレーナーを雇い、2か月半、1日5~6時間のハードなトレーニングを受けたという。本人が実際に、必死に演じていることが伝わってくる壮絶な格闘シーンの連続で、撮影中に歯を3本折っていたことも伝えられた。『マッドマックス』のフュリオサ、そして今作のスパイ・ロレーンと来て、「姐さん、一生ついていきます」と心を捧げたファンは数知れず?さらに今作の直後に、今度は『タリー』のための増量を始めたというから恐れ入る。「Total Film」誌に語ったインタビューによれば「世界中の人々は、女性がほかのスーパーヒーローやアクションスター同様にぶちのめす姿がみたいのよ。私は自分の子どもたちにそれを見て欲しいもの」と語っていたシャーリーズ。現在、準備中だという『アトミック・ブロンド2』(原題)はもちろんのこと、これからも“体を張り続ける”彼女から目を離すことなどできない。(text:Reiko Uehara)■関連作品:ヤング≒アダルト 2012年2月25日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2011 Paramount Pictures and Mercury Productions, LLC. All Rights Reserved.モンスター 2013年4月27日より丸の内 TOEI ほか全国にて公開© 2013「モンスター」製作委員会マッドマックス 怒りのデス・ロード 2015年6月20日より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED荒野はつらいよ〜アリゾナより愛をこめて〜 2014年10月10日TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© Universal Picturesアトミック・ブロンド 2017年10月20日より全国にて公開© 2017 COLDEST CITY, LLC.ALL RIGHTS RESERVED.タリーと私の秘密の時間 2018年8⽉17⽇よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.
2018年08月23日シアーシャ・ローナンがピンクの髪とガーリーなファッションで、痛々しくも愛すべきティーンエイジャーを熱演し、『20センチュリー・ウーマン』のグレタ・ガーウィグがオリジナル脚本も手掛け念願の単独監督デビューを果たした『レディ・バード』。本作でシアーシャ演じるレディ・バードの“彼氏”を演じた、アカデミー賞ノミネート作品に引っ張りだこの若手実力派ルーカス・ヘッジズの本編シーンがシネマカフェに到着した。ティモシーとは真逆!? 完璧な好青年ダニーを演じたルーカス・ヘッジスこのたび到着したのは、大都会ニューヨークへの大学進学を夢見る主人公クリスティンこと“レディ・バード”の初めてのボーイフレンド、ダニー役を演じるルーカス・ヘッジズが登場するシーン。高校最後の感謝祭の日を彼氏ダニー(ルーカス)の祖母の家で過ごすこととなったレディ・バード(シアーシャ)。“娘が家に連れてきてほしいボーイフレンド”として完璧な好青年のダニーは、レディ・バードの家族から温かく迎えられ幸せムードに溢れるが、話をするうちにレディ・バードが常日頃から自分の住む家をジョークで“スラム”と表現している事実を両親が知り、ショックを受けてしまう…という少々複雑なシーンだ。しかし、そんな両親の気持ちは露知らず、この日のために買ったレトロな古着のドレスに身を包み、精一杯のおめかしをするレディ・バードの愛らしさと無垢なダニーのカップルの可愛いやりとりに癒される映像となっている。「好きな役を選んでいい」グレタ監督念願のキャスティングが実現!ルーカスといえば、ケイシー・アフレック主演『マンチェスター・バイ・ザ・シー』で注目を集め、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、若手実力派俳優として一躍その名を馳せた。父は『ギルバート・グレイプ』『アバウト・ア・ボーイ』などで知られる脚本家・監督のピーター・ヘッジズ。本年度アカデミー賞主演女優賞&助演男優賞を受賞した『スリー・ビルボード』では姉を亡くした上、母親も予想外の行動をとることで傷ついていく息子役を演じ、主演フランシス・マクドーマンドに負けず劣らずの堂々とした演技を見せたことでも記憶に新しい。監督のグレタ曰く、「ルーカス・ヘッジズの演技を観たのは、2016年のサンダンス映画祭で上映された『マンチェスター・バイ・ザ・シー』。朝8時の回だったのに、それ以降、涙が止まらず、彼の見事な演技がずっと頭から離れなかった!彼に脚本を送って、ロサンゼルスで会い、“好きな役を選んでいい”と伝えたら、彼はダニー役を選び、私の期待通りだったわ」と、ルーカスに魅了され、念願のキャスティングだったことを明かしている。ルーカス扮するダニーは、一見ピュアで悩みのないお坊ちゃんキャラクターではあるが、実はある大きな秘密を抱えている複雑なキャラクター。ルーカスの演技力だからこそ表現できた役といえ、グレタの目は確かだったといえる完璧なキャスティングとなっている。『レディ・バード』は6月1日(金)全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:レディ・バード 2018年6月、全国にて公開© Universal Pictures
2018年05月20日ニューヨークのメトロポリタン美術館で年に一度、この時期に開かれるファッションイベント「メットガラ」。ファッション界のアカデミー賞とも呼ばれるこのイベントには、毎年決められたテーマに合わせ、セレブたちが個性豊かで華やかな衣装をまとって参加する。今年のテーマは「Heavenly Bodies:Fashion and Catholic Imagination」(「天国のボディ:ファッションとカトリックのイマジネーション)だ。今年の「メットガラ」で「彼女にしか着こなせない衣装」と話題になったのは、『スリー・ビルボード』でアカデミー主演女優賞を獲得したフランシス・マクドーマンド。「ヴァレンティノ(VALENTINO)」の花を模した巨大なヘッドアクセサリーと、同系色のティールブルーのマントで全体的に植物感漂う装い。顔がヘッドアクセサリーに隠れてしまってほぼ見えない状態だったが、お茶目なフランシスはアン・ハサウェイらセレブと楽しそうにフォトコールに応えた。イベントへの準備時間はたったの「5分!」と即答。2015年の「METガラ」で着用した「オムレツ風ドレス」など、毎年独特なドレスでファンを喜ばせてくれるリアーナは、今年はまさに「カトリック」のテーマにぴったりな「メゾン・マルジェラ(Maison Margiela)」の「法王風ドレス」で登場。常に奇抜なファッションに果敢にチャレンジしているケイティ・ペリーは、「ヴェルサーチ(Versace)」のゴールドのミニドレスとサイハイブーツに、本当に飛べそうなほど大きな天使の羽根を身につけてやってきた。もともと「イエス・キリスト」に似ていると言われることも多いジャレッド・レトは、ファンの期待通り「イエス・キリスト」に扮して現れた。全身、「グッチ(GUCCI)」で揃えたのだという。(Hiromi Kaku)
2018年05月08日