『8人の女たち』や『しあわせの雨傘』など、独自の世界観で観客を魅了し、次々と名作を生み出すフランスを代表する監督フランソワ・オゾン。世界中の映画ファンが待ちわびていた新作『彼は秘密の女ともだち』がいよいよ日本公開!どこにでもいる普通の女性クレールは、生涯の親友であったローラを病いで亡くし、悲しみの日々を送っていた。同じく絶望の淵にいたローラの夫ダヴィッドと生まれたばかりの一人娘を守ると約束したクレールは、ある日2人の家を訪ねる。しかし、そこで目にしたのは、なんと亡きローラの服を着て女装しているダヴィッドの姿だった。ダヴィッドから秘密を打ち明けられ、戸惑いながらも受け入れるクレールは、ダヴィッドと“女ともだち”として密会を重ねていくようになる。夫に隠れてダヴィッドと接するうちに、徐々に女性らしさと自分らしさを取り戻すクレール。そして、2人の秘密の関係はある出来事をきっかけに思いがけない方向へと進みはじめる……。次々と予想外の展開をみせるストーリーは、とにかく驚きの連続。緻密に構成された演出に観客はまるでオゾン監督の手のひらで転がされているかのように、スクリーンに引き込まれっぱなしになります。本作では、自分の欲望と正直に向き合いながら自分らしさを取り戻し、輝いていく姿を注目の若手女優アナイス・ドゥムースティエと演技派俳優のロマン・デュリスが好演。そんな2人とともに一喜一憂しながら、心に残る印象的な結末を一緒に迎えてください。男女も世代も関係なく、本当の自分を受け入れて生きる喜びが私たちの人生においていかに大切かを教えてくれます。もし、社会や家族など、まわりに縛られて抑え込んでいる気持ちがあれば、「一度きりの人生」をありのままの姿で自分らしく生きてみませんか?そんなあなたの背中をそっと押してくれるはずです。イベントデータ:『彼は秘密の女ともだち』公開表記:8月8日(土)シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開!配給:キノフィルムズ© 2014 MANDARIN CINEMA – MARS FILM – FRANCE 2 CINEMA – FOZ
2015年08月03日愛と欲望の王室で繰り広げられる海外ドラマ「REIGN/クイーン・メアリー」。本作では、主人公のスコットランド女王メアリー・ステュアートを巡る陰謀劇や禁断のロマンスだけではなく、現代風にアレンジされたロイヤルファッションも見どころの一つ。“王室の「ゴシップガール」”の呼び名に相応しく、劇中には目を奪われるファッションアイテムが溢れている。1557年、スコットランド女王メアリー・ステュアートは、隣国フランスとの同盟を確かなものにするため、6歳のときに婚約したフランス王太子フランソワと久しぶりの再会を果たす。幼少期を一緒に過ごしたフランソワは政略結婚の相手というより懐かしい幼馴染であり、凛々しく成長した姿を見てメアリーは胸を高鳴らせるが、フランソワの態度はよそよそしく、フランス王妃カトリーヌは占星術師ノストラダムスの予言を信じ、この結婚を阻もうとする。傷心のメアリーの前に現れたのは、王太子の腹違いの兄、バッシュ(セバスチャン)だった…。メアリーのような16世紀のロイヤル女子たちは、ロマンティックなドレスに身を包むのがお約束。ただし、肌の露出も控えめで、コルセットが堅苦しく、ちょっとだけセクシーさが足りない!?ということで、メアリーたちのファッションには現代の女子たちも身近に感じられるようなアレンジが施されているそう。それは最もゴージャスなメアリーの正装も例外ではなく、ワンピースタイプのドレスかと思いきや、実はトップスとロングスカートに華奢なベルトを合わせた技ありの装いだったりもする。また刺繍、レース、ビジュー、ファーなどのアイテムも決してクラシカルになり過ぎないよう、カジュアルな感覚で用いられているのも見どころの一つだ。また劇中でメアリーが身につけるアクセサリーはティアラ以外にもさまざま。フラワーモチーフのヘッドピースからシンプルなカチュームまで、その日の気分やドレスにあわせてチョイスされている。しかも劇中衣装やアクセサリーはアレキサンダー・マックイーン、オスカー・デ・ラ・レンタなどのハイブランドからフリーピープルなどのお手ごろブランドまで、ほとんどが現代のお店で実際に販売されていたものというのだから驚きだ。花火や海、夏フェスなどイベント盛りだくさんのこの季節、「REIGN/クイーン・メアリー」のおしゃれを参考にファッションを楽しんでみてはいかがだろう。<「REIGN/クイーン・メアリー<ファースト・シーズン>」リリース情報>「REIGN/クイーン・メアリー <ファースト・シーズン>」DVDコンプリートBOX価格:14,300円+税発売日:8月5日(水)※Vol.1~6同日レンタル開始Vol.7~118月19日レンタル開始発売・販売元:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント(C) 2015 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.(text:cinemacafe.net)
2015年07月23日『スイミング・プール』『危険なプロット』の稀代のストーリーテラー、フランソワ・オゾンの最新作『彼は秘密の女ともだち』の予告編が、このほど解禁となった。親友のローラを亡くし、悲しみに暮れるクレール。残された夫のダヴィッドと生まれて間もない娘を守ると約束したクレールは、二人の様子を見るために家を訪ねる。するとそこには、ローラの服を着て娘をあやすダヴィッドの姿があった。ダヴィッドから「女性の服を着たい」と打ち明けられ、驚き戸惑うクレールだったが、やがて彼を「ヴィルジニア」と名づけ、絆を深めていく。夫に嘘をつきながら、ヴィルジニアとの密会を繰り返すうちに、クレール自身も女性としての美しさが増してゆく。とある事件を境に、ヴィルジニアが男であることに直面せざるを得なくなったクレールが、最後に選んだ新しい人生とは──?『しあわせの雨傘』『スイミング・プール』『危険なプロット』『17歳』など、珠玉のフィルモグラフィーで映画ファンはもちろん、辛口の映画評論家たちをも魅了し続けているフランソワ・オゾン。彼の最新作『彼は秘密の女ともだち』は、今年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品したヴァレリー・ドンゼッリ(『わたしたちの宣戦布告』)監督の最新作「MARGUERITE AND JULIEN」(英題)でも主演を務める新星アナイス・ドゥムースティエが主演を務め、男性の心を持ちながらも女性の服をまとい、本来の自分の美しさを花開かせていく“女ともだち”役を、『タイピスト!』のロマン・デュリスが務めている。このほど公開となった予告編では、金髪のウィッグを付けた女装をするロマンの姿や、誰にも言えない秘密を共有する二人がそれぞれの人生の輝きを取り戻す姿が魅力的に映し出されている。さらに、世界中が拍手を送ったというオゾン監督ならではのラストシーンを示唆する映像もあり、“特別な友情関係”の行方がどうなってしまうのかがとても気になる内容となっている。新作が世に出るたびに、映画ファンは勿論、辛口の映画評論家たちまでもが興奮と期待に胸を膨らませるオゾン監督作。「自分らしく生きる勇気」を問いかける本作の公開を、楽しみに待とう。『彼は秘密の女ともだち』は8月よりシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年06月02日アイウェアショップ「ゾフ(Zoff)」が、5月28日、フランス・パリの老舗アイウェアブランド「フランソワ・パントン(FRANCOIS PINTON)」のサングラスを限定店舗にて発売開始した。1932年に創業し、フランスアイウェア界の礎を築いた名店として知られる「フランソワ・パントン」。これまで、グレース・ケリーやジャクリーン・ケネディ、実業家アリストテレス・オナシスなど、世界中のセレブリティーから愛されてきた。今回発売されるのは、全8型(※カラー違いで全14種類)。ウェリントン、スクエア、ラウンド、キャットアイなどクラシカルなフォルムに、鮮やかなカラーレンズを採用。ヨーロッパを中心に愛され続けるスタイルをそのままに、アジア人の骨格に合わせたゾフのオリジナル鼻パッドを装着した。価格はそれぞれ2万2,000円から。取り扱いは、Zoff Park 原宿店、Zoff ルミネエスト新宿店、Zoff Plus 渋谷マークシティ店、Zoff Latte ルミネ有楽町店、Zoff たまプラーザテラス店、Zoff ルミネ池袋店、Zoff Plus 銀座コア店、Zoff Latte ルミネ横浜店などを始めとする限定店舗で随時展開される予定。
2015年05月28日『8人の女たち』『しあわせの雨傘』などのフランソワ・オゾン監督の最新作『彼は秘密の女ともだち』が、8月より公開することがこのほど決定した。親友のローラを亡くし、悲しみに暮れるクレール。残された夫のダヴィッドと生まれて間もない娘を守ると約束したクレールは、2人の様子を見るために家を訪ねる。するとそこには、ローラの服を着て娘をあやすダヴィッドの姿があった。ダヴィッドから「女性の服を着たい」と打ち明けられ、驚き戸惑うクレールだったが、やがて彼を「ヴィルジニア」と名づけ、絆を深めていく。夫に嘘をつきながら、ヴィルジニアとの密会を繰り返すうちに、クレール自身も女性としての美しさが増してゆく。とある事件を境に、ヴィルジニアが男であることに直面せざるを得なくなったクレールが、最後に選んだ新しい人生とは──?新作が世に出るたびに、映画ファンは勿論、辛口の映画評論家たちまでもが興奮と期待に胸を膨らませるフランソワ・オゾン監督。『8人の女たち』『しあわせの雨傘』『スイミング・プール』『危険なプロット』『17歳』など、珠玉のフィルモグラフィーで、稀代のストーリーテラーと称えられる圧倒的な才能を見せつけてきた。本作は、どこにでもいる普通の主婦が、“特別な女ともだち”と出会ったことで、平凡だった毎日が華やぎ、刺激と興奮に満ちた人生へと変わっていき、女性としての輝きを増していく様を描く。さらにその“女ともだち”が、亡き親友の“夫”である事から、予想もしないハプニングや心を揺さぶる人間模様が繰り広げられ、「自分らしく生きる勇気」を問いかける内容となっている。主人公を演じるのは、いまフランス映画界で最も脚光を浴び、最新作へのオファーが絶えない『間奏曲はパリで』のアナイス・ドゥムースティエ。男性の心を持ちながらも女性の服をまとい、本来の自分の美しさを花開かせていく“女ともだち”役には、大ヒット作『タイピスト!』のロマン・デュリス。ありのままの自分を受け入れることの素晴らしさを高らかに謳い上げる映画として、役者陣の好演に期待がかかる。また、日本版オリジナルのポスタービジュアルもこのほど解禁。“彼”が“女ともだち”であることを示唆する、アナイス・ドゥムースティエの向こうに映る、金髪のウィッグを付けた女装をするロマン・デュリスの後ろ姿がなんとも印象的だ。これまでの作品の中でも、“女たち”に対して独特の目線を送るオゾン監督が、女性として生きようとするダヴィッドをどのように描くのか。フランソワ・オゾンならではの衝撃の結末に世界中が拍手を送ったという本作に、ぜひ注目してみて。『彼は秘密の女ともだち』は、8月よりシネスイッチ銀座・新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年05月19日花を愛してやまななかったムッシュ・ディオール。花々は、常にムッシュ・ディオールのインスピレーションの源であり、また彼の後を継ぐデザイナー達にも愛され続けているメゾンのシグネチャーコードだ。そんな花々に対するメゾンの愛情や情熱を随所に感じることができるのが、表参道のブティック。そこには驚きと共に五感を刺激する、あらゆる花々が溢れている。メゾンのシグネチャー、フラワーコードエントランスのすぐ脇には、ムッシュ・ディオールのラッキーチャームだったスズランをモチーフにしたコスチューム ジュエリー"Mise en Dior"シリーズが出迎え、1階奥にあるファイン ジュエリーコーナーでは、彼が幼い頃より慣れ親しんだバラをモチーフにした"Rose DiorLa Rose Dior Pre Catelan (ローズ ディオール プレカトラン)"シリーズ、庭の草花、てんとう虫などの昆虫などをモチーフにした"Diorette (ディオレット)"など様々なアイテムが揃う。2階はラフ・シモンズが手掛けるクルーズラインやプレタポルテが揃い、SS15コレクションにおいても花は重要なモチーフの一つ。現在、店頭で展開しているのは、ヴィクトリア朝のウォールペーパーなどからインスピレーションを受けたフラワープリントの素材や、草花の刺繍が袖や裾など随所に施されたコートやドレスなど。またDiorのアイコニックな新作バック"Diorama"にも、ウエアと同じく草花の刺繍入りのものがある。そして、忘れてならないのがシューズ。これから活躍しそうなエスパドリーユやスニーカーにもフラワーモチーフが花開き、足元を華やかに飾ってくれる。『私はクチュリエであると同時に、パフューマーなのです』-クリスチャン・ディオール最後に立ち寄りたいのは、2階の奥にあるフレグランスコーナー。そこにはメゾンの調香師であるフランソワ・ドゥマシー氏が稀少な原料を用いて完成させた”ラ コレクション プリヴェ”が揃う。特に注目なのは、ムッシュ・ディオールの原点である生家の庭からインスパイアされた香り"GRANVILLE(グランヴィル)"。スパイシーなウッディベースに、パイン、タイム、レモンが重なりあうフレッシュでエネルギーに満ちた香りで、とても爽やかな気分にしてくれる。店内でコレクションに散りばめられた美しい花々を愛でた後は、ムッシュ・ディオールの花への想いがぎゅっと詰まった香りをまとってみてはどうだろう。
2015年05月06日ナーズ(NARS)が、今春の新作コレクションを、2月13日に発売する(一部数量限定)。アイメイクアイテムは3種。デュオアイシャドーの新作3902(4,200円)は、光沢のある明るいシマリングネクタリンと、ダークなチェスナットの2色の組み合わせで、単色使いはもちろん、それぞれアイライナーとハイライトとしても使用可能。シングルアイシャドーの2089(2,500円)はまぶたの上でシマーに輝くピーチピンク。アイペイント(アイカラーベース)の8152(2,800円)は、まぶたに陰影を演出するライナーとしても使用出来る。リップメイク3種はカラー、数量ともにすべて限定発売。キャラメルヌードカラーのリップスティック9304(3,200円)の他、リップグロスNでは桜貝のように繊細なピンク5600(3,000円)と唇にハイライトを添えるシルバーの5601(3,000円)が登場する。ブラッシュ(フェイスカラー)の4055(3,000円)は、光沢感のあるシアーピンクがほんのりと色付き、様々な肌色に馴染みやすい。同コレクションのキャンペーンビジュアルは、ティルダ・スウィントンを主役に迎え、ナーズの創始者でクリエーティブディレクターであるフランソワ・ナーズが撮影した全4幕からなる“Portraits by The Artist(アーティストによる肖像)”シリーズの第2幕。再生の季節である春をイメージした新ルックは、色彩を極限までそぎ落とし、美しい“素肌感”を引き立たせた。
2015年01月28日1月21日から25日まで、新宿NSビルにて開催されるパリ発祥のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ(Salon du Chocolat)2015」。開催に先駆け20日、同ビルで催されたプレスプレビューには、早朝から多くのメディア関係者が集結。同日発売となったルノー社製「ルーテシア」の100台限定モデル「ガナッシュ」に乗って、開会式に颯爽と登場したモデルの川原亜矢子、三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長に向けて一斉にフラッシュがたかれた。「ガナッシュ」は、その名の通り美しいチョコレート色。ルーテシアのデザインテーマである「LOVE=恋に落ちる」を、甘くほろ苦いガナッシュのイメージに重ね合わせたとのことで、チョコレートのように甘く、時にほろ苦い恋の始まりを連想させる。車から降りた2人を壇上で待ち受けていたのは、パリのサロン・デュ・ショコラ主催者であるフランソワ・ジャンテとシルヴィー・ドゥース。フランソワ氏が「2014年に開催されたパリのサロン・ドゥ・ショコラに駆け付けてくれた大西社長、そして日本のショコラティエのみなさんには大いに感謝している」とお礼を述べると、大西氏は「パリを見習いながらも、日本人独自の感性によって新しいサロン・デュ・ショコラとして発展させていきたい」との構想を明かした。続けて川原さんも、「(モデルとして)パリで過ごしていた時代、1日1粒のチョコレートがエネルギー源であり勇気をくれる存在でもあった。日本でもこの祭典が大きな盛り上がりをみせたらうれしい」と想いを語った。
2015年01月21日チケットぴあの集計によれば、今年2014年の12月に行なわれる日本全国の「第九」演奏会(有料)は105公演。それぞれに異なる個性とエネルギーの「第九」が鳴り響く。チケットぴあ/「第九」コンサート特集2014「年末の第九」の元祖、NHK交響楽団には、「新時代のカリスマ指揮者」の呼び声も高いフランソワ・グザヴィエ・ロトが登場。1971年パリ生まれのロトは、南西ドイツ放送交響楽団首席指揮者を務める一方で、古楽器と現代楽器の両方を駆使する革新的アンサンブル「レ・シエクル」を率いて、バロックから現代作品まで新鮮な演奏を聴かせる異才。すでにさまざまな時代的アプローチが繰り広げられているベートーヴェンで、どんな解釈を聴かせるのだろう。読売日本交響楽団を振るのは1935年生まれのベテラン、レオポルト・ハーガー。ザルツブルク生まれで、モーツァルトを始めとするウィーン音楽に定評あるハーガーの、掌中のベートーヴェンに期待が高まる。日本の国立オペラハウス=新国立歌劇場合唱団の「第九」が聴けるのは読響だけだ。東京都交響楽団の指揮台には、同楽団との長い共演関係を経て今年4月に終身名誉指揮者に就任した小泉和裕が登場する。互いに手の内を知り尽くした、飾らない深い信頼で結ばれた指揮者とオーケストラならではの息づかいを堪能したい。ちょっとユニークなプログラムを組んだのがダン・エッティンガー指揮の東京フィルハーモニー交響楽団。「第九」とともに演奏する伊福部昭《SF交響ファンタジー第1番》は、あの「ゴジラ」を含む、特撮映画音楽からの演奏会用オーケストラ曲だ。「第九」と「ゴジラ」を一緒に聴けるのはおそらく日本だけ!来日オーケストラでは佐渡裕指揮のケルン放送交響楽団に注目。東京・大阪で計10公演を行なうが、独唱者や東京オペラシンガーズと晋友会合唱団による総勢110人の合唱団も含めて全公演を同じメンバーで演奏する。集中力が研ぎ澄まされる本番を重ねる中で、日本の「第九」演奏史上でも稀なハートの通い合ったアンサンブルが生まれるのでは。2015年9月からウィーン(と近郊のザンクト・ペルテン)を本拠とするトーンキュンストラー管弦楽団の音楽監督に就任する佐渡裕にとっても、今後いっそう関係が深まるであろうベートーヴェンとの新しいページをめくる機会になるはずだ。今年もよりどりみどりの「第九」。身はひとつで全部聴くことができないのが悩ましい。文:宮本明←年末の第九(1)なぜ年末?戦後に定着した風物詩
2014年12月08日顧客満足度(CS)に関する国際的な調査・コンサルティングの専門機関である株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック(以下、J.D. パワー)は、2014年11月25日 ザ・リッツ・カールトン東京にて、自動車産業の最新動向とCS改善事例を紹介する「J.D. Power Asia Pacific ベスト・プラクテス・セミナー」を開催した。同セミナーは、ゲストスピーカーを招いた「セッション」と、J.D. パワーが実施したCS調査において第一位となった国内自動車関連企業を表彰する「J.D. Power Automotive Award 2014」の二部構成。○今後の自動車市場を占う3セッションに、のべ100人が参加第一部のセッションでは、今後の国内自動車市場の展望や事故・不具合の再発防止対策、そして自動車品質調査などから得られた諮詢について、2名のゲストスピーカーとJ.D. パワーのアナリストが講演を行った。その簡単な内容を以下に紹介する。・セッション1「日本市場の展望と自動車メーカーの挑戦」20年に渡り自動車産業での活動を実施してきた「株式会社ナカニシ自動車産業リサーチ 代表 兼アナリスト 中西孝樹氏」による、グローバルな企業競争力を生み出す自動車経営システムについての講演。・セッション2「ANAビジネスソリューション株式会社 営業本部 人材・研修事業部 参与 山内敏幸氏」 によるヒューマンエラー対策と、それを具現化するANAの考え方について事例を交えての紹介。・セッション3自動車ユーザーに高い満足感を提供し、ロイヤリティなどを高めるために必要なものについて、「株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック シニア・ディレクター 川橋 淳氏」が、同社が実施した調査結果に基づいて解説。各セッションには、日本国内の自動車関連企業の関係者がのべ100人が参加。熱気に満ちたセッションとなった。○各分野のCS調査において第一位に輝いた22部門9企業が表彰各セッションに続いて開催された「J.D. Power Automotive Award 2014」では、J.D. パワーが2014年に実施した国内自動車関連企業の顧客満足度(CS)調査*1において、各分野第一位に輝いた企業(ブランド)の表彰式が開催。第3回となる今回は22部門9企業が表彰されトロフィーが授与された。以下に、各部門の受賞企業(ブランド)と、代表者による表彰後のコメントを紹介する。*1…延べ78,386名(一部法人ユーザー含む)からの回答による調査結果。○受賞企業(ブランド)代表者コメント<プレゼンター>J.D. パワー・アンド・アソシエイツ アジア・パシフィック バイス・プレジデント ジェネラル・マネージャー ジェフ・ブロデリック氏株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック 代表取締役社長 鈴木郁氏●2013年日本大型トラック顧客満足度調査受賞ブランド:日野代表者:日野自動車株式会社 国内営業部 販促企画室長 大野 良樹氏受賞コメント:「まずは、日夜、お客様の第一線でご活躍いただいている販売会社の皆様に感謝します。また、日頃から弊社の商品・サービスを評価いただき、ご愛顧いただいているすべてのお客様に感謝を申し上げます。」●2014年日本冬用タイヤ顧客満足度(W-TSI)調査受賞ブランド:ミシュラン代表者:日本ミシュランタイヤ株式会社 広報部長 加藤 久美子氏受賞コメント:「私たちは日本では30年以上スタッドレスタイヤを販売しておりますが、まだまだ日本市場での存在は小さなものです。そのような中で、このような賞をいただけるのは、社員の励みにもなります。」●2014年日本自動車セールス満足度(SSI)調査・ラグジュリーブランド受賞ブランド:レクサス代表者:トヨタ自動車株式会社 レクサス国内営業部 部長 成瀬 明氏受賞コメント:「昨年に引き続き受賞させていただきましてありがとうございます。引き続き受賞できますように、全国の販売店の皆様と力を合わせて頑張っていくとともに、レクサスを応援いただいているオーナーの皆様に感謝申し上げます。」・量販ブランド受賞ブランド:MINI代表者:ビー・エム・ダブリュー株式会社 MINI本部長 フランソワ ロカ氏受賞コメント:「MINIは面白いブランドです。お客様の満足度ということを中心に、私どもも毎年頑張っております。今年はレクサス様と同時に受賞することができ非常に光栄です。本当にありがとうございます。」●2014年日本自動車サービス満足度(CSI)調査・ラグジュリーブランド受賞ブランド:レクサス代表者:トヨタ自動車株式会社 レクサス国内営業部 部長 成瀬 明氏受賞コメント:「レクサスはまだまだ新しいブランドであり、我々はチャレンジャーだと思っております。今日ご参画の皆さんのお知恵も借りながら、引き続き努力をしてまいります。」・量販ブランド受賞ブランド:MINI代表者:ビー・エム・ダブリュー株式会社 MINI本部長 フランソワ ロカ氏受賞コメント:「MINIは日本の皆さんにとっては小さいブランドであろうかと思っております。ですが、我々は全世界のどこでも、サービス水準が一緒であることが大切だと考え、それに向かって頑張っています。」●2014年日本自動車商品魅力度(APEAL)調査・軽自動車受賞ブランド:ホンダN-ONE代表者:本田技研工業株式会社 主研 N-ONE エクステリアデザイン責任者 蔦森 大介氏同 インテリアデザイン責任者 金山 慎一郎氏受賞コメント:蔦森氏「N-ONEは、われわれの情熱だけで作ったようなモデルです。それが、このような賞をいただけて大変嬉しく思います。これからも、人の気持ちを豊かにするような車を作っていきたいです。」金山氏「いつまで長く愛着を持って乗ってもらいたい、というところと、軽(軽自動車)を感じさせない、軽を超える、を合言葉に、皆で作ってまいりました。それが、こういった形で賞をいただき嬉しく思っています。」・ミッドサイズ受賞ブランド:フォルクスワーゲンゴルフ/ゴルフカブリオレ/ゴルフヴァリアント代表者:フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社 広報部長 丸田 靖生氏受賞コメント:「評価をしていただいたお客様に感謝を申し上げるとともに、機会を設けてくださったJ.D. パワーに感謝します。ゴルフはおかげ様で好調で、お客様にも支持を受けているので、今後とも頑張っていきたいです。」・ミニバン受賞ブランド:ホンダオデッセイ代表者:本田技研工業株式会社 主研 ODYSSEYパワープラント開発責任者 新地 高志氏受賞コメント:「5代目のフルモデルチェンジとなった今回は、ユーティリティ価値と乗用価値を高い次元でバランスを取ることを目標にしました。今回の受賞は、我々が目標にした車が評価されたと考えております。」●2014年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査 自動車メーカー純正ナビカテゴリー(OEM)・ラグジュアリーブランド受賞ブランド:レクサス代表者:トヨタ自動車株式会社 第1電子開発部 第1電子開発室 室長 小林 正人氏受賞コメント:「まずは、仕入れ先の方、販売店の方、そして何よりお客様に感謝を申し上げます。ただ、まだまだやることはたくさんあると思っています。この賞がある限り受賞できるように精進してまいります。」・量販ブランド受賞ブランド:スバル代表者:富士重工業株式会社 取締役 専務執行役員 スバル技術本部長 武藤 直人氏受賞コメント:「我々はナビ/インフォメーションが苦手で、しばらく厳しい評価をいただいていました。今回、勉強を積み重ねた結果の受賞ということで、やはりお客様の信頼は一歩一歩の積み重ねによって得られるものだなと感じています」●2014年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査 市販ナビカテゴリー(アフターマーケット)・据え置き型ナビ:アルバイン ビッグXシリーズ代表者:アルパイン株式会社 相談役 石黒 征三氏受賞コメント:「今回、私どもは1000点満点中573点で賞をいただきました。これはつまり、お客様の考えとは、まだ427点のズレがあることになります。これを一つの判断材料として、これからも頑張っていきたいと考えています。」●2014年日本リプレイスタイヤ顧客満足度調査・軽自動車/コンパクトカー・ミッドサイズ・ラージサイズ:ミシュラン代表者:日本ミシュランタイヤ株式会社 広報部長 加藤 久美子氏受賞コメント:「幅広いセグメントで評価をいただいたということは、ミシュランが理念とする、トータルパフォーマンスが評価されていると考えています。これからも同様に多くのセグメントで受賞できるよう、まい進していきます。」・ミニバン:ブリヂストン代表者:株式会社ブリヂストン 広報部 広報第2課 課長 住田 真彌氏受賞コメント:「このような賞をいただき大変光栄に思っております。お客様からの評価をいただけたことは、メンバーにとっても励みになります。これからも皆様に少しでも喜んでいただける商品を作っていきます。」
2014年12月03日仕事や家庭など、様々な場面で活躍する女性達を紹介するインタビュー企画「輝く女性の秘密」。第11回目は、弱冠30歳にしてパレスホテル東京のショコラティエールに就任した小林美貴(こばやし・みき)さん。千代紙のような美しい和柄が印象的な「千代ちょこ」を始め、女性らしい華やかさと繊細さを兼ね備えたショコラはまさに“食べられるアート”。ショコラを通して、人々を幸せにするショコラティエールの仕事とは?小林美貴さんに話を伺いました。――ショコラティエールを目指すことになったきっかけを教えてください。もともとパティシエとしてキャリアを歩んでいたのですが、当時働いていたベルギーのパティスリー「ヴィタメール」でショコラに魅了され、ショコラティエールを目指すようになりました。その後、フランスの「フランソワ・ジメネーズ」で経験を積みました。ショコラは形を自在に変化させることが出来たり、様々な食材とも相性が良く、色を付けられることも魅力。様々な可能性を秘めた素材なんです。作る工程はすごく地味ですが、完成したものは華やかでケーキとは違った良さがある。日本では高級なものというイメージが強いのですが、もっと身近なものとして浸透していくと嬉しいですね。フランスでは日常的にショコラを食べる習慣があるほど、生活に根ざしています。――では、パレスホテルに入社した経緯は?ロッテのチョコレートカフェ「シャルロッテ チョコレート ファクトリー」の立ち上げにショコラティエールとして関わった際、パレスホテルの方に会う機会がありました。ちょうどパレスホテル東京が新しく開業する時期で、声を掛けて頂いたのがきっかけです。ホテルのイメージ同様、ラグジュアリーなショコラを提案していく、というコンセプトを聞いてワクワクしたのを覚えています。また、ショコラ専用の部屋で作業が出来る、恵まれた環境にも心を動かされました。――「ショコラティエールになってよかった」と感じる瞬間は?自分にしか出来ない作品が作れた時は嬉しいですね。そして、それを見た方からの反響もモチベーションに繋がります。また、ショコラのご予約を頂いた時は、喜びもひとしおです。――ショコラを作る際、最も重要なことは何ですか?小さな1粒を1日で何千個も作ったり、同じ仕事を何時間も繰り返すこともあるので、持久力が一番大切です。また、ショコラのツヤを出すために行なうテンパリングという温度調節にも細心の注意を払っています。ショコラは農作物であり時間とともに状態も変化したり、香りが移りやすい等と繊細な食材でもあるので、取り扱いには気を付けています。――商品や店頭ディスプレイのインスピレーション源となっているものは何ですか?ショコラでお花を作るのが好きなので、フラワーアレンジメントはよく参考にしています。ショコラの周りに配するキラキラした飾りは、ネイルアートやクリスマスのオーナメントなどからヒントを得ることもあります。――アクティブにお仕事を続けるための秘訣を教えてください。楽しんで仕事をするよう心掛けています。リフレッシュしたい時は、海外旅行に行ったり、栃木県の実家に帰り自然の中に身を置くことも。友達と会ったり、スポーツをすることも気分転換になりますね。ショコラ作りには温度管理がとても重要。ですから、ショコラティエールも“自己管理出来ない人はなれない”と言われるほど。オンとオフの切り替えや、体型維持まで、バランスに気を付けて生活することが、仕事にも表れてきます。そして、今の私があるのは上司の窪田修己さんのお陰。デザインのことから味のことから、何でも相談に乗ってもらっています。いつも見守ってもらっているという安心があるからこそ、自由に仕事が出来る。本当に感謝しています。――ショコラティエールとしての次のステップは?ショコラのことを更に勉強したいと思います。ショコラ作りは古くから分業制で、カカオを作る生産者、ショコラを作る工場、加工して商品化するショコラティエで成り立ってきました。ですが、最近はカカオの選別から全ての工程を手掛け、そこでしか手に入らないオリジナルティーのあるショコラを提案するショコラティエが増えています。私も産地や豆の種類などを勉強し、商品に反映させていきたいと思います。※小林さんは女性なので「ショコラティエール」(仏語の女性形)になりますが、一般的には「ショコラティエ」です。――小林さんのショコラを買いに来てくれるファンに向けてメッセージをお願いします。皆さんのご期待に応えられるよう、味はもちろんですが、目で見て楽しんでもらえるようなものを作っていきたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします。後半では、小林さんが製作されたショコラや、クリスマスのおすすめショコラを紹介していただきます。
2014年11月22日ブランド20周年を迎える「ナーズ(NARS)」がホリデーコレクション発表と同時に2014年11月6日(木)から9日(日)の4日間、表参道ヒルズ西館にて「ナーズホリデー2014ポップアップブティック」を開催ブランド20周年を迎える「ナーズ(NARS)」が、記念すべきホリデーコレクションの発表に合わせて、2014年11月6日(木)から9日(日)の4日間、表参道ヒルズ西館1F表参道R スタジオにて「ナーズホリデー2014ポップアップブティック(NARS HOLIDAY 2014 POP-UP BOUTIQUE)」を開催する。イベント開催中は2014年11月6日(木)先行発売を開始する「ナーズホリデーカラーコレクション2014(NARS Holiday 2014 Color Collection)」のリップ、アイシャドー、ネールポリッシュなどの全5アイテム・13色がラインナップ。未来のフェミニニティを表現した最先端のカラーが揃う。第二弾の2014年11月8日(土)先行発売を開始する「ナーズホリデーギフティングコレクション(NARS Holiday 2014 Gifting Collection)」からは限定メーキャップコレクションが4種登場。どちらのコレクションにも、デジタルレースの限定パッケージデザインとなっている。また、2014年11月8日(土)には、NARS創始者&クリエイティブディレクターを務める「フランソワ・ナーズ」が7年振りに来日。当日から先行発売がスタートするギフティングコレクション4種のいずれか一点以上の購入者を対象にサイン会を開催する予定。【「NARSHOLIDAY2014POP-UPBOUTIQUE」概要】日時:2014年11月6日(木)~8日(土)11:00~21:00/9日(日)11:00~20:00場所:表参道ヒルズ西館1F 表参道R スタジオ(〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-12-10)※来場者多数の場合、入場制限有り。問合せ先:(開催中)03-6218-6532ブランドサイト:<コンテンツ>・ホリデーコレクションの先行発売(数量限定)・製品購入でオリジナルトートバッグをプレゼント(先着順)・NARS創始者&クリエイティブ・ディレクターのフランソワ・ナーズのサイン会(2014年11月8日14時~ ※限定200名)※都合により中止または変更となる可能性有り。・サイン会に参加すると、「リップグロスN1691」ミニサイズをプレゼント(先着順)【製品概要】■NARS モダンフューチャー価格:5,200 円(税抜)<先行発売>発売日:2014年11月8日(土)14:00~16:00取扱い:ポップアップブティック独占先行発売<全国発売>発売日:2014年11月21日(金)取扱い:全国の百貨店NARSコーナーにて販売。【関連ニュース】【コスメ特集】2014クリスマス&ホリデイコレクション限定コフレ【コスメ特集】人気ブランド2014クリスマス&ホリデイ限定コレクション ~第2弾~元の記事を読む
2014年11月05日コスメブランド「ナーズ(NARS)」は、ブランド20周年を記念したポップアップストア「NARS HOLIDAY 2014 POP-UP BOUTIQUE」を表参道ヒルズにオープンする。11月6日から9日まで。会場では、6日から2014年ホリデーシーズンの限定カラーコレクションのリップ、アイシャドー、ネールポリッシュなど全4アイテム・13色を、8日からはホリデーギフティングコレクションのメーキャップアイテム4種類を先行販売する。また、期間中にアイテムを購入するとオリジナルトートバッグがプレゼントされる。ポップアップストアのデザインは、NARSのロゴやパッケージデザインを手掛けるクリエーティブディレクターのファビアン・バロン率いるBaron & Baronが監修。ブランドが象徴するモダンで洗練されたスタイルを表現する。8日にはNARS創始者のフランソワ・ナーズが来日。ホリデーギフティングコレクション、またはオーデイシャスリップスティック(3,600円)2本を購入の方を対象に14時からサイン会を開催する。
2014年11月03日世界的演出家兼パフォーマーであるロベール・ルパージュの戯曲を吹越満が独自の視点で演出、2012年の初演時に高い評価を得た『ポリグラフ』。その再演が10月19日、東京で幕を開けた。キャストは吹越と、映像に舞台にと幅広く活動を続ける太田緑ロランス、そしてダンサーであり俳優としても活躍中の森山開次という、初演と同じ3人。前回の稽古時には「映像を編集するように場面ごとを作り、それを構築していった」と吹越が語る本作が、今回はどんな表情を見せるのか。残暑が残る先月、稽古場の3人を訪ねた。舞台『ポリグラフ-嘘発見器-』チケット情報物語はカナダの都市ケベックを舞台に、駆け出しの女優ルーシー(太田)と犯罪学者デイヴィッド(吹越)が地下鉄の飛び込み事件をきっかけに親しくなるところから始まる。ルーシーの友人でウェイターのフランソワ(森山)の店に出かけたふたりだが、デイヴィッドは以前関わったポリグラフ(嘘発見器)のことが、ふいに頭をよぎる。3人の関係が奇妙にねじれてゆくにつれ、かつて起きた凄惨な殺人事件が浮かび上がる。点と点が線になってつながったとき、そこに現れたものとは…。初演の舞台では〈ソロアクトシリーズ〉で身体表現を探求してきた吹越らしく、3人の身体能力を最大限に生かすような動きと計算され尽くした映像や照明とが共鳴し、スリリングな舞台を作りだしていた。だが再演に際しては、「ただ初演をなぞるのではなく、初演の続きをやらせてもらう気持ち」と吹越は話す。太田も「初演は本番中から千秋楽の打ち上げまで、3人で毎日“ここはこうしたらいいのでは”と意見を言い合っていました。だからそこで気になっていたことを、こうして再演でやれるのが幸せですね」と語る。森山もうなずきながら、「初演の時はフランソワが素の自分に入り込んできて、稽古帰りの電車のホームでは劇中と同じ感覚になることがよくありました」と、本作が特別な存在になっていることを明かす。再演の稽古場でも3人の“生みの苦しみ”は続いている様子だったが、吹越は今回、パリの日本文化会館で初日を迎えることをあえて選んだという(パリ公演は10月上旬に好評を得て終了)。「ただ、パリ公演を終えたら、今度は東京公演のためにまた作り直すつもり。さすがに一からではないけどね」と笑う吹越を見て、「なんてストイックな人だろうと感動します(笑)」と言いつつ、揺るぎない信頼を寄せている表情の太田。森山が「フランソワはゲイですけど、意外とフツーなんですよ。おかしいのは(吹越演じる)デイヴィッドのほうかも」と現実と登場人物を混ぜて話すと、ふたりが笑いだすひと幕も。抜群のチームワークで見せる、繊細で美しい、練り上げられた舞台に期待。公演は10月19日(日)から11月2日(日)まで東京芸術劇場 シアターイーストにて。取材・文佐藤さくら
2014年10月20日【相談者:20代女性】私は背が高く、日本人離れした彫りの深い顔立ちにずっとコンプレックスを抱いていました。しかし最近、どうせだったら、外国の女性のように色っぽくなれないかなと思い始めています。目指したいのは、自信に溢れているフランスやイタリアの女性。外国人女性の色気を学べる映画、またメイクやファッションのポイントなど教えていただけると嬉しいです。●A. “イタリアの宝石”と呼ばれる有名女優さんの色気を学んでみましょう!こんにちは、真島あみです。ご相談ありがとうございます。背の高さや顔の彫りの深さは、相談者様のチャームポイント。絶対に生かすべきです。今回、20代~40代までの女性に、「色気を感じるフランス人、またはイタリア人女優を教えてください」というアンケートをとりました。そして断トツで多かったのが、イタリアの宝石と呼ばれる、モニカ・ベルッチ。同性をも虜にするモニカ・ベルッチの色気を、映画で学んでみましょう。●モニカ・ベルッチの色気を学べる映画2選●(1)『ダニエラという女』監督/ベルトラン・ブリエ誰もが目を奪われる絶世の美女ダニエラは、飾り窓の中で生きる女。平凡な男フランソワにとっては、まさに夢の女。そんな彼女に、宝くじで大金を手にしたフランソワは、「このお金が続く限り、僕と一緒に暮らして欲しい」と大胆な申し出をする。ダニエラとの交渉は成立し、彼女は「優しくすると約束して」とだけ囁き、フランソワの部屋に引っ越してくる。夢にまで見た幸せな日々……しかし、心臓の悪いフランソワにとって、美しく妖艶なダニエラとの生活は刺激が強すぎて……。●(2)『マレーナ』監督/ジュゼッペ・トルナトーレ1940年、第2次世界大戦中のイタリア。シチリア島の小さな町で暮らしていた12歳のレナートは、美しい年上の女性、マレーナと出会い、一目で恋に落ちる。遠い戦地にいる夫の帰りを、一人待つマレーナ。彼女の美しさは、男たちの視線を集め、女たちは嫉妬する。初めての衝動にとまどうレナートは、マレーナへの想いを募らせつつも、姿を追うことしかできなかった。そんなある日、彼女の元に夫の戦死が伝えられる。マレーナに群がる男たちと、妬みを昂じさせる女たち。やがて戦争は激しくなり、ドイツ軍が進駐して来る。過酷な運命に弄ばれる彼女を、少年は守ろうとするが……。ーーーーーーーーーーモニカ・ベルッチの美しさと色気を堪能するなら、まずはこの2作がオススメです。豊満なボディと、艶のある黒髪、歩き方やしぐさもとても色っぽいですよ。●モニカ・ベルッチに学ぶ、色っぽいメイクとファッション『モニカの黒髪と囲みアイメイクがエキゾチックで、色気を感じる』(30代女性)艶のある長い黒髪に、囲み目アイメイク。日本人離れした顔立ちの相談者様ならきっと、派手になることなく、キマるはずです。ベージュ~ダークブラウンのアイシャドウでまぶたにグラデーションをつくり、ブラックのマスカラとアイライナーでクールな囲み目にしてみましょう。眉も、浮かない程度に濃く長く書いてください。『映画「マレーナ」でのモニカの、体のラインが分かるワンピースに同性だけどドキドキした』(20代女性)王道ではありますが、色気を感じるファッションにタイトなワンピースは欠かせません。タイトワンピは、肌の露出が控えめなものを選ぶと、色っぽいけど上品な印象に。ーーーーーーーーーーいかがでしたでしょうか?イタリアの宝石、モニカ・ベルッチから色気を学び、真似できるところはどんどん取り入れてみましょう。(ライタープロフィール)真島あみ(色気専門家)/ビューティセラピスト、ハーブセラピストとして、リラクゼーションサロンでフェイシャル&ボディケア、メイク指導、カウンセリングを担当するほか、恋愛・婚活セミナーの講師も務め、その後執筆活動に入る。すべての女性を輝かせる「上質な色気」を広めるべく、日々奮闘中。2013年12月、『思わず二度見される色気美人になれる本』を出版。
2014年08月08日2/2より続く。――コスメの店頭にはたくさんの色や商品があって、どれを選べばいいか迷ってしまいます。メイクアップイベントやカウンターに行ったら、いつものイメージとは真逆のメイク、新しいカラーのアイシャドーやリップを試してみると、素晴らしい発見があるかもしれない。タトゥーや整形とは違い、メイクは気に入らなければ何度でもやり直せるから、どんどんチャレンジして、自分らしさを追求してみて。――今年のナーズのホリデーコレクションも、色鮮やかなアイテムがそろいましたね。美しい色達でしょう。マットなホットピンクのブラッシュ「4046」は、しっかり発色させることも、柔らかい印象を演出することもできる。限定フォーミュラのアイシャドーでは、特にメタリックブラックの「2088」と明るいオーキッドの「2087」が気に入っている。まつげのキワにのせて、黒などスモーキーなアイライナーを合わせると目元の印象が強って、日本人女性のダークな瞳の色も美しく際立たせるんだ。リップスティックは、トレンドでもあるオレンジレッドの「9601」、ホットピンクの「9602」などがおすすめ。いずれにしても自分が好きなカラーをつけるのが大事だよ。―このホリデーコレクションは、ギイ・ブルダンがモチーフとなっていますね。クリエーティブディレクターのフランソワ・ナーズ(Francois Nars)と同様、あなたもブルダンにインスパイアされましたか?フランソワにとってブルダンの影響は非常に大きくて、子供時代から仏『ヴォーグ』誌などの雑誌の切り抜きを壁に貼っていたそう。ブルダンが彼に影響を与えように、僕にとってはフランソワこそがインスパイアの源だった。彼は本当に偉大で、一緒に働けることを幸せに思っているよ。――ファッション、カルチャー、アートに大変お詳しいですが、いつもアンテナを張っているのですか?当然のことだね。特にファッションは、この業界では共通言語みたいなものだからね。フォトグラファーとも、映画について話したりする。そういったことを知らないと、クリエーター達とコミュニケーションもできない。ファッションやカルチャー業界で働くなら、その歴史を多く知っていればいるほどインスピレーションを得ることができる。僕は、幸運にも旅をする機会が多いから、異なる文化やスタイルに触れることも、すべてクリエーションの源になる。美にまつわる仕事に就くなら、美しい物事を愛していなくては務まらないから。――最近は何にインスパイアされましたか?僕が常に注目しているのは「時代」そのもの。時代感やトレンドを、雑誌やアートなどで人々がどう解釈して表現するのかに一番興味を引かれる。例えば70年代の映画『キャバレー(Cabaret)』(1972)は、20、30年代の再解釈をしているもので、そのミックス感覚が面白い。ソフィア・コッポラ監督の『マリーアントワネット(Marie-Antoinette)』(2006)は、時代考証に基づきながらも単なる焼き直しではなく、モダンなアプローチによって、ワクワクするものができるのだと教えてくれた。様々な時代を参考にすることは、メイクアップをデザインする時にも使える技だよ。
2013年12月12日いまやフランス映画界を牽引する存在となったフランソワ・オゾン監督が、国語教師と美しく聡明な生徒とのスリリングな個人授業を描いた最新作『危険なプロット』。今週末10月19日(土)に迫った劇場公開に併せ、これまでのオゾン監督の代表作が1週間限定で特集上映されることが決定した。『危険なプロット』は、作家の夢を諦めた高校の国語教師と美貌と文才に恵まれた生徒が共謀して、クラスメートの家庭を題材に“危険な”小説を作り上げていく個人授業の行方を描いた知的サスペンス。時に狂気に満ちた、緊張感あふれる両者の心理戦は、第37回トロント国際映画祭で「国際映画批評家連盟賞」を受賞し、第60回サン・セバスチャン国際映画祭では「最優秀作品賞」と「最優秀脚本賞」をW受賞。フランスでは120万人を動員する大ヒットを記録しており、オゾン監督の最高傑作との呼び声も高い。今回、本作の公開を記念してヒューマントラストシネマ有楽町では「フランソワ・オゾン監督週間」と題した特集上映を実施。過去作の中から、カトリーヌ・ドヌーヴ、イザベル・ユペールなどフランスを代表する女優陣が一堂に会した『8人の女たち』(’02/ベルリン国際映画祭「銀熊賞」受賞)、『スイミング・プール』(’03/カンヌ国際映画祭「コンペティション部門」選出)、『焼け石に水』(’00/ベルリン国際映画祭「テディ2000賞」受賞)、さらに“妊婦”をテーマにした『ムースの隠遁』(’12/サン・セバスチャン映画祭「審査員賞」受賞)と、特に人気の高い4作品をレイトショーで一挙上映する。女性のミステリアスな部分と“毒”を感じさせるオゾン監督。刺激の強いユーモアと仕掛けにあふれたストーリーテラーの手腕を、スクリーンで存分に堪能してみて。『危険なプロット』は10月19日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマほか全国にて公開。「『危険なプロット』公開記念フランソワ・オゾン監督週間」は、10月19日(土)~10月25日(金)より連日21:10~ヒューマントラストシネマ有楽町にて1週間限定レイトショー上映。(上原礼子(cinema名義))■関連作品:危険なプロット 2013年10月19日よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開(C) 2012 Mandarin Cinéma-Mars Films-France 2 Cinéma-Foz
2013年10月15日50年代のフランスを舞台に、実在したタイプライター早打ち世界大会にすべてをかけるヒロインを描いた『タイピスト!』が、全国の劇場で満席続出の大ヒットとなり、かつて日本中の女子を夢中にさせた『アメリ』のような一大ムーブメントの再来を予感させている。1950年代のフランス。女性たちの憧れの職業は“秘書”で、最も高く評価されるのは、当時一大競技として人気だった“タイプライター早打ち大会”で勝つこと。田舎から出て来たローズ(デボラ・フランソワ)は、保険会社を経営するルイ(ロマン・デュリス)の秘書として採用されるが、不器用なため、一週間でクビに。しかし、彼女の唯一の才能“タイプの早打ち”を見抜いた彼は、彼女と組んで世界大会で優勝するという野望を抱いて…。2001年公開のフランス映画『アメリ』は、本作と同様、公開と同時に異例の大ヒットとなり、いまで言うところの“不思議ちゃん”アメリを真似た、前髪パッツンの女子が続出。また、彼女が大きなスプーンでクレームブリュレを崩す姿のキュートさに憧れた女子たちの影響で、クレームブリュレは一躍人気スイーツとなった。また、雑誌やテレビでは“フレンチ特集”や“フランス・ファッション・家具特集”が組まれ、小規模公開だった劇場も一週ごとに公開館が続々増えるなど、その話題は社会現象化となったが、本作の盛り上がりもまさに『アメリ』と同様。ファッションやカルチャーに敏感な幅広い層の女性の支持を受け、拡大公開となった劇場では満席が続出、公開していない地区の劇場からも上映希望のオファーが殺到しているという。劇場にはローズのファッションをイメージした女性の姿もあり、雑誌では50年代のフレンチ特集が続々と掲載されている。ローズがタイプを練習するために5色に塗られたネイルも話題で、ファッションブランド「EDIT FOR LULU」では、店舗でこのネイルサービスを実施したり(現在は終了)、ネイルサロン「アトリエはるか」でも、ローズネイルのカラーリングを展開するなど、オシャレ女子の間では、空前の“『タイピスト!』現象”が巻き起こりつつある。様々なファッション誌のコラムなども担当する映画ライター・山縣みどりさんも、「今は女性らしさを感じさせるフェミニンなスタイルが逆に新鮮?ローズが着こなす素敵ファッションはスタイルもカラーも見る側を楽しい気分にさせてくれるし、マリリン・モンローやオードリー・ヘプバーンの名作にインスパイアされたというのも納得のおしゃれっぷり」と本作のファッションを絶賛。SNSも引き続き盛上がりを見せており、「『タイピスト!』のオシャレ度は異常」や「フランス好きにはたまらない!高揚感もあり言うことなし」、「かわいさも含め今年NO1!」などの満足度の高さを伺わせる声が数多く上がっている。さらに、ファッションのみならず、“鬼コーチと生徒”というシチュエーションに、萌える女子も続出なのだとか。季節も夏から秋に変わりゆき、ひと肌も恋しくなってくる“オシャレと恋”の季節・秋/冬に備えて、『タイピスト!』をチェックしてみて。『タイピスト!』は全国にて公開中。(小泉浩子(cinema名義))■関連作品:タイピスト! 2013年8月17日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開(C) 2012 - copyright : Les Productions du Trésor - France 3 Cinéma - France 2 Cinéma - Mars Films - Wild Bunch - Panache Productions - La Cie Cinématographique - RTBF (Télévision belge)(C) Photos - Jaïr Sfez
2013年09月06日1950年代のフランスを舞台に、タイプライター早打ち大会で優勝を目指すヒロインの奮闘を描く『タイピスト!』。その公開を前に来日を果たした若手女優のデボラ・フランソワが、自由を求めるヒロインの姿を観て闘争本能を呼び覚ましてほしいと訴えた。その他の写真当時実際に一大ブームになったタイプライター早打ち大会を題材に、仕事に恋愛に全力投球したい主人公ローズ・バンフィル(フランソワ)のサクセス・ストーリーを、あたかもスポーツ映画のようなカタルシスを得る感動ドラマに仕立てた痛快な一作だ。とても興味深く映画的な題材だが、フランソワ自身は今回初めて知って衝撃を受けたという。「早打ち大会の存在は全然知らなかったわ。脚本が面白すぎたので監督の創作だろうと思ったけれど、後で30~40年続いた歴史を聞いて、もっと驚いたわ(笑)」と撮影前を回想する。バンフィルの具体的なモデルはないものの、レジス・ロワンサル監督の母親や当時の女性一般の象徴だそうで、フランソワ自身も演じていく過程で自分自身と照らし合わせる作業を重ね、グッと共感度が上がる女性像に仕上げたそうだ。「実は、わたしもローズと似たような境遇だったの。ベルギーの小さな街を出て、女優になる夢を追って上京してね。タイプの早打ち練習じゃないけれど、女優になるために必死に努力して勉強したのよ」と想いを投影。その結果、一生懸命に人生を生きる、全女性たちの共感票を集めそうなヒロインに仕上がった。しかし、フランソワは夢を追っている者だけではなく、夢さえ抱いていない人たちこそ本作を観てほしいという願いを明かす。改めて本作を日本に紹介する彼女は、「自由を手に入れるために戦うというテーマ」を問いかけたいという。「今の若い世代は自由を当たり前のように享受していて、夢や自由を戦って勝ち取っていく精神を失っている気がします。現実には両手を挙げて祝うほど自由じゃなく、また格差もあると思う。この映画を観て、自分の可能性について再考する機会にしてほしいです」と最後に熱いメッセージを寄せた。『タイピスト!』8月17日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー取材・文・写真:鴇田 崇
2013年08月15日6月に開催された「フランス映画祭2013」で、観客投票によって最優秀賞にあたる「観客賞」に輝いた『タイピスト!』。女性の社会進出が始まったばかりの1950年代のフランスで、“タイプライター早打ち”の才能を開花させ、自由な世界へと羽ばたいていく健気なヒロインをキュートに演じたのがデボラ・フランソワだ。「ローズは、現代なら共感を得やすいけれど、50年代当時は変わり者と受け取られたタイプ。父親に反抗して就職する、自由に生きようとする、というのは難しいことだったのよ。女性を取り巻く状況は少しずつ変化していたけど、女性は男性の言うことに従うという風潮で、特に子どもを抱えて仕事をするなんて選択肢はない時代だった」。デボラ自身の親族の女性たちは、そんな時代に逆らうように生きてきた。役作りのうえで、大いに影響を受けたという。「私の親族の女性は戦前、戦中、戦後と、ずっと働いていたの。美容師をしたり工場に勤めたり。祖母は私の母を女手ひとつで育てたんだけど、曾祖母も働きながら娘(=デボラの祖母)の子育てを手伝っていた。世間からは必ずしも受け入れられはしなかったけど、一所懸命に生きていたの。ローズは仕事も愛する人もちゃんと掴むことができた。それって、とても素晴らしいことだと思うわ」。ローズは「タイプライター早打ち大会」の地方大会からフランス大会へ、そしてついにニューヨークで開催の世界大会へ出場し、優勝を目指す。その過程で、ロマン・デュリス扮する鬼コーチのルイとの間に愛が芽生えるが、波乱含みで順調には進まない。「心に傷を負っても、最後まで突き進もうとするローズには共感するわ。ルイだって、自分のために彼女が何かを犠牲にするようなことは望まない。それが2人の愛なのよ」。ローズや大会出場者の女性たちが持つ競う精神は、女優という仕事にも通ずるものがあるのでは?と聞いてみると、「“俳優という仕事は、オリンピック選手とは違う”という言葉があるの」という答えが返ってきた。「一つしかない役を勝ち取らなかった人に銀メダルはない。意味がないの。2番目でも200番目でも同じ。そういう意味では、私自身もすごく勝ち気なところはあると思う」。50年代のスター女優のようなシックな装いに、ガッツあふれる女優魂。ギャップが新鮮だ。それにしても、50年代のフランスは完全に男性優位の社会。やや息苦しいその雰囲気は日本に暮らす女性には馴染みあるものかも…と伝えると、「すごく分かる!私も何週間か日本に滞在したことがあるから」と大きく頷く。フランスの女性監督が全編日本ロケで撮り、阿部寛や西島秀俊が出演した『メモリーズ・コーナー』でも主演を務めたのだ。「でも、彼らは家に帰るとちょっと違うみたいね(笑)。外では威張ってるけど、家庭での主導権は女性が握ってる」と笑う。目下の望みの一つは、日本で日本の映画監督の作品に出演すること。日本映画も好きで、「最近観たのは『歩いても歩いても』。素晴らしかった!」と、共演した阿部さんの作品を挙げる。もう1本、挙がったタイトルはなんと『バトルロワイヤル』。「フランスでは絶対に作られないタイプの映画だと思う。すごく暴力的だけど、消費社会への問題提起があったり、深遠な内容で。何度も観たわ。ああいう、日本ならではの作品に出演したい。オファー待ってます!」と快活な笑顔で目を輝かせた。(photo:Mana Kikuta/text:Yuki Tominaga)■関連作品:タイピスト! 2013年8月17日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開(C) 2012 - copyright : Les Productions du Trésor - France 3 Cinéma - France 2 Cinéma - Mars Films - Wild Bunch - Panache Productions - La Cie Cinématographique - RTBF (Télévision belge)(C) Photos - Jaïr Sfez
2013年08月13日天然系のキュートなヒロインが、ポップな50年代フレンチ・カルチャーを舞台に、恋に仕事に大奮闘し、興奮と感動をお届けする爽快なサクセスムービー『タイピスト!』。キュートなだけじゃなく、2013年セザール賞5部門ノミネート、フランス映画祭2013観客賞(最高賞)受賞作品と、とても高い評価を得ている。50年代フランスを舞台に、本当にあったタイプ早打ち世界大会に全てをかけるヒロインを演じ、ヘップバーンの再来、と評価されたデボラ・フランソワのインタビューをお届けしたい。Q: 50年代の女性を演じるのは、いかがでしたか? あなたが考える、当時の女性たちのイメージとは? 今回の役作りをするにあたって、50年代の映画を沢山観ました。監督からも、雑誌だったり新聞だったり、タイプライティングの教本等様々な資料を貰い、研究しました。50年代の女性は、今とは服装も動き方も話し方も違うので、そういったディティールにすごく注意をしながら監督と色々相談しながら進めていきました。当時のスター、マリリン・モンローやオードリー・ヘップバーンは、いまだにとても人気がありますよね。50年代の映画というのは、ものすごく好きな時代だったので、今回監督から前観たことがあったものでも、また観るように言われ色々観て研究しました。当時は、女性解放運動の初期の時代であって、今の女性に比べて権利もなく、勉強を続けたり仕事を見つけたりしたいと思っていても、なかなかできなかったり。そういう風にしようとすると変な目で見られたりして、25、6歳になるともう結婚して家に入り、子供を産まなきゃいけない、そんな制約がある時代で、ローズという役は、その逆をやりたがるすごいキャクターなんです。Q: 50年代の女性と現代女性の違いは? 彼女たちから学べることは? 50年代の女性たちから学べるのは、自由を求めるために戦うという姿勢。今の世代の女性たちは、自由が当たり前のように思われていて、平等への戦いは今でも続いていることを忘れています。もう全て手に入れて、男性と平等だと思われがちなんですが、いまでも給与の格差など、まだまだ平等でないことも続いていると思います。是非、この映画を観て、まだ私たちにやれるべきことがあるんだって感じ取って欲しいと思います。Q: 50年代ファッションはどうでしたか? 衣装の多くはこの映画のために作られたそうですが、お気に入りの衣装はありますか? 衣装さんと色々話し合いながら、いくつものドレスを作りました。布からデザインから、本当にディティールまで色々相談しながらこだわって作りました。どれも本当に素敵。全部好きなので、一つ選ぶのは難しいのですが、しいてあげるなら一番最後、大会で着ていたドレス。映画的にも、とてもシンボリックで、衣装の中でも唯一のローズピンク色なんですが、役名のローズともシンクロし、華やかさとか夢を象徴するドレスです。Q: 相手役のロマン・デュリスの印象は? 「指導者」と「教え子」の恋愛って、どう? ロマン・デュリスには大変いい印象を持っていて、最初から息もぴったり演じることができました。彼はどっぷりと役のルイ・エシャールという人物になりきっていましたので、いつも彼を通じてルイ・エシャールを見ているような感じでした。彼は凄く役作りをしっかりしてくる人でしたので、プロフェッショナルですし、正確にいつ何をどう演技するかを把握した、テクニックも素晴らしい俳優さんでした。一緒に共演できて、本当に良い経験になりました。Q: タイプライターで勝負する役ですが、タイプライター歴は? 練習は大変でしたか? まず練習ですが、今回撮影にあたって6ヶ月間、毎日2~3時間練習しました。やはり、映画に出てくるように早打ちができなくてはならなくて、映画でも、あれは映像を決して早回ししているのではなくて、実際にあのスピードのままタイプしています。監督が、観客を騙さず、リアル感を出すために最高速で打って撮影しようってことになりました。もちろん、最初はゆっくりしか打てませんでした。ああやって早く打てるようになった、というのは私にとって、ものすごく大きなチャレンジでした。実生活でもコーチについてもらって練習したのですが、コーチが来ない日も宿題があり、とにかくずっと練習を続けました。PCが普及する前に父親のタイプライターは、触ったことはあるけど実際打って使ったことはありません。10本の指を使って打つ、ということを今回練習をして初めてきちんとしました。本当にハードに練習しましたよ。Q: この作品の見どころは? お気に入りのシーンは? 沢山のシーンが好きだし、それぞれ違った理由で好きなので難しいですけれども、中でもとりわけ気に入っているのが、赤いドレスを着てバスルームから出てくるところ。あれはヒッチコックの『めまい』にオマージュを捧げているシーンで、本当に美しくて素敵なシーン。もちろん、ラストの大会のシーンもとても印象的。あとは、私は出ていないのですが、ロマン・デュリスとベレニス・ベジョが2人で、どうして自分じゃいけなかったんだって問い詰めるシーン。自分は現場にいなかったので、映画ができてから初めて観ましたが、すごく感動的で好きなシーンです。Q: 最後にメッセージを! とってもワンダフルで素敵なコメディです。映像も衣裳もスタイリッシュだし、本当に素敵な映画なので、みなさん、是非『タイピスト!』を観に来てくださいね。映画『タイピスト!』は、8月17日(土)より ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー ・公式サイト (c)2012 ‒ copyright : Les Productions du Trésor ‒ France 3 Cinéma ‒ France 2 Cinéma ‒ Mars Films - Wild Bunch - Panache Productions ‒ La Cie Cinématographique ‒ RTBF (Télévision belge) (c)Photos - Jaïr Sfez.
2013年08月10日「ナーズ(NARS)」の秋冬メイクコレクションでは、1970年代にインスピレーションを受けた力強くセクシーなアイテムが登場する。シングルアイシャドー(各2,625円)には、スモーキーなネイビーの「2081」、マットグレーの「2082」など、世界各地をイメージして作られた4色がそろう。ベルベットマットリップペンシル(3,150円)は、鮮やかな深紅の「2477」(数量限定)と淡いピンクの「2476」の2色を用意。ピュアマットリップスティックは、大胆なパープルの「3523」(数量限定)、ブラウンがかったピンクの「3522」の2色。リップペンシル、リップスティック共に単品だとマットな仕上がりだが、グロスを重ねて艶をプラスすると異なる表情に。発売はすべて8月16日。広告ビジュアルにはドイツ人モデルのトニ・ガーン(Toni Garrn)が起用された。シングルアイシャドー 2081をまぶた全体と下まつ毛の生え際のラインにのせてスモーキーな目元を作り、ベルベットマットリップペンシル 2477(数量限定)でグラマラスな唇を演出した。メーキャップのディレクションと撮影を手掛けたのは、ブランド創設者でもあるフランソワ・ナーズ(Francois Nars)。
2013年08月01日フランス映画祭2013において「最も面白い」と評価され、最高賞である「観客賞」を受賞した『タイピスト!』。オードリー・ヘップバーンらを見て50年代の女性を研究し役作りに当たったヒロイン役のデボラ・フランソワと彼女が纏う50年代テイストのファッションに注目が集まっている。本作は天然系ヒロインのローズがタイプライターの世界大会を目指して奮闘する物語。キュートなガールズムービーでありながら、背景にあるポップな50年代カルチャーや“スポ根”的な感動もあり見所は充分。レジス・ロワンサル監督はローズ役のデボラに対し、50年代の女性の体型や立ち居振る舞いを学ぶため『麗しのサブリナ』、『マイ・フェア・レディ』、『昼下がりの情事』、『パリの恋人』といったオードリー・ヘップバーン作品やマリリン・モンローを研究するよう指示。デボラはヘップバーンのヘアスタイルであるポニーテールをローズのスタイルに取り入れ、見事に50年代の女性に変身して見せた。ローズがタイピストの世界大会で着ているピンクのドレスには、デボラ自身の意見を反映。『百万長者と結婚する方法』で3人の女優がディナー・パーティーに到着するシーンで着ているような、オフショルダーのドレス。デボラが一目で気に入ったという生地を使用し、その時代のファッション誌から色を選んだ。「『月並みじゃないか?』と言う監督に、私と衣装の女性スタッフ全員で抗議したの。女性たちが生地に目の色を変えているのを見て、彼が折れたわ!」とデボラは笑う。衣装スタッフのシャルロット・ダヴィッドによる、ヒロインのローズとライバルのマリーの衣装の対比もおもしろい。田舎娘のローズは、可愛らしい花柄のドレスが中心の50年代スタイル。裕福なアメリカ人と結婚してモダンな家に住むマリーは、髪にリボンを巻き、ピッタリとしたカーディガンと短いパンツ、バレエシューズの60年代初期のスタイルという具合だ。ほとんどの衣装が作品のための特注ということからも、本作のファッションにかける意気込みが伝わってくる。本作を鑑賞する際には、ローズやマリーの可憐なファッションにぜひとも注目を!『タイピスト!』は8月17日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:タイピスト! 2013年8月17日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開(C) 2012 - copyright : Les Productions du Trésor - France 3 Cinéma - France 2 Cinéma - Mars Films - Wild Bunch - Panache Productions - La Cie Cinématographique - RTBF (Télévision belge)(C) Photos - Jaïr Sfez
2013年07月19日阪神・淡路大震災後の日本をテーマに、フランス人女性記者と2人の男性との不思議な出会いを描いたフランス映画『メモリーズ・コーナー』。西島秀俊と阿部寛がフランス語と英語のセリフで出演しており、早くも注目を集めている本作が来年2月、日本でも公開されることが明らかとなった。フランス人女性ジャーナリスト、アダ(デボラ・フランソワ)は、1995年に起きた阪神・淡路の震災を回顧する式典を取材するために神戸を訪れる。街は復興し、誰もがかつての悲劇と決別し、豊かな暮らしを楽しんでいるかのように見える。通訳の岡部(西島さん)を伴い、かつての被災者の家を訪ね歩くアダの前に、いまでも後遺症に悩まされている石田(阿部さん)が現れる。かたくなな態度をとる彼の心を開かせようとする彼女に、岡部は彼が現世の男ではないと忠告するのだが…。今作が初監督作となる、フランス気鋭新人監督オドレイ・フーシェが、日仏スタッフの共同製作によりさまざまな“愛”の形を描き出す本作。西島さんはフランス語の通訳者を演じ、阿部さんは神戸の震災以降に家族を亡くし、孤独死をしながらも愛を探し求めている謎のゴーストを演じている。2人の男性に想いを寄せるフランス人記者・アダには『ある子供』で鮮烈デビューを果たし、『譜めくりの女』などでセザール新人女優賞を2年連続受賞した、注目の新人女優デボラ・フランソワが扮する。さらに、國村隼、塩見三省、倍賞美津子ら日本を代表する演技派俳優陣が本作にさらなる深みを与えている。西島さんは「海外の俳優さんと並んで演技してみたいという気持ちはいつもありますが、デボラさんのようなヨーロッパの女優さんと同じフレームに入ったら、どう見えるんだろうか?というのは常にありました」とフランス映画での主演を楽しんだよう。一方の阿部さんは「初監督作品で、日本人キャストとスタッフ、日本を舞台にしようと思うフーシェ監督の強い想いが深く伝わってきました。すごくこだわりを持っている監督でした」と撮影をふり返る。そんなフーシェ監督は「被災者の方々は、家や故郷を失い、そして愛する人々がいない人生を歩むことになります。私はこの作品によって、被災者の絶望的な孤独感を知っていただき、少しでも社会のひずみを軽減する手助けになればと祈っております」と作品に込めた強い思いを明かす。豪華キャストで贈る日本を舞台にしたフランス映画『メモリーズ・コーナー』。フランス人女性監督が描く希望へのレクイエムは、私たち日本人の心にどのように響くのだろうか?『メモリーズ・コーナー』は2013年2月23日(土)よりシネマート六本木ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:メモリーズ・コーナー 2013年2月23日(土)よりシネマート六本木ほか全国にて順次公開(C) NOODLES PRODUCTION, FILM ZINGARO 2 INC,FRANCE 3 CINEMA,2011
2012年12月21日世代や性別好みを問わず、とにかくみんなが知っている!そんな母国の国民的アーティストを、日本に住む外国人20人に聞いてみました!■Robbie Williams ロビー・ウィリアムズの「Let me entertain you.」テンションの高い歌です(イギリス/男性/40代前半)イギリスのみならず、ヨーロッパ中でとても人気のロビー。「Let me entertain you」という曲は確かにテンションが高く、イベントなどの時にもよくかけられるそうです。プロモーションビデオもテンション高めの仕上がりです!■El Canto del Loco。「besos」という曲だ。ポップロックの曲でロマンチックな歌詞ですごく人気があった(スペイン/男性/20代後半)スペイン・マドリード発の4人組ポップロックバンド。バンド名の意味は「狂人の歌」ですが、代表曲「besos」では、「毎朝君のキスで起こしてくれよ」とかわいらしいことを言っています!■レディー・ガガです。代表曲はゲイとかのアンセムでもある「ボーン・ディス・ウェイ」(アメリカ/女性/20代後半)みなさんご存じ、レディー・ガガさんの登場です。「ボーン・ディス・ウェイ」はヒットチャートの常連でしたね。ノリだけの曲かと思いましたが、どんな自分だとしても自分自身を受け入れて愛してあげよう、という素敵なメッセージが込められていました。応援歌です。■アムル・ディヤーブです。「アマリーン」という曲で、「2つの満月」という意味です。好きな女性のことを説明した歌です(エジプト/男性/40代後半)甘く切ない歌詞とロマンチックな歌声で人気のアムル・ディヤーブ。20年間の間に25枚のアルバムをリリースしたそうです。ファンにとってはうれしい活動ぶりですね!■DJティエスト。「アダージョ・フォー・ストリングス」トランス、エレクトロニカ系(オランダ/男性/30代前半)オランダといえばトランスなイメージがありますが、その中でも世界的に有名なDJです。タワーレコードの注目アイテムとしても紹介されており、うねるような旋律でダンスシーンを盛り上げています。■周杰倫の「双節棍(ヌンチャク)」。カンフー、武術をテーマにした曲(中国/男性/20代後半)若者に絶大な人気を誇るこの周杰倫(ジェイ・チョウ)氏の「双節棍」という曲は大ヒットし、中国全土でヌンチャクが大流行したそうです。プロモーションビデオで鍛え上げられた身体と華麗なヌンチャクさばきが見られますよ!■昔のアーティストになりますが、いまだにクロード・フランソワ、ジョニー・ハリデー、パトリック・ブリュエル、エディット・ピアフは伝説的国民的アーティストです。クロード・フランソワの代表曲は多数ありますが、Frank Sinatra もカバーした「Comme d’habitude (コムダビチュード・My way)」(フランス/女性/20代後半)マイ・ウェイ、もとはフランスの曲だったのですね!アメリカとフランスでは歌詞がだいぶ違います。アメリカは「俺は山あり谷ありのこの厳しい人生を生き抜いた!自分を貫いて!」という人生を振り返る内容ですが、フランスは「僕は君を起こそうとつついてみる、いつものように君は起きない、いつものように遅刻だ、いつものように愛し合っているふりをする」とアンニュイな日常を歌っております。全然違います……。日本でももちろんカバーされています。歌詞はアメリカ寄りですね。ベテラン歌手から今が旬の売れっ子まで、様々なアーティストの名前が挙がりました。世代によってかなり意見が分かれそうですが、日本の国民的歌手と聞かれたら、あなたは誰の名前を挙げますか?【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月20日演劇で人間関係を表すのに最も小さい単位“三人芝居”をテーマに、東京芸術劇場が企画した<3×3(さんかけるさん)>シリーズ。その第1弾である『ポリグラフ 嘘発見器』は、世界的な演出家でパフォーマーでもあるロベール・ルパージュの作品を、吹越満が実際の稽古を通して練り直し、新たな演出でおくる舞台だ。キャストは吹越のほかに、フランス人と日本人の血を引く美貌が印象的な太田緑ロランス、俳優活動だけでなくダンサーとしても国内外の舞台に立つ森山開次の3人。初日が開いたばかりのその舞台を、東京芸術劇場・シアターイーストで観た。『ポリグラフ~嘘発見器~』チケット情報カナダの都市ケベック。駆け出しの女優ルーシー(太田)は、地下鉄の飛び込み事件を目撃したのをきっかけに、犯罪学者デイヴィッド(吹越)と親しくなる。2人はルーシーの友人フランソワ(森山)の働くレストランで食事をするが、デイヴィッドはフランソワが以前担当したポリグラフの被験者であることに気づく。数年前に起きた凄惨な殺人事件にフランソワが関わっており、さらに新作映画で演じる役がその事件で殺された女性ということを知るルーシー。3人の関係は、次第に奇妙な様相を見せ始め…。ルパージュの舞台は“フィジカルシアター”(身体と言語が融合した作品)と呼ばれ、芝居と強い身体的表現、さらに映像での効果を取り入れたアーティスティックな構成が特徴。美学に貫かれた世界観を構築するため、キャストは高い身体能力と共に、全編にわたって常とは異なる緊張感を強いられる。自らが演出と主演を兼ねる<ソロアクト>シリーズで同じく身体表現を追求してきた吹越だが、今回はルパージュという他者の演出作法をベースに、オリジナルの文脈で咀嚼した吹越版『ポリグラフ』を展開してみせる。本作は吹越いわく「我々3人の“ポリグラフズ”というユニットが演じている」体裁をとっているとか。キャストはしばしば舞台端のパーテーションの影にたたずむところを客席から目撃され、過去の殺人事件が明らかになってゆくステージ中央では、ルーシーとフランソワ、デイヴィッドの記憶がフラッシュバックのように挿入される。スローモションさながらにゆっくりと倒れ込むルーシー、クラブで激しくトリップするフランソワ、過去のとある記憶に何度も戻ってゆくデイヴィド。観る者は3人の現在と過去、そして“ポリグラフズ”が演じる今を行き来しながら、次第に誰かの夢に入り込んでゆくような心地よさに襲われる。危険と知りながら、美しい誘惑者たちに身を委ねたくなるような。そんなスリリングな魅力にあふれた1本である。公演は12月28日(金)まで東京芸術劇場 シアターイーストにて。その後、2013年1月13日(日)から14日(月・祝)までまつもと市民芸術館(長野)、1月20日(日)えずこホール(宮城)、1月26日(土)から27日(日)までシアター・ドラマシティ(大阪)にて上演。取材・文佐藤さくら
2012年12月17日演劇で人間関係を表すのに最も小さい単位である“三人芝居”。これまで多くの劇作家が手掛けてきたそれを連続して3本上演するのが、東京芸術劇場の<3×3(さんかけるさん)>シリーズだ。その第1弾として、世界的演出家でパフォーマーのロベール・ルパージュ作『ポリグラフ 嘘発見器』を、吹越満が新演出で舞台化する。カナダ・ケベックを舞台に若手女優ルーシーと政治学の学生フランソワ、そして犯罪学者デイヴィッドの奇妙な三角関係が、スタイリッシュかつミステリアスに描かれる。演出と共にデイヴィッド役で出演する吹越、また本作にキャスティングされた森山開次(フランソワ役)、太田緑ロランス(ルーシー役)の3人に話を聞いた。「ポリグラフ~嘘発見器~」公演情報同じく演出と出演を兼ねる<ソロアクト>シリーズで、その身体表現が注目を浴びてきた吹越。本作では初めて他者の戯曲を演出することになる。「ルパージュの作品は台本を書いてからキャストに演じてもらうのではなく、先に舞台が出来上がって、それを記録したものを台本と呼ぶらしいんです。オリジナル公演の台本はト書きが具体的すぎるので、それを取っ払うところから始めました」と吹越。そうすることで「場面場面を切り取ってつなげてゆく展開が、他人の夢の中に入っていくような不思議な感覚」と太田が表現する台本へと変貌していったという。吹越に加え、フランス人と日本人の血を引き独特の存在感を放つ太田、ダンサーとして国内外で高い評価を得る森山と、まさに“フィジカルシアター”(身体と言語が融合した作品)と呼ばれるルパージュ作品に相応しい3人。取材時、稽古はまだ前半戦だったが「ダンスでは時間や場所を飛び越えるのが当たり前。でもこの作品のように、現実的な役柄を演じる中で、自在に時空を行き来するというのは珍しいと感じます。だからどういうアプローチで作り上げようかと考えることが面白くて」と森山。吹越も「今は映画でいうと“撮影”の段階。僕の気持ちとしてはカメラをどんどん回して、役柄と素の両方でふたりを撮りまくっているところです」と、それぞれに創作の過程を楽しんでいる様子を明かした。過去の殺人事件が次第に明らかになるストーリーについては、「三人芝居ならではの絶妙なバランスを意識したい」という森山の言葉にうなずきつつ、「意外とシンプルですよね」と言う太田。続けて、「でも合間に挟まれる身体的な表現によって“共感覚”(色彩が音として聞こえるなど、ある知覚が別の知覚でも感じられるという一部の人間に起こる現象)をお客さんに体感してもらえる舞台になる気がします」と話した。その横で「稽古場で“撮影”した素材が“編集”の段階でどうなるのかは…まだ未知数だけどね」と笑う吹越。抜群のチームワークで見せるその本番を、今から楽しみに待ちたい。公演は12月12日(水)から12月28日(金)まで東京芸術劇場 シアターイースト、2013年1月13日(日)から14日(月・祝)までまつもと市民芸術館(長野)、1月20日(日)えずこホール(宮城)、1月26日(土)から27日(日)までシアター・ドラマシティ(大阪)にて上演される。
2012年11月22日ポール・マッカートニーが仏レジオン・ドヌール勲章を受賞することになった。ポールは今月8日にパリでフランソワ・オランド仏大統領から最高勲章である同勲章を受賞する予定である。過去には俳優・監督のクリント・イーストウッドやアメリカの大御所歌手ライザ・ミネリなども受賞している同勲章は1802年、ナポレオン・ボナパルトによって制定され、現在に至る。勲章は実際には贈与されるのではなく、受賞者は事前に210ドル(約1万6,000円)から880ドル(約6万9,000円)相当の勲章を特定の宝飾店にて自費で購入することになっている。ただ、授与された勲章が剥奪されるケースもあり、実際にイギリスのファッションデザイナー、ジョン・ガリアーノが酔って反ユダヤ主義的発言をしたために「クリスチャン・ディオール」から解雇され、同勲章も剥奪されたという前例がある。ちなみに、7月に開催されたロンドン・オリンピック開会式のフィナーレを飾ったポールは、出演ギャラがたったの1ポンド(約124円)だったものの「満足している」と話していた。「オリンピック委員会から演奏ギャラが支払われない代わりに、試合のチケットがもらえるんだ。委員会に何の試合を見たいかって聞かれたから、僕は短いリストを送ったのさ。僕は陸上競技の大ファンなんだ。スポーツ番組がテレビで放送されていると外出しないくらいだよ。だからオリンピックのチケットが手に入ってとても嬉しかったよ」。
2012年09月06日中谷美紀の初舞台となる『猟銃』。本作の演出をシルク・ドゥ・ソレイユ『ZED』の作・演出を手掛けたフランソワ・ジラールが担当する。舞台『猟銃』のチケット情報『猟銃』は、ひとりの男の13年間にわたる不倫の恋を、妻、愛人、愛人の娘の3通の手紙によって浮き彫りにするラブストーリー。原作は文豪・井上靖が雑誌「文学界」発表第2作目となる恋愛小説。1961年には五所平之助監督により映画化されている。フランソワ・ジラールは、『ZED』のほかにも、アカデミー賞を受賞した、映画『レッド・バイオリン』や中谷も出演した『シルク』など映画監督としても、世界からも注目を集めている。2008年に公開された映画『シルク』の日本での撮影中に『猟銃』と出会ったフランソワ・ジラールは、この小説にインスパイアされ、舞台化に着手。主演を務める、中谷にひとりで妻、愛人、愛人の娘を演じさせ、立場の違う3人の女性の中に秘められた“男性”への想いの共通項を浮かび上がらせる。舞台『猟銃』は、カナダ・モントリオールにて9月7日(水)から10日(土)まで公演が行われる。日本では10月3日(月)から23日(日)まで東京・PARCO劇場を皮切りに、兵庫、新潟、福岡、名古屋、京都にて上演。チケットは東京、兵庫、京都公演が7月30日(土)より発売。なお、チケットぴあでは、6月28日(火)11:00から30日(木)11:00まで先行抽選プレリザーブを受付。
2011年06月28日繊細で美しい映像と愛情とユーモアにあふれるストーリー展開で日本でも人気の高いフランス人監督フランソワ・オゾン。ベルリン国際映画祭でコンペティション部門に出品され、喝采を浴びた『Ricky リッキー』で彼が描いたのは“家族”そして“母性”。翼の生えた赤ん坊・リッキーの存在を通じて、それまでバラバラに、自分本位で生きてきた一家が互いに向き合い、不器用ながらも少しずつ本当の家族となっていく姿を描く。このファンタジーを通じてオゾンは何を訴えかけたのか?その思いを語ったインタビューが到着した。ひとり娘を連れて再婚し、息子を生むも育児に追われイライラする母・カティ。仕事に行き詰まりカティと衝突を繰り返した挙句に家を出る夫のパコ。母の再婚と弟の誕生で母親を取られたような気持ちを抱える娘のリザ。そんな状況でなぜか、赤ん坊のリッキーの背中に天使のような翼が!いつものようにと言うべきか、本作でも監督お得意のファンタジー要素とユーモアがたっぷりと盛り込まれ、それぞれが複雑に絡み合う。監督の意図は?「ローズ・トレメインによる今回の原作小説には、僕が好きな皮肉が散りばめられていて、映画の中でもそれらを残したいと思っていたんです。物語がファンタジーになり過ぎたり、ハッピーになり過ぎたりしたら、ユーモアを挟んでテンションを和らげ、シーンにある一定の効果を持たせました。リッキーはほかの赤ちゃんとちょっと違いますよね。そんなリッキーを、カティとリザが大喜びで世話をするんです。この映画に込められた皮肉は、非現実的な状況なのに、ありきたりな母性を見せるところから生まれているんです。どんな親でも、子供が何かできるようになった瞬間を目にすると大喜びしますよね。例えば、子供が最初に笑うときやゲップをするとき、それに、最初の一歩を踏み出すときなど。親というのは赤ちゃんの体を敬愛するものです。リッキーの背中の翼は、そんな親たちの気持ちや行動を強調しているのです。カティにとって、リッキーの翼はハンディキャップではないんです。それは贈り物で、価値のあるものなんですね。彼女はその翼を面白がっているし、気に入っているんです」。「僕は女性を描くのが好きなんです」と監督。確かに本作は家族の物語であると同時に女性を魅力的に描いた作品でもある。監督は、自身の初期の作品『海をみる』を引き合いに、こう説明する。「『海をみる』とは違う形で“母性”をテーマにした作品を撮りたかったんです。『海をみる』では、良き母と鬼のような母という正反対の女性を通して、2つの母性本能を描いたんです。今回の作品では、この2つの要素がカティというひとりの女性の中に描かれていて、彼女の複雑な母性の変化が表現されているんです」。ちなみに監督自身は“母性”と“父性”の違いについてどのように感じているのだろう?「子供は母親の体から生まれるので、母親は子供のことを自分の一部のように考えることが多いのではないでしょうか?この生理学的な面と身体的な関係はとても興味深いと思います。原作小説の中で、パコという男は、お金をむしり取りに戻ってくるような、とても感じの悪い男として描かれていますが、映画の中では複雑なキャラクターとして描かれています。僕は、この男女の関係を小説よりも詳しく描きたかったんです。パコはリッキーを使って、ジャーナリストからお金を稼ごうとします。でもこれは、単に図々しいのではなく、正当な理由があるからなんです。家を買うためとか、良い環境でリッキーを育てるためのスペースを得るため、とか。確かに、パコが(家出から)戻ってくるのは、リッキーが珍しい子供だと分かってからだけれど、彼には父性を発達できるような機会も時間も与えられなかったんです。彼は、リッキーが生まれてすぐにカティに追い出されてしまったのですから。“男が父親になれるチャンスはどのくらいあるんだろうか?”、というのがこの映画が問いかけるテーマのひとつでもあるんです」。母そして女の視点で観るか?それともオトコ目線で観るかによっても作品の捉え方は変わってきそう。もちろん、複雑な内面を宿した登場人物たちを見事に体現したキャスト陣にも注目してほしい。もちろん、リッキーの愛らしさにも!■関連作品:Rickyリッキー 2010年11月27日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開© Eurowide Film Production - 2008 - Tous droits reserves
2010年11月29日