5月5日(火・祝)・ 6日(水・休)のゴールデンウィークの2日間、六本木ヒルズアリーナにて、Chara、シシド・カフカほか豪華アーティストが出演するフリーライブイベント「J-WAVE & Roppongi Hills present TOKYO M.A.P.S KOICHI TSUTAYA EDITION」が開催となる。「TOKYO M.A.P.S」は六本木ヒルズアリーナを会場に六本木ヒルズとJ-WAVEが 共催で、毎年ゴールデンウィークに開催している、音楽、アート、パフォーマンスなど様々な表現を発信するイベント。8回目となる今年のプログラム・オーガナイザーには、「KAT-TUN」や「関ジャニ∞」、YUKIなどへの楽曲提供や、数々のヒット曲をチャートに送り込んでいる音楽プロデューサー蔦谷好位置。「MUSIC BRIDGE ~あなたに続く架け橋~」というテーマのもと、世代やジャンル、キャリアを超えた豪華アーティストが出演する。一日目は、ドラムをたたきながら歌うスタイルのシシド・カフカや、先日ニューアルバム「Secret Garden」を発表したばかりのCharaなどが出演。2012年に19歳で鮮烈なデビューを飾った田中茉裕にも注目だ。二日目には、忌野清志郎率いた「RCサクセション」のギタリストである仲井戸“CHABO”麗市や、日本屈指のガレージロックバンド「THE BAWDIES」がトリを務めるなど、“ロック”なラインナップが楽しめる。ceroやShiggy Jr.など、東京インディーを代表するアーティストの出演にも期待したいところ。多種多様なアーティストのライブが無料で楽しめる本イベント。六本木で、音楽を満喫するゴールデンウィークを過ごしてみては。「J-WAVE & Roppongi Hills present TOKYO M.A.P.S KOICHI TSUTAYA EDITION」は、5月5日(火・祝)・ 6日(水・休)の2日間開催。【J-WAVE & Roppongi Hills present TOKYO M.A.P.S KOICHI TSUTAYA EDITION出演者】■5月5日(火・祝)13:00~ 田中茉裕14:00~ 東京カランコロン(いちろー&せんせい)15:00~ さかいゆう16:30~ シシド・カフカ17:30~ 福原美穂with藤井一彦(THE GROOVERS)&YANCY19:00~ Chara■5月6日(水・休)13:00~ 藤原さくら14:00~ cero15:30~ Shiggy Jr.16:30~ Charisma.com17:30~ 仲井戸“CHABO”麗市19:00~ THE BAWDIES(text:cinemacafe.net)
2015年04月21日今夏上演される蜷川幸雄演出舞台『海辺のカフカ』で、主人公カフカ役にオーディションで選出された古畑新之(ふるはた にいの)の出演が決定した。古畑は音楽活動をしながら、CMやアーティストのPVに出演。2013年GoogleのCMで注目を浴びる。本格的な演技は本作品が初めてとなる。舞台『海辺のカフカ』チケット情報同作は村上春樹の同名ベストセラー小説を蜷川が舞台化したもの。2012年に柳楽優弥の主演で上演されている。「世界でいちばんタフな15歳の少年になる」ために家を出たカフカ少年の物語だ。蜷川は新人抜擢の理由を「カフカ役は少年と大人の間を行ったり来たりするキャラクター。揺れ動く少年の心情を表現できる、子供でもなく大人でもない人を探していた。上手い人は他にもいたけれど、演劇的にあまり訓練されすぎない、未完成な魂を持っているところが良かった。心がぶれてバイブレーションを起こせる、危うさを持っている少年というイメージにぴったりだった」と話している。公演は6月1日(日)から7日(土)まで埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール、6月13日(金)から16日(月)まで大阪・シアターBRAVA!、6月21日(土)から7月5日(土)まで東京・赤坂ACTシアターにて。埼玉・東京公演のチケット一般発売は2月15日(土)、大阪公演は2月22日(土)より。
2014年01月24日ロッテは、同社のソフトキャンディ・カフカを使って制作した「巨大カフカくん」が、2013年10月30日(水)に「LARGEST CHEWY CANDYカテゴリ」でギネス世界記録に認定されたと発表した。このギネス世界記録「LARGEST CHEWY CANDYカテゴリ」は、世界で最も重いソフトキャンディ(かめるキャンディ)の記録を認定するもので、今回のロッテ カフカが世界初の挑戦。ソフトキャンディ・カフカで制作された「巨大カフカくん」は、ギネス世界記録公式認定員、計量士によって、厳重なる審査のもとに測量が行われ、見事に238.25kgを達成し、世界最重量のソフトキャンディとしてギネス世界記録に認定された。このカフカくんとは、ソフトキャンディ・カフカのキャラクターで、グズった子どもの96.2%が泣きやんだ(一時的な泣きやみを含む)「泣きやみ動画」が約1年間でYoutube再生回数700万回を突破したほか、今年開催された世界的な広告のアワードであるカンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバル・サイバー部門で銅賞を受賞するなど、話題を提供している。今回のギネス認定は、それに次ぐ、世界に認められる偉大な記録達成となった。ロッテ マーケティング統括部 キャンディ企画室 室長の関哲哉氏は、「今後は本件でカフカを知っていただいた親御様やお子様が年を重ねて、親御様はおじいちゃん、おばあちゃんに、お子様はご自身の子をもつ親になっても、家族みんなでおいしくカフカを食べてもらえるよう、このカフカを世代を超えて愛されるキャンディのブランドにしていきたいと思っています」とコメント。今回の挑戦は「カフカ」という商品とそのキャラクターである「カフカくん」が一緒になった形で何かおもしろいことができないかと考えていたことを具現化した形だという。「LARGEST CHEWY CANDYカテゴリ」にてギネス世界記録に認定されたカフカくんは、重さが238.25kg(1個約3.5gのカフカが約68,071個分)、高さが約73cm、幅が約73.2cm、周囲が約2m55cmという大きさ。10日間3~5人がかりで制作されているが、ソフトキャンディは温度や湿度によって形が崩れてしまうため、造形スタッフは「温度・湿度管理を行うのに苦労しました」と語っている。なお、制作に使用したカフカは、認定式後1週間以内に関係者がおいしく頂いたとのことだ。カフカくんは「ゆるキャラグランプリ2013」にもエントリーするなど、今後も様々なことに挑戦する予定となっているので、その活躍にも注目していきたい。
2013年11月13日イギリス・グラスゴー出身の4人組バンド、フランツ・フェルディナンド(Franz Ferdinand)が、約4年ぶりとなるニュー・アルバム『ライト・ソーツ、ライト・ワーズ、ライト・アクション(Right Thoughts, Right Words, Right Action)』を日本先行でリリースした。待望の新作は、彼ららしい親しみやすいメロディーラインをベースにしたグルーヴ感のある、ファンが待ち望んでいた仕上がりに。その充実ぶりをアピールする新作について、そしてファッションについてボーカルのアレックス・カプラノス(Alex Kapranos)に話を聞いた。――4年ぶりとなる新作ですが、昨年はSummer Sonicで来日したり、各地のフェスにも積極的に参加していました。昨年の時点で、もうアルバムは完成していたのでしょうか?いや、まだだったね。でも、レコーディングが済んでいた曲がいくつかあって、確かサマソニでは「Right Action」を演奏したと思うよ。僕らは曲が完成してからライブで演奏するので、ステージで試しながら完成に持っていくということはやらない。ただ、ライブをすることで、実際にスタジオに入って演奏する際にエッジが立つというか。例えて言うなら、猫を飼っていたとすると、家の中で飼っている猫よりも外で他の猫とケンカしたり、いちゃついたりする猫の方が爪が研ぎ澄まれているじゃない?それと一緒かも(笑)――前作はテンポの良さやノリというよりも、重心をしっかりと置いて作りこんだ曲が多かったように感じます。しかし、新作はそこにデビューした頃のノリが加えられたというか、バランスが取れている気がします。前作でサウンド作りやレコーディングについて学んだことが多かったんだ。今回の新作にもちろん生かされているよ。同時にソングライティングに関して言うと、前作よりも初期の方が良かったと思うし、今回のアルバムを作るにあたって、僕らは納得するまで曲を磨き上げて、それからスタジオに入ったんだ。だからだろうね。――それでいて70年代のアナログ感のあるダンスミュージックの要素もありますね。制作時にはもちろんリリースされていませんが、たとえばダフトパンク(Daft Punk)の新作とはとても共振すると感じたのですが。うん、確かに通じるところはあるかな……それは何かというと、現代にはびこっているコンピューターを多用した音楽への抵抗だと思う。僕らは自分達のことを、ずっとダンスバンドだと思っているし、それをロックというフォーマットで表現してきた。70年代のアナログ機材やレコーディング手法に固執せずに、新しいテクノロジーも柔軟に取り入れながらやってきたけれど、そのバランス具合はとても重要なんだ。テクノロジーばかりが先行して人間味がなくなると、凄くつまらないものになってしまうからね。――プロツールス(Pro Tools、オーディオ制作プラットフォーム)によって、デスクトップ上で作業できるようになったのも功罪があることは常々思っていたことです。Pro Toolsの誕生によって作業が早まったり、音がクリアになったということは良いことだと思う。ただ、その反面、修正することも簡単になってしまったよね。僕は、そこに納得していない。2年前にシチズンズ(Citizens!)のアルバムをプロデュースした時から「修正禁止」というルールを自分に課したんだ。音の波形データとにらめっこしながら、ほんのわずかなズレを見つけては1クリックで修正してしまう。個性なんて、生まれるはずもないよね。表情もない。雑誌の表紙を飾るモデルの写真をフォトショップで修正するようなもんだよ。あれって、逆に凄く不自然だよね。――ホット・チップ(Hot Chip)のアレクシス・テイラー(Alexis Taylor)とジョー・ゴダード(Joe Goddard)、それにトッド・テリエ(Todd Terje)とコラボレーションしたのは、彼らが同じ考えを持っているからでしょうか?そうだよ、彼らが作るのは、人間味があふれているダンスミュージックだ。ソウルも感じるしね。EDM(エレクトロニック・ダンスミュージック)なんて、整形したダンスミュージックだよ(笑)。ほんとにつまらないし、退屈だ。トッドもホット・チップも、クラフトワーク(Kraftwerk)が証明したエレクトロミュージックでも人間の感情を豊かに表現できるということを、同じようにやっている。彼らの音楽は、まったく薄っぺらくないよ。――なるほど。それではここからはファッションに関する質問をさせてください。好きなブランドは?ポール・スミス(Paul Smith)かな。今はアレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)のシャツを着ているよ。サイケな柄が気に入っていてね。――デザイナーでは?エディ・スリマン(Hedi Slimane)だね。彼は重要なデザイナーであり、僕の友達でもある。非常にクリエーティブだし、ロックなデザイナーだよね。――ということは、エディに写真を撮ってもらったこともあるんですよね?うん、何回かあるよ。今回のショーには行けなかったけれど、前回はバンドで演奏したりもしたしね。エディって、ファッション界の常識をものともしないから、高い創造性を保てていると思うんだ。音楽も同じで歴史を認識するのは大切だけれど、新しいものを作っていくのならば壊していかないといけないからね。その点でも彼をリスペクトするし、共感もするよ。――あなたが服を選ぶ際の基準は?一生着続けるつもりで、いつも服を選ぶんだ。14歳の時に買ったシャツを今でも着ているよ。――今はロンドンとスコットランドの半々の暮らしということですが、お気に入りのお店はどちらに多いですか?ロンドンで買うことが多いかな。やっぱりお店が多いしね。行きつけはデパートのリバティ(Liberty)なんだ。建物がクラシカルで好きだから。リバティに行くと買い物もできるし、クラシカルな建築も見れるし、どっちも満足できるからね(笑)第一次世界大戦の引き金となったサラエボ事件で暗殺されたオーストリア皇太子の名前をバンド名にしたフランツ・フェルディナンドは、2001年にグラスゴーで結成。ロンドンのインディ・レーベル、ドミノ(Domino)より2003年にシングル「ダーツ・オブ・プレジャー(Darts of Pleasure)」をリリースしてデビューを果たした。70年代末から80年代初頭のポストパンク期に通じる、ダンサンブルなリズムとシャープなギターリフが同居したキャッチーなサウンドが新鮮かつ個性的。セルフタイトルのデビューアルバムは最も権威のある英国の音楽賞、ブリット・アワードとマーキュリー・プライズで栄冠に輝いた。日本ではフジロックのグリーン・ステージでのヘッドライナー、日本武道館公演を早々と実現させ、ウォークマンやトヨタ、iPod touchのテレビCMにも起用されている。イギリスのインディ・ロックバンドとしては破格の人気ぶりで、オアシス(Oasis)解散後、最も支持される英バンドの一つと言える。11月には来日公演も予定。【イベント情報】「Franz Ferdinand Japan Tour 2013」場所:11月19・20日東京・ZEPP TOKYO、11月22日大阪・ZEPP Namba時間:各日18:00開場19:00開演料金:1階スタンディング前売り7,000円(ドリンク代別)、2階指定席前売り7,000円(ドリンク代別)
2013年08月26日ロックバンドのカフカとT.S.R.T.S.が2マンライブツアーを行う事が決定した。【公演情報はこちら】カフカは2008年から活動している3ピースバンド。叙情的なメロディーと鋭いリリックが人気で、これまでに3枚のアルバムをリリース。8月1日(水)にはバンド初のミニアルバムとなる「空を継ぐものたち」をリリースする。T.S.R.T.S.は今年の3月に解散したserial TV dramaの鴇崎智史、稲増五生、岡田翔太朗の3人がベーシストのカワイリエを加えて結成したバンド。7月18日に発売したタワーレコード限定発売のミニアルバム「CAMP」が初の音源となる。この2バンドによる「T.S.R.T.S『CAMP』/ カフカ 『空を継ぐものたち』RELEASE 2-MAN」ツアーが8月10日(金)Shibuya O-Crestよりスタート。それぞれのファンにとっても互いのバンドを知る良い機会になりそうなこの2マンツアー、興味のある方はチェックを。チケットは発売中。■「T.S.R.T.S『CAMP』/ カフカ 『空を継ぐものたち』RELEASE 2-MAN」8月10日(金) Shibuya O-Crest(東京都)open/start 18:30/19:008月30日(木) 名古屋 ell SIZE(愛知県)open/start 18:30/19:008月31日(金) 大阪LIVE SQUARE 2nd LINE(大阪府)open/start 18:30/19:00料金3,000円(D代別・オールスタンディング)
2012年07月25日村上春樹のベストセラー小説『海辺のカフカ』を演出家・蜷川幸雄が舞台化。5月3日の初日を迎えた彩の国さいたま芸術劇場は、世界に名を轟かせる両者のタッグ、さらに映画『誰も知らない』で衝撃的デビューを果たした、主演の柳楽優弥の初舞台に期待をかける観客で賑わった。『海辺のカフカ』チケット情報脚本はアメリカ人脚本家フランク・ギャラティが手がけ、2008年にシカゴで上演したものを使用。長年の村上文学ファンであるという蜷川も「非常によくまとめられている」と感心したそうだが、それだけに原作を損なわずに演劇に昇華させることに苦心し、巨匠にして危機感を伴う挑戦だったようだ。「メタファーで綴られた繊細な村上文学の世界を、あえて真逆の具体的なビジュアルを並べることで、多面的に立ち上げていく」。稽古場でそう語っていた蜷川の賭けの答えが、初日の舞台上に鮮やかに現れていた。「世界でいちばんタフな15歳の少年になる」ためにカフカ少年(柳楽)は家を出る。旅路で出会う商店街の看板や自動販売機、公衆トイレ、夜行バスなどの猥雑なノイズを想起させるアイテムたち、またカフカが行き着く図書館の整然とした書架などが、すべて黒枠のボックスに入って舞台に現れ、流れ過ぎていく。並行して描かれる、猫と会話ができる不思議な老人・ナカタ(木場勝己)の物語も同様で、ナカタが猫と語らう公園や、謎の人物ジョニー・ウォーカーの家、トラックなどがボックスに収められ、ほとんどの芝居がその中で進行。観客は展示物をひとつひとつ眺めるようにして、現実と非現実が錯綜するカフカとナカタの不安定な旅に誘われる。またピンライトの雨のような美しい照明効果が、カフカ少年の純粋な迷いを感じさせて印象深い。翻訳台本のセリフが、ほぼ原作小説での表現に沿っている点も難関だったであろうと想像するが、キャスト陣が健闘を見せた。柳楽は初舞台のぎこちなさはあれど、その心もとない表情がカフカ少年そのもので、原作にある「砂嵐を通り過ぎる」体験をまさに実践しているひたむきさが胸を打つ。多感なカフカを惑わせながらも安堵をもたらす女性さくらを、佐藤江梨子が小気味よく演じていて、ふたりのコントラストが愉快。飄々としたたたずまいから匂い立つ木場の巧さ、図書館の責任者・佐伯を演じる田中裕子の、浮遊感のある幻想的な立ち姿に惹きつけられる。図書館司書の大島を演じる長谷川博己は、人間味の薄い中性的な透明感をただよわせて面白い存在だ。15歳の少年が傷を受け、癒され、変化する成長潭を立体化した舞台は、ささやかな胸の痛みの余韻を残す。原作小説ファンにもぜひ踏み込んでもらいたい、新たな刺激を含んだ村上ワールドだ。公演は同劇場にて5月20日(日)まで上演。その後、大阪・イオン化粧品シアターBRAVA!にて6月21日(木)から24日(日)まで上演される。チケットはいずれも発売中。取材・文:上野紀子
2012年05月07日オーストリア・ハプスブルク帝国皇后、エリザベートの生涯を描いたミュージカル『エリザベート』。今年、その夫である皇帝フランツ・ヨーゼフに扮するのは、2004年から本作に出演している石川禅と、今回初参加する岡田浩暉のふたりだ。エリザベートを誘惑しハプスブルク家を破滅へ誘う“トート(死)”と対立、作品の要となる存在のフランツ。「大変な役」だと口を揃える彼らに今の心境を訊いた。『エリザベート』チケット情報はこちら20世紀初頭まで生きた実在の人物であるフランツ。だが石川は「ドレスのお姫様の夫、という存在はなかなか肌に伝わってこなくて。徳川家康とか織田信長とかならまだわかるんですが(笑)。自分との接点がなくて大変なんですよ」と演じる上での苦労を語る。岡田も「資料を読んだりしても、なかなか捉えどころのない人で、しかもその捉えどころのなさが皇帝フランツの大きな部分を占めている。観客として観ている時も、難しい役だな、禅さんすげぇな、と思っていました。だからこの役のオファーが来たときも、手放しの嬉しさというより『エリザベート』という作品と自分は相撲をとるんだ、って気持ちでしたね」と緊張が先に立ったそうだ。そんな岡田に石川は「浩暉君の戸惑い、わかります。僕、シェーンブルン宮殿でフランツ専用の便器を見た時に、“あ、この人も生きていたんだ”って思ったの(笑)。そこから彼が夢の世界の人間じゃなくなった」と自らが辿ったエピソードを披露。「フランツって、何もしなかったらしないで成立してしまうけど、それだと何も表現しないことになる。禅さんがおっしゃるようにそこに人間っぽさを加えていけば、僕のフランツが出来るのかな……」という岡田は、自らのフランツ像については「僕は禅さんほど器用ではないので、“動かない”方向になるかな」。これに対し経験者・石川は「多くの縛りがある皇帝という立場で、様々なものを背負ってフランツは立っているんです。そうするとどうしても動けなくなる。だから浩暉君はしっかりフランツを受け止めている。そんな彼を見て、僕も自分が初めて演じた時のことを思い出して、こういう気持ちを忘れちゃいかんぞって思うんです」とこちらも気を引き締める。『エリザベート』は日本でも、今回の上演中に公演回数1000回を迎えるほどの大ヒットとなっている作品。定番と言ってもいい存在だが、今年は作品に向かう気持ちが、例年とは少し異なるそうだ。「3.11の震災以降、日本では大変なことが起こっている。これはもう動乱と言ってもいい。演出の小池修一郎さんが、今の現状は、エリザベートが生きたハプスブルク家の動乱の時代とリンクすると話していましたが、それはその通りで、この経験は少なからず反映されると思います」(石川)、「そしてこの話がその動乱の時代の中でエリザベートが自らの意思で自立していく話なら、フランツは逆に“混沌の時代”の象徴ですよね。そこを意識したい」(岡田)。2012年ならではの『エリザベート』、気合いも新たにベテラン俳優ふたりが挑む皇帝像に注目したい。公演は5月9日(水)に東京・帝国劇場で開幕。チケットは発売中。
2012年04月18日野田秀樹の作・演出の舞台『THE BEE』(English Version)では、妻子を人質に取られたサラリーマン井戸を演じ、その高い演技力で日本の演劇ファンを魅了した英国の女優キャサリン・ハンター。彼女のひとり舞台『カフカの猿』が5月に東京・シアタートラムで上演される。2009年にロンドン・ヤングヴィック劇場での初演以来、世界中で大人気の話題作が東京で初演されるに際し、ハンターが現在の心境を語った。『カフカの猿』チケット情報本作は、フランツ・カフカの『ある学会報告』(1917年執筆・発表)をモチーフに、『THE BEE』の共同脚本家でも知られるコリン・ティーバンが脚色を担当。物語はチンパンジーから人間になった“赤いピーター”が、学会で猿から人間になる旅路について話をするところから始まる。人間に撃たれた猿が、檻に入れられ閉じ込められ恐怖を味わい、檻から出ようとする。猿は檻の外にいる人間を観察し、やがて唾を吐いたり、タバコを吸ったり、酒を飲んだりと人間の真似をはじめた。さらに人間の言葉まで話し出した。すると人々は猿を調教しようと考え、猿は有能なパフォーマーになろうと決心する。ハンターはカフカの小説を10代の時に初めて読んで「すごく面白かった」そうで、「演出家は、女優に猿の役を頼むのは失礼にあたるんじゃないかという気持ちがあったようですが、私は内心とても喜びました。それはチャレンジングな体験なのですから」と楽しそうに話す。ロンドンで上演した時の観客の反応は「外からの視点(移民)でこの劇を解釈した」とロンドンが移民の街であるがゆえの反応だったと分析。新しい国にやってきて言語や習慣を学び、家族や属してきた社会を残して新しい世界に入っていく様が、“ピーター”と同じであると。(移民の国ではない)日本で上演された場合は「進歩、進化の話として受け取られるかもしれないと思う」と語る。「人間になることを学ぶプロセスが語られてはいるが、同時に人間がいかに暴力的であるかを暗示する物語でもあります。人間は権力に固執し、破壊的な存在でもある。“ピーター”は学会の報告会でひとつ興味深い質問をします。『進化に伴う代償は何なのか?』」。ハンターはこの質問はとても重要であると語る。グローバルな社会でコミュニケーションの方法が多様化した現代において、それに伴う代償は何なのかと問う。だからこそ「生きた経験を提供する劇場という場が大切」なのだと話す。テキストはカフカの小説をそのまま使うそうだが、一部ティーバンが足した箇所があるという。“ピーター”がジャーナリストに対して語る言葉だ。「基本的にボクは孤独なんだ。私の匂いをかいでごらん、猿の匂いも、人間の匂いもしない。一体自分は何者なんだ」。ハンターいわく“これは記憶の物語”なのだと。公演は5月2日(水)から6日(日)まで東京・シアタートラムにて開催。チケットは発売中。
2012年03月19日夏恒例の都市型フェス「SUMMER SONIC 2012」の第2弾出演アーティストが発表された。発表によると、サマソニ初登場の大物2組、ジャミロクワイとフランツ・フェルディナンドの出演が決定。そのほか、マイアミ出身のパーティ・ラッパー、ピットブル、昨年ブレイクしたUSの新人フォスター・ザ・ピープル、昨年インディ・ロックシーンを席捲したUKのホープ、ザ・ヴァクシーンズ、UK注目の新人カインドネスなど計6組の出演が決定した。「SUMMER SONIC 2012」は、8月18日(土)・19日(日)にQVCマリンフィールド&幕張メッセ、舞洲サマーソニック大阪特設会場にて開催。チケットの一般発売は6月2日(土)午前10時より。★以下のリンクより「SUMMER SONIC」をお気に入り登録して、チケット情報をGETしよう!
2012年02月29日女優、穂のかが3月6日(土)に東京・ルテアトル銀座で初日を迎える英国の鬼才スティーブン・バーコフ脚本・演出の舞台「変身」で初舞台を踏む。直前の通し稽古後、インタビューに応じ「苦しくて幸せ」と葛藤する言葉を口にしながらも、表情は生き生きとしている。ある朝、突然大きな虫に変わっていた青年グレゴール・ザムザと家族が不条理な運命に翻弄されながら変わっていく顛末を描く舞台で、フランツ・カフカのシニカルで不条理な名作小説を18年ぶりに日本で舞台化する話題作。穂のかさんは主演の森山未來扮するグレゴールを慕う妹・グレタという重要な役どころだ。昨年6月に公開された、ハリウッドの人気俳優ダニー・グローバーがエグゼクティブ・プロデューサーを務めた日本、米国、韓国合作映画『The Harimaya Bridge はりまや橋』のキーパーソンとなる女子高生役で女優デビュー。同10月公開の日本、カナダ合作映画『アンを探して』で初主演。続く3作目で舞台デビューを飾る順調なキャリア展開に、当の本人こそビックリだった。「舞台はいつか絶対やりたいと思っていたので、昨年末にマネージャーから『舞台の話が来たよ』と言われ、演出家が英国人!主演が舞台で活躍し続けている森山さん!ステキ!と思って(オファーを)喜んで受けました。でも劇場のキャパが800席、演出家は鬼才でコワイ、約2か月間で全国を回る…周りからは『これが初舞台だなんて大変だね』って言われて、あれ?何か大変なことになっている?と」。舞台用のボイストレーニングなどを経て2月から稽古に入り、近い関係者も驚くほど引き締まってほっそりした体つきに“変身”した。何キロか痩せたか?と尋ねると、キョトンとした顔つきで「頭の中がこの舞台のことでいっぱい」と照れる。「家に帰ると知らないうちに寝ている毎日で、気がつくと明け方の4時とか。時間、曜日の感覚がない。こんなにひとつのことに熱中、没頭するのは初めて。快感でもあります(笑)」。引き締まった体にはメンタル面での変化も表れている様子。「今年の抱負は『何回も死ぬ』…脱皮したいという意味で。この仕事を始めたばかりでこの年齢ですし、苦労は買ってでもしたい、と。でも、この稽古で追いつめられて、途中から稽古場へ向かう電車から降りたくない…って。贅沢な初舞台だと分かっているのにすごく大変でプレッシャーがあって。みなさんに『こうした方がいい』って言われて有り難いのに思うようにできなくて。でも、一時期追いつめられたときより気持ちの整理がつきました。ちょっと、打たれ強くなったみたい。つらいし苦しい。でも私はこれをやりたいと思うんです。苦しくて幸せ(笑)」。変化のきっかけのひとつは“お兄ちゃん”こと森山さん。いい影響を受けている。「兄さんを見ていて、自分が中途半端で生ぬるいと気づくことができました。本気になっていないつもりではなかったんですけど、私、もっと本気を出せるんだって。森山さんと出会えたことは、人生の中で大きな出来事になりそうです」。さらに、バーコフ流演出が大きな刺激材料だ。スタンリー・キューブリック監督の『時計じかけのオレンジ』など映画の悪役でも知られる俳優で世界的演出家のバーコフ氏は、コワイといううわさがあったそうだが…。「最初にお会いしたとき、72歳になられてニコニコしていてチェックのズボンをはかれているし優しそう、と思ったら、『拷問の時間の始まりだ』と言われて、次の日からその通りで。厳しさはプロフェショナルゆえで、おっしゃっていることは的確。お年を召されてあれだけパワフルなのは凄いです。でも口が悪い悪い(笑)。バーコフさんの言葉は通訳さんを通して伝えられますが、私は(小学生の頃に約2年半、米国留学経験もあり)英語が分かる。バーコフと通訳さんの言葉で2回怒られた気分になることも(苦笑)。一度、『それじゃダメだ!そんな演技はケイト・ウィンスレットみたいだ!』と言われて、私としては嬉しかったんですけど(笑)」。稽古場にいたバーコフ氏は穂のかさんについて尋ねると、ニヤリとして冗談まじりに太鼓判を押した。「感受性が高くて役にどんどん入っている。日に日に良くなっているよ。ウソ八百だけど」。デビュー2年目、これからどんな変身を遂げたい?「ポン!と変わるのではなく、ちょっとずつ確実に皮が剥けていくように変身していきたい。観た人の心に余韻を残せる女優になりたい」。ところで父親の石橋貴明さんには、前2作のときと同じく事後報告だったとか?「年明けに一度会ったときに。励ましの言葉?いただいてないです。父と娘の枠内の関係ではありますが、仕事の面では仕事の先輩として敬意はあっても、いろいろな意味で関係ない。というかいまは『見て』というより『頑張っているのでノータッチ』で、という気持ち。きっと経験を積んで胸を張れるようになったら、何か言えるようになるのかな、と思います」。舞台漬けの数か月後、アノ父もビックリの変身ぶりを見せてくれそうだ。(photo/text:Yoko Saito)カフカの「変身」公演日程:3月6日(土)〜3月22日(月・祝)場所:ルテアトル銀座公演情報:■関連作品:The Harimaya Bridge はりまや橋 2009年6月6日よりTOHOシネマズ高知にて先行公開、6月13日より新宿バルト9ほか全国にて公開© Harimaya Bridge,LLPアンを探して 2009年10月31日よりシネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開© 2009 Zuno Filmsグランジュテ■関連記事:“石橋貴明の娘”からの脱却が試される?穂のか、単身海外で挑んだ初主演作が公開国境を越えて分かり合いたい…日米韓合作『はりまや橋』試写会に50組100名様ご招待高知の文化を世界に発信!『はりまや橋』監督が高知県知事を表敬訪問
2010年03月05日