多摩フィルハルモニア協会主催、多摩フィルハルモニア協会創立20周年記念(演奏会形式上演) 「プッチーニ没後100年記念歌劇『ラ・ボエーム』」が2024年2月23日 (金・祝)にたましんRISURUホール大ホール(東京都立川市錦町3丁目3番20号)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ プッチーニのオペラ上演でポーランド、オランダ、ブルガリア、日本で高い評価を得ている音楽監督・今村 能。ポーランド・ポ ズナン歌劇場指揮者:今村 能の指揮の下、プッチーニ没後100年、協会20周年に満を持して「ラ・ボエーム」に取り組む。団体概要音楽監督 今村 能は 23歳でベルリン・フィルを指揮、カラヤンに師事し、マエストロからは「日本のムーティ」と呼ばれた。26歳の時ミラノ・スカラ座でスカラ座フィルを指揮。近年もスカラ座首席奏者と共演し、トスカーナの音楽祭で開幕コンサートを指揮し、スカラ座メンバーからも称賛されるなど、イタリアでの評価も高い。多摩フィルハルモニア協会は2004年、「イタリア・オペラ・ガラ・コンサート」で第1回定期演奏会を財団法人立川市地域文化振興財団の共催を得て、立川市市民会館で開催。当時ポーランド国立歌劇場常任指揮者であった今村 能が音楽監督・常任指揮者に就任、独唱に牧野正人氏を迎え、国立音楽大学、国立音楽大学オペラ研究会の協力と立川市、立川市教育委員会の後援や多摩都市 モノレール等多くの企業の協賛、協力を得てスタート。立川市民も合唱に参加。後にコンサートマスターとして、バイエルン国立歌劇場、エッシェンバッハ音楽監督を務めるドイツのオーケストラ、東京交響楽団コンマスを務めた西田 博氏が就任。第2回の定期演奏会でもオペラを取り上げ、2012年にはヴェルディの歌劇「ナブッコ」演奏会形式上演。藤原歌劇団や東京二期会の名歌手達との共演で好評を得る。更に日本・ポーランド国交樹立 100周年記念の 2019年には、ポーランド・オペラの父・モニューシュコの歌劇「幽霊屋敷」を演奏会形式で上演。原語ポーランド語日本初演を行い、「100年単位で語られるべき快挙」との評価を得る。合唱の多摩フィルハルモニア合唱団と東大和少年少女合唱団は、行脚合唱団・岡本敏明先生の弟子達が運営を支えている。管弦楽団 フィルハルモニア多摩から育った多くの奏者達は、日本を代表する全国のプロオケでも活躍している。公演概要多摩フィルハルモニア協会創立20周年記念(演奏会形式上演)「プッチーニ没後100年記念歌劇『ラ・ボエーム』」公演期間:2024年2月23日 (金・祝)会場:たましんRISURUホール大ホール(東京都立川市錦町3丁目3番20号)■出演者・スタッフ音楽監督・指揮:今村 能ミミ:田島秀美ロドルフォ:松原 陸ムゼッタ:田井友香マルチェッロ:西 励央ショナール:森川知也コッリーネ:安藤善克ベノア:鹿野由之アルチンドロ:鈴木淑博パルピニョール:石福敏伸管弦楽:フィルハルモニア多摩合唱:多摩フィルハルモニア合唱団/東大和少年少女合唱団合唱指揮:湯田佳寿美、鈴木 睦ピアノ伴奏:岩上恵理加、熊谷冬美、小松 桃、湯田亜希、川端夢衣、廣田真理子発声指導:小谷悠実、石福敏伸、湯田佳寿美■公演スケジュール2024年2月23日(金・祝)14:00開演13:00開場■チケット料金一般:5,000円学生:1,000 円(全席指定・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年01月31日東京・初台の新国立劇場のオペラ2023/24シーズンが10月1日(日)に幕を開ける。プッチーニ《修道女アンジェリカ》とラヴェル《子ども魔法》のダブルビル(2本立て上演)。9月初旬、この開幕公演を指揮する沼尻竜典に抱負を聞いた。「開幕公演だということに気づいてなくて。最近になってそれを認識して、なかなか緊張しております(笑)。私自身、フルの舞台形式のオペラの新制作を指揮するのは久々です。コロナ禍では密を避けるためオーケストラをステージに上げることが多く、私が今年3月まで16年間芸術監督を務めたびわ湖ホールも、この3年間はセミステージ形式の上演になっていましたから。《修道女アンジェリカ》と《子ども魔法》はどちらも上演時間1時間足らずの短いオペラ。作曲家は長いオペラとは少し違った姿勢で書いていて、ある種、箱庭づくりみたいなところがあるんですね。短い時間の中に、自分の持ち味、最上のエッセンスを注ぎ込んでいく。それが短いオペラを書く醍醐味だと思います。だから両作品とも、“これまで培ったものを全部込めました”的なところがある。《子どもと魔法》の3拍子のワルツで《ラ・ヴァルス》が聴こえてきたり、《アンジェリカ》で《トスカ》第2幕と同じ和声が聴こえてきたりすると、ファンは、『あっ、これは!』とたまらないわけです。アラカン世代限定のネタですが、キャンディーズの『微笑みがえし』を聴く喜びみたいなね(*)。音楽的にも、プッチーニのモダンな和声感と、ラヴェルのそれにはとても共通点があるんです。ちょっと専門的になりますけど、六の和音をずらして使っていくとか。六の和音っていうのは、たとえばドミラ。それをドミラ→シレソ→ラドファ→ソシミとずらして使っていく。そういう、同じ和声テクニックを使っている箇所があるんですね。そんなことからも、この2つの作品が同じ年代のものだとわかります」(*)昭和のアイドル・グループ、キャンディーズのラスト・シングル『微笑みがえし』(1978年2月リリース)の歌詞には、過去の楽曲のタイトルが散りばめられている。アンジェリカ役にはキアーラ・イゾットン、《子どもと魔法》の子ども役にはクロエ・ブリオ。世界が注目する二人のソプラノの名花が出演する。「私はふたりとも初共演ですが、ふたりとも本当に素晴らしい歌手です。主役のふたり以外も、すごく贅沢なキャストです。たとえば、《アンジェリカ》のオスミーナは歌うところが少ないのに、8月に日本各地を回るグランドオペラin Japanで《蝶々夫人》の主役を歌っていた伊藤晴さんが演ずるのですから。《子どもと魔法》のほうでは、齊藤純子さんのお母さん役はピッタリ。安楽椅子などを歌う盛田麻央さんはフランスで勉強した人で、フランス語もめちゃくちゃ上手です。青地英幸さんが演ずる蛙も、ベテランならではの味わいがいいですね。出演者が多いオペラですが、主役や準主役ができるような人たちがずらっとキャスティングされている。けっしてヨイショするわけではないですが、さすが新国立劇場です」演出・粟國淳、芸術監督・大野和士との厚い信頼新国立劇場の現在の「ダブルビル枠」は、大野和士オペラ芸術監督が2018年の就任時に、劇場のレパートリー拡充のために打ち立てた上演計画の一環で、2019年4月のツェムリンスキー《フィレンツェの悲劇》とプッチーニ《ジャンニ・スキッキ》でスタート。その公演の指揮を委ねられたのも沼尻だった。「古くはダブルビルといえば、《道化師》と《カヴァレリア・ルスティカーナ》が定番でした。大野さんは、意外性のある組み合わせを考えてくださった。前回の《フィレンツェの悲劇》と《ジャンニ・スキッキ》もなかなかレアでしたけど、今回のダブルビルは、世界的に見ても珍しいんじゃないでしょうか。大野さんが次を考えてらっしゃるかどうかは知らないけれど、プッチーニの三部作、《外套》《修道女アンジェリカ》《ジャンニ・スキッキ》をあえて一晩にまとめずバラして、そこに近代の作品を組み合わせるというスタイルですね。今回の2作品は、大劇場ではあまりやらないかもしれないけれども、音大出身者には親しみのある演目かもしれません。《修道女アンジェリカ》は(合唱以外の)登場人物がすべて女声。音楽大学は女性が多いから、よく学内オペラ公演で取り上げられます。《子どもと魔法》も、出演者が多いので大勢が出る学生の公演には都合がいい。そういうこともあって、双方とも意外と上演回数があると思います」演出家・粟國淳とのコンビでの上演。これまで何度も協働を重ね、厚い信頼を寄せ合うふたりだ。「日生劇場やびわ湖ホールでも長年ご一緒してきましたけれども、粟國さんは絶対に変なことをしない。変なことというのは、たとえば修道院がいきなり精神病院になっているとかですね。今、読み替えで注目を狙うような演出が、ドイツを中心に流行ってしまって。作品自体の魅力を引き出すより演出家のアイディアを見せようとするみたいなね。読み替えが全部ダメとは言いたくないけど、つじつまの合わない読み替えも多いんです。粟國さんは常に王道を行く演出で、音楽に沿って、作曲家や作品をリスペクトするのが基本だから、ストレスがまったくないんです。歌手たちも安心して歌えると思いますね。歌っている言葉と動作が一致しているし、アリアを1曲まるまる寝っ転がって歌えとかいう無理も絶対にさせない。そしてやっぱりイタリア育ちなので、日本よりも濃い海や空の色を見ていたのでしょう。普通の日本人にはない色彩感をお持ちです。宗教的シーンも自然に作れますね。たとえば、修道女といったって、われわれ日本人はなかなかピンとこないけど、彼は当然イメージを持っている。もちろんイタリア語は母国語のようなものなので、たぶん考えごとはイタリア語でしているんじゃないでしょうか。音楽的にもいろいろ助けてもらっています」5学年上の大野和士芸術監督とは長い付き合いがある。「ずっと前ですけど、質問したいことがあってスコアを持って訪ねて行ったらインタビューの最中で、『質問に来た後輩』として写真に撮られ、一緒に雑誌に掲載されてしまいました(笑)。僕は学生時代の大野さんが指揮するのも見ているんですよ。自分がまだ高校生の頃で、当時私がアルバイトでたまにピアノを弾いていた、長門美保歌劇団の公演でした。メノッティの《泥棒とオールドミス》だったと思います。そんな頃からずっと背中を追ってきた。追い切れてないですけどね。彼が尊敬していたヴォルフガング・サヴァリッシュは僕も大好きな指揮者だったので、ミュンヘンでもお会いしています。そういえば、大野さんと同じ週に、ミュンヘンの歌劇場で指揮したこともあるんですよ」いまや日本のオペラ界を担う第一人者として活躍するふたり。40年来の指揮者仲間に託した、芸術監督肝いりのダブルビル公演なのだ。見逃せるはずがない。この取材後に始まった稽古もいよいよ佳境。開幕はまもなくだ。取材・文:宮本明撮影:石阪大輔ジャコモ・プッチーニ修道女アンジェリカモーリス・ラヴェル子どもと魔法■チケット情報月1日(日) 14:0010月4日(水) 19:0010月7日(土) 14:0010月9日(月・祝) 14:00新国立劇場オペラパレス
2023年09月20日ジャコモ・プッチーニの名作『ラ・ボエーム』が6月28日(水)から新国立劇場オペラパレスで上演される。本作を心から愛する芸術監督の大野和士が指揮を務める。『ラ・ボエーム』は、19世紀パリを舞台に、詩人ロドルフォとお針子ミミのはかない愛、そして明日の成功を夢見る若き芸術家たちの貧しくも自由な生活を描いた作品。「冷たき手を」「私の名はミミ」などのアリアが有名で、今回の上演は粟國淳が演出を担当。丁寧な心理描写で若者たちの夢と挫折の世界を対比し、感動を誘う。ヒロインのミミ役をボローニャ歌劇場の同役も絶賛されたアレッサンドラ・マリアネッリ、ムゼッタ役をヴァレンティーナ・マストランジェロが務め、ミミの恋人ロドルフォをメトロポリタン歌劇場やウィーン国立歌劇場などで活躍中のスティーヴン・コステロが、ムゼッタの恋人マルチェッロを須藤慎吾が、ボヘミアン仲間のショナールを駒田敏章が演じる。大野和士は2018年から新国立劇場オペラ芸術監督を務めており、「新しい時代の狼煙を上げたい」と自ら指揮にあたって愛され続ける名作に挑む。公演は6月28日(水)に開幕。新国立劇場オペラで初めて有料ライブ配信も実施される。新国立劇場 開場25周年記念公演ジャコモ・プッチーニ『ラ・ボエーム』全4幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉6月28日(水) 19時6月30日(金) 14時7月2日(日) 14時7月5日(水) 14時7月8日(土) 14時新国立劇場 オペラパレス※予定上演時間 2時間50分指揮大野和士演出粟國 淳合唱新国立劇場合唱団児童合唱TOKYO FM 少年合唱団管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団ミミアレッサンドラ・マリアネッリロドルフォスティーヴン・コステロマルチェッロ須藤慎吾ムゼッタヴァレンティーナ・マストランジェロショナール駒田敏章コッリーネフランチェスコ・レオーネべノア鹿野由之アルチンドロ晴雅彦パルピニョール寺田宗永■チケット情報●有料ライブ配信ライブ配信日:2023年7月2日(日) 14:00※終演後7月4日(火)23:59まで見逃し配信あり。見逃し配信ではライブ配信をそのまま再生。オンデマンド配信期間:2023年7月16日(日)10:00~8月12日(土)22:00まで
2023年04月13日YKOPERA企画主催『プッチーニ作曲オペラ「ラ・ボエーム」全4幕字幕付き原語上演』が2022年12月8日(木)に三鷹市芸術文化センター風のホール(東京都三鷹市)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 ⼤剛)にて6月20日(月)より発売開始です。カンフェティで6月20日(月)9:00よりチケット発売開始 公式ホームページ 毎年大好評のYKOPERA企画オペラ公演。今年は12月8日(木)三鷹市芸術文化センター風のホールにてプッチーニ作曲「ラ・ボエーム」全4幕の開催が決定しました。キャストには、テノール榛葉樹人、バリトン大石洋史、ソプラノ坂木陽子、ソプラノ平岩はるな、バリトン金子亮平ほか豪華メンバーが揃います。(左から)榛葉樹人、大石洋史、坂木陽子、平岩はるなボヘミアン達の切なく儚い青春物語をプッチーニの美しい音楽に乗せてお届けします。日本語字幕付きで分かりやすいオペラを、素晴らしい響きのホールでお楽しみください!あらすじ1830年代のパリ。詩人ロドルフォ、画家マルチェッロ、音楽家ショナール、哲学者コッリーネの若者4人は夢を追い求め貧しいながらも屋根裏部屋でユーモアあふれる共同生活をしていた。あるクリスマスイブの夜、一人部屋に残って仕事をしているロドルフォのもとへ近くの部屋に住むお針子ミミが訪れ二人は出会い、互いに心を寄せ合う。二人は仲間達が待つカフェ・モミュスに合流すると今度はマルチェッロの恋人ムゼッタも加わってボヘミアン達は賑やかなクリスマスイブを過ごす。やがてミミは持病が進行し、お金のない二人はお互いのために別れる決心をする。数か月後、衰弱したミミは死ぬ前にロドルフォに会いたいと囲われ先から逃げ出し、なんとか屋根裏部屋へたどり着くが既に瀕死の状態だった。仲間との再会を喜び、美しい思い出を語り合うミミとロドルフォ。しかし仲間たちの必死の看病もむなしくミミは静かに息を引き取る。-ボヘミアン達の切なく美しい青春の1ページ―昨年公演写真昨年公演写真公演概要YKOPERA企画『プッチーニ作曲オペラ「ラ・ボエーム」全4幕字幕付き原語上演公演日:2022年12月8日(木)18:00開場/18:30開演(20:30 終演予定)会場:三鷹市芸術文化センター風のホール(東京都三鷹市上連雀6-12-14)■出演者指揮: 澤木和彦 / ピアノ: 豊田華子 / ロドルフォ: 榛葉樹人 / ミミ: 坂木陽子 / マルチェッロ: 大石洋史 / ムゼッタ: 平岩はるな / ショナール: 金子亮平 / コッリーネ: 三輪直樹 / 佐藤允彦 / 青木貴義 / 山崎守 / 佐藤肇 / オペラアンサンブル花みずき / ほか■スタッフ古河範子 / 古屋直子 / ほか■チケット料金前売:3,500円(全席自由・税込)■団体概要YKOPERA企画「敷居が高い」と思われがちなオペラをもっと気軽に楽しんで欲しいという思いのもと指揮者をはじめキャスト、スタッフとともに様々な工夫を凝らし2017年より都内で年1~2回のオペラ公演を開催しております。日本語字幕付きでとても分かりやすく毎回多くのお客様にご好評頂いております。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年06月20日ルチアーノ・パヴァロッティとプラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスの3人のオペラ歌手の活動に迫ったドキュメンタリー映画『甦る三大テノール 永遠の歌声』より、本編冒頭映像が公開された。親友でもありながら最大のライバルである3人が集い“三大テノール”としての活動を始めて30年の節目となった2020年。本作『甦る三大テノール 永遠の歌声』は、17年間の軌跡、初めて明かされる世紀の競演のバックステージ秘蔵映像や、彼らを愛する人々の豪華インタビュー等で紡がれた作品となっている。リリースされた冒頭映像はパヴァロッティが自身の十八番であるプッチーニ作『誰も寝てはならぬ』を歌い上げるシーンから始まる。舞台は、三大テノールが初めて結集した1990年イタリア・カラカラ劇場で行われたサッカーワールドカップの前夜祭の特別ステージ。ホセ・カレーラスが「競演のきっかけはサッカーだった」と語るように、もともとはこのイベントのためだけに結成された“三大テノール”だったが、“パヴァロッティ、ドミンゴ 、カレーラス”というそれぞれ異なる声質と歌声を持った稀代のテノール歌手3人が声をあわせて熱唱するという姿が圧倒的な感動を呼び「数百万の新しいファンがオペラの世界に触れた」と言われるのほどのメモリアルなイベントとなる。オフショットのトレードマークでもある、スカーフを肩にかけてリラックスするパヴァロッティや、コンサート会場に集まった観客たちが最後、感動に極まりスタンディングオベーションする姿も。「圧倒的な体験だった」「あんな現象はもう2度と起こらないわ」と当時の関係者が後日その思い出を語るように、クラシック界の歴史を塗り替え、そしてオペラ人気に火をつけたと未だ語り継がれる“三大テノール”の様々な瞬間を切り取った冒頭シーンをぜひチェックしてほしい。『甦る三大テノール永遠の歌声』公開中
2021年01月15日イタリア・オペラの歴史に巨大な足跡を残した作曲家プッチーニの数多くの名作の中でも、ひときわ評価が高く愛され続けてきた作品『ラ・ボエーム』。19世紀のパリを舞台に、詩人ロドルフォとお針子ミミの儚い愛と、明日の成功を夢見る若き芸術家たちの貧しくも自由な生活を描いたこのオペラは、まさにクラシック史上屈指のラブストーリーだ。今回、新国立劇場で上演されるこの名作『ラ・ボエーム』には、圧巻の美貌と表現力、そして豊な声を持つソプラノ、ニーノ・マチャイゼが登場する他、辻井亜季穂(ソプラノ)にリッピ(テノール)など、期待の若手歌手も参加。名匠カリニャーニの指揮とともに要注目の舞台となりそうだ。パリの街を俯瞰するかのような粟國淳の演出と、「冷たき手を」「私の名はミミ」の名アリアに代表されるプッチーニの甘美な旋律が紡ぎだす素敵な時間をご堪能あれ。● ●公演概要1月24日(金)、26日(日)、28日(火)、31日(金)、2月2日(日)新国立劇場オペラハウス
2020年01月17日秋の音楽シーズン開幕の先陣を切って、9月初旬に東京二期会が一挙上演するプッチーニの三部作(《外套》《修道女アンジェリカ》《ジャンニ・スキッキ》)が、オペラ・ファンの注目を集めている。プレ・イベントとして、出演歌手たちによるミニ・ライヴ付きレクチャーが8月16日に東京・すみだパークギャラリーSASAYAで行われた。【チケット情報はコチラ】100席ほどの会場は熱心なファンでほぼ満席で、上演への関心の高さをうかがわせる。講師を務めたのは、公演では《外套》の流しの唄うたい役を演じるテノールの高田正人。明るい達者なトークと噛み砕いた内容で立派な講師ぶり。今回のプロダクションへの興味をいっそう掻き立てた。なにより、(歌手だから当然かもしれないけれど)声がいいので聞きやすい。講義内容は、前半がプッチーニの人と作品について、後半が今回の三部作上演についてという構成。多くのファンの興味は、やはり三部作だ。三部作は1918年にメトロポリタン歌劇場で初演されて、今年でちょうど100年目。プッチーニは3演目をまとめて上演することを前提にしているのだが、単純に考えると、舞台装置や衣裳、出演歌手の人数も3公演分になるわけで、上演費用の面からも、実際に三部作として上演される機会は少ない。しかし今回のような三部作一挙上演こそがプッチーニの思い描いた本来の上演形式なのだ。演出を手がけるのは鬼才ダミアーノ・ミキエレット。もともと3作品の間にはストーリーや音楽上の共通点はなく、各物語は時代も場所もばらばらだ。しかしミキエレットは、3作すべてを現代の物語として読み替え、ストーリー的にも共通点を見出して関連づけているという。高田によれば、キーワードは「(死んだ)子供」そして「母性と父性」。さらにもうひとつ三部作を関連づける仕掛けがあって、ヒントとしては、「(ジャンニ・スキッキで)ラウレッタのアリア《私のお父さん》を聞いて、父親ジャンニ・スキッキはなぜ心変わりしたのか」とのこと。三部作に通底するこれらのテーマを可視化するミキエレットの手腕は天才的だと、驚きを語った。ミニ・ライヴでは、高田のほか、公演でラウレッタ(ジャンニ・スキッキ)、ジェノヴィエッファ(修道女アンジェリカ)、恋人たち(外套)の三役を演じるソプラノの新垣有希子と、《外套》のルイージ役のカヴァー・キャストを務めているテノールの菅野敦が、三部作以外のナンバーも含めてプッチーニのアリアや二重唱を披露。間近で聴くオペラ歌手たちの迫力ある歌声に会場は湧いた(ピアノ=三澤志保)。東京二期会の「プッチーニ三部作」は、デンマーク王立歌劇場、アン・デア・ウィーン劇場との提携公演で、東京・初台の新国立劇場で、9月6日(木)、7日(金)、8日(土)、9日(日)の全4公演。取材・文:宮本明
2018年08月23日2月の二期会『トスカ』(プッチーニ)はローマ歌劇場との提携公演。1900年に同劇場で初演された際の舞台美術を忠実に再現した、大注目のプロダクションだ。公演に先がけ、演出のアレッサンドロ・タレヴィがその舞台づくりを語るイベントが催された(1月21日/東京・九段のイタリア文化会館アニェッリホール)。東京二期会オペラ劇場 G.プッチーニ『トスカ』 チケット情報タレヴィは南アフリカのヨハネスブルク生まれ。同地と、その後ロンドンのロイヤル・アカデミーで音楽を学び、2005年にロンドンのサドラーズウェルズ劇場で演出家デビュー以来、多くのオペラ賞を獲得している気鋭のクリエイターだ。今回の『トスカ』は、2015年3月にローマ歌劇場で新制作された舞台。イタリア国外に持ち出されるのはこれが初めて。上述のように、初演時の美術を再現しているのだが、それが可能だったのは、当時美術を担当したアドルフ・ホーエンシュタインの描いたスケッチが残っていたから。すべての幕の舞台装置はもちろん、衣裳についても、主役級だけでなく合唱まですべての役のスケッチが保存されており、そこには生地やボタンの素材などの細かい指示も書き込まれているのだという。タレヴィは言う。「長い年月の間に作られてきたさまざまな伝統を取り払うことができた」つまり、100年以上前の舞台に戻ることで、逆に新たに見えてきたものもあるのだという。例として挙げていたのが、豊かな色彩。たとえば第1幕の教会は、現代では荘厳に重々しく描かれるが、聖歌隊の衣裳を中心に、スケッチは軽やかな明るい光に溢れていた。タレヴィ自身、全員が衣裳を着けた最初の舞台稽古で、「まるで修復されたシスティーナ礼拝堂を見るようだ」と驚いたらしい。しかし、その明るさこそが、プッチーニの音楽にふさわしいという。オリジナルに戻ったのは美術だけではない。タレヴィは、プッチーニがスコアに細かく書き込んだト書も忠実に再現しようと試みたのだそう。100年の間に多くの歌手や演出家たちが無視するようになったト書も少なくなく、結果的に取捨選択はしたものの、プッチーニが舞台上の動きも実によく考えて作曲したことに、あらためて気づかされたという。私たちもまた、オペラ史に刻まれた名作の原風景を目の当たりにする機会になりそうだ。公演は2月15日(水)・16日(木)・18日(土)・19日(日)の4日間(15日(水)のみ18時30分開演、他は14時開演)。いずれも東京・上野の東京文化会館大ホールで。取材・文:宮本明
2017年02月02日3月9日(月)に幕を開ける新国立劇場のプッチーニ《マノン・レスコー》新制作上演。7日、舞台での最終通し稽古(ゲネプロ)がプレス公開された。新国立劇場オペラ「マノン・レスコー」のチケット情報この舞台は4年前の3月に東日本大震災で中止を余儀なくされたもの。その時とほぼ同じメンバーを再結集しての今回の上演には、出演者・スタッフも通常以上の思いがあるだろう。プッチーニ自身が「私に苦しみを与えなかった唯一のオペラ」と述べているように、彼の3作目のオペラ《マノン・レスコー》は初演から大成功を収め、オペラ作家としての出世作となった。主人公は18歳の美少女マノンと青年騎士デ・グリューのふたり。マノンは「金」や「恋」に依存しがちな気まぐれさも魅力の、魔性の女だ。物語はふたりの出会いから始まり、マノンに振り回される男たちと、その魔性によって最後は彼女自身も破滅していく悲劇を描く。そんな小悪魔を演じるのは、新国立劇場初登場の美貌のソプラノ、スヴェトラ・ヴァッシレヴァ。小顔でバランスのよいスタイルが舞台に映え、コケティッシュな魅力を振りまく。小柄ながらしっかりした芯のある声と迫真の演技で、終幕の有名なアリア「ただひとり、絶望し見捨てられて」の悲痛な叫びなど圧巻だ。デ・グリュー役のグスターヴォ・ポルタ(テノール)も、持ち前の強くて艶のある声を存分に響かせる。情熱的な歌唱は、たとえば第3幕終盤の短いがひときわ印象的な「見てください、僕は狂っている」の狂おしい心情にぴったりだし、終幕の二重唱では最高音のドもばっちり聴かせてくれた。白を基調に、具象を最小限に抑えたシンプルな舞台装置の中で、衣裳やメイクで登場人物の属性が示されている。マノンを妾にする金満家ジェロントの顔は白塗りだ(!)。気持ち悪い動作や歌い口と相まって老人のスケベ度を強調しているよう。演じる妻屋秀和(バス)の芸達者ぶりに拍手。マノンの兄レスコー役のダリボール・イェニスの二枚目のバリトンは、常に妹の幸せを優先して行動するレスコーの、ある意味の一途さにふさわしい。第1幕で学生とトランプに興じる彼のカード捌きも隠れた見どころ!デ・グリューの友人エドモンド役の望月哲也は、ほれぼれする美声で第1幕の若々しい雰囲気を盛り上げる。新国立劇場合唱団(合唱指揮:三澤洋史)の熱演とともに見逃せないポイントだ。上演時間は、第2幕後の休憩を含めて約2時間40分。21日(土・祝)までに5公演が行なわれる。文・宮本明
2015年03月09日