2016年より日本各地で巡回している、アメリカの絵本作家エドワード・ゴーリーの原画展『エドワード・ゴーリーの優雅な秘密』が、9月29日(日)から11月24日(日)まで練馬区立美術館にて開催される。『ギャシュリークラムのちびっ子たち』や『うろんな客』『不幸な子供』などの絵本で知られるエドワード・ゴーリー(1925〜2000年)。アイロニカルで少し不気味な世界観、古語や造語、押韻などが散りばめられたテキスト、繊細なモノクロームの線描で描かれた個性的で不思議な人物たちが登場する作品を数多く発表する一方で、エドワード・リアやサミュエル・ベケットらの作品の挿画、劇場の舞台美術など、幅広い創作活動でも知られている。同展は、そんなゴーリーの世界観を、原画を中心に資料や書籍などを加えた約350点でひも解いていくもの。第1章「主著:ゴーリーによるゴーリーの世界」では、ゴーリー自身がテキストとイラストの両方を手がけた『うろんな客』をはじめとする代表作33点を紹介。第2章「イギリスのナンセンス詩や文学とゴーリーの挿絵」では、ゴーリーが装丁や挿図を手がけた詩集や小説などの文学作品約80点を取り上げる。そして、第3章「ゴーリーの多様な創作と舞台美術」では、バレエのポスターや舞台・衣装デザインなど、舞台美術にまつわる仕事を紹介する。世界各国を巡回してきた貴重な原画・草稿・書籍などは、この機会にぜひ見ておきたいところ。ゴーリーの多彩な制作活動をたどることで、謎に満ちた優雅な秘密を垣間見ることができるかもしれない。【開催情報】『エドワード・ゴーリーの優雅な秘密』9月29日(日)〜11月24日(日)練馬区立美術館にて開催※月曜休館/10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開館、10月15日(火)、11月5日(火)は閉館【関連リンク】練馬区立美術館( )《不幸な子供》1961年挿絵・原画ペン・インク・紙エドワード・ゴーリー公益信託《ギャシュリークラムのちびっ子たち》1963年挿絵・原画ペン・インク・紙エドワード・ゴーリー公益信託《キャッテ ゴーリー No.19》1972年挿絵・原画紙、ペン・インク・水彩・鉛筆個人蔵《輝ける鼻のどんぐ》1969年挿絵・原画ペン・インク・紙エドワード・ゴーリー公益信託《キャッツ ポッサムおじさんの実用猫百科》1982年表紙・原画ペン・インク・紙エドワード・ゴーリー公益信託
2019年09月29日『ゴドーを待ちながら』『幸せな日々』など演劇史に残る名作で知られるノーベル賞作家のサミュエル・ベケット。彼が1958年に発表した戯曲『クラップ~最後のテープ~』をもとにしたオペラが待望の日本初演を迎える。サミュエル・ベケット戯曲オペラ「クラップ~最後のテープ~」日本初演の公演情報本作は、ベケットと親交の深かった作曲家マルセル・ミハロヴィチが戯曲『クラップ~最後のテープ~』に音楽をつけ、全1幕のモノ・オペラに仕立てあげたもの。物語は、69歳の誕生日を迎えたクラップ老人が、長年の習慣である毎年1年の回顧をテープに録音する準備をしながら、30年前の自分が録音したテープを引っ張り出して聞いてみる...というところから始まる。初演は、ミュジーク・コンクレートなど実験的な前衛音楽が盛んだった1961年のパリ。ミハロヴィチによる音楽は、生の歌声、オーケストラとテープの音(=録音されたもの)を組み合わせるという当時としては画期的な手法が用いられ、大胆かつ忠実にベケットの世界観をオペラ化している。今回の日本初演では、1961年の初演と同様、ひとりのバリトン歌手の歌声とテープに録音された音を中心に物語を紡ぐ。クラップ役を演じるのは、劇団四季のミュージカル『オペラ座の怪人』のファントム役をはじめ、役者としても活躍するバリトン歌手の大山大輔。彼の深く豊かな声、ピアノを中心とした小編成アンサンブル、そしてテープの音が融合し、ひとりの老人の現在と若き日の時間を往還しながら進行するモノローグを重層的に描きだす。サミュエル・ベケット戯曲オペラ「クラップ~最後のテープ~」日本初演は、5月30日(金)から6月1日(日)まで、あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)で開催。<あらすじ>近い未来、荒れ果てた部屋、夕方遅く。69歳の誕生日を迎えた老人クラップが、長年の習慣どおりこの1年の回顧の録音の準備をしている。彼は録音の前に30年前のテープを引っ張りだして聞いてみる。39歳の自分は、さらに10年か12年前のテープを聞いた感想を語っている。母の思い出、女性の思い出、懐かしき日々…。しばらくすると、彼は新しいテープを取り出し、録音に取りかかる...
2014年05月23日