育児中のママから“授乳”に関するお悩みをよく伺います。“飲む量が少ない” “集中してくれない” “母乳の出が悪い”など、内容はそれぞれですが、それらは授乳姿勢の見直しによって緩和されることもあります。授乳中の自分と赤ちゃんの姿勢がどうなっているか、あらためて見直してみましょう。 正しい授乳姿勢を見直そう 1.授乳クッションやタオルで高さを調節しながら、ママと赤ちゃんのおなか同士がくっつくようにしましょう 2.おっぱいとお口の高さを合わせましょう 3.おっぱいにあごとほっぺがくっつくほど密着します。このとき、ママの姿勢が前かがみにならないように気をつけましょう 4.赤ちゃんの耳と肩と腰のラインにねじれがないか確認してあげましょう 授乳の際に気をつけたいポイント●ママの姿勢が前かがみにならないように気をつけましょう●おっぱいとお口の高さが同じになるように、タオルを重ねたりして調節しましょう●出が悪いときは、前回の記事「固まってませんか?授乳の前にササッとできるマッサージ【助産師監修】」を参考にマッサージをしてみましょう! 赤ちゃんにとってもママにとっても、毎日の授乳の時間はとても大切なものです。少しでもお悩みが解決するといいですね。 監修者:助産師 特定非営利活動法人だっことおんぶの研究所認定 ベビーウェアリングコンシェルジュ 宮川めぐみ2001年京都第二赤十字看護専門学校卒業、2002年国立病院東京医療センター附属東が丘看護助産学校助産学科卒業。産科病棟にて約12年間助産師として勤務し、多くの妊産婦、褥婦、新生児のケアに関わる。2013年に退職後パリで数カ月過ごし、自分自身と向き合う。大切にしていきたいことなどに気づいて「lier」を立ち上げ、個人の活動を開始する。現在、東京23区内で新生児訪問、母乳育児相談を中心に母子のケアに携わる。
2019年11月30日ベルトで締めるタイプの抱っこひもを使っている場面を街中でよく見かけますが、赤ちゃんが正しい姿勢で入っていないことが多くあります。抱っこひもの正しい装着方法を知っておきましょう。 腰や肩がびっくりするほどラクになりますよ! 抱っこひもの装着方法 1.赤ちゃんが乗っても重さで下がらないように、苦しくない程度に抱っこひものベルトを締めます。このとき、ベルトがウエストの一番細い部分(肋骨のすぐ下あたり)にくるようにしましょう。鏡で横から見て、ベルトが床に対して平行になっていればOKです。 2.赤ちゃんを抱っこひもの中に置き、安全ベルトを締めます。 3.赤ちゃんを抱っこひもごと持ち上げ、背当ての部分を真上に引き上げながら揺らします。こうすることで、おしりがしっかり底にはまって安定します。 4.肩ひもをママの両肩にかけ、背中のアジャスターを留めたらサイドのベルトで長さ調節をします。このとき、背中のベルトが肩甲骨のあたりにくるといいでしょう。 5.布と赤ちゃんの背中の間に手を入れ、赤ちゃんのおしりの穴がママのほうに向くイメージで腰からおしりが丸くなるようにように姿勢を整えます(膝がおしりより高くなるように)。 6.サイドのベルトにゆるみがないかどうかもチェックしておきましょう。 7.日よけがいらない場合はくるくる巻いて枕代わりに。 8.赤ちゃんの体勢や位置が、基本抱っこ(コアラ抱っこ)のときと同じようになっていれば完成です!(※コアラ抱っこについては、以前ご紹介した記事「意外と知らなかった!抱っこのキホン【助産師監修】」をご参照ください) 正しく装着するためのポイントをチェック!●赤ちゃんが正しい姿勢で入っていることでママ(パパ)の腰や肩が劇的にラクになります●赤ちゃんの腰からおしりが丸くなるようにように姿勢を整えてあげましょう●赤ちゃんの頭はママが屈まずにキスできる高さに 赤ちゃんを正しく抱っこできていないと……?●赤ちゃんが反り返った姿勢のままになってしまうので落ち着きません●ママ(パパ)にしがみつくことができません●ママ(パパ)への負担が大きく、肩こり・腰痛を引き起こします 体への負担を軽減することで、赤ちゃんと一緒のお出かけの機会も自然と増えるはずです。抱っこひもがつらいとお悩みの方、そうでない方も、鏡の前に立ってみて、正しく装着できているかどうか見直してみましょう。監修者:助産師 特定非営利活動法人だっことおんぶの研究所認定 ベビーウェアリングコンシェルジュ 宮川めぐみ2001年京都第二赤十字看護専門学校卒業、2002年国立病院東京医療センター附属東が丘看護助産学校助産学科卒業。産科病棟にて約12年間助産師として勤務し、多くの妊産婦、褥婦、新生児のケアに関わる。2013年に退職後パリで数カ月過ごし、自分自身と向き合う。大切にしていきたいことなどに気づいて「lier」を立ち上げ、個人の活動を開始する。現在、東京23区内で新生児訪問、母乳育児相談を中心に母子のケアに携わる。
2019年11月23日大きな布一枚ですっぽりと赤ちゃんを包み込むスリング。シンプルな形状なのに安定感があり、サイズ調節も自在なので新生児期から長く使用できるアイテムとして人気が高まってきています。しかし、売られているままの状態では完成形がなかなか想像しづらいですよね。ただし、正しい装着をしないと、すると落下や窒息などの原因に。正しく装着することが大切です。装着の仕方はコツさえわかれば簡単!こちらの動画と解説をご覧ください。しっかり覚えましょう! スリングの形づくりの手順スリングは準備が8割と言われているくらい、この工程はとても大事。慣れれば簡単なので、しっかり覚えましょう。今回は、リング付きのスリングを使用します。 1. スリングを広げたら、テール(リングが付いていない方)の端に、おおまかにギャザーを作ります。 2. ねじれがないか確認して、テールをリングに通します。布製のベルトを金具に通すときの容量です。 3.テール(リングから垂れている布)とポーチ(赤ちゃんが入る部分)の長さがちょうど3等分になるようにします。これが、普段9〜11号の洋服を着ている方にちょうどいいサイズです。(※全長180cmのスリングの場合)パパなど大きい体格の方は、輪っかの大きさを調節して装着します。 4.リングに通した部分の布を端から真ん中に向かって、指でつまんで、ちょっとずつ引き出すようにしながら、ていねいに扇状に広げます。 5.リングを通る前の布とリングを通った後の布を一緒に掴んで引きます。すると、リング全体に布が覆いかぶさります。こうすることでポーチが広げやすくなるのと、赤ちゃんが入ったあとの調整がしやすくなります。 6.(右利きの場合)リングが向かって右側にくるように持ち、輪に左手を差し込んでたすき掛けにします。右肩に肩あて、鎖骨のあたりにリングが来ていればOKです。 7.背中側にねじれやたるみがないか確認しましょう。 8.ママの体側(内側)の端をアンダーレール、赤ちゃんが入ったとき背中にあたる側(外側)をトップレールと呼びます。背中から余分な布を前に持ってきて、そのままアンダーバストにアンダーレールが密着するように胸と平行に沿わせます。 9.リングを指で押さえながらテールの外側(腕のほう)の端を引くとアンダーレールが動きますので、そこを引いてアンダーバストの布のたるみを調節します。 スリングによる基本抱きの手順 1.赤ちゃんが入るポーチの底がおへそのあたりになるように調整します。 2.赤ちゃんを抱き上げます。左肩に高めに乗せて、左手でおしりを支えましょう。このとき、右手はポーチの内側に差し入れます。 3.先ほどポーチの内側に差し入れた右手で赤ちゃんのおしりを支え直して迎え入れ、膝下がポーチの外から出るようにします。左手は布の外側(トップレール)の端をつかんで、赤ちゃんの首の辺りまで引き上げます。 4.そのまま、ママが少し前かがみになって、先ほど引き上げた布に赤ちゃんを預けます。左手は布と赤ちゃんをしっかり支えつつ、右手で余った布をなでおろし、赤ちゃんのお股におむつを当てるときのように入れ込みます。赤ちゃんの足がママの脇の下に入り込むように右手でM字に開脚させ、ひざの裏にアンダーレールがあたるくらいまで、おしりがすっぽり覆われる形にしてからママは体を起こします。 5.トップレールの緩みをリング側に持っていき、テールの内側(体側)の端を赤ちゃんのほうに向かって左方向に引いて締めます。 6.余ったテールはねじって首の枕に。 7.背中によじれがないか確認し、右手で肩の布を外側に広げます。布が背中〜肩全体を覆うことで体への負担が少なくなります。 8.基本抱っこの完成! スリング抱っこのここがすごい!●安定感抜群なので、両手を使って家事ができる!●少しゆるめれば そのまま授乳できる!●大きさを細かく調整できるので、新生児〜3歳くらいまで長く使える! じょうずに装着できれば赤ちゃんが自分の体の一部のように密着するので、かなり動作がラクになります。赤ちゃんの寝かしつけに苦労している、家事をする時間がない、というママはぜひ一度お試しください! 監修者:助産師 特定非営利活動法人だっことおんぶの研究所認定 ベビーウェアリングコンシェルジュ 宮川めぐみ2001年京都第二赤十字看護専門学校卒業、2002年国立病院東京医療センター附属東が丘看護助産学校助産学科卒業。産科病棟にて約12年間助産師として勤務し、多くの妊産婦、褥婦、新生児のケアに関わる。2013年に退職後パリで数カ月過ごし、自分自身と向き合う。大切にしていきたいことなどに気づいて「lier」を立ち上げ、個人の活動を開始する。現在、東京23区内で新生児訪問、母乳育児相談を中心に母子のケアに携わる。
2019年11月16日赤ちゃんがぐずった時、おでかけの時などに重宝するスリング。スリングは、赤ちゃんとママとピッタリ密着した状態になるので、赤ちゃんも安心感を得やすく、情緒の安定にも繋がるといわれています。最近は、エルゴベビーやベビービョルンに代表されるキャリー型の抱っこ紐が主流のようですが、スリング派のママいわく、「一度使ったら、スリング以外は考えられない」という意見もあります。これから赤ちゃんの誕生を迎えるママは、ベビーウェアリングのアイテムとして、スリングの購入を検討してみるのもよいのではないでしょうか? 今回は育児の便利アイテム、スリングにスポットを当ててみました。スリングって何? スリングとは、新生児から使用できる布状(袋状)の抱っこ紐のことです。布をタスキのように肩からかけて、袋の部分に赤ちゃんを入れるというとてもシンプルなもの。布1枚で赤ちゃんを固定するので、荷物にもならず、携帯にも便利なアイテムです。また、スリングで縦抱きにすると、背中が丸まり、脚がM字型になる自然な姿勢になるので、赤ちゃんの成長の妨げにもなりにくいといわれています。キャリー型抱っこ紐との違いは? キャリー型抱っこ紐は、リュックを背負うのと同じような仕組みで赤ちゃんを抱っこします。誰でも使いやすいですが、肩紐と腰のバックルで赤ちゃんの体重を支えるので、肩への負担が大きいのが、若干のデメリットだといえるでしょう。一方スリングは、布をたすき掛けにして、背中全体で赤ちゃんを支えるつくりになっています。そのため、腰や肩にかかる負担を少なく抑えられるという利点があります。ただし、スリングには、使い方に慣れるまで少し時間がかかるという難点もあります。最初は難しく感じられるかもしれませんが、慣れてしまえば、数十秒で簡単に装着し、赤ちゃんを抱っこすることができます。そのほか、密着度も抱っこ紐より高いので、赤ちゃんに安心感を与えられるだけでなく、パパやママが常に手で支えていなくても大丈夫=両手が開くというメリットもあります。リングなし、リングあり。スリングは種類が豊富でピッタリなものが選べるスリングには、キャリー型抱っこ紐同様、多彩な種類がありますが、かたちとしては大きく以下の2種類に分けることができます。<リングありスリング>長さの調節ができるよう、リングがついたタイプのスリングです。赤ちゃんの成長や、使う人の体型に合わせて紐の長さを変えられるので、長く愛用することができます。また、いろいろな抱っこの仕方に対応できるというのも、リングありスリングの魅力。パパと兼用したい場合は、こちらのタイプがおすすめです。<リングなしスリング>リングなしのメリットは、コンパクトで持ち運びに便利なところ。リングありのように、長さの調節はできませんが、装着が簡単かつ、シンプルなデザインなので、ファッション感覚で取り入れられるという魅力があります。ただし、長さの調節ができない分、赤ちゃんとの密着度は少なくなるため、落下しないよう一層の注意が必要になりますし、首の支えも甘くなるので、赤ちゃんの首が座ってから使用したほうがよいでしょう。子どもの体重やスリングのタイプにもよりますが、3歳頃まで使用が可能です。子どもが少し大きくなってからも、「お出かけ中に寝てしまって困る!」という事態は多発しますので、抱っこ紐選びに迷っている人は、スリングを候補に入れてもいいかもしれませんね。
2015年06月30日