実話を基に家族の愛を知らずにいた女性と、まもなく命が尽きようとしている母親を取り巻く一家との出会いと別れを描いたメキシコ映画『マルタのことづけ』が、10月18日(土)よりシネスイッチ銀座ほかにて公開となる。メキシコといえば、昨今、国境を越えて活躍するメキシコ出身の監督は数多い。『アモーレス・ペロス』でカンヌ国際映画祭・批評家週間部門「グランプリ」を受賞し衝撃の長編デビューを果たした、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥは、ブラッド・ピットや役所広司、菊地凛子などの日本人俳優も出演した『バベル』、ハビエル・バルデムが第63回カンヌ国際映画祭「主演男優賞」を受賞した『BIUTIFULビューティフル』でも知られている。また、『パシフィック・リム』で世界的に活躍する、日本のマンガ・アニメ・特撮が大好きなギレルモ・デル・トロ。さらに、メキシコ出身の俳優ガエル・ガルシア・ベルナルを主演に迎えた『天国の口、終りの楽園。』や、ヴェネチア国際映画祭のオープニング作品であった『ゼロ・グラビティ』で、第86回アカデミー賞最多7部門を受賞したアルフォンソ・キュアロンなど、いまやワールドワイドに活躍する名監督ばかり。そして、メキシコの新星女性監督クラウディア・サント=リュスが手がけた本作『マルタのことづけ』もまた、『髪結いの亭主』や『ぼくの大切なともだち』で知られるパトリス・ルコントが審査員長をつとめたヒホン国際映画祭で「審査員特別賞」を受賞するなど、各国の映画祭で高い評価を受け、注目を集めている。ひとり暮らしで友だちも彼氏もいないクラウディアは、ある日、虫垂炎で緊急入院。偶然、隣同士のベッドになったことから知り合った、4人の子どもを持つシングルマザーのマルタから、退院後、自宅に招かれる。しっかり者の長女・アレハンドラ、フリーターの二女・ウェンディ、思春期真っ直中の三女・マリアナ、末っ子の男の子・アルマンド、それぞれが強烈な個性を持つ子どもたちと、自分を娘のように扱うマルタに戸惑いながらも、クラウディアは初めて家族の温もりと母の愛を知る。一方、死期の迫るマルタは、日々を生きることに全力を注いでいた…。本作は、メキシコ第2の都市・グアダナハラを舞台に、クラウディア監督が自らの実体験をもとに、“遺していく母”と“遺される子どもたち”を描いた感動作。「メキシコ映画あまり観たことない…」という人も多いかもしれないが、実はメキシコ映画の歴史はとても深く、20世紀初頭から今日まで、映画界をけん引してきた監督や俳優を多く輩出。日本でも、メキシコなどラテンアメリカの映画をいち早く紹介してきた「ラテンビート映画祭」は今年で開催11年目を迎え、年々盛況となっている。■映画界に大きな影響を与えたメキシコが育んだ巨匠たち先に挙げた監督たち以外にも、メキシコには世界の映画界に影響を与えた巨匠が多く存在する。特に、サルバドール・ダリとの共同監督作『アンダルシアの犬』(’28)や、第28回ヴェネツィア国際映画祭「金獅子賞」受賞し、あの人気ドラマの基にもなった『昼顔』(’67)のルイス・ブニュエル監督は、スペイン出身でありながらメキシコに帰化し、世界各国をまたにかけて映画を撮り続けた。また、ケティ・フラドは、メキシコ出身の女優として、メキシコやハリウッドで活躍。『真昼の決闘』(’52)でゴールデングローブ賞「助演女優賞」受賞。そして『折れた槍』(’54)でメキシコ人俳優として初めてアカデミー賞「助演女優賞」にノミネートされ、晩年まで両国の作品に意欲的に出演していたことでも知られている。『エル・トポ』(’69)、『ホーリーマウンテン』(’73)などの代表作で知られるカルト映画の鬼才アレハンドロ・ホドロフスキー監督は、チリ出身だが20年以上、メキシコシティに在住。最新作『リアリティのダンス』(’13)は日本でも公開され、さらに、志半ばで企画が頓挫したSF大河小説「デューン」の映画化の裏側を、ホドロフスキー本人を始めとする関係者の証言と貴重な資料で描いたドキュメンタリー『ホドロフスキーのDUNE』(’13)も各界から大絶賛を受けている。本作で長編デビューを飾ったクラウディア監督も、メキシコで映画を学んできたひとり。デビュー作にして、ルコント監督にも太鼓判を押され、トロント国際映画祭など数々の映画祭で受賞を重ねているのも、メキシコ映画界の歴史ある土台が影響しているといえるだろう。隠れた“映画大国”メキシコが育んだ新しい才能による本作を、ぜひあなたもその目で確かめてみて。『マルタのことづけ』は10月18日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マルタのことづけ 2014年10月、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開
2014年10月01日インディペンデント映画を対象にしたゴッサム・アワードで、ウェス・アンダーソン監督の『ムーンライズ・キングダム』が作品賞を受賞した。同作品は、2月に発表になるインディペンデント・スピリット・アワードにもノミネートされており、アワードシーズンの本格的な到来に向けて勢いを増している。『ムーンライズ・キングダム』は、今年5月のカンヌ映画祭のオープニング作品に選ばれたコメディ映画。ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、ビル・マーレー、ティルダ・スウィントンらが出演する。ゴッサム・アワード発表後に発表されたインディペンデント・スピリット・アワードのノミネーションにも食い込んでおり、オスカー候補入りの可能性も匂わせてきた。昨年はこの賞を『ツリー・オブ・ライフ』と『人生はビギナーズ』の2作品が受賞しており、『ツリー・オブ・ライフ』がオスカーにノミネートされている。ゴッサム・アワード作品部門の候補に上がっていたのは、同作品のほかにポール・トーマス・アンダーソンの『ザ・マスター(原題)』、ジャック・ブラック主演の『Bernie』、ガエル・ガルシア・ベルナルが出演する『The Loneliest Planet』、アントン・イェルチン出演の『Middle of Nowhere』。監督賞に輝いたのは『Beasts of Southern Wild』の新人監督ベン・ザイトリン氏。演技部門ではエミリー・ブラント主演の『My Sister’s Sister』がアンサンブル・パフォーマンス賞を受賞した。文:猿渡由紀
2012年11月28日1951年にアラン・ベルナルダンによって設立されて以来、パリの夜の観光地として欠かせないスポットとなっているエンタテインメントショー「クレイジーホース」。ここで繰り広げられる、目も眩むほどに官能的で美しいショーの舞台裏を記録したドキュメンタリー『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』が今週末6月30日(土)より公開となる。この公開に先駆け、劇中に登場する煌びやかで美しいヌードショーの一部がシネマカフェ独占で到着した!毎夜、エレガントで妖艶、完璧を目指す女性たちが過酷なスケジュールをこなす様子をドキュメンタリーの巨匠フレデリック・ワイズマンが独特の撮影手法で切り取る本作。幻想的な影絵の映像で幕を開ける本作で目にすることができるのは、ショーやリハーサルの様子はもちろんのこと、その驚くべき舞台裏だ。ショーのクオリティを守るためにクラブの休業を提案する演出家とそれに反対する支配人、トランスジェンダーのダンサーも参加するオーディションなど、芸術でありショービジネスでもある「クレイジーホース」の全てが映し出される。今回届いたのは、赤いおかっぱヘアのキュートなダンサーたちが「Baby Buns」を歌い、踊るダンスシーン。彼女たちのセクシーな体にピンクの水玉模様の照明が映し出され、まるで水玉の服をまとっているかのようにも見える。実際は肌を隠している部分がごく少ない衣裳で歌い踊る彼女たちだが、そのショーは下品なものでは決してなく、まるでミュージカルを見ているかのよう。ダンサーたちの動きが完璧に揃っていることからも、影に隠された彼女たちの努力がうかがえる。ワイズマン監督が「女性の体、特に『クレイジーホース』のダンサーたちの肉体は、本当に美しい」と言うように、「クレイジーホース」のショーは“女性であること”の美しさを改めて感じさせてくれる、魅惑的なショー。まずはこちらの動画から、その美しく幻想的な異世界に足を踏み入れてみて!『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』は6月30日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国にて公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY(text:cinemacafe.net)■関連作品:クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち 2012年6月30日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて公開(C) 2011 - IDEALE AUDIENCE - ZIPPORAH FILMS, INC.TOUS DROITS RESERVES - ALL RIGHTS RESERVED.
2012年06月29日“ラブコメの女王”ケイト・ハドソンとラテンの貴公子、ガエル・ガルシア・ベルナル共演で贈る感涙のラブストーリー『私だけのハッピー・エンディング』。公開時には「涙が止まらない」という女性観客が続出した本作が、先日ブルーレイ&DVDリリースされた。これを記念して、シネマカフェでは女性を中心とした映画ファンを集めての試写会を開催。ある日突然余命宣告をされた主人公・マーリーの生き方には、単なる悲劇のヒロイン像からくる感動ではなく、独身女子である彼女の生き方に対する共感の声が多く集まった。ケイトが演じるマーリーは、30歳独身のやり手広告ウーマン。真剣な恋はお断りで、ライトな恋愛関係を楽しみ、自由な生活を謳歌している。ところがある日、彼女は医者から突然のがん宣告を受ける。変わらず元気に振舞おうとするマーリーだが、友達は徐々に離れていき、両親はオドオドするばかりで、やがて自暴自棄に陥る。そんな中、堅物の主治医・ジュリアンは彼女を静かに支え、いつしか彼女の心を溶かし始める。だが、マーリーは医者と患者という関係を理由に、ジュリアンとは距離を置く。それまで深みにはまることのない恋愛生活を送ってきた彼女にとって、彼と本気で向き合うことは恐怖なのである。本気で向き合い傷つくのを恐れ、自分の気持ちを隠してライトに接する、そんな彼女の恋愛観や生き方にほぼ全員の読者が「共感できた」という。愛する人、大切にしたい人の前だからこそ、素直になれずつい強がってしまったり、明るく振舞うことは誰にでも経験があるはず。「そのことで後悔してしまったことは?」と聞いてみると、こちらもほぼ全員が「ある」と回答した。マーリーの場合には、先述のジュリアンとの関係においてそれが如実に描かれているが、読者にその具体的なケースを質問してみたところ、圧倒的に「家族の前」でつい強がってしまうという声が多く、「恋人」という声がそれに続いた。マーリーに対しての共感もそれと重なり、「心を開いても相手の反応が気になってしまう」(20代・女性)、「何でも茶化して真剣になるのが怖い」(20代・女性)、「親に強く当たってしまう」(20代・女性)というホンネを寄せていた。一方、その逆で誰の前が一番“素直”になれるかという点に注目すると、こちらでも「家族」という答えが最も多く、つい強がってしまうのも家族であれば素直になれるのもやっぱり家族というのが特徴的であった。また、家族とほぼ同数で多かったのが、意外にも「同性の友人」。近い悩みや考えをもつ者同士の関係とも言えるが、対照的に「恋人」と挙げる人が若干少なめだったのが気になるところ。該当する人は、マーリーとジュリアンの関係に大きく頷けるはず!相手を思うからこそ素直になれない、そのことがかえって関係を悪化させることもしばしば。恋人に対しても、家族、友人に対しても「心を開いて素直になること」の大切さに気づいたマーリーのその後の人生との向き合い方は、潔さと本物の強さを感じさせる。「主人公の気遣いを忘れない、前向きな生き方に元気づけられました」(20代・女性)、「人生は長さじゃない、確かにその通りだと思わせてもらえる作品でした」(10代・女性)、「観終わって自分の周りの人のことについてもう少し考え直してみようと思う作品でした」(30代・女性)、「マーリーの陽気なところ、辛い現実に向き合いつつもグチグチと言わず、淡々と生きる姿に涙が出ました」(40代・女性)というように、彼女の変化を見て前向きになったという声が多く寄せられていた。自分に素直になるベストな方法を、きっと本作から見つけられるはず。『私だけのハッピー・エンディング』ブルーレイ&DVDは現在発売中。『私だけのハッピー・エンディング』[DVD]価格:3,990円(税込)『私だけのハッピー・エンディング』[Blu-ray]価格:4,935円(税込)発売元:カルチュア・パブリッシャーズ/販売元:ポニーキャニオン発売中公式サイト:© 2010 Earthbound Films, LLC■関連作品:私だけのハッピー・エンディング 2011年12月17日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Earthbound Films, LLC
2012年06月14日突然がんの宣告を受けたキャリアウーマンが、最愛の人を見つけ愛することを最後まで貫く姿を描いた、女性必見の感涙ラブストーリー『私だけのハッピー・エンディング』が12月17日(土)より公開となる。これに先駆けて、本作を鑑賞した女性たちの号泣コメントが集まったTVスポット映像がシネマカフェ独占で到着した。ある日突然、がんの宣告を受けた30歳のキャリアウーマン、マーリーは病と闘いながら人生と向き合い、死の予感にさいまれながらもユーモアを忘れずに気丈にふるまっていく。マーリーを演じるのは、数多くのラブコメディへの出演経験をもつケイト・ハドソン。そして、彼女を不器用ながらも温かく包み込む主治医のジュリアンをラテンの貴公子、ガエル・ガルシア・ベルナルが演じる。2人の切なく純粋な恋愛模様に、マスコミ試写ならびに一般試写では号泣する人が続出し、配給会社はこの事態に急遽“涙を拭くためのティッシュ”を作成し配布するほど。今回届いたTVスポットでも、号泣した跡がうかがえる女性たちが続々と登場。「今年一番の映画」というコメントなどもあり、本作で描かれる“ハッピー”なエンディングに共感し、“理想の最後”と涙ながら語る姿も。ちなみに、マーリーを演じたケイト本人も本作の脚本を読んで20分間泣いたというエピソードがあるが、観客からも「いままでで一番泣いた」「今年一番泣いた」という声が多く届いているのだとか。“死”と向き合う辛く悲しい物語の後に訪れる“エンディング”とは果たして?鑑賞を検討している方はぜひ、ハンカチを持参することをおすすめする。『私だけのハッピー・エンディング』は12月17日(土)より公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:私だけのハッピー・エンディング 2011年12月17日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Earthbound Films, LLC■関連記事:M・スコセッシ監督、次回作は遠藤周作の「沈黙」映画化とラジオ・インタビューで明言バラエティ番組で人気の心理学者・植木理恵、恋愛には“鍋”が効く!?『私だけのハッピー・エンディング』参加者全員涙を拭くティッシュ付き試写会に20組40名様ご招待
2011年12月12日3Dに初挑戦した新作『ヒューゴの不思議な発明』が全米で大ヒット中のマーティン・スコセッシ監督がラジオ番組に出演、次回作は遠藤周作原作の「沈黙」の映画化だと語った。「沈黙」は17世紀の日本にキリスト教伝道にやってきたイエズス会の宣教師たちとキリシタン弾圧が題材。1971年に篠田正浩監督が『沈黙 SILENCE』というタイトルで映画化している。スコセッシ監督は数年前から、舞台となる長崎県を資料収集のために訪れるなど、映画化の準備を進めていた。ジョー・ネスボ原作の犯罪小説「The Snowman」(原題)の映画化など、ほかにも新作の予定はあるが、スコセッシ監督はラジオ番組「Radio 5」に出演した際に「遠藤の本(の映画化を)次にやりたいと思っている。思っている、じゃない。いま、まさにいろいろな調整を進めているところだ」と語った。厳しい弾圧にあい、ついに棄教するポルトガル人の宣教師役として以前から名前が挙がっているのは、スコセッシ監督の『ギャング・オブ・ニューヨーク』(’02)でオスカー主演男優賞候補となったダニエル・デイ・ルイス。彼の出演については「わからないな。彼はいま、スティーヴと仕事をしているからね。スティーヴン・スピルバーグと」とスコセッシ監督は言葉を濁している。デイ・ルイスは現在、スピルバーグ監督の『Lincoln』(原題)で19世紀アメリカで奴隷解放を行ったリンカーン大統領を演じている。撮影前に時間をかけた入念な準備で知られるデイ・ルイスだけに、17世紀の伝道師を演じるとなれば、そのリサーチにかなりの時間はかけたいはず。スケジュールなど、調整の必要がありそうだ。ほかに本作への出演がうわさされているのは、J.J.エイブラムス監督の『スター・トレック』続編の悪役での出演を断ったばかりのベニチオ・デル・トロと、『私だけのハッピー・エンディング』のガエル・ガルシア・ベルナル。具体的な撮影スケジュールなどは明らかにされていないが、2013年公開を目指している。(text:Yuki Tominaga)© Photoshot/AFLO■関連作品:ヒューゴの不思議な発明 2012年3月9日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開© 2011 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.私だけのハッピー・エンディング 2011年12月17日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Earthbound Films, LLC■関連記事:バラエティ番組で人気の心理学者・植木理恵、恋愛には“鍋”が効く!?J・キャメロンの称賛の声に、クロエ・G・モレッツ「『アバター』は絶品」とお返し『私だけのハッピー・エンディング』参加者全員涙を拭くティッシュ付き試写会に20組40名様ご招待
2011年12月08日現在、バラエティ番組「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)などで人気を集める心理学者・植木理恵が12月5日(月)、都内で行われたハートフル作『私だけのハッピー・エンディング』の特別試写会に出席し、心理学の見地から恋愛指南。クリスマスを前に、恋人がいない男女に「恋愛感情あっての行動と思いがちだが、実際は逆。行動が先にあって、気持ちが後追いするもの」、「関係を進展させたいなら、一緒に鍋を食べるといい。量や味付けなど、相手のことを思いやりながら、一緒に過ごせるから」とアドバイスし、本作を「感情の鍋をつつくような映画。恋人に限らず、大切な人と一緒に観てほしい良質な映画」と太鼓判を押した。恋も仕事も両立させる30歳のマーリーがある日突然、突きつけられたガン宣告。絶望に打ちひしがれながら、限られた時間を生きる彼女は、主治医のジュリアンと出会い、徐々に心を溶かしていく。死の淵にあって、常にユーモアを忘れない主人公・マーリーを演じるのは“ラブコメの女王”ことケイト・ハドソン。そんな彼女を不器用ながら、温かく見守る主治医のジュリアンを『バベル』や『ブラインドネス』のガエル・ガルシア・ベルナルが演じる。「最初は“ハッピー・ウェディング”だと思って、このお仕事をお断りしようと思ったんです。知るかって(笑)」とまずは自虐ネタで笑いを誘った植木さんは、この日が初の映画イベント出演。前向きに生きるヒロイン像に思わず涙したと言い「悲しみの涙だけじゃなくて、切なさや幸せといったいろんな種類の涙を流させる作品。観終わった後は、魂が抜けたような感覚になった」と身をもって本作の“デトックス効果”を実感した様子だ。また、死と向き合う主人公がユーモアを絶やさない姿勢には「心理学者として感銘を受けた」。マーリーとの出会いを機に、植木さん曰く「全体的にセンスが悪い」主治医のジュリアンが徐々に変化していくさまについては「誰かに影響を与えて、その人を変える。それこそ、人間が生きている証し」だと指摘した。マーリーとジュリアンの恋愛模様を軸に、マーリーと両親が織りなす親子愛のドラマも見どころ。「私自身、自分の父親との関係を投影しながら見た」と、ラブストーリーの枠にとどまらない本作の心温まる魅力をアピールしていた。『私だけのハッピー・エンディング』は12月17日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:私だけのハッピー・エンディング 2011年12月17日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Earthbound Films, LLC■関連記事:『私だけのハッピー・エンディング』参加者全員涙を拭くティッシュ付き試写会に20組40名様ご招待
2011年12月06日映画『私だけのハッピー・エンディング』の女性限定試写会が11月30日に都内で開催され、本作の宣伝隊長である岡本夏生がウェディングドレス姿でトークイベントに登場。約30分にわたり熱いトークを繰り広げた。限定試写会の模様映画は、突然がん宣告を受けた30代のキャリアウーマンが、自分を見つめ直し、懸命に生きようとする姿を描いた作品。“ラブコメの女王”ケイト・ハドソンが主演を務め、主人公が恋する主治医をガエル・ガルシア・ベルナルが演じている。「人生でやり残したことがあった」と岡本は、ハイレグでもボディコンでもなくドレスを着用した理由を説明し、昔に自分で買ったという70万の婚約指輪を客席に向かって初披露。「ひとり結婚式です!」と笑顔を振りまいた。4回観たという映画について「バリバリ仕事して、適当に恋愛もして、主人公は私と同じ」と言い、「でも、ドクターと恋に落ちるなんてあり得ない。死ぬ間際にセックスしている場合じゃない。大腸がんはどーなっているの?違和感を感じたわ」と観客を笑わせつつも、「がん宣告を受けることは人ごとじゃない。私にだって、誰にでも起こるうること」と訴えた。さらに「健康なくしては何にも始まらない。命は尊い。命を越えるほど大切なものなんてない。事故や病気、災害など想定外のことで、明日死んでしまうことだってあるかもしれない。だから私は芸能界にいるあいだ、私の生きている証をしっかりと残したい」と真剣に語り、「しぼんでる時間なんてもったいない、前に前に向かって生きてほしい」と呼びかけた。最後に岡本は「働き盛りの特に女性の方に観ていただいて、自分の健康や、周りの人たちのことを改めて振り返るきっかけにしてほしい」とメッセージをおくった。『私だけのハッピー・エンディング』12月17日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2011年12月01日ガエル・ガルシア・ベルナルとケイト・ハドソン共演の映画『私だけのハッピー・エンディング』の女性限定試写会の開催が今月30日(水)に決定し、トークショーにタレントの岡本夏生が登壇する。その他の情報本作は、ある日突然がんを宣告された30歳のキャリアウーマン・マーリー(ハドソン)が、主治医のジュリアン(ベルナル)と向き合ううちに恋に落ち、残されたわずかな人生を懸命に生きようとする姿を描いたラブ・ストーリー。映画のテーマと同じく“人生はいつタイムリミットが来るかわからない”と常日頃からメッセージを発信している岡本が、このたび映画の宣伝部長に就任。当日は来場した女性たちに向けて“女性の体について”や“女性として生きること”といった日頃ブログなどで赤裸々に語っていることを本気で熱弁する。岡本は「46歳になった今、私が常日頃から発信している、“人生タイムリミットがあるからこそ、ベストを尽くし、毎日をエンジョイすること”をここぞとばかりにガチンコで語らせていただきます。 みなさん、この映画と私のガチンコトークで何かをお持ち帰りいただけると嬉しいです」とコメントしている。『私だけのハッピー・エンディング』2011年12月17日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー(C)2010 Earthbound Films, LLC
2011年11月18日イタリア・ヴェローナを舞台に、ある愛の奇跡を描いた真実の物語『ジュリエットからの手紙』。先日劇場公開されたのと同時に、話題を集めているのが、挿入歌で使用されているテイラー・スウィフトの「ラヴ・ストーリー」だ。今回、シネマカフェでは本編映像と同曲を合わせたイメージ動画を独占入手!果たしてテイラーがこの曲に込められたメッセージとは…?「ロミオとジュリエット」の舞台・ヴェローナにあるジュリエットの生家には、いまでも恋の悩みが書かれた手紙が届く。映画では50年前に綴られた手紙を軸に物語が展開されていくが、今回起用された「ラヴ・ストーリー」は“ロミオとジュリエット”の恋のように周囲に反対された禁断の恋について歌っており、テイラー自身が経験した恋愛が基となっているようだ。「当時好きな人がいたんだけど、友達や家族にも反対されて、“ロミオとジュリエット”の心境が初めて理解できたの」と言及するテイラー。そんな彼女が歌い上げるこの歌は、歌詞もジュリエット目線でテイラー流にアレンジされており、ポップでどこか力強く、カントリーシンガーとして活躍する彼女らしさが表現されている。13歳でデビューを果たし、ファーストアルバム「テイラー・スウィフト」は300万枚と大ヒットを記録。「ラヴ・ストーリー」が収録されたセカンドアルバム「フィアレス」は全米チャート1位、11週連続トップに君臨と、瞬く間にスターダムへ駆け上がっていったテイラー。並々ならぬ努力でいくつもの夢と栄光を掴んできた彼女も、恋に対してはいろんな障害の壁に当たってきた様子。そんな彼女が贈る「ラヴ・ストーリー」にはロマンチックな想いがたっぷり込められ、映画をより一層盛り上げる一曲となっている。ぜひこの映像からあふれる、テイラーからのメッセージを感じ取ってみて。『ジュリエットからの手紙』はBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開中。※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:ジュリエットからの手紙 2011年5月14日よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開© 2010 Summit Entertainment, LLC. All rights reserved.■関連記事:『赤ずきん』女性監督が証言、『トワイライト』を超える新たな“恋のジレンマ”現地からお届け!『ジュリエットからの手紙』レターセットを合計6名様プレゼントガエル・ガルシア・ベルナル インタビュー愛よりも夢を優先する男に共感は…?南野陽子、アイドルだから恋についての質問は「恥ずかしい!」50年前の初恋を捜す旅『ジュリエットからの手紙』試写会に10組20名様ご招待
2011年05月17日誰もが知るグリム童話のヒロイン、赤ずきん。無邪気で愛らしく、騙されやすいあの永遠の少女の“その後”を描いたラブファンタジーが誕生した。大人になった赤ずきん、という斬新な題材を映画化するのは、全世界の乙女の熱狂させた『トワイライト〜初恋〜』の女性監督キャサリン・ハードウィック。美しきヴァンパイアと人間の少女のドキドキハラハラな禁断の恋に続いて描く“恋のジレンマ”について、ハードウィック監督と本作注目の次世代イケメンたちが証言する。物語は、長年にわたり満月の夜に動物を生贄に捧げることによって狼から平和を保っていた、小さな村から始まる。美しく成長した赤ずきん、ヴァレリーには幼なじみで木こりのピーターという生涯の恋人がいるが、村で一番裕福なヘンリーとの婚約を親が決めてしまったことを知る――。大人になった赤ずきん役に抜擢されたのは、『ジュリエットからの手紙』『クロエ』『Dear John』(原題)と今年だけでも本作を含む4本が日本公開されるアマンダ・セイフライド。ピーターへの愛を持ち続けながらも、真摯に想いを寄せてくれるヘンリーの存在にも揺れるヒロインを可憐に演じ上げる。そのヴァレリーの昔からの恋人として登場するのは、次世代イケメンスターの一人として今後も要チェックのシャイロー・フェルナンデス。彼は、ピーターのヴァレリーに対する愛について語る。「彼は貧しい孤児で、ある意味、よそ者なので、ふたりは付き合っていることを隠さなければならないんだ。映画の冒頭で、彼はヴァレリーとヘンリーの婚約を知り、彼女に一緒に村から出ようと頼む。ピーターは彼女に広い世界を見せたいんだ。都会、海…ふたり一緒ならどこでもよかった」。一方、彼の恋敵、ヘンリーを演じるのは、甘いマスクで全米女子が熱狂中のマックス・アイアンズ。彼によれば、ヘンリーのヴァレリーへの愛はピーターに負けないという。「彼にはなぜ、ヴァレリーがピーターに恋したのかが理解できない。自分のほうがヴァレリーにいい人生を与えられると心から信じているからだ」。そんな乙女心をくすぐる、ヴァレリーをめぐる三角関係について、監督は「古典的な恋のジレンマよね。彼女は安全な選択をすべきか…。付け加えると、この“安全な”相手(婚約者のヘンリー)はとんでもなくハンサム。もう一方(恋人ピーター)は、ちょっと危険な感じだけどセクシーで刺激的な相手。どちらの彼を選ぶべきか。若い女性なら誰でもそんなことを悩んでみたいんじゃない?」と、『トワイライト』にとって代わるイケメン2人に絶大な自信をのぞかせる。この三角関係に加えて、本作の見どころとなるのが“人狼”の謎。ヴァレリーと恋人ピーターが駆け落ちを決意した満月の夜、ヴァレリーの姉が何者かに殺められるが、その犯人が「満月の夜にだけ狼に変わる人狼」というのだ。そして、ヴァレリーを連れ去ることが目的の人狼の目は深い褐色だが、彼女に愛を捧げる2人の男性の目も、人狼と同じ褐色…。原作「赤ずきん」には“見知らぬ人と話をしてはいけない”というメッセージが含まれている。だが、もし狼があなたの信頼する誰か、そして愛する誰かだったら…?『トワイライト』によりミステリアスな魅力が加わった『赤ずきん』、二作の違いについて監督は締めくくる。「『トワイライト』はA、B、Cのストーリー全てがロマンスなの。でも『赤ずきん』ではロマンスはBのストーリーで、本当はサスペンスであり、閉ざされた場所でのミステリーなの」。『赤ずきん』は6月10日(金)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:赤ずきん 2011年6月10日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.ジュリエットからの手紙 2011年5月14日よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開© 2010 Summit Entertainment, LLC. All rights reserved.クロエ 2011年5月28日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2009 Studio Canal All Rights Reserved.トワイライト〜初恋〜 2009年4月4日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2008 SUMMIT ENTERTAINMENT, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.■関連記事:真似してみたい『クロエ』ファッション上品&誘惑的な着こなしで男性の心を虜に?レオナルド・ディカプリオ、5年来の恋人バー・ラファエリと破局現地からお届け!『ジュリエットからの手紙』レターセットを合計6名様プレゼントガエル・ガルシア・ベルナル インタビュー愛よりも夢を優先する男に共感は…?南野陽子、アイドルだから恋についての質問は「恥ずかしい!」
2011年05月14日誰もが知るシェイクスピアの名作悲劇のヒロイン、ジュリエットの生家に世界中から届く恋の悩みを綴った手紙。その数は年に5千通を超えると言われるが、その中の1通に隠されたある愛を描いた『ジュリエットへの手紙』がまもなく公開となる。50年前にジュリエット宛てに書かれた手紙を見つけ、その愛の軌跡をたどるソフィ役のアマンダ・セイフライド、その手紙を綴ったクレアを演じるヴァネッサ・レッドグレイブをはじめ、世界中から届けられる手紙さながら、各国の名優たちが本作のために集結。クレアの半世紀にわたる愛の相手役・ロレンツォを演じるのはプライベートでもヴァネッサの伴侶であるフランコ・ネロ。一方、アマンダ演じるソフィと新たに“家族”になろうとするヴィクターを演じているのはガエル・ガルシア・ベルナル。公開を前にガエルがアマンダとの共演やイタリアでの撮影について語ってくれた。女の子からはツッコミが入りそうだがガエルは共感?本作でガエルが演じるのは、料理人であり自身の店のオープンを控え、婚約者のソフィと共にイタリアへやってきたヴィクター。プレ・ハネムーンの気分もどこへやら、開店間近のレストランのために忙しく動き回るヴィクターを尻目に、ソフィがジュリエットの家を訪れたことから物語が動き出す…つまり、彼のせいで50年におよぶ愛が動き出したとも言えるわけだ。ガエル自身は、このヴィクターという役柄がたいそう気に入っている様子。「彼はとても現実的で細かい人間なんだよ。料理をほかの何よりも愛している。料理との関係性を愛しているし、それを誰かと共有したいんだ。特に自分の彼女とね。とても具体的な役柄さ。そして僕は、具体的な役柄ってのがすごく好きなんだ。とても生々しいっていうのかな…そういう役なんだよ」。でも「共有したい」という思いと裏腹に、夢にひとりでのめりこみがちなヴィクター。しっかりとソフィを見ておかないと…と口出ししたくなるが、ガエルはそんな彼をこう“弁護”する。「2人は同じ“時間”を共有できていない。それには色々な理由があるけれど…。状況がまた変わっていたら、きっとソフィもヴィクターの夢について理解できただろうし、お互いを共有できたと思う。でも、この映画の中のタイミングでは彼らは同じ“時間”を共有できていないんだよ」。いまでは一児のパパとなったガエルだが、実は彼自身も仕事にのめりこんだら意外と周りが見えなくなるタイプなのかも…?「ストレスが溜まってもアマンダが助けてくれる(笑)」一回り、とは言わないまでも7つ年の離れたアマンダとの共演をかなり楽しんだようで彼女のプロ意識や人柄を絶賛する。「彼女はとっても楽しい人だよ。とても素敵で、気さくで同時にプロ意識が高くて。役者としてとても協力的なんだ。何て言うのかな…役者としての役割のひとつには、共演する役者に対して信頼を寄せられるかどうかってことがあるんだけど、この映画では彼女を含め全ての役者がその役をまっとうしているのさ。みんな周りのことをケアして、最高の作品を作ろうって努力している。アマンダは、出会ってすぐにその信頼できる関係性を作ることができるんだ。みんなのストレスが溜まったときに、彼女が助けてくれるって思える人だよ」。俳優としてハリウッド大作から文芸作品まで数多く出演し、幅広い活躍を見せるガエル。加えて、親友のディエゴ・ルナやパブロ・クルスと共に映画製作会社を設立し、2007年には『太陽のかけら』で映画監督デビューを果たしている。だが、彼自身の“天秤”は俳優の方に傾いているようで…。「監督をうらやましいと思うことはあまりないかな。だって役者のようにたくさんの人生を演じることができないからさ。僕は役者のそういうところが好きなんだ、たくさんの人の人生を、役を通して生きることができる。まぁ…たまにはストーリーを作ったり、伝えたりする監督になってみたい気もするけどね」。やりたいことをとことん追いかける男。そんな男だから女は惚れるわけだが、恋人への愛と夢の天秤を注意深く見つめることも必要…。50年の愛の軌跡を追う中で、アマンダとガエルの関係から案外、“現在”の自分の立ち位置が見えてくるかも?※ガエルのインタビュー映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:ジュリエットからの手紙 2011年5月14日よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開© 2010 Summit Entertainment, LLC. All rights reserved.■関連記事:南野陽子、アイドルだから恋についての質問は「恥ずかしい!」50年前の初恋を捜す旅『ジュリエットからの手紙』試写会に10組20名様ご招待一通の手紙が導く50年ぶりの初恋探し『ジュリエットからの手紙』のポスター画像解禁
2011年05月09日映画『ジュリエットからの手紙』の公開記念トークイベントに南野陽子が出席。「ロミオとジュリエット」のジュリエット宛てに恋の悩みを綴る“ジュリエット・レター”がモチーフとなっている本作に因み、南野さん自身がしたためたレターを披露した。「ロミオとジュリエット」の舞台となったイタリア・ヴェローナにある“ジュリエットの家”にいまなお世界中から届くジュリエット・レター。映画では、50年前に綴られたレターにまつわる恋をめぐる旅が描かれる。ヴェローナには、“ジュリエットの秘書”と呼ばれる人々がおり、世界中から集まった手紙に彼女たちが返事を出しているのだ。南野さんは映画について「くさらないでいれば、想いが伝わりご褒美がもらえるんだ、と思いました」と笑顔で感想を語った。映画の公開に合わせて、劇中で登場するジュリエットへの手紙に対する返事が全国から公募された。400通を超える応募の中からベストレターに選ばれたのは、鹿児島県の女性の手紙。これを南野さんが情感たっぷりに朗読した。さらにこの日は、南野さん自身がジュリエット宛てに書いた手紙を朗読。新婚ほやほやで幸せいっぱいの南野さんだが「愛で強くなれると感じています」とパートナーを得ての心境の変化を綴ったレターを少し恥ずかしそうに読み上げた。また初恋の思い出を尋ねられると「はっきりといつが初めての恋だったかは分からないんですが、小学校6年生で卒業するときに、中学校が別々になってしまう男の子に想いを伝えなきゃと手紙を書きました。結局、出さないままでいまも持ってるんです。結婚で身辺整理をしているときに見つけて、パートナーに見せたら笑ってました。『(好きか否かを)○か×で書いてほしい』というアンケートのような手紙で、出さなくてよかったです(笑)」とくすぐったい思い出を明かしてくれた。報道陣からは過去の恋だけでなく、現在進行形の結婚生活についての質問が飛んだが「アイドルなのであまり(公の場で)恋の話をしたことがなくて…恥ずかしい。もうイヤ(苦笑)!」とたびたび照れくさそうな表情を見せつつ「もう少し(一緒にいられる)時間があればいいな、と思います」とのろけていた。『ジュリエットからの手紙』は5月14日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。■関連作品:ジュリエットからの手紙 2011年5月14日よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開© 2010 Summit Entertainment, LLC. All rights reserved.■関連記事:ガエル・ガルシア・ベルナル インタビュー愛よりも夢を優先する男に共感は…?50年前の初恋を捜す旅『ジュリエットからの手紙』試写会に10組20名様ご招待一通の手紙が導く50年ぶりの初恋探し『ジュリエットからの手紙』のポスター画像解禁
2011年05月09日今年で3回目を迎える、日本全国の独立系映画館スタッフの投票により、スクリーンで観てほしい映画作品を選出する「映画館大賞」の結果が発表され、松たか子主演の『告白』が1位を獲得した。観客に映画を送り届ける“最前線”である映画館で働くスタッフが選ぶ映画賞として、2年前に設立された映画館大賞。第3回となる今回は、2009年12月から2010年11月末日までの1年間に公開された作品を対象に、全国の130館の独立系の映画館スタッフが、1位に10点、2位に9点…10位に1点という形式で投票し、合計ポイントで順位を決定した。1位に輝いたのは、2009年本屋大賞に輝いた、湊かなえによるベストセラーを鬼才・中島哲也が映画化した『告白』。愛する娘を殺された女教師の復讐劇という、ダークな内容のドラマだったが口コミでの広がりを見せ、ヒットを記録した。書店員が選ぶ賞として2004年にスタートした「本屋大賞」こそが、映画館大賞、ビデオ屋さん大賞など世を席捲する「○○大賞」の元祖とも言うべき存在。その本屋大賞受賞作品が実写化され映画館大賞に!邦画が全体の1位に輝いたのは初めてのことである。また、3回目にして初めて、日本で最も権威ある「日本アカデミー賞」の最優秀作品賞受賞作と、映画館大賞作が重なる結果となった。2位には韓国映画『息もできない』がランクイン。ミニシアター系の小さな作品ながら、こちらも口コミで高い評価を集めたが、やはり独立系映画館のスタッフの間でもその評価は高し!ハリウッド大作を抑えて見事、2位に入った。3位には歴代最多興行収入を更新した『アバタ―』。以下、『トイ・ストーリー3』、『インセプション』と続く。邦画では6位に吉田修一原作の『悪人』、9位に三池崇史監督作『十三人の刺客』が入った。7位の『第9地区』は南アフリカを舞台にした作品で、8位の『オーケストラ!』はフランス映画、10位の『瞳の奥の秘密』はスペイン、アルゼンチン合作。過去2回と比べても、国際色豊かなベスト10となった。また、特別部門として設けられている、著名人が昨年最も印象深かった1作を選ぶ「あの人の1本」には映画監督の黒沢清と女優の夏木マリが参加。黒沢監督は、ベスト10でも7位に入った『第9地区』を、夏木さんは、日系人監督キャリー・ジョージ・フクナガによる『闇の列車、光の旅』を選んだ。昨年のアカデミー作品賞候補作の中でも、ひときわ異彩を放った『第9地区』について、黒沢監督は「難民のような宇宙人が地球に飛来、ゲットーを作って住み着き、人間はたいへん迷惑する…と事前に聞いていた内容は冒頭のほんの5分だった。ここから映画が始まり、見る間にまっとうな活劇としての体裁を整えていく。立派な映画だ。とりわけ宇宙人と人間とが協力して敵の基地に潜入するシーンは、ジョン・カーペンターかと見紛うばかりの感動で泣きそうになった」と絶賛。一方、中南米・ホンジュラスから“夢の国”アメリカを目指して旅をする移民たちの姿を描いた『闇の列車、光の旅』について夏木さんは「私はロードムービーの旅が好きだ。主人公と一緒に知らない世界を見る興奮。しかしながら2010年は過酷な旅を経験した。『闇の列車、光の旅』はこの年、私にとって一番の衝撃作だ。製作は人気俳優ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナ。監督がキャリー・ジョージ・フクナガ。この製作人たちは少女と少年に命がけの危険な旅をさせる。南米、ホンジュラスに住む少女サイラはよりよい生活を求め父とアメリカを目指すが、移民生活の過酷な現実の中で少年と出会い、ある事件をきっかけに2人は強くなっていく。監督は自ら不法移民と旅をしてリサーチしたという。いま、現実にこんな世界があるという事実。結末の感動はどんな旅より私は自由になれた」とのコメントを寄せてくれた。また、今年から新たに新設された「2010年を象徴する作品」という部門では、“3D元年”にふさわしく、『アバタ―』が最も多くの票を集めた。「映画館大賞 2011」の公式サイトでは、全ての投票結果のほか、「2010年 記憶に残った作品、劇場での出来事」と題して、全国の映画館スタッフから寄せられた観客とのエピソードや様々な思い出も紹介。順位と共に、こちらを読んでみると映画館に行く楽しみがさらに増すかも?映画館大賞 2011ベスト101位:『告白』2位:『息もできない』3位:『アバタ―』4位:『トイ・ストーリー3』5位:『インセプション』6位:『悪人』7位:『第9地区』8位:『オーケストラ!』9位:『十三人の刺客』10位:『瞳の奥の秘密』映画館大賞 2011公式サイト■関連作品:告白 2010年6月5日より全国東宝系にて公開© 映画「告白」フィルムパートナーズ息もできない 2011年1月22日よりシネマライズにて期間限定公開アバター 2009年12月23日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2009 Twentieth Century Fox. All rights reservedトイ・ストーリー3 2010年7月10日より全国にて公開© DISNEY/PIXARインセプション 2010年7月23日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved悪人 2010年9月11日より全国東宝系にて公開© 2010「悪人」製作委員会 十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会第9地区 2010年4月10日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2009 District 9 Ltd All Rights Reserved.オーケストラ! 2010年4月17日よりBunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開© 2009 Focus Features LLC. All Rights Reserved瞳の奥の秘密 2010年8月14日よりTOHOネマズ シャンテにて公開© 2009 TORNASOL FILMS - HADDOCK FILMS - 100 BARES PRODUCCIONES - EL SECRETO DE SUS OJOS (AIE)闇の列車、光の旅 2010年6月19日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2008 Focus Features LLC. All Rights Reserved.■関連記事:岡田将生が若き日のブラック・ジャックに!手塚治虫の名作ドラマ化共演に仲里依紗第5回アジア・フィルム・アワード開催。登壇者から日本の被災者にお見舞いのコメント全国のビデオショップ店員が選ぶ「ビデオ屋さん大賞」創設1位は『サマーウォーズ』ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、『バットマン』新作で悪役に挑戦テキサス州で開催のメディア見本市にE・ペイジらが出席。震災への義援金募集も実施
2011年04月05日村上春樹の短編小説「パン屋再襲撃」がキルステン・ダンストをキャストに迎えてショートムービーとして映画化され、10月末に開催されるショートフィルムの特別上映会「フォーカス・オン・アジア」にて上映されることが決まった。今回の催しは、日本発のアジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」と東京国際映画祭の連動企画として東京都写真美術館にて開催されるもの。その中でこの『パン屋再襲撃』がワールド・プレミア上映される。原作は、村上春樹による短編小説で、1986年に刊行された短編小説集の表題作にもなっている。“再襲撃”とあるように、元々、「パン」というタイトルで短編小説集「夢で会いましょう」(冬樹社刊)に収録(※後に文庫化の際に「パン屋襲撃」に改題)された作品の続編にあたり、深夜に耐えがたい空腹に襲われた夫婦が主人公。夫の“僕”はかつてパン屋を襲撃し、失敗した経験があり、妻はその“呪い”を解くべくいま一度、パン屋を襲うべきだと主張し夜更けに2人はタイトルそのままにパン屋再襲撃を目論む。この、少しシュールな展開の短編小説をガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナの出演作『ルドandクルシ』でメガホンを取り、『天国の口、終りの楽園。』の脚本を手がけたメキシコ人監督カルロス・キュアロンが映画化!『スパイダーマン』シリーズ、『マリー・アントワネット』のキルステン・ダンストと『ハート・ロッカー』のブライアン・ジェラティが出演しており、そのビジュアルも到着した。このたび、キュアロン監督の来日も決定!10月31日(日)には、キュアロン監督と本作のプロデューサーを務めたルーカス・アコスキン氏を講師に迎えてショートフィルム制作とメキシコ映画についてのワークショップも開催されることが決定した。今年は村上さんの小説の映画化作品が目白押し!村上さんの代表作である大ベストセラー長編小説を映画化した『ノルウェイの森』に加え、阪神淡路大震災をモチーフに発表された短編小説を、舞台をL.A.に移して海外スタッフ、キャストで映画化した『神の子どもたちはみな踊る』も公開されるなど、映画界に“村上春樹イヤー”到来?ショートフィルムという枠組みで、ちょっとシュールな村上ワールドがどのように映像化されているのか楽しみなところだ。「フォーカス・オン・アジア」は10月28日(木)から31日(日)まで東京都写真美術館にて開催。■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン神の子どもたちはみな踊る 2010年10月30日よりシネマート六本木ほか全国にて順次公開© 2008 Kimmel Distribution, LLC.■関連記事:金獅子賞はソフィア・コッポラ作品!“元カレ”タランティーノ感激?日本勢は無冠村上春樹原作『神の子どもたちはみな踊る』ポスタービジュアル解禁!菊地凛子インタビュー天衣無縫の旅人――「やっぱり直感なんですよね」『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!『ノルウェイの森』に質問続出! 凛子、松山ケンイチと「楽屋にこもって話し合った」
2010年09月29日勝手なお話で恐縮ですが、9月は私にとってヨーロッパ月間です。1週間フランス出張にでかけ、間髪あけずにオーストリア・ドイツ・チェコ巡りのちょっと遅い夏季休暇を2週間。そんなわけで、頭の中もすっかり欧州風。コラムも、この秋に気になるヨーロッパ映画を特集することにしました。といっても、並べてみたら全部がフランス作品に。さすがは文化・芸術の国ですね。まずは、『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督最新作『ミックマック』。タイトルになっているのは、“いたずら”という意味を持つ言葉。主人公は、父を戦争で亡くし、自分はある発砲事件で被弾し、頭に流れ弾が残ったままになってしまったビデオ・レンタルショップの店員・バジル。怪我をきっかけに全てを失ってしまった彼が出会うのが、廃品を回収してはユニークなモノに改造していく創造性豊かな人々です。そんな暮らしの中で、バジルはふとしたことからある目的を見出すのですが…。その目的を達成するために繰り出されるのが愉快ないたずらの数々というわけです。平和を願うピュアな心と、『アメリ』で見せた遊びゴゴロがたくさん詰まったこの作品。物語はシンプルなのですが、ディテールと小道具・大道具、独特の映像美という映画言語を巧みに使用して、作品を大きく大きく膨らませていくのです。特に面白いのが、相変わらずキャラが激しく立った面白顔の登場人物と、奇妙な改造品の数々。温かみがあって、どこか懐かしい美術や色彩にもジュネらしさがいっぱい。舞台は現代のパリですが、『アメリ』、『ロング・エンゲージメント』でアカデミー賞ノミネート、セザール賞受賞を果たしている美術監督アリーヌ・ボネットと共に、実にヨーロッパらしいレトロテイストの作品を創り上げてくれました。実は、『ミックマック』のように、ちょっとした計画を実行しようとするあるグループを描いているのが、同じフランス作品の『プチ・ニコラ』。この作品に登場するのは、打って変わってとてもかわいい小学生たち。主人公は優しいパパとママと暮らしているニコラです。両親に愛されて幸せに暮らしているニコラですが、想像力が少々豊か過ぎ。母親が妊娠したと思い込み、弟ができることの恐怖におののきます。そこで仲間たちとある計画を練り、実行しようと試みるのです。繰り広げるのは、的外れな計画に、ピントのずれた行動ばかり。その様子はキュートで滑稽。シャツにニットのベスト、そして半ズボンのいたずらっ子たちが、スクリーン狭しと暴れまわるのです。原作はフランスで50年間愛されてきたというルネ・ゴシニ作、ジャン=ジャック・サンペが描く国民的絵本「プチ・ニコラ」。子供らしい空想力と純真さにあふれた世界観に思わずにっこりしてしまいます。さらに、ニコラの視点で描写される大人たちのユニークなこと。絵本が原作だから子供向け映画などと決めつけないで、おしゃれでユーモアあふれる『プチ・ニコラ』の世界を存分に味わってみてください。実は、昨年からフランスでは、本作公開にあわせて、様々な記念アイテムが発売されたそう。「プチ・バトー」からはニコラが劇中で着ていたパジャマや子供たちが身体測定の際に着ていたブリーフが、「ベルナルド」からはリモージュ焼きのテーブルウエアが、「クレールフォンテーヌ」からは筆記道具やペーパーのバッグが、それぞれキュートなニコラの絵つきで、日本でも発売されています。さすがはフランス。劇中の子供たちや、インテリア、大人のファッションもとびきり素敵。舞台となった1960年代のテイストは、きっと観る人の目も心もワクワクさせてくれるはずです。ところで、この作品の中で気になったことがもうひとつ。それは朝食のシーンです。実は、つい数日前にフランス出張から帰ってきたのですが、そのときに体験したフランスの一般的な朝食というものをここでも見ることができました。宿泊は、大きなホテルではなく“Chambre d’hotes”(シャンブルドット)が多かったのですが、これは一般家庭の一部などをゲストルームにしている家庭的な宿のこと。イギリスならばB&Bといった感じの宿泊施設で、たいていは朝食がついています。そこで出されるのは、表面がぱりぱりのバゲットとコンフィチュールにカフェオレ、たまにフランスの一般家庭ではごちそうだというクロワッサンがついていることも…というメニュー。こう書くと随分質素な感じもしますが、パンがとても美味しいので、マダムお手製のフレッシュなコンフィチュール、香ばしいコーヒーがあればもうそれだけで大変豊かな朝の食事となるのです。ニコラの家の食卓にも、まさに私が体験した、そんな典型的な朝のメニューが乗っていました。大手のホテルでは、朝食と言えばビュッフェ形式で、目移りするほどのメニューが供されるところもありますが、美味しいパンがあったので今回はそれだけでも十分幸せでした。さすがは、パンを主食としている国。私たちの国にやってきた旅行者も、日本での炊きたての朝ごはんに、こんな幸せを感じてくれていたら嬉しいなと思います。さて、最後にご紹介するのもフランス映画。『約束の葡萄畑あるワイン醸造家の物語』です。至極のワインを造るために人生をかける葡萄農夫のソブランと、彼をとりまく女性たち、そして彼にワイン造りの真髄を伝える天使の物語です。ワイン造りとは、自然を相手にするとても過酷な仕事です。まじめにコツコツと働かなければ、素晴らしい実りは期待できません。でも、この仕事の最も過酷な部分は、まじめに働いたとしても良い結果が得られるとは限らないということです。労働は、良質なワインができる可能性を高めることでしかありません。あとは、天気や運といった人間では手の出せない部分の比重がとても大きいのです。今回のフランス出張では、映画の舞台となったブルゴーニュ地方のワイン産地をめぐってきたのですが、そのことを生産者たちの口からも直接知らされました。毎日のようにお天気を気にし、自分たちがぶどうのためにできることを常に考えています。もちろん、どうしようもできないことについても。人間ができることと、自然にしかできないことの積み重ねによって生まれるワイン。だからこそ、この作品にはそんな神秘的な部分を象徴するかのように、天使が登場するのではないでしょうか。天使・ザスを演じるのは、ギャスパー・ウリエル。美しすぎる天使に、うっとりしつつも、このロマンティックで神秘な存在こそが、フランスにおけるワイン造りの奇跡を体現しているのではないかと気づいた私。生産者たちは、自分の努力だけでは偉大なワインができないことを知っています。気候、テロワール、そして人間。それらが上手く関わることでしか、偉大なワインは生まれない。そして、その組み合わせを考えることができるのは神のみ。何百年も続くワイン造りの中で、彼らには自然や偶然に謙虚になることを学んでいるような気さえしました。ワイン造りに奇跡は欠かせないのだと。そんなちょっとロマンティックな発想が、ワインを、そしてフランスを特別なものにしているような気がするのですが、いかがでしょう。『約束の葡萄畑あるワイン醸造家の物語』を観ると、そんな気がしてくるはずですよ。ヨーロッパ映画と称しておきながら、結局はフランス一色になってしまった今回のコラムですが、それぞれに特徴のある作品のラインナップになりました。偶然ではありますが、フランス映画の懐の広さを感じる、ちょうど良い機会になってくれれば幸いです。(text:June Makiguchi)■関連作品:ミックマック 2010年9月4日より恵比寿ガーデンシネマにて先行、9月18日より全国にて公開2009 © EPITHETE FILMS –TAPIOCA FILMS –WARNER BROS. PICTURES –FRANCE 2 CINEMA -FRANCE 3 CINEMAプチ・ニコラ 2010年10月9日より恵比寿ガーデンシネマほか全国にて順次公開© 2009 Fidelite Films - IMAV Editions - Wild Bunch - M6 Films - Mandarin Films - Scope Pictures - Fidelite Studios約束の葡萄畑あるワイン醸造家の物語 2010年10月23日よりBunkamuraル・シネマほか全国順次公開© 2009Ascension Film Kortex Acajou Films■関連記事:ワインに隠された愛、悲愁、天使の助言『約束の葡萄畑』試写会に10組20名様ご招待とびきりしあわせになれる?『プチ・ニコラ』試写会に5組10名様をご招待『アメリ』監督新作『ミックマック』の7人は黒澤明の影響?7人登場の本編映像到着『ミックマック』は『アメリ』+男ゴコロ?鬼才のいたずらに男女とも高得点!エスパー伊東秘技に失敗で小森純とのキスおあずけ
2010年09月29日ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナが惚れ込み、揃って製作総指揮に名を連ねた映画『闇の列車 光の旅』。中南米・ホンジュラスから“夢の国”アメリカを目指し、列車で危険な旅をする移民たちを題材に、移民の少女とギャングとして列車に乗り込んだ少年の美しく、そして切ないドラマが展開する。監督を務めたのは32歳の新鋭キャリー・ジョージ・フクナガ。日本人の血を引き、カリフォルニアで生まれ育った彼が、なぜ移民を扱ったこの作品でデビューを飾ることになったのか?サンダンス映画祭では見事、監督賞を受賞した本作について話を聞いた。学生時代から短編映画を撮っていたというフクナガ監督。現実に起こったニュースを題材に短編映画を撮ろうとリサーチしていたときに、この中南米の移民の現実に出会ったという。「彼らは貨物列車に乗ってメキシコを通過し、アメリカを目指すわけだが、その間、あらゆる危険に直面する。盗賊、ギャング、そして警察に自然環境。僕が聞いたこともないようなことばかりで強い興味を持ったんだ。それに、画としても“列車”は古きよき時代を思わせる。僕にすれば、この題材でまだ誰も映画を撮っていないということが信じられないほどだったよ」。実際に、映画制作に当たっては様々なリサーチを敢行した。「まずは学術的な調査から入り」、その後、実際に列車に乗り込んだという。「旅に出るごとに新たな発見があった。移民の人々と時間を共有し、理解し、彼らが自分の人生について話してくれる内容に耳を傾けたよ。そして、リサーチのほかに学んだことは、罪の意識だ。僕はリサーチが終われば、みんなを列車に残し、メキシコのどこかほかのところで執筆作業をするか、ミーティングなどのために去っていかなければならない。2〜3日を一緒に過ごした彼らは僕と別れて、自分たちの旅を続けなければならない。彼らは先へと進み、僕たちはもう二度と会うことはない。それはとても難しいことだった。なぜなら、僕には彼らがその先、もっと多くの困難に出くわすであろうことが分かっていたから。僕自身はまた元の生活に戻るだけだった」。監督はほんの短い時間であれ、共に旅をした人々に思いを馳せ、こう続ける。「(彼らが映画を)誇りを感じる必要はないけれど、もし、仲間の誰かが僕を覚えていて、映画を観て、旅を思い出してくれることがあればとても嬉しいね。彼らともう一度会えたら、それはとても特別なことだよ。でも、僕は目標を掲げてこの映画を作ったわけではないんだ。この映画とはずっと長い間共存してきた。かれこれ5年になるかな。自分と切り離して考えることはできない。この経験にどんな意味があったのかを悟るまでには、あと5年、10年はかかるような気がする。最初に作った長編映画というだけでなく、移民の人たちと一緒に長い旅を経験したし、長期間に渡ってこの題材にのめり込んでいたっていうことも含めてね」。ギャングとして列車に乗り込むも、少女を暴行しようとしたリーダーを殺してしまい、組織から追われることになる少年・ウィリーを演じたエドガー・フローレスは映画初出演。「(エドガーにとっては)辛かったと思うよ。国を離れるのも初めてなら、飛行機も初めてだし、こんな責任がのしかかってくるのも初めてだった。まだ若いし、子供みたいな19歳で、時々キレたりしたので、プロデューサーや僕がエドガーのトレイラーに行って、一緒に腰を降ろしていろいろ助言してやる必要があった。規律を教え込んだりね。すると、エドガーはちょっと泣いちゃったりしてね(笑)。彼はいろんなことで泣くんだ。熱血漢で熱いヤツだからね。ものすごく緊張していて…でも、心は優しい子なんだ」。劇中、エドガー演じるウィリーと少女・セイラ(ポリーナ・ガイタン)が徐々に親密になっていくが…。「うん、エドガーは実際にポリーナのことが好きだったんだと思うよ(笑)。それも助けになったんじゃないかな。2人とも、自分の役柄と共通点がいっぱいあって、それもまたリアリズムを与えていた。ポリーナは、セイラに似た経験をしているし、エドガーは路上生活がどういうものか知っている。2人が演じたことは、実際の経験からかけ離れたものではないんだ」。さらに、監督の中に流れる日本の血、日系人としてのアイデンティティについても聞いてみた。「(日系人のアイデンティティを)確かに感じるよ。僕の家族にはしきたりがあって、それはきっと日本的な古風なものなんだと思う。例えば、僕は新年を必ず家族と一緒に祝うんだ。ガレージで餅つきをしたり、てんぷらを揚げたりとかしてね。仏教的な行事もやっている。僕の祖母が最近亡くなったんだけど、仏教的な儀式が家の中ですぐに始まって、みんなが出席した。カリフォルニアでは、日系の家族の絆はとても強いんだ。それから、21歳のときに半年ほど日本で暮らしたことがあるんだ。北海道でスノーボーディングをするためにね。日本での暮らしはとても気に入ったんだけど、同時に、日本的とはどういうことなのか?という意味で、自分と日本で生まれ育った人たちとの違いを知った。アメリカ育ちの僕には全然分からない(苦笑)、たくさんのデリケートなルールがあるから。でも、文化的には、自分は何よりも、第一に日本人的であると思いたい。特にどんなことが、というのは分からないんだけど…苗字は日本人だよね?」いつの日か日本で、もしくは日本についての映画を撮りたいか?と尋ねると「もちろん!」と即答してくれたフクナガ監督。その日を待ちつつ、まずは彼が切り取った移民の現実、そしてそこからすくい上げた“希望”に目を凝らしてほしい。■関連作品:闇の列車、光の旅 2010年6月19日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2008 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
2010年06月18日ディエゴ・ルナの監督デビュー作『Abel』(原題)が招待作品としてカンヌで公式上映され、大きな拍手で迎えられた。『Abel』は父親に家出されて以来、2年間言葉を話さなかった10歳のアベルが、突然口を開いた途端、姉弟の父親、そして母親の夫として振舞うようになるという物語。コミカルな場面をはさみつつ、子供の視点から大人の身勝手、そして一人で子育てをしなければならない母親の困難さを描いた感動作で、ディエゴの亡き母に捧げられている。プロデューサーを務めた親友ガエル・ガルシア・ベルナルはカメラ・ドール(新人監督賞)の審査委員長のため上映には立ち会えなかったが、ディエゴは「ガエルや多くの友人のおかげで完成でききた映画を、カンヌで上映できて本当に嬉しい」と興奮気味に挨拶。さらに会場にいた父親を観客に紹介していた。ディエゴだけでなく、今年のカンヌには俳優の監督作が目立つ。コンペ入りしたマチュー・アマルリックの『On Tour』(原題)、グザビエ・ブーヴォワの『Of Gods and Men』(原題)に加え、批評家週間部門ではキルスティン・ダンスト、ジェームズ・フランコの短編監督作が上映されている。もしかするとここからイーストウッドに続く、次の巨匠が出てくるかもしれない。(text:Ayako Ishizu)第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート■関連作品:第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕© Brigitte Lacombe – ad design graphique■関連記事:【カンヌレポート 番外編】ファッションで見るカンヌ!ベストドレッサーは誰?雨の日に観たい映画ランキング大発表!1位はあのミュージカルの傑作【カンヌレポート 05】パルムドールのゆくえ…現地評価&T・バートンの選択は?審問に出廷しなかったリンジー・ローハンに逮捕状発布【カンヌレポート 04】たけし、批評家の採点は辛口も観客からは5分の拍手の嵐
2010年05月23日ラテン映画界の貴公子、ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナが7年ぶりに共演し、親友ならではの息の合ったテンポで“ダメ兄弟”を演じる生粋のメキシコ映画『ルド and クルシ』が2月20日(土)より公開される。本作で、甘いマスクと高い演技力でファンを魅了するガエルがなんと歌手デビューを果たしている!ガエルが演じるのは、歌手になることを夢見るも、ひょんなことからサッカーのスター選手になり、ついでに歌手デビューも果たしてしまう青年・タト。そのコミカルな演技に注目が集まる中、劇中では、チープ・トリックの大ヒット曲「甘い罠(I Want You to Want Me)」のスペイン語カバーをダサダサに歌っているが、これがなんと本国メキシコでヒットチャートの第1位に。ヘタなのに(失礼!)、一度聴いたら頭から離れない、この歌手デビュー曲は映画オリジナル・サウンドトラック(MUSIC CAMPより発売中)にも収録。本編では、キメキメのカウボーイ・ルックで、劇中のあだ名「クルシ(=自惚れや)」の名前どおり嬉々として歌と踊りを披露する、衝撃のビデオクリップが見られる。ちなみに、このPVはYouTubeで既に100万人に視聴されており、パロディ映像を投稿する人も続出しているのだとか…。さらに、メキシコでは結婚式ソングの定番曲となるほどの国民的ヒットとなった。あの甘いマスクからどんな歌声が発せられるのか?注目の『ルド and クルシ』は2月20日(土)よりシネマライズほか全国にて公開。■関連作品:ルドandクルシ 2010年2月20日よりシネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて順次公開© 2008 CHA CHA CHA, INC. All rights reserved.■関連記事:タフでダサい兄弟が描く成り上がりライフ『ルドandクルシ』特製お守りを3名様にプレゼント
2010年02月06日鬼才ジム・ジャームッシュの監督最新作は、スペインを舞台にした、いわくありげな不可思議世界を突きつけるロードムービー。「自分こそが最も偉大だと思っている男を墓場に送れ」。そんな指令を受け取った男が、スペインを巡り、行く先々で謎の暗号を受け取りながら、目指すターゲットへと迫っていく。まず、ジャームッシュ作品4度目となるイザック・ド・バンコレ演じる主人公の寡黙なキャラクターが目を引く。登場シーンでは、いきなり空港のトイレで太極拳をし、精神統一!以降もただただストイックに任務遂行を念頭に置き、携帯電話なし、銃なし、たとえセクシー美女が全裸でぺろんと横たわり、迫ってきてもセックスなしの殺し屋生活を黙々と繰り広げていく。さらに、カフェでは2杯のエスプレッソを注文するのが彼のお約束。いわくありげな不可思議世界とは言ったものの、ストーリーラインは至ってシンプル。もちろん、いわくはあるし、不可思議ではあるが、ジャームッシュならではのクスリと笑えるユーモアをのんびりゆるゆるとはらみながら、意外なほど実直に任務の全うを待ちわびるカメラの眼差しが独特だ。ノー・セックス、ノー・バイオレンスの“異色”殺し屋がアートに傾倒し、それらに触れたときのみ表情を崩す一方、彼の前に現れる道先案内人たちは映画や音楽、科学についてとうとうと熱弁。このあたりからは映画人たるジャームッシュの姿勢を慮ることもできるが、ティルダ・スウィントン、ガエル・ガルシア・ベルナルから工藤夕貴まで、豪華な道先案内人たちの妙演を味わうだけでも楽しい。そして、あるコードネームを背負ったビル・マーレイ登場のクライマックス。殺し屋も私たちも、「無に等しい」と作中で繰り返し強調されてきた世界が開けるのを感じる。これはジャームッシュ流の感動作でもあるのだ。(text:Hikaru Watanabe)■関連作品:リミッツ・オブ・コントロール 2009年9月19日よりシネマライズほか全国にて公開© 2008 PointBlank Films Inc. All Rights Reserved.■関連記事:工藤夕貴インタビュー「二十歳の頃よりもいまの方がずっと元気だなって感じますね」ジャームッシュの世界『リミッツ・オブ・コントロール』試写会に20組40名様ご招待
2009年09月18日