ホアキン・フェニックス主演、リドリー・スコット監督作『ナポレオン』の公開日が12月1日(金)に決定し、日本版予告と新場面写真が解禁された。ホアキン・フェニックスとリドリー・スコットは『グラディエーター』以来の再タッグ。歴史に名を刻むフランスの皇帝ナポレオンの知られざる姿を描き出す。この度解禁となった予告映像は、1789年に始まったフランス革命により、マリー・アントワネットが国民の罵声飛び交う中でギロチン(斬首刑)にかけられるショッキングなオープニングから始まる。それを冷静に見守る一人の男、フランスの将校ナポレオン。革命による国内の混乱を鎮め、イギリスやオーストリアから国を守るべく、類まれなる軍事戦略でたちまち頭角を現し、皇帝にまで上り詰めていく。最愛の妻ジョゼフィーヌとともに出席したノートルダム大聖堂での戴冠式では自らの手で冠を取り上げて被り、大いなる野望を描く印象的なシーンも。そして、アウステルリッツとワーテルローという、ナポレオンの戦いの中でも重要な二大戦闘シーンも見られる。フランス国旗を手にした軍隊と数百頭の馬と共に勇ましく指揮を執るナポレオン。そして予告ラストに描かれるのは、一面、氷と霧に覆われたアウステルリッツの戦いだ。オーストリアとロシアの連合軍を雪で覆われた氷上に誘い込むと突然、大砲を発射!彼らの足元の氷を打ち割り、血まみれになった敵国の兵や馬が氷の割れた湖へと落ちていく…。ナポレオンの狡猾かつ冷酷ぶりを伺わせる衝撃シーンとなっている。撮影カメラ11台、集められたエキストラは8000人と多額な製作費をかけ、ヨーロッパロケを敢行した本作。「スペクタクル超大作」の名にふさわしい、壮大なスケールを感じさせる予告編となっている。『ナポレオン』は12月1日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2023年09月08日リドリー・スコット監督と『ジョーカー』のホアキン・フェニックスが『グラディエーター』以来の再タッグで挑むスペクタクル超大作『ナポレオン』の日本版予告編と新場面写真が解禁された。歴史に名を刻むフランスの皇帝ナポレオン・ボナパルトはいかにして皇帝の座へ上りつめたのか?映画では、彼が唯一愛した妻ジョゼフィーヌとの波乱万丈な愛憎関係の中で、大いなる野望と驚くべき戦略で歴史に残る数々の戦争を仕掛けたナポレオンの真の姿が描かれる。解禁された日本版予告は、1789年に始まったフランス革命により、マリー・アントワネットが国民の罵声飛び交う中でギロチン(斬首刑)にかけられるショッキングなオープニングから始まる。それを冷静に見守るひとりの男、フランスの将校ナポレオン(ホアキン・フェニックス)。革命による国内の混乱を鎮め、イギリスやオーストリアから国を守るべく、類まれなる軍事戦略でたちまち頭角を現し、皇帝にまで上り詰めていく。最愛の妻ジョゼフィーヌ(ヴァネッサ・カービー)と共に出席したノートルダム大聖堂での戴冠式では、自らの手で冠を取り上げて被り、大いなる野望を描く印象的なシーンも。また、予告編ではアウステルリッツとワーテルローという、ナポレオンの戦いの中でも重要な二大戦闘シーンも見られる。フランス国旗を手にした軍隊と数百頭の馬と共に勇ましく指揮を執るナポレオン。そして予告ラストに描かれるのは、一面、氷と霧に覆われたアウステルリッツの戦い。オーストリアとロシアの連合軍を雪で覆われた氷上に誘い込み、突然、大砲を発射。彼らの足元の氷を打ち割り、血まみれになった敵国の兵や馬が氷の割れた湖へと落ちていくという、ナポレオンの狡猾かつ冷酷ぶりを伺わせる衝撃的なシーンとなっている。『ナポレオン』日本版予告『ナポレオン』12月1日(金)公開
2023年09月08日『ジョーカー』のホアキン・フェニックスがナポレオン・ボナパルトを演じることで話題の、Appleオリジナル映画『ナポレオン』。上映時間は2時間38分(158分)と発表されているが、監督のリドリー・スコットによるとさらに長い「4時間半(270分)」で「最高」と評するカットの用意があるという。スコット監督が「Empire Magazine」に語ったところによると、270分版の『ナポレオン』は、よりナポレオンの妻ジョセフィーヌ(ヴァネッサ・カービー)に焦点を当て、彼女がナポレオンに出会う前の生活が描かれているとのこと。「最終的に、Appleが上映してくれるといいのだが」というスコット監督の願いは叶うのか。映画ファンも「ぜひ270分版を見せてほしい!」「Apple、お願いします」と後押ししている。2000年の『グラディエーター』から23年を経て、スコット監督とホアキンが2回目のタッグを組んだ今作。アカデミー賞ノミネート常連のスコット監督に、『ジョーカー』でアカデミー主演賞を獲得したホアキン、『私というパズル』でアカデミー主演女優賞にノミネートされたヴァネッサ、『預言者』でセザール賞主演男優賞を受賞したタハール・ラヒムと演技派が揃い、賞レース参戦への期待が高まる。『ナポレオン』の日本公開は今年12月に予定されている。(賀来比呂美)
2023年08月30日アメリカでは11月22日、日本では12月に公開が決定しているリドリー・スコット監督×ホアキン・フェニックス主演『ナポレオン』。スコット監督が主演にホアキンを選んだ理由を「Empire」誌に語った。2人は2000年のアカデミー賞受賞作『グラディエーター』でタッグを組んだことはあったが、今作のナポレオン役にホアキンを起用するアイディアは、スコット監督が『ジョーカー』を観ている時に思いついたという。「私はホアキンを見つめながら、『この悪ガキはナポレオン・ボナパルトだ』と言いました。彼はナポレオンにそっくりなんです」と、ジョーカーに扮したホアキンがナポレオン役にぴったりだと確信したと明らかにしている。「私はナポレオンをアレクサンドロス大王、アドルフ・ヒトラー、スターリンと比較します。確かに彼は悪いこともたくさんやってきた。同時に、驚くほどの大胆さ、実行力、支配力もありました。彼は特別な人だったのです」と、ナポレオンの魅力についても語った。ナポレオンと最初の妻ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネの関係を中心に描いているという今作。ジョゼフィーヌ役は当初ジョディ・カマー(「キリング・イヴ/Killing Eve」)がキャスティングされていたが、スケジュールの都合で降板し、ヴァネッサ・カービー(『ミッション:インポッシブル』シリーズ)が新たに起用された。(賀来比呂美)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2023年08月01日映画『ナポレオン』が2023年12月1日(金)に公開される。監督はリドリー・スコット、主人公ナポレオン役はホアキン・フェニックス。軍人ナポレオンの“真の姿”とは?映画『ナポレオン』は、歴史に名を刻むフランスの皇帝ナポレオン・ボナパルトが、いかにして皇帝の座へ上りつめたのかを壮大なスケールで描く作品。彼が唯一愛した妻・ジョゼフィーヌとの波乱万丈な愛憎関係の中で、歴史に残る数々の戦争を仕掛けた“軍人ナポレオンの真の姿”に迫る。リドリー・スコット監督×ホアキン・フェニックス主演監督は、アカデミー賞作品賞に輝いた映画『グラディエーター』や『オデッセイ』などを手掛けてきた巨匠リドリー・スコット。主人公のナポレオン役はホアキン・フェニックスが演じる。リドリー・スコットとホアキン・フェニックスのタッグは、ホアキン・フェニックスがラッセル・クロウ演じるローマの将軍マキシマスと対峙する暴君を演じた『グラディエーター』以来となる。ホアキン・フェニックスは役作りにあたり、ナポレオンに関する膨⼤な量の書籍を読み漁りリサーチ。しかし、役作りは難航したといい、リドリー・スコットは細部にわたって1つ1つのシーンについてホアキン・フェニックスとの話し合いを行ったという。“アウステルリッツの戦い”シーンも『ナポレオン』は、リアルと特殊効果の相乗効果による圧倒的なスケールがポイント。中でも、ナポレオン史上最も華々しい功績をあげたとされる氷上が舞台の“アウステルリッツの戦い”シーンだ。オーストリア&ロシアと会戦する戦いのシーンについて、監督のリドリー・スコットは「無駄がない」と舌を巻くほどの出来栄えに。凍てつく氷の湖の先で睨みあうロシア軍と、ナポレオン率いるフランス軍。ナポレオンは、敵を凍った湖の上に追い込み、大砲で氷を割り敵を湖へと沈めた。このシーンは、なんと約80万〜120万㎡を誇る広大な野原の土を掘り、氷の湖の表面を再現、さらにはその上を氷で固めた上で撮影したという。⾶び散る⾎や泥、役者にこびりつくように濡れた泥、四⽅⼋⽅から⾶んでくるもの、多くの煙、機械仕掛けの馬などを用いて、迫力満点のシーンに仕上げたのである。衣装の約95%はオリジナル、出来る限り忠実に再現衣装にも注目ジョゼフィーヌはナポレオンとの出会いから皇后となるまで、地位の変化にともない衣装が変わっていく。彼女は、当時、時代の最先端であり、ファッションアイコンでもあった。結婚式、戴冠式など要所で出てくるジョゼフィーヌのドレスなども『ナポレオン』の見所。また、ナポレオンは軍服も当時のものを出来る限り再現。例えば、二角の”ナポレオン・ハット”。帽子も当時の比率があうよう徹底的にリサーチしたという。衣装の約95%は既存品の利用ではなく、映画のために制作されたもとなっている。登場人物ナポレオン・ボナパルト…ホアキン・フェニックス大いなる野望と驚くべき戦略思考をもって、数多の戦争を仕掛けた軍人であり、皇帝の座まで上りつめた男。歴史に名を残す“英雄”でありながら、⼀⽅で“悪魔”と恐れられた一面も持つ。ホアキン・フェニックスは、バットマンの敵役として登場した人気ヴィラン“ジョーカー”誕生の理由に迫る人気映画であり、続編の公開も予定されている『ジョーカー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞した。ジョゼフィーヌ…ヴァネッサ・カービーナポレオンが妻。カリブ海のフランス領マルティニーク島の貴族の家に生まれる。フランス革命で投獄された後、6歳年下のナポレオンと結婚。フランス皇后にまで上り詰める。ナポレオンが唯一愛した運命の女性で、彼の最期の言葉は「フランス、陸軍、ジョゼフィーヌ」であったと言われる。演じるのは、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』や『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』など話題作に出演しているヴァネッサ・カービー。ウェリントン...ルパート・エヴェレットイギリスの軍人。ワーテルローの戦いではナポレオンと会戦。ナポレオンとの戦争で功績をあげる。後にイギリスの首相にまで上り詰める。脚本は『ゲティ家の身代金』のデヴィッド・スカルパ脚本は、リドリー・スコットと『ゲティ家の身代金』でタッグを組んだデヴィッド・スカルパ。一流のキャストとフィルムメイカーが集結し、軍人ナポレオンの真の姿に迫る大作『ナポレオン』を送り出す。映画『ナポレオン』あらすじ歴史に名を刻むフランスの皇帝ナポレオン・ボナパルト。唯一愛した妻・ジョゼフィーヌとの波乱万丈な愛憎関係の中で、野望と戦略思考をもって数々の戦争を仕掛け、皇帝の座へ上りつめた。軍人ナポレオンの“真の姿”とは?【作品詳細】映画『ナポレオン』公開日:2023年12月1日(金)監督:リドリー・スコット脚本:デヴィッド・スカルパ出演:ホアキン・フェニックス、ヴァネッサ・カービー、タハール・ラヒム、ルパート・エヴェレット配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント原題:Napoleon
2023年07月14日Apple Original Filmsによる映画『Napoleon』が、日本で12月に『ナポレオン』のタイトルで全国公開されることが決定し、併せて予告映像が公開された。本作は、歴史に名を刻むフランスの皇帝ナポレオン・ボナパルトの姿を壮大なスケールで描いた作品。彼が唯一愛した妻ジョゼフィーヌとの波乱万丈な愛憎関係の中で、大いなる野望と驚くべき戦略で歴史に残る数々の戦争を仕掛けたナポレオンはいかにして皇帝の座へ上りつめたのか──。監督は、アカデミー賞作品賞受賞作『グラディエーター』や『オデッセイ』などを手がけた巨匠リドリー・スコット。主人公ナポレオン役には『ジョーカー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックス。二人のタッグはホアキンが、ラッセル・クロウ演じるローマの将軍マキシマスと対峙する暴君を演じた『グラディエーター』以来となる。ナポレオンの妻ジョゼフィーヌ役には、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』や『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』など話題作に次々と出演するヴァネッサ・カービー。脚本はリドリー・スコット監督とは『ゲティ家の身代金』でもタッグを組んだデヴィッド・スカルパなど、超一流のキャストとフィルムメイカーが集結した。『ナポレオン』予告映像<作品情報>『ナポレオン』12月 全国の映画館で公開監督:リドリー・スコット脚本:デヴィッド・スカルパ出演:ホアキン・フェニックス、ヴァネッサ・カービーオフィシャルサイト:
2023年07月11日ホアキン・フェニックス主演、リドリー・スコット監督作『ナポレオン』が、12月に全国にて公開されることが決定し、予告映像が解禁された。唯一愛した妻ジョゼフィーヌとの波乱万丈な愛憎関係の中で、大いなる野望と驚くべき戦略思考をもって、歴史に残る数々の戦争を仕掛けた、類まれなる軍人ナポレオン。その真の姿を、壮大なスケールで描く歴史超大作。リドリー・スコット-(C)Getty Images監督はアカデミー賞作品賞受賞作『グラディエーター』や『オデッセイ』などを手掛ける巨匠リドリー・スコット。主人公ナポレオン役には『ジョーカー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックス。この2人のタッグはホアキン・フェニックスが、ラッセル・クロウ演じるローマの将軍マキシマスと対峙する暴君を演じた『グラディエーター』以来となる。ホアキン・フェニックス Photo by Rachel Luna/Getty Imagesナポレオンの妻ジョゼフィーヌ役には、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(日本公開7月21日)や『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』など話題作に次々と出演するヴァネッサ・カービー。脚本はリドリー・スコット監督とは『ゲティ家の身代金』でもタッグを組んだデヴィッド・スカルパが務め、超一流のキャストとフィルムメイカーが集結した。全世界で初解禁となった予告映像では、暴君と呼ばれながらも崇められ、頂点を極めていくナポレオンの姿が映し出されていく。ホアキン・フェニックスの堂々たる佇まいと迫力の戦闘シーン、重厚な映像美に期待が高まる予告映像となっている。『ナポレオン』は12月、全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2023年07月11日ホアキン・フェニックスとルーニー・マーラが主演するインディーズ映画『The Island』が、撮影開始直前に中止になった。7月1日に全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)がストライキに入るかもしれない恐れがあり、保険会社から拒否されたことが理由。フェニックス、マーラ、パヴェフ・パブリコフスキ監督(『COLD WARあの歌、2つの心』)はロケ地のスペインに入っていたが、帰宅することになった。この映画をつくるという彼らの意志は変わっていないとのことだ。全米脚本家組合(WGA)は今月初めにストに入ったが、スタジオや配信会社の代表AMPTPとのへだたりは大きく、進展の様子はない。監督組合(DGA)も現在の契約終了を前に、AMPTPとの交渉を進めている。文=猿渡由紀
2023年05月24日スリラー映画『ボーはおそれている』が、2024年2月16日(金)に公開される。主演はホアキン・フェニックス、監督はアリ・アスター。アリ・アスター×ホアキン・フェニックスがタッグ2023年4月に北米で公開された映画『ボーはおそれている』が、ついに日本公開へ。スリラー映画『ミッドサマー』や、ホラー映画『へレディタリー/継承』を手掛けた監督、アリ・アスターが手がけた作品であり、製作は『ムーンライト』や『カモン カモン』などの話題作を世に送り出してきた気鋭スタジオA24が手がける。妄想と現実の狭間を行き来する男が、母のもとへ帰る旅映画『ボーはおそれている』は、“ささいなことでも怖がる”主人公の男ボーが怪死した⺟の元へ帰省するつもりが、妄想か現実かわからない壮大な旅に巻き込まれていく様子を描くオデッセイ・スリラー。劇中では妄想と現実の狭間を行き来するかのようなボーの様子や、次から次へと現れる不思議な人々、奇想天外の出来事、そして襲い来る危機や不安が描かれ、まるであり・アスターから観客へ向けた“精神への挑戦状”ともいえる内容がふんだんに盛り込まれている。ボーが実家に着くのが先か、それともボーの人生が転覆して永遠に壊れるのが先か。帰省から変貌を遂げた壮大な旅の末にたどり着く“永遠に忘れられないラスト”に注目だ。主演はホアキン・フェニックス主人公・ボー役は、『ジョーカー』続編の公開も控えるホアキン・フェニックスが演じる。この他、ネイサン・レイン、『レディ・バード』のスティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、パティ・ルポーン、『ワース 命の値段』のエイミー・ライアン、『カフェ・ソサエティ』のパーカー・ポージーらが名を連ねている。主人公・ボー…ホアキン・フェニックス⽇常のささいなことでも不安になる怖がりの男。母親が怪死したという報せを聞いて茫然⾃失となりつつも、しばらく会ってなかった⺟に会いにいく決⼼をする。しかし、里帰りの道中で次々に奇妙で予想外の出来事が起こり……?映画『ボーはおそれている』あらすじ怖がりの男ボーはある⽇、さっきまで電話で話していた⺟が突然怪死したことを知る。⺟のもとへ駆けつけようとアパートの⽞関を出ると、そこはもう“いつもの⽇常”ではなかった。これは現実か︖それとも妄想、悪夢なのか︖次々に奇妙で予想外の出来事が起こる⾥帰りの道のりは、いつしかボーと世界を徹底的にのみこむ壮⼤な物語へと変貌していく。【作品詳細】映画『ボーはおそれている』公開日:2024年2月16日(金)監督:アリ・アスター出演:ホアキン・フェニックス、ネイサン・レイン、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、パティ・ルポーン、エイミー・ライアン、パーカー・ポージー配給:ハピネットファントム・スタジオ原題︓BEAU IS AFRAID
2023年01月15日アリ・アスター監督とホアキン・フェニックスがタッグを組んだ、A24の『Beau is Afraid』(原題)の予告編が公開された。『Beau is Afraid』は、アスター監督が長編監督デビューを果たした『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』に続く、A24とのコラボ第3弾で、『ジョーカー』でアカデミー賞俳優となったホアキンを主演に迎えたホラー映画。共演はネイサン・レイン、パティ・ルポーン、カイリー・ロジャーズ、パーカー・ポジーら。タイトルが『Beau is Afraid』に決まる前は、『Disappointment Blvd.』(直訳:失望大通り)だった。予告編はホアキンが演じる主人公で偏執症のボーが、プールでくつろいでいる時に幼少期を思い出したかのようなシーンからスタート。映像では「母親に会うために家に帰る」という目的が中心となっているが、ボーが全速力で逃げたり、車にひかれたり、ガラスのドアを突き破ったりとアクション映画並みの激しいシーンが連続する。雰囲気にそぐわないメルヘンチックな映像も挿入され、そこにホラーを感じさせる。ファンの予告編への感想は、「新たなサイコホラーのお手本になりそうな1本」「多くを語りすぎない予告編は、本編への期待を高まらせる。『ボーは一体何を恐れているんだろう?』ってね。ブラボー!」「クレイジーな映画になりそう。楽しみ!」など。『Beau is Afraid』は2023年4月21日に全米公開予定。(賀来比呂美)
2023年01月11日トッド・フィリップス監督が、『ジョーカー』の続編『Joker: Folie à Deux』(原題)よりファーストルック画像を公開した。ホアキン・フェニックス演じるアーサー・フレック/ジョーカーが、アーカム精神病院とみられる場所で天井を見上げ、ひげを剃られているという画像。「待ちきれない」といった期待の声から、「(これが)ミュージカルになるなんて信じられない」とダークなテイストの画像からミュージカルが想像できないという声まで、様々な感想が寄せられている。また、フィリップス監督が「1日目。ぼくらのジョーカー」とキャプションを添えたことから、「2日目はレディー・ガガでしょ?」「レディー・ガガの画像を早く!」と、続編にハーレイ・クイン役で登場するレディー・ガガの姿を催促する声も。ガガは今年8月、SNSに『ジョーカー』続編のタイトル、2024年10月4日の公開日、とともにティザーアニメーションを投稿し、自身が同作に出演することを発表した。グラミー賞を10回以上受賞している歌手であり、MVやライブで見せるダンスもお手のもの。近年は『アリー/スター誕生』や『ハウス・オブ・グッチ』で俳優としての才能も開花させ、アカデミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされた経験も持つ。ハーレイ役を演じることは多くの映画ファンに受け入れられている模様だ。(賀来比呂美)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2022年12月12日実生活でパートナー同士のホアキン・フェニックスとルーニー・マーラが、映画『The Island』(原題)で共演することが決定した。製作・配給会社の「FilmNation Entertainment」が発表した。監督・脚本は、『イーダ』でアカデミー外国語映画賞(当時)を受賞したパヴェウ・パヴリコフスキ。実話から構想を得た作品で、ジャンルはドラマティックスリラーだという。舞台は1930年代で、主人公は、文明社会に背を向け無人島に自らの楽園を築き、そこで生活を送っているアメリカ人カップル。しかし、その島をヨットで通りかかった大富豪により、2人がタブロイド紙をにぎわせることになると事態は一変。自称・伯爵夫人が島に高級ホテルを建てて乗っ取ろうと画策し、奇妙な恋人2人を率いてやってくる。彼らは2人が築き上げた楽園を脅かし始め、すぐに戦線が張られる。心理戦が続き、誘惑、嫉妬、不貞、裏切り、そしてついには殺人にまで発展。同時に、自然そのものが島の人々の脅威となり…。ファンは、『her/世界でひとつの彼女』『ドント・ウォーリー』『マグダラのマリア』で共演し、相性の良さを見せてきたホアキンとルーニーの再共演に歓喜の声を上げている。また、「まるで2人の私生活のドキュメンタリーのよう」「2人とも、演技をしなくてそのままで大丈夫そう」と、2人が送る生活そのもののような映画になりそうだと指摘する声も。撮影は2023年に行われる予定。(賀来比呂美)
2022年10月25日ホアキン・フェニックスとルーニー・マーラがパヴェウ・パブリコフスキの次回作で共演することになった。実話にインスピレーションを得たストーリーで、仮タイトルは『The Island』。舞台は1930年代。主人公は、世の中に疲れ、誰もいない島で自分たちだけのパラダイスを築こうとしていたカップル。だが、その島をミリオネアに発見されたことで、彼らの人生が変わっていくという物語らしい。フェニックスとマーラは 『her/世界でひとつの彼女』と『マグダラのマリア』で共演。私生活でもカップルで、息子をひとり授かっている。文=猿渡由紀
2022年10月25日ミニマル・ミュージックの金字塔として伝説的に語られるフィリップ・グラスの『浜辺のアインシュタイン』が10月30日(日)、あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホールで上演される。フィリップ・グラス「浜辺のアインシュタイン」(演奏会形式・抜粋版) チケット情報この『浜辺のアインシュタイン』という奇妙なタイトルの作品は、1976年、気鋭の演出家であったロバート・ウィルソンと作曲家のフィリップ・グラスにより、フランスのアヴィニョン演劇祭で初演されたオペラ作品である。当時、時代を象徴する存在であった科学者のアインシュタインをイメージした作品、とされるが、アインシュタイン自身も浜辺も作中には登場しない。明確な物語はなく、繰り返される歌唱と抽象化されたパフォーマンスが観るものを独特の酩酊感へと誘う、前衛的な表現に満ちたオペラである。日本初演は1992年10月。今年10月8日・9日には、神奈川県民ホールで一部の繰り返しを省略した4時間に及ぶオリジナル・バージョンが上演されるが、あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホールでは演奏会形式・抜粋版と銘打ち、よりグラスの音楽に特化した上演を行う。ここでグラスが創造した音楽は極度に切り詰められた音型の繰り返しや、無機質で早口な合唱など、従来のオペラの文法からまったくかけ離れたものである。背景を覆う電子オルガンの響きの中に、電子的に調整されたヴァイオリン、サクソフォン、フルートなどの音が重ねられていく色彩感は、むしろ現代のロックやテクノなど、ポピュラー音楽への広がりなども示すものかも知れない。今回、音楽監督を務めるのは電子オルガンも担当する中川賢一。以下、電子音響の有馬純寿をはじめとする13人が演奏と歌唱に臨む。『浜辺のアインシュタイン』の音楽について中川は「70年代の熱気をはらんだ、いわゆるグルーヴ感を持ったバンドサウンドのスタイル。今の時代のロックやクラブ系のコンサートの感覚で聴いても十分に刺激的」と語る。デジタルな音響が溢れる2020年代をすでに半世紀近く前に予見していたかのようなグラスの先進性は、この秋、新鮮な音楽体験となって私たちを揺さぶるに違いない。チケットは発売中。取材・文:逢坂聖也
2022年09月22日ホアキン・フェニックス主演、心温まるヒューマンドラマ『カモン カモン』のBlu-ray&DVDが、11月2日(水)にリリースが決定した。『ジョーカー』で狂気を見事に体現し、アカデミー賞主演男優賞に輝いたホアキンが、「共感できる瞬間や感動がたくさん描かれている」と脚本に惚れ込んで出演を決めた本作。“親密さ”がカギとなるこの物語で、ホアキンと新星ウディ・ノーマンの微笑ましい掛け合いに注目だ。監督・脚本は、『人生はビギナーズ』のマイク・ミルズ。自身の子どもをお風呂に入れているときに着想を得て、本作を製作。ヴィム・ヴェンダースの初期のロードムービー『都会のアリス』にインスパイアされ、アメリカの4都市をめぐる主人公ジョニーの旅を、“ドキュメンタリー性を盛り込んだ寓話”として表現するという意図から、モノクロにこだわってつくられた。なお製作は、ミルズ監督と『20センチュリー・ウーマン』に続く2度目のタッグとなる「A24」が手掛けた。今回のディスクリリースでは、Blu-rayに音声特典としてミルズ監督のオーディオコメンタリーや、メイキング映像特典などもついてくる予定だ。(cinemacafe.net)■関連作品:カモン カモン 2022年4月22日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.
2022年07月29日映画『ジョーカー』の続編にあたる『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が、2024年10月11日(金)に公開される。映画『ジョーカー』続編が公開へ映画『ジョーカー』は、バットマンの敵役として登場したDCコミックスの人気ヴィラン・ジョーカーにフィーチャーした作品。人々を恐怖に陥れるヴィランとしての姿ではなく、笑いのある人生は素晴らしいと信じ、都会の片隅でピエロメイクの大道芸人として細々と生きていた孤独な男がジョーカーになるまでの衝撃的かつ切ない誕生秘話を描き、ヒットを飛ばした。後にジョーカーとなるアーサー・フラック役を務めたホアキン・フェニックスの怪演も大きな話題を呼び、第92回アカデミー賞では主演男優賞を受賞している。レディー・ガガ出演、ハーレイ・クイン役にそんな映画『ジョーカー』の続編となる、映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が公開へ。前作に続き、トッド・フィリップスが監督を務め、主演のホアキン・フェニックスがアーサーことジョーカー役を続投する。また、『ハウス・オブ・グッチ』で主役を務めたレディー・ガガも出演。ハーリーン・クインゼル、通称“ハーレイ・クイン”役として出演する。ハーレイ・クインといえば、オリジナル作品では、かつて精神病院に勤務する精神科医だったが、患者であるジョーカーに魅了されてヴィランとなっていく。それに関連しているのか、今回の映画タイトルである“フォリ・ア・ドゥ(Folie a Deux)”は、直訳すると、精神障害のひとつ“感応精神病”“2人狂い”を意味するフランス語のワード。1人の妄想が別の人物に感染し、同じ妄想を共有する……。新たなサスペンス・エンターテイメントを期待できそうだ。妄想と現実、美しくも狂気に満ちた世界劇中には、都会の片隅でピエロメイクの大道芸人として細々と生きていた、心優しい男から歪な悪のカリスマ《ジョーカー》に変貌を遂げたアーサーに対しハーレイ・クインが「私は誰でもない、あなたと違って何もしてない」と心情を明かす場面も。前作『ジョーカー』でも印象的な仕草や、TV のセット、そして群衆の熱狂などの要素が随所に盛り込まれる一方で、前作にはない舞台を思わせるような空間が登場し、妄想とも現実ともつかないシーンが映し出されるなど、美しくも狂気に満ちた映像世界が繰り広げられる模様だ。【詳細】映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』日本公開日:2024年10月11日(金)監督:トッド・フィリップス出演:ホアキン・フェニックス、レディー・ガガ原題:Joker:Folie a Deux全米公開日:2024年10月4日
2022年06月11日世界で450店舗を展開するメガネチェーン「OWNDAYS」の再生を描いた人気小説『破天荒フェニックス』が、劇団TEAM-ODACの新作公演『舞台・破天荒フェニックス〜いつだって始まっている〜』として舞台化されることが決定。シアターサンモールにて2022年6月1日(水)〜6月5日(日)に上演される。劇団TEAM-ODACは、2006年に、いとう大樹(代表)と笠原哲平(脚本・演出)によって旗揚げされ、「今を生きる」をコンセプトに人間が必死に生きる姿を、家族、友情といった人間関係をストレートに描く、笑って泣けるヒューマンドラマを目指す、今最も勢いのある若手劇団。近年の公演では、大ヒット小説やブライダル業界、ミュージシャンとのコラボレーションを行っている。新作公演の原作は、世界で450店舗を展開するメガネチェーンの「OWNDAYS」が、倒産寸前の状況からいかにして復活したかを実話をもとに描いたビジネス&エンターテイメント小説『破天荒フェニックス』(田中修治 著 / 幻冬舎)。脚本と演出は劇団TEAM-ODACの笠原が務める。主演はこれまでにも劇団TEAM-ODAC作品に多数出演している伊崎央登。他にも2.5次元から数々の舞台で活躍中の原嶋元久、若菜太喜、馬越琢己、碕理人、アイドル時代から女優としても頭角を表している、多田愛佳、諸塚香奈実、岡本尚子、江崎葵らが出演する。※伊崎央登、江崎葵の崎は正しくはたつさき【公演概要】劇団TEAM-ODAC第39回本公演『舞台・破天荒フェニックス〜いつだって始まっている〜』【原作】田中修治『破天荒フェニックス』(幻冬舎)【脚本・演出】笠原哲平(TEAM-ODAC)【劇場】シアターサンモール〒160-0022東京都新宿区新宿1丁目19番10号【出演】(敬称略)伊崎央登原嶋元久多田愛佳若菜太喜馬越琢己碕理人岡本尚子江崎葵(虹色の飛行少女)飯塚理恵(TEAM-ODAC)諸塚香奈実小西啓太(TEAM-ODAC)松本祐一掛川僚太三橋かおる橘里依上原わかな白田まめ坂場明日香(TEAM-ODAC)渡辺栞(さくらシンデレラ)大山アキ(TEAM-ODAC)谷田部亨政(TEAM-ODAC)鏡憲二(TEAM-ODAC)高品雄基(TEAM-ODAC)東ななえ(TEAM-ODAC)いとう大樹(TEAM-ODAC)【公演日程】2022年6月1日(水)〜5日(日) 全6ステージ6月1日(水) 18:30〜6月2日(木) 18:30〜6月3日(金) 18:30〜6月4日(土) 13:00〜6月5日(日) 12:00〜 / 16:00〜※ロビー・客席開場は開演の1時間前からとなります。【チケット】(全席指定)≪前売券≫S席 9,000円(特典付き)A席 7,500円≪当日券≫S席 9,500円(特典付き)A席 8,000円
2022年05月19日野外音楽イベント「ラッシュ ボール 2022(RUSH BALL 2022)」が、2022年8月27日(土)と8月28日(日)の2日間、大阪・泉大津フェニックスにて開催される。邦楽ロックイベント「ラッシュ ボール」とは「ラッシュ ボール」は、大阪・泉大津フェニックスを会場とする大規模な邦楽ロック・イベント。1999年からスタートした歴史ある音楽イベントで、毎年人気の邦楽バンドたちが熱いステージを繰り広げている。注目の出演アーティスト出演者には、2023年の解散が発表されているBiSH(ビッシュ)をはじめ、映画『極主夫道 ザ・シネマ』の主題歌が話題のCreepy Nuts(クリーピーナッツ)、最新EP『たましいの居場所』をリリース予定のマカロニえんぴつ、代表曲「いつか」や「シンデレラボーイ」で知られるSaucy Dog(サウシードッグ)など豪華な顔ぶれが揃う。出演者一覧■8月27日(土)出演アーティストcinema staff、go!go!vanillas、KANA-BOON、Saucy Dog、SHISHAMO、神はサイコロを振らない、キュウソネコカミ、ポルカドットスティングレイ、ハンブレッダーズ、マカロニえんぴつ、Mr.ふぉるて [opening act]、Cody・Lee(李)、CRYAMY、Klang Ruler、NEE、PEOPLE 1、Tele、THE 2、This is LAST、映秀。、ヤングスキニー■8月28日(日)出演アーティストBiSH、Creepy Nuts、Hump Back、SiM、SUPER BEAVER、The BONEZ、THE ORAL CIGARETTES、WANIMA、04 Limited Sazabys、ストレイテナー、SPARK!!SOUND!!SHOW!! [opening act]、I’s、KUZIRA、Newspeak、PK shampoo、SUSHIBOYS、the dadadadys、岩崎優也、梅田サイファー、鋭児、時速36km※最終出演アーティスト情報。開催概要音楽イベント「ラッシュ ボール 2022」開催日:2022年8月27日(土)・8月28日(日)会場:泉大津フェニックス住所:大阪府泉大津市夕凪町時間:会場 9:30/開演 11:00チケット情報前売券発売日:8月7日(日)10:00~料金:各日 大人 8,000円/小学生 3,000円※通しチケットはなし。席種:全自由(整理番号なし)※未就学児童入場無料※小学生および未就学児童は保護者同伴に限る。※チケット情報詳細は公式サイト(を確認。
2022年05月12日「未来は考えもしないようなことが起きるだから先へ進むしかない先へ 先へ 先へ 先へ(C'mon C'mon C'mon C'mon)」ホアキン・フェニックスと新星俳優ウディ・ノーマンが共演、ある日突然、共同生活を送ることになった伯父と甥っ子の日々を描いたマイク・ミルズ監督の『カモン カモン』の、最も印象的なセリフだ。確かに人生は“想定外”の出来事だらけ、映画のような新型ウイルスのパンデミックが何年も続いたり、もう二度とごめんだと思っていた侵略戦争が実際に起きてしまったり。起こりそうだと思ったことは絶対に起こらず、思いがけないことばかりが起きるもの。だからとにかく前を向いて「先へ先へ進むしかない」と、9歳の少年ジェシーが録音マイクに向けて語る“C'mon C'mon”がタイトルになった本作には、「人生ベスト入り」「忘れたくない傑作!」「涙止まらない」「何年経っても、何度でも観たい」といった絶賛の声がSNSで上がり、モノクロームの映像や語られる言葉たちはもちろん、「ひたすら対話を続ける映画」「マイク・ミルズ監督の視線がとても温かい」など感銘を受けたという声が上がっている。マイク・ミルズ監督が自身の子育て体験を反映『人生はビギナーズ』で晩年にゲイをカミングアウトした父、『20センチュリー・ウーマン』で自由な魂を持ちながらミルズ監督を育てた母を描き、イラストレーター、グラフィックデザイナーなどマルチアーティストとして知られるマイク・ミルズ監督。本作は、妻でアーティスト・映画監督・俳優であるミランダ・ジュライとの間に2012年に生まれた我が子の子育てを通じて監督自身が直面した“想定外”の出来事にインスパイアされた、子どもと大人が、人と人として対話する物語。『ムーンライト』『レディ・バード』『ミッドサマー』など話題作を世に送り出す映画製作会社「A24」と『20センチュリー・ウーマン』に続く2度目のタッグであり、作品に対する安心感と信頼は申し分ない。ニューヨークを拠点に全米各地を取材して回るラジオジャーナリストのジョニー(ホアキン)は、妹ヴィヴ(ギャビー・ホフマン)が家を留守にする間、9歳の甥・ジェシー(ウディ・ノーマン)の面倒を見ることになる。ヴィヴの夫でジェシーの父親ポール(スクート・マクネイリー)が精神のバランスを崩してしまい、つきっきりで世話が必要なためだった。ジョニーとヴィヴの兄妹は母の介護と死をきっかけに以前よりもさらに疎遠になっており、伯父と甥っ子とはいえ独身のジョニーにとっても、9歳のジェシーにとってもお互いが他人のような存在だ。そんな2人が同じ家で過ごし、町や海辺の音をマイクで拾ったり、想像力たっぷりのごっこ遊びをしたりする。あるときは、ジェシーが一瞬視界から消え、目の前が真っ暗になるような恐怖を味わったことも…。こうした2人の日々は、日頃子どもたちの声をたくさん取材しているはずのジョニーにとって驚きの連続。そんなとき、ジョニーは“母親”としてのヴィヴを頼りにする。ミルズ監督といえば、『人生はビギナーズ』でも、『20センチュリー・ウーマン』でも実際の書籍が劇中で大きな意味を持って引用されていたのが印象的で、特に後者は女性解放運動の盛り上がりの最中でフェミニズム関連の書籍ばかりだった。本作でも印象深いものの1つに、ジャクリーン・ローズによる「母たち:愛と残酷さについて/Mothers:An Essay on Love and Cruelty」(原題)がある。母というものは「究極の生け贄」で「すべてを解決する不可能な任務を負っている」といった言葉に、うなずきたくなる人は多いだろう。“父性の不在”が長らくあった家で息子をひとり育ててきたヴィヴは、メンタルイルネスを抱える夫を支えながら、利発なジェシーについて報告する(愚痴る?)兄ジョニーの電話にも対処する。その合間にきっと、自分の仕事もしている。「仕事と子育て、どうやって両立していますか」が、どれほど野暮な問いかが見えてくる。世の中の母に対する、リスペクトがここにある。実際に2人で電話をかけ合って撮影したというヴィヴ役のギャビーとホアキン演じるジョニー、そしてウディ演じるジェシーが醸す親密さは丁寧な関係作りから生まれたものだ。ジェシー役に大抜擢され、イギリス人ながら「あまりに説得力がある」アメリカ英語のアクセントを披露したウディとホアキンは撮影前から交流し、その上で順撮りをしながら自然で誠実な関係性を構築してきたことがスクリーンにはっきりと刻まれている。ティモシー・シャラメが憧れというこの新星俳優は、ホアキンから学んだものも多いはずだ。世界が抱える問題を子どもたちの声が炙り出していく「ジェシーをより理解したいと思ったとき、彼(ジョニー)はジェシーの遊びに参加し、その話に耳を傾けるようになる。それは僕自身の経験に基づくもの」とミルズ監督は言う。そして、ホアキンに対しても「“ちょっと、話していいかい?”という空間を作り出す力がある」とも語っている。子どもと対等であろうとすることは簡単ではない。話をまず聞くこと、向き合うこと、その姿勢が何気に最も難しい。子どもたちの世界に寄り添うには、自分もそこに飛び込んでみないと始まらない。本作の見どころの1つである、子どもたちへの実際のインタビューはまさにその最たるもの。本作では冒頭から、ミルズ監督やホアキンがインタビュー取材した全米各地の9~14歳の子どもたちの“生の声”が聞こえてくる。「いま、現実社会で起こっていること」についてどう受けとめているのか、未来についてどんなことを思うのか、信頼によって生まれた対話が(たとえ、ちょっぴり“よそ行き”の言葉であっても)現実への危惧や未来への希望として生々しく響いてくる。実はロサンゼルス、ニューヨーク、デトロイト、ニューオリンズの子どもたちから話を聞く中で、ニューオリンズのインタビュー対象者だった9歳のデバンテ・ブライアントが2020年夏、街角に座っていただけなのに銃の流れ弾に当たって亡くなる、という事故が起きている(本作はデバンテに捧げられている)。ある伯父と甥っ子、兄と妹、母と子の小さな小さな物語でありながら、子どもたちの声は暴力や分断から、気候変動といった世界中で抱えている問題を炙り出していく。こんな世界で、ジェシーたちは大人にならなければならないのだ。子どもたちを大切にしない社会に、未来はない。彼らが生きる未来に対して責任のある大人たちが現状、まったくもって“大丈夫”じゃない。極めて重要で辛辣な問題提起は全編を貫く温かな愛とモノクロームによる寓話性でほどよく、セルフケアにも効く作品となっている。『カモン カモン』はTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開中。(text:Reiko Uehara)■関連作品:カモン カモン 2022年4月22日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.
2022年05月04日ホアキン・フェニックスが主演、マイク・ミルズ監督が贈る「A24」製作映画『カモン カモン』。この度、ホアキン扮する主人公ジョニーと、ウディ・ノーマン扮するその甥っ子ジェシーが、対話によって絆を深めるワンシーンを切り取った本編映像が解禁、ホアキンからのコメントも到着した。突然始まった甥っ子との共同生活。N.Y.を拠点に全米各地を取材して回るラジオジャーナリストのジョニーは、L.A.に暮らす9歳のジェシーを連れてN.Y.に戻ってくる。今回解禁となった本編映像は、ニューヨークのピザ屋でのジョニーとジェシーの会話シーン。普段は、アメリカ中の子どもたちをインタビューして回るジョニーだが、今回は立場逆転でジェシーからの質問を受ける側に。ジェシーは「なぜママを兄妹っぽくしないの?」「なぜ独りぼっちなの?」とストレートに問いを投げかける。ジョニーはおどけて、「誰が気にする? 答えは薄っぺら」とはぐらかすが、なおも、ジェシーは真面目な顔で「パパが病気でママに別れろと? そう言ったの?」と尋ねる。ここでジョニーは、言葉に詰まりながらも、それまでとは違って真剣な表情でジェシーと向き合い、「人は自分の行動を完璧に理解しないこともある。でもママやパパを傷つけようとは思わない。君のことも。すべてがうまくいくように望んでいた」と説明する。納得いかない様子のジェシーは、「ぺらぺら。ぺらっぺら」と先ほどのジョニーの言葉を真似る。最後はジョニーも「そうかもしれないな。ぺらっぺら」と認め、ピザ屋を後にした2人。ジェシーが手を差し出すと、ジョニーは手を握り返し、2人は歩き始めるのだった。「たとえ親でなくても、僕たち大人が、子供の未来に対して責任がある」何かとぶつかり合う2人が対話によって、ぐっと距離を縮めるこのシーンは、本作のテーマを象徴する場面でもある。ミルズ監督は「ジョニーが気づくのは、聞くことが“親”になる最短の道だということだ。ジェシーをより理解したいと思ったとき、彼はジェシーの遊びに参加し、その話に耳を傾けるようになる。それは僕自身の経験に基づくものだよ。僕が観る人に示したいのは、周りの人たちに好奇心を持つこと、そして周りの人たちを理解することの大切さだ」と語る。一方で、甥っ子に振り回されながらも、歩み寄ることを止めない心優しい伯父を演じたホアキンは、本作に込められたメッセージについて「この映画には、たとえ親でなくても、子供に残す世界や取るべき行動について、僕たち大人が、子供の未来に対して責任があるということを描いている。また、子供を守ることを通して、人間としてより好奇心を持ち、オープンになることができるという考えも非常に興味深く感じるよ」と話した。マイク・ミルズ御用達ピザ屋で撮影驚きのエピソードも実は、このシーンにはちょっとした裏話も。ロケ地となったピザ屋は、実際に存在するニューヨークの店「Scarr’s Pizza」で、ミルズ監督御用達。「ジョニーがあのエリアで暮らしているという設定なんだ。“Scarr’s Pizza”は僕自身も大好きなピザ屋だよ。少し前にN.Y.を訪れたんだけど、滞在中に2回も行ってしまった。インテリアも美しいし、僕にとっては特別な意味を持つエリアなんだ」と明かしている。また、ジェシー役を演じたウディからは、こんなエピソードが。「監督から、ホアキンをちょっと驚かせると言いますか、“質問で困らせて”という指示を受けていたんです。特にピザ屋さんでの場面は、困らせることを考えていっぱい質問をした場面で、ホアキンが必死に笑いをこらえているのが面白かった(笑)。顔が歪んで、今にも笑いだしそうな場面が印象深いです」とウディ。ホアキンの表情にも注目して見てほしい。『カモン カモン』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:カモン カモン 2022年4月22日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.
2022年04月30日ホアキン・フェニックスが前作『ジョーカー』から一転、甥っ子と共同生活を送ることになる主人公を演じた映画『カモン カモン』が、先週末4月22日(金)より全国公開され、マイク・ミルズ監督史上No.1となる大ヒットスタートを記録。これを記念して、共同生活中の最高に愛おしい2人の姿をとらえた特別予告が解禁となった。日本におけるミルズ監督作品の最高オープニング成績を記録した本作。劇場には、全国的に20代から60代の男女が幅広く来場しており、特にWHITE CINE QUINTOでは、前売り券販売枚数がオープン以来、洋画作品で歴代1位となる快挙を達成、公開初日から20代・30代の映画ファンが数多く押し寄せた。さらに、Twitterでは「人生ベスト」「忘れたくない傑作」「涙止まらない」「何年経っても、何度でも観たい」など絶賛の声が相次ぎ、ゴールデンウィークに向けて、さらなる口コミの拡散が期待されている。今回解禁された特別予告は、本国予告として解禁されたものに日本語字幕をつけたもの。ドビュッシーの「月の光」と、クレア・A・ニヴォラ著「星の子供」を朗読するジョニー(ホアキン・フェニックス)の優しい声をBGMに、ジョニーとジェシー(ウディ・ノーマン)が過ごす毎日が映し出されており、本国解禁時から映画ファンの注目を集めていた映像だ。じゃれ合い、時にはぶつかり合い、歩み寄ろうとする、最高に愛おしい2人。映像の最後には、「星の子供」に感銘を受けたジョニーを「泣いてるの?」とからかうジェシーが映し出され、微笑ましくも目頭が熱くなる場面が収められている。『カモン カモン』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:カモン カモン 2022年4月22日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.
2022年04月25日公開中のホアキン・フェニックス主演、マイク・ミルズ監督作『カモン カモン』より、ホアキン演じる主人公の甥っ子ジェシー役を愛らしい魅力たっぷりに演じたウディ・ノーマンからのコメント映像が到着した。ジェシー役を演じたウディ・ノーマンは、2009年生まれの弱冠13歳。本作では、類まれな演技力と存在感で英国アカデミー賞助演男優賞にノミネートを果たしたほか、ロンドン映画批評家協会の若手イギリス/アイルランド人俳優賞受賞、ワシントンDC映画批評家協会賞でベスト・ユース演技賞を受賞するなど数々の映画祭を席捲した、ネクストブレイクが期待されている天才子役だ。劇中、演じるのが難しかったシーンとして薬局でのシーンを上げているウディ。「歯ブラシを買うシーンなんですけれど、日常で友人に対してとか演技でも“声を荒げる”ということにもともと抵抗があって。5テイクぐらい撮ってやっとあの“怒り”を表現することができたんです。それでOKが出た後に、ホアキンから役者として一皮むけたなと。「真の役者になれた」と言ってもらえました」と撮影をふり返っている。今回到着したメッセージ映像では、ウディが「作品を見てそれぞれの意味合いを見つけてほしい。いろんなメッセージが込められてるからだ。作品から感じることは、人によって異なると思う。何を持ち帰るかは、本当にその人次第なんだ」と様々な見方のできる本作について言及。共演したホアキン・フェニックスに関しては、「どの役者も一度はホアキンと、共演すべきだと思う。常に周囲を気にかけてて、 そのシーンでセリフがあるのが1人だけだったとしても、全員のことを考えてる、それにすごく優しいんだ」とリスペクトの姿勢を見せ、「(ホアキンの)インタビューをあまり見ないのは、少し苦手だからさ」とお茶目に笑って見せた。そんな大人顔負けの発言の後には、日本の観客に向けて「『カモン カモン』を観て、ぜひ感想を聞かせて。好きでも、嫌いでも知りたいな。インスタのアカウントにぜひ感想を送ってね!」とキュートな笑顔を弾けさせている。『カモン カモン』はTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:カモン カモン 2022年4月22日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.
2022年04月23日本日4月22日(金)より公開のマイク・ミルズ監督×ホアキン・フェニックス主演の『カモン カモン』より、本編映像が解禁された。今回解禁となった本編映像は、ホアキン・フェニックス扮するジョニーが甥のジェシーを寝かしつけようと「オズの魔法使い」を読み聞かせるところから始まる。ジョニーの読み聞かせを遮って「なぜ結婚してないの?」と唐突に尋ねるジェシー。ジョニーは、別れた彼女の名前を出し「ルイーザと長いこと一緒だった」と答える。読み聞かせを再開するが、「好きだった?」と質問を重ねるジェシー。その後も続け様に別れの理由について尋ねる彼に、ジョニーは「たぶん…愛し合って、そしてまだ愛し合っていても、お互いへの愛を言葉にするのは難しい。やがてお互いを見つめて、こんなふうに思う。“なぜなんだ?”君は経験ないだろうけど、いつか分かる。仕方のないことさ」と丁寧に回答するのだった。『ジョーカー』の狂気のイメージから一転、子どもからの質問攻めにたじろぎながらも、優しく真摯に答えようとする、まるでフェニックスの“素”を垣間見ることができるワンシーンだ。実際フェニックスは、撮影前に「自然でリアルに見えることを目標とした。しかし、自然な演技をしている、というものにはしたくなかった」と話している。そんな中で、フェニックスはジェシー役のウディ・ノーマンの存在が大きかったと言い「ウディがどうやればいいのかという例となり、毎日僕の目の前にいてくれた。僕にとって大事だったのは、ウディのやっていることをしっかりと聴いて、彼のやったことを受けて反応するということだったんだよ」とコメント。フェニックスの素朴で自然体な演技に、ぜひ注目してほしい。また、この読み聞かせシーンで「オズの魔法使い」が選ばれたのには、ちょっとした裏話が。著作権があるものだと使用料がかかってしまうため、パブリックドメインの「オズの魔法使い」が使われたのだ。一方で、「オズの魔法使い」と『カモン カモン』には共通点があり、ミルズ監督は「どちらも主人公が旅路の中で自分を発見していくロードムービーの側面がある。その繋がりに気がついて、撮影の直前にこの本を使うことを決めたんだ。撮る側が感性を磨きさえすれば、魔法のような機会を引き寄せることができると思っている。本当にたまたまだったんだけど、『オズの魔法使い』を選んだことも映画のマジックが効いたと思っている」とふり返っている。映画『カモン カモン』は4月22日(金)より全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:カモン カモン 2022年4月22日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.
2022年04月22日現在公開中の映画『ニワトリ☆フェニックス』より、かなた狼監督ディレクションによる、11分のスペシャルロングPVが解禁となった。2018年に公開し、口コミによりミニシアター好きを中心に人気が拡大した『ニワトリ★スター』。今作『ニワトリ☆フェニックス』はメインキャストが続投するものの、従来の続編とは違う形で新たな物語が描かれる。一昨年のコロナ禍による自粛期間中、エンタテインメント好きに向けて、井浦新・成田凌・映画監督のかなた狼らが、各々のインスタグラムで配信したリモート作品『ありがとう』から着想を得て完成した。公開を迎え、4月18日付けのFilmarks初日満足度ランキングでは第3位を獲得。新たなジャンル「チル・ムービー」として、SNS上で反響を呼び、前作同様に口コミで評判が広がり、上映館数は公開2週目にあたる4月22日(金)より25館が追加となる。そんな盛り上がりを見せるなか、解禁となったスペシャルPVは『ニワトリ★スター』と『ニワトリ☆フェニックス』の撮影風景や当時のインタビュー映像などををふんだんに使用。新たに甦った映像に仕上がりだ。ここでしか見ることのできない秘蔵映像も満載となっており、新しい映像作品として楽しむことができるだろう。また井浦新と成田凌が今作の撮影を通してお互いを撮影したオフショット満載の公式写真集『草太と楽人の旅日記』も先行予約開始。撮りおろしインタビューや撮影した写真にまつわる思い出メモを収録した貴重な本著もぜひチェックしてほしい。『ニワトリ☆フェニックス』公開中
2022年04月21日2019年に世界中で社会現象を巻き起こした映画『ジョーカー』で、驚異的な怪演ぶりを見せた名優ホアキン・フェニックス。次回作への期待が高まるなか、最新主演作『カモン カモン』では狂気とはかけ離れた人物に扮し、話題を呼んでいます。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。ウディ・ノーマンくん【映画、ときどき私】 vol. 474本作では、ホアキン演じるラジオジャーナリストのジョニーが、ある日突然9歳の甥・ジェシーの面倒を見ることになるところから物語が始まりますが、ジェシーを演じているのがウディくん。英国アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたのをはじめ、さまざまな賞を受賞し、ホアキンにも衝撃を与えた新星の天才子役として注目を集めています。今回は、現場での様子やホアキンとの共演エピソード、そして13歳となったいま抱いている将来の夢などについて、語ってもらいました。―事前に行われたオーディションでは、マイク・ミルズ監督とホアキン・フェニックスさんは、ウディくんのアドリブに衝撃的な感動を覚えたそうですが、どんな演技を見せたのでしょうか。ウディくん僕はあまりはっきりとは覚えていないんですけど、即興というよりは、セリフのやりとりをするなかでちょっとセリフを足したぐらいだったかなと。ホアキンとは演技をするというよりも、セリフを言い合いながらなんとなく演じていくような感じて進めていきました。―撮影中もアドリブは多く取り入れていましたか?ウディくんいくつかの場面ではアドリブでセリフを足していますが、基本的には脚本に忠実です。でも、そのときどきで変化や追加が必要だと感じたときには、判断してアドリブを入れています。ホアキンは優しい人で、すぐに打ち解けられた―ウディくんはイギリス出身ですが、劇中では完璧なアメリカ英語で話されていたので、ホアキンさんもイギリス人であることに気がつかないほどだったとか。どうやって身につけたのですか?ウディくん実は、数年前に別の役のオーディションを受けるためにアメリカ英語のアクセントを練習したことがあったんです。そのときは役をもらえませんでしたが、当時の経験があったおかげで今回すんなりと入っていくことができたのだと思います。もちろんいくつかの“壁”はありましたが、繰り返し練習したので、いまでは第二外国語みたいに話せるようになりました。―すごいですね。では、思い出のシーンと言えば?ウディくんそれは、ニューヨークで撮影したレスリングのシーンです。というのも、僕が数年前にレスリングにハマっていた話をしていたら、じゃあ取り入れてみようとなったシーンなので。もともと脚本には書かれていませんでしたが、そういう経緯で追加されたので、僕にとっては特別で思い出深いシーンとなりました。―そのあたりは、ぜひ観客の方々にも注目してもらいたいですね。伯父役のホアキンさんはハリウッドでもトップクラスの俳優ですが、初共演で緊張しませんでしたか?ウディくん初めて彼と会ったのはオーディションのときでしたが、なんとパジャマ姿で現れたんです(笑)。そういったこともあって、すぐに打ち解けられたのではないかなと。すごく優しい人でもあるので、一緒に演じていてもまったく緊張することなく接することができました。共通点を見つけながら、役に入り込んでいった―ちなみに、彼の過去作は観たことがありましたか?ウディくん5歳くらいのときに、『ブラザー・ベア』というアニメーションを観ましたが、そのときはホアキンが声優をしていることは知らずに観ていました。そのほかの作品については、お母さんから「撮影が終わるまでは観てはいけない」と。なぜなら、ホアキンがスターであることを僕が意識してしまったら、圧倒されてしまうと考えたからです。―確かに、それはあるかもしれないですね。現場では彼からたくさんのことを教わったそうですが、具体的にはどんなことですか?ウディくんまず彼から学んだのは、共演者と打ち解けることの大切さです。どれだけ仲良くできるかによって、演じる際にいかにいろんなことがスムーズに運んでいくかを知りました。演技に関して具体的に何かを教わったりはしていませんが、彼を観察するなかで、カメラ前での振る舞いなどは参考にしています。―劇中のジェシーは、ちょっと変わった子どもとして描かれていますよね。普段のウディくんと似ているところもありますか?ウディくん答えは、イエスでありノーですね。共通点は音楽がすごく好きなところですが、内向的なジェシーと違って、僕はすぐに相手と仲良くなって自分を出すことができるので、そこは似ていないかなと。とはいえ、演じるうえでは、共通点を見つけていきながらジェシーという役に入り込んでいきました。今後20年で、いろいろなことが改善されていくはず―劇中ではラジオジャーナリストのジョニーが、取材として子どもたちにいろいろな質問をしていたので、いまから映画のなかで出てきたものと同じ質問をいくつかさせてください。まずは、ウディくんが怖いものは何ですか?ウディくんたくさんありますけど、一番怖いのは海。あとは、蝶々も怖いですね(笑)。―では、何に怒りを感じますか?ウディくん話を聞いている振りをして、内容を聞いていない人に対してです。特に、あとになってから、「そんなこと聞いてないよ」と言われると、イラっとしてしまうこともあるので。―わかります(笑)。ウディくんを幸せにしてくれるものといえば?ウディくん具体的には挙げられませんが、いま僕の周りにあるものはみんな僕のことを幸せにしてくれています。―素敵ですね。もし、スーパーパワーが1つ持てるなら何がいい?ウディくんテレポーテーションですね。いろんなところに、素早く移動できるようになりたいので。―自分の何かを1つ変えられるなら、変えたいものは何ですか?ウディくん僕は年齢のわりに背が低いほうなので、できればあと数センチは高くなりたいです!―これからの未来はどうなると思っているか、考えたことはある?ウディくん僕は地球が滅びることはないと思っていますし、未来はいい方向に進んでいるんじゃないかなと。たとえば、いま海にゴミを捨てている人たちも、それが間違いだと気がついているはずなので。今後20年でそういったことも改善されていくと感じています。俳優だけでなく、監督や脚本にも挑戦したい―ありがとうございます。今後も役者は続けていきたいということですが、もしほかにもやってみたい職業があれば、教えてください。ウディくん映画業界に関わるすべてのお仕事が楽しそうに見えるので、監督もやってみたいし、脚本も書いてみたいと思っています。実際、すでに脚本は書いているのですが、まだ自分が楽しむ程度のものなので、いつか本格的に取り組んでみたいです。―もう脚本を書かれているのですか!?ちなみに、どんなタイプの作品か教えてもらえますか?ウディくんすでに4~5本は書いているんだけど、最後に書いたのは1か月くらい前で、自分でも内容を忘れてしまいました(笑)。―いつか作品になるのを楽しみにしています。ほかには、どんなことに興味があるのでしょうか。ウディくん僕が一番ハマっているのは、音楽です。いまエレクトリックベースを弾いているのですが、いろいろなジャンルの根源をたどっていくと同じところにつながっていたりして、そういうところもすごくおもしろいですよね。ミュージシャンというのは、音楽によってその場の空間を満たすクリエイティビティを作り出しているので、すごく尊敬しています。日本にはいつか絶対に行きたいと思っている―ちなみに、いままで日本に来たことはありますか?ウディくんまだ行ったことはありませんが、 旅行するのが大好きですし、日本はいつか絶対に訪れてみたいと考えています。ロンドンと東京は似ているところがあるんじゃないかなと想像していますが、世界の反対側にあるくらい離れている都市なので、その違いを知るためにも行ってみたいです。映画のなかで見る日本や日本に行ったことのある友達から聞く話から、とても楽しそうな場所だなという印象です。―それでは最後に、日本の観客へ向けてメッセージをお願いします。ウディくんこの作品はロックダウンになる前に作ったものですが、それがこうして世界中の人に観てもらえるのは、とても光栄ですし、多くの方に届けられるのをうれしく思っているところです。ぜひ、日本のみなさんの感想も楽しみにしています。ありがとうございました!インタビューを終えてみて……。お茶目な笑顔を見せつつ、終始大人顔負けのしっかりとした受け答えをしてくれたウディくん。俳優としての実力はすでに名優からのお墨付きですが、計り知れない才能で将来は監督や脚本家、さらにはミュージシャンとしても私たちを楽しませてくれそうです。驚きと優しさに満ちたかけがえのない時間となるデトロイト、ロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオリンズといった異なる景色を見せる都市を舞台に繰り広げられる心温まるロードムービー。年の離れた天才俳優による“奇跡のケミストリー”に魅了されるだけでなく、悩みも怒りもすべてを優しさで包み込んでくれる珠玉の感動作です。取材、文・志村昌美ストーリーNYに1人で暮らすラジオジャーナリストのジョニーは、妹から頼まれ、9歳の甥・ジェシーの面倒を数日間みることになる。LAにある妹の家で突然始まった共同生活は、戸惑いの連続。好奇心旺盛なジェシーは、ジョニーのぎこちない兄妹関係やいまだ独身でいる理由、自分の父親の病気に関する疑問をストレートに投げかけ、ジョニーを困らせる。そのいっぽうで、ジョニーの仕事や録音機材にも興味を示し、2人は次第に距離を縮めていく。そして、仕事のためにNYへと戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるのだが……。愛おしさが詰まった予告編はこちら!作品情報『カモン カモン』4月22日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー配給:ハピネットファントム・スタジオ© 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.Maggie Shannon
2022年04月20日ホアキン・フェニックス主演、マイク・ミルズ監督、A24製作の映画『カモン カモン』が4月22日(金)より公開。今回は、ホアキン扮する主人公ジョニーの妹ヴィヴ役を熱演したギャビー・ホフマンのインタビューが到着した。ギャビーが演じたヴィヴは、兄ジョニーと息子ジェシーを結びつけ見守る重要な役どころ。ギャビーは本作での好演で、『ドライブ・マイ・カー』の西島秀俊、『スペンサー ダイアナの決意』のクリスティン・スチュワート、『ドリームプラン』のウィル・スミスら錚々たる面々と並び、米ニューヨーク・タイムズ紙が選ぶ2021年最高の俳優に選出されている。実は4歳からCMに出演し、その後『フィールド・オブ・ドリームス』(90/フィル・アルデン・ロビンソン監督)、『ディス・イズ・マイ・ライフ』(92/ノーラ・エフロン監督)、『めぐり逢えたら』(93/ノーラ・エフロン監督)などで重要な役柄をこなしており、俳優としてのキャリアは長い。Amazonオリジナルドラマ「トランスペアレント」(14~19)では2年連続でエミー賞ドラマ部門助演女優賞にノミネートされ、最近だと『わたしに会うまでの1600キロ』(14)での好演が記憶に新しい。ミルズ監督は「彼女とはずっと仕事がしたいと思っていたんだ。彼女はとても知的で、常に驚きを与えてくれる本物の女優で、彼女とホアキンを共演させたいといつも思っていた」とギャビーの起用が念願だったことを明かしており、共演したホアキンも「彼女の演技にはとても感動したし、ずっと前から知っているような気がしたんだ。彼女は気取らず控えめで、冒険心にあふれているよ」と彼女の実力を認めている。現代女性の象徴として描かれる “ヴィヴ”というキャラクターギャビーは、本作の脚本に惹かれたと話す。「自分の人生の中ですごく興味を持っていること、考えていることが、この映画にはたくさん描かれているのが大きかった。それから今の人生でそれについてどうすればいいのか分からないこと、葛藤していることが描かれていると思った」。その後、ミルズ監督と会って話をすることに。「人生について、すごく楽しくて興味深い会話ができた。マイクと会話し続けたいと思った。そして、この映画では、自分なりに挑戦できる空間があると確信した。しかも、それがすごくエキサイティングで、これまでとは全く違った体験になるともね。つまり素晴らしい脚本があって、仕事をする監督が素晴らしいとなると、決めるのはすごく簡単」と出演までが自然な流れだったことを明かす。ヴィヴのキャラクターを「子どもに100%献身的に尽くしているけど、同時に自身の人生を生きることにも一生懸命で、その2つを両立させている。ヴィヴは自分がインテリで、良きパートナーであり、良き妹であり、そして良き母親だけど、犠牲的に身を捧げようとは考えていない。それがジェシーの育て方につながっていることが感じられる。世界の中で、人間として生きるとはどういうことかを考えている」と、まさに現代の女性を象徴する存在であると分析している。ホアキン・フェニックスとの共演「兄妹のようなエネルギーを感じた」共演者にも恵まれたという。兄ジョニー役のホアキンとは初共演だったが、「最初から不思議なくらいの親しみやすさと兄妹のようなエネルギーを感じた。この映画は時系列に沿って撮影されていて、ホアキンとの撮影シーンもたくさんあって、共演者としての関係性が出来ていた」と語る。ヴィヴとジョニーは離れて過ごしているという設定のため、ホアキンとは電話で会話するシーンがほとんどで、それらは実際に2人で電話をかけて撮影している。「カメラで私を撮影している場合は、ホアキンは車の中や家だったり、違う部屋で電話に出ていたんだけど、彼の声は録音されていた。ホアキンを撮影している時も同様で、今度は私が違う部屋にいて、私の声も録音されていた。そうやって撮影したおかげで、本当にリアルなシーンであるように感じられた。すごく楽しかった」と撮影を述懐。また、息子役を演じたウディ・ノーマンについては、「子どもは、自分たちが正直にならない方法をまだ学んでいない。それは、大人になる過程で学んでいくことだと思う。ウディの素晴らしいところは、彼の中にその正直さがあること。しかも、俳優としてもその正直さを保持し続けていること。子役の中には、すでにその過程が早まってしまって、正直さを失ってしまっている子達もいるから。この映画にとって最も大事な真実の権威者とでも言うべきものを、ウディが背負っていたと思う」と絶賛を贈っている。映画が問いかける、子どもたちの未来への責任さらにギャビーは、本作について「私にとってこの映画は、核家族であれ、人類という家族であれ、お互いをいかに大切にするかということを教えてくれた。私たちの未来を担う子どもたちの面倒を誰が見るのか、という問題提起がこの物語には流れている」と語る。そして最後に「このリアルな人生と、ここにいることの意味、人間関係とその間にある葛藤、そして、それが私達の日常にある闘いであることを、この映画を通して目撃してもらえると思う。もちろんすごく感動的で美しい経験でもあると思うだけど、それだけじゃないところが素晴らしい。きっとこの映画は、自分の人生を進んでいく上で、何かの助けになって、そしてお互い助け合わないといけないって思わせてくれる」と締めくくっている。『カモン カモン』は4月22日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:カモン カモン 2022年4月22日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.
2022年04月16日ホアキン・フェニックス主演、マイク・ミルズが監督・脚本を務めた「A24」製作映画『カモン カモン』より、ミルズ監督の手描きイラストをあしらったアートポスタービジュアルが到着した。本作は、N.Y.を拠点に全米各地を取材して回るラジオジャーナリストのジョニーと、9歳の甥・ジェシーが、突然、共同生活を始めるところからスタートする、心温まる物語。到着したアートポスターは、ミルズ監督本人が、ジョニーとジェシーを描き下ろしたイラストに、監督が大好きだという劇中のセリフをあしらった。“このシーンの2人を描いてほしい!”という日本からのオーダーを快諾したミルズ監督は「この一節を永遠のものとして残すことができて本当にうれしい。僕が大好きな台詞の一つで、『カモン カモン』のテーマやタイトルの意味を聞かれたらいつも、”ジェシーが、『何ごとも思ったようには起きない』と言うシーンで説明しているよ!“と心の中で思っているんだ。日本には大好きな友人が多くいるし、このポスターも作品も、日本の皆さんに観てもらえるのがすごく楽しみだよ!」とコメントを寄せている。ディレクションは、本作の日本版ビジュアルを手掛けたデザイナー・大島依提亜。「今回のポスターを作るにあたり、マイク・ミルズ監督から素敵な描き下ろしの絵を頂戴し、それだけでも充分幸運なことなのに、さらにデザインしたものを見てもらうという(しかも監督自らちょっとした─でも魔法のような的確さで手直しまでしてもらい)とても貴重な機会を頂きました」と制作をふり返っている。なお、同ポスターは、代官山 蔦屋書店にて4月13日から、六本木 蔦屋書店にて4月14日から開催される本作の公開記念ポスター展で展示される予定となっている。『カモン カモン』は4月22日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:カモン カモン 2022年4月22日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.
2022年04月11日【おとな向け映画ガイド】ホアキン・フェニックスが子育て!『カモン カモン』ぴあ編集部 坂口英明22/4/10(日)笠井信輔さんの水先案内をもっと見る()伊藤さとりさん(映画パーソナリティー)「……子役のウディ・ノーマンがとにかく自然体なのだ……」伊藤さとりさんの水先案内をもっと見る()波多野健さん(TVプロデューサー)「……(ホアキンが)実に真摯にジェシーと向き合う姿が、僕が今まで抱いていた彼の印象と遠くて「こういう役もできるのか」とちょっと驚いた……」波多野健さんの水先案内をもっと見る()(C)2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.
2022年04月10日映画『ニワトリ☆フェニックス』の完成披露上映会が3月30日、都内で行われ、主人公コンビを演じる井浦新と成田凌、共演者の紗羅マリー、LiLiCo、津田寛治、阿部亮平、かなた狼監督が出席した。久しぶりに再会した雨屋草太(井浦)と星野楽人(成田)が、この世に存在するはずもない火の鳥を探すために自由気ままな旅に出る。映画は井浦、成田、かなた監督が2020年5月、“感謝”をテーマにそれぞれのインスタグラムで配信したリモート作品から着想を得ている。2018年に公開された『ニワトリ★スター』の続編という位置づけだが、「もしも彼らに違う人生があればという思いで、一度終わった作品をやり直した」(かなた監督)といい、前作で命を落とした楽人も復活を遂げた。井浦は「ふたりの関係性はほぼほぼ変わっていない。一緒に気持ちのいい旅をしながら、自由なお芝居を続けているので、『スター』を楽しんでくださった皆さんの期待は裏切らない」と自信のコメント。一方、成田は「前作でお亡くなりになったんですが、しれっと登場して(笑)」と照れながら、「草太の横にいると、すべてがよみがえり、頭のネジも吹っ飛んでしまう。第一声の台詞を忘れてしまったほどで(笑)。新さんと一緒でないと出せない芝居がある」と名コンビ復活を通して得た、絶大な信頼感を振り返っていた。かなた監督は前作に引き続き、脚本も手掛けており「彼らに違う人生があればと考えて、一度終わった作品をやり直した」と語り、「現実は辛くて苦しいし、みんな我慢もしている。(コロナ禍を)軽く見ているわけではないが、死んだ楽人が生き返っても、映画だからええやんって。それが映画の良さ」と回想。「前作の皆さんにオファーをしたら、狼組の皆さんが『なんで、そんなことするの?』とは言わず、それがうれしかった」と感謝すると、LiLiCoは「監督のためなら、私たち何でもする。こんなピュアな人いないし、みんなが愛でつながっている」とその人柄を称えていた。本作のベースになった、井浦らが製作したリモート作品は『ありがとう』というタイトル。井浦は舞台挨拶の締めくくりに、「ここにいる僕ら、そして応援してくださった全員の“ありがとう”が詰まった作品。ぜひ、この作品を通して、ありがとうの気持ちを世界中に振りまいてもらえれば、戦争や争いは絶対になくなる。映画にはそういう力がある」と訴えかけていた。取材・文・写真=内田涼『ニワトリ☆フェニックス』4月15日(金)公開
2022年03月31日ホアキン・フェニックス主演『カモン カモン』の監督マイク・ミルズが、本作を美しいモノクロームの映像で綴った理由について語った。ミルズ監督はモノクロへ並々ならぬこだわりがあったという。「この映画の物語は、すごくありきたりのことだと思うんだよね。子供をお風呂に入れて、一緒に寝て、ご飯食べるというものだからね。だけど白黒にすることで、その日常風景から切り離されて、これは“物語”なんだということをまず提示できると思った」と、モノクロにした理由を語る。加えて、「子供と大人がある場所を歩いていくというイメージが僕の頭の中に浮かんだんだけど、それが神話的かつ、寓話的で、ほとんどクリストファー・ロビンとくまのプーさん的な絵のような映像や、『キッド』(1921)でのチャーリー・チャップリンと子供みたいな感じだった。さらにイソップ物語的なイメージが浮かんだんだ」と本作の着想を語り、モノクロ映画が持つ効果について「日常から切り離して、“物語”の中へ導くための手段でもあったんだ」と説明した。理由をさらに加えるとしたら、ミルズ監督が白黒映画を好きだったということも挙げられる。モノクロを簡素な映像ではなく、生き生きとした表現が可能な手法と考えていたミルズ監督は、ヴィム・ヴェンダース監督『都会のアリス』(74)を筆頭に、フランソワ・トリュフォー監督『ピアニストを撃て』(59)、ミロス・フォアマン監督『ブロンドの恋』(65)、ピーター・ボグダノヴィッチ監督『ペーパー・ムーン』(73)、エルマンノ・オルミ監督『婚約者たち』(63)など白黒の名作からのインスパイアを受けたと明かした。アカデミー賞ノミネート『女王陛下のお気に入り』や名匠ケン・ローチ監督作常連の“職人”と作り上げた映像美本作で撮影を手掛けたのは、ヨルゴス・ランティモス監督の『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞撮影賞にノミネートされ、『わたしは、ダニエル・ブレイク』など名匠ケン・ローチ監督作常連のロビー・ライアン。様式化された芸術的な映画からリアリズムを追及した作品まで担う、まさに“職人”ともいえる撮影監督だ。「主に自然光を使って、臨場感を出すことを考えていた」というミルズ監督は、「ロビーはその点で非常に優れている。また、強引にならないように美しく見せる方法についても極めて鋭いセンスを持っている」とライアンの手腕を絶賛している。デトロイト、ロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズの4都市をモノクロで撮影また、デトロイトからロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズへと旅をするロードムービーの側面も持つ本作。ミルズ監督は、「東、西、北、南の各都市が入っているのが気に入った」と言い、ライアンは「モノクロにすることで、さまざまな場所に統一感を持たせることができた。これは、旅全体をひとつにつなぐ感覚だ」「この世界をモノクロで包み込むわけだけど、人間関係や感情よりも映像が勝ってしまわないように、バランスをとることが重要だった」とふり返っている。こうしてミルズ監督とライアンが手掛けた生き生きとしたモノクロの映像美は、見事に現実世界と寓話を調和させた。今回解禁となった場面写真は、2人が作り上げた洗練された映像よりロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズの景観が切り取られたものとなっている。『カモン カモン』は4月22日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:カモン カモン 2022年4月22日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.
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