イギリスの出版社MACKの設立5周年を記念したアニバーサリーイベント「MACK CONCEPT TOKYO」が、4月5日から23日まで東京・六本木のイマ コンセプト ストア(IMA CONCEPT STORE)にて開催される。MACKは、ドイツの老舗出版社Steidlのアート・フォトブック部門のマネージングディレクターを約15年の間務め上げ、300タイトル以上の作品を出版したマイケル・マック(Michael Mack)が11年にイギリスで設立した出版社。トーマス・デマンドやアレック・ソスなどの著名作家からそれまで写真集を出版したことがなかった無名の作家に至るまでの様々なアーティストによる作品を発売し、現代の出版業界を牽引する出版社として世界中から多くの支持者を得ている。5周年を記念して開催される同イベントでは、スイスの高級家具メーカー・USM Modular Furnitureとのコラボレーションによるポップアップブックショップ「MACK × USM Modular Furniture」をオープン。MACKがこれまでに刊行してきた約80タイトルやスペシャルエディションの本を販売する。また、日本人3作家の写真集を世界に先駆けて同時リリース。作品のラインアップは、自己陶酔的なイメージをはらんだ都市の姿を映し出したホンマタカシによる『THE NARCISSISTIC CITY』(9,000円)、ヌードと結晶の写真作品を計22点収録した細倉真弓による『TRANSPARENCY IS THE NEW MYSTERY』(5,800円)、日々の道すがら地面の亀裂を撮影したものをプリントに焼き、自ら1枚1枚を着色した深瀬昌久による『HIBI』(8,300円)の3点。会場では3作家による展覧会「MACK EXHIBITION」も開催される予定だ。その他、MACKのディレクターを務めるマイケル・マックも登壇するアニバーサリーパーティーや、マイケル・マックと各作家らによるプレゼンテーション、ブックサイニングなどのイベントも開催。恵比寿のPOSTでは、これまでMACKから数多くの写真集を発行しているオランダ人写真家のベルティアン・ファン・マネン(Bertien van Manen)による展覧会「Beyond Maps and Atlases」も行われる予定だ。【イベント情報】「MACK CONCEPT TOKYO」会場:イマ コンセプト ストア住所:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル3階会期:4月5日~23日時間:11:00~19:00 休館日:日・月曜日、祝祭日
2016年04月02日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ(NADiff)」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・清澄白河の支店、ナディッフ コンテンポラリィ(東京都江東区三好4-1-1 東京都現代美術館内)です。■『“TOKYO”-見えない都市を見せる-』「TOKYO」と聞くと日本人または世界中の人々は何を想い描くだろう。現在、東京都現代美術館で開催中の展覧会「“TOKYO”-見えない都市を見せる-」(会期は2月14日まで)公式図録となる本書。本展は、YMO+宮沢章夫、蜷川実花、ホンマタカシほか6名の作家が個々にキュレーションした「東京」と、現代芸術活動チーム・目【め】を始めとする国内外4組の作家が「東京」をテーマに作成した新作の2部構成からなる。ユニークな文化都市として世界から認識され始めた80年代バブル期の東京、カルチャーシーンでは一体何が起きていたのか。宮沢章夫によって語られるテクノポップという音楽ジャンルを確立したYMOにおける非身体性、表層性。竹の子族やマハラジャを実際に目にした蜷川実花による文章も読み応えがある。90年代以降の日常に付した物語性に着目したホンマタカシによるキュレーションでは、自身の作品である「東京の子供」、「TOKYO SUBURBIA」や、路上のネズミを捕獲しアイコンとしたチン↑ポム(Chim↑Pom)の作品、さらに「サバイバル」をテーマに、マメ(mame)、ファイナルホーム(FINAL HOME)の2ブランドからも出品されている。また、デジタルネイティブからポストインターネット世代の作家が創りだす多種多様なイメージ要素を含む架空都市東京も紹介。「東京を再発見、再考察するためのコンセプチュアルマップ」をキーワードとする本書を手掛かりに、東京の未来を想像してほしい。【書籍情報】『“TOKYO”-見えない都市を見せる-』発行:青幻舎155ページ/B5変型言語: 日本語、英語発刊:2015年11月20日価格:2,500円【展覧会情報】「東京アートミーティングVI"TOKYO"-見えない都市を見せる」会場:東京都現代美術館 企画展示室1F、3F住所:東京都江東区三好4-1-1会期:11月7日~16年2月14日時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)休館日:月曜日料金:一般1,200円、大学生・65歳以上900円、中高生700円、小学生以下無料
2016年02月04日東京都・清澄白河の東京都現代美術館は、複数の視点を通して「東京」を浮かび上がらせる展覧会「東京アートミーティングVI "TOKYO"ー見えない都市を見せる」を開催している。会期は2016年2月14日まで(月曜・11月24日・12月28日~1月1日・1月12日休館、ただし11月23日・1月11日は開館)。観覧料は一般1,200円、大学生・専門学校生・65歳以上900円、中高生700円、小学生以下無料。同展は、「東京」を浮かび上がらせるための2つの構成によって成り立つ展覧会。ひとつは各界で活躍する東京のクリエイターがそれぞれの視点でキュレーションした「東京」、もうひとつは国内外作家が「東京」をテーマにつくる新作となっている。ひとつの概念で東京をまとめる(キュレーションする)ことはできないという考えのもと、複数の視点を通して東京という都市を浮かび上がらせるということだ。「東京」という都市における、テクノポップや成熟と幼さが奇妙に同居するネオテニー的特徴、誰でもが有名になりうる舞台で育まれる過剰な自己演出の美学は"ポップ"の文脈でとらえられるという。また、不安定で先の見えない社会的状況を個々人の強いライフスタイルの表明、あるいは積極的なつながりの中で乗り切ろうとする動きは多様な表現の形式に拡張している。一方、ポスト・インターネット世代の中で育まれるイメージ・オブジェとしての新しいマテリアル感覚、新旧が日常的に共存する都市風景をパラレルワールドとして再構築する若い世代の感性も生まれている。これらの感性や表現の鉱脈は、実は80年代から発展的に継承されている東京の創造力から掘り起こせるものであると同展では考えられており、同展では、1980年代文化の命脈を引き継ぎながら、現れようとしている現在の東京の創造力の可能性を、国内外のアーティストの多様な視点によって多角的に探るということだ。出品作家は、YMO+宮沢章夫、蜷川実花、ホンマタカシ、岡田利規、EBM(T)、松江哲明がキュレーターとして参加。また、スーパーフレックス、サーダン・アフィフ、林科、目【め】が新作出品作家として参加。ほか、計9ヶ国51組が参加している。そのほか、同展のコンセプトである、80年代のアートの表現と現代のつながりと変化を概観することを目的として、前床である70年代に描かれた作品から最近作までの絵画をセレクション。東京在住の作家による、あるいは東京の画廊や美術館で多く展示されていたこれらの絵画作品が70-80年代、90-2000年前半、2010年以降という大きな流れにそって展示構成される。菅木志雄、奈良美智、名和晃平などの作品が展示され、もの派、超少女、ニューペインテイング、ネオポップ、マイクロポップと呼ばれるドローイング絵画など作家たちの意識の変遷が形式の変容としてみてとれる構成となっている。また、関連プログラムとして、「松江哲明 スクリーニング&トーク」(11月29日・12月20日)、MOT美術館講座レクチャー「YMOが切り開いた80年代文化」(12月23日)、「サーダン・アフィフ アーティスト・トーク&Her Ghost Friend クロージング・ライヴ」(2月14日)、「Her Ghost Friend ライヴ・パフォーマンス」(2016年2月10日・11日)などが開催される。なお、各プログラムの詳細やその他のイベントについては決まり次第同館HPにて告知される。
2015年11月16日エルメネジルド ゼニア クチュール(Ermenegildo Zegna Couture)が“メイド イン ジャパン”プロジェクトを始動。14SSコレクションより、同ブランドのヘッドデザイナーを務めるステファノ・ピラーティと、日本のニュージェネレーションのアルチザンたちとのコラボレーションが実現した。イタリアのデザインであるが、全ての素材が日本製という今回のカプセルコレクション。日本のチッチオ(Ciccio)の上木規至、山神シャツ、アパレルメーカーのブロウズ(BROWZE)などとタッグを組み、スーツやジャケットはもちろん、ブルゾン、シャツ、シューズ、バッグなどアクセサリーまでのフルラインナップを作製した。更にこのカプセルコレクションのビジュアルは、日本の写真家、ホンマタカシによって撮影されている。出演は俳優の加瀬亮、クリエイティブディレクターのムラカミカイエ、料理人の長谷川在祐、音楽家の渋谷慶一郎、建築家の重松象平といった顔ぶれ。映画界・ビジネス界・クリエーションなどと多ジャンルにおいてそれぞれの個性を持って活躍する5人の“キー・オピニオン・リーダー”が、このカプセルコレクションが持つ「日本の若く優秀な才能を招聘し、コレクションに更なる感度とノウハウを吹き込む」という特別なコンセプトを体現するものである。“メイド イン ジャパン”の全4ラインは9月5日より銀座グローバスストアにて先行発売。続いて10月より大阪のグローバルストアでも展開される予定だ。ステファノ・ピラーティのデザインと、日本製のテーラーリングとファブリックにおける日本文化・伝統の融合を体感して欲しい。ホンマタカシ撮影の動画 --5人の“キー・オピニオン・リーダー”のインタビュー
2015年09月08日“写真界の芥川賞”といわれる「木村伊兵衛写真賞」の受賞作品を集めた写真展「木村伊兵衛写真賞40周年記念展」が、7月18日から9月23日まで川崎市市民ミュージアムで開催される。「木村伊兵衛写真賞」は、日本写真界の発展に寄与した昭和を代表する写真家、故・木村伊兵衛の功績を記念して、朝日新聞社が1975年に創設した写真賞。毎年、時代を切り開く優れた成果をあげた若い写真家に贈られるものだ。これまでに、藤原新也、都築響一、ホンマタカシ、蜷川実花、HIROMIX、梅佳代などが受賞している。同展では、第1回から第40回までの全受賞作品に加え、木村伊兵衛による作品も展示。日本を代表する写真家たちが撮った風景や人物、大自然や社会問題など、現代写真の40年間の歩みを見ることが出来る。また関連イベントとして、8月5日には第34回受賞作家の浅田政志によるトークイベント「木村伊兵衛もびっくり!楽しい家族写真を撮ろう」を開催。8月19日にはカメラ・写真の雑誌『アサヒカメラ』編集長の佐々木広人を聞き手に迎え、第5回受賞作家の岩合光昭によるトークイベントを実施する。その他、写真初心者向けの入門講座「いい写真撮ろう 初めてのデジタルカメラ」や、カメラの仕組みを体験する「ワークショップ 巨大カメラをつくろう!」、レビュアーによる写真の講評会など様々なイベントが開催される。【イベント情報】「木村伊兵衛写真賞40周年記念展」会場:川崎市市民ミュージアム住所:神奈川県川崎市中原区等々力1-2会期:7月18日~9月23日料金:一般700円、学生・65歳以上600円、中学生以下無料
2015年06月17日5月15日、DU BOOKSより写真集『HELLO//TEXASアートピースとしてのヴィンテージTシャツ』が発刊される。原宿のヴィンテージTシャツ・ショップ「ハローテキサス(HELLO//TEXAS)」オーナー・三好智之が初公開のプライベート・ストック100枚をオールカラーで紹介。写真家・ホンマタカシとWHITE DESIGNの後智仁が強力タッグを組み、三好がエキセントリックな解説を加えて仕上げた、これまでにない「アートTシャツ・ブック」。日英バイリンガル仕様。ハローテキサス店主の三好は、「何でもない存在」として見過ごされてきた名もなきTシャツに独自の価値観を与えてきた。オーナーの姿勢に共感するクリエイターも多く、ショップには、エリック・クラプトンら著名人が多数訪れている。【書籍情報】『HELLO//TEXASある意味、アートピースとしてのヴィンテージTシャツ』著者:三好智之+後智仁、写真:ホンマタカシ、アートディレクション:後智仁出版社:DU BOOKS言語:日本語/英語ソフトカバー/224ページ/オールカラー発刊:2015年5月15日価格:3,240円
2015年05月06日写真家ホンマタカシによる個展「Chandigarh」が、「コスチューム ナショナル(CoSTUME NATIONAL)」の東京・青山の旗艦店でスタートした。2月28日まで。ル・コルビュジエが更地から都市計画を行ったインド北部パンジャブ州の街チャンディーガル(Chandigarh)に焦点を当て、特にキャピトルと呼ばれる中央官庁群に現存する三つの象徴的な建築を、写真・映像作品として展示。当時のインドにとっては全く新しいモダニズムと機能美を追求した都市チャンディーガルと、その街に溶け込んだ人々の日常の様子を様々な角度から切り取って表現する。一つ目の建築「ハイコート(高等裁判所)」については、インドの過酷な夏の陽を遮る赤・青・黄・緑に塗られた巨大な柱の立面「ブリーズソレイユ」の写真展示と、そこを行き交う人々の様子を捉えた映像作品を上映。二つ目の建築「合同庁舎」では、高さ35mの窓から望むハイコートの全景を写真で捉え、両者の関係性を表現した。三つ目の「バスターミナル」は、コルビュジエの従兄弟であり、チャンディーガルの都市計画の大部分を任されたピエール・ジャンヌレによって設計されたもの。会場では、そこでの1日の様子を撮影した映像作品が上映されている。【イベント情報】ホンマタカシ “Chandigarh”会場:CoSTUME NATIONAL | LAB住所:東京都港区南青山5-4-30 CoSTUME NATIONAL Aoyama Complex1階会期:2月28日まで時間:11:00から19:00入場無料
2015年01月19日東京都写真美術館が主催するアートと映像のアニュアルフェスティバル「恵比寿映像祭」が、2月27日から3月8日の10日間にわたって開催される。第7回を迎える今回は「惑星で会いましょう」をテーマに、80人を超す国内外アーティストたちが展示・上映・ライブ・セッションなどを繰り広げる。2009年より「東京文化発信プロジェクト」の一環として開催されてきた恵比寿映像祭。今年はホームベースとなる東京都写真美術館の改修休館に伴い、メイン会場を恵比寿ガーデンプレイス内施設へと移し、周辺地域13ヶ所の文化施設およびギャラリーと連携する大フェスティバルとなった。最大のみどころは国際色豊かなプログラムの数々。注目すべきは、昨年のターナー賞受賞者であるダンカン・キャンベル(Duncan Campbell)の参加だ。受賞作品「他のものたちに」「バーナデット」が上演される他、国際的に活躍するパヴェウ・アルトハメル(Pawel Althamer)や、注目の若手ライアン・トラカートゥン(Ryan Trecartin)らの作品も見逃せない。一方では、国内アーティスト陣も華やかな顔ぶれを見せた。日本を代表する写真家ホンマタカシが人間に内在する「野性」にフォーカスした新作インスタレーション「最初にカケスがやってくる」を発表する他、恒例のオフサイト展示では、新進映画監督・瀬田なつきによる街を舞台にした短編映画シリーズ「5windows」より、新作2本を加えた計7作品が点在する会場で上映される。作家が提起する、リアルタイムな「場所」を起点とした映像体験に期待が高まる。その他、名作アニメ映画『AKIRA』など稀少な35mmフィルムによるSF映画の爆音上映決定、現在のメディアに大きな影響を与えた雑誌『ホール・アース・カタログ』に焦点をあてたYebizoラウンドテーブルの開催、各会場を緩やかに結ぶガイドツアーやスタンプラリー実施など、意欲的なプログラムが多数組まれた。人工衛星のとらえる世界中の映像がリアルタイムで配信され続ける現在、細分化した映像情報へのアクセスは容易化する一方で、複層化の一途をたどる世界の全貌を捉えることはもはや困難となりつつある。この現状を前にし、今回の映像祭は「視点を変える」ことをキーワードに据えた。新たな視点で世界を探索し直すきっかけを与える”映像”を、世界を再発見するための観点をもたらす”アート”の側面から提示し、この世界への今日的なアクセス方法を、「未知の惑星を訪れるように」新鮮な気持ちで探ってみようと提案している。【イベント情報】第7回恵比寿映像祭「惑星で会いましょう」会場:ザ・ガーデンホールおよびザ・ガーデンルーム(1)日仏会館ホールおよびギャラリー(2)恵比須ガーデンプレイスセンター広場地域連携プログラム参加施設およびギャラリー(各所)他住所:(1)東京都目黒区三田1-13-2恵比須ガーデンプレイス内(2)東京都渋谷区恵比寿3-9-25会期:2015年2月27日から3月8日時間:10:00から20:00(3月8日は18:00まで)休館日:会期中無休料金:入場無料(定員制の上映プログラム、イベント等については有料)
2015年01月05日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ」各店がオススメする書籍をご紹介。今回は東京・恵比寿の本店、ナディッフ アパート(東京都渋谷区恵比寿1-18-4NADiff A/P/A/R/T1階)です。■「MOTHER NATURE」エリック・ケッセルス(ErikKessels)自ら撮影したものではなく、蚤の市で買った写真や、拾った写真、ウェブ上にアップされている撮影者の特定されない写真などを用いて作品とする「ファウンド・フォト」という手法。日本でもアーティストの木村 友紀や写真家のホンマタカシがその手法を取り入れ、近年注目されている。本書は、オランダの広告代理店ケッセルスクライマーの共同創設者でありクリエイティブディレクターを務めるエリック・ケッセルスによる、ファウンド・フォトを使用した写真集。花の前でポーズをとる女性の写真を集めたもので、国籍や地域、年代は違えど、撮影者に微笑む女性たちという共通の画が収められている。また同時期に刊行されたエリック・ケッセルスの写真集で、家族アルバムの写真で構成された「ALBUM BEAUTY」も合わせて観ると、ファウンド・フォトの魅力をより深く味わうことができる。【書籍情報】「MOTHER NATURE」著者:エリック・ケッセルス出版社:RVB BOOKS言語:英語ハードカバー/140ページ/130×210mm発刊:2014年価格:4,600円
2014年12月18日1995年にデビューしたワールドの「アンタイトル(UNTITLED)」は、働く女性に向けたスタンダードアイテムを提案してきた。来春に20周年を迎えるにあたって、“自分を自由に描く服”というコンセプトはそのままに、よりコンテンポラリーなキャリアブランドへと方針を改める。また、イタリアのテキスタイルメーカー「パオレッティ」や、プリントメーカー「リモンタ」などの協力を得て、オリジナル素材の開発を強化。アメリカ「ケッズ」のスニーカーや、フランス「ルミノア」のカットソーなどともコラボレーションを展開していく。なお、2016春夏シーズンからは八木保をクリエーティブディレクターに起用し、“カルチャー”と“アート”をキーワードに今の時代にふさわしい製品を展開。これによって、ショップの内外装デザインなども含めたブランドイメージの一新を図る。イメージビジュアルは写真家のホンマタカシが撮影し、新しいアンタイトルの世界観を表現。また、15年をブランドアニバーサリーイヤーと定めて、様々なイベントを行う予定だ。主な製品の価格帯は、プルオーバーが6,500円から1万5,500円、ジャケットが1万9,000円から3万4,000円、スカートが1万3,500円から1万7,500円、パンツが1万3,500円から1万7,500円、ワンピースが1万9,000円から2万8,000円、コートが2万4,000円から4万9,500円。
2014年12月01日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週金曜日は、東京・代官山に店舗を構える書店、代官山蔦屋書店(東京都渋谷区猿楽町17-5)がオススメする1冊を毎週紹介。■「NEW DOCUMENTARY」ホンマタカシ写真家ホンマタカシの個展「ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー展」(2012年)と、水戸芸術館で開催された展覧会「拡張するファッション展」(2014年)の展示風景をもとに構成されたユニークな写真集。192ページというボリュームの中で、ホンマタカシの過去から現在に至る作品の数々が展示された“壁面”と“紙面”の間を交錯しながらフローする。代表的な作品も数多く登場しているが、実験的な編集方法によって、まったく新しい見方で楽しむことができる一冊。【書籍情報】「NEW DOCUMENTARY」著者:ホンマタカシ出版社:スーパーラボ言語:日本語ハードカバー/192ページ/190×250mm発刊:2014年価格:8,200円
2014年11月28日東京・六本木の「IMA CONCEPT STORE」で、トークセッション「インターネット時代の風景論」が全5回に渡って開催される。このセッションはインターネット時代において、現代人の視界を長時間にわたって支配している“画面”に着目。この新しいメディア環境が、我々の身体感覚や概念にどのような影響を与えているのか。その中で写真、映像、表現、アートなどが、どのような役割を果たしていくかを議論する。11月19日にはデスクトップに現れるイメージを、新たな風景としてとらえる写真家の新津保建秀が登場。「デスクトップの風景論」と題して、アートワークや展覧会のキュレーションも手掛けるウェブデザイナー田中良治とトークを繰り広げる。その後、11月26日には連続撮影した写真を切断、積層した写真彫刻を発表するNerholに加え、写真家の横田大輔、美学研究者の星野太を招いての「デジタル時代の身体性」を開催。12月3日にはインターネット時代におけるリアリティーについて議論する「インターネット・リアリティその後」が催される。12月9日には写真家・ホンマタカシと、Googleストリートビューを素材にロードムービーを作成する田村友一郎が、インターネットにアーカイブされたイメージの存在価値について「インターネット時代における写真と画像について」と題して考察する予定だ。最終日となる12月17日には、ゲストとしてニコニコ学会ベータを発足させた江渡浩一郎の他、ネット時代の新たなライセンスを提唱するコモンスフィアのドミニク・チェンが招かれる。議題となるのは「複製技術時代のコミュニティー」。実社会を表現の場として、ユーザー主体の社会システムを牽引する2人には何が見えているのか。その世界観とメディア環境の今後について2人が話し合う。開催時間はいずれも20時から22時まで。参加料金は各回が2,200円で、全編受講で9,900円。なお、雑誌IMAの定期購読会員は、それぞれ特別価格での参加が可能となる。
2014年10月28日インディペンデント・ファッションマガジン『ユニオン(UNION)』4号が9月23日に発売された。同誌はスタイリスト、Hiroyuki Kuboと百々千晴の2人により2012年3月に創刊。アンダース・エドストローム、ホンマタカシ、鈴木親ら豪華フォトグラファーと、水原希子、橋本愛など旬の女優やモデルを起用し、毎号ハイクオリティーなファッションストーリーをつくり出している。最新号となる4号は表紙に菊地凛子を起用。挑むような強い視線が印象的なビジュアルだ。インタビューではニューヨークへの移住、女優としての葛藤と挑戦が率直に語られる。他に、初参加となるマーク・ボスウィックが写真と詩を寄稿。ホンマタカシによるノーメイクの長澤まさみのフォトシューティングなど、充実のラインアップだ。HIRO:これまでは若い女の子に向けたガーリーなテイストだったのですが、今号からは少し対象を広げる意味もあって、年齢層を上げ、大人っぽくしています。甘いガーリーはもうやめませんか、という世界的なファッションの空気を意識したこともあります。よりシャープにシックになるよう使用する紙も以前より白いものに変えました。――『UNION』はバイリンガル表記で、国外の配本先も数多い。海外からの反応も好意的で、ほぼ毎日フォトグラファーやディストリビューターからの問い合わせがあるのだという。今の日本らしさを世界に発信するという意図はあるのだろうか。百々:特に日本らしさ、東京らしさは意識していません。東京が好きで東京に住んでいるので、自然とそうなってしまう部分はあるのかもしれませんが、東京の市場に合わせてモノづくりはしていない。仕事で海外に行くことも、海外のものを見て刺激を受けることも多く、特に海外、日本と区別はしていないんです。HIRO:アニメや原宿や渋谷など、いわゆるトーキョーは、外国人から見た日本像で、僕にとってはリアルじゃない。観光地のお土産感覚だと思うんです。東京のきれいな所は普通の住宅街や光の感じにあると思っていて、撮影もそういう場所でしています。日本人が見た日本を発信したいですね。――日本人モデルを起用したファッションページも増えている。HIRO:日本に来る外国人モデルは、ヨーロッパのファッション撮影がオフになる8月に出稼ぎに来ている感覚なんですよね。それくらいクオリティーも下に見られているし、モチベーションも高くない。そういうモデルを使うより、地産地消ではないですけれど、日本人モデルの方が面白いというのもあります。今回MONA、JUN、KANA、黒田エイミ、水原佑果の日本人モデル5人が一同に並ぶページがあるのですが、迫力があって壮観でした。――もともと2004年ロンドンに留学時代に出会って意気投合したHIROと百々。帰国後はそれぞれがスタイリストとして独立し、いずれは2人で雑誌をつくりたいと話し合っていたそう。Kuboのロンドン時代の師匠であるスタイリストLeith Clarkが雑誌『Lula』を編集する現場に立ち合った影響もあった。そして実現したのが2012年。HIRO:できない理由をつくるのは簡単だけど、やってみることが大事だと思います。秘訣は良い相棒を見つけることですかね。写真がすごく好きなのですが、自分の雑誌があることで、憧れていたフォトグラファーにオファーできる。『UNION』の撮影で百々とホンマタカシさんのチームが生まれて、『GINZA』や『Purple』でもコラボレーションしているのを見るとうれしいですね。雑誌がそうしたサロン的な場所になると良いなと思います。毎号大変ですが、実は4号では広告を大分削りました。資本優先だと自分たちのやりたかったことが曖昧になってしまう気がして。クリエーティブワークをやれる唯一の場所ですから、そこを大事にしていきたい。百々:ビジネスのことばかり考えていると、なぜ2人で雑誌をやろうとしたのかわからなくなってしまうので。どっちを選ぶといえば、クリエーティブを選ぶというスタンスにしようと話しているんです。――雑誌の根底には“タイムレスな美しさ”を追求したいという思いがある。HIRO:トレンドを盛り込まないようにしています。上質なものというのは時代に関係ないと思うので。例えば白いシャツにデニム、シャネルのジャケット、エルメスのカシミアのマフラーなどのアイテムはタイムレスなものですよね。そうした常に変わらない美しさを提案したいと思っています。他の雑誌も良くチェックします。イギリスの『Twin』はクリエーティブという点でレベルが違う。見るとやる気をなくしてしまうことも。まだやりたいことの1から2%しか出来ていなくて、次にやりたいことでいっぱいなんです。百々:今、「ジンジャーエール(GINGERALE)」という甘さと辛さを組み合わせたファッションを提案するブランドのディレクションも手掛けています。スタイリストという仕事は、いろいろなモノを見ているので、自分ならこうしたいという欲しいものが明確になる職業かもしれません。コンセプトを意識しつつも、自分のフィルターを反映したスタイリングを『UNION』でも続けていきたいと思います。――リトルプレスやジンなど、従来の出版社ではない個人がつくるオルタナティブな雑誌が増えている。その中でもトップスタイリストが手掛けるクオリティーを重視したファッション雑誌は異色だ。ネットワークを築き、経験を重ねてきた彼らの挑戦に注目したい。
2013年10月03日厚生労働省によれば、日本人の15人に1人が生涯に一度はかかる可能性があるといわれる“うつ”。現在、医療機関にかかっている人だけでも100万人を超え、今や一般的な病気となった、ニッポンの“うつ”を『人生はビギナーズ』のマイク・ミルズ監督が密着取材したドキュメンタリー『マイク・ミルズのうつの話』に、著名人から続々と応援コメントが到着した。マイク・ミルズといえば、「X-girl」「マーク・ジェイコブズ」などにロゴやデザインを提供し、「ビースティー・ボーイズ」「ソニック・ユース」などのCDジャケットやミュージックビデオ、「ナイキ」や「アディダス」のCMなどで、90年代のユース・カルチャーを牽引してきた映像作家。長編映画監督デビュー作の『サムサッカー』はサンダンス映画祭で評価を受け、自身の父親との関係を題材にした『人生はビギナーズ』では、インディペンデント・スピリット・アワードの監督賞と脚本賞にノミネートされ、ゴッサム・アワードの作品賞を受賞した。2000年以降、日本で“うつ”という言葉が急激に広まったことを不思議に思ったミルズ監督は、その理由のひとつに、製薬会社によって行われた「心の風邪をひいていませんか?」という広告キャンペーンがあると考え、その実態に迫るドキュメンタリーを作ろうと思い立つ。彼は日本のネットから参加者を集い、(1)抗うつ剤を飲んでいること、(2)日常生活をありのままに撮らせてくれること、を撮影条件に5人の若者を選び出した……。精神科医の香山リカさんは、本作で描き出された赤裸々な彼らの日常を「病んでいるのではない、ふつうに生きて暮らしている“うつ”の人たちの息づかいが聞こえてくる」と絶賛。また、ミルズ監督の友人でもある写真家のホンマタカシさんは、「マイク・ミルズはただのお洒落な映像作家ではなく、伝統的なアメリカのドキュメンタリーのスピリットを持っているんだ」とコメントした。さらに、サブカルチャーをこよなく愛したエディター・川勝正幸さん(故人)は、2007年の完成時にいち早く本作を見ており、「普通の人々がうつから抜けようと格闘する姿を現在進行形で描いた作品は初めてではないか。マイクの反骨精神と粘り強さに、脱帽!」(『TV Bros』’10年12月号掲載のコラムより抜粋)との言葉を遺していた。うつ患者たちの壮絶な日常を、ミルズ監督独特の優しく明るい目線でとらえた本作。決して他人事ではない現代病の処方箋が、ここにはありそうだ。『マイク・ミルズのうつの話』は10月、渋谷アップリンクほか全国にて順次公開。(上原礼子(cinema名義))
2013年08月22日KITTY EX.(キティ・エックス)-ハローキティとアート ファッションの幸福なコラボレーション展-を天城ミュージアム(静岡県伊豆市)にて、2013年1月27日(日)の期間中に開催する。30周年を記念して、国内外から100組を超えるアーティストやファッションブランドのデザイナーがハローキティをモチーフにした作品を制作・発表した展覧会、「KITTY EX.(キティ・エックス)」は、2004年東京 森美術館(六本木ヒルズ)にて開催して以来、今回16会場目を向かえる。本展では、写真、映像、立体、音楽など様々なジャンルにわたる国内外のアーティストやファッションブランドのデザイナーたちが表現した、それぞれのキティを楽しむことができ、サマンサタバサニューヨーク、ヘッドポーター、ガルシアマルケスとのブランドコラボレーションのアイテムも揃う。10月7日(日)にはハローキティデザイナー山口裕子を迎えトーク&サイン会を開催、サイン会ではフォトフレームまたは2,000円以上の商品をお買い上げの方が対象となる。また、11月3日(土・祝)には、ハローキティ握手・撮影会のイベントも実施される。1974年に誕生したハローキティは、国境や世代を超えて多くの人々に親しまれ、いまや日本が世界へ発信する現代文化の一つとなっている。◎アーティスト コラボレーション日比野克彦「KITTY STONE」(インスタレーション)、中村哲也「KITTY UFO」(立体作品)、立花ハジメ「KITTY LOVE」(映像作品)、ホンマタカシ「キティちゃん対ホイス」(写真)、藤井フミヤ+ヴィジョン「おかえりニャン」(平面作品)、佐藤可士和+谷田一郎 「GRIND OUT ART DESIGN HELLO KITTY」(映像作品) ほか●会期:10月6日(土)~2013年1月27日(日)●会場:天城ミュージアム〒410-3206 静岡県伊豆市湯ヶ島176-2 天城会館内●開館時間:10:00~17:00●観 覧 料:大人(中学生以上)500円、小学生 300円 ※小学生未満は無料。●主催:伊豆市観光協会、ハローキティエキシビション実行委員会元の記事を読む
2012年10月09日