©TRIPPING!インドネシア・ジャワ島の世界遺産、「ボロブドゥール遺跡」。インドネシアで最もポピュラーな観光名所で、たびたび“世界の七不思議”のひとつとしても名が挙げられている、世界最大の仏教遺跡だ。 仏教宇宙観を表現した構造©TRIPPING!9世紀、シャイレーンドラ王朝により建てられた寺院は、仏教理論の多層を表現するため、丘陵に岩石を積み上げられ造られた巨大モニュメント。123メートル四方をベースにしたピラミッドには2,672枚のレリーフ、504体もの仏像が飾られ、同規模のものは類を見ない。©TRIPPING!東南アジアの宗教的建造物として有名なカンボジアの「アンコールワット」と比較しても、「ボロブドゥール」は約300年も早く完成していたというから驚き! 1,000年もの間、ジャングルに眠っていた寺院©TRIPPING!時代とともにジャワの権力は東側へ移り、「ボロブドゥール」は1,000年もの間、自然の荒廃にさらされることとなった。再発見されたのは1815年。英国のスタンフォード・ラッフルズ卿が火山灰に埋もれていた寺院を発掘したが、それは巨大寺院のほんの一部。その後も発掘、修復が試みられたが、本格的な修復が行われたのは1970年代に入ってから。ユネスコの全面的支援のもと、8年をかけて修復が行われ、1991年には世界遺産に認定された。©TRIPPING!「ボロブドゥール」という名は、サンスクリット語で“丘の上の仏教寺院”を意味する“Vihara Buddha Uhr”に由来するという。上空から見ると、寺院は伝統的な仏教の曼荼羅の形をし、10の層は、仏教的宇宙観である三界(Kamadhatu=一般の人々が住んでいる現象世界、Rapadhatu=人間は俗事から解放されている過渡的世界、Arupadhatu=神々が宿る最高の世界)を表している。©TRIPPING!「ボロブドゥール」は仏教徒にとってインドネシア各地から集う合流地点であり、参拝者はもちろん地元観光客も絶えない。©TRIPPING!アクセスはジョグシャカルタから車で1時間程。各社ツアーが便利で、神秘的な景色に出会えるサンセットやサンライズツアーは特に人気だ。 尚、ビジターセンターの隣には、ボロブドゥールの歴史を解説したムービー(英語)を上映するシアターもあるので、見学の前に立ち寄れば予習も可能だ。©TRIPPING!毎年6月には「ボロブドゥール」の野外劇場でジャワ舞踊の特別イベントが開催。また仏教カルチャーに興味があるなら、毎年5月から6月の満月の日に行われる仏教徒最大の祭典、ワイサックの日にあわせて訪れてみては。仏陀の生誕を祝おうと世界中から集まる約15,000人の参列者が成す華やかかつ神聖な光景は圧巻だ。 ボロブドゥールの仏教寺院群・住所:Borobudur Archaeological Park・入場時間:6:00~17:00・入場料:US$25(10歳〜)、US$ 15(子供 3歳〜9歳) 初回投稿日:2016年3月23日情報更新日:2017年5月12日入場料更新
2017年05月12日ボロブドゥール photo:世界遺産イェーイ!約18,000もの島々から成る島国インドネシア。その中心となるジャワ島に仏教とヒンドゥー教の宗教遺跡、ボロブドゥールとプランバナンがあります。 ボロブドゥールは世界最大の仏教寺院、プランバナンはヒンドゥー教の寺院です。ボロブドゥール、プランバナン寺院以外にも世界遺産に登録されている寺院が多数あるのですが、それらは仏教寺院とヒンドゥー教寺院が混在していて、二つの宗教がゆるやかに融合し共存してきた歴史を垣間見ることができます。 1. ボロブドゥールの仏教寺院群世界最大規模の仏教遺跡ボロブドゥールは、インドネシア観光のハイライトとも言えるポピュラーな観光地です。 1,000年も密林の中で眠っていたボロブドゥールphoto:ひさほ ゆう770年頃から820年頃にかけて仏教を信仰するシャイレンドラ朝という王朝によって築かれたボロブドゥール。1871年にイギリスのラッフルズに発見されるまで何と約1,000年間もの間、密林の中に埋もれていました! 大乗仏教の宇宙感を表す構造マノハラホテルに展示されていたレプリカ photo:世界遺産イェーイ!遠くから見ると1つのピラミッドみたいなものに見えますが、実は2つの部分から構成されています。上部の「3層の円壇(丸い形)」と下部の「5層の方形壇(四角い形)」、そして「3層の円壇」の頂上にはストゥーパ(釣鐘状の塔)があります。これらの構造は大乗仏教の宇宙感を表しています。 レリーフにも注目!photo:世界遺産イェーイ!「5層の方形壇」の各層は、回廊上になっており、その壁面は仏教をテーマにしたレリーフ(浮き彫り)で埋め尽くされています。こちらのレリーフのカメは実はお釈迦様なのです。釈迦は前世でカメとかゾウとかサルとか様々な姿で善行に励んだとされています。 「ボロブドゥールの仏教寺院群」という名称で世界遺産に登録されているボロブドゥール。実はボロブドゥール寺院に加えて、近隣にあるムンドゥ寺院、パウォン寺院を含めた3つの寺院が世界遺産として登録されています。 ムンドゥ寺院photo:ひさほ ゆうボロブドゥールから東に3kmのところにある小さな寺院で、中にある「三尊像」というジャワ美術の最高傑作ともいわれる仏像と、外壁の「レリーフ」が見所となっています。 パウォン寺院photo:世界遺産イェーイ!同じくボロブドゥールから東に1.5kmのところにある「パウォン寺院」はムンドゥ寺院を一回り小さくしたような感じの建物で、可愛らしい小窓がついたレリーフが有名です。photo:世界遺産イェーイ!ボロブドゥールから歩いて観光するには少々遠い2つの寺院。私たちはベチャという三輪自転車タクシーでまわりました。夫婦二人で乗ると少々重いのか坂道は歩かされることに・・・バイクタクシーやレンタルサイクなどもあるので効率よく回りましょう。結構暑いので暑さに負けずに観光して下さいね! オススメのホテルphoto:世界遺産イェーイ!ボロブドゥールを観光するなら、レストランからボロブドゥールが見えちゃう奇跡の立地なのにリーズナブルな「マノハラ・ホテル」に泊まるのがオススメ!ボロブドゥールの向こうから朝日が昇る光景を見ることができるサンライズツアーもこちらのホテルから出発します!ホテルの中にある「オーディオ・ビジュアル館」では、遺跡の歴史を解説したビデオが上映されています。レリーフの解説など図を使ってわかりやすく説明されているので、観光する前にぜひ見てみましょう。ビデオは何と日本語もありますよ! ■ボロブドゥールの仏教寺院群 (文化遺産)・登録:1991年・登録基準: 「人間がつくった傑作」「文化交流」、「出来事や宗教、芸術」・アクセス:成田から首都ジャカルタ、またはバリ島のデンパサールまで直行便で約7時間。ジャカルタ、またはデンパサールからジョグジャカルタまで飛行機で約1時間。ジョグジャカルタからバスで約1時間半。 2. プランバナンの寺院群photo:ひさほ ゆう9世紀に建造されたプランバナン寺院(別名ロロ・ジョングラン寺院)には、ヒンドゥー教の3大神、「シヴァ神」、「ヴィシュヌ神」、「ブラフマー神」を祀る建物が3つそびえており、さらにそれぞれの神の祠堂の前には、その神の乗り物が祀られた小堂があります。シヴァ神は「ナンディ(牡牛)」、ヴィシュヌ神は「ガルーダ(神鳥)」、ブラフマー神は「ハンサ(白鳥)」に乗っています。photo:世界遺産イェーイ!ヴィシュヌ神の祠堂の内部にはビシュヌ神の像があります。それぞれの祠堂の中には像があるので入れるところは入ってみましょう! ラーマヤナのレリーフphoto:ひさほ ゆう中心にあるシヴァ神をまつったシヴァ堂の回廊の見事なレリーフには、ヒンドゥー教の神話「ラーマヤナ」で描かれているコーサラ国の王子ラーマの活躍する姿が彫られています。 世界遺産でラーマヤナ舞踊劇を鑑賞写真提供:インドネシア共和国観光省プランバナン寺院の屋外劇場では、夜にラーマヤナ舞踊を鑑賞することができます!5月~10月は屋外で、それ以外の時期は屋内で週3~6回上演されています。 星空の下、ガムランの響きを聞きながら幻想的な舞踊を見学しましょう!世界遺産として登録されている寺院は、プランバナン寺院以外に、仏教寺院のセウ寺院、ヒンドゥー教寺院のカラサン寺院、サンビサリ寺院などがあります。ボロブドゥールを築いた仏教王国シャイレンドラ朝とプランバナンを築いたヒンドゥー教国マタラム朝は王族同氏の結婚により縁戚関係にありました。宗教の違いを超えて良い関係を築いていたことを遺跡から感じ取ることができます。 ■プランバナンの寺院群(文化遺産)・登録:1991年・登録基準:「人間がつくった傑作」、「建築技術」・アクセス:プランバナン寺院は、ジョグジャカルタから車で約45分。プランバナン寺院以外のセウ寺院などをまわる場合は、タクシーチャーターが便利。 ※記事中の情報は、全て2016年10月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】) 4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラム
2016年10月30日©TRIPPING!インドネシア、ジョグジャカルタを訪れるなら外せない観光名所といえば、世界遺産「ボロブドゥール遺跡」。世界最大の仏教遺跡とあって、国内外を問わず連日多くの観光客で賑わっている。 遺跡公園内のホテル「マノハラ・ホテル」でランチ©TRIPPING!ジョグジャカルタから車で1時間半ほどの場所に位置するボロブドゥール遺跡。ちょうどお昼時に訪れるなら、遺跡を眺めながら優雅にランチタイムを過ごすはいかがだろうか?そこで、今回ご紹介するのが、遺跡公園内にロケーションする、マノハラ・ホテルのレストラン「Witarka Resto」。オープンエアーになったダイニングエリアは、美しい芝生の庭に面していて、その先にはボロブドゥール遺跡を望むことができる。 リーズナブルに楽しめるインドネシア料理料理は、伝統的なインドネシア料理が中心。ホテルのレストランというと、価格設定に驚いてしまうこともあるが、こちらのレストランは良心的なのでご安心を。©TRIPPING!・ナシゴレン スペシャル マノハラ(Rp.45,000 =約390円)・ミーゴレン ボロブドゥール(Rp.42,500=約360円)・ビンタンビール(瓶)(1本 Rp.40,000=約340円) ゆっくりとした時間の流れるマノハラ・ホテルのレストランで一息ついてから、いざ世界遺産巡りへ繰り出してみよう! こちらも合わせてCheck!“世界の七不思議”にも選ばれた世界遺産「ボロブドゥール遺跡」
2016年03月25日