アンジェリーナ・ジョリーの監督最新作プレミアが18日(現地時間)、カンボジアで開催され、アンジェリーナと6人の子どもたちと出席した。アンジェリーナの新作『First They Killed My Father』(原題)のプレミアは18日(現地時間)、カンボジアのシェム・リップにあるアンコール遺跡の象のテラスで行われた。アンジェリーナはフューシャピンクのドレスに身を包み、カンボジア生まれの長男・マドックス(15)と次女のシャイロ(10)と一緒にステージに上がり、スピーチした。アンジェリーナは「この国の物語を語ることを委ねられたことが、私にとってどれほど大きな意味を持つか、言い表す言葉が見つかりません」「この映画は何よりも、私なりのカンボジアへの感謝の言葉です」「私の心の一部はいつも、そしてこれからもずっとこの国にあります。そしてこの国の一部はいつも私と一緒にいます。マドックスです」と語った。マドックスは「今夜はお集まりいただき、ありがとうございます。僕たちはついにやりました。皆さんに映画を見ていただき、そこに母と家族と立ち合えるのはとても光栄なことです」とあいさつした後、「僕の妹、シャイロを紹介したいと思います。何か言いたいことがあるみたいです」と続けた。シャイロはマイクを持つと、「私の名前はシャイロです。カンボジアが大好きです」と語った。プレミアには次男・パックス(13)、長女・ザハラ(11)、そして三男と三女の双子、ノックスとヴィヴィアン(8)も参加。カンボジアのノロドム・シハモニ国王とノロドムモニニヤット・シハヌーク王太后が招待され、アンジェリーナに花束を手渡して祝福した。昨年9月にブラッド・ピットとの離婚申請以来、子どもたちの親権争いをめぐる暗いニュースが続いたが、この日はアンジェリーナも子どもたちもいままでにないくらい晴れやかな表情を見せていた。カンボジアの女流作家で人権活動家のルオン・ウンが、1970年代にポル・ポトの恐怖政治下での自らの体験を綴った手記「最初に父が殺された飢餓と虐殺の恐怖を越えて」を映画化した『First They Killed My Father』(原題)はNetflixで配信される。(text:Yuki Tominaga)
2017年02月20日きずな橋 photo:Hiroaki Kanoカンボジアの通貨、リエルの紙幣を何気なく眺めていてハッとした。そこには二つの橋が描かれているのだが、デザインの一部に日の丸のような模様があるのに気づいたからだ。 よく見ると隣にはカンボジアの国旗も描かれていて、どうやら日の丸に間違いない。国を象徴するもののひとつである紙幣のデザインに、他国の国旗が使われるとはただ事ではない。著者撮影日の丸がデザインさているのは、500リエル札の裏面。描かれている二つの橋は、通称「きずな橋」と「つばさ橋」と呼ばれている。ともに日本のODA(政府開発援助)による無償協力によって、カンボジアを南北に流れる大河メコン川に架けられた。どちらもカンボジアの発展と人々の生活に欠かかせないものとなっている。500リエル紙幣に記された二つの橋と日の丸には、カンボジアの人々の日本への思いが込められている。著者撮影プノンペンの北東部、コンポンチャム地区にある「きずな橋」は2001年に完成した。メコン川に初めて架けられたこの橋の開通によって、農産物の産地である東北地方から首都プノンペンへの交通が劇的に改善。現地ではクメール語で橋を意味する「スピエン」に日本語の「きずな」をそのまま組み合わせて、「スピエン・キズナ」と呼ばれ親しまれている。「きずな橋」は、紙幣だけでなく切手にもなった。つばさ橋 写真提供:久野真一/ JICA一方の「つばさ橋」は、2015年の4月に完成したばかり。同じく日本の協力で整備が進められている国道1号線を、プノンペンから1時間半ほど走ると姿を現す全長2,215メートルの大きな橋だ。2羽の鳥が翼を広げているように見える特徴的なデザインから、こちらも日本語をそのまま用いて「スピエン・ツバサ(つばさ橋)」と命名。橋の完成によりベトナム、カンボジア、タイをつなぐ大動脈が生まれ、昨年末にASEAN経済共同体が発足したことで今後ますます大きな役割を担うことが期待されている。メコン川から見たつばさ橋の建設時の様子 写真提供:久野真一/ JICA「つばさ橋」の建設プロジェクトは2004年にスタートし、10年以上の歳月をかけて完成。建設作業は、さまざまな困難に直面した。建設地付近には1970年代にカンボジアを支配したポル・ポト派の弾薬庫があり、工事開始前に不発弾の処理は行っていたものの完全に処理することはできず、2012年7月に不発弾の爆発事故が発生。幸い負傷者は出なかったが、数ヶ月間の工事中断を余儀なくされた。そんな苦労の末に造られた橋は、昨年発行された新札に日の丸を添えて描かれることになった。これらの橋を無償で建設してくれた日本への感謝の気持ちは、広く一般のカンボジアの人々の中にもあるという。現地で日本語通訳として活躍するセン・セイハーさんはこう語ってくれた。「これらの橋を日本に造っていただいたことは、もちろんみんな知っていますし、大事に使おうとしています。たとえば農家の人たちが新鮮な農作物を市場に運ぶにも、妊婦が出産のために病院へ行くにも、橋ができる前は小さなボートで1時間もかけて川を渡らなければいけませんでした。カンボジアの人々の生活にとって、言葉で言えないくらい大きな意味を持っているんです」トンレサップ湖 ©ASEAN-Japan Centre日本の協力で造られた橋が、カンボジアにはもう一つある。トンレサップ湖に架かる橋で、通称はずばり「日本橋」。「きずな橋」や「つばさ橋」よりもはるか以前、1966年に造られた。重要な輸送路であったため内戦時に爆破されてしまったが、1994年に再び日本の手によって復旧。その際にもポル・ポト派により橋の爆破予告がされるなど、作業は命懸けだった。「日本橋」の再建はカンボジア復興の第一歩となり、命懸けで作業を続けた男たちの姿は当時の1000リエル紙幣に描かれた。カンボジアを訪れた際には、ぜひ500リエル札の裏面を確認してみてほしい。そこにはカンボジアの発展と生活を支える二つの橋が日の丸とともにあり、そこに託されたカンボジアの人々の日本への強い思いを感じとることができるだろう。 (text : 本多 辰成 ) 連載「東南アジアと日本の絆」>その他の記事はこちら
2016年07月29日映画『コロニア』が2016年9月17日(土)に公開される。エマ・ワトソン主演最新作となる本作は、クーデターで囚われた恋人を救うため、女性がひとり“脱出不可能”と言われる恐怖組織へ潜入する物語。南米チリのピノチェト独裁政権下、ナチスの残党と結びつき拷問施設となった「コロニア・ディグニダ」を舞台した脱出スリラーだ。ポル・ポトと並ぶ世界でもっとも凶悪な歴史のひとつでありながら、日本ではあまり知られていない史実が背景にある。メガホンを取ったのは、ドイツ出身のフロリアン・ガレンベルガー。ひるむことなく、困難を乗り越えていくしなやかでタフなヒロイン・レナを演じるのは、エマ・ワトソン。囚われた恋人・ダニエルを『ラッシュ/プライドと友情』のダニエル・ブリュール。そして、恋人たちを精神的に肉体的に追い詰める“教皇”パウル・シェーファーを『ドラゴンタトゥーの女』など「ミレニアム」シリーズで知られるミカエル・ニクヴィストが怪演している。今回解禁された予告編では、コロニア内部を統率する”教皇”パウル・シェーファーの静かで圧力的な声がふりかかる中、レナが直面するコロニア内部での恐るべき出来事の数々が登場。無事脱出することができるのか、スリリングな映像になっている。 ■ストーリー1973年9月11日。フライトでチリを訪れたドイツのキャビンアテンダント・レナは、恋人でジャーナリストのダニエルとつかの間の逢瀬を楽しんでいた。しかし、突如チリ軍部によるクーデターが発生。ダニエルは反体制勢力として捕らわれてしまう。レナは、彼が慈善団体施設”コロニア・ディグニダ”に送られたことをつきとめるが、そこは”教皇”と呼ばれる元ナチス党員パウル・シェーファーが独裁政権と結びつき、神の名の下に暴力で住人を支配する”脱出不可能”な場所だった。誰の助けも得ることができない...レナはダニエルを助け出すため、ひとりコロニアに潜入することを決める。果たして、彼女は恋人とともにここから脱出することができるのか。【作品情報】『コロニア』公開日:2016年9月17日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ新宿ほか全国ロードショー出演:エマ・ワトソン、ダニエル・ブリュール、ミカエル・ニクヴィストほか監督:フロリアン・ガレンベルガー配給:REGENTS、日活©2015 MAJESTIC FILMPRODUKTION GMBH/IRIS PRODUCTIONS S.A./RAT PACK FILMPRODUKTION GMBH/REZO PRODUCTIONS S.A.R.L./FRED FILMS COLONIA LTD.
2016年06月12日先日解禁された主演作『美女と野獣』(『Beauty and the Beast』)の初映像が『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を上回る再生回数を記録したエマ・ワトソン。彼女の主演最新作で、トロント国際映画祭ほか多くの映画祭で話題を呼んだ『コロニア』が、9月、日本公開されることが決まった。舞台は、1973年のチリ。9月11日、フライトでチリを訪れたキャビンアテンダントのレナは、恋人のダニエルとつかの間の逢瀬を楽しんでいた。しかし、突如、チリ軍部によるクーデターが発生。ジャーナリストのダニエルは反体制勢力として囚われてしまう。レナは、彼が慈善団体施設「コロニア・ディグニダ」に送られたことをつきとめるが、そこは”教皇”と呼ばれる元ナチス党員パウル・シェーファーが独裁政権と結びつき、神の名の下に暴力で住人を支配する”脱出不可能”な場所だった――。本作は、クーデターで囚われた恋人を救うため、女性がたった1人で “脱出不可能”といわれる結びつき恐怖組織へと潜入する姿を描く“脱出”スリラー。南米チリの独裁政権下、ドイツを追われたナチスの残党からなるその組織は、「コロニア・ディグニダ」と呼ばれる拷問施設だった!カンボジアのポル・ポトと並ぶ、世界でもっとも凶悪な独裁政権の歴史のひとつでありながら、日本ではあまり知られていない史実を背景に描く本作で、ヒロイン・レナを演じるのは、『ハリー・ポッター』のハーマイオニーから華やかな成長を遂げたエマ・ワトソン。現在、女優業を1年間休止し、国連の新しいフェミニズム活動「He For She」の広報を担うなどひとりの女性としても輝きを増す彼女が、ひるむことなく困難を乗り越えていく、しなやかでタフな女性を演じ切る。また、囚われた恋人・ダニエルを演じるのは、ブラッドリー・クーパー主演『二ツ星の料理人』、クリス・ヘムズワース共演の『ラッシュ/プライドと友情』など、数々の作品で名演を見せるダニエル・ブリュール。さらに、恋人たちを精神的に肉体的に追い詰める“教皇”パウル・シェーファーを、『ミレニアム』シリーズで知られるミカエル・ニクヴィストが怪演する。男女平等とジェンダー・ステレオタイプからの脱却を訴えた、国連での演説も話題を呼んだエマは、本作について「愛のためにどこまでできるか。女性は囚われる側を演じることが多いですが、この映画では女性が男性を救いに行く。その設定に惹かれました」と、出演への思いを明かす。また、メガホンをとったフロリアン・ガレンベルガー監督も、「強いだけの女性ではだめ、勇敢さと弱さを併せ持っていないと。光を持った女性を暗闇に送り込みたかった。そんな女優はエマしかいない。彼女はいつも眩しい光を発している」とエマの存在感に絶賛を贈っている。ダニエル演じる恋人との微笑ましいシーンから、「コロニア」内で信用を得るために服を脱ぐシーン、折檻や極限での脱出シーンなども体当たりで演じたエマ。大人の女優に脱皮した彼女の渾身作に、引き続き注目していて。『コロニア』は9月17日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月09日女優のアンジェリーナ・ジョリー(40)は、毎日のように難民たちのため尽力しているのだという。15年前に国連の親善大使に任命され、現在は国連難民高等弁務事務所の特使であるアンジェリーナは、さまざまな会議やディベートに出席するだけでなく、その裏でもさまざまな活動を行っているようだ。アンジェリーナは「ほとんど毎日のある部分で、国際的な問題に尽力しているの。同僚とニュース、その要因、どのように言及される必要があるか、今携わっている問題の今後について話したり、現地訪問やスピーチの準備なんかでね」「興味深く、私とは反対の視点を持っている人たちに会おうと試みるのよ。そうすることで、私は学べるからね」と話す。また、夫ブラッド・ピットとの間に6人の子供を持つアンジェリーナは、子供たちが難民に関わる仕事をしている自身に興味を持ってくれていることに誇りを持っており、長男のマドックス君(14)の出身国カンボジアのポル・ポト派の政権下を描いたアンジェリーナの監督作『ファースト・ゼイ・キルド・マイ・ファーザー』の制作には、マドックス君も参加してくれたようだ。アンジェリーナは、英版ハロー!誌に「マドックスがこの映画を作るきっかけになったの。マドックスは脚本から編集まですべての過程に彼は携わったのよ」と語っていた。(C)BANG Media International
2016年06月05日カンボジア映画界初の女性監督ソト・クォーリーカーが手掛けた『シアター・プノンペン』の予告映像が公開された。本作は、カンボジアの反政府組織“クメール・ルージュ”の圧政を背景にした母と娘の壮大な物語だ。その他の画像/予告映像クメール・ルージュとは、1975年より台頭した、指導者ポル・ポト率いるカンボジア共産党の別名で、1976年に民主カンボジア政府を発足し、反対派を大量虐殺するなどの過激な共産主義革命を行った組織だ。大量虐殺により、知識人はもとより一般人も含め、国民の4分の1が命を落としている。物語の主人公は、現代のプノンペンに暮らす女子大生ソポン。ある日彼女は、廃墟と化した映画館で、自分そっくりの少女が出演する映画を発見する。スクリーンに映るその女優は、実は若き日のソポンの母だった。ソポンは映写技師のソカから、この映画はクメール・ルージュがカンボジアを支配する前年に作られたが、内戦の混乱により映画の最終巻を紛失し結末を観ることができないことを聞き、母のためにも映画の最後を撮り直そうと思い立つ。自身もクメール・ルージュにより父親を亡くしているクォーリーカー監督は、「自国の歴史や自分自身をもっと知りたい」との思いから本作の製作を決意。本作の主人公は、映画のエンディングを作り直す過程で家族や国の歴史に出会っていくが、クォーリーカー監督も「映画を作りながら自国の歴史を発見することができました」と話す。一方で、カンボジアの現状を「“辛い過去は蒸し返さないで葬りましょう”という格言のようなものがあり、今まさにその状態」「(クメール・ルージュについて)学ぼうという子供は少ない」と問題視し、「過去を直視して生きなければならない」と語っている。本作は、タブー視されているテーマを扱っているにもかかわらず、カンボジアで興行収入歴代1位となるなど大ヒットを記録しており、重厚な人間ドラマとともに、語り継ぐべき歴史の真実が描かれた壮大な物語に仕上がっているようだ。『シアター・プノンペン』7月2日(土)より岩波ホールにて公開
2016年04月14日アンジェリーナ・ジョリーが夫のブラッド・ピットとおそろいのタトゥーを入れたことが分かった。バンコクを拠点にしているタトゥー・アーティスト、アジャーン・ヌー・カンパイ氏が明らかにした。2003年と2004年にも同氏がデザインしたタトゥーを肩に入れたアンジェリーナは現在、監督としての新作『First They Killed My Father』(原題)の撮影でカンボジアに滞在中。氏をタイからカンボジアに呼び寄せて、ブラッドと共に新たにタトゥーを入れたという。もともとアンジェリーナの首の付け根と左肩下の背部にタトゥーはあったが、新たに3つ増えて、11年越しのタトゥーが完成。背中の大半を覆う形状になった。イギリスの大衆紙「Daily Mail」によると、デザインはヤントラ(ヒンドゥー教で瞑想に用いる幾何学的図形)のようで、平和と愛、豊かな人生を祈る内容らしい。アンジェリーナのタトゥーの数は、これで判明しているだけで17個になった。ブラッドは左肩と腹部に仏教のシンボルを入れたという。『First They Killed My Father』は1970年代のカンボジアでポル・ポトの恐怖政治下を生き抜いた作家ルオン・ウンの著書「最初に父が殺された飢餓と虐殺の恐怖を越えて」の映画化。アンジェリーナの長男でカンボジア生まれのマドックスもスタッフとして参加している同作は、Netflixで独占配信される予定。(text:Yuki Tominaga)
2016年02月12日(c)Enric Fraderaかねてより知人から「一般常識が欠けている」という注意を受けることの多い私なんですが、みなさんは新幹線の「のぞみ」と「こだま」のちがいって理解していますか?恥ずかしながら齢28のワタクシは、これは機体の種類か何かがちがうだけだろうとつい最近まで思い込んでいたのです。先日、到着時刻をよく調べずにその場で来た「こだま」にテキトーに乗ったら、大阪での待ち合わせに1時間遅刻するという失態をやらかしました。みなさんも気を付けて。さて、一般常識が欠けているアラサ―女性というのはどう考えてもヤバイので、私も世間様の顔を窺いつつオロオロしているのですが、代わりに日常生活で役に立たないムダ知識なら、脳に腫瘍ができるほど溜めこんでおります。「常識ないのはどうなの」という突っ込みはひとまず横に置いていただいて、今回はおひとりさまの人生を何倍も面白くするムダ知識の溜めこみ方について、少し思うところを語ってみます。ムダ知識の溜めこみ、あなたはどこから?私は本からまずは「ムダ知識とは何か」という定義から入りますが、今回はこれを「今すぐには役に立たない知識」くらいの意味で使うことにします。「のぞみ」と「こだま」のちがいを知ればその瞬間から新幹線に乗り間違えるというミスはしなくなりますが、カンボジアでポル・ポトが行なった虐殺の歴史をひも解いても、研究者でもない限りその知識はすぐには役に立ちません。で、こういった「今すぐには役に立たない知識」の大切さを語ってきた人は別に私に限らずいくらでもいるのですが、じゃあこれを一体なんのために溜めこむのかというと、「教養」とかいい出すヤツはアホ、と私は思っています。だれかにひけらかしたり偉ぶったりするために溜めこむわけじゃなくて、「あくまで自分が楽しむためのもの」「自分のまわりの人を楽しませるためのもの」です。異論は認めますが、自分が面白くないんだったらいくら高尚なこと考えててもしょうがないよなー、と個人的には思います。そんなムダ知識、きっとみなさんも日々いろいろな場所からくわえこんでいると思うのですが、鉄板の確保場所はやはり「本」ですよね。というわけで私のおすすめ本の紹介を……といこうと思ったのですが、ここでシュミを爆発させて私の意外にロマンチストな一面が漏れてしまうと恥ずかしいので、今回はおそらくこのコラムを読んでくれている方の8割に楽しんでもらえるだろうと思う最終兵器を1つ出しておきます。HONZという書評サイトの代表・成毛眞さんがまとめた、その名も『面白い本』。歴史に科学に民俗学に、良質なノンフィクションが100冊紹介されているブックガイドです。今すぐには役に立たないムダ知識に救われる面白い本 (岩波新書)成毛 眞 (著)こちらの本で紹介されている、死海文書だとか、ヴォイニッチ手稿だとか、ロゼッタストーンだとかの話は、普通に日常生活を送っていたら本当にまじで必要のないムダ知識だと思うんです。だけど、そんなムダ知識をたくさん抱え込むと、今の自分の視点をボールみたいにポーンと遠くに投げられるんですよ。紹介されている本を1冊実際に手に取ってみることももちろんおすすめなんですが、本の紹介文を読んでいるだけでも、地球の果てから果てまでを何往復も連れまわされている気分になれます。私がこちらで紹介されている100冊のなかからマイベストを選ぶとしたら、定番ですがジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』ですかね。これ、読むのに徹夜したんですよ。世界は広い。歴史は長い。25mサイズのプールだと思っていたものが実は海だったと知ったとき、一瞬足元がふらつくような感覚を覚えますが、その眩暈はとても心地いいものです。私たちの生きている世界は、こんなにも面白かったのか!詐欺だ!……と気が付いたら、きっとひとりでいる時間は今までの何倍も楽しくなるんじゃないかな。ちなみにこの『面白い本』、以前私の部屋に遊びに来た彼氏が、本棚から引っ張り出して私の話をまるで聞かずに読みふけっておりました。みなさんも、本の魅力に負けないで。あと、「のぞみ」と「こだま」のちがいに注意です。Text/チェコ好き
2015年10月22日早いもので、2015年の夏もそろそろ終わりを迎えようとしています。みなさんにとってのこの夏は、はたしてどんなものだったでしょうか?私はというと、8月中旬に女一人、ポル・ポトによる虐殺の舞台となったプノンペンのキリング・フィールドとシェムリアップのアンコール遺跡をめぐろうと、カンボジアを旅行してきました。この夏の思い出は他にもいっぱいありますが、やっぱりこのカンボジアの旅がいちばんインパクトを残す出来事になったような気がします。一人旅は別に女をアゲないさて、旅行というのは基本的に趣味の範疇で語られるべきことです。行きたい人は行けばいいし、行く気が起こらない人は行かなければいい。しかし、ウザがられても尚語りたくなってしまう魅力というのが一人旅、特に海外の一人旅にはあると思うんですよね。もちろん、私は今回「一人旅は女をアゲる!」みたいなありきたりなことをいうつもりはありません。パリやロンドンならともかくカンボジアに行っても、汗と砂まみれになって腹を下して帰ってくるだけなので(すべて実話)、女はまったくアガりませんよ。私が同年代のアラサー女性に訴えたい一人旅の魅力とは、ずばり「少年の心が手に入る」こと。私の今までの旅行は欧米が中心だったので、いつもスーツケースをコロコロしながら行ってたんですが、今回は初の東南アジアということで、道が悪いだろうと思ってバックパックを背負って行ったんです。そしたらですね、これが実にしっくりくる、身体になじむ。バックパックを背負ってスニーカーの紐をキュッとしめると、なんというか、「よっしゃ!」って気持ちになります。わくわくが止まらなくて、そのまま校庭1周分くらい走ってきたくなる気持ち。まあ本質的にはバックパックじゃなくて、スーツケースでもボストンバッグでもなんでもいいのですが、これから行くところに自分のことを知っている人はだれもいなくて、言葉も満足に通じなくて、気を抜くと危険な目に遭うかもしれない。それってやっぱりめちゃくちゃ大冒険じゃないですか。たまに、自虐をこめて「あたし、中身はおっさんだから」という女性がいますが、バックパックを背負って一人旅をすると、外身はアラサーでも、中身は少年になれます。恋愛とか、結婚とか、キャリアとか、んなもんは全部どうだっていい!!ただこのまま走ってカブトムシを大量捕獲しに行きたい!!……実際はカブトムシを大量捕獲ではなくアンコール遺跡をめぐりに行ったわけですが、これほどまでに何の計算もなく、邪気のない純粋なわくわく感を抱ける機会って、一人旅でもないとなかなかないんじゃないかなあと思うんです。裸の自分の好奇心と向き合う私は今回、すっぴんで、「動きやすい」以外の機能を一切無視しためちゃくちゃダサい服で、雨のなかレインコートをかぶって遺跡の石の上をヒョイヒョイ移動しながら遊んでいたのですが、これ友人や恋人と一緒に来ていたら、同じことができたかどうか疑問です。自分のことを知っている、それも一緒に旅行をするくらいの仲の人であれば、少しでも良いところを見せたいですよね。きっと一人じゃなかったら、あんなネズミ男みたいな格好で、泥だらけになりながら大はしゃぎできなかったと思うのです。……「一人旅の魅力」について書こうと思ったのに「カンボジアめっちゃ楽しかった」という話で終わってしまいそうなので軌道修正しますが、アラサーとしてとか、女性としてとか、社会人としてとか、そんな訳のわからない鎧を脱ぎ捨てて、ただ純粋にわくわくすることを、少年のように心ゆくまで追求する。一人旅は、それができる滅多にない機会のように思います。裸の自分の好奇心と向き合えるせっかくの一人旅、「女をアゲる」なんて目的でしていたら、むしろもったいないんじゃないかなんて、私は思うのです。人はやっぱり、わくわくしながら楽しかった出来事を話しているときがいちばん魅力的だし、楽しかった出来事を語っている人の話は例外なく面白い。まあ、盛大に腹を下してトイレと往復しながらこの文章を書いている私が魅力的かどうかはまた別の問題ですが(これからお食事の方すみません)、もしこれを読んで「海外女一人旅、行ってみようかな?」って思ってくれた人が1人でもいたら、私はとても嬉しいです。いつかどこかで、そんな魅力的なあなたの旅の話、聞かせてくださいね。
2015年08月27日東京都・六本木の森美術館は、東南アジアのアーティストのなかでも、特に国際的評価の高いベトナム人アーティスト、ディン・Q・レの個展「ディン・Q・レ展:明日への記憶」を開催する。会期は7月25日~10月12日。開館時間は10:00~22:00(火曜は17:00閉館、ただし9月22日は22:00まで開館)。入館料は一般1,800円、高校・大学生1,200円、4歳~中学生600円、65歳以上1,500円。同展は、ベトナム人アーティスト、ディン・Q・レのアジアにおける初の大規模個展。写真を工芸的に編んでいく「フォト・ウィービング」シリーズなどベトナムの手仕事を取り入れた作品、完成度の高い映像と本物のヘリコプターや舟などを組み合わせたインスタレーションなど、視覚的バラエティに富む、ダイナミックな作品が紹介される。同氏が注目されるきっかけとなった「フォト・ウィービング」シリーズは、写真を裁断してタペストリー状に編んだもので、幼少期にベトナムで親戚から習ったゴザの編み方に着想を得たという。作品にはベトナム戦争をはじめ、カンボジアの遺跡、ポル・ポト派による虐殺、ハリウッド映画など多様なモチーフが織り込まれ、作品を見る角度や立ち位置によってその見え方が変化するということだ。また、国際舞台への出世作となった映像インスタレーション作品「農民とヘリコプター」(2006年)では、自作のヘリコプターの開発に挑むベトナム人男性を中心に、ベトナム人と戦争との複雑な関係が描き出されており、人の深層心理にまで踏み込む同氏の独特の取材によって、マス・メディアやハリウッド映画によって流布されたベトナム戦争のイメージとは全く異なる、ベトナム人当事者のこれまで語られることのなかった物語が現れている。また、ベトナム戦争の歴史的出来事を再演する活動に興じる日本人男性への取材を基に、新作映像を制作。新たなベトナム戦争のヴィジョンを捉えるとともに、日本の歴史や記憶、アイデンティティの問題などについても考える内容となっている。また、関連企画としてディン・Q・レによるアーティストトーク(日英同時通訳付、手話同時通訳付)が開催される。開催日時は7月25日14:00~15:30。料金は無料(要展覧会チケット)だが、森美術館ウェブサイトにて予約が必要となる。そのほか、ディン・Q・レが出演するトークセッション「ベトナム現代アートをめぐって:戦争から今日まで」(7月26日14:00~16:00開催)、「アート・社会・歴史」(9月12日14:00~16:00開催)、ベトナム戦争を従軍取材した報道写真家によるレクチャー「カメラを通して見たベトナム戦争」(8月29日14:00~15:30開催)、ベトナム研究家によるレクチャー「結婚にみるベトナム社会のいま」、横浜美術館とのコラボレーション企画で中高生に向けたプログラム「アーティストと出会う」(8月2日、8月30日、9月13日全3日間開催)など、関連企画が多数開催される。詳細は森美術館ウェブサイトにて告知されている。
2015年06月19日ベトナム人アーティスト、ディン・Q・レの日本初となる個展「ディン・Q・レ展:明日への記憶」が、7月25日から10月12日まで森美術館で開催される。レは1968年に国境付近であるベトナムのハーティエンに生まれ、ポル・ポト派の侵略から逃れるために10歳の時に家族とともに渡米。その後、カリフォルニア大学サンタバーバラ校とニューヨーク視覚芸術学校で、写真とメディアアートを学んだ。これまでに、シャーマン現代美術基金やニューヨーク近代美術館などで個展を開催し、国際的にも高い評価を受けている。会場では彼を一躍有名にした作品である、ベトナムの伝統的なゴザ編みから着想を得た「フォト・ウィービング」シリーズを展示。ベトナム戦争をはじめ、カンボジアの遺跡、ポル・ポト派による虐殺、ハリウッド映画などの裁断された写真がタペストリー状に編み込まれ、見る角度や立ち位置によって様々な印象を与える。更に、3面の映像と手作りのヘリコプターを組み合わせた映像インスタレーション作品「農民とヘリコプター」も展示される。この作品では自作のヘリコプターの開発に挑むベトナム人男性に焦点を当て、ベトナムと戦争の象徴であるヘリコプターをめぐる複雑な関係を巧みに描き出した。他にも、結合双生児をテーマとし、ベトナム戦争中にアメリカ軍が散布した枯葉剤との関連を示唆する作品「傷ついた遺伝子」など、人々の様々な実体験を繊密なリサーチとインタビューに基づいてダイナミックに表現。これまで語られなかった名もなき市井の物語をすくい上げ、見落とされてきた人々の痛みや喪失を独自の視点で描き出している。その他、会場では、“報道写真を通して見るベトナム戦争”“ベトナム戦争が日本社会や日米関係に与えた影響”“今日のベトナムの現代アートシーン”“ビジネス・マーケットとしてのベトナムの魅力”などのテーマで、レクチャーやセッションを開催する。【イベント情報】ディン・Q・レ展:明日への記憶会場:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー53階会期:7月25日から10月12日まで時間:10:00から22:00まで(火曜日は9月22日を除き17:00まで)料金:一般1,800円、高大学生1,200円、4歳から中学生600円、65歳以上1,500円
2015年02月19日笑顔は人を幸せにする──向井理が初主演を果たした映画『僕たちは世界を変えることができない。』には、そんな人の心を豊かにする笑顔が詰まっている。原作は現役医師である葉田甲太氏が大学生だった2005年に、カンボジアに小学校を建てるための募金プロジェクトを立ち上げ、実際に小学校を建てるまでの体験記を綴った「僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia.」。向井理は甲太(コータ)という役柄を通じて何を感じたのか?「命を削って作った作品」だと1つひとつ言葉を選びながらカンボジアロケを懐かしむ表情はただただ優しく、何かを伝えたいという直向きな情熱に満ちていた。台本も原作も読まずにカンボジアへ。その理由は…向井さんがカンボジアを訪れるのは2度目となる。1度目はデビュー間もない頃、テレビ番組「世界ウルルン滞在記」の畑作りを手伝うための旅だった。そして今回は、主人公コータを演じるためにカンボジアへ。「ドキュメンタリータッチで撮りたい」という深作健太監督の意向に応えるべく、向井さんは、コータとして彼の素を見せることを意識したという。演技し過ぎない演技、足し算ではなく引き算の演技、それは決して簡単なものではなかったはず。「簡単ではないですよね。普通のことをしながら(何かを)伝えるということは確かに難しくて…。コータはヒーローのようなキャラクターではないので、力技での芝居はしたくなかったんです。その方が簡単ではあるんですけど、そうしたくない作品でした。また、カンボジアでの撮影は敢えて台本を読まないようにしたんです。原作を読んで感情が固定しないようにと思って、原作も読まずにいました。というのは、シェムリアップ州立病院のエイズ病棟、ツールスレン博物館、キリング・フィールド…今日はどこに行って撮影するのかということは分かっているけれど、そこで何があるのかは撮ってみないと分からないんです。(原作者が実際にお世話になった)観光ガイドのブティさんがどんな説明をしてくれるのかは、その場じゃないと分からない。だから事前に知識は必要ないなと。初めて目にするから湧き出てくる感情もある、その時のリアクションを大切にしたいと思ったんですよね。ちゃんと感情が自由に動くように、変に身構えないように、セリフをセリフっぽく言わないということを心がけていました」。そんな真摯な役の取り組み方で、向井さんはコータの感情を生々しく演じきった。これは向井理本人のリアクションなんじゃないか?と勘違いさせるほどのリアルさがあるが、そこにたどり着くためには、きっと陰ながらの努力があったはず。けれど、その努力も葛藤も苦しさも役者として当たり前のことだと捉えている、それが向井理がデビュー当初から貫いている姿勢。実に真面目でプロフェッショナルだ。カンボジアのロケでは、長回しでスタートからカットまで4時間! という撮影もあり、撮影時間はトータルで200時間にも及んだという。つねにカメラを向けられるなか、向井さんを含め、学生サークル“そらまめプロジェクト”の主要メンバーを演じる、松坂桃李、柄本佑、窪田正孝の4人それぞれが自分たちの演じるキャラクターを通して感じたカンボジアとは一体どんなものだったのだろうか。4人をガイドするブティさんの話から、カンボジアを知ることができたと語る。「ブティさんの話を聞いていると、その情景が浮かんでくるんです。聞いているだけでつらいのに、ガイドという仕事とはいえ、自分のつらい経験を話してくれたのは嬉しかったですね。幼少の頃、ポル・ポト政権時代に政府の弾圧で父親を殺されたこと、自分は学校にいけなかったけれど、自分の2人の子供には学校に行ってほしくてガイドとして頑張っていることを、サラッと言えるのが凄い。それが僕の感じたカンボジアという国、人に対する印象ですね。強い国だなと。人として、カンボジアに行くことができて、本当に良かった」。観客もまた、コータたちを通じて切なさや悲しさを味わい、強く生きるカンボジアの人々の姿から何かを感じ取ることだろう。子供たちの笑顔が活力へ変わる幸せとは何か?自分はいま幸せなのか?と深く考えさせられるきっかけとなるのが、カンボジアの子どもたちの笑顔だ。「あの笑顔はすごい力ですよね。あの笑顔がこの作品の大切な要素だった」と顔をほころばせ、映画の核心に迫っていく。「カンボジア特有ですよね。日本人はカンボジアに対して、地雷、ポル・ポト政権、アンコールワット…勝手な偏見を持っていて、発展途上の国として見ている。僕もそうなんですけどね。そういう中にあの笑顔がある、だから笑顔が凄いと思うのかもしれない。彼らは日常的にあの土地で暮らしていて、朝が来て夜が来て、それが普通なのに。でも、そうではない人たちは、自分と照らし合わせて考えると(自分が)情けなくなって、あの笑顔に癒されるだけでなく、何か突き刺さるんですよね。コータたちは紆余曲折あって小学校を建てますけど、建てただけではダメだとも思っている。それでも、子供たちのあの笑顔があることで着地できたのかなと。撮影中、小学校1〜2年の子供たちと一緒に遊んでもらったんです。楽しいと笑ってくれる、遊んでいると笑ってくれる。役柄としてだけれど、この子供たちのために学校を建てるんだ! と思うと、すごく力になった。この子たちのために頑張れると思いました」。映画のラスト、小学校開校式のコータのスピーチのセリフには台本にはない言葉が添えられ、感動的なワンシーンとなった。「誰かのために何かをする喜びというのは、きっと自分のために何かをする喜びよりも強い」というのは劇中のコータのセリフ。誰かのために一生懸命になる素晴らしさを再確認させてくれる言葉のひとつだが、コータを演じながら向井さん自身もそんな熱い感情を抱いたのだろうか。最後にもう一度、向井理の心の中をのぞいてみたく、問いかけてみた。「正直、自分が出ている映画でそういうことを感じるのって難しいんですよね。客観的に見れないというか。撮影後、完成した映画を観ても、200時間の9割を知っているので、ああいうシーンがあったなとか、あのシーンカットされたなとか、自分の芝居にダメ出ししたりしてしまう(笑)。でも、映画の撮影ではあるけれど、自分たちで体験したこと、感じたこと、心に刺さったことが、もしかしたら映画を観ている人以上にあるのかもしれない。それをどれだけ純粋に届けられるのかが、今回の撮影のテーマだったと思うんです。たくさんのメッセージを詰め込んだつもりです。観て下さった方それぞれに感じるものがあったら嬉しいですね」。僕たちは世界を変えることができない──かもしれないが、コータとして向井さんが笑顔になれたように、笑顔が人を幸せにすると気づけること、それはきっと世界を変える小さな一歩、そう信じたい。(photo:Toru Hiraiwa/text:Rie Shintani)『僕たちは世界を変えることができない。』3連続インタビュー 松坂桃李インタビュー:: 原作者・葉田甲太×峯田和伸インタビューcoming soon!■関連作品:僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia. 2011年9月23日より全国にて公開© 2011「僕たち」フィルムパートナーズ■関連記事:向井理、思わず本音が!?「パルテノン神殿は汚いところだった」松坂桃李インタビュー照れ屋な22歳が見つけた“熱いもの”向井理、流暢な英語でスピーチ!海外オファーは「なきにしもあらず」?NHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら向井理、“母校”明治大学で『僕せか』PR…なぜかTBS安住アナが乱入
2011年09月21日向井理の主演映画『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』の試写会が9月13日(火)、東京・有楽町の日本外国特派員協会にて行われ、上映後の質疑応答に向井さんが登壇。英語を交えながら外国人記者からの質問に答えた。150万円を集めてカンボジアに小学校を建設した医学生の実話を映画化した本作。TV番組での経験をきっかけにカンボジアを「第二の故郷」と公言する向井さんの初主演映画であり、実際にカンボジアでの撮影も行われた。「俳優業を始めてまだわずか5年です」と驚きをもって紹介された向井さん。詰めかけた外国人記者に向けて「Do you think about this film?(映画はいかがでしたか?)」と問いかけると、会場からは温かい拍手が沸き起こった。さらに向井さんは流暢な英語で「この映画は実話を基にした物語で、いかにしてカンボジアに学校を作るかということを描いてますが、大きなメッセージとして努力、思いやりといったことを掲げています」と語りかけた。この作品を通じての“変化”を尋ねられると「ボランティアに対する見方が変わりました。自己満足でいいものなんだと分かりました。子供たちの笑顔に象徴されるように、自分が何かすることで、物質的なものではなく笑顔という精神的なものを得ている。お互いのやり取り、キャッチボールの中にあるもので、『やらせていただいている』と感じました」と語った。近藤プロデューサーは、向井さんのキャスティングに関して「ベストではなくオンリー」と語るが、向井さんは「僕が選んだのではなく、映画に選んでいただいているという気持ち」と説明。流暢な英語を操る向井さんに対し、記者からは海外作品のオファーが来たら?という質問も出たが「もしもオファーがあっても、時間の余裕がないとやれないと思っています。(オファーは)なきにしもあらずですが…やるにしてももっと英語をできるようにならないと。ただ、世界に目を向けるのは大事だと思っています。タイミングが合えば」と慎重ながらも意欲を示した。さらに、カンボジアを訪れて何を感じたかを尋ねられると、実際に訪れた、ポル・ポト政権時代の虐殺の跡地であるキリング・フィールド、収容所博物館となっているツールスレン博物館、そしてエイズ病棟の存在とそこで撮影されたシーンに触れ「台本のあのシーンには全くセリフがなく、ガイドさんに自分が聞きたいことを聞いて、テストもなく、すぐ本番で撮影しました。この映画に自分の素は出ていないですが、あのシーンだけは甲太というキャラクターを通して素を見せています。ショックなどという一言では言い表せない。人が実際に生きて、ここで殺されたという事実があって。ツールスレンで、ひとりでしゃがんで空を見上げるシーンがありましたが、実際に三十数年前に同じことをし、同じ光景を見ていたんだなと思い、人間の恐ろしさや、もしかしたら自分が殺す側になっていたかもしれないという危うさなどを感じました」と真摯に自らの思いを伝えた。最後の挨拶では、ワイヤレスマイクが使えずに、やむなく机の上に置かれた巨大なマイクを手で抱えてしゃべるというハプニングもあったが、「こういうマイクで話すこともまずないと思います。初めてのことは好きなので、こういうマイクにもどんどん挑戦していきたい(笑)」とユーモアたっぷりに語り、会場を笑いに包み、外国人記者たちのハートをガッチリとつかんだ様子。そして、新作の撮影でマレーシアにいるために欠席となった深作健太監督の「日本人の撮った映画ですが、カンボジアを通じて日本を映したい」というメッセージを紹介し映画をアピール。再び会場は大きな拍手に包まれた。『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』は9月23日(金・祝)より全国にて公開。■関連作品:僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia. 2011年9月23日より全国にて公開© 2011「僕たち」フィルムパートナーズ■関連記事:NHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら向井理、“母校”明治大学で『僕せか』PR…なぜかTBS安住アナが乱入向井理主演『僕たちは世界を変えることができない。』試写会に100組200名様をご招待向井理、芦田愛菜、武井咲、中山優馬が「ほんとにあった怖い話」でホラー初挑戦!癒し系?頼れる系?親友にしたい俳優ランキング三浦春馬と天海祐希が1位に!
2011年09月13日