日本マイクロソフトは10月2日、「Exchange Server 2016」の提供を開始したと公式ブログで発表した。新バージョンはデータ損失防止(英語)、可用性管理、ストレージ障害からの自動回復、WebベースのExchange管理センターなどの Exchange 2013で新しく導入された機能をベースに構築されており、様々な機能強化が施されている。今回、ExchangeとほかのOffice製品の統合を進め、企業の生産性と共同作業の効率を向上できるようにした。ドキュメントの共有を簡素化したことでバージョン履歴を管理する手間を省くためファイル添付の新しいアプローチを採用し、Outlook 2016やOutlook on the webと同様に従来のような添付ファイルとしてではなく、SharePoint 2016(現在はプレビュー版を提供中)やOneDrive for Businessへのリンクをドキュメントの代替として添付できるようになり、共同編集やバージョン管理を効率化できる。また、様々なデバイスでWeb エクスペリエンスを利用するために、Outlook on the webに大幅な改良を施し、新機能として一括処理やピン留め、インライン返信、受信トレイの1行表示、新しいテーマ、絵文字が導入しており、HTMLのレンダリングも強化したことでブラウザ版Outlookを改良している。さらに、新たに高速の検索アーキテクチャを導入。より正確で完全な検索結果が得られるようになり、Outlook 2016はExchange 2016バックエンドのパワーを使用するよう最適化されているため、新旧のメールの中から必要な情報を素早く検索できることに加え、検索候補、連絡先の候補、結果の絞り込み、予定表イベントの検索などの機能が拡充されており、検索機能が改良されている。そのほか、拡張性の強化やeDiscoveryの機能改良、アーキテクチャの簡素化、自動復旧機能の可用性を向上させている。新バージョンはExchange 2013と同様に累積更新プログラム(CU)が3カ月ごとに提供し、不具合の修正、製品の改良、およびOffice 365の一部の新機能が実装されている。また、CUにはパッシブコピーからの検索インデックスの取得機能など、オンプレミス環境に適用するための改良や検証が必要とマイクロソフトが判断した機能が含まれ、CUの初回提供は2016年第1四半期を予定している。
2015年10月02日日本マイクロソフトは10月2日、モバイルセキュリティ・モバイルデバイス管理(MDM)の国内大手アイキューブドと協業し、同社のサービスがMicrosoft Azureに全面移行するほか、今後Windows 10に対応した「CLOMO MDM」サービスの提供を行うと発表した。マイクロソフトの平野拓也社長は7月の就任後、「変革」を掲げて各種取り組みを実施してきたが、パートナーとの新たな連携、エコシステムの拡大にとって「象徴的で、マイルストーンと考えている」と話す。アイキューブドのMDMサービスである「CLOMO MDM」は、これまでAmazon Web Services(AWS)上でサービスを提供していた。今回の協業では、これをMicrosoft Azureに全面的に移行する。今後、顧客への説明などを経て移行を行うが、これに伴って顧客側にサービス内容の変更などはないという。アイキューブドはテクノ・システム・リサーチの調査で、モバイルMDM市場では4年連続のトップシェアを獲得しており、顧客数も多い。この規模でAWSからAzureへ移行するのはグローバルでも最大規模になるという。同時に、マイクロソフトのクラウド型セキュリティソリューション「Enterprise Mobility Suite」(EMS)との連携も行う。CLOMO MDMでのWindows対応も強化し、Windows 10もサポートする。アイキューブドの佐々木勉社長によれば、法人顧客はWindows 10への移行意欲が高く、Windows 7からWindows 8.1をスキップして10へとアップグレードしようとしている法人が多いそうだ。法人のWindows 10への移行はゆるやかに進んでいるところだが、今後の動向も踏まえて先んじて対応を進める考え。もともとiOSへの対応が強いCLOMO MDMだが、今回の協業により、従来のiOS、Androidに加え、Windows搭載端末に対する管理機能も提供。デバイスのOSを問わず、同一のコンソール画面でモバイルデバイスを管理できるようになり、EMSとの連携によるセキュリティ機能の提供も可能になる。11月にはCLOMO MDMのWindows 10対応、16年春ごろにはEMSとの連携を実施する計画だ。iOSとAndroidからOffice 365/Exchange Serverにアクセスするユーザーが8~9割に達しているということで、時期未定ながらOffice 365にセキュアにアクセスできるCLOMO SECURED APPs for Windows 10も提供する予定。そのほか、インテルとはvProに関連した協業を、VAIOとは法人市場向けの協業を、DELLとは営業的な協業といった具合に、各社との連携を深め、企業内のデバイスに対してMDM・セキュリティを提供する取り組みを強化していく。佐々木社長は、今後Windows 10がIoT向けでも活用され、さらに多くのデバイスが市場に投入されるとみており、従来のモバイルデバイスに加えてIoTからの大量のデータを有効に活用できるプラットフォームとしてAzureを選択したとしており、さらにWindows 10ではデバイス管理としてActive DirectoryとMDMの双方が両立できるようになったことで、「最適なOSとして進化した」と指摘。企業ユーザーからの要望も踏まえて、Windows 10対応は必須と判断した。これによって、初年度は10万ライセンスの獲得を目指し、今後3年間で100万ライセンス以上に拡大させたい考え。また、IoTデバイスの普及に従い、この数をさらに増加させることも狙っている。平野社長は、Windows 10搭載デバイスへの期待が高まっていると指摘し、今後、各メーカーからPC、タブレット、スマートフォンが発表されると話す。そうしてデバイスが増えると、効率的な管理のニーズが高まると予測し、Azureを基盤としたクラウドベースのビジネス展開や、それを見越したパートナーシップを積極的に取り組んでいく考えを示している。また、アイキューブドはグローバル展開も検討しており、今回の協業にもとづき、マイクロソフトも支援を行うとしている。佐々木社長は、アイキューブドが福岡を拠点としていることから、「福岡から世界へ」とアピールしている。
2015年10月02日エプソンは9月25日、100型や150型などの大画面で、最新のホームシアタープロジェクターなどを体験できる「最新! 3D・4Kホームシアター体験イベント」の概要を発表した。開催期間は10月30日から11月3日まで。会場は東京都世田谷区にある「iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ」で、入場は無料だ。「最新! 3D・4Kホームシアター体験イベント」には、プロジェクターの展示・体験を中心に7つのコーナーを用意する。「話題の4K映像とDolby Atmos体験コーナー」では、ホームシアタープロジェクター最上位機種の「EH-LS10000」を使用して、4K映像とシネマサウンド技術「Dolby Atmos」を150型の大画面で体感できる。「迫力の3D映画体験コーナー」は、リビングをイメージしたスペースになっており、100型で3D映画を楽しめるコーナーだ。「シアタールームコーナー」では、「dreamio(ドリーミオ)」シリーズのフラッグシップ機「EH-TW8200W」を使用。専用のシアタールームをイメージした空間になっており、120型の画面で映画を鑑賞できる。「リビングシアターコーナー」は、6畳間程度のスペースでも実現可能な100型画面のリビングシアターを試せるコーナーだ。「スマホ・タブレットからの投写体験コーナー」では、スマートフォンやタブレットに保存された写真や動画をスクリーンに投写できる。「大画面ゲーム体験コーナー」では、ゲーム機「Xbox One」を使用して、スポーツアクションゲーム「Kinect スポーツ ライバルズ」を臨場感たっぷりに楽しめる。「スマートグラス体験コーナー」は、メガネ型デバイス「MOVERIO BT-200AV」を試せるコーナーだ。開催時間は10月30日が12時から20時、10月31日から11月2日が10時から20時、11月3日が10時から19時。
2015年09月25日日本マイクロソフトは9日、毎月定例で提供している月例のセキュリティ更新プログラム(月例パッチ)の9月分を公開した。12件の脆弱性情報が公開され、深刻度がもっとも高い「緊急」が5件、2番目に高い「重要」が7件となっている。すでに悪用が確認されている脆弱性もあり、対象となるユーザーは早急のアップデートが推奨されている。なお、同社では8月19日に定例外の緊急パッチとして「MS15-093 Internet Explorer 用のセキュリティ更新プログラム (3088903)」を公開しており、こちらの適用も早急に行うことが推奨されている。○Internet Explorer 用の累積的なセキュリティ更新プログラム (3089548)(MS15-094)MS15-094は、Internet Explorerに複数の脆弱性が存在し、最悪の場合、特別に細工されたWebページを表示するだけでリモートでコードが実行される、というもの。IEの複数のメモリ破損の脆弱性、特権の昇格といった脆弱性があり、一部のメモリ破損の脆弱性はすでにインターネット上で脆弱性情報が公開されていたが、悪用は確認されていないという。対象となるのはInternet Explorer 7/8/9/10/11で、最大深刻度は「緊急」、悪用可能性指標は「1」などとなっている。○Microsoft Edge 用の累積的なセキュリティ更新プログラム (3089665)(MS15-095)MS15-095は、Windows 10用の新ブラウザである「Microsoft Edge」にリモートでコードが実行される複数の脆弱性が存在するというもの。メモリ内のオブジェクトに不適切にアクセスすることでリモートでコードが実行されるというもので、最悪の場合、Webサイトを表示しただけで攻撃が行われる。このうち1件の脆弱性に関しては、すでにインターネット上で情報が公開されていたが、悪用の形跡はないという。対象となるのは、Windows 10 32/64bitで動作するMicrosoft Edge。最大深刻度は「緊急」、悪用可能性指標は「1」などとなっている。○Microsoft Graphics コンポーネントの脆弱性により、リモートでコードが実行される (3089656)(MS15-097)MS15-097は、WindowsやOfficeなどでグラフィック表示を行うGraphicsコンポーネントに複数の脆弱性が存在。特権の昇格やセキュリティ機能のバイパス、リモートでコードが実行されるといった攻撃が行われる危険性がある。OpenTypeフォントの解析における脆弱性やバッファオーバーフローの脆弱性などに加え、セキュリティ機能であるKernel Address Space Layout Randomization(KASLR)バイパスされる脆弱性は、すでにインターネット上で情報が公開されており、Windowsカーネルモードドライバーの複数の特権の昇格に関する脆弱性は、さらに悪用も確認されているという。特権の昇格やセキュリティ機能のバイパスの脆弱性は、リモートでコードが実行される脆弱性と組み合わせて攻撃が行われることが一般的のため、早期のアップデートが求められている。対象となるのは、Windows Vista/7/8/10/RT/RT 8.1、Server 2008/2008 R2/2012、Office 2007/2010、Lync 2010/2010 Attendee/2013/Basic 2013、Live Meeting 2007 Console。最大深刻度は「緊急」、悪用可能性指標は「2」などとなっている。○Windows Journal の脆弱性により、リモートでコードが実行される (3089669)(MS15-098)MS15-098は、手書きノートソフトの「Windows Journal」に複数の脆弱性が存在し、特別に細工をされたジャーナルファイル(.jnt)を開いた場合に、リモートでコードが実行されるというもの。Windows Journalを利用していない場合は、Windowsの機能からアンインストールをするか、jntファイルの関連づけを削除することで、攻撃を回避することもできる。対象となるのはWindows Vista/7/8/10/RT/RT 8.1、Server 2008/2008 R2/2012で、最大深刻度は「緊急」、悪用可能性指標は「3」となっている。○Microsoft Office の脆弱性により、リモートでコードが実行される (3089664)(MS15-099)MS15-099は、Officeにメモリ破損やなりすましの脆弱性など複数の脆弱性が存在。最悪の場合、リモートでコードが実行される危険性がある。このうち、不正なグラフィックファイルを含むEPSファイルを開いたときなどにリモートでコードが実行される脆弱性は、インターネット上では公開されていないものの、標的型攻撃での悪用が確認されているということで、早急なアップデートが必要だ。レジストリを操作してEPSIMP32.FLTへのアクセスを拒否することで攻撃を回避することは可能で、Fix it(も公開している、としているが、現時点ではサイトにアクセスでいないようだ。対象となるのはOffice 2007/2010/2013/2013 RT、Office for Mac 2011/2016、Microsoft Office 互換機能パック、Microsoft Excel Viewer、SharePoint Foundation 2013、SharePoint Server 2013、Office Web Apps Server 2013。最大深刻度は「緊急」、悪用可能性指標は「1」などとなっている。○その他の脆弱性これに加え、緊急度「重要」の脆弱性が7件公開されている。・Active Directory サービスの脆弱性により、サービス拒否が起こる (3072595)(MS15-096)・Windows Media Center の脆弱性により、リモートでコードが実行される (3087918)(MS15-100)・.NET Framework の脆弱性により、特権が昇格される (3089662)(MS15-101)・Windows タスク管理の脆弱性により、特権が昇格される (3089657)(MS15-102)・Microsoft Exchange Server の脆弱性により、情報漏えいが起こる (3089250)(MS15-103)・Skype for Business Server および Lync Server の脆弱性により、特権が昇格される (3089952)(MS15-104)・Windows Hyper-V の脆弱性により、セキュリティ機能のバイパスが起こる (3091287)(MS15-105)
2015年09月09日日本マイクロソフトは8日、折りたたみ式のBluetoothキーボード「Microsoft Universal Foldable Keyboard」を発表した。9月24日から発売し、価格は9,980円(税別)。Windows、Windows Phone、iOS、Android搭載デバイスで使用できるBluetooth対応キーボード。最大2台のデバイスとペアリングでき、スイッチで簡単に接続デバイスを切り替え可能。本体は中央から折りたためるようになっており、本体には防滴設計を採用している。キー数は日本語80キー。電源は内蔵バッテリで、動作期間は約3カ月。インタフェースはBluetooth 4.0。本体サイズは約W146×D125×H10.5mm、重量は約180g。対応OSはWindows 8 / 8.1 / 10 / RT8 / RT8.1、Mac OS X 10.7以降、Android 4.4.2以降、iOS 7以降。
2015年09月08日日本マイクロソフトは8日、フルサイズのBluetoothキーボードとワイヤレスマウスのセットモデル「Microsoft Designer Bluetooth Desktop」を発表した。9月24日から発売し、価格は9,980円(税別)。10キー付きのフルサイズキーボードと、様々な素材の上で使用できる「BlueTrack Technology」搭載マウスを組み合わせたセットモデル。キーボードは日本語109キーで、電源には単4形乾電池×2本を使用する。動作時速時間は約12カ月。マウスの電源も単4形乾電池×2本を使い、動作持続時間は約6カ月だ。インタフェースはBluetooth 4.0。本体サイズは約W389×D112×H20mm、重量は約408g。マウスの本体サイズは約W60×D107×H26mm、重量は約80g。対応OSはWindows 8 / 8.1 / 10 / RT 8 / RT 8.1。
2015年09月08日日本マイクロソフトは8日、コンパクト形状のワイヤレスマウス「Microsoft Wireless Mobile Mouse 1850」を発表した。9月24日から発売し、価格は1,780円(税別)。受注生産モデル「Wireless Mobile Mouse 1000 for business」も用意し、こちらは簡易包装となり価格は1,580円(税別)。外出先などでの使用に向いたコンパクトなワイヤレスマウス。接続方式には2.4GHz帯を使用する。電波受信範囲は約5mで、レシーバーも小型でマウス本体に収納可能。マウスは左右対称デザインを採用し、ボタン数は「3」、スクロールホイールも装備する。電源として単3形乾電池×1本を使用し、動作持続時間は約6カ月。読み取り速度は3,000fps、解像度は1,000dpi。本体サイズは約W58×D100×H38mm、重量は約59g(バッテリ含まず)、レシーバーの重量はは2g。対応OSはWindows Vista / 7 / 8 / 8.1 / 10 / RT 8 / RT 8.1、Mac OS X 10.7以降、Android 4.4以降。
2015年09月08日日本マイクロソフトは4日、Surface 3を通常価格よりも5,000円割引で購入できるキャンペーンを開始した。期間は10月4日まで。対象製品は、10.8型Windows 8.1タブレット「Surface 3」の64GBモデルと128GBモデル。量販店各社とMicrosoft Storeでの購入が対象となる。参考価格は以下の通り。
2015年09月07日日本マイクロソフトは9月2日より、ザ・プリンスパークタワー東京で「FEST2015」を開催している。これまで個別に開催されていたThe Microsoft Conferenceやマイクロソフト ジャパン パートナー コンファレンス、Microsoft Dynamics Forumを統合、発展した大型イベントで、初日の2日は大勢の来客で会場が溢れんばかりとなった。当日のキーノートセッションの様子を報告しよう。○キーワードは「変革」日本マイクロソフトは7月1日付けで大幅な人事異動を行った。長年社長に就いていた樋口 泰行氏が会長となり、変わって平野 拓也氏が社長へ就任。FEST2015初日のキーノートセッションは、注目の2名によるプレゼンテーションがメインとなった。まず、壇上に立ったのは現社長の平野 拓也氏。「本年度においてはマイクロソフトのデータセンター開設、そしてMicosoft Azure、Office365、Dynamics CRM Onlineの3つのサービスの提供がありました」と現状報告から語り出した平野氏。クラウドサービスの加速はこれからも強まる傾向がある中、満を持してデータセンターを起ち上げた意気込みが伝わってくる。また、ワークスタイルの変革も同社にとっては大きなテーマだ。これに無くてはならないデバイスとなりつつあるのが、Surfaceシリーズに代表されるWindowsデバイスだろう。「Surfaceに象徴されるような"2-in-1"という新しいカテゴリの製品が主張を強めています」という平野氏。最新のSurface Pro 3は、前モデルのSurface Pro 2と比べて初日だけで25倍もの引き合いがあったのだという。ワークスタイル変革に対して、市場も大いに注目していることが分かる数字だ。これまでWindowsを前面に出してきたマイクロソフトだが、ここへ来て同社のビジネスも変化しているのだという。「設立して40年が過ぎようとしています。設立当時に比べれば、一日のうち複数台のデバイスを使うユーザーが増え、クラウド環境も非常に発達しています。そんな中、マイクロソフトとしては、すべての個人とすべての企業がより多くのことを達成できるようにするビジョンを掲げています」とした平野氏。これまでの振り返りとともに、「Windows以外にも積極的にチャレンジャーとして取り組んでいく状況にあると思います」と決意も新たに多方面へ取り組む姿勢をアピールした。○2016年度のフォーカスポイント「プロダクティビティとビジネスプロセスという観点では、特に日本おいて懸念されている少子高齢化、市場の成熟、働き手不足などを受け、国際的な競争力という面でも大きなプレッシャーが生まれています」と語る平野氏。これに対応するには先ほども触れたワークスタイル変革が必須となる。「弊社ではテレワークウィークを設けていまして、初年度は弊社のみ、昨年は32社が参加していただけました。今年度は実に651の組織が参加することとなり、大きな広がりをみせました」と報告する平野氏。この注目度と同社に対する期待度の高さを受け、「投資も続けますし、徹底的に進めたいと考えています」と同氏は力を入れる姿勢を見せた。また、好調が報告されているWindows10に関しても引き続き注力するという。「Windows10では想定していた目標値を大きく超えるインストールがありました。Windows10においては、PCだけでなくタブレット、スマートフォン、ウェアラブル端末などに関しても力を入れていきます」(平野氏)Windows10の評価も高まっている中、今年は搭載デバイスに関してもさらに広がりを見せてくれそうだ。また、クラウドもマイクロソフトの重点領域の一つだ。「インテリジェントクラウドに関してですが、2020年までに750億個のデバイスが存在するという統計があります。これだけのデバイスが独立して動くことはありません。必ずどこかと繋がって価値を見いだすしか無いのです。クラウドの世界では、いかに付加価値を見いだしていくかという部分にエネルギーをかけていきたいと思います」(平野氏)マイクロソフトによるデータセンターとパートナー企業の組み合わせにより、様々なサービスが生まれることが予想される現在、付加価値というものがいかに大切になるか、今後の同社のサービスの内容に興味が尽きない。この後、パートナー向けの情報をメインにプレゼンテーションを続けた平野氏に続き、会長に就任した樋口氏が壇上に呼ばれた。○日本の潮流をくみとったビジネスを推進「7月1日より、会長へ就任した樋口です。会長になってもまだ出てくるのかと思う人もいるかと思いますが、そういうことです」と、ジョークを飛ばして会場を沸かせた樋口"会長"。同氏は「日本という地でビジネスをさせて頂く以上、この国の課題や方向性などを見定め、国と連携して始めてみなさまに認められる会社になると思っています。会長としてそうした立場にたっていきたいと考えています」と決意を語った。そんな樋口氏の口から出たのもワークスタイル変革について。これについては国との連携による地方創生を受けた取り組みも実施しているのだという。「先ほど平野が触れたテレワークウィークでは、ある実証実験をおこないました」と樋口氏。北海道の別海町にある廃校をオフィスに作り替え、実際にマイクロソフトの社員、家族を含めてそこで働いてみたのだという。「このような取り組みをすると、地域のみなさんも何が起こっているか興味が沸いてきますし、雇用機会も高まります」(樋口氏)実験を繰り返し継続することで、実際の地方創生に役立てられるだけでなく、労働力の確保と競争力の強化が両立できる社会が生まれることを期待したい。また、年金機構による情報漏えいなど、注目が集まるセキュリティ対策については「まもなく始まるマイナンバー制度や、BYODによるデバイス管理など、管理面で難しさやリスクが高まる背景が揃っています。だからといって使わせないというのはダメで、安全性を担保しながらきっちり使っていくのが基本です」と樋口氏。マイクロソフトといえば、ペンタゴンに次ぐサイバーアタックの標的であることは有名だ。最先端の攻撃を防ぎ続けているノウハウがある同社ならではの高度なセキュリティ対策がフィードバックされればこれほど心強いことはない。「セキュリティのリスクアセスメント、環境改善、問題検知などの各フェーズで支援サービスが提供できます。攻撃パターンを分析して検知対応する。オリンピックが近づけば、サイバーアタックは増えてくることが予想できるので、こうした支援は必ず必要になると思います」(樋口氏)「マイクロソフトは地方創生、サイバー対策をはじめとした国のアジェンダに連携する形で、ICTで貢献できる部分において活動を続けていく所存です」とプレゼンテーションを締めくくった樋口氏。基調講演終盤にはWindows 10のデモンストレーションも行われた。なお、FEST2015は9月8日の広島をはじめ、10月6日の大阪まで、全国6都市でも開催を予定している。マイクロソフトの"現在"と"ビジョン"がよく分かるイベントなので、興味のある方は参加してみるとよいだろう。
2015年09月04日テクノスデータサイエンス・マーケティング(TDSM)は、日本マイクロソフトとMicrosoft Azure(以下、Azure)を利用した IoTソリューションの提供を行い、IoT分野で協業すると発表した。TDSMは、データサイエンティストによるデータ分析を強みとして、すでにIoTを活用したデータ分析の実績もあり、独自のアルゴリズム解析技術を搭載した人工知能 製品「Scorobo」などの自社製品も提供している。今回両社が提供することで、Azure基盤にTDSMの分析技術を合わせることで先進事例の開発を先んじて行い、両者のIoTビジネスの拡大を図って参ていく。協業の第一弾として、「故障予測分析ソリューション」を提供する。故障予測分析ソリューションは、IoTデータを分析することで機器などの異常を検知し故障を事前に予測するもの。分析結果だけではなく、分析に必要なデータ収集・蓄積、加工とその結果をレポートとして提供する。Azureを利用するメリットとしては、Azure Event HubsやStream Analyticsなど大量のデータを処理するソリューションがある点、従量制課金ための初期投資を抑えられる点、最新の機械学習アルゴリズムを利用可能なMachine Learningや、今後の予定として無限のデータ蓄積が可能な Data Lake、データ分析に最適化されたデータソースとしてSQL Data Warehouseなど、様々なIoTシナリオ、分析シナリオに対応できるサービスを用意している点などを挙げている。今後は、データ活用としてテクノスグループが得意とするERPや人員リソースと、MicrosoftPower BI を組合せた「故障予測ダッシュボード」の提供も行い、故障予測分析 PDCA をサポートするソリューションとして提供していく予定。販売においてもマイクロソフトとパートナーシップを強化し、初年度10社以上の導入を目標としている。
2015年09月03日リコーは9月2日、サンリオの「ハローキティ」との限定コラボレーションモデルとなるホームシアター向けプロジェクター「RICOH PJ HDC5420HK」を発表した。ハローキティの誕生日である11月1日に発売し、価格はオープン、推定市場価格は128,000円(税別)。本体外装に立体的な赤いリボンの「ハローキティ」をあしらい、プロジェクターから映像が投影されるまでのオープニングスクリーンにも、数種類のキティバージョンを収録した。キャリングケースやリモコン、外装箱などもハローキティ専用デザインとなっている。希望者には、別デザインのプロジェクタートップカバーをプレゼント(4種類から1枚を選べる)。プロジェクターの外装を、好みに合わせて着せ替えられる。予約受付は9月9日から開始。リコーイメージングオンラインストア、サンリオオンラインショップ、および、新宿・銀座・大阪のリコーイメージングスクエアにて受け付ける。また、サンリオ直営店の一部限定店舗でも販売を予定。日本と中国の2地域で限定1,00台の販売予定となっている。プロジェクターのRICOH PJ HDC5420HKは、最大1,920×1,080ドットのフルHD表示に対応する0.55型液晶パネルを採用、明るさは2,500ルーメン、コントラスト比は9,000:1。DLP単板方式で、投写画面サイズは30~300型、投写距離は0.7~9.6mとなる。本体サイズは、W314×D224×H92mm(突起部含まず)。重量は約3.0kg。入力インタフェースはD-sub15ピン×1、HDMIタイプA×2(うち1系統はMHL入力対応)、RCAコンポジット×1、ミニDIN4ピン×1、miniUSBTypeB×1、D-sub9ピン×1。なお、消耗品の交換用ランプ「RICOH PJ 交換用ランプ タイプ23」の価格は40,000円(税別)。(c)1976, 2015 SANRIO CO.,LTD.
2015年09月02日キヤノンITソリューションズは27日、「ESETセキュリティ」シリーズのWebコンテンツとして提供している「マルウェア情報局」にて、マイクロソフトの技術サポートを装った詐欺サイトに関して注意を喚起した。今回確認されたのは、マイクロソフトの技術サポートを装い、ウイルスの検出を通知し、有償のセキュリティソフトを購入するように促すWebサイトだ。さらに、サイト内に記載されている電話番号に連絡すると、流暢な日本語で対応するなど、本物と信じこませるような手法が特長。日本語の文章でウイルスを検出したと警告を表示し、詐欺サイト上で日本語の音声メッセージを流して電話を掛けるように誘導するため、複雑なPC操作を回避したいユーザーへの被害が懸念されている。同社は、セキュリティソフトの状態を最新に保つと同時に、ユーザー自身も十分注意するよう呼びかけている。
2015年08月28日先日、記者発表会で「テレワーク週間 2015」の開催概要について説明を行った日本マイクロソフトが、8月24日からいよいよテレワーク週間を開始した。初日となる8月24日、同社ではメディア向けに、テレワーク中の社員の実例をSkype for Businessを利用したライブ中継で紹介。また、賛同法人向けに開放している品川本社オフィス1階のテレワークスペースを紹介した。さらに同日、東京大学教育学部附属中等教育学校の学生に、セミナーとオフィスツアーを実施し、学生に向けても同社のテレワークの取り組みについて紹介を行った。○国内外で実践されるテレワーク昨年もテレワーク推進を行ってきた日本マイクロソフトだが、今年は賛同法人651社と連携し、今までにない大規模な取り組みとなっている。中でも、今年初の取り組みとなるのが、「カスタマーサポート部門のテレワークトライアル」「北海道別海町での滞在型テレワーク」「派遣スタッフの在宅勤務トライアル」となっている。そのほかにも、全社員一人1回はテレワークを実施するよう義務付けたり、賛同法人とのワークプレイス交換、テレワークセミナーの実施など、さまざまな取り組みが行われている。テレワーク中の日本マイクロソフト社員との中継では、国内外5カ所の地域の様子が紹介された。岐阜県飛騨高山では、カスタマーサポート部門の8名がテレワークを実施。通常さまざまな機材を使用するため、テレワークに不向きとされている同部門だが、紆余曲折の上、飛騨高山を実施場所に選び、パソコンとデスクトップのみを持ち込んで、あとは仮想環境で挑戦するという。北海道別海町では、社員だけでなく、家族も含めた滞在型テレワークを実践し、6名の社員とその家族が滞在するという。カラオケルーム歌広場でテレワーク中の社員からは、「密室で防音効果もあり、業務効率が上がる。だた、たばこのにおいがきついため、非喫煙者に対して配慮が必要」と早速フィードバックがなされた。コニカミノルタビジネスソリューションズでは、賛同法人でもある岡村製作所が提供する、周囲の雑音を防ぐ効果のあるイスが用意されていた。ベルギー滞在中の社員からは、「時差の調整が必要だが、マイクロソフトのブリュッセルオフィスを活用するなどして、日本にいるのと変わらずに仕事が行えている」というコメントがあった。○中学生の反応は?日本マイクロソフトでは、学生に向けたセミナーを普段から実施しているということだが、今回はテレワーク週間中の開催となったため、学生に対してもテレワークの取り組みについて説明が行われた。セミナー終了後にはオフィスツアーが実施され、学生たちは"ほとんど社員がいないオフィス"を見学した。職場体験を終えた学生からは、「テレワークという働き方は、会社へ行くコストや時間がカットされ、業務の効率化につながるように感じた。また"働く"という言葉のイメージがよくなるのではないか」という感想が寄せられた。○賛同法人各社が仕事をするテレワークスペース品川本社オフィスの1階では、賛同法人であるコニカミノルタビジネスソリューションズやパソナ、SCSKなど各社がそれぞれ仕事を行っていた。コニカミノルタビジネスソリューションズにテレワーク初日の困ったこととよかったことについて質問したところ、次のような回答があった。「インフラがあっても、いざ使おうとすると使い方がわからないツールがあり、戸惑った。よい点としては、カフェなどの飲食店と違い、仕事をしたい人たちが集まっているスペースなので、集中できて気持ちがいい」日本マイクロソフトでは今週1週間、テレワーク活動を実施していく。
2015年08月25日日本マイクロソフトは28日より、Windows 10搭載モデルの「Surface Pro 3」を発売する。また、本日21日より、Surface Pro 3の購入者にSurface Pro 3専用キーボードをプレゼントするキャンペーンも開始した。期間は10月4日まで。Windows 10は7月29日に提供開始された最新のWindows OS。起動と再開における時間が短縮され、パフォーマンスが向上したほか、Windows 7時代のスタートメニューが復活し、Windows 8で導入された要素を組み合わせたインタフェースになった。また、Surfaceでタイプカバー装着時にキーボードとマウス操作ができるデスクトップモードに、タイプカバーの取り外しでタッチ操作によるタブレットモードにインタフェースを変更できるContinuum機能なども備えている。Surface Pro 3専用キーボードをプレゼントするキャンペーンも実施。Surface Pro 3全モデルを対象とし、Windows 8.1モデルでも、Windows 10モデルでも購入者に専用キーボードがプレゼントされる。Core i7モデルの購入者には、追加でアダプターも進呈される。さらに、Surface Pro 3 Windows 8.1モデルを購入すると、Core i3、i5モデルが5,000円、Core i7モデルでは10,000円安くなるキャンペーンも台数限定で10月4日まで実施する。
2015年08月21日プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は8月20日、日本マイクロソフト、アイスランドのAnnataと、Annataのディーラー業務管理システム(DMS:Dealer Management System)製品「Dynamics IDMS」の日本展開サービスにおいて協業を開始したと発表した。同協業では、自動車・産業機械(建機、重機、農機など)業界を対象に、PwCが提供する販売・在庫管理・アフターサービス管理などのディーラー業務に対するコンサルティングサービスと、マイクロソフトが提供するERP製品「Microsoft Dynamics AX」、Annataが提供する「Microsoft Dynamics AX」上のISV製品「Dynamics IDMS」を組み合わせ、DMS領域の課題抽出から導入・定着まで一貫したサービスを提供する。新サービスでは、車両本体の基本情報管理機能、部品やオプション品の販売・在庫管理機能、アフターサービスを含めた車両本体をベースとした履歴情報管理機能を保有できるほか、これらの情報による定期メンテナンスや部品交換タイミングなどの把握と販売計画の立案が可能となる。PwCは、日本マイクロソフトおよびAnnata社と協力し、DMS領域におけるセミナー開催をはじめとする共同マーケティング活動も展開。第1弾として、10月に東京都内で自動車・産業機械業界の販売部門およびIT責任者を対象に、グローバル管理基盤強化に関するセミナーを予定している。
2015年08月20日日本マイクロソフトは8月19日、Internet Explorerに関するセキュリティ情報(MS15-093) を公開した。この脆弱性を悪用されると、ユーザーが Internet Explorerを使用して特別に細工されたWebページを表示すると、リモートでコードが実行されるおそれがある。対象製品は、以下のとおり。Internet Explorer 7Internet Explorer 8Internet Explorer 9Internet Explorer 10Internet Explorer 11Windowsクライアント上のInternet Explorerの深刻度は「緊急」、Windows サーバ上の Internet Explorerの深刻度は「警告」とされている。セキュリティ更新プログラムは、Windows Updateを介して入手することができる。同社はすでに今回発見された脆弱性が悪用されている事実を確認しているという。
2015年08月19日日本マイクロソフトは品川本社オフィスにて、社員の家族を呼び、父親や母親の働く姿を見せる「品川オフィスファミリーデー」を開催。2011年から数えて5回目となり、1,382人(369家族)が訪れた。このような取り組みは既に珍しくなっているが、日本マイクロソフトがここ数年力を入れている「テレワークスタイル」を体現した姿も実際に垣間見られた。○お祭りのような参加型プログラムが盛りだくさん2015年8月17日開催の品川オフィスファミリーデーは、1階のイベントスペースで来場受付を行い、20階~22階、24階~29階で社員が働いている姿を目にしながら、19階のカフェテリア「One Microsoft Cafe」で食事したり、各フロアでイベントに参加したりする。最初に訪れたOne Microsoft Cafeでは、Microsoft Azureなどを駆使して栽培された富士通の「キレイヤサイ」試食会、性別や国籍などの垣根をなくすダイバーシティを推進する虹色フィンガープリントペインティング、一部で話題の「How Old Do I Look」を実際に試せるブースを設けていた。ランチスペースには、日本マイクロソフトの代表取締役社長である平野拓也氏も訪れ、社員の家族と楽しそうに会話していた。そのときの話を平野氏に聞くと、「(社員の)奥様などは緊張していたらしく挨拶程度だった。でも実際に顔を合わせて話をできるのは大きい」と述べていた。その平野氏が働く社長室は、実にシンプルなたたずまいである。社長就任から一カ月半しかたってないが、社長室に持って来たのは段ボール半分だけ。卓上に並んでいたのも、ノートPC、Surface Pro 3、電話機、大きめの液晶ディスプレイといった程度。プリンターの設置を断るほど、ペーパーレスを実践しているそうだ。続いて同じフロアにある新設の会長室も取材したが、平野氏の社長室と同じ様にシンプル。違いを挙げるなら、以前から使っている冷蔵庫とプリンターがある程度。ただ、代表執行役会長の樋口泰行氏はアイディアを壁に書き留める習慣があるため、一部の壁面を白紙で隠していた。Microsoftの動向という意味で非常に興味深いが、最後まで目にすることはできなかった(これはしかたない)。もともと「品川オフィスファミリーデー」は、樋口氏が社長の時代から、コーポレートオペレーションズ(旧社長室など各部署が統合)が中心となって始めたものだが、その様子は年々変わっているようだ。日本マイクロソフトは、数年前から社員の席などを決めないフリースタイルを導入しており、Skype for Buisinessで簡単なコミュニケーションや打ち合わせを済ませるといったように、社内での働き方が大きく変化したという。さらに「日本マイクロソフト社内で行っていたフリースタイルを社外に広げたのが、我々が推進するテレワークの形」とも。技術革新で働き方が変わり、それを誇りと思える文化が社内に芽生えてきた。そんな自分の姿を家族に見てもらえるは嬉しいという。話を戻して、品川オフィスファミリーデーの会場で人気を博していたのが、「マイクロソフトのIDカードを作ろう」だ。社員が使っているIDカードに、子どもの写真を印刷するというサービス。取材関係者が訪れたときは、何十人も列を作って撮影や印刷を待っていた。「楽しもう! Officeライフ」は、Microsoft Officeのテンプレートを使ってさまざまなグッズを実際に作れる体験プログラムを開催。数年前から日本マイクロソフトはOfficeテンプレートに力を入れているが、正直なところこれほど多様なグッズを作れるのかと、恥ずかしながら驚かされた。「天体観測ワークショップ」を題した体験プログラムは、Surface Pro 3と宇宙の美しい画像を閲覧できるプラネタリウムソフト「WorldWide Telescope」で構成している。「お絵かき水族館」は、チームラボと日本マイクロソフトが共同で開催した体験プログラム。お子さんが塗り絵した魚の画を立体スキャナーで読み取り、バーチャル水族館に映し出すというものだ。これらのアプリケーションはWindows 10上で動作している。実際に参加したお子さんに感想を聞いたところ「ワクワクした」と嬉しそうに語っていた。この他にも記者向けとして、社内に設置してあったSurface HUBを披露。ちょうどMicrosoftは2015年7月に予想以上の注文件数が集まった結果、出荷時期を2016年1月以降に延期すると発表したばかりだが、筆者も本体を目にするのはこれが初めてだった。普段はすれ違う人もまばらな社内の廊下だが、この日ばかりは家族連れがところ狭しとあふれんばかりの盛況ぶり。まるでお祭りのようだった。平野氏は自身のお子さんから仕事内容を問われ、口頭で説明すると「メールを打って人と話すのが仕事なの?」といわたと苦笑していた。職場でどのように働いているかを家族に見てもらう品川オフィスファミリーデー、日本マイクロソフトは来年以降も続ける予定とのことだ。阿久津良和(Cactus)
2015年08月18日プライスウォーターハウスクーパースは8月13日、日本マイクロソフトと、マイクロソフト製品を活用したコンサルティング事業における協業を開始したことを発表した。協業では、プライスウォーターハウスクーパースが提供する経営戦略の策定、業務改革などのコンサルティングサービスと、マイクロソフトが提供する企業活動の生産性向上に寄与する製品・サービスを組み合わせ、企業が抱える経営・業務課題の解決に向けて、構想策定から定着までを一貫して支援する。マイクロソフト製品を活用したサービスとして、「Dynamics AX 導入支援」「Dynamics CRM 導入支援」「ワークスタイル変革」「インフラストラクチャー領域に関する改善/導入支援」を提供する。「Dynamics AX 導入支援」では、ERPソリューション「Microsoft Dynamics AX」の柔軟性や拡張性、マイクロソフト製品との親和性などの特徴を生かし、経営課題への対応、IFRS対応、内部統制対応、業務効率化・高度化、グループ内の業務の標準化などのERP導入価値の最大化を支援する。「Dynamics CRM 導入支援」では、高い柔軟性・拡張性・マイクロソフト製品との親和性を備え、多言語・多通貨に対応した顧客管理プラットフォームである「Microsoft Dynamics CRM」を活用して、クライアントのビジネスを業務・IT両面から支援する。「ワークスタイル変革」では、マイクロソフトのクラウド型グループウェア「Office 365」、モバイルデバイス管理サービス「Microsoft Intune」などを組み合わせ、クライアントのワークスタイル変革を支援する。「インフラストラクチャー領域に関する改善/導入支援」では、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」の安全な利用のためのコンサルティングサービスおよびディレクトリ・サービス・システム「Active Directory」を中心とした認証基盤の再構築サービスを提供する。また、マイクロソフトの運用管理ツール「Microsoft System Center」およびクラウド認証基盤、クラウド上のデータ保護、またモバイル環境の管理機能を包含している「Enterprise Mobility Suite(EMS)」などを活用したIT運用/セキュリティ管理関連コンサルティングサービスを提供する。
2015年08月14日日本マイクロソフトは12日、毎月定例で提供している月例のセキュリティ更新プログラム(月例パッチ)の8月分を公開した。14件の脆弱性情報が公開され、深刻度がもっとも高い「緊急」が4件、2番目に高い「重要」が10件となっている。すでに悪用が確認されている脆弱性もあり、対象となるユーザーは早急のアップデートが推奨されている。なお、同社では7月21日に定例外の緊急パッチとして「MS15-078 Microsoft フォント ドライバーの脆弱性により、リモートでコードが実行される (3079904)」を公開しており、こちらの適用も早急に行うことが推奨されている。○Internet Explorer 用の累積的なセキュリティ更新プログラム (3082442)(MS15-079)MS15-079は、Internet Explorerに複数の脆弱性が存在し、最悪の場合、特別に細工されたWebページを表示するだけでリモートでコードが実行される、というもの。IEの複数のメモリ破損の脆弱性、特権の昇格といった複数の脆弱性があり、このうち情報漏えいの脆弱性はIEのコマンドラインパラメーターからExcel、メモ帳、PowerPoint、Visio、Wordを実行することで攻撃が行われる。あらかじめ別のリモートでコードが実行される脆弱性を悪用することで攻撃が行われるため、あわせて複数の脆弱性をパッチを適用する必要がある。すでにインターネット上で脆弱性情報が公開されていたが、悪用は確認されていないという。対象となるのはInternet Explorer 7/8/9/10/11で、最大深刻度は「緊急」、悪用可能性指標は「1」などとなっている。○Microsoft Graphics コンポーネントの脆弱性により、リモートでコードが実行される (3078662)(MS15-080)MS15-080は、Windowsや.NET Framework、Office、Lync、Silverlightのフォント解析など複数の脆弱性が存在し、最悪の場合、リモートでコードが実行されるというもの。Windows Adobe Type ManagerライブラリのOpenTypeフォントの処理や、OfficeなどのTrueTypeフォントの処理に脆弱性が存在。Officeグラフィックライブラリ(OGL)フォントの処理にも脆弱性が存在する。さらに、Windowsのセキュリティ機能であるカーネルASLRがバイパスされる脆弱性なども存在し、仮にこれらの組み合わせられた場合、セキュリティ機能をバイパスした上でリモートでコードが実行されてしまう危険性がある。この脆弱性の情報はすでにインターネット上に公開されていたという。対象となるのは、Windows Vista/7/8/8.1/10/RT/RT 8.1、Server 2008/2008 R2/2012/2012 R2、.NET Framework 3.0/3.5/3.5.1/4/4.5/4.6、Office 2007/2010、Live Meeting 2007 Console、Lync 2010/2010 Attendee/2013/Basic 2013、Windows/MacにインストールされているSilverlight 5。最大深刻度は「緊急」、悪用可能性指標は「1」などとなっている。○Microsoft Office の脆弱性により、リモートでコードが実行される (3080790)(MS15-081)MS15-081は、Officeに複数のメモリ破損の脆弱性が存在。最悪の場合、リモートでコードが実行される危険性があるというもの。前述の「MS15-079」で悪用される脆弱性も含まれており、同時にアップデートすることが推奨されている。そのほか、テンプレート処理における脆弱性、整数のアンダーフロー脆弱性、情報漏えいの脆弱性が存在しており、それらの脆弱性をまとめて解消する。メモリ破損の脆弱性に関してはすでに悪用が確認されており、情報漏えいの脆弱性はインターネット上で情報が公開されていたという。対象となるのは、Office 2007/2010/2013/2013 RT、Office for Mac 2011/2016、Office互換機能パック、Word Viewer、SharePoint Server 2010/2013、Office Web Apps 2010/2013。最大深刻度は「緊急」、悪用可能性指標は「1」などとなっている。○Microsoft Edge 用の累積的なセキュリティ更新プログラム (3084525)(MS15-091)(MS15-091)MS15-091は、Windows 10の新ブラウザであるEdgeに複数の脆弱性が存在。メモリ破損によるリモートでコードが実行される脆弱性とセキュリティ機能ASLRのバイパスの脆弱性が存在する。対象となるのはWindows 10のEdgeで、最大深刻度は「緊急」、悪用可能性指標は「1」などとなっている。○その他の脆弱性これに加え、緊急度「重要」の脆弱性が10件公開されている。・RDP の脆弱性により、リモートでコードが実行される (3080348)(MS15-082)・サーバー メッセージ ブロックの脆弱性により、リモートでコードが実行される (3073921)(MS15-083)・XML コア サービスの脆弱性により、情報漏えいが起こる (3080129)(MS15-084)・マウント マネージャーの脆弱性により、特権が昇格される (3082487)(MS15-085)・System Center Operations Manager の脆弱性により、特権が昇格される (3075158)(MS15-086)・UDDI サービスの脆弱性により、特権が昇格される (3082459)(MS15-087)・安全ではないコマンド ライン パラメーターの受け渡しにより、情報漏えいが起こる (3082458)(MS15-088)・WebDAV の脆弱性により、情報漏えいが起こる (3076949)(MS15-089)・Microsoft Windows の脆弱性により、特権が昇格される (3060716)(MS15-090)・.NET Framework の脆弱性により、特権が昇格される (3086251)(MS15-092)
2015年08月13日日本マイクロソフトは8月11日(日本時間)、月例のセキュリティ更新プログラムを公開した。今回、14件のセキュリティ情報が新規で公開され、深刻度が「緊急」のものは4件、「重要」のものが10件となっている。深刻度が最も高い「緊急」のセキュリティ情報は「MS15-079」「MS15-080」「MS15-081」「MS15-090」で、いずれもリモートでコードを実行されるおそれがある。「MS15-079」はInternet Explorerの脆弱性に関するもので、Internet Explorer 6から11まで、すべてのバージョンに影響を及ぼし、13件の脆弱性が修正されている。「MS15-080」はMicrosoft Graphicsコンポーネントの脆弱性に関するもので、Microsoft Windows、Microsoft .NET Framework、Microsoft Office、Microsoft Lync、および Microsoft Silverlighが影響を受ける。「MS15-081」は、Microsoft Officeの脆弱性に関するもので、Microsoft Office 2007、Microsoft Office 2010、Microsoft Office 2013、Microsoft Office 2013 RT、Microsoft Office for Mac 2011、Microsoft Office for Mac 2016、Microsoft Office 互換機能パック、Microsoft Word Viewer、Microsoft SharePoint Server 2010 上の Word Automation Services、Microsoft SharePoint Server 2013 上の Word Automation Services、Microsoft Office Web Apps 2010、および Microsoft Office Web Apps Server 2013が影響を受ける。「MS15-091」はMicrosoft Edgeの脆弱性に関するもので、4件の脆弱性が修正されている。今回、対象となっている脆弱性について、悪用が公開されているもの、限定的な標的型攻撃を確認しているものもあるとして、できるだけ早く更新プログラムを適用するよう、同社は呼びかけている。
2015年08月13日日本マイクロソフトは8月10日に記者発表会を行い、8月24日~28日に同社が実施する「テレワーク週間 2015」の取り組み内容について説明した。2012年からテレワーク推進を行ってきた日本マイクロソフト。2013年までは自社単独で実施し、2014年は32の法人と共同で取り組んできた。3回目の実施となる今年は、テレワークを実践する法人だけでなく、応援・協力する法人など対象を広げて呼びかけた結果、8月10日時点で賛同する法人は651社になるという。さらに、今年同社では新たな挑戦として、地方創生への協力も取り組むことが発表された。日本マイクロソフトの代表執行役 会長の樋口泰行氏は、2014年の同社の活動結果から、テレワークを阻害する要因を次のように語った。「まず、『オンライン会議の仕組みがない』といったICT環境による要因と、勤怠管理やセキュリティなど社外で仕事ができない制度による要因、そして一番大きな問題は『そもそもテレワークの発想がない』といった、マインドによる要因が浮かび上がった。『部下は目の前で仕事をさせなければいけない』といった、古い考え方を変えてく必要がある」(樋口氏)このような教訓から、「テレワーク週間 2015」では、「テレワークを実践する」以外にも、「テレワークを学ぶ/議論する」「テレワークを応援する/協力する」という観点での取り組みも予定されている。賛同法人の内訳は、大手企業が約8%、公共機関が約8%、残りの約8割が中小企業による構成だという。賛同法人の取り組み内容として、ソニーでは、これまで育児や介護の支援に限定していた在宅勤務制度を、全社的に拡充・展開することを見据えた実証実験として実施することを表明している。カラオケルーム歌広場とジャンカラでは、テレワークスペースとして、カラオケルームをテレワーカー向けスペシャル価格で提供するという。日本マイクロソフトの取り組み内容としては、賛同法人向けにセミナーを実施したり、中学生へのテレワークセミナーの開催を予定するなど、テレワークを学べる機会を用意するという。また、テレワーク週間中、品川にある同社の本社オフィス1階をテレワークスペースとして賛同法人に開放したり、中堅中小企業に対しては、「Office 365 テレワーク体験無償セットアップ」を提供する予定としている。さらに自社の実践内容としては、全社一斉のテレワーク実施、派遣スタッフの在宅勤務トライアルのほか、普段テレワークを実施しないカスタマーサポート部門のテレワーク実践が挙げられている。同社のテレワーク推進 担当役員の織田浩義氏は、「今回のテレワーク週間では、自宅以外の場所で働くことへの可能性を模索したい。そこで、あえてテレワークの実践が難しいと言われるカスタマーサポート部門を、北海道に移して挑戦する」と語った。同社は、地方創生の取り組みとして、北海道別海町で滞在型テレワークの実証実験を行うことを発表した。今回の実証実験では、日本マイクロソフトの社員自身が、別海町で滞在型テレワークを実施するという。3つの期間にわかれての実施となり、第1期はテレワーク週間の開催にあわせた、8月24日~28日で実施する予定となっている。実施場所については、旧光進小中学校跡地を利用するという。「これまでテレワークというと在宅勤務を中心に考えられてきたが、今回は自宅以外で一定期間働くことにチャレンジする」(織田氏)また、同社では「ファミリー滞在型テレワーク」での実証実験を考えており、これは、家族と一緒に別海町へ行き、同社の社員は平日は仕事をし、週末・休日に家族と共に過ごす働き方の検証だとしている。同社ではこの交通費を一部負担するとしており、社内では多数申し込みがある状況だという。最後に、同社のエグゼクティブアドバイザーである小柳津篤氏は、これまでの同社の取り組みについて、次のように振り返った。「これまでのテレワークの考えられ方は、育児中の女性が在宅勤務を行うなど、『一部の社員』の『ある局面』を対象に、今の仕事を別の場所で行うことを考えられてきた。しかし、当社のテレワークの考え方は、『全員』が『毎日』必要な時に、必要な人と、必要な対話/情報を交わすことだと捉えている。これは、コンピューターとクラウドサービスの配布だけで実現できるものではない。就業規則からICTの使い方など、あらゆることをこの考え方に即して変えていく必要がある。この業務スタイルの変化を行うのに、当社では8~10年程かかって、やっと成果が見えるようになってきた」(小柳津氏)同社は、この「テレワーク週間 2015」を先駆けとして、今年の11月に実施される総務省などが参画するテレワーク推進フォーラムによる「テレワーク月間」において、今回の活動結果をフィードバックし、日本のテレワーク推進への貢献を目指すと決意を表明した。
2015年08月11日米マイクロソフトは8月5日(現地時間)、Windows 10の更新プログラムをリリースした。この更新プログラムは、Windows Updateから利用可能で、自動更新をオンにしている場合、自動でインストールが行われる。同社によると、今回公開された更新プログラムの正式名称は「KB3081424」となり、セキュリティ関連以外の機能を強化するための変更が含まれているという。すでにWindows 10に関するアップデートがリリースされているが、「KB3081424」にはこれまでリリースされた修正も含まれている。これまで公開された更新プログラムをインストールしている場合は、新たな修正のみがインストールされる。同社は更新プログラムの対象ファイルを公開しているものの、具体的な修正内容は説明していない。
2015年08月06日日本マイクロソフトは8月6日、Officeファミリーの新製品として、プレゼンテーション・ツール「Sway」「Sway for Windows 10」の一般提供を無償で開始したと発表した。Swayはこれまで。Office 365の先行リリースプログラムに参加しているユーザーを対象に公開されていた。一般ユーザーも無償のMicrosoftアカウントでSwayを利用可能。Swayで作成したドキュメントは、スマートフォンから、タブレット、PC、大画面のSurface Hub で、さまざまなデバイスにおいて自動で最適化されて表示される。Swayのレイアウトはこれまで縦方向へのスクロールとスワイプ操作でコンテンツを連続的に表示する横方向への表示が行えた。プレビュー期間中に受けたリクエストを踏まえ、画面ごとにコンテンツのグループ (画像、テキスト、動画、ツイートなど) を表示する新しいレイアウトを [Navigation] ウィンドウに追加された。また、Swayで作成したドキュメント を会社内やチームだけでなく、幅広くかつ簡単に共有するための場所に対するリクエストにこたえるため、[Share] ボタンをタップまたはクリックするだけで、新たに開発されたDocs.com(英語)にSwayを直接公開することが可能になった。Docs.comは、Officeドキュメントを全世界で公開し、誰でも検索、閲覧、共有できるインターネット上のコンテンツ・ライブラリー。Docs.comでは、SwayをはじめとしたOfficeコンテンツをコレクションに分類でき、Word、Excel、PowerPoint、Office Mixなどのファイルをアップロードできる。Sway for Windows 10は、PCとタブレットを対象としており、Windows ストアからダウンロードして利用する。開発中の「Sway for Windows Phone」は今後数カ月以内にリリースされる予定。
2015年08月06日日本マイクロソフトは新しいWindowsをリリースする際、通例として発売イベントを開催してきた。しかし、Windows 10は「リリース」ではなく「無償アップグレード」という形態で姿を現したため、発売イベントは行われない。そこで2015年7月29日、Windows 10の提供開始を祝う「Windows 10 FAN CELEBRATION EVENT」を開催した。MicrosoftがWindows Insider Program参加者とともにWindows 10ローンチを祝うイベントの、国内版にあたる(日本を含む13カ国の都市で開催)。会場には、7月1日付けで日本マイクロソフト 代表執行役社長に就任した平野拓也氏も姿を現した。今回のWindows 10 FAN CELEBRATION EVENTは時差の関係から、東京は米シドニーに続く世界で2番目のイベント開催都市となった。ステージに登場した平野氏は、普段目にするスーツ姿ではなく、「0」と「1」を組み合わせて飾ったWindowsフラッグTシャツを着て、「顔と名前が合わない平野です」と来場者の緊張を解きつつ、「待ちに待ったWindows 10のローンチを今まで違う形で皆さまと祝いたい」と、イベントに参加したWindows Insider Program参加者たちにお礼を述べた。多くの来場者は、Windows 10へのアップグレードに能動的なユーザーのはずだが、平野氏は「Windows 10をダウンロードされていない方?」という問いかけで会場の笑いを誘う。「まさかダウンロードせずに会場でご飯を食べているとは思いませんが、帰ったらぜひダウンロードして、明日には友人・知人にすすめてください」と声高に語りかけた。そのほか、世界110の非営利団体に合計1,000万ドル(10ミリオンドル)を提供して、「世界をアップグレード」(Upgrade Your World)するキャンペーンの紹介や、7月29日から始まったテレビCMの紹介で挨拶をまとめた。イベント中の取材で平野氏に聞いたところでは、「MicrosoftはワールドワイドでWindows 10無償アップグレードの予約見込み数をカウントしているが、予想を大幅に超える予約数を数えた」という。社長就任直後の大イベントとなるWindows 10無償アップグレードを迎えて、「Windows 10は自社の旗艦ともいる存在だからこそ参加できてうれしい」とも。続くトークセッションでは、日本マイクロソフト Windows本部の溝口宗太郎氏を筆頭に、同社エバンジェリストである田中達彦氏と大西彰氏がステージへ。各自の得意分野から、Windows 10の機能をアピールした。来場者の反応がよかったのは、Microsoft Edgeのドルビーオーディオ対応。2015年5月にMicrosoftの公式ブログで明らかにされたものだが、Microsoft Edgeは、次世代サラウンド規格となるドルビーデジタルプラスをサポートする初のWebブラウザーだ。会場では実際にデモサイトにアクセスして7.1チャンネルのサウンドを披露し、来場者を沸かせていた。大西氏は「今までは頑張っても2チャンネル程度でしたが、本機能でマルチチャンネルを実現しています」と機能を紹介し、刷新したWebブラウザーの可能性をアピール。既にWindows 10にアップグレード済みのユーザーは、その威力を目と耳で確認してほしい。さらに大西氏は、Build 2015などで披露した「WITCH CHAPTER 0[cry]」のデモンストレーションを再現。目を引いたのは、NVIDIAのグラフィックスカード「GeForce GTX TITAN X」を4枚(!)装着したPCを操作して、リアルタイムレンダリングの視点を変更している点だ。筆者も何度か同じデモを目にしてきたが、手動によるリアルタイムの視点変更を見たのは初めてである。会場からは、どよめきと驚きの声が漏れていた。(C) 2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.一方の田中氏は、音声パーソナルアシスタントの「Cortana(コルタナ)」に関するデモンストレーションを披露。英語で「Sing a song」と声をかけると、フランスの民謡「フレール・ジャック」を歌い出した。残念ながら日本語版Cortanaは登場しなかったものの、司会者のネイティブな発音に小気味よく反応するCortanaの実演は、国内イベントでも初めてだろう。最後に平野氏が再び登場。Windows 10の提供を記念したカウントダウンならぬ「10カウントアップ」を、会場が一体となって行った。大きな声で「10」を数えると、ステージを飛び降りた平野氏は前方の来場者とハイタッチし、そのまま会場を後に。「Windows 10ファンとともに祝う」の名に恥じないイベントだった。先のWPC(Worldwide Partner Conference)2015で「選ばれ、愛されるWindowsへ」と述べたのはMicrosoft CEOのSatya Nadella氏だが、今回のイベントで平野氏をはじめとする各関係者の口々からは、エンドユーザーとの距離をさらに縮めて密接な関係を構築したいという発言を耳にしている。Windows 10とともに、Microsoftと日本マイクロソフトは本気で変わろうとしているようだ。○フォトギャラリー阿久津良和(Cactus)
2015年07月30日エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ(NTTPC)は7月29日、日本マイクロソフトとクラウドサービスの分野で連携を強化し、Office 365やMicrosoft Azureと組み合わせて一元提供する複数のサービスを順次受付・提供を開始すると発表した。Office 365向けソリューションサービスでは、Office 365のライセンス販売から導入支援、選べるセキュリティ強化サービスまでを、トータルに組み合わせて提供する。メール/デバイスのセキュリティを強化するサービス「Mail Luck! for Office 365」では、誤送信対策、添付ファイル暗号化など、セキュリティポリシーに応じて導入できる。さらに、スマートデバイスでは、紛失による情報漏えい対策などのセキュリティ強化が可能なほか、「配布グループ(メーリングリスト)」の利便性を向上する新機能を追加する。アクセス権に関するセキュリティを強化する「フェデレーションサービス」では、Office 365を含む各種クラウドサービスのシングルサインオン環境を実現し、利用者のアクセス制限と管理者のID管理負荷軽減を両立する。提供開始は8月31日の予定。一方、Azure向けサービスでは、セキュアな利用を実現する閉域ネットワークからAzure基盤までのトータルな運用保守サポート、通信事業者レベルによる複数クラウドの統合監視を提供する。小規模で安価なDR対策サービス「DR対応ストレージ」は、Azureと連係するアプライアンス「StorSimple」をマルチテナント型で提供し、データの暗号化・地理冗長によるデータ消失の防止をスモールスタートで開始できる。提供開始は8月31日の予定。運用保守サービス「マネージドクラウド」では、Azureを含む各種クラウドからダイレクト接続ネットワークまでを一元的に監視・保守をする一次運用保守サポートにより、煩雑になりがちな運用管理の効率化と運用負荷の軽減を実現する。提供開始は8月31日の予定。
2015年07月30日日本マイクロソフトは29日、Windows 10無償アップグレードの開始に合わせ、Windows 10のISOイメージファイルを提供開始した。32bit版、64bit版の2種類を用意する。Windows 10のISOイメージファイルは、メディア作成ツールをダウンロードしてインストールする。実際に作成ツールをダウンロードしexeファイルを起動すると、すぐにWindows 10のセットアップが開始する「このPCを今すぐアップグレードする」と、ISOイメージをUSBメモリやDVDドライブなどに作成できる「他のPC用にインストールメディアを作る」が選択できる。メディアを作成する場合は、4GB以上の空き領域があるUSBメモリもしくは光学メディアを用意する。また、Windowsを初めてインストールする場合は、Windows のプロダクトキー(xxxxx-xxxxx-xxxxx-xxxxx-xxxxx)が必要となる。
2015年07月29日日本マイクロソフトは7月28日、Windows 10無償アップグレードに関する情報を確認できるWebページ「Windows 10互換性情報&早わかり簡単操作ガイド」を公開した。PC本体や周辺機器など各種ベンダーへのリンク、Windows 10の操作方法を解説したPDFファイルのダウンロード、および関連リンクを用意している。なお、Windows 10無償アップグレードは2015年7月29日から始まる予定だ。このWebページを確認した時点では、PCベンダーへのリンクはNECや富士通など15社。ソフトウェアベンダーへのリンクはシマンテックやジャストシステムを始めとする17社。周辺機器ベンダーへのリンクはキヤノンやエレコムなど11社。合わせて43社へのリンクを用意している。今後その数は互換性情報が確認できしだい、追加する予定だという。「Windows 10早わかり操作ガイドダウンロード」は、Windows 7ユーザー向け、Windows 8.1ユーザー向けの2種類を用意し、どちらもPDFファイルのダウンロードが可能。いずれも65ページのボリュームで、各OSとWindows 10の機能を呼び出すポイントを比較しながら、分かりやすく読める。
2015年07月28日日本マイクロソフトは7月7日、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省から発表された「テレワーク月間」(2015年11月設定)に賛同すると公表した。「テレワーク月間」は、対象期間となる11月を中心として、「テレワークを試みる/実践する」「テレワークを学ぶ/議論する」「テレワークを応援する/協力する」という、テレワークに関する活動を広く国民全体から募集し、専用サイトで紹介するというもの。テレワーク推進フォーラムは、情報通信技術を活用した、場所にとらわれない働き方である「テレワーク」を推進するため、11月を「テレワーク月間」に設定し、広く国民全体に活動への参加を呼びかけていく。また、テレワーク月間と共に、8月24日~28日の期間で従業員300名以下の中堅中小企業顧客を対象に開催する「テレワーク週間 2015」で、中堅中小企業のテレワークの実践に向けて、応援施策として「Office 365 テレワーク体験 無償セットアップ」を実施する。これは、中堅中小企業の先着500社に対し、Office 365を利用したテレワーク環境をマイクロソフトが無償でセットアップする。8月3日~8月28日と8月31日~11月30日の2つの期間で施策を行う予定。期間中の約1カ月間、オフィスと各拠点および社員の自宅をつないだセキュアな環境内で、在席状況確認、インスタント メッセージング、音声通話、オンライン会議などを利用できる。
2015年07月08日●ビル・ゲイツが創業時に考えたこと7月1日付けで日本マイクロソフトの社長に就任した平野拓也氏が、2日、都内で会見を行った。「徹底した変革の推進」を基本方針に掲げるとともに、「革新的で親しみやすく、安心でき、喜んで使っていただけるクラウドとデバイスを提供することを目指す」と語る。平野社長はまた、「ビル・ゲイツも、創業時にはこれと同じことを考えていたと思う。だが、スケールが大きくなったことで、壁が作られ、マイクロソフトを守ったり、Windowsワールドを守る形になってきた。しかし昨年、サティア・ナデラにCEOが交代してから、チャレンジャーの立場で、製品やサービスを提供するようになった。前社長の樋口が日本で確立した会社の信頼性や存在感、そして、顔が見えるマイクロソフトという立場をさらに推進し、革新的で新たな日本マイクロソフトを作ることがミッションである」と述べる。マイクロソフトはグローバルの方針として、「地球上のすべての個人と、すべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」ことを目指しており、日本においても、この方針を推進することを示した。平野社長「私は10年前にマイクロソフトへ入社し、4年前に東欧を担当したが、そのときと比べても、IT環境は大きく変わっている。クラウドは4年前にはまだ試行錯誤の状況であり、10年前にはPCが中心に利用されており、スマホもなかった。日本の経済環境は、アベノミクスにより回復の道をたどり、ここにきて生産性というキーワードが重視されるようになってきた。社長就任までの間、多くの顧客、パートナーと話をする機会があったが、日本マイクロソフトに対して、変革への期待と関心をひしひしと感じた。どのように変革をしていくのかがテーマだと感じている。また、これまでの日本マイクロソフトに足りなかったものはなにもないとも感じている。物ごとを正しく行い、正しいものを正しく進めるという、過去のやり方を踏襲する。3月に社長就任の発表をしてから、この4カ月は大変忙しい日々を送った。パートナーや顧客を訪問し、社長の仕事を開始するのに向けた助走をしてきた。安定感を持った形で新たな経営体制へ変更したという点で評価をもらったが、その一方で、社長業の重さを感じた。そして、新たな視点と新たな気づきも持つことができた。インパクトをどこに求めるのかということを明確に考え、それをもとにプロセスにつなげていく。そうしたオペレーションが必要になる。日本が求める品質や安心、安全の実現、日本に最適化したライセンスの仕組みなど、日本にあった形で製品やサービスを、日本に持ってきたい。日本ならではの攻めの領域においても、米Microsoft本社の理解を深めるような努力をしたい」○日本マイクロソフト、2016年度の戦略7月1日からスタートした同社新年度の取り組みとしては、「PCを核とした考え方から、人を核とした考え方へ」、「販売重視から、利用価値重視へ」、「変革を進めるパートナーとの協力関係へ」、「Windowsにとどまらない、新しいエコシステムへ」、「過去にとらわれず、変革と挑戦を進める社内文化へ」の5つを変革のポイントに挙げる。一方、ワークスタイル変革のリーディングカンパニーを目指す「プロダクティビティとビジネスプロセス」、コネクテッドワールドのデファクトプラットフォームを実現する「インテリジェントクラウド」、革新的なパーソナルコンピューティング体験による「Windows 10+デバイス」という3つを重点分野に掲げた。平野社長「利用体験、利用価値、ユーセージをどう満足してもらうかが鍵になる。人は一日に4種類のデバイスを使用するというが、大きな画面から小さな画面までのWindowsデバイス活用のほか、Windowsプラットフォーム以外でも安心して利用してもらえる環境を提供する。(Windowsデバイスの普及については)タブレット需要は一巡したが、タブレットでできるところとできないところを、顧客が理解してきた。そのなかで、2in1デバイスであるSurface Pro 3は、コンシューマ向けでは、Surface Pro 2の25倍の出足、コマーシャル向けでは7倍の出足となり、すでに2500社が導入した。大きなデマンドがあると感じている。また、先ごろ発売したSurface 3は、キャリア連携を行った世界初のLTEモデル。想定を超える初動があった」7月29日から提供を開始するWindows 10についても触れた。平野社長「Windows 10は、製品をローンチするのではなく、継続的にアップデートし、『エクスペリエンス』(体験)を提供するもの。『製品』という言い方はちょっと違って、Windows as a Serviceを実現することになる。ユーザーには、そこから理解をしてもらうことが大切であると考えている。Windows 10が持つ価値をしっかりと訴求したい。革新的なパーソナルコンピューティングをぜひ体験してほしい。Windows 10は7月29日から提供を開始するが、今年の夏から年末にかけて順次、エキサイティングなWindows 10デバイスがOEMベンダーから登場することになる。さらに、ユニバーサルプラットフォームにより、Windowsだけでなく、iOSやAndroidのアプリも活用できるようになる。Windows 10の魅力を伝えられるように、情報提供を積極的に行っていきたい。また、Windows Phoneは、マウスコンピューター様などが国内市場に投入を開始し、これは私の立場としてもうれしいことである。今後の展開も楽しみにしている。ユニバーサルプラットフォームになったことで、これまであまり会話がなかったデバイスメーカーからも問い合わせがある。様々なデバイスにおいても楽しい展開ができる。顧客からの期待も強く感じている。マイクロソフトの製品は、米本社でプログラミングされ、デザインされているが、CortanaやSkypeトランスレーターなどの日本語対応では、密に連携している。できるだけ早い時期に日本に持ってきたいと考えている。マイクロソフトバンドや、ホロレンズも、米本社では発表しているが、これもできるだけ早く日本に持ってきたい」さらに、研究開発部門が入居する調布のオフィスを品川本社に統合することを公表。品川本社内にSurface Hubを25台設置するなど、継続的にオフィス環境の改革にも取り組むほか、「テレワークの実践を通じて、日本のテレワークの推進にも貢献していきたい」という。「8月24日から実施するテレワーク週間には、昨年の10倍規模となる300社の参加を目指したい。すでに200社以上が賛同している。日本において、テレワークをメインストリーム化していきたい。またこれをきっかけに、地方が持つ課題を学んで、地方創生にも取り組みたい」(平野氏)と語った。また、Office 365の販売拡大に加えて、Dynamics CRMの販売強化を進める方針を示す。平野社長「強い競合会社がいる領域だが、Office 365を組み合わせることで、他社にはない有効なソリューションを提供する。BYODが広がるなかで、コンシューマとコマーシャルのデュアルユーセージ・シナリオによって、価値を提案したい。現在、店頭で販売されているPCの92%にOffice Premiumが搭載されている。Windows 10の登場にあわせて、OneDriveやSkypeも普及させたい。Office Premiumのフリーミアムモデルにより、Windowsプラットフォーム以外にも、Officeを利用できる環境が整っている。この分野でもOfficeによって実現する生産性の高さを訴求していく」クラウドビジネスにおいては、次のようなビジョンを語った。平野社長「インテリジェントクラウドの実現に向けた取り組みを強化。マイクロソフトのデータセンターに対するサイバー攻撃は、ペンタゴン(米国防総省)に次ぐ多さとなっているが、これまでに事故を起こしていない。このノウハウを生かす。マイクロソフト サイバークライムセンター日本サテライトを核にして、価値を提案していく。Azureの技術を活用して、モバイル管理、ビッグデータ分析、マシンラーニングといったソリューションを提供。10以上の業種別シナリオを用意して具体的な提案をしていきたい。さらに、クラウドパートナー戦略にも力を注ぎ、2014年度には1500社であったクラウドパートナーを、2015年度には2500社に拡大。これを2016年度には、さらに3500社にまで拡大する。同時に、クラウドソリューションパートナーを対象にクラウドビジネスを活性化したいと考えており、パートナー各社が持つサービスやアプリケーションと、日本マイクロソフトのクラウドを組み合わせて提供するといった、新たなビジネスモデルを導入する。これにより、クラウドの導入余地が大きい中小企業での導入が促進されることになると期待している。ISVとの連携も強化する。ISVビジネス推進本部を20人体制で新設。クラウド対応パートナーのリクルートや共同マーケティング活動も行い、クラウド対応アプリを拡充する取り組みも加速する。ここでは、Office 365 APIの活用も加速することになる」Xboxに関しては、「日本において、Xboxの撤退はない。しっかりと進めていく。Windows 10によって、これまでとは違うシナリオが出てくることになり、ゲーマーも新たな体験ができるようになる。ワクワク感をどう提供できるのかが大切であり、これまで以上に、ゲームタイトルのラインアップを出す予定がある。ぜひ楽しんでもらいたい」(平野氏)と述べる。同社では、ゲームタイトルを充実させ、Xbox史上最高のラインアップをそろえることを明らかにしており、「マイクロソフトのゲーム事業はゲームコンソールだけでなく、Windows全体に拡大させる戦略をとっている。ゲーマーのための機能を、Windows 10に盛り込んでおり、OneMicrosoftで取り組む」(平野氏)とした。●Microsoft創業40周年、日本法人設立30周年の節目に○Microsoft創業40周年、日本法人設立30周年の節目に平野社長は、2015年6月末に終了した同社2015年度の取り組みにも言及。平野社長「一昨年は、Windows XPのサポート終了や消費増税前の駆け込み需要があった。だが、昨年は際立ったものがない中で力強い進展があったのは、クラウドビジネスの加速や、ワークスタイル変革、サイバーセキュリティ対策など。クラウドビジネスは、3倍近い売り上げを達成し、期初目標も達成した。Office 365などのクラウドプロダクトが浸透し、日本へのデータセンターの設置とともに、ここからOffice 365、Azure、Dynamicsという3つのクラウドサービスを提供した。ワークスタイルの変革においては、品川本社にはこれまでに60万人が来場し、オフィスそのものや、我々がテレワークを実践している様子を見ていただいた。さらに、マイクロソフト サイバークライムセンター日本サテライトを開設し、ここにも100社の企業、団体にきていただいた。脅威に対する情報提供や対策などに関して、30社以上から引き合いがきている」平野社長「インパクトをベースにして、どんなアウトプットを提供できるか。また、喜んでもらえるか、変革を感じてもらえるか、ということに力を注ぎたい。ビル・ゲイツがMicrosoftを創業してから40周年。そして、日本法人設立から30周年、日本マイクロソフトに社名変更して5周年という節目に当たる。変革を通じて、日本のお客様、社会に貢献したい」○代表執行役会長に就任した前社長の樋口氏は……一方、代表執行役会長に就任した前社長の樋口泰行氏は、会長の役割と重点活動分野として、「お客様との会社対会社の関係強化」、「新たな戦略的パートナーシップの構築」、「ナショナルアジェンダへの貢献」、「人材育成の強化」を挙げるとともに、「平野新社長による経営・事業展開を全面サポート」を掲げた。樋口会長は、「外資系の日本法人には会長職はあまりない。また、会長の役割について述べるという例はあまりない」と語りながら(報道陣から笑いが)、「透明性を高めるという点と、平野としっかりと連携するという点を説明したい」と切り出した。樋口会長「日本は、リレーションシップが大切な国である。お互いのWin-Winを考えないと一流の会社とはいえない。マイクロソフトの製品を使っていない会社はほとんどない。多くの会社とのリレーションシップが大切である。社長時代に内部の仕事とともに、外部とのリレーションを行うのが大変であった。会社と会社の関係を構築する役割を果たし、平野を補完したい。また、戦略的に重要なパートナーシップの構築、推進を担当したい。これまで手薄だった国が推進する優先順位が高い項目についても、関係する政府や中央官庁、自治体、業界団体と連携し、そうした場に顔を出すことが重要だと考えている。ナショナルアジェンダと結びついた形での取り組みが必要である。テレワーク、地方創生、そして2020年の取り組みもある。国が優先している取り組みに対して、貢献できる会社になっていく。人材育成においては、これまで私が3つの会社で務めてきた社長としての知見を伝授したい、さらに、ダイバーシティも強力に推進したい。いま、5人の女性役員がおり、全体の25%を占める。役員だけでなく、従業員レベルでもこの比率を高めたい。一方で、新社長の1年目はなかなか人事まで手を出せないが、それを防ぐために、3月からの4カ月間をかけて、平野に移行した。今回の人事は、平野が推進した人事である」○平野拓也氏プロフィール1970年北海道出身。95年に米ブリガムヤング大卒後、同年にKanematsu USAに入社。98年にArbor Softwareに入社。2001年には、ハイペリオンの社長に就任。2005年8月にマイクロソフト(現日本マイクロソフト)に入社し、ビジネス&マーケティング部門シニアディレクターに就任。2006年2月には、執行役エンタープライズサービス担当、2007年7月に執行役常務エンタープライズサービス担当、2007年10月に執行役常務エンタープライズビジネス担当兼エンタープライズサービス担当、2008年3月に執行役常務エンタープライズビジネス担当を経て、2011年7月には、Microsoft Central and Eastern Europe(CEE)のMulti-Countryのゼネラルマネージャーに就任した。このとき、東欧の新興国25カ国を統括。2014年7月、日本マイクロソフトに復帰。執行役専務マーケティング&オペレーションズ担当に就任。2015年3月2日付けで代表執行役副社長に就任、7月1日付けで代表執行役社長に就任した。
2015年07月02日2015年6月19日、日本マイクロソフトは、10.8型Windows 8.1タブレット「Surface 3」を発売した。日本マイクロソフト 代表執行役社長 樋口泰行氏は「売って売って売りまくる」とSurface 3のスタートダッシュに対する意気込みを語っている。○タブレットとPCの長所を併せ持つSurface 3「出しちゃいました」Surface 3は米国で2015年3月31日(現地時間)に発表し、同年5月5日に販売を開始したタブレット、もしくは2-in-1 PCである。追いかけるように日本国内でも、同年5月12日に発表、6月19日に発売することを明らかにしたのは記憶に新しい。そして発売日の当日、ビックカメラ有楽町店、ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaにおいて、発売記念セレモニーを開催した。会場となったビックカメラ有楽町店では、ビックカメラ 代表取締役社長の宮嶋宏幸氏が「発表後に多くの予約を頂いて、本日の発売日を楽しみにしていた。有楽町店では、Windowsの世界をお客様に知ってもらうため、本日からフロアを刷新した」と挨拶し、Surface 3と同店舗に設置した"日本最大級のWindowsエリア"をアピールした。宮嶋氏は夏商戦に向けた起爆剤として、Surface 3に期待を寄せているという。日本マイクロソフトの樋口氏は、Windowsエリアを指して「東京で一番のショーケースといっても過言ではない」と評価しつつ、Surface 3や2015年7月29日にリリースするWindows 10の情報発信基地として「(Surface 3を)売って売って売りまくりたい」と挨拶した。また、「タブレットと同じ軽さと薄さ、PCの機能を兼ね備えたものが出ればいいな」というニーズが多かったことを述べながら、「出しちゃいました」と軽快にSurface 3の長所をアピールしていた。ビックカメラ有楽町店 店長の佐藤壮史氏も「WindowsエリアはSurfaceを中心に全15社、150アイテム(オーダーメードPCを含めると380アイテム)の展示販売で構成している。訪れたお客様に対して詳しい説明を行いつつ、催事スペースを活用して各メーカーのイベントを始めとする情報発信を行っていく予定」と、同エリアを紹介。さらにSurface 3が若者に焦点を当てたデバイスであることから、「女性ユーザーのニーズが高まるのでは」と期待を語った。興味深いのが、Windows 10発売後の展開である。日本マイクロソフト 執行役 コンシューマー&パートナーグループ ゼネラルマネージャーの高橋美波氏は、「他の店舗でも同様の"Windowsエリア"を展開したいと考えている。9月~10月ごろから、各PCメーカーからWindows 10搭載デバイスが登場する予定」と述べていた。このことから察するに、Windows 10は6月中にもRTM(製造工程版)に達し、7月中には各PCメーカーへのOEM版提供を開始する予定になりそうだ。○ヨドバシAkibaでは…場所は変わって秋葉原。ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaでも発売セレモニーを開催した。ここでも登壇した樋口氏は、「張り切って(Surface 3ロゴの)Tシャツに着替えたが若干肌寒い」と。降りしきる雨の中でSurface 3をアピール。発言の多くはビックカメラ有楽町での内容と重複するため割愛するが、「Surface 3の背面にはMicrosoftのマークをプリントしている。既に見飽きた感はあるものの、我々はこのマークとともにマーケティングを展開していく」と述べていた。続いてスピーチしたのは、ソフトバンクモバイルのエリック・ガン氏。ソフトバンクモバイルと日本マイクロソフトはパートナーシップを結んでおり、Y!mobileのLTE回線およびSIMカードは、Surface 3との動作確認が行われている(Surface 3はSIMフリー端末なので、対応バンドが会えば他社製のSIMも使用可能。ただし動作検証は行われておらず、自己責任となる)。ガン氏は当日の天候を指して「雨は幸運を示す」と風水の意味を引用しつつ、Surface 3や自社のLTEサポートをアピール。ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店長の御代川忍氏は「注文の数に驚かされている。Surface 3に触れて軽さや通信速度を実感して欲しい」と述べた。実際に店内へ入ると、正面入り口付近にSurfaceのロゴや映像CMを流した展示が目に入る。店舗に訪れた一般のお客も、興味深そうにSurface 3を触っていた。既報のとおり樋口氏は、2015年7月1日付けで日本マイクロソフト 代表執行役 会長に就任するため、コンシューマー向けイベントは本日が最後の登壇となる。2008年4月1日付けだった日本マイクロソフト 代表執行役社長への就任から数えて7年と3カ月を振り返り、「クラウドを前提にした製品開発が一般的になり、PCを取り巻く環境が大きく変化したのが印象深い」と述べていた。会長就任後は「社内の人材育成・活用といった非ビジネス系はもちろん、重要なプロジェクトやパートナーとの提携や関係性を補完したい。(2015年7月1日から代表取締役社長に就任する)平野(拓也氏)のスタートアップをサポートする」という。あと半月足らずで日本マイクロソフトは社長交代を迎え、その約1カ月後にはWindows 10がリリースされる。Surface 3の発売と相まって日本マイクロソフトは、今後も多くの注目を集めるだろう。阿久津良和(Cactus)
2015年06月19日