【ご相談】子どもが生まれました!家も車も欲しいけれど、貯蓄ペースは今のままで大丈夫?27歳男性です。4カ月前に子どもが生まれました。それを機に、もう少し広い家でのびのびと育てたい、いろいろな場所に連れて行ってあげたいと思い、家や車を買うことを考え始めました。現在は、子どもの将来の教育資金準備として、受取金額200万円の学資保険へ加入し、家や車の購入資金として、二人のボーナスを貯蓄に回しています。子どもの進路については、高校までは公立の学校でと考えており、マイホームは3,000万円程度と考えています。今の貯蓄ペースで、教育費も家も車も手に入れることはできるのでしょうか。また、そのためには、収入の何%を貯蓄に回すことが理想なのでしょうか?兵庫県在住 山田数郎さん (仮名)【回答】今のペースで貯めることができたら、教育費準備もマイホームもマイカーも夢じゃない!(ファイナンシャルプランナー 中垣 香代子からのアドバイス)お子さまがお生まれになったのですね。おめでとうございます。日々の成長に目を見張り、一緒に過ごす時間がとてもいとおしいと感じていらっしゃることでしょう。お子さまの誕生を機に家計を見直し、教育費の準備、マイホームやマイカー購入のご検討を始められたとのこと。収入の何%を貯蓄に回せばいいのか知りたい、というご質問ですが、結論から申し上げます。大きな出費の予定がなければ、収入の○○%を貯蓄するという方法もあります。しかし、山田さんの場合は、マイホームとマイカー購入、そして、お子さまの教育費の準備という目標があります。この目標を達成するためには、収入の○○%を貯蓄目標にするのではなく、必要な金額から逆算して貯蓄額を決めましょう!では、マイホーム費用・マイカー費用・お子さまの教育費、どれから貯め始めればいいのかご存じですか?一番初めに準備しなければいけないものは、実はこの中にはありません。一番初めに準備すべきものは「予備費」です。今は何の問題もなく、収入の範囲内で生活が成り立っています。しかし、人生何が起こるかわかりません。突然収入が激減したり、出費が激増したりすることもあるでしょう。そんなときのために、予備費として6カ月分の生活費を用意しておきましょう。山田さんの場合は、既に生活費の6カ月分以上の貯蓄があるので安心ですね。次にお子さまの教育費について考えましょう。高校までは公立でとお考えとのことですので、高校までは月々の生活費の中で賄うようにするといいでしょう。今から準備しておきたいのは、大学の費用です。私立ですと、4年間の授業料と施設整備費および入学料で400万円を超える学校が多いです。安いと思われがちな国立でも、4年間の授業料と入学料だけで約250万円にもなるのです。その他に教科書代、新たに購入するパソコン代、そして自宅から通えない場合は下宿代や寮費、生活費……。とてもとても月々の生活費で賄うことはできません。今からコツコツ貯めていきましょう。では、どのように貯めていったらいいのでしょうか。コツコツ貯めるのに適したものがあります。それは「児童手当」です。第一子の場合、3歳までは月々15,000円、4歳~15歳までは、月々1万円が自治体より支給されます。児童手当を全て貯蓄すると、中学卒業時には約200万円になっています。これに学資保険の祝い金(200万円)を加えると、国立の学費は賄えますね。私立でも、あと少しのところまで来ました。残りは積立預金、積立投資信託などが適しています。毎月5,000円積み立てると高校卒業までに、積立額が約100万円になります。児童手当の貯蓄、学資保険に、月々5,000円を積み立てるだけで大学の費用が準備できることがわかりました。下宿生活や留学の可能性がある場合は、積立額を増やすと良いでしょう。18年間で100万円貯めるなら、毎月5,000円。毎月の支出内容を見直して捻出する金額としては、決して難しくはないと思います。次はマイホーム購入費用です。3,000万円くらいの物件をお考えとのことですね。マイホーム購入時は物件価格のほかに、各種税金・手数料等の諸費用が必要になります。私が相談を受けるときは、新築物件で物件価格の5%を諸費用として見積るようにお話ししています。最近は場合によっては全額をローンで組むことも可能ですが、できれば頭金として物件価格の20%を準備しておきましょう。3,000万円の物件の場合、頭金と諸費用を合わせて750万円。山田さんには今現在400万円の貯蓄がありますが、予備費として生活費の6カ月分を差し引くと、残りは196万円。750万円から196万円を引いた554万円を準備することになりますが、現状で年間242万円の貯蓄ができていますので、約2年半で準備できます。2年半後に2,400万円のローンを年利1.75%、返済期間25年で組んだときの1カ月の返済額は、約10万円。今の家賃74,000円に、毎月の貯蓄10万円のうちの26,000円を加えることで、返済が可能になります。管理費・修繕積立費・固定資産税といったランニングコストも、今の貯蓄額から十分に賄えますね。無理のないマイホーム購入プランになるでしょう。最後にマイカーです。できれば住宅購入後に現金が貯まってから購入したいところですが、新しい家の立地によっては、すぐに必要になることもありますね。そのような、住宅ローンと自動車ローンの返済が重なった場合の繰り上げ返済は、利率の高い方のローンから、ということを覚えておいてくださいね。最後に今までの話を整理しましょう。予備費がない場合は、予備費を確保する(生活費6カ月分)教育費の準備を始める(学資保険+児童手当+積立預金・積立投資信託など)頭金を貯めてから住宅を購入する自動車を購入する(できれば現金が貯まってから。無理なときはローン)今の堅実な家計を続けることと購入の時期を考えることにより、無理なく教育費の準備、マイホームとマイカーを取得することが可能となります。ご家族がそろって笑顔で暮らせるよう、計画的に準備していきましょう。コラム執筆者プロフィール 中垣 香代子(なかがき かよこ)CFP(R)/2級ファイナンシャルプランニング技能士損害保険会社に約10年勤務後、子育てに専念。約20年間の専業主婦の後、ファイナンシャルプランナーとなる。「老後のお金サポーター」として、相談業務の他、40~50歳代女性にお金の知識をわかりやすく伝える活動をしている。また、自身の経験から、経済的理由で進学をあきらめるお子さんが一人でも減ることを願い、就学支援の情報発信にも力を入れている。老後のお金を一緒に考える事務所 所長。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年08月25日子どもをきっかけに意識する人が増えるマイホーム。では、子どもが何歳の時に買うのがベストなのでしょうか。実体験や周りのママたちの意見を元にまとめてみました。1.幼稚園入園前(0~2歳)マイホーム購入の年齢で一番多いとされるのが、結婚時と子どもが0~2歳の時。「今まで住んでいた家が子育てに不向きだったから」「子どもが幼稚園に入る前に引っ越しておきたかったから」などの理由でマイホーム購入を決意する人も多いよう。確かに子どもが0~2歳のこの時期は、出産前に買うよりも子どものいる生活がイメージしやすく、結婚時に立てたライフプランを見直す良いきっかけにも。ただし、小さな子を連れての家選びは想像以上に大変。子どもがぐずって思うように物件を見られなかったり、打ち合わせに全く集中できなかったり…。この時期に家を買う場合には、祖父母や一時保育など子どもの預け先も検討しておいた方が無難です。また、2歳にかかる場合、早めに引っ越しておかないと、プレ幼稚園や見学会・説明会などの入園準備が困難になってしまうことも。マイホームを購入する前には、そのあたりも是非チェックしておきましょう。2.小学校入学前(3~5歳)マイホーム購入の年齢で次に多いとされるのが3~5歳。幼稚園の年長ぐらいから探し始め、小学校入学のタイミングで引っ越す人が多いよう。この年齢になると、子どもが幼稚園に行っている間に銀行や役所で手続きを済ませるなど、いろんな作業がスムーズに。また、子どもの人数もある程度決まってくるため、子ども部屋の計画も立てやすくなります。一方、デメリットとしては「住宅ローンの支払い開始が遅くなる」こと。それまでの賃貸の家賃がもったいないだけでなく、旦那さんの年齢によってはローンの借入金額が少なくなってしまう場合もあるので、注意が必要です。このようにマイホームを買う場合、幼稚園入園前か小学校入学前の入居を目標に、計画を立て始める人が多いよう。ちなみに購入から入居までにかかる期間は、完成済や中古の場合で1~3カ月、土地を買って建てる一戸建てや竣工前のマンションの場合は半年~1年程度かかります。その他、物件をいろいろ見て回るのにも時間がかかるので、マイホームの購入を考えている人はその分の時間も計算に入れ、余裕を持って動くようにするのがお勧めです。
2015年07月30日2015年版 家を買う前に知っておきたいポイント4つ 住宅ローンの気になる調査結果 住宅ローン「フラット35」のポイント4つ 探せばある! 2015年度・お宝住宅ローン 借り換えはセカンドラブのように! の続きです。借り換えの相談に行って、チェックすべきポイントは、金利だけではない。せっかく借り換えという「手間」をかけるのだもの。この機会に、理想的な住宅ローンにリフォームしませんか? そんな際にチェックすべきポイントを、住宅ローンに強いファイナンシャルプランナー、浅井秀一さんに教えてもらいました。住宅ローン借り換えのチェックポイント(1)医療系団信をつける「『金利が下がって毎月の返済額が少なくなる』と言われても、『じゃあ、借り換えをしよう』というふうになる人は、実は意外と少ないんですよ」と、浅井さん。それよりも、「毎月の返済額はそのままで、下がった金利の分、医療系の団信をつけることができます」というほうが、借り換えという行動を移す人が多いそう。人間の心理とはおもしろいものだ。医療系団信については、 コチラ に詳しい。「がん団信」がつけられるかどうかを、必ずチェックしよう。住宅ローン借り換えのチェックポイント(2)借り換えは、返済期間を短くするチャンス!浅井さんは言う。「多くの人が、初回の住宅ローンは『変動35年』で組んでいます」。でも、「変動金利35年」という条件は、単に審査が通りやすいというだけにすぎない。一度「ローンを組んだ年齢+35年」を計算してみて欲しい。何歳の時に、住宅ローンは完済するだろうか? たとえば、35歳の時にローンを組んだのなら、完済は70歳だ。70歳の時に住宅ローンを払っていること自体、どうなのだろう?「住宅ローンを組んだ時に返済期間を長くしすぎた人にとって、借り換えは、返済期間を短くするチャンスでもあるんです」と、浅井さん。住宅ローンの完済は、60歳が理想雇用延長が義務化され、65歳まで働ける時代になったものの、定年自体は60歳のままが一般的。その後の収入は、50代の時の収入の半分から3分の1になるケースがほとんどだ。今の60代男性は、年収は多くて300万円程度というのが現実なのだ。「住宅ローンは、最後は退職金で払えばいい」と思っている人も多いかもしれない。けれども、上記のような現状を知り、退職金は、老後資金としてまるまるとっておく、くらいの気持ちで、ローン計画を立てたいものだ。家計が苦しくならない範囲での計画を!「もちろん、返済期間を短くするといっても家計が苦しくならない範囲で行うべきです」と浅井さんは言う。場合によっては、もっと短くしたいと考えていたのにダメだったというケースもあるかもしれない。住宅ローンは、大前提として「金融機関の審査に通ること」があるので、なかなか思い通りにいかないこともあるだろう。「けれども、住宅ローンの借り換えをする際には、最善と思われる方法を考えて、粘り強く交渉する姿勢が大切です」(浅井さん談)理想のローンの姿を知り、それに少しでも近づけるよう、今、我が家の住宅ローンに向き合ってみる。それが一番大切なことなのかもしれない。
2015年07月15日2015年版 家を買う前に知っておきたいポイント4つ 住宅ローンの気になる調査結果 住宅ローン「フラット35」のポイント4つ 探せばある! 2015年度・お宝住宅ローン の続きです。家を買ったことがある人なら、家の売買契約後、次の手続きまでに意外と時間がないことはご存じだろう。時間との戦いの中で、審査に通りやすいこと優先でローンを選んだ結果、後から「もっと良いローンがあったのでは?」と、モヤっとした気持ちを抱えている人もいるのではないだろうか。引き続き、住宅ローンに強いファイナンシャルプランナーの浅井秀一さんにお話を伺った。住宅ローンは時間との戦い。でも、二度目なら!?「『もっといいローンがあったのでは?』という気持ちがある人、大丈夫ですよ。なぜなら、借り換えという方法があるんですから」と、浅井さん。「実際のところ、最初に組んだ住宅ローンが、すばらしい資金計画だったということは、初恋の人とゴールインするくらい、まれなことかもしれません」というコメントに、とっても励まされた気分になる。借り換えにも適齢期アリマイホームを取得した後は、たっぷり時間があるので、良いローンを見つけて、よいタイミングで借り換えをすることは、今の金利状態なら可能だ。「でも、住宅ローンの借り換えにも適齢期はあります。なぜなら、金利が上昇したら借り換え効果は少なくなってしまいますから。金利上昇に見越して、住宅ローンも早めに行動するのが良さそうです」4年前に「10年固定」を借りた人なら「借り換えで金利が下がる」と聞いても、漠然とした話だと、なかなか行動に移しづらい。そこで、具体的な数字で浅井さんに試算してもらった。下記の表を見て欲しい。たとえば、4年前に「10年固定」の住宅ローンを借りた人なら、2015年5月現在の一般的な金利水準で試算してみると、年間約10万円のコストダウン。仮に残りの返済期間が25年だとしたら、250万円のコストダウンだ。ローンを借りたばかりの人でも効果あり!「私、先月家を買っちゃった! うわ、残念!」という人も、ちょっと待って! 「ザックリいえば、借り換えの諸費用はローン残高の1%程度。それだけコストをかけたとしても、提携ローンで家を買って、そのローンがあまり良くないとしたら、すぐに借り換えをして金利を下げれば、トータルで見たら大幅なコストダウンになるケースもありますよ」と、浅井さん。銀行に相談に行くのが、いちばん本特集を読みながら、「うちのローン、大丈夫?」という気持ちがよぎったのなら、銀行に相談に行ってみよう。住宅ローンの見直しは、素人では判断が難しいもの。ひとりで悩んでいないで、コチラ(4本目リンク貼る)にあげた銀行などに相談に行くのが早道だ。借り換えの相談の時の持ち物リスト住宅ローン借り換えの相談に行く際に持って行って欲しいのが、下記の「相談に行く時の持ち物リスト」。これらの書類を持っていけば、借り換えをした場合の返済軽減効果を無料でシミュレーションしてもらえる。もし、これで軽減効果が発見できたのなら、めっけもの。もし軽減ができなかったとしたら、もともとのローンがOKだということ。いずれにしても、「もっといいローンがあったのでは?」「うちのローン、大丈夫?」というモヤっとした気持ちはクリアになるはず。●相談に行く時の持ち物リスト●返済予定表(償還予定表)物件の内容がわかるもの(不動産登記簿謄本など)ローンを借り入れた人の年収がわかるもの(源泉徴収票など)
2015年07月14日2015年版 家を買う前に知っておきたいポイント4つ 住宅ローンの気になる調査結果 住宅ローン「フラット35」のポイント4つ の続きです。「住宅ローンを組む場合は、すぐさま提携ローンを選ぶのではなく、ほかの住宅ローンと比較、検討した上で選びましょう」と教えてくれたのは、ファイナンシャルプランナーの浅井秀一さん。前回は「フラット35」の概要を押さえた。今回は次のステップ、民間の住宅ローンをチェックしてみよう。民間ローンのほうが「フラット35」より有利なことも固定金利の住宅ローンというと、「フラット35」が有名だが、「フラット35」が常に有利とは限らない。浅井さんに条件のよい「全期間固定金利型ローン」を出している民間の金融機関を教えてもらった。この表で目星をつけて、探してみるのも一手だ。地方の人は、住宅ローンもネットで「住宅ローンは、住んでいる地域によって全然違います。金利はもちろんのこと、商品の品揃えも、実はまったく異なるんですよ」と、浅井さん。たとえば「10年固定」の住宅ローンを首都圏のメガバンクで借りたら、金利は1%前後。けれども、沖縄県なら3%前後となる。商品も、北海道は首都圏では扱いの少ない「段階金利型」が主力商品だったりする。このように住宅ローンを考える時は、地域性を抜きにして語れない。「たとえて言うなら、首都圏だといろいろなものが直接買えますが、地方だとそれが難しいのに似ています。そもそも、お店(金融機関)に商品が置いていないのですから。そうなると、地方の方は住宅ローンもほかの商品と一緒で、ネットで買うのが一番なんです」。鳴門海峡付近の地銀やJA(農協)は金利が低い!?ただし、ネット銀行は審査が厳しい。「ネット銀行が厳しい場合は、地元の銀行をチェックしてみましょう。案外、お宝ローンがありますよ。たとえば、今は全国的に見て、全期間固定金利型の金利が一番低いのは、鳴門海峡付近の地銀やJAです。下記の表の通り、阿波銀行は、最長35年の住宅ローンを1.31%という低金利で借りることができます。このように家の近くの地銀に、思いもかけないお宝ローンが眠っているかもしれないので、ぜひともチェックしてみてください。自分の県に支店がない場合でも、近隣の県の支店から借りられることもあります。」(浅井さん談)「がん団信」には加入しておきたい2015年度の民間住宅ローンのトピックとしては、「医療系団信」の人気上昇がある。とりわけ浅井さんが注目しているのは、「がん団信」。がん団信の魅力は、保険金が支払われる可能性が高い点だ。同じ医療系団信でも、脳卒中や心筋梗塞など、ほかの病気もカバーするような「三大疾病保障つき」などでは、「所定の状態」が一定期間することが条件となる。一方で「がん団信」については、契約後91日目以降に生まれて初めて「がん」と診断されたら、通常の団信と同じく住宅ローンの残債が全額弁済される。その後、健康が回復しても、ローンを返済する必要はない。また「がん団信」は、コストが安い。団信保険料としての上乗せ金利が0.1%の場合、借入金額が3,000万円でも、毎月1,500円程度の負担だ。「がんになる可能性と、早期の発見では生存率が非常に高い現状を勘案すると、乳がんなどがんの罹患率が高い女性には、加入を強くおすすめします」と、浅井さん。今の住宅ローンのメリットを受けられるのは、新たにローンを組む人だけではない! 次回は、「借り換えはセカンドラブのように!」で、借り換えについて整理します。
2015年07月13日2015年版 家を買う前に知っておきたいポイント4つ 住宅ローンの気になる調査結果 の続きです。「住宅を購入する場合は、すぐさま提携ローンを選ぶのではなく、他の住宅ローンと比較、検討した上でローンを選びましょう」と教えてくれたのは、ファイナンシャルプランナーの浅井秀一さん。自分で住宅ローンを探す第1歩は、「フラット35」のチェックから!住宅ローン「フラット35」のポイント・ポイント1:フラット35の魅力は、長期の固定金利「フラット35」は、住宅金融支援機構と民間金融機関とのコラボレーションタイプの住宅ローン。最大の特徴は、「長期の固定金利で借りられる」こと。 金利低下が最終局面 となった現在は、もっとも利用したい住宅ローンのひとつだ。利用にあたっては、「物件の要件」や「ローンを組む人の収入基準」などの要件を満たすことが必要だが、新築住宅や築年数の浅い中古マンションは、多くの物件が対象となる可能性がある。・ポイント2:「フラット35」の注意点は、金利の見方注意ポイントとして覚えておきたいのは、「『フラット35』の金利には、団信保険料が含まれない」ということ。団信(だんしん)とは、住宅ローン加入と同時に加入する生命保険で、ローンの借り主に万一のことがあった場合は保険金でローンが完済されるというもの。民間の住宅ローンを借りる場合は団信の加入が必須なので、保険料が上乗せされて提示されている。「フラット35」は、団信への加入は強制ではない。任意なので加入しなくても良いが、通常は万一のことを考えて加入する。つまり、「フラット35」の金利を考える時は、団信保険料という「毎年発生するコスト」を含めての計算が必要なのだ。このコストを金利に換算すると0.36%程度。定率タイプの融資事務手数料のコストを合わせると、フラット35の実質金利は「表面金利+0.5%」程度と考えておけばよい。・ポイント3:必ず民間の住宅ローンと比較を! 浅井さんいわく、「『フラット35』を利用する際には、ポイント2で挙げた金利の見方に注意した上で、民間の全期間固定金利型ローンとも比較してみましょう」。たとえば、下記の表を見て欲しい。三菱東京UFJ銀行と「フラット35」をトータルコストで比較してみた場合、三菱東京UFJ銀行のほうが有利だ(5月現在)。・ポイント4:「ダブルフラット」に注目!「将来の教育費負担を考えた場合、とりわけ若い世代には強く利用をおすすめしたい」と浅井さんが言うのは、2015年度から始まった「ダブルフラット」という制度。「ダブルフラット」とは、「フラット35」の契約を2本に分け、ひとつを「フラット35(返済期間21年以上35年以下)」、もうひとつを「フラット20(返済期間15年以上20年以下)で借りることができる制度。子どもが中学、高校ともなれば、教育費負担が重くなる。教育費負担が重くなる前に、「フラット20」だけでも完済できていれば、随分と気持ちも懐も楽になることだろう。「フラット35」の概要を押さえたら、次は民間の住宅ローンをチェックしてみよう。次回は、「探せばある! 2015年度・お宝住宅ローン」を紹介します。
2015年07月12日2015年版 家を買う前に知っておきたいポイント4つ の続きです。「2015年は、これまで以上に真剣に比較・検討したうえで、住宅ローンを選ぶことが大切」と教えてくれたのは、ファイナンシャルプランナーの浅井秀一さん。著書「 図解わかる住宅ローン 」は、毎年改訂版が出る人気シリーズ。「繰り上げ返済」、「借り換え」ブームを先導したひとりでもある浅井さんに、引き続きお話を伺った。どこの住宅ローンを借りるか、4割が住宅・販売業者の影響で決定まず、下記の表を見てほしい。住宅金融支援機構が、「利用した住宅ローンについて影響が大きかった媒体等(複数回答可)」の調査結果をまとめたものだ。これによると、住宅・販売事業者から住宅ローンを紹介されて、その商品に申し込んだ人の割合は全体の4割程度にもなる。「2015年は、これまで以上に真剣に比較・検討したうえで、住宅ローンを選ぶことが大切」(浅井さん)なのに、現状は「住宅ローンは業者の言いなり、が多い」と言える。「提携ローン」と「非提携ローン」なぜ、住宅ローンを業者の言いなりで借りてはマズイのか? その話に行く前に、「提携ローン」と「非提携ローン」について整理しておきたい。住宅ローンは、申し込みルートによって「提携ローン」と「非提携ローン」に大別される。提携ローンは、住宅・販売事業者などを経て申し込むルート。非提携ローンは、文字通り、それ以外のルートでの申し込みのローンのことを言う。提携ローンはありがたい。けれど…提携ローンのメリットとしては、審査をする際、申込書の書き方を丁寧に教えてくれたり、「どの金融機関の、どういうローン商品を、何年返済で利用するか?」といった点を「相談」に乗ってくれたりすることが挙げられる。資金計画を自分で考えたり、一から手続きを段取ったりする必要がなく、手間ヒマは省けるといえるだろう。けれども、提携ローンが必ずしも魅力的な条件(金利水準など)であるとは限らない。「本来、住宅ローンというものは、年収条件など要件を満たしていれば、どこに申し込むのも自由です。提携ローンに独自の金利優遇などがあったとしても、それより金利水準が低い同じタイプの住宅ローンがあるかもしれませんよ」と、浅井さん。それなら自分で住宅ローンを探してみる!?自分で住宅ローンを選ぶ。その第一歩は、「フラット35」のチェックから!次回は、「フラット35」のポイントを4つ紹介します。
2015年07月11日「現在の住宅ローン金利は、過去最低水準」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの浅井秀一さん。著書「 図解わかる 住宅ローン 」は、毎年改訂版が出る人気シリーズ。「繰り上げ返済」、「借り換え」ブームを先導したひとりでもある浅井さんに、住宅ローンについてお話を伺った。2015年版 家を買う前に知っておきたいポイント・ポイント1:住宅ローン金利は、過去最低水準住宅ローン金利に関係が深い長期金利(=10年国債の利回り)は、今年の1月に過去最低水準を(0.195%)更新。6月上旬現在も、長期金利は0.3%台で、この結果、住宅ローン金利も過去最低水準になっている。「現在の住宅ローン金利は、ほぼ下限に達したのは確かです」と、浅井さん。・ポイント2:住宅ローンが金利競争「だけ」だった時代は終わった!?金融機関が、集客のために住宅ローンの金利を競って下げていた、いわゆる「住宅ローン貸し出し競争」。今は金利の引き下げから、競争の内容は、「がん団信(※)」など、医療系団信を推進する方向に移行しているそう。(※)がん団信については、7月13日公開予定の「住宅ローン特集2015年度版4」で詳しく解説します。・ポイント3:借り換えしても、「借りた時より金利が下がる」ことはないこれまでに住宅ローンを借りた人は、金利低下のメリットを「借り換え」によって受けることもできた。当初の借り方が不利だったり、危険だったりしても、借り換えすれば逆転ホームランが打てたのだ。しかし、これから住宅ローンを借りる人は、そうではない。借り換え効果が出る大前提として、「借りた時より金利が下がること」があるが、住宅ローンが下限まできた現在、これ以上金利が下がることは、ほぼないからだ。・ポイント4:今、組んだローンと一生付き合う覚悟を!ポイント1~3を踏まえて言えば、現在の住宅ローンは「一発勝負」の状況だ。今後は、今以上に有利なローンを組むことは、ほぼ不可能。これから組むローンと一生付き合って返済する可能性も高い。「だからこそ、『とりあえず審査に通りそうな住宅ローンでマイホームを取得し、あとで見直そう』といった発想は避けなければなりません。これまで以上に真剣に比較・検討したうえで、住宅ローンを選ぶことが大切なのです」と、浅井さん。今後は、これまで以上に真剣に比較・検討したうえで、住宅ローンを選ぶことが大切。けれども現実は!? 次回は、住宅ローンに関しての気になる調査結果を発表します。
2015年07月10日家族が増えたことをきっかけに住宅購入を考える人は多い。子どもの成長とともに、住環境に求めるものも変わってくるからだ。野村不動産アーバンネット株式会社が行った「子育てと住まいに関するアンケート」結果から、子育て中のパパとママが考える、子育てと住まいの関係が見えてきた。まず、現在の子育ての環境に満足しているかどうかの設問に対して、62.6%が「大変満足している・満足している」、37.4%が「あまり満足していない・満足していない」と回答した。また、同じ設問を賃貸と持家マンションに居住中の人それぞれにすると、賃貸の41.7%が「大変満足している・満足している」だったのに対し、持家マンションは74.8%もの人が同じ回答に。やはり持ち家であれば、満足度も高くなっていることが分かる。次に子育てを考慮して住まい選びをしたいかどうか、という設問に対しては全体の85%が「はい」と回答。子どもの年齢で見ると、未就学児と小学生のパパとママからの回答がいずれも90%越えとなり、中学生以上になると65.6%に下がった。これらの回答からは、子どもが小さければ小さいほど住環境選びは慎重になってくるのが伺える。具体的な意見としても「治安がよい」という点を一番に考えているパパ・ママが多かった。一人で通学をすることが多い小学生を心配する両親の思いが表れている。では実際にどんな条件を住居に求めているのか。未就学児・小学生の子どもを持つパパ・ママの上記5位までの回答結果は以下の通り。(1位) 日当たり・風通しがよい(2位) 収納が多い(3位) 防犯・セキュリティーがしっかりしている(4位) リビングダイニングが広い(5位) 耐震性に優れているそのほかの意見には「買い物施設が近い」「駅やバス停が近い」などの意見に加え、「公園が近い」「緑・自然が多い」といった子どもが遊ぶ場所が近くにあることを重要視する声もうかがえた。家族みんなが暮らしやすい住まいを選択できるよう、ポイントを押さえて家選びをしてみては。アンケートの回答者は下記の通り。情報提供/野村不動産アーバンネット 「子育てと住まいに関するアンケート」
2015年05月25日前回 は、消費税アップに伴う、税金関係の影響を中心に、マイホームの買い時について説明しました。今回は、そのほかの要素について考えてみましょう。■住宅ローンの低金利はいつまで続くのか?現状、住宅ローン金利は過去最低基準といえるでしょう。すでにローンを組んでいる方にとっても、借り換えの好機といえそうです。ただし、新規でも借り換えでも、住宅販売のチラシのシミュレーションによくある変動金利を組む場合は要注意。固定金利(返済期間中金利が一定なタイプ)より金利が低いため、当初の返済額は有利に思えますが、長い目で見れば、景気が徐々に回復していく中で、いつかは金利も上昇する可能性があります。最長35年と長期に渡る返済期間中には、金利が上昇するリスクがあることを、しっかり認識しておきましょう。■オリンピック前が本当にマイホームの買い時なのか?すでに海外投資家からの需要を織り込んで都心のマンション価格が高騰していること、インフラ整備などで原料費や人件費の高騰が見込まれることなどがニュースで報じられるのを見ると、「早く買わなければ」という気持ちになるかもしれません。ですが、増税前の駆け込みのタイミングは、期限内に買うことに気を取られ過ぎて、見積もりの交渉をする余裕がなくなってしまう可能性もあります。過去には増税後に不動産価格が下がったという事例があったり、少子化によって長期的な需要の増加が見込みづらかったりすることを考えると、前回(1964年)の東京オリンピック時のように、日本全体の地価や不動産価額が上がるということは、2020年のオリンピックではないと考えるのが妥当です。もしも、希望の物件が割高だと感じる時は、その理由を業者さんにきちんと確認しましょう。■ライフプランをしっかり立てておくことが、マイホーム購入を失敗しないコツそして、マイホーム購入のタイミングを図る上で、何よりも欠かせないのが、ライフプランを立てることです。家の購入後に起こりうるライフプランを把握しておきましょう。これから子どもが大きくなるまで、夫婦それぞれの働き方がずっと今のままとは限りません。それによる収入の変化、教育にかかるお金、返済期間によっては老後の収入のことなど、まずは今後起こりうる人生のイベントを書き出し、それを踏まえた上で、自分たちにとって、今が本当にマイホームの買い時なのかどうかを判断しましょう。これらを把握せずに家を買うのは、たとえ増税前で金利も安く、住宅価格が割安であったとしても、おすすめできません。繰り上げ返済を毎年行うはずが、子どもの進学で支出が増加した途端に不可能になり、老後の生活が破綻するというケースは、決して少なくありません。ただし、プランを立てておけば、そうした事態も回避することができます。■インパクトがあるのは、消費税の2%増よりも、ローンの金利1%アップ私がファイナンシャルプランナー(FP)として「今は買い時か」と聞かれたら、もろもろの環境はおおむね好条件である、ということをお伝えした上で、ライフプランの中で住宅にかけられる予算を家族で共有できていること、そして納得いく物件と出会えているのであれば、「買い時でしょう」とお答えしています。ただし、その言葉や、目先の消費税増税に惑わされてマイホームを買うことは、何度も言っているように、おすすめできません。長い期間かけて支払う住宅の購入代金において、本当の意味でインパクトがあるのは、消費税の2%ではなく、住宅ローンの金利1%の増減です。そのため、「消費税が10%になるから!」というだけでマイホームを購入するのは、やめたほうがよいでしょう。まずはご家族のライフプランを第一に、更にそれを補強する形でその時々の制度をうまく活用し、満足できる住宅購入につなげてください。
2015年04月26日2015年10月には10%になるはずだった消費税改正案が先延ばしになり、住宅購入の計画を見直している方もいるのではないでしょうか。消費税アップが先延ばしになったとはいえ、将来的に増税が見込まれることには変わりありません。いつかはマイホームを買いたい、とお考えの方は、このタイミングに住宅購入のポイントをおさらいした上で、消費税増税への心構えをしておきましょう。■消費税が上がると、マイホーム購入の負担はどれくらい増える?消費税を恐れるあまり、住宅を買い急ぐのは得策ではありません。まずは、消費税が増税するとどれくらいの影響があるのかを知っておきましょう。住宅は大きい買い物なので消費税の影響が大きい、というイメージがありますが、実は物件価格に丸ごと消費税がかかるわけでありません。土地は消費税の課税対象外のため、消費税の影響があるのは、建物のみ。したがって、マンションでも戸建てでも、物件全体の購入額が5,000万円、うち建物分の価格が2,000万円であれば、8%から10%に上がる際の消費税による負担増は、2,000万円×アップした分の2%=40万円ということになります。ちなみに、中古住宅の売主が個人である場合(不動産業者などが直接保有する物件でない場合)は、消費税の課税対象にはなりませんが、仲介手数料など諸費用部分には消費税がかかります。■消費税8%のうちに購入するには、いつまでに契約すべきか現時点では、消費税は2017年4月に10%に引き上げられる予定です。つまり、住宅の引き渡しが2017年3月31日までに完了すれば、消費税は8%、2017年4月1日以降の場合は消費税が10%となります。ただし、注文住宅や新築マンションなど、完成までに一定期間がかかるものに関しては、請負契約(※)が2016年9月30日までに完了していれば、引き渡し時期に関わらず消費税は8%となります。いずれも、期限間近の駆け込み時期には、契約を急ぐあまり、見積もりをきちんとチェックしないことや、需要が立て込むことで工期が遅れる、といった事態が起こりがちです。そうならないよう注意するとともに、できるだけ余裕を持って契約しましょう。※請負契約:工事請負契約。建築工事の完成とその報酬の支払いに関し、建築主と工事請負業者との間で取り交わされる契約のこと。■慌てないほうがいい!? 増税で控除額もアップ消費税が5%から8%に上がるとき、負担増による買い控えで景気が鈍らないように、との配慮から、政府は各種控除を拡大しました。8%→10%にアップする時にも、こうした控除枠の拡大が予定されています。慌てて購入すべきか、それとも控除枠が拡大されてからのほうがいいのか、この点をぜひ抑えて、じっくり検討しましょう。(1)年収によってメリットあり=すまい給付金「すまい給付金」は、2014年4月より始まった制度です。消費税率が8%時は、給付額が最大30万円で、目安としては収入が510万円以下の方が対象となります。消費税率が10%に引上げられる際には、給付額が最大50万円、対象者も収入が775万円以下まで拡大される予定となっています。(2)親からの住宅購入援助を受ける場合にメリットあり=贈与税の特例親御さんから、マイホーム購入の援助を見込んでいる方にとって忘れてはならないのが、住宅取得のための資金の贈与の一定額が非課税となる制度です。通常、人から贈与を受けた場合は、その額に応じて贈与税がかかります。それが住宅取得の際の一定要件を満たした場合には非課税となる特例があるのです。この特例の額が、上がったり下がったりするので、注意が必要です。1.まず、2015年1月から12月末までは、贈与税特例の限度額が、今までの1,000万円から1,500万円に引き上げられます。 ↓2.翌年2016年の1月から9月は、消費税増税前の駆け込み需要が見込まれるため、1,500万円からいったん引き下げられて、1,000万円から1,200万円程度を計画しています。 ↓3.同じく2016年10月から翌2017年9月末までは、増税の反動減対策として過去最大規模の3,000万円に引き上げられます。(※2015年3月25日時点の情報)そのほか、住宅ローン減税も引き続き(2017年12月31日まで)適用されます。住宅ローン減税は、年末の住宅ローン残高の1%を所得税、住民税から差し引く制度です。それまで残債の上限は2,000万円でしたが、2014年4月以降、8%の課税対象となった住宅に関しては、対象となる年末の住宅ローン残高の上限が4,000万円まで引き上げられました。これにより、年間最大40万円、10年間で最大400万円の減税となりました(長期優良住宅の場合は、さらに控除枠が大きく年間最大50万円、10年間で500万円まで控除)。住宅ローンの金額が大きい方にとっては、かなりのインパクトがあるでしょう。まずは、消費税増税で増えるマイホームの購入負担額と、増税の一方で控除や給付される金額があることについて触れました。次回、「その2」では、不動産購入のタイミングを考えるための、税制以外の要素についても考えてみましょう。
2015年04月24日都市部の住宅は価格が高いので、職場から離れていても郊外にマイホームを購入したいと考える人もいると思います。でも、通勤時間が長くなると、眠りの質と生活のクオリティが下がってしまうのだとか。今回は、職場からマイホームが遠くなることで起こるリスクをご紹介します。通勤時間が睡眠に影響するのはなぜ?マイホームを購入するとき、少しくらい職場から遠くてもよいと考える人もいるかもしれません。しかし、通勤時間が長くなることで生活の質が下がることが、アメリカ・ブラウン大学の研究結果によって明らかにされました。同研究グループによると、通勤時間が1時間以上の人は、そうでない人に比べて睡眠時間が30.6%も短いと言います。その理由は、単純に起床時間が早くなることもありますが、通勤手段が自動車や公共交通機関になることから、運動時間が16.1%も少なくなるからだそうです。この研究はアメリカの統計ですが、日本でも運動不足に悩んでいる人は多いと言います。15歳以上の日本人は65%が運動不足を自覚していますが、これが睡眠不足を招いているんです。運動不足は不眠の要因だった!通勤時間が長くなると、運動する時間が取れなくなってしまいます。徒歩や自転車で通勤するという人もいますが、自宅と職場の距離が離れていると、どうしても自動車や公共交通機関での移動に頼らざるを得なくなってしまいます。これが運動不足ひいては睡眠不足の一因になっていると考えられます。厚生労働省は、週5日、30分以上歩いている人に比べ、それよりも運動頻度が少ない人は、寝つきが悪かったり、途中で目が覚めてしまったりするリスクが高いと発表しています。つまり、運動不足を解消するには、ときどき身体を動かすのではなく、習慣化することが大切なんです。睡眠不足は年収にも影響した!念願のマイホームをリーズナブルに購入できるなら、職場から離れていてもよいという人もいるかもしれません。しかし、通勤時間が長いと睡眠時間が短くなってしまうことから、生活の質が下がってしまう恐れがあることを覚えておきましょう。実は、「いい寝!フォーラム」によると、睡眠時間が短い人は年収が低くなりがちという調査が出ています。マイホームを安く購入したことがきっかけで生涯年収が下がる可能性があると考えると、郊外よりも都市部に物件を買ったほうがよいかもしれません。同調査では、睡眠時間の満足度を左右する時間はわずか41分。マイホーム購入に迷っている方は、少し価格が高くとも職場の近くの物件を買ったほうがよい人生を送れる可能性がありますよ!Photo by tokyoform
2015年03月20日昨年、晴れてマイホームを手にいれた人は、「今年は、住宅ローン控除の確定申告をしなければならない!」と思っているはず。「確定申告」と聞くと、それだけで敷居が高く、サラリーマンの妻にとってはドキドキなのでは? でも、住宅ローン控除についてザックリとしたイメージをつかんでおけば、随分と気が楽かもしれない。お話は、税理士の益田あゆみ先生に伺った。■家を買ったら確定申告が必要な理由とは? 住宅ローン控除とは、簡単に言えば「家を買って家計が大変でしょうから、税金を安くしてあげますよ」という国の制度だ。サラリーマンの場合、お給料は天引きなので、本来、家を買って安くなっているはずの税金分まで、余計にお給料から差し引かれてしまっている。この払い過ぎた税金を返してもらうための手続きが、「住宅ローン控除の確定申告(還付申告)」だ。■どうやって確定申告をすればいいの? 「確定申告書に不慣れな方は、持っていくべきもの(※1)を持って、税務署に行くのが一番です」と、益田先生。「税務署」と聞くと、怖いイメージがあるかもしれないが、確定申告期間中は、たくさんの係員が配置されており、記入の方法なども親切に教えてもらえる。税務署をむやみに恐れずに、まずは行ってみるのが、実は一番てっとり早いのだ。その際には、くれぐれも「持っていくべきもの」だけは忘れずに!※1: 国税庁のコチラのページ の「5 住宅借入金等特別控除の適用を受けるための手続」の(2)に記載■住宅ローン控除は1年目だけ確定申告が必要ちなみに住宅ローン控除は2年目以降、会社の年末調整で対応してもらえる。来年の10~11月頃、税務署から届く「住宅借入金等特別控除申告書」(※2)と、金融機関から届く残高証明書を添付して、会社で年末調整の手続きをすればいい。つまり、今年だけ確定申告をすれば、今後の税金が安くなる。そう思ったら、「えいやっ!」と頑張れるのでは? ※2:税務署からは9年分の控除証明書が届くので、該当する年だけ会社に提出し、残りの証明書は大切に保管しておく。■住宅ローン控除の申告が遅れてしまったら? 子育て中のママは、子どもの風邪などで、期限内に確定申告に行けないこともあるかもしれない。その際は、どうなるのだろう?「できるだけ早く、必要書類をもって手続きに行って下さい!!」と、益田先生。確定申告の期間が終わる3月15日すぎには、自治体はその年の住民税の計算を初めている。「その時点で確定申告の情報が届いていないと、税金を余分に支払うことになる可能性もあります」。もちろん確定申告をした時点で、払い過ぎた税金は戻ってくるが、二度手間になることは否めない。住宅ローン控除の確定申告は、申告期限に遅れないよう、早め、早めの準備を心掛けよう!
2015年02月11日夢のマイホーム購入をしたものの、住宅ローンに加えて駐車場代に固定資産税、マンションならさらに管理費、修繕積立金もかかり、思った以上にマイホームの維持費がかかる……とお悩みの方は多いことだろう。今回は住宅ローンで家計が火の車! という人に向けて、ファイナンシャル・プランナーの菅田芳恵さんにアドバイスをしていただく。○住宅ローンの返済額を減額住宅ローンは、毎月の返済額を変えることができます。しかし、減額すれば当然期間が長くなり、利息もより多く支払うことに。この方法は、マイホームを手放さないための最後の手段です。○家計を見直すむだな出費がないか、家計を見直します。生活費以外にも意外に無駄遣いをしているものです。毎月の支出を事前に決めておいてそれ以上は使わないようにしましょう。○生命保険の死亡保障額を見直す住宅ローンを組むときには、ほとんどの人が団体信用生命保険に加入しています。金融機関の住宅ローンであれば、必ず加入しなければならないもの。契約者が死亡した時に支払われる保険金でローンが相殺され、遺族にはマイホームが残る仕組みです。そのため、これを機に今までの生命保険を見直して死亡保障額を減らすことが賢い方法です。これで保険料も安くなります。○車を手放すマイカーは維持費がかかるもの。自動車税や自賠責保険、任意保険、ガソリン代、車検費用などで、駐車場代がさらにかかるケースも多いことでしょう。これらを合わせると年間数十万円にも。これからの旅行は公共交通機関、買い物は自転車と決めれば安く済みます。特に自転車はダイエットにもなるので一石二鳥です。○マイホームを売却しても借金は残るマイホームは、購入した金額から年々下がるケースが大半。なので、マイホームを売却してもローンが完済できないことはよくあります。つまり、借金が残ったまま今度は賃貸住宅の家賃を支払い続けるというわけです。そうなると以前と支出はそう変わりません。そこで、やはりマイホームの売却は最後の手段として、無駄な出費を見直して、それでもダメなら返済額を下げる。専業主婦の家庭なら、妻が職に就くということも考えねばなりません。
2015年01月30日夢のマイホームを手に入れる手段として、住宅ローンの利用を検討する方が多いでしょう。「金利の低い変動金利と最後まで安心の固定金利のどちらを選ぶべきか」という悩みは永遠のテーマですね。今回は、住宅ローンの金利タイプの選び方のポイントをおさらいしてみましょう。■変動・固定 金利、みんなはどっちを選んでいるの? 実際に住宅ローンを組んだ人は、いったいどちらを選んでいるのか、気になりませんか。住宅金融支援 機構「民間住宅ローン利用者の実態調査2014年1月2月期」によると、変動金利42.8%、固定期間選択型33.7%、全期間固定金利23.5%という結果でした。やはり、実質1%を切る変動金利の低さに魅力を感じている方が多いのですね。2014年7月のイオン銀行の変動金利ですと、0.57%という驚くべき低さ。ちなみに、固定期間選択型を選んだ方は、10年固定型を選んだ方が最多でした。おそらく住宅ローン減税期間の10年で完済してしまおうという計画なのでしょう。・固定金利のメリットとデメリットメリット:金利が変わらない安心。将来設計がたてやすい。デメリット:変動金利より金利が高くなる。・変動金利のメリット・デメリットメリット:1%を切る金利の低さ。デメリット:将来設計がしにくい。未払利息が発生するリスク。■住宅ローン金利の選び方のポイント3つポイント1 性格で選んでみようあなたは物事を楽観的に捉えるタイプですか。それとも、何か考え始めてしまうと悲観的な思考にとらわれてしまいがちなタイプですか。悲観的になってしまうネガティブタイプの方なら、全期間固定金利を選んでおいた方が心休まることでしょう。固定金利なら、最後まで毎月の支払額が変わらない安心が手に入ります。変動金利ほどではありませんが、35年ローンでも2%以下の商品がある超低金利時代なのです。ポイント2 リスク許容度で選ぼう1)月々の返済額が上がっても耐えられる家計である2)子どもの教育費の掛かる時期はもう終わっている上の2つの問いに対して、どちらも「はい」と答えられるご家庭であれば、金利が上がっても返済に行き詰まる可能性は低いので、変動金利を選ぶことができます。反対に、今の変動金利の返済額を返すのがやっとだったり、子どもの教育費がかかる高校生や大学生になる年齢まで住宅ローンを組む予定なら、将来的に住宅ローンの負担に苦しむことになります。ポイント3 最後は自分の好みがいちばん住宅ローンの選び方について、いろいろお話してきましたが、結局のところ、あなた自身の好みが一番なのです。この先金利が急上昇するのかしないのかは誰にも分からないのですから。固定金利と変動金利、それぞれのメリット・デメリットをしっかり確認した上で、自分が選びたい方を選びましょう。そして、自分で決めた事を誰のせいにもせず、自分の選択に責任を持ちましょう。それが一番シンプルで満足度が高い方法です。<参考リンク> 独立行政法人 住宅金融支援機構
2014年08月25日マイホーム選びの押さえるべきポイントを整理した本特集もいよいよ最終回。 「これからマイホームを買う人が知っておきたい3つの常識」 、 「マイホーム選びは立地が全て」 の他に、“未来のマイホーム勝ち組”になるためにチェックすべきポイントを整理して仕上げとしよう。■その1 マンションは“管理”を買う“ご近所付き合いが面倒だから、マンションにする”。そう考えているのであれば、それは目先のことしか考えていないと言えるだろう。マンションを購入するということは、所有者となったあなたは、マンションの管理組合の一員となり、マンションという財産を共同で管理していかなければならないからだ。現在、マンションの管理組合が機能せず、大規模修繕などがうまくいかずににっちもさっちもいかないマンションがたくさんあることは知っておくべきこと。そうならないためにも、マンションを買う場合は「管理組合がどうなっているのか? 実際にどんな管理が行われているのか?」そういった視点は必須だ。■その2 自治体を選ぶ「自治体を選ぶ」という視点も欠かせない。ある自治体では財政が厳しく、行政サービスが縮小傾向である一方、ある自治体は税収が豊かで行政サービスが充実している。こうした格差が目に見えて起きてくるのが、これからの時代だ。住む地域を決める時、まずすべきことは、自治体のホームページを確認するなどして、運営状態や財務状況、方針をチェックすること。ほとんどの自治体がインターネット上で情報公開をしている。不動産の価格には、自治体の経営状態や行政サービスの質も含まれているは知っておきたい。■その3 省エネかどうか「え? 最後がコレ?」と思った人もいるかもしれない。私も当初、長嶋さん主催の勉強会で「省エネ」という視点を聞いた時は「???」と思ったものだ。日本では、2020年に省エネ基準が義務化される。たとえばドイツでの脱原発をするための方法論の半分は、「エネルギーを使わないこと」、つまり建物の省エネを高めることを追求する方向だ。「日本でもいつか必ず、住宅の省エネ性能を徹底的に追及する日がやってくるでしょう」と長嶋さん。ゆえに、可能な限り省エネ性能の高い住宅を選ぶことは、長い目でみれば、住居費の大幅な削減となることも念頭に置いておきたい。マイホーム購入は、人生の最大の買い物。目先のことにとらわれず、長いスパンを見据えた視点で選びたいものだ。特集 マイホームは、今、本当に買いなの?【住宅購入のポイント1】 これからマイホームを買う人が知っておきたい3つの常識【住宅購入のポイント特集2】 マイホーム選びは立地が全て【住宅購入のポイント特集3】 参考/ 「これから3年 不動産とどう付き合うか」(日本経済新聞社) 長嶋修(著) 本体¥1,400+税
2014年07月29日「 これからマイホームを買う人が知っておきたい3つの常識 」は、押さえた。その上で知っておくべきことは何だろう? 引き続き不動産のプロ、長嶋修さんにお話しを伺った。 ■日本の人口は急激に減る唐突な話かもしれないが、日本の人口は2004年がピークで、今後100年で100年前(明治時代後半)の水準に戻っていく可能性が高い。「それが、マイホーム購入とどう関係あるの?」と思う人もいるかもしれないが、実は大きく関係する。ウーマンエキサイトママ世代が老後を迎える50年後には、人口は今の3/4となるので、空き家が増える。「空き家の多い地域は治安も悪くなり、スラム化していく可能性が高いのです」と長嶋さん。■今後、有望な地域はどこか?確実に訪れるであろう人口減・高齢化、そして人気のない地域のスラム化。そうであるなら、「もし買うとしたら、どこにマイホームを持つべきなのか?」という視点が必要になってくる。「たとえ立派な建物でも、それがニーズのない立地にあるのなら資産価値はありません。即ち住宅選びの要諦は何よりも“立地選び”なのです」。長嶋さんに今後有望な地域をいくつかあげてもらった。特集 マイホームは、今、本当に買いなの?【住宅購入のポイント特集1】 これからマイホームを買う人が知っておきたい3つの常識【住宅購入のポイント特集2】 マイホーム勝ち組になるための3つのチェックポイント【住宅購入のポイント特集4】 参考/ 「これから3年 不動産とどう付き合うか」(日本経済新聞社) 長嶋修(著) 本体¥1,400+税
2014年07月28日「 マイホームは、今、本当に買いなの? 」という問いの答えはYES。でも、後悔しないマイホーム選びをするためには一定の知識が必要だ。どんなことを知っておく必要があるのか? 引き続き、不動産のプロ、長嶋修さんに伺った。■その1 マイホーム関係の税金軽減制度を知る国は各種支援策で、マイホームの購入を支援している。支援策の内容を知り、上手に使いこなすことで、税金を安くしたり、ライフプラン作成に役立てよう。■その2 景気によって不動産価格は大きく変動する「住宅の価格というのは、200~300万円なんて平気で上下動するんですよ。とりわけ新築市場は、イメージでいうと築地の市場のようなもの。“今日は魚が大漁”とか“野菜がたくさん採れちゃった”といったノリで、供給数に対して買う人が少ないと、相場は下がります」と、長嶋さん。不動産価格は、私達が思っているよりも“生物(なまもの)”なのだ。それだけに不動産価格の変動を知るために、世の中の様子に敏感になる必要がある。どんな局面だと、住宅価格はどうなるか? ザックリ押さえておこう。■その3 中古市場は物件の見極めが重要年々、中古住宅への関心は高まっている。周囲にも、新築ではなく、敢えて中古住宅を選ぶ人が増えているのでは? 中古住宅は、消費税がかからないケース(売主が個人の場合)もあるので、増税も追い風となるかも。「中古住宅を買って住むというトレンドは、今後も続いていくでしょう」と、長嶋さん。中古住宅を購入する時は、物件の見極めが重要だ。「プロの視点で見ると、中古住宅の品質はピンからキリまであります」。今までは、中古住宅については「25年経ったら、住宅の価値は一律0円になる」とされていた。今後は、「資産性の高い中古住宅」「資産性が0に近い中古住宅」、その差が出てくる。この大きな流れの変化は、是非とも知っておきたい重要事項だ。特集 マイホームは、今、本当に買いなの?【住宅購入のポイント特集1】 マイホーム選びは立地が全て【住宅購入のポイント特集3】 マイホーム勝ち組になるための3つのチェックポイント【住宅購入のポイント特集4】 参考/ 「これから3年 不動産とどう付き合うか」(日本経済新聞社) 長嶋修(著) 本体¥1,400+税
2014年07月27日最近、「マイホームを購入するなら、今がチャンス!」といった話をよく聞く。“マイホーム購入適齢期”のウーマンエキサイトママ達は、そんなニュースが気になっているのでは? 人生最大の買い物であるマイホーム。目先の情報に振り回されず、本当にお得な買い物をするために、どんな視点が必要なのか? 不動産のプロである長嶋修さんに伺った。■マイホームは、今、本当に買いなの?「マイホームは、今、本当に買いなのでしょうか?」。取材の冒頭で率直に長嶋さんに聞いてみた。答えは、YES。「短期的に見れば、今が買い時なのは確かです。これから3年は、不動産は、“上昇サイクル”に入りますからね」。長年、不動産市場を見てきた長嶋さんは、不動産の価格が“上がる”とは言わず、“上昇サイクルに入る”という表現をした。■駅近、徒歩7分不動産価格が上昇するエリアは極めて限定的だ。具体的には、首都圏の都心や地方の大都市の中心地、あるいは、特別の状況を作ることができた立地だけ。長嶋さんは「駅近、徒歩7分」というキーワードを教えてくれたが、駅から近いことも必須条件となる。上昇サイクルに入るということは、価格が低い今の段階で購入すれば、今後、マイホームの価値が上がることになる。「どうせ一生住み続けるんだから、“マイホームの価値”なんて関係なくない?」と思う人も多いだろう。でも、違うのだ!■住宅で資産形成をするという発想今、マイホーム購入適齢期を迎えている人達の多くは、親が住宅を買って損をしている世代だ。購入価格より住宅の価値が下がり、売ろうにも売れない。もしくは売ったとしても、大幅な赤字になる、親たちには、そんな未来がウッスラと見えている。かつての日本は、家を買えば資産になった。土地の価格が上がっていたから、若い時に買った家が、2倍、3倍の価値となるので、家を買うことが資産形成となった。「今でも価値の落ちない、あるいは落ちにくい住宅を選んだ人は、特に意識しなくても自然と自然形成でき、長い人生を通してそれなりに豊かな生活を過ごせるでしょう。しかし、そうでない住宅を選んだ人は、単にお金を垂れ流すだけの“負債住宅”を選んだことになります。両者の資産格差は数千万円にもなるのです」つまり“資産価値を持ち続ける家を買えたか否か”で、将来が大きく変わってくるのだ。■マイホーム購入を楽しもう“資産価値を持ち続ける家”を選べば、不要になった時に相応の価格で売ることができ、持家に縛られない人生が送れる。では、そのために何をすればいいのだろう?「マイホーム購入という大きな決断をするとき、そこには“魔物”が潜んでいます。一世一代の大きな買い物の場面では、だれもが気分が高揚します。後から振り返れば、どうしてそんな決断をしてしまったのだろう、と思うこともよくあるそうです。読者の皆さんはどうぞ落ち着いて、まずはしっかり勉強して、一定の知識や見識をつけ、そのうえでマイホーム購入のプロセスを楽しんで下さい。この“プロセスを楽しむ”というのは、後になってマイホーム購入の満足・納得感を大きく左右します」特集 これからマイホームを買う人が知っておきたい3つの常識【住宅購入のポイント特集2】 マイホーム選びは立地が全て【住宅購入のポイント特集3】 マイホーム勝ち組になるための3つのチェックポイント【住宅購入のポイント特集4】 参考/ 「これから3年 不動産とどう付き合うか」(日本経済新聞社) 長嶋修(著) 本体¥1,400+税
2014年07月26日前回は、3つの制度のうち「住宅ローン減税の拡充」と「すまい給付金」についてお話ししました。2,000万円を超える住宅ローンを組む場合、消費税が上がる前に購入するよりも有利になるケースがあること、すまい給付金は住宅所有者の所得等によって定額で支払われることをお伝えしました。今回は、3つ目の制度「住宅取得等資金贈与の特例」の仕組みと、これらを使った活用術について紹介します。「住宅取得等資金贈与の特例」とは何か消費税が10%に上がる前に家を購入したいと思ったとき、悩ましいのが自己資金の問題ではないでしょうか。「なるべく早く買いたいけれど、頭金が十分に貯まっていない・・・」。そんなときに検討したいのが、「住宅取得等資金贈与の特例」です。住宅取得等資金贈与の特例とは、実の父母や祖父母等の直系尊属から、住宅取得等資金の贈与を受けた場合に適用される、非課税制度です。親から子へ、祖父母から孫へ、マイホーム取得等のための資金を贈与する際に、通常の贈与(暦年課税等)とは別に贈与税を非課税にする枠を設ける、というものです。期間限定の制度で、年内で終了予定となっているものです。2014年中の贈与であれば、2015年3月15日までに引き渡し(または棟上げ状態になっている)が完了し、同期日内に申告すれば、贈与を受けた人1人につき、所定の省エネ・耐震対応住宅で1,000万円まで、その他の住宅で500万円までの贈与が非課税になります。暦年課税の基礎控除110万円と合わせて使えるので、贈与を受ける人1人あたり1,110万円(省エネ・耐震対応住宅の場合)、または610万円(その他の住宅)までの贈与に関しては贈与税がかからないことになります。住宅資金贈与を受ける場合の注意点この制度を利用する場合の注意点は、次に挙げる2つです。契約前に、棟上げ・引き渡し時期を確認する住宅資金をもらった時期が記録に残るようにしておくこれから家を建てるという場合は棟上げ(屋根が完成している状態)のタイミングを、建売住宅やマンションを購入する予定なら、引き渡し時期がいつになるかを必ず確認しましょう。たとえば、2014年3月に実父から500万円、実母から100万円の贈与を受けて、現在工事中の分譲マンションの売買契約を締結したとしましょう。2015年2月に引き渡され、同年3月15日までに贈与税の確定申告を行ったら、2014年贈与分の特例が適用されます。しかし、2015年4月の引き渡しとなると、この特例の対象とならず、通常の贈与として基礎控除110万円を差し引いた、490万円に対する贈与税82万円を納めなければいけなくなります。年内に親や祖父母からの贈与をもとにマイホームを取得する場合は、売買契約を結ぶ前に引き渡し日、または棟上げ状態になる日を必ず確認しましょう。メリットを活かしつつも、振り回されない対応を2回に分けて3つの制度(「住宅ローン減税の拡充」「すまい給付金」「住宅取得等資金贈与の特例」)について解説しました。最後に、利用するにあたっての考え方を整理しておきます。まず、いずれの制度も生活ありきです。制度をフルに利用しようとするあまりに、住宅ローンを借りすぎたり、父母等の老後の生活に支障をきたすほどの贈与をお願いしたりしないこと。住宅ローン減税の拡充のみに注目すると、2,000万円超4,000万円以下のローンを組むのが賢明に感じますが、最も重要なのは「無理なく返済できるかどうか」です。高額なローンを組むために返済期間を長期で設定するなら、繰り上げ返済の計画も同時に立てておくこと。制度に振り回されてはいけません。共働きの場合は、夫婦で互いにローンを組むことを検討しましょう。それぞれが住宅ローンを組むことになるので、各自で住宅ローン控除、すまい給付金、団体信用生命保険(団信)の対象になります。パートナーに万一のことがあったときの死亡リスクを分散させることができますし、それぞれで住宅ローン控除が使えるので、「借入額を2,000万円以上にしないと、住宅ローン減税拡充の恩恵が受けられない!」なんて悩まなくてすみます。すまい給付金は50歳未満の場合、「住宅ローンを組んだ住宅所有者」が対象者となるので、それぞれの親等から贈与を受けたとしても、住宅の持分割合相当の給付金をそれぞれが受けられます。親と同居する家を購入する場合で、親から資金援助の話が出た場合は、「住宅取得資金贈与」として取り扱うか、「親が出した資金分を、親の名義として登記するか」が問題になります。相続税対策として行うのであれば、住宅取得資金贈与として取り扱うのが賢明です。相続税の心配のないケースであれば、主に住宅ローンを組む人の所得に応じて判断するとよいでしょう。すまい給付金の対象とならないのであれば、親負担分を親名義にしておくことで、親自身がすまい給付金の給付対象になる可能性があります。それぞれの制度の特徴を理解した上で、賢く利用してください。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2014年04月17日マイホームは家族の夢。いざ、買おうというときに「しまった!」となりやすいのが、物件価格以外の諸費用の準備です。新築で物件価格の3~5%、中古物件で6~9%かかるといわれています。しかし、この金額幅がクセモノ。3,000万円の新築マンションなら3%で90万円、5%で150万円と、60万円もの開きがあります。大きな買い物ですから、できる限り出費は抑えたいですよね。今回は諸費用を節約する5つのポイントをご紹介します。「不動産取得費用」と「ローン関連費用」の2種類がある諸費用は「不動産取得にかかる費用」と「住宅ローンを組むときにかかる費用」の大きく2種類に分けられます(表参照)。表:マイホーム購入にかかる諸費用【概要】詳細につきましては、国税庁等のホームページ等でご確認ください。上記のほか、不動産取得費用として、不動産所得税、固定資産税、都市計画税が入居後にかかります。(都道府県・市町村等により異なります)(例)東京都主税局不動産取得費用に関しては節約の余地はありません。しかしローン関連費用については、どこで融資を受けるかどんなローンを利用するか契約時の設定をどうするか…によって金額が異なります。たとえば、最近流行りのミックスローンの場合、複数のローンを組むので、1つのローンで借り入れをする場合に比べて、ローン事務手数料は高くなることが多いです。ローン関連費用のなかで、工夫次第で当初の諸費用を抑えることができる5つの費用を紹介します。(1)ローン保証料住宅ローンの場合、連帯保証人を立てる代わりに金融機関が指定する保証会社と保証委託契約を結ぶのが一般的です。このときに発生するのがローン保証料です。住宅金融支援機構のフラット35や一部の金融機関で取り扱っている住宅ローンには、ローン保証料が無料のものがあります(ただし、フラット35の場合には団体信用生命保険の保険料が別途かかります。また、ローン保証料が無料の金融機関では、ローン事務手数料を徴収するところがほとんどです)。ローン保証料については、一括前払する方法と、毎月の返済に加えて支払う方法があり、どちらを選択するかでトータルコストは異なります。(2)ローン事務手数料住宅ローンを借り入れる際の事務費用です。「借入額にかかわらず一律31,500円」等の定額タイプが主流ですが、「融資金額×2.1%」等の定率タイプもあります。(3)団体信用生命保険料住宅ローンの返済途中で契約者が死亡・高度障害になった場合に、契約者本人に代わって生命保険会社が住宅ローン残高を支払うというものです。大半は借入金利の中に含まれていますが、フラット35等一部のローンは有料で、借入残高等と特約料率に応じて算出した保険料を毎年支払うことになります。無料の場合でも、がん保障付き住宅ローン(死亡等に加えて、がん(悪性新生物)と診断されれば残債を清算するもの)や三大疾病付き住宅ローン(同様に、がん、急性心筋梗塞、脳卒中で所定の状態になった場合に残債を清算するもの)等を付加した場合は、融資金利が0.2~0.3%上乗せされることが多いです。なお、団体信用生命保険に加入した場合、契約者である世帯主が亡くなると、以後の住宅ローンの返済義務はなくなります。生命保険で高額な死亡保障を備えている家庭は保険の見直しを行いましょう。生命保険の保険料を軽減することができるかもしれません。(4)火災保険料住宅ローン契約時に入る火災保険については、不必要な補償を削ることで節約できます。たとえば、水災リスクの低い立地・建物の場合は水災補償を、高セキュリティのマンションなら盗難補償を外す・・・といったように、優先順位の低い補償(特約)から見直していきましょう。建物の火災保険を付けることが住宅ローン締結の要件ですが、必ずしも住宅ローンを組む銀行で付けなければいけない、というわけではありません。火災保険の保険料も自由化していて、各社で料金設定が異なります。2~3の保険会社に見積りをとって、比較検討するとよいでしょう。(5)司法書士報酬等登記は司法書士に任せるのが一般的ですが、自分で手続きをすることもできます。ある程度の専門知識は必要ですが、登記の勉強をしたり、法務局に出向いたりする等の時間がある方なら、司法書士報酬分を節約することができるので、チャレンジする価値があります。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2013年12月26日マイホーム購入額は年収の5倍が基本とされています。単純に、3,000万円の住宅を購入するには年収600万円が必要という計算になります。しかし、世の中の多くの仕事が年収600万円稼ぐのが難しいのに比べて、3,000万円台の住宅が多いのも現実。「では、どうする?」と考えたときに、引っ張りだされてしまうのが「お父さん、お母さんからの資金援助」です。しかし、例えば年収400万円のご家庭が3,000万円の住宅を購入する場合、足りない差額分1,000万円をちょーだい!と言いたいのは山々ですが、両親に切り出すのもためらわれるし、言われたほうの両親も突然困ってしまいますよね。では親からの資金援助、実際に他の家庭ではどれくらいもらってるのでしょうか?■親の資金援助、平均相場は?国土交通省の「平成23年度住宅市場動向調査について」によると、注文住宅の場合、全資金のおよそ4.8パーセントが贈与という結果が出ています。贈与というのは、住宅購入にあたって親からの資金援助を受けたり、贈与税の対象となるお金の援助が含まれます。この統計によると、注文住宅を新築する場合、建物総費用の5.2パーセント、土地取得費用の5.4パーセントが贈与対象ということです。3,000万円の注文住宅で土地代が1,000万であれば、210万円の資金援助があるということになります。その他、分譲住宅であれば3.7パーセント、3,000万住宅であれば111万円。中古住宅であれば3.3パーセント、3,000万住宅であれば99万円という平均値のようです。また、総住宅購入資金のうち、およそ3割が自己資金、7割が住宅ローンという内訳の方が多いとのこと。「親からの資金援助があるかも?」と甘い期待を抱く子どもは多いかもしれませんが、家が買えるほどの預貯金を親が持っていることは中々ないようです。■新築住宅の平均費用は3,493万円平成20年住生活総合調査の調査結果(国土交通省)によると、全国で新築の住宅を購入する場合の費用平均は3,493万円という結果があります。それに対して国税庁の行う「民間給与実態統計調査結果について(平成23年度)」によると、男性一人あたりの平均給与は500万円となっています。つまり、多くのご家庭では、年収の6倍をこえる住宅を購入しているということなのです。ということは、お父さん、お母さんは子どもから「最後のお願い!」をされる可能性が十分あるといえます。お父さん、お母さんもお子さまも、家族全員が安心して暮らせるように、みんなで将来設計をたてることが大切といえるでしょう。また、お父さん、お母さんは、しっかり財布のひもを握りしめておかなければ…なんてことも、もしかしたらあるのかもしれませんね。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年01月13日「そろそろ2人目が欲しい」「子どもが快適に過ごせるように、今より広い家に住みたい」「これからずっと家賃を払い続けるなら、自分たち好みの家に住みたい」子どもの成長のためにも毎日の生活環境には気を配りたいのは当然。そこで今回、最近そんなこと漠然と考えている人におすすめの、役立つ無料イベントをご紹介。今、おうちスタイルユーザーをはじめ奥様たちの間で話題沸騰の、LIXIL東京ショウルーム。ここで最新キッチンやバスを体感しながら、我が家の理想のイメージづくりから資金計画や住宅ローンの選び方まで、今後の家族計画に欠かせない情報が手に入る『知って得する!賢い住まいの購入術』。ショウルームでは実際のリフォーム事例を見て、楽しく「自分たちらしい住まい」をイメージ。また、内窓1枚で変わる体感温度や、床材で変わる部屋の雰囲気など、最新技術や素材を、目で見てさわって実感。「こんな家に住みたい!」という気持ちが高まりそう。注目のセミナーでは、・新築と中古、どっちがメリットある?・どの金利タイプのローンが一番お得?・物件決定前のチェックポイントは?・価格の妥当性ってどうやって調べる?・自分にあった資金計画、どうたてる?・不動産屋さんってどう選ぶべき?などなどよくある質問例を含めたわかりやすい情報を、物件選びのプロと資金計画のプロが伝授してくれる。本格的に考えたい人は、セミナー終了後もそれぞれのプロにメールで個別相談できるという、かなり親切な内容。この貴重なイベント、少しでも興味がぜひ足を運んでみてほしい。■イベント詳細 『知って得する!賢い住まいの購入術』 日程:12月16日(日) 13:30~(13:15より受付開始)会場:LIXIL 東京ショウルーム費用:無料(事前登録制)定員:20組(ご同伴者様の参加も可)主催:ニフティ株式会社注目の講師は誰?その他イベント詳細は >>コチラ
2012年11月29日「マイホームを買うときは、生命保険を見直して毎月支払っている保険料を削減し、家計を節約するチャンス!」とよく言われます。ただこれは、マイホームを買うまでにちゃんと必要十分な生命保険に入っていた場合の話。もともと十分な保険に加入していなかった人などは、住宅の取得が保険料の削減に結びつかないケースもあります。マイホームを買う人の多くは、自己資金だけでは足りない資金を住宅ローンを使って工面します。そして、住宅ローンを組むとき、ほとんどの民間金融機関では団体信用生命保険(以下、団信)の加入を義務づけられます。団信に加入していると、住宅ローンの返済中に借りている人が死亡・高度障害状態になった場合、その時点のローン残高と同額の保険金が金融機関に支払われます。そのおかげで遺族はその後のローン返済を免れることができます。家族にとっては、一家の大黒柱でもある世帯主が死亡したときの備えとなります。また金融機関にとっても、貸したお金を確実に回収する手立てをあらかじめ講じることができます。団信は、ローン契約者に健康上の問題がなければ加入することができます。そして、加入できれば保険料は金融機関の負担、つまり、契約者からみるとタダになります。なお、「フラット35」という住宅ローンは、団信への加入が強制ではなく任意で、加入する場合の保険料は契約者の負担になります。「住宅ローンを借りるときに、なかば強制的にもう1本生命保険に入るのだから、これまで加入していた生命保険と合わせると保障が過剰になるはず」というのが、「マイホーム購入時の保険見直し・保険料削減」の”リクツ”ですが、それは、これまでどんな保険に加入していたかによります。不測の事態が発生したときに団信のおかげで負担が減るのは、住宅ローンの返済だけ。ということは、それまで加入していた生命保険に住居関係費用の保障が厚く乗っていた場合にのみ、保障内容を見直して保険料を削減することができることになります。たとえば、家を買う前に賃貸住宅暮らしをしており、万が一世帯主が死亡したあとも、遺族がずっと賃貸暮らしを続けるという前提で保障額を決めていた場合などです。長期間の家賃が保障額に盛り込まれているため、保険金額は高くなっているはずです。このような人が、住宅ローンを借りて団信に入ると、家賃分の保障を削減でき、毎月支払う保険料を削って家計をスリム化することができるのです。一方、家賃分を保障額に組み入れていない保険に入っていた場合は、たとえ見直しをしても保険料は削減できません。たとえば、世帯主が死亡したら配偶者が実家に戻ったり、働いて収入を得ることを前提に保障額を決めていた場合などです。また、夫婦ともに、入っている保険が医療保険や個人年金保険だけで、死亡保険に入っていない場合なども同様です。とはいえ、自分が入っている生命保険に、どんな保障が、いつまでついているのかを正しく把握している人は多くなさそうです。申し込むときに理解したつもりでも、時間が経つと忘れてしまいがち。そのうちに、子どもができて家族構成が変わり必要な保障額が変わってしまったりします。マイホーム購入のような人生の重大な決定をするときや、節目となるライフイベントを迎えるときは、加入している保険の内容を分析し、どんな保障がいつまで続くのかを確認するキッカケにしたいものです。必要な保障が必要な時期まで過不足なく確保できている状態がベスト。不足していたら保障を新たに加え、過剰なら削減する。そうすることでマイホームでの新生活は、いっそう安心できるものになるはずです。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月22日