ビューティ瞑想で美しく変化する株式会社志麻ヒプノ・ソリューションは、美容・アンチエイジング、ストレスケアを習慣的にメンタルサポートするコンテンツ『インナービューティ』『ストレス エイジングケア』の配信を10月1日に開始した。配信元は、アマゾンジャパン、オーディブル、iTunes Store、audiobook.jpなどである。同社は、音声を聞きながら手軽にセラピー体験できる「オーディオセラピー」を2009年から制作している。これまでに130点以上のヒーリング・瞑想コンテンツを制作しており、近年は、健康や美容面に働きかけることを目的としたコンテンツを展開している。潜在意識下での習慣に同社は、今期のコンテンツにリスナー自身の潜在意識(無意識)レベルで目的に合う作用を実感しやすくするために、ソルフェジオ周波数とアファメーション(肯定的なメッセージ)を挿入した。聴覚として認識するサウンド・言葉による誘導に加えて、特別な周波数と言葉の波形のみによるアファメーションを組み込んでいる。『インナービューティ』と『ストレス エイジングケア』は、各20分のコンテンツであり、スマートフォンやタブレットから手軽に体験が可能である。人間の細胞の回復やDNA修復に作用すると言われるソルフェジオ周波数528Hzと、美に対する30個のアファメーションを音源に挿入しており、潜在意識レベルから美容とストレスによるエイジングケアに特化した内容になっている。販売価格は、各2,800円。(画像はプレスリリースより)【参考】※プレスリリース株式会社志麻ヒプノ・ソリューション※志麻ヒプノヒーリングオーディオセラピー
2018年10月06日今、この瞬間、目の前にあるものに五感を使って向き合う“マインドフルネス”。強いストレスや心身の疲れを解き放ち、心と体を整えてくれます。マインドフルネスで得られる効果を紹介します。しなやかで強い心を持った、美しい女性を目指しませんか?マインドフルネスとは出典:byBirth近年、メディアで“マインドフルネス”が取り上げられることが増えました。実際、ヘルスケアに関する雑誌やWebメディアで紹介される機会が多くなったと筆者自身感じています。注目度上昇中のマインドフルネスについて学んでいきましょう。日本マインドフルネス学会の定義日本マインドフルネス学会では、マインドフルネスを「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と定義してます。簡単に言うと、その瞬間にひたすら集中して、その瞬間を感じ取ること。“今”を五感をフルに使って感じることです。例えば、お気に入りのお店のケーキを買ってきたとします。友人とおしゃべりをしたり、スマホを操作したりしながら食べることが多いのではないでしょうか?こんな風に「なんとなく食べる」のが、私たちにとっては日常ですよね。1つのことではなく、あれもこれもとアクションが増えてしまいます。マインドフルネスでは、ケーキを食べるときに見た目を楽しむ・甘い香りを楽しむ・一口ずつしっかり味わう・スポンジの風味やふわふわの食感を感じる・クリームのまろやかさやなめらかな舌触りを楽しむといった具合に、今の行動に対して、全身全霊を傾けます。マインドフルネスは多くの分野で取り入れられているマインドフルネスは、ビジネスパフォーマンスのアップやメンタルケアのほか、スポーツや教育など様々な分野で取り入れられています。アメリカではグーグルなどの大企業でマインドフルネスが活用されているそうです。マインドフルネスは心理療法としても注目されています。ストレスによる自律神経の乱れやうつ病の心理療法として活用されています。マインドフルネスで得られる効果出典:byBirthマインドフルネスで物事を捉えるようになると、情報や誰かの意見に流されることはなく、目の前の物事や自分の感情を客観的に受け止められるようになります。五感が研ぎ澄まされて、心はリラックスした状態になるので、さまざまな効果が期待できます。近年の研究では、マインドフルネスには脳の疲労回復・ストレスを減らす・自律神経を整えるなどの効果があると実証されているようです。マインドフルネスの効果を知り、実生活に役立てたいものですね。ストレス解消出典:byBirth仕事の休憩時間のコーヒー、お風呂に入っているとき、眠る前のストレッチなど、リラックスタイムでストレスを解消しているという人も多いことでしょう。ですが、実際はそのリラックスタイムにどれくらい集中していますか?仕事の休憩時間なら、次の業務フローを考えることもあるでしょう。お風呂に入っているときは今日一日を振りかえり、失敗をくよくよすることも。寝る前のストレッチをしながらテレビを見たり、スマホをいじっているなんて場合もあるはずです。マインドフルネスは、“今、この瞬間”にひたすら集中します。雑念によって思考がバラバラになる状態ではなく、集中型のリラックス状態に入るので、心身のストレスをより効果的に解消できます。集中力アップ出典:byBirthマインドフルネス瞑想などで、“今”に深く集中する時間をつくることは集中力をUPさせるトレーニングになります。瞑想を毎日続ければ、1つの物事に集中する思考が身に付きます。また、雑念を取り払って一つの物事に集中するので、思考の整理にも役立ちます。思考がクリアになって、仕事や勉強などのパフォーマンスも向上しますよ。感性が豊かになる出典:byBirth“今”を見て、聞いて、触れて、嗅いで、味わってと五感をフル活用するマインドフルネスを身に着けると、物事に対する感覚が鋭くなります。今まで以上に心を揺さぶられる出来事に出会えるはずです。また、他者とのかかわりにおいても、相手の気持ちにしっかりと寄り添えるようになるでしょう。マインドフル瞑想をしてみよう出典:byBirthマインドフルネスの効果を感じるのに取り組みやすいのが、マインドフル瞑想。心を落ち着かせて瞑想の状態に集中します。雑念がわいても、それを取り払って再度集中を繰り返します。難しく考えずに、リラックスして、楽しみながら行いましょう。姿勢を整えて座る深呼吸を数回行って、呼吸を整える目を閉じるゆっくりと鼻呼吸意識は呼吸に集中させ、呼吸によるお腹の動きを感じる数分から20分程度行う終わったら、ゆっくりと目を開く心の美しい女性を目指そう出典:byBirthマインドフルネスは、決して難しいものではありません。マインドフル瞑想は難しそうと感じるなら、最初は「見る」ことからはじめてみるのがおすすめ。日々の空の美しさ、道端の花、大切な人の表情など普段何気なく見ている物事1つ1つに集中してみましょう。内面の美しさは、外見にもにじみ出るもの。マインドフルネスを続けることで、しなやかで美しい心を育てましょう。
2018年09月08日秋の夜空の下で東京ミッドタウンは、この秋に開催するイベント「MIDTOWN RELAX PARK 2018」(ミッドタウン リラックス パーク)において、夜間のヨガと瞑想プログラムを行います。「ムーンヨガ」は1日2回2018年9月14日(金)から10月8日(月)まで開催されるイベント内の同プログラムは、「ミッドパーク ムーンヨガ & サンセット メディテーション」。期間中頻繁に実施される「ムーンヨガ」は、夜間に2回を予定しています。9月24日(月)は中秋の名月なので、特にお勧めです。夕暮れ時に瞑想を深めて土曜日に開催される「サンセット メディテーション」は、夕暮れ時に行うヨガを通じて、深い瞑想を体感する新しいプログラム。心の静寂とともに身体を整え、リラックス効果を得ることができます。なお、料金は無料で、定員は各回700名です。(画像はプレスリリースより)【参考】※東京ミッドタウン 公式サイト※プレスリリース
2018年07月26日昨今ヨガブームで、様々なタイプのヨガがありますよね。中でも大事な要素である“瞑想”はヨガには不可欠です。リラックス効果があり思考をリセットする効果は医学的・科学的にも研究されています。そんな瞑想は大人だけのものと思われがちですが、実は小さい子どもにも有効なのです。どんな効果があり、子どもが行うにはどのようにしたらよいのでしょうか。1. 瞑想の効果アメリカのある州の小学校では、問題行動を起こす生徒に対し悪いことをした時に行っていた「居残り指導」を「瞑想」に変えたところ、子ども達の行いが良くなり出席率があがったという事例があります。停学処分になる生徒の数も激減したそうです。オランダやベルギーでも、授業に瞑想を取り入れる学校が増えています。(1) 集中力がつく 瞑想の効果は、心拍数の低下・呼吸の安定・血圧の正常化などがあります。つまり心も体もリラックスし、ストレスを軽減することができるのです。また、瞑想を行い呼吸に集中する意識をもつトレーニングを繰り返すことは、余計なことに意識を奪われず「いまやること」に集中できることにつながり日常生活でも役立つのです。瞑想を続けることは、自分の感情に飲み込まれず冷静な判断や言動ができるようになり、平常心が身につくと言われています。「集中力がつく」「記憶力が上がる」「免疫力が上がる」ということが期待できるのです。(2) 情緒が安定する 瞑想を取り入れると、子どもの共感力が高まり親切心が養われます。また情緒面が落ち着くのでキレたり興奮することが減ります。社会性の発達や人間関係の構築にも役立ちます。さらに、精神の健康状態が改善すると言われています。放課後にヨガを行ったクラスと行わなかったクラスを比較し、行ったクラスでは行わないクラスに比べ、不安やうつの改善・疲労感の軽減がみられたという研究結果もあります。まだまだ研究途中の分野ですが、世界を通じて注目を集めていることは間違いないのです。2.親と子で行う瞑想瞑想が子どもにもいいことは分かっても「子どもには難しそう」と思う方も多いと思います。子どものための瞑想は、簡単にできることから始めるのがポイントです。長時間集中するのは小さい子どもほど困難でしょう。行う時間は5分以内とし、始めは1分でも構いません。まずは毎日瞑想の時間を作り習慣化するところから始めましょう。 (1) 瞑想のやり方1. 5分以内の決めた時間でタイマーをセット2. 好きな姿勢で肩や腕の力を抜いてリラックスする、背筋を伸ばす3. 目を閉じる、呼吸は鼻から吐いて、鼻から吸う4. 雑念がわいたら呼吸に意識を再度集中させるようにする小さい子には雑念のことを言っても理解が難しいと思います。まずはリラックスした姿勢で時間内は目を閉じることを徹底しましょう。慣れたら呼吸もゆっくり行うことを意識させます。毎日繰り返すことで少しずつコツをつかみ、集中力が続くようになります。 (2) 瞑想はいつやるのがいい?行う時間は寝る前が一番心が落ち着きます。一緒に目を閉じて、呼吸に集中するように促します。そのまま寝落ちしても問題ありません。寝る前でなくても構いません。朝行うと清々しい気持ちで1日過ごせます。大事なのは同じ時間に行うことです。いつも同じ時間に行うようにしましょう。3. 瞑想で親子でリラックス子どもを落ち着かせることができても、大人がイライラしていたら子どもにも伝染してしまいますよね。瞑想の効果は当然大人にも同様です。是非一緒に瞑想の時間を取り、親子でリラックスしてみてください。普段のイライラが解消され、優しい気持ちで子どもと接することができると、お互いの行動も変わってくるはずですよ。
2018年06月01日自身の力を最大限に発揮するために京都市の株式会社セルパワーは、集中力の向上に効果のある小型音響機器「Simple瞑想」を発売しました。同社のWEBサイトから購入でき、価格は税込み3万円です。瞑想の効力とはリラックスして心を静めるために、非常に有効とされている瞑想は、軽く目を閉じて行う精神修養のひとつです。集中力を上げ、作業の効率アップが期待できるため、大事な場面で自分の力を引き出すために有効とされています。商品の特徴左右の脳を同時に動かし、バランスの取れた理想的な状態を保つことで、瞑想と同じ効果を得られると考えられています。「Simple瞑想」は、周波数の異なる音を左右の耳から同時に聞くことができ、その差が右脳と左脳のバランスをコントロールしてくれます。忙しい毎日の生活の中で、心地よい安らぎを得て、思考をリセットしてみませんか。(画像はプレスリリースより)【参考】※Simple瞑想 公式サイト※セルパワー オンラインショップ
2018年02月19日図らずともやさぐれモードで始まった二度目のヴィパッサナー瞑想合宿。セルと呼ばれる独房に篭って瞑想し続けた結果、心の深い深い部分まで向き合うことになりました。結果、”40歳を目前とした不安”について延々と語る女性に自らを晒せるほどエネルギーが軽くなったのですが。いったいどんなステップを踏んだというのでしょう。時系列でご報告します。写真/文・土居彩【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 67くしゃみが止まらず、ティッシュが手放せない。2回目のヴィパッサナー瞑想合宿、前編はこちらをどうぞ。やさぐれモードで始まった2回目のヴィパッサナー瞑想合宿ですが、始めの3日間はとにかく眠くて、眠くて。あろうことか瞑想中に寝落ちすることが多々あったほど。そこで休憩時間は散歩もせずにひたすら気絶したように爆睡していました。朝の4時半から瞑想がスタートするのですが午前中はくしゃみ、鼻水と涙が止まらず、ティッシュ箱が手放せない状態に。まったく集中できません。健康だけが取り柄だったのに、どうやらアレルギーになってしまったようです(これって、瞑想アレルギー?)。結果、ティッシュ箱と頭からすっぽり被れるぶ厚めのストールが瞑想時の私の必需品に。ちなみに合宿中にみんながどんな格好をしているのかというと、写真上のようなポンチョ人口が高かったです。ポンチョの下はパジャマのようなゆるいスウェットの上下。分厚い靴下を履いてビルケンシュトックのサンダルというのが北カリフォルニア ヴィパッサナー瞑想合宿の定番ファッションのようです。「大草原の小さな家」のローラ気分の寮。寮の部屋の様子はこんな感じ。前回のヴィパッサナー瞑想合宿で訪ねたNorthern California Vipassana Centerとさほど変わらなかったので、そちらを再掲載しました(携帯電話を没収されるので、写真撮影ができないんです)。シングルサイズのほどよい硬さの低反発マットが敷かれたベッドに、ナイトテーブルとデスクランプ。あとはゴミ箱とティッシュ2箱にハンガーが5本です。今回違った点は、全室個室で洋服ダンスがありました。※ヴィパッサナー瞑想合宿・初体験記事は、こちらをどうぞ。寮はこのように木々に囲まれた原っぱに何棟か建っています。ちょっとした『大草原の小さな家』気分です。10日間の寮のトイレ掃除は、有志で行います。3日目に、当番表が埋まっていなかったため、睡魔と戦い意識朦朧としながらトイレ掃除をしてみました。現在8人で暮らしている家でもそんな感じなので、「私の人生、トイレ掃除しているうちに終わりそうだな……」と思って、少し気が滅入ります。独房に篭って、瞑想し続ける。今回の合宿所ではメディテーションホールで集団瞑想を行うだけではなく、パゴダと呼ばれる仏塔(写真上)の個室でも瞑想できるとか。日本の侘び寂び、簡素な仏塔とは趣が違って、超エキゾチック&ド派手な外観ですね……。余談ですがこのパゴダの小さな個室のことを英語でcell(セル)というのですが、コレ、刑務所の独房っていう意味もあるんですよね(苦笑)。中の様子はというと、だいたい一畳ぐらいのスペースに坐布がひとつ。窓はありません。ここに篭ってしまえば、誰も気にせずにいくらでもくしゃみができるし鼻もかめる。寛ぎすぎて「こりゃ、楽だわ〜」と壁の角にもたれて、あろうことか爆睡してしまったり。非常に落ち着くので7日目ぐらいまではひとりここに籠もりきりで瞑想していましたが、肉体的にはラクなのですがなぜかここにいると私は怖いことばかりが頭に浮かんでしまいます。4日目の朝は「この後に及んで大学院に行かなかったら、渡米したけどなんの意味も無かったな!」といろんな人に批判されるという被害妄想たっぷりな悪夢にうなされて目覚めると、眉間と左頬に大きな吹き出物が。ウォーキングコースに設置された“course boundary(ここまでよ)“と書かれた標識を見ては、袋小路な自分の人生に照らし合わせてしまうというネガティブっぷり。心の中と同様、外は雨です。「二回目だといっても、前回8日目に体験したスカッとしたあの状態からはスタートできないのだな……」と、憂鬱な気持ちになります。ニルヴァーナ(涅槃)への道は、はるか彼方……。「瞑想によっていい気分でいたい。幸せになりたいという気持ちが先行すると、それは良い気分に対する執着であり、嫌な気分に対する嫌悪感ですから、真の幸せ、つまり涅槃への歩みとはまったく逆の方向に向かっていることになります」というヴィパッサナー瞑想を指導するS.N.ゴエンカ師の教え。厳しい!といった感じで解脱の道とは真反対に進もうとする気持ちをなだめながら、コースで指導される瞑想法は鼻腔を流れる呼吸に集中するアナパーナ瞑想から、頭のてっぺんから爪先までの感覚を観察しながら平穏な心を保つというヴィパッサナー瞑想へと移り変わります。行動に移せず、現実化しない妄想に囚われる。5日目に再び寮のトイレ掃除当番表が埋まらず、二度目のバスルーム清掃を。ふたつあるトイレのひとつが掃除中に使われていて、使用時間が長かったので「あ、そっちは掃除してくれているのかも♡」と淡く期待をするも、あてが外れて腹が立ちます。「アニッチャー(諸行無常の意)、アニッチャー……。あぁ、全てが “気づき” と “平穏な心” の練習。ヴィパッサナーなのだなぁ〜」とわかったような気分で掃除中に鏡を見ると、普段吹き出物などほとんどできないのに鼻の横にまでできものが!トイレ掃除後、悶々とした気持ちを抱えながらパゴダに篭って瞑想をしますが、「1年半したらビザが切れるけれど、その後私はどうなるのだろう……」とものすごく不安な気持ちにトラップされます。そこで休憩中に森の中の湖のほとりを歩くことにしました。自然に癒やされるうちに「先のことはわからないけど、少なくとも今はこうして自分のために時間とお金をかけられる。ありがたい。私は幸せだ」と感謝の心が芽生え、少し心が前向きに。湖面に映る木々を眺めているうちに、心の淀みが外の世界に反映されているのだというゴエンカ師の教えが心に染み入ります。こういう経緯を経て毎度この合宿で思う定番ごとなのですが「精神衛生上、緑に囲まれた場所に引っ越したほうが良いのではないか(家賃が格安ならなおのこと良し)」と未だ行動に移せず、現実化しない妄想を抱きながら1日を終了。ユーモアは全てを制す?今回の合宿から坐禅中に体が痛まなくなったことはこれ幸いなのですが、代わりに思考の大暴れが顕著に。6日目のQ&Aの時間に先生に相談すると「呼吸に戻り、感覚に戻りなさい。ヴィパッサナー瞑想で感覚に集中できない場合は、アナパーナ瞑想を行って」と助言されます。「感覚に戻るとは、再び頭のてっぺんに意識を持っていってボディスキャンを再開するということでしょうか?」とたずねると、「いいえ。注意がそれてしまった箇所からです。そうじゃないと、頭のてっぺんばかり観察することになってしまいますよ」と指導されました。「あ、それまさに私がずっとやっていたことです! あやうく頭のてっぺん観察のエキスパートになるところでした」と答えると先生にウケ、ろくすぽ瞑想も満足にできないくせになんだか満足感が。ゴエンカ師の講話もユーモアに溢れているし(残念ながら日本語訳はジョークの部分がうまく反映されていません)、人間関係とか人生とか、お互いに気持ちよく笑えたらそれでいいんじゃないかと、その夜は妙に納得しながら床につきました。死のイメージにトラップされ、涙と鼻水まみれに。7日目にセルで瞑想をしていたら、突然親の死のイメージがやってきて涙と鼻水まみれ、ひどく苦しい思いを。自分のなかに親や生に対する執着心と死と老いに対する強い恐怖心があることを再認識しました。そこで瞑想最終日にゴエンカ師の『The Art of Dying(アート・オヴ・ダイイング)』という仏教的な ”死“ の捉え方、ゴエンカ師のお母様や転移し続けるガンの恐怖と向き合うクイーンズ大学教授のインタビューなどがまとめられた本と、思わず日本行きの航空チケットを購入したということは言うに及ばず。「安らかな死を迎えたいと人は言いますが、そもそも平穏な生き方をしていない人に、平穏で幸せな死は迎えられませんよ」と、至極まっとうな道理がゴエンカ師の講話で語られ、はっとさせられたからです。前回の瞑想合宿では「今なんでコレ?」と現在抱えている問題とは関係の無いような出来事が頭をハイジャックしましたが、今回はビザの件やら、将来や親のことなど。抑圧しているつもりでも、心の深い部分で感じ続けていた不安や恐れがババババーっと顕在意識に浮き上がってきたようです。トイレ掃除当番表が埋まらず、怒りと向き合う。頭のなかではなく、リアルに今ここで起こっている出来事に関しては、1日の終わりに近づいても10日目のトイレ掃除当番表が未だに埋まっていないのが気になります。ハイ、またトイレ問題です(笑)。そんな思いを抱えつつ瞑想中に体の感覚をなぞっているうちに、今までずっと封印していた感情が現れてきたようで、教授やプログラム・ディレクター、その他さまざまな出来事に対する強い怒りを感じて、我ながら驚きました。なぜなら、その出来事はすべて自分の実力不足の結果で、「私はこの満足がいかない現実に見合う人間だ」と諦め、受け容れているものだとばかり思っていたからです。すごく怒っていたんですね、実は。FUCK YOU! と思っている自分を心の狭い勘違い人間だと否定せずに、初めていったん静かに「わかった、わかった」と認めてみました。またつねづね瞑想中に集中が切れるとやってしまう私の定番妄想は「あのときああだったら、今こうなっていて……」という意味の無い夢物語を頭のなかで繰り返すことなのですが、7日間それをやり続けた結果、「いい加減、もういいわ!」と。死の恐怖と向き合ったときと同じく「変えられない過去を書き換えようと妄想にふけるんじゃなくて、今できることを精一杯やろう」と思考が切り替わったのです。瞑想後の休憩中にホールを出ると、自分の視覚が普段より鋭くなっていることに気が付きます。陽光を強く感じて、草木に降りた霜に光が反射してキラキラしてとても美しい。「生かさせてもらっている」。そんなふうに感謝の気持ちが胸の奥から湧き上がってきました。瞑想で無感情になるわけではない。8日目の午後、先生に常日頃疑問に思っていたことを質問します。「この瞑想では執着や嫌悪感を手放すことが目的ですが、プラクティスを続けていくにつれて無感情になってしまいませんか? ブラック企業や軍隊でも瞑想が使われていると聞きましたので」と。すると「いいえ。この瞑想ではあなたの感覚と感情に気づき、外側の状況をより正確に把握したうえでその感情を外に表現するのかしないのかという選択をあなたに与えてくれるもの。感情を抑圧するのではなく、自動操縦的に反応するのでもない形で、です。それが自由です」と言われました。夜の講話では、改めてゴエンカ師はすごい人だなぁと痛感しました。前回は彼の知識や理解の深さ、つまり瞑想で体内感覚を鋭くすることで信念体系がなぜ切り替わるのかを明快かつ論理的に説明する点で尊敬したのですが。今回はこのテクニックを太っ腹にも受講料も宿泊料も請求せず、あくまでも寄付ベースで提供し、全ての人にわかりやすく教えることに人生を捧げたという事実にただただ圧倒されました。「この瞑想はただ感覚を鋭くするためのゲームじゃない」とゴエンカ師は強調しますが、講話の時間で終始語られる道徳・倫理面の学び(慈悲の心と滅私奉公の実践)がこのヴィパッサナー瞑想のコアとなる実践なのでしょう。つまりそれを抜きにしてヴィパッサナー瞑想は無い、ということです。その夜の最後の瞑想では “気づき” と “平穏な心” を念頭に行った結果、とても深まって坐禅をとくのに少し時間がかかりました。8日目の就寝前は、前回と同様、頭が空っぽになって気持ちがいい。行動や結果の背後にある、意図が重要。9日目は春のような陽気になり、フリースやポンチョを脱いでTシャツ姿になっている参加者も。午後になっても10日目のトイレ掃除当番表が埋まらず、表に名前を書き込みます。ゴエンカ師は、何かをするときには行動と結果よりも、その意図が大切だと説きます。「仕方が無いな」と諦めに近い気持ちで、掃除をするのは良い意図では無いのでは?と思ったけど仕方が無い。9日目に聖なる沈黙が解かれたので、10日目に参加者といろいろ話をしました。その際にキエフ出身LA在住の旅好きの女性との会話中に「私は毎日旅をしているような気分なんです」と言うと「もうアメリカに来て3年も経つのに?」とたずねられました。「……はい。そして不思議なことに日本に帰っても、旅人のようなエトランジェ気分なんです」と打ち明けると、「わかるわ、その感覚……」と言われ、ふたりでしばし沈黙します。そして「でもそれは、すべての国が自分の国だと感じているから、って私は思っているの。あなたは今、アメリカと日本の両方があなたの国になりつつあるんじゃないかしら」と言われます。「その発想の転換は、とても素敵ですね」と言うと「どこの文化にもすんなり溶け込めることもあるし、チグハグな気分にさせられることもある。どこにいても同じ。その思いに囚われすぎないことよ」。自分の心の方位磁針を持つということか。「それこそヴィパッサナーですね」と言って、二人で笑顔になりました。有り金全て寄付するも、稼いでいない自分が恥ずかしい。11日目最後のメッタ(愛と慈悲)瞑想を終えて、寄付をしにいきます。さすがカード社会アメリカという感じで、現金だけではなくカードやチェックでも受け付けてくれます。前回もできる以上の精一杯をしたけれど、少額で恥ずかしい思いをしたので、今回は今のところ入る見込みの原稿料を全て寄付しました。それでも年収1000万円以下は低所得者になるという北カリフォルニア地区の人たちに比べたら、ずいぶんと少額。iPad上にサインしながら、センターで奉仕をする人も「少ないな」と思っているだろうと被害妄想と劣等感にトラップされそうになります。気を取り直して、行動の意図が大切だというゴエンカ師の教えを踏まえ、この寄付をしているのは「ケチだと思われるのが恥ずかしい」から「次の人にこの素晴らしい体験を贈りたい」という願いに切り替えるように意識を転換します。そのあとは、有志でキッチンの掃除を行いました。おいしいご飯を無償でずっと作ってくれてありがとう、という気持ちを込めて。わたし、40歳ですけど?帰りもピィーがライドをしてくれ、行きと同様に40歳を目前とした不安を延々と語られます。フィアンセと結婚をして子どもを授かりたいが、旅好きの彼は落ち着くだろうか。うんうんと聞いていると「あなたはまだずいぶんと若いからこの気持ちはわからないだろうけど。出産にはタイムリミットがあるのよ。私には時間が無い!」と言われて、ここでどう答えるのが正解なんだろう? と悩みます。「自分の年齢を言ったほうが彼女の心が軽くなるのか」、それとも「このまま相槌を打ちながら話を聞いてあげるほうが、彼女がラクになれるのか」。エムのときと同じテストがやってきました。結論が出せないまま話を聞いていると「で、あなたはいくつなの?」とストレートに聞かれたので、「私はあなたよりも年上で、40歳です」と答えると「オゥ……」と言われて、その後年齢に関する彼女のボヤキはピタッと止まります。すると話題は変わって、大学を中退し歯科衛生士の職についたが給料がそんなによくないために高収入の彼に経済的に依存している。学校に戻ろうかと考えているけれど、なかなか現実的には難しいという内容になりました。そこで「大丈夫よ、ピィー。私今のところ全収入は500ドル程度なんだけど、それもさっき全部寄付してきたの」と答えると、再び「オゥ……」と言われ(笑)、経済面に関するボヤキもストップ。私自身もそうですが、悩みというものの圧倒的多数は、相対的なものなんだなと痛感しました。次は奉仕側として参加。もちろんそうわかったからといって悩みが無くなるわけではありませんし、変えられない現実というものはあります。でも、怒りや不快感を感じたときにそれを抑圧して封印する形ではなく、本音に気づいて、先生が言うように “それに反応するのかしないのか” という手綱を、頭のなかで思うだけではなく、実生活に落とし込む形で少し持てるようになってきたかな……?と感じます。気のせいかもしれないけれど。とはいえまだ収入面における劣等感は拭いきれませんでしたし、あとはトイレ問題ですね(笑)。つまり、未だに私にとっての ”与えること” と ”受け取ること” の最適なバランスがよくわかりません。そこで今度は12日間奉仕し続けるというヴィパッサナー瞑想ボランティアの申し込みをしてみました。与え続けてみた先には、いったい何があるというのでしょう? トイレ掃除もいっぱいすることになるでしょうね(笑)。またそれは終えた後、4月ごろにでもレポートします。さて瞑想を終えて帰宅すると、バークレーにはもう春がやってきました。そして日本の心友からこんなギフトも! “TODAYISSPECIAL”、そんな気持ちで毎日を過ごせたらいいですね。長い文章を最後まで読んでくださって、どうもありがとう。SEE YOU!
2018年02月16日日常生活におけるマインドフルネス、思いやりの実践ってどういうこと?論文を読んだり、研究アシスタントをしたり、瞑想しても、常に腑に落ちず、モヤモヤしていた筆者・土居。大学とも心理学やスピリチュアルな世界とも全く関係のない、短期インターン先で出会ったという社長がその疑問をパッと晴らしてくれたといいます。『能力を示そうと必死にならなくていい』『ただキミでいて、自信を持ちなさい』。そう、言われ続けた2か月間。アメリカ生活・第二章が始まります。写真/文・土居彩【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 62【第62話】アメリカ生活第二章スタート! アカデミック・コンプレックスをぶち壊してくれた社長との出会い。ヴィパッサナー瞑想から帰った後に何をしていたかというと、事情(私がインターンしている研究機関の研究は、予算がほとんどつかないもので、私を含めた過半数がボランティアで従事。ひとりふたりと協力者が抜けていくなか、メインのリサーチャーまでもが「これ以上続けられない」と言い出し研究業務が数か月間頓挫)があって、2か月間限定で全く違う世界でインターンをしていました。それはこちらでとてもお世話になっている友だちの関係でお話が来た、こだわりのあるユニークな会社でのこと。心理学とも大学ともスピリチュアルな世界とも全く関係ない場所でしたが、面接中、社長に「You don’t have to prove yourself (能力を示そうとしなくてもいいんだよ)。ただキミでいればいい」と言われたことがとても印象的で。アカデミックな世界で、“慈悲の心” やら ”畏怖の念” について研究している有名な人だけど、「なんだかこの人、思いやりに欠けてない?」とスター研究者のことを思ってしまったり、「一緒に本をだしませんか」と声をかけてもらってもスピリチュアルな世界での活動は常に持ち出しで、定職を持たない私にとっては持続可能な関わりかたを見出さなければいけない……。”良き人間でいる” ということと ”社会的に成功する” ということは比例せず、縁の下の力持ち的な人は現実世界では評価されず、最終的には飢え死にしちゃう? と、常日頃疑問に思っていたんです。実生活に落とし込めていない研究ってなんか意味あるのかなぁ、とも。そこでサバイバルな世界であるビジネスの場で、この経営者はなぜ「評価されようとしなくていい。ありのままでいろ」と、まるでスピリチュアルリーダーのように堂々と言い切れるんだろう? そう興味を持ってしまったら最後、私の性格上、まずその世界に飛び込んでみないわけにはいきません。インターン3日目に、自動車事故!ということでヴィパッサナー瞑想から帰った翌日からインターン生活が始まりました。初日にメモを取ろうと握りしめていたノートは社長に没収され、「ただみんながやっていることを観察するんだよ。2週間、キミはそれ以外何もやらなくていい。スポンジみたいに吸収するんだよ」と最初のカウンターパンチが。「2か月間しかないインターン期間の2週間(1/4!)、ただ見学するだけでいいの?!」。ラッキー? いいえ、観察するだけで働けないとなると、恐ろしいほど時間がスローに流れるのです。そこでバレないように、トイレにあったホウキを取り出して床掃除をしてみたりして。そんなふうに過ごしながら、勤務3日目。バーーーーン!! というクラッシュ音がオフィスに鳴り響きました。会社の前で追突事故が起こり、社員の人たちの車が巻き込まれてメチャクチャになったのです。会社の前は黒山の人だかりで、パトカーや救急車が。事故を起こしたドライバーは頭から血を流しています……。とっさにオフィスの前に飛び出して、入り口を塞いでいた壊れた車のドアの残骸を片付けようとしたら、車をめちゃくちゃにされた社員の人のひとりが「アヤ、警察が事情聴取をするから、このままにしておこうね」ととても冷静に優しく諭してくれ、その態度に感心。ほかの人も社内へと走って水の入ったコップを手にし、ドライバーに手渡しています。オフィスの中でも「あそこの十字路は信号が無くて、ずっと危なかったから」と、誰も自分の車を壊したドライバーの批判をしません。やっとのことで、「大変でしたね……」と車が壊滅状態になってしまった人に声をかけると、にっこり微笑んで「Just a car (ただの車だから)」と返事され、まだ瞑想合宿が続いているようなマインドフルで温かな気分になりました。インターン4日目は「営業にいくけど、一緒に来る?」と社長に誘われ、「まず腹ごしらえをしよう」とカフェに連れて行ってもらいました。けっこうゆっくり食べているので「アポ、何時なんですか?」と聞くと、「とくに決めてないよ」と言われて仰天。そんな営業スタイル、聞いたことないよ! と思いながら、新入社員のときに面倒をみてもらったマガジンハウスの上司のことをふと思い出しました(笑)。社長に「なんでキミをインターンに採用したかわかる?」と言われたので、「わかりませんね。なぜですか?」と聞くと、「面接で1時間以上かかったでしょう?」「はい、ずいぶん贅沢に時間をとってくれるなぁと思いました」「あのあいだに、なんか違うなってことをキミが言ったり反応したりするかなと、ちょっと意地悪な気持ちでずっとみてたんだけど、それが全くなかった。いつもこちらの話を中断せずに最後までちゃんと聞いて、言葉を選びながら正直にじっくり考えながら答える。その様子がいいなと思ったんだよ。面接中に『自分はこれができる』『あれができる』とアピールしてきて、こちらの話のこしを途中で折るタイプの人が多いけど、私はあれがすごく嫌いなんでね」と言われて、「そんな地味な部分を評価してくれる人がアメリカにもいるんだ!」と救われたような気分になりました。そして、「あ、社長。それはですね。私は英語がよくわからないので、聞いた英語を日本語に翻訳して、話す日本語を英語に翻訳して会話しているんです。だから、クイックに反応できず、自然にタイムラグができるというわけです。結果思慮深く見えていたなら、ラッキーですけど、からくりはそんなところです」と答えると、「そうだったのかぁ! だまされたなぁ!」と爆笑されました。研究者より、普通の人のほうが断然エライ、かも?交通費節約のため、インターン先まで1時間かけて歩いて通っていたのですが、それに気づいた同僚のエスがライド(車に乗せてくれること)を申し出てくれました。帰りが同じ時間になるといつも送ってもらうことになってしまうので、業務が終わり次第私が忍者のように去っていく様子を指摘されたので、「だって、あなたは私のUberじゃないもの。悪いわ」と答えると、「暗くなったあとに、1時間も歩いて帰っていく人を見過ごすことなんてできないわ。危なすぎる! そんなの当然のことだし、あなたのためというより私の正義感のためなのよ」と言われて、「なんてすごい場所に来たんだろう……」とちょっと震えそうになりました。オフィスにいる誰も慈悲の心も畏怖の念の研究なんても当然していないし、社長に至っては大学を中退したっていってるし。でも、みんなのほうがよっぽどそれらが何か、そして信頼関係を築くためにどれだけ大切なことかをわかっていて、実生活の中で自然な形で実践していたのです。ギフトリボンマスター降臨!インターン期間はクリスマスのホリディシーズンだったこともあって、商品を美しくリボン結びする業務などもありました。ネイティヴのみんなのように英語ができない私はせめてこれぐらいは一番を目指そうと週末にYoutubeを見ながら練習。結果、インターンが終わる頃にはみんなにラッピングを頼まれるほどになりました。ある日社長にちょっと散歩をしようと誘われ、「キミの働きぶりを見ていた。責任感、忍耐力、そして明るくユーモアのセンスもある。新しいことを毎日着実にしっかりと吸収している。それからキミの装いにはスタイルがあるね。まずは1年間、この会社できちんとした形で働いてみない? キミに必要なトレーニングがあれば、会社が負担するし、給料もちゃんと支払うよ」と打診されました。本当に嬉しかったです。やっと今の私に可能性を感じてくれて、現実的に私が自分の足で立って生きていくために力を貸そうという人が現れたのです。そこで友だちに紹介してもらった弁護士さんに相談。すると、現実問題としてアメリカで働くための短期ビザを発行するのはとても費用がかかるだけではなく、私のようなバックグラウンド(文系の学士で日本のマスコミで勤務)の場合、今回のようにアメリカでまったく新しい業務に従事するとなると(例えば、プロダクトデザインの仕事)発行される可能性はゼロだと言われたのです。「なんで私はこんなに歳をとるまで、アメリカに来られなかったんだろう」「なんで私には目の前のチャンスを手に入れることができないんだろう」。不満をぶつけたところでどうしようもない状況に対してひと晩だけ泣くことを自分に許して、とても有り難いお話だけれどお断りしますと翌日返事しました。その一週間後、大事なお得意先に贈るギフトのラッピングをして欲しいと社長に頼まれ、みんなが帰った後に残業をしていました。「アヤ、キミは本当に良い人だよね。そこがとても好きなところだし、会社のみんなともすごくうまくいっている。思いやりや控えめな心、大事だよね。でもそれはときにはビジネスの世界では足かせになる場合もある。バランスだよ。今のように短期のインターンをし続けて、商品のラッピングをしたり、ゴミ捨てしたりって。キミはそれをし続ける人じゃないよね? キミの今までの実績を考えると、それを活かしてキャリアを積み重ねていくことを考えていかないと。アヤ、そろそろコンフォートゾーン(ラクな居心地が良い場所)から抜け出しなさい。“良い人でいよう”とこれからは譲るばかりじゃなくって、もっと堂々と生きていくんだよ」。そして鏡の前に立たされ(苦笑)、「これがキミだよ。もっと自信を持って。自分を好きになって」。それが社長がくれた、インターン最後のメッセージでした。思いやりと自己主張の最適バランス。ところで短期インターンをしていた同時期に、バークレーのプログラムを修了してすでに半年経つのに、未だに修了書が送られてこないという事態が起こっていたんです。「どうなっているんですか?」とメッセージを3名の担当者に送ると責任者から「すぐに確認してメールしますね」と返事が来たけれど、待てど暮らせど連絡が来ない。3週間待った後に「その後どうなりましたか?」と連絡をすると、「責任者の彼女が大学生の期末テストの点数をつけたりで忙しく、しかもホリデーに入ってしまったかもしれない。連絡がつかないかもしれないけれど、もう一度あなたのほうからコンタクトをとりなさい」という返事がサブのひとりから。今までの私だったら、明らかなヒエラルキーのもとにひれ伏し、すごすごと彼女に「了解しました」といって責任者に「お忙しいなか恐縮ですが、修了書の件を再度確認していただけますか……?」と連絡していたのでしょうが。インターン先の社長やみんなのおかげで、「これは明らかに彼らの主張のほうがおかしい」と自分の感覚のほうを認められたんです。そこで「この件は、1週間や2週間の話ではなく、プログラムを修了してもはや7か月以上経っていますよね。私はこのプログラムのために、50,000ドル以上の費用と4学期という日時を費やしてきた。そしてこちらから確認しないと7か月以上も修了書を受け取れないまま月日が流れ、未だに何の連絡も無いという事態に対して、なぜ私のほうがなんどもなんども事実確認をしなければならないのですか? 私の常識では、この事態を理解できません」と主張したら、即修了書がFedEXで送られてきました。なんだ、やればできるんじゃん…。私が今まで信じていたものや、目指そうとしていた世界っていったいなんだったのかな? 最近強くそう思います。そして不思議なことに私の疑問と正比例するように、プログラムの責任者から「このところ、いったいどうしているの? あなたは、今どこにいるの?? 大学院を志望するのはもう辞めてしまったの???」と連絡が入るようになりました。これは私がかつて目標としていたものを今の私はどう見るんだろうと再確認するための良い機会だと思って、「じゃ、よかったらお茶でもします?」と返事し、会って話すことになりました。社長やインターン先のみんなと出会えたことで、アカデミック・コンプレックスやらアカデミック信仰やらをガラガラと崩してもらえた今。半年以上のときを経てその世界と接してみたらどんな気分になるのでしょうね。ちょっと不安でもあり、楽しみでもあります。See You!空の写真:インターン先に向かう、午前7時10分の空。私の一番好きなオパールカラーに染まる。カフェの写真:最近一番のお気に入りは、『Alchemy Collective Cafe and Roaster』というカフェ。バークレーでは、コレクティブといって共同経営者スタイルで運営するピザ屋やコーヒーショップがそこかしこに。カードの写真:今年も日本の家族や友だちにホリディカードを。カードを贈る相手がいるというのは、幸せなことですね。
2018年01月20日携帯やPCはもちろん、本やメモまでもが没収され、会話やアイコンタクトすら禁止というヴィパッサナー瞑想合宿に行ってきたという筆者・土居。もはや忘れかけていた記憶に思考をハイジャックされたり、耐えきれないほどの身体の痛みと格闘しては、森のなかでひとり号泣したり…。締めくくりには、恋愛アドバイスまでされたようですが?!結果、再び不思議な世界への扉が開き始めたようです。写真/文・土居彩【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 60【第60話】携帯没収! &アイコンタクトもダメ。10日間のヴィパッサナー瞑想で心の汚濁を滅す。ずいぶんと更新するまでに時間がかかってしまいました。というのも、ある瞑想合宿に行ってから、視点が変わったとかいうレベルではなくて、リアルな現実として自分の周りの人たちや生活様式がガラッと変わったんです。ビッグウェーブをダイブしているうちに、気づけば3か月も経ってしまいました。申し訳ありません……。そして、この不定期更新連載を読んでくださってありがとう。会社を辞めてアメリカに来るまでは、いろいろあっても私の人生は平凡だなぁと思っていたんです。でも最近思うんです。普段と違う選択をひとつしたら、それに続く次のチョイスもまた一風変わったものになって……。と、気づけば、誰でも簡単に奇妙な世界に足を踏み入れていくものなんだなと。人生って、本当におもしろいですよね。このところ肩の力が抜けたのか、英語だってルー大柴さん風になって(例えば、“英単語+ね?” で事実確認。通じますよ!)、今までストレスだったり困っていた物事も楽しめるようになってきました。今の私の「アリかナシか」という “心のものさし” に影響を与えたのは、ギフト経済という考えです。こちらカリフォルニア・ベイエリアで知った生き方のひとつで、出合った当時は(今現在も)度肝を抜かれました(正確には、現在進行形)。見返りを期待せずに与え続けるという世界に生きる、ニップンさん(第21話)やパンチョとサム(第19話)の生き方は素晴らしいと思う半面、どうしても「それってだいぶ損してるんじゃ?」と損得勘定に囚われてしまう私にはハテナがいっぱい。未だに実践するには至りませんし、お金との付き合い方を模索中の私にとって、心地よいバランスを毎日タッチ&トライしながら手探りしています。そんな彼らが日々のプラクティスとして実践していたもののひとつに、ヴィパッサナー瞑想がありました。「何か手がかりがあるかな?」。それが学べる合宿があるとはずいぶん前から知りつつも、朝4時から夜9時まで瞑想三昧の10日間だと言われてひるんでいたのですが、「とにかくまずは体験してみるのがいいだろう」と参加してみることにしたのです。車&免許ナシの私。合宿場まで連れてって!向かった先はカリフォルニア州北部、バークレーから2時間ほど車を走らせた街にあるNorthern California Vipassana Center(北カリフォルニア・ヴィパッサナー・センター)。センター近郊は、ワインの産地として有名なソノマ郡やナパ郡、大麻農場があるという(!)メンドシーノ郡なのですが、合宿前日に大きな山火事があったため、最短ルートの道路は閉鎖。回り道をしながら向かいました。ちなみに、私には車も免許もありません。そこで、参加者のみが見られるメッセージボードに書き込みをして(例えば私はどストレートな書き込み。”I need a ride because I don’t have a car. Thank you! [車が無いので、乗せてもらう必要があるんです。ありがとう!]” )、「乗せてくれる人」と「乗せてもらう人」の間で直接メールのやり取りをした結果、私は無事、エムに乗せていってもらえることになりました。エムは大学卒業後に投資会社のインターンを1年勤めた後、プログラミングの勉強をし直してプログラマーとして現在サンフランシスコにあるオフィスに勤務して5年目。ヴィパッサナー瞑想は7回目だという28歳の好青年でした。親の意向もあってアメリカ東部にある名門大学でビジネス(会計学)を学んだけれど、哲学に興味があって学生時代からいろいろと読み漁ってきたのだとか。「あくまでも僕にとってだけど、哲学は頭の中の遊びみたいなもので、何の体感もできなかったんだ」。その後ヴィパッサナー瞑想に出合い、そのパワフルさからどんどんハマっていったんだそうです。(ちなみに乗せていってもらったお返しは、ガソリン代を払ったり、ランチをごちそうしたりというカジュアルなものでOK。エム曰く、過去にヒッピーの子を乗せてあげたとき、「私お金が無いんだけど、スペシャルなチョコレートを持っているからそれをお礼にあげる!」とくれたことがあるとか。それはマジックマッシュルーム入りのチョコレートだったようで(笑)「サトシ・コン(今敏監督。こちらでは宮﨑駿監督とともにアニメーション界の巨匠として大人気)の映画を観ながら食べたんだけど、あれは良かったなぁ…。キミも持ってる?」と笑っていました)。参加費は任意の寄付制(ダナ)です。センター到着後は、名前や住所、生年月日や瞑想歴などについて簡単な情報登録をしたのち、貴重品、携帯電話やPC(外部とのコミュニケーションは一切遮断)、メモや本のたぐい(合宿中に文章を読んだり書いたりもNG)を預けます。そして軽い完全菜食の夕食をいただいた後にオリエンテーションが。説明によれば、センターは完全ボランティアで運営されていて、瞑想の疑問に対して答える先生、関わるスタッフ全員がこの瞑想の実践者で無償の奉仕活動を行っていること。参加費は任意の寄付制で、払う金額はもちろん、払うかどうかも自由意志に委ねられている。そして、今回の私の参加費用は私の前に参加した人たちからのギフト(ペイ・イット・フォワード(先贈り制度))で賄われていて、私が寄付をした場合は、それは次の参加者への贈り物になるのだと説明を受けました。オリエンテーションの後は、男女が完全にわけられ、ダイニングルームの真ん中にビシっとカーテンが引かれます。「じゃあね、また10日後に」とエムと別れ、ノーブル・サイレンス(聖なる沈黙)がスタート。ここから瞑想中に疑問が湧いたときに質問できる先生やマネージャー以外の誰とも話せず、アイコンタクトやジェスチャーのたぐいも禁止です。それぞれが自分の心の奥深くまで向き合っていくために外部とのコミュニケーションを一切遮断するというのです。鼻から上唇までの三角地帯に集中せよ!ちなみにこれからお伝えする内容は、合宿中にメモをとれなかったので全てうろ覚えの記憶を辿ったもの。また、エムによれば各自の体験が個別に異なるだけではなく、個人間でもリトリートごとに変わるんだそうです。だからみなさんの体験は、私が書いたものとは全然違うものになる可能性が大ですので、「土居彩はこんなふうに感じたんだ」ぐらいに捉えてもらえれば。10日間(正確には到着日と最終日を含めて12日間)瞑想をし続けるのですが、その内容は大きく3部にわかれています。本格的なヴィパッサナー瞑想に入るまでの第1部は、まず鼻腔と上唇を結ぶ三角地帯に意識を集中し、その場所に吸う息や吐く息が流れていく様子を観察しなさいと指導されます。これが簡単そうに見えて、全然集中できないわけです。思考は予想外なほどに暴れん坊で、三角地帯の息のことなんてそっちのけになってしまうんです。まず、私の頭の中をハイジャックしたのはマガジンハウス勤務5、6年目ぐらいのときのエピソード。出産祝いのために、同じデスクのみんなで上司のご自宅にお邪魔したのですが、そのときに上司から言われた「おむつ代もバカにならないんスよ〜」というひと言が頭のなかでずっとずっとリフレイン。吸う息に集中しては、「おむつ代もバカにならないんスよ〜」。吐く息に集中しては、「おむつ代もバカにならないんスよ〜」。自分でも首をかしげてしまいました。だって今の私、シリアスな話、「これからどうして生きていくの??」と人生や将来設計について、考えなきゃいけないことは山積みなのに。「…え、今、ソレ?!」ですよ。しかしその後も、ほぼ忘れきっていたような一見今の自分の人生とは全く関係ないようなエピソードが雪崩のように押し寄せてきました。それが3日ほど続き、「いかんいかん、三角地帯に」と意識を戻すという日々でした。そしていよいよ、合宿第2部のヴィパッサナー瞑想がスタートします。辛い! 痛い! 瞑想ができなくて、森の中ひとりで大泣き。私が体験したヴィパッサナー瞑想とは何か? 誤解を恐れず私の理解の範囲で超シンプルな形で説明すれば、全身の感覚をくまなくスキャンして、体の部位がどう感じているかを第三者的な視点で観察するという瞑想法です。つまり、頭のてっぺんから足先まで5cmずつぐらいの範囲を各2分ほどの間隔でスライドさせながら、「くすぐったいな」とか「しびれて痛いな」とか「痛みの中心は、熱を帯びているな」といったように注意深くみていくんです。そのうえで抱いた感覚に反応せず、ただ傍観者のように客観的なスタンスを保つというのがポイント。なんでこんなことをするの?! 指導するS.N.ゴエンカ氏によれば、感情というのは必ず感覚とセットになっている。快・不快に繋がる心地よい感覚も嫌な感覚も究極的には同じ性質を持っている。それは現れては必ず消え去っていくというもの。必ず移り変わっていく存在(感覚)を永遠に変わらないものだと錯覚を起こし、良い感情(感覚)に強く執着し、不快な感情(感覚)に嫌悪を抱いて避けようと逃げまどうというのが私たちの性。その結果、常に外側の現象に左右されすぎて、心の平穏や幸せを保てないのだといいます。その真理を頭のなかだけで知識的に理解するのではなく、それぞれの身体感覚を使ってリアルに腹に落とし、経験に基づく理解を持とうというのです。ヴィパッサナー瞑想中は、なるべく姿勢を変えないようにと指導されます。これが、信じられないぐらい辛い! 私の場合、右のふくらはぎと臀部がありえないほどに痛み、脂汗まで出てきました。「おむつ代も」のフレーズはもはや頭に浮かばなくなりましたが、「痛い痛い痛い痛いイターーーイ」の無音の叫び声で体中がいっぱいに。「全然、痛みが去っていきませんけど??」と痛み(不快な感覚)に抵抗し続け、瞑想が終わる前のサイン、まさに戦い終了のゴングのようなゴエンカ氏のチャンティングが始まるころには気絶寸前。「やっとこの苦しみから解放される……」と瞑想が終わるのを心待ちにしながら、チャンティング終了後は戦いを終えた戦士のようにぐったり。就寝前に暗がりのなかで着替え中、脚が青アザだらけになっているのを発見して、”痛い” という感覚がまぎれもないリアルな現実であることを目の当たりにして、ギョッですよ。我慢大会のような毎日を過ごすうちに、いったいなんのために瞑想しているのかよくわからなくなってきました。でも、決めたからにはやりきるしかない。ところで瞑想中に、順番に先生に呼ばれて「感覚を感じられますか?」「どんな感じがしますか?」とたずねられる、Q&Aの時間があるんです。すると、みんなすらすらと「頭の先に空気が触れて、くすぐったいです」とか「鼻腔へ出ていく息は温かく、入っていく息は冷たく感じます」などと答えていくなか、「あなたはどうですか?」とたずねられて。「どんな感覚にも反応せずに平穏さを保てと言われますが、”右のふくらはぎがしびれて痛い!” という思いが私の体と心の全てをジャックして、ほかの微細な感覚なんて感じられません。そこで瞑想で平穏さを得るどころか、他の感覚を感じられない自分を責めてしまい、不安な気持ちやがっかりした気分になってしまいます」と正直に答えました。ちなみにこのQ&Aの時間、いつも私だけが「できない」「よくわからない」「そうは言いましても」という意見を投げかけていました。そんなヴィパッサナー瞑想劣等生の私に対して、先生は常に優しく微笑み答えてくれたんです。「痛みの芯にある性質をよく観察してみなさい。それは熱なのか、圧なのか。フラットな気持ちで調べてみるんです。するとしだいに去っていきますよ。そして、感覚が感じられない部位があったときは、『そうね、感じられないね』と優しくただ認めてみて」と。休憩時間のあいだ、私はサムにアドバイスしてもらったようにひたすら体を休めて寝るか(私の場合、座って瞑想しかしていないのに寝ても寝ても寝られるぐらいよく眠れました)、森を散策していました。森のなかにお気に入りのスポットがあって、そもそもはテントを張るためのウッドデッキなのですが、その上に寝そべりながら木々から覗く太陽を下から眺めるのが好きだったんです。デッキの上で大の字になって試しに目を閉じてみて、頭の先からどう感じているのか再びスキャンしてみます。「やっぱり、感覚がわからないな……」とガッカリして、先生に言われた言葉を思い出します。「そうね、感じられないね」「でも、いいんだよ」「完璧にできなくても、いいんだよ……」と自分に話しかけるように言ってみると、森のなかで木々に包まれていることもあって、涙が溢れてきました。思えば、会社を辞めてからずっとこのレッスンを繰り返しているような気がします。期待どおりに物事を進められない自分に落胆して、焦って、憤って。最終的には、満足にできない私を認めたうえで自分のペースで一歩一歩前に進むことを赦すという作業です。結局何をしていても、どこにいても、取り組むべき同じテーマがやってくるんです。坐布を選び抜いて、痛み対策。私のクッションキャッスルへようこそ。森のなかで泣いてスッキリした後、瞑想に集中するために、まずは自分のできる対策をしようと決意。坐布ひとつで坐禅を組むほうがカッコイイけど、今の私には無理! そこで瞑想のたびに合宿場にある豊富な坐布やクッションの吟味を重ね、ついに理想のコンビネーションを発見。私の席には、右脚、左脚、臀部それぞれの高さにカスタマイズした3つの塔がそびえ立ちました。これだけやってもひどく右の脛が痛む場合もあって、そのときはじっと観察します。感覚をスキャンし続けているうちに、この痛みは臀部の筋肉の硬さを補う姿勢のとり方からきていると感じました。そして私の場合、「できない」とか「怖い」とか、外部の現象に対して心が緊張すると、肩と臀部の筋肉が硬くなることも。そのうえでわかったのは、食べる量を減らすと痛みが楽になるということ。そこで、完全菜食の食事はとてもおいしかったのですが、腹7分目ぐらいに留め、昼以降は一切何も食べないようにしました。洋服もなるべく軽くて締め付けないものを選ぶようにし、「できない」ことを優しく受け入れる。そう繰り返しているうち、到着8日目の就寝前にふと気がついたんです。寝る前に浮かぶあれやこれやが、全く頭のなかに無く、空っぽだということを。「何にも考えることが無い!」。「私の抱える悩みって、そもそも存在しないものだったのかも……」。ものすごい爽快感と同時に、ちょっとした恐怖感さえ感じました。第3部は、メッタという愛と慈悲の瞑想を教わります。ただあるものをあるがままに見て、感じることで、古い思考パターンや心の汚濁を掘り起こすヴィパッサナー瞑想。過去のパターンを掘り起こして穴ぼこになった心の傷口に塗る薬となる瞑想なのだというのです。「意識してか意識せずか、私を傷つけた人すべてを許します。意識してか意識せずか、私が傷つけた人すべてから私が許されますように。生きとし生ける者すべてが幸せで、平和で、本当の自由を得られますように」。「Be Happy (幸せでありなさい)……」「Be Happy……」。メッタ瞑想をリードするゴエンカ氏のチャンティングを聞いているうちに、左目からツーっと静かに涙が出て頬を伝いました。瞑想後に聖なる静寂(ノーブル・サイエンス)は解かれ、初めてルームメイトや参加者たちとおしゃべりをします。ヨガの先生で同僚に誘われてやって来たという人、医療に従事していたが今月仕事を辞めたばかりで自分を見つめにやって来たという人、さまざまでしたがユニークな夫婦にも出会いました。モンゴル人の2人は一年の半分をモンゴルで働いて暮らし、半分はアメリカのこのセンターでボランティアしているというのです。奥さんから「あなたは何をしているの?」とたずねられて「いったい、何をしているんでしょうね? 自分でもよくわかりません、ハハハ」と答えると、「アヤ、あなたにはパートナーがいるの?」と突然聞かれました。そこで「いいえ。今は自分の成長にフォーカスしていて。今の私じゃ、きっと誰ともうまくいかないから」と答えると、「完璧にならないとパートナーシップが築けないというわけじゃないのよ。一緒に成長していけばいいの。私と夫もお互いの成長を助け合っている。ときにはどちらかが成長するのを待ったり、サポートしたり。大抵は私が助けてもらう側だけど、笑」。そういうものなのかなぁ……。自覚している以上に一度離婚してしまったこと、離婚後のボーイフレンドともあまりうまくいかなかったこと、好意を持たれても長続きしないこと。それらに私のものの見方(=今の私のままでは、愛されない)が重なって、自分の心を守るために独りで居ることを課していたのかもしれないなと思いました。合宿終了後は有志で片付けなどを行うのですが、私はメディテーションホールの掃除を行いました。クッションや坐布を整頓することとなり、「ずいぶん助けてもらったなぁ」と汗だくになりながら自然と感謝の気持ちが溢れてきました。掃除が終わるまで待ってもらって、帰りもエムにライドしてもらいました。「ヴィパッサナー瞑想の後って五感が鋭くなっているから、音楽を聴いたらすごいんだよ」と言われ、私のお気に入りのサンフランシスコを拠点に活動するミュージシャン、TYCHOのElsewhereを車の中で大音量で一緒に聴いてみました。何も話さず、ただ景色を見ながら音に耳を傾けます。しばらくすると「ねぇ、変な質問するけど、キミってシングル?」。たしかに今はシングルだなと思い、「イエス」と答えると、「あぁよかった。なんでこんなこと聞くかわかる?」とたずねられ、「ノー」と答えました。すると、「この合宿の前にデートしていた子がいたんだけど、先週『私、結婚しているの』って言われたんだ。ビックリしたのと、ちょっとショックで。だから、ちゃんと聞いとかなきゃって思って」と言われ、「I see…(なるほど)」。「たまに、一緒に出かけるのってどうかな? あ、きっとキミは結婚するなら日本人の男性のほうがいいだろうから、シリアスに考えなくてもいいんだ。僕はバークレーにきてまだ1年ちょっとで友だちもあまり居ないし。そうだね、うん。だからキミに時間があるとき、キミが出かけたい場所に一緒にいけたらなって」。瞑想の後だからか、エムが言っていること(外部の刺激)と自分の間に空間があるような感じがして、すぐに反応できません。またひと回り年下の男子に誘われると、どうしてもバークレーのトラウマがやってくるのもあって(ひと回り以上年下の同級生に告白され、付き合えない理由として年齢を言った途端、化け物を見るような感じになって挨拶さえされなくなった)ぎこちない空気が車内を流れます。前と違うのは、ヴィパッサナー瞑想直後で感覚が鋭くなったせいか、肩とお尻の筋肉が硬くなっているのがわかる点です。さて、どうなるのでしょう?See You!※車の写真:日の出から15分ぐらい経った時間の、バークレーの空が一番好きです。※部屋の写真:部屋はカーテンで区切られ、ベッド、ライト、ハンガーなど必要最低限のものが揃います。シーツや寝袋は持参します。※森の写真:森のなかで山火事から逃れてきた親子の鹿と遭遇しました。息を潜めて見つめていましたが、「もっと見たい」という執着的な意識になった途端、母鹿に気づかれ、去られてしまいました。※坐布の写真:瞑想3日目には坐布やクッション、ベンチが棚からすっかり無くなり、その後再び増え始めました。直接コミュニケーションできないけれど、みんなも試行錯誤しながらベストな組み合わせを研究中なのだなと間接的にわかって、同志的な気持ちが芽生えました。
2018年01月06日「瞑想」を実践していますか?まだやられていない方の中には、「良いとは聞くけれど、本当に効果があるの?」と半信半疑の方もいらっしゃると思います。でも、簡単なのに、本当に効果が実証されているんです!今日は、瞑想についての効果とやり方を説明します。「瞑想」って?瞑想も、いろいろなやり方がありますが、今日は基本的な瞑想について紹介します。1.静かな場所で、リラックスし、「姿勢を良くして」椅子に座りましょう。近くに危険なものや集中を妨げるものがなく、自分の身体を落ち着けられる場所がベストです。リラックスできる自然音などはあって大丈夫です。自分が普段慣れている楽な座り方がいいですが、ソファーだと多くの方は姿勢が悪くなりがちなので、椅子に座るのがいいと思います。服装は圧迫感のない、ゆったりとしたパジャマのようなものがいいでしょう!2.目を閉じて「呼吸」に意識を向けましょう。ゆっくりと鼻で息を大きく吸い、口から吐きましょう。他のことは考えずに、意識は呼吸に集中し、ゆっくりと呼吸を繰り返しましょう。もし、普段抱えている雑念が浮かんでき時は、それを無理に消そうとするのではなく、観察してみましょう。3.徐々に「何も考えない」ようにしましょう。徐々に意識を完全に呼吸へ向けていきましょう。この一連の流れで「瞑想」が出来ます。時間は、初めは5分くらいから始め、できる範囲で15分くらいに延ばしていきましょう。手順としては、すごく簡単です。やってみると分かりますが、5分って意外と長いんです。朝晩に分けて、数分から始めるのがオススメです。なんで、「瞑想」が注目されているの?最近、「瞑想」が注目されている理由はたくさんありますが、有名人が瞑想を実践している!というのがあるかもしれません。ミランダカー、マドンナ、レディーガガ、ビートルズ、スティーブジョブズ、ビルゲイツ、ヒラリークリントン、リチャードギア、ビルフォード、イチロー、長谷部誠、松下幸之助、須藤元気、高城剛など、多くの有名人が瞑想を取り入れています。さらに、瞑想には科学的根拠も証明されており、ハーバード大学院の研究チームはストレスや病気の防止効果がある。また、アメリカのウィスコンシン大学の科学者やスペイン、フランスの国際研究者チームの研究によると、遺伝子、分子レベルで起こる体の変化と関連してストレス解消になる。ワシントン大学の最近の研究結果によると、集中力がアップし、仕事の詳細に対する記憶力も上がることが証明されました。瞑想は、科学的にも証明されています。瞑想って素晴らしいです!どんな効果が期待できるの?瞑想には、心を落ち着かせる、集中力を高める、意思決定能力が高まる、ストレスを軽減、生産性を高める、記憶力を高める、免疫力を高める、脳の全般的能力を高める、熟睡できるなどの効果が期待できます!しかも、道具はほとんどいりません。静かな場所と椅子、そして時間を知らせてくれるタイマーがあれば大丈夫です。ポイントとしては、初めは効果を感じなくても、8週間続けてみましょう。徐々に効果が感じれると思います。そして、長時間瞑想して明日は休憩しよう!というより、毎日短くてもいいので、習慣化してすることです。この方が効果が見込めます。人間は習慣化するまで9週間くらいかかると言われています。なので、少し大変かもしてませんが、短くてもいいのでとりあえず9週間続けてみましょう。効果をしっかり感じてから、さらに1週間ですね!簡単に取り組めて、かつお金もかからず効果も期待できる!!これが瞑想です。瞑想スマホアプリもある!!効果がわかっても、なかなか始められなかったり、続かなかったりすることもあると思います。そんなあなたにオススメなのが瞑想専用のスマホアプリです。無料でインストールでき、タイマー機能はもちろんのこと、リラクゼーションの音楽機能があったり、瞑想をした日にチェックするカレンダーがあってやる気が出たり、瞑想に関するニュースが見れるものまであります。これなら、瞑想をするきっかけになったり、チェックするから達成感が得られ続けやすくなったりします。アプリの他にも座禅布団やCD、アロマディフューザーを使う方もいます。自分なりのリラックスできて、続ける方法を見つけるのも楽しいですね!毎日数分から、しかも自宅で簡単に始められ、しっかりと効果が期待できる瞑想。普段のモヤモヤが解決できるかもしれません。もちろん、運動や食事が大切ですが、今の生活に一つプラスしてみてはいかがでしょう!?変化のきっかけになるかもしれません。
2017年03月02日12月になりました!1年間あっというまだった気がします。みなさんの1年はいかがでしたか?女性である私たちにとって1年を通してかかさず毎月経験するのは、生理ですね。生理前のイライラを経験する人も多いのではないのでしょうか?自分がイライラしていると気づかない方も多くもいらっしゃるかと思いますが、瞑想をすると自分の今の状態を客観視できるようになるので、とても役に立ちます。”イライラしている自分”に気づくと、”あ、今イライラしているから、いつも言わないような余計な一言を言いたくなってもいわないようにしよう”と、彼氏や家族とのぶつかり合いも防げるのです。瞑想の最大のメリットは、心の状態をバランスよい状態に保つということです。常にハッピーにするということではなく、自分の感情に振り回されないメンタルへの大きな一歩です。今回ご紹介する座り方は、パドマーサナといい、瞑想で一番理想の座り方です。骨盤、膝、足首に対し、かなりの柔軟性が必要になります。試せる人は、ぜひやってみてください。毎日同じ姿勢で瞑想すると、自分の体の状態がとてもわかりやすくなり、座位による体の痛みなどにもとらわれなくなります。Padmasana(パドマーサナ)お釈迦様や、インドで見かけるヒンドゥー今日の神様ガネーシャ(像の頭をもった神様)などの絵をよく見るとこの座り方をしているのをご存知でしょうか?Padmaとはサンスクリット語で蓮のことをいいますが、形が蓮ににていることからこの名前がついています。方法まず床に足をまっすぐに出して座り、片方の膝をまげ、その足を反対側のふとももの上に置きます。反対側の膝も曲げ、その足を逆のふとももの上に置きます。この座り方では、かなりの骨盤と膝、足首の柔軟性を求められます。無理せずに挑戦しましょう。ポイントいきなり挑戦するとかなりの痛みを伴いますので、簡単なポーズに慣れてきたら試してみましょう。この座位で数分呼吸をしながら練習を続ければやがては、一番安定した座りへと変化していきます。効果パドマーサナでは、背骨の下の方に圧がかかりこれによって神経がリラックスする効果が期待できます。呼吸がゆっくりになり、筋肉の緊張がほぐれ、血圧も落ち着きます。瞑想は、家でないとできない!というわけでわありません。もちろん理想は、自分がリラックスできる空間で行うのが最適ですが、通勤中の電車の中でもできます。目を閉じて、呼吸に意識を向けます。自分が周りの環境に影響されずに呼吸に意識を向けていられるか試すよい機会でもありますね!
2016年12月01日数年前からビジネス書でもよく取り上げられている「マインドフルネス」というキワード。特にストレスの解消や仕事の効率アップに効果的であるという「マインドフルネス瞑想」には注目が集まっており、グーグルやゴールドマンサックスなど一流の企業が社員教育にも積極的に取り入れています。今回はマインドフルネス瞑想の効果と自分でもできる実践方法をご紹介します。マインドフルネス瞑想の効果とは?マインドフルネスとは、今この瞬間の自分に注意を向けるというもの。自分の呼吸に意識を集中することで自分に意識を向けるトレーニングです。ストレス解消に効果的で、うつ病の治療としても活用されています。ビジネス界で注目されているのは、仕事のパフォーマンスアップにも効果があるという点。ストレスが軽減されリラックスすることで、思考がクリアになり集中力がアップします。その他にも想像力が豊かになり、クリエイティブな発想がしやすくなるという実験結果も出ています。さらに情緒が安定し、人間関係にもプラスの影響が出るという研究結果も。グーグルが導入している瞑想プログラムストレス解消だけでなく、仕事のパフォーマンスをよくするのにも効果的ということで、グーグルやアップル、フェイスブック、インテルなど海外の一流企業が、このマインドフルネス瞑想を社内研修に取り入れています。グーグルが2007年から取り入れているという、マイドフルネスのプログラムが「Search Inside Yourself」。このプログラムに参加する従業員は、7週間の期間中、1日数分(理想は30分から1時間)の瞑想を実践するように推奨されます。坐禅をくんでもいいし、自由に座って瞑想してもいいとスタイルは個人の自由となっています。プログラム導入の効果としては、ストレスの軽減、仕事の生産性の向上、感情的になりにくくなる、チームワークの向上などが確認されているそうです。マインドフルネス瞑想の実践法マインドフルネス瞑想は、「呼吸に集中して頭の中を空っぽにする」ということがベースになっています。やり方はとても簡単で難しいことはないので、気軽にトライしてみてください。【マインドフルネス瞑想のやり方】1、リラックスできる姿勢で椅子に座ります。2、目を閉じて自分の呼吸に意識を集中します。3、途中で他のことを考えてしまったらすぐに呼吸に意識を戻すようにします。瞑想する時間は自分の好きな時間で構いません。はじめは5分くらいから始めてだんだんと長くしていくようにします。座るスペースがあればできるので、通勤途中の電車やオフィスでの休憩中にでも数分あればできますね。マインドフルネス瞑想を実践した人の感想は、「イライラする機会が少なくなった」、「トラブルなどに慌てず落ち着いて対処できるようになった」などがあるようです。ストレス解消したい方や仕事での集中力をアップさせたいという方は、マインドフルネス瞑想を試してみてはいかがでしょうか。
2016年11月28日誰でも簡単!瞑想で体も脳もリラックス「瞑想は難しい」とたくさんの方が感じていると思います。確かに瞑想には「オムー」や「マンー」など、私達日本人には馴染みのない言葉が使われています。結構な時間瞑想をしてきた私も、まれに「『マンー』ってなんだっけ?」と思うくらいです。そこで今回は、日本人にもやりやすい瞑想を考えたので紹介します。簡単なので、このコラムを読んでいるみなさんにもやってもらいたいと思います。では早速いきますね。 瞑想のコツとやり方を知って精神を統一お傍でお伝えできたら一番良いのですが、今日は文字で瞑想レッスンを伝えます。柔軟に楽しむようにやってみましょう。まずは安定した安心できる場所で行ってください。① いすまたは床に座って、両手を膝の上に置きます。② 目を半分ほど閉じ、顔の筋肉を休めてゆっくり呼吸をします。そのまま呼吸を10回ほどどうぞ。③ 気持ちが落ち着いてきます。2つの座骨を意識します。(両方のお尻の真ん中2つを意識すればOKです)④ その2つのさらに真ん中に意識を集中させます。そしてそこに白い光を想像します。光を意識しながら10回呼吸します。⑤ 息を吸いながら、光を背骨の前からおでこまで上げるイメージをします。吐く息で、光を背骨の後ろから座骨の中心まで下げ戻します。これをしばらく繰り返します。 慣れてきたら「ありがとう」の言葉を唱えましょう慣れてきたら、声に出さずに「ありがとう」の言葉を唱えていきます。息を吸いながら「ありが」、吐きながら「とう」と唱えます。とう、を長めに唱えてくださいね。この言葉と光の動きをしばらく繰り返します。心地が良ければ5分ほど楽しんでも良いです。そして、おでこに光が上がった時にそこで留めます。「とう」を最後にもう一度、唱えてあげて下さい。ありがとうを唱える事を止め、おでこの光を見て楽に呼吸します。頭の頂点へ光が自然と上るようでしたら、そうします。ここでも心地良ければ5分ほど時を楽しんでも良いですよ。最後に息を吐きながら、光を体の中心から下げます。最初の座骨の中心に光を戻してあげましょう。いかがでしたか?慣れてきたらこの文章を見なくてもできる瞑想でした。私達の気持ちを自分らしく戻してくれる瞑想。ぜひ、お好きな時に安心できる場所で試してみてくださいね。あなたの毎日がより輝き、笑顔で包まれることを応援しています。
2016年11月28日朝起きて、仕事のために家を出て、仕事が終わり帰宅する…そんな機械的な日常を過ごしていませんか?休みの日も疲れが溜まって何もやる気がおきない!なんてこともあるのではないでしょうか。同じルーティーンにはまってしまって、なかなか自分と向き合う時間がない。お勤めの方も主婦の方も、やらなければいけないことに追われている日々。そんな方にオススメなのが瞑想です。瞑想と聞くと「難しそう」「家でできるの!?」などといった不安や疑問の声を多く耳にしますが、実はとても簡単に実践できるんです!今日から3週に渡って、毎週木曜日に簡単な瞑想の仕方と座り方をご紹介していきます。瞑想は、ヨガの8つの要素の中でディヤーナと呼ばれる7番目にあたるものです。ヨガの考えでは、ヨガのポーズ(アサナ)で心身のバランスを整え、その後、精神を集中的に訓練していきます。しかし、ヨガのポーズができないからといって瞑想をしてはいけないわけではありません。瞑想をすることによって自身の中にある、もやもやを取り払い、よりクリアな思考や行動へと変化していくことができます。瞑想の時に特に重要なのが座り方です。安定した座り方でないと、体の痛みなどに気を取られ集中できません。初回である今回は1番簡単な座り方をご紹介していきますね。Sukhasana(スカーサナ)入門編Sukhaとはサンスクリット語で「気持ちのよい、優しい、穏やか」といった意味です。ヨガの重要な要素の1つでもある瞑想時の座り方の1つです。ヨガのレッスンでは、1番最初に座った姿勢で呼吸を整えることから始まることが多いのですが、私のクラスの生徒さんたちは、このスカーサナで座っている方が多くみられます。体の柔軟性はあまり要求されず、最も安定していて疲れにくい座り方だからでしょう。方法まず床に足をまっすぐに出して座り、自然に足を組んで座ります。どちらが前かは決まっていないので、自分が気持ちがいい体勢になれる方で構いません。座位が安定したら、目をつむり、手を膝の上に置き、肩や首の力を抜いて自分の呼吸に意識を向けます。この状態で、しばらく自分の呼吸を観察してみましょう。5〜10分ほど目をつむった状態で、腹式呼吸を意識しながらリラックスしてみてください。ポイントどの座位でもいえることですが、しっかりと坐骨に座るようにします。床との接触点は、両坐骨と、足の外側です。坐骨に座ることができず猫背気味になり、背骨が曲がってしまう場合は、お尻の下に毛布や枕をいれて、骨盤を出っ尻気味に矯正することをオススメします。自分の骨盤の柔軟性によって、安定感が変わります。まずは、この座り方から試してみましょう!朝起きてすぐでも夜寝る前でも構いません。日頃の疲れや心のもやもやを瞑想でスッキリさせましょう!
2016年11月17日瞑想は、ほんの数分でもいいのです。呼吸を整えたり、考え方を変えたりする時間を持つことで安らぎとなり毎日が良くなります。この瞑想は精神的に効果があるだけでなく、肌にも良いです。また瞑想は理解力をよくしてくれます。瞑想の効果瞑想の効果は薬のような即効性はありません。しかし精神的、身体的なバランスを整えながら、悩み事があるときはその悩み事を完結する考え方ができるように働きかけてくれます。1.不安やストレスを送り出すパニック状態になっている人や不安を取り払い和らげる効果があります。2.寿命をのばす寿命と関わりのある酵素を作る働きを活性化させます。その結果、晴れ晴れとした気持ちで過ごせることとの相乗効果で寿命を延ばすことができます。3.うつを遠ざけるマイナスな考え方を減らし、ポジティブな考え方を増やしてくれます。4.創造性と集中力を増やすUCLAの最近の研究で、瞑想する人は、脳の働きが良くなり、年齢を重ねても脳が衰え難いことがわかりました。記憶力も改善します。5.性欲が増える満足感が上がり、性欲が出て、活発になります。6.痛みに耐えやすくなるMintréal大学の研究によると、18%の痛みを軽減させることがわかりました。7.目的へ的確に進むことができる例えば、タバコや爪を噛む癖などやめたい場合、スッキリやめることができるようになります。8.身体と精神の健康 考え事などを頭から取り除いてくれます。瞑想している人は、していない人よりも10%精神のバランスが良いです。ヨーロッパでメディテーション(瞑想)が人気最近、瞑想の効果がインターネットや雑誌で取り上げられることが多く、メディテーションの講座やレッスンが人気になっています。主婦の方は、旦那さんや子供が学校に行っている間の午前中にメディテーションのレッスンに通い、仕事をしている人は仕事帰りにメディテーションのレッスンを1時間ほど受けてから帰宅をするというライフスタイルを送っている方が増えています。ストレスの多い、現代社会。「瞑想」でストレスを少なくする工夫をしてみてはいかがでしょう。
2016年11月04日ストレスとの新たな向き合い方として注目を浴びている「マインドフルネス」。近年、国内外の大手企業が社員研修に採用するなか、スキンケアブランド「専科」で”マインドフルネス美容”を提唱しています。株式会社エフティ資生堂では、社長も参加して社員に向けた研修を実施しています。マインドフルネスとは?「マインドフルネスとは、心の状態のこと。今ここで起きていることに意識を向けるよう集中するための心のエクササイズです」と話すのは、同研修の講師・株式会社Campus for Hの西本真寛氏。具体的にはヨガや瞑想などがそれに当たると言います。日常的に取り入れれば幸福感や集中力が高まるうえ、パフォーマンスや想像力の向上に繋がるという研究データもあるそうです。西本氏によると現代人の集中力は年々低下傾向にあるのだそう。その理由には、スマホの見過ぎやマルチタスクな仕事環境、情報過多などによって判断しなければいけないことが増え、「意思決定疲れ」が起きていることが挙げられると言います。日常生活から実践できる!簡単マインドフルネスそんな現代人のストレス緩和に役立つマインドフルネスは、実はヨガや瞑想だけではありません。マインドフルネスの最大ポイント「姿勢・呼吸・注意」を意識すれば、日常生活で簡単に取り入れられるんです!<忙しい日常でもマインドフルネスを取り入れるポイント>・メールを送る際は一呼吸おくなど、タイミングを意識する。・ランチはしっかりと味わい、楽しむ。それもマインドフルネス。・パソコン使用のデスクワークでは姿勢を正す。・毎日の洗顔やスキンケアは意識を集中させる。美しくなりながらストレスケア!簡単スキンケアで「マインドフルネス」今回研修を受けたエフティ資生堂のスキンケアブランド「専科」では、いち早くストレスケアと「スキンケア」の関係に着目。マインドフルネスを意識したスキンケアがストレスを和らげ、リフレッシュ効果があることに基づいた「マインドフルネス美容」を提唱。「専科」の洗顔フォームは濃密な泡が特徴。もっちりとした泡で顔を包み込みながら洗顔することで肌のケアに集中できます。さらに、「専科」の濃密な感触の化粧水を使うことで、意識的なリラックスタイムとして活用することが可能です。これなら忙しい女性でも短時間で気軽にストレスケアできそうですね!早速、今夜から取り入れてみてはいかがでしょうか。【参考】資生堂「専科」
2016年11月01日ストレス軽減のエクササイズとして注目されている「マインドフルネス」。“今、ここで起きていることに意識を向ける”ことで、不安が少なくなり、集中力や幸福感が高まるといわれています。この心のエクササイズを日常的に行うことで、「仕事やプライベートでの充実をはかろう」と社員研修に取り入れたのが、化粧品メーカーの株式会社エフティ資生堂です。マインドフルネスとは何か、どうすればマインドフルネスを生活に取り入れられるのかを学ぶべく、資生堂本社(東京・汐留)で開催された「マインドフルネス研修」に参加しました。現代人の集中力は金魚以下!?現代人を襲う”心ここにあらず”状態もともと仏教に由来する「瞑想法」を意味する言葉だったため、”瞑想”という難しそうなイメージを持たれがちな「マインドフルネス」。でも実は、「ランチを味わって食べる」「目の前の景色を楽しむ」こともマインドフルネスのひとつなのだそう。「マインドフルネスの反対は、”心ここにあらず”の状態です。スマホやパソコン画面を見ながらご飯を食べたり、キレイな夕日を眺めながら、つい仕事のことを考えてしまったり。複数の業務をこなしながら、慌ただしく時間だけが過ぎていくけれど、何をしていたか記憶がない……なんて経験がある方もいるのではないでしょうか。これらは、情報過多のなかでマルチタスクを課される私たち現代人が、日常的についやってしまうこと。常に注意が散漫で、ほっとする時間を持てなくなっているのです」そう話すのは、研修講師の西本真寛(まさひろ)先生。組織の健康づくりやメンタルヘルスを研究する株式会社Campus for Hのリサーチマネージャーとして活躍している、マインドフルネスの専門家です。「現代人は”今ここにあるもの”に集中する時間が8秒しかもたない、という研究結果があります。スマホの普及などによって、情報量に反比例するように私たちの集中力は低下しており、意思決定疲れを起こしているのです。ちなみに、金魚が集中できる時間が9秒なので、人間の方が1秒短いということです。毎日何十、人によっては何百のメールをやりとりするだけで、人の意思決定量のキャパシティを越え、集中力はどんどんすり減ってしまうのです」(西本先生)マインドフルネスは減っていく集中力を高め、心の充足感、幸福感を高めるストレス解消法のひとつとして、近年世界中で注目されています。車に操縦の仕方があるように、脳にも操縦の仕方があるはず。そんな考え方から、”意識を現在に向ける”トレーニング法が、アスリートのメンタルトレーニングや、今回のような企業研修にも取り入れられ始めています。毎日の美容ケアタイムを活用!ちょっとした時間で心の疲れを癒す工夫では実際に「マインドフルネス」を体験するには、どうすればいいのでしょうか。研修では、「遠い過去」「近い過去」「現在」「近い未来」「遠い未来」と書かれたシートを使い、「現在」を指さしながら、思考を現在に留まらせるように3分間意識を集中するワークショップを行いました。実際に「現在」を指さし、今のことに集中しようと取り組んでみましたが、ついつい「研修が終わったら、あのメールに返信しよう」「コーヒーを買いにいこうかな」などと「近い未来」のことを考えてしまいます。そのたびに「今のことに意識を向けなくちゃ」と自分を戒めて、葛藤しているうちに3分間があっというまに終わってしまいました。「私たちは日常的に、複数のことを同時に考える”拡散思考”をしているので、今だけに集中するのはなかなか難しいんです。そこでまずはマインドフルネスの基礎トレーニングである、”呼吸”から入るのがオススメです。姿勢を正し、呼吸を整え、他のことを考え始めてしまったら、また呼吸に意識を戻す。それを毎日、朝や寝る前、通勤時間などに継続的に行うことで、ストレスや疲労が少しずつ和らいでいきます。集中力や記憶力、想像力が高まり、自由なアイデアが生まれやすくなるなど、仕事でのパフォーマンスアップにもつながります」(西本先生)西本先生がすすめる、今日からできるマインドフルネスの方法には次のようなものがあります。(1)メールの送信前に、ゆっくり呼吸をする。吐くときにリラックスするので、吸う時間より吐く時間を長くする。(2)移動のときはスマホを見ず、意識を”今”に向けて瞑想する(3)ながら食べはせず、ランチに集中してゆっくり味わう(4)洗顔や化粧水をつける美容ケアの時間を、マインドフルネスに使う西本先生がとくに注目するのは、毎日の美容ケアタイム。洗顔やスキンケアは毎日欠かさず行うので、マインドフルネスを取り入れやすいのだとか。「手のひらから伝わる肌の温かさ、柔らかな感触を味わいながらお手入れをするので、心もリラックスしやすいんです。まずはお風呂に入って、思考をオフにする。洗顔料を泡立てることに意識を集中したら、泡のなかに顔をうずめるようにして洗ってみてください。30秒ほどのマインドフルネスでも、心がすっとするのを実感するはずです」(西本先生)約90分の研修に参加した社員は25人ほど。そのうちのひとり、株式会社エフティ資生堂の山ノ井さんは「仕事と1歳の子どもの子育てに追われてバタバタな毎日に、マインドフルネスを取り入れられたら」と、研修に興味を持ったのだそう。「マインドフルネスのために時間を作らなくちゃ、と思っていたのですが、毎日のスキンケアの時だけ意識を”今”に向けるだけでもいいんだ!という発見がありました。それなら今夜からでも始められますね」(山ノ井さん)自分のライフスタイルに簡単に取り入れられる「マインドフルネス」。心休まる時間が足りないな……と思ったら、まずはスキンケアに意識を集中することから始めてみませんか?
2016年11月01日最近「瞑想」という言葉をよく耳にするようになったと感じる方も多いのではないでしょうか。けれども、ちょっと難しそうなイメージや、オカルトのイメージを持っている方も少なくないと思います。そんな方も百聞は一見に如かず!女子力をアップさせたい人にこそ、この「瞑想」がとても有効なのです。女子力を高められる理由とはどのように女子力をアップすることができるかとういうと、 リラックス効果が期待できるということが最大の魅力です。リラックスすることは、脳にも体にもとても大切なことです。お仕事中はもちろん気を抜けませんし、女子会で話す内容や着て行く服への悩み、 ちょっと面倒に感じることがあるSNSやライン。正直言って、あなたは何も考えずにリラックスしている時間はありますか?瞑想でリラックスすることにより、脳が休まり、集中力が以前より増すようになっていきます。オンとオフがしっかり切り替えられるようになると、 体の疲れが貯まりにくくなり、免疫力が高まるとも言われています。理想の女性に近づける次に期待できるのが、自己実現に近づいていけるということです。どのような女性になりたいと考えているかは、人それぞれ違います。「素敵な男性と早く結婚したい」というのが自分の女子力アップに繋がると考えている人もいれば、 「キャリアを積んで、世界を股にかけるような仕事ができるようになりたい」というのが女子力アップに繋がると考えている人もいるでしょう。ただ、漠然と理想を描いていても、なかなか自己実現には近づくことは出来ませんが、 瞑想により、脳をリラックスして、なりたい自分をリアルにイメージすることができるようになると、 自分が描く女子力をグングン上げていくことができるのです。瞑想することは医学的にも、脳や体にとても良い影響が与えられると証明されていますから、 是非、挑戦してみて下さい。瞑想のやり方では、瞑想のやり方です。色々な方法がありますが、まずは自分がやりやすい方法が1番です。リラックスできる服を着て、リラックスできる、片付いた部屋の中で、音楽やテレビの音を消します。スマホの電源ももちろんオフにして下さい。そして、リラックスできる座り方で目を閉じ、鼻からゆっくり息を吸って腹式呼吸をします。これを大体15分くらい行います。頭の中は空っぽにして、ただ、自分と正直に向き合っていきます。朝の出勤前に時間が取れるのであれば、朝でも良いですし、難しい方は、夜、家に帰ってきてからでも構いません。たった15分なので、習慣にしてしまえば難しいことはありません。まずは1カ月続けてみませんか?きっと今まで以上に素敵な大人女子にステップアップできるはずですよ!
2016年10月06日ストレスケアやひらめき力の向上を狙って、グーグルなどの世界的な企業も研修に取り入れているマインドフルネス。そのメソッドに精通している、浄土宗光琳寺副住職の井上広法さんと、マインドフルネス・ヨガ講師の山口伊久子さんが実践法を教えてくれました。■マインドフルネスって何のこと?→今この瞬間に心を寄せありのままを観ること。井上:マインドフルネスは、ごく最近に考えられた新しいメソッドだと思われることがよくあるのですが、実は、2500年前に生まれたブッダの教えがベース。山口:ヨガの根本の考えにも多くの点で共通するところがあります。井上:その仏教やヨガが、原点に気づき始めたきっかけでもあるのが、マインドフルネスなんです。山口:学会の定義は、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」。ありのままの今の自分に意識を向けることなんですよね。井上:そう、現代社会は、情報が多くて、いつもあちこちに考えが飛んで、今がおざなりになりがち。けれど、今を重視することができれば、ここぞというときに最大限のパワーを注ぎ込める。世界の企業が目をつけているのも、そこなんです。山口:今この瞬間に起こっていることに意識を向けると、自分のネガティブな感情とも折り合いがつくので、ストレスとの向き合い方も変わってきます。井上:例えば、嫌なことがあっても、ありのままの状況判断ができ、悪い想像が膨らまない。すると、辛さの本当の原因ときちんと向き合える余裕が生まれるんです。山口:嫌なことはなくそうとしても次から次に生まれるものです。そういう自分が存在することを認めてあげることでもあります。井上:さらに、身の回りのことがよく見えて整理がつくようにも。マインドフルネスを始めると、必要なものがはっきり取捨選択できるので、より心地よい生活や環境へ整えたくなる人が多いようです。■どうして幸せに繋がるの?→すべての体験の充実感が増すからです。井上:今に意識を向けることができるようになると、まず、それまで見過ごしていた小さなことにも気づけるようになりますよね。山口:お茶を飲む行為ひとつとっても、動作や感覚を丁寧に観察してみると、体がどう感じ、心がどう受け止めているかに気づき、いたわることができるように。井上:自分と同じように、他者に対しても目を向けるようになって心遣いできるようになり、人間関係が良好になります。山口:マインドフルネスを得ることで、いろんなことに対して思いやりや好奇心が持てるのです。井上:そうすると、いつもやっていることで満足でき、そこに幸せを見出すことができます。既に物質的に満たされている日本人は、もう、物を補うことでは幸せを感じられない。とすれば、時代に見合った幸せの見つけ方のひとつではないかと思います。■どうすればできる?→考え方次第で、日常で実践できます。井上:方法としては、浮かんだ考えをそのまま流して、今に引き戻す、瞑想が定番としてあります。山口:いつもの行動も意識して行えば、マインドフルネスのトレーニングになります。以前、職場で嫌なことがあったときにトイレに行き、ただ歯を磨くということに意識を向けて呼吸とともに行うことをしていたのですが、それだけで自然に冷静になってきました。まさにそういうことです。井上:ほかにも、普段の生活で取り入れられるチャンスはたくさんあります。ひとつの食べ物をじっくり味わってみる、家事を丁寧に行ってみる、通勤時間の姿勢に目を向けてみるなど。山口:言葉で言うと難しく聞こえるかもしれませんが、まずは、実践してみることが肝心です。自分に合った方法を選んで、試してみてください。◇井上広法さん浄土宗光琳寺副住職。テレビ出演のほか、お坊さんのQ&Aサイト「hasunoha」主宰として活動。著書に『心理学を学んだお坊さんの幸せに満たされる練習』(永岡書店)が。◇山口伊久子さんマインドフルネス&ヨーガネットワーク()主宰。マインドフルネス瞑想やヨガの講座を開催。日本マインドフルネス学会理事。※『anan』2016年7月20日号より。写真・小笠原真紀取材、文・小林良子
2016年07月16日きょうご紹介したいのは、『聴くだけで集中力が高まるビジネス瞑想CDブック』(平本あきお著、きこ書房)。メンタルコーチである著者が豊富な経験に基づいて開発したという、ビジネスパーソンのための「ビジネス瞑想」というメソッドを解説した書籍です。その名称を聞いただけではイメージしづらいですが、著者によるとビジネス瞑想には次の3つの特徴があるのだそうです。(1)世界最速、短時間で深い瞑想に入れるので、その日からすぐに結果につながる(2)カフェやトイレ、満員電車の立ち姿勢でOK。どこでもできる(3)はじめての人でも驚くほど気持ちがいい。がんばらなくても続けられるそしてビジネス瞑想には、13もの効能があるのだそうです。ひとつひとつをチェックしてみましょう。■1:自分自身の思考に気づくことができる多くのビジネスパーソンの頭のなかには、常に膨大な思考が駆け巡っているもの。時間に追われながら正しい判断を求められ続けると、心も身体も疲れ果て、パフォーマンスが落ちていきます。そんなときビジネス瞑想をすると、思考を無理に鎮めようとせず、あるがままを受け止め、物事を静かに見つめられるようになるそうです。■2:心・身体・頭のリラックスがうながされる瞑想には、心・身体・頭が空っぽになって、十分なリラックス状態(スイッチがオフの状態)へと導く効果が。十分にリラックスできてこそ、オンの状態で集中力がアップし、高いパフォーマンスを発揮できるといいます。■3:立ち止まって日々の判断の軌道修正ができる目先のことにとらわれず、常にその先の「目的」を意識できるようになるのだとか。そこで無理なく心に余裕が生まれ、いつでも立ち止まって、柔軟に軌道修正する力が身についてくるというわけです。■4:折れない心をつくることができる想定外のことや、思いどおりにならないことが起こっても、折れない心を身につけておけば、ストレスはかなり軽減できるもの。ビジネス瞑想を習得すると、そんな力がつくようになっていくそうです。■5:本当の自分(人生の目的)を知ることができる瞑想をすると、自分では気づいていなかった感情に気づくことができ、湧いてくる喜怒哀楽すべての感情を受け入れられるようになっていくといいます。さらには、ネガティブな感情の内部に隠れた、本当の自分を知ることも可能。■6:目の前にある幸せに気づく瞑想の習慣が身につくと、過去のことを考えすぎて憂鬱になったり、落ち込んだり、未来を考えすぎて不安や心配ごとに惑わされたりすることもなくなっていくことに。■7:相手のありのままを受け入れられるようになるビジネスの世界では、相手の立場に立って受け入れる姿勢が大切。そしてそのためには、ありのままの自分を受け入れたうえで、それをいったん脇に置き、相手を受け入れていくというプロセスが必要。瞑想を実践していくと、そのプロセスが進んでいくそうです。■8:相手と深い信頼関係を築けるビジネス瞑想を実践していくと、真の思いやりや勇気づけの姿勢を発揮できるようになるため、相手と揺るぎない信頼関係を築いていくことができるようになるのだといいます。■9:複雑な問題を解決できる相手と意見が対立してしまうことは、どんな状況でもあるもの。しかしビジネス瞑想をすると、どんな状況であっても、お互いがwin-winになるような形で問題解決できるようになるとか。■10:大局観が身につく仕事に追われていると、目の前の仕事をこなすことに精一杯になり、視野が狭くなりがち。しかし瞑想をすることで、いつの間にかついてしまった思考の枠が取り払われていくそうです。■11:ブレない強靭な意志を持つことができる瞑想習慣が定着すると、意思決定する際に「間違いなくこれだ!」と確信が持てるようになるといいます。■12:目の前にあるすべてをチャンスにできる生きていくうえではあらゆる困難と直面することになりますが、瞑想が身についていくと、目の前の困難をチャンスにできる精神状態が得られることに。■13:シンクロニシティが起こるようになる瞑想をすると、思考・感情・行動(言動)・意識が一貫するため、シンクロニシティ(偶然の一致)が起こりやすくなるのだそうです。自分が望んでいるものや人との出会いに恵まれ、願いがどんどん叶っていくということです。*このように、ビジネス瞑想のメリットは多岐にわたっています。そして本書には瞑想状態を誘発するメッセージが収録されたCDが付属しているため、ビジネス瞑想の基本を目と耳から学ぶことが可能。日常生活に取り入れれば、パフォーマンスを高めることができるかもしれません。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※平本あきお(2016)『聴くだけで集中力が高まるビジネス瞑想CDブック』きこ書房
2016年06月30日マインドフルネスの関連書籍は、これまでにもいくつかご紹介してきたことがあります。簡単にいえばそれは、心の体の疲れのもととなる雑念を取り除くことによって、“自分が自分らしくある状態”を実現するための手段。そして、きょうピックアップした『心を整えるマインドフルネス CDブック』(人見ルミ著、あさ出版)も、そんなマインドフルネスの効能をリラックスしながら実感できる一冊です。■著者はマインドフルネスによって人生が好転著者がマインドフルネスに出会ったのは、28歳のときのことだったのだとか。人生のどん底といっていい時期で、精神的にも肉体的にも疲弊しきっていたのだといいます。やがてインドに渡り、偶然に出会った師からマインドフルネスの考え方、そのエッセンスとなるヨガや瞑想法を学んだのだといいますが、結果的にはその体験が大きな意味を持つことになります。道場で1年半修行したのちに帰国して働きはじめたところ、携わった仕事のほとんどで大きな成果を得ることができたというのです。具体的には17年間にわたって黒字を出し続けた結果、会社で初の女性役員に抜擢されたのだそうです。まさに、マインドフルネスによって人生が好転したわけです。■マインドフルネスは世界中の先進企業が注目しかし、それは著者に限ったことではありません。マインドフルネスの効果に対しては、近年、世界中で注目が集まっているからです。たとえば世界トップレベルの頭脳集団であるグーグルにおいても、約5万人の社員のうち10人に1人がマインドフルネスを実践して効果をあげたという結果が出ているそうです。また、フェイスブック、インテル、ツイッター、ナイキ、ドイツ銀行、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどなどの先進的企業、さらにはアメリカ海軍やペンタゴン、アメリカ農務省森林局などの政府機関でも導入されているといいます。■活用したいなら「奇跡の90秒ルール」を!そんなマインドフルネスの活用法のひとつとして、本書では「奇跡の90秒ルール」というものが紹介されています。ついイラッとしてしまうことは誰にでもあるものですが、そんなときは90秒だけ、どこかへ避難してしまおうという考え方。そして、ここで紹介されているのが、神経細胞学者であり、ハーバード大学医学部で脳と神経の研究に携わっているジル・ボルト・テイラー博士の著書『奇跡の脳—脳科学者の脳が壊れたときー』(新潮社)から抜粋された文章です。「自発的に引き起こされる(感情を司る)大脳辺緑系のプログラムが存在しますが、このプログラムの一つが誘発されて、化学物質が体内に満ちわたり、そして血液からその物質の痕跡が消えるまで、すべてが90秒以内に終わります。たとえば怒りの反応は、自発的に誘発されるプログラム。ひとたび怒りが誘発されると、脳から放出された化学物質がからだに満ち、生理的な反応が引き起こされます。最初の誘発から90秒以内に、怒りの科学的な成分は血液中からなくなり、自動的な反応は終わります。もし90秒が過ぎてもまだ怒りが続いているとしたら、それはその回路が昨日し続けるようにわたしが選択したからです」(「第15章自分で手綱を握る」より)つまり怒りの感情は、「90秒」で血中からなくなるというのです。だとすれば、その90秒さえやりすごすことができれば、落ち着いた対応が可能になるともいえるのではないでしょうか?だからこそ著者は、かっとなって部下を怒鳴りつけそうになったり、子どもに手をあげそうになったりしたら、まずはその場を離れることを勧めています(もちろん、子どもの様子は見える場所に)。そして、ゆっくり深呼吸をしてみる。お水を飲んで一息つくのもいいそうです。その後、90秒経って落ち着いたら、もどって問題に向き合えばいいということです。*こうした記述からもわかるとおり、マインドフルネスは決して難しいものではありません。むしろ楽に取り入れることができ、そこから最大の効果を引き出せる可能性があるということ。なお本書には、自律神経を整えパフォーマンスを最大化する効果があるという528Hzオリジナル曲が4曲収録されたCDもついています。目と耳からマインドフルネスを実感できるわけで、とても充実した内容だといえるでしょう。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※人見ルミ(2016)『心を整えるマインドフルネス CDブック』あさ出版
2016年05月02日マインドフルネスとは、自分の気持ちや体の状態を把握するための行為もしくは精神状態のこと。瞑想に似ており、効果的なストレス対処法として欧米でその効果が高く評価されています。そんなマインドフルネスの観点から「怖れ」との対峙法を説いているのが、きょうご紹介する『怖れ~心の嵐を乗り越える深い智慧~』(ティク・ナット・ハン著、島田啓介訳、サンガ)。著者は、ベトナム出身の禅僧、人権運動家、学者、詩人。また、ダライ・ラマ14世と並んで20世紀から平和活動に従事する代表的な仏教者で、マインドフルネスについて多くの著作を持つ作家でもあります。■人は「怖れの種」をまっすぐ見つめると変わる私たちは、過去に起こった出来事に心を縛られ、これから先のことに不安を抱いてしまうもの。しかし、怖れから逃避したりせずに「怖れの種」をまっすぐに見つめれば、そこから変容がはじまると著者は主張しています。そして変容をうながす強力な方法のひとつが、「5つの確認」の実践。息をゆっくりと吸って吐きながら、それぞれのフレーズを心のなかで唱えてみると、自分のなかにある怖れの性質とその根源を深く見つめるための味方になってくれるというのです。ではまず、その5つの確認を見てみましょう。(1)私は歳をとる。老いからは逃れられない。(2)私は病気になる。病気からは逃れられない。(3)私はやがて死ぬ。死からは逃れられない。(4)いま大切にしているものや愛する人々はすべて変わりゆく。別離からは逃れられない。(5)私は体、言葉、心による行為の結果を受け継ぐ。私の行為だけが継続していく。ひとつひとつの項目を深く見つめつつ、気づきを向けつつ息を吸い、息を吐く。そうして自分を力づけながら、怖れに取り組んでいくというのがその手法。各項目を見ていきましょう。■心のなかで唱えると怖れが減る5つのフレーズ(1)私は歳をとる。老いからは逃れられない。私たちが確実に歳をとっていくのは、普遍的で避けようのない事実。しかしほとんどの人はそれを認めずに、なんらかのかたちでその事実を否定して生きているもの。しかし心の奥底では、それが本当だとわけってもいます。ところが、不安に満ちた考えを抑圧したところで、それは闇のなかでくすぶり続けるだけ。だからこそ、私たちはこれを単なる理屈ではなく、現実に起こっていることとして、真実として受け入れなければならないと著者はいいます。5つの確認は表面的な描写ではなく、自ら直接体験しなければならない真実を理解するためのよい機会だということ。(2)私は病気になる。病気からは逃れられない。たとえいま健康であったとしても、いつかやがて自分も病気にかかるときがやってきます。いますぐにその真実を見つめようとしない限り、あるとき突然それが降りかかったとき、対処のしようがなくなるもの。そこで、いまこの時点で、「体がある限り、必ずいつかは病気になる」ということを自覚しなければならないという考え方。それを知れば健康ゆえの傲慢さから抜け出すことができ、そこから正しい行動(正業)の道が開ける。すると自らの時間とエネルギーを最大限に生かして必要なことを行い、身心を傷めるような無意味な行動にうつつを抜かすことはなくなるというのです。いわば、すべきことがはっきりするということです。(3)私はやがて死ぬ。死からは逃れられない。死は私たちが向き合うべきリアリティであるだけに、潜在意識は常にそれを忘れようとするもの。しかし、自分がいつかは死ぬというリアリティに本当に向き合ったとき、人は馬鹿げた行動で自分を苦しめたり、永遠に生きるという幻想にしがみついたりはしなくなるといいます。自分の死という事実を深く見つめれば、自らのエネルギーを、自分自身と世界を変容させ癒すための実践に注ぐことができるようになるのです。(4)いま大切にしているものや愛する人々はすべて変わりゆく。別離からは逃れられない。死ぬときに携えていけるものはなく、いま大切にしているものはすべて、明日にはなくなるかもしれません。ブッダは「いつでも手放せる心構えを持つべきだ」と説いているそうですが、それは別離からは離れられないものだという考えがあるから。私たちはいつでも、手放すための準備ができていなければならないということです。(5)私は体、言葉、心による行為の結果を受け継ぐ。私の行為だけが継続していく。第5の確認が教えるのは、私たちの死後にも続いていく唯一のことは、カルマ(業)と呼ばれる、思い、言葉、行動だけであるということ。カルマは私たちが依って立つ基盤で、むしろ唯一の基盤こそがカルマなのだとか。健全なものであれ不健全なものであれ、どんな行為からも私たちはその事実を受け取るべきだということ。*マインドフルネスに詳しくなかったとしても、無理なく取り入れるアイデア満載。怖れを少なくしていくためにも、目を通してみる価値はあるかもしれません。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※ティク・ナット・ハン(2015)『怖れ~心の嵐を乗り越える深い智慧~』サンガ
2016年03月10日スマホ・パソコン・テレビ…。情報を得るためのツールが発達したことにより、私たちの頭は、つねにフル回転している状態といって過言ではありません。考えることが多すぎて、ときどきなにがなんだかわからなくなることも。そんな方にオススメなのが、瞑想です。以前は、「瞑想ってなに? 修行のこと?」ともいわれていた瞑想。スティーブ・ジョブズなどの経営者もやっていたことから、広く知られるようになったそうです。瞑想には、どんな効果があるのでしょうか。■有名企業の社内研修にも用いられているスティーブ・ジョブズのほか、ビル・ゲイツやイチロー、マドンナ、稲盛和夫などの多くの経営者、成功者が瞑想をおこなっています。また、Google社やIntel社など有名な企業も社内研修に取りいれているようです。日々大きな決断をせまられる経営者や世間から注目を浴びている成功者だからこそ、自分の内外を見つめる必要があります。感情や思考の整理をすることで直感力が発揮しやすくなり、すばやい決断につながります。忙しい人物ほど、瞑想の時間はしっかり確保して集中力を高めているようです。■瞑想すると、どうなるの?瞑想は、心身へのいい影響をもたらすといわれています。主な3つの変化を紹介します。・心が強くなる仕事や家庭などで、ストレスを抱えやすい私たちの心。先のことばかりに目を向けて焦る心を「いま」に戻すことができます。「いま」に目を向けることで、心が強くなります。・心身をリラックスさせる瞑想は脳波からアルファ波をだします。アルファ波のCDも売られていますよね。それと同じ効果があります。心身がリラックスでき、集中力が高まります。・頭のなかを整理できる頭のなかはたくさんの情報であふれています。瞑想をおこなうことで頭のなかが整理され、アイデアが湧きやすくなります。■瞑想のやり方瞑想にはさまざまなやり方がありますが、こうしなければいけないという決まりはありません。自分がやりやすい方法で続けるのが一番です。ここでは私が習った2つのやり方を紹介します。・座った状態で目を閉じて呼吸を意識する「ごはんはなにをたべよう」「あれはどうしようかな」など、瞑想をはじめると頭のなかにはいろいろなことが浮かんできます。ここで、頭のなかにゴミ箱をイメージしてください。頭のなかに浮かんできたことをゴミ箱に捨てたら、呼吸に意識を向けていきましょう。・座禅スタイルで瞑想瞑想をすると「いつの間にか寝てしまう」という人にもオススメのやり方です。目を開いたまま、下向きに斜め45度を見つめます。この方法だと途中で寝てしまう心配がありません。それから、吐く息を長めにしましょう。呼吸に意識を向けることで集中しやすくなります。ほかにも音楽を聞きながらおこなうこともあります。CDも売られているので、集中するのがむずかしい人は探してみるのもよいでしょう。自分にあった瞑想法を見つけてみてください。
2016年01月19日リバウンドしない「最後のダイエット」の提唱者であり予防医学研究者の石川善樹先生に毎日の生活習慣を変えるうえで大事な「マインドフルネス」について聞きました。―自分自身もそうですが、毎日の生活習慣や考え方を変えるのは難しいなと感じます。そうなんです。ひとは基本的に変わるものではないのです。第一世代は、「行動を変える」トレーニング、第二世代で「考え方を変える」というメンタルトレーニングが出てきましたが、「ひとは変わらない」という結論になりました。現在、第三世代の「マインドフルネス」が世界中で流行っていますが、これはしっかりと自分の感情に「注意」を向けるためのトレーニングなんです。―「注意」を向けるというのは、どういうことでしょうか?ひとは怒りの感情が高ぶっているときには、「I am angry」となるものです。これをいかに自分の感情に「注意」を向けて客観視して「I feel angry」と変えることで全く別の価値観に「気づく」ことができるかどうかということです。この状態を自分自身で作り出すのは困難なことなので、誰もが、簡単にメンタルの状態をコントロールができるようにするためのアプリケーションを開発しました。「MYALO」(というアプリケーションです。東洋では「見て覚えろ」というような教えが多いので、瞑想をして自分のメンタルをコントロールすることは体系化されていません。このアプリでは、誰もが簡単に瞑想の状態に入ることができるように体系化を試みたのです。―瞑想が仕事に与える影響についての調査をされましたよね。そうです。まだ日本では瞑想をはじめているひとはごくわずかで「イノベーター」と呼ばれるようなひとたちですけれども、この瞑想が仕事のパフォーマンスを上げるうえで役に立っているという調査結果が出ました。この調査では睡眠よりも瞑想のほうがパフォーマンス向上に関連するという結果になりました。―瞑想が仕事のパフォーマンスに影響を与えるというのはすごいですね欧米のひとにとっては、瞑想というのは珍しく興味深いものなので、ブームとなっているのです。グーグルなどが組織のトレーニングとして取り入れています。実を言うと日本でも昔から経営者など一部のひとは、座禅を組んだりして瞑想を取り入れていたのですが、多くの日本人にとってはお寺で座禅を組む姿などを身近で見てきた経験があるために、珍しくなく楽しめるものではなかったのです。―瞑想を通して「気づく」というのはどういう心理状態でしょうか?自分自身の体験をお話ししますと、あるときに誤ってPCに水をかけてしまったことがあったんです。この時PCがしばらく使えなくなったのですが、これは自分にとって変わるチャンスではないだろうかと考えました。自分は普段、PCで一体何をしているのかと改めて自分に問いかけてみました。そうすると自分は、ただ単に届くメールに反応しているだけではないか?という考えに至りました。もっと本来は周囲とのつながりを大事にすべきなのではないか?ということに気づかされました。PCが壊れてそこから離れることで、自分自身の「注意」を切り替えることができたのです。―自分自身の「注意」の切り替えですか?ええそうです。またこういうようなこともありました。大学のときに僕は運動部だったのですが、いつも後輩に対して「あいつは使えない」というようなことばかりを言っていました。あるひとから、ひとを「使える」、「使えない」ということで判断してしまってはダメだと言われて、自分はなんて愚かだったと「気づいた」というようなことがありました。―「気づき」は組織にとっても有効なのでしょうか?そうだと思います。他人に「気づき」、考えることが大事なんだと思います。また何か怒りを感じるようなことがあれば、忘れること。そして「自分は愚かだ」ということに「気づく」ことが大事なのです。これが大人として成熟するということだと思います。組織が成熟することが強みを生かせる組織となる秘訣ではないでしょうか?―「気づき」はどのようにして組織に生かせるのですか?日本人は元々強みを軸にした経営を行ってきました。人事についてもローテーションを取り入れて、その人が強みを発揮できるようなポジションを探るというようなことをしてきたのです。ドラッカーもこのような強みを生かす経営法を提唱したひとの一人です。上司は部下を「使えない」と考えるのではなく、どうしたら次世代のスターを育てることができるかと考えるべきですし、部下も上司を思いやるべきなのです。―「気づき」が自分自身も変え、また周囲の環境も変えるのですね?そうなんです。「気づき」で変わることで、日中の生活習慣が変化します。そうすると朝ワクワクとした目覚めができるようになるはずです。それによって、おのずと睡眠も満ち足りるというような良い循環が生まれるのではないでしょうか。石川善樹先生予防医学研究者・医学博士。1981年、広島県生まれ。東京大学医学部を経て、米国ハーバード大学公衆衛生大学院修了。現在は株式会社キャンサースキャンおよび株式会社CampusforHの共同創業者。ビジネスパーソン対象の講演や、雑誌、テレビへの出演も多数。【石川善樹先生に聞く第一回】はこちらPhoto by Christopher Michel
2015年12月21日きょうご紹介したいのは、1,000人以上の受講者数を誇るメディテーション(瞑想)ティーチャーが瞑想の効能を説いた『世界のエリートはなぜ瞑想をするのか』(渡邊愛子著、フォレスト出版)。各界の著名人が実践している瞑想の効能は、いまや広く知られるところ。しかし、「やりたくても、時間がなくて……」という人も少なくないはずです。そこで本書のなかから、1分、5分でできる瞑想の仕方をご紹介したいと思います。■瞑想1分コース忙しすぎて、椅子に腰かけてゆっくり目を閉じる時間は取れないという方は、1分コースがおすすめ。(1)楽な姿勢で座り、目を閉じます。手は自由に、楽なかたちで膝の上に。そして、手のひらは天井に向けてください。(2)目を閉じたら、自分の意識を胸の中央に向けます。「ハートチャクラ」と呼ばれる、第四チャクラの中心だそうです。(3)胸の中央に意識を向けたまま、「感謝の気持ち」を感じていきます。そのためには、すでに与えられている物事や状況、ありがたいと感じていることをひとつひとつ思い浮かべるといいそうです。たったひとつでもかまわないので、思い浮かべ、感謝の気持ちをじっくり味わうことが大切。■瞑想5分コース(鼓動を感じる)5分程度の時間が確保できるなら、鼓動を感じる「ヒーリング瞑想」を。(1)楽な姿勢で座り、目を閉じます。手は膝かももの上に、手のひらを上に向けて置き、指は自然に開いたかたちで力を抜くそうです。(2)目を閉じたら、自分の意識を胸の中央に向けます。楽に呼吸をしながら、意識全体で自分の鼓動を感じることがポイント。鼓動の感じ方は、鼓動の音でも、からだの感覚でもOK。「どのように感じるべき」という考えを手放し、ただ鼓動を感じることが大切。(3)次に意識を、手の指先に向けます。目は閉じたまま、両手がどこにあるかを感じ、意識を指先に持っていきます。そして鼓動を指先で感じてみるわけです。(4)意識をふたたび胸の中心に戻し、心のなかで次の4つのことばを繰り返します。「平和」「調和」「笑い」「愛」瞑想中は「マントラ」という意味のない音を心のなかで繰り返すことが重要。一方、「平和」「調和」「笑い」「愛」という4つのことばは、「スートラ」という意味のあることばの一部なのだといいます。胸の中心であるハートチャクラを意識しながら、心のなかでスートラを唱えることで、癒しの効果がもたらされるそうです。(5)目を閉じたまま、口を動かさず、この4つのことばを心のなかで1分ほど繰り返したら、自分のからだの癒したいところに意識を向けます。なにかをイメージする必要もスートラを唱える必要もなく、ただ意識をそこに向けるだけ。からだの各箇所に意識を向けることによって、癒しがもたらされるとか。(6)また意識を胸の中心に戻し、4つのスートラを心のなかで1分ほど繰り返します。ここまでで、ちょうど5分くらいだそうです。*他にも実践しやすい瞑想の方法と効果、そしてそれらの大前提となる考え方などがわかりやすく解説されています。「ちょっと疲れた……」という方にとっては、大きな手助けとなってくれそうです。(文/印南敦史)【参考】渡邊愛子(2015)『世界のエリートはなぜ瞑想をするのか』フォレスト出版
2015年10月12日瞑想やマインドフルネスが流行していますが、忙しい毎日を過ごしている人のなかには、「ゆっくり瞑想する時間なんて取れない」という人も多いかもしれません。そもそも瞑想にはストイックな印象があるだけに、「興味があるけど私には無理」と感じている人もいることでしょう。そんな方のために、気軽に瞑想に取り組むためのコツ17個をお教えします。■1:決まった場所じゃなくてもOK瞑想するといっても、特別な場所が必要なわけではありません。いつでも、どこでもいいのです。■2:目を閉じる必要なし目をしっかりと閉じなきゃダメ、と誤解している人が多いですが、目を開けていても瞑想することは可能です。坐禅の場合は「半眼」といって、柔らかく瞼を落として1メートル程度先を見るように目を半開きにするのです。■3:気軽に始めよう「これをしなくちゃいけない」というようにルールを考えると、気負ってしまいなかなかスタートできないものです。呼吸に集中するなど、とにかく簡単なことから始めてみましょう。■4:瞑想できないときは散歩しようもし静かな場所に座って瞑想する時間が取れないなら、ウォーキングをしてみましょう。それだけでもだいぶ落ち着くことができるはずです。■5:自分に合ったやり方を探そう瞑想と一口にいっても、方法や形はいろいろ。坐禅のように足を組んで座るものや、椅子に座るスタイル、横になるスタイルなど。いくつかトライして、自分に合ったものを見つけましょう。■6:気長に続けよう瞑想はとてもシンプルですが、慣れるまでには時間がかかります。定期的に実践できるよう、焦らずに取り組みましょう。■7:正しい方法なんて気にしない先に触れたとおり、瞑想にはさまざまな方法があります。「自分のやり方は果たして正しいの?間違っているの?」なんて気にせず、とにかく始めてみましょう。大切なのは、「始めること」です!■8:朝に実践しよう朝から瞑想というと、ちょっと気後れしてしまうかもしれませんね。けれど、朝に瞑想をすると、気分がいい状態で1日をスタートさせることができます。いまは早起きしやすい季節なので、チャンスかもしれません。■9:姿勢に気をつけよう朝早く起きて瞑想に取り組んでも、座っているうちに寝てしまっては意味がありません。集中力を高め、寝落ちしないようにするには、いい姿勢を保つことが大切です。背中を丸めると眠くなってしまいます。背筋を伸ばし、まっすぐな姿勢を保つように意識を集中させましょう。■10:満腹時は避けよう前述の姿勢の他に、眠くならないためのアドバイスがもうひとつあります。それは、「満腹時の瞑想は避ける」ということ。また、お腹が減りすぎても集中できませんので、避けましょう。■11:呼吸を数えよう瞑想をしていると、どうしても集中できなかったり、気づくと考えごとをしていたりすることがあります。そんなときは、呼吸を100まで数えてみてください。■12:瞑想用の時間を作ろう朝がなかなか難しい場合でも、瞑想の時間を自分なりに決めておきましょう。そうすれば、時間になると「瞑想しよう」という気になるため続けやすいのです。静かな自室や新鮮な空気が吸える公園など、瞑想に合う環境を選んでくださいね。■13:頑張りすぎない「長く瞑想しなきゃ」などと自分にプレッシャーをかける必要はありません。なかなか時間が取れなかったら、5分瞑想するだけでも、やらないよりはいいでしょう。短い時間からスタートして、慣れたら時間を伸ばしていけばいいのです。■14:瞑想スペースを決めよう「1」にどこでもOKとは書きましたが、自宅のなかに瞑想するスペースを決めるのも、続けるための「コツ」です。静かで邪魔されない場所を決め、インセンスやアロマを使うなどして、快適空間を演出してみてください。■15:自分だけでがんばらない自己流ではなかなか難しい場合もあります。瞑想に関する本はたくさん出ていますので、そこから学ぶもの手です。また、ひとりで瞑想を続けるのはなかなか大変。そこで、瞑想仲間を見つけてはいかが?家族や友だちを誘うのもいいですし、無料や格安で坐禅を教えてくれる「坐禅会」を開催しているお寺もあります。こうした場所を活用してみてください。■16:静けさに耳を傾けよう現代人はとかく「雑音」に囲まれています。街を歩けば大音量のスピーカー、耳にはイヤホン、とどまらないおしゃべり、などなど。心のおしゃべりもやめて、静けさに耳を傾ける時間をつくり、雑音のない世界のパワーに気づきましょう。■17:とにかく楽しもう瞑想を「やらなきゃいけないもの」と位置づけたら、義務感に追われ、サボってしまったときには罪悪感に苛まれ、ますます後ろ向きになってしまいます。瞑想を「楽しいこと」と位置づけ、瞑想中はとにかくその瞬間を楽しんでください。瞑想はただ座ってなにも考えない、というシンプルな行為ですが、続けるのがとても難しくもあります。でも、一度自分のものにしてしまえば、ライフスタイルの一部になり、より自然に向き合えるようになるでしょう。上記のコツを活用して、瞑想を自分の生活パターンに組み込んでみてはいかがでしょうか。ただし、気負わず、無理せず、気軽に!(文/松丸さとみ)【参考】※25 Simple and Awesome Meditation Tips for Every Lazy Soul-iDIVA.com
2015年07月31日ミランダ・カーやジゼル・ブンチェンなど、スリムで美しい女性はダイエット中、食事や運動に気を使っているだけではありません。なんと「瞑想」によって、ダイエット効果を上げているのです!瞑想と聞くと、なんか難しそう……と思いがち。しかし実は、場所や時間を問わず、簡単に取り入れられるものなんです。そこで今回は、瞑想のダイエット効果と簡単なやり方をご紹介します。瞑想がダイエットに良い理由瞑想は身体と心のバランスを整え、ストレスを軽減してくれます。イライラしたり落ち込んでいると、無性に甘いものや油っこいものが食べたくなりますよね。そんな時、瞑想は気持ちを落ち着かせ、過剰な食欲を抑えてくれるのです。また、自然と心が身体に良いものを求めるようになり、食事内容の改善にもつながります。 ダイエットを続けるための強い心をつくれる!健康的に美しく痩せるためには、長期的に根気よくダイエットを続けることが大事。瞑想は脳の働きを向上させるため、集中力と注意力を上げ、ダイエットに挫折しない強い心を作ってくれます。カリフォルニア大学の研究によると、二週間の瞑想トレーニングを受けた人たちが学力テスト(GRE)のリーディングや記憶力部門を受けたところ、成績の向上が認められたとのこと。瞑想は雑念を取り除き、目の前のことや大事なことに集中する力を与えてくれるのだそう。挫折することなく、ダイエットや目標に向かって突き進むことができるというわけです。簡単!瞑想のやり方とは?では、実際にどうやって瞑想を行えばいいのでしょうか?簡単にできる!瞑想のルール1.リビングルームやベッドルームなど、静かで快適な場所を探してください。2.座って目を閉じ、ゆっくり大きく呼吸をします。3.はじめは2~3分間を週5日ほどと無理なく。次第に行う時間を10分、15分、20分、最終的には25分にしていきましょう。4.瞑想中は背筋を伸ばすことが大切。締め付けない服装を選び、床か椅子に座ります。何も考えずに無になることは難しいもの。もし仕事や家庭のことなど雑念が浮かんだら、呼吸に意識を向けてみましょう。特に、頭の中がクリアになりやすい朝一番に行うのがオススメですよ!瞑想上級者のミランダ・カーは、移動中の車の中やメイクアップ中に行っているとか。瞑想の魅力は、慣れたらどこでも行えることですね。ミランダのようなスレンダー美女を目指す方、ダイエットをしてもすぐに挫折するという方。ぜひ瞑想を取り入れてみてはいかがでしょうか?【参考】6 Benefits of Transcendental Meditation (and How You Can Get Started Today)/Women’s HealthMeditation: The Truth Behind the Trend/Women’s HealthSAGE Journals
2015年07月22日睡眠改善にはさまざまな方法があります。今回ご紹介するのは、そのなかの1つである「マインドフルネス瞑想」。アメリカの医学誌にその効果が論文として掲載されて以来、企業でもストレス対策として取り入れられているそうですよ。瞑想が睡眠障害の改善に?人は加齢を重ねるごとに、睡眠時間が減っていき、不眠や睡眠障害に悩む人も増えると言われています。そんな高齢者の睡眠を改善すべく、アメリカではある方法が注目を集めています。それが「マインドフルネス瞑想」と呼ばれるもので、過去や未来にとらわれることなく、現在に焦点を当てて自分のことを客観的に見ようとする瞑想のことを指すのだそうです。「瞑想で本当に効果があるの?」と訝しむ人もいるかもしれませんが、その効果を研究している南カリフォルニア大学の予防医学専門家の論文が米医学誌にも掲載されたそうですよ。マインドフルネス瞑想とは?上記の論文では「マインドフルネス瞑想」の効果を調査するために行った実験について書かれています。その内容は、中等度の睡眠障害を持つとされた高齢者数十人に対して6週間、マインドフルネス瞑想を行うチームと、睡眠衛生教育を受けるチームに分けて行うというもの。その結果、実験前と比べてマインドフルネス瞑想を行ったチームのほうが睡眠障害尺度の減少がみられたそうです。また、日々の疲労や抑うつ症状も改善したと言われています。6週間以内に睡眠改善がみられたことから、他の方法よりも優れていると論文では述べられています。座禅から考案された?このマインドフルネス瞑想、みなさんも一度、試してみてはいかがでしょうか? 寝る前は確かに、過去の失敗やトラブルなどをあれこれ考えたり、将来の不安に苛まれるときがあると思うので、「現在に焦点を当てる」というのは大切なことかもしれませんね。ちなみに、マインドフルネス瞑想はグーグルなどの大企業でもストレス対策の一環として取り入れられているそうです。今後は日本企業にも広まってくるかもしれませんね。この瞑想は「座禅」をもとにアメリカ人が考案したものなので、日本人にもすんなり馴染むのではないでしょうか。Photo by John Nakamura Remy
2015年04月17日ハリウッドの大物セレブやスポーツ選手でも取り入れている方が多いという「瞑想」。体験してみたことはありますか?今日は、ヨガインストラクターの著者が「瞑想を行なうことで得られるメリット」についてご紹介したいと思います。■1.ストレスが減る瞑想の目的は心を沈めることにあります。と言っても、もっと簡単に言えば「本来の自分と仲良くなること」が目的です。例えば、瞑想をして自分と向き合うことで、思考パターンを見つけることができます。「まだ起きていないことを考え過ぎてしまう癖」「人目を気にし過ぎて自分らしくいられないこと」「ルールを自分で設定し過ぎて苦しくなっていること」など、人それぞれ自分を苦しめている思考パターンが異なります。自分の思考パターンを知っておけば、ストレスを感じた時にそのパターンに陥ってしまっていないかを考えることでき、ストレスを減らすことができます。例えば、「将来のことが不安」という方は、思考パターンに「まだ起きていないことを考え過ぎてしまう癖」があるだけで、実際は不安がるような問題は存在していないのかもしれません。まずは思考パターンを知って、本来の自分と仲良くなることが大切!■2.集中力が増す瞑想中は「無」になることが大切。何も考えないようにと教えられる瞑想もあります。瞑想は、外から見ると黙って座っているだけの行為ですが、何も考えずに座っているのは結構大変。日常生活だと、仕事に集中していても誰かに話かけられれば、それに反応しなければなりません。電話が鳴れば、何かをしている途中でも出なければなりません。でも瞑想をするなら、物音がしても無視して瞑想に集中し続けなければなりません。目も閉じているので、意識を向けられるのは自分だけです。「外の情報が気になるけれど自分だけに集中する」という行為を繰り返す中で、集中力をつけることができます。■3.健康的な生活をする意識が高まる東洋医学の考え方で、陰と陽という2つの考え方があります。例えば、お肉は極陽に寄った食べ物であり、アイスは極陰に寄った食べ物と考えられています。焼肉に行ってお肉をたくさん食べた後にアイスを食べたくなることはありませんか?これは、お肉をたくさん食べたことで体が陽に傾いたので、陰の要素を取り入れてナチュラルな状態に戻そうという意識が働くからです。心と体はつながっているので、瞑想を行い、心を平穏な状態に保つことができれば、自然と身体もナチュラルな状態に保ちたいと思うようになります。そうなると、ジャンクフードやお菓子、レトルト食品などから卒業して、健康的な生活が送れるようになります。■4.美容にも効果的アメリカの研究では、瞑想を行なうことで老化を助長するホルモンの分泌が低下し、若返りや睡眠に関係するホルモンの分泌が上昇したという結果が出ています。ストレスが減り、睡眠の質が上がるだけでも美容に対して効果的です。■おわりに本来の瞑想の目的は「心を無にすること」なので、何も考えないようにするのが大切です。ですが始めから何も考えないのは難しいので、最初は「自分と仲良くなる」をテーマに、始めてみてはいかがでしょう?(栢原 陽子/ハウコレ)
2014年11月11日