妊娠・出産を終え、いよいよ母親としての育児が始まるニューママたちを取りまく環境は大きく変わります。出産後によく聞く「マタニティーブルー」、いわゆる「産後うつ」による不眠に悩まされるママも少なくありません。育児への不安やストレス、夫や家族からのサポートの欠如、ホルモンバランスの変化などが原因として考えられています。情緒不安定な時期が続くと、不眠に加えて食欲不振や無気力感、集中力の低下、ヒステリーなどの症状が現れることが多く、ママのメンタルヘルスケアがとても大切になります。そこで、産後うつにならないために取りいれたい3つの習慣をご紹介しましょう。その1. 120%病にならない「赤ちゃんが眠ってくれたから、この時間に家事を終わらせちゃおう!」と、つい考えてしまいがちなママたちはとてもがんばり屋さん。育児も家事も完璧にこなさなくてはと、自分を追いこんでいませんか?「完璧・完全」は「認知のゆがみ」ともいわれる典型的なパターン。「できないことがあってもいい」、「できるときにやればいい」、このように思考にゆとりのスペースを意識的につくってあげなければ、忙しいママたちの心は膨らみすぎた風船のようにパンパンになって、辛くなってしまいます。赤ちゃんが眠ったら一緒に眠って夜眠れない分を補ったり、1人の時間を満喫すべく録画しておいたテレビを観たりして、自分をいたわる時間を優先しましょう。赤ちゃんはママの笑顔が大好きです。ママがいつも穏やかな笑顔でいられるように、「これもあれも完璧にこなそう!」という120%病にはならないようにしてくださいね。その2. 情報デトックスを心がける育児本やネットなど、手軽に情報にアクセスできることは便利な一方、あまりに頼りすぎてしまうと、情報の渦に飲みこまれ、自分を見失ってしまったり、時には他人と比較して「私はいいママではないかもしれない」と自信を失ってしまったりすることも。精神的にデリケートな時期は、情報との関わり合い方に注意が必要です。自分らしいママでいられるように、気分転換に楽しみながら読む情報と、家族や出産経験のある友人、または助産師さんや病院の先生などの専門家に相談する情報をある程度内容によって区分けしましょう。その3. 旦那さんと仲良くタッピングタッチ不安や緊張をほぐし、心を癒やして優しい気持ちにしてくれる方法としておすすめなのが「タッピングタッチ」です。「タッピング」は指先の腹を使って軽く弾ませるように左右交互にたたくというとてもシンプルで簡単なメソッド。今夜からすぐにでも取りいれられます。まずは旦那さんの目の前に座り、背中を優しくタッピングしてもらいましょう。それが終わったら、象の鼻のような動きで、両腕を使って背中をさすりながら手で腰のあたりをポンポンと軽くたたいてもらってください。続いて、肩と腕、首、頭もソフトにタッピングしてもらいます。最後は手のひら全体を使って、背中、肩から腕を優しくさすって終わりです。すべての動作は焦らずのんびりとしたペースで行うように意識します。余裕があるときは同じ工程を旦那さんにもしてあげて、お互いをケアしあってくださいね。一生懸命で責任感が強いママほど産後うつのリスクは高まってしまいます。まわりに甘えることを恐れず、赤ちゃんと一緒に自分のこともねぎらい、大切にしてあげることも忘れないでくださいね。そして、心身ともに深く休まる睡眠を楽しみましょう。
2016年07月01日イタリアの人々は「子供は社会全体で育てるもの」という意識が強いように思います。公共の場で子供が騒げば、よそのおじちゃんおばちゃんが注意するシーンなどをよく見かけ、積極的に他人とコミュニケーションをとるイタリア人ならではだな、と思うことしばしばです。しかし、周りが積極的に育児協力してくれる環境とはいえ、マタニティブルーになるママも一定数います。実両親・義実家ともに遠距離で、夫と二人で子育てした経験のある知人女性は「慣れない子育てでストレスMAXになり、夫とケンカの毎日だった」と振り返っていたくらいです。ここでは、そんなイタリアのママたちが実践した「マタニティブルーを乗りこえるためのコツ」をご紹介します。 ■週1度「パパの日」を作る無痛分娩を経験した知人女性は、産後もわりと体力が残っていました。最初思っていたよりは子育てに苦労しなかったといいますが、2ヶ月ほど経ってからじわじわとメンタルが変化していくのを感じ、つらい時期があったそう。旦那さんがときどき「僕にできることがあればなんでも協力するよ」と声をかけてくれたそうなのですが、激務の旦那さんに子育てを手伝ってほしいとは言いにくく、自分の殻に閉じこもることが増えたといいます。ある週末「笑うことがめっきり減った」と旦那さんから叱られたのがきっかけで、二人は週に1回「パパの日」を作ることにしました。週に1度、最低半日は旦那さんが子供の面倒をすべて見て、彼女は好きなことをして過ごすのがルール。家事でもショッピングでも、思いついたものを自由にやれる解放感から「子育てのストレスが和らいだ」と効果てきめんだったそうで、マタニティブルーにどっぷり漬かることを避けられたとか。 ■魔法の言葉「まあいいか」をフル活用几帳面なタイプでわりと神経質な知人女性は、妊娠したときに事細かな「出産までのスケジュール」を立てて準備に余念がなかったそうです。しかし、体調の変化に伴ってスケジュールを変更することがしょっちゅうあり、妊娠4ヶ月目で早くもマタニティブルーに。「できることが減ってきて、立てた予定も大幅にくるっていく。夫に八つ当たりして“こんなはずじゃなかったのに”と思うたびに落ちこんだ」と、つわりも影響したストレスで3キロほどやせてしまったといいます。そんな彼女を救ったのは、先に出産していた妹の言葉でした。「出産してからのほうが大変よ。子供は何をしでかすかわからないから、毎日ピリピリしがち。今は何か起こっても『まあいいか』と受け止められるよう方向転換できたから、前より楽」と話す妹を見習って、彼女も「まあいいか」の一言を使うようになりました。「家事が滞ったりして、思った通りに生活できなくても、“まあいいか”の一言で現実を受け入れられる。だらしなくなりすぎないように気をつけることは必要だけど、以前より気持ちが軽くなった」と出産後もおおらかに構えることができ、子育てのストレスは少ないそうです。 「ホルモンバランスの乱れが原因とは言うけど、身体の調子が整うまで悠長に待ってはいられない。できることがあるならなんでもやってみたほうが、気分転換になってうまくいく」とマタニティブルーを語る人もいました。ついネガティブな方向に行きがちなマタニティブルーの時期、あえてポジティブな解決方法を見つけることこそ、赤ちゃんとママにとって一番良いようですね。
2016年06月15日