『マンマ・ミーア!』『レ・ミゼラブル』のアマンダ・セイフライドが実在する“伝説のポルノ女優”に扮した映画『ラヴレース』で、シャロン・ストーンが主人公の母ドロシーを演じている。かつてはセンセーショナルな役どころを多く演じ、観客を魅了してきたストーンだが、その後キャリアを重ね、本作では極めて厳格な母親役を演じている。インタビュー映像リンダ・ラヴレースは、1970年代に伝説のポルノ映画『ディープ・スロート』に主演し、全世界で6億ドルもの興行収入を叩き出した女性だ。映画は、ラヴレースが厳格な家庭に育った時代から、ポルノ女優へと転身した本当の理由、そして映画『ディープ・スロート』撮影中に起こった事実を描いている。本作でストーンが演じた女性ドロシーは厳格なカトリック教徒で娘のリンダに干渉し、支配しようとしている。結果的にリンダは両親への反発から家を飛び出すがストーンは「当時の時代背景を考えると、彼女は悪い人間だったというわけじゃない」と分析する。「この親子は似た者同士よ。似ているからこそ反目しあう。母親は娘に最善のものを与えたいと思っている。でも与え方を知らない」。これまでラブレースを語る際、彼女の“映画出演前”についてはそれほど言及されてこなかったが、リンダと母ドロシーの関係は、本作を観賞する上で重要なポイントになっているようだ。ちなみに本作は実話を基にしており、プロデューサー陣はラブレースの人生をしっかりとリサーチし、ドキュメンタリー畑で活躍し、『ハーヴェイ・ミルク』でオスカーに輝いたロバート・エプスタイン&ジェフリー・フリードマンを監督に指名した。ストーンは「以前から彼らと仕事がしたかった。パワフルで頭の回転も速い。思慮深いし才能にあふれている。その才能と知性で素晴らしい作品を仕上げてくれた」と振り返る。セクシーな役どころで男性たちを翻弄し、魅了してきたストーンが、年齢を重ね、自由に生きようとする娘を束縛する母親をどのように演じているのか、今週末の公開が楽しみだ。『ラヴレース』3月1日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
2014年02月27日メリル・ストリープの娘役を演じた『マンマ・ミーア!』では明るい太陽の下で躍動し吹き替えなしで「ABBA」の歌声を響かせ、ミーガン・フォックスと共演した『ジェニファーズ・ボディ』ではミーガンの役柄と対極の内気で臆病な女子高生役と、まさに変幻自在という言葉がぴったり。作品ごとに全く異なる表情を見せるアマンダ・セイフライド。『ジュリエットからの手紙』に、グリム童話の名作を基にした『赤ずきん』と次々と話題作に出演、そのたびにまばゆいばかりの輝きを増してゆくが、そんな彼女が官能的な一面をさらけ出しているのがタイトルトールを演じた『クロエ』である。“魔性の女”という言葉だけで括れない魅力を放つ娼婦・クロエを彼女はどのように捉え、自らを変貌させていったのか――?アマンダが見つけたクロエの中に潜む“弱さ”「『ワオ!』という感じ。これまで演じたきたキャラクターと全く違って、どうやったら良いかさえ分からなかった」と最初に脚本を読んだときの印象をふり返るアマンダ。クロエは、孤独や老いへの焦燥にさいなまれる産婦人科医のキャサリンの依頼を受け、彼女の夫・デヴィッドを誘惑する。だがそれだけにとどまらず、クロエはキャサリンの心の隙につけ込み、翻弄していく。クロエとは何者なのか?アマンダはこう語る。「彼女はビジネスに関してとても賢い子なの。経験豊富だけど、まだ若いし心が傷ついている。ずっと自活してきたけれど、一度も愛した経験はないし、誰かと前向きな人間関係を持ったこともない。彼女には驚くほどの“弱さ”がある。そこが美しいわ。それに彼女にだっていいところもあるし、観客も分かってくれると思う。そういう全てが混ぜ合わさって彼女をとても興味深いキャラクターにしているの。でも演じるのはとても難しかったわ」。クロエの変貌――内面そして対外的な変化とその過程についてアマンダは「彼女の変化はキャサリンと関係している」と語りこう続ける。「キャサリンがすることは、どんな些細なことでもクロエに影響を与え、彼女の感情に付け加えられていく。クロエが経験したことのないシチュエーションなの。彼女は男性を誘惑してお金をもらってきた。でも、クロエはいままで自分がすることを誰かと分かち合ったことはなかったの。クロエにとって全てが新しい経験だわ。クロエは空想に浸り始め、その度合いがどんどん大きくなって、情熱的な執着へと変わっていくの」。ジュリアン・ムーアとの対話の中で感じた衝撃そう、アマンダの“魔性”が、リーアム・ニーソン演じるデヴィッドではなく、ジュリアン・ムーア扮するキャサリンの心を“浸食”していく、というのが大きなポイントなのだ。アマンダはジュリアンと共に、一糸まとわぬ姿での官能的なシーンを演じている。ジュリアンと単なる共演という以上の濃厚な時間を過ごしての感想を聞いてみた。「この映画に入る前はとても緊張していたの。怯えていたのよ。一緒に撮影した性的なシーンはとても難しかったわ。セックスシーンは2人とも初めてだったし、2人でクスクス笑っていたわ。幸運にも想像以上にうまくいったけれどね。ジュリアンは素晴らしい人よ。1週間と経たないうちに、彼女の周りで楽に過ごせるようになったわ。彼女はとても快活な人なの。たくさんのことを学べたわ。何が必要かをちゃんと分かっているし、近づきやすくて全然怖くない人なの」。2人の間で交わされる会話は、ある意味、セックスシーン以上に官能的と言えそうだが…。「物語を話しながらも、私はキャサリンから多くのものを聞き出そうとするけれど、自分でもそれに反応しているの。クロエの頭の中が急速に回転しているのを観客は感じると思う。でもそれはとても率直な反応だわ。クロエはキャサリンの夫に自分がしていることを話すけれど『キャサリンは興奮してる?もうやめた方がいい?しゃべり過ぎた?』って考えが渦巻いている。脚本に書かれたセリフはとても素敵で、見事だったわ。クロエは自分の力が及ぶところにキャサリンを引き留めようとしているだけなの。でもその後、2人の力関係が入れ替わる。本当に強烈だわ」。最後にクロエがたどり着くのは?彼女は何者になるのか?アマンダの考えを聞いてみた。「クロエには邪悪なところはないわ。ただ妄想癖のある、傷ついた女性なの。私は映画の最後にクロエは、どちらかと言えば、聖人になると感じたわ」。果たして彼女の示唆の意味するところは?女優アマンダ・セイフライドの実力と魅力を見せつけるのに、これ以上うってつけの役柄はないかもしれない。その無垢なる官能を堪能してほしい。特集「『クロエ』愛する人のすべてを見てみたい?」© Startraks/AFLO■関連作品:クロエ 2011年5月28日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2009 Studio Canal All Rights Reserved.■関連記事:雅子meets『クロエ』 「2人で一緒にいる空間を大切にするのが、結婚の秘訣」ジュリアン・ムーア『クロエ』インタビュー「これは私たちの人生を描いた映画なの」『赤ずきん』女性監督が証言、『トワイライト』を超える新たな“恋のジレンマ”真似してみたい『クロエ』ファッション上品&誘惑的な着こなしで男性の心を虜に?あなたは愛する人のすべてを見たい?『クロエ』“美しい髪”セットを10名様プレゼント
2011年05月30日授賞式まであと一週間を切った第83回アカデミー賞で最優秀主演男優賞の本命と目されているコリン・ファースが、2008年に出演した『マンマ・ミーア!』について、「私の出演作のベスト3の1本」と語った。『英国王のスピーチ』でオスカー主演男優賞にノミネートされているコリンはアメリカのCBSの番組「60 Minutes」に出演、キャリアについて語った際にメリル・ストリープと共演し、「ABBA」のヒット曲を歌い踊ったミュージカル映画『マンマ・ミーア!』について「僕の仕事で最高のものの1つです。この作品について弁解がましいことを言わせたがる人が多いけれど、そんな気持ちはありません」と断言した。さらに「自分の出演作で最も誇れる3本を挙げるとしたら、『シングルマン』と『英国王のスピーチ』、それに『マンマ・ミーア!』です」と、オスカー候補となった2作に並べてみせた。コリンは『英国王のスピーチ』でゴールデン・グローブ賞ドラマ部門、英国アカデミー賞をはじめ、多数の映画賞で主演男優賞を受賞している。(text:Yuki Tominaga)写真は先日閉幕したベルリン国際映画祭に出席したコリン・ファース。特集「2011年 第83回アカデミー賞」特集「働く女子の心得『英国王のスピーチ』」© Reuters/AFLO■関連作品:英国王のスピーチ 2011年2月26日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開© 2010 See-Saw Films. All rights reserved.第83回アカデミー賞 [アワード]© Bob D’Amico/ABC■関連記事:【シネマモード】美しき女の闘いを制するのは?コーエン兄弟インタビュー登場人物をいじめ抜くヤツらの流儀!【ハリウッドより愛をこめて】オスカーに輝くのは…トム・ハンクスがスピーチの指導?働き女子の心得vol.3英国王室ロマンスに胸キュン、その“裏側”をお勉強!英国大使館で『英国王のスピーチ』上映!王子婚約で沸く英国王室も本作に感動
2011年02月23日『プラダを着た悪魔』、『マンマ・ミーア!』など数多くの映画で、等身大の女性像を変幻自在に演じてきたハリウッド随一の名女優、メリル・ストリープ。そんな彼女が、人気ベーカリーの女性経営者に扮し、自分らしい幸せな人生を手にしていくさまを描いた『恋するベーカリー』が2月19日(金)より公開される。今後の賞レースでも注目を浴びる本作の予告編が、劇場より一足早くシネマカフェに到着した。メリル・ストリープと言えば、アカデミー賞を2度受賞、昨年もダブルノミネートを果たすなど、アカデミー賞の常連とも言うべきひとり。まもなく発表の本年度ゴールデン・グローブ賞でも本作、そして現在公開中の『ジュリー&ジュリア』と2作品で最優秀主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされている。加えて、監督のナンシー・マイヤーズは脚本賞の候補入り。さらに、3月に行われるアカデミー賞授賞式では、本作で共演したアレック・ボールドウィンとスティーブ・マーティンが異例のダブル司会に決定したことも注目を集めている。今後の賞レースでの動向はもちろん、劇場公開での観客の反応も楽しみなところ。まずは予告編でメリルの魅力に浸ってみては。『恋するベーカリー』は2月19日(金)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開。※こちらの予告編はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:恋するベーカリー 2010年2月19日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.■関連記事:『タイタニック』越え見えた?『アバター』旋風止まずオスカー候補も奮闘の全米戦線ゴールデン・グローブ賞候補が発表 G・クルーニーと豪華キャスト『NINE』一騎打ち?オスカー前哨戦のナショナル・ボード・オブ・レビュー賞でG・クルーニー新作が4冠
2010年01月15日