ミクシィ・リサーチは2月9日、店舗型サービス業に向けた訪日外国人サービスに対する品質向上を行うソリューションの提供を、wizpra及びCLOUD INTELLIGENCEと共同で開始した。ミクシィ・リサーチは覆面調査を中心とする各種リサーチによる課題解決を行っており、またwizpraは100社以上でNPS調査・コンサルティングの実績があるといい、2015年8月よりサービス連携を開始して企業の売上向上とサービス改善のサポートを行ってきたという。今回、海外・国内の外国人パネルを多数保有し、外国人調査経験が豊富というCLOUD INTELLIGENCEと連携し、従来のサービスに加えて、訪日外国人に対する集客・接客などの品質向上に向けた解決策を提案するとしている。新ソリューションでは、まず、CLOUD INTELLIGENCEが派遣する外国人モニターが、ミクシィ・リサーチの「Shopper’s Eye」の「ミステリーショッパー」(覆面調査員)として、企業の課題に応じてカスタマイズした調査票を基に、覆面調査を行う。店舗に来店した外国人に対しては、wizpraがアンケート調査を実施。同社が開発した顧客体験をマネジメントするクラウド・サービスである「wizpra NPS」を利用し、商品やサービスに対する顧客の声を集計・分析、調査結果から顧客満足度を向上させる要因を特定する。そして、Shopper’s Eye及びwizpra NPSの両サービスで見付かった課題について、企業に対して改善策を提案。改善アクション期間を設け、期間終了後に再度覆面調査を実施して効果を検証することで、顧客満足の継続的な向上を実現するとしている。
2016年02月10日2016年の年頭にあたり、さまざまな企業の代表者による挨拶が発表された。本稿では、ミクシィ代表取締役社長 森田仁基氏の年頭所感を紹介しよう。あけましておめでとうございます。2015 年は、ミクシィグループが躍進を遂げた年となりました。エンターテイメント事業においては、「エックスフラッグスタジオ」を設立し、仲間とワイワイ楽しめるバトルコンテンツの提供の強化を図りました。中でも、「モンスターストライク」は世界利用者数3,000万人を突破し、台湾、北米、韓国に続いて、香港・マカオにも進出しました。さらに、YouTubeでのアニメ配信、ニンテンドー3DS版の発売などメディアミックス領域でも大きな発展を遂げることができました。メディアプラットフォーム事業においては、ミクシィグループに女性向けファッションコマースサービスのミューズコー株式会社やチケットフリマサービス「チケットキャンプ」を扱う株式会社フンザが加わり、ミクシィグループとして扱う事業領域の幅が広がりました。さらに、「家族アルバム みてね」や「きみだけ LIVE」とった新規事業も生まれ、ユーザーの皆さまに新たな価値を提供しています。昨年、このような成果を残す事ができたのも、サービスを利用していただいているユーザーのみなさま、株主のみなさま、パートナー企業のみなさま、そして社員ひとりひとりの努力のおかげであり、本当に感謝しております。ミクシィグループにとって2016年は、挑戦の年となります。「新しい文化を創る」というミッションのもと、新しい価値の提供に加え、新たな市場の創造に挑戦します。「エックスフラッグスタジオ」からは、新たなバトルコンテンツとして「ブラックナイトストライカーズ」と「マーベルツムツム」の提供開始を予定しております。また、「モンスターストライク」においては、国内はもちろんのこと、北米におきましても積極的なプロモーションを展開し、仲間とワイワイ楽しめるコミュニケーションツールとして、より多くのみなさまに愛されるサービスとなるよう、挑戦を続けます。さらに、「チケットキャンプ」では、チケットフリマサービスが文化として定着するよう、さらにプロモーションを強化し、根付かせていきます。加えて、世の中に新しい価値を提供するために、ミクシィグループ全体で新しい事業へのチャレンジも積極的に推進します。ミクシィは今年創業 19 年目を迎えます。「新しい文化を創る」というミッションの実現に向け、人々の生活に新たな"当り前"をもたらすために、挑戦し続けます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。なお、2015年に弊誌にて掲載したミクシィに関する記事は下記の通り。モンスト、世界のゲームアプリ収益ランキングで1位に - 米App Annie若き起業家たちの夢とその戦略【9】元コンサル ミューズコー久保代表が考える - 資金調達を成功へ導く鍵何年も、何十年も使ってもらえるように - ミクシィ 笠原氏が語る「家族アルバム みてね」
2016年01月04日ミクシィは4日、千葉県の幕張メッセで今月2日に開催した「モンストフェスティバル2015」を巡る一部報道が事実と異なるとする声明文を発表した。併せて、一部SNS上で拡散されている情報についてもデマであるとして否定した。「モンストフェスティバル2015」は、スマートフォン向けゲームアプリ「モンスターストライク」の公式イベントとして2日に開催。イベント当日は真夏日となったなか、会場の収容可能人数を大きく上回り、長時間並んだ来場者がいたにも関わらず、入場できないという事態が発生した。その際、体調を崩した来場者もいたとしている。今回のイベントについて、フジテレビの「とくダネ!」では、ミクシィがイベントで飲み物の持ち込みを禁止していたと報道、これに対し、同社では飲料等の持ち込みを禁止した事実はなく、また、来場者の持参した飲料等の没収などを行った事実もないと反論している。また、同イベントを巡っては、一部SNS上で「心肺停止者が出た」という情報が掲載されたが、それについても事実と異なるとしている。同社の発表によると「千葉市消防署の発表どおり11名搬送、重傷者なし」としている。
2015年08月05日ミクシィといえば、日本におけるSNSの先駆けとして知られている。最近、同社の主力サービスにおいて、ヒットゲームアプリがある。「モンスターストライク」だ。今回、その開発を担ったエックスフラッグスタジオ総監督兼モンスターストライクプロデューサーの木村弘毅氏に、ヒットにつながるユーザー心理を解説してもらった。○ユーザーを徹底して震え上がらせる――「モンスターストライク」では、モンスターを主題にして扱っていますが、その理由はなぜですか?とりわけ、モンスターでなくてはいけない理由はありませんでした。概念として「敵自体はとても怖いものである」という概念が満たされていればよかったわけです。「モンスターストライク」というサービスの本質は、お客様であるユーザーを徹底して震え上がらせることにあると考えていまして。「やばい! このままじゃ、自分のキャラがやられてしまうかもしれない!」という、スリルや緊張感を常に感じていただくことが重要でした。キャラクター自体はかわいらしく描かれていますが、恐怖系の世界観だけは崩さないように、BGMをおどろおどろしくしたりなど演出には気を配りましたね。――スリルを与えるのに、とてもかわいらしいキャラクターですよね?そうですね(笑)。でも矛盾はしていないんですよ。いくつか理由がありますが、モンスターとして敵が出てくるサイクルを考えると、主人公キャラが人間よりはモンスターであるほうがわかりやすかったのです。であれば、見方も敵も両方モンスターにしてしまって、やっつけると仲間になるという構造のほうがシンプルで伝わりやすいと考えました。○「みんなでワイワイ」というミッションステートメント――そのほかにはどんな工夫をゲーム中に取り入れたのですか?「モンスターストライク」は、とにかくコミュニケーションの媒介になるゲームにならないといけないというミッションを掲げていました。ミッションステートメントは「みんなでワイワイ」というものです。そこで、大きく分けて3つの決めごとをしました。1つめは、最初は操作が簡単でなければいけないということ。あまりにボタンがたくさんあって、操作がわかりにくいとその時点で足切りされてしまいます。操作できない人が増えれば増えるほど、コミュニケーションが断絶しますからね。2つめは概念がわかりやすいこと。プレイした方ならばおわかりいただけると思いますが、「モンスターストライク」では、キャラのアイコンに張力を与えて、指で引っ張って離すとアイコンが飛んでいくという行動様式をとっています。パチンコとか、チョロQのようなものですね。人の経験に沿った、自然に受け入れられる操作方法にしています。――概念は複雑になりすぎると、それを覚えるだけで一苦労ありますものね操作方法に関して言えば、シンプルでわかりやすいし、引っ張って飛んでいくというのは操作感としても気持ちいいものがありますからね。やはり「モンスターストライク」最大の目的が、皆で集まってワイワイ、キャアキャアと言いながら一緒に遊ぶものですので、「あの角度からとれるかな? よしよし、いけそうだ」などという会話を繰り広げてほしくて。○ユーザーのコストを負担するということ――やはりユーザーの心理状況をイメージしたことで、ヒットにつながったのでしょうか?それは狙いとしてありました。これはネタバレになるのですが、例えばステージをクリアしたとします。でも、次のステージにいくと、減っているHPの半分が回復する仕様になっているんです。自然界ではありえないことですが(笑)これもひとつの「共感」を感じてもらうための仕掛けなんです。「危ない、やられる!」とヒリヒリするようなスリルを味わいながら、ギリギリでステージクリアすると、ほっとしますよね。そして次のステージに気分新たにチャレンジする。そういう、到達感を共有してほしいというものでした。○ゲームを通じたコミュニケーションの新設計――ユーザーが一同に集まって行うメリットはどんなところに?一つの場所に集まってコミュニケーションをとってもらうためには、ユーザーのコストリスクを考える必要がありました。集まって遊ぶのは楽しいことですが、お客さんにとってはコストがかかることでもありますよね。その場に行くための交通費が必要になるかもしれないし、時間も合わせなくてはいけない。そのコストの部分を私たちはどう負担できるかを考えました。施策としては、ユーザーのひとりがスタミナ(ゲームをプレイするためのポイント)を使用すると、同時に3人まで自分自身のスタミナを使うことなくゲームプレイできるという仕掛けを組み込みました。コンティニューも同様です。今まで、時間経過によってスタミナが回復するタイプのソーシャルゲームではなかった仕組みだと思います。これは業界標準の破壊になってしまうのですが、みんなで集まることに大きなメリットを与えられるように設計されています。これが最後、3つめの大きな決めごとでした。そういう総合的なコミュニケーションを埋め込んだものが、「モンスターストライク」というゲームになっているのです。――こうした施策や提案に対するユーザーの反応は?実は、私たちが追求したイメージとすごく近いニーズをもってくれていたことに驚きました。私たちは、定性・定量の両側面でお客様の動きを追っていますが、数字でわかる定量的なものよりも、定性的なもののリアクションのほうが目につきました。定性的な情報を追うために、プロジェクトチームの現場には大きなモニターを用意して、そこにTwitterで上がってくるお客様の声がストリームで流れ出てくるようにしているんです。あるときを境に、ふとそのツイートに画像が添付されるようになりました。それもゲーム画面でなく、ユーザーが皆と遊んでいる風景の写真でした。「今、お兄ちゃんと戦ってます」とか「友だちと集まってるよ!」とか。ゲームだけじゃなくて、ゲームの周りにあるコミュニケーションを設計してお届けするのが私たちの本分だと言い続けてきたので、そういう写真が投稿されるようになって、大きな手ごたえを感じました。そういう意味では、ゲームを通じて、コミュニケーションの新設計というものを世の中に提供できたと自負していますね。※次回はアイデアを捨てる決断について。8月6日更新予定です。
2015年08月01日ミクシィは4月より家族向け写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」を提供している。同アプリでは、無料・無制限で子供の写真や動画を投稿し、招待した家族だけで楽しむことが可能だ。家族でコミュニケーションを取れるコメント機能や、アップロードした動画を1秒ごとにつなげる「1秒動画」という機能もある。このアプリの開発チームを率いている人物が、2004年にSNS「mixi」をスタートさせた本人、ミクシィ 会長の笠原 健治氏だ。自らの経験をもとにサービスを立ちあげたという笠原氏に、同サービスへの思いと、これから目指す先についてうかがった。○「20年後に「みてね」を見て、子供の頃を思い出してほしい」「何年も何十年も使っていただけるサービスにしていきたい」と笠原氏は語る。「映画『ニュー・シネマ・パラダイス』の終盤で、主人公が壁に貼られた家族写真を見て、30年以上前の幼少期から青年期を思い出す場面があります。『みてね』も子供が大きくなったときに家族との思い出をよみがえらせることができるような、そして写真を見ることで子供がいつでも原点に立ち返ることができるようなサービスを目指していきたいんです。今は生まれたばかりのお子さんの写真が多いのですが、そのお子さんが10年、20年経ったときに、『みてね』を見て子供の頃を思い出せれば良いなと思います。20年後はスマートフォンとは違うデバイスになっているかもしれませんが、デジタル化というところは変わらないはずです。極端に言うと、そのお子さんが親になったときにも使ってもらえるようなサービスにできれば嬉しいですね」(笠原氏)○開発のきっかけは子供の写真データ管理に悩んだこと同サービスは笠原氏自らの経験がもとになって誕生した。「子供が生まれて1週間くらいしたときに、ふと気づいたことがありました。生まれてから写真と動画をたくさん撮影しているけれど、これから先、どうやって保存していけば良いのだろうかいうことです。配偶者が撮影したものとも共有したいし、子どもの写真を1枚も見逃さないためにも、データを一元化したいと思いました」そこで誕生したのが、夫婦や家族間だけで共有できる「家族アルバム みてね」だった。家族内での共有ならば「かわいいでしょ」と「遠慮せずに、思いっきり親バカになって」自慢することができる。また、普段から子供が何をしてどんな生活を送っているのかがわかるため、いざというときには手を差し伸べてもらえるような、見守られている感覚も持てるという。笠原氏は自らの実感を込めて語る。「ふとした瞬間に、誕生からの成長を振り返られるのもこのサービスの特徴です。ちょっと疲れた時にも「これくらい大きくなった」と思えると精神的支えになります。子育ては思うようにならないことも多々ありますが、もっと楽しくしたい、家族がもっと関われるようにしたいということを実現するサービスとして作りました」写真へのコメントを通して祖父母らと交流ができることにより、夫婦だけではなく、より多くの人が子育てに関わっている実感を持てるという。笠原氏自身も、実家とお互いの様子が皮膚感覚でわかるので安心できるそうだ。ときには、コメントで両家の祖父母がコミュニケーションを取ることもあり、祖父母どうしの架け橋にもなっているという。○家族で登録している人ほど継続率が高い4月のリリースから数カ月経った同アプリだが、出だしは好調なようだ。写真の投稿数が無制限・無料な同アプリでは、1000枚以上の写真を登録しているユーザーは「ざらにいる」とのこと。中には1万枚以上のツワモノもおり、「祖父母や親戚10人以上とつながって、四六時中ワイワイやっている家族」もいるそうだ。祖父母の中には写真をダウンロードして保存したり、プリントアウトしたりするという使い方をしている人もいる。同アプリは、「ママ」「パパ」「おばあちゃん」「おじいちゃん」などの登録をすることにより家族で写真を共有できるようになっているが、配偶者と共有している人の継続率は約70%、配偶者と祖父母とつながった家族の場合は約85%になる。登録数とインストール数も増えているほか、WAU(Weekly Active Users/1週間にアプリを利用したユーザー数)も6倍くらいに増えているとのこと。特に好評なのが、月別のアルバムだ。写真を簡単に月ごとで振り返られるため、成長を実感できる点が評価されているらしい。また、「感動した」という声が多いのは1秒動画。忙しい中、自分で動画を作るのは難しいが、1秒動画なら簡単に作成して親に共有できるため、親孝行をしやすい側面もあるということだ。そのため、祖父母向けアプリを作って欲しいという要望が多くなっている。現在、祖父母は送られてくるURLを通して写真を見て、コメントをするという形式。基本的な機能はスマホアプリと一緒だが、祖父母向けのアプリを求める声もあるという。笠原氏は「祖父母世代はスマホを使いこなしている人とガラケーの人とに二極化しています。また、アプリのUIに対する高い評価も背景にあるかもしれません」と話す。スマホを使いこなす祖父母を持つユーザーであれば、ぜひこのUIで使ってほしいと思うこともあるのだろう。アプリUIへの評価が高い証拠でもあるようだ。○有料サービスなども検討するも「わかりやすさ」重視今後についてたずねると「まだまだサービスの改善もできると思っていて、安定性も強固にしたいし、デザイン的にも新しい案があるので世の中に出していきたい。それらをやっていくことで、完成度の高いサービスにできるのではないかと思っています」と答えてくれた。具体的なサービスの改善としては、アプリの起動高速化や祖父母向けアプリの提供、1秒動画の2本目配信などが挙げられる。これまで1秒動画は、動画を20本アップロードしたユーザーに対して1本が配信されてきたが、ユーザーによって動画をアップロードする頻度や本数がバラバラなため、2本目以降については配信タイミングや頻度について検討を重ねてきたのだそう。また、今後は有料サービスにも取り組む予定だ。プレミアム機能の提供や、同社の家族向けフォトブックサービス「ノハナ」との連携も検討している。「これから半年くらいで、完成度が上がっていく見込みです」とのこと。プレミアム機能については、今ある機能を制限して有料化するというよりは、追加機能として進めていく方針だ。一方で、サービスが使いにくくならないようにすることも気を使っているという。「わかりやすさは今後も重視し、祖父母などの利用者が増えたときに、よくわからなくて使わなくなる人がいないようにしたいです。「みてね」はコミュニケーションサービスなので、写真をアップロードしても誰も見てくれないと気になってしまう。それは防ぎつつ、すべての方に使いやすいサービスにしていきたいと思います」○一人ひとりのユーザーに感謝しながらサービスを届ける「生涯プロデューサーであり続けて、常に新しい仕掛けを考える人生でありたい」と語る笠原氏は、今回のサービスを振り返ってこう話す。「サービスを0からスタートして、自分で宣伝のチラシ配りもして、いかにユーザーを獲得するのが大変かを改めて痛感しました。けれども、自分一人の力では何もできなくても、チームの色々な人たちの才能に協力してもらいながら仕組みを考えることほど面白いことは他に見当たりません。使って頂いているユーザーの一人ひとりに感謝しながら、これからも世の中のためになるサービス、独自のアイデンティティ、独自のサービスを届けることにこだわりたいと思います」10年、20年と使い続けられるサービスを目指して、今後も「家族アルバム みてね」は変化を重ねていくことだろう。
2015年07月30日モバイル業界で革命的なヒットを記録している「モンスターストライク」。このゲームの開発を手掛けたのは、SNS「mixi」で知られる株式会社ミクシィだ。なぜ同社がゲーム開発の分野で記録的な大ヒットを飛ばせたのか、その戦略についてエックスフラッグスタジオ総監督兼モンスターストライクプロデューサーである木村弘毅氏に話を聞いた。○ユーザーの熱量を皆でイメージして開発――「モンスターストライク」というプロジェクトがスタートしたいきさつを教えてください実は、「モンスターストライク」の前に手掛けていたプロジェクトから、すでにリアルタイムコミュニケーションを追求したサービスを設計していました。純粋なバトルゲームではなく、コミュニケーションツールに沿ったものです。残念ながらそのプロジェクトは諸事情があって閉じることになったのですが、そのあと「もうちょっと外連味たっぷりの、ザ・ゲームというものに焦点を当てよう」という声が上がってきた。ユーザーがワイワイ、キャアキャア言いながら一緒に遊べる、アドレナリン全開のエンターテインメントに振り切ってしまおうという発想でした。――なぜその発想がでてきたのでしょう?ユーザーの熱量を皆でイメージしていたことで、発想が出てきました。アドレナリン全開系のものならば、プリミティブなコミュニケーションゲームより熱量が上がるんじゃないかというイメージを共有していたのですね。「モンスターストライク」だけに限るわけではないですが、敵のHPと味方のHPがせめぎあっていて、やるかやられないかの狭間にいたら、ユーザーとしても一喜一憂しますよね。そういう感情がリアルタイムコミュニケーションの現場で起きれば、必然的にコミュニケーション自体が活発になる。そういう狙いです。○お化け屋敷のようなものを作る集団――古典的な手段とも言えなくはないですね?そうですね。例えばお化け屋敷やジェットコースターは、ひとりで乗るよりも、友だち数人でそのおもしろさを分かち合えるところに醍醐味がありますよね。そもそもひとりで行くのは、ちょっと嫌だけど(笑)。そういう共有体験で得られる「つながり感」のようなものは、今も昔も変わらないと思うのです。ミクシィは、SNSで知られている企業です。言うなれば、コミュニケーションばかり追求している会社と言えます(笑)。でも、そんな僕らでも、会議室をぽんと与えられて「はい、この会議室を遊技場として使ってもいいですよ」と言われて、何もツールがなければコミュニケーションを深めることは難しい。だってコミュニケーションをとるためのテンションが上がらないわけですから、会話も弾まないでしょう?ですから、私たちの役割は、お化け屋敷やジェットコースターを作るようなものだと皆でイメージを一致させていたんです。○コーポレートカラーとブランドカラーを隔離――コミュニケーションを大前提にするならば、今回、「モンスターストライク」から「mixi」への誘導を行っていないのはなぜですか?いろいろ理由はありますが、コーポレートカラーとブランドカラーの違いを作りたいということが一番でしたね。ゲーム業界に限らず、「この商品、あの会社が作っていたんだ」と驚く経験は誰もがあると思います。会社の名前はよく知らないけど、商品名やサービス名などそれぞれのプロダクトのほうをよく知っているという状況。今回、そこへのこだわりがすごく強くあったのです。――もったいない気もしなくないですが?「mixi」を使う一番のメリットはソーシャルグラフを使えることだと思われるでしょう。でも、弊社のソーシャルグラフは非同期型に最適化されているので、リアルタイム型のコミュニケーションであるこのプロダクトは別だと感じていました。だったら、当初のコンセプトを大事にしよう、と。ザ・エンタメに特化しているブランドカラーをより強調するうえで、「mixi」の看板を出しませんでした。デザインやカラーイメージにしても、「モンスターストライク」はどちらかというと庶民的な中華とラーメンみたいな感じがありますが、「mixi」はおしゃれなスイーツ系のようなイメージを喚起させますからね。○コミュニケーションの味わいがわかる集団――でも、ミクシィ社内で開発されたわけですから、どこかに「mixi」のイズムのようなものがあるのでは?その点でいえば、お客様のコミュニケーションを活性化させるという目的をブレずにやれた土壌が挙げられますね。「mixi」を通じて、弊社にはコミュニケーションの味わいがわかるような社員が集まっているのは事実です。SNSも友だち同士でコメントを交換したりする熱量はものすごいものですよね。弊社の社員は、それを肌で感じ続けていましたし、コミュニケーションの威力を心から理解しているメンバーでした。「友だちと遊ぶというのは、楽しいだけでなく正しいよね」と、コミュニケーションの本質を知っている人たちだったんです。そこがゲームの開発を支えてくれたのは間違いないでしょう。もっとも、コーポレートとブランドイメージの乖離をさせすぎて、当初は別の大手ゲーム会社がリリースした作品だという誤解も受けましたが(笑)――社内制度など具体的に役に立ったものはありますか?ミクシィ・キャリア・チャレンジというものがありまして、それが役に立ちましたね。これは社員の自主性を尊重して、自分からチャレンジしたい事業部に異動できるものです。ゲーム開発が未経験だけど、「モンストやってみたいです!」と声を挙げた社員の、その意気ごみを買うというようなものですね。社員のモチベーションとしても、自分から挑むわけですから、とてもいいメンタルで臨めます。私個人は、この施策は株式会社ミクシィの人材マネジメントの中で一番の施策だと評価しているのですが、このような人材配置ができると、今後、私たちがいる開発の現場もより盛り上がっていくのは間違いなさそうです。※次回はユーザーの反応測定などについて。8月1日更新予定です。
2015年07月29日ミクシィは4月13日、子供の写真や動画を無制限・無料で家族だけに簡単に共有できるスマホアプリ「家族アルバム みてね」の提供を開始すると発表した。夫婦間や家族間といった限定した範囲で、見せたい相手だけに大切な写真や動画をリアルタイムに共有できる。写真や動画は無料で、容量制限なくアップロード可能となる。子供との日常やイベントなどの写真を気軽に共有し、家族みんなで写真や動画を介して楽しくコミュニケーションしたり、成長を振り返ることができる。また、「みたよ履歴」やコメント機能で楽しくコミュニケーション可能となる。作成したアルバムはPC・スマホのブラウザ上でも閲覧できるため、メールで家族に共有が可能だ。アルバムに招待された家族はURLをクリックするだけで、アプリをインストールしていなくてもアルバムを閲覧できる。アップロードされた写真は、撮影日順に自動的に整理され、スワイプするだけで子どもの成長の様子を簡単に振り返れる。さらに、動画を20本以上アップロードすると、それぞれの動画を1秒ずつ切り取ってつなぎ合わせたムービーを自動作成される。
2015年04月14日ミクシィは13日、子どもの写真や動画を家族間で共有できるアプリ「家族アルバム みてね」の提供を開始した。容量は無制限で、何枚アップロードしても利用料金は無料となっている。「家族アルバム みてね」は、子どものいる家族向けの写真・動画共有アプリ。夫婦間や家族間など限定した範囲で、写真や動画を共有できる。作成したアルバムはPC・スマートフォンのブラウザ上でも閲覧でき、URLをメールなどによって送ることも可能。送られたURLをクリックすることで、アプリをインストールしていなくてもアルバムを見られる。そのほかの機能面では、アクセスした人がわかる「みたよ履歴」、写真や動画の感想をつけられる「コメント機能」などを搭載している。アップロードされた写真は、撮影日順に自動的に整理され、1カ月ごとに写真が同じページにまとめられる。月の移動はスワイプによって可能。また、動画を20本以上アップロードすると、それぞれの動画を1秒ずつ切り取ってつなぎ合わせたオリジナルムービーが自動で作成される。同社は、ムービーによって子どもの成長を楽しく振り返ることができるとしている。「家族アルバム みてね」の対応OSは、iOS 8.0以上、Android 4.0以上。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年04月13日ミクシィは19日、チケットフリマサービスを運営するフンザの全株式を取得すると発表した。買収額は115億円。将来的にmixiと連携し、ユーザーのライブエンタテインメント体験の向上、主催者公式のチケットマーケットプレイスの実現を目指す。フンザが運営する「チケットキャンプ」は、コンサートや演劇、スポーツなどの公演チケットをユーザー同士で取引するサービス。チケット購入者が行けなくなってしまったチケットをファンに譲るという、ファン同士のチケット流通が行われている。同サービスは2013年の開始以降、利用者数は伸びており、また、国内のライブ・エンタテインメント市場も拡大を続けている。買収の目的についてミクシィは、チケットを気軽に取引できる文化を創っていくことで、イベント自体の活性化およびライブ・エンタテインメント市場拡大への貢献できると判断したという。また、SNS「mixi」で培い、「モンスターストライク」を飛躍させたマーケティング・アプリ開発・カスタマーサポート等のノウハウを提供し、フンザのサービス開発力・チケットフリマサービス運営ノウハウとの融合により、事業の拡大を目指す。
2015年03月19日ミクシィは1月14日、mixiサービスでアカウント追加機能を試験的に提供開始したと発表した。mixiでは、ユーザーより利用用途に合わせて自分のアカウントを使い分けたいという要望がこれまで多く寄せられていたという。この機能の提供で、ユーザーが抱える利用シーンごとの使い分けが簡単に行える。まずはユーザーのニーズや利用状況を把握するため、試験的な提供を開始する。追加するアカウント追加機能は、自分のmixiアカウントに新しいアカウントを追加できる機能で、mixiアカウントを2つ保有できる。利用イメージとしては「仲の良い友だちとのコミュニケーションと趣味のイベント情報の使い分け」「学生時代の友だちと会社の同僚との投稿内容の使い分け」「音楽の趣味とスポーツの趣味など、趣味毎の使い分け」が考えられる。mixiの現状の機能でもグループ機能や投稿範囲の変更を行うことで、使い分けのニーズを満たすことは可能だが、ユーザーに負担が多くかかることや運用の負担を考えたうえで、新しいアカウントを追加するという選択にいたったとしている。今回の試験提供のタイミングでは、PCとスマートフォンのブラウザ機能で提供を開始し、スマホアプリでの提供は今後行う。なお、2015年3月頃を予定している正式提供のタイミングでは、ログアウトせずにアカウントを切り替えられる「アカウント切り替え機能」の提供も予定している。
2015年01月16日ミクシィは14日、同社が運営するSNS「mixi」において、アカウント追加機能を試験的に提供開始した。PCとスマートフォンのブラウザ版にて利用できる。試験的に提供開始された機能は、自分のmixiアカウントにあたらしいアカウントを追加できる機能。この機能を利用することで、ユーザーは2つのmixiアカウントを保有することができる。同社は、ユーザーより利用用途に合わせアカウントを使い分けたいという要望があったと説明し、具体的な利用例として「友だちとのコミュニケーションと趣味のイベント情報の使い分け」、「学生時代の友だちと会社の同僚との投稿内容の使い分け」などを挙げている。追加されたアカウントについて、既存のアカウントと同一人物が作成したことはユーザーにはわからないが、mixi運営側は2つのアカウントが同一人物によるものだと把握できる。そのため、一方のアカウントで違反行為を行った場合、保有している2つのアカウントに対処するという。正式提供は、2015年3月を目指しており、その際にはログアウトせずにアカウントを切替えられる「アカウント切り替え機能」も提供する予定。また、スマートフォンアプリ版での提供については、順次対応していくとしている。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年01月14日ミクシィは8日、iOS/Androidアプリ提供者向けに提供するテスト版アプリ配信サービス「DeployGate」の事業譲渡を行うと発表した。2月28日にDeployGate事業責任者が代表を務めるデプロイゲートに譲る。「DeployGate」は、アプリ開発者らが、自分自身やエンジニア、ディレクター、デザイナー、テスターなどのチームメンバーに対して、テスト版アプリをワイヤレス(リモート)で配付したり、動作ログをリアルタイムで取得できたりするサービス。2012年9月よりサービスを開始したが、同社が考えるスピード感で、今後、想定する事業規模を目指すことが困難であると判断、一方で、DeployGateの事業責任者から「さらなる可能性を追求したい」との提案を受け、事業譲渡することを決定した。譲渡先はDeployGate事業責任者となる藤﨑友樹氏が代表を務めるデプロイゲートとなる。なお、事業譲渡に同意した利用者のDeployGateで取り扱われている情報については、デプロイゲートに移管し厳重に管理するとしている。
2015年01月08日ミクシィは15日、同日に開催された取締役会において、現執行役員経営企画室長の朝倉祐介氏(30歳)が新たに代表取締役社長に就任する人事を決定した。現代表取締役社長の笠原健治氏(37歳)は辞任し、取締役会長に就任する。同社は、スマートフォンへの急激なシフト、オンラインでのコミュニケーション手段の多様化といった変化に適応するために、経営トップの大幅な若返りを図ったと説明。今回の人事は、2013年6月25日に開かれる定時株主総会および取締役会を経て、正式に決定する。朝倉氏は、スタートアップ企業の経営者を経て、ミクシィに参画後、2012年7月に執行役員経営企画室長に就任。事業開発および経営戦略の策定を担当するとともに、「ユーザーファースト」の推進やユニット制の導入などを主導してきた。笠原氏は1999年の会社設立以来、mixiをはじめとする複数のサービスを創設。今後は新規事業の開発に専念するとともに、取締役会長として意思決定に携わっていくという。朝倉氏は「学生時代、大学の先輩でもある笠原が、世の中のコミュニケーションのあり方を変えるサービスを立ち上げているという事実に心底興奮しました。笠原は私にとって、同時代の最先端を走るヒーローであり、強い憧れを感じた人物です」とのコメントを発表。続けて「これほどまでに強く憧れた企業であり、また1ベンチャー経営者として途方もなく大きな存在であったミクシィのバトンを受け継ぐということに、強い責任を感じると同時に、今まで以上に社業発展に尽力する覚悟でおります。笠原のアントレプレナーシップを継承・強化し、より良い事業、強固な企業グループを作ることに全力を尽くして参ります」としている。一方、笠原氏は新社長の朝倉氏に向けて「朝倉は、大手コンサルティングファームとネットベンチャーの社長という2つの経験の持ち主で、常に冷静でありながらそして時には情熱的に、物事をバランスよく判断いたします。起業家精神が旺盛で、ロジカルとエモーショナル両面を併せ持つ人物です。また、30歳と非常に若いのも魅力的です。私は、そんな彼に代表を託したいと考えています」とコメント。自身の今後については「取締役会長として、新経営体制を最大限サポートしつつ、mixi、Find Job !以上にインパクトを持つ新しいサービスを生み出していきたいと思います」としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年05月15日ソーシャル・ネットワーキング サービス(SNS)「mixi」を運営する「ミクシィ」は、12月10日より、同SNSにおいて「青少年保護のためのゾーニング(利用者ごとによる機能制限)施策」の強化を実施した。今回行った「青少年ユーザー保護施策の強化」では、青少年ユーザーのアクセスの制限を「友人の友人まで」から「友人まで」に変更。同SNSにおける、プロフィールの検索や閲覧範囲の制限をより強めている。同社ではこれまでにも、同SNSの健全性向上のため、18歳未満の青少年ユーザーに「友人検索機能、コンテンツ検索機能の利用制限(日記・フォト・動画・レビュー)」、「ユーザーアクセスの一部制限」、「青少年にふさわしくない一部のレビュー・広告の非表示」などの保護施策を実施。さらに、携帯電話事業会社との連携による「年齢情報認証」の実施や、人・システムによるパトロール、セキュリティーシステムの整備、教育・啓発活動など、さまざまな取り組みを行っている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月13日ミクシィは12月4日より、日本郵便と連携した「ミクシィ年賀状」にて、「0円スポンサー年賀状」と「NEW YEAR GIFT年賀状」の提供を開始した。「ミクシィ年賀状」はSNSを通じて、日本郵便発行のお年玉付年賀はがきを用いた年賀状を作成し、住所が分からない友人にも郵送できるサービス。2008年の開始以来、申し込みは累計350万枚を超える。2009年度より提供している「0円スポンサー年賀状」は、ユーザーが協賛企業の広告キャッチコピーを創りながら、無料で利用できる枚数限定の年賀状。提供期間は12月4日~2013年1月中旬を予定。提供企業は、「今日、恋をはじめます」(小学館)、イオン、富士重工業、大和ハウス工業ほかで、約2万枚の限定枚数となる。新しく登場した「NEW YEAR GIFT年賀状」は、お正月にギフトを贈り合うという新たなコンセプト。SNSを通じて受け取った無料・有料の「NEW YEAR GIFT年賀状」を、店頭でギフトと交換できるO2O商品を展開。また、年賀状のQRコードにアクセスして、映画・ドラマ・アニメなど1万本を超える動画コンテンツが24時間見放題となる映画チケット付き商品もある。提供期間は12月13日~2013年1月中旬を予定。提供企業は、ラッシュジャパン、U-NEXT。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月06日