藤井聡太七冠やGAFA創始者が幼少期に受けたモンテッソーリ教育が人気です。子供の自立を促す家具の企画販売、子供の育ちに特化したインテリアコンサルを手掛ける合同会社kodomomesen(本社:兵庫県伊丹市、代表:本部 明子)が、入園準備セットを2023年10月1日に発売します。入園準備セット 販売ページ: 小さな机と箱椅子1【モンテッソーリ教育を取り入れる親が急増】藤井聡太七冠やGAFA創始者達が幼少期に受けた、子供の自主性を育むモンテッソーリ教育に注目が集まっています。モンテッソーリ教育とは、イタリア初の女医、マリア・モンテッソーリが子供を観察することによって見出した事実に基づく科学的な教育法。100年以上の歴史があり世界140以上もの国に広まっています。近年モンテッソーリ関連の書籍が多く出版され、習い事としてモンテッソーリ教育を取り入れる幼児教室も増えています。またモンテッソーリを導入している幼稚園・保育園は、順番待ちが出るほど人気が高まっています。【自宅にモンテッソーリ環境が作れる子供用家具セット発売】兵庫県宝塚駅近くにある0~3歳児向けのモンテッソーリ教室「Mommy&Me(マミー&ミー)」は順番待ちが出るほど人気です。そんな教室から誕生した子供用家具ブランド「Motto」で、自宅に誰でもモンテッソーリの環境が作れる入園準備セットを発売します。セット内容は教室でも使われている小さな机と箱椅子、オンラインおうちモンテッソーリ・子育ち相談チケットの3点です。一見シンプルで何の変哲もなく見える家具には使い方が何通りもあり、子供が自ら使い方を考えて移動させたりできるよう小さく持ち運びしやすく細かく設計されています。ここに知らず知らずのうちに自主性を育てる秘密があります。職人が良質な木材で一つ一つ丁寧に組み、舐めても安心な天然植物油脂性塗料で仕上げられ木の香りが室内に心地よく香ります。手触りがまるでお母さんの肌のようだと、感覚の鋭いお子さんも触れることで落ち着くと評判です。利用者の方からは、「夕飯の忙しい時に邪魔ばかりしにきていた息子。小さな机と箱椅子がきてからは、自分で箱椅子に教科書をいれて台所の片隅に陣取り静かに宿題をするようになりました。」「自閉症の3歳の息子は集団行動になると暴れることがあったが、箱椅子を持ち運んで自分の場所を設定できてからは、落ち着いてマイペースに参加できるようになった。」との声をいただいています。幼児教室「Mommy&me」の様子【モンテッソーリ講師が考案した家具セット】家具を考案したのは、マミー&ミー主宰の本部 明子(ほんべ あきこ)。保育士でありながらモンテッソーリ講師歴24年、これまでに7,000組以上の親子をサポートしてきました。子育てに特化した整理収納アドバイザーとしてこれまで子育て世帯に360件以上訪問してきました。開発のきっかけは、本部自身の子育てにありました。子供が自ら片付けをしながらモンテッソーリ教育が実践できる家具を探したが見当たらず、知り合いの家具職人に相談しに行ったところ「他のお母さんも欲しいはず、一緒に作りませんか?」と言われ製作を開始。苦労したのは子供が一人で持ち運べる軽さがありながら、どんな使い方をしても壊れない丈夫さの両立。子供の自主性を育む工夫を散りばめ、こだわり抜いて完成させました。子供も一人一人個性があり家具の使い方はそれぞれなので、それをサポートしたいとオンラインおうちモンテッソーリ・子育ち相談チケット(通常22,000円)付きにしました。どなたでも生活の一部に無理なくモンテッソーリのエッセンスを取り入れていただけます。本部より「子供の自主性を伸ばしてあげたいけれど、どうしていいのかわからないと悩むお母さんがたくさんいます。子供の『できた!』を増やすことで、親子の笑顔を作るお手伝いをしたいです。」本部 明子《入園準備セット 商品概要》定価 : 69,000円(税込)*送料無料セット内容: 机、箱椅子、オンラインおうちモンテッソーリ・子育ち相談チケット 1回サイズ : 机 49.5×29.5×34.3cm箱椅子 26×22×18cm素材 : パイン材・天然植物油脂性塗料仕上げ生産国 : 日本【会社概要】会社名 : 合同会社kodomomesen代表 : 本部 明子本社 : 〒664-0853 兵庫県伊丹市平松7-6-1-1312事業内容: 子供用家具・玩具の企画・販売URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月27日モンテッソーリ教育の現場を観察したドキュメンタリー映画『モンテッソーリ 子どもの家』の予告編が、いち早くシネマカフェに到着。本映像では、本作の日本語吹き替えを担当した本上まなみと向井理がナレーションを担当している。アンネ・フランク、英国ロイヤルファミリー、Amazonのジェフ・ベゾスら米大手IT企業の創業者、ジョージ・クルーニー、藤井聡太棋士らが受けたとして知られるモンテッソーリ教育。本作では、ルーベにあるフランス最古のモンテッソーリ学校の幼児クラスに2年3か月間密着している。到着した予告編では、モンテッソーリ役の本上さんが、モンテッソーリの著書から引用された言葉の数々を話しながらガイド役を担う。映像では、子どもたちがお花を生けたり、お水をこぼさないように注いだり、モンテッソーリ教具として知られるピンクタワーを積み上げたり、思い思いにお仕事をするシーンが続く。そしてアレクサンドル・ムロ監督の声を担当している向井さんがタイトルコールを言い、映像は終了する。本上さんは本作について「静かだけれどもの凄くスリリングな、攻めてる映画!」と説明し、「集団生活でありながら個を大事にする(「同調」を強制しない)教育メソッド。ここには私たちが忘れていたたくさんのヒントがある」とコメント。向井さんは本作を観ることで「刻々と複雑化する社会の中で、一人の親として、そして一人の子として何を感じて生きるべきなのか。その様な悩みを抱える多くの親御様の選択肢を広げる一助になることができれば」と語っている。『モンテッソーリ 子どもの家』は2021年2月19日(金)より新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2020年12月11日小さなお子さんをお持ちだと、「モンテッソーリ」という横文字を目や耳にすることが多いかもしれません。ご存知の方も多いでしょうが、これは「モンテッソーリ教育(モンテッソーリメソッド)」の通称。日本において、小学校入学前から子どもの能力を伸ばそうとする「幼児教育」の分野で人気です。皆さんの中にも、「子どもにモンテッソーリ教育を受けさせたいな」「モンテッソーリってどんな教育なんだろう」と考えている方は少なくないでしょう。そこで今回は、モンテッソーリ教育の特徴についてご説明します。モンテッソーリとはいわゆる「モンテッソーリ」とは、イタリア出身の医師マリア・モンテッソーリ(1870~1952)によって生み出された教育法です。モンテッソーリは、女性として初めてローマ大学の医学博士号を取得した才女。大学卒業後は知的障害を持つ子どもの教育に取り組み、知能を向上させることに成功しました。知的障害を抱えた子どものための教育を、障害を持たない子どもの教育にも活かせると考えたモンテッソーリは、1907年に貧困層向けのアパート内で開設された保育施設「子どもの家」の監督・指導に従事します。そこから生まれた教育法が、モンテッソーリ教育なのです。モンテッソーリ教育は21世紀の現代でも多くの人に支持されています。日本の有名人だと、中学生でプロデビューした高校生棋士・藤井聡太氏の通っていた幼稚園がモンテッソーリ教育を導入していたということで、近年はモンテッソーリ熱が高まっているようですね。モンテッソーリの思想とキーワードモンテッソーリを語るにあたって、避けて通れないキーワードがいくつかあります。マリア・モンテッソーリの思想とともにご紹介しましょう。自主性(independence)モンテッソーリにおいては「自主性(independence)」が非常に重視されています。とはいえ、「勉強しろと言わなくてもすすんで勉強できる子どもに育てる」といった程度ではなく、子どもが身の回りのことを自分でできるようにさせるのが大事なのです。モンテッソーリは著書において、自主性について以下のように述べています。子どもというのは、無力さという生来の特性のため、また社会における個人という特質のため、行動を制限する枷(かせ)に縛られています。自由(liberty)を基礎とする教育法というものは、子どもがこれら多様な障害を乗り越えるのを助けるべく、関与しなければならないのです。言い換えると、子どものトレーニングは、合理的な方法において、子どもの行動を制限する社会的な束縛を軽減するようなものでなければいけません。いかなる教育的活動も、幼児のトレーニングにおいて有効であろうとするならば、この自主性という道程において子どもが前に進むのを助けるものでなければいけません。私たちは、彼らが支えなしに歩き、走り、階段を上り下りし、落ちているものを拾い、自分で服を脱ぎ着し、自分で風呂に入り、はっきりとしゃべり、自分が必要としていることを明確に表現できるようになるよう、子どもたちを手伝わなければならないのです。子どもたちがそれぞれの個人的な目的と欲求を満たすことができるような助けを与えなければなりません。これら全てが、自主性のための教育を構成するのです。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:Maria Montessori (1912), The Montessori Method, translated by Anne E. George, New York, Frederick A. Stokes Company.)モンテッソーリ教育を導入している「愛珠幼稚園」(世田谷区)の園長・天野珠子氏も、子どもの自主性を以下のように強調しています。「教具」についてはのちほど説明しましょう。子どもの自主性を尊重し、それを大人が気づき、手伝うことで子どもの自立につなげていく、ということをモンテッソーリ教育では大切にしています。そのためのひとつの手段として、さまざまな専用の教具を使うことが特徴の一つです。子どもたちは時期に合わせた教具を自由に選び、遊ぶことで、発達と自立をしていきます。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもの自主性を尊重し、集中力と柔軟な対応力を育む「モンテッソーリ教育」【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】)敏感期(sensitive period)子どもは大人の手を借りず、ひとりで物事をこなしてみたくなる時期があるもの。モンテッソーリ教育において、何をやってみたくなるのかは子どもの発達段階によって異なると考えられ、そのような時期は「敏感期(sensitive period)」と呼ばれています。環境心理学などを研究し、『幼児教育のための空間デザイン―モンテッソーリ教育における建築・設備・家具・道具―』(風間書房、2018年)を著した高橋節子氏によると、子どもは生まれつき「発達の法則」を持っているとモンテッソーリは考えていたそう。そしてその法則に基づいて、さまざまな敏感期が訪れるのだそうです。敏感期には以下のような例があります。言語の敏感期では、子どもは単語だけではなく、細かい文法も一緒に習得する。そして、発達の計画が目指した通りに言語を獲得すると、言語の敏感期は終わり、新たな別の能力を獲得するための敏感期が始まる(太字による強調は編集部が施した)(引用元:J-STAGE|子どものための物理的環境とは何か――モンテッソーリ教育の場合――)例えば1歳半の子どもが階段を何回も何回も上ろうとすることがあり、危ないからと下ろしてもまた上る。これは「足腰の敏感期」で、自分の足の筋肉を発達させて動き回るために必要な行為なのです。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもたちが自ら育つ力を応援する「モンテッソーリ教育」のメソッド【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】)整えられた環境(prepared environment)上述したとおり、モンテッソーリ教育では子どもの自主性が重視されています。そして、教育者の役割は子どもに知識を詰め込んだり命令に従わせたりすることではなく、「整えられた環境(prepared environment)」を用意して、子どもが自主性を養えるようにしてあげることだと考えられているのです。教師は「積極的(active)」であるよりも「消極的(passive)」でなければならない、とモンテッソーリは述べました。子どもたちを積極的にリードすることではなく、子どもが自主性を発揮できる環境(教室)を整えてあげることが教師の仕事なのです。北米モンテッソーリセンターによると、「整えられた環境」には6つの原則があるそう。「知的な環境」を作り出すには、自由で美しい空間が必要なようですね。1.自由:子どもが好奇心をもって自由に移動でき、そこでどんな活動をするか選べる。2.構造と秩序:宇宙における「構造と秩序」が反映されるようにする。3.美しさ:見た目に美しく、リラックスできる場所にする。4.自然さと迫真性:プラスチックよりも、木やガラスの素材を用いる。5.社会的環境:子ども同士が交流できるようにする。6.知的環境:上記5つの条件を満たさなければ、せっかくの知的環境が目的を果たせない。モンテッソーリ教育の活動上記のような特徴を持つモンテッソーリ教育ですが、具体的にどんなことを行っているのでしょう?高橋氏によると、モンテッソーリ教育における活動は「教具の練習」「日常生活の練習」「社会性の獲得」に大別できるそうです。順に見ていきましょう。教具の練習モンテッソーリといえば教具、というほど有名です。教具(material)とは、モンテッソーリ教育において使われる、何度も使うことによって子どもの感性の発達を目指す専用の道具。多くは木製で、一見おもちゃのように見えます。ひとつひとつの教具には目的が設定されています。ジャンルは「日常生活の練習」(後述)のほか、「感覚教育」「言語教育」「算数教育」「文化教育」の5種類です。特に有名な教具が、大きさの異なるピンク色の木製ブロックが10個セットになった「ピンクタワー」。「感覚教育」の教具に分類され、五感のなかでも特に「視覚」を刺激するものです。三次元の立体物を見たり持ったりすることで、「大きい」「小さい」という概念を理解させるという目的があります。モンテッソーリは著書のなかで、「ピンクタワー」について以下のように述べています。1つ目のブロックは一辺が10cmで、ほかのブロックは1cmずつ小さくなり、いちばん小さいのは一辺が1cmです。活動においては、これらピンク色のブロックを緑のカーペットの上に出し、いちばん大きいキューブを最下部に、ほかのブロックを大きさ順に積み、てっぺんに1cmのキューブを載せて、小さなタワーを作ります。子どもは毎回、緑のカーペットの上にばらまかれたブロックのなかから「最も大きい」ブロックを選ばなければいけません。このゲームをいちばん楽しむのは2歳半の子で、小さいタワーを作り上げるとすぐ手で軽く払って壊し、ピンクのキューブが緑のカーペットの上に散らばっているのをうっとり眺めます。そして再びタワーの建設を始め、作っては壊しを一定回数繰り返すのです。(引用元:Maria Montessori (1912), The Montessori Method, New York, Frederick A. Stokes Company.)子どもたちが教具で遊ぶ様子が目に浮かんできそうですね。このように、モンテッソーリ教育においては、教具で遊ぶことにより教育が行われるのです。日常生活の練習モンテッソーリ教育は、子どもを天才・秀才に育てることを目的としたものではありません。そもそも貧しい地域で始まったモンテッソーリの「子どもの家」に集まってきた子たちは、貧しい家の出身でした。彼らは親からじゅうぶんな教育や世話を受けられず、不衛生な状態だったようです。モンテッソーリ教育において、「しつけ」とは、大人の言うことを聞かせることではなく、子どもが自分のことを自分でできるように導くことを指します。「しつけられた」人間というのは「自分の主人(master of himself)である」人なのです。これは、上に挙げた「自主性」というキーワードとも大きく関わっています。モンテッソーリ教育の目的とは、自主性を持つ子どもを育てること。そして自主性のある子どもとは、身の回りのことを自分でできる子どもなのです。モンテッソーリによると、「子どもの家」に来園した子どもたちが毎朝することは「日常生活の練習」でした。まず先生は、子どもたちの爪や歯がきれいかどうかチェックします。そして服のボタンが取れていたり靴が汚れていたりすれば、子どもの注意をそちらに向けさせます。このようにして、自分の姿を観察することに慣れさせ、人からどう見えるのか興味を持たせるのだそうです。そして手や耳の正しい洗い方を教え、子どもが体を清潔に保てるようにするのです。そのあと、子どもたちはエプロンをつけて教室の掃除を行います。まず、教具が正しく置かれて綺麗な状態かどうか確認。雑巾やホウキの使い方を教わって、みんなで掃除します。身なりをきちんと整えたり、掃除を自分ですることは、日本の小学校でも教えられていますが、モンテッソーリ教育においてはそれを小さい頃から教えているのですね。社会性の獲得モンテッソーリにおいて、子どもに社会生活(social life)への準備をさせてあげることは非常に重要だとされています。社会とは、年齢や立場の違うさまざまな人が暮らしている空間。そして「社会性」を獲得するため、モンテッソーリ教育では異なる年齢の子どもたちが同じクラスで学びます。年齢によってクラスを分けることは不自然であり、社会性の発達に悪影響だと考えられたからです。年齢の異なる子どもたちが同じクラスで学ぶと、年上は年下の面倒を見て、年下は年上を見習うという教育効果があります。前述の高橋氏は、モンテッソーリ教育における「社会性の獲得」について以下のようにまとめました。すなわち、子どもたちは社会生活と同様に異年齢の仲間の中で、個別の活動をしながらも、互いを尊重し、調和し、助け合いながら活動し、問題が起きたときには子ども同士で解決することで、真の意味での社会性を身につけるとされたのである(太字による強調は編集部が施した)(引用元:J-STAGE|子どものための物理的環境とは何か――モンテッソーリ教育の場合――)モンテッソーリを家庭で取り入れるにはここまで読んだら、ご自身のお子さんをモンテッソーリの保育園や幼稚園に通わせたくなったかもしれませんね。けれど、もう別の施設に通っていたり、近くに施設がなかったりする場合も。そんなときは、モンテッソーリ教育のエッセンスを家庭に取り入れてみてはいかがでしょうか?手軽な方法をお教えします。まずは、ハーバード大学教育学部長で、モンテッソーリの著書に「前書き」を書いたヘンリー・H・ホームズの言葉をご覧ください。モンテッソーリの教具を自宅で保有することは、おそらく教具そのものに対する害を別にすれば、何の害もないだろう。しかし教具を教育的効果のあるものにするならば、適切な指導のもとに用いなければならない。加えて、教具はモンテッソーリ教育における最も重要な要素では絶対にないのだということを忘れてはいけない。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:Maria Montessori (1912), The Montessori Method, New York, Frederick A. Stokes Company.)モンテッソーリの教具は、あくまで手段にすぎないというのです。では、モンテッソーリ教育における最も重要なこととは何なのでしょう?前述の天野園長は以下のように話します。子どもの自主性を尊重し、それを大人が気づき、手伝うことで子どもの自立につなげていく、ということをモンテッソーリ教育では大切にしています。たまに誤解を受けることがありますが、教具で学ぶことだけがモンテッソーリ教育でありません。例えば愛珠幼稚園では、ほかの普通の幼稚園と同じように体育や音楽の時間もあります。ですが、指導方法は決して命令口調ではなく、子どもたちが自発的にやりたくなるような雰囲気をつくることを重視します。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもの自主性を尊重し、集中力と柔軟な対応力を育む「モンテッソーリ教育」【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】)子どもの自主性を尊重し、それが育つような環境を用意することなら、家庭でもできそうですね。たとえば以下のような方法があります。1.身じたくを自分でさせる。親がやってあげようとしたら拒否するようなことは、どんどん子どもにやらせてあげればいいですね。子どもが一人でレインコートを着るとします。やっと着られたと思ったら、ボタンがずれている。その時、せっかく一人で着られたものを親が勝手に外してはいけません。モンテッソーリ教育では、まず鏡を見せることにしています。子どもが自分の姿を見て自己訂正させる機会をつくってあげるのです。それで、子どもが外してほしいと言えば外してあげればいいし、自分でやるといえばやらせればいい。それでうまくできなかったとしても、自分でやったほうが、次から自分で注意をするようになります。人がやってくれたら、どこが間違っていたのか自分で気づくことなく終わってしまうでしょう。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|自分でできるという自信が学習意欲につながる。「モンテッソーリ教育」成長のためのヒント【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】)2.家事を手伝ってもらう。ごはんの時間は子どもに配膳を手伝ってもらいましょう。子どもは食事の時間が楽しみ。「野菜を洗う」「配膳を手伝う」などかんたんなことから始めさせるのがおすすめ。配膳を手伝ってもらう場合には、食器は子どもの手が届く位置に収納し、お皿やお箸などを自分で選んでもっていける配置にしておきましょう。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|特別な環境がなくても大丈夫!家庭で実践できるモンテッソーリ教育)3.家庭の一角に子ども用の「コーナー」を設ける。たとえば、身支度を自分でできるよう、子ども用の「身支度コーナー」を作るなどがおすすめ。身支度コーナーには、小さな鏡、くし、髪留めなどを並べて置いておき、自分で身支度を楽しくできる環境を作ってあげるのです。そのスペースは子ども専用。物をしまう場所や、レイアウトも自分で決めさせてください。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:同上)4.自宅の内装を美しく魅力的に整える。物理的環境は魅力的で豊かでなければならないとされた。その例として、花や絵画などの装飾や、テーブルクロスの使用について述べている。また、家具も魅力的なものであるべきだとし、例えば子どもが日常的に使用する木製のイスは魅力的、あるいは洗練されたものであるべきだとし、籐のイス、肘掛けイス、ソファを置くのも良いとするなど、家具にも多様性をもたせる必要があるともしている(太字による強調は編集部が施した)(引用元:J-STAGE|子どものための物理的環境とは何か――モンテッソーリ教育の場合――)モンテッソーリの「教具」を買いたい!モンテッソーリ独自の教材として知られる「教具」。教具を使うこと自体が最も重要ではないのだといっても、やはり教具のデザインやそれに込められた思想は魅力的です。知育玩具として購入し、家庭で使いたいと思うのも無理はありません。日本でも、複数の通販サイトで個人的に教具を購入することができます。すでに述べたように、教具にはそれぞれ意図が設定されており、「日常生活の練習」「感覚教育」「言語教育」「算数教育」「文化教育」の5種類。さらに、0歳児~3歳児向けの簡単な教具もあります。せっかく教具を買うのなら、気にしてほしいのが「棚」についてです。「子どもの家」において、教具は専用の教具棚に収納されます。子どもが自分で出し入れしやすいよう、高さは低く、横に長いのが特徴です。大抵のご家庭において、棚をはじめとする家具は大人が使いやすいように選ばれたもののはず。長く使うことを考えれば仕方ないのですが、そうした家具は大きくて重いため、子どもには使いづらいという欠点があります。一方でモンテッソーリ教育において、家具や教具は子どもが使いやすいように設計された「子どもサイズ」です。そのような道具を使うことによって、子どもは無理なく「日常生活の練習」を行うことができます。日々のお片付けもやりやすくなるはずです。なので、教具を買うにしても買わないにしても、モンテッソーリ教育の考えをとりいれてみて、子ども用の「棚」を検討してみてはいかがでしょうか?子どもが使いやすいサイズの棚を用意して、おもちゃの数はそれに収まるように留めるのです。「新しいおもちゃが欲しいなら、ほかのものを手放す」ルールを作れば、取捨選択することも学べます。国際モンテッソーリ教師の資格を持つ田中昌子氏によると、「全体がよく見え、いつも決まった場所に決まったものがある」ことが大事だそう。つまり、棚は子どもでも見渡せるくらいに低く、しかも棚に物を置きすぎてはいけないのです。このような基準でおもちゃの収納棚や本棚を選んでみてください。「無印良品」や「ニトリ」のカラーボックスを使って、子ども用の収納棚を手作りしている人もいるようですよ。日本にモンテッソーリの学校はある?家庭でいろいろ工夫してみるのも大事ですが、やはり子どもにモンテッソーリ教育を受けさせるなら、教具が豊富にそろっている施設に通わせるのがいちばん。保育園・幼稚園・小学校・中学校から1つずつご紹介します。●モンテッソーリ学芸大学子どもの家(目黒区)2004年に開園した、東京都の認証保育園です。まるでイタリアの邸宅のような、黄色い壁と美しい庭が特徴。保護者も過ごしたくなってしまう魅力的な環境です。教具がそろっているのはもちろん、リトミックや外国人講師による英語のレッスンも行われます。●愛珠幼稚園(世田谷区)1934年に設立されたという私立幼稚園です。モンテッソーリ教育を導入したのは1974年。教具を用いる活動や外遊びだけでなく、地域との交流やボランティア活動も大切にしているそう。本記事にも登場した天野珠子園長のもとで、毎日ワクワクする生活を送れそうです。●マリア・モンテッソーリ・エレメンタリースクール(横浜市)6~12歳の子どもは知的好奇心にあふれているという前提のもと、教具を使いながら幾何学や生物学を学んだり、農業や工業など学校外の専門家から話を聞いたりといった学習活動を行っているそう。ネイティブの先生による英語教育にも力が入っています。●The Montessori School of Tokyo(港区)2歳~15歳の子どもが学ぶインターナショナルスクール。33カ国・150人以上の子どもたちが集まっているとのこと。中等部のカリキュラムは、さまざまな文章を書いたり口頭発表を行ったりといった言語活動がメインになり、やや一般的な学校に近づくようです。モンテッソーリを知る本モンテッソーリについて大まかに紹介してきました。もっと詳しく知りたいと思ったら、関連書籍を読んでみるのがいちばんです。インターネットで購入したり、図書館で探したりしてみてください。●佐々木信一郎『子供の潜在能力を101%引き出すモンテッソーリ教育』(講談社、2006年)入門書として人気の、気軽に読める新書です。モンテッソーリの理念が具体的に分かりやすく説明されているとして好評を得ています。●マリア・モンテッソーリ著、 AMI友の会NIPPON訳・監修『子どもから始まる新しい教育 』(風鳴舎、2017年)モンテッソーリ自身による講演や文章をまとめて再構成したもの。国際モンテッソーリ協会公認のブックレットです。提唱者によって語られる生き生きとした言葉とじかに向き合えば、モンテッソーリの本質に近づけるはず。***日本でもますます注目されている幼児教育。モンテッソーリ教育の恩恵を多くの人が受けられるようになるといいですね。(参考)Maria Montessori (1912), The Montessori Method, New York, Frederick A. Stokes Company.J-STAGE|子どものための物理的環境とは何か――モンテッソーリ教育の場合――StudyHackerこどもまなび☆ラボ|モンテッソーリ教育とシュタイナー教育の違いは?理念と方法論を徹底比較StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもの自主性を尊重し、集中力と柔軟な対応力を育む「モンテッソーリ教育」【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもたちが自ら育つ力を応援する「モンテッソーリ教育」のメソッド【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】StudyHackerこどもまなび☆ラボ|自分でできるという自信が学習意欲につながる。「モンテッソーリ教育」成長のためのヒント【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】StudyHackerこどもまなび☆ラボ|特別な環境がなくても大丈夫!家庭で実践できるモンテッソーリ教育NAMC Montessori Teacher Training Blog|The Six Principles of the Montessori Prepared Environment Explained学研モール|モンテッソーリ教具学研モール|ピンクタワーHarvard Graduate School of Education|Henry Wyman Holmes, 1880-1960講談社絵本通信|子育て相談 モンテッソーリで考えよう!モンテッソーリ学芸大学子どもの家愛珠幼稚園マリア・モンテッソーリ・エレメンタリースクールThe Montessori School of Tokyo
2019年02月02日藤井聡太七段(*)が幼いころ受けていたことで注目を集めている『モンテッソーリ教育』。その歴史は古く、とくに海外では優秀な人材を育てる教育法として確固たる地位を築いています。一方で、「興味はあるけど、近所にモンテッソーリ教育の幼稚園や保育施設がない……」と諦めている方もいるのではないでしょうか?たしかにモンテッソーリ教育は、専門の知識を身につけた教員のもと、専用の教具を使わなければ学ぶことが難しいと思われがちです。しかし、自宅でもその要素を取り入れて遊ぶことは可能なのです。今回は、モンテッソーリ教育を取り入れた遊びの紹介と、それによって子どものどんな能力が伸びるのか、詳しくご説明します。*…2019年1月現在自立心と自己肯定感が育まれる独自の教育メソッドまずは、モンテッソーリ教育について簡単におさらいしましょう。■モンテッソーリ教育とは?女性医師であり教育家でもあったマリア・モンテッソーリによって、20世紀初頭にイタリアで考案された、子どもの自発性を重視する教育法。「子どもには自分を育てる力(自己教育力)が備わっている」という考え方が根本にあり、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことがモンテッソーリ教育の目的。40年以上にわたりモンテッソーリ教育を実践している『愛珠幼稚園』の園長・天野珠子先生は、「子どもの自主性を尊重し、それを大人が気づき、手伝うことで子どもの自立につなげていくことを大切にしています」と話します。つまり、親がすべきことは、「手取り足取りフォローしてあげるのではなく、挑戦する心を育てて応援すること」なのです。天野先生は「一人でできることが増えるほど、子どもの自己肯定感は育ちます」と述べています。モンテッソーリ教育とは、子どもを自立へと導き、自分で考えて物事に対応できるようになる、いわば“生きる力”を育む教育法でもあるのです。■モンテッソーリ教育の特色子どもは、その時期の発達に沿って「一人でやりたいこと」が出てくる。それは、“ある時期”に“ある行為”のみに現れることがわかっており、その時期を『敏感期』と呼ぶ。敏感期には、その時期に合わせた専用の教具を使って遊ぶ。それらの教具を使ったあらゆる学習活動を『お仕事』と呼び、子ども自身が自由に選んで遊ぶことで発育と自立をうながす。天野先生によると、「敏感期に合わせて、夢中になることを満足するまでやらせてあげるという経験が子どもの成長には必要」とのこと。敏感期に適切な環境に出合うと、子どもは集中現象を起こします。そして、集中現象が次々に満たされていくと心が満足し、お腹が空いたのも忘れるほど夢中になるらしいのです。私たち大人は、子どもが夢中になって何かに取り組んでいる様子を見守りたい反面、時間の都合や周囲への遠慮などから「さ、もう充分遊んだでしょ?」と切り上げてしまうことがよくあります。しかし、子どもの“夢中”は、大きな成長につながる重要な鍵です。時間や状況が許す限り、満足するまでとことんやらせてあげましょう。続いて、『敏感期』と『お仕事』について詳しくご説明します。敏感期に寄り添う優れた教育プログラムまず、本格的な『敏感期』に入る前に幼稚園で最初に行うのは【日常生活の練習】です。これはモンテッソーリ教育の基礎にもなるので、しっかりと身につけなければなりません。その後、【感覚教育】【言語教育】【算数教育】【文化教育】と続きます。■日常生活の練習大人のまねをしたがる「模倣期」と、身体が発達する「運動の敏感期」を利用して、自分の体を意志通りにコントロールする能力を身につけることが目的です。・ボタンをかける・室内を掃く・洗濯をする・ものを磨く・縫うなど、日常生活で行うさまざまな動作を大人がお手本を見せながら練習します。「自分のことを自分でできるようになる」という自立心や独立心のベースを築くことができます。■感覚教育言語・算数・文化教育という知的教育分野の基礎となります。感覚器官を使ってさまざまなことを練習し、感覚を洗練させることで、外界からより繊細な情報を収集できるようになり、知性や情緒が発達します。・対にする・段階づける・仲間分けするという3つの操作法が組み込まれた教具を使うことで、「ものを観察する能力」と「ものを考える方法」が身につきます。■言語教育絵カードや文字カードを使い、ことばの発達段階に合わせてきめ細やかなステップを踏んで、語彙を豊富にしたり文法を覚えたりします。「日常生活の練習」や「感覚教育」と合わせて行うことで、自然と文字の読み書きができるようになります。■算数教育算数教具を手で扱いながら、数の概念の基礎、十進法から簡単な計算までを学びます。ビーズを使い、数の具大量や十進法で桁が上がることを体感したり、数種類の切手を交換して掛け算を覚えたりします。■文化教育「ことば」と「数」以外の幅広い分野を学びます。世界地図パズルや時計などの教具に触れながら、子どもの知りたいという要求に応えるのです。分野を統合した「総合学習」のようなものです。幼稚園や教育施設で使用される教具は360種類にものぼり、すべて体系的につながっています。赤、青、黄の三原色をベースにした色鮮やかなものが多く、優れた教育的効果を発揮するだけではなく、子どもが思わず触りたくなるような魅力あふれるものばかりです。モンテッソーリで学ぶ子どもの「お仕事」モンテッソーリは著書の中で、「大人の仕事が生産的労働であるならば、子どもの仕事は人間を形成すること」と述べています。「つまみたい」「並べたい」といった衝動も、子どもの内面からあふれる自立への強い欲求であると言えるでしょう。つまり、家庭の中での自立や人間形成につながる事柄はみんな、子どもが自分自身を創るための「お仕事」でもあるのです。「モンテッソーリのメソッドを家庭で取り入れるためには、何よりも大人の子どもに対する接し方を重視する必要があります」と語るのは、モンテッソーリ教育施設「吉祥寺こどもの家」園長の百枝義雄先生。まずは、子どもをよく「観察」することから始めましょう。親にとっては不可解に見える子どもの行動にも、子どもが大きく成長するヒントが隠されているのです。子どもの “こだわり” と “伸びる能力” の関係性は以下です。同じことを同じ順序で繰り返したい「順序へのこだわり」→段取り力へ発展同じことを同じようにしたい「習慣へのこだわり」→集中力を育てる同じ場所に同じ人がいないと気持ちがわるい「場所へのこだわり」→倫理観へ発展高いところに乗って歩きたい「運動へのこだわり」→バランス感覚をつける3本指を使いたい「指先運動へのこだわり」→器用な手先をつくる(引用元:東洋経済ONLINE|家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ)このように、「こだわりを満足させることで伸びる能力」について理解できていれば、家庭でもモンテッソーリのメソッドを取り入れやすくなるはずです。家庭で子どもの能力を引き出すポイント次に、モンテッソーリ教育を取り入れた簡単な遊びをご紹介します。おすすめは「親指・人差し指・中指」の三指を使うお仕事です。【あけ移し】トングなどを使って豆や石を一方の容器からもう一方の容器に移します。100円ショップでも手に入るシュガートングが、子どもの手にはちょうどいいですよ。慣れてきたらピンセットを使って、大きめのビーズのあけ移しにも挑戦してみましょう。仕切りのあるケースを使えば、色別に分けて入れることもできます。色を認識し、判断して選り分けるという工程が生まれるので、難易度もアップしますよ。【お料理のお仕事】玉ねぎの皮むきや茹でたじゃがいもの皮むき、またはゆで卵の殻をむく、など「むく」という作業は料理を始める最初のステップとして非常に有効です。指先を使うだけの作業なので危険度が低く、すぐに達成感が得られるのもいいですね。また、前出の百枝先生による『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』(PHP研究所)では、モンテッソーリ園と同じ「お仕事」を自宅で再現する方法が紹介されています。この本を参考に、ハサミやのり、とじ針と毛糸などの道具を用意すれば、付属の型紙を使って気軽に「お仕事」に挑戦できます。たとえば、型紙を写して線に沿って「切る」、線に沿って一定間隔で描かれた点を目印にして「穴をあける」または「縫う」など、モンテッソーリのメソッドに基づいた手法で遊ぶことができるのです。そして、あの藤井七段が子どものころ100個作ったことで話題になった「ハートバッグ」の型紙と編み方も載っています。最後に、子どもが興味を抱き「やってみたい!」となったとき、親は次の点に注意しましょう。・親のお手本を子どもが見ているときには話さない・説明するときは動きを止める・手出しや口出しはしない・子ども自身が試行錯誤するチャンスを奪わない・出来ばえを評価しない穴をあける道具(「かるこ」など)や、抜い差し用の針は、初めて使わせるとき「危なくないかな?」と心配になるかもしれません。使うときは危なくないように見守ったり、子どもの手でも扱いやすい小さめの道具を用意したりと、「どうしたら子どもがうまく使えるか」ということを考えて取り組ませるといいでしょう。『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』(PHP研究所)***モンテッソーリ教育を家庭でも取り入れるには、道具を揃えるより先に「親の心がけ」が必要です。子どもが夢中で取り組んでいる様子を黙って見守り続けるーー簡単なようで難しいですよね。しかし、子どもには大人が思っている以上の能力が備わっています。子どもの自己教育力を信じて、見守ってあげましょう。(参考)Study Hacker こどもまなび☆ラボ|藤井聡太六段、Amazon共同創立者ジェフ・ベゾスが幼児期に受けていた「モンテッソーリ教育」とは?日本モンテッソーリ教育綜合研究所|モンテッソーリ教育についてStudy Hacker こどもまなび☆ラボ|子どもの自主性を尊重し、集中力と柔軟な対応力を育む「モンテッソーリ教育」【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】Study Hacker こどもまなび☆ラボ|子どもたちが自ら育つ力を応援する「モンテッソーリ教育」のメソッド【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】産経WEST|天才・藤井四段も学んだ「モンテッソーリ教育」とはー集中力と自分らしさ、周囲に流されず「好きなことをとことん追求する子供」に『できる子になる!0歳からのお手伝い』クーヨンBOOKS12,2015年6月,クレヨンハウス.東洋経済ONLINE|家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ百枝義雄・百枝知亜紀 著(2018年),『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』,PHP研究所.
2019年01月29日こんにちは、保育士ライターのyossyです。皆さんは、『モンテッソーリ教育』という言葉を聞いたことがあるでしょうか。イタリア人女性医学博士のマリア・モンテッソーリが開発した教育法のことです。実は、バラク・オバマ、ピーター・ドラッカー、マーク・ザッカーバーグ、ビル・ゲイツら世界の著名人もモンテッソーリ教育を受けたと言われており、長きに渡り注目されています。最近の日本では、将棋で最多連勝記録を達成した藤井聡太四段もモンテッソーリ教育を受けていたということで話題になっていますね。●モンテッソーリ教育は、“自立”を目的にしているそもそも、モンテッソーリ教育というのはどのような教育なのでしょうか。日本モンテッソーリ教育綜合研究所によれば、モンテッソーリ教育の基本は、**********『子どもは、自らを成長・発達させる力をもって生まれてくる。大人(親や教師)は、その要求を汲み取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならない』**********という理念にあるのだそうです。モンテッソーリ教育をするためには専門の資格が必要で、よく言われる特徴としては、・“お仕事”と称して子どもが手先を使った作業をする・専用の教具がある・異年齢混合保育・子どもの自由な意思決定を尊重するなどがあります。手先を使って細かい作業をすることが多い というイメージを持つ人も多いかもしれませんね。●モンテッソーリ教育にデメリットはある?教育法のデメリットというのは明確にしづらい部分がありますが、あえてあげるとすると、以下のような面があるでしょう。・専門の資格が必要で、モンテッソーリ教育をしている保育園・幼稚園が限られる・教具が高額であること、異年齢混合の保育をしていることなどから、完全に理念にのっとった教育を個人でするのは難しいモンテッソーリ園を卒園した子の特性に焦点をあてる議論も多く、たとえば「意志が強すぎる」「自由過ぎる」という批判をする人もなかにはいるようです。しかし、当然個人差もありますし、仮に実際そうであったとしても、そのことが果たして“デメリット”かというとその判断は難しいでしょう。長所と短所は表裏一体ですから、子どもの一面のみを見て決めつけることはできませんね。『モンテッソーリ教育』という言葉のみが独り歩きすることもあるようですが、子どもにモンテッソーリ教育を受けさせたいと思った場合、まずは通える範囲内のモンテッソーリ園を実際に自分の目で見にいく のが一番ですね。担当する先生によっても変わる部分があるでしょう。見学し、納得のうえで検討したいですね。【参考リンク】・モンテッソーリ教育について | 公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所()●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/赤松侑里(さゆりちゃん)
2017年08月03日「子育てに取り入れるといいらしい」と耳にすることもあるモンテッソーリ教育が気になっているという方も多いのではないでしょうか。モンテッソーリとは、教具を使った「お仕事」(遊びの時間)や個別活動による自主性を重んじた教育活動が特徴の教育法のことです。保育所や幼稚園で取り入れられることもある“モンテッソーリ”がどんな教育方法なのか、家庭でも実践できるのか、など詳しくご紹介します。モンテッソーリとは? そもそもモンテッソーリとは、マリア・モンテッソーリ(1870〜1952年)というイタリア人女性医師が開発した教育方法のことです。「モンテッソーリメソッド」「モンテッソーリ教育」などさまざまな呼ばれ方をしますが、どれもマリア・モンテッソーリが提唱した教育方法のことを指しています。マリア・モンテッソーリは、女性医師として子どもと触れ合うなかで、ある物事に関して吸収力が大きくなる期間があることに気が付き、それを“敏感期”と呼んで注目し始めました。1907年にイタリアに「子どもの家」という保育施設を作り、子どもが本来もっている能力を適切な援助で引き出していくモンテッソーリ教育法を生み出しました。この教育法は、「子どもの発見」と呼ばれ、現在でもその考えを継承した教育を行う幼稚園や保育施設、学校は世界中に存在し高い評価を得ています。モンテッソーリ教育の目的 モンテッソーリ教育の主な目的は、子どもの自立にあります。モンテッソーリの教育法によって引き出していく自発的に行動できる力や考え学び続ける力などは自立によってかなえられるとされているためです。「子どもは自分で成長し発達する力をもって生まれてくる」ことがモンテッソーリの教育法の基本でもあります。そのため大人は“子どものサポート役として“援助”するだけで、子どもの自発的活動を妨げてはいけない”存在だとされています。これをマリア・モンテッソーリは「生命の援助」と呼び、いまでも大切な理念として根付いているのです。どんな方法で行うの? “ひとりでできるようになる”ために、環境を整えることと少しの援助を行うことが大人である親や先生には求められており、“子どもを見守る”ことが重要だとされているのがモンテッソーリの教育法です。自発的に活動できるよう、自由にやりたいことができるよう準備をすることが、“環境を整えること”です。その準備は、ただ教具と呼ばれるおもちゃなどを用意しておくだけでなく、成長過程に合わせた物を置くことや「やってみたいな」と思わせる物でなければなりません。大人は、あくまでその成長を援助する“人的環境要因”ではありますが、適切なサポートを行えるよう常に意識して子どもを見守っている必要があります。つまり、自由になんでも好きなようにさせるのではなく、そのとき個々人に必要だと思われる物を適切な時期に“自分で”選び取れるよう援助するのがモンテッソーリの教育方法なのです。モンテッソーリの特徴 モンテッソーリの教育法には、大きく分けて3つの特徴があります。モンテッソーリの特徴1.個別活動モンテッソーリといえば“個別活動”が大きな特徴です。集団で行動するためには、”だれか”に合わせて動かなければなりませんが、一人ひとり興味やそのとき必要としていることは異なります。そのためモンテッソーリの教育法では、個別活動を基本としています。個別活動が基本ではありますが、子ども同士が一緒に遊ぶことを禁じてはいるわけではありません。子どもたちが一緒に遊びたいという気持ちをもっていれば、それがその子どもたちの活動になります。大切なのは、“子どもが自主的に活動しているか”にあるため、「個別活動ばかりで友だちと遊ばせてもらえないのでは」という心配はいらないでしょう。モンテッソーリの特徴2.自発性を重んじる個別活動の前提でもありますが、モンテッソーリの教育法は“子どもの自発性を重んじる”ものです。自発的に「これがしたい」と考え行動できるようになることもモンテッソーリの目的のひとつであるため、大人(先生)は自発性を妨げないよう、環境を整えています。また、遊びのことを“お仕事”と呼んでいることも大きな特徴として覚えておきましょう。モンテッソーリの特徴3.集団生活をするときには縦割りが基本幼稚園や保育所、学校でモンテッソーリの教育法を取り入れるときには、“縦割り”でクラス編成を行います。これは、社会性や協調性を身につけるために、大体3歳程度の年齢幅でクラスをまとめているのも特徴のひとつです。幼稚園では3・4・5歳児が混ぜられた異年齢クラスになり、保育所では0・1・2歳児と3〜5歳児の2段階でクラス編成されるケースが多く見られます。モンテッソーリの教育法5分野って? モンテッソーリの教育法は、5つの分野にわけられています。それぞれに適した教具があり、発達に沿った教具のレベルも分けられていますが、“大人が考えたカリキュラムの順番通りに進めていく”のではなく個々人に合わせて活動していきます。モンテッソーリの教育法1.運動運動=身体を動かす体育、ではなく、日常生活を営むうえで必要な動きを身につける分野が運動です。“思った通りに身体を動かして、自分のことは自分でできるようになる”ことを目的としています。大人の真似をしたがる主に2〜3歳頃を運動の敏感期と呼び、自立心や独立心といった基本となる心を養う時期として、適切な環境や援助を行っていきます。モンテッソーリの教育法2.感覚モンテッソーリの教育法では、2〜4歳頃を“感覚の敏感期”と呼び、他者との比較から自我の芽生えを援助する時期と考えています。生活のなかで自然と“持ち物の比較”などから自分と他者との違いを感じ始めたら、比較をテーマとした感覚教具を用意し、“同じ・違う”といった仲間分けなどを理解できるように援助していきます。モンテッソーリの教育法3.言語子どもが言語を習得するときには、“物には名前がある”ことを認識し、“性質を表す言葉”があることに気づき、“物をつなげて考えられる”ようになるという段階を踏むというのがモンテッソーリ教育法の考え方です。言語習得の流れの援助を行うために、適切な時期に絵や文字のカード(教具)を使って、話す・読む・書く力を身に着けていくのが言語分野です。モンテッソーリの教育法4.算数量=具体的な物、を理解することから始まり、徐々に“抽象的・論理的”な物の考え方ができるように導いていくのが算数分野で、そのための教具は細かな段階に分けられています。あくまで難しい計算ができるようになるのは結果であり、まずは考え方を身につけていくことを、モンテッソーリの教育法では大切にしています。モンテッソーリの教育法5.文化他の4分野の集大成ともいえるのが“文化”です。基礎的な力が身についたところで、歴史・地理・音楽などから、“文化を学び吸収する力”をつけていく分野となっています。モンテッソーリの“教具”モンテッソーリの教育法では、“教具”と呼ばれる道具が使われています。モンテッソーリ教育のおもちゃと言われることもありますが、正式には教具です。時期や子どもの成長に合わせて選んだものを“環境”のひとつとして置き、子ども自身が自主的に手に取るようにしなければなりません。本来“教具”は、おもちゃでも教育のためのアイテムでもないという扱いなのですが、感覚的には、おもちゃと教育グッズの中間に位置しているような存在と考えていてもいいでしょう。大切なのは、その“教具”を使うことを目的とするのではなく、“子どもが自発的に教具を使って遊び(=お仕事をする)、成長や発達のサポートになっている”ことにあります。その点をしっかりと押さえたうえで、教具を取り入れるようにしましょう。モンテッソーリ教育には資格が必要? モンテッソーリの教育法を行うための資格やモンテッソーリ教育が受けられる場所をご紹介します。モンテッソーリ教育の資格厳密には、モンテッソーリ教育を行うために必要な資格はありません。民間資格がいくつかあり、就職時に“○○資格の取得”が求められる可能性はありますが、保育士や幼稚園・小学校の教諭免許とは異なり、“絶対になくてはいけない”というものではないのです。ただし、モンテッソーリの教育法は、通常の“保育・教育”の勉強だけではなく専門的に学んだほうがよい部分もあるため、モンテッソーリ教育を行うプロになりたいと思ったときには、民間資格を取得するのがおすすめです。民間資格が受けられる機関日本で初めてモンテッソーリ教育の教師養成校を設立した公益財団法人才能開発教育研究財団/日本モンテッソーリ教育綜合研究所の「モンテッソーリ教育教師養成通信教育講座卒業資格」 モンテッソーリ教育 教師養成通信教育講座 | 公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 国際モンテッソーリ協会公認の一般社団法人モンテッソーリ教育研究会で認定される「ディプロマ資格」 モンテッソーリ教育研究会 モンテッソーリ教育を受けられる場所日本では、モンテッソーリの教育法を取り入れている保育所・幼稚園・学校に通うことで、モンテッソーリ教育を受けることができます。保育所や幼稚園は、各地域にモンテッソーリ教育を取り入れているところがあり、近隣で探すと見つかることが多いですが、小学校になると数が少なくなるため、小学校でもモンテッソーリの教育法を受けさせたいと考えている方は、事前にしっかり調べておくことをおすすめします。小学生になると、アフタースクールや習い事として、モンテッソーリに触れるパターンもあるので、学校が見つからないときにはそちらも検討してみましょう。家庭でモンテッソーリ教育を行うコツ家庭でもモンテッソーリ教育を行うことはできます。その際は、“手を出しすぎない”ことを意識するのがコツです。モンテッソーリのもっとも大きな特徴が“自発性・自立”です。ついつい家庭だと、見守りきれずに手や口を出したくなってしまいますが、大人は援助をするのみ、“見守る”ことを常に意識して過ごすようにしましょう。また、モンテッソーリの教具は“おもちゃ”として販売されています。一度にすべてをそろえるのは大変なので、気になったものだけを取り入れてみるのもおすすめです。特に感覚教具や算数の教具は、モンテッソーリならではな特徴を感じられるものも多いため、最初の一歩として購入する物にピッタリです。「買ったのだからやって!」ではなく、家のなかに置いておき子どもが自然と手に取れるようにして、モンテッソーリの教育法の基本を押さえたうえで取り入れるようにしましょう。<参考> モンテッソーリ教育研究会 公益財団法人 才能開発教育研究財団 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 モンテッソーリ学芸大学子どもの家オフィシャルサイト Mirai Kindergarten モンテッソーリ教育
2017年01月12日子育てをしている人なら、一度は「モンテッソーリ教育」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。イギリスのジョージ王子がモンテッソーリの保育園に入園したことでも話題になりました。そもそもモンテッソーリ教育とは、イタリアの女性医師が創始した教育メソッドで、子どもの自主性を大切にし、子どもが本来持っている力を引き出すというもの。この教育法は欧米だけではなく、日本を含むアジア諸国でも多く導入されています。『ふじようちえんのひみつ』(加藤積一著、小学館)の、ふじようちえん(東京都立川市)も、1972年からモンテッソーリ教育を取り入れている幼稚園です。今回は本書の中から、モンテッソーリ教育の5つの基本をご紹介します。■1:本物の道具を使う「日常生活の練習」モンテッソーリ教育で出発点になるのが日常生活の練習。着替え、靴を履く、並べる、そろえる……など日常生活の基本動作を思い通りにできるようにします。ふじようちえんでは、子どもサイズの本物のアイロンや洗濯機、ほうき、包丁などを用意して実際に使わせているそう。針や糸を使うこともあります。そして、これらの活動は遊びではなく「お仕事」と呼んでいます。成長に合ったお仕事に対して子どもたちはすごい集中力と意欲で取り組むのだそうです。保護者から見ると「ケガをしないか」と心配になるお仕事ですが、先生がきちんと伝えれば子どもも危険な使い方はしません。■2:五感を洗練させる「感覚教育」五感をフルに働かせることで、情報を脳に取り入れることができると考えられています。色や形、大きさ、長さ、重さなどに関心を持ち、並べたり比べたりするなかで五感を洗練させていくのです。普段の生活では、一つの感覚に集中する機会はあまりありません。食べながら話す、音楽を聴きながら本を読むなど様々な刺激を同時に受けています。そのためモンテッソーリの「感覚教育」では、重さの印象、形の印象、色の印象など、あえて一つ一つの感覚に意識を集中させて五感に訴えかけていきます。■3:身近なもので理解する「言語教育」子ども達は日常生活を送るなかで、自然に文字への興味を持っていくものです。例えば、看板などに書いてある文字を見て「あれなあに?」と親に聞いてくるようになるのは文字に興味を持っている証拠です。ふじようちえんの年少組では文字のゴム印を押したり、紙やすりでできた文字を指先でなぞったりするなどで文字に触れています。年長組になると劇発表会のセリフを文字で見て覚えます。劇を演じるなかで、ストーリーと言葉が結びついてはじめて「読めた」ということになるのです。これを繰り返すことで、知識がどんどん増えていくでしょう。■4:数の概念を体感する「算数教育」算数といってもいきなり計算をするのではなく、数の概念を体で感じることが大切です。たとえば「錐形棒」というものは、0から9までの数字が書かれた箱にその数の棒を入れていきます。実際にその本数の棒を手にすることで数量を手のひらで感じることができます。また1本1本の棒を輪ゴムで束ねてみると、個々のものが集まって数を表していることを体感することができます。■5:五感を使って四季を感じる「文化教育」ふじようちえんで行っている文化教育のひとつは五感を使って季節を感じるということです。たとえば園の畑では、春はイチゴ、夏はトウモロコシ、冬は大根などの収穫を行うことができます。また田植えの見学や稲刈りをはじめ、お米ができるまでの工程を実際に見たり触ったり、実際にできたお米を味わったりすることで本当のお米の味を感じます。こうして1年中にたくさんの体験をすることで、先人たちの知恵なども理解することができるのです。*ふじようちえんは、佐藤可士和氏がディレクションしたユニークな形の園舎や、本書の著者である園長先生の型破りな教育方針で世界から注目されている幼稚園。伸び伸びと育つ園児たちの生活の様子から、子育てのヒントを見つけることができるのではないでしょうか。(文/平野鞠) 【参考】※加藤積一(2016)『ふじようちえんのひみつ』小学館
2016年09月18日モンテッソーリ教育は、シュタイナー法と並び「世界2大幼児教育法」と称される教育法です。根底にあるのは、子どもの「敏感期」がどういうものかを知り(→知る)、子どもをきちんと観察し(→見守る)、子どもに適切に声がけ、働きかけをする(→ときどき助ける)という子育てメソッド。欧米で実績のある手段なのだそうです。『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』(神成美輝著、百枝義雄監修)は、そんなモンテッソーリ教育を子育てに取り入れるためのコツを紹介した書籍。3章「『観察→発見→見守る』から始まる、今すぐできる10のこと」から、要点を引き出してみましょう。■1:観察する観察の目的は、子どもの「興味の中心」を見つけること。たとえば電車の名前をおぼえるのが好きだった子は、そこから、駅、地図、そこで働く人など、興味を広げていくもの。つまり子どもの興味の中心さえ見つけることができれば、そこから広がりを得ることができるということです。そこで、まずは子どもがなにに本当に興味があるのか、じっくり観察してみることが大切だと著者はいいます。■2:自由に選択させる「~しなさい」と親が決めたことをさせるだけでは、子どももやる気を失うもの。そうではなく、大切なのは「選択肢」を与え、判断力を育むこと。具体的には、小さいうちは「2択」。大きくなるにつれ、選択肢の数を増やしていくといいそうです。選択するという行動は、考える力につながるもの。なにかの困難にぶつかったときにも、「どうすればいいのだろう」と考えることができるようになるわけです。■3:見守り、挑戦させる子どもの方から「手伝って」「助けて」というサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。なぜなら失敗をして、新たなやり方を見つける、もう一回最初からやってみるというようなことを繰り返すことによって、子どもは自分でいちばんいい方法を見つけ出すことができるから。「教えない教え」によって、やる気と自信、気づきの機会を与えるべきだということです。だからこそ、子どもの方から「手伝って」「助けて」のサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。■4:ゆっくり見せる子どもにとって、大人の動きは早送りのDVDを見ているようなもの。普通のスピードでなにかを教えたとしても、まったくついていくことができないのだそうです。また子どもは、手と耳を同時に働かせることが苦手。口で説明をしながらなにかを教えても、混乱するばかりだといいます。子どもの動き方を教えるときには、(1)子どもがわかるように、ゆっくり見せる。(2)見せるときと聴かせるときを区別する。言葉での説明を同時にしない。ということを意識すべき。■5:子どもを待つ大人から見て、子どものペースが「のんびり」に見えたとしても、子どもは大人が思っている以上に考えているもの。順番を守ったり、習慣にこだわったりするなど、子どものなかには「厳しい秩序」があるので、そう簡単には進められないということです。そこで待ち時間は、「考える力」が伸びる時間であると心得ることが大切。■6:察するのをやめるお茶がほしいと目で訴えれば、なにもいわなくても用意してあげるなど、子どもの気持ちを察して先回りして動くことが多いのが大人。でも「察してしまう」ことが、意思を自分で伝える訓練の妨げになっているとか。知らんぷりをすることも、「伝える力」を伸ばすものであるということ。■7:ルールを設ける自由のなかに、ルールを持たせることも大切。きちんとルールがあり、それを破ると楽しめなかったり、トラブルになったりするということが学べるわけです。大切なのは、ルールをきちんと伝え、あとは見守ること。■8:オーバーにほめない子どもがなにかを「できた」と伝えてきたとき、大人は「やった~。すごいね~」とオーバーにほめてしまいがち。しかし子どもは何度も失敗してようやくできるようになったので、「これだけ練習したんだから、できて当たり前」「そんなにすごくはない」と思っているのだとか。しかし子どもは、「ほめられる」より「認められたい」もの。そこで、オーバーにほめずに、認めてあげることが大切だといいます。■9:共感する1歳半~3歳くらいまでの子どもは、なんでも「イヤイヤ」というイヤイヤ期。そんなときの対処法のひとつは、「イヤなのね。でも、いまから○○するからお片づけしよう」というように、“やりたくない気持ち”を受け入れることが大切。うれしいことも、イヤなことも共感することで、子どもとの心の距離がぐっと近くなり、「チャレンジ精神」が向上するそうです。■10:失敗させる子どもは失敗しながら多くのことを学ぶもの。だからこそ、間違っているときに教えてしまうのではなく、あえて失敗を「見せる」勇気が学力向上につながるのだと著者はいいます。*これらはほんの一例で、他にも「知る、見守る、ときどき助ける」ためにおぼえておきたいことが満載。子育てに四苦八苦している方は必読です。(文/書評家・印南敦史)【参考】※神成美輝(2015)『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』日本実業出版社
2015年12月05日自然豊かなタイのプーケットで、今年10歳になる娘さんを、モンテッソーリ教育を行う学校に通わせている、ライターの徳武加奈子さん。そんな徳武さんに、モンテッソーリ教育のこと、そして、娘さんが通っている学校のことについて、赤裸々に語ってもらいました。 前編 に続き、後編の今回は、娘さんの通っているモンテッソーリ学校で実際に行われている授業の内容をご紹介します。■心が確立する年齢になるまでは順位づけをせず、自分に自信を持たせる「ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル」では、シンガポールカリキュラム(※)に移行する高学年になるまでは、テストというものが存在しません。もちろん、テストらしきもの(たとえば、計算問題やスペリングなど)は行うのですが、解答用紙には、どこが間違っていたのかがわかるように、まる(○)とチェックマーク(☑)だけで点数はつけません。子どもは、わざわざ大人が順位をつけなくても、「○○ちゃんが算数は一番できる」「○○くんは、絵がとっても上手」と、自然に競争心を燃やして、日々生活しています。ですから、心がしっかりと確立する一定の年齢になるまで、繊細な子どもにわざわざ「あの子よりも僕は劣っている」「私はどうしてできないんだろう」という自信を失わせるようなことはしないのです。クラスで勉強のできる子どもの目に見える順位をつけるというのは、目で見える点数が欲しい、大人のエゴの1つなのかもしれません。うちの娘は、口には出しませんがかなり繊細な子どもなので、高学年のクラスに移行する時に初めて実施されたテストで、緊張のあまり、テストが終了したと同時にトイレに駆け込んで吐いてしまい大変だったそうです。しかし、高学年になった今ではすっかり慣れ、毎週行われるスペリングテストや計算テストに「いい点数とるぞ!」と、親が何も言わなくても自分から進んで意欲的に勉強に取り組んでいます。(※)ラワイ・プログレッシブ・インターナショナルでは小学校高学年になると、モンテッソーリ教育のメソッドを取り入れつつ、試験の成績に応じてコースを分ける、シンガポールの教育カリキュラムをベースにしたプログラムで学んでいきます。■英語教育だけでない語学学習娘は自宅では、母親の私とは日本語で、父親とはフランス語で話す、というように、小さな頃から言語を使い分けて生活していました。それに、4歳になるまではタイ語を使う公立幼稚園に通わせていたので、4歳半で「ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル」に入学するまでは、英語は一切話したことがありませんでした。当時、娘の幼稚園のクラスには、タイ人の子ども+タイ人と外国人のハーフの子どもが多かったためか、通い始めて1ヵ月を過ぎる頃には、娘も英語をちょっとずつ話すようになりました。そして、半年もするとおもしろいことに、学校のお友だちとは英語を、家では日本語とフランス語を、ご近所のタイ人のお友だちとはタイ語を…と、それぞれ使い分けて話すようになったのです。トライリンガルやマルチリンガルはどの言葉も中途半端になると言われますが、せっかくタイに住んでいるので、ある程度タイ語の読み書きもできたほうがいいと思い、アフタースクールには、タイ語のクラスに週3日ほど通わせています。その結果、タイ語を母国語とするお友だちのお母さんに言わせると、「タイ人の子どもとおんなじね~」というレベルにはなっているようです。そのほか、日本語もフランス語も英語も、ネイティブが聞いてもほぼ問題がないようで、コスモポリタンな島、プーケットらしい語学教育は、娘の身にはなっていると感じています。■モンテッソーリメソッドがもたらした変化最後に、モンテッソーリメソッドで子どもを学ばせたことがもたらした変化についてお話ししましょう。ラワイ・プログレッシブ・インターナショナルでの学びは、娘だけでなく、私自身にも大きな変化をもたらしました。教育熱心とはほど遠い私ですが、この学校に娘を入学させてから、私自身がもっとも学んだことは「子どものあるべき力を信じること」です。子どもは誰もが、親がビックリするほどの素晴らしい才能と能力を兼ね備えています。しかし、多くの場合、「勉強ができる」ということが主たる評価基準になってしまうため、その才能や能力に気がつかないことがあるのです。ラワイ・プログレッシブ・インターナショナルでは、子どもを勉強の優劣だけで比較することなく、「誰とも比べられない、唯一無二の自分」という価値観を、子どもにも、そして母親である私自身にも教えてくれました。そうした、誰とも比べられない人間に成長させてくれて、学力も伸ばしてくれたこの学校に出会えたことを、本当にうれしく思っています。(参考) ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル
2015年06月16日Woman.exciteママでは、海外在住のママライターも活躍してくれています。そのお1人が、ご家族でタイのプーケットに住んでいる徳武加奈子さん。自然豊かなプーケットで、今年10歳になる娘さんを、今話題のオルタナティブ教育法、モンテッソーリ教育を行う学校に通わせています。そんな徳武さんに、モンテッソーリ教育のこと、そして、娘さんが通っている学校のことについて、赤裸々に語ってもらいました。前編である今回は、娘さんの通っている学校のことや、モンテッソーリ教育によって娘さんがどのように成長していったかに焦点を当てます。■「モンテッソーリ学校ってどうなの?」日本に住むママの関心は高いこんにちは。Women.exciteママのタイ、プーケット在住のライター徳武と申します。私は10歳になる女の子のママでもあります。娘は、自然豊かなプーケットで成長し、4歳半から地元の、モンテッソーリ教育を実地しているアットホームなインターナショナルスクール「ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル」に通っています。最近、日本でも注目されつつあるオルタナティブ教育。日本に住むママ友だちから「モンテッソーリ教育ってどうなの?」と聞かれることも多くなりました。ということで、今回は私の娘が通っている「ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル」についての説明と、モンテッソーリ教育を受けさせていて娘が変わったこと、私自身が変わったことを書いていきます。■タイのモンテッソーリ学校「ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル」について今から10年以上前、当時プーケットに移住した外国人の保護者たちが、自然あふれるプーケットにピッタリな、感覚教育と自然を重視するモンテッソーリ教育を行う幼稚園~小学校までの子どもたちが通う学校をつくりました。それが現在の「ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル」の始まりです。地元では、「モンテッソーリ・スクール」という名で親しまれているラワイ・プログレッシブ・インターナショナルは、元々海沿いにあったのですが昨年移転し、現在は、閑静な住宅街の一角にある堂々とした大きな菩提樹の大木がそびえ立つ広い敷地、自然の風が心地よく吹き込むオープンスタイルの校舎にお引っ越しをしました。■子ども1人1人の行動を観察し、人間性を成長させてくれる教師の存在日本でモンテッソーリ教育といえば、5つの分野(※)で使用される学習用の「お道具」のことばかりが注目されているようで、最近ではネットでも、これらを気軽に購入できるサイトもあるようです。たしかに、モンテッソーリメソッドで使用される「お道具」は、とてもよくできていて、どんな子どもでも楽しく学習できるようになっています。しかし、モンテッソーリ教育で「お道具」以上に大切なのは、数ある教材のなかから、それぞれの子どもに、その時にピッタリな「お道具」を選んでくれる、熱心で、モンテッソーリ教育哲学に熟知した教師の存在です。ラワイ・プログレッシブ・インターナショナルでは、先生方は学習以外でも日常の子ども1人1人の行動を観察していて、それぞれの子どもの性格、個性、発達段階をしっかりとチェックしています。そのため、学習以外の「人間性」の成長も、それぞれの子どもに合った方向でガイドをしていってくれるのです。入学当時は、恥ずかしがり屋で優しすぎて、いつもお友だちの言うことを何でも聞いてしまっていた子どもも、先生の鋭い観察力のおかげで少しずつ自分自身を成長させていき、今では、嫌なことははっきりと「いやだ」と言える子どもに成長しました。後編では、タイのモンテッソーリ学校「ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル」のカリキュラムと、語学教育について紹介します。(※)モンテッソーリ教育のメソッドでは、学習内容(お仕事)を日常生活の練習、感覚教育、言語教育、算数教育、文化教育の5つの分野に分け、学習を進めています。(参考) ラワイ・プログレッシブ・インターナショナル
2015年06月14日Amazon.comの創立者ジェフ・ベゾス、英国王室のウイリアム王子とヘンリー王子。国外の多くのロイヤルファミリーや著名人が特に実は幼少時代にモンテッソーリ教育を受けていることをご存知でしょうか? 特に、Google.com の創業者、ラリー・ペイジ&サージェイ・ブリンは、かつて受けたインタビューで「幼児期に受けたモンテッソーリ教育なしでは、現在の成功はありえない」と語っているほどです。このように近年、海外で注目されているオルタナティブ教育法「モンテッソーリ教育」。国内でもこの教育方法を導入している幼稚園もありますが、日本ではまだ、馴染みが浅いのが現状です。そんなに素敵な教育方法であれば、試してみたくなるもの。実際、家庭でも、日常生活で取り組めるモンテッソーリ教育方法があれば取り入れてみたいのではないでしょうか? 「敏感期(0歳~6歳)」は、モンテッソーリ教育で発達の第一段階とされる一番大切な時期。今回は、2歳~6歳の子どもさんを対象に、日々の生活の中で無理なく取り入れられる環境作りのポイントを3つご紹介します。■家庭でできるモンテッソーリ教育(1)毎日の「ルーティーン」をしっかり決めよう幼児期の子供は、「今日」「明日」「明後日」という時間の区切りが理解できない時期です。正確な時間でなくとも、朝この時間には起きて、ごはんをたべて、お昼寝をするといった1日の流れ、大まかなルーティーンを家庭でも習慣づけてみましょう。■家庭でできるモンテッソーリ教育(2)サポートしながら自分のことは自分でやらせるモンテッソーリ教育の1つに「日常生活の練習」という分野があります。日常生活の取り組みを自分で行うことにより、自立心を養うというのが目的です、モンテッソーリの幼稚園などでは、子供用サイズのティーセットを使用してお茶を実際に入れてみたり、洗濯板を使い洗濯をしてみたりという日常生活を学習しています。家庭でも日々の生活、たとえば、・子供が自分で着替えやすい洋服を購入して、時間をかけてでも1人で着替えさせる・手を洗う時は、小さなボウルを用意して自分で手を洗わせるといった小さなことでも、できるだけ子供が1人でできるように、親がサポートしてみましょう。■家庭でできるモンテッソーリ教育(3)親は子供のお手本になるように行動するイライラして思わず子どもを怒鳴りつけてしまったり、TVを見ながらご飯を食べたり、「子どもには真似してもらいたくないな」と親が思う行動は、まず親自身が日常生活でしないように心がけましょう。親が本を熱心に読めば、子どもも自然に本を手に取るようになります。親は、援助者であるのと同時に子どものお手本です。そのことを忘れずに行動しましょう。どれも、簡単に行動を起こせる取り組みです。皆さんもぜひ、今日からご家庭で実践してみてはいかがでしょうか?
2015年01月16日