第92回アカデミー賞授賞式が2月10日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、Netflixオリジナル映画『マリッジ・ストーリー』で敏腕離婚弁護士を演じたローラ・ダーンが「助演女優賞」を受賞した。『マリッジ・ストーリー』でスカーレット・ヨハンソン演じるニコールの離婚弁護を担当する敏腕弁護士を演じ、キャシー・ベイツ(『リチャード・ジュエル』)、Wノミネートのスカーレット・ヨハンソン(『ジョジョ・ラビット』)らを抑えての受賞となったローラ。3度目のオスカーノミネートで初受賞を果たした。■『マリッジ・ストーリー』ってどんな映画?『イカとクジラ』『フランシス・ハ』などを手掛けるノア・バームバック監督作。女優のニコールと、その夫で監督兼脚本家のチャーリーの結婚生活への葛藤と離婚に向けた心情を描いた本作。うまく行かずにすれ違う2人は円満な協議離婚を望んでいたが、これまで閉じ込めてきた互いに対する積年の憤りが露わになって衝突、離婚弁護士を雇って争うことになる。受賞コメントローラがオスカー像を手にマイクの前に立つと会場からは拍手が。ローラは「ノアは愛についての映画を作ってくれました。そして分断を乗り越えて、家族とは何なのかの映画を作ってくれました」とコメント。さらに、「ヒーローに会うことはないと思っている人もいるかもしれません。親がヒーローであれば本当に恵まれていると思います、私の父と母、ブルース・ダーンとダイアン・ラッド、私の素晴らしい両親にもこの賞を共有したいと思います。こんなに最高の誕生日をいただけてうれしいです」と感謝を口にした。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2020年02月10日スタジオ セブン(STUDIO SEVEN)から、「ラビット タンブラー(Rabbit Tumbler)」が登場。2020年2月8日(土)より、スタジオ セブン 中目黒、バーティカルガレージ 渋谷などで発売される。スタジオ セブンの新作「ラビット タンブラー」は、愛らしいウサギのグラフィックとブランドロゴを配したタンブラー。持ち運びしやすいサイズ感となっており、普段使いにはもちろんのこと、バレンタインギフトにもぴったりのアイテムとなっている。カラーは、ブラックとレッドの2種類を用意する。なお、発売同日より渋谷パルコ 3Fのバーティカルガレージ 渋谷では、スタジオ セブンのアパレルアイテムが購入できる期間限定ストアをオープン。スタジオ セブンは併設のコーヒースタンド「アメージングコーヒー 渋谷店」ともコラボレーションし、オリジナルドリンクやブレンド豆、カカオハンター(CACAO HUNTERS)のチョコレートを使用したショコラなどを販売する。【詳細】スタジオ セブン「ラビット タンブラー」3,300円(税込)発売日:2020年2月8日(土)取り扱い店舗:スタジオ セブン 中目黒(直営店)、バーティカルガレージ 渋谷(渋谷パルコ 3F)、スタジオ セブン公式オンラインストアカラー:ブラック、レッド■スタジオ セブン「バーティカルガレージ 渋谷」期間限定ストア住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ3階TEL:03-5422-3991【問い合わせ先】スタジオ セブン 中目黒TEL:03-6303-2383
2020年02月06日「ぴあ」調査による2020年1月31日、2月1日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、名優アンソニー・ウォンが主演を務める感動ドラマ『淪落の人』が第1位になった。ベスト10は以下の通り。1位『淪落の人』93.8点2位『前田建設ファンタジー営業部』93.7点3位『ゴブリンスレイヤー -GOBLIN’S CROWN-』89.7点4位『バッドボーイズフォー・ライフ』89.3点5位『AI崩壊』88.3点6位『嘘八百 京町ロワイヤル』87.6点7位『男と女 人生最良の日々』86.6点8位『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』86.4点9位『母との約束、250通の手紙』84.8点『淪落の人』は、事故で半身不随になり、妻とも離婚し、息子ともはなればなれになり、人生に何の希望を見いだせなくなってしまった中年男と、住み込み家政婦としてやってきたフィリピン人女性との交流を描く感動作。言葉がうまく通じないふたりが少しずつ心を通わせていく過程を、香港を代表する名優アンソニー・ウォンと、新人女優クリセル・コンサンジが見事に演じている。本作は香港電影金像奨など多くの映画祭で高く評価された作品で、出口調査で訪れた劇場ロビーは涙を浮かべながら作品の感想を話す人であふれた。「とても抑制のきいた映画だった」と語る60代の観客は「観ながら心が温かい気持ちになった。これからの日本も外国人労働者が増えてくるだろうけど、そんな状況を楽しさを交えて描き出していた印象深い」とコメント。「香港映画が好き」だという観客は「ふたりのふれあいが作品の見どころだと思う。終始、イヤな気持ちにさせられることなく楽しめた。仕事などで悩んでいる人には、励ましや癒しを与えてくれる映画に感じるかも」と分析でした。またタイトルの通り、本作は“淪落(おちぶれてしまう)の人”が主人公だが、家政婦のエヴリンに共感する観客も多く「自分も夢を追いかけているので、家政婦の女性に共感した。夢を追いかけることの大切さに気づかせてくれる映画でもあるので若い人にぜひ観てほしい」との声もあった。観客層は40~60代が最も多かったが、若い観客の姿も多く、男女比はほぼ同じ。感動のあまり、泣きながら出口調査に応じてくださる方もいるなど、作品に深く感動している人の姿が目立った。また、映画祭の上映で感動し、公開初日に“リピーター”として来場した人もおり、今後も“根強い人気”を誇る作品になりそうだ。(本ランキングは、1/31(金)、2/1(土)に公開された新作映画9本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)■1月24日、25日公開作品のランキング1位『サヨナラまでの30分』92.7点2位『プリズン・サークル』91.8点3位『his』91.2点4位『ロマンスドール』90.0点5位『彼らは生きていた』89.2点6位『イーディ、83歳はじめての山登り』87.9点7位『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』87.3点8位『風の電話』86.1点9位『キャッツ』85.8点10位『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』84.4点■1月17日、18日公開作品のランキング1位『メイドインアビス 深き魂の黎明』92.6点2位『ジョジョ・ラビット』92.5点3位『mellow』92.0点4位『花と雨』91.7点5位『太陽の家』91.1点6位『オルジャスの白い馬』90.8点7位『記憶屋 あなたを忘れない』90.2点8位『劇場版 ハイスクール・フリート』88.8点9位『リチャード・ジュエル』88.3点10位『ラストレター』87.9点■1月10日、11日公開作品のランキング1位『KING OF PRISM ALL STARS -プリズムショー☆ベストテン-』94.3点2位『音楽』93.0点3位『ダウントン・アビー』91.0点4位『フォードvsフェラーリ』89.9点5位『パラサイト 半地下の家族』89.6点5位『フィッシャーマンズ・ソングコーンウォールから愛をこめて』89.6点7位『カイジ ファイナルゲーム』88.7点8位『マザーレス・ブルックリン』85.1点9位『劇場版巨蟲列島』83.4点10位『明日、キミのいない世界で』83.1点
2020年02月03日月曜日、「ザ・ビバリー・ヒルトン」にてアカデミー賞にノミネートされている人たちのための昼食会が開かれた。主催者の映画芸術アカデミー会長デヴィッド・ルービンは、昼食会が始まる前に、前日に亡くなったコービー・ブライアントへの黙祷を呼び掛けた。コービーは一昨年、『親愛なるバスケットボール』でアカデミー短編アニメ賞を受賞した。同アカデミーは、昼食会、プレパーティー、アフターパーティーで提供される食事には「ほぼ全部植物由来」の食材を使うと発表しており、昼食会ではヴィーガン・チーズ、マイタケ、黒米などを使った食事と、フランシス・フォード・コッポラ監督のワイナリーで造られたワインなどがふるまわれたという。出席者はレオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、クエンティン・タランティーノ監督ら約100人の受賞候補者たち。普段は会う機会のない人たちの親交の場でもあり、「The Hollywood Reporter」によると、『ジョジョ・ラビット』のタイカ・ワイティティ監督と、『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督がハグを交わし、祝福し合っていたとのこと。ブラピはシンシア・エリヴォと握手を交わし、レネー・ゼルウィガーとシャーリーズ・セロンが仲良く話している姿も見られた。最後は出席者全員で巨大なオスカー像を囲み、集合写真が撮影された。Meet this year’s class of Oscar nominees! #OscarsLunch pic.twitter.com/rXqgNUOYMM— The Academy (@TheAcademy) January 27, 2020(Hiromi Kaku)
2020年01月28日タイカ・ワイティティが監督、脚本、出演もする、第二次世界大戦中のドイツを舞台にしたヒューマン・エンターテインメント『ジョジョ・ラビット』が1月17日(金)より公開中。この度、2週目となった週末も満席が出るほど好調な本作のヒットを記念して、新たに本編シーンが公開された。トロント国際映画祭では最高賞「観客賞」を受賞し、第92回アカデミー賞では作品賞、助演女優賞(スカーレット・ヨハンソン)をはじめ6部門でノミネートを果たした話題作『ジョジョ・ラビット』。北米では、公開15週目で過去最大となる1,160スクリーンにまで拡大し、興行収入2590万ドル、ロングヒットを継続。日本では1月17日(金)に公開を迎え、2週目は『キャッツ』などの新作や、上映中の『パラサイト 半地下の家族』など話題作がひしめき合う中、落ちの少ない興行を展開。26日までの10日間で累計興行収入171,729,050円を記録。第90回アカデミー賞で主要部門を複数受賞している『スリー・ビルボード』(’18/最終興収3億9,200万円)の10日間累計対比で見ると108.3%と、興行収入4億円突破も射程圏内に。全国的に満席の回が続出しているそうで、「観る前は”ヒトラーが空想の友人”なんて大丈夫かと思ってたけど、1月から年間ベストレベルの傑作だった」「映画前半で笑ってたのが嘘みたいに後半にかけてボロボロ泣いたわ」「ジョジョ・ラビット4回目。無論号泣」などとSNSでも盛り上がりを見せている。そんなヒットを記念して今回到着した本編映像は、訓練でウサギを殺せず、“ジョジョ・ラビット”と不名誉なあだ名をつけられてしまった少年ジョジョに、空想上の友達アドルフが言葉を差し伸べるシーン。「ウサギは臆病じゃない」「ウサギになれ、そして敵を出し抜け」と勇気づけるアドルフ。純粋な少年の目を通したアドルフ・ヒトラーという本作ならではのユニークな一面が覗ける。『ジョジョ・ラビット』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:ジョジョ・ラビット 2020年1月17日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainment
2020年01月27日話題のスポットやエンタメに本誌記者が“おでかけ”し、その魅力を紹介するこの企画。今回はアカデミー賞6部門にノミネートされた話題作『ジョジョ・ラビット』を紹介します。■映画『ジョジョ・ラビット』公開中物語の舞台は第二次世界大戦下のドイツ。ナチスによるユダヤ人迫害が起きていたころ。主人公の少年ジョジョはナチスシンパで、アドルフ・ヒトラーを心の友とし、青少年集団で訓練に励んでいます。母親のロージーはそんな息子の意思を尊重しながら、過酷な時代を明るく強く生きる女性。親子でつましい生活を送っていたある日、ジョジョは自宅でユダヤ人少女のエルサを見つけてしまうのです!本作のすごいところは、重いテーマなのに観賞中はわりと温かい気持ちでいられること。そのあたりは同時代を描いた名作『ライフ・イズ・ビューティフル』をほうふつとさせます。そして役柄のキャラクターがとにかくいとおしい。それを体現するキャストの演技に注目です。本作が映画初出演というジョジョ役のローマン・グリフィン・デイビスくんには末恐ろしさしか感じないし、母親役スカーレット・ヨハンソンのたくましさには心打たれ、サム・ロックウェル演じる大尉のださカッコよさにはしびれました。観賞中から感情がガンガンと揺さぶられる衝撃というよりも、あとからじわりじわりと効いてくる感じ。不幸な時代を描いているけど、優しさにあふれた作品。戦争に関するニュースを耳にする今だからこそ見てほしい映画です。「女性自身」2020年2月4日号 掲載
2020年01月27日日本のみならず世界中で大ヒットした『ジョーカー』をはじめ、今年も話題となっているアカデミー賞。中でも作品賞にノミネートされる映画は毎年良作揃いで、見ごたえのあるものばかり。とりわけ今年は、近年稀に見るほど授賞式以前に劇場で鑑賞できる作品賞ノミネート作が多いことでも注目されている。マット・デイモン&クリスチャン・ベイル主演『フォードvsフェラーリ』公開中マット・デイモンとクリスチャン・ベイル、アカデミー俳優の2人を主演に起用し、歴史上最も伝説的なレースで、絶対王者フェラーリに立ち向かった男たちの奇跡のような挑戦の実話を描いた『フォードvsフェラーリ』。舞台は世界が熱狂した1966年のル・マン24時間レース。歴史を変えた、2人の男の熱い友情と、チームの絆、そして不可能に挑戦し続ける姿を描いた奇跡の大逆転の物語には共感する人が続出中。本年度アカデミー賞では作品賞のほか、編集賞、録音賞など4部門にノミネートされ、レースをテーマにした映画としては初めて作品賞にノミネートされた。さらに先日、本国で発表されたように、ディズニーとの合併に伴い「20世紀フォックス」は「20世紀スタジオ」に名称変更されるため、オープニングの「20世紀FOX」のロゴは本作で見納め。映画ファンにとってはその意味でも見逃せない1本となっている。ポン・ジュノ監督&ソン・ガンホ『パラサイト 半地下の家族』公開中カンヌ国際映画祭にて、審査員満場一致で最高賞のパルムドールに輝き、各国で大ヒットとなっている超話題作。『殺人の追憶』『グエムル漢江の怪物』『スノーピアサー』の監督ポン・ジュノとソン・ガンホが4度目のタッグを組み、本作では、あらゆるジャンルを完璧に融合させながら、いま世界が直面している貧富格差への痛烈な批判をも内包した超一級のエンターテインメントとなっている。本年度アカデミー賞では、韓国映画初となる作品賞、監督賞(ポン・ジュノ)のほかに、国際長編映画賞、脚本賞、編集賞など6部門にノミネート。タイカ・ワイティティ監督、空想上のヒトラーにも『ジョジョ・ラビット』公開中『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ監督が、第2次世界大戦時のドイツに生きる人びとの姿を辛辣なユーモアを交えて描き、第44回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞したヒューマン・エンターテイメント作品。本年度アカデミー賞では、作品賞のほかに、助演女優賞(スカーレット・ヨハンソン)、脚色賞など6部門にノミネートされている。マーティン・スコセッシ監督&ロバート・デ・ニーロ『アイリッシュマン』Netflix配信中&劇場公開中『タクシードライバー』『レイジング・ブル』など数々の名作を生み出してきた巨匠マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロが、『カジノ』以来22年ぶり9度目のタッグ。裏社会のボスに長年仕えてきた殺し屋(デ・ニーロ)が秘密と暴力にまみれた自らの半生をふり返る。最新VFXで“若返った”ベテラン俳優たちにも注目。本年度アカデミー賞では、作品賞のほか監督賞(マーティン・スコセッシ)、助演男優賞(アル・パチーノ、ジョー・ぺシ)など、9部門10ノミネートされている。スカーレット・ヨハンソン&アダム・ドライバー主演『マリッジ・ストーリー』Netflix配信中&劇場公開中『イカとクジラ』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』のノア・バームバック監督が、スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーを主演に迎え、離婚のプロセスに戸惑い、子の親としてのこれからに苦悩する夫婦の姿を、リアルで辛辣ながら思いやり溢れる視点で描いた話題作。本年度アカデミー賞では、作品賞のほか主演男優賞(アダム・ドライバー)、主演女優賞(スカーレット・ヨハンソン)、助演女優賞(ローラ・ダーン)ほか6部門でノミネートされている。そのほか、“全編ワンカット”サム・メンデス監督の『1917 命をかけた伝令』は2月14日(金)から、名作小説「若草物語」をグレタ・ガーウィグ監督が新たな視点で映画化した『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は3月27日(金)からと、アカデミー賞の結果が出た後での日本公開作品も。第92回アカデミー賞授賞式は日本時間2月10日(現地時間2月9日)に開催される。(text:cinemacafe.net)■関連作品:フォードvsフェラーリ 2020年1月10日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation【Netflix映画】アイリッシュマン 2019年11月27日よりNetflixにて全世界同時配信開始パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVEDジョジョ・ラビット 2020年1月17日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainment
2020年01月25日現在公開中の『ジョジョ・ラビット』から、スカーレット・ヨハンソン、ローマン・グリフィン・デイビス、サム・ロックウェルら豪華で愉快なキャストたちが総登場し、タイカ・ワイティティ監督がその魅力を語る特別映像が解禁となった。第92回アカデミー賞6部門ノミネートを受け、北米では公開14週目にして最大となる1,005スクリーンに拡大し、週末興収144万ドル、累計2,391万ドルまで記録を伸ばした本作。日本でも先週末に公開を迎えると、各地で満席の回が続出。公開から3日間で興行収入6,780万円を記録し、過去にアカデミー賞受賞を果たしたサーチライト作品を上回るオープニング成績となり、公開3日間(金~日)興収対比で『スリー・ビルボード』(’18・最終興収3.9億円)の105.7%を記録した。鑑賞者からは「この映画が持つ愛に涙が止まらなかった」「きっとこの先何度も観返すな…胸がいっぱいになりました」「これは傑作。まだ1月なのに『年間ベスト級!』とか言ってる方々に正直疑いの目を向けてましたがこれはベスト級なのも頷ける...」といった声が上がっている。そんな中、解禁となったのは、監督、脚本、製作、そして主人公の少年ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)の空想上の友達アドルフ・ヒトラー役までを演じ、その才能で世界中の映画ファンを魅了しているタイカ・ワイティティが語る映像。「コメディは観客を寛大にしメッセージを伝えやすくする」と確信の表情で述べるように、アカデミー賞脚色賞にもノミネートされた本作でもいかんなく発揮されている、タイカならではの豊かなセンスと辛口なユーモアを支えた豪華キャスト陣について語っている。タイカが「理想の母親役だ。配役できて幸運だった」と明かすのは、アカデミー賞で主演女優賞(『マリッジ・ストーリー』)とのWノミネートを果たしたスカーレットを筆頭に、第90回アカデミー賞助演男優賞受賞の名優サムらハリウッドを代表する面々。映画初出演ながら第77回ゴールデン・グローブ賞で主演男優賞にノミネートを果たした驚異の新星ローマンや、地元ニュージーランドですでに数々の賞に輝く新鋭トーマシン・マッケンジー、さらにコメディはお手のもののレベル・ウィルソンなど、実力と魅力を兼ね備えたキャスト陣をタイカが自信を持って紹介していく表情が印象的。笑顔溢れる撮影現場の様子からも固い絆と互いへの絶対の信頼が感じられ、本作に込められた誠実で勇敢なメッセージである“反ヘイト・親ピース”をまさに体現していることが伺えるものとなっている。『ジョジョ・ラビット』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョジョ・ラビット 2020年1月17日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainment
2020年01月25日『アベンジャーズ/エンドゲーム』で衝撃の決断を下した人気キャラクターの過去と秘密が描かれる映画『ブラック・ウィドウ』。この度、第92回アカデミー賞にて主演女優賞(Netflix映画『マリッジ・ストーリー』)・助演女優賞(『ジョジョ・ラビット』)と史上12人目のWノミネートを果たしたスカーレット・ヨハンソンに、「役者冥利に尽きる」とまで言わしめるブラック・ウィドウ=ナターシャ・ロマノフの特別映像が解禁された。解禁となる映像は、2009年『アイアンマン2』(2010年公開)でスクリーンデビューしたブラック・ウィドウ、そして当時のスカーレットのインタビュー映像からスタート。「ブラック・ウィドウは意欲的で意志が強く、様々な顔を持っている。この役を思いっきり楽しむわ!可能性は無限よ!」と、10年後のいまを予測していたかのようなコメント。同作以降、アベンジャーズの一員として『アベンジャーズ』(2012)、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)、そして『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)と計7本の作品で活躍したブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフは、2009年の彼女の言葉通り、無限の可能性を示して“アベンジャーズ”に欠かせない人気キャラクターとなり、『ブラック・ウィドウ』では我々が知り得なかった顔さえも見せることになる。ケヴィン・ファイギ、『ブラック・ウィドウ』こそ「長年待ち望まれていた作品」プロデュース作品の全米生涯興行収入は歴代1位で、史上最も成功している映画プロデューサーであり、マーベル・スタジオ社長ケヴィン・ファイギは、映像の中で自信を持ってこう明言する「長年ファンが製作を待ち望んだ作品がある。『ブラック・ウィドウ』だ」と。アカデミー賞Wノミネートされた2作品をはじめ、幅広い作品でその演技力を磨き、本作でも世界中から大きな期待を寄せられるスカーレットは「10年以上演じ続けた役を突然掘り下げるの。こんな機会に恵まれることはめったにない。役者冥利に尽きるわ」と『アベンジャーズ/エンドゲーム』で終わったと思われた彼女の物語を、また違った角度から演じること、そして、これまで明かされることのなかったブラック・ウィドウ=ナターシャ・ロマノフの秘められた謎を語ることへ喜びのコメントで応じている。また、併せて「新たなる敵」と題された90秒映像も解禁。本編新シーンも含む必見映像となっている。『ブラック・ウィドウ』は5月1日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ブラック・ウィドウ 2020年5月1日より日米同時公開©2019 MARVEL
2020年01月24日「ぴあ」調査による2020年1月17日、18日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、人気TVシリーズのその後を描いた新作『メイドインアビス 深き魂の黎明』が第1位になった。ベスト10は以下の通り。1位『メイドインアビス 深き魂の黎明』92.6点2位『ジョジョ・ラビット』92.5点3位『mellow』92.0点5位『太陽の家』91.1点6位『オルジャスの白い馬』90.8点7位『記憶屋 あなたを忘れない』90.2点8位『劇場版 ハイスクール・フリート』88.8点9位『リチャード・ジュエル』88.3点10位『ラストレター』87.9点『メイドインアビス』の原作はつくしあきひとの人気漫画で、謎に満ちた不思議な秘境“アビス”を舞台に、孤児のリコと人間そっくりのロボット・レグが、その謎を解き明かそうと冒険を繰り広げるダークファンタジー。2017年にTVシリーズが放送され、2019年には総集編が前編と後編にわけて劇場公開された。後編はPG12指定がついたが、今回の劇場版はR15指定になった。劇場にはTVシリーズを見ていた人や原作を読んでいると話す作品のファンが集結。出口調査を行ったEJアニメシアターでは満席の回がでる盛況ぶりだった。観客からは「原作を読んでいて、本当に映像化できるのか半信半疑だったが、期待以上の出来だった」「困難を乗り越えていく姿は応援したくなるしワクワクするが、辛い部分もある」「気を抜けない。ずっとハラハラしっぱなし」「すべてがヤバかった。最後は感情がグチャグチャになった」「“愛”とは何かを考えさせられる」などの感想が寄せられた。また「印象的なシーンがありすぎてひと言では表せない。R15指定作品だが、確かにそうでないと描けないと納得した」「やりすぎなくらいの理不尽さとエグさがあって、一回観ただけでは全容をつかめないくらいおもしろい」と話す人もいた。ベスト10に入った作品の中で、20代から70代までの観客から多くの感想が寄せられたのがクリント・イーストウッド監督の新作『リチャード・ジュエル』。本作は、1996年に起こった爆破テロ事件の実話を基にした作品で、爆破テロを未然に防ぐも、容疑をかけられ、国中から疑いの目を向けられる主人公のリチャード・ジュエルと、彼をとりまく人間模様が描かれる。観客からは「今だったらSNSなどで拡散されそうなメディア・リンチを描いていて、20年前の出来事だがタイムリーな話で怖いと思った」「司法はみな平等に同じ権利があるが、日本はほんとうにそうなのか考えさせられた」「過剰でなく淡々とした物語の運び方がイーストウッド監督らしくてよかった」「冤罪をテーマにした作品で、現実から乖離しておらず脚本に無駄がない」などの声があがった。(本ランキングは、1/17(金)、1/18(土)に公開された新作映画17本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2020年01月20日1月18日、19日の全国映画動員ランキングは、『アナと雪の女王2』(全国382館)が公開9週目も首位をキープした。また公開2週目の『カイジ ファイナルゲーム』(全国333館)は2位、公開5週目の『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(全国379館)は3位につけておりTOP3は先週と変わらず。続いて岩井俊二監督の新作『ラストレター』(全国262館)が初登場4位に入り、公開2週目の『パラサイト 半地下の家族』(全国137館)は先週と変わらず5位になった。そのほか新作では、織守きょうやの小説を山田涼介の主演で映画化した『記憶屋 あなたを忘れない』(全国327館)が初登場6位。クリント・イーストウッドが、爆破テロ事件の実話を基に映画化した『リチャード・ジュエル』(全国244館)は初登場8位。2017年に放送されたTVシリーズのその後を描く劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』(全国50館)は初登場9位。2016年に放送されたTVシリーズを映画化した『劇場版 ハイスクール・フリート』(全国96館)は初登場10位に入った。タイカ・ワイティティ監督の異色作『ジョジョ・ラビット』(全国143館)は初登場11位につけている。次週は『映画 おかあさんといっしょすりかえかめんをつかまえろ!』『風の電話』『キャッツ』『サヨナラまでの30分』『シグナル100』『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』『his』『ロマンスドール』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『アナと雪の女王2』2位『カイジ ファイナルゲーム』3位『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』4位『ラストレター』5位『パラサイト 半地下の家族』6位『記憶屋 あなたを忘れない』7位『フォードvsフェラーリ』8位『リチャード・ジュエル』9位『メイドインアビス 深き魂の黎明』10位『劇場版 ハイスクール・フリート』
2020年01月20日『マイティ・ソー バトルロイヤル』、『ジョジョ・ラビット』のタイカ・ワイティティ監督が、『スター・ウォーズ』の映画を撮ることに興味を示しているという。「Variety」誌が初期段階の交渉に入っていると報じた。ワイティティ監督は、『スター・ウォーズ』の世界を舞台とした「マンダロリアン」にドロイド「IG-11」の声優として出演したり、シーズン1の最終話を監督したりという形で、『スター・ウォーズ』に関わっている。『スター・ウォーズ』の新しい映画といえば、マーベルの社長ケヴィン・ファイギが手掛けるプロジェクトがあると報じられているが、ワイティティ監督が関わる作品が、ファイギのプロジェクトと関連性があるのか、まったくの別企画なのかは不明。先日、「Variety」誌に『スター・ウォーズ』の新しい映画への関わりについて尋ねられたワイティティ監督は、「まだなにもわからない。でも、『マンダロリアン』はストームトルーパーと共演するいい機会だった」と語った。そして、『スター・ウォーズ』の映画を監督したいかと聞かれると、「もちろんやりたいよ。とりあえずは(『マンダロリアン』で)IG-11がヒーローであることに専念するけど」と言い、お茶を濁しつつも映画への意欲を見せた。(Hiromi Kaku)■関連作品:ジョジョ・ラビット 2020年1月17日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainment
2020年01月17日トロント国際映画祭にて観客賞を受賞し、第92回アカデミー賞では作品賞をはじめ6部門でノミネートを果たした『ジョジョ・ラビット』。この度、助演女優賞ノミネートを果たしたスカーレット・ヨハンソンの母親役へのアプローチと演技力の幅広さが際立つ本編映像が解禁となった。アカデミー賞13週目となる北米では複数ノミネートを受けて再拡大公開が決定。ニュージーランドでは公開から5週連続No.1を記録、元旦公開のイギリスでも週末興収300万ドルを超える大ヒットスタートとなっている本作。アカデミー賞ノミネートによりさらに勢いに乗り、世界各国で公開がスタートする。そんな中、解禁となったのは、強く聡明で艶やかな母親ロージー役のスカーレット・ヨハンソンが主人公の少年ジョジョに、いま世の中に絶対必要な最強の愛を説く本編映像。心優しい少年ジョジョと、強く美しく母親が戦争の行く末について激論を繰り広げる夕飯の席に、ひと言も喋らないアドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)の姿が…?それもそのはず、このアドルフはジョジョの空想上の友達で、当時のドイツの典型的な少年であるジョジョに肩入れして大げさでコミカルなリアクションを繰り出し続けるが、母ロージーには当然届かず。敗戦濃厚で苦しい生活を強いられている戦時下にありながら、ファンタジックな空想の人物や辛口のユーモアなど、まさにワイティティ監督らしさが垣間見え、互いに愛情を感じながら生き生きと生活しているジョジョとロージーの微笑ましいやりとりにも魅了されるシーンとなっている。「先進的な女性で、あの暗い時代を明るく照らす」母親に第92回アカデミー賞で主演女優賞(『マリッジ・ストーリー』)&助演女優賞のWノミネートという快挙を果たし、話題をさらっているスカーレットだが、両作品とも演じているのは“母親役”。本作でのロージーの役作りについて、スカーレットは「脚本を読んだだけで出演を引き受けることは珍しいけれど、今回は本当に出たいと感じたわ。情熱を傾けて仕事をし、なおかつ献身的に子育てもしている親の人生とはどんなものだろうとワイティティ監督と話を重ねたの」と語る。「レジスタンス活動をしているとても先進的な女性で、あの暗い時代を明るく照らす。ロージーには活力があり謎めいてもいるけれど、何よりも大事なのは根性があることよ」と明かすスカーレット。それぞれ趣の大きく異なる両作品だが、巧みな演じ分けで印象深い母親像を作り上げており、ハリウッドのトップ女優の実力を目の当たりにすることができる。さらに、このシーンでスカーレットを相手に一歩も引けを取ることなく息子・ジョジョ役として相対しているのが、本作が映画初出演にして、レオナルド・ディカプリオやタロン・エジャトンなど並みいるビッグ・スターたちと肩を並べてゴールデン・グローブ賞主演男優賞にノミネートされたローマン・グリフィン・デイビスだ。新たな才能との共演となったスカーレットが「ロージーとジョジョの仲は愛に満ちている。その素敵な感じが二人を見た瞬間に伝わるようにしたかった。ロージーは夢想家でコメディエンヌでもあるけれど、とても実利的でもある。子供に魔法の世界を創ってあげることと、現実に直面することのバランスが大切だとわかっているの」と語る、固い絆で結ばれた親子関係は本シーンにも表れている。『ジョジョ・ラビット』は1月17日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョジョ・ラビット 2020年1月17日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainment
2020年01月16日1月11日、12日の全国映画動員ランキングは、『アナと雪の女王2』(全国383館)が公開8週目も首位を守った。福本伸行の人気漫画を藤原竜也の主演で実写化したシリーズ第3弾『カイジ ファイナルゲーム』(全国333館)は初登場2位に。公開4週目の『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(全国378館)は先週2位から3位になった。1966年のル・マン24時間耐久レースで、絶対王者のフェラーリに挑んだフォードの男たちの実話を映画化した『フォードvsフェラーリ』(全国365館)は初登場4位。続いて、第72回カンヌ映画祭パルムドールに輝いたポン・ジュノ監督によるヒューマンドラマ『パラサイト 半地下の家族』(全国131館)が初登場5位に入った。公開3週目の『男はつらいよお帰り 寅さん』(全国353館)は先週3位から6位になった。次週は『記憶屋 あなたを忘れない』『劇場版 ハイスクール・フリート』『ジョジョ・ラビット』『太陽の家』『ラストレター』『リチャード・ジュエル』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『アナと雪の女王2』2位『カイジ ファイナルゲーム』3位『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』4位『フォードvsフェラーリ』5位『パラサイト 半地下の家族』6位『男はつらいよお帰り 寅さん』7位『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』8位『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』9位『午前0時、キスしに来てよ』10位『映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか』
2020年01月14日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの3作品。ぴあ編集部 坂口英明20/1/13(月)イラストレーション:高松啓二今週公開される作品は21本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国のシネコンで拡大上映されるのは『記憶屋 あなたを忘れない』『ラストレター』『リチャード・ジュエル』『ジョジョ・ラビット』の4本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が17本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい3作品をご紹介します。『リチャード・ジュエル』衰え知らずの巨匠、クリント・イーストウッドの新作。今回も実話に隠れた真実を描いています。1996年アトランタ五輪開催時におきた爆破事件で一時犯人に疑われ、社会的に糾弾された男をとりあげ、彼の名誉を映画で回復しようという、いかにもイーストウッドらしい男気あふれる映画作りです。しかもこれが見事なエンタテインメントになっています。主人公リチャード・ジュエルは、33歳。ごく普通の警備員です。警察官にあこがれている、正義感にあふれた、いささか空気がよめない人。ちょっとした不正にも一言口をはさむし、武器コレクターです。小太りで、およそモテそうにない風体。善良なのに、ややアブナイ感じに見えてしまいます。野外で開かれた五輪関連イベント会場で、彼はベンチの下におかれた爆発物を発見、必死になって避難を誘導し、爆発の被害を最小にとどめた功績者でした。新聞やテレビでも話題となり、ヒーローに祭り上げられます。ところが、数日後、FBIが彼を容疑者に擬しているという地元紙のスクープ記事がでて、そこから彼はメディアと国民からバッシングを受けることになるのです。FBIの執拗な捜査や尋問も続きます。まさか、彼にとって正義で憧れるFBIが、犯人でない自分を疑うはずがない、という思い込み、勘違いが事態をどんどん悪くしてゆき……。もはや彼の無実を信じてくれるのは、知り合いの、権威を嫌うブライアント弁護士と母のふたりだけという窮地に立たされます。ジュエルを演じたポール・ウォルター・ハウザーがいかにもイノセントで、らしい雰囲気です。彼の弁護士ブライアント役に『スリー・ビルボード』でアカデミー賞を受賞したサム・ロックウェル。母親役のキャシー・ベイツはこの作品で各映画賞にノミネートされています。善良な普通のひとに突然飛びかかってくる、いまのことばでいえば炎上リンチ。SNS時代の今、これをつきつけてくるイーストウッドにうなります。『ジョジョ・ラビット』ヒトラーとナチスをユーモアで風刺した、ポップなコメディにして、ヒューマンドラマの傑作。ゴールデングローブ賞は逸しましたが、米アカデミー賞有力候補といわれる一本です。ナチスが青少年教育、というか、洗脳のために作ったヒトラーユーゲント。そこに所属する男の子ジョジョの日常を描いています。彼は、母とふたり暮らし、10歳です。自分に自信がなく、例えば、ユーゲントキャンプで自己紹介がちゃんとできるか、悩みます。そんなときに、力強く励ましてくれるのが、彼の空想上の友達、ヒトラー君です。キャンプで、うさぎを殺すという課題を実行できず「うさぎのジョジョ」とあだ名をつけられたときも、どこからともなく現れ、「うさぎは勇敢でずる賢く強いんだ」と激励してくれます。そんな彼の日常に、大事件が巻き起こります。ある日、家の天井裏で、ユダヤ人の少女を発見してしまうのです。どうやら、奔放な母が、かくまっていたらしいのですが……。ヒトラーの時代を描いて、ここまで翔んだ映画は少ないと思います。監督は、『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ。母はユダヤ系、父はマオリ系(ポリネシア)のニュージーランド人ですが、劇中、ヒトラーを演じているのは彼です。ジョジョ役のローマン・グリフィン・デイビスが無垢で一途、茶目っ気もたっぷりあってかわいいんです。ゴールデン・グローブ賞では主演男優賞候補でした。アカデミー賞もいけるかも。大人の役者では、なんと、サム・ロックウェルがユーゲントの教官役で出演しています。母親役にスカーレット・ヨハンソン。タイトルバックに流れるのが、ビートルズの『抱きしめたい』(ドイツ語版)です。これがぴったり合って、一気にジョジョの世界にひきこまれてしまいます。『私の知らないわたしの素顔』知的で美人、大学教授というキャリア、でも50歳を越え、若さと美貌を失いつつあるひとりの女性が、Facebookで仮想恋愛に夢中になっていくという異色のサスペンスロマンスです。主演は『真実』で是枝裕和作品にも出演したジュリエット・ビノシュ。現代フランスを代表する女優です。ビノシュ扮するクレールは、長く連れ添った夫の不倫が原因で子供とも別れ、いまやパリの高層マンションでひとり暮らし。そんなある日、若い恋人につれなくされ、Facebookの友達申請まで拒否されます。腹を立てた彼女は、彼の友達アレックスに目をつけ、24歳のセクシーな女性になりすまして、SNSフレンドになることに成功します。だてに文学教授をやってきたわけではありません。巧みな彼女のコメントにアレックスが惹かれていきます、そしてクレールも夢中になって、電話で声を交わし、テレフォン・セックスをするところまで発展するのですが……。恋の行方は? バーチャルの恋が「リアル」にどう影響をあたえる? ふたりは会うのか会わないのか? 興味津々です。そして、クライマックスには、彼女の心の真実を見ることになります。恋するクレールがどんどんキレイに見えてきます。ジュリエット・ビノシュ、さすがです。首都圏は、1/17(金)からBunkamura ル・シネマで公開。中部は、2/14(金)から伏見ミリオン座で公開。関西は、2/21(金)からシネ・リーブル梅田で公開。
2020年01月13日プロデューサー組合(PGA)が、ノミネーションを発表した。長編映画部門の候補は、『1917 命をかけた伝令』『フォードVSフェラーリ』『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』『アイリッシュマン』『ジョーカー』『パラサイト 半地下の家族』『ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語』『マリッジ・ストーリー』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『ジョジョ・ラビット』。長編アニメ映画部門の候補は『アナと雪の女王2』『トイ・ストーリー4』『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』『Missing Link』『Adominable』だった。PGAの長編映画部門受賞作はオスカーの作品賞と重なることが多く、この賞は非常に注目される。昨年も、『グリーンブック』がこの両方を受賞した。授賞式は1月18日。文=猿渡由紀『パラサイト 半地下の家族』1月10日(金)全国公開
2020年01月08日脚本家組合(WGA)が、ノミネーションを発表した。長編映画の脚本部門の候補は、『1917 命をかけた伝令』『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』『マリッジ・ストーリー』『パラサイト 半地下の家族』『Booksmart』。長編映画の脚色部門の候補は、『ジョーカー』『ジョジョ・ラビット』『アイリッシュマン』『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』『A Beautiful Day in the Neighborhood』。WGAは、賞の資格に特有のルールを設けていることから、オスカーの候補と必ずしも一致しないことが多い。今年も、クエンティン・タランティーノの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』とペドロ・アルモドバルの『Pain and Glory』が対象外となっている。授賞式は2月1日。文=猿渡由紀『ジョーカー』全国公開中
2020年01月07日令和初のお正月となる2020年。映画界では、年明け1月6日(月)に第77回ゴールデングローブ賞(※以下GG賞)・結果発表、1月13日(月)深夜に第92回アカデミー賞・ノミネート作品発表、そして1月15日(水)に日本アカデミー賞・優秀賞&新人俳優賞発表と、ワクワクするアワードがめじろ押し。これらの発表と並走し、見ごたえアリの秀作が相次ぎ公開予定となっている。そこで今回は新春を華やかに彩る話題作の中から、洋画/邦画に関係なく「注目の人間ドラマ」を5本ピックアップ。2020年の“映画初め”は、人間ドラマでいこう。(※アワード日程、全て日本時間)スピード&体制に挑んだ男たちの挑戦の実話『フォードvsフェラーリ』マット・デイモンとクリスチャン・ベールがW主演する伝記ドラマ『フォードvsフェラーリ』(1月10日公開)。モータースポーツ界の覇者、フェラーリに挑んだ男たちの挑戦を実話ベースで描いている。企業買収の交渉決裂によって確執を生んだフォードとフェラーリは、後に伝説となった1966年のル・マン24時間耐久レースで激しいバトルを展開する。フォード側で指揮をとるのはスポーツカー製造会社「シェルビー・アメリカン」を率いるキャロル・シェルビー(デイモン)。かつてアストン・マーティンに乗り、アメリカ人として初めてル・マンを制して脚光を浴びたものの、持病の心臓疾患によって引退を余儀なくされた元レーサーだ。そしてハンドルを握るのは、口は悪いが腕はピカ一のイギリス人レーサー、ケン・マイルズ(ベール)。経営する自動車修理工場が資金不足で差し押さえられ、愛する家族のために無謀とも言える挑戦のフロントラインに立ち、最速を目指す――。“スピードの限界”と同時に“フォードの大企業体質”という2つの壁に立ち向かうことになったシェルビーとマイルズ。レースへの情熱を軸に強い信頼関係で結ばれた、2人の胸アツの友情は必見!加えて、当時を再現したル・マン会場を舞台に、時速200マイル(約320km)で疾駆するレーシングカーの臨場感あふれるダイナミックな映像も堪能して欲しい。本作でベールはGG賞(主演男優賞)にノミネートされている。その結果にも乞うご期待!高台の豪邸は、最高の就職先…?『パラサイト 半地下の家族』第72回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞し、GG賞(外国語映画賞&脚本賞)2部門ノミネート、アカデミー賞(国際長編映画賞)候補10作入りが発表されている本作。韓国の名優ソン・ガンホが出演する『パラサイト 半地下の家族』(1月10日)は、サスペンス、アクション、ユーモア…全ての感情を揺さぶる超一級のエンターテインメントだ。過去に度々事業で失敗している父ギテク(ガンホ)、元アスリートの母チュンスク、浪人生の長男ギウ、美大志望の長女ギジョンのキム一家は全員失業中だ。ある日、仕事が見つからないとボヤいていたギウは、エリート大学に通う友人から “ご令嬢の家庭教師”のピンチヒッターを頼まれる。もともとキム一家が暮らしていたのは携帯の電波もトイレの水圧も弱い “半地下住宅”。今回の就職先であるIT企業の経営者パク・ドンイクの自宅は高台の大豪邸で、受験経験だけは豊富なギウはパク家の妻&娘の信頼を獲得していく。貧しいキム一家と裕福なパク一家。本来なら交わることのない彼らの人生が交差した時、生じるのは亀裂か共生への兆しか? 『殺人の追憶』で世界を震撼させた若き才能ポン・ジュノ監督が、ウィットに富んだ語り口で “二極化”と“不平等”を活写した本作。激しくもつれあう悲喜劇がもたらす衝撃にご注意あれ!岩井ワールド全開の初恋と成長の物語『ラストレター』『ラストレター』(1月17日公開)は、『Love Letter』『スワロウテイル』の岩井俊二監督が、松たか子、広瀬すず、庵野秀明、森七菜、神木隆之介、福山雅治ら超豪華キャストの共演でつむぐ珠玉のラブストーリーだ。亡くなった姉の訃報を知らせるために出かけた同窓会で、姉と勘違いされてしまう妹・裕里(松たか子)。そこでかつての初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会した裕里は、姉のふりをして鏡史郎と文通を始める。やがて鏡史郎の手紙は亡き姉の娘・鮎美(広瀬すず)の手に渡り、行き交う手紙を媒介に青春時代の淡い恋の思い出が鮮やかに甦ってくるのだが、その回想シーンの姉妹役を現代パートの姉妹それぞれの娘役である広瀬すずと森七菜が演じることで、ある種の非現実感が生まれ、作品にファンタジックな趣を与えている。「手紙」「初恋」「成長」をテーマとする本作は、同じく「手紙」がキーアイテムとなる中山美穂が2役にふんした1995年公開の名作『Love Letter』をほうふつとさせる。その作品で主要人物を演じた中山さん、豊川悦司も今回意外な役柄で登場。強烈なインパクトを放っているのでこちらもお楽しみに!ワイティティ監督が空想のヒトラーに『ジョジョ・ラビット』第二次世界大戦下のドイツを舞台に、10歳の少年ジョジョの奮闘をコミカルに描く社会派ドラマ『ジョジョ・ラビット』(1月17日公開)。GG賞(作品賞&主演男優賞)2部門にノミネート、近年、アカデミー賞に最も近いと言われているトロント国際映画祭(観客賞)を受賞した注目作だ。空想上の友人“アドルフ”に励まされながら、立派な兵士になることを夢見るジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)。しかし素顔は命令されてもウサギを殺すことができない心優しき少年だ。本作は第二次世界大戦下においてナチス政権が青少年集団「ヒトラーユーゲント」で子どもを教化し、戦場へと送り込んだ史実を、戦争の悲惨さと共にジョジョの視点からシニカルな笑いで描いている。そんなジョジョが、自宅の屋根裏に潜んでいたユダヤ人少女と出会い、ほのかな恋心とともに成長していく姿は爽やかな感動を呼ぶだろう。メガホンをとったのは『マイティ・ソーバトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ。監督のみならず、ジョジョのイマジナリーフレンドであるヒトラーをコミカルかつ過激に演じているのでご注目あれ!田中圭がおしゃれな花屋さんに!『mellow』そして最後は田中圭主演、『愛がなんだ』の今泉力哉監督による恋愛群像エンターテインメント『mellow』(1月17日公開)。街で一番おしゃれな花屋と昔ながらのラーメン店を舞台に、少しだけ不器用な人々の様々な片想いが今泉監督のオリジナルストーリーで描かれる。お客様の“相手を想う心”も込めて花束を作る花屋「mellow」の夏目誠一(田中さん)。その店の常連客は近所に住む中学生や人妻などで、夏目の周辺で繰り広げられる、まっすぐでちょっとヘンテコな恋模様にホッコリとさせられる。田中さんは、独身・彼女ナシ「花が恋人」の夏目を好演。その陽だまりのような穏やかなほほ笑みには、登場人物ならずともキュンキュンさせられる。そして夏目が毎日のように通うラーメン屋の先代&二代目店主・木帆(岡崎紗絵)との思いやりにあふれる関係は観る者の胸に温かい燈を灯すことだろう。タイトルになった“mellow”とは、芳醇な果物や円熟した人柄など、物事がまろやかになっている状態のこと。その言葉通り、愛と優しさに満ちた味わい深い本作が物語る、夏目の想いを見届けよう。今回紹介した作品は、熱き友情、社会風刺、恋愛などテイストは異なれど、それぞれのフィールドでひたむきに生きる人々を活写した作品ばかり。そんな登場人物たちの一生懸命な姿を観れば、2020年を充実した年にするヒントが見つかるかもしれません。《text:足立美由紀》(text:Miyuki Adachi)■関連作品:ラストレター 2020年1月17日より全国東宝系にて公開ⓒ2020「ラストレター」製作委員会フォードvsフェラーリ 2020年1月10日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox Film Corporationパラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVEDジョジョ・ラビット 2020年1月17日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainmentmellow 2020年1月17日より新宿バルト9、イオンシネマ シアタス調布ほか全国にて公開©2020「mellow」製作委員会
2020年01月03日『マイティ・ソー バトルロイヤル』をはじめ、独特のセンスと創造力で人々を魅了しているタイカ・ワイティティ監督の最新作『ジョジョ・ラビット』。劇中でナチスこそ正義だと信じていた、主人公の少年ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)の人生を大きく動かす、壁の中のユダヤ人少女・エルサを演じた新進女優トーマシン・マッケンジーに迫った。本作の舞台は、第二次世界大戦下のドイツ。ナチスこそが正義のヒーローだと教育されていた少年ジョジョが運命の出会いを果たす相手こそ、トーマシン・マッケンジーが演じた、壁の中のユダヤ人美少女・エルサ。ジョジョの母・ロージー(スカーレット・ヨハンソン)に匿ってもらったというエルサは、聡明でユーモアにあふれ、まだまだ子どもっぽいジョジョにとっては少し歳上の魅力的なお姉さん。意志の強い眼差しや、やさしい心根で、“空想上の友達”にするほど心酔するジョジョのアドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)への幻想を揺るがし始めていく、本作の肝となる重要な役どころ。2000年生まれ、19歳のトーマシンは、すでに自国ニュージーランドのTVシリーズへの出演で数々の賞を獲得しており、ハリウッド中のフィルムメイカーから最も熱視線を浴びている実力派若手女優だ。2020年、ネクストブレイク候補の筆頭女優!愛らしさを感じさせつつも、ミステリアスな色気もまとっているトーマシン。『ホビット 決戦のゆくえ』(’14)で鮮烈な印象を残すと、ベン・フォスター扮する主人公の娘役を演じた『足跡はかき消して』(’18)での熱演が大絶賛を受け、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞のブレイクスルー演技賞を受賞。若手女優陣のなかでも一躍注目の存在となったその見事な表現力は、本作『ジョジョ・ラビット』でも遺憾なく発揮され、アカデミー賞の前哨戦のひとつである第25回放送映画批評家協会賞(クリティック・チョイス・アワード)新人俳優賞にノミネート。なんと、ジョジョ役のローマン、ヨーキー役のアーチー・イェーツと本作から3人同時ノミネートという嬉しいサプライズ付き!さらにNetflix作品『キング』(’19)ではティモシー・シャラメ演じるヘンリー王の妹役も記憶に新しく、今後の待機作にはラッセル・クロウ共演の『True History of the Kelly Gang』(原題)や、個性派の鬼才エドガー・ライト監督最新作『Last Night in Soho』(原題)など注目作が目白押し。そして、未解決の連続少女殺害事件を題材にした犯罪ノンフィクション原作のAmazonStudios作品『Lost Girls』(原題)で主演へ抜擢!今後ますます活躍の幅を広げることになりそうだ。同じニュージーランド出身のワイティティ監督が見出した、勝気な資質ジョジョの不信を解いていく強さと冷静さを持ち合わせるエルサを体現できる女優を探して、多くの10代の子役たちと会ったワイティティ監督が白羽の矢を立てたのがトーマシン。しかし、脚本段階での役の捉え方には差があったようで、トーマシンは「私はエルサを犠牲者だと捉えていたけど、ワイティティと会った時、『エルサは全く犠牲者ではないし、エルサも自分を犠牲者とは思っていない』と言われたの。そしてエルサ役のイメージを掴むために、『ヘザース/ベロニカの熱い日』(’88)を観るように、って」とアドバイスを受けたことを明かす。一方のワイティティ監督も、役作りへのアプローチとして「エルサはこのことが起きる前は学校の人気者だったと考えてもらった。楽しく過ごしていた暮らしを諦め、今はただ隠れていることに対して憤りがあるはずだ」とふり返っている。ワイティティ監督にしか表現し得ない独特なセンスと大きな愛情が前面に浮かび上がる演出に、誠実に向き合ったトーマシンは、エルサこそが何より自由を求めていることが腑に落ちたそう。「ナチスに迫害される前のエルサは、男の子に夢中で女友達と噂話に花を咲かせていたはず。私たちと同じように行動し、夢を見ていた10代の少女だったと想像すると、すぐに共感できた」と言う。まやかしではない“本当のカッコ良さとは何か”を主人公ジョジョに伝えていく、クールでシニカルなエルサの存在感を、見事に表現し演じきったトーマシン・マッケンジー。本作のカギを握る彼女の活躍を、ぜひスクリーンで堪能してほしい。『ジョジョ・ラビット』は2020年1月17日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョジョ・ラビット 2020年1月17日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainment
2020年01月02日『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ監督が辛口のユーモアたっぷりに描く『ジョジョ・ラビット』。この度、立派な兵士になりたい主人公の少年ジョジョをとりまく奇天烈な人々と、戦時下とは思えないほど賑やかなやりとりが収められた本編映像が解禁となった。アドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)を空想上で友達にするほど、軍に感化され、立派な兵士になりたいと願う10歳の少年ジョジョが意を決して入隊したのは、同じ志を持つ青少年集団“ヒトラーユーゲント”。しかし、心優しいジョジョはハードな訓練で失敗し、顔に傷が残る大ケガを負うことに。たった一人の家族である勇敢な母ロージー(スカーレット・ヨハンソン)は抗議に乗り込み、調子のいいオーラ全開で寄ってきたクレンツェンドルフ大尉(サム・ロックウェル)を軽く一蹴!教官ミス(レベル・ウィルソン)らと無理をしない室内での事務仕事を任命され戸惑うジョジョに、この先どんな運命が待ち受けているのか…!?戦時下のナチスドイツに実在した“ヒトラーユーゲント”は、その名の通りヒトラーに使える理想的な青少年を生み出すことを目的に設立された組織。このシーンでもぴっちりと金髪を分け、もはや個性を失ったかのような大量の少年たちを“クローン”と呼んで皮肉を効かせているワイティティ監督は、「ジョジョがまだ何もわからない10歳の少年だということも重要だった。軍服に身を包み、一人前に扱われたいだけなんだ」という。そして「実際にナチスは<かっこいいチーム>のメンバーになれると思わせて子どもを洗脳した。戦前のドイツ精神に関する書物をたくさん読んだよ。言うべきことを言うにはひるまずに決死の覚悟で書かなくてはいけない」と力を込めてコメント。そんなワイティティ渾身の脚本には、ハリウッドのトップ女優スカーレット・ヨハンソンが「(演じたロージーは)とても先進的な女性で、あの暗い時代を明るく照らす。同時にジョジョのことは大きな包容力で守るの。活力があり謎めいてもいるけれど、何より大事なのは根性があることよ」と、その母親像に惚れ込んだよう。また、『スリー・ビルボード』で第90回アカデミー賞助演男優賞を獲得したサム・ロックウェルも「監督の頭にあった方向性は普通じゃなかったね。主役がナチスシンパの少年と聞いて最初は混乱したが、すぐに寛容と家族と人間性の物語であるとわかった。素晴らしい、洗練された映画だ」と一気に魅了されたことを明かしている。徹底的で緻密な時代考証の土台のうえに、型破りで辛口なユーモア、そしてワイティティ監督の「今こそ無知に終止符を打ち、愛で無知に取って代わりましょう!」という最強の愛のメッセージが絶妙なバランスで浮かび上がる演出に、名優たちも見事に応じている様子だ。『ジョジョ・ラビット』は2020年1月17日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョジョ・ラビット 2020年1月17日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainment
2019年12月24日第二次世界大戦中のドイツを舞台に描くタイカ・ワイティティ監督作『ジョジョ・ラビット』から、ローマン・グリフィン・デイビスとスカーレット・ヨハンソンが演じる親子を映し出す本編映像が公開された。今回到着したのは、映画初出演のローマン演じるジョジョと、スカーレット演じる母親ロージーが、最強の力という“愛”について語る映像。第77回ゴールデングローブ賞主演男優賞ノミネートも頷ける、堂々の演技を披露している。アドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)を空想上の友達にしてしまうくらい心酔し、「一番強いのはミサイルだ」「愛なんて見ても分からない」と反抗するジョジョだが、まだ靴紐すら自分で結べない若干10歳の少年。そんなジョジョに、強く美しく聡明な母ロージーは「愛は目に見えなくても分かるわ。感じるの、痛いの」と穏やかに伝えながら、靴紐をイタズラして応戦。苦境の戦時下にありながら、ユーモアを忘れない親子のやり取りに希望を感じる名シーンとなっている。「一目見た瞬間にピッタリだと思った」とワイティティ監督が一目惚れしたというローマン。ワイティティ監督は「デイビスは本当に素晴らしい。信じられないほど聡明で、感受性が強く、周りの役者にも気を遣う。いつも質問してきて、他の役者の芝居の意味をとらえ、それが自分にどう関係してくるかを理解しようとする。だから自分の芝居にどんな気持ちで向かえば良いかをよく分かっている。これは場数を踏んだ役者でないとできないことですが、10歳のデイビスがちゃんとそれを考えているのは本当に驚くべきこと」と大絶賛するように、今作では観る者全ての心を彼が鷲掴みにする。『ジョジョ・ラビット』は2020年1月17日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ジョジョ・ラビット 2020年1月17日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainment
2019年12月18日第92回アカデミー賞における9部門のショートリスト(ノミネート前の最終候補リスト)が発表された。注目は、今回より「外国語映画賞」から名前が変更となった「国際長編映画賞」。ゴールデングローブ賞の「外国語映画賞」にノミネートされている『パラサイト 半地下の家族』、『レ・ミゼラブル』、『Pain and Glory』の3本がショートリスト入りを果たした。「The Wrap」によると、『パラサイト 半地下の家族』は、韓国映画でショートリストに入った2本目。昨年、『バーニング 劇場版』が韓国映画として初めて同部門のショートリストに挙がったが、ノミネートは逃している。主な部門のショートリストは以下の通り。国際長編映画賞『The Painted Bird』(チェコ)『Truth and Justice』(エストニア)『レ・ミゼラブル』(フランス)『Those Who Remained』 (ハンガリー)『Honeyland』(北マケドニア)『Corpus Christi』(ポーランド)『Beanpole』(ロシア)『Atlantics』(セネガル)『パラサイト 半地下の家族』(韓国)『Pain and Glory』(スペイン)メイクアップ&ヘアスタイリング賞『スキャンダル』『ルディ・レイ・ムーア』『ダウントン・アビー』『ジョーカー』『ジュディ 虹の彼方に』『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』『マレフィセント2』『1917 命をかけた伝令』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『ロケットマン』作曲賞『アベンジャーズ/エンドゲーム』『スキャンダル』『フェアウェル』『フォードvsフェラーリ』『アナと雪の女王2』『ジョジョ・ラビット』『ジョーカー』『キング』『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』『マリッジ・ストーリー』『マザーレス・ブルックリン』『1917 命をかけた伝令』『Pain and Glory』歌曲賞「Speechless」(『アラジン』)「Letter To My Godfather」 (『The Black Godfather』)「I’m Standing With You」(『Breakthrough』)「Da Bronx」(『The Bronx, USA』)「Into The Unknown」(『アナと雪の女王2』)「Stand Up」(『ハリエット』)「Catchy Song」(『レゴ(R)ムービー2』)「Never Too Late」(『ライオン・キング』)「Spirit」(『ライオン・キング』)「Daily Battles」(『マザーレス・ブルックリン』)「A Glass of Soju」(『パラサイト 半地下の家族』)「(I’m Gonna) Love Me Again」(『ロケットマン』)「High Above The Water」(『Toni Morrison: The Pieces I Am』)「I Can’t Let You Throw Yourself Away」(『トイ・ストーリー4』)「Glasgow」(『ワイルド・ローズ』)このほかに、長編ドキュメンタリー映画賞、短編ドキュメンタリー映画賞、短編アニメ映画賞、短編映画賞のショートリストが発表された。(Hiromi Kaku)
2019年12月17日フランフラン(Francfranc)、そして2019年10月に立ち上がった新ブランド「U.F.O. バイ・フランフラン(U.F.O. by Francfranc)」より、クリスマスギフトにぴったりのアイテムを紹介。フランフランフランフランの2019年クリスマスコレクションや秋冬新作からは、かわいらしいアイテムや冬にぴったりのアイテムがラインナップ。ミニサイズのルームフレグランスの3個セットは、いずれもゴールドのボトルを使用し、ゴージャスな仕上がりに。パッケージもツリー型で、開けばオーナメントのようにボトルが現れる。また、グリーン地にピンクとホワイトのシノワズリ柄をあしらったバニティポーチは、ファッションデザイナー・丸山敬太とのコラボレーション。内側にはブラシホルダーやポケット、取り外しが可能な仕切りを備え、メイク道具をきれいに整理できる。さらに、ミニハンドクリームのセットも登場。キラキラと輝くオーナメント風のパッケージは、ギフトにも最適だ。ほかにも、パーソナルスペースで使える“うさぎ”型のミニUSB加湿器なども展開する。U.F.O. バイ・フランフラン一方、U.F.O. バイ・フランフランからは、“面白さ”を軸にしたアイテムが多数登場する。宇宙飛行士のモチーフを載せたミニトレイは、アクセサリーなどの“見せる”小物収納にぴったり。値段も1,000円未満で、気軽に手に入れられる。また、ユニコーン型のモバイルバッテリーは、かわいい形で持ち運びも楽しく。そのほか、大人も子どもも座れる“牛型”ぬいぐるみなど、存在感あるアイテムを取り揃える。詳細フランフラン&U.F.O. バイ・フランフラン クリスマスギフト向けアイテム展開アイテム例:〈フランフラン〉・アメリア ルームフレグランス セット 3,000円・バニティポーチ グリーン (フランフラン バイ ケイタ ムラヤマ) 4,800円・クリスマスオーナメント ギフトセット ハンドクリーム フラワー 1,000円・ミニ USB 加湿器 ラビット ピンク 2,000円〈U.F.O. バイ・フランフラン〉・アストロノート ミニ トレイ シルバー 880円・ユニコーン モバイルバッテリー 3,718円・アニマルスツール L ウシ 9,900円※価格はいずれも税込※商品名、価格、仕様、発売時期等は変更される可能性あり※季節商品は商品がなくなり次第終了
2019年12月14日映画俳優組合賞のノミネーションが発表された。俳優が演技に対して投票するこの賞では「作品部門」はなく、キャスト部門がそれにあたる。長編映画でこのキャスト部門にノミネートされたのは、『スキャンダル』『アイリッシュマン』『ジョジョ・ラビット』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『パラサイト 半地下の家族』。テレビシリーズ(ドラマ)は、『ビッグ・リトル・ライズ』『ゲーム・オブ・スローンズ』『ストレンジャー・シングス』『ハンドメイズ・テイル』『ザ・クラウン』。テレビシリーズ(コメディ)は、『バリー』『Fleabag ブリーバッグ』『コミンスキー・メソッド』『マーベラス・ミセス・メイゼル』『シッツ・クリーク』だった。授賞式は1月19日。文=猿渡由紀
2019年12月12日第25回放送映画批評家協会賞のノミネーションが発表された。マーティン・スコセッシ監督の『アイリッシュマン』が作品賞、監督賞、主演男優賞(ロバート・デ・ニーロ)、助演男優賞(アル・パチーノ、ジョー・ペシ)、アンサンブル演技賞など最多14ノミネートを受けた。クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が12ノミネート、グレタ・ガーウィグ監督の『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』が9ノミネート、ノア・バームバック監督の『マリッジ・ストーリー』が8ノミネート、タイカ・ワイティティ監督の『ジョジョ・ラビット』とポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が7ノミネートと続く。今年の放送映画批評家協会賞は、監督が脚本も担当した作品が評価されている傾向で、クエンティン・タランティーノ、グレタ・ガーウィグ、ノア・バームバック、ボン・ジュノは、監督賞と脚本賞のWノミネート。スカーレット・ヨハンソンが全く異なるジャンルの作品『マリッジ・ストーリー』と『ジョジョ・ラビット』で、それぞれ主演女優賞、助演女優賞にノミネートされる快挙を果たした。授賞式は1月12日(現地時間)に開催される。(Hiromi Kaku)■関連作品:【Netflix映画】アイリッシュマン 2019年11月27日よりNetflixにて全世界同時配信開始ジョジョ・ラビット 2020年1月17日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainmentワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト 2019年9月27日より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて順次公開©1968 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
2019年12月10日プラダ(PRADA)のファインジュエリーコレクションに新作が登場。青山店、銀座店、神戸店、大阪心斎橋店、名古屋店で2019年12月より順次発売予定だ。2019年5月の誕生以来、人気を博しているプラダのファインジュエリーコレクション。続く今回の新作は、パールを使ったジュエリーだ。ナチュラルな美しさをもつ不揃いのパールを使用した、2連付けのできるネックレスと、3種類のピアスを展開する。また、ゴールドジュエリーは、以前より登場していたローズ、ラビット、トライアングルロゴ、ロボットなどに加えて、鍵モチーフが登場。青山店と銀座店限定では、好きなモチーフをカスタマイズしてオリジナルのブレスレットをつくることができる。なお、プラダのファインジュエリーはすべて、RJC(責任あるジュエリー協議会)の認証サプライヤーから調達した18Kゴールドとダイヤモンドから制作。ゴールドの正確な鋳造やダイヤモンドの切削、その他のパーツの制作など、細かいステップと精緻な職人技を経て作られている。【詳細】プラダ 新作ファインジュエリー発売時期:2019年12月取り扱い:プラダ 青山店、銀座店、神戸店、大阪心斎橋店、名古屋店■価格パールネックレス 420,000円+税イヤリング 33,000円+税、200,000円+税<青山店&銀座店限定カスタマイズ>チャーム 鍵 130,000円+税、ラビット 105,000円+税、トライアングルロゴ 90,000円+税、ローズ 110,000円+税ブレスレット 165,000円+税※すべて予価【問い合わせ先】プラダ クライアントサービスTEL:0120-451-913
2019年12月09日放送映画批評家協会賞のノミネーションが発表になった。最多ノミネーションを受けたのは、マーティン・スコセッシの『アイリッシュマン』で、14部門。次に多かったのはクエンティン・タランティーノの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』だった。作品部門の候補は、この2作品のほかに、『ジョーカー』『1917 命をかけた伝令』『フォードVSフェラーリ』『ジョジョ・ラビット』『パラサイト半地下の家族』『マリッジ・ストーリー』『Uncut Gems』『Little Women』。監督部門は、このふたりのほか、サム・メンデス(『1917』)、ノア・バームバック(『マリッジ…』)、グレタ・ガーウィグ(『Little Women』)、ボン・ジュノ(『パラサイト』)、ジョシュ&ベニー・サフディ(『Uncut Gems』)。主演男優部門は、アントニオ・バンデラス(『Pain and Glory』)、ロバート・デ・ニーロ(『アイリッシュマン』)、レオナルド・ディカプリオ(『ワンス…』)、アダム・ドライバー(『マリッジ…』)、ホアキン・フェニックス(『ジョーカー』)、エディ・マーフィ(『ルディ・レイ・ムーア』)、アダム・サンドラー(『Uncut Gems』)。主演女優部門はレネ・ゼルウェガー(『ジュディ 虹の彼方に』)、スカーレット・ヨハンソン(『マリッジ…』)、シャーリーズ・セロン(『スキャンダル』)、ルピタ・ニョンゴ(『アス』)、シアーシャ・ローナン(『Little Women』)、シンシア・エリヴォ(『Harriet』)、オークワフィナ(『The Farewell』)。受賞発表は2020年1月12日。文=猿渡由紀Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』配信中
2019年12月09日パメオポーズ(PAMEO POSE)とプレイボーイ(PLAYBOY)のコラボレーションアイテムが登場。1953年、アメリカのシカゴで創刊されたライフスタイルマガジン『PLAYBOY』。有名なファッションブランドの1つでもあり、そのアイコニックな“ラビット”のロゴとともに、長年に渡って世界中で愛されている。今回のコラボレーションでは、3種類のプリントで展開するプルオーバーとクラッチバッグをラインナップ。アイコン的なイラストには、“ラビット”のロゴからリンクする、パメオポーズらしい淡い水色のバニーガールを採用。クラッチバッグには、バニーガールの尻尾を想わせる大きなポンポンがファスナー部分にあしらわれた。また、1983年の表紙をプリントした2種は、それぞれ3つのカラーで登場。いずれもビッグシルエットで、ラフに着られるデザインが魅力だ。【詳細】パメオポーズ×プレイボーイ ※2019/12/04現在発売中取り扱い:パメオポーズ 表参道本店、渋谷パルコ店、公式オンラインストア、ZOZOTOWN、RUNWAYchannel■アイテム価格1983Cover Longshirts 9,500円+税カラー:ホワイト、グレー、ブラック1983Cover Pullover 9,500円+税カラー:ホワイト、グリーン、ブラックW bunny Pullover 9,500円+税カラー:ホワイト、ピンク、グレーW bunny Pouch 2,750円+税カラー:ホワイト、ブラック
2019年12月07日日本の歴代興行収入第3位となる約255億円を叩き出し、主題歌「レット・イット・ゴー」でも社会現象を巻き起こした『アナと雪の女王』(13)。5年ぶりの新作『アナと雪の女王2』(公開中)は、物語や音楽、映像と、すべてにおいて前作超えを目指した、気合十分の快作となった。本作で来日したクリス・バック監督を直撃。深い絆で結ばれ、2人でアレンデール王国を治めていたエルサとアナの姉妹。ところが、エルサは自分にしか聞こえない不思議な声を聞き、その声によって未知なる世界へと導かれていく。今回、エルサが持つ魔法の力の秘密が解き明かされることでも話題となっている続編。日本語吹替版では、エルサ役の松たか子や、アナ役の神田沙也加らがボイスキャストを続投した。――今回、ドラマはもちろん、アクションシーンもよりドラマチックに、スケールアップしていました。エルサが魔法を使うシーンも、いくつかバリエーションがありましたが、こだわった部分について聞かせてください。エルサが水とつながっているということを意識して描いたよ。つまり、エルサは空中にある水分を使って氷を作ることができるんだ。――特に、氷がダイヤモンド型になるというシーンが非常に美しくて神秘的でした。あのシーンは何を象徴しているのでしょうか?氷がダイヤモンド型になるのは、自然の精霊たちのシンボルを表しているから。オラフが途中で「水には記憶がある」という台詞を話すが、あのダイヤモンド型の彫刻が登場するのは、エルサが過去の記憶とつながった証拠なんだ。本作には、風、火、水、土の精霊が登場するが、エルサが「イントゥ・ジ・アンノウン」を歌うシーンで、彼らとつながることになる。このダイヤモンドは、そこから先もいろんな場面で出てくるよ。ただ、それらのすべては、エルサから端を発しているものとなる。――今回、キャラクターたちの表情が前作よりもさらに繊細に表現されていたのが印象的でした。前作の制作時から6年経っていて、アーティストたちは、当然、ディズニーのアニメーション作品全部に関わっているから、その間、彼らの技術がどんどん向上していったんだ。顔の表情を作るスキルもかなり上がっているから、細やかな感情のバリエーションを作ることができたよ。とにかく全体的なエフェクトがかなり進歩している。――トロールの「未来が見えない時は、今できることをする」という言葉が深いです。このフレーズが、何度も繰り返されるのがとても印象深くて、まるで交響曲のような作りだなと思いました。確かに最初はトロールが言った言葉だが、次に森の中でマティアス中尉と話している時、アナが彼にその言葉を伝えるんだ。そして、最後に歌でそれが表現される。アナは本来、楽観主義的なキャラクターだが、今回は悲しみのどん底に突き落とされてしまう。でも、そこでも彼女の強さが光るわけだ。真の愛は、自分のためではなく、周りの人に与えるものだと、アナはわかっているし、それを表現していくことになる。――今回、クリストフが歌うシーンが実に愉快でした。なんとスヴェンまで一緒に歌い出したので、驚きました。クリストフは、前作で短い曲しか歌わなかったので、今回はフルで歌ってもらおうと思ったよ。彼は自分の感情を表現するのが苦手なキャラクターでもあるから、今回はファンタジーの中で思い切り歌い上げてもらったよ。さらにスヴェンに、彼の気持ちを代弁してもらったらどうだろうと思い、楽しみながら作ったシーンだ。80年代のロックバラード調になっているからお楽しみに!――本作はドラマチックなドラマとド迫力なアクション、パワフルかつエモーショナルな楽曲と、三拍子揃った最高の続編となりました。気が早いですが、パート3の制作は予定されているのでしょうか?どうだろう? まだ、わからないよ。実は2作目を作ろうと思ったのも、1作目を作ってから1年後くらいだったんだ。だから、今回も公開されてから1年後に再度、僕に聞いてね(笑)。■プロフィールクリス・バック1958年、米カンザス州生まれの映画監督。アニメーターとして『きつねと猟犬』(81)、『ロジャー・ラビット』(88)などに参加後、『リトル・マーメイド』(89)でキャラクターデザイン、『ポカホンタス』(95)でスーパーバイジング・アニメーターを務めた。『ターザン』(99・共同監督)で長編監督デビューを果たす。『サーフズ・アップ』(07)では共同監督を担い、アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネート。『アナと雪の女王』(13)では、アカデミー賞アニメーション賞、ゴールデン・グローブ賞アニメーション賞ほか数々の賞を受賞。短編『アナと雪の女王/エルサのサプライズ』(15)も監督した。
2019年11月28日『リトル・ダンサー』『フル・モンティ』『ブラス!』など、常にワーキングクラスに寄り添ってきた英国産ヒューマンドラマと、ショービジネスを知り尽くしたハリウッド映画のいいとこ取りが実現したような『ファイティング・ファミリー』。英国ノーウィッチ出身の女性ファイター、ペイジとその家族の愛と絆に魅せられ、映画化を決意したドウェイン・“ザ・ロック”・ジョンソンがメガホンを託したのは、俳優であり、監督・脚本家でもあるスティーヴン・マーチャントだ。意外にも「レスリングのことは全く知らなかった」というマーチャント監督が、撮影秘話や人気英国俳優たちのキャスティング秘話にも触れながら本作について語ってくれた。何だか変テコな家族…でも「彼らとその夢を精一杯応援したくなった」ドウェインから原案となったドキュメンタリーが送られてきたとき、「僕はレスリングもことは何も知らなかった。何だか変テコな家族とそのケッタイな家業についての話みたいだから『笑ってしまおう』くらいの気持ちだったんだ。ところが僕はまるで恋をするように、すぐにこの一家の虜になった。ワーキングクラスの荒々しい家族なんだけれど、お互いに深い愛で結ばれている上、レスリングにも同じくらい愛を注いでいる。彼らとその夢を精一杯応援したくなったんだ」。また、知るほどに「リスペクトが膨らんでいった」というナイト一家にも、直接会いに行った。「彼らが住むノーウィッチの公営住宅に行ってきた。彼らと時間を過ごして、試合を見に行った。一家がどんな風にお互い接して、話すのか、僕はつぶさに観察してノートを取った。もちろん、家の内装とか、一家の着ている服やメークも全て忠実に再現しようとした」という。「重要なシーンは全て事実に即している。ペイジが髪の色を変えたり『レッスルマニア』の楽屋で“ザ・ロック”に会ったことも全部実際にあったことだ」。注目女優フローレンス・ピューのガッツは「スーパー・クール」主人公のペイジ役を務めたのは、2020年『ミッドサマー』『ブラック・ウィドウ』などの日本公開が控え、ブレイク必至の若手女優として熱い視線を送られているフローレンス・ピューだ。「ペイジ役のキャスティングには苦労した」と監督は告白する。「本物のペイジは13歳の頃から家族と一緒にレスリングを続けてきた女性。だから彼女を演じる女優もそんな人生を感じさせてくれなければならない。同時に、イギリスのワーキング・クラス出身ながらカリスマ性もあって、この作品を背負って立って、尚且つWWEのスーパースターとしての素質を併せ持つ人材が必要だった。そんな女性を探し出すため、イギリス中の若い女優に会ったような気がしたよ」。そして、ようやく出会えたフローレンスについては、「完璧なチョイスだった。ユーモアもあるし、タフで皮肉っぽくもあるし、感動もさせてくれる」と自信たっぷり。「フローレンスはスタントを使うギリギリのところまで自分で身体を張ってレスリングしてくれた」と言い、なんと「撮影4日目に、L.A.のステープルズ・センターで試合のシーンを撮ったのだけれど彼女は2万人のWWEファンの前で闘ったんだ。僕自身は危険なシーンだから気が気じゃなかったけれどフローレンスはスーパー・クールに仕事をしてくれた。驚いたよ」。ジャック・ロウデン演じるザックを「応援せずにはいられない」また、ペイジの兄ザックを演じたジャック・ロウデンについても「キャスティングが難しかった」と言う。ジャックは今年の公開作『ふたりの女王メアリーとエリザベス』『イングランド・イズ・マインモリッシー,はじまりの物語』で実在の人物を演じてきたが、本作では「子どもの頃からレスリングのスーパースターになるよう、父親から英才教育を受けてきた」生粋のファイターになりきった。ところが、「ザックは自分がWWEで這い上がっていくものだと信じていたのに、妹の方が選ばれて自分は置いてけぼりをくらってしまった。だから、彼は映画の前半では優しくて面白い兄貴だけれど後半では妹に嫉妬して意地悪をする、そんな役どころなんだ。でもザックを応援せずにはいられない。なぜなら彼を演じるジャックが本物の温かさと優しさを持っている、とても優れた俳優だからだ」。さらに、子どもたちにレスリングの英才教育を施したリッキー&ジュリアのナイト夫妻も英国映画ファン、海外ドラマファンにはたまらないキャスティングとなった。一家の父リッキー・ナイトを演じたニック・フロストとは初タッグだったが、「ずっと尊敬していたし、本当に面白いなと思っていた。キャストの中で彼が唯一の、長年のレスリング・ファンだった。だからキャスティングの打診をした時、既にペイジとその家族についてもよく知っていた」と監督。「彼は体当たりで役に臨んでくれた。父親としての優しさを表現できると同時に、必要とあればちょっと怖い存在にもなってくれた」と太鼓判。そして、母ジュリアを演じたレナ・ヘディについては、「『ゲーム・オブ・スローンズ』のサーセイ役でしか知らない人はこの映画を見て驚くと思う。彼女の役どころは図太くて口が悪くて、時に悪辣でめちゃくちゃワイルドなワーキング・クラスのママさんレスラーなんだ。あの赤い髪の毛も強烈だしね。でもニック同様、温かい人柄や機転の早さもある、とてもチャーミングな女性なんだ」。観客の心を掴んで離さない“ザ・ロック”にヤキモキ!?もちろん「ドウェイン・“ザ・ロック”・ジョンソンの存在も大きい」と監督は言う。「ドウェインは最高だ。あんなに有名なスターなのに一緒に仕事をしやすいし、決してセレブ風を吹かせない」と語り、「彼のおかげでいいレスリングの試合には映画同様、ちゃんと構図があって起承転結があるということを知った。ドウェインは『ファイティング・ファミリー』の試合を一緒に形にしてくれたんだ。主演女優のフローレンス(・ピュー)にも、どうやって観客にアピールするか、試合を運んでいくか、などアドバイスをしてくれた」と明かす。本編のクライマックスとなるペイジの試合のシーンでも、直前のイベントの司会をドウェインが務め、「そのままこっちの映画の撮影に入った」のだとか。「ファンは大喜びだった。まるでエルヴィス・プレスリーが生き返ったかのように、ステージは凄まじい熱気と興奮に包まれた。そしてドウェインの誘導で観客に拍手してもらったり、ブーイングしてもらったりでシーンの撮影はバッチリだった。ただ、あまりに司会が上手いものだから観客が彼を全く離さなくてね」と吐露。「遂に僕は『ドウェイン、黙れよ!』って叫んでしまった。レスリングのイベントでザ・ロックにリングを出るように怒鳴ったのは僕だけだと思う」。楽しげにそう語るマーチャント監督もまた俳優で、『ジョジョ・ラビット』や『LOGAN/ローガン』などに出演し、本作にもザックの彼女の父親役で出演している。「僕自身、大好きなシーン」と挙げるのは、まさに「ナイト一家がザックの彼女の両親を夕食に招く」場面だ。「すごくぎこちなくて、思わず爆笑しちゃうやりとりがあるんだけれど、これは全部一家が僕に教えてくれた実際の出来事だった。このシーンではカメオ出演はあるわ、アドリブはあるわで笑いが絶えなかった。みんなお互いを笑わせようとするから、なかなかいいテイクが取れず、撮影が終わるまですごく時間がかかったんだ」と明かしてくれた。若い女性にこそ見てほしい、その訳とは…撮影中も「リラックスした楽しい雰囲気のセットを心がけた」という監督。「皆が緊張したり、萎縮する居丈高な態度をとる監督にはなりたくないからね。そんなことをしてもベストな仕事はできない。皆で協力しあいながら作品を創るのが好きだし、キャストにもどんどんアイディアを出して欲しい。特に(WWEトレーナー役)ヴィンス・ヴォーンは素晴らしかった。いつも色々提案してくれたりアドリブやジョークも入れていたしね。同様にニック・フロストも賑やかだった」と語る姿からも、監督の人となりが見えてくる。そんな監督に、“人を笑わせる”コメディ映画のコツを聞いてみると、「観客をストーリーに引き込むにはユーモアがとても効く。まずはウォーミングアップとして登場人物たちを可笑しく、チャーミングな人々として描き、物語が進むにつれて彼らは段々深く、感情的になっていく。コメディは観客を安心させて『この映画はこんな感じなのか』という印象を抱かせておけるけれど、あとで全然違う展開に持っていって驚かせることができる」と持論を打ち明ける。「だから、この映画では笑いを取ったあとで感情的な展開になる。終わる頃には笑って泣いて、満足できる体験ができたな、と感じて欲しい。僕自身、映画にはそういった要素を求めるからね」。最後に、監督は「僕にとって『ファイティング・ファミリー』はレスリングの話じゃないんだ。『リトル・ダンサー』がバレエの話じゃないのと同様に、これはある若者が叶わない夢を追いかけて何とか自分の居場所を見つけようとするストーリーなんだ」と、日本のファンに向けて語る。「ペイジはいつも自分がアウトサイダーだと感じてどうにか周囲に馴染もうとする。同じような体験を持っている、たくさんの人の共感を得ると思う。誰も彼女が勝ったり、成功するとは思っていなかった。それでも自分に嘘をつかず、周囲の圧力に屈しないで、才能と粘り強さで成功を掴み取ったんだ。特に若い女性にとってはとてもインスパイアされる、背筋がゾクゾクするようなストーリーだと思うよ」。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ファイティング・ファミリー 2019年11月29日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC., WWE STUDIOS FINANCE CORP. AND FILM4, A DIVISION OF CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
2019年11月25日