「ゴッホ展」が、上野の森美術館で2019年10月11日(金)から2020年1月13日(月・祝)まで、兵庫県立美術館で2020年1月25日(土)から2020年3月29日(日)まで開催される。ポスト印象派の代表画家、フィンセント・ファン・ゴッホ大胆な色彩と渦巻くような激しい筆遣いで描く独自の作風で、ポスト印象派の代表画家として知られるフィンセント・ファン・ゴッホ。今なお世界中で愛され、多くの人に知られる画家ではあるが、実は37年という短い生涯のうち、画家として活躍したのはわずか10年ほどだったという。そして、私たちが知る代表作は、そのほとんどが晩年のわずか数年間で描かれたものだ。ゴッホが画家を志したのは27歳の頃。当初はオランダで「ハーグ派」と交流しながら、暗い色彩で農村風景や静物などを描いていたという。目にした風景や事象をデッサンし、それをもとに抒情的な光景を描いた「ハーグ派」の作風に惹かれて、彼の画家としての礎は築かれた。その後、弟テオの勧めで移り住んだパリで「印象派」の鮮やかな色遣いに心奪われたゴッホは、色彩の魅力に出会い、さらに独自の作風を確立させていく。ゴッホの作風の裏にある「ハーグ派」と「印象派」との出会いに迫るゴッホの作風をつくった「ハーグ派」と「印象派」。「ゴッホ展」では、このふたつの出会いがキーワードとなる。「ハーグ派」のオランダと「印象派」のフランス、スイス、スコットランド、イスラエルといった世界中の国からゴッホの作品が集結し、初期から晩年まで約40点を紹介する。ゴッホ独自の作風ができるまで本展では、多くの芸術家や作品に影響を受けたゴッホの画風が確立されるまでを明らかにする。初期にオランダで交流した「ハーグ派」、そしてフランスで目にした「印象派」からどのように影響を受けたかを探る。晩年の代表作《糸杉》と《薔薇》が来日晩年の代表作として知られる作品も展示。特に、晩年のゴッホの作風の特徴である、うねるような筆使いが顕著に現れている傑作《糸杉》は必見。サン=レミ時代、サン=ポール療養院に入院していたゴッホは、死を象徴する木とも言われる糸杉をモチーフに多くの作品を描いている。今回来日するのは、そのうちのひとつである、メトロポリタン美術館に所蔵されている作品だ。また、《ひまわり》を描いたアルルからサン=レミに移る直前に描いたとされる《薔薇》も来日する。サン=レミ時代に顕著に表れた渦巻くようなタッチが少しずつ現れ始めた本作からは、ゴッホのささやかな心情の変化も読み取ることができる。ゴッホに影響を与えた画家の作品もゴッホの作品だけでなく、各派の有名画家たちの作品も展観できるのも嬉しいポイントだ。「ハーグ派」からは、マウフェやラッパルト、「印象派」からはモネ、ルノワール、ピサロなどの作品、計20点を展示する。ゴッホ展■東京会場会期:2019年10月11日(金)~2020年1月13日(月・祝) ※12月31日と1月1日は休館会場:上野の森美術館住所:東京都台東区上野公園1-2開館時間:9:30~17:00 ※金・土曜は20:00まで、入場は閉館の30分前まで入場料(当日):一般 1,800円、大高生 1,600円、中小生 1,000円■兵庫会場会期:2020年1月25日(土)~2020年3月29日(日) ※月曜休館(月曜が祝祭日の場合は翌火曜休館)会場:兵庫県立美術館住所:神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1開館時間:10:00~18:00 ※金・土曜は20:00まで、入場は閉館の30分前まで入場料:未定
2019年04月15日1月下旬に九段ハウスで開催された『森山大道展』のキュレーターを務めた宮津大輔さん。400点にのぼる現代アートのコレクターとしても知られる彼のコレクションと笠間日動美術館所蔵の作品を厳選し、ペアリングして展示するという、新たな視点の試みが、2019年3月23日より『シンクロ ニシティ‐宮津大輔コレクション×笠間日動美術館 響き合う近・現代美術 ‐』と題し、開催されます。アンリ・マティス《窓辺に座る女》1919-20 年Henri Matisse “Woman by the Window”向かい合う岸田劉生の《村娘図》(1919年)と奈良美智の《無題》(1998年)は、一見無邪気であるがゆえに、時に現れる少女の残酷性を見事に表しています。このほか草間弥生の《南瓜》(1981 年)とルネ・マグリットの《ビュー・ニューヨーク》(1946年)、アンリ・マティスの《窓辺にすわる女》(1919-20年頃)とオラファー・エリアソンの光を使ったインスタレーション《大輔のためのウィンドウ・プロジェクション》(2011年) など、35組の様々なペアリングを紹介。これら19世紀から21世紀に創作された多種多様な作品を見比べ、美術の持つ大いなる可能性とコレクションに込められた豊かな思いを堪能できます。さらに、宮津さんが昨年9月、オーストリアのリンツで行われたアートの祭典「アルス・エレクトロニカ2018」で注目した体験型インスタレーション『ComfortZONE』(MiND X)も今回日本で初めて、マックス・エルンストとのペアリングで展示されます。『Comfort ZONE』MiND X2018■ペアリングルネ・マグリット/草間弥生岸田劉生/奈良美智アンリ・マティス/オラファー・エリアソンヴィンセント・ファン・ゴッホ/ライアン・ガンダー ジョルジュ・ブラック/蔡国強北大路魯山人/フィリックス・ゴンザレス=トレズ/ ヤン・ヴォーアントワーヌ・ブールデル/アグス・スワゲ高橋由一/ジョージェ・オズボルトマックス・エルンスト/ MiND Xジョルジュ=ピエール・スーラ/エリザベス・ペイトン ラグーザ玉/森山大道シャイム・スーチン/オラファー・エリアソンオーギュスト・ルノワール/アピチャッポン・ウィーラセタクンパブロ・ピカソ/アリエル・シェルシンガーパブロ・ピカソ/ステファン・バルケンホール マルク・シャガール/リム・ソクチャンリナ ジョアン・ミロ/マリナ・ラインガンツ上記を含む35組70点を予定ポール・セザンヌ《聖アントニウスの誘惑》1874年Paul Cézannzannzannzanne "Temptation of St. Antony"■宮津大輔さんプロフィール1963年東京都出身。アートコレクター、横浜美術大学教授、京都造形芸術大学客員教授。1994年以来、企業に勤めながら収集したコレクションや、アーティストと共同で建設した自宅が国内外で広く紹介される。文化庁「現代美術の海外発信に関する検討会」委員、「Asian Art Award 2017」審査員等を歴任。著書に『現代アート経済学』(光文社新書)、『現代アートを買おう!』(集英社新書/中国・金城出版/台湾・Uni Books/韓国・Art Books)、『アート×テクノロジーの時代』(光文社新書)などがある。■展覧会概要展覧会名シンクロニシティ‐宮津大輔コレクション×笠間日動美術館 響き合う近・現代美術‐会期2019年3月23 日(土)- 5月19日(日)会場笠間日動美術館 企画展示館 茨城県笠間市笠間978-4開館時間午前9時30 分より午後5時(入館受付は午後4時30分まで) 休館日毎週月曜日 (但し4月29 日、5月6日は開館、5月7日は休館)入 館 料大人 1000 円、65歳以上 800円、大学・高校生 700円、中・小生 500円主催公益財団法人日動美術財団笠間日動美術館特別協賛野村ホールディングス株式会社株式会社DRESSお問合せ先:TEL:0296-72-2160*会期中に作品保存などの理由より、展示替えする場合があります。また、メディア・アートにつきましては、機材や記録媒体などの都合より鑑賞いただけない場合があります。■交通案内[J R 利 用]・常磐線友部駅北口(9:55/10:50/11:50発)より「かさま観光周遊バス」(100円)、または市内循環バスで約15分。「日動美術館入口」下車徒歩1分・水戸線笠間駅より徒歩約25分(日動美術館・春風萬里荘共、但し方向は逆)、「かさま観光周遊バス」またはレンタサイクルの利用が便利です。[自動車利用] ・常磐道友部JCT経由、北関東道友部ICより国道355号線経由約6キロ・東北道栃木都賀JCT経由、北関東道笠間西ICより国道50号線経由約8キロ
2019年02月13日ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ全米3位の人口を持つ大都市。それがシカゴだとご存知でしたでしょうか? ホリデー時期には近郊の州からシカゴを訪れるほどアメリカ国内では観光都市ともなっています。3日間も続いた大火災により街が焼けてしまったことで、新たに建設された高層ビルが立ち並び『シカゴ派建築』なども登場しました。アメリカ3大美術館もあるためアート好きも魅了する都市です。またあの行列必須のポップコーン『ギャレット』の発祥の地でもあります! そんなシカゴで楽しめる6つのことをご紹介します。写真・Miki Takahira(7,12,13,14,15枚目除く)1. あのインスタグラムで有名な絶景を!まず、ご紹介するのはシカゴを訪れたら絶対に行きたいフォトスポット『スカイデッキ(ウィリス・タワー)』です。雨宮もインスタグラムで写真をよく見かけていて、すごいな~とは思っていたものの、まさかシカゴにあるとは知りませんでした。何がすごいかというと……。息を飲む景色!展望会の103階より、建築が美しいシカゴの街を見渡せ、さらに壁から飛出した透明アクリルの展望スペースもあり、フォトスポットとなっています。足もとも頭上も透明なため、こんな宙に浮いたようなマジカルなショットも撮れちゃうんです。これがインスタグラムなどでも大人気なんですね! そのため比較的混雑がやわらぎそうな平日がおすすめです。2. 高層ビルのラグジュアリーホテルに滞在!建築が魅力的なシカゴ滞在のおすすめはやはり高層ビルのホテル。今回はその中でも高さ415mとシカゴで2番目に高い『トランプ・インターナショナル・ホテル&タワー』に滞在しました。アクセスもよく、ここから多くの観光スポットに歩いていくことができます。世界の数百件の宿泊施設を巡った経験のある雨宮の目から見たこのホテルのおすすめポイントをあげておきますね。おすすめポイント1. お部屋からの絶景!お部屋に入ると広がるこの景色! この素晴らしい眺望は、カーテンを閉めたくなくなりますよね。さらにベッドも大きくふかふか。落ち着いたインテリアでのんびりリラックスできます。おすすめポイント2. ヨガマットやネック&アイピローがあって旅の疲れを癒せる(写真上)こらはスパフロアにある『スパ グランド デラックス キングルーム』というお部屋。リラックスを追求しており、ヨガマット、ダンベルなど女性にうれしいグッズが揃っています。日頃から、なぜホテルにはヨガマットがないんだ! と思っていた雨宮。満月の夜に月の光を浴びながらこの絶景を見てヨガができるのは何よりのラグジュアリーでした。さらに夜はホットネック&アイピロ―で深い眠りにつけます。おすすめポイント3. スリッパやバスローブが他のホテルに比べてふっかふっか(写真左下)ここのスリッパとバスローブは無駄に使いたくなるほど(笑)極上素材でした! トランプホテルオリジナルのアイテムだそうです。おすすめポイント4. キッチンつきのお部屋(写真右下)『スパ グランド デラックス キングルーム』にはキッチンはついていないのですが、このホテル内にある多くの部屋にキッチンがついているため、小さなお子さんがいるファミリーや外食に疲れてしまう方にもおすすめです。3. アメリカ三大美術館のひとつがある!アート好きにたまらないのが、ここ『シカゴ美術館』です。アメリカ三大美術館のひとつということもあり、とてつもなく大きい! 30万点以上の収蔵品があり、1日ではまわり切れないほどなので観たい作品をピックアップして巡ることをおすすめします。人気の絵画は光の魔術師と呼ばれたレンブラント、ルノワール、カイユボット(写真左上)、ゴッホなどです。スーラの点描だけで描かれた有名絵画『グランド・ジャッド島の日曜日』(写真右上)は寄贈者の遺言によりこの美術館から外に出せないそうで、ここでしか観られない貴重な作品です。パロディ題材によく使われるウッドの『アメリカン・ゴシック』(写真左下)などアメリカ近代美術も要チェックです。また、お土産ショップでザ・アメリカンなカラフルなアイテムなどを購入できるのでぜひチェックしてみて下さいね。雨宮はメタリックカラーやマーブルカラーの色鉛筆などを購入しました。4. シカゴの名物モニュメントが集まる公園も!シカゴ美術館からすぐのところにある巨大な公園『ミレニアム・パーク』ではシカゴを象徴するアート作品『クラウド・ゲート』などがあります。行ってみると……めっちゃ混んでる(笑)!でも、中に入ってみるとその人混みも『クラウド・ゲート』に映り込み、なんとも言えない不思議な世界観がおもしろいです。街中アート、奥深い!また雨宮が感動したのはパークに繋がっているメタリックで蛇のようなこの橋(写真奥に向かってニョロニョロと伸びています)! 日本のような露骨な歩道橋ではなく橋やビルもアートの一部になっていて、さすが、建築の街だな~と次々とおもしろい発見があるのがシカゴの特徴です。5. シカゴ・ジャズに酔いしれる!第一次世界大戦後、ミュージシャンが職を求めてシカゴへ移り住んだのがシカゴ・ジャズの始まりだそうで、この街には上質なジャズクラブがたくさんあります。今回訪れたのは地元の人にも大人気のジャズクラブ『Winter’s Jazz Club』。女性ボーカルと楽器が奏でるメロディに酔いしれる夜となりました。食事を済ませてから向かい、お酒をのんびり飲みながら音に浸りたい素敵な空間です。6. ライブハウスでシカゴ・ブルースも堪能!アフリカ系アメリカ人霊歌や労働歌がブルースのルーツだそうで、これがシカゴでバンド形式に発展しシカゴ・ブルースが確立されたそうです。『House of Bluce』は建物全体がユニークで入るだけでワクワクするライブハウスです。オーナーとここのデザイナーの趣味もあり内装が本当にアート! 雨宮は音楽とカラフルなアートも好きなので、シカゴで一番興奮したスポットです。夜にはバンドがソウルのこもったブルースなど生演奏をしてるのでこちらも食後の一杯におすすめですよ。さらに、お土産屋さんには、BOWIEのオシャレなイラストが描かれた絵本やカセットテープのキーホルダーなどのグッズがあり、とてもかわいかったのでぜひこちらもチェックしてみて下さい。羽田から直行便でシンプルに行けるシカゴに行くのにおすすめなのが、羽田からシカゴへ唯一の直行便、ANAの『羽田―シカゴ便』です。都内に近いからアクセスも便利。毎日1便、シカゴに就航しています。羽田を朝出発してシカゴへは早朝に着くので朝からゆっくりと楽しめます。客室乗務員もとても丁寧で機内食や機内設備、サービスも充実しているためシカゴに行く際はぜひ利用してみて下さいね。このようにシカゴはコンパクトで観光名所も巡りやすく、街歩きには多くの発見があってとっても楽しいですよ。ぜひ、アメリカの文化と共にアートや音楽、建築を楽しんでみてはいかがでしょうか。次回はシカゴの食やオシャレスポットについてご紹介します!Information■トランプ・インターナショナル・ホテル&タワー(1部屋、約35000円~※部屋・時期により変更あり)
2019年01月19日企画展「印象派、記憶への旅」が、2019年3月23日(土)から7月28日(日)までの期間、ポーラ美術館で開催。また、2019年8月10日(土)から10月27日(日)までの期間、広島のひろしま美術館に巡回する。「印象派、記憶への旅」は、西洋の近代美術の展開をたどるうえで重要なフランス近代美術のコレクションを多く収集するポーラ美術館とひろしま美術館による共同企画展。日本美術の影響も受けているといわれるフランス印象派の風景画を中心に、両館のコレクションの中から74点の名品を展示する。ピカソ、ゴッホ、モネなど巨匠のコレクションを比較本展では、コレクションから同一の画家、同時期に作成された作品や同じモティーフのものなどを比較しながら作品を楽しむことができる。モネやゴッホ、ピカソといった近代美術の巨匠たちの画業の展開がはっきりと見て取ることができる。作品を手掛かりに迫る画家たちの新たな一面さらに、最新の作品調査によって浮き彫りになってきた画家たちの新たな一面を垣間見ることができる。マティスの作品「ラ・フランス」には、全体に無数の傷跡が見受けられる。一気に描かれたように見えるこの作品は、製作過程写真の分析により、一度描いてから絵具を削りはがしてはまた描きなおされ、約3週間かけて完成したことが分かっている。作品裏面に隠されたゴッホの制作過程の謎また、ゴッホの「草むら」の裏面には、印象派の絵画に施されることが多いカンヴァスの裏打ちがなく、絵具の付着やサインのような文字が見られる。それらを手掛かりに、作品をX線分析による絵具の成分検証や、ゴッホが弟テオに宛てて書いた絵具の入手記録などを調査。作品制作当時の状況を探るべく、さらなる調査が進められている。特別メニューやオリジナルグッズポーラ美術館の併設レストラン「アレイ」では、展覧会に連動したメニューとして印象派の画家たちに愛された南仏プロヴァンス風料理「プロヴァンス美食紀行」を提供。「仔羊のコートレットともも肉のロティ プロヴァンス風」をメインに据え、味覚からも印象派の画家達の雰囲気を楽しむことができる。また、ミュージアムショップでは、それぞれの作品をあしらったオリジナルグッズを展開。リングノートやTシャツ、トートバッグなどを揃える。詳細「印象派、記憶への旅」出品点数:74点出品作家:ゴーガン、コロー、ドラクロワ、ピサロ、モネ、ルノワール、シスレー、セザンヌ、マティス、ピカソなど■ポーラ美術館期間:2019年3月23日(土)~7月28日(日)住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285開館時間:9:00~17:00(最終入館は16:30)料金:大人1,800円(1,500円)、シニア割引(65歳以上)1,600円(1,500)、大学・高校生1,300円(1,100円)、中学・小学生700円(500円)、障害者手帳を持参の本人及び付添者(1人まで)1,000円(1,000円)※中学生・小学生の入場については土曜日は無料。※シニア割引と障害者手帳をお持ちのご本人及び付添者の料金は、ほかの割引と併用不可。■ひろしま美術館期間:2019年8月10日(土)~10月27日(日)※会期中は無休住所:広島県広島市中区基町3-2(中央公園内)TEL:082-223-2530開館時間:9:00~17:00(金曜日は19:00まで/最終入館は閉館の30分前まで)入場料:大人1,300円(1,100円)/大学・高校生1,000円(800円)/中・小学生生600円(400円)※( )内は前売りまたは20名以上の団体料金。65歳以上は一般団体料金(1,100円)。年齢確認のできるものを受付に提示。障がい者手帳提示で本人と同伴者1名まで無料。※料金は全て消費税込み。
2018年12月24日箱根のポーラ美術館にて、絵画に描かれた「時間」の表現に焦点を当てる「名画の時間」展が、12月8日から2019年3月17日まで開催される。黒田清輝《菊》1912年(大正元) 油彩/カンヴァス絵画作品は時間と共に変化することも動き出したりすることもない。しかし、絵画に描かれた世界にはいくつもの「時間」が表現されている。わずかな時間を閉じ込めた「瞬間」だけでなく、同時代のモティーフを取り入れることで表される特定の「時代」や、文学作品と交わることで生まれる「物語性」など、その表現方法はさまざま。形を持たない「時間」とは、絵画においてどのように表現されるのか。また、近代において大きく変化した時間の概念は、人々の生活だけでなく画家たちの表現にも影響を及ぼしている。同展では、「瞬間」の情景や「時代」の空気、「永遠性」など、絵画における「時間」をテーマに、ポーラ美術館の1万点のコレクションから選んだ珠玉の作品約80点を展覧。形をもたない時間を描くために、画家たちがどのようにモティーフや表現方法を選んだのか、西洋絵画、日本の絵画、版画と幅広いジャンルの作品を通して探る。東信《Drop Time-菊-》2018年 ビデオ ©AMKKまた、特別企画として、フラワーアーティストの東信が、ポーラ美術館収蔵の花の絵画とコラボレーションした映像作品『Drop Time』シリーズを展示。同作は、黒田清輝の『菊』、ピエール・オーギュスト・ルノワールの『アネモネ』、秋の花々を思わせるオディロン・ルドンの『日本風の花瓶』の3点を生花によって再現。さらにその花々を数週間にわたり撮影し花の命の移ろいを記録することで、こぼれ落ちていくような時間を表現した映像作品だ。絵画に描かれた「時間」の表現を、東信によるコラボレーション作品を交えて体感できる機会となっている。【展覧会情報】「名画の時間」展会期:12月8日〜2019年3月17日会場:ポーラ美術館住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285時間:9:00〜17:00(入館は16時半まで)入館料:大人1,800円 シニア割引(65歳以上)1,600円 大高生1,300円 中小学生700円
2018年11月27日ネスカフェ 原宿では、2018年12月4日(火)から25日までの期間限定で「ネスカフェ フォトラテ 飲める美術展」を開催する。ゴッホ「ファンゴッホの寝室」、モネ「睡蓮(1906年)」、葛飾北斎「神奈川沖浪裏」など、著名な画家の作品を描いた全20種類のラテアートが楽しめる本イベント。会場内の特設ブースに作品が展示されるほか、好みの絵画が選べる体験ドリンクメニューも数量限定で販売される。ユニークなラテアートに使用されているのは、ネスカフェが2018年10月にオンラインショップで販売をスタートした、写真やイラスト、メッセージで作るオリジナルのラテアートシート「ネスカフェ フォトラテ」。会場で作品に触発された人は、是非自分オリジナルのラテアート作りにも挑戦してみてはいかがだろう。【開催概要】「ネスカフェ フォトラテ 飲める美術展」開催期間:2018年12月4日(火)〜12月25日(火)時間:11:00〜21:00(ラストオーダー20:30)会場:ネスカフェ 原宿(東京都渋谷区 神宮前 1-22-8)作品展示時間:14:00〜14:10、16:00〜16:10、18:00〜18:10の1日計3回ドリンクメニュー:300円(税込)※「カフェラテメニュー」1杯と展示作品の「ネスカフェ フォトラテ」1枚の体験セット。数量限定。※ドリンクメニューは、開催初日の12月4日(火)のみ14:00から販売スタート。<展示ラテアート作品>(1)フィンセント・ファン・ゴッホ「ファンゴッホの寝室」(2)クロード・モネ「睡蓮(1906年)」(3)葛飾北斎「神奈川沖浪裏」(4)フィンセント・ファン・ゴッホ「自画像(1887)」(5)フィンセント・ファン・ゴッホ「自画像(麦わら帽をかぶったもの)」(6)フィンセント・ファン・ゴッホ「ルーラン夫人ゆりかごを揺らす女」(7)ヨハネス・フェルメール「水差しを持つ女」(8)ヨハネス・フェルメール「信仰の寓意」(9)ポール・セザンヌ「リンゴの籠」(10)ピエール=オーギュスト・ルノワール「2人の姉妹(テラスにて)」(11)ポール・セザンヌ「エスタックから眺めたマルセイユ」(12)エドヴァルド・ムンク「窓辺の少女」(13)クロード・モネ「静物、りんごとぶどう」(14)ポール・ゴーギャン「マハナ・ノ・アトゥア(神の日)」(15)ピエール=オーギュスト・ルノワール「ピアノを弾く婦人」(16)フィンセント・ファン・ゴッホ「糸杉のある麦畑」(17)アンリ・ルソー「獅子座の食事」(18)エドゥアール・マネ「アルジャントゥイユの家の庭のモネの家族」(19)エドガー・ドガ「ダンスレッスン」(20)東洲斎写楽「市川鰕蔵の竹村定之進」※ドリンクメニュー提供作品は、(1)〜(10)。事情により変更される場合あり。
2018年11月25日展覧会「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」が、広島県立美術館にて2019年11月2日(土)から2020年1月26日(日)まで開催される。世界屈指の貴重なコレクションが来日「バレル・コレクション」は、産業革命期に英国随一の海港都市として栄えたグラスゴー出身の海運王ウィリアム・バレルが蒐集した芸術作品のコレクション。多岐にわたるジャンルの作品を集めた、世界屈指のコレクションとされている。76点が日本初公開東京、愛媛、静岡で開催され、広島に巡回する「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」では、9,000点以上にも及ぶ「バレル・コレクション」の中から西洋近代絵画を中心とした73点の作品と、同市のケルヴィングローヴ美術博物館が所蔵するゴッホやルノワールなどの作品7点を展示。全80点の内、76点は日本初公開となる。通常は英国外への作品貸し出しを行わない「バレル・コレクション」だが、現在、改修工事に伴い閉館しているため、日本でのコレクション展示が実現。貴重な名作を通じて、写実主義から印象派への流れに迫っていく。ドガの名作《リハーサル》も初来日中でも注目したいのは、初来日となるエドガー・ドガの《リハーサル》。深みのある色彩で描かれた繊細な雰囲気と、大胆な構図が魅力の《リハーサル》は、2016年にオーストラリアで開催されたドガの大回顧展の図録で表紙を飾った程の名作だ。ドガがバレエという主題に興味を持ちはじめたのは40代から。当時は、パリ・オペラ座の席を年間購入する会員は楽屋や練習風景を見ることができたため、ドガはその特権を利用して多くのシーンを描いた。ドガは他の印象派と違って見たものを直接カンヴァスに描くことはせず、スケッチや写真をアトリエで合成して作品を制作。ドガの計算された構図による、スペクタクルな空間描写は、注目したいポイントの1つだ。また、半透明のチュチュをはじめ、大きな窓、向こう側の見える螺旋階段、床に映った少女たちの薄い影といった要素によって、透明感や軽さが感じられる仕上がりとなっている。その他、ポール・セザンヌの《エトワール山稜とピロン・デュ・ロワ峰》やピエール・オーギュスト・ルノワールの《画家の庭》、ウジェーヌ・ブーダンの《ドーヴィル、波止場》など、戸外の風景や人々の様子を穏やかなタッチで描き出した、印象派の作品が揃う。ゴッホが描いた画商リードの肖像などまた、バレルにフランス美術を紹介した敏腕画商、アレクサンダー・リードをフィンセント・ファン・ゴッホが描いた《アレクサンダー・リードの肖像》が登場。リードは、パリでゴッホの弟テオと同じ職場で働いており、彼ら兄弟と同じアパルトマンでともに過ごしていた。【詳細】印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション会期:2019年11月2日(土)~2020年1月26日(日)開館時間:9:00~17:00※金曜日は19:00まで、入場は閉館30分前まで※11月2日(土)は10:00開場。休館日:年末年始(12月25日(水)~1月1日(水)) ※月曜開館場所:広島県立美術館住所:広島県広島市中区上幟町2-22料金:一般 1,400(1,200)円、高・大学生 1,000(800)円、小・中学生 600(400)円※( )内は前売り、20名以上の団体料金※学生券を購入、入場の際は学生証の提示が必要。※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳及び戦傷病者手帳の所持者と介助者(1名まで)の当日料金は半額。手帳の提示が必要。前売券販売所 : 広島県立美術館、セブンチケット(セブンコード 078-280)、広島市・呉市内の主なプレイガ イド、画廊・画材店、ゆめタウン広島、中国新聞社読者広報部、中国新聞各販売所(取り寄せ)など
2018年11月11日旅するような展示構成 珠玉のコレクションを所蔵していることで知られているモスクワのプーシキン美術館。古代エジプトから近代までの絵画、版画、彫刻を収蔵し、印象派を中心とするフランス近代絵画コレクションは世界屈指と言われています。本展覧会は、プーシキン美術館より“風景画”をテーマにし、初来日となるモネの《草上の朝食》をはじめ、ルソーの《馬を襲うジャガー》のほか、ロラン、ブーシェ、コロー、ルノワール、セザンヌ、ゴーギャンのフランス近代絵画65点が来日します。初夏の爽やかな風が吹き抜ける上野で、巨匠たちが愛した光と色彩が躍る、美しい風景を楽しめる「旅」をどうぞお楽しみください。 風景画の展開 風景画…現在では美術のジャンルとして確立しており、まるで絵画と同時期に誕生したかのように思えますが、クレタ島の宮殿壁画やポンペイの中のフレスコ画を除けば、17世紀まで確立していませんでした。本展覧会の第一部では、17世紀末の神話や聖書の物語を題材にした風景画にまでさかのぼり、19世紀からヨーロッパでは自然主義が主流となった、自然への賛美が感じられる情景を切り取った風景画に触れています。写真(右)のクロード・ロラン《エウロペの掠奪》は、フェニキアの王女エウロペに一目惚れしたゼウスが白い牡牛に姿を変身し、侍女たちと花を摘んでいたエウロペに近づいて、一瞬にして彼女を連れ去ってしまうシーンを描いた作品。暴力的な場面とは対照的に美しい自然が広がっている背景には、風が波を立てる様子や大きな木々、洋上の船などが丁寧に描かれ、理想的な風景が生み出されていますね。 印象派以降の風景画 クロード・モネ《草上の昼食》 1866年 130×181cm 油彩・カンヴァス本展覧会の第二部では、風景画に描かれている場所に着目した構成になっています。19世紀中頃から「パリ大改造」が行われた忙しない大都市パリの街並みや、鉄道網が発達したことからレジャーを楽しみ郊外に目を向けた作品。さらには南フランスや海辺、そして海を渡ってタヒチまで、果ては想像の世界へと、自然豊かな風景を表現しています。こちらはポスターにも使用されているモネの《草上の朝食》。本作品は、当時26歳のモネがみずみずしい感性で描いたもので、銀杏の木から溢れる木漏れ日の表現方、モネの才能溢れるタッチを感じ取れることでしょう。 風景画から読み解く 数々の風景画が教えてくれるのは、神話や聖書の物語をはじめとし、その時代を生きる人々の暮らしだけではなく、情景を切り取った筆跡から、画家自身の個性が読み取れます。また、それぞれの画家が捉えた世界の見方は、私たちに光と影が織りなす世界の美しさを教えてくれることでしょう。是非、多様なスタイルで表現した風景画の旅に出かけてみてはいかがでしょうか。 【情報】 『プーシキン美術館展――旅するフランス風景画』 会期:2018年4月14日(土)~7月8日(日)会場:東京都美術館 企画展示室(東京・上野公園)時間:9:30~17:30※金曜は20:00まで ※入室は閉室の30分前まで休館:月曜日(ただし、4月30日は開室) 【プレゼント応募】本展覧会の無料鑑賞券をプレゼント致します。件名に【『プーシキン美術館展――旅するフランス風景画』『チケットプレゼント】に加え、下記の情報を記入の上、info@pelulu.jp宛にメールにてご応募下さいませ。名前(漢字/カナ)郵便番号住所電話番号Q1:pelulu.jp内で今までで面白かった記事3つをあげるとしたら?Q2:今後pelulu.jpで取り上げて欲しい記事を3つあげるとしたら?応募締切日:6月24日プレゼント当選者は発送をもって代えさせていただきます。
2018年04月28日ヌードの歴史をアートで見る!【女子的アートナビ】vol. 106『ヌード NUDE —英国テート・コレクションより』では、ヨーロッパの芸術家たちが挑み続けているテーマ「ヌード」にスポットをあて、その歴史を絵画、彫刻、写真などの作品で紹介。19世紀の神話画から現代アートまで、英国テート・コレクションが所蔵する珠玉の作品134点を楽しめます。この展覧会、タイトルだけ見るとキワモノ系かと思ってしまいそうですが、内容はいたってまじめ。ヌードは芸術表現としてかなり重要なテーマで、裸体美から性愛表現まで、古くからさまざまな芸術家たちがこの主題に取り組んできました。今回の展示では、日本初公開となるロダンの彫刻作品をはじめ、ピカソやマティスなど巨匠たちの名作も来日。トップクラスの近現代アートを堪能できます。まずは古典的なヌードから最初の展示室では『物語とヌード』というタイトルで、19世紀イギリス、ヴィクトリア朝時代の作品などが並んでいます。裸体表現が許されていなかった当時、古典文学や神話などの物語をテーマにした「歴史画」を描くときだけヌードを描くことができました。とはいえ、あまりにリアルな描写だと怒られたようで、例えばラファエル前派の画家ジョン・エヴァレット・ミレイの作品《ナイト・エラント(遍歴の騎士)》は、木に縛り付けられた女性のヌードが生々しすぎて批判が集中したそうです。続く第2章『親密な眼差し』では、ドガやルノワールなど印象派を中心とした画家たちの作品が展示されています。19世紀後半以降になると、物語や神話に出てくる女性ではなく、入浴中の妻やベッドに横たわるモデルなど、同時代の女性を描いたヌードが登場します。今の時代に見ると、特に刺激的なヌードではないのですが、当時は現実の生活空間にいる女性の裸を絵にすること自体が珍しかったので、スキャンダラスな絵画として扱われたようです。リアルすぎ! エロティック・ヌード同展では時代順に作品が展示されていますが、第4章だけ別格扱い。その名も『エロティック・ヌード』と題され、タイトルでも勝負してきています。この章のメイン作品は、オーギュスト・ロダンの大理石彫刻《接吻》。日本初公開の本作は、情熱的に絡み合っている男女の姿がエロティックに表現されています。この愛し合う2人は、ダンテの『神曲』に登場する人物ですが、道ならぬ恋をしているカップル。1913年に本作がイギリスで一般公開されたとき、「エロすぎる」と騒ぎになりシーツで覆い隠されたという逸話も残っています。こちらの展示室には、ほかにもピカソやターナー、ホックニーなどによる刺激的な作品が勢ぞろい。生々しすぎる性愛場面もあるため写真を掲載できませんが、寝室でのからみや同性愛を描いた現代アートなど、一流の芸術家たちが手がけたエロティシズム表現を薄暗い展示室で心ゆくまで堪能できます。展覧会の後半になると、現代の芸術家たちが手がけたヌード作品も出てきます。ロバート・メイプルソープの肉体美を強調した裸体写真をはじめ、男性ヌードを描いたシルヴィア・スレイの絵画など刺激的かつ挑発的な作品が並んでいます。人種やジェンダーをテーマにしたものや社会的メッセージを含む作品などもあり、ヌードというテーマがひと筋縄ではいかないことがわかります。単にエロティックなだけでなく、奥深いテーマも含まれている『ヌード展』、ぜひ足を運んでみては?Information会期:~6月24日(日)休館日:木曜日、5月7日(月)*ただし5月3日(木・祝)は開館時間:10:00-6:00*ただし、5月11日(金)・6月8日(金)は午後8時30分まで(入館は閉館の30分前まで)会場:横浜美術館料金:一般 1,600円/大学生・専門学校生 1,200円/高校生・中学生 600円*小学生以下無料公式サイト:※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しております。横浜美術館で開催中の『ヌード展』に行ってきました。タイトルだけでもドキドキしますが、実際の展示作品はさらに刺激的♡いったいどれだけスゴイのか、話題の展覧会をレポートします!
2018年04月15日俳優の水谷豊が、21日(10:30~11:00)に放送されるテレビ朝日系番組『プーシキン展開幕SP 水谷豊の絶品名画探訪』に出演し、フランス風景画の魅力に迫る。水谷豊=テレビ朝日提供水谷は14日から開催される「プーシキン美術館展――旅するフランス風景画」のスペシャルサポーターを務めている。そんな水谷が開幕直前の会場・東京都美術館を訪れ、初来日となるモネ「草上の昼食」の他、ルノワール、セザンヌ、ゴーガン、ルソーなど、フランス風景画コレクションの名作を鑑賞。名画に隠されたエピソードや印象派画家の知られざる秘話、風景画と時代背景の密接なつながりなど、「プーシキン美術館展」の魅力に迫る。さらに、アイドルグループの欅坂46に所属し、現役美大生である佐藤詩織が、フレンチの巨匠・吉野建シェフが「プーシキン美術館展」に出展する名画のエッセンスを一皿に込めたフルコースを堪能する。
2018年04月13日フランスの風景画のコレクションが一堂に来日17世紀から20世紀の風景画が来日します。神話の物語や古代への憧憬、あるいは身近な自然や大都市パリの喧騒、果ては想像の世界に至るまで、描かれた時代と場所を軸にフランス近代風景画の流れをご紹介します。様々な情景を舞台にした風景画は、その土地のにおいや太陽の煌めき、風にそよぐ木々や街のさざめきをも感じさせてくれます。クロード・モネ《草上の昼食》1866年© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.なかでも、注目は初来日となるモネの『草上の昼食』。同時代の人物たちとみずみずしい自然の風景が見事に調和しています。印象派の誕生前夜、26歳となる若きモネの魅力溢れる作品です。ほかにもロラン、ブーシェ、コロー、ルノワール、セザンヌ、ゴーガン、ルソーらの作品が集います。初夏の上野で、巨匠たちが愛した光と色彩が躍る美しい風景を巡る「旅」を体感できます。展示構成第1部「風景画の展開クロード・ロランからバルビゾン派まで」1章近代風景画の源流/2章自然への賛美第2部「印象は以後の風景画」3章大都市パリの風景/4章パリ近郊--身近な自然へのまなざし5章南へ—新たな光と風景/6章海を渡って/想像の世界宗教画の背景として描かれていた風景でしたが、17世紀のオランダにおいて「風景画」として独立したカテゴリーになります。フランスの画家たちも次第に関心をしめし、イタリアで目にした古代の移籍や旅先の風景を描くようになります。19世紀に入ると、身近な自然を愛したバルビゾン派の画家たちが人気になります。そして19世紀半ばからは「パリ大改造」が行われ、街並みが大きく変わりました。印象派の画家たちは生まれ語ったパリを歩き、都市の情景を数多く描きます。さらに鉄道網の発達にともない、郊外や南仏の風景を描き、さらには海を渡って、想像の世界へと広がりました。『庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰』ムーラン・ド・ラ・ギャレットはパリのモンマルトルにあったダンスホール。喧騒から少し離れた木陰で楽し気に語らう男女5人が描かれています。後ろ姿の女性はルノワールのお気に入りのモデル・ニ二。その後ろから顔をのぞかせているのは画家のモネです。ピエール=オーギュスト・ルノワール《庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰》1876年© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.『サント・ヴィクトワール山、レ・ローヴからの眺め』エクス・アン・プロヴァンスの近くにあったセザンヌの家の近くから見ることができた。この山はセザンヌが主題にしたモチーフのひとつで、30点以上の油絵と多数の水彩画にしています。ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山、レ・ローヴからの眺め》1905-06年© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.『マタモエ、孔雀のいる風景』1891年、ゴーガンはタヒチ島へ赴きます。タヒチ語のマタモエの意味は議論されてきましたが、ゴーガンはフランス語では「死」というタイトルをつけました。文明化されたヨーロッパ人としての自身の死を示していたと考えられています。ポール・ゴーガン《マタモエ、孔雀のいる風景》1892年© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.『馬を襲うジャガー』アンリ・ルソーの作品は熱帯のジャングルを舞台にしたものが多数あるが、実際に南国に行ったことはなく、パリの植物園でスケッチしたさまざまな植物を組み合わせて、幻想的な風景を作りあげました。アンリ・ルソー《馬を襲うジャガー》1910年© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.展覧会概要会期:2018年4月14日(土)~7月8日(日)会場:東京都美術館企画展示室(東京・上野公園)休室日:月曜日※ただし、4月30(月)は開室開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)夜間開室:金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、朝日新聞社、テレビ朝日、BS朝日、プーシキン美術館、ロシア連邦文化省お問い合わせ先:TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)大阪会場会場:国立国際美術館(大阪・中之島)会期:2018年7月21日(土)~10月14日(日)主催:国立国際美術館、朝日新聞社、BS朝日、プーシキン美術館、ロシア連邦文化省
2018年04月12日話題の展覧会が日本上陸! これまで名だたる西洋芸術家たちが常に向き合ってきた裸体表現。西洋美術では、絵画、彫刻、写真など、あらゆるジャンルでヌードを扱った作品が発表されており、私たちの一番身近なものであるにもかかわらず、論争や批判が起こることもしばしばありました。2016年のオーストラリアを皮切りに、各国に巡回して話題となった展覧会が、いよいよ日本に上陸します!会場には、西洋近現代美術の殿堂である英国・テートの珠玉のコレクションから、19世紀後半のヴィクトリア朝の神話画や歴史画から現代の身体表現まで、およそ200年にわたる裸体表現作品が登場。ピカソ、ルノワール、マティス、ロダン、ジャコメッティ、ジョルジュ・デ・キリコ、マン・レイ、フランシス・ベーコンほか、絵画、彫刻、版画、写真など約134点が登場します。 傑作「接吻」が日本初公開! 19世紀を代表する彫刻家であり、“近代彫刻の父”と称される、オーギュスト・ロダンは、テーマを深く考察して、モデルを徹底的に観察することで、人間の本質を追求しました。今回、日本初公開となる等身大を超える大理石像「接吻」は、制作当初は「地獄の門」の一部として構想されていたんだそう。そんな愛しく抱き合うふたりの姿は、白く磨きあげられた艶やかな肌合いで、大理石の滑らかな光沢とともに、高まる男女の感情による愛の悦びが表現されています。そして、このふたりのモデルとなっているのは、ダンテの『神曲』「地獄篇」に登場する、フランチェスカと義弟・パオロです。悲恋がテーマの本作品…不貞行為をはたらいてしまったふたりは、そこに突然立ち現れた夫・ジョヴァンニに殺されてしまいます。つまりこの「接吻」は、最期の “接吻” となってしまったのです…いつの時代も不貞行為は、何かしらの制裁を受けるのだと学びました。 変化が面白いヌード 私が特に面白いと感じたのは、第7章の『身体と政治性』。1970年代、フェミニズムの意識が高まり、性や人種に対する概念が問われ、ヌードに対する政治的な寛容が明確なりはじめました。また、この時代ではヌード表現に使われるメディアが変化し、フェミニズムの芸術家たちが写真を取り上げる機会が増え、性差による力関係はもとより、芸術とポルノグラフィーの曖昧な境界線に注意を向けようとしています。そして1990年代では、伝統的な女性の役割やアイデンティティーに対して、ユーモアを交えながら真剣な主張を展開する様子が見受けられ、性に対する固定概念を浮かび上がらせると同時に、女性を対象化することの重要な問題にも光を当てています。男性芸術家が女性のヌードを描くというかつての伝統に対して、女性画家たちが男女の身体を描くことで、男性の視点という枠組みを問い直す作品や、ヌードモデル=白人という人種差別や既存の概念を打ち崩してくれる作品など。社会背景が流れていく様子も然ることながら、私たちが思い描いているヌードの解釈が、如何に凝り固まっているものなのか、丁寧に作品と向き合うたびに思い知らされました。 私たちの一番身近なものである “ヌード=裸体” ある時は芸術家として認められるためのツールであり、ある時は現実や自身を写すためのツールであり、ある時は政治や社会に訴えかけるためのツールであり、私たちの一番身近なものである“ヌード=裸体”は、様々な可能性に満ちていることが分かりました。会期中には、学芸員による講演会やギャラリートークだけでなく、ロダンの「接吻」をデッサンするワークショップショップなどが開催されます。是非、お一人様でも、カップルでも、夫婦でも、子供づれでも…会場を巡りながら作品を通じて、その可能性を模索してみてください。 【情報】『ヌード NUDE ―英国テート・コレクションより』会期:2018年3月24日(土)~6月24日(日)会場:横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3-4-1みなとみらい線「みなとみらい駅」徒歩3分)時間:10:00~18:00(5月11日、6月8日は20:30まで)休館:木曜日、5月7日(月)(5月3日は開館)お問合せ:(ハローダイヤル) 03-5777-8600
2018年04月06日六本木の国立新美術館で開催中の『至上の印象派展ビュールレ・コレクション』に行ってきました。ルノワールやモネ、ファン・ゴッホなど誰もが知っている巨匠たちの名作をまとめて見られるゴージャス感たっぷりの展覧会、その見どころをレポートします!ハイレベルな印象派が勢ぞろい!【女子的アートナビ】vol. 104『至上の印象派展ビュールレ・コレクション』では、フランス印象派の画家たちが手がけた名作が勢ぞろい。ルノワールやセザンヌなど巨匠が描いたものでも、さまざまなタイプの作品がありますが、今回は折り紙付き。正真正銘の名画が集まる展覧会です。さらに同展では印象派に加えて、17世紀のオランダ絵画から20世紀のモダン・アートまでの作品64点を展示。その半数が日本初公開なので、見ておかないとたぶん後悔すると思われます。強奪された作品4点も来日!質の高い作品ばかりですが、これらのコレクションはすべてドイツ生まれの実業家、エミール・ゲオルク・ビュールレ(1890~1956)がひとりで集めたもの。大学で美術史などを学び芸術に造詣が深かった彼は、スイスに移住したあと絵画の収集を開始。特に第二次世界大戦後は毎年100点ほどの作品を購入した時期もあり、どんどんコレクションを増やしていったそうです。プレス内覧会では、ビュールレ氏の孫で、E.G.ビュールレ・コレクション財団理事長のクリスチャン・ビュールレさんが出席。そのスピーチで、約10年前に起きた絵画強奪事件について触れました。2008年、ビュールレ氏の個人美術館に武装した強盗が押し入り、セザンヌ、ドガ、ファン・ゴッホ、モネの名画4点を強奪。そのうち2点はすぐに発見されたものの、残りの2点は2012年になってからベオグラードで見つかりました。この事件により、警備上の理由から美術館を閉館することを余儀なくされ、作品は2020年に完成するチューリヒ美術館の新館に移管することに決定。それまでの間、世界各都市で展覧会を開催することになったそうです。日本の展覧会では事件で盗まれた4点の名画すべてが展示されるため、ビュールレさんは「孫である私にとっても忘れられない展示になる」と感慨深げに語っていました。“美しすぎる少女” は必見!それでは、見どころをご紹介していきます。まずは、展覧会のメインヴィジュアルにもなっている必見作品《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》。ピエール=オーギュスト・ルノワールが初期のころに描いた油彩画です。モデルは、裕福なユダヤ人銀行家、カーン・ダンヴェール伯爵の長女イレーヌちゃん。当時8歳だったそうです。E.G.ビュールレ財団館長のグルーアさんによると、ビュールレ氏は1949年にイレーヌさん本人からこの絵を購入したとのこと。すでに77歳になっていた彼女は、作品がビュールレ・コレクションに加わることを喜んでいたそうです。ここからは個人的な感想ですが、ビュールレ氏は工作機械、つまり武器製造で富を築き上げた人で、戦時中はナチス・ドイツも取引相手でした。大戦を生き抜いた絵のモデル、イレーヌさんはユダヤ人であったため、当時相当な苦労をしたことは想像に難くありません。実際、彼女の娘さんは強制収容所で亡くなっています。しかも、イレーヌさんの肖像画は当時その娘さんが所有していたため、ナチス・ドイツにより略奪されてしまいました。戦後はイレーヌさんの元に戻されましたが、そんな経緯を知ると、名画の持つ数奇な運命に複雑な思いを抱かずにはいられません。盗まれたセザンヌも展示!また、ポール・セザンヌの傑作《赤いチョッキの少年》も見逃せません。セザンヌが描いた肖像画のなかでも特に有名な作品です。この貴重な絵画も2008年の強盗事件で奪われた4作品に含まれていました。2012年に同作品がセルビアで発見されたとき、グルーア館長がベオグラードまで引き取りに行ったそうです。「現地の警察本部でこの絵に再会し、そしてほとんど無傷で戻ってきたのを見たとき、いかにホッとしたか、ご想像いただけると思います」と当時の心境を話してくれました。戦争中だけでなく平和な時代でも常に略奪される危険がある名画たち。今、日本でこれらの美しい絵を見られることは一期一会のチャンスなのかもしれません。最後は美しいモネを堪能そして最後の展示室では、クロード・モネの《睡蓮の池、緑の反映》が待っています。高さ2メートル、幅4メートルほどもある大作で、画家が晩年に描いた代表作のひとつです。本作は、門外不出といわれ、スイス以外で公開されるのははじめてとのこと。しかも、撮影もOK。ぜひ記念に撮ってから帰りたいですね。ビュールレ・コレクションとして日本でまとめて鑑賞できるのは、今回の展覧会が最後のチャンス。 東京のあとは、福岡と名古屋に巡回する予定ですので、お近くの会場に足を運んでみてくださいね。Information会期:~5月7日(月)休館日:火曜日(ただし5月1日(火)は除く)時間:10:00〜18:00 ※毎週金・土曜日、4月28日(土)~5月6日(日)は午後8時まで(入場は開館の30分前まで)会場:国立新美術館企画展示室1E料金:一般 1,600円/大学生 1,200円/高校生 800円/中学生以下無料公式サイト:
2018年03月27日「プーシキン美術館展――旅するフランス風景画」が、上野の東京都美術館で2018年4月14日(土)から7月8日(日)まで、大阪・国立国際美術館で2018年7月21日(土)から10月14日(日)まで開催される。ロシアのモスクワにあるプーシキン美術館は、珠玉のフランス絵画コレクションを誇る美術館。特に、19世紀後半から20世紀初頭にかけて収集された近代絵画は、世界的に見てもハイクオリティーな名作が揃う。今回開催される「プーシキン美術館展――旅するフランス風景画」では、クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、ポール・セザンヌ、ポール・ゴーガンといった画家達による、17世紀から20世紀の風景画65点が来日。神話の世界やパリ、想像上の風景に至るまで、様々な土地を舞台に描かれたフランス近代風景画を展示する。クロード・モネ《草上の昼食》初来日モネの《草上の昼食》が日本初公開。自然の中で人々が休憩し、食事を楽しむ風景を、柔らかな色彩と巧みな光の表現でみずみずしく描いた19世紀後半の作品だ。このような風景は18世紀のロココ美術においても好まれたテーマであり、当時の風景だけではなく、伝統的絵画も視野に入れながら制作されたことがうかがえる。その他、パリ近郊のジヴェルニーにモネがつくりあげた「水の庭」に浮かぶ睡蓮を描いた《白い睡蓮》も登場。清々しい自然を思わせる木々や水面の表現が印象的だ。ギリシア神話や古代の背景ギリシア神話の一場面の背景として描かれた、クロード・ロランの《エウロペの掠奪》。澄み渡る青空を背景に繰り広げられるのは、白い牡牛に姿を変えたゼウスによる王女エウロペの“連れ去り”。穏やかな風景と裏腹に、暴力的なシーンを切り取った作品だ。古代ギリシア・ローマ時代の遺跡に残る、ポセイドン神殿を描いたのはユベール・ロベール。《水に囲まれた神殿》では、躍動的に描かれた人々や、奥行きのある推移麺の表現が、神殿の存在感を際立たせている。パリの風景パリにあるサン=ミシェル橋を俯瞰したアルベール・マルケの《パリのサン=ミシェル橋》は、落ち着いたトーンの色調と、対象物をデフォルメすることによって生まれる味わい深さが感じられる作品。街の風景を詩情豊かに描いている。ルノワールの《庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰》は楽しそうに語り合う男女を描いた穏やかな絵画。タイトルのムーラン・ド・ラ・ギャレットはパリの大衆的なダンスホールだが、描かれているのは喧騒から少し離れた木陰だ。人々も自然も優しいタッチで描かれており、幸せな時の流れを感じられる作品だ。異世界への旅ゴーガンが原始的な暮らしを求めてタヒチへ渡った際に描いた《マタモエ、孔雀のいる風景》。穏やかに暮らす孔雀や人の様子を、ビビッドな色使いによって暖かく表現。文明と離れた、プリミティブな暮らしが見て取れる。熱帯のジャングルを舞台にしたアンリ・ルソーの《馬を襲うジャガー》。野生動物の凄惨な場面であるにも関わらず、周りを取り囲む植物が青々と茂る様子や、澄んだ青空によって、まるで楽園のような幻想的な雰囲気が漂う作品となっている。開催概要プーシキン美術館展――旅するフランス風景画■東京会場会期:2018年4月14日(土)~7月8日(日)場所:東京都美術館 企画展示室住所:東京都台東区上野公園8-36休室日:月曜日(ただし、4月30日は開室)開室時間:9:30~17:30 ※金曜は20:00まで、入室は閉室の30分前まで料金:一般 1,600(1,400)円、大学生・専門学校生 1,300(1,100)円、高校生800(600)円、 65歳以上 1,000(800)円※()内は前売・20名以上の団体料金、中学生以下は無料※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳持参者とその付添いの1名までは無料。※4月18日(水)、 5月16日(水)、 6月20日(水)はシルバーデーにより、 65歳以上は無料。毎月第3土・翌日曜日は家族ふれあいの日により、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住、2名まで) は一般当日料金の半額。(いずれも証明できるものの持参必須)※都内の小学・中学・高校生ならびにこれらに準ずる者とその引率の教員が学校教育活動として観覧するときは無料(事前申請が必要)。問い合わせ先TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)■大阪会場会期:2018年7月21日(土)~10月14日(日)場所:国立国際美術館住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55開室時間:10:00~17:00 ※金曜・土曜は21:00まで、入室は閉室の30分前まで料金:一般 1,500(1,300)円、大学生 1,200(1,000)円、高校生600(500)円※()内は前売および20名以上の団体料金。※中学生以下無料(要証明)。※心身に障害がある者とその付添いの1名までは無料(要証明)。※前売販売期間は5月21日(月)~7月20日(金)。※チケット購入時に手数料がかかる場合あり。※国立国際美術館では前売券の取扱いなし。問い合わせ先TEL:国立国際美術館 06-6447-4680(代表)・期間限定 早割ペア券 2枚で2,000円販売期間:4月21日(土)~5月20日(日)販売場所:展覧会公式サイト、ローソンチケット、チケットぴあ、セブンチケット、イープラス、CNプレイガイド・500セット限定 モネ《草上の昼食》パスケースセット前売券 1,600円販売期間:5月21日(月)~7月20日(金) ※なくなり次第終了販売場所:ローソンチケット※パスケースは展覧会会期中、大阪会場特設ショップでの引き換え。会場内特設ショップでの販売はなし。・風景画の旅 特別セット前売券 3,800円販売期間:5月21日(月)~7月20日(金)販売場所:ローソンチケット
2018年02月04日「至上の印象派展ビュールレ・コレクション」が2月14日(水)から5月7日(月)まで東京・国立新美術館にて開催される。至上の印象派展 ビュールレ・コレクション チケット情報絵画収集に傑出したコレクターであったスイスの大実業家エミール・ゲオルク・ビュールレ(1890-1956年)のコレクションを紹介する本展。絵画史上、最も有名な少女像ともいわれるルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》や、スイス国外に初めて貸し出されることになった4メートルを超えるモネ晩年の睡蓮の大作など、近代美術の精華といえる作品約60点を展示し、その半数は日本初公開となる。そこで自身初の音声ガイドナビゲーターを務める俳優・井上芳雄に、収録を終えての感想を聞いた。「読んでいて楽しかったです。僕が読むからそうしてくださったのかわからないですが、ときどき画家の言葉がセリフのように挟み込まれているので、そこはちょっとお芝居するような感じで読ませてもらったりして」と井上が言うように、音声ガイドで紹介するのはルノワールやセザンヌ、モネ、ファン・ゴッホなど展覧会に揃う作品の画家たちのストーリー。「もちろん主役は絵画なので、僕の個性を出すよりはプロのアナウンサーのようにと思って読みました。だけどその中でも(ガイドで)その世界に入り込めるほうが見やすいんじゃないかなということは、やってて思いましたね。一瞬、描いた人が喋り出したのかなってくらいの…錯覚というかマジックがあったほうがいいのかなって。舞台もそうですけど、いかにその世界に入り込むかが面白みであり楽しさであると思うので」。本展の魅力について「絵画自体と絵画の変遷で、二度楽しめます。(ひとりの画家の作品展ではなく)誰かのコレクションがくるというのは、そういう意味で面白いことだなと思いました」と井上。中でも絵画の変遷は演劇との共通点を感じたといい「最初はきっと物を正確に描くことがメインだったと思うのですが、『それだけじゃ面白くない』と違う形で表現する発想とか、それをやり始めた人の困難もあっただろうし、それが認められるようになったり、ビュールレのような人が買うことでも発展したでしょうし…。表現にはこんなに選択肢があって、いろんなトライをしてきた人がいるんだって思うとすごく面白いことだなって。演劇との共通点も感じました」。「舞台もそうですけど、生の迫力ってやっぱり違うと思うんですよ。特に油絵なんかは『こんなに絵の具を塗ってるんだ』とか、大きさとか、質感とか、生で見ないとわからないし」(井上)。そんな本物ならではの迫力を味わえる展覧会。音声ガイド(一台 520円/税込)と共にぜひ堪能して!取材・文:中川實穂
2018年02月01日ヘルシーフレンチで学ぶテーブルマナーテーブルマナーが学べるのは、ホテル インターコンチネンタル 東京ベイにあるレストラン『ラ・プロヴァンス』です。数々の国際的なコンクールで受賞を果たした吉本憲司料理長による南フランスの伝統的な料理を現代風にアレンジした“ヘルシーフレンチ”を楽しめます。その中でも人気なのが、「プロから学べる テーブルマナープラン」です。「鮮やかさ」「自然の恵み」「美味しい」を感じられるヘルシーフレンチを食べながら気軽にテーブルマナーを学べます。普通の食事と同様にいただきながら、サーブの都度にかんたんなレクチャーが入るスタイルなので、「いまさら聞けない」基本的なことも、遠慮なく聞けるチャンスです。料理はヘルシーフレンチのコース料理内容はスタンダードとアップグレード、2つのコースから選べます。さらにグラスワインが赤・白1杯ずつ付いたプランもあるので、ワインの飲み方や扱い方も同時に学ぶことができます。この日いただいたのは「ランチスタンダードコース〜Bellet ベレ〜」。お店の名前にもあるプロヴァンス地方は、セザンヌ、ルノワール、ゴッホといった数々の著名な芸術家が晩年に移住して名画を生み出した土地です。「パレット・アート・オードブル~芸術家が愛した南仏プロヴァンスより五種の味覚~」は、彼らが愛したプロヴァンスの郷土料理を塩味、酸味、苦味、甘味、旨味、5つの味覚で表現し、パレット型のお皿に描写されています。前菜の「カンパチのミルフィーユ」はカンパチ、アボカド、サワークリーム、トマトのソルベ、トマトのジュレがミルフィーユのように層になっています。「マッシュルームのポタージュ」季節のきのこが入ったラビオリと、マッシュルームの泡で構成されたスープです。メイン「仔牛のポワレ」は香味野菜の入ったマディラ酒のソースで楽しみます。コースの締めには、ワゴンに乗ってサーブされるお楽しみのデザートを。お好みでコーヒーまたは紅茶と一緒にめしあがれ。また、すべてのコース共通で乾杯酒としてロゼスパークリングワインがグラス1杯ついています。※メニュー内容は、季節によって変わます料理を楽しみながらマナーを学べる!しっかりとしたフレンチを食べながらプロにマナーを学べます。ナイフ・フォーク・スプーンなどの使い方、お皿の用途などの説明はもちろん、ワインの楽しみ方、レストランへの予約の仕方や当日のオーダーの仕方(料理、ドリンク)、会計方法まで熟練スタッフからアドバイスを受けられます。例えばスープの食べ方についてのレクチャーでは、英国式と仏式の違いや、スープの量が少なくったときにどのように飲めばいいかなどを学ぶことができます。料理のサーブを受けるごとに「外側からナイフとフォークをお取りください」のように教えてもらえるので、自然にマナーを習得できます。マナーに自信がなくて行きたいお店に足を運ぶ勇気が出ない。そんな人はぜひまずはラ・プロヴァンスのテーブルマナープランで美味しく楽しく基本を教わってみてはいかがでしょうか。文・ツチヤトモイスポット情報スポット名:ファインダイニング ラ・プロヴァンス住所:東京都港区海岸1-16-2 ホテルインターコンチネンタル東京ベイ1F電話番号:03-5404-7895
2017年12月04日ふだん美術に興味がない人でも、モネやルノワール、セザンヌ、マネ、ファン・ゴッホなどの名前は聞いたことがあるだろう。加えてドガ、ゴーギャン、ピカソといった“超スター級”の画家の作品が集結する夢のような展覧会が、この『至上の印象派展 ビュールレ・コレクション』だ。スイスの実業家エミール=ゲオルク・ビュールレ(1890~1956年)が収集した、世界有数のプライベート・コレクション。まとまって来日するのは実に27年ぶりのことで、2020年にはチューリヒ美術館に移管されることが決まっていることから、その全貌を日本で見られるのは、これが最後のチャンスとなる。その記者発表会が7月12日、東京の会場となる六本木の国立新美術館で行われた。至上の印象派展 ビュールレ・コレクション チケット情報会見では、在日スイス大使館公使のピーター・ネルソン氏が「スイスにとっても重要なコレクション」と、本展の内容が国家レベルであることに言及。続いてE.G.ビュールレ・コレクション財団館長のルーカス・グルーア氏が登壇し、門外不出といわれてきたモネの《睡蓮の池、緑の反映》が日本初公開となることが明かされた。同作品はモネが描いた一連の睡蓮作品のなかでも、高さ2メートル、幅約4メートルもの大きさを誇る大作。モネの死後、アトリエに保管されていたものを、ビュールレが自分の目で見て購入を決めた作品で、モネの最高傑作のひとつと言われている。その後、国立新美術館主任研究員である山田由佳子氏が、本展の構成を解説。テーマごとに分けられた各セクションの中でも、同コレクションの中核を成す印象派とポスト印象派の作品を展示するチャプター4から7は、美術ファン垂涎の傑作が並んでいる。「背景の深緑の茂みがあどけない少女の表情を浮き立たせている」(山田氏)ルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》。近代美術の金字塔といわれるセザンヌの《赤いチョッキの少年》や、マネが印象派への興味を深めていったことを示す《ベルビュの庭の隅》、のちの点描のような筆致がうかがえるモネの《ジヴェルニーのモネの庭》。さらにファン・ゴッホ、ゴーギャン、ピカソ……と、本展の見どころを語れば枚挙にいとまがない。同展は東京・国立新美術館(2018年2月14日(水)~5月7日(月))で開催後、九州国立博物館(同5月19日(土)~7月16日(月・祝))、名古屋市美術館(同7月28日(土)~9月24日(月・祝))でも開催の予定だ。繰り返すが、同コレクションの中から約60点もの傑作がそろって来日するのは正真正銘、これが最後。しかもその半数が日本初公開というのだから、この機会にぜひ目にしておくべきだろう。チケットぴあでは、東京開催分のペアチケットを10月12日(木)午前10時より発売。取材・文佐藤さくらAll images:(c)Foundation E.G. Buhrle Collection、Zurich (Switzerland) Photo: SIK-ISEA、Zurich (J.-P. Kuhn)
2017年10月12日こんにちは、諸戸佑美です。秋の気配を感じる季節になりましたね。『DRESS』読者の方々は、芸術・美術・アート・美しいものに関心を寄せる人が多いと思います。今回は、芸術の秋特集と銘打って映画『セザンヌと過ごした時間』をPICK UP!ピカソに「我々の父」、マティスに「絵の神様」と崇拝された近代画家の父ポール・セザンヌ。りんごを描いた静物画や風景画は、日本でも広く愛されていますが、セザンヌが現在の不動の評価を得たのは亡くなった後のことでした。太陽の日差しが降り注ぐ南仏プロヴァンス、芸術の都パリを舞台に、不遇の天才画家と不朽の名作「居酒屋」「ナナ」で有名な小説家ゾラとの人生を導く出会いと友情、創造の軌跡。美術コレクターでもあるダニエル・トンプソン監督が、本物のゾラ邸やセザンヌ邸でも撮影を行い、ドラマチックな史実をもとについに映画化。ぜひ、お楽しみいただければ幸いです!©YUMIMOROTO■映画『セザンヌと過ごした時間』あらすじ――南仏プロヴァンス〜芸術の都パリ。画家セザンヌと小説家ゾラ、友情と創造の実話!少年時代に出会ったセザンヌとゾラの絆は、境遇こそ違いますが共に成長し、芸術家になる夢で結ばれていました。初めての出会いは、1852年南仏エクス・アン・プロヴァンスでの中学校時代。貧しいよそ者として学校でいじめられていたゾラをセザンヌが助け、ゾラがお礼にとひと籠のりんごを贈ったのがきっかけでした。セザンヌは裕福な銀行家の息子、パリ生まれのゾラは、イタリア人技術者だった父を幼い頃に亡くし、母とふたり暮らしという境遇でした。その後、セザンヌはりんごの画家とも言われるほど生涯で多くの静物画を制作。「りんごひとつでパリを驚かせたい」としばしば口にしていたのは有名で、男同士の友情に心温まります。仲良くなった彼らが南仏の陽光の中で野山を戯れる光景は、その後の波乱に満ちた人生への忘れ得ぬ懐かしい思い出として印象的です。詩人を目指してひと足先にパリに出たゾラは、小説家としてのデビューを果たします。一方、セザンヌも画家を志しパリで絵を描き始め、アカデミーのサロンに応募するのですが、落選ばかりの創作の日々。巨匠にもこんな時期があったのかと興味深いです。その頃、セザンヌはゾラとともに、ピサロやモネ、ルノワールなどの新世代の画家たちと交流するようになり、その様子が見事に再現され、美術ファンにとっては見どころのひとつでしょう。やがてゾラは、1877年に出版した「居酒屋」が大ベストセラーとなり栄光の階段を上り、セザンヌは父親からの仕送りも断たれ、転落していきます。何もかもが正反対の状況になってしまったふたり。当然のようにギクシャクした関係となるのですが、ひたすら孤独に描き続けるセザンヌを支えたのは、ゾラの心のこもった手紙や援助でした。しかし、1886年ある画家の悲劇を描いたゾラの新作小説「制作」が発表され、セザンヌとゾラの友情に大きな変化をもたらすことに……。晩年、いかにセザンヌが近代画家の父と呼ばれるようになっていくのか、最後まで見逃せません!■フランス実力派俳優ギヨーム・ガリエンヌとギヨーム・カネの熱き競演!セザンヌには、自伝的な舞台を脚色・監督し2役で主演した『不機嫌なママにメルシィ!』がセザール賞作品賞を含む主要5部門に輝き、今やフランスで絶大な人気を誇る俳優ギヨーム・ガリエンヌが抜擢。ゾラには、『君のいないサマー・デイズ』『戦場のアリア』のギヨーム・カネが、落ち着いた小説家ゾラの人物像を深みをもって繊細に演じ、フランス実力派俳優の熱き競演に心躍ります。芸術家の喜びや苦悩をくっきりと浮かび上がらせ、セザンヌの絵画にも多く登場するサント・ヴィクトワール山などの南仏プロヴァンスの美しい風景、そしてパリに集う印象派の画家たちを見事に映像に再現して素晴しいです!観ているだけで、印象派の絵の中に惹き込まれるような感覚になれる、アート映画の決定版ともいえる作品です。嗚呼、フランス旅行に行きたくなりますね!■近代画家の父、ポール・セザンヌ(1839-1906)についてセザンヌは、モネ、ルノワールら同世代の画家から評価されただけでなく、20世紀を代表するピカソやマティスらに多大な影響を与えた画家として近代絵画の父と呼ばれています。セザンヌが影響を与えた芸術運動で最も有名なものがキュビスムでしょう。セザンヌの「自然を円筒、球、円錐によって扱う」「多視点」と呼ばれる表現方法は、ピカソがキュビスムのような斬新な表現に取り組むきっかけとなりました。ピカソは、セザンヌのことを「彼は私たち皆の父親のようなものでした」と語っています。セザンヌは、1895年、50歳代に入ってから開催した個展でようやく評価されるようになり、次世代の画家たちからも支持を得るようになりました。美術批評家のタデ・ナタンソンに「りんごの画家」と称賛され、セザンヌが描くりんごは心を奪われるようなかたちと色彩を持った美しいりんごだと評されました。彼の芸術が、多くの画家の着想の源となり、新たな絵画の表現の出発点となったことから、セザンヌは「近代絵画の父」と呼ばれるようになったのです。■ユーラシア旅行社にて映画公開記念ツアーも企画されています!2018年4月4日(水)発「フランス周遊、珠玉の世界遺産とプロヴァンスの村々へ13日間」ユーラシア旅行社にて2018年春出発!映画公開記念ツアーの企画もございます!セザンヌの生まれ故郷エクス=アン=プロヴァンスやパリへ。セザンヌの終の住処となったエクサンのアトリエも見学します。南仏から大西洋岸、北部、首都パリ、地方の村々までフランスの魅力を堪能する旅、素敵ですね。最小催行人員13名(最大20名)詳細は下記のサイトから資料をご請求ください。(国名のところに「WFY3希望(セザンヌの映画のサイトを見て)」とご記入頂ければ幸いです)映画公開記念ツアー案内ホームページ【旅行のお問い合わせ】株式会社ユーラシア旅行社ヨーロッパ担当03-3265-1640(平日10時~18時)出典:■映画『セザンヌと過ごした時間』作品紹介9月2日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国ロードショー近代絵画の父ポール・セザンヌ没後110年製作公式ホームページ©2016 – G FILMS –PATHE – ORANGE STUDIO – FRANCE 2 CINEMA – UMEDIA – ALTER FILMS原題:Cezanne et moi監督:ダニエル・トンプソン製作:アルベール・コスキ脚本:ダニエル・トンプソン撮影:ジャン=マリー・ドリュージュ編集:シルビ・ランドラ衣装:カトリーヌ。ルテリエ音楽:エリック・ヌブー製作国:フランス製作年:2016年映倫区分:G配給:フランス上映時間:114分■映画『セザンヌと過ごした時間』キャストギョーム・ガリエンヌ=ポール・セザンヌギョーム・カネ=エミール・ゾラアリス・ポル=アレクサンドリーヌ・ゾラテポラ・フランソワ=オルタンス・セザンヌフレイア・メーバー=ジャンヌセピーヌ・アゼマ=アンヌ・エリザベート・セザンヌイザベル・カンディエ=エミリー・ゾラローラン・ストーケル=アンブロワーズ・ヴォラール
2017年09月27日ファッションや映画など多様な文化を滋養にして、美しくしなやかに生き方を主張するパリジェンヌたち。世田谷美術館で開催する『ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち』のキャッチコピーも「『パリジェンヌ』は流行じゃなくて、生き方です!」とある。アメリカ・ボストン美術館所蔵のマネやドガ、ルノワールなど印象派の絵画のほか、写真やイラスト、服飾資料なども展示し、多角的に“パリジェンヌ”の源泉をたどる本展。その記者発表会が9月5日、三軒茶屋の世田谷文化生活情報センターで行われた。【チケット情報はこちら】会見では世田谷美術館・学芸部主査の塚田美紀氏が登壇し、5つのチャプターに分けられた本展について解説。チャプター1では、ルイ14世の死去により、文化の中心がヴェルサイユから、裕福な市民のサロンがあるパリへと移行する様子を紹介。技巧を凝らしたドレスや、日本の有田焼まで取り入れたティーセットも展示される。チャプター2では、フランス革命後、19世紀に見られた女性への視線が示される。小説家として活躍するような進歩的な女性も当時は登場していたが、フラゴナールの『良き母親』に見られるように「パリジェンヌの実態というよりは、社会的に期待されたイメージ」(塚田氏)が数多く描かれた。チャプター3では、19世紀半ばにパリの街の大改造が行われたことで、市民の消費も拡大。パリジェンヌのモードが発展を遂げ、ついには世界中で注目を浴びるに至った様子が示される。サージェントの『チャールズ・E.インチズ夫人』は、パリジェンヌ風のドレスに身を包んだアメリカの女主人を描いた名作だ。続くチャプター4では、いよいよ19世紀後半にルノワールやドガら印象派の巨匠たちの作品が登場する。中でも注目は、マネの大作『街の歌い手』。今回は約70年ぶりの修復後、初の公開となる。その後も画家たちのミューズとなった多くの女性たちや、カサットやモリゾなどの女性画家、またサラ・ベルナールら女優の台頭によって、パリジェンヌの名声は高まってゆく。チャプター5では、20世紀に入ってのカルダンやバレンシアガのドレスや、踊り子のイラスト、モデルや女優の写真までを紹介。5つのチャプターをたどることで、パリジェンヌが後世の文化にいかに影響を与えたかを改めて感じられる内容になっている。本展は2018年1月13日(土)から4月1日(日)まで東京・世田谷美術館で開催。その後は4月11日(水)から6月10日(日)まで広島・広島県立美術館にも巡回予定。取材・文佐藤さくらPhotographs(C)Museum of Fine Arts, Boston
2017年09月19日女子的アートナビ番外編、今回はパリで超有名な美術館のひとつ、オルセー美術館の取材レポをお届けします!もとは〇〇だった!【女子的アートナビ】番外編オルセー美術館は、パリ左岸、セーヌ川沿いにあります。もとは駅だった場所を使っているので、建物や内部もちょっと独特。あとで館内の写真もお見せしますが、駅の風情も感じられるステキな空間になっています。こちらは入り口の写真。時刻は開館30分前の9時ですが、すでに人が並び始めています。現在、パリではテロ防止のため、美術館や教会等の施設に入る際、手荷物検査やボディーチェックが行われています。特に人気の美術館では、入場までに30分以上待つこともあるので、朝一番や閉館前など比較的空いている時間帯に行くと入りやすいです。空間がとってもおしゃれ♡それでは、館内に入ります!オルセー美術館はルーヴル美術館、ポンピドゥー・センター(国立近代美術館)と並ぶパリ三大美術館のひとつ。主に1848年から1914年までの西洋美術作品が展示されています。1900年のパリ万博にあわせて建設された駅舎を再利用しているので、丸天井の空間がそのまま残されていて開放感たっぷり。装飾などもおしゃれです!大人気の印象派ギャラリーへ館内は3つのフロアにわかれているので、まずは最上階の5階にある印象派ギャラリーから鑑賞スタート。モネ、マネ、ルノワールやシスレー、セザンヌなどなどの超有名な作品かズラリと並んでいます!オルセー美術館の展覧会は日本でもたびたび開かれているので、何度か目にしたこともある絵画も展示されていますが、やはり現地で見るのは格別。上の写真はエドゥアール・マネの傑作《草上の昼食》です。こんな名画、なかなか日本では見ることができません!この作品は4人の男女が森の中でピクニックをしている場面を描いたものですが、男性たちはスーツにネクタイまでつけているのに、手前にいる女性はヌード。しかも現実世界にいる女性のようです。当時、ヌードは神話世界に出てくる女神を描くのが一般的だったので、この絵は「下品だ!」とかなり批判を浴びたようです。2階にはゴッホの人気作も!2階にあるゴッホとゴーガンの展示室にきました。やはりゴッホの人気は絶大!人が集まり、熱気ムンムンです。こちらはゴッホの《星月夜》。ローヌ川の左岸からガス灯がきらめくアルルの街の夜景を描いたもので、青と黄色のコントラストがとてもきれいです。画家自身も愛着を持っていた作品で、オルセーのなかでも人気作のひとつです。このほか、2階ではスーラやシニャックなど新印象派の絵画やロダンなどの彫刻、アールヌーヴォーの家具なども見ることができます。熊もヌードも見られる地上階へ!地上階に降りてきました。ここには、ロダンの弟子、フランソワ・ポンポンの彫刻《白熊》があります。シンプルな造形なのに、すごい熊っぽくて愛らしさ満点!来館者にも大人気の作品です。こちらはマネの《オランピア》。古典的な絵画の構図をまねていますが、横たわる女性は現実世界の娼婦として描かれています。先ほどご紹介した《草上の昼食》と同じく、この絵も当時は大ブーイングを受けたそう。これらの問題作品も、今では近代絵画の傑作といわれています。私はマネが好きなので、ご紹介作品が偏ってしまいましたが、オルセー美術館にはほかにもクールベやナビ派、ロートレックの絵画などまだまだ多くのすばらしい作品があります。館内にはおしゃれなカフェやレストランもあるので、休憩しながら丸一日滞在するのがおすすめです。ミュージアムショップもすごい!ミュージアムショップは美術館を出たところにあります。オルセー美術館の所蔵作品をモチーフにしたステーショナリーや食器、スカーフなどがいっぱい!思わず買ってしまったのが、ポンポンの《白熊》ミニチュア版。小さくてもかわいい!ゴッホの《星月夜》がプリントされたマイクロファイバーも入手。発色がきれいです。夕刻、美術館を出ると、入り口にはまだ人が並んでいました。ふだんは18時閉館ですが、木曜日だけは21時45分までOK。なので、木曜夜に訪れると入りやすいかもしれません。オルセー美術館は作品だけでなく、駅舎を利用した建物も、レストランのランチもショップのグッズも何もかもがステキでした。パリに行く機会があったら、ぜひぜひ足を運んでみてくださいね!※本記事の写真はオルセー美術館の許可を得て撮影・掲載しています。
2017年09月12日ポーラ美術館開館15周年を記念する特別展「100点の名画でめぐる100年の旅」が2017年10月1日~2018年3月11日の期間で開催されます。ポーラ美術館のコレクションから選ばれた名画「ベスト100」が、テーマごとに展示されるこの美術展は、近代100年の美術の流れ、歴史のダイナミズムを体感できるまたとない機会です。時が流れ、美術も動く今年で開館15周年を迎えるポーラ美術館が、特別なコレクション展を開催することになりました。ポーラ美術館は、硝子工芸や東洋陶磁、化粧道具など多岐に亘るコレクションを誇ります。そして絵画コレクションは、19世紀から20世紀にかけて活躍した画家たちの作品を中心に収集されています。今回の特別展では、その貴重なコレクションの中から、ポーラ美術館が選ぶベスト100、西洋絵画71点と日本の洋画29点の名作が、芸術運動(ムーブメント)、主題や時代といった20のテーマごとに展示されます。19世紀半ばから20世紀へのおよそ100年間の、西洋と日本の近代絵画の流れを旅をするように見ることができる贅沢なコレクション展で、歴史のダイナミズムを感じましょう。●展覧会のみどころ●まるで歴史の教科書!ポーラ美術館のコレクションから名作絵画ベスト100を一堂に紹介近代美術史上重要な画家の作品を、体系的に収集しているポーラ美術館のコレクション。モネやルノワール、セザンヌ、ピカソ、そしてマティスのコレクションは、日本で最多です。また、日本の洋画コレクションも充実しています。開館15周年記念展では、西洋と日本の洋画が美術史上めまぐるしく展開した19世紀から20世紀にかけての100年間をコレクションでたどります。●近代100年を名画でめぐる時間の旅1860年代から1970年代に制作された西洋絵画と日本の洋画計100点を、制作年代に沿った20のテーマに分けて展示する本展。産業革命や万国博覧会、さらに二度の世界大戦に翻弄されたこの100年で、社会は大きな変化を遂げました。そんな歴史のダイナミズムを、100点の名画を通して体感できるのが、今回のコレクション展です。●この絵が名画である理由―一点一点の魅力を楽しむベスト100に選ばれた名画は、それぞれたくさんの見どころを持つ作品ばかり。会場では、各界で活躍する17名の方から寄せられた「この絵が名画である理由」というコメントが紹介されています。多彩な視点で寄せられたコメントから、作品の新たな魅力に気づけるかもしれませんね。●巨匠たちがいざなうタイムトラベル1860年からおよそ100年のあいだに描かれた名画を、時代の流れに沿い、テーマごとに展示する本展。その20のテーマと展示作品の一部をご紹介します。1)大自然を歩く―印象派前夜(1860-1870年代)2)雲と煙―モネとモダニズム(1870年代)3)人物の研究―セザンヌとドガ(1870年代)4)光を描く―モネからスーラ(1880年代)5)美しき女性たちーマネとルノワール(1880年代)6)カンヴァス上のサムライたちー日本近代洋画の黎明(1880年代)7)印象派の向こう側ーポスト印象派の挑戦(1890年代)8)モネ、水の世界へ(1890年代)9)1900年ー時代は動き、芸術が変わる(1900年)10)色とかたちの冒険ーフォーヴとキューヴ(1900-1910年代)11)Boujour 巴里ーパリと日本の画家たち(1910年代)12)美の共演ー女性像にみる西洋と日本(1910-1920年代)13)薔薇とキャベツー静物画の魅力(1920年代)14)描かれた日本のエレガンスー洋画の美人画(1920年代)15)パリに集う異邦人たちーエコール・ド・パリの肖像(1920年代)16)魔術的芸術の魅惑ーシュルレアリスムのひろがり(1930年代)17)実りの季節ーマティスとピカソ(1930-1940年代)18)画家たちと戦争ー揺れる時代の絵画(1940年代)19)戦後の絵画ー写実と抽象のはざまで(1950年代)20)それぞれの宇宙ー描かれた幻想(1960年代)いかがでしたか?展示される名画の一部とテーマからも、この展覧会の濃密さを感じていただけたのではないでしょうか。秋の訪れとともにはじまるこの特別展で、近代芸術の名品を堪能しましょう。【展覧会概要】名称:ポーラ美術館開館15周年記念展「100点の名画でめぐる100年の旅」会期:2017年10月1日(日)~2018年3月11日(日)会場:ポーラ美術館所在地:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285電話:0460-84-2111URL:
2017年08月31日2017年夏、アメリカ屈指の大美術館から古今東西の名作が来日!ゴッホの話題作2点も見られる注目の展覧会『ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション』に行ってきました!『ボストン美術館の至宝展』へ!【女子的アートナビ】vol. 82同展で紹介されているのは、古代エジプト美術や中国・日本美術、フランス・アメリカの絵画、さらには写真・版画や現代美術などの作品80点。ボストン美術館が誇る “珠玉の名品” がそろっているということで、期待を胸にプレス内覧会に潜入です!入り口の説明によると、この展覧会ではボストン美術館のコレクション収集に貢献したコレクターたちにも焦点をあてながら、作品を紹介しているとのこと。1870年に設立されたボストン美術館は、設立当初から公的資金に頼らず、個人コレクターやスポンサーからの寄贈などによってコレクションを形成。19世紀から20世紀の初頭には、冒険心のあるボストニアン(ボストンゆかりの人)たちが異国を旅して美術品を収集したそうです。慈善活動によって築き上げられたコレクションは、現在50万点近くにのぼるとのこと。ボストニアンたちの思いが詰まった大切な作品群を日本に貸してくれるなんて、ありがたいです!こちらは古代エジプト美術の展示室。《ツタンカーメン王頭部》をはじめ、ジュエリーやレリーフなどの名品11点を見ることができます。日本美術も充実!ボストン美術館の日本美術コレクションは、「世界でもっとも重要なコレクションのひとつ」といわれるほど質・量ともに充実。今回の展示室にも、野々村仁清の工芸品から曾我蕭白(そがしょうはく)、与謝蕪村、喜多川歌麿の絵画まで、見ごたえある作品が並んでいます。そのなかでも注目したいのが、英一蝶(はなぶさいっちょう)の巨大な《涅槃図(ねはんず)》。江戸時代に描かれた仏画の代表作で、高さが約2.9メートルもあります。涅槃図とは、お釈迦様がこの世から離れるときの様子を描いたもの。中央で横になっているのがお釈迦様で、周りでは多くの弟子や動物が嘆き悲しんでいます。この作品は、1911年にボストン美術館に収蔵されてから一度しか公開されなかったとのとこと。今回、日本に里帰りするため約1年かけて解体修理し、よみがえったそうです。会場では、修理の様子を伝える映像も見ることができました。いよいよ、ゴッホの友達が登場!次のフロアでは、フランス絵画が展示紹介されています。ボストン美術館が所蔵するヨーロッパ美術のなかでも、特に19世紀フランス絵画は名品ぞろい。今展でもミレーやモネ、ドガ、ルノワール、セザンヌなどの名作が19点も並んでいます。そして、いよいよゴッホの作品が出てきました!このお二人は、ゴッホの友達、ルーラン夫妻です。1888年にパリから南仏の町アルルに移り住んだゴッホにとって数少ない友人となったのが、郵便の仕事をしていたジョゼフ・ルーラン。彼とその妻、さらに3人の子供たちはゴッホのモデルとなり、20点以上もの肖像画が描かれました。このふたつの絵を見比べてみると雰囲気がちょっと違いますよね。夫の絵は背景がシンプルですが、妻の方はとっても華やか。東京都美術館学芸員の大橋菜都子さんによると、この絵は対作品として描かれたものではなく、制作時期も違うとのこと。ゴッホは1888年の夏に夫のジョゼフを描いた後、10月に画家のゴーガンと共同生活を開始。でも12月には有名な「耳切り事件」を起こして二人の生活は破綻します。その後、1889年の春ごろに描いたのがルーラン夫人の肖像画。その装飾的な背景などはゴーガンの影響を受けていると考えられているそうです。ちなみに、上の写真は《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》を美術館に寄贈したロバート・トリート・ペイン2世を紹介したパネル。職業は弁護士でボストン美術館の理事もつとめていたそうです。自分で購入した絵、それもゴッホを寄贈できるなんて、太っ腹!展覧会は、フランス絵画のあとにも、アメリカ絵画や版画に写真、現代アートへと続いています。著作権の関係で撮影はできませんでしたが、ジョージア・オキーフの魅惑的な花の絵やアンディ・ウォーホル、さらに村上隆の作品も展示されていました。また、会場を出たところにはルーラン夫妻に挟まれて記念撮影できるコーナーも用意されています!ボストニアンたちが収集した名品の数々を日本で見られる貴重なチャンス、ぜひお見逃しなく!Information会期:~10月9日(月・祝)※休室日は月曜日(ただし8月14日、9月18日、10月9日は開室)、9月19日(火)時間:9:30 ~ 17:30(※金曜日は20:00まで。8月11、18、25日は21:00まで)※入室は30分前まで会場:東京都美術館 企画展示室料金:一般 1,600円/大学生・専門学校生 1,300円/高校生 800円/65歳以上 1,000円
2017年08月22日日本でも美術展が開催され、人気の高い美術館の1つであるロシアのエルミタージュ。世界遺産にも登録され、世界一といわれる所蔵品の数々に迫ったドキュメンタリー『エルミタージュ美術館 美を守る宮殿』から貴重な本編映像の一部が解禁となった。フランスのルーヴル(1793年設立)、米国のメトロポリタン(1870年設立)と並び、世界三大美術館といわれるロシアのエルミタージュ。なかでも、1764年創立のエルミタージュ美術館は最も歴史が古く、当時の日本は江戸時代、第10代将軍・徳川家治のころ。絵画、彫像、宝飾品、陶磁器、武具など膨大な所蔵品は世界一といわれ、300万点の至宝に、2,000の部屋、ほかのどの美術館よりも多い学芸員を有し、年間366万人以上(2015年)の入場者が訪れる世界最大級の美術館だ。そのエルミタージュ美術館に迫った貴重なドキュメンタリーとなる本作。今回解禁された本編映像は、そんなエルミタージュの至宝の一部を垣間見ることができる。最初に登場するのは、ルネサンスのイタリア人画家ティツィアーノ。ミケランジェロが嫉妬し、ルーベンスやルノワールが憧れたといわれるティツィアーノの「エジプトへの逃避」が紹介される。次に登場するのが、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロと並ぶルネサンス三大巨匠の一人、ラファエロの絵画「聖ゲオルギウスと竜」。1771年に購入した“クロザコレクション”でロシアは初めてラファエロの作品を手に入れた。最後に登場するのが、バロック期を代表するオランダの画家レンブラントの晩年の聖書画で、彼の最高傑作と呼ばれる「放蕩息子の帰還」。新約聖書ルカ福音書における「放蕩息子」の逸話が題材とされる。父から財産を等分に与えられた兄弟のうち、弟は家を出て放蕩し財産を消費した後、最後には実家へと戻るが、父は息子の帰還を喜び祝福を与える姿を描いたものといわれる。館内のその絵画の前は、いつも来館者で賑わっている人気の作品となっている。ちなみに、エルミタージュ美術館にレンブラント作品は20枚以上所蔵されており、それらが展示されている部屋は“レンブラントの間’”と呼ばれている。また、ダ・ヴィンチの絵画を2点所蔵しており、ルーヴル美術館(4点)、ウフィッツィ美術館(3点)に次ぐものである。本作は、そんな数々の美術品を高画質で堪能することができる貴重な機会。その荘厳の美をスクリーンでも確かめてみて。『エルミタージュ美術館 美を守る宮殿』は4月29日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エルミタージュ美術館美を守る宮殿 2017年4月29日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて順次公開(C) Foxtrot Hermitage Ltd. All Rights Reserved.
2017年04月22日和菓子の老舗とコラボ! 個包装だからお土産にもぴったり◎江戸時代から続く老舗の和菓子店「榮太樓總本鋪」とのコラボ商品「ひとくち羊羹」(800円)。北海道産小豆の風味を活かした食べ切りサイズの羊羹は1つずつ小分けにされているから配りやすく、お土産におすすめ。パッケージはモネの「グラジオラス」とゴッホの「オワーズ川の岸辺、オーヴェールにて」の2種類です。ヨーロッパ絵画×えびせん!?ヨーロッパ絵画×海老せんべいという意外なマッチングが目を引く「海老せんべい」(800円)は、もちろん日本での展覧会ならでは。マヨネーズ風味の海老せんべいは老若男女問わず人気の一品です。こちらも個包装されていて日持ちがするので、ちょっとしたお土産にも◎。集めて飾りたい 名作モチーフのマグカップルノワールとモネの作品をそれぞれあしらった「マグカップ」(各1890円)は内側が鮮やかなピンクやブルーになっていて、両方揃えたくなる可愛さです。マグを使うたびに憧れの名画を鑑賞したら、センスアップも期待できるかも?! 他にも、ゴッホのマグカップもあるのでじっくり選んでみて。取材・文/藤井ちひろ店舗情報店名:デトロイト美術館展~大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち~TEL・予約:03-5777-8600(ハローダイヤル)住所:東京都台東区上野公園1-2上野の森美術館アクセス:JR上野駅公園口より徒歩3分営業時間:9:30~16:30(但し、毎週金曜日9:30-20:00)※入館は閉館の30分前まで)2016年10月7日(金)~1月21日(土)
2016年12月30日日本初上陸の作品15点を含んだ選りすぐりの作品たち1885年に創立されたデトロイト美術館はアメリカの公共美術館として初めてゴッホ、マティスの作品を取り入れた美術館で、コレクションは約6万5千点、年間の70万人以上の来訪客を誇る、アメリカを代表する美術館の1つです。今回はその中から選び抜かれた52点が展示されています。また、今回の展覧会の大きな特徴がカメラ撮影OKということ(月曜火曜のみ。フラッシュは禁止、一部SNS投稿禁止作品もあります)。美術展は撮影禁止のことが多いので、この機会に巨匠の名作をカメラに収めちゃいましょう!目玉作品のゴッホの「自画像」は一生に一度は見ておきたい!麦わら帽子をかぶり明るい色彩で描かれたゴッホの自画像は一番人気の作品だけあって撮影可能日と週末は特に混雑するそう。それもそのはず、この「自画像」はなんと100億円の価値があると言われている作品! 並んででも間近で写真をおきたくなります。他にも息子をモデルにしたルノワールの「白い服の道化師」やモネが妻カミーユを描いた「グラジオラス」など、有名作品が目白押しです。ヨーロッパ近代絵画の顔とも言える珠玉の作品を間近で見られて、カメラ撮影までできちゃう今回の展覧会。年末年始も開館しているのでお休み中にぜひ立ち寄って「奇跡のコレクション」に触れてみては?取材・文/藤井ちひろ店舗情報店名:デトロイト美術館展~大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち~TEL・予約:03-5777-8600(ハローダイヤル)住所:東京都台東区上野公園1-2上野の森美術館アクセス:JR上野駅公園口より徒歩3分営業時間:9:30~16:30(但し、毎週金曜日9:30-20:00)※入館は閉館の30分前まで)2016年10月7日(金)~1月21日(土)
2016年12月29日ポーラ美術館所蔵の『レースの帽子の少女』が撮影可能になったニュースも新しいルノワール。ルノワールと40歳の年齢差をもちながら師弟関係を築いた梅原龍三郎とのふたりの関係を描いた展示会『拝啓 ルノワール先生 ―梅原龍三郎に息づく師の教え』が現在、東京・三菱一号館美術館にて開催中です。みどころ1パリで才能開花した「画壇のライオン」梅原龍三郎梅原龍三郎は、1888年に染物問屋の次男として京都に誕生。浅井忠に師事したのち渡仏。パリのアカデミージュリアンに入学しますが、ほどなくしてルノワールと師弟関係を築くことに。現地で学んだ油画に日本のテイストを取り入れることで、大胆なタッチに色鮮やかな世界観をもつ特有の作品を数多く世に発表しました。本展では彼とルノワールとの師弟関係を特集しています。みどころ2ルノワールとの”奇妙な”師弟関係20世紀初頭、パリのルノワールの自宅がふたりの出会いの場になりました。出会った当時ルノワールはすでに還暦を過ぎ(上写真参照)。痩せ型でヒゲが生えてて、晩年は車椅子で生活していたルノアールは、年齢よりも老いてみられることが多かったそう。梅原はルノワールから技術的なことを1から教わらず、それでも彼の趣味(テイスト)についてはしっかり理解していた模様。ルノワールの《バラ》を彼の好きな18世紀のアンティークの額に額装していたというストーリーも、奇妙ながら微笑ましい逸話です。みどころ3ピカソやジョルジュ・ルオー、同時代の貴重な絵画も生存中も作品が売れていた梅原は、画家にありがちな "貧乏な一生" を送ったアーティストではありませんでした。稼いだ資金を元手に、数多くの絵画を蒐集したコレクターとしても知られています。浅井忠に師事したことで影響を受けた大津絵や、交友のあったピカソやジョルジュ・ルオーら20世紀を代表する貴重な作品も数多く展示されています。(※両者ともに著作権有効のため媒体掲載不可です。ぜひ直接美術館でご覧ください。)おまけ10月30日まで無料バスが走行中、ヴァーチャルツアーも現在開催中(10月22日〜10月30日)の EDO TOKYO NIPPON アートフェス2016開催に伴い、無料バスが走行中。出光美術館、三井記念美術館、三菱一号館美術館、東京ステーションギャラリーを無料バスで巡回することができます。(1周30分)バス運行期間:10/22~10/30 11:00-18:00(木・金は19時まで)※10月24日(月)は全館休館。バスも運休。秋風に吹かれてアートをめぐるデートができるのもいまの季節ならではの楽しみ方。行ったことないからデート場所には選べない!という方は、事前にヴァーチャルツアー(動画は「三菱一号館美術館名品選2013」展の風景になります)で下見で抜かりなく。「拝啓 ルノワール先生 ―梅原龍三郎に息づく師の教え」会 期 :2016年10月19日(水)〜 2017年1月9日(祝・月)主 催 : 三菱一号館美術館、朝日新聞社協賛 : 大日本印刷企画協力: キュレイターズ『拝啓 ルノワール先生 ―梅原龍三郎に息づく師の教え』公式HPへ 三菱一号館美術館Address〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2Open10:00〜18:00(※入館は閉館の30分前まで)休館日毎週月曜(祝日・振替休日・展覧会会期中最終週の場合は開館) 三菱一号館美術館 公式HPへ Text. Midori Tokioka
2016年11月13日アメリカを代表する美術館のひとつ、デトロイト美術館の名作を集めた「デトロイト美術館展~大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち~」の東京展が、10月7日より上野の森美術館にて開催中。【チケット情報はこちら】1885年の創立以来、デトロイト市の財政破綻などの危機にも見舞われながら、自動車業界の資金援助もあり、世界屈指のコレクション数を誇る美術館として知られているデトロイト美術館。今回の巡回展では同美術館から、ゴッホの『自画像』やマティスの『窓』など、近代絵画における巨匠の作品52点を展示、うち15点が日本初公開作品となる。モネ、ドガ、ルノワール、ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ、マティス、モディリアーニ、ピカソなどが描いた名画を存分に堪能することができる。開幕前日の10月6日に行われたプレス向け内覧会には、本展の音声ガイドナビゲーターを務めた女優の鈴木京香が出席。「何度観ても面白い展覧会です。私も何回も来たいと思いますので、ぜひ皆さんも足を運んで、名画との対話を楽しんで」とコメント。また、月・火曜日に限り、来場者が自由に絵画を撮影することができるという同展の特徴に触れ、「通常の展覧会ではあまり撮影ができない展示会が多いですが、デトロイト美術館展は自分のカメラで撮影できる点がとてもいいです。私もカメラが好きですので、来場した時にはぜひ撮影したいです」とアピールした。「デトロイト美術館展~大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち~」は、2017年1月21日(土)まで東京・上野の森美術館で開催。チケットは発売中。
2016年10月27日日伊国交樹立150周年記念「ティツィアーノとヴェネツィア派展」が、東京都美術館にて2017年1月21日(土)から4月2日(日)まで開催される。ミケランジェロが嫉妬し、ルーベンスやルノワールも憧れた“画家の王者”ティツィアーノ。神話の登場人物から教皇や貴族の肖像までを人間味あふれる姿で描き、ヨーロッパ中から人気を博した。彼の偉業は、後世の画家にも多大な影響を与えている。本展は彼に光を当て、その真髄に迫る日本初の大規模展。ベッリーニ工房を中心に展開するヴェネツィア・ルネサンス初期、ティツィアーノの円熟期とヴェネツィア派の画家たちの時代、そしてティツィアーノ以後の巨匠たちの時代という流れに沿って、70点に近い絵画と版画を紹介する。第1章 ヴェネツィア・ルネサンス初期ルネサンス期のヴェネツィア美術の礎を築いたのは、ベッリーニ工房とヴィヴァリーニ工房。中でも、ヤコポ・ベッリーニに始まるベッリーニ工房は、息子ジェンティーレとジョヴァンニによって引き継がれ、数々の優れた画家たちが輩出された。ティツィアーノもその1人である。第1章での見どころは、ティツィアーノ初期の代表作《フローラ》。つややかな肌を描き、イタリアの人々にこよなく愛されてきた花の女神を描いた作品である。単なる神話画というよりも女神に扮した娼婦の肖像、あるいは右手の薬指に指輪をはめていることから花嫁や結婚の寓意像とも解釈されている。第2章 ティツィアーノの時代1510年にジョルジョーネが没した後、ヴェネツィア絵画の覇者となったのはティツィアーノであった。ベッリーニやジョルジョーネに学んだ繊細な色彩の諧調と光の表現に、力強さと抑揚を加え、新しい絵画の可能性を切り開いていく。その色遣いと様式にミケランジェロが脱帽したといわれる日本初公開作品《ダナエ》は、第2章でじっくりと観賞したい作品のひとつ。アルゴス王アクリシオスの娘であったダナエを描いた本作は、彼女が魅力的な裸体を惜しみなくさらし、金貨の混ざった黄金の雨を恍惚としたまなざしで見つめている。官能的な一場面を想像力豊かに描き出した、次世代にも引き継がれる名画である。第3章 ティツィアーノからティントレット、ヴェロネーゼへティツィアーノは長い画歴のなかで、次々と様式を変化させていった。後年には、筆致の荒々しさが増し、光と影の対比を強調した表現へと移行。その一方で、ヴェネツィアではティントレットやヴェロネーゼといった新たな絵画の担い手が誕生していく。ヴェロネーゼは、ティツィアーノの評価を得て、ヴェネツィア派らしい華麗な色彩と古典的な造形をもって、物語場面を明快かつ祝祭的に描き出していった人物。第3章で展示される《聖家族と聖バルバラ、幼い洗礼者聖ヨハネ》は、彼の技量が遺憾なく発揮されている。聖女バルバラの金髪の輝きや豪華な衣服の光沢の表現は、ヴェロネーゼ芸術の真骨頂といえる。また、2016年10月31日(月)までは、展覧会オリジナルのイタリア製本革パスケースとチケットがセットになった前売券も発売される。水の都「ヴェネツィア」郷土料理を特別コースで東京都美術館内にあるフレンチレストラン「IVORY(アイボリー)」では、1月21日(土)から4月2日(日)までの期間限定で、『ティツィアーノとヴェネツィア派展』をイメージした特別コースを提供。ルネサンスの芸術都市として発展した水の都ヴェネツィアの郷土料理をIVORY風にアレンジし、伝統的なローストポーク「ポルケッタ」や、ヴェネト州の家庭料理「パスタ・エ・ファジョーリ」などを揃える。開催概要日伊国交樹立150周年記念「ティツィアーノとヴェネツィア派展」会場:東京都美術館企画展示室住所:東京都台東区上野公園8-36会期:2017年1月21日(土)~4月2日(日)開館時間:9:30~17:30(金曜日は20:00まで)休室日:月曜日、3月21日(火)※ただし3月20日(月・祝)、27日(月)は開室観覧料:一般 1,600円(1,300円)、大学生・専門学校生 1,300円(1,100円)、高校生800円(600円)、65歳以上 1, 000円(800円)※()内は前売 / 団体料金※団体割引の対象は20名以上※中学生以下無料パスケース付き前売り券(セブンチケットでのみ限定発売)販売期間:9月28日(水)~10月31日(月)販売価格:3,500円(税込)※パスケースはピンク・ブルー・ブラウンからセレクト可能。■IVORYティツィアーノとヴェネツィア派展 期間限定特別コース価格:4,000円+税提供期間:1月21日(土)~4月2日(日)販売店舗:東京都美術館内 フレンチレストラン「IVORY」営業時間:11:00~17:30(展示期間の金曜は~20:00営業)※第1・第3月曜は定休日住所:東京都台東区上野公園8-36 東京都美術館交流棟1FTEL:03-5809-0940【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2016年10月16日展覧会「拝啓 ルノワール先生 ―梅原龍三郎が出会った西洋美術」があべのハルカス美術館にて開催される。期間は、2017年1月24日(火)から2017年3月26日(日)まで。本展ではルノワールと、彼を師と仰ぐ梅原龍三郎の作品を共に紹介。さらに、梅原と交友のあったピカソやルオーらの作品を、あわせて展示。近代絵画における東西の交流を紐解いていく。“画壇のライオン”と呼ばれた梅原龍三郎日本の洋画界を牽引し、その豪快な性格から“画壇のライオン”と呼ばれた梅原龍三郎。近代化が進み、油彩画が日本に定着した頃の1908年、20歳の梅原は渡仏し、翌年ルノワールに会う。梅原はルノワールを師とし、その制作現場を見て、師との対話から多くを学んだという。梅原は後に、ヨーロッパで学んだ油彩画に桃山美術・琳派・南画といった日本の伝統的な美術を取り入れることで、独自の豪華絢爛な画風を展開。日本の洋画を確立した巨匠として高く評価される。2つの《パリスの審判》を同時に展覧する貴重な機会!特に、注目したいのは2人の代表作《パリスの審判》。フランス近代洋画の巨匠ルノワールの晩年の代表作でもあり、その作品を自由闊達な模写で描いた梅原の作品でもある同名の絵画を同時に展示する。開催概要拝啓ルノワール先生 ―梅原龍三郎が出会った西洋美術Bonjour, Monsieur Renoir: Renoir et Umehara ‒Joie de peindre会期:2017年1月24日(火)~3月26日(日)会場:あべのハルカス美術館住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋 1-1-43あべのハルカス 16 階開館時間:火~金 10:00~20:00、月・土・日・祝 10:00~18:00※入館は閉館30分前まで休館日:1/30(月)、2/6(月)、2/13(月)、2/20(月)、2/27(月)観覧料(税込):・一般 1,400(1,200)円・大学・高校生 1,000(800)円・中学・小学生 500(300)円・「拝啓ルノワール先生」×「マティスとルオー」2展セット券 2,200円(2枚組、一般のみ)※()内は前売券と15名様以上の団体※障がい者手帳を持参の人は、本人と付き添い1名まで当日料金の半額※前売券2展セット券は11/19(土)から1/23(月)まで【問い合わせ先】ハローダイヤルTEL: 06-4399-9050(あべのハルカス美術館)
2016年10月13日展覧会「拝啓 ルノワール先生―梅原龍三郎に息づく師の教え」が、10月19日から2017年1月9日まで東京・丸の内の三菱一号館美術館で開催される。日本の洋画界を牽引し、その豪快な性格から“画壇のライオン”と呼ばれた梅原龍三郎。近代化が進み、油彩画が日本に定着した頃の1908年、20歳の梅原は渡仏した。パリでは、先に留学していた同門の安井曾太郎や津田青楓に迎えられ、当初は彼らと交わるが、すぐに東京美術学校出身の高村光太郎や山下新太郎らとも知り合い交流した。渡仏直後こそ梅原は、当時の流行画家であったキース・ヴァン・ドンゲン、そしてサロン・ドートンヌなどで物議をかもしていたジョルジュ・ルオーに注目。今回東京会場のみ公開される《横臥裸婦》は、ヴァン・ドンゲンの影響を感じさせ、同じアトリエで共に制作していた高村光太郎を驚かせたという。そして、翌年ピエール=オーギュスト・ルノワールに出会った梅原は、ルノワールを師と仰ぎ、師との対話や制作現場から多くを学び、ルノワールの家族たちとも親密な関係を築いていった。また、梅原は後に、ヨーロッパで学んだ油彩画に桃山美術や琳派、南画といった日本の伝統的な美術を取り入れ、個性あふれる豪華絢爛な画風を展開。日本の洋画を確立した巨匠として高く評価されている。本展は、ルノワールと梅原の作品だけでなく、梅原が蒐集した作品、梅原と親交のあったピカソやルオーらの作品約80点により、近代絵画における東西の交流を紹介。会場では、西洋絵画の模倣ではない、独自の油彩画として確立した梅原の画業を、これまであまり公開されたことのない作品を含めて公開する他、ルノワールと梅原の代表作である《パリスの審判》を同時に展覧。さらに、優れた鑑識眼を持つ「蒐集家」梅原龍三郎が愛蔵したルノワール、ピカソ、ルオーらの作品がまとめて展示される。なお、本展は、2017年1月24日から3月26日まで大阪のあべのハルカス美術館に巡回する。【イベント情報】「拝啓 ルノワール先生―梅原龍三郎に息づく師の教え」(東京会場)会場:三菱一号館美術館住所:東京都千代田区丸の内2-6-2会期:10月19日から2017年1月9日時間:10:00~18:00(祝日を除く金曜、第2水曜、1月4日~6日は20:00まで、)※入館は閉館の30分前まで料金:一般1,600円、高校生・大学生1,000円、小・中学生500円休館日:月曜日(但し、祝日の場合は開館)※年末年始休館12月29日~2017年1月1日「拝啓 ルノワール先生―梅原龍三郎に息づく師の教え」(大阪会場)会場:あべのハルカス美術館住所:大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階会期:2017年1月24日~3月26日時間:火~金10:00~20:00、月土日祝10:00~18:00※入館は閉館の30分前まで休館日:1月30日、2月6日、13日、20日、27日
2016年08月30日