市井の人々にまなざしを向けたふたりの写真家を紹介する『本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語』展が、6月16日(金)〜9月24日(日)、東京都写真美術館で開かれる。本橋成一は1940年東京生まれの写真家、映画監督。60年代から上野駅や築地魚河岸などに通いながら人々の営みを撮影。90年代にはチェルノブイリ原発事故の被災地を訪れ、そこに暮らし続ける人々と美しい風景を撮影した写真集とドキュメンタリー映画『ナージャの村』『アレクセイと泉』で、国内外で高い評価を受けている。一方、ロベール・ドアノーは1912年パリ生まれの写真家。自動車会社ルノー社のカメラマンなどを経て1939年からフリーで活動。以後、パリの街を歩き回り、庶民たちの日常を撮影した。そこには各界著名人のポートレートとも分け隔てない視線が感じられる。国際的な評価を受け、1994年82歳で没した。時代や地域の異なるふたりだが、炭鉱、サーカス、市場などのテーマで優れたルポルタージュを残しているところに共通点が見られる。また、本橋は幼少期に空襲に遭い、ドアノーは従軍するも結核で除隊し、以後レジスタンスに参加するなど、第二次世界大戦の混乱期を経験している。ふたりとも、そのような苦境の中でつつましくも懸命に生きる人々にたくましさや真の豊かさを見出し、失われゆく風景とともに写真に収めてきた。本橋は「写真や映像は、相手に対する想いとイマジネーションだ」と語り、ドアノーは「相手をこよなく愛してこそ、写真を撮ることが許されるのだ」という言葉を残している。これまで、このふたりの作家を並べて語ることはほとんどなかったのではないだろうか。しかし、世界各地で争いが絶えない現在、愛や優しさ、ユーモアを持って現実や社会と関わり続けてきたふたりの作品を通じて、人間にとって大切なこととは何か、改めて思い起こさせてくれるだろう。<開催情報>『本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語』会期:2023年6月16日(金)~9月24日(日)会場:東京都写真美術館2階展示室時間:10:00~18:00、木金は20:00まで(入館は閉館時間の30分前まで)休館日:月曜(祝日の場合は開館翌平日休)料金:一般800円、大学640円、高中・65歳以上400円公式サイト:
2023年06月14日“フランスのケン・ローチ”と称えられるロベール・ゲディギャン監督の集大成『海辺の家族たち』。マルセイユ近郊の小さな港町を舞台に、漂着した難民の子どもたちをはじめ人生を変える出会いを描いた本作から、3人兄妹の貴重な青春時代シーンの本編映像が解禁となった。この度解禁された本編映像では、3人兄妹に父親を加えた4人の若かりし頃の映像が切り取られている。車に乗り込み、窓を開け放して音楽を流しながら楽しそうにはしゃぎながら海への道を走る4人。港に到着した4人は、ふざけ合って次々にお互いを海の中へと突き落としていく。最終的には全員海の中へと飛び込み、楽しそうに遊ぶ4人の若い姿が眩しく目に映る。なんとこのシーン、各俳優にそっくりの若い俳優が回想シーンを演じている訳ではなく、正真正銘、30年以上前に本人たちが演じた映像。ゲディギャン監督の『Ki lo sa?』という、1986年に製作された作品(日本未公開)から抜き出された映像で、地元フランス・マルセイユで同じ俳優を使って長年映画を撮り続けてきた監督ならではの貴重な映像となっている。『海辺の家族たち』はキノシネマ横浜みなとみらい・立川・天神ほか全国にて順次公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海辺の家族たち 2021年5月14日よりキノシネマみなとみらい・立川・天神ほか全国にて公開© AGAT FILMS & CIE – France 3 CINEMA – 2016
2021年05月14日マルセイユ近郊の小さな港町を舞台に、人生を変える出会いを描いたフランス映画『海辺の家族たち』について、本作の監督ロベール・ゲディギャンが語るインタビューが到着した。パリに暮らす人気女優アンジェルは、20年ぶりにマルセイユ近郊の故郷へと帰って来る。家業の小さなレストランを継いだ上の兄のアルマンと、最近リストラされて若い婚約者に捨てられそうな下の兄のジョゼフが迎えてくれる。兄妹3人が集まったのは、父が突然、倒れたからだ。父と家族の思い出の詰まった海辺の家をどうするのか、話し合うべきことはたくさんあったが、それぞれが胸に秘めた過去が、ひとつひとつあらわになっていく。町の人々も巻き込んで、家族の絆が崩れそうになったそのとき、兄妹は3人の難民の子どもたちを発見する――。本作は、それぞれが胸に秘めた過去と向き合う時間を、漂着した難民の子どもたちが思わぬ希望に変えていく、こんな時代だからこそ、人と人との繋がりが何よりも大切だと教えてくれる感動作。ゲディギャン監督は、自身が生まれ育ったマルセイユを舞台に、労働者階級や移民など社会的に弱い立場の人々の人生を温かな眼差しで見つめ続けている。大ヒット作『マルセイユの恋』や『幼なじみ』、『キリマンジャロの雪』などで高く評価され、ベルリン国際映画祭やヴェネチア国際映画祭、審査員も務めたカンヌ国際映画祭の常連でもある名匠が、映画人生40年の集大成となる傑作を今回完成させた。本作に登場する3兄妹のジョゼフ、アルマンド、アンジェラについてゲディギャン監督は「彼らの全員が、過ぎ去りゆく時代、変わりゆく世界を敏感に察知する、そんな人生の時期にある。彼らが切り開いてきた道が、徐々に閉ざされてゆく。それらの道は絶えず維持してゆかなければならない…あるいは新たな道を切り開く必要がある」と語り、切り開くきっかけとなったのが、難破したボートから逃れ生き延びた難民の子どもたちとの出会い。子どもたちを引き取ったことで、兄妹たちが仲間意識を取り戻すことができたのだと話す。また「私はこの出会いを信じる」とゲディギャン監督。「“グローバリゼーション”には、必然的に未来とつながる何かがある。大げさな言い方になるが、今日、難民について語ることなしに映画を作ることはできない、と私は考える」とコメントし、「彼らは安全、住まいを求めてやってきている。3人の子どもたちがやってきたことで、もしかしたら入り江は蘇るのではないか。アンジェラ、ジョゼフ、アルマンドは3人の子どもたちを育てるためにそこに留まり、レストランと山腹のコミュニティと自分たちの世界観を生きながらえさせる努力をするつもりだ。そして何人かの人々のつながりを保ち、それにより平和を保とうと」と描きたかったことを明らかにした。『海辺の家族たち』は5月14日(金)よりキノシネマみなとみらい・立川・天神ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2021年05月10日代表作《パリ市庁舎前のキス》で世界的に有名となった写真家ロベール・ドアノー。ありふれた日常から愛すべき瞬間を切り取ってきた彼は「イメージの釣り人」と呼ばれ、没後25年以上が経った今も人々を魅了し続けている。「写真家ドアノー/音楽/パリ」は、パリを舞台に多くの傑作を生み出したドアノーの作品の中でも、音楽シーンを題材に構成した初の試み。1930年代から’90年代にかけて撮影された、日本初公開作品を含む約200点の作品群はまさに必見だ。展覧会は、彼の孫で映画監督でもあるクレモンティーヌ・ドルディルの監修により、8章で展開される。第1章では“街角”がテーマに。ある時、下町のビストロや酒場でシャンソンを歌ったり演奏したりする流しの女性に出会い、すっかり魅了されたドアノー。数日間、店から店へと移動し、彼女に密着・撮影した。彼が生活の雑踏へ足を踏み入れたことで残された音楽家の写真からは、その楽しげな音色が聞こえてきそう。また、夜のパリ左岸でワルツを踊るカップルや、バレエ『カルメン』の衣装合わせの様子から窺えるのは、彼が音楽にまつわる様々な場所に足を運んでいたということ。そうして出会い、多大な影響を受けてきたアーティストたちの、素の魅力溢れるポートレートにも注目したい。海外旅行もままならない、そんな今だからこそ、ドアノーの写真を通してパリの街角へ旅に出かけてみるのはいかが。Who’s Robert Doisneau?ルノーのカメラマンを経てフリーに。1994年に亡くなるまで、ファッションはもちろん、若い世代のジャケット撮影なども積極的に手がけた。ロベール・ドアノー《パリ祭のラストワルツ》パリ 1949年7月14日 ゼラチン・シルバー・プリント ©Atelier Robert Doisneau/Contactロベール・ドアノー《流しのピエレット・ドリオン》パリ 1953年2月 ゼラチン・シルバー・プリント ©Atelier Robert Doisneau/Contactロベール・ドアノー《ロベール・ドアノーのセルフポートレート》ヴィルジュイフ 1949年 ゼラチン・シルバー・プリント ©Atelier Robert Doisneau/Contact「写真家ドアノー/音楽/パリ」Bunkamura ザ・ミュージアム東京都渋谷区道玄坂2-24-12月5日(金)~3月31日(水)10時~18時(金・土曜~21時予定、変更の場合あり。入館は閉館30分前まで)会期中無休一般1500円ほかTEL:050・5541・8600(ハローダイヤル)※『anan』2021年2月3日号より。(by anan編集部)
2021年02月02日巨匠ロベール・ブレッソン監督の映画『少女ムシェット』が、4Kリストア・デジタルリマスター版で復活。2020年10月30日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次公開される。一人の少女の悲運な運命を描いた名作『少女ムシェット』は、一人の少女の悲運な運命をまざまざと描いた作品。厳格なフレーミング、俳優たちの演技を最小限に抑制することで、冷酷さを隠し持つ現実世界を表現した。中でも鮮烈な印象を残すラストシーンは、多くの観客や監督たちを魅了し、映画史に残る名場面として今もなお語り継がれている。絶望の淵にたちながらも反抗心を秘めた少女ムシェットは、この映画のために抜擢されたナディーヌ・ノルティエが演じている。ストーリー重病に苦しむ母と、酒に溺れ暴力を振るう父。自分が面倒を見るしかない赤ん坊を抱え、14歳のムシェットは、貧しい生活のなか、ひたすら孤独な日々を過ごしていた。家でも学校でも居場所のないムシェットは、森の中に逃げ込むが、突然の嵐で道に迷ってしまう。やがて森をうろつく密猟者のアルセーヌと遭遇したムシェットは、その夜、彼に強姦される。翌朝帰宅した少女は、母親の死去という悲劇に見舞われる。いつものように牛乳をもらいに出かけたムシェットは、ただ一人、村はずれの池に向かう…。ロベール・ブレッソン監督作『バルタザールどこへ行く』も同時公開なお公開同日より、ロベール・ブレッソンが遺した名作映画『バルタザールどこへ行く』も全国公開。4Kリストアのデジタルリマスター版で、スクリーンに蘇る。【詳細】『少女ムシェット』公開日:2020年10月30日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次公開※一部の劇場を除き、上映は 4K リストア・デジタルリマスター版から変換された2K上映となる。監督:ロベール・ブレッソン脚本:ロベール・ブレッソン出演:ナディーヌ・ノルティエ、ジャン=クロード・ギルベール、マリー・カルディナル、ポール・エベール、ジャン・ヴィムネ、マリー・ジュジーニ原作:ジョルジュ・ベルナノス「新ムシェット物語」配給:コピアポア・フィルム+lesfugitives
2020年09月14日巨匠ロベール・ブレッソン監督の映画『バルタザールどこへ行く』が、4Kリストア・デジタルリマスター版で復活。2020年10月30日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次公開される。映画史に残る最高傑作がスクリーンに復活1966年公開の『バルタザールどこへ行く』は、フランス映画界の巨匠ロベール・ブレッソン監督の代表作として映画史に輝く最高傑作だ。ロベール・ブレッソンが長年映画化を望んだ本作は、聖なるロバ“バルタザール”をめぐる現代の寓話。ドストエフスキーの長編小説「白痴」の挿話から着想し、一匹のロバ“バルタザール”と少女マリーの数奇な運命を繊細に描いている。純粋さから悪の道へと堕ちていく少女マリーを演じたのは、当時17歳のアンヌ・ヴィアゼムスキー。初の映画出演作となった本作を皮切りに、『中国女』など、ゴダール作品への出演を重ねていくこととなる。ストーリー小さな農村で、農園主のジャックと幼なじみのマリーは、生まれたばかりのロバに「バルタザール」と名づけ可愛がる。だが年月が経ち、「バルタザール」は別の飼い主のもとへ。やがて逃げ出した「バルタザール」は、美しく成長したマリーと再会し、まるで愛し合う恋人のように慰め合う。だが運命は、「バルタザール」にもマリーにもあまりにも過酷な試練を与えていく。マリーの両親は誇り高さゆえに没落し、マリーは不良少年ジェラールに拐かされ悪徳の道に落ちていく。「バルタザール」もまたマリーの元を引き離され、次々と人手に渡っていく…。ロベール・ブレッソン監督作『少女ムシェット』も同時公開なお、公開同日より、一人の少女の悲運な運命をまざまざと描いた映画『少女ムシェット』も全国公開。ロベール・ブレッソンが遺した名作が、4Kリストアのデジタルリマスター版でスクリーンに蘇る。【詳細】『バルタザールどこへ行く』公開日:2020年10月30日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次公開※一部の劇場を除き、上映は 4K リストア・デジタルリマスター版から変換された2K上映となる。監督:ロベール・ブレッソン脚本:ロベール・ブレッソン出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー、フランソワ・ラファルジュ、フィリップ・アスラン、ナタリー・ジョワイヨー、ヴァルター・グリーン、ジャン=クロード・ギルベール、ピエール・クロソフスキー、ロバのバルタザール配給:コピアポア・フィルム+lesfugitives
2020年09月14日20世紀を代表する写真家、ロベール・ドアノーの作品約75点を紹介する『何必館コレクションロベール・ドアノー展パリからのまなざし』が、2月1日よりスタート。3月15日(日)までそごう美術館にて開催されている。時代を超えて愛され続ける写真家、ロベール・ドアノー(1912〜1994)。パリの雑踏の中の恋人たちをとらえた《市役所前のキス》は、誰でも一度は目にしたことがあるはず。パリ郊外の町に生まれたドアノーは、石版画を学んだのち、18歳の頃より本格的に写真を開始。雑誌『ヴォーグ』や『ライフ』などの仕事を行う一方、パリの街をくまなく歩き回り、その日常をユーモアと愛情を持って写し出した。その卓越した観察眼により、パリとパリの人々の撮影に生涯を捧げたという。同展は、機械(カメラ)ではなく、あくまで人間を感じさせるドアノーの作品を「恋人」「街路」「子供達」「酒場」「芸術家」といった5つのセクションにわけ、オリジナルプリント約75点で展観するもの。会場では「アトリエ・ロベール・ドアノー」を訪ね、撮影した写真や娘たちへのインタビュー映像が紹介されるほか、毎土曜の午後3時からは、ドキュメンタリー映画『パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー 永遠の3秒』の上映も行われる。ドアノーの世界を多角的に探る同展で、改めて彼の作品とパリの魅力を感じてみてはいかがだろうか。【開催情報】『何必館コレクションロベール・ドアノー展パリからのまなざし』 2月1日〜3月15日(日)そごう美術館にて開催【関連リンク】 そごう美術館()《パピヨンの子供》1945年何必館・京都現代美術館蔵《ピカソのパン》1952年何必館・京都現代美術館蔵
2020年02月02日「鼓童×ロベール・ルパージュ」製作記者発表会太鼓芸能集団・鼓童が パフォーマンスを行い、ロベール・ルパージュが演出を手掛けるNEW BEAT VISION PROJECT「鼓童×ロベール・ルパージュ<NOVA>」の世界初演・全国巡演が2020年5月にスタートする。その製作発表会見が行われた。【チケット情報はこちら】本プロジェクトは、1981年にベルリン芸術祭でデビューし50か国6500回以上の公演を行う太鼓芸能集団・鼓童と、シルク・ドゥ・ソレイユ「トーテム」などを手掛け“映像の魔術師”と呼ばれるロベール・ルパージュがコラボレーションし、日本文化と最先端ビジュアルテクノロジーが融合する、これまでにない“視聴体感芸術”を生み出すというもの。会見では、まず鼓童の母体である北前船の代表・青木孝夫が本作について「鼓童の音、映像、お客様の想像力、その三位一体でつくりあげる、今までに観たことのない、感じたことのないような視聴体感芸術をお届けできると確信しています」と挨拶。演出のロベール・ルパージュと、音楽を担当する住吉佑太(鼓童)によるクロストークでは、住吉が「本作に限らず、私たち鼓童が舞台で表現したいものは“人の本能に訴えかける何か”です。今回はそこにロベールさんによるテクノロジーを使った演出を掛け合わせ、作品をつくっています。そのふたつは真逆の存在のようですが、テクノロジーが入ることで逆に生身の人間が浮き彫りになっていく、より強くお客様に伝わっていくものを作りたいと思っています」、ロベールは「かねてから私は鼓童の作品づくりに感心していました。厳しさと規律の中に身を置きながら鍛錬されている。鼓童のステージは、音だけでなく動きや身体、そしてそこから発するエネルギーまでもが表現されています。今回は“音”と“イメージ”のインタラクティブな作品ですが、それだけでなく、その“動き”も取り入れています」と語った。その後、「音を見る(サイマティクス)」をテーマにしたライブパフォーマンスを初お披露目。住吉が「サイマティクスという事象をただ再現するのではなく、自然の中から生まれる音、文明の中から聞こえてくる音、自分たちの鼓動の音、魂の音、そういったものがすべて可視化できるかどうかが鍵になってくるのではないかと思っています」と語った通り、映像と音をただ掛け合わせるのとは違う、鼓童の太鼓、そしてその奥にある本質的な魅力が、テクノロジーによって可視化されるような、これまでにない表現が印象的。“音を見る”面白さを体験できるパフォーマンスとなっていた。鼓童×ロベール・ルパージュ<NOVA>は2020年5月23日(土)から31日(日)まで東京・東京建物 Brillia HALLにて上演。12月15日(日)の一般発売に先駆け、12月2日(月)11:00まで先行抽選申込受付中。取材・文・撮影:中川實穗
2019年11月14日20世紀を象徴するフランスの国民的写真家ロベール・ドアノーの人生と創作に迫る、初のドキュメンタリー映画『パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー<永遠の3秒>』が、2017年4月22日(土)より東京都写真美術館ホールとユーロスペースにて公開。順次、全国でも上映される。ロベール・ドアノー、その名は知らなくとも「パリ市庁舎前のキス」という写真を目にしたことのある人は少なくないだろう。1950年にアメリカの雑誌「LIFE」の依頼で撮影され、1980年代にポスターとして発売されると世界中に広まった。この写真が撮られた当時のパリでは、恋人たちが街中でキスすることなど珍しい時代であったという。ドアノーの演出によって生まれたこの一枚は、誰もが憧れる恋人たちの都・パリのイメージを創り上げていった。生涯を通してドアノーは、“パリの日常”をとらえた数々の名作をのこしていくこととなる。街角に潜む“瞬間のドラマ”を職人技で釣り上げ、ときには演出によって“人生の真実”をより深く表現した。しかし、彼の独自の写真哲学による撮影現場はあまり知られてこなかった。本作は、撮影風景やインタビューなどの当時の貴重な資料映像や、親交のあった著名人による証言により、写真家ロベール・ドアノーのすべてに迫る、初のドキュメンタリー映画。今では世界でもっとも有名な写真のひとつとなった「パリ市庁舎前のキス」の知られざる撮影秘話も明かされる。さらに、ピカソ、フランソワーズ・サガン、ロマン・ポランスキー、サビーヌ・アゼマ、イザベル・ユペールなど、ドアノーが撮った同時代を代表する著名人のポートフォリオ作品も楽しめる。監督は、ドアノーの孫娘であるクレモンティーヌ・ドルディル。家族だからこその視点で、優しさにあふれた祖父、撮影にこだわりぬく写真家の両面を描き出し、愛とユーモアに溢れたドアノーの写真家人生を浮き彫りにする。【概要】映画『パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー<永遠の3秒>』公開日:2017年4月22日(土)劇場:東京都写真美術館ホール、ユーロスペースほか全国順次公開監督:クレモンティーヌ・ドルディル出演:ロベール・ドアノー/ダニエル・ペナック/サビーヌ・アゼマ/ジャン・クロード・カリエール/堀江敏幸制作:2016 年/フランス/フランス語/アメリカンビスタ/80分原題:ROBERT DOISNEAU: THROUGH THE LENS字幕翻訳:星加久実/字幕監修:佐藤正子/配給:ブロードメディア・スタジオ©2016/Day For Productions/ARTE France/INA ©Atelier Robert Doisneau
2017年01月16日フランスのシューズメゾン、ロベール クレジュリー(Robert Clergerie)の期間限定ストアが伊勢丹新宿店にオープン。期間は2016年9月14日(水)から20日(火)まで。フランス国内で作られるロベール クレジュリーのシューズは、高品質な素材のみを使用。存在感あふれるデザインは、時代に左右されない美しさを放っている。またシューズひとつひとつには、女性の名前が付けられ、これまで数々の“ミューズ”が誕生してきた。今回の期間限定ストアでは、同ブランド創立35周年を記念して発表された「ロエル コレクション」が展開される。世界で一般初公開となる11足を販売。アバンギャルドなデザインや異素材ミックス、鮮やかなカラーパレットが魅力のコレクションとなっている。ほかにも店内では、2016年秋コレクションの新作シューズや特別なカプセルコレクションが登場。コレクションの予約者には、イニシャルを施す刻印サービスも提供される。【詳細】ロベール クレジュリー 期間限定ストア期間:2016年9月14日(水)〜20日(火)場所:伊勢丹新宿店本館 2階=婦人靴/プロモーション住所:東京都新宿区新宿3-14-1TEL:03-3352-1111
2016年09月09日フランスの国民的写真家・ロベール・ドアノーの写真展「ロベール・ドアノーと時代の肖像 -喜びは永遠に残る」が、9月15日から17年1月17日まで静岡県のベルナール・ビュフェ美術館にて開催される。ロベール・ドアノーは、日常の小さなドラマを絶妙に捉え、“イメージの釣り人”と評されるフランスの国民的写真家。パリの恋人たちや子どもたちの豊かな表情、ユーモアや風刺の効いた街頭の一場面など、人間に対する無限の愛情と好奇心に満ちた写真作品の数々を生み出している。また、ロベール・ドアノーを語る上で欠かせないのがポートレート。鋭い洞察力と観察眼に裏打ちされた芸術家のポートレート群は、ロベール・ドアノー自身の見る喜びを見事に体現した作品となっている。同展では、アルベルト・ジャコメッティ、ピカソといった画家や彫刻家をはじめ、イヴ・サン=ローランなどのデザイナーや作家、思想家、舞踊家、美術批評家など、あらゆる分野の“時代の肖像”約70点を展示。未公開作品を含むこれらのポートレートを通して、当時の文化的背景を探ると同時に、ロベール・ドアノーによる写真表現の真髄を紹介する。また、遺族が設立したアトリエ・ロベール・ドアノーで管理されている膨大な作品の中から精選した代表作30点も展示される他、ロベール・ドアノーの憧憬する小説家、ジャン・ジオノへのオマージュとも言える作品「ある羊飼いの物語」も登場する。【展覧会情報】「ロベール・ドアノーと時代の肖像 -喜びは永遠に残る」会場:ベルナール・ビュフェ美術館住所:静岡県長泉町東野クレマチスの丘515-57会期:9月15日~17年1月17日時間:10:00~17:00(11月~1月は16:30まで、入館は閉館の30分前まで)料金:一般1,000円、高大生500円、中学生以下無料休館日:水曜日(祝日の場合は翌日休)、12月26日~17年1月6日
2016年08月03日画家・ロベール・クートラス(Robert Coutelas)の画業を集成した2冊組の大型作品集『Robert Coutelas 1930-1985 ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』の出版を記念した展示会「小部屋のクートラス」が、東京・恵比寿にあるナディッフ ギャラリー(NADiff Gallery)でスタートした。ロベール・クートラスは、1930年にパリに生まれ1985年に急逝したフランス人画家。厚めのボール紙にゼラチンで下地を作り、お尻を突き出した子供や炎の中の聖母子、ギロチン場で断罪される人、股間からのぞく顔など奇怪でユーモラスな図像を描いた、“カルト”とも呼ばれる小作品群「僕の夜 “Mes Nuits”」をはじめ、頭部や動物を象ったテラコッタの彫刻、グァッシュで描かれた多くの肖像画作品「僕のご先祖さま “Mes Ancetres”」などの作品を発表している。3月12日に発売された作品集『Robert Coutelas 1930-1985 ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』では、カルト、グァッシュの他、ロベールが生前売ることも散逸させることも望まなかった油彩の“リザーブ”と呼ばれる作品群をすべて収録。膨大に残されたデッサンやドローイングなども網羅した他、1999年にジャンヌ・マトション財団に寄贈された作品など主要な作品がほぼ全て詰め込まれた。今回開催される展示会では、同作品集の紹介をするとともに、パリのヴォージラールの小部屋から生まれ出たカルト作品や、グァッシュ、テラコッタ作品の一部などを展示。また、ロベール・クートラスの作品を長きにわたり撮影してきた写真家の平地勲氏による写真も併せて展示される。期間は5月8日まで。【展覧会情報】ロベール・クートラス展「小部屋のクートラス」―『ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』刊行記念展―会場:NADiff Gallery 住所:東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T B1F会期:4月1日~5月8日時間:12:00~20:00休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)※5月2日は営業入場無料【書籍情報】『Robert Coutelas 1930-1985 ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』寄稿:小川洋子発刊:ECRIT上製・函入・二冊組/600ページ/303×215mm発売日:2016年3月12日価格:3万円
2016年04月01日