嶽本野ばらの書籍『ロリータ・ファッション』が発売される。ロリータ・ファッションの歴史を紹介する1冊書籍『ロリータ・ファッション』は、ロリータ・ファッションの歴史を余すことなく綴った1冊だ。『エミリー』や『ロリヰタ。』、『下妻物語』などを発表してきた嶽本野ばらによる、ロリータ・ファッションにまつわるエッセイ集となっている。本書には、ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)やルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)、ディオール(DIOR)、アナ スイ(ANNA SUI)から、コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)、ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)、そしてミルク(MILK)やジェーンマープル(Jane Marple)、ピンクハウス(PINK HOUSE)まで、国内外ブランドのロリータ・ファッションまつわるエッセイを収録。また、ゴシックロリータにも着目し、アリスアウアア(alice auaa)やリック・オウエンス(Rick Owens)なども取り上げている。詳細書籍『ロリータ・ファッション』発売日:2024年4月12日(金)価格:3,740円著者:嶽本野ばら仕様:四六判変形、352ページ出版:国書刊行会■目次序文【I】 robe à la modeドレス・コードに就いてーー『ドレス・コード?:着る人たちのゲーム』展Vivienne Westwoodに就いてLOUIS VUITTONに就いてMelody BasKetに就いてMartin Margielaに就いてDRIES VAN NOTENに就いてChristian Dior MONSIEURに就いてRAF SIMONSに就いてMILKに就いてJane Marpleに就いてATSUKI ONISHIに就いてPINK HOUSEと田園詩に就いてBABY,THE STARS SHINE BRIGHT に就いてCeriseに就いてclaire’sに就いてTOKIO KUMAGAIに就いてCOMME des GARÇONSに就いてDIORに就いてANNA SUI に就いてYOHJI YAMAMOTOに就いてKEITA MARUYAMAに就いてSamansa Mos2に就いてDANIELA GREGISに就いてSIMONE ROCHAに就いてLovetoxicに就いてalice auaaに就いて(ゴシックロリータの系譜1)Rick Owensに就いて(ゴシックロリータの系譜2)coup-de-piedに就いて(ゴシックロリータの系譜3)CANMAKEに就いてALEXANDER McQUEENに就いてWalter Van Beirendonckに就いてGareth Pughに就いてNO CONCEPT BUT GOOD SENSEに就いてagnès b.に就いてShirley Templeに就いてrurumu:に就いてInnocent Worldに就いてKatieに就いてHERMÈSに就いてOff-Whiteに就いてSCHIAPARELLIに就いてVictorian maidenに就いてCUNEに就いてATELIER PIERROTに就いてISSEY MIYAKEに就いて量産型、地雷型に就いて(axes femme, Ank Rouge, LIZ LISA)SHEINに就いてVIVA YOUに就いてDOLCE&GABBANAに就いてーー『身体の夢 ファッションOR見えないコルセット』展【II】 mode à la Lolitaあとがき索引
2024年04月18日株式会社ブティック社(東京都千代田区)は、ロリータファッションモデル「青木美沙子」が提案する可愛いお洋服と小物が手作りできる『青木美沙子のソーイングブック』を2024年2月26日(月)に発売しました。<ブティック社ホームページ『青木美沙子のソーイングブック』情報ページ> 『青木美沙子のソーイングブック』表紙◆心ときめくキュートなお洋服&小物がいっぱい作れる!ワンピースを中心にブラウス、スカート、ジャンパースカート、バッグ、ポーチ、ヘアアクセなど普段使いしやすいデザインをアイテム豊富に合計44点掲載。実物大の型紙つき。また、作り方もイラストでわかりやすく丁寧に解説。お洋服はS・M・L・LLの4サイズで展開。フリル衿ブラウスとティアードスカートのセットアップ&カチューシャ◆コンセプトは「カジュアルに毎日着ることができる手作りのカワイイ服&小物」できるだけ作りやすくて、オールシーズン楽しめる、日常的に着やすいシルエットにこだわったという青木美沙子さん。全体的に着丈を長めにし、袖もひじが隠れる上品な袖丈や長袖、スカートのシルエットはパニエがあってもなしでも楽しめるデザインに。小物は可愛らしさだけでなく使い勝手の良さや収納力も◎。また、使用する布地やレース、リボンなどもデザインイメージや雰囲気に合うものをチョイスしていただきました。かわいい小物もたくさんフリル衿のティアード前あきワンピース◆密着コラムも満載デザインするために心がけたことや、ロリータファッションとの出会い、好きなコスメ、ヘアケアやアレンジ方法など……読み応えのあるコラムも掲載!スタンドカラーヨークワンピース目次ページ◆本の発売記念イベント開催決定『青木美沙子のソーイングブック』発売記念トークショー&サイン撮影会イベントが決定しました。青木美沙子さんのトークショー、本に名前入りのサイン、ツーショット写真撮影を予定。会場では掲載作品の展示も実施します。(先着50名様)2月22日20:00よりチケット販売開始。詳しくは下記イベント情報ページへ。イベント情報ページ: ◆青木美沙子さん プロフィールロリータモデル。正看護師。ロリータファッションの第一人者として活躍中。外務省任命の「カワイイ大使」として、世界中に日本発祥のロリータファッションを普及する活動をし、25か国50都市以上を歴訪。しまむら、PINK HOUSE、Melody BasKetなど、さまざまなブランドとコラボし、プロデュース業を行う。イベント企画、本の出版多数。中国SNS総フォロワー100万人以上。現役の正看護師としても働いている。◆青木美沙子 SNSアカウントInstagram : X(旧Twitter): YouTube : ◆商品概要商品名 : 青木美沙子のソーイングブック発売日 : 2024年2月26日(月)定価 : 1,980円(税込)ページ数: 104ページ寸法 : A4判(297mm×210mm)URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月26日私がロリータと出会ったのは、16歳のとき。雑誌『KERA』の読者モデルになったのがきっかけでした。たまたま撮影で着たロリータの衣装に、すっごくときめいたんです。フリルやレースがいっぱいついたドレスは、まるでお姫様みたい。小さな頃、ピアノの発表会でおめかししたときのうれしい気持ちを思い出しました。大きくなったらもう結婚式くらいしかそんな機会はないと思っていたのに、ロリータを着れば、誰でもいつでもお姫様になれる。「私、これからもお姫様になっていいんだ!」って、感動したんです。でも、ロリータはとってもお金のかかるファッション。1着3万円、トータルコーディネートで10万円、なんていう世界です。高校生の私にはもちろん手が出せず、しばらくは雑誌の撮影で楽しむだけ……。自分の稼ぎで少しずつ買えるようになったのは、20歳を過ぎて、看護師として働き始めてからでした。■ロリータは私にとって“自信をくれる服”ロリータ服を見て「着るの恥ずかしくない?」と考える方は、少なくないと思います。でも、実は逆。ふんわりしたドレスは、身体のラインがまったく出ないため、自分が普段恥ずかしく感じている部分を上手に隠してくれるんです。たとえばお腹に脂肪が蓄積していても、胸がちょっとさみしくても、おしりが大きくても、まったく見えません。身体のコンプレックスをすべて隠してくれるロリータは、私にとって「自信を与えてくれる服」。着ると、いつでも勇気が湧いてきます。それから、袖を通すだけで普段の自分の生活を忘れ、非日常の気分になれるのもいいところ。子育て中のロリータ仲間は、ストレス発散のために「土日ロリータ」を続けているそうです。そう考えるとロリータファッションって、たぶんジャニーズや宝塚を観に行ったり、スポーツをしたりするのと同じ。“趣味”のひとつなんじゃないかなぁと思います。外見にインパクトが出る分、どうしても「自己主張が強そう」「激しい人なのかな?」なんて、誤解をされがちなんですが……(笑)。でも、小さな頃にお人形遊びをしたことがある女の子は多いはず。ロリータはそんな、かわいいドレスの着せ替えに似ています。着せ替え遊びを自分自身で体現できるなんて、めちゃくちゃ楽しいと思いませんか?もしかすると私は、大好きだったリカちゃん人形になりたい気持ちが、いまも続いているだけなのかもしれません。■「そろそろ落ち着いて、結婚して子どもも産む頃でしょ?」とはいっても、いまの日本でロリータファッションを続けるのは、少しハードルが高いのも事実です。日本は島国なこともあってか、同調圧力が強い文化。「この年齢だからこうすべき」というプレッシャーが、根強く残っています。メディアなどでも「若く見えるモテファッション」や「結婚適齢期」といった表現をよく見かけるし、それがとてもキャッチーだからこそ、苦しい気持ちになってしまう女性も少なくないのではないでしょうか。私自身、25歳や30歳といった“節目の年齢”では、このままロリータを続けていいのかと悩むことがありました。特につらかったのは、30代に入るとき。「そろそろ落ち着いて、結婚して子どもも産む頃でしょ?」といった社会的圧力を、じりじり感じていたんです。実際、私も結婚や出産には興味があります。大好きなロリータを手放したくはないけれど、男性ウケが悪いとされがちなファッションだから、恋愛はしにくい。じゃあ、このあたりで辞めたほうがいいのかも……?と、しばらく自問自答の日々が続きました。■消えないコンプレックスなら、抱えて生きていけばいいそんな私の年齢コンプレックスを弱くしてくれた出来事が、ふたつあります。ひとつは32歳頃、外務省から任命された「カワイイ大使」のお仕事で、アメリカを訪れたときのこと。ロリータ文化を盛り上げるために、現地のロリータちゃんをたくさん集めて、お茶会をしたんです。そのとき、私が「自己紹介で年齢を言いましょう」と周りに促したら、ある方から「それは失礼ですよ」とたしなめられて……。私にとっては、社会が“厳しいジャッジをする基準”でもあった年齢。なのにアメリカでは、人に言う必要さえない“プライベートな情報”だったんです。日本では、自己紹介で年齢を言ったり尋ねたりするシーンが、まだ珍しくありません。でもこの出来事を経て、年齢なんて言わなくてもいいんだな、と思えるようになりました。もうひとつの出来事は、34歳で出演したドキュメンタリー番組『セブンルール』(フジテレビ系)です。そこで初めて、私ははっきりと年齢を公表しました。10代から読モをやっているので、計算すれば誰でもすぐにわかるんだけど……改めて言うのが怖かったんですね。「その歳で結婚していないのを、ロリータのせいにしてる」などと言われることもあって、ただでさえ重たく感じている社会的な圧力を、これ以上受けたくなかったんです。でも、思い切って公表したことで、同じように悩んでいる方々からは反響がありました。私自身も、人と悩みをわかち合ったことで、なんだか楽になれたんです。コンプレックスは、なくならないもの。とくに年齢は、どうしたって変えられません。だったら、その消えないコンプレックスを抱えながら生きていったらいい、と思うんです。誰かに「あの年でやばい」「劣化したよね」と揶揄されたって、そんなことを言ってくるような人は、自分の人生に関係ありません。悪意ある言葉には耳を貸さず、自分と他人を比べず、生きていけばいいんじゃないかなぁ。悩んだときもあるけれど、結局「やっぱり好き!」という気持ちと、周りに人生を左右されたくないという気持ちが勝って、私は今日もロリータを着ています。■意外と、誰も見てません!やりたいことをやっちゃおう幸い、ファッションは昔に比べてずっと多様化してきました。きゃりーぱみゅぱみゅちゃんのおかげで「原宿カワイイ」が世界的に人気となり、ロリータの認知度も少しずつ上がっています。それでもやっぱり、ロリータに限らず、自分がしてみたいファッションを試す勇気が出ないという方に、もう一言。実は、私がロリータを着ていても、周りはほとんど見ていません(笑)。フル装備で千葉から電車に乗っているのに、誰も気にしてない……なんて日も、最近は結構あります。スマホ時代になってから、みんなスマホを見ているんですよね。その程度の周りの視線なんて、気にするだけ損です。人の目や年齢が気になってあきらめていること、なんでもやればいいと思います。どうしても勇気が出ないなら、まずは自宅で!ちなみに、おうちでロリータを着ることは「宅ロリ」といって、れっきとした楽しみ方のひとつです。ご興味のある方はぜひ試してみてくださいね。私がロリータファッションをするときにこだわっているのは、なんといっても前髪!可憐なお人形のように見せるには、厚めのぱっつんにするのが一番手っ取り早いんです。セクシーなお洋服を着る方が筋トレで身体づくりをするように、ロリータの私は“少女らしく見える髪型やメイク”を、いつも研究しています。■無理はしない。でも、好きな限りは続けたい先日、誕生日を迎え、私は37歳になりました。自分に何がしたいのか問いかけてみると、いまのところ「ロリータが好き。だからこれからも続けたい」が答えです。何年も着続けてきたロリータは、私に自信をくれました。でも、社会の偏見に苦しんでいる仲間たちは、変わらずたくさんいます。今私は、ありがたいことに“ロリータの象徴”みたいに扱っていただく立場。だからこそこれからも、ロリータの地位を向上するために、頑張っていくつもりです。だけど、一番大切なのは、自分が心から“楽しむ”こと。ロリータのために“頑張る”なんて言葉は、もしかしたらちょっと強すぎるかもしれません。ただただ、かわいくて大好きなファッションなんだから、いつも自分らしく、向き合っていたいだけ。自分がロリータを好きだと感じる限りは、楽しんで続けていきたいなって思っています。編集協力/菅原さくら写真提供/青木美沙子(@misakoaoki)
2020年06月10日大好きなロリータファッションへの憧れを秘密にしている女子大生のマミ。同じアルバイト先に、周囲の目など気にせず毎日好きなおしゃれに身を包んでいる小澤が現れて…。“なりたい自分になれる”勇気が湧いてくるマンガ好きな服があるけれど、周囲から浮くのは怖い。そんな悩みを描いて共感を呼んでいる『着たい服がある』。その著者が、常喜寝太郎さん。「高校生くらいから服が好きでした。自分は着たい服を着てるだけなのに、周囲に受け入れてもらえなかったり、好きな女の子に振り向いてもらえなかったり。だから、マミの悲しさは、自分もよくわかるんです」2巻に入り、マミが育った環境などバックボーンが見えてくる。「マミがずっと会っていなかった父親に会う回があります。実は僕にも同じ経験があって。そのときの実感を、マミの気持ちに重ねました」そう、親子の葛藤あり、生き方をめぐる煩悶あり。ただのおしゃれピープルのためのマンガではない。「最初は『好きな服を着たい人の背中を押します』的な内容だったのですが、連載するに当たって、読者の心にもっと突き刺さるテーマを入れたいと担当さんとも徹底的に話し合いました。それで、マミが『自分らしさとは何か』を考え始める展開にしました。簡単には答えが出ない悩みだけれど、自分も友達のちょっとしたひとことで救われたりしたことがあるので、そういうメッセージを伝えていきたいです」ファッションにこだわりがある作品だけに、マミや小澤が着ている服の描き込みが超絶に繊細!「マミが着ているロリータ服は、実際に『BABY,THE STARS SHINE BRIGHT』の商品。家でトルソーに着せて、ディテールまでじっくり観察しながら描いています。時間はかかりますが、むしろ作画のモチベーションが上がるポイントです。一方、小澤の服は、自分でデザインしながら描いているフルオリジナルです」そのくらい服を愛している常喜さん。ご本人もとてもおしゃれだ。「ただ友人からは、『見た目は小澤っぽいけど、中身はマミだよね』と言われていますね(笑)」つねき・ねたろう滋賀県出身。2013年、ちばてつや賞第68回ヤング部門で準優秀新人賞を受賞し、デビュー。「日刊月チャン」で「不良がネコに助けられてく話」も同時連載中。『着たい服がある』2ロリータ服を着る勇気が持てたマミだが、母に理解されず再び意気消沈。だが、ゴスロリを着たカヤとの出会いがマミを変えていく。「Dモーニング」で連載中。講談社610円※『anan』2019年4月3日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2019年03月30日本当にアラサー?鳥居みゆきのロリータが話題お笑い芸人の鳥居みゆきが、Instagramにてロリータファッションを公開。「可愛いすぎる」と話題となっている。はっきりとした目鼻立ちやくすみのない白い肌など、「実は美人」なことが周知されている鳥居。そんな彼女が今月Instagramに投稿したのは、ロールケーキのようなスイーツが描かれたピンクのドレスとホワイトのヘッドドレスをまとったロリータファッション姿だ。女優と監督を兼任これは鳥居が監督を務めた、Draftkingの新曲「This is me.」のMVに自身も出演した際の衣装だという。イメージに合わないフリフリのドレスや、ヌーディーなメイクが似合う顔立ちは少女のようで、彼女が34歳であることを忘れてしまうほど。頬に手を当てたポージングで微笑む姿も様になっており、本人もご満悦の様子。この写真には7月5日現在5000件を超える「いいね!」がついており、コメント欄にも「可愛すぎて頭クラクラした」「鳥居さんのロリータ最高です!!」(Instagramコメント欄より引用)と絶賛の声が集まっている。独特のファッションセンスが光る過去の鳥居の投稿を見てみると、カラフルなキノコに人間の眼球がデザインされたシャツを着ていたり、咥内や骨盤などが描かれたタイツをまとっていたりと、イメージ通りのトリッキーな私服姿も公開。それらが似合っているのだから、彼女のセンスの良さは本物なのだろう。なお「This is me.」MVは、YouTubeにて公開中。「正統派美人」と噂の鳥居の実姉も出演している。(画像はInstagramより)【参考】・鳥居みゆきInstagram
2015年07月06日愛する者を守るため、ぬいぐるみになることを選んだロリータファッションの新ヒーロー“ヌイグルマー”と、その相棒であるテディベアの戦いを描く映画『ヌイグルマーZ』。本作が初主演となる中川翔子さんが、日本のトップクリエイター達によって映画化された、ジャパニーズ・ポップカルチャーの集大成ともいえる『ヌイグルマーZ』の魅力をあまなく語ります! ■映画初主演が決まった時はどう思いましたか? また参加しようと思ったきっかけは? 最初に“映画が決まりました、大槻ケンヂさん原作の特撮です”と聞いて、それだけでもう、バンザイという感じだったんです。その後に続けて、今回は変身するピンクのヒーローで、そのキャラクターデザインをしてくださったのが『ヱヴァンゲリヲン』の鶴巻和哉さん、コヤマシゲトさん、しかも監督が井口昇監督と聞いた時には、うれしすぎて“うれし死に”しそうでした(笑)。この映画『ヌイグルマーZ』には、ほかにもヌンチャク、ゾンビ、かわいい女の子と、私がすてきだと思っているものがたくさんつまっていて。私の人生はこのためにあったのかと思いました。私が芸能界に入ったのも、特撮ヒーローになりたかったからなんです。当時はいろいろとオーディションを受けたりもしたんですが、うまくいかなくて、“やっぱり好きすぎるとだめなのかな、今世ではだめだけど、生まれ変わった来世でもオーディションを受けたいな”と思っていて。だから今、時空を超えて夢がかなうなんて驚きでした(笑)。しかも、今回は映画というメディアで。私には仕事の中で自分の生きてきた証を残したいという思いがあるんですけど、映画は撮影された時の空気が映されていて、繰り返し繰り返し観られるものなので、そういう意味でもうれしかったです。■主人公・夢子と中川さんの共通点は? 夢子ってほんとにダメなんです(笑)。年齢は不明なんですが、ずっとロリータファッションを着ていて、料理も苦手。人が“?”と思ってしまうような感覚を持ったまま生きていて。でも、大切な人を守りたいという気持ち、そしてあこがれのヒーローになりたいんだという気持ちが爆発した時はすごく強くなるんです。ここぞという瞬間に力を発揮するという点は、私も夢子とよく似ていると思います。■逆に違うところは? 振り切っているところです。夢子は、一度好きになったらとことん追及して、それを貫いて生きているんですね。それがすごいなと思います。例えば、私もロリータファッションに興味はあったんですが、実際に挑戦する勇気がなくてできなかったんです。ひとりの時は強気になれても、人前に出るのはちょっと怖いというせめぎ合いが私の中にあって。この作品で夢子を演じて、“私にもこのくらい勇気があれば”と思いました。夢子は、ダメなところは多くても、そうじゃない、かっこいいところもたくさんある女の子だと思います。■役作りはどうされたんですか? 脚本を読んだとき、“自身の過去と向き合う作業”に取り掛かる決心をしたんです。これまで“黒歴史”と名付けていた、中学時代のどうしようもない自分をもういちど呼び覚ます作業ですね。それをしないと夢子は演じられないと思ったんです。映画の中で、夢子が部屋に閉じこもり、特撮ヒーローのビデオを見ながら変身ポーズをきめている。そのときだけ心が輝くシーンがあるんですが、あれは親も見たことのない中学時代の本当の私の姿です。そのシーンを撮るときは、運命以上に怖さを感じましたね。それから、その作業と同時に、純粋な気持ちで特撮ヒーローを見ていた気持ちを呼び起こすため、またもビデオを見まくりました。変身直前の表情の変化とか、いかにも特撮モノっぽいポーズとか、今度は自分が『宇宙刑事ギャバン』や『超人機メタルダー』のようなヒーローなるんだという新たな視点で見たことで、これまでにない感動が生まれましたね。そういう作業をしていくうちに、『過去の自分にプレゼントしたい映画を作ろう』と気持ちになりました。■ヌンチャクアクションも披露していますが、あれは私物なんですよね!あれは、中学のときに自分でこしらえたものですね。そもそも、井口監督もアクションシーンでヌンチャクを使うイメージがあったので、黄色いもの、黒いもの、鎖のカッコいいものなどを用意してくれたんです。でも、私がいつも持っているピンクのヌンチャクを見た瞬間に、『じゃ、これでいきましょう』と言ってくださって……。これが偶然にも、今回着ているロリータ衣裳にピッタリなんですよ! ヌンチャクで戦うシーンはアクション監督の宮崎(剛)さんに指導していただきました。ゾンビをなぎ倒していくシーンがあったから、ダメ子がダメ子だけなじゃく、ヌイグルマーに変身する強さを秘めていることを表現できたのでうれしかったです。ヌンチャクは隠し芸大会でプロの方に指導を受けたこともあるし、それこそ実家の壁に穴が空いているくらい、ひたすら振り続けているので、久々感はまったくありませんでした(笑)。しかもそのアクションを宮崎剛さん率いるJAEのメンバーとできたこともまた私にとっては喜びの極みでした。私の想い出の品が映画という媒体に残るなんて……それでだけで、すべてが成仏しています。■中川さんがよくおっしゃっている、この映画に詰まっている“ステキ”。ぜひ具体的に教えてください。とにかく、てんこ盛り、メガ盛りもいいところ。それこそ盆とクリスマスと正月と、特上ステーキと特上寿司と、大トロといくら、ウニと……って、寿司ばっかりになっちゃったけど(笑)、贅沢な何段重ねのお重みたいに「世界のステキ」がいっぱい詰まっています。特撮ヒーロー、ピンク、フワフワ、女のコがいっぱい、ヌンチャク、イケメン、ゾンビ、ファンタジー、夢、愛、ロマン、友情等々……とにかく素敵がいっぱい詰まったカオスな映画です。女の子に見てほしいなってすごく思うんですけど、なぜなら女の子って戦隊ものでは男たちのなかのひとりだったり、ヒーローに守られヒーローを支えるヒロインだったりしますよね。でもヌイグルマーは女の子が女の子を守るために女の子に変身するんです。“かっこいい”“強い”だけじゃなくて“かわいい”も兼ね備えたヒーローっていうのは、特撮の歴史のなかでも今までになかったと思います■劇中では「BABY,THE STARS SHINE BRIGHT」のロリータ衣装を着ていらっしゃいますよね! 中川さんが選んだんですか? 衣装合わせのときにいろんなロリータを着て、ロリータっていい塩梅を見つけるのが難しいのかなと思ったんですけど、この衣装を見た瞬間にもうこれしかないって全員一致でなったんです。世界に一着のBABYのものなので。ゴテゴテなんですけど、これを着るとシャキッと強くなれる気がしますね。これを着てカレー屋のバイトをするシーンがあったので、カレーが飛び散らないようにとか、ゾンビの血が付かないようにとか、すごく気を付けながらやっていました(笑)。ロリータっていうのも、日本のポップカルチャーの一つなので、例えばゾンビが好きでロリータが好きなフランスの方とかにも観て欲しい映画ですね。ファッションでも共感できる特撮っていうのはなかなかなかったと思います。■「ヌイグルマー」演じる武田梨奈さんとの共演はいかがでしたか? はじめてジャッキー・チェンの話で意気投合できる女子に出会えました(笑)。学生時代、いかにそういう女子を探していたか、そして出会えなかったかを痛感していたので、梨奈ちゃんのような新世代の若い女優さんとジャッキーについて「そうそうそう!」と相槌が打てる喜びといったら! 本当にこれからも仲良くしていきたいです(笑)。■武田さんのアクションも本当にかっこよかったです! 梨奈ちゃん演じるヌイグルマーが階段でゾンビをなぎ倒して、ハイキックして、さらになぎ倒していく、とても難しい長回しのアクションがあったんですけれど、なんと一発OKだったんです。本当にあれには圧倒されました。しかも片目はボタンなので視界も半分なわけですよね。それに鶴巻和哉さんがデザインされたヌイグルマーは華奢で腰も細くて手足も長くて、完全に「エヴァボディ」なんですよね。それをまた見事に着こなしてアクションしているんです。撮影の時期はとても寒かったんだけど、タイトな衣装だからカイロも貼れない。けど、梨奈ちゃんはすごく真面目でストイックに取り組んでいて。日本で一番動けるアクション女優の梨奈ちゃんがヌイグルマー役だったことには何か運命的なものを感じています。梨奈ちゃんがアクションで私のマミタスポーズを取り入れてくれて、梨奈ちゃんの方ですごく考えながらアクションをしてくれていました。宮崎さんといろいろと相談してくれていたみたいなんです。■最後に映画をこれからご覧になる皆さんにメッセージを。特撮はファンタジーであり、ロマンであり、強さ、かっこよさだと思うのですが、『ヌイグルマーZ』にはそういったものに加えて“かわいさ”という要素も含まれているので、特撮好きの方はもちろん、特に女の子にとってはとても楽しく、共感しながら観られるものになっていると思います。この作品の“ダメでもいいんだ”というメッセージは、きっとたくさんの方に響くと思うので、ぜひ観ていただけたらと思います。(c)2013ヌイグルマーZ/フィルム・パートナーズ『ヌイグルマーZ』は、1月25日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー 公式サイト
2014年01月24日