ローマ法王フランシスコと英エリザベス女王が4月3日(現地時間)、バチカンで会談したと世界中のメディアが報道した。女王はこれまでにも歴代のローマ法王と会談してきたが、フランシスコ法王に会うのは初めて。女王はイタリアのナポリターノ大統領の招きを受け、夫のフィリップ殿下と共に日帰りで同国を訪問。大統領主催の昼食会に出席した後、バチカンに向かった。女王はイングランド国教会の首長、フランシスコ法王はローマカトリック教会のトップという立場だが、非公式の会談という形で初の面会が実現した。エリザベス女王はこれまでに、即位前年の1951年のピウス12世との会談を皮切りに、故ヨハネパウロ2世など歴代のローマ法王4人と会談してきた。そして米メディア「abcnews」が伝えたところによると、この非公式の場にエリザベス女王がお土産として持ち込んだものは、イギリス王室の夏の休暇地として使用されている6万5,000エーカー(約260平方キロメートル)の面積を誇るスコットランドのバルモラル・エステートで醸造されたウィスキー、作られたジャムや各種の飲料をピクニック・ビスケットに詰めたギフト。なんともハート・ウォーミングな贈り物だ。一方、フランシスコ法王からは、去年7月に誕生されたジョージ王子へと、稀少な宝石で飾られた十字架の印のついた地球儀。まもなく初めての外遊でオーストラリアとニュージランドを訪問される王子へふさわしい記念品になることだろう。またエリザベス女王には「urbi et orbi」(“ローマと世界へ”の意味)というメッセージが綴られた1679年に作られたという羊皮紙が贈られた。(text:Mieko Nakaarai)
2014年04月04日ローマ法王ベネディクト16世の生涯が伝記映画化されるようだ。独プロデューサーのマルクス・メンデとペーター・ヴェッケルトは今回、カトリック教会のジャーナリストであるピーター・シーワルドが近日中に上梓するローマ法王の伝記本の映画化権を獲得したという。ピーターはこれまでにも法王のインタビューをまとめた本3冊を出版し、ベストセラーとなっているが、そのうち2冊は法王に就任する前のヨーゼフ・ラッツィンガー枢機卿時代のものだ。新刊本は2014年初頭に出版される見込みで、ピーターは今回の映画化作品では脚本にも監修として参加する模様だ。今回の映画化についてオデオン・フィルムは声明で「プロデューサー陣は国際的な映画を製作しようと考えています。法王が1927年にドイツのバイエルン州でヨーゼフ・ラッツィンガーとしてこの世に生を受けてからローマ法王に就任し、今日も素晴らしい活躍をなさっている様子をあらゆる面から描くつもりです」と発表している。今月3日(現地時間)からツイッターを開始したことで話題のローマ法王だが、レディー・ガガやスーザン・サランドンなどのセレブたちから批判されることも度々で、特にスーザンに至ってはローマ法王を「ナチ」呼ばわりしている。
2012年12月05日第54回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作『息子の部屋』から10年、イタリアの巨匠ナンニ・モレッティ監督が満を持して贈る『Habemus Papam』の邦題が『ローマ法王の休日』に決定。自らが企画・脚本・演出・出演をこなす新境地で、法王逃亡という衝撃の題材で昨年のカンヌ映画祭を沸かせた話題作だ。今回、監督のインタビューをお届けする。●この映画のアイデアはどこから来たのですか?フェデリカ・ポントレモーリとフランチェスコ・ピッコロと私の三人で、同時に別々のアイデアを練っていました。しばらくしてから、本作の脚本に取り掛かることに決めました。あるシーンを思いついたことをきっかけに、すべてが始まりました。それは、新しく任命されたローマ法王が、彼の登場を期待して待つ信者たちの前に、なかなか姿を現すことができないというシーンです。●宗教的な教育を受けてきましたか?神の存在は信じていますか?両親が信奉者なので、私はカソリックの教育を受けました(ほどほどにですが)。私自身は信奉者ではありません。●本作は明らかに2パートに分かれています。「拘束」を扱ったシークエンスがある一方、「自由」を扱ったシークエンスがあります。脚本のバランスと調和について教えてください。私は一本の映画でコメディ性とドラマ性を混ぜ合わせたかったのです、奇妙さと現実味の両立をね。作品に映し出されている枢機卿のコンクラーベはあくまでも我々の想像の産物ですが、現実のコンクラーベの儀式と教儀に敬意を払いました。そして、法王がバチカンから逃げだして街中を歩いていると、彼は長い間忘れていた様々なことを経験します。ローマを放浪している法王の姿は、彼自身と観客の両方に質問を問いかけてきます。そして、その一方、精神分析家のほうはバチカンの囚人となり、当初は混乱していたものの、最終的には安らぎを見出すのです。●最近、あなたに対して起きている中傷に関してはどう思いますか?作品そのものに対する中傷はありませんでした。ただ、カソリックの教えを反映していない一部の人々から中傷されただけです。●近年、カソリック教会では様々なスキャンダルが起こり、それに対して階級組織としての姿勢が批判されてきました。なぜ本作ではそういった物議を描かなかったのでしょうか?私はすでに人々に知られていることをわざわざ映画を通して描きたいとは思いません。時事ネタを扱って、観衆にベールに包まれたメッセージを送りたいとも思わない。カソリック教会を取り巻くスキャンダルについては(例えば小児性愛や財政問題など)、それを取り上げている本やドキュメンタリー、新聞記事がすでにたくさんある。私は時事に影響されないように距離を置いています。本作はフィクションです。この作品は私の視点から見るバチカンであり、コンクラーベであり、枢機卿の姿です。●なぜチェーホフにしたのですか?脚本を書いている最中、劇を有名作家の作品にしたいと思ったからです。チェーホフの思想が本作の内容と登場人物たちに最もふさわしいと思いました。●監督自身が“ジロトンディ”運動を経験後に、これ以上政治とは関わりたくないと思ったことは、法王になることを拒むメルビルの心情にも重なっていますか?それはちょっと飛躍した解釈だと思う。“政治活動”に関しても当初から、私は監督業に戻りたいと公言していました。元々、政治家になるつもりはまったくなかったんです。●本作のどういった箇所が自伝的ですか?いつものことですが、映画を撮っているという行為自体が自伝的です。より深く説明するとすれば、法王になりたくないと違和感を覚えているメルビルと精神分析家の二人は、両方とも私自身の投影なのです。作品情報『ローマ法王の休日』監督:ナンニ・モレッティ出演:ミシェル・ピッコリ、イエルジー・スチュエル、レナート・スカルパ、ナンニ・モレッティ他7月21日(土)TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開(C)Sacher Film . Fandango . Le Pacte . France 3 Cinema 2011
2012年07月18日『息子の部屋』で高い評価を受けた、イタリアの巨匠ナンニ・モレッティ監督の最新作『ローマ法王の休日』のメイキング映像がこのほど公開された。『ローマ法王の休日』メイキング映像本作は、前法王が死去し、新法王に選ばれたメルヴィルがプレッシャーのあまり街へ逃げ出し、苦悩を抱えながらも人びととの触れ合いによって自分を見つめなおす姿をユーモラスに描いた作品。全世界で11億人以上の信者がいるカトリック教徒の最高指導者である“法王”を主人公にし、さらに就任演説前に逃亡するという大胆な設定で描いた本作。このほど公開されたメイキング映像は、枢機卿たちがバレーボールをするシーン。枢機卿役の俳優たちに監督が自らバレーボールを教え、俳優たちが真剣な表情でバレーボールに取り組む姿が映し出されている。このシーンは、イタリアのフランス大使館にあるファルネーゼ宮の庭で撮影が行なわれており、本作の中で笑いどころでもある。撮影は16世紀に建設されたイタリア有数の庭園ヴィラ・ランテや『ローマの休日』でも撮影に使用されたバルベリーニ宮殿など、歴史的建造物で行われ、イタリアの景観を楽しめる作品ともいえそうだ。本作は21日(土)より公開となる。『ローマ法王の休日』7月21日(土)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
2012年07月13日カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞歴をもつイタリアの巨匠ナンニ・モレッティ監督の最新作『ローマ法王の休日』が7月21日(土)より公開となる。ローマ法王の逃亡劇というユーモラスで斬新な映画の題材とは裏腹に、このほどモレッティ監督がご年配の枢機卿たちに叱咤を飛ばす、緊迫感漂う貴重なメイキング映像がシネマカフェだけに到着!ローマ法王の死去という一大事を受け、新法王選出のためヴァチカンに集められた各国の枢機卿たち。選挙のゆくえを真剣に見守りながら、全員が心の中で「どうか私が選ばれませんように…」と祈りを捧げていたが、そんな願いも虚しく新法王に選ばれたのは、誰も予想だにしていなかったダークホース、メルヴィル。大勢の信者たちの前で演説をするという大仕事を控え、あまりのプレッシャーに耐えかねた彼は、何とローマの街に逃亡を図る!“イタリアのウディ・アレン”と称される、癖のある人柄と作風、そしてナイスミドルな風貌で世界中に多くのファンをもつモレッティ監督。その作品はユーモアに富み、最後には温かい感動を生み出す良質なものばかりだが、その分演出のこだわりもハンパではない。今回届いたのは、問題の新たな法王が選ばれる、本作の一番の肝となるシーン。ピッコリを始め真っ赤なミトラ(聖職者が被る帽子)とポンチョを羽織った年配俳優たちが静かに並ぶ中、モレッティ監督の叫び声だけがスタジオにこだましている。イタリアが誇る大御所俳優ミシェル・ピッコリ(御年86歳)を始め、年配のベテラン俳優たちに一切臆することなく、まるで舞台演出のように大勢の役者たちを鼓舞していく監督。自身も俳優であり、本作でも法王の精神科医という役柄で出演しているが、実際に役者と同じ動きをしながら、システィーナ礼拝堂に見立てたセットの隅々まで行き渡るように叫び続ける姿は、映画監督というよりは軍隊を指揮しているかのようだ。モレッティ監督はピッコリについて、「この映画の成功の鍵は、彼のキャスティングにあったと言っても過言ではない」と話す。「存在感、演技力は言うまでもないが、彼の素晴らしいところは、大ベテラン名優にして、柔軟であり、すぐに私たちのやり方に合わせてくれてたことだ」と賞賛を惜しまない。一方、当のピッコリは「過酷な撮影だった…。長年やってきた私が、もう俳優という仕事を辞めてしまおうかと思ったくらいだ」とすっかり心を折られ、ローマ法王と同様に気弱に…?“生ける伝説”とまで言われる名優の俳優生命を絶たんとした、モレッティ監督の迫力の演出は、映画ファン垂涎ものの貴重な映像となっている。ぜひこちらの映像で、映画の舞台裏をぜひ覗いてみて。『ローマ法王の休日』は7月21日(土)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:ローマ法王の休日 2012年7月21日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開
2012年07月12日