ローランドは、初心者向けのシンセサイザー「JUNO」シリーズの新製品として、全ての音や機能を大幅に強化した「JUNO-DS」シリーズを発売することを発表した。88鍵と61鍵のふたつのモデルが用意される。販売開始は10月下旬。価格はオープン。今回発売される「JUNO-DS」シリーズは、初心者向けのシンセサイザー「JUNOシリーズ」のいい音、簡単操作、軽量という基本コンセプトはそのままに、すべての音や機能を大幅に強化した新しいモデル。音質面に関しては、本体に内蔵された音色のクオリティが向上したのに加えて、音色ライブラリー「Axial」から好みの音色をダウンロードし、追加することが可能となった。さらに、本体で必要な音色をすぐに呼び出せるように、ボタンやつまみの配置が改善されている。また、機能面においては、マイクから入力した声にさまざまな効果が掛けられるボーカル・エフェクターが追加されたほか、効果音や印象的なフレーズを本体のパッドに割り当てて演奏中に瞬時に呼び出す機能などが追加されたということだ。なお、同シリーズは、本格的なピアノ演奏が行えるピアノ・タッチの88鍵「JUNO-DS88」と、シンセサイザーとしてスタンダードな61鍵「JUNO-DS61」のふたつのモデルが用意される。ピアノやオルガン、弦楽器や管楽器といった、バンドでのアンサンブルに適した1,200種類の音色が搭載され、カテゴリー別に分類された選択ボタンから素早く呼び出すことが可能となっている。また、61鍵モデルの「JUNO-DS61」は、5.3kgという軽量設計で持ち運びやすく、練習スタジオやライブ会場への移動が簡単に行えるということだ。
2015年09月15日ローランド ディー.ジー.(ローランドDG)はこのほど、3次元切削加工機のオールインワン・パッケージモデル「MODELA PROII MDX-540S-AP」の国内販売を10月7日に開始すると発表した。「MODELA PROII MDX-540S-AP」は「第27回 設計・製造ソリューション展(DMS)」で参考出品された機種で、従来機種からデザインを一新し、ATC(自動工具交換装置)や各種キットを標準装備したオールインワン・パッケージモデルとなっている。大型のNCマシン等の加工機と比較して設置も短時間で完了でき、導入後すぐに本格稼働させることが可能だ。主な仕様としては、XYZ動作ストロークが400(X)×400(Y)×155(Z)mm、スピンドル回転数が400~12000rpm (ただし400~3000rpmは位置決め、芯出し用)、動作速度が最大最大7.5m/min。価格は500万円(税抜き)で、発売後3年間で200台の販売を目指す。なお、同モデルは来月開催される「第18回 関西 設計・製造ソリューション展(DMS KANSAI)」にも出品される予定となっている。
2015年09月10日ローランドは、コンパクトボディに同社M-5000と同等の機能を搭載したコンパクト・ライブ・ミキシング・コンソール、O.H.R.C.A「M-5000C」を発表した。価格、発売日は現在未発表。同製品は、740mm(幅)×725mm(奥行き)×346mm(高さ)という機動性に優れたコンパクトなボディーに、スクロール/アイソレート自在の16フェーダー、およびアサイナブル4フェーダーを装備。128chの入出力を自由にアサインできる内部構成に加え、チャンネル・ストリップとは別に、最大300入力/288出力(96kHz時。48kHz時は460入力/448出力)のセットアップが可能となっている。また、高音質を支える96kHzのサンプリング・レートや電源二重化への対応、72bitのサミング・バスや、一から見直されたアナログディスクリート回路なども備える。さらに、本体のアナログ入出力16イン/8アウトに加え、REACをはじめ、Dante、MADI、SoundGrid、SDI、SFP、DVIへの対応を可能にしたエキスパンションインタフェースも2枚まで搭載できるということだ。
2015年08月17日ローランドは、マイクロソフトよりリリースされたWindows 10に対応するローランド/BOSSブランド製品のUSBドライバを、Windows Updateにより配布すると発表した。同社では、Windows10のリリースにおいても最新のドライバを最速で提供するための準備を整えており、Windows Updateの機能によって、インターネットに接続されたWindows10インストール済みのパソコンと、ローランド/BOSS製品をUSBケーブルで接続することで、自動的に最適なドライバーがインストールされるということだ。なお、現時点での製品ごとのWindows 10(64ビット版/32ビット版)への対応状況については、同社Webサイトにて確認することができる。
2015年08月07日ローランドは、同社が長年培ってきた先進のデジタル技術により、ピアノの基本性能である音、鍵盤、音響システム、デザインのすべてを一新した家庭向けデジタルピアノ「LX-17」「LX-7」「HP605」「HP603」の4機種9モデルを、2015年9月下旬に発売すると発表した。価格はいずれもオープンプライス。今回のフルモデルチェンジでは、ピアノの基本性能である音、鍵盤、音響システム、デザインのすべてにわたってゼロから再設計。フラグシップ・モデル「LXシリーズ」とスタンダード・モデルの「HPシリーズ」では、演奏と同時にピアノの各部を仮想的に合成し、ピアノ音を一から再構成することで、アコースティック・ピアノの弦や響板など、各部が複雑に干渉しあうことで刻々と変化する豊かな倍音の響きを再現する「スーパーナチュラル・ピアノ・モデリング音源」を搭載する。また、鍵盤については、木材と樹脂のハイブリッド構造を新たに採用した「PHA-50鍵盤」により、剛性を高め樹脂による安定性、耐久性を飛躍的に向上させた。さらに、デジタルピアノで世界初のMIDI対応Bluetooth機能を装備しており、スマートフォンやタブレットなどのデジタル・デバイスをピアノに無線接続し、音楽アプリや動画のサウンド(オーディオ・データ)をピアノ本体から再生できる(LX-17/LX-7/HP605のみ)。対応アプリは、電子譜面アプリ「piaScore」(iOS対応)、グラフィカルな画面で、ピアノの音や響きなど、好みの音色に調整できる「Piano Designer」(iOS/Android対応)、ピアノに任意の曲データをワイヤレスで簡単に転送可能な「Roland MusicData Browser」(iOS対応)などとなっている。
2015年08月05日島村楽器は3日、ローランドとコラボレートした電子ドラム「TD-25SC-S」を発売すると発表した。発売日は2015年8月22日。価格は22万6,800円。本製品は「自宅でも本格的な音でおもいきり楽しめるドラム」をコンセプトに開発された電子ドラム。従来モデルと比較して幅・奥行き共にマイナス10cmのコンパクト設計を実現しながらも、演奏の幅が広がる「2クラッシュ+1ライド構成」となっているのが特徴で、シンバルの音色に変化をつけられるのはもちろん、使用頻度の高いハイハット、ライドシンバル、クラッシュシンバルはそのままに、もう1枚のシンバルでパーカッションや効果音などを楽しむこともできる。音源は、ローランド「V-Drums」のフラグシップモデル「TD-30」直系のサウンド・エンジンを搭載した「TD-25」を採用。これにより、ロール、フラム、ゴースト・ノートなどのドラム奏法をリアルに表現でき、好みのキットへのカスタマイズも自由に行えるとのこと。また、ドラムパッドにはチューニング・キーで張り具合の調整ができるメッシュヘッドを採用。叩く位置の違いで打感が変化し、自然な叩き心地が楽しめるという。なお本製品には、手持ちの携帯音楽プレーヤーなどと接続可能な「外部音源用オーディオケーブル」と「オリジナルコンテンツUSB」が付属。「オリジナルコンテンツUSB」には、人気ドラマーの音を再現した音色データ(12キット)と、練習が楽しくなるデモソング(各ジャンルから15曲)/ループパターン(各ジャンルから15種) が収録されているとのこと。
2015年08月03日ローランドは、過激なサウンド・メイクと高い操作性を実現する同社AIRAシリーズのシンセサイザー"SYSTEM-1"のVST/AUプラグイン・バージョンとなる「SYSTEM-1 Software Synthesizer」を発売した。価格は1万5,120円。同製品は、2オシレーター、サブ・オシレーター、ノイズ・ジェネレーターの4オシレーター構成となっており、SuperSaw、SuperSquare、FM、Vowelといった独自の波形を含む12のオシレーター・タイプを搭載。パンチの効いたシンセ・ベース、温かみのあるパッド、ギラギラしたアルペジオ、歯切れの良いシーケンス・サウンドなど、汎用性の高いサウンドを創り出すことができる。また、-12dB/-24dBが切り替え可能なフィルター部、独立したハイパス・フィルター、サウンドのバランス調整に適したトーンつまみ、同社AIRAシリーズでもおなじみのSCATTER機能にも対応するアルペジエーター(6タイプ)なども装備。さらに、SYSTEM-1/SYSTEM-1mで使用可能なエディター/ライブラリアン機能も備えるほか、VSTi 2.4(32bit/64bit)Windowsのみ/VSTi 3.6(32bit/64bit)/AUプラグイン・フォーマットをサポートする。対応OSは、Windows 7 SP1/8/8.1、Mac OS X 10.8.5以降。なお、同社Webサイトより、体験版のダウンロードが行える。
2015年07月14日ローランドは、多くのギタリストにサウンドを支持されているギター・アンプ"ジャズ・コーラス"の40周年を機に、出力40Wのコンパクトモデル「JC-40」を発表した。発売時期は2015年秋。価格はオープンプライス。同製品は、ギター・アンプという製品ジャンルにおいて独自の地位を築き、世界中の多くのライブハウスやレコーディング/リハーサル・スタジオで使用されている「ジャズ・コーラス」特有の「JCクリーン・トーン」と、独特の広がり感のある「空間合成コーラス」はそのままに、従来よりも大幅に小型化を実現。また、ジャズ・コーラスの伝統でもある堅固なつくりも継承しており、ボディーの外周に鋲を打ちつけ、コーナーにはプロテクターを施している。本体には、ステレオ・アンプに加えて、ステレオ入力も装備。接続したエフェクターより出力されたステレオ音声信号を1台で再生することができる。
2015年07月10日ローランド ディー. ジー.(ローランドDG)は6月11日、浜松医科大学医学部附属病院内に、医療器具・機材の保全・管理にかかわる作業支援システムを構築したと発表した。同事業は、同社の医療器具用マーキング装置「MPX-90M」と同社が生産現場で活用している「デジタル屋台 」の作業支援システムに関する技術・ノウハウを応用し、浜松医科大学が抱える同大学医学部附属病院の中央診療施設材料部内での、医療器具・器材管理の効率化ならびにそれらの分解・洗浄・組立・滅菌などの作業品質および効率の向上という課題の解決を図ったもの。「MPX-90M」は、医療器具・器材へのマーキングに特化したドットピン方式の小型マーキング装置。医療器具や器材の各部品にシリアル番号や2次元シンボルを打刻することで、識別性とトレーサビリティーの確保を可能とする。今回のケースでは、中央診療施設材料部が管理する医療器具・器材のうち約4000点にマーキングを行った。また、「MPX-90M」でマーキングしたシリアル番号や2次元シンボルを読み取るための専用バーコードリーダー「MR-1」を開発し、医療機器工業会のガイドラインに従って、マーキングした2次元シンボルを確実に読み取ることができるようにした。「デジタル屋台」とはローランドDGが自社の工場で取り入れているデジタル方式のセル生産システムで、作業者がパソコンのディスプレイに表示されたマニュアルを確認しながら、工程ごとに必要な部品を自動供給ラックから取り出し、指示された工具を使用して製品を組み立てていくというもの。同病院ではこれを、医療器具・器材の洗浄作業支援システムに応用。従来の紙ベースの作業指示書をデジタル化するとともに、各工程を細分化し、画像を多用することで、誰もが分かりやすい「デジタルマニュアル」を整備した。また、「MR-1」と連動させることで、器具・器材の名称や用途が分からなくても、器具・器材にマーキングされた2次元シンボルをもとに指示書が検索できるようにした。さらに、洗浄支援システムや医療器具の検索・組立支援システムと専用のサーバをネットワーク接続し、各端末での作業指示書の同期を図ったり、作業履歴の管理・分析を通じて改善活動につなげたりすることが可能となった。ローランドDGは「国内外の多くの医療機関では、浜松医科大学同様、医療器具・器材のトレーサビリティー管理や保全作業品質の向上、効率化といった課題に直面し、解決方法を模索しています。浜松医科大学とともに本システムの研究をさらに推進することで、実用化・事業化に必要なノウハウを蓄積し、世界中の病院が抱える課題を解決する有効なソリューションが提供できるようにしていきたいと考えています。また、システムの販売方法や販売チャネルを整備し、2018年度からは、医療機関に包括的なソリューションシステムを販売する事業を展開する予定です」とコメントしている。
2015年06月12日ローランドは、アーティストのインタビューや製品のTips、イベントやキャンペーン情報などを掲載する同社のWebサイト「Roland BLOG」において、シンセサイザー「JD-XA」のスペシャルコンテンツ「JD-XA Musician’s Impression」を公開。その第一弾アーティストとして、松武秀樹と浅倉大介のインタビュー映像などが公開された。同ページでは、5月に開催されたイベントで浅倉大介が披露したシンセサイザー「JD-XA/JD-Xi/AIRA シリーズ」を用いたパフォーマンスの動画や、パフォーマンスを分析したレポートが公開されている。このたび「Roland BLOG」に公開されたのは、同社のアナログ/デジタル クロスオーバーシンセサイザー「JD-XA」のスペシャルコンテンツ。松武秀樹と浅倉大介という両アーティストのインタビュー映像を視聴できるほか、今年5月にプレス/ディーラー向けに開催された新製品内覧会「Roland Summer Forward 2015」において、浅倉大介が披露した「JD-XA/JD-Xi/AIRA シリーズ」によるパフォーマンスの機材セッティング、裏話、即興演奏の内容が、ローランド担当者の視点で解説した「【レポ】Roland Summer Forward 2015 浅倉大介パフォーマンス分析」が公開された。また、「【Movie】JD-XA Musician’s Impression by Daisuke Asakura」のコーナーでは、同イベントで浅倉大介が語ったJD-XAインプレッション「JD-XA Musician’s Impression by Daisuke Asakura」や、JD-XAを用いたパフォーマンスの模様をPAダイレクト音質で収録した「DAISUKE ASAKURA PLAYS JD-X & AIRA」も同時に公開されている。
2015年06月08日ローランドは、電気自動車のベンチャー企業であるGLMとタッグを組み、近未来的な走行音が楽しめる電気自動車(EV)向けサウンド・システムを開発したと発表した。本システムは、国産初の量産EVスポーツカー「Tommykaira ZZ」のオプションとして、GLMより2015年秋に発売される。今回発表されたサウンド・システムは、日本初の量産EVスポーツカーを開発したGLMと電子楽器メーカーのローランドによる「EVスポーツカー・サウンド・プロジェクト」にて共同開発されたもの。環境への配慮から需要増加が見込まれるEVだが、その走行音は高い静穏性が長所とされる反面、エンジンから発せられる排気音がないため、スポーツカーなどで走りを楽しむドライバーにとっては物足りないという声も多い。同システムはそういった声に応えるもので、ローランドの最新技術により、加速や減速、坂道におけるモーターへの負荷といった走行状況に応じて変化する走行音を再生でき、EVスポーツカーの魅力を飛躍的に高めることが可能という。具体的な仕組みとしては、車載ネットワークから得られる、車速やアクセルの踏み込み量、動力系への負荷といった車両の状況をリアルタイムで検知し、ローランドのシンセサイザー音源「スーパー・ナチュラル」が近未来的かつアクティブなサウンドを合成。それを車内ステレオ・スピーカーから大迫力で再生するという。サウンドタイプも数種類用意されるとのことで、ドライブシーンやユーザーの好みによって選択可能となっている。
2015年05月25日ローランドとGLMは5月25日、EV向けサウンド・システムを共同開発し、GLMのEVスポーツカー「Tommykaira ZZ」のオプションとして、2015年秋にGLMより発売すると発表した。今回開発されたのは、ローランドのシンセサイザー技術を応用し、加速や減速、モーターへの負荷など走行状況に応じた走行音を再現するシステム。車載ネットワークから得られる、車速やアクセルの踏み込み量、動力系への負荷と言った車両情報をリアルタイムで検知し、車内ステレオ・スピーカーから再生する仕組みだ。また、複数のサウンドタイプが用意されており、ドライブシーンや運転者の好みによって選択することが可能となっている。EVは需要が拡大する一方で、エンジン音がしないため、スポーツカー愛好家などから物足りないという声が上がっており、両社は今回のサウンド・システムを「従来にはない近未来的なサウンドで、EVスポーツカーの魅力を飛躍的に高めることができる新しい機能です」と説明している。
2015年05月25日ローランドは、初心者向けながら、上位モデルと同等の「スーパーナチュラル・ピアノ音源」と弾き心地を追求した鍵盤を搭載する電子ピアノ「RP401R」の黒木目調モデルを、台数限定にて発売する。発売日は5月22日。価格はオープンプライス。同製品には、「ローズウッド調仕上げ」と「ライトウォールナット調仕上げ」の2タイプがレギュラー・カラーとして用意されているが、このたびピアノらしい風格を持つ人気の「黒」に木目の美しさをプラスした「黒木目調モデル」が国内600台限定にてラインナップされる。これにより、3つのバリエーションからお好みのカラーを選択可能となる。なお、カラーリングを除くその他機能については、従来モデルと同様となっている。
2015年05月11日ローランドは、アナログとデジタルの2種類の音源方式を搭載したシンセサイザーのプロフェッショナル・モデル「JD-XA」を発表した。発売は2015年6月より。価格はオープンプライス。同製品では、「アナログ・シンセサイザー」ならではの存在感のあるサウンドと「デジタル・シンセサイザー」のクリアなサウンドを一台に凝縮。同製品のために新規開発されたという4パート(各パート:2オシレーター/4エンベロープ)のアナログ・シンセ音源と、現在の音楽シーンで高い評価を得ている同社音源モジュール「INTEGRA-7」と同等の歴代ローランド・デジタル・シンセサイザー・サウンドを含むSuperNATURALシンセ音源を搭載している。これら二つのエンジンを柔軟に組み合わせることで、アナログとデジタルのサウンドをブレンドした新たな音色の作成や、デジタルのサウンドをアナログのフィルターで加工するといった、さまざまな音づくりが可能だということだ。
2015年04月30日ローランドは、ダンス・ミュージックに特化した同社ブランド「AIRAシリーズ」の新ラインナップとして、モジュラー型シンセサイザー「SYSTEM-1m」とモジュラー型エフェクター「TORCIDO」「BITRAZER」「DEMORA」「SCOOPER」の全5製品を5月より順次発売する。価格はいずれもオープン。今回発売される製品群は、シンセサイザー黎明期にあたる1960~70年代に主流だったモジュラー型シンセのパッチング(音の構成要素を個々のモジュールに分け、それをケーブルでつなぎ合わせて音づくりをする手法)による音づくりの楽しさを気軽に体感できるもの。このパッチングによる音づくりが再び見直されている近年の流れを受け、同社は最新の音声信号処理技術を生かしたシンセサイザー、およびエフェクターを約30年振りに開発したという。「SYSTEM-1m」は、オールインワンタイプのシンセサイザーながら、パッチングの楽しさを気軽に体験できるシンセサイザー。モジュラーシンセの設置フォーマットとして広がっているユーロラックや19インチのラックに対応したほか、机上でも使えるデザインを採用。さらに、パッチング用のコントロール端子にはそれぞれLEDを設け、機能別にLEDの色を変えるなど、エントリーユーザーにもわかりやすいパネルデザインとした。また、ローランド歴代のシンセサイザーをソフトウェアとして本体内にインストールし、パソコンを使わずに演奏することが可能。同製品に内蔵されるシンセサイザーと、インストールしたソフトウェア・シンセサイザーは、瞬時に切り替えて使用することができ、パッチングでその音をコントロールすることもできる。一方、音づくりの幅を広げるモジュラー型エフェクターは、ディストーション「TORCIDO」、クラッシャー「BITRAZER」、ディレイ「DEMORA」、スキャッター「SCOOPER」の計4製品。いずれも「SYSTEM-1m」同様、ユーロラック・スタイルのみならず、机上でも使える汎用的なスタイルを採用した。エディターで調整可能なサブ・モジュールを内部に搭載し、パッチングでCV(Control Voltage)による外部コントロールも可能となっている。なお、同社は現在、70年代に発売されたモジュラーシンセ「SYSTEM-700」「SYSTEM-100m」をベースとしたユーロラック対応の新製品「SYSTEM-500」の開発を進めているとのこと。発売は2015年後半になる見込み。
2015年04月24日ローランドは、大建工業とのコラボで、自宅で気軽に電子楽器を演奏するための防振対策商品"ノイズ・イーター・ベース"「NE-100B」を発表した。発売日は4月24日。価格はオープンプライスで、市場予想価格は税別2万5,000円。販売はローランド製品の取り扱いがある全国有名楽器店にて行われる。同製品は、階下への振動を低減する電子楽器専用の防振ボード。電子ドラムや電子ピアノなどによる自宅での「"音楽"の楽しみ方」を提案してきたローランドと、「シアタールーム」や「楽器演奏室」など、自宅での「"音"の楽しみ方」を提案してき大建工業による"「楽器」と「住まい」のいい関係"をキーワードにしたコラボレーションによるもの。第1弾のコラボ製品は、音量や振動の調整が非常に難しく、自宅での演奏は困難とされてきた「ドラム」の防振対策商品となっている。同製品は、楽器と床の間に敷くだけで簡単に効果を実感できるため、床工事が出来ない場合などに導入が簡単で低コストの防振対策となる。また、複数枚並べて使用することでさまざまな楽器のサイズに合わせて使用することが可能となっており、適度な質量もあるので楽器の設置も安定するという。なお、すでにローランドから発売されている他の防振製品(ノイズ・イーター「NE-1」、「NE-10」など)を組み合わせることで、演奏時の振動をさらに低減することもできるということだ。
2015年04月20日ローランドは、ダンス・ミュージックのライブ・パフォーマンスに最適な"演奏できるミキサー"として、AIRAシリーズとのUSBオーディオ・ミキシング機能を搭載したミックス・パフォーマー「MX-1」を発表した。発売時期は3月。販売台数は国内・海外合わせて1万台を予定している。同製品は、ダンス・ミュージックに求められる即興的なミキシング・パフォーマンスに対応する、新しい発想の"演奏できるミキサー"をコンセプトとしたデジタル・ミキサー。同社の販売するAIRAシリーズに搭載されているステップ・エフェクターやパソコンとの連携機能を実装しており、AIRAシリーズ各機種とのUSB接続により、より高いパフォーマンス環境を実現することができるとのことだ。また、外部機器とのMIDI同期が可能な16ステップの「ビート・エフェクト」、音を連打する斬新なサウンドが好評な「スキャッター」を含む6種類のマスター・エフェクトや、ミキサーの各インプットにあるイコライザーやフィルターなど、"演奏できる"機能が充実。また、AIRA以外のダンス・ミュージック関連機器との接続にも対応しており、1系統のAUXセンド/リターンにより、外部エフェクターとの連携も可能となっている。さらに、「シーンメモリー機能」も搭載しており、コンパクトなボディながらデジタル・ミキサーとしての基本機能も充実している。そのほか、アナログ6ch、デジタル2chの計8chオーディオ入力に加え、AIRAシリーズ専用のUSBオーディオ入力4系統/8chとパソコンのUSBオーディオ入力1系統/2chをコンパクトなボディに搭載。さらに、パソコンと接続して音声データをやり取りするためのUSB MIDIインタフェース機能を搭載。さらに音楽制作用ソフト(DAW)のトラックと同製品のミキシング・トラックを同期させ、各種操作が行えるコントロール・サーフェース機能も装備する。
2015年02月03日ローランドは、省スペース性と堅牢さを両立させた小型ボリュームペダル「Foot Volume FV-30シリーズ」をBOSSブランドより発売する。エレクトリック・ギター用の「FV-30H」と電子キーボード用の「FV-30L」の2モデルが用意される。販売開始は2月7日を予定。価格はオープン。このたび発売される「Foot Volume FV-30シリーズ」は、演奏に最適な省スペースサイズと堅牢なボディを両立させた小型のボリュームペダル(フットペダル)。外寸は、幅80mm×奥行192mm×高さ58mmとコンパクトで、従来のボリュームペダルと比べておよそ半分という省スペースを実現。ボディはアルミダイキャスト製を採用し、重さ840gという適度な質量と安定感によって、ステージでの激しいパフォーマンスにも耐えられる堅牢さを備えている。さらに、専用設計されたペダル機構とボリューム制御により接続する楽器の音量を足元で滑らかにコントロールできるとしている。なお、同シリーズには、ペダルで音をミュートした状態でもチューニングできるチューナーアウトを装備し、エレクトリック・ギター等と直接接続するのに最適なハイ・インピーダンス機器用の「FV-30H」と、エフェクターのアウトプットや電子キーボード等との接続に適したステレオ入出力を備えたロー・インピーダンス用の「FV-30L」といった2つのモデルが用意される。
2015年01月23日ローランドは、ハイレゾでの音楽再生環境と音楽制作に最適な、2系統のインプットと最大6系統のマルチ・チャンネル出力に対応したUSBオーディオインターフェース「Super UA」を発売する。販売開始時期は3月を予定。価格はオープン。同製品は、音声ファイルを"1bitオーディオ"に変換することで高品質なサウンド再生を実現する、ローランド独自のDSPオーディオ・エンジン「S1Lki」を搭載したUSBオーディオインターフェイス。192kHz/32bit PCM形式へのアップサンプリング、2.8MHz 1bit形式への変換、さらには周辺回路の影響を加味した補間フィルタによって滑らかで濁りのないサウンド出力を実現。最高352.8kHzのオーディオデータや5.6MHzのDSDデータの再生に対応するほか、高品位パーツの採用と各種オーディオ出力端子の装備によりさまざまなヘッドホンやアンプ、モニタースピーカーでの高音質な再生を可能にしている。また、高音質なサウンドの取り込みを可能にする2系統のマイク/ラインの入力を備えるほか、ヘッドホンやモニター、スピーカーといった再生環境比較を可能にする最大6系統のマルチ・チャンネル出力に対応するなど、音楽制作においても最適なスペックとなっている。ボディはアルミダイキャスト製で、高精度により密閉された本体はノイズの低減にも貢献。操作に追随して発光するLEDインジケーターや大型のレベルメーターを搭載するなど、暗所においても視認性の高いパネルレイアウトを採用している。また、接続状況で使い分けられるセパレートスタイルを採用し、通常の接続では本体のみを使用、XLRコネクターによる接続が必要なときは付属の「ブレークアウトボックス」を併用するなど、使用用途に合わせてフレキシブルなセッティングが可能となっている。
2015年01月23日ローランドは、アナログ・シンセサイザーとデジタル・シンセサイザーという2種類のシンセサイザーをコンパクトなボディに凝縮した、クロスオーバー・シンセサイザー「JD-Xi」を発表した。発売時期は3月下旬。価格はオープン。同製品は、アナログとデジタルそれぞれの利点を生かしたクロスオーバー・シンセサイザー。近年の音楽シーンでは、リード音やベース音などの単音メロディに、初期のシンセサイザーで主流だったアナログ方式の太くて存在感のある音を使用する例が目立っているということ、その一方で、ブラス音・ストリングス音・パッド系音色などの複数の音を重ねてできる音色や、音楽制作に欠かせない生楽器系のリアル音色を複数パートにわたって使用する機能は、デジタル方式のシンセサイザーが得意とするということをベースとして開発された。また、アナログ音源部分には、ゼロから設計したリード音やベース音に適した太く存在感ある新規回路を採用。デジタル音源部分には、リアルで表現力豊かなサウンドや個性的なサウンドに定評のある"SuperNATURALシンセ音源"を搭載している。さらに、最大4小節のパターン・シーケンサーも搭載。鍵盤の演奏や動かしたつまみの情報を記録して繰り返し再生することができるため、内蔵の本格的なドラム・サウンドを併用すると、アナログ・シンセサイザーとデジタル・シンセサイザー、ドラムを組み合わせ、簡単にフレーズを作り、そのフレーズを重ねてさまざまな音楽を楽しむことができるということだ。そのほか、付属のマイクを使ったボーカル機能も搭載。マイクを取り付け、音程を補正する「オート・ピッチ」や「ボコーダー・エフェクト」を使えば、気軽にエレクトロニック・ボイス系の音を楽しむことが可能で、シンセサイザーの詳しい知識や鍵盤演奏経験のない人でも、簡単に最新の音楽を楽しめる仕様となっているということだ。なお、販売台数は国内/海外合わせて1万台を予定している。
2015年01月23日ローランド ディー.ジー.(ローランドDG)は1月13日、デスクトップカッティングマシン「CAMM-1」シリーズの新製品「GS-24」を発売した。「CAMM-1」シリーズは、1988年に最初に発売されて以来、販促ツールの内製、ユニフォームなどへの名前や背番号の表示、装飾用途としてのステッカーなどの製作など、幅広い用途で活用されている。その最新製品である「GS-24」は、使いやすさを進化させ、ユーザーの生産性向上をテーマに開発された。カッターホルダーを固定するカッティングキャリッジを新設計し、カッターおよびカッターホルダーを刷新したことで、高速・高負荷のカッティングの際も、安定したカットが可能となったほか、直線や円弧のカット品質も向上した。カット圧は最大350gfと、従来機に比べ40%向上したことで、より厚手の素材もカットすることが可能となった。また、1度の出力で最大10回までの重ね切りが設定できる機能や、台紙付のステッカーが製作できるミシン目カット機能などが追加され、製作物に合わせたカッティング設定がより容易となった。また、これまで本体で設定する必要があったカッティング速度、カット圧などを標準付属の専用ソフトウェア「Roland CutStudio」上で設定できるため、データ作成からカッティング設定・出力までの手順をスムーズに行うことができる。さらに、Adobe IllustratorやCorelDRAWなどのグラフィックソフトから直接出力できる専用プラグインも付属している。同製品のカッティング領域は最大584(幅)×25000(長さ)mmで、カッティング速度は最大500mm/s(全方向)。価格は25万8千円(税抜)で、3年間で2万台の販売を目標としている。
2015年01月13日ローランドは、AIRA SYSTEM-1の購入者を対象に、「SH-101オーバーレイシート・プレゼント・キャンペーン」を実施している。キャンペーン期間は2015年2月27日まで。同キャンペーンでは、ヴィンテージ・シンセを現代的にアレンジした最新のアナログ・モデリング・サウンドを備えたSYSTEMシンセサイザー「AIRA SYSTEM-1」を購入し、ユーザー登録を完了したユーザーを対象にしたもの。上記対象者には、同社アナログシンセサイザーの名機「SH-101」のパネルデザインを模したオーバーレイシートがもれなく1枚プレゼントされる。ただし、シートのカラーは選択できない。なお、キャンペーンへの申し込みは、SYSTEM-1の登録1台につき1枚となり、数量限定のため無くなり次第キャンペーンを終了するとのこと。
2014年12月26日ローランドは、同社の電子ドラム「V-Drums」シリーズを期間中に購入すると、Vドラム専用キット・データを収録したUSBメモリーをもれなく進呈するキャンペーン「Roland V-Drums Artist Kit CAMPAIGN」を実施している。キャンペーン期間は2015年1月30日まで。同キャンペーンで進呈されるUSBメモリーに収録されるのは、Vドラムを実際のパフォーマンスで取り入れているプロドラマー・Thomas LangとJohnny Rabbが監修したオリジナル・サウンドデータだ。Thomas Langは大口径ドラムをイメージした芯のある太いサウンドを、Johnny Rabbはゴースト・ノートを強調したスネアやメロディックなタムを特徴としたサウンドをプロデュースし、彼らが実際にオリジナル・サウンドで演奏したソングデータも収録されているとのことだ。なお、キャンペーン対象製品は、V-Proシリーズの「TD-30KV-S」、「TD-30K-S」、V-Tourシリーズの「TD-15KV-S」、「TD-15KL-S」、「TD-15K-S」、V-Compactシリーズの「TD-11KV-S」、「TD-11K-S」の7モデルとなっている。ちなみに、12月1日~12月4日までの購入分もキャンペーンの対象内となっている。
2014年12月04日ローランドは、入門者向け電子ピアノとして人気のある「RP401R」のホワイトカラーモデル「RP401R-WHS」、およびコンパクトながらも本格的なピアノ演奏が可能なツートンカラーの新製品「F-20」の2機種を、2014年冬から2015年春の期間限定モデルとして発売した。価格はいずれもオープンプライス。RP401R-WHSは、グランドピアノの特性を徹底追及した「スーパーナチュラル・ピアノ音源」を搭載した電子ピアノ。鍵盤は従来比100倍以上の高精細なセンサー方式を採用し、弾き心地を追求した新型鍵盤も装備する。また、音量や音質を重視した専用設計の音響システム、およびグランドピアノの立体的な音の広がりを再現できる「ヘッドホン・3D・アンビエンス」も備える。さらに、踏み込みのタイミングや深さで変化する音の余韻や広がりを再現する「プログレッシブ・ダンパー・アクション」にも対応するほか、ポップスやジャズ、ロックなど幅広いジャンルの自動伴奏を72種類、クラシックの名曲を中心にバイエルやブルグミュラーの練習曲など合計200曲なども内蔵している。一方、F-20は、ダークウォールナットとブラックのシックなツートンカラーを採用したボディーを備えている。88鍵盤を搭載しながら、幅130cm以下、奥行30cm以下というコンパクトなデザインと省スペースを実現。グランドピアノの特性を徹底追及した「スーパーナチュラル・ピアノ音源」を採用し、正確なテンポ感を養う「メトロノーム機能」や、自分の演奏を客観的にチェックできる便利な「録音機能」、華やかな伴奏をバックに演奏を楽しめる「自動伴奏機能」など、練習に役立つ機能も装備している。
2014年12月01日ローランドは、音響ミキサーに求められる拡張性を持ち、内部の接続を自由に組み替えることができるライブ・ミキシング・コンソール「O・H・R・C・A」(M-5000)を発表した。発売時期は2015年2月。価格は現在のところ未定。同製品は、豊富な入出力とさまざまなフォーマットに対応する「拡張性」、用途に合わせて内部構成をカスタマイズできる「柔軟性」、ハイ・レゾリューションでの信号処理(96kHzのサンプリング・レート/72ビットのミキシング・バス)による「高音質」を併せ持つミキシング・コンソール。本体に搭載された12インチ・タッチ・スクリーンや視認性に優れた有機ELディスプレイで、直感的で素早いオペレーションを実現する。さらに、iPadを併用することで、場所を変えて音を確認しながら、効率的に音量や音質調整が行える機能も搭載(2015年春対応予定)。使用できるチャンネル・タイプの一覧から、必要なチャンネルの数(最大128チャンネル)を自由に設定できるほか、同社のデジタル伝送フォーマット「REAC」に加え、「Dante」、「MADI」、「SoundGrid」などの各種デジタル音声伝送フォーマットにも対応した別売のオプション・モジュールにより、さまざまなシステム構築(96kHz動作時で最大300入力/296出力)が可能となっている。なお、製品名の「」は3つのキーワードのイニシャルで、「O」は多様な機器やシステムと柔軟に対応可能な構造を示す「Open(オープン)」、「H・R」は高音質であることを示す「ハイ・レゾリューション」、末尾の「C・A」は内部構成のユーザーによるカスタマイズを表す「コンフィギュラブル・アーキテクチャー」から取っているとのことだ。
2014年11月21日ローランドは、星野楽器とのコラボレーションにより、「TAMA」ブランドのアコースティック・ドラムと電子ドラム音源システムを組み合わせたハイブリッド型ドラム・キット「Silverstar "Cocktail-JAM" Hybrid Kit」を発売すると発表した。販売開始は11月下旬。価格は税抜9万4,000円。「Silverstar "Cocktail-JAM" Hybrid Kit」は、TAMAの小型アコースティック・ドラム「Silverstar "Cocktail-JAM"」に、ローランドの電子ドラム音源「TM-2」と、演奏情報を検出するトリガー・ピックアップ「RT-10T」、「RT-10S」を組み合わせたハイブリッド型ドラム・キット。アコースティック・ドラムの音にエレクトロニック系の音色を重ねて鳴らしたり、一般的なドラム・セットには含まれないパーカッション・サウンドを追加するなどして、印象的で多彩な音色による演奏表現が可能だという。また、同梱のドラム音源「TM-2」は、SDカードに入れた好みのオーディオ・ファイル(WAV)を演奏に合わせて再生することも可能で、あらかじめ曲に合わせたフレーズや効果音などを用意しておけば、演奏と同期したさまざまな演出を行うことが可能だ。一方、TAMA「Silverstar "Cocktail-JAM"」は、通常のドラム・セットの2/3~半分以下という、限られたスペースでも設置して演奏を楽しめるコンパクトなタイプで、付属の専用バッグに収納してどこにでも持ち運ぶことが可能となっている。
2014年11月07日○教育現場での3Dプリンター活用の実情は?10月16日から17日にかけて、ローランドDGは自社の運営するローランドDG東京クリエイティブセンターにおいて、3Dプリンター&切削加工機「monoFabシリーズ」の発売を記念した体験イベント「monoFab Experience Day」を開催した。当日は工業デザインやデスクトップファブリケーションの著名人による講演に加えて、新製品の紹介も実施。会場には最新の3Dプリンターや切削加工機が展示されており、実機の確認や具体的な質問なども行える有意義なイベントとなった。17日は特別講演として慶應義塾大学准教授であり、総務省の研究会である「ファブ社会の展望に関する検討会」の座長も務めている田中浩也氏が「教育現場での3Dプリンター活用」と題して、教育現場やコミュニティにおける、3Dプリンターをはじめとしたデジタルツールの活用事例の紹介を行った。3Dプリンターや切削加工機といった各種工作機器を個人が手軽に利用し、ものづくりに取り組めるようになってきた。PCと工作機器が接続され、素人でも子供でもものづくりができるような「パーソナルファブリケーション(ファブ)」を楽しめる場として「ファブラボ」を増やし、広げることに田中氏は取り組んでいる。講演の冒頭では、慶應義塾大学SFCの図書館内に設置されたファブスペースを学生がどう活用しているかについての紹介が行われた。無料でものづくりが楽しめるファブスペースは、工業系の学科ではない学生にも多く活用されているという。「iPhoneカバーなどは毎日かなりの数が作られている。椅子に取り付けて荷物をかけるフックなども作られ、快適さが増してきた。こうしたフックは100円均一ショップ等で手に入るかもしれないが、この椅子にぴったりのものというのは売っていない」と田中氏は自分にとって必要なものを直接作り出せる状況を学生が楽しんでいる様子を紹介。「親戚の小学生が漢字の書き取り練習に苦労しているのを見て、1度書けば3回書ける鉛筆ホルダーを作った学生がいる。このデータをインターネットで公開しておいたところ、海外でも利用されるようになった。さらに5本の鉛筆をセットして五線紙がさっと書けるペンを作った音楽家もいる」とインターネットとものづくりが融合することで、新たな展開があることも語られた。すでにアメリカでは3Dデータをオープンにする取組みが始まっており、インターネットからダウンロードしたデータを実際に成形してみることもできるようになっているという。また教育現場では地形データなどを使って、触ることのできる教材を作ることもあるという。「これまでパーソナルコンピューターとインターネットはつながっていたが、ファブによって情報・通信・物質化の社会が完成する」と田中氏は語った。○地域に1つ欲しい、ものづくりのできる「ファブラボ」地域で利用できる場として設置される「ファブラボ」については、特に鎌倉の例が紹介された。田中氏は学生に、できるだけ地域のファブラボへ向かうことを推奨しているという。海外ではあらゆる年代の人が大学にいるが、日本では20歳前後の非常に狭い年代の人だけが集う場になっている。地域のファブラボは幅広い世代の人と交流できる場として貴重な存在なのだ。自分のおもちゃを作りに来ている小学生から、十分な技術を持っているが時間に余裕のあるリタイアしたエンジニアまでが集う場で、技術や知識の交流が行われている様も紹介された。また、研究室の学生と行っている「ハンディ3Dスキャナ・フィールドワーク」の様子も紹介。地域にある様々な物の形やテクスチャをデータ化しているのだという。3Dスキャナーと3Dプリンターで作られた土偶に、漆塗りを行ったものの実物がセミナー会場で披露され、最新技術と伝統技術が融合したものの手触りを楽しむこともできた。ローカルなコミュニケーションに対して、グローバルなコミュニケーションとして挙げられたのが「ファブアカデミー」だ。インターネットを通じて世界中から同時刻に同じ講義に参加する形で進められる12週間のカリキュラムでは、3Dプリンターだけでなく、あらゆる工作機器やソフトウェアの使い方を週替わりで学ぶことができる。「毎回宿題があるが、これがなかなか大変で燃える。日本人らしさを出してやろうとか、いろいろ考えはじめてしまう。最後の課題は、今まで学んだ全てを使った作品を作ることになるが、そこで出てきた作品は、これは何とはっきり言えないようなものもある」と田中氏は各国参加者の制作作品を紹介したが、途中、熟考して言葉を探すことも多かった。それほど、これまでの概念では名前がつけられないようなものが生み出されているのだ。「3Dプリンターというのは電子レンジのようなもの。一番手軽な調理として、電子レンジでお弁当を温めるだけというのはある。しかし休日に凝ったものを作ろうとした時、電子レンジだけで済ませることはない。多くの調理器具の中の1つだ。3Dプリンターも同じような立場にある」と田中氏。日本でもインターネットを介して学ぶ場として「gacco」でのオンライン放送大学「3Dプリンタとディジタルファブリケーション」を開催することを告知し、興味のある人にとっての良い学び場となるだろうと結んだ。講演後の質疑応答も活発に行われたが、その中で3Dプリンターはいずれ家庭に1つあるようなものになるか、という質問には「海外ではそういう例も増えているが、そもそも海外は家が大きく、街から遠い。私の家とは大分環境が違う。日本の家だと置き場はないし、買い物をできる場も多い。買ってくるよりも作る方が手間がかからないというのとは違う。だから、地域に1つというのがよいと思っている」とファブラボ形式での普及が日本の事情に合っているのではないかとも語った。○最新のデスクトップで使える「monoFab」も紹介特別講演終了後には「monoFab製品紹介セミナー」も開催された。これは最新の3Dプリンターである「ARM-10」と、3D切削加工機「SRM-20」のプレゼンテーションでは、それぞれの技術的な特徴やスペックから、付属ソフトウェアやサプライ品まで紹介された。休憩時間や終了後には、実機を前にかなり踏み込んだ質問をする参加者の姿も見られ、”小規模なものづくり”への関心の高さが窺えるイベントとなった。
2014年10月22日ローランドといえば、日本が世界に誇る楽器メーカーのひとつ。これまでに"名機"と呼ばれる音楽機材を数多く世に出している。しかし、"アンチアップル"よろしく、その業界でトップクラスの企業ともなると"アンチ"が生まれるのは当然のこと。ローランドの製品を好まない人もいる。そんな"アンチローランド"のバンドマンに、今回は、同社の新製品であるセッション・ミキサー「HS-5」を試してみてもらった。なお、今回は9月末に発売された電子ドラム「Vドラム TD-1KV」も同時に使わせてもらった。「HS-5」は時間と場所を選ばずにバンド演奏を楽しむことができる新しいミキサー。電子ドラムやエレキギター、シンセサイザー、マイクなど最大5つの楽器を接続し、バンドのメンバー全員がヘッドホンを使用して演奏することで、外部への音漏れを最小限にとどめてのバンド演奏を行うことができる。そのため、家にいながら、まるでスタジオにいるかのような感覚を味わうことができる製品。一方、「TD-1KV」もこの秋発表された新しい電子ドラム。コンパクトかつ静粛性に優れ、家でも使いやすい設計を実現しつつ、練習用のコーチ・モードを搭載しており、コンパクトながらも高音質、高品質を実現している。これからドラムを始めたい、もっと練習して初級レベルを脱したいという際に適した製品だ。○「HS-5」を試すまずはその外見について。「デザインがかっこいい」、「サイズが小さい」など、極めて良好だった。そして、同社の担当者から操作方法のレクチャーを10分ほど受け、いざ実践。すると、どうだろうか。同製品では、それぞれの楽器の音量バランスをヘッドホンごとに調整でき、好みの「ミックス」を最大で5個つくれるのだが、その調整を各メンバーがスムーズに行っていく。このことからも操作方法がシンプルであることがお分かりいただけるのではないだろうか。同製品の調整も終え、試奏を開始。ヘッドホンを装着しながら演奏を行うため、取材を受けているという緊張感も徐々に薄れていき、普段の練習のような雰囲気に。「ベースのチューニング合ってないよ」、「ドラムさぁ、途中からどんどんリズム早くなってない?」など、厳しい言葉が飛び交う。気づけば予定していた時間より多く、「HS-5」を中心に置き、オリジナル楽曲の練習を行っていた。○「HS-5」を使ってみてどうだった?「HS-5」を試してもらった後、その使用感をバンドメンバーに聞いてみた。【Vo.小嶋さん】「USBメモリーにステレオ録音できるのがいいですね。普段はiPhoneを使って録音していたりするんですが、そうするとどうしてもiPhoneの位置でそれぞれの楽器の音量が違ってしまって……。スタジオの場合もやはり各楽器の音量のバランスがうまくとれないので、なかなか自分たちの演奏をちゃんと録音することができなかったんですよ」【Gt.新井さん】「(スタジオの場合)ドラムの音が大きくなってしまって、それに負けじと各楽器の音量を大きくしていってしまい、結局、音が割れてしまうんです」【Vo.小嶋さん】「この製品を使えば、そういったこともなく、各楽器の音が一つひとつしっかり聴くことができたのが凄く良かったです」【Gt.新井さん】「そうだね、各楽器の音がちゃんと聴こえるからこそ、俺たちって下手くそだなぁって実感させられました。ベースのチューニングが合ってないとか、ドラムのリズムがどんどん早くなるとか、普段、練習時にはなかなか気づくことができず、うやむやにしてしまっていた色々な部分が、この機材によってバラされてしまった(笑)。それと、一般的なミキサーでミックスしただけの音をヘッドホンで聴くと"生音"が汚いんですよ。でもこの機材の場合、それもなかった。アンプを使って出している"いつもの音"をヘッドホンで聴くことができたんです。それにも驚きました。こんな良い音で聴くことができるんだって」【Key.高野さん】「各楽器のボリュームも各自で調整できるのが良かったです。あと操作も簡単だったので、イントロで『あっ私の音デカい!』って感じたときにすぐにバランスを調整できる。これは小さいことかもしれないけど、嬉しかったですね」【Ba.金井さん】「この機材を使えば、あえて自分の音を小さくして、みんなの音を聴くことができるんですよ。そういったこともこれまでは出来なかったので面白かったです」【Dr.田中さん】自分の音が大きいことが多く、周りの音があまり聴こえないなと思うこともあるんですが、そのバランスを調整できるのはやっぱり嬉しいですね。それと、「Vドラム TD-1KV」については、キックペダルも踏みやすいですし、普段ドラムを叩いているときと同じ感じで叩けたので、叩きやすかったですね。【Gt.新井さん】「オリジナル楽曲を作るときにも役立ちそう。変拍子の楽曲を作るのが好きなんですが、変拍子なのか、普通に間違えているのか分からなくなってしまうことがあって。この製品にはメトロノーム機能もついているので、それを使って作れば、さらに複雑な楽曲が作れそう(笑)」【Vo.小嶋さん】「スタジオ練習以外に、この機材を使った練習を取り入れていけば、音の質もかなり上がっていくし、バンドとしてのクオリティもあがっていく気がしましたね」【Gt.新井さん】「Inputが5つあるのも嬉しい。これがあればPCで作った音源もミックスさせた音楽が作れますよ」○あとがきいかがだっただろうか。あくまで今回お願いしたバンドのメンバーには好評であっただけかもしれない。けれど、取材後、ギター担当の新井さんが「今回、このお話をいただいたとき、これは言えないなって思っていたんですけど。俺、ローランド製品が嫌いだったんですよ。だからローランド製品をひとつも持ってないんです。けど、この製品を試してみて、すべてが変わってしまいましたよ。多分、これ買います(笑)」と話すなど、彼らにとっては非常に魅力的な製品であったことは明らかだった。"百聞は一見にしかず"。ローランドファンの方もそうでない人も、一度試してみてはいかがだろうか。
2014年10月10日ローランド ディー.ジー.(ローランドDG)は10月6日、衣服やインテリア用品などのテキスタイル(布地)への印刷に特化したプリンタの新ブランド「Texart」の立ち上げと、その第一弾製品「RT-640」を発表した。「Texart」ブランドの第一弾製品となる「RT-640」は、テキスタイルに求められる鮮やかな発色にこだわった昇華転写方式のプリンタ。同社が培ってきたノウハウを活かしながら、製品本体、インク、インクシステム、出力用ソフトウェアをテキスタイル向けに一から設計したという。専用インク「Texart ink」は、CMYKLcLmにオレンジとバイオレットを加えることで、最大8色のインク構成で色域の拡大を実現。また、出力用ソフトウェアには、スイスのErgoSoftが専用に開発した「ErgoSoft Roland Edition」が用意された。印刷幅は最大1615mm、印刷ドット解像度は最大1440dpiとなっている。発売は欧州、北米で2014年中、その他地域では2015年を予定しており、発売後1年間で700台の販売を目指すとのこと。同社は、2013年5月に発表した中期経営計画の中で、成長戦略の1つとして「デジタル印刷技術を最大限に活用した新たなソリューションの提供」を掲げており、デジタル印刷のソリューションを活かせる分野として、テキスタイル向けの印刷市場に着目し、同分野での事業拡大を目的に、2013年10月にテキスタイル事業部を新設した。
2014年10月06日1996年の大ヒット作品『インデペンデンス・デイ』のローランド・エメリッヒ監督と脚本/製作を務めたディーン・デヴリンが11年ぶりに再タッグを組み、同作の続編『Independence Day 2』(原題)の製作が遂に始動したようだ。デヴリン氏によれば、現在のところ制作は順調に進んでいるとのこと。エメリッヒ監督と共に「興奮している」と語っている。「どうなるかは言えないけど、11年ぶりにローランドと仕事を一緒にしているんだ。いろんなアイディアが行き来しているんだけど、それらが組み合わさるかどうかは分からないね。でもそうなってほしいよ。ローランドと第1作を作って以来初めてのことで興奮しているし、続編に適したアイディアがあるから、後は幸運を祈るだけだよ」。さらに、デヴリン氏は10年前に続編企画が持ち上がった際に“多額のギャラ”を受け取ったものの、実際に書き出してみたストーリーに納得しなかったため、そのギャラを返したという逸話を明かしつつ、今回の再始動の実現はエメリッヒ監督の説得があったおかげだと「Comingsoon.net」に語っている。「僕らにはすごいプレッシャーがあったんだ。何年もの間、みんなが続編のことを聞いてきたしね。でも続編に適したストーリーがなければ決して作るつもりはなかったんだ。実際、10年前に『Independence Day 2』の脚本執筆を依頼されて、多額のギャラを受け取ったんだ。でも書き終わった後、僕はギャラ全額を返して『そのスクリプトは読まないでくれ。脚本はまずまずだけど、「インデペンデンス・デイ」の続編としては相応しくないんだ』って言ったんだ。だからその当時、“今後は絶対に続編に手をつけるもんか”って誓ったんだよ。でもね、1年半前にローランドが僕に電話してきて『もう一回トライしてみようよ』って言ったんだ。それで僕らはパームスプリングスで心に決めたんだ。それで『本物の続編にするよ。作る意味のある続編にするんだ。ファンをがっかりさせないようなね。僕らがそもそも作りたかったものにするんだ』って言ったんだよ。だからぜひともそうしたいんだ。どう転ぶかは分からないけどね」。
2012年07月31日