イラクの独裁者サダム・フセインの長男ウダイ・フセインの影武者だったラティフ・ヤヒアの回想録に基づいた映画『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』が20日(金)にブルーレイ&DVDリリースされる。その特典映像のひとつである、主演のドミニク・クーパーが撮影秘話について語るインタビュー映像の一部が公開された。映画『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』特典映像拷問や殺人、暴行を繰り返したことから、イラクに君臨していた父サダムでさえも「生まれた時に殺しておけばよかった」と後悔したというほど残忍な男・ウダイ。本作では、容姿が瓜二つという理由で、ウダイ本人から直々に影武者になることを命じられたラティフの苦悩がリアルに映し出されている。また、顔はそっくりでも性格や価値観は全く真逆のウダイとラティフをひとり二役で演じた若手俳優のクーパー(『マンマ・ミーア!』)は、表情や声色で二役を完璧に演じわけ、その演技力は絶賛を集めている。今回公開された映像では、そんなクーパーが撮影方法を明かしている。ウダイとラティフが並ぶシーンでは、あたかも二人が隣り合って話しているかのように見せなければならないのだが、隣に立たせた代役に視線を合わせて撮影をしたという。また、相手の位置を示すために監督のリー・タマホリは壁のあちこちに目印を貼っていたようで、クーパーはそれを頼りにいつどこへ動くのか判断していたと話す。まさに本作最大の見どころといえるひとり二役はいったいどのように作られたのか、ブルーレイ、DVDの発売に先んじて確認してみてはどうだろうか。『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』ブルーレイ:4935円(税込)DVD:3990円(税込)7月20日(金)発売発売元:ギャガ販売元:アミューズソフト
2012年07月13日イラクの独裁者サダム・フセインの息子、ウダイ・フセインの悪逆非道を、ウダイの影武者になることを強制された男の視点から描いた衝撃作『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』(1月13日(金)公開)。その影武者を務めた本人であり、映画の原作者でもあるラティフ・ヤヒア氏が、ウダイと過ごした悪夢の日々と、祖国イラクへの想いを語った。その他の写真2006年に処刑されたサダム・フセインだが、そのサダムでさえ「生まれてきたときに殺しておけばよかった」と嘆いたというのが長男のウダイ。ラティフ氏は、拷問、レイプ、殺人とやりたい放題を尽くしたウダイを「人間性のカケラもない人物だった」と断言する。「サダム・フセインとならいい思い出があるし、クサイ(ウダイの弟)ともいい関係を築くことはできた。しかしウダイの影武者だった4年半で、1分たりともウダイとの楽しい瞬間など存在しなかった。映画では主演のドミニク・クーパーがウダイの姿をほぼ100%正確に演じているけれど、ウダイの残虐行為については半分も描けてはいない。本当に起きたことをそのまま描けば、観客は5分と座っていられないからね」ラティフ氏自身も、確たる理由もなくウダイから日常的に拷問を受け、亡命を決意するに至った。当時のトラウマを克服し、「映画みたいに馬に乗って逃亡はしなかったよ」と笑えるようになった一方で、イラクの現状に絶望に近い感情を抱いている。「2003年のアメリカの侵攻ですべてが変わった。アメリカはサダムを一方的に悪人と言うが、サダムが国民のために中東一の道路網を作り、住宅環境やインフラを改善し、医療や教育のシステムを改革したことも事実なんだ。ユニセフでさえもサダムを中東で最高の内政家だと評価していた。イラクの国民も、尊厳と教養を兼ね備え、訪問者を歓迎するのが大好きな幸せな人たちだった。しかしすべてが破壊された今では、わずかな米ドルを得るために親兄弟や友人同士が殺し合うようになってしまった。生まれ育った家も米軍の爆撃でなくなったし、もう自分がイラクに戻ることは考えられないよ」現在のラティフ氏はアイルランドで暮らし、人権擁護団体のメンバーとして活動を行っている。「20年前に西側に亡命したときには、独裁政権のイラクと違って人権や言論の自由が約束されていると信じていた。しかしCIAに協力しなかったことで私は拷問にかけられ、書いた本は発禁にされ、いまだにどこの国の市民権も得られていない。結局どこの国もシステムが違うだけで、民衆に真の自由は与えられてはいないんだ」と語気を荒げる。「今も正義とは何なのかを探し求めている最中」と語るラティフ氏の壮絶人生。せめてその一端に、本作を通して触れていただきたい。取材・文:村山章『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』2012年1月13日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー(C)Filmfinance VI 2011 - All Rights Reserved
2012年01月12日イラクの独裁者サダム・フセインの息子ウダイ・フセインと、彼の影武者だったラティフ・ヤヒアの人生を描いた映画『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』のPRのため来日したラティフ氏が、20日に都内で記者会見を行い、ゲストで登壇したデヴィ夫人がラティフ氏を歓迎した。その他の写真本作は、独裁者サダム・フセインの悪名高き息子、ウダイ・フセインの影武者になることを4年間も強要されたラティフ・ヤヒア氏の手記に基づき、フセイン一家の闇と恐るべき真実を描いたドラマ。本来、先月末に行われる予定だったこの記者会見だが、直前に成田空港でラティフ氏の入国許可が下りず、中止に。今回2度目にしてようやく来日を果たしたラティフ氏は「やっと美しい日本に来ることができてうれしい」と安堵の表情を浮かべた。“顔が似ている”という理由だけで、高校の同級生でもあったウダイの影武者に仕立てらたラティフ氏は「当時、ウダイ本人から『やらなければ家族が危ない』と脅され、強制的にやらされた。彼らの拷問は、未だに大きな痛みとして残っている。心が病み、拷問のせいで病気になり、医師からはあと2、3年の命と言われている」と衝撃の事実を語った。また、4年間の影武者生活後、西洋へ亡命したことについて「亡命した後もCIAによって拷問を受けたし、僕の手記もフセイン弾劾のために利用された。そして彼らに協力しなかったから、僕には今も市民権がないんだ。残りの人生で、1度は“正義”というものを見たいと、この映画を通して全世界に発信したい」と訴えかけた。その後デヴィ夫人がゲストで登壇し「セキュリティのために実際に影武者を使った時代があったなんて、とても驚異でした。ラティフさんは4年間恐い目と危険な目に遭われたにも関わらず、とても柔和な方だったので、好印象でした」とコメント。最後にラティフ氏に花束を贈呈し、来日を歓迎した。『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』2012年1月13日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー
2011年12月20日イラクの独裁者サダム・フセインの長男ウダイ・フセインと、彼の影武者だったラティフ・ヤヒア氏の関係を描いた映画『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』。来年1月から公開される本作のプロモーションのために来日することになっていたヤヒア氏が、成田空港まで到着しながら入国許可が下りず、予定されていたマスコミによる取材や記者会見が中止となった。その他の写真ヤヒア氏は1964年にバグダッドの実業家の息子として生まれ、エリート学校に入学。そこでウダイとクラスメイトになったことからふたりの関係が始まり、軍に入隊後、容姿が似ているという理由で影武者に起用された。当初は要請を拒んでいたヤヒア氏だったが、1週間にわたって窓のない狭い部屋に監禁され、無理やり承諾させられたという。1987年から1991年までウダイの影武者を務めたヤヒア氏は、その後ヨーロッパへ亡命し、現在はアイルランドで国際法律博士や作家として活動。その影武者としての日々を綴った手記が今回映画化され、氏自身も撮影に全面的に協力している。ウダイ・フセインといえば、最高権力者である父親の威を借りて贅を尽くし非道な行いを繰り返したとされ、“20世紀最悪のプリンス”とまで呼ばれる人物。映画でも描かれるとおりヤヒア氏の体験は壮絶極まるものだったようで、その経験を語ってもらおうと配給会社は氏を日本に招聘。多くのマスコミのインタビュー取材をはじめ、29日(火)にはデヴィ夫人も登壇しての来日記者会見が予定されていた。ところが26日に成田空港に着いた氏が入国できず、すべての予定はキャンセルに。ヤヒア氏は亡命者という立場上パスポートを所持できないため、今回の来日は特別なトラベルドキュメントで入国予定だったのだが、提出が必要な書類に不備があったため、入国審査で許可が下りなかったのだという。稀に見る数奇な人生だけに、当事者の口からその詳細を聞けないのは残念だが、興味のある方は映画で確認してみてはいかがだろうか。『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』は、1月13日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほかにて全国公開される。『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』2012年1月13日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー(C) Filmfinance VI 2011 All Rights Reserved.
2011年11月28日