12人の映像監督による12本の短編映画製作プロジェクト『DIVOC-12』三島有紀子監督チームの予告映像が2日、明らかになった。同プロジェクトは、ソニーグループが新型コロナウイルス感染症により世界各国で影響を受けている人々を支援するために設立した「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」を活用した支援プロジェクト。藤井道人監督チーム(テーマ:成長への気づき 志自岐希生監督、林田浩川監督、廣賢一郎監督)、上田慎一郎監督チーム(テーマ:感触 ふくだみゆき監督、中元雄監督、エバンズ未夜子監督)、三島有紀子監督チーム(テーマ:共有 山嵜晋平監督、齋藤栄美監督、加藤拓人監督)と3チームに分かれた12人のクリエイターたちが作品を制作していく。今回公開されたのは、三島監督チーム4作分の予告映像。三島監督の『よろこびのうた Ode to Joy』から始まり、歩(藤原季節)から「いい仕事あんですけど、一緒にやりませんか?」と東北弁で優しく声をかけられる冬海(富司純子)の姿が描かれ、ベートーヴェンの交響曲第9番「喜びの歌」が高らかと響き渡る中で、2人の人生への不安、そしてよろこびを予感させる映像となっている。続けて、山嵜晋平監督作品『YEN』。ポラロイドで写真を撮って遊ぶ高校生の夏希(蒔田彩珠)と冬美(中村守里)は「あの子たちほんっとうざい! -300万円!」と嫌いな人に低額をつけて仲良く笑い合うが、ある日、冬美から「帰って」という言葉が。女子高生のきらきらした若さと不安定さが感じられる内容となっている。齋藤栄美監督作品の『海にそらごと』では、生まれてから一度も会ったことのない母親の真実(中村ゆり)に会いにいったが、その生活ぶりに戸惑いを隠せない海斗(高田万作)が「恥ずかしくないの? 家族捨てて、こんな生活して」と言い放つ。「なんで嘘ついたの?」という海斗のセリフから、2人の関係に秘密があることが感じられる予告となっている。最後に加藤拓人監督作品『睡眠倶楽部のすすめ』では、「何かを忘れたまま私はここで暮らしている」と透子(前田敦子)が語り始める。透子は、様々なストレスによって眠ることが出来なくなった人々が暮らす、“睡眠倶楽部”で生活している。透子が忘れてしまった大切な何か、そして彼女の行き着く先が気になる映像となっている。各作品の場面カットも到着し、不安げな表情の歩(藤原季節)と冬海(富司純子)の姿や、ポラロイドを川に流す夏希(蒔田彩珠)と冬美(中村守里)のカット、ぎこちない海斗(高田万作)に愛おしそうに寄り添う真実(中村ゆり)の姿、広い部屋の中でどこかを見上げる透子(前田敦子)のカットなど、の不安や寂しさもありながら温もりも感じられるカットとなっている。三島監督は、“共有”というテーマについて「2020年から、世界中がこんなに同じことに苦しんだり、悲しんだり、少し喜んだり……同じ問題と気持ちを共有したことってないのではないか、と思いました。ある種、救いがないように思えるこの時期を共有したその先に、私たちは何を共有できるのか、できないのか、共有していきたいのか。ということをあらためて、俳優やスタッフを始めチームの監督達といろいろ話しながら作れたらいいな、と思ったことがテーマにした理由の1つです。チームでは作る時間を共有し、みなさまには作品を観る時間を共有していただければ幸いです。きっと、みなさまそれぞれに、〝共有〟が見つかると願っています」と語っている。(C)2021 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All Rights Reserved.
2021年09月02日静岡県の三島スカイウォーク・あじさい散策路のあじさいが、2021年6月中旬から7月中旬頃にかけて見ごろを迎えます。あじさいの名所「三島スカイウォーク」「三島スカイウォーク」は、全長400mを誇る日本一長い歩行者専用吊橋であり、富士山や駿河湾・伊豆の山並みなどを橋の上から一望できる絶景スポット。吊り橋を渡った先の北エリアにある約7,000㎡のあじさい散策路は、あじさいの名所としても知られています。あじさい散策路は、2017年に5,000株を植樹して以降、徐々に株数を増やし、今では205品種13,000株が咲き誇るエリアに。ここでしか見ることができな貴重なオリジナル品種「スカイウォーク」や「覇王」、「夏空」といった品種を観賞することもできます。2021年の見ごろは6月中旬から7月中旬頃。撮影スタンドも複数設置されているので、スマートフォンなどで記念撮影を楽しむこともできます。“空色”濃厚ソフトクリームもまた、5月29日(土)にオープンした新施設「スカイウォーク ソフトクリーム(SKYWALK SOFTCREAM)」では、空色ソフトクリーム「そらソフト」も販売。富士山麓の牧場「いでぼく」の協力のもと、希少価値が高いブラウンスイス種の牛乳を使用したソフトクリームとなっており、ミルクの濃厚な味わいを楽しむことができます。【施設概要】場所:三島スカイウォーク住所:静岡県三島市笹原新田313施設入場料:大人 1,100円、中高生 500円、小学生 200円 ※幼児は無料。営業時間:9:00〜17:00 ※イベントや天候により変更する場合あり。休業日:年中無休※2021年のあじさいの見ごろは、6月中旬~7月中旬頃。【問い合わせ先】三島スカイウォークTEL:055-972-0084
2021年06月20日静岡県の三島スカイウォーク・あじさい散策路のあじさいが、2021年6月中旬から7月中旬頃にかけて見ごろを迎える。あじさいの名所「三島スカイウォーク」「三島スカイウォーク」は、全長400mを誇る日本一長い歩行者専用吊橋であり、富士山や駿河湾・伊豆の山並みなどを橋の上から一望できる絶景スポット。吊り橋を渡った先の北エリアにある約7,000㎡のあじさい散策路は、あじさいの名所としても知られている。あじさい散策路は、2017年に5,000株を植樹して以降、徐々に株数を増やし、今では205品種13,000株が咲き誇るエリアに。ここでしか見ることができな貴重なオリジナル品種「スカイウォーク」や「覇王」、「夏空」といった品種を観賞することもできる。2021年の見ごろは6月中旬から7月中旬頃。撮影スタンドも複数設置されているので、スマートフォンなどで記念撮影を楽しむのも良いかもしれない。“空色”濃厚ソフトクリームもまた、5月29日(土)にオープンした新施設「スカイウォーク ソフトクリーム(SKYWALK SOFTCREAM)」では、空色ソフトクリーム「そらソフト」も販売。富士山麓の牧場「いでぼく」の協力のもと、希少価値が高いブラウンスイス種の牛乳を使用したソフトクリームとなっており、ミルクの濃厚な味わいを楽しむことができる。【施設概要】場所:三島スカイウォーク住所:静岡県三島市笹原新田313施設入場料:大人 1,100円、中高生 500円、小学生 200円 ※幼児は無料。営業時間:9:00〜17:00 ※イベントや天候により変更する場合あり。休業日:年中無休※2021年のあじさいの見ごろは、6月中旬~7月中旬頃。【問い合わせ先】三島スカイウォークTEL:055-972-0084
2021年06月04日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、没頭できる趣味もなく、多忙な彼に会えないと何もすることがなくて自暴自棄に陥った26歳女性。彼にも疎まれてしまい、破局の危機を感じる彼女に、三松先生が強烈なアドバイスをしてくれます!美奈子(26歳)“趣味レス女”やることないと命取り。連続LINE攻撃でフラれるかもの危機【レスなひとびと】vol. 118土曜日の朝9時。目は覚めたけれど、デートのない休日。起きてすぐ誠司からのLINEを確認したあと、Instagramを開く。骨格ウェーブに合うワンピース、ブルベに合うプチプラリップ…出てくる投稿を寝そべったままだらだら見続ける。何時間経った?目が疲れたのでいったんやめようと画面を暗くする。暗い画面に顔が映る。むくんでいるじゃないかー。目ヤニついたまま、髪はボサボサ。気分ダウン。ひとりで過ごす休日は長い。起きてから眠るまで、全部ひま。はあ、今日は何しようか。ひとりが楽だって感じる人もいるけど、美奈子は逆だ。本当に何をして過ごしたらいいかわからないのだ。料理、ゲーム、動画鑑賞、どれも時間を忘れるほど夢中になれない。ひとつだけ興味を持てることといえば、誠司からのLINE通知を待つことくらい。彼が唯一の推しなのだ。彼といると自分が特別な人間のように思える。「かわいいね」って言われて、無敵気分になれちゃう。でもひとりでいるとどんどん自信がなくなってくる。私ってつまらない女か?趣味もなく、ひとり時間を充実して過ごせない自分。中身のない人間みたいで嫌いだ。休日、洗濯後はやることがなくなり彼にLINEしてしまうのだ。「誠司、何してる?」既読はつかない。仕事が忙しいって言っていたけど、2時間経ってもつかない。1Kの部屋で、息が詰まりそうになる。誰かを家に呼ぼうかな。でも彼以外に会いたい人っていない。どんどんつまらない女になっていくような気がする。壁のシミを見つめながら、自暴自棄突入。もはや、誠司のことしか浮かばない。追撃LINEに加えて、電話もしてしまう。5度目の電話に出た彼は「仕事がすっごく忙しいんだ。ちょっと勘弁してほしい。美奈子はなにか趣味とかないのかよ」。速攻切られる。やってしまった。‟重い女”の代表入り。振られる。嫌われる。息が苦しい。鏡を覗くと、顔までブサイクになっていた。【三松さんからのコメント】恋に落ちると夢中になって、彼のことしか考えられない女性、いますよね。夢中になれるのはすっばらしいこと。恋なんか無駄って冷めてる人よりずっと人間的でいいじゃない。でも、忙しい彼に一方的な連絡をし続けてしまうのは危険。うっとうしがられる。自分の世界を持ってない人って魅力半減です。没頭できる趣味があればいいですが、美奈子さんのように、どうにもこうにも動けない場合。やれることがひとつあります。それは、彼が好きだと言っているものについての研究。(彼ナシの場合は友達のでもいい)彼が筋トレオタクなら、タンパク質多めの料理の特訓をしてみる。三島由紀夫が好きなら、三島由紀夫の本を順に読んでみる。Awesome City Clubが好きなら、曲を聴きまくってハモれるようにしてみる。結局彼のことかよ、と思うかもしれませんが、それでよし。どうせ、それ以外はやる気にならないんだから、いっそ極める作戦で。次に会った時に話そう歌ってみようと思いながら、新しいことを学ぶ。グイっと吸収していけるはず。恋してる時って、最高の学習チャンスなのです。TBS日曜劇場の「ドラゴン桜」観てますか。興味がなくても本質を考えるって、深い教えを桜木先生が伝えてくれました。まさにそれ。彼がなぜそれを好きなのか、ルーツを知る。彼の顔が浮かべばできてしまう。彼もきっと「俺たちってもしかして趣味合う?」とうれしくなる。好きなことの話題を振ってもらうと誰しも心を開きます。万が一、彼と別れても料理の腕や文学知識、カラオケのレパートリーは持ってて損ナシ。あ!もちろんエッチのテクニックもね。次のモテにつながる。学びは無駄になりません。彼キッカケではじめたことが、My趣味になったという報告も多数です。お酒好きの彼のために、簡単おつまみを研究していたら楽しくなり、YouTubeでおつまみチャンネルを始めたなんて話も。ハッピーね。「趣味レスで、ひとり時間をグズグズ過ごすな。『ドラゴン桜』を観て、全てのことの本質を考えてみろ。彼との恋愛の意味も見えてくるかもよ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©vitranc/Gettyimages文・ 三松真由美
2021年05月20日女優の有村架純が、舞台『友達』で7年ぶり2度目の舞台に出演することが19日、明らかになった。同作は安部公房が自身の小説『闖入者』をベースにした戯曲。ある夜、ひとりの男(鈴木浩介)の日常に見知らぬ「9人家族」の足音が忍び寄る。祖父(浅野和之)、父母(山崎一・キムラ緑子)、3人兄弟(林遣都・岩男海史・大窪人衛)、3人姉妹(富山えり子・有村架純・伊原六花)から成る9人家族は、それぞれに親しげな笑みを浮かべ、口々に隣人愛を唱えながら、あっという間に男の部屋を占拠してしまう。男は何が何だかわからないまま、管理人(鷲尾真知子)、警官(長友郁真・手塚祐介)、婚約者(西尾まり)、弁護士(内藤裕志)と、次々に助けを求め、この不条理な状況説明を試みるが埒があかない。しかも、彼らは、どんどん「家族の論理」に加勢していく流れに…。シス・カンパニーと、NHK よるドラ『きれいのくに』脚本でも注目を集めている気鋭の劇作家・演出家 加藤拓也が、『たむらさん』(2020年10月上演)に続きタッグ。1967年(昭和42)に青年座で初演され、同年の「谷崎潤一郎賞」を受賞、三島由紀夫をして「安部公房氏の傑作」と言わしめた作品に挑む。不条理な状況に追い込まれていく「男」を演じる鈴木浩介に迫るのは、安部公房スタジオ出身の浅野和之、硬軟自在な演技で魅了するキムラ緑子、第28回 読売演劇大賞最優秀男優賞に輝く山崎一が率いる謎の3兄弟・3姉妹たち。中でも、ドラマ『姉ちゃんの恋人』での共演が人気を呼んだ有村架純と林遣都が、今度は小劇場空間で家族として登場する。有村は、2014年『ジャンヌ・ダルク』以来7年ぶり2度目の舞台出演となる。加えて、岩男海史、大窪人衛、富山えり子、伊原六花、内藤裕志、長友郁真、手塚祐介、西尾まり、鷲尾真知子と盤石な布陣が実現した。東京公演は9月、大阪公演は10月上旬を予定している。
2021年05月19日第161回芥川賞を「むらさきのスカートの女」で受賞した今村夏子のデビュー作「こちらあみ子」が実写映画化。井浦新、尾野真千子が主人公・あみ子の両親役を演じることが決定した。「こちらあみ子」は第26回太宰治賞と第24回三島由紀夫賞をW受賞した、芥川賞作家・今村夏子のデビュー作。2021年7月に原作の舞台でもある広島オールロケにてクランクイン予定となっており、主人公・あみ子役をはじめ、あみ子の好きなのり君、同級生の坊主頭、あみ子のお兄ちゃんの孝太など、子どもたちの主要キャストはなるべく自然体で純粋さや素直さを表現するべく、演技経験の有無を問わずオーディションにて選考している。監督・脚本は、主に『まほろ駅前狂騒曲』『セトウツミ』『光』『日日是好日』などの大森立嗣監督をはじめ、日本映画界を牽引する監督たちの現場で助監督を務めた森井勇佑。自身が映画化を熱望していた本作品で監督デビューを果たす。さらに、いつも家族を見守るあみ子の父役に井浦新、書道教室の先生で、お腹には赤ちゃんがいる母役に尾野真千子が決定。実力派の2人が、オーディションで選ばれる子どもたちと共に本作の繊細で色彩豊かな世界観を創り上げる。なお、本作の製作応援を目的としたクラウドファンディング(MOTION GALLERY)も実施。森井監督は柔らかなリズムを持つ広島弁にも惚れ込み、作者・今村さんの出身地であり、原作の舞台でもある広島で撮影することを目指している。森井監督とスタッフに縁のある大森立嗣監督、野尻克己監督、今泉力哉監督からも応援コメントが到着した。本作で監督デビュー、森井勇佑監督コメント僕がHi8のビデオカメラで遊び始めたのは、中学1年生の頃でした。友達3人くらいと「男プロダクション」と名乗り、高校を卒業するまで30本ほど遊びで映画を撮りまくりました。たいていの友達はカメラの前に立つだけで恥ずかしくて笑ってしまいます。でもそんな中でなぜか、ほとんど笑わずカメラ前で堂々と立っていられるヤツがいました。そいつはぶっきらぼうで、ときどき奇行もするので、学校では浮いた存在でした。でも映画に出るのはすごく好きだったようで、「次は何をとるんや」「映画はとらんのか」としょっちゅう催促されました。今思えば、そういうヤツだったからこそ、存在が面白く、僕らも映画を撮りつづけたのだと思います。「こちらあみ子」をはじめて読んだ時、僕はあみ子のことを友達のように感じました。あみ子は面白いヤツです。その面白さをみんなに伝えたい。それは僕が中学生のときに思ったことと、きっと地続きなんだと思います。それ以来、この小説を映画にしたいと強く思い続けてきました。あみ子という存在は、映画で撮るべきだと思ったのです。「こちらあみ子」が初監督作品になることは、自分にとっては必然的なことだと感じています。覚悟を持って挑みます。と同時に、最高に嬉しいです。ワクワクして仕方がありません。縁ある大森立嗣監督や今泉力哉監督から応援コメントも大森立嗣監督森井は僕の映画の助監督をやっていて、映画を支えてくれていました。映画が本当に好きで、彼は映画に救われているように僕には見えました。映画監督になったら、今度は映画を、救ってください。自分のことはさておいて、映画に携わる人や、観客に向けて、愛を注いでください。だけど、その前に皆様からの応援が必要なようです。次は彼が映画を通して皆様に愛を降り注ぎます。野尻克己監督森井勇佑は映画を愛するとても純粋な私の後輩だ。純粋な後輩が天才作家、今村夏子のデビュー作で監督デビューする。純粋と天才の掛け算。デビュー作とデビュー作の掛け算。誰からも歓迎される映画がこの世に出るに違いない。余談だが、私の人生を賭けたデビュー作の助監督を森井に三度頼んだが三度断られた。この間、断った理由を聞くとヘラヘラ笑って「覚えていません」と言われた。そういう憎めない人間だ。そういう憎めない人間の人生を賭けた監督デビュー作。誰からも愛される映画がこの世に出るに違いない。今泉力哉監督小説「こちらあみ子」が映画になると聞いた。見たいです。監督は同じ原作者である今村夏子さんの映画『星の子』で助監督を務めていた森井勇佑さん。撮影を、私が何度もご一緒した岩永洋さんが担当すると聞いた。おふたりは日本映画学校時代からの知り合いらしい。広島での主演オーディションの情報を聞き、わくわくした。すでに本気でいい映画にしようという気持ちが見える。クラウドファンディングの成功を影ながら祈っております。多くの人が支援してくださいますように。『こちらあみ子』第2回目のオーディションは5月下旬にロケ地広島にて開催予定。7月、広島オールロケにてクランクイン予定。(text:cinemacafe.net)
2021年05月11日俳優の井浦新、尾野真千子が、映画『こちらあみ子』に出演することが11日、明らかになった。同作は『むらさきのスカートの女』で第161回芥川賞を受賞した今村夏子のデビュー作で、第26回太宰治賞、第24回三島由紀夫賞をW受賞した同名小説の実写映画化作。ちょっと風変わりな女の子・あみ子の純粋で素直な行動を通し、奇妙で滑稽で、でもどこか愛おしい人間たちのありさまを生き生きと描く。本作は2021年7月に原作の舞台でもある広島オールロケにてクランクインを予定。主人公、あみ子役をはじめ、あみ子の好きなのり君、同級生の坊主頭、あみ子のお兄ちゃんの孝太など、子どもたちの主要キャストは純粋さや素直さをなるべく自然体で表現するべく、演技経験の有無を問わずオーディションにて選考しており、第2回目のオーディションは5月下旬にロケ地・広島にて開催を予定している。監督・脚本は、主に大森立嗣監督をはじめ、日本映画界を牽引する監督たちの現場で助監督を務めた森井勇佑。自身が映画化を熱望していたこの作品で監督デビューを果たす。今回明らかになったのは、いつも家族を見守る父役の井浦新と、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいる母役の尾野真千子。日本映画界を牽引する実力派の2人が、オーディションで選ばれる子どもたちと共に本作の繊細で色彩豊かな世界観を創り上げる。また、今作の製作応援を目的としたクラウドファンディング(MOTION GALLERY)の実施も決定した。○森井勇佑監督 コメント僕がHi8のビデオカメラで遊び始めたのは、中学1年生の頃でした。友達3人くらいと『男プロダクション』と名乗り、高校を卒業するまで30本ほど遊びで映画を撮りまくりました。たいていの友達はカメラの前に立つだけで恥ずかしくて笑ってしまいます。でもそんな中でなぜか、ほとんど笑わずカメラ前で堂々と立っていられるヤツがいました。そいつはぶっきらぼうで、ときどき奇行もするので、学校では浮いた存在でした。でも映画に出るのはすごく好きだったようで、「次は何をとるんや」「映画はとらんのか」としょっちゅう催促されました。今思えば、そういうヤツだったからこそ、存在が面白く、僕らも映画を撮りつづけたのだと思います。『こちらあみ子』をはじめて読んだ時、僕はあみ子のことを友達のように感じました。あみ子は面白いヤツです。その面白さをみんなに伝えたい。それは僕が中学生のときに思ったことと、きっと地続きなんだと思います。それ以来、この小説を映画にしたいと強く思い続けてきました。あみ子という存在は、映画で撮るべきだと思ったのです。『こちらあみ子』が初監督作品になることは、自分にとっては必然的なことだと感じています。覚悟を持って挑みます。と同時に、最高に嬉しいです。ワクワクして仕方がありません。○大森立嗣監督 応援コメント森井は僕の映画の助監督をやっていて、映画を支えてくれていました。映画が本当に好きで、彼は映画に救われているように僕には見えました。映画監督になったら、今度は映画を、救ってください。自分のことはさておいて、映画に携わる人や、観客に向けて、愛を注いでください。だけど、その前に皆様からの応援が必要なようです。次は彼が映画を通して皆様に愛を降り注ぎます。○野尻克己監督 応援コメント森井勇佑は映画を愛するとても純粋な私の後輩だ。純粋な後輩が天才作家、今村夏子のデビュー作で監督デビューする。純粋と天才の掛け算。デビュー作とデビュー作の掛け算。誰からも歓迎される映画がこの世に出るに違いない。余談だが、私の人生を賭けたデビュー作の助監督を森井に三度頼んだが三度断られた。この間、断った理由を聞くとヘラヘラ笑って「覚えていません」と言われた。そういう憎めない人間だ。そういう憎めない人間の人生を賭けた監督デビュー作。誰からも愛される映画がこの世に出るに違いない。○今泉力哉監督 応援コメント小説『こちらあみ子』が映画になると聞いた。見たいです。監督は同じ原作者である今村夏子さんの映画「星の子」で助監督を務めていた森井勇佑さん。撮影を、私が何度もご一緒した岩永洋さんが担当すると聞いた。おふたりは日本映画学校時代からの知り合いらしい。広島での主演オーディションの情報を聞き、わくわくした。すでに本気でいい映画にしようという気持ちが見える。クラウドファンディングの成功を影ながら祈っております。多くの人が支援してくださいますように。
2021年05月11日12人の映画監督による12本の短編映画製作プロジェクト『DIVOC-12』より、三島有紀子監督チームのキャスト陣が発表。さらに、各作品のタイトルも明らかになった。同プロジェクトは、『新聞記者』の藤井道人監督、『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督、『幼な子われらに生まれ』の三島有紀子監督という3名が中核となって映画製作を牽引していく。“共有”というテーマで製作する三島監督の作品タイトルは『よろこびのうた Ode to Joy』。主演は『椿の庭』で14年ぶりに主演を務めた富司純子、『his』『佐々木、イン、マイマイン』『くれなずめ』に出演する藤原季節の2人が務める。そして、三島監督チームには、山嵜晋平監督、齋藤栄美監督、加藤拓人監督が参加しており、山嵜監督の『YEN』(ワイイーエヌ)では、『朝が来る』で数々の映画賞を受賞した蒔田彩珠が主演し、共演には、『アルプススタンドのはしの方』の中村守里が決定。齋藤監督の『海にそらごと』では、中村ゆりと、オーディションでその座を見事掴み取り本作で銀幕デビューを果たす高田万作が主演。さらに、一般公募から選ばれた加藤監督の『睡眠倶楽部のすすめ』には、前田敦子が主演する。<キャストコメント>●富司純子新型コロナウイルス感染症が蔓延する中、数々の映画製作が延期や中止になり、携わるスタッフ、俳優、関係者の仕事が無くなり生活に困窮しているのが現状です。そんな中、有志が映画製作に取り組むお話を頂き、喜んで参加させて頂きました。三島監督はじめ、スタッフがコロナ感染に神経を使い無事に撮り上がりました作品です。皆、映画が好きな人々が集まりました。皆の映画への情熱を感じて下さればこの上ない喜びです。●藤原季節この作品のことを思い出そうとすると頭が真っ白になります。夢中でした。このコロナ禍において僕たち俳優もまた、とてつもない緊張感に晒されて生きています。いつ仕事がなくなるかわからない。新人が作品にチャレンジ出来る機会も減ってきたように思います。このプロジェクトで三島組に出逢い、頭が真っ白になるような喜びを味わいました。この映画は出逢いの映画でもあります。まさに僕にとっても出逢いとなった、この映画を届けたいです。●蒔田彩珠脚本を読んだ時、短い物語の中にも、沢山の意味が込められていると思いました。どんなに親しい仲でも、共有できない想いがあったり、自分にしか分からない気持ちの整理の仕方があったり。この作品を観てくださった方に、作品を通して伝えたいこと、が少しでも多く伝わったらいいなと思います。●中村守里コロナ禍で世界中が戦っている今ですが、作品作りを通して発信し続けることは大事なことだと、エンターテイメント界の一端にいる私も感じています。このプロジェクトに参加出来ること、感謝いたします。今回起用して下さった関係者の皆様、改めてありがとうございます。山嵜監督の『YEN』は短編映画ならではの洗練された脚本です。そこに自分がどんな風にはまっていけるのか、監督の期待に応えられるのか、楽しみながら試行錯誤して撮影に挑みたいと思っています。楽しみにしていてください!●中村ゆり以前の生活とは変化した昨今、沢山の過去の価値観の見直しを世界中がしている中で、孤独を感じる時も、新たな気付きがあったりする時もあります。こんな今だからこそ、人間のふとした優しさや温もりを感じれるような作品にしたい想いで、監督と沢山のお話をしながら作品に向き合っています。●高田万作初めて映画制作に参加させていただきます。今回の作品は、とても自分らしさを求められる作品だと思っています。立ち居振る舞いや後ろ姿だけで役の生い立ちまでを伝えられるような演技が出来るように、映画の世界の中に入り込みたいと思います。初めての経験ばかりで不安もありますが、とても楽しみです。自分の素を信じて、勝負したいと思います!!!!よろしくお願いします。●前田敦子皆で力を合わせて、一つになって大きな作品を作るということが今、必要なことだと感じているので、このプロジェクトで監督3人がそれぞれチームを作って、新しい世界に導いてくださるのはすごく素敵なことだと思いました。加藤監督の作品に携わらせていただいてとても嬉しいです。『DIVOC-12』は2021年、全国にて公開予定。※高田万作の「高」は、正しくは「はしごだか」(cinemacafe.net)■関連作品:DIVOC-12 2021年公開予定
2021年04月30日スマホやパソコンなど、現代はデジタルなものに囲まれる生活が中心となっていますが、こんなときだからこそ本の良さを再認識している人も多いのでは?そこで、本好きにはたまらない話題のドキュメンタリーをご紹介します。『ブックセラーズ』【映画、ときどき私】 vol. 375世界最大の規模を誇るNYブックフェア。そこには、業界で有名なブックディーラーや書店主、コレクターなど、幅広い人たちが集まっていた。そして、本を愛する彼らが本に対する思いや魅力を語り始める。さらに、ビル・ゲイツによって2800万ドル(約28億4千万円)という史上最高額で競り落とされたダ・ヴィンチのレスター手稿やボルヘスの手稿、『不思議の国のアリス』のオリジナル原稿など、さまざまな希少本も多数登場。誰よりも本を愛するブックセラーたちの実態とは?本の世界を支え続けている“素晴らしき裏方”であるブックセラーたちのリアルな声をもとに、業界の裏側や希少本の真髄に迫っている本作。今回は、こちらの方にお話をうかがってきました。D・W・ヤング監督これまでにサウス・バイ・サウスウエストやバンクーバー国際映画祭など、世界各地の映画祭で作品を発表しているヤング監督。ブックディーラーの叔父と叔母を持つ監督だからこその視点で、本作を手掛けています。そこで、本の魅力や業界に女性が必要な理由などについて、語っていただきました。―今回は、本作のプロデューサーであるダン・ウェクスラーさんからの提案がきっかけだったそうですが、監督も親戚にブックディーラーがいらっしゃるので、以前から本を題材にしたいという思いもあったのではないでしょうか?監督確かに、叔父と叔母がブックディーラーということもあって、もともとそういう部分はあったかもしれませんね。ただ、ダン本人が映画プロデューサーでありブックセラーでもあるので、彼の実体験を聞いて非常に面白い題材だと感じたというのが大きかったと思います。あとは、僕の妻でもう1人のプロデューサーでもあるジュディス・ミズラキーが大学で英文科専攻だったこともあって、以前から本に興味があったことも後押しになりました。そういった理由から我々夫婦のなかでも、自然にこのテーマで撮りたいという気持ちが自然と芽生えていったように思います。―これまで外から見ていた本の世界に、実際に踏み込んでみてどのようなことを感じましたか?監督叔父と叔母を通して覗き見をしているようなところがあったので、まったく知識がなかったわけではありませんでしたが、ダンのオフィスに行くようになってから知ることは多かったです。そのなかでも特に希少本に関して初めて気がついたのは、ただの本ではなく、幅広い可能性を持っているんだということ。それから希少本の場合、本の周りにあるものにまで価値が生まれることには驚きました。たとえば、映画でも紹介していますが、『アニーよ銃をとれ』のモデルとしても知られている有名なカウガールのアニー・オークレイは、本と合わせて手袋も高く評価されているんです。そんなふうに、本の周りにあるものにまで豊かさが生まれ、歴史的なものとして大事に扱われていることは発見でした。日本の本や映画からも影響を受けている―では、監督にとって本はどのような存在ですか?監督僕はコレクターではないので、あくまでも純粋に読者として本を楽しんでいます。ただ、本が好きでつい買ってしまうので、どんどん積みあがっている状態です(笑)。―ananwebでは以前『ニューヨーク公共図書館』でフレデリック・ワイズマン監督にも取材をしたことがあり、5000冊はあるとおっしゃっていた本棚の一部を見せていただきましたが、監督もそうなるかもしれませんね。監督そうですね。ワイズマン監督はいま90歳くらいなので、きっと僕もこのままいけばその歳で4000冊くらいはいけるんじゃないかなと。でも、彼はアメリカ人のなかでもちょっと特殊なほうだと思いますけどね(笑)。―(笑)。では、監督の人生を変えた本にはどのような作品がありますか?監督年代によっても影響を受けている本は変わっているので1冊を選ぶのは難しいですが、子どもの頃に好きだったのは『指輪物語』。大人になってからは、サミュエル・ベケットの戯曲にも非常に感銘を受けました。あとは、作家のスーザン・ソンタグからも大きな影響を受けているので、彼女の言葉は映画の冒頭にも使わせてもらっています。―ちなみに、監督のコレクションのなかに日本の作品もあれば、どのような作家がお好きか教えてください。監督村上春樹は外せないですが、三島由紀夫をはじめ、ほかにも何名か日本の作家の作品は読んでいます。そういった作品を通して、日本に対する印象を得ることもありますが、本よりもどちらかというと日本の映画のほうから影響を受けているところはあるかもしれません。小津安二郎、溝口健二、黒澤明はもちろんですが、好きな作品としては、日本の裏社会を描いているヤクザが主人公の篠田正浩監督作『乾いた花』が挙げられます。いまは本に対する危機感よりも希望のほうが大きい―劇中で「将来は映画『ブレードランナー』のようなテクノロジーが進化した世界になり、本がなくなってしまうかもしれない」という不安を抱いている方のお話もありましたが、監督にもそういう危機感はありますか?監督僕にも100年先のことはわかりませんが、たとえみんなが宇宙に行けるようになる時代になっても、本は残るんじゃないかなと思っています。可能性として言えるとすれば、いまは日常生活のなかにある本がもしかしたら将来は本自体が“物珍しい対象”になってしまうようなことはあるかもしれないですね。ただ、僕はこの映画を作る前よりも作った後のほうが、そういった危機感よりも本には希望を感じるようになりました。―それはなぜでしょうか?監督この作品は、すでにアメリカやさまざまな国で公開されましたが、思っていたよりも多くの方が観てくださいました。その様子を見て、みなさんのなかに本に対する興味があることを感じられたからです。―とはいえ、いまは本離れが進んでいますよね。監督から本の良さを伝えるとすれば、どんなことですか?監督実際に本を持つことによって、自分の人生に“マーキング”できるのが魅力だと思います。たとえば、本棚の前を通りかかったときにふと置いてある本が目に入ると、過去にその本を読んだときのことを思い出しますよね?電子ブックだと、読み終わった瞬間に終わってしまうかもしれませんが、実物があるとそういう楽しみ方もできますし、人間というのは体を使って何かをすることで脳に働きかけ、そして学ぶことができるものですから。それは書店を訪れるときも同じで、書店に行くと探すつもりがなかった本や知るはずもなかった本と出会うことができますが、実際に本のビジュアルを目にするのと電子ブックでは、頭が認識するスピードが違うはずです。そんなふうに、実物の本は電子ブックに比べて、読んでいる人と複雑な関係性を結ぶことができるので、人生とより深い関わりを持てると思います。これからの業界には女性がもっと必要になってくる―なるほど。確かに本ならではのメリットですね。監督ただ、僕は必ずしもアンチテクノロジーというわけではありません。電子ブックやオンラインでもいろいろな幅広い知識を得られますし、大事なツールであることには間違いないですからね。なので、大切なのは両方をうまく使っていくことだと思っています。―バランスが大事かもしれませんね。また、本作では女性ブックセラーや本の業界における女性の立場などについても触れています。女性たちが本の世界に与えた影響についてはどうお考えですか?監督彼女たちは、非常に大きなエネルギーを業界に与えてくれたと思っています。なぜなら、女性が入ってきたことによって、「どうすれば女性のブックセラーを増やせるか」とか「どうやってビジネスに変化をもたらし、女性に貢献できるのか」といった話を彼女たちから学ぶことができたからです。本の世界には、変化することを認めたがらない人たちがいたのも事実。でも、そんななかで男性にはないような視点を持つ女性たちがいろいろな提案をしてくれたおかげで、新たな可能性を開拓し、これまでとは違う層に訴えることができた感じています。それは、女性ブックセラーだからこそできたことではないかなと。そういった意味でも、この業界には映画に出てくるような女性たちが今後もどんどん増えていく必要があると思っています。本でしか味わえない経験があることを知る普段見ることができないブックフェアの裏側から貴重な本の数々まで、知られざる世界を垣間見ることができる珠玉のドキュメンタリー。本を手にしたときにしか味わえない有意義な時間を得るために、まずは本作で本の魅力を再確認し、書店の楽しみ方についても学んでみては?取材、文・志村昌美本が読みたくなる予告編はこちら!作品情報『ブックセラーズ』4月23日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開配給・宣伝:ムヴィオラ、ミモザフィルムズ© Copyright 2019 Blackletter Films LLC All Rights Reserved
2021年04月22日何かと騒々しい日常生活を送っているときこそ、映画にどっぷりと浸りながら違う世界へと誘われたいと思うもの。そこで、今回オススメするのは、ある宿命を背負った女性の激しくも切ない愛の物語を描いた注目作です。『水を抱く女』【映画、ときどき私】 vol. 368ベルリンの都市開発を研究する歴史家ウンディーネは、小さなアパートで暮らし、博物館でガイドとして働いていた。ある日、恋人のヨハネスが別の女性に心移りしてしまったことを知り、悲嘆にくれていたウンディーネ。そんな彼女の前に、愛情深い潜水作業員のクリストフが現れる。数奇な運命に導かれるように、惹かれ合うふたりだったが、次第にクリストフはウンディーネが何かから逃れようとしているような違和感を覚え始めるのだった。そして、彼女はついに「愛する男に裏切られたとき、その男を殺して、水に還らなければならない」という自らの宿命に直面することに……。本作のモチーフとなっているのは、“水の精 ウンディーネ”の神話。古代ギリシャ時代からさまざまな作品にインスピレーションを与えてきた題材で、アンデルセンの『人魚姫』をはじめ、チャイコフスキーやドビュッシーといった芸術家たちを虜にしてきたテーマです。そこで、同じくウンディーネの物語に魅了されたこちらの方にお話をうかがってきました。クリスティアン・ペッツォルト監督これまでにベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)を受賞するなど、ドイツの激動の歴史を描く社会派として知られているペッツォルト監督。今回は、多くの天才アーティストたちに愛されてきた神話の魅力や日本映画から受けている影響などについて語っていただきました。―「水の精」を描いたこの作品を皮切りに、「火の精」と「地の精」という神話をテーマにした“精霊三部作”を作ろうとお考えのようですが、きっかけから教えてください。監督実は以前から、1度は三部作を作りたいと思っていました。ただ、僕はもともと怠けやすい人間なので、口に出さないと動けないタイプなんですよ。なので、今回は自分が働くための理由になると思って、最初から「三部作にする」と宣言しました。僕は一旦口にしたことは守るタイプですからね。そうやって言うことで自分にとって“足かせ”のような意味もあるんですよ(笑)。―そんな背景もあったんですね。この神話は古代ギリシャ時代から現代まで、多くの芸術家が魅了されています。そこまで長年にわたって多くの芸術家を惹きつける魅力は何だと思いますか?監督ドイツでウンディーネが人気を集めたのは、産業革命の頃。自然が破壊され、人間に支配されるようになると、自然は“エネルギーの供給源”として見られるようになりました。そういったときにドイツロマン派の人たちから「自然の魔術的な力が失われないようにしたい」といった声が上がり、自然に対する憧れとしてウンディーネがテーマとして生まれたんです。そういったこともあって、ロマン派の絵画などには、自然回帰に関する内容の作品があるんですよ。映画では、曖昧な記憶を描くほうがおもしろい―監督はこのテーマを取り上げるうえで、意識したことはありますか?監督ウンディーネというのは、男性の視点から描かれているんですが、僕はエロティシズムの対象として描いたりするような男性目線のウンディーネにしたくないということだけは気をつけました。―もともと監督も幼い頃からウンディーネの神話はご存じだったそうですが、あらゆることを間違って記憶されていたそうですね。ただ、記憶が曖昧だからこそ、それが監督の想像力を刺激するような部分もありましたか?監督そうですね。僕はその曖昧さこそがおもしろいところだと思っています。なぜなら、オリジナルの文学をそのまま再現するような映画は非常に退屈な作品になってしまいますからね。それよりも、曖昧な記憶について語るほうが興味深いものになるはずです。映画というのもまた、記憶なんですよ。たとえばこの作品では、水中の世界を描いていますが、僕は潜水ができないので、本物の水中の世界に入ったことはありません。それでも、すべて僕らが想像するわけです。今回、水中のシーンはすべてスタジオに作ったものですが、そこで作られた水中の海藻や廃墟の壁などは実際にあるものを再現したわけではなく、想像をもとに作りました。そんなふうに、記憶や想像をもとに作るほうが僕は好きなんです。―ウンディーネについての物語で、何か参考にされた作品はありましたか?監督先ほども言ったように、男性目線ではなく、女性の視点からウンディーネを描きたかったので、それに近かったのは、1961年に出版されたオーストリアの詩人で小説家のインゲボルク・バッハマンによる『ウンディーネが行く』という小説。この本を読んだときに、インスピレーションを受けました。撮影前は、小津作品を毎回観るようにしている―日本でも、三島由紀夫や手塚治虫といった巨匠たちがウンディーネをモチーフに取り入れた作品を描いていますが、日本の作品は読まれましたか?監督それらの作品は手に取っていませんが、撮影に入る前にキャストたちと水や海岸に関するいろいろな映画を観るなかで、小津安二郎や北野武の作品を観ることはありました。そのなかでも僕にとって重要な作品は、小津安二郎の『晩春』。父と娘の関係を描いた物語で、特に自転車に乗って海に向かっていくシーンが非常に印象的な映画です。この作品は今回に限らず、僕が映画を作る際にはほぼ毎回観るようにしています。―それはどういった理由からでしょうか?監督以前『東ベルリンから来た女』という作品を撮るときにも、キャストたちと一緒に観ましたが、『晩春』からは古いものと新しいものが共存した世界をたくさん学べるからです。たとえば、アメリカが戦勝国であることがわかるような英語の標識が映されているいっぽうで、がんばって生きて行こうとする若い世代や父と娘という日本の家族についても描かれていますよね。そのバランスが絶妙なので、僕は映画を撮る前に観るようにしている作品のひとつです。いつの時代でも共感できるものは愛―非常に興味深いです。監督はこれまでの作品も今回も愛についての物語を描いているとコメントされていますが、映画で愛を描きたいと思う理由について教えてください。監督愛にはいろいろな愛があって、時代によっても異なるところはありますが、それでも共通しているところがあるので、いつの時代でも誰もが共感できるものだと感じているからです。―確かに、愛にはそういうところがありますね。監督ちなみに、愛を毎回描いてはいますが、僕は映画のなかでセックスシーンを描くのが好きではありません。もしかしたら、若い頃に映画館でセックスシーンのある映画を観たあとに、家で両親からそういう気配を感じて恥ずかしい思いをしたことが理由かもしれませんが……。ただ、今回の作品では1か所だけ、そういったシーンを入れました。なぜかというと、あそこではただ2人が裸でじゃれあっているのではなく、水中というメタファーに繋がっているからです。自分でもすごくいいシーンになったと感じています。―非常に素敵なシーンだと思うので、ぜひ注目していただきたいですね。また、主演を務めたパウラ・ベーアさんとフランツ・ロゴフスキさんのおふたりも素晴らしかったですが、現場での様子はいかがでしたか?監督彼らとは『未来を乗り換えた男』でも仕事をしていますが、2人ともほかの俳優にはないようなやり方で演じるのが興味深いところです。新しく飼う猫を初めて家に連れてきたときの様子を思い浮かべてほしいのですが、猫は新しい飼い主の家のなかで、居場所を探そうとしますよね?そんなふうに、この2人は見つめ合ったり、間合いを取ったりしながら感覚的な距離感を見つけていき、お互いのことを信頼していくのです。そこで生まれる大きな集中力を見たときに、すごい俳優たちだと感じました。2人の愛が芽生える瞬間を見てほしい―監督が観客にオススメしたいシーンはありますか?監督彼女のアパートでプレゼンの練習をしているところがありますが、あのシーンを撮ったときは、夜の素敵な景色も切り取れたので、2人の演技も含めてぜひ見逃してほしくないところですね。あとは、冒頭で水槽が割れるシーン。ガラスの破片や金魚、海藻などがばーっと散らばり、まるで波打ち際のように水が押し寄せる瞬間に、愛が芽生えるので、僕個人としてもすごく好きなシーンです。―では、今後はどのような作品を予定されているのか、最後に教えてください。監督次回作は、炎に関する「火の精」の物語で脚本もほぼできあがっています。ただ、俳優たちが触れ合うようなシーンを撮れるのは、来年になると思うので、撮影は少し先になるかもしれません。舞台はバルト海で、若者のグループがそこで夏を過ごしているのですが、森林火災が発生してしまいます。最初は楽しそうに始まるものの、徐々に彼らの心のなかにも燃え盛る炎があり、最後は……といった感じですね。その次は刑事モノを撮って、さらにその次は大地をテーマにした「地の精」の作品を撮ろうと考えてるところです。ちなみに、大地の作品に関しては、ニュー・ジャーマン・ シネマのような作品ではなく、宮崎駿監督の作品のような雰囲気を出せたらいいなと思っています。魅惑的な世界観の虜になる!内に秘めた激しさと繊細な感情を表現している俳優陣の見事な演技と美しい映像、そして官能的な愛の物語から目が離せない本作。ミステリアスなウンディーネの魅力を前にすれば、まるで湖の底へと引きずり込まれるような感覚に陥るはずです。取材、文・志村昌美息を飲む予告編はこちら!作品情報『水を抱く女』3月26日(金)より新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開配給:彩プロ© SCHRAMM FILM/LES FILMS DU LOSANGE/ZDF/ARTE/ARTE France Cinéma 2020※3月27日(土)新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺にてクリスティアン・ペッツォルト監督のオンライントークショー開催決定!(ともに18:50回の本編上映後実施)
2021年03月25日渡辺謙主演、宮沢氷魚共演で注目を集めながら、昨年、わずか10回きりの上演となった舞台「ピサロ」が5月15日(土)~6月6日(日)アンコール上演されることが決定した。「ピサロ」(原題:ザ・ロイヤル・ハント・オブ・ザ・サン)は16世紀、167人の寄せ集めの兵を率いて、2400万人のインカ帝国を征服した、成り上がりのスペインの将軍ピサロの物語。「アマデウス」「エクウス」などで、トニー賞最優秀作品賞、ニューヨーク劇作批評家賞など数多くの賞を受賞した英国を代表する劇作家ピーター・シェーファーによる傑作戯曲。2020年3月、PARCO劇場オープニング・シリーズ第1弾公演として華々しく開幕する予定だったが、コロナ禍により初日を延期、45回予定のところ、わずか10回の上演となっていた。今回、観劇が叶わなかった多くの方々のリクエストに応え、2021年5月にアンコール公演が決定。日本初演は36年前の1985年PARCO劇場。当時まだ無名だった渡辺さんがインカ帝国の王・アタウアルパを演じ、観客に鮮烈な印象を残した。昨年、渡辺さんは、自身に「俳優を一生の仕事とする」覚悟を決めさせる1本となった本戯曲に、タイトルロールとして帰還。スケールと情熱を湛え、人間存在の深みを共感させる素晴らしい演技を披露した。ピサロに対峙する太陽の子・インカ王アタウアルパ役を演じたのが宮沢さん。2018年、三島由紀夫最後の長編小説を舞台化した「豊饒の海」でも進境著しい演技をみせた宮沢さんが挑んだアタウアルパは、その気品と風格が舞台に輝きをもたらした。そして1年後の本年5月、渡辺さん、宮沢さんに加え、栗原英雄、大鶴佐助、長谷川初範、外山誠二ら実力ある俳優陣が再び結集。演出は、英国ロイヤル・バレエで長く活躍し、「ウィンド・イン・ザ・ウィローズ」で2014年ローレンス・オリヴィエ賞ベスト・エンタテイメント賞を受賞したウィル・タケットが担当。「必ずリベンジ公演するぞと皆と話しておりました」という渡辺さんは、「念願が叶い、再びこの難敵と向かい合う機会を得ました。ウィル・タケットのダイナミックな演出の舞台を是非ご覧下さい」とコメント。宮沢さんも再上演を喜び、「再演できる奇跡とまた舞台の上に立てる喜びを噛み締めながら毎公演頑張ります。沢山の困難を乗り越え、パワーアップしたこの作品をぜひ観に来て下さい」と期待を寄せる。そして、演出ウィル・タケットは「多くの方々にとって困難な一年ではありましたが、演劇が、観客の皆様へもたらす力を、パルコのような製作者が信じ続けているということに、私は大いに勇気づけられました」とコメント。「この作品の為に、またあの多くの出演者たちが結集し、創作を共にできるかと思うと、興奮を抑えきれません。寛大で、素晴らしい俳優である渡辺謙氏が見せる、驚異的なピサロの演技は、皆を触発しますし、共演者も卓越したパフォーマンスを見せてくれます」と語り、「視覚的な驚異をも伴う、大きな旅路の物語の中、演者達ひとりひとりが、人間の魂の持つ強さや脆さを、鮮烈に描き出してくれることでしょう」と再結集に自信を見せている。PARCO PRODUCE 2021「ピサロ」は5月15日(土)~6月6日(日) PARCO劇場にて上演。(text:cinemacafe.net)
2021年03月01日ドイツを代表する名匠クリスティアン・ペッツォルト監督の最新作で、第70回ベルリン国際映画祭・銀熊賞(最優秀女優賞)と国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)をW受賞した『水を抱く女』から、日本版予告編とメインビジュアルが解禁となった。本作は、「愛する男に裏切られたとき、その男を殺して、水に還らなければならない」という、切ない宿命を背負った女の物語。妖艶なウンディーネを『婚約者の友人』のパウラ・ベーア、心優しいクリストフ役には『希望の灯り』のフランツ・ロゴフスキが演じている。今回解禁された日本版予告編は、パウラ演じるベルリンの都市開発を研究する歴史家で、博物館でガイドとして働くウンディーネが恋人に別れを告げられ、「愛していると言って。あなたを殺したくない」と答える場面から始まる。そして、フランツ演じるクリストフとの衝撃的な出会い。激しく惹かれ合っていく2人だったが、ある日彼女は突然姿を消してしまう…。“その男は知らなかった。彼女の逃れられない宿命を”というナレーションが意味する彼女の切ない愛の形とは?2人の愛のゆくえがバッハの旋律と水のようにたゆたう映像美とともに描かれていく。本作のモチーフは、古くから多くのアーティストたちにインスピレーションを与えてきた、“水の精・ウンディーネ(オンディーヌ)”の神話。アンデルセンは童話「人魚姫」を書き上げ、チャイコフスキーはオペラ、ドビュッシーは楽曲を創作した。また、ゲーテが「ドイツの真珠」と絶賛したロマン派のフリードリヒ・フーケが発表した傑作小説「ウンディーネ」は、近年再評価されている三島由紀夫の「仮面の告白」にも登場。ジャン・ジロドゥの戯曲「オンディーヌ」から手塚治虫「七色いんこ」(「オンディーヌ」)、劇団四季「オンディーヌ」などが生まれるなど、天才たちを魅了し続けてきた物語だ。ペッツォルト監督は、「『東ベルリンから来た女』『あの日のように抱きしめて』『未来を乗り換えた男』と同様に、本作は愛についての物語です。しかし、それら過去作は不可能な愛、傷ついた愛、あるいは発展を予想させる愛について語っています。今回は愛がどのように発展していき、心にどのように残っていくのかを描きたかったのです」と語っている。予告編と併せて解禁されたメインビジュアルは、「愛が終わるとき、哀しき殺意のとき」というコピーとともに、男の肩越しにこちらを見つめるウンディーネの視線が印象的な1枚に仕上がっている。『水を抱く女』は3月26日(金)より新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:水を抱く女 2021年3月26日より新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開© SCHRAMM FILM / LES FILMS DU LOSANGE / ZDF / ARTE / ARTE France Cinéma 2020
2021年02月02日ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)を受賞した『東ベルリンから来た女』や、『あの日のように抱きしめて』『未来を乗り換えた男』などで知られるドイツの名匠クリスティアン・ペッツォルト監督の最新作『Undine』が邦題『水を抱く女』として、2021年3月26日(金)より公開が決定した。■天才たちを惹きつけた魅惑的な“水の精”の神話がモチーフドイツの激動の歴史を描き続けてきたペッツォルト監督の新作は、「愛する男に裏切られたとき、その男を殺して水に戻る」という宿命を背負った美しき“水の精・ウンディーネ(オンディーヌ)”の神話がモチーフ。この魅惑的な神話は、古くから多くのアーティストたちにインスピレーションを与えてきた。アンデルセンは童話「人魚姫」を書き上げ、チャイコフスキーはオペラ、ドビュッシーは楽曲を創作した。また、ゲーテが「ドイツの真珠」と絶賛したロマン派のフリードリヒ・フーケが発表した傑作小説「ウンディーネ」は、現代でも読み継がれている。近年、再評価されている三島由紀夫の「仮面の告白」にも登場している。■ベルリン国際映画祭&ヨーロッパ映画賞で女優賞神秘的なウンディーネを妖艶に演じたのは、フランソワ・オゾン監督『婚約者の友人』や、フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督『ある画家の数奇な運命』などの注目作に出演している若き実力派パウラ・ベーア。本作でベルリン国際映画祭とヨーロッパ映画賞にて女優賞受賞という快挙を成し遂げた。心優しい潜水作業員のクリストフ役にはダンサーや振付師としても活躍する『希望の灯り』のフランツ・ロゴフスキ。この主演のふたりは、ペッツォルト監督の前作『未来を乗り換えた男』にも出演しており、稀有な才能の親密な再タッグが、濃密な映像世界へと観客を誘引。 ベルリンでは銀熊賞(女優賞)と国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞をW受賞した。■ストーリーベルリンの都市開発を研究する歴史家ウンディーネ。彼女はアレクサンダー広場に隣接する小さなアパートで暮らし、博物館でガイドとして働いている。恋人のヨハネスが別の女性に心移りし、悲嘆にくれていたウンディーネの前に、愛情深い潜水作業員のクリストフが現れる。数奇な運命に導かれるように、激しく惹かれ合うふたり。幸せで無垢な新しい愛を大切に育むも、彼女が必死に何かから逃れようとしているような違和感をクリストフが感じとったとき、ウンディーネは再び自分の宿命と直面することになる…。『水を抱く女』は2021年3月26日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年12月24日戦後の日本文学界を代表する三島由紀夫没後50年となる今年。9月、日生劇場において4日間限りで『MISHIMA2020』が上演された。彼の人生、作品、思想に刺激を受ける4名の演出家、加藤拓也、熊林弘高、長久允、野上絹代が、それぞれの目線で演出する三島作品をオムニバス形式で上演。2020年に旭日小綬章を受章した麻実れい、世界的ダンサーでありながら本作で圧倒的な芝居を見せつけた菅原小春をはじめとする、日本の第一線で活躍する才能あふれる俳優とクリエイティブスタッフが集結。原作の魅力を受け継ぎながらも、現代の視点で『真夏の死』『班女』『憂国』『橋づくし』の新たな4作品を生み出した。【動画配信】三島由紀夫没後50周年企画「MISHIMA2020」 追加アンコール配信 チケット情報さらに本公演ではライブ配信を実施。クリエイティブディレクターを鈴木健太(劇団ノーミーツ)が務め、劇場の臨場感ともまた違った映像ならではの熱気、スピード感で、三島の世界へと引き込んだ。ライブ配信の好評を得て、公演終了の3日後にはアンコール配信がスピード決定。徐々に『MISHIMA2020』の熱は広がり、そしてこのたび、三島由紀夫の命日となる11月25日より“追加アンコール配信”が2週間限定でスタートした。また、今回の追加アンコール配信は、作品をより深く堪能できるようにと、1作品ごとに視聴可能。 本編終了後、演出家のスペシャルインタビューやWEB上で上演脚本が視聴できる特典付きだ。お得な2本セット、4本セットの販売に加え、 公演プログラム付きのチケットも販売。さらに公演サイトでは、未公開舞台写真も公開。様々な角度から、新たな“三島”を楽しんでほしい。
2020年11月26日人にはなかなか語れないことがある。それでも語ることで一歩踏み出す主人公、そして著者自身に心揺さぶられる崔実さんの『pray human』。デビュー作『ジニのパズル』以来、4年ぶりの新作だ。時を経てようやく語られる心の傷。話題の新鋭作家、突き刺さる第2作。「『ジニのパズル』を書いた時、最初は少しだけ精神病棟の場面があったけれど削除したんです。その時、当時の編集長と“次は精神病棟の話を書いたらどうか”と話しました」本作は17歳の時に精神を病んで入院した過去を持つ〈わたし〉が語り手。時を経て〈きみ〉に語りかける形でその日々を振り返り、さらに入院時代の仲間の一人・安城さんという女性と再会し思春期について語る。そこでは塾で受けた性的虐待の経験にも触れられて―。「最初に精神病棟の日常を書いたのですが、行き詰まった時に編集者に“入院した理由に触れたほうがいいのでは”と言われ、また新たに入院するまでの話を書きました。でも掘り下げられなくて。どこか逃げていたんです」日本で#MeToo運動が高まった頃だった。「いろんな人が声を上げる姿に勇気づけられると同時に、言葉にできない自分を責めました」そんな折ソウル国際文学交流会から登壇依頼が。「作家たちがそれぞれ“なぜ書くのか”というテーマで英語のエッセイを発表して語り合う内容でした。英語なら書けるかもと思い、初めて思春期に受けた虐待のことを書いたんです。でも当日、いざ読もうとしたら声が出せなくなり。察したデンマークの作家が“大丈夫だよ、代わりに読むね”って。会場も“大丈夫、大丈夫”って拍手してくれた。その直後は読めなかった自分に落ち込んだけど、夜、作家たちと食事したら思っているより伝わっていると分かって。今なら日本語で小説を書けると思いました。そこからまた時間がかかりました(苦笑)」最初につけたタイトルは『play human』だったという。「精神病棟の話を書いた時に“人間のふりをする”という意味でつけました。でも思春期のことも加えたし、ここに出てくる人たちみんな誰かのため、自分のために祈っている。それでLをRに替えました」〈わたし〉はつねに、誰かしらに語りかけているわけだが、「思春期を書く時、精神病棟の話に出てきたあの子に話しかけよう、って思いました。安城さんについては、〈わたし〉とはいちばん仲が悪いですが、私はいちばん好き。親友でもないけれど敵でもない。優しい人じゃないから話しやすいこともある」作中、幼い頃に教会で教わった「隣人を愛しなさい」「隣人を許しなさい」という言葉にも言及される。「その言葉がすごく好きだったのに、塾での出来事の後、精神が真っ二つに引き裂かれた感じがありました。自分がふたりいる感覚があって、それで、引き裂かれたもうひとりの子を置いてきちゃったんです。自分自身を隣人にしてしまった。今は、隣人である思春期の自分を愛して許そう、という気持ちです」ようやく声を出せた崔実さん。でも誰もがそうすべきとは思わない。「声を上げないのは、それくらいの傷を負っているということ。無理してほしくない」。自身も、書き終えた直後は達成感はなかったという。「雑誌に掲載された時は敗北感でいっぱいでした。でも本にするため読み返して直すたびに距離が生まれて、客観的に考えられるようになってきました。この闘いには意味があったなと、今は思っています」チェ・シル1985年生まれ。2016年『ジニのパズル』で群像新人文学賞を受賞しデビュー。同作は芥川賞候補となったほか、織田作之助賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。本作が2作目。『pray human』17歳の時に精神病棟に入院していた〈わたし〉は、大人になり、大切な人に向けてはじめて語りだす。入院当時の日々、そしてその後再会した仲間に打ち明けた思春期の傷を―。三島由紀夫賞候補作。講談社1500円※『anan』2020年11月11日号より。写真・土佐麻理子(崔さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2020年11月06日筑摩書房が、三島由紀夫没後50年特別企画として、1991年に刊行した『三島由紀夫レター教室』(ちくま文庫)を、小沢健二デザインによる特別帯をつけて販売することを発表した。小沢書下ろしエッセイを両面に掲載した特別帯は、11月11日(水)頃の書店着荷分から本に巻かれて全国順次発売となる。またそれに先がけ、メモリアル・イヤーにちなんだ2020部の限定版帯付き本を、10月31日(土)より全国86店舗の協力書店にて先行発売する。小沢は雑誌『オリーブ』92年9月号で、「私が文を学んだ本」として『三島由紀夫レター教室』を紹介している。当時これをきっかけにして「突然話題沸騰どうやら小沢健二さんのお気に入り本らしい」という帯が巻かれ、大きな話題を呼んだ。小沢健二書下ろしエッセイでは、『三島由紀夫レター教室』が「なんて贅沢な行為。なんと「反社会的」な行為。なんて地下活動的な、秘密裡な行為。編集されて、冷静に、平静に進んでいく世の中の下に、トンネルを掘るような。」と表現された。2020部限定版帯は、壁を破るかのような切り抜き、袖や裏面にまでびっしりと書きこまれたエッセイ、斜めにカットされた変形帯……。文庫版の帯としてはこれまでに見たこともない、異例の仕様となっている。『仮面の告白』『潮騒』『金閣寺』など硬派な純文学作品で知られる三島だが、本作は氏のもう一つの顔、極上エンタメ作家としての代表作のひとつ。1966年に週刊誌『女性自身』に連載されたこの異色小説は、メールやラインが主流となった現代において、さらに光を増すような魅力がつまっている。新たな帯は、この時代の空気の中で新たな価値を発掘し発信するものとなっている。■2020部限定版取り扱い書店(全国86店舗)北海道 紀伊國屋書店札幌本店北海道 MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店宮城 丸善仙台アエル店群馬 ブックマンズアカデミー前橋店埼玉 BookDepot書楽千葉 丸善津田沼店東京 紀伊國屋書店新宿本店東京 ジュンク堂書店池袋本店東京 丸善丸の内本店東京 三省堂書店池袋本店東京 三省堂書店神保町本店東京 東京堂書店神田神保町店東京 丸善お茶の水店東京 丸善日本橋店東京 ブックファースト新宿店東京 八重洲ブックセンター本店東京 紀伊國屋書店国分寺店東京 ジュンク堂書店吉祥寺店東京 MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店東京 紀伊國屋書店玉川高島屋店東京 ジュンク堂書店立川高島屋店東京 ブックファーストルミネ町田店東京 有隣堂アトレ目黒店東京 八重洲ブックセンタールミネ荻窪店東京 啓文堂書店吉祥寺店東京 紀伊國屋書店西武渋谷店東京 文教堂書店二子玉川店東京 くまざわ書店調布店東京 TSUTAYA三軒茶屋店東京 大盛堂書店駅前店東京 HMV&BOOKSSHIBUYA東京 タワーレコード新宿店東京 文喫六本木東京 ヴィレッジヴァンガード下北沢東京 HMV&BOOKSSPOT新宿東京 タワーレコード渋谷店東京 スーパーブックスあおい書店春日店神奈川 有隣堂横浜駅西口店神奈川 紀伊國屋書店横浜店神奈川 丸善ラゾーナ川崎店神奈川 八重洲ブックセンター京急上大岡店神奈川 紀伊國屋書店ららぽーと横浜店神奈川 有隣堂ルミネ横浜店神奈川 ACADEMIAくまざわ書店橋本店新潟 知遊堂亀貝店富山 明文堂書店富山新庄経堂店富山 喜久屋書店高岡店富山 BOOKSなかだファボーレ店石川 金沢ビーンズ明文堂石川 うつのみや金沢香林坊店愛知 三省堂書店名古屋本店愛知 ジュンク堂書店名古屋栄店愛知 MARUZEN名古屋本店愛知 TSUTAYAウイングタウン岡崎店愛知 TSUTAYA春日井店京都 MARUZEN京都本店京都 大垣書店イオンモールKYOTO店京都 ふたば書房御池ゼスト店京都 大垣書店烏丸三条店京都 大垣書店イオンモール京都桂川店京都 ふたば書房山科駅前店大阪 紀伊國屋書店梅田本店大阪 ジュンク堂書店大阪本店大阪 MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店大阪 ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店大阪 ジュンク堂書店難波店大阪 ブックファースト梅田2階店大阪 梅田蔦屋書店大阪 大垣書店高槻店大阪 田村書店千里中央店大阪 HMV&BOOKS心斎橋大阪 HMV&BOOKSSPOT伊丹空港兵庫 ジュンク堂書店三宮店兵庫 ジュンク堂書店姫路店岡山 喜久屋書店倉敷店岡山 啓文社岡山本店広島 ジュンク堂書店広島駅前店広島 啓文社西条店福岡 ジュンク堂書店福岡店福岡 丸善博多店福岡 喜久屋書店小倉店福岡 HMV&BOOKSHAKATA熊本 蔦屋書店熊本三年坂鹿児島 ブックスミスミオプシア店沖縄 ジュンク堂書店那覇店沖縄 HMV&BOOKSOKINAWA(※在庫状況、販売方法などは各書店にお問い合わせください)■小沢健二デザイン帯付き『三島由紀夫レター教室』(普及版)2020部限定版の見た目そのままに、表紙カバーの一部も印刷して再現した大型の帯(ダブルカバー仕様)となっている。2020年11月11日より全国順次発売(※地域により差があります)■書誌情報タイトル:『三島由紀夫レター教室』ちくま文庫著者:三島由紀夫体裁:文庫判/240ページ本体価格:620 円(税別)
2020年10月23日現在、日生劇場で上演中の三島由紀夫没後50周年企画「MISHIMA2020」。4人の演出家が、異なる三島由紀夫作品で競演するこのシリーズは、今週末9月26日(土)・27日(日)に会期後半戦を迎え、残る2名の演出家が登場する。その2名のうちのひとり、古典戯曲の鋭角的な演出で知られる熊林弘高が取り上げるのは、三島の演劇の仕事を代表する名作短編戯曲集「近代能楽集」から、「班女」。愛した男を待ち続け、精神を病んでしまった女、花子。美しい彼女を引き取り、彼女を独占しようと企む画家の実子。狂女の噂を聞きつけ、ようやく彼女のもとを訪れる不実な恋人・吉雄。三人三様の愛憎が、論理と逆説のセリフの応酬に結晶する。これまでにも何回か、三島作品演出のオファーはあったと熊林弘高。ただし、実際に手がけるのは今回が初。「十代のころ、上京したばかりのときに観た、デヴィッド・ルヴォー演出の「葵上/班女」と、その後に観たイングマール・ベルイマン演出の「サド侯爵夫人」(映像)の衝撃があって、三島由紀夫の戯曲を演出するのは半ば封印していた。でも、今回の企画には、なぜかすんなり、「じゃあ「班女」をやります」と返事をしてしまいました」。コロナ禍に翻弄される演劇主催者たちへのエールもあっただろう。禁断の愛を描いたワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」のピアノ版をポイントで用いる。日生劇場の広い舞台へ、たった3人の登場人物を目いっぱいの間隔で配置。人物と人物の間のディスタンスは大きいのに、戯曲が内蔵する愛と憎しみのマグマは、フルの熱量で伝わってくる。三島のセリフは、言葉のオペラ。「「班女」は一見、とらえどころのない戯曲。でも、俳優たちと稽古しているうちに、この作品が湛える、登場人物たちの思いの濃密さを改めて発見しました」。普段なら、俳優たちを官能的に接触させるのが熊林演出のはずだが、コロナ下の今、それは禁じ手だ。「その分、三島の文体に対峙して、セリフの響かせ方をしっかり磨き込むことに専念しています」。実子の麻実れい、吉雄の中村蒼は熊林演出の常連俳優。そこへ、熊林とは初顔合せとなる花子の橋本愛が絡むトライアングルをお楽しみに。なお、「班女」は、加藤拓也が作・演出する「真夏の死」とともに2作品続けて上演される。オンライン配信、アーカイブ配信もあるので、そちらもぜひチェックしてみてほしい。取材・文:戸塚成
2020年09月25日現在、日生劇場で上演中の三島由紀夫没後50周年企画「MISHIMA2020」。4人の演出家が、それぞれの切り口で三島由紀夫作品を舞台上にアップデートするこのシリーズが、今週末9月26日(土)・27日(日)、いよいよ会期後半戦に突入し、残る2名の演出家が、作品を競う。その2名のうちのひとり、加藤拓也は、三島の短編小説「真夏の死」を舞台版にアダプトする。舞台の作・演出だけでなく、映像作品の監督や脚本提供など、幅広く活躍する気鋭のクリエイターは、なぜ、この作品を選んだのか。答えは明快だった。「三島由紀夫が27歳のときに書いた作品。今の自分と同じ年齢だったからです」。太平洋戦争終戦から7年後の1952年、27歳の三島由紀夫が、その年の終戦記念日に脱稿した心理小説を、平成生まれの26歳が読み解く。海水浴中の事故で、愛児ふたりと子守役の女性の命を奪われた若い夫婦の心理を、ルーペでのぞき、鋭いメスを入れるかのような小説である。不幸のどん底から、次第に平穏な日常を取り戻していく夫婦の虚ろさを冷厳にえぐる、それが、原作「真夏の死」。加藤拓也は、この作品の脚色にあたり、三島由紀夫の重厚華麗な三人称小説の文体を、現代の口語体に変換した。彼が舞台作品を手がけるときには、いつも使っている現代口語のセリフ文体へ。中村ゆりと平原テツが演じる令和の若い夫婦は、自分たちを襲った不幸について、心の内を露わにしながら延々と語り続ける。客席に対峙するふたりの告白を、息を詰めて見届ける舞台と言おうか。「コロナを経験しても、やれることをやろうという、自分の創作のスタンスは変わっていないつもり。ただ、感染拡大とともに、人間の命の価値や死の痛みが、感染者や重傷者や死亡者の数字に置き換わってしまったことへの違和感は、この作品にも共通しています。不幸な海難事故をめぐって、主人公夫婦の悲しみの体験と、彼らを取り巻く周囲の人たちとの関わりの間には、隔たりがある。その無意識な周囲の在り方は、コロナの今にもあるものです」。なお、「真夏の死」は、熊林弘高演出の「班女」とともに2作品続けて上演される。オンライン配信、アーカイブ配信もあるので、そちらもぜひチェックしてみてほしい。取材・文:戸塚成
2020年09月25日三島由紀夫、没後50年。1970年に割腹自殺を遂げた三島の生き方、主張、その存在に対し、4人の演出家がそれぞれの視点で三島作品を日生劇場の舞台に乗せた『MISHIMA2020』開幕した。【チケット情報はこちら】上演は前後半にわかれ、9月21日(月)~22日(火)に上演されたのは、野上絹代作・演出『橋づくし』と長久充作・演出『憂国』(『(死なない)憂国』)。それぞれ作家性が強く出た2作を堪能できる二本立てだ。『橋づくし』は、深夜に願掛けをする4人の女性の物語。7つの橋を渡り終えるまで誰とも話さず誰にも話しかけられなければ願いが叶うという。喋ってはいけないので、うち3名(伊原立花、井桁弘恵、野口かおる)それぞれの心の声は録音映像を用い、それに合わせて舞台上を動き回る。ひとつずつ橋を渡っていくうち「願い事がどんどん大切に思えてきた」「いや、そんなに大事じゃないかも」など心情は揺れ動く。しかし東北から東京へ出てきたばかりの女中のみな(高橋努)だけはなにを考えているのかわからず、不気味さが膨らんでいく。一言も交わさないのに変化する心情と関係性がドラマティックに展開。それぞれの佇まいが個性的な4人を、コミカルな振付と台詞で快快(ファイファイ)の野上が演出。願掛けへの切実さを抱えながらも、軽やかに逞しく表現した。『憂国』(『(死なない)憂国』)はライブハウスで知り合った新婚夫婦、信二(東出昌大)と麗子(菅原小春)の話。2020年、コロナウイルスの影響で危機に瀕したライブハウスに仲間達が立てこもるなか、警察官の信二は誘われず、むしろ逮捕する側として現場に召集される。「三島由紀夫の『憂国』と同じ状況だ」。『憂国』では、主人公は仲間や思想の対立に悩んだ末に、妻と心中する。では2020年を生きる自分はどうする……?泣き言をわめき散らす東出からは、自己憐憫、自己愛など弱さが際立つ。しなやかで生命力ある動きと声の菅原は、もがき生きようとする鬱屈さを感じさせた。映像作家として活躍する長久が、映像と舞台を融合させる。劇場がライブハウスのように感じられることもあれば、閉ざされた2人の心象世界のようでもある。しかし、世の中への直接的な訴えや、切り取られた空間や、2人が持つハンドマイクが、コロナ禍で自身を持て余す滑稽さと、閉塞感を増していた。9月26日(土)~27日(日)にかけては『真夏の死』(『summer remimd』)と『班女』を上演。オンライン配信は、『橋づくし』・『憂国』(『(死なない)憂国』)と『真夏の死』(『summer remimd』)・『班女』を発売中。文・取材/河野桃子
2020年09月23日三島由紀夫が残した4作品を、4人の演出家が舞台化する企画公演『MISHIMA2020』が9月21日(月・祝)に開幕する。戦後の日本文学界に鮮烈な爪痕を残した作家、三島由紀夫。壮絶な最期に多くの人が言葉を失った日から、ちょうど50年の月日が流れる。半世紀を経てもなお、多くの読者を魅了してやまない彼の作品を、大いにフィーチャーした企画公演が行われる。タイトルは『MISHIMA2020』。ここに集結したのは、三島作品に影響や刺激を受けながら創作を重ねる新進気鋭の演出家4名だ。全員が、三島の死後に生まれた世代。現代の感受性で三島作品を読み解き、舞台の上でそれを視覚化させる。日程を前後半に分けて、2作品ずつ上演する今回の試み。前半日程では野上絹代が手掛ける『橋づくし』と、長久允が手掛ける『憂国』を上演。後半日程は加藤拓也が手掛ける『真夏の死』と、熊林弘高が手掛ける『班女』を上演する。野上絹代作・演出『橋づくし』出演左から伊原六花井桁弘恵野口かおる高橋努長久允作・演出『憂国』(『(死なない)憂国』) 出演左から東出昌大菅原小春出演陣も実に個性豊かだ。『橋づくし』では、『ウエスト・サイド・ストーリー』でヒロイン・マリア役に抜擢された伊原六花が悲願の舞台に上がる。『憂国』では東出昌大と、NHK大河ドラマ『いだてん』で圧巻の演技を見せたダンサー・菅原小春が共演。『真夏の死』では数多の映画やドラマできらめく存在感を見せる中村ゆりと、劇団「ハイバイ」での怪演が光る平原テツが相まみえ、そして『班女』では、ありとあらゆる劇世界を軽やかに渡ってきた麻実れいと、ジャンルを超えて確かな実力を発揮する橋本愛、NHK朝の連続テレビ小説『エール』でも誠実な演技を見せた中村蒼が顔を揃える。なお、9月21日(月・祝)と27日(日)、PIA LIVE STREAMでのオンライン配信も決定。クリエイティブディレクターの鈴木健太と、アートディレクター・グラフィックデザイナーの田中せりによる、こだわりの映像に期待が集まる。公演は9月27日(日)まで日生劇場にて。加藤拓也作・演出『真夏の死』(『summer remind 』)出演左から中村ゆり平原テツ熊林弘高作・『班女』近代能楽集より 出演左から麻実れい橋本愛中村蒼三島由紀夫没後50周年企画『MISHIMA2020』・『橋づくし』/『憂国』9月21日(月・祝)17:00・22日(火・祝)12:00、16:00・『真夏の死』/『班女』 近代能楽集より9月26 日(土)18:30・27日(日)12:00、16:00会場:日生劇場ライブ配信日程『橋づくし』/『憂国』:9月21日(月)20:00『真夏の死』/『班女』:9月27日(日)16:00PIA LIVE STREAMにて各公演2日後の23:59までアーカイブ配信あり(視聴券は各公演2日後の20:00まで販売)文:小川志津子
2020年09月20日三島由紀夫没後50周年企画『MISHIMA2020』が9月21日(月・祝)から上演される。4人のクリエイターによるオムニバス形式で上演される本企画で、長久允が作・演出する『憂国』(『(死なない)憂国』)に出演する東出昌大に話を聞いた。【チケット情報はこちら】4つの作品がつくられ、2作品ずつ上演される本企画の中で、東出が出演する『(死なない)憂国』は、三島由紀夫の『憂国』を元に、コロナ禍でライブハウス消滅の危機に瀕する夫婦を描く作品。「原作の『憂国』は二・二六事件にまつわる話で、中尉である信二が、仲間を討伐するくらいならと切腹し、妻・麗子も自決する物語、つまり“死”を終着点にしています。今回の僕らの『(死なない)憂国』は、信二と麗子にとって唯一の生き甲斐であるライブハウスを、信二が警察官として取り締まらなければいけなくなり、(原作のように切腹はせず)ライブハウスに向かいます。だけどやっぱりそれでいいのか悩み、生きるとはなんぞや、死ぬとはなんぞや、というところに進んでいくストーリーです」(東出)と、大胆なアレンジが加えられるようだ。東出といえば大の三島ファンだが、台本はどのように受け止めたのか。「すごい台本だと思いました。ぶっ飛んでるのにまとまっていて。『早く稽古場に入りたい!』って心の底から、震えるほどに思いました」。作・演出は、映画監督、映像作家の長久允。「長久さんは舞台初演出なのですが、“感情”や“生きている”ということを大事に演出される方だという印象です。今は、“気持ちのままにお芝居をする”ということが最上なのではないかという話を菅原(小春)さんと3人でしながら稽古しています」。ふたり芝居で、麗子を演じるのは世界的ダンサーの菅原小春だ。「菅原さんは、舞台で台詞のあるお芝居をするのは初めてらしいのですが、こんなに“自分の言葉”として台詞を喋れる女優さんがいるのかと、目を見張るような思いでいます」と絶賛。「毎日稽古が楽しくて」と笑顔を見せる。東出が「稽古初日から3人で、作品について深く掘り下げる議論を重ねてきました。そこで出てきたものを反映したお芝居もあります。だからリアルで生々しい芝居になると思います。」と語る『(死なない)憂国』と、野上絹代 作・演出の『橋づくし』は9月21・22日に、加藤拓也 作・演出の『真夏の死』(『summer remind』)と、熊林弘高 演出「『班女』近代能楽集より」は9月26・27日に、東京・日生劇場にて上演。9月21・27日に配信もある(アーカイブ配信あり)。チケット発売中。取材・文:中川實穗
2020年09月17日9月に日生劇場(東京都千代田区)で連続上演される、三島由紀夫没後50周年企画『MISHIMA2020』の合同取材会が、2020年9月9日に行われた。【チケット情報はこちら】本企画は、4人のクリエイターがそれぞれの目線で演出する三島作品をオムニバス形式で上演する。野上絹代が作・演出する『橋づくし』には伊原六花、井桁弘恵、野口かおる、高橋努が出演し、長久允が作・演出する『憂国』(『(死なない)憂国』)には東出昌大と菅原小春が出演。加藤拓也が作・演出する『真夏の死』(『summer remind』)には中村ゆりと平原テツ、熊林弘高が演出をする「『班女』近代能楽集より」には麻実れい、橋本愛、中村蒼がそれぞれ出演する。この日の取材会では、伊原、菅原、中村、橋本、麻実が出席した。伊原は『橋づくし』の見どころについて「数学的面白さというか、見れば見るほど発見がある」と話す。コロナ禍での上演となるが「今、舞台に出演させていただけること、そして作品をお客様にお届けできるという環境を幸せに思っております。今の時期だからこそ伝えられることを伝えられたらと思っております」ともコメントしていた。「三島さんという方に、魂でぶつかっていけたらいいなと思います」と語ったのは、菅原。出演する『憂国』(『(死なない)憂国』)については「憂国というものを愛した二人が、全力で、どろどろになりながら、三島さんが本当に守りたかったこの国って何なんだということを、全力で、細胞一つ一つが踊っちゃうような感じで、やっていく作品」と表現していた。中村は、演出家の加藤について触れ、「70年前に書かれた作品を、26歳の加藤さんが現代の話に書き換えた。三島さんの本を読んだ時よりも、より豊かなものに仕上げたところが新しい才能だなと感じました」。そして「(コロナ禍で)演劇もいろいろ厳しいなかで、やはり演劇を無くしたくないなという気持ちで、こうして舞台に立てることがありがたい」とも話していた。舞台が2作目だという橋本は、自らを「新参者」とした上で、「(演出家の)熊林さんと麻実さんのそばで、ゼロから。演劇って本当に深くて奥ゆかしくて最高という毎日を過ごさせてもらっていて、幸せです」。一方の麻実は「何回も三島文学に挑んでいますが、手強いことはすごく手強くて。今回の役も、ものすごく難しい。でも、とても素敵なメンバー(座組み)なので、このご縁を大切に、私たちだけの『班女』を作り上げて、日生の舞台からお届けしたいと思います」と貫禄あるコメントをした。『橋づくし』と『憂国』は9月21日(月・祝)〜22日(火・祝)、『真夏の死』と『班女』は9月26日(土)〜27日(日)。ぴあの「PIA LIVE STREAM」でのオンライン配信も決定している(9月21日20:00〜、27日16:00〜。アーカイブ配信あり)。チケット発売中。取材・文:五月女菜穂
2020年09月11日アイドルであり小説家としての顔も持つ乃木坂46の高山一実さん。本との出合いや読書の魅力、そして処女作に込めた思いを聞きました。アイドルを目指す女の子を描いた青春小説『トラペジウム』を上梓したのは2年前。「読書好き」ということから見出され、書く側ともなった高山一実さんだが、読書デビューはやや遅く、高校生の時。友人の父に薦められたあのベストセラーが読書の扉を開いた。「湊かなえさんの『告白』です。もうページをめくるたびに先が気になって、一気に読みました。その頃の私は平和ボケしていて(笑)、小説の中にはこんな世界があるんだ!と、本当に衝撃的でした」すぐに湊さんの他の作品を読み、湊さんが傾倒したというアガサ・クリスティへ向かい、ネットでミステリー作品を検索して、ミステリー畑での読書が続いた。そしてある時からジャンルを超え、気になる帯で選ぶようにも。「ちくま文庫の帯が好きなんです。手書きのポップ風で思わず読みたくなる文章だからつい買ってしまう。その帯で出合った三島由紀夫さんの『命売ります』はすごく面白くてアタリで。最近読んだ『三島由紀夫レター教室』も大好きな作品。かなり影響を受けました」この作品はキャラの濃い登場人物たちの人間模様が手紙のやり取りで描かれる異色作。高山さん曰く「好ましくない例」として描かれた人物と自分が似すぎていて反省したり、考え方で納得できる点がたくさんあったり。多くの気づきとともに視野を広げてくれた読書体験だったと、目を輝かせる。「私は昔から頑固で、親の意見はほぼ聞かなかったけれど(笑)、本に書かれたことは不思議と素直に受け止められる。悩みがある時は、登場人物を自分と重ねたり比較したりして救われることが多いし、共感できるセリフと出合うと、作家さんも私と同じことを感じていると思って励まされます。それに本は自分が知らない知識や人間同士の踏み込んだやり取り、心の機微も教えてくれるから人生勉強にもなる。読書の魅力は語り尽くせないですね」高山さんが『告白』から読書にハマったように、『トラペジウム』は「平成世代が買った本」の1位になり、読書離れが指摘される若い世代と本を結ぶ役目も果たしている。それは高山さんが執筆の際に意識した「願い」でも。「私自身、もっと早く本を読んでいればという気持ちが強いんです。だから普段読書をしない人にも読んでほしい、本への入り口として私のアイドルという立場が役に立てばとも思い書き上げました。一人でも多くの人が、私の作品をきっかけに本を読んでくれたら嬉しいです。これからも読書はもちろん、書くことも続けたいです」高山一実さん乃木坂46の第一期メンバーで愛称「かずみん」。’18年に出版した『トラペジウム』は累計25万部を超えるヒットに。『クイズプレゼンバラエティーQさま!!』(テレビ朝日系)のMCを務めるなど、マルチに活躍。ワンピース¥29,000(マサコ テラニシ/アプレドゥマン TEL:03・6274・8533)ワンショルダーベスト¥27,000(イン‐プロセストーキョー/ススプレス TEL:03・6821・7739)イヤーカフ、上¥1,600下¥1,300(共にゴールディ TEL:0120・390・705)ダブルリング¥32,000(ラナスワンズ/ススプレス)※『anan』2020年9月2日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・コギソマナ(io)ヘア&メイク・宇藤梨沙インタビュー、文・熊坂麻美(by anan編集部)
2020年08月30日今年6月から愛知、東京、大阪での上演を発表し、新型コロナウイルス感染拡大防止に協力するため公演延期となっていた音楽劇『プラネタリウムのふたご』の延期公演が2021年2月に上演されることが決定した。本作は、2004年、三島由紀夫賞候補にもなった、いしいしんじの同名傑作小説を、ウォーリー木下演出で音楽劇として初めて舞台化したもの。星の見えない村にあるプラネタリウムで働く語り部の男に拾われ、彗星にちなんでテンペルとタットルと名付けられたふたごの兄弟が、一人は手品師に、一人は星の語り部へと成長していく姿を描く。W主演を務めるのは、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』の孤爪研磨役をはじめ、『リューン~風の魔法と滅びの剣~』や『いまを生きる』といった舞台で活躍する永田崇人と、16年からミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンで青春学園一年生の主人公・越前リョーマ役を演じ続けてきた阿久津仁愛。成長して手品師となるテンペルには永田が、星の語り部を引き継ぐタットルには阿久津が扮し、この二人を育て上げる“泣き男”と呼ばれる星の語り部を、実力派俳優の佐藤アツヒロが演じる。新型コロナウイルスの影響で延期となっていたが、さまざまな手段を講じ、来年2月から延期公演を行うとのことだ。音楽劇『プラネタリウムのふたご』2021年2月より東京、大阪で上演
2020年08月28日『持続可能な魂の利用』は、フェミニズム小説の旗手・松田青子さんの初長編だ。痛烈な「おじさん」批判小説であり、女性たちの連帯を描くシスターフッド小説でもある。「おじさん」は、見た目や年齢のことではない。カギカッコ付きなのは、それが家父長的な価値観で女性について勝手に語ったり評価したり貶めたりして消費し、女性の絶望を作り出す総体としての存在だからだ。「いまの女性たちが置かれている日本社会の理不尽な状況を、一度しっかり書いておきたいと思ったんですね。同時に、そうした『おじさん』の視線や悪意がなくなったら、女性たちはどれほどの自由を享受するだろうかとも想像しました」物語は2つの時空を行き来する。現代のパートでは、陰湿なハラスメントで負った傷を、射すくめるような視線の媚びないアイドル〈××〉に癒される敬子、ハラスメントの真相を知って、敵を討とうと誓う歩、二次創作にハマっている元アイドルの真奈、新生児の育児に右往左往する由紀などが活躍。未来のパートは「おじさん」から少女が見えなくなった世界だ。少女たちは伸び伸びと、現代社会の性差のゆがみを研究発表という形で考察していく。「未来の少女たちの目から見れば、なんてバカバカしいことがまかり通っていたのかと呆れることだらけ」作中で、アイドルは複雑かつ重要なモチーフとして描かれる。「敬子は女性アイドルに純粋に惹かれながら、その消費構造を手放しでは喜べないことにはっとします。人間は矛盾した生き物なので、女性が見られることで傷ついた心を、今度は自分が見る側に立つことで癒されるというのもあると思うんですね。私自身も実在のアイドルをモデル化して小説に登場させている時点で、やはりそこは綺麗事にならないように、自覚と自戒が伝わるような、ブーメランが自分にも返ってくる文章構造と書き方を心がけました」それでも本書に描かれた世界に、希望を見つける人は多いだろう。「SNSなどで女性を取り巻く問題が可視化されたことは気が重くなる部分もあるんですが、敬子の妹が言った〈鬱陶しい霧のようなままの気持ち〉のころよりは、多少は対策も立てられる。繋がれる人もいる。変化は生まれていると感じています」まつだ・あおこ作家。兵庫県生まれ。2013年、デビュー作『スタッキング可能』が三島由紀夫賞および野間文芸新人賞候補に。『彼女の体とその他の断片』(共訳)など、翻訳家としても活躍。『持続可能な魂の利用』見られることから少女たちが解放された世界と、そこへ至る前史ともいえる女性が生きにくい社会。描かれる事象のリアリティに驚く。中央公論新社1500円※『anan』2020年8月26日号より。写真・土佐麻理子(松田さん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2020年08月23日シャルロット・ゲンズブールと『イヴ・サンローラン』でそのビジュアルと演技が高く評価されたピエール・ニネが共演する映画『母との約束、250通の手紙』が、8月19日(水)よりiTunesにて先行配信中。この度、そのメイキング映像の一部が到着した。本作は、“フランスの三島由紀夫”とも評される伝説的文豪ロマン・ガリが自身の波乱万丈な人生を描いた自伝「夜明けの約束」を映画化。本国フランスでは動員100万人を超える大ヒットを記録し、セザール賞では主演女優賞、脚色賞、衣裳デザイン賞、美術賞の4部門にノミネートされるなど評価を得た。今回デジタル配信開始を記念し、未公開だった一部メイキング映像が解禁。映像は赴任した戦地で母・ニナの教えを守り、物語を書き続けるロマン役のピエール・ニネの姿から始まる。煙草をふかしながらひたすらに筆を走らせる姿や、スーツで新聞を眺めたあと少し微笑むその姿からはロマン・ガリが乗り移ったかのような、ピエールの溢れ出る色気を目にすることができる。また、ニナ役のシャルロットが、発車してしまった汽車から飛び降りるシーンをスタントなしで演じた場面も。実際に動き始めている汽車から飛び降りるため、メイキング映像にはキャスト・スタッフの緊張感漂う様子が収められている。そのほかにも、シャルロットとピエールが海辺で談笑する微笑ましいシーンや、シャルロットが台詞を暗唱している貴重な姿が捉えられ、いまいる場所は離れていても、決して心は離れることのない母の大きな愛の一端が感じられる本映像。本作はパッケージ発売予定がないため、貴重なメイキング映像となっている。『母との約束、250通の手紙』はiTunesにて先行配信中、9月2日(水)より各プラットフォームにて配信開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:母との約束、250通の手紙 2020年1月31日より新宿 ピカデリー、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開
2020年08月21日5月23日、24日の全国映画動員ランキングは、公開2週目の『心霊喫茶「エクストラ」の秘密−The Real Exorcist−』が首位をキープした。全国で約250館以上の劇場が営業を再開している。2位から4位も先週と順位は変わらず。2位は『天気の子』、3位は公開20週目の『パラサイト 半地下の家族』、4位は公開10週目の『一度死んでみた』になった。公開12週目の『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』は5位に浮上。また公開10週目『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』も10位に入った。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『心霊喫茶「エクストラ」の秘密−The Real Exorcist−』2位『天気の子』3位『パラサイト 半地下の家族』4位『一度死んでみた』5位『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』6位『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒BIRDS OF PREY』7位『君の名は。』8位『シン・ゴジラ』9位『弥生、三月-君を愛した30年-』10位『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』
2020年05月25日お笑い界屈指の仏教通である凄腕漫才師、お笑いコンビ・笑い飯の哲夫。最新著書『ザ煩悩』など書籍も出版し、4月から相愛大学の人文学部に客員教授として就任するなど、仏教関係の仕事でも活躍を見せている。コンビ結成20周年を迎える節目の今年。20年のキャリアを振り返るとともに、今後の抱負を語ってもらった(※取材は緊急事態宣言の発令以前に行ったもの)。――笑い飯さんは、今年の7月に結成20周年を迎えます。20年のキャリアを振り返ると、結成当初に描いていたものとは違いますか?結成当初は、僕が仏教の仕事をするなんて、全く思ってなかったですから(笑)。その辺は思い描いていたところとは違う形に。『M-1グランプリ』も、9年決勝に行かせてもらって、9年目、最後の2010年に一応ご慈悲で優勝させていただいたんですが(笑)。あれも「もうちょっと早くに優勝できるかな?」なんて、勝手に、偉そうに思っていました。20年になって、まさかコロナウイルス、こんなに無観客になるとも思ってなかったです。――お客さんがいない中でのネタやトークは、いかがですか?お客さんがいない分、すべるっていうことがないんですよ。だから、むちゃむちゃできるっていうのは、強みだったりしますね(笑)。――『M-1』で優勝を達成するまでの9回のチャレンジで、支えになっていたものは何だったんでしょう?根拠のない自信っていうやつですよね。ただただ「俺めっちゃおもろい」って思い続けるっていうことですね(笑)。「どう考えても、俺が日本一面白いんだ」って。みたいなことを、勝手に無根拠で信じるという。――西田さんとコンビとして歩んでいく中で、危機はありましたか?特に、辞めるっていう話にはなっていないですかね。――客観的に見ると、笑い飯はどういうコンビだと思いますか?小田和正さんと佐藤竹善さんが組んではったPLUS ONEというユニットの「クリスマスが過ぎても」という歌があって、それをカラオケで入れるんですが、誰も「知らん」って言うんですよ(笑)。(皆が)知らん歌を歌い続けるのが趣味だったりするんですけど、それが笑い飯だと思っています。誰も覚えていないっていうのは、どやねんと思うんですが(笑)。(PLUS ONEの)お二人ともめっちゃ声きれいで、そんなすごいユニットがあったんですよね。(笑い飯は)2人ともめっちゃおもろいんですよ。その2人が組んでいるという、勝手な考えなんです(笑)。――個人として、コンビとしての、今後の野望は?コンビとしては、関西でずっとやらせてもらっていて、漫才というものがすごく好きで、劇場というものがすごく大きな存在なんです。年齢的にも、まあ中堅になってきたのかなと思うんです。この先、もうあと何年もしたら「師匠」って言われる年齢になってくるんか…というような考えの域の及ぶ年齢になったなと思いますね。だから、すごいおじさんやのに、めちゃめちゃ変なことを言っている二人やなっていう、年齢がいい振りにできるようなコンビになっていくんだなと思います。個人としては、ほんまにありがたいことに、仏教のお仕事をさせてもらっていて。本を出すのは『ザ煩悩』で7冊目なんですけども、他に吉本の芸人で7冊も出している人って、松本(人志)さんくらいちゃうか? みたいな話を聞いたことがあって。又吉(直樹)も、他の媒体ではいっぱい出しているけど、一冊の本としてはそこまで出してないかもわかんないみたいな話を聞いたんですよね。だから個人としては、ぶっちぎりで本を出している芸人になれればなあと(笑)。あと、三島由紀夫さんが亡くなって50年で、今年はいろいろなことをやられるみたいですけど、三島由紀夫さんが亡くなったのが45歳で、今、僕45歳なんですよね。で、50年経っているので、11月25日に、とりあえず市ヶ谷駐屯地に行こうかなと。何をするかとは決まっていませんが、11月25日、三島由紀夫さんの御命日には、市ヶ谷駐屯地に行こうと思います(笑)。――哲夫さんのファンが集まっちゃうかもしれませんね(笑)。そこで仏教講座ができたら。あのバルコニーから、お客さんを集めて、仏教講座をやれたらなって。で、皆から「降りろー!!」って言われて「黙って聞けえ!!」って言おうかなと思います(笑)。罰当たるわ(笑)。■哲夫(笑い飯)1974年12月25日生まれ。奈良県出身。吉本興業所属。2000年7月に相方の西田幸治と笑い飯を結成。Wボケ漫才で繰り出す個性的なネタを武器に『M-1グランプリ』決勝に9度進出し、ラストチャンスとなった2010年に悲願の初優勝を果たし、全国区の知名度を獲得。これまでに仏教関連の本では『えてこでもわかる 笑い飯哲夫訳 般若心経』『ブッダも笑う仏教のはなし』などを出版。
2020年05月25日世界のオペラの功績を表彰する「International Opera Awards 2020」新作部門ノミネートの世界的話題作、 石川淳『紫苑物語』による、生きる道を求め彷徨う若者のドラマ。満場の客席が興奮した衝撃の音楽劇を無料配信。新国立劇場「巣ごもりシアター」ご案内ページ:新国立劇場が長期にわたりご自宅などで過ごしている皆様へ、そして舞台芸術を愛する皆様に向けてお届けしている公演記録映像の無料配信「巣ごもりシアター」。”巣ごもり“イベントにぴったりと反響を呼ぶ中、5月最終週には満を持して、2019年音楽界最大の話題作にして、文学界、さらに海外でも大反響を呼んだ新作オペラ『紫苑物語(しおんものがたり)』を配信します。新国立劇場は主催公演をすべて中止していることに伴い、4月10日から公演記録映像のインターネット無料配信を開始しました。この企画は大きな反響を呼び、第1弾『魔笛』以来、これまでにオペラ4作品、バレエ2作品を週替わりで配信、毎作品2万回~4万回に及ぶ視聴数を記録し続けています。第7弾として、5月最終週(5月22日15時~5月29日14時)には、2019年の音楽シーンを席捲したオペラ『紫苑物語』を、満を持してお届けいたします。新作オペラという困難な企画ながら、公演会場には世界初演に立ち会おうと連日満場の観客が集まり、緊張感みなぎるドラマに熱狂した客席からスタンディングオベーションが続きました。その反響は、音楽界は言うに及ばず、演劇界、文学界にまで広がり、「音楽の友」誌の選ぶコンサート・ベストテンへのランクイン、台本を手掛けた佐々木幹郎氏の第1回大岡信賞受賞、さらに、世界的なオペラ賞であるInternational Opera Award 2020のWorld Premiere部門ファイナリストへノミネート(受賞作品発表は2020年9月予定)されるなど国内外の話題を巻き起こしています。■巣ごもりシアター『紫苑物語』視聴ページはこちら英語版『紫苑物語』視聴ページ※巣ごもりシアター『紫苑物語』は、日本語版視聴サイトでは日本語字幕付き、英語版視聴サイトでは英語字幕付きで配信します。私の人生を射抜くのは魔の矢か……石川淳の骨太の美学をオペラ化『紫苑物語』(1956 年発表)は昭和を代表する作家・石川淳が平安王朝期に舞台をとって書いた小説で、歌の家に生まれた国司の宗頼が歌を捨て弓の道を見出し、己の鏡ともいうべき仏師・平太と出会い、その仏を射ると岩山もろとも崩落するという物語。簡潔な文体の象徴的な短編に、石川淳ならではのダイナミズム、壮大な世界観が満ちています。迷いながら自己克服をしていく主人公・宗頼、裏切りの野心に燃える藤内、情欲と権力欲の象徴うつろ姫、実は狐の化身である謎の女・千草、父や叔父との確執、そして乗り越えざるを得ない自己の鏡である平太といったキャラクターの人物造形、さらに岩山の崩落という大スペクタクル、崩壊の後に残る“鬼の歌”、殺戮の後に咲く紫苑(“忘れな草”)と桃源郷に咲く“忘れ草”といった印象的なシーン――『紫苑物語』はいにしえの日本を舞台としながらも、世界へ発信するオペラの題材にうってつけの今日性と普遍性を持ちます。幻想的な異界と現実世界が交錯する物語は、オペラでこそ表現できるもの。スピーディーで求心力に満ちた音楽劇は、観客の心を捉え、一瞬の隙もなく終結まで導きます。世界屈指のクリエイターが新作オペラ『紫苑物語』に集結、劇場をイリュージョンに包んだ世界的指揮者であり、欧米オペラ界の最前線で活躍している大野和士が新国立劇場のオペラ芸術監督に就任した際、最初の柱として掲げたのが、日本人作曲家の新作オペラの世界発信でした。その第1弾として企画されたのが『紫苑物語』。日本を代表する現代音楽の作曲家・西村朗、西村と長く共同作業をしている詩人の佐々木幹郎(台本)、三島由紀夫の最後の弟子として昭和期の文化の真っただ中を生き、渡欧後はピーター・ブルックらと世界で活躍、東西の芸術に通じた俳優、演出家として活躍する笈田ヨシとの激しい共同作業によりオペラ『紫苑物語』が誕生しました。クリエイターチームには、キリアンやフォーサイスのデザインを経て欧州各地の舞台美術で活躍するトム・シェンク、あの『ライオンキング』でトニー賞を受賞し、世界の一流劇場の話題作の数々を手掛けているリチャード・ハドソン、写真家出身で世界的アートイベントのライティングで活躍する照明家ルッツ・デッペが集まりました。精神的葛藤や暴力的な衝動、官能、崩壊、鎮魂と象徴的なシーンが次々展開する幻想的な舞台は、まさにイリュージョンです。大野和士のもと、超絶技巧を駆使した高度な音楽表現に世界が驚嘆作曲した西村自ら「猛烈なアリア」「ヴィルトゥオージティ(達人的技巧)を限界まで見せる」と述べた『紫苑物語』は、コロラトゥーラ(速く装飾的な旋律)はもちろん、複雑な跳躍、巻き舌や子音を強調した発語等、最高難度の声楽テクニックが必要とされる、難作品でもありました。ドイツ・キール歌劇場専属歌手として活躍する高田智宏、美声と感情表現に定評あるソプラノ臼木あい、 日本を代表するメゾソプラノとして躍進中の清水華澄、日本のトップ・テノールの村上敏明ら日本を代表する歌手たちが『紫苑物語』に集結。難作品と文字通り汗にまみれて格闘し、克服しました。ソリストのみならず、エネルギッシュに、幻想的に舞台を彩った新国立劇場合唱団、俳優としてダンサーとして黒子として笈田ヨシの美学を表現した助演俳優達、そしてオーケストラピットで躍動感に満ちた演奏を聴かせた東京都交響楽団の演奏に、取材に訪れた欧米のメディアも驚嘆し、「霊感に満ちた演奏」「あっという間に時間が過ぎ、心揺さぶられる」「大音響のシーンもあれば静かに思索に満ちたシーンもある」「音楽と演出、聴覚と視覚、物語と表現の高度な融合」と絶賛されました。そして国内外の数々の賞を受賞!『紫苑物語』は数々の賞を受賞し、日本を代表する音楽雑誌「音楽の友」誌の年間コンサート・ベストテン第8位にランクイン、台本を手掛けた佐々木幹郎氏は第1回「大岡信賞」受賞、そしてロンドンに事務局を置き世界のオペラの功績を表彰する「International Opera Awards」の2020年World Premiere(新作)部門のファイナリストに選出されました(受賞作発表は2020年9月)。文字通り、音楽界を超え、国内外から評価された世界的話題作です。■オペラ『紫苑物語』ゲネプロダイジェスト映像<配信映像概要>巣ごもりシアター オペラ 『紫苑物語』新国立劇場創作委嘱作品・世界初演(2019年2月24日上演)配信日程:5月22日(金)15:00~5月29日(金)14:00視聴アドレス:全2幕 日本語上演/日本語字幕付【原作】石川 淳 【台本】佐々木幹郎 【作曲】西村朗【指揮】大野和士 【演出】笈田ヨシ【出演】高田智宏、大沼 徹、清水華澄、臼木あい、村上敏明、河野克典、小山陽二郎 ほか【合唱】新国立劇場合唱団 【管弦楽】東京都交響楽団■「巣ごもりシアター」のご案内ページはこちら↓英語版 NNTT at Home:※動画視聴に伴う通信料は、お客様のご負担となります。配信をご覧になった皆様からのご感想を各種SNSでお待ちしております。ぜひ 「#巣ごもりシアター」「#nnttathome」のハッシュタグと共にご感想をお寄せください。~巣ごもりをもっと楽しく! 関連動画~巣ごもりシアターページでは、配信予定の作品に関連した、トークイベントやリハーサル映像をご紹介。配信前の“予習”としてご覧いただけば、各作品の聴きどころ&観どころがわかり、より一層「巣ごもりシアター」を楽しくご視聴いただけます。◆『紫苑物語』関連動画 再生リスト:白熱のリハーサル映像3本、作曲家西村朗と大野和士の対談、ゲネプロダイジェスト映像をご紹介。映像版・大野和士のオペラ玉手箱with Singers『オペラ名曲集』、新国立劇場公式YouTubeチャンネルで配信開始新国立劇場では、ご自宅でお楽しみいただける特別企画として、「大野和士のオペラ玉手箱 with Singers」の映像版をお届けしています。第2回(5月19日配信)では、大野和士セレクトオペラ名曲集として、『リゴレット』『椿姫』『サムソンとデリラ』『蝶々夫人』より、アリアや重唱を取り上げました。ゲストには安井陽子、須藤慎吾、小林由佳、村上敏明、木下美穂子の5名が登場。4つのオペラを大野和士のピアノ伴奏とお話で紐解きます。新国立劇場公式YouTubeチャンネルには、前回配信した「大野和士のオペラ玉手箱with Singers『ホフマン物語』」、4月に公演中止となったオペラ『ジュリオ・チェーザレ』リハーサル中断までのドキュメントをはじめ、これまでに開催した「大野和士のオペラ玉手箱with Singers『魔笛』『トゥーランドット』」、公演のリハーサル動画やダイジェスト映像、出演者のインタビューなど、劇場ならではの動画コンテンツが多数ございます。ぜひ、この機会にあわせてご視聴ください。新国立劇場公式YouTubeチャンネル:~新国立劇場について~新国立劇場は、 日本唯一の現代舞台芸術のための国立劇場として、オペラ、 バレエ、 ダンス、 演劇の公演の制作・上演や、 芸術家の研修等の事業を行っています。Web: Page: 企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年05月22日新型コロナウイルス感染症のまん延により外出自粛が呼び掛けられ、大半の人は自宅で過ごす時間が増えています。芸能人も例外ではなく、その中には家での過ごし方を発信している人たちも。タレントやユニセフ親善大使などマルチに活躍している黒柳徹子さんも、自宅で過ごしている姿をInstagramで公開。2020年5月11日には、驚きの著名人との思い出話を投稿して人々を驚かせました。森茉莉の自宅に寄った黒柳徹子自粛生活の間、自宅で運動や動画観賞、読書などをしているという黒柳さん。今は森茉莉(もり・まり)さんの著書『贅沢貧乏』を読んでいるといい、書籍を手にしながら、森さんの印象を動画で語りました。森さんといえば、文豪・森鴎外の長女で、日本の『ボーイズラブ小説』の先駆者!「森さんと仲がよかった」という黒柳さんは、動画の投稿とともに、コメントで森さんとの思い出の詳細をつづりました。 View this post on Instagram A post shared by Tetsuko Kuroyanagi (@tetsukokuroyanagi) on May 11, 2020 at 2:29am PDT森茉莉との出会い森さんのことを繊細でインテリ風な女性かと思っていた黒柳さんは、あるパーティーで対面して親しみやすさに驚いたそうです。パーティー会場を出た後は2人でレストランへ。その後、黒柳さんが運転する車で森さんを家まで送ったところ、「2分だけ」と誘われて森さんの自宅に入ることに。そこには、予想外な光景が広がっていました。部屋に入り電気をつけると、ゴキブリが2~3匹ササーッて逃げた!茉莉さんは、まだ玄関にいる私に向かって「徹子さん、コーラ、お飲みになる?」と、、、、、。ドラマで、もし、あの部屋を再現するとしたら、どのくらいの新聞紙と、雑誌と紙屑が必要だろうか?と考えながら、私は、部屋の中を見回しながら「コーラ頂きます」と答えた。冷蔵庫は、小さい台所の茉莉さんの座ってる横長の椅子の後ろにあった。冷蔵庫の扉は、椅子の背で塞がれていた。茉莉さんは、凄い力で椅子を動かし、冷蔵庫の扉を開けた。冷蔵庫の中には、何もなくコーラが1本だけが入っていた。tetsukokuroyanagiーより引用雑然とした部屋に踏み入った黒柳さんは、部屋を埋め尽くす新聞紙や雑誌などの量に驚きます。一方の森さんは、コーラを冷蔵庫から取り出してくれたのですが…。「栓抜き」と私が言うと、茉莉さんが「どっかにあるはず」とおっしゃって、私は流し台だの、テーブルの上の何も入っていない食器戸棚など、あらゆる所に頭を突っ込んで探した。やっと見つけて「あった、あった」と私たちは大喜び。「半分ずつ飲みましょうね」と茉莉さんがおっしゃったので、私は流し台にあったお湯呑茶碗を持って行き、茉莉さんは襖を開けて、なんかベッドの方から「あった、あった」とグラスを持ってきて、私たちは半分ずつにして乾杯をした。あんな素敵な乾杯を、それ以後あまりした事が無いように思う。「2分だけ!」が、お話ししながら、4時間経っていた。tetsukokuroyanagiーより引用楽しいひと時を過ごし、黒柳さんにとって忘れられない思い出となったようです。三島由紀夫も認める森茉莉の作品また、黒柳さんは文豪・三島由紀夫さんと食事した時のこともつづっています。話題に森さんが登場し、三島さんは作品を絶賛していたとか。昔、私達(渥美清さんや杉浦直樹さんや、永六輔さんなど)が、毎晩行ってた、六本木のお寿司屋さん『鮨長』で、ある時、三島由紀夫さんとご一緒になりました。私の隣にお座りになった三島由紀夫さんが「この時代に、あの小説『枯葉の寝床』『恋人たちの森』を書いた森茉莉はスゴイ!」と大絶賛していらした。そして、「もし、映画化するのならば、主役は、岡田真澄(ハーフの美青年)、相手役の少年は太田博之(当時、誰もが認める美少年)がいいんじゃないかな」っておしゃっていたのが印象的でした。tetsukokuroyanagiーより引用黒柳さんの明かしたエピソードに、仰天する人が続出。「ものすごく貴重な話」「思い出話にさらっと史上の人物が出てくる凄さ」などのコメントが多数寄せられたほか、「森さんの書籍を読んでみたくなりました」という声も。外出自粛の間、普段読めない本を読んだり、思い出を振り返ったりするのもいいものだと思えますね。[文・構成/grape編集部]
2020年05月12日