角田光代のベストセラー小説を井上真央、永作博美主演で映画化したヒューマンドラマ『八日目の蝉』。先月劇場公開されて1か月、現在本作のFacebook上の公式ファンページでは映画にちなんで「本当に罪深い人は誰なのか?」と題し、投票キャンペーンが実施されている。主人公は不倫相手の赤ん坊を誘拐した希和子(永作さん)。愛情を注ぎ精一杯母親になろうとするものの4年の逃亡の末、逮捕されてしまう。そして誘拐された赤ん坊・恵理菜(井上さん)は生みの親元に戻るものの自分の居場所が見つけられず、心を閉ざしていく。そして、皮肉にも希和子と同様に恵理菜は不倫相手の子供を身籠ってしまい…。映画では愛情を十分に受けることなく育った恵理菜の姿が重点的に描かれているが、この状況を生み出した原因は彼女をとりまく人々にもあるはず。そこで、現在Facebookのファンページでは、「『八日目の蝉』の中で本当に罪深い人は誰なのでしょう?」と銘打って投票企画を開催。彼女と関わりを持つ登場人物たちが対象となるが、今回該当するのは以下の5人である。・野々宮希和子:恵理菜を誘拐し、4年間の逃亡生活で愛情を注ぐ育ての母。・秋山恵津子:恵理菜の生みの母。誘拐を機に母娘の関係をうまく築けず、もがき苦しむ。・秋山丈博:恵津子の夫で、希和子と不倫関係の間柄。・岸田孝史:大人になった恵理菜の不倫相手。・エンゼル:希和子と恵理菜の身をかくまった女性専用駆け込み寺の経営者。ちなみに5月24日(火)時点の中間結果では、1位が秋山丈博で、2位と100票差をつけてトップを爆走中。女性から見ると予想通り(?)の結果かと思うが、この結果を実際に丈博を演じた田中哲司からはこのような返答が返ってきた。「本当に申し訳ありませんでした。諸悪の根源は私にあります。心より反省いたしております」。果たして、あなたが思う“罪深い”人は誰?『八日目の蝉』は全国にて公開中。『八日目の蝉』Facebookファンサイト■関連作品:八日目の蟬 2011年4月29日より全国にて公開© 2011「八日目の蟬」製作委員会■関連記事:井上真央、『八日目の蝉』初日にセミの絵のワンピースで登場!小池栄子インタビュー主人公の傍で感じた強き心「愛情によって人は救われる」中島美嘉が復帰後初の歌声披露、井上真央は感激の涙三池崇史監督、永作博美の授乳シーンに思わず興奮!?「オレが演出したかった」井上真央×永作博美 実力派女優が共演『八日目の蟬』試写会に25組50名様ご招待
2011年05月24日いよいよ今週末に閉幕となる第64回カンヌ国際映画祭。「コンペディション」部門には河瀬直美監督の『朱花の月』、三池崇史監督の『一命』、「監督週間」には園子温監督の『恋の罪』がエントリーし、日本映画への注目度も高く、各賞のゆくえも気になるところだ。映画祭には今年も、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』をひっさげたジョニー・デップ、『ツリー・オブ・ライフ』、『カンフー・パンダ2』とそれぞれの出演作が出品されたブランジェリーナをはじめ、豪華な顔ぶれが揃った。ここでは写真と共に映画祭に華を添えた女優、俳優たちをご紹介しよう。ブラピ主演の『ツリー・オブ・ライフ』の公式上映に参加したアンジェリーナ・ジョリーはアトリエ・ヴェルサーチのチョコレート色のシルク・ドレスを着用。前面には深いスリットが入り、背面には複雑なドレープが波打つゴージャスなデザインだ。自身の出演作『カンフー・パンダ2』のフォトコールではサルヴァトーレ・フェラガモのヌード・ベージュのシンプルなワンピース姿で自然体の魅力をふりまいた。『Sleeping Beauty』(原題)のダイアン・クルーガーはカルバン・クラインのシャンパンゴールドのドレス、監督作『The Beaver』(原題)の公式上映に主演のメル・ギブソンを伴って登場したジョディ・フォスターはジョルジオ・アルマーニのワンショルダーのドレス。ネイビーブルーがお気に入りらしく、『Melancolia』(原題)の公式上映出席時は同系色のバレンシアガのホルターネックのドレスを着ていた。アトリエ・ヴェルサーチ、オスカー・デ・ラ・レンタ、エリー・サーブを着こなし、連日注目を集めたのは中国出身のファン・ビンビン。とりわけ目立ったのはオープニング・セレモニーのときに着た赤のドレス。鶴の刺繍が入った着物風のデザインは彼女のスタイリストによるものだという。若手女優たちは清楚な装いで勝負。アストリッド・ベルジェ=フリスベはシャネルのアイボリーのドレス、ミア・ワシコウスカはフィロソフィ・ディ・アルベルタ・フェレッティのローズのシルクドレスや、ヴァレンティノのピンクのドレスで爽やかさを演出した。16日(現地時間)にはスーパーモデルのナオミ・キャンベルが東日本大震災被災者支援のチャリティ・ファッションショー「Fashion For Relief: Japan」を開催、ゾーイ・サルダナやロザリオ・ドーソン、そして70歳を超える名女優のジェーン・フォンダらがモデルとしてランウェイに立った。会場ではドルチェ&ガッバーナがデザインしたチャリティTシャツも販売された。ドルチェ&ガッバーナの人気は高く、サラ・ジェシカ・パーカーや本年度コンペ部門の審査員を務めるユマ・サーマンらがプレミアやフォトコールで白に刺繍の入った2011年春コレクションのドレス(サラ・ジェシカはたっぷりとしたマキシ丈、ユマは身体にフィットした膝丈)を着ていた。ちなみに、審査員全員のフォトコールでユマと並んだ審査員長のロバート・デ・ニーロのよれよれの普段着姿は、ある意味究極の外しの美学かも。さて、あなたが選ぶ今年のカンヌのベストドレッサーは?(text:Yuki Tominaga)特集「カンヌ国際映画祭現地から最新ニュースお届け」■関連作品:第64回カンヌ国際映画祭 [映画祭]カンフー・パンダ2 2011年8月19日より新宿ピカデリーほか全国にて公開KUNG FU PANDA 2™ & © 2010 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.ツリー・オブ・ライフ 2011年8月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010 Cottonwood Pictures, LLC. All Rights Reserved一命 2011年10月、公開© 2011映画「一命」製作委員会恋の罪 2011年公開© 2011「恋の罪」製作委員会朱花の月 2011年9月、渋谷ユーロスペース、TOHOシネマズ橿原 ほか全国にて順次公開© 「朱花の月」製作委員会パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 2011年5月20日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.■関連記事:【カンヌレポート7】瑛太、初カンヌに緊張監督は時代劇に3D起用理由を説明ジョニー・デップの膨大な帽子コレクションに危機!ヴァネッサが断捨離を迫るジョニーもペネロペも欲しがる…?「手に入れたい泉」の投票結果を大発表!海賊たちが可愛い人形に!『パイレーツ・オブ・カリビアン』フィギュアを2様プレゼントジョニーの横断幕はストで届かずも、日本人キャスト・松崎悠希、渾身のボケかます
2011年05月20日『一命』でカンヌを騒がせている三池崇史による実写版『忍たま乱太郎』の追加キャストが発表!山本耕史に古田新太、鹿賀丈史、柄本明、竹中直人、石垣佑磨、石橋蓮司、山本裕典という豪華俳優陣が、アニメからそのまま飛び出してきたかのようなビジュアルで出演していることが明らかになった。尼子騒兵衛(あまこそうべえ)が朝日小学生新聞に連載している「落第忍者乱太郎」が元々の原作で、そのTVアニメ版は1993年から放送が開始され、長年にわたり多くの子供たちに愛されてきた。今回、“こども店長”こと加藤清史郎を主演に迎えて“世界のミイケ”が実写化!子役に加えて、これまでに寺島進や中村獅童、檀れいに中村玉緒、杏など幅広い世代の人気俳優が集結し特殊メイクを用いてアニメ版とそっくりのビジュアルを再現して話題を呼んでいた。今回、出演が発表された面々の“変身ぶり”も凄まじく、さすが忍者映画!といったところ。山本耕史が演じるのは、乱太郎たちが通う忍術学園の剣術講師で、額に三日月型の傷のある、三白眼の戸部新左ヱ門。剣の腕前は超一流でニヒルな雰囲気からくノ一の人気も抜群だが、お腹が減ると全く力が出なくなるという弱点を持っている。「お残しは許しまへんでー!」が口癖の食堂のおばちゃんを演じるのは、何と古田新太!性別の垣根を超え、そのビジュアルはまさしくおばちゃん!講師でもないのに“忍術学園最強”という噂も…。大御所・鹿賀丈史が演じるのは、“カリスマ髪結い”の異名を持つ斉藤幸隆。柄本明は“全国共通プロ忍者免許”なるものの持ち主で、60年間無事故無違反の88歳のベテラン忍者のウスタケ忍者の長老役。今回の映画で描かれる、忍たまとウスタケの勝負を思いついたのはこの人である。フリーの忍者にしてプロの暗殺者で、斉藤幸隆親子の命を狙う海松万寿烏を演じるのは竹中直人で、その弟分の海松土寿烏を石垣佑磨が演じる。石橋蓮司はウスタケ忍者のOB役で出演。OBにもかかわらず忍たまとの勝負にエントリーするとか…。石橋さんの華麗な忍者アクションが見られるかも!?そして、大人気の山本裕典は、風魔流忍術学園の優秀な忍たまである、錫高野与四郎(すずごうやよしろう)を演じる。なまりのある神奈川弁が特徴的な男だが、万寿烏&土寿烏を追って忍術学園へやって来て、新たな火種を…?ざっと列記してみて、この豪華な顔触れには改めて驚かされる。写真でビジュアルを見るだけでも笑いがこみあげてくるが、彼らが劇中で乱太郎たちとどんな口調でどんなやり取りを見せてくれるのか?いまから公開が楽しみなところ。映画『忍たま乱太郎』は7月23日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:忍たま乱太郎 2011年7月23日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011 実写版「忍たま乱太郎」製作委員会■関連記事:中村玉緒&杏が二人一役!『忍たま』美人“くの一”先生で変身の術披露『忍たま』学園長&八方斎に特殊メイクで大変身したのは…あのベテラン俳優陣!実写版『忍たま乱太郎』“こども店長”の両親役に中村獅童&檀れい!監督・三池崇史×主演・加藤清史郎で『忍たま乱太郎』が実写映画化!
2011年05月20日19日(現地時間)、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されている、三池崇史監督の『一命』の公式記者会見が行われ、三池監督、瑛太、プロデューサーのジェレミー・トーマスらが出席した。三池監督は、なぜアクション場面の多い前作『十三人の刺客』ではなく、『一命』を3Dにしたのかを聞かれた三池監督は「答えは簡単ですね。『十三人の刺客』をもし3Dで撮っていたら、いまでもまだ撮っていたかもしれない。3Dカメラに支配されてしまっていたでしょうから。でも、この映画ではふすまが開いたときの奥行きなど、時代劇ならではの映像を3Dで見せることに挑戦したんです」と答えた。リラックスした様子で質問に答える三池監督に対し、初のカンヌにやや緊張気味の瑛太さん。三池監督と仕事をした感想を聞かれると、「すごく迫力と緊張感のある現場だろうと思っていたのですが、実際には監督はとても優れたユーモアの持ち主で、現場でも楽しく過ごせました。ただ具体的に演技について語らなくても、『どんなものが出せるの?』と監督から聞かれているようで、僕はいつも緊張していました」と語った。会場では海外プレスから多くの質問が飛び、反響は上々。今夜の公式上映での盛り上がり期待したい。(photo/text:Ayako Ishizu)特集「カンヌ国際映画祭現地から最新ニュースお届け」■関連作品:一命 2011年10月、公開© 2011映画「一命」製作委員会第64回カンヌ国際映画祭 [映画祭]■関連記事:【カンヌレポート5】金城武、北野武になる?【カンヌレポート4】オダジョー、芝居を通しチャン・ドンゴンと言葉の壁を乗り越える【カンヌレポート3】アンジー、カンヌで家族への愛を熱弁!「家族こそ愛がある場所」レオナルド・ディカプリオ、映画祭開催中のカンヌにジェイミー・フォックスと傷心旅行【カンヌレポート2】J・デップ、カンヌ来場に熱狂!役作りにあのアニメキャラが影響?
2011年05月19日鬼才・三池崇史監督の手による、国民的人気コミック・アニメの実写映画化『忍たま乱太郎』。公開に向けて、これまでその注目のキャスト陣が徐々に明らかになってきたが、さらなる新キャストが判明!今回発表されたのは、乱太郎たちが通う忍術学園の先生で人気の高い、“くの一”の山本シナ先生。なんと、同役を中村玉緒と杏が2人で演じることが決定した。2人が演じるシナ先生は変装の名人であり、年齢不詳の謎の多い女性。学園の誰ひとり彼女の本当の年齢や顔を知らず、優しいおばあさん先生から、怒ると怖い美人先生へと変身する。今回の実写化でもその変身シーンが再現され、馬から飛び降りた杏さん演じる若・シナ先生が、次の瞬間中村さん扮する老・シナ先生に変身しているという、高度な“忍法”を披露している。ポップなピンク色の忍装束を身につけ、特殊メイクによる大きなほっぺがとってもチャーミングな中村さんは、今回の出演がきっかけで原作を初めて知ったそうだが、「このような扮装も忍者の格好も初めてでしたし、素晴らしい技術で嬉しかったです」と初の忍者役を楽しんだ様子。さらに、初参加となる三池組についても「コンテをベースに演出されることや、現場でのアレンジ(アドリブ)など、思えば亡き夫の『勝新太郎』と似ているので、特に驚くことはなく、楽しく撮影できました」と充実した撮影の様子を伝える。ここ1、2年で映画、ドラマに幅広い役をこなしてきた杏さんも、忍者の格好はこれが初めて。「憧れていた忍者の格好で、暑い時期の撮影でしたが、それも気にならないくらい嬉しかったです。中村玉緒さんに変身することについてはとても光栄でした!(二人一役のため)撮影ではご一緒できなかったので、映画が楽しみです」と喜びを語る。また、主人公・乱太郎役の加藤清史郎くんについても「小さいのにしっかりしていて、とてもかわいい!ほかの生徒の子供たちといると、ひよこの群れのようでかわいさ倍増!現場で癒されました」とベタ惚れ。すっかり忍者の扮装が気に入った様子の2人は、「またこの衣裳で舞台挨拶に登場したい!」と宣言しているほど。劇中での変身技はもちろん、ぜひツーショットでの登壇にも期待したいところ。映画『忍たま乱太郎』は7月23日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:忍たま乱太郎 2011年7月23日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011 実写版「忍たま乱太郎」製作委員会■関連記事:『忍たま』学園長&八方斎に特殊メイクで大変身したのは…あのベテラン俳優陣!実写版『忍たま乱太郎』“こども店長”の両親役に中村獅童&檀れい!監督・三池崇史×主演・加藤清史郎で『忍たま乱太郎』が実写映画化!
2011年05月06日映画『八日目の蝉』が公開を迎え、4月29日(金・祝)に都内劇場で行われた舞台挨拶に、井上真央、永作博美、小池栄子、森口瑤子の女優陣と成島出監督が出席した。角田光代のベストセラー映画化した本作。赤ん坊の頃に父親の愛人に誘拐され、4歳になるまで育てられた恵理菜(井上さん)が、大人になって自身も愛人の子を妊娠。複雑な思いを抱えて、誘拐犯で育ての親である希和子(永作さん)が、かつて自分を連れてたどった旅路を歩みながら自分と向き合っていく姿を描く。「真央ちゃん!」という観客からの大歓声に迎えられた井上さんは笑顔で「蝉の絵がついたワンピースです!」とニッコリ。「悩みぬいて、ぶち当たりながら、ひとつの光、違う景色が見られるのを信じてやってきました」と撮影をふり返った。永作さんは、これから映画を観る観客を前に「観終わって感じるもの、付いてくるもの…余韻のようなものが、みなさんにいま必要なものなのではないか、と思っています」と語りかけた。恵理菜の生みの母親を演じた森口さんも、娘との距離を埋められずに悩む母親役にかなり苦戦したようで「悩みに悩み抜いた」と告白。現場での監督との関係を「学校の先生と生徒のようだった」とふり返った。小池さんは、一緒に撮影に臨むことが多かった井上さんを“戦友”として「井上さんがいなかったらやりきることができなかった」と感謝の思いを口にした。井上さんも「同じく(笑)。辛いときも(小池さんが)そっと黙って隣にいてくれました。出会えて良かったです」と語り、深い絆をうかがわせた。永作さんは、幼少時代の恵理菜を演じた子役の渡邉このみとのシーンが多かったが「このみにいっぱい遊んでもらいました。一緒にご飯食べたり、シールを貼ったり(笑)」と楽しそうに述懐。すると、このみちゃんがカーネーションの花束を持って舞台に登場し、一人一人に花を手渡した。このみちゃんの「みなさん、観に来てくれてありがとうございます」と大人顔負けのしっかりした挨拶に客席からは温かい拍手が沸き起こった。『八日目の蝉』は全国にて公開中。■関連作品:八日目の蟬 2011年4月29日より全国にて公開© 2011「八日目の蟬」製作委員会■関連記事:小池栄子インタビュー主人公の傍で感じた強き心「愛情によって人は救われる」中島美嘉が復帰後初の歌声披露、井上真央は感激の涙三池崇史監督、永作博美の授乳シーンに思わず興奮!?「オレが演出したかった」井上真央×永作博美 実力派女優が共演『八日目の蟬』試写会に25組50名様ご招待難題や事情を抱えた世の女性たちへ『八日目の蝉』成島出監督が花束のエール!
2011年04月30日“母”を描いた映画は数えきれないほど多くある。だが角田光代のベストセラーを映画化した『八日目の蝉』では“母親ではない者”、“母になれなかった者”の視点から「母とは?母性とは何か?」を問いかける。全ての女性に生みの親は存在するが、彼女たちはどのようにして母になるのか?そこにはどんな“資格”が必要なのか――?主要キャストのひとり、小池栄子が演じた千草はこの物語において、心に傷を負い、いまなお闇の中に生きる“当事者”であると同時に“傍観者”として主人公・恵理菜(井上真央)の旅路を見守る存在。小池さん自身は、この旅の中にどのような答えを見出したのか?「母と娘なのに“女同士”って言葉が浮かんでくる」不倫相手の娘を誘拐し、逃亡生活を送りながら我が子として育てる希和子(永作博美)。4年ののち、彼女は逮捕され娘は実の親の元に帰されるが、4年という歳月に隔てられた実の親子の距離が埋まることはなかった。やがて成長した彼女もまた妻子ある男性を愛し、子供を身ごもる。「愛の力のすごさ――」。小池さんはこの物語をそんな言葉で表現する。シンプルだが、そこに彼女の様々な思い…正解の見つからない答えがある。「生みの親か育ての親かっていう話になってくるんですが、愛情によって人は助けられるんだっていうことは、恵理菜を見て思った。恵理菜に会ったことで愛情を知った千草もまた新しい一歩が踏み出せるだろう、とも。印象的だったのが、希和子がラブホテルで、泣きわめいている赤ちゃんにおっぱいをあげようとするけど出ない、というシーン。あのシーン、赤ちゃんが泣き続け、どうにか泣きやませようとするのですが、どうすることもできないんです。私は子供がいないので、観てて余計にドキドキしちゃって。私が希和子の立場だったらどうするのかなって。どういう関係性の中で、より深い愛情が結ばれるか分からないな、と思いましたね」。希和子が映画の中で、血の繋がらない娘に愛情を注げば注ぐほど、現実の社会で毎日のように報じられる児童虐待など、実の親子の間でさえも起こる、目を覆いたくなるような事件について思いを馳せずにはいられない。小池さんも「どうしてそういうことが起きるのか?と答えは見つからないままに考えさせられた」と明かす。血の繋がりが絶対的な愛を保証するわけではないのだ。「そうなんですよね。きれいな言い方をすると“絶対的な愛”とか“無償の愛”という言葉が出てくるけど、そうとは言えないって思えてきます。森口さんと井上さんのシーン見てると、母と娘なのに“女同士”って言葉が浮かんでくる。娘に対して母が『愛してもらいたい』って泣くシーンはどちらが子供なのか分からなくなりますよね」。逆説的だが、2人の“母”の姿から、子供から教えられることの大きさにも気づかされる。「子供を産んだ友人たちもよく言いますね。『子供から学ぶ』、『子供から自分を見つめ直す』って。それを聞くと、子供ほしいなって思うんですけど(笑)」。監督、井上さんと共に作り上げていった“変化”千草という役に関して「脚本を読んで一番感情移入できなかった人物だった」と明かした上で、それこそ彼女との“距離”を監督(成島出)と井上さんと共に、少しずつ縮めていったという。「監督はとにかく、自分で納得しない限りは絶対にOKを出さない。現場で『その音が違う』、『それは千草じゃない』といった具合で一音ずつ作っていきましたね。何が正解か分からないけど、あれだけ監督が時間をかけて『OK』を出したからにはできているはずだ、と(笑)」。一方で、旅を通じて千草が遂げていく“変化”に関しては「自然に受け入れられた」とも。「井上さんと2人きりで、順撮りで撮影を進めていく中で『2人は何かから解放されなくちゃいけない』、『8日目を生きた私たちは何を見るんだろう?』という気持ちで小豆島にも行けました。監督がうまくそういう追い込み方をしてくれたとも思います。最初は恵理菜のお姉ちゃんのようで、途中で逆転して、最後には恵理菜が母親で私を引っ張るような…そういう力関係が自然と出来上がっていきました」。本作に限らず、人間の内面――できることなら隠し通したいと思うような、決してきれいとは言えない“中身”がえぐり出されるような役柄を演じることが多いように思えるが…。「惹かれますね(笑)。私、結構ビビりなので、実際に過激なことやってみたくても周りの目や評価が気になって、イマイチ飛び出せなかったりするんです。そういう自分にコンプレックスを持ってもいたので、役で飛び出せるのは気持ちいいです。でも、時には純粋なラブストーリーをやってみたいという気持ちもありますよ。周りには『いつも目をひんむいて、武器持ってるね』と言われるので(苦笑)」。今後、仕事をしてみたい監督は?というこちらの問いに、中村義洋監督(『ゴールデンスランバー』、『ちょんまげぷりん』)の名を挙げ「こうやって口に出して、願って、祈り続ければいつか叶うと信じているから」と笑顔で語る小池さん。八日目を生きた蝉ではないが、これからその視線の先にどんな新しい景色を捉えるのだろうか――。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:八日目の蟬 2011年4月29日より全国にて公開© 2011「八日目の蟬」製作委員会■関連記事:中島美嘉が復帰後初の歌声披露、井上真央は感激の涙三池崇史監督、永作博美の授乳シーンに思わず興奮!?「オレが演出したかった」井上真央×永作博美 実力派女優が共演『八日目の蟬』試写会に25組50名様ご招待難題や事情を抱えた世の女性たちへ『八日目の蝉』成島出監督が花束のエール!井上真央が新境地に挑む『八日目の蟬』完成披露試写会に10組20名様ご招待
2011年04月26日角田光代のベストセラー小説を映画化した『八日目の蝉』の完成披露試写会が4月18日(月)、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われ、歌手の中島美嘉が主題歌「Dear」を熱唱した。耳管開放症を患い、昨年10月から活動休止に入った中島さんが、公の場で歌声を披露するのは今回が初めてとなる。中島さんは昨年10月下旬、6作目のアルバム「STAR」のリリース間近に耳管開放症の症状悪化に伴い、制作、プロモーションを含めて全てのアーティスト活動を休止。デビュー10周年を記念して、自身初となる日本武道館、そして大阪城ホールで行われる予定だったライヴも中止が発表された。その後、治療に専念した中島さんは、順調に快方に向かい、新曲「Dear」で活動を再開することに。“これぞ中島美嘉”といえる仕上がりのバラードで、中島さんの復活を鮮明に印象付けている。そんな中島さんが昨年10月に行ったという番組収録以来、約半年ぶりに歌声を披露。復帰を待ち焦がれていたファンから「おめでとう」の声も聞こえる中、中島さんはステージ上で素足になって準備万端。そして休養前と変わらぬ圧倒的な歌声で、会場を温かく包み込んでいった。これには舞台挨拶に登壇した主演の井上真央も「いろんな感情を思い出してしまって…」と感激の涙。その後は言葉にならなかったのか、多くは語らずに感動に浸っていた。中島さんは「映画を観てから作った楽曲なので、映画と一緒に楽しんでもらうのが一番合うはず。恋人や家族愛も含めた、大きな愛を歌っている」と楽曲への思いを明かした。『八日目の蝉』は不実な男とその妻の子供を誘拐した女・希和子、その誘拐犯に愛情いっぱいに4年間育てられた娘・恵理菜(井上さん)の数奇な運命を通して、女として生まれたことの痛ましいまでの悲しみ、そして生き抜く強さを描く。「撮影中は『こんなに壁にぶつかるなんて』と思うほど、悩みに悩んだ役柄で、思い入れも強い」と井上さん。「観終わった後に、一筋の光や希望、生命力を感じてほしい」とアピールしていた。舞台挨拶には井上さんをはじめ、永作博美、森口瑤子、そして成島出監督も出席した。『八日目の蝉』は4月29日(金・祝)より全国にて公開。■関連作品:八日目の蟬 2011年4月29日より全国にて公開© 2011「八日目の蟬」製作委員会■関連記事:三池崇史監督、永作博美の授乳シーンに思わず興奮!?「オレが演出したかった」井上真央×永作博美 実力派女優が共演『八日目の蟬』試写会に25組50名様ご招待難題や事情を抱えた世の女性たちへ『八日目の蝉』成島出監督が花束のエール!井上真央が新境地に挑む『八日目の蟬』完成披露試写会に10組20名様ご招待永作博美『八日目の蟬』で自ら髪を切る!「サッパリして良かった」とあっけらかん
2011年04月18日歌舞伎俳優の市川海老蔵が、「七月大歌舞伎」にて舞台復帰することが松竹より発表され、主演映画の三池崇史監督作『一命』が10月公開予定であることも明らかになった。昨年12月以降、舞台出演を見合わせてきた海老蔵さん。父親の市川團十郎は、先日、5月に上演される「團菊祭五月大歌舞伎」の会見に尾上菊五郎と共に出席した際、海老蔵さんの復帰について「まだ白紙だが、みなさんと模索したい」と語っていたが、7月の新橋演舞場での公演での復帰が正式に決まった。映画『一命』は、『十三人の刺客』の三池監督による初の3D時代劇で、滝口康彦の「異聞浪人記」が原作。1962年には映画『切腹』として仲代達矢を主演に迎え映画化された。貧しくも、愛する人と共に、武家社会にひとり立ち向かった侍の生き様を描く本作。また、海老蔵さんにとっては2006年の『出口のない海』以来となる映画主演。鬼才・三池崇史とのコラボレーションで、どのように“飛び出す”のか注目だ。『一命』は2011年10月公開。© Natsuki Sakai/AFLO■関連作品:十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会一命 2011年10月、公開■関連記事:第3回映画館大賞は『告白』!本屋大賞を受賞した原作に続き映画化作品も快挙第5回アジア・フィルム・アワード開催。登壇者から日本の被災者にお見舞いのコメント毎日映画コンクール授賞式稲垣吾郎、極悪人役にSMAPメンバー「地が出てるね」毎日映画コンクールタキシードの稲垣吾郎に大歓声!三池監督は銀色ジャケットで登場日本アカデミー賞優秀作品を一挙上映!好きな作品を観られる鑑賞券を5組10名様プレゼント
2011年04月11日角田光代のベストセラー小説を映画化した『八日目の蝉』に出演する永作博美が4月7日(木)、東京・港区の東京ミッドタウン内にある「ビルボードライブ東京」で行われた「三池崇史監督 presents 大人だけの空間」にゲストとして出席した。三池監督が主催する同イベントは、今回が3回目の開催。毎回、豪華ゲストを招き、三池監督が“暴走トーク”を繰り広げるが、今回も永作さんを相手にトークは思わぬ方向に…!?不実な男とその妻の子供を誘拐した女・希和子(永作さん)、その誘拐犯に愛情一杯に4年間育てられた娘・恵理菜(井上真央)の数奇な運命を通して、女として生まれたことの痛ましいまでの悲しみ、そして生き抜く強さを描く。誘拐という大罪を犯してまで、“母”になろうとした希和子を演じた永作さんは、本作が出産後初めての映画出演。劇中では自ら髪の毛をばっさり切るシーンもあり、まさに体当たりの熱演を披露する。三池監督は「見終わった後に、希望が見える作品。感情移入とは違う凄みを感じたし、魂が震えた。来年、各賞を騒がせるでしょうね。確実に行くでしょう」と、早速『八日目の蝉』を大絶賛。さらに「こういう手触りの作品が、いまの日本映画界で作られるのは、成島(出)監督の力でもあるはずだし、僕自身ホッとする。こんな大変な時期ですが、僕も新作に向けて、淡々、粛々と頑張っていきたい」と決意表明した。話題が劇中の各シーンに及ぶと、三池監督は「永作さんが誘拐した赤ちゃんを静かにさせようと、出るわけもない母乳をあげようとするシーンがあるでしょ?あの現場にいたかったなぁ。オレが演出したかった」とこの日、最高の(!?)熱弁。これには永作さんも言葉に詰まって苦笑しきり。「あぁ、ありがとうございます…」とテレながら、返事するのがやっとだった。その永作さんは「力強い作品に仕上がったと思う」と手応え十分。「成島監督も『希望につながる映画にしたい』とずっと言っていて、それを断固貫いた。自分が求めるものに達するまで、何度もテイクを重ねていたし、長回しにもこだわっていた。欲張り屋さんですね」と撮影現場をふり返った。「観ていただければ、また頑張ろうと思ってもらえるはず」と永作さん。三池監督も「こんなときだからこそ、自分自身の立っている場所や向かうべき方向を見つめることからしか、何も始められない。この映画もそういう映画だと思う」と本作を応援していた。『八日目の蝉』は4月29日(金)より全国にて公開。■関連作品:八日目の蟬 2011年4月29日より全国にて公開© 2011「八日目の蟬」製作委員会■関連記事:井上真央×永作博美 実力派女優が共演『八日目の蟬』試写会に25組50名様ご招待難題や事情を抱えた世の女性たちへ『八日目の蝉』成島出監督が花束のエール!井上真央が新境地に挑む『八日目の蟬』完成披露試写会に10組20名様ご招待永作博美『八日目の蟬』で自ら髪を切る!「サッパリして良かった」とあっけらかん中島美嘉が『八日目の蝉』主題歌で復活!待望の新曲リリース決定
2011年04月07日今年で3回目を迎える、日本全国の独立系映画館スタッフの投票により、スクリーンで観てほしい映画作品を選出する「映画館大賞」の結果が発表され、松たか子主演の『告白』が1位を獲得した。観客に映画を送り届ける“最前線”である映画館で働くスタッフが選ぶ映画賞として、2年前に設立された映画館大賞。第3回となる今回は、2009年12月から2010年11月末日までの1年間に公開された作品を対象に、全国の130館の独立系の映画館スタッフが、1位に10点、2位に9点…10位に1点という形式で投票し、合計ポイントで順位を決定した。1位に輝いたのは、2009年本屋大賞に輝いた、湊かなえによるベストセラーを鬼才・中島哲也が映画化した『告白』。愛する娘を殺された女教師の復讐劇という、ダークな内容のドラマだったが口コミでの広がりを見せ、ヒットを記録した。書店員が選ぶ賞として2004年にスタートした「本屋大賞」こそが、映画館大賞、ビデオ屋さん大賞など世を席捲する「○○大賞」の元祖とも言うべき存在。その本屋大賞受賞作品が実写化され映画館大賞に!邦画が全体の1位に輝いたのは初めてのことである。また、3回目にして初めて、日本で最も権威ある「日本アカデミー賞」の最優秀作品賞受賞作と、映画館大賞作が重なる結果となった。2位には韓国映画『息もできない』がランクイン。ミニシアター系の小さな作品ながら、こちらも口コミで高い評価を集めたが、やはり独立系映画館のスタッフの間でもその評価は高し!ハリウッド大作を抑えて見事、2位に入った。3位には歴代最多興行収入を更新した『アバタ―』。以下、『トイ・ストーリー3』、『インセプション』と続く。邦画では6位に吉田修一原作の『悪人』、9位に三池崇史監督作『十三人の刺客』が入った。7位の『第9地区』は南アフリカを舞台にした作品で、8位の『オーケストラ!』はフランス映画、10位の『瞳の奥の秘密』はスペイン、アルゼンチン合作。過去2回と比べても、国際色豊かなベスト10となった。また、特別部門として設けられている、著名人が昨年最も印象深かった1作を選ぶ「あの人の1本」には映画監督の黒沢清と女優の夏木マリが参加。黒沢監督は、ベスト10でも7位に入った『第9地区』を、夏木さんは、日系人監督キャリー・ジョージ・フクナガによる『闇の列車、光の旅』を選んだ。昨年のアカデミー作品賞候補作の中でも、ひときわ異彩を放った『第9地区』について、黒沢監督は「難民のような宇宙人が地球に飛来、ゲットーを作って住み着き、人間はたいへん迷惑する…と事前に聞いていた内容は冒頭のほんの5分だった。ここから映画が始まり、見る間にまっとうな活劇としての体裁を整えていく。立派な映画だ。とりわけ宇宙人と人間とが協力して敵の基地に潜入するシーンは、ジョン・カーペンターかと見紛うばかりの感動で泣きそうになった」と絶賛。一方、中南米・ホンジュラスから“夢の国”アメリカを目指して旅をする移民たちの姿を描いた『闇の列車、光の旅』について夏木さんは「私はロードムービーの旅が好きだ。主人公と一緒に知らない世界を見る興奮。しかしながら2010年は過酷な旅を経験した。『闇の列車、光の旅』はこの年、私にとって一番の衝撃作だ。製作は人気俳優ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナ。監督がキャリー・ジョージ・フクナガ。この製作人たちは少女と少年に命がけの危険な旅をさせる。南米、ホンジュラスに住む少女サイラはよりよい生活を求め父とアメリカを目指すが、移民生活の過酷な現実の中で少年と出会い、ある事件をきっかけに2人は強くなっていく。監督は自ら不法移民と旅をしてリサーチしたという。いま、現実にこんな世界があるという事実。結末の感動はどんな旅より私は自由になれた」とのコメントを寄せてくれた。また、今年から新たに新設された「2010年を象徴する作品」という部門では、“3D元年”にふさわしく、『アバタ―』が最も多くの票を集めた。「映画館大賞 2011」の公式サイトでは、全ての投票結果のほか、「2010年 記憶に残った作品、劇場での出来事」と題して、全国の映画館スタッフから寄せられた観客とのエピソードや様々な思い出も紹介。順位と共に、こちらを読んでみると映画館に行く楽しみがさらに増すかも?映画館大賞 2011ベスト101位:『告白』2位:『息もできない』3位:『アバタ―』4位:『トイ・ストーリー3』5位:『インセプション』6位:『悪人』7位:『第9地区』8位:『オーケストラ!』9位:『十三人の刺客』10位:『瞳の奥の秘密』映画館大賞 2011公式サイト■関連作品:告白 2010年6月5日より全国東宝系にて公開© 映画「告白」フィルムパートナーズ息もできない 2011年1月22日よりシネマライズにて期間限定公開アバター 2009年12月23日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2009 Twentieth Century Fox. All rights reservedトイ・ストーリー3 2010年7月10日より全国にて公開© DISNEY/PIXARインセプション 2010年7月23日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved悪人 2010年9月11日より全国東宝系にて公開© 2010「悪人」製作委員会 十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会第9地区 2010年4月10日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2009 District 9 Ltd All Rights Reserved.オーケストラ! 2010年4月17日よりBunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開© 2009 Focus Features LLC. All Rights Reserved瞳の奥の秘密 2010年8月14日よりTOHOネマズ シャンテにて公開© 2009 TORNASOL FILMS - HADDOCK FILMS - 100 BARES PRODUCCIONES - EL SECRETO DE SUS OJOS (AIE)闇の列車、光の旅 2010年6月19日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2008 Focus Features LLC. All Rights Reserved.■関連記事:岡田将生が若き日のブラック・ジャックに!手塚治虫の名作ドラマ化共演に仲里依紗第5回アジア・フィルム・アワード開催。登壇者から日本の被災者にお見舞いのコメント全国のビデオショップ店員が選ぶ「ビデオ屋さん大賞」創設1位は『サマーウォーズ』ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、『バットマン』新作で悪役に挑戦テキサス州で開催のメディア見本市にE・ペイジらが出席。震災への義援金募集も実施
2011年04月05日映画『ソーシャル・ネットワーク』のトークイベント付き上映会が3月7日(月)に都内劇場で開催され、招待された学生約800人を前に、脳科学者の茂木健一郎と映画監督の三池崇史が熱いトークを繰り広げた。アカデミー賞で脚色賞を含む3部門を受賞した本作について、三池監督は「最初がよかった。タランティーノの映画と同じで、会話だけで2人の関係性や主人公の性格――しかも嫌な部分が見えてくる。映画としては、繋がろうとしている人間が自分の孤独を自覚するという部分で怖さやグロテスクさを感じた。ジャンルとしてはホラーに近い」と監督らしい言葉で称賛を送った。パソコンオタクの学生だったマーク・ザッカーバーグが、いまや世界中の人々が使用するFacebookを作り上げていく過程を描いた本作について、茂木さんは「希望を見た」と語る。先日の京大不正入試事件について、警察に被害届を出した京大総長や報道陣の姿勢を、自身のブログなどでかなり激しく批判していた茂木さんだが、この日も「日本はどうしようもない」とバッサリ。そんな中で、劇中でハーバード大学の学長が、陳情に来た学生に見せる強い態度を絶賛し「この映画で日本が変わるかもしれない」、「ルールの適用に人間の血を通わせない限り、日本でFacebookは生まれない」と語り、学生たちを前に日本のマーク・ザッカーバーグの出現の必要性を訴えた。さらに「マーク・ザッカーバーグになったら、(映画製作費として)30億円ぐらい、三池さんに渡してほしい」と語り、これには三池監督も大喜びだった。『ソーシャル・ネットワーク』は全国にて公開中。■関連作品:ソーシャル・ネットワーク 2011年1月15日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.■関連記事:【オスカー総括】『英国王…』が横綱相撲30〜40代監督席巻で世代交代の波?【アカデミー賞】『ソーシャル・ネットワーク』脚色賞受賞でまず1冠!【ハリウッドより愛をこめて】アカデミー賞のアフターパーティの一部を紹介!シネマカフェ的海外ドラマvol.186オスカー直前!今こそ観たいドラマ 最終回【ハリウッドより愛をこめて】オスカーに輝くのは…トム・ハンクスがスピーチの指導?
2011年03月07日まさかの実写版で話題を集める映画『忍たま乱太郎』の新たなキャスト陣が明らかに!今回発表されたのは、アニメ版でも人気の重要人物、忍術学園の学園長・大川平次渦正(おおかわへいじうずまさ)と稗田八方斎(ひえたはっぽうさい)の2人。特殊メイクで原作とそっくりに変身したこの2人の正体は――大ベテラン俳優の平幹二朗と松方弘樹!これぞ忍術?という変身ぶりが話題を呼びそうだ。エリート忍者を目指すべく、忍術学園に通うことになった乱太郎と、そこで知り合った親友・しんべヱときり丸らの落第続きの学園ライフを描いた本作。鬼才・三池崇史がメガホンを握り、“こども店長”こと加藤清史郎が主演することで、製作発表当時から大きな注目を集めてきたが、ここにきて新たなキャストが発表。平さん演じる学園長は、若い頃は天才忍者として活躍し、いまは忍術学園の頼りになる学園長という役どころで、平さんは今回、激しいアクションシーンにも挑戦。特殊メイクで自分の顔を見る度に吹き出していたとか…。『十三人の刺客』に続く三池作品への出演となったが、「『十三人の刺客』ではほとんど役所広司さんと2人っきりのシーンだったので、張りつめた空気の現場でしたが、今度の作品は、楽しい現場だったと思います。東映撮影所は昔からのなじみの撮影所で、メーキャップした僕に誰も気付かないほどの変わりようにみんなが驚いてくれるのが楽しかったです」とふり返る。一方の松方さん演じる稗田八方斎は、敵忍者の首領ながらいつもヘマをする憎めないキャラクターで、アニメでもたびたび登場し、乱太郎たちと激しい(?)戦いを繰り広げる。こちらも特殊メイクで見事に再現された大きな頭に目が行くが…。松方さんは「やるなら思い切り、ガッツリとやってくれ!」と自ら申し出たそうで、3時間かけて完成したメイクには「これで松方弘樹と分かる人はいないだろう」と満足そうだったという。松方さんも平さん同様、『十三人の刺客』に続く三池監督の現場となったが「前作が、人を斬って、血が出てという映画だったので、今回は非常にほのぼのとした現場でした。清史郎くんは大河ドラマ(『天地人』)以来の共演だったけど、あの頃よりも風格というか、自信ができてきたというか、堂々としてましたよ。よぉっ!!!こども店長!!!」と八方斎さながら(?)ノリノリのコメントを寄せてくれた。このベテラン2人が重〜い頭を抱えて、清史郎くんら“忍たま”たちとどのような掛け合いを見せてくれるのか?『忍たま乱太郎』は7月23日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:忍たま乱太郎 2011年7月23日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011 実写版「忍たま乱太郎」製作委員会■関連記事:実写版『忍たま乱太郎』“こども店長”の両親役に中村獅童&檀れい!監督・三池崇史×主演・加藤清史郎で『忍たま乱太郎』が実写映画化!
2011年03月03日加藤清史郎が主演を、三池崇史氏が監督を務める映画『忍たま乱太郎』に、日本を代表する名優である平幹二朗と松方弘樹が大胆な特殊メイクで出演していることが発表された。その他の画像『忍たま乱太郎』は、忍術学園に通う少年・乱太郎(加藤)が、教師・山田伝蔵(寺島進)らの指導を受けながら仲間たちと修行を積み、エリート忍者を目指す姿を描く。平が本作で演じるのは、乱太郎が通う忍術学園の学園長・大川平次渦正(おおかわへいじうずまさ)。若い頃は天才忍者として活躍していた男で、劇中では激しいアクションシーンも登場するという。平は「東映撮影所は昔からのなじみの撮影所で、メーキャップした僕に誰も気づかないほどの変わりようにみなが驚いてくれるのが楽しかったです」とコメント。一方、平と同じく『13人の刺客』に続いて本作で三池監督とタッグを組んだ松方は、乱太郎の敵忍者でありながら、ヘマばかりしている稗田八方斎(ひえたはっぽうさい)を演じる。3時間もかかる特殊メイクで大きな頭になった松方は「前作が『人を斬って、血が出て』という映画だったので、今回は非常にほのぼのとした現場でした」と述べ、「清史郎くんは大河ドラマ(『天地人』)以来の共演だったけど、あの頃よりも風格というか、自信ができてきたというか、堂々としてましたよ。よぉっ!!!子ども店長!!!」とエールをおくった。『忍たま乱太郎』7月23日(土) 宿バルト9ほか全国ロードショー!
2011年03月03日“こども店長”こと加藤清史郎を主演に迎え、三池崇史の手によって実写映画化される『忍たま乱太郎』の追加キャストが明らかに!乱太郎の両親を中村獅童、檀れいがそれぞれ演じることが発表された。尼子騒兵衛による人気漫画「落第忍者乱太郎」(朝日新聞出版刊)を原作に、TVアニメとしても長く愛されてきた「忍たま乱太郎」を実写化した本作。時は戦国時代、三流の忍者の家に生まれながらもエリート忍者になるべく、忍術学園に入学した乱太郎。そこで知り合った堺の豪商の息子・しんべヱ、戦で両親を亡くしつつもたくましく生きるきり丸らと共に成長していく姿が描かれる。これまで、清史郎くんをはじめ、アニメでも人気の忍術学園の教師・山田先生を寺島進が、土井先生を三浦友和・百恵夫妻の次男・三浦貴大が演じることは発表されてきたが、今回、乱太郎の家族が明らかに!乱太郎の父で半忍半農の“ヒラ忍者”猪名寺平之介を演じる獅童さんにとって、父親役は『いま、会いにゆきます』以来。獅童さんは「僕にぴったりの父親役ですし、(以前から知り合いの)三池監督が撮影されるということもあり、今回、参加させていただくことになりました。スタッフには僕と清史郎くんが似ているとよく言われていましたが、清史郎くんは、経験豊かな役者さんのようにしっかりしており、僕よりも大人のようなところもあり驚きました」とコメント。乱太郎の母を演じる檀さんは「子供の人気番組が映画になるということで、私自身も嬉しいオファーでしたし、TV放送でも知っていたので、公開して多くの子供たちが喜んでくれるよう、楽しい作品を作りたいと思いお受けしました。 昨年の夏の暑い撮影の中、元気いっぱい乱太郎を演じていた清史郎くんは、礼儀正しい“こども店長”でした(笑)。くの一らしい(刃物を扱う)シーンもあり、アクションを一発で決めるのは難しかったです」と撮影をふり返った。今回、到着した写真を見ると、獅童さんのコメントにもあるように、清史郎くんと獅童さんはボサボサ頭にメガネといういでたちでそっくり!忍術学園でのシーンはもちろんだが、こちらの家庭のシーンも注目したいところ。『忍たま乱太郎』は7月23日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:忍たま乱太郎 2011年7月23日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011 実写版「忍たま乱太郎」製作委員会■関連記事:監督・三池崇史×主演・加藤清史郎で『忍たま乱太郎』が実写映画化!
2011年02月17日第65回毎日映画コンクールの授賞式が華やかなグリーンカーペットイベントに続いて開催され、各受賞者が壇上で喜びを語った。授賞式後には報道陣向けの会見の時間もとられ、極悪非道な殿様役で男優助演賞を受賞した稲垣吾郎(『十三人の刺客』)が“悪役への目覚め”を熱く語る一幕も!スポニチグランプリ新人賞を受賞した徳永えり(『春との旅』)は、壇上で過酷な撮影をふり返りつつ、小林政広監督に感謝の弁。さらに、共演者の仲代達矢とのエピソードとして「撮影が本当につらくて、この映画で女優をやめようかとも思うくらい追い詰められましたが、仲代さんが『君は女優らしくないし、華があるかないかで言ったらない!だからこそ女優を続けなさい』とおっしゃってくださった」と明かし、さらなる飛躍を誓った。同じく新人賞受賞の遠藤要(『イエローキッド』)は、両親の離婚や母の死を経て、荒れた生活を送っていたが、ある老人ホームで芝居を公演し、それがきっかけで俳優の道を志したと語り、自身が関わってきた多くの人々への感謝の言葉を述べた。女優助演賞の夏川結衣(『孤高のメス』)は「(成島出)監督がすごい思いを込めた作品であり、俳優、スタッフが同じ方向を向いてやることができた」と充実した表情で喜びのコメント。続いて、客席からの「おめでとう!」という大歓声を浴びつつ登壇した稲垣さんは「初めての極悪非道な役で、脚本読んでびっくりして『(周囲に)どう思われるかな?』と思ったんですが、三池監督からは『こんな楽しい役はないから、好きに気持ちよく演じて』と言われた」と明かし、最後に「毎日新聞、良い新聞!」と付け加え、会場の笑いを誘った。さらに式後の会見では、出演後の周囲の反応について「(SMAPの)メンバーには『地だね』と。香取くんには『素の吾郎ちゃんだね』とか、ひどいことを言われました」と苦笑い。とはいえ、役柄は気に入っているようで「いつもメンバーにいじめられて『お前はMだ』と言われてるんですが、Sの部分が出てきましたね」とノリノリ。今後もこうした悪役を演じたいと意欲的に語っていた。『キャタピラー』で女優主演賞を受賞した寺島しのぶは、本作の若松孝二監督を引き合いに「監督のような激動の人生を送れるかは分かりませんが、情熱は持ち続けたい」と力を込めた。そして『孤高のメス』で男優主演賞に輝いた堤真一は「こうした場にいると、日本映画の諸先輩方の思いがあって、自分はその上に立たせてもらっているんだということを改めて感じます。今後、もっと深く、愛情を持って、そして自分を磨いて映画に関わっていきたい」と真摯な表情で語り、会場の喝采を浴びた。そして、稲垣さん同様に「毎日新聞、良い新聞」と付け加え、再び会場は笑いに包まれた。映画界の発展に貢献した女優に贈られる田中絹代賞を受け取った江波杏子は、デビュー当時の17歳のときに、田中さんが監督を務めた『流転の王妃』の撮影現場に行ったという思い出を語り、大女優の名を冠した賞の受賞を喜んだ。そして、今年の本映画賞で、最高賞に当たる栄えある日本映画大賞に輝いたのは、妻夫木聡、深津絵里主演の『悪人』。壇上に上がった李相日監督は「役者を追い込み、彼らの力が大きな力になりました。全員で掴み取った作品なので、キャスト・スタッフを代表してこの賞をいただきます」と感慨深げにトロフィーを受け取り笑顔を見せた。毎日映画コンクール受賞一覧日本映画大賞:『悪人』日本映画優秀賞:『春との旅』監督賞:三池崇史(『十三人の刺客』)外国語映画ベストワン賞:『息もできない』男優主演賞:堤真一(『孤高のメス』)女優主演賞:寺島しのぶ(『キャタピラー』)男優助演賞:稲垣吾郎(『十三人の刺客』)女優助演賞:夏川結衣(『孤高のメス』)スポニチグランプリ新人賞:遠藤要(『イエローキッド』)/徳永えり(『春との旅』)田中絹代賞:江波杏子脚本賞:佐藤有記(『ヘヴンズ ストーリー』)撮影賞:近藤龍人(『海炭市叙景』)音楽賞:ジム・オルーク(『海炭市叙景』)美術賞:近藤成之(『武士の家計簿』)録音賞:中村淳(『十三人の刺客』)アニメーション映画賞:『カラフル』TSUTAYA映画ファン賞:『THE LAST MESSAGE 海猿』(日本映画部門)/『エクリプス/トワイライト・サーガ』(外国映画部門)特別賞:高峰秀子■関連作品:エクリプス/トワイライト・サーガ 2010年11月6日より丸の内ルーブルほか全国にて公開TM & © 2010 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.カラフル 2010年8月21日より全国東宝系にて公開© 2010森絵都/「カラフル」製作委員会 武士の家計簿 2010年12月4日より全国にて公開© 2010「武士の家計簿」製作委員会海炭市叙景 2010年11月27日より函館先行公開、12月上旬、渋谷ユーロスペースにて公開© 2010佐藤泰志/『海炭市叙景』製作委員会THE LAST MESSAGE海猿 2010年9月18日より全国東宝系にて公開© 2010 フジテレビジョン ROBOT ポニーキャニオン 東宝 小学館イエローキッド 2010年1月30日よりユーロスペースほか全国にて順次公開CATERPILLARキャタピラー 2010年8月14日より公開© 若松プロダクション孤高のメス 2010年6月5日より全国にて公開© 2010「孤高のメス」製作委員会ヘヴンズ ストーリー 2010年10月2日よりユーロスペース、10月9日より銀座シネパトスほか全国順次公開© 2010 ヘヴンズ プロジェクト十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会息もできない 2011年1月22日よりシネマライズにて期間限定公開春との旅 2010年5月22日より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほか全国にて公開© 2010『春との旅』フィルムパートナーズ/ラテルナ/モンキータウンプロダクション悪人 2010年9月11日より全国東宝系にて公開© 2010「悪人」製作委員会■関連記事:毎日映画コンクールタキシードの稲垣吾郎に大歓声!三池監督は銀色ジャケットで登場【シネマモード】2011年、注目なのは誰?2010年映画ファンが選ぶベストムービー洋画大作を抑えあの邦画がNo.1に輝く!日本アカデミー賞優秀作品を一挙上映!好きな作品を観られる鑑賞券を5組10名様プレゼント【シネマモード】2010年をふり返ってみれば…
2011年02月08日65回目を迎える「毎日映画コンクール」授賞式が、2月8日(火)、神奈川県川崎市のミューザ川崎シンフォニーホールにて開催。昼過ぎ、授賞式の開幕に先立って、グリーンカーペットイベントが行われ、堤真一(男優主演賞)、寺島しのぶ(女優主演賞)、稲垣吾郎(男優助演賞)ら受賞者がファンの歓声に迎えられながらカーペットを闊歩した。『孤高のメス』で男優主演賞を受賞した堤さんはノーネクタイで黒いシャツとジャケット姿で登場。握手を求めるファンに気さくに応じていた。『十三人の刺客』での狂気を帯びた演技が絶賛され、男優助演賞を受賞した稲垣さんがタキシード姿で登場すると、カーペット脇の観客から一層、大きな歓声が沸きあがった。堤さんと同じく『孤高のメス』で女優助演賞受賞となった夏川結衣は黒いドレスで笑顔で登場。スポニチグランプリ新人賞を受賞した遠藤要(『イエローキッド』)と徳永えり(『春との旅』)は少し緊張した表情。観客の歓声に「ありがとうございます」と応えていた。『十三人の刺客』で監督賞に輝いた三池崇史監督は、何とシルバーのジャケット姿で登場し、これには会場から「おぉー」っとどよめきが。いったいどこで購入したのか?これが似合うのがさすが三池監督といったところ。ほかに、田中絹代賞を受賞した江波杏子、『カラフル』でアニメーション映画賞を受賞した原恵一監督、TSUTAYA映画ファン賞に輝いた『THE LAST MESSAGE 海猿』の羽住英一郎監督、日本映画優秀賞の『春との旅』の小林政広監督らも来場した。『CATERPILLARキャタピラー』で昨年のベルリン国際映画祭の最優秀女優賞受賞の快挙に続き、本映画祭でも女優主演賞を受賞となった寺島さんはグリーンカーペット前の会見に出席。『赤目四十八瀧心中未遂』以来の女優主演賞に「7年前は会場に来ることができなかったので、今回、この舞台に立てて嬉しいです。本当に小さなところから始まった映画でした。このような伝統ある賞をいただけて自信になります」と喜びを語った。この日は最愛の夫で、フランス人アートディレクターのローラン・グナシア氏は「来たがっていたんですが、インフルエンザで寝ています」とのことだったが、「早く帰ってしゃぶしゃぶを私が作る約束なので、そのときにシャンパンでも開けようかと思います」と笑顔で語った。報道陣から「子作りは?」とストレートに問われると、「いつでもウェルカムです」と答えつつ「子作りに専念しようかと思ってた矢先に『キャタピラー』の脚本が来たんですよ(笑)。だから、こういうことはどうなるか分からないものですね。自然の成り行きに任せます」と語った。この後、同会場のホール内で授賞式が始まり、各受賞者に賞が授与される。■関連作品:カラフル 2010年8月21日より全国東宝系にて公開© 2010森絵都/「カラフル」製作委員会 春との旅 2010年5月22日より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほか全国にて公開© 2010『春との旅』フィルムパートナーズ/ラテルナ/モンキータウンプロダクションイエローキッド 2010年1月30日よりユーロスペースほか全国にて順次公開孤高のメス 2010年6月5日より全国にて公開© 2010「孤高のメス」製作委員会十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会CATERPILLARキャタピラー 2010年8月14日より公開© 若松プロダクション■関連記事:毎日映画コンクール授賞式稲垣吾郎、極悪人役にSMAPメンバー「地が出てるね」日本アカデミー賞優秀作品を一挙上映!好きな作品を観られる鑑賞券を5組10名様プレゼント【シネマモード】2010年をふり返ってみれば…沢村一樹インタビュー初監督作に育んできた夢と初恋への思いを込めて「闇金ウシジマくん」山田孝之インタビュー「嫌われるのは結構好きですね(笑)」
2011年02月08日昨年、ヴェネチア国際映画祭やトロント映画祭で上映され、絶賛の嵐を巻き起こした「冷たい熱帯魚」がついに日本で公開。1月29日(土)に東京・テアトル新宿で初日舞台挨拶が行われ、メガホンをとった園子温監督をはじめ、吹越満、でんでん、黒沢あすか、神楽坂恵、梶原ひかり、渡辺哲が登壇した。小さな熱帯魚店を営む社本(吹石さん)が、娘の起こした万引き事件をきっかけに、手広く熱帯魚店を経営する村田(でんでんさん)と出会い、若い後妻(神楽坂さん)や娘(梶原さん)と共に想像を絶する猟奇殺人事件に巻き込まれる。すでに欧州など世界10か国での公開が決定した本作は、過激な描写を理由にR18指定を受けている。暴力に満ちた血まみれの撮影現場をふり返り、吹越さんは「人というのは、きっとバランスを取ろうとする本能があるんですね。現場がひどければ、ひどいほど顔はニコニコしてしまって」と不敵な笑み。「梶原さんは本当に鼻血を出してたし、神楽坂さんも首のあたりが青アザだらけ…笑ったねぇ」と愛する妻子の惨状にもはや“笑いしかない”ようだ。一方、社本を不幸のドン底に陥れる村田を怪演したでんでんさんは「よー、みんな、ハッピーかい?3回観ると一番面白いんで、あと2回観てください」と村田さながらの飄々とした挨拶。『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクター、『ダークナイト』のジョーカーに勝るとも劣らない究極の悪人を演じて「気持ちよかったですね。もう何やっても許されちゃうんじゃないかって錯覚しちゃって(笑)。しばらくは優しい八百屋のおじさん役でいいな」。今月23日に61歳の誕生日を迎えたでんでんさんに、妻役の黒沢さんから花束がプレゼントされる場面もあり、このときばかりは悪人払拭。満面の笑みだった。黒沢さんは「女優復帰を真剣に考えるきっかけになった。最初は女優の勘を取り戻すのに時間がかかるかなと不安だったが、監督がマンツーマンで言葉をかけてくれた」と感慨深げ。一方、神楽坂さん&梶原さんは、園監督からスパルタ指導を受けたといい「地獄だった。泣いたこともあったが、この出会いで演技だけじゃなく人間的にも成長できた。忘れられない作品」(神楽坂さん)、「私も泣きました。リハで『こんなんじゃ、現場に連れて行けねー』って。でも負けないぞって気持ちにあって、逆に良かった。鼻血も出しましたし」(梶原さん)。ベテラン俳優の渡辺は「いろんな発想が出てくる監督。頭をかち割って中身を見たい」と“暴力的”に園監督を絶賛した。園監督は「初日舞台挨拶は何度も経験しているが、昨日は緊張でほとんど眠れなかった。本当に感極まっている」。壇上に勢揃いのキャスト陣に「このキャストでなければ成立しなかった。(配役が)決まったところで90パーセント勝利だと確信した」と苦労をかけた(?)報いとばかりに感謝しきりだった。『冷たい熱帯魚』はテアトル新宿ほか全国にて公開中。■関連作品:冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU■関連記事:キーワードを集めて幻の“超過激”映像を観よう!『冷たい熱帯魚』動画キャンペーン吹越満インタビュー「いつも『俳優になりたい』って気持ちで仕事してます」三池崇史×園子温×吹越満がほろ酔い&タバコ片手に過激発言で映画界をメッタ斬り!鬼才・園子温監督最新作『冷たい熱帯魚』試写会に25組50名様ご招待満島ひかり主演の未公開作も上映!園子温監督作品の特集上映開催決定
2011年01月29日昨年のヴェネチア国際映画祭、トロント映画祭など多くの海外映画祭で喝采を集め、早くも世界10か国で公開が決定している、鬼才・園子温の最新監督作『冷たい熱帯魚』が1月29日(土)より公開となる。これを記念して、物語を彩る強烈な登場人物たち、そのキャラクター別特別映像をめぐって幻の予告編が観られる「『冷たい熱帯魚』サイト連動キャンペーン」が本日1月24日(月)よりスタートした。新作を発表するごとに衝撃をもたらしている園監督作だが、前作『愛のむきだし』が“陽”とするならば、本作はまさに“陰”の要素たっぷりのダークファンタジーとも言うべき一作。小さな熱帯魚店を営む男・社本(吹越満)とその家族が、有力同業者の村田(でんでん)と出会ったことで想像を絶する破滅の世界へと導かれていくさまが描かれている。そこで浮き彫りにされているのは、“人間の狂気と極限の愛”!その衝撃度の高さから映倫よりR-18指定を受けている。今回のキャンペーンでは、連動サイトにて劇中の6人のキャラクター別のオリジナル予告編を配信。映画サイト「シネマカフェ」では、主人公・社本を翻弄していく村田と妻・愛子(黒沢あすか)、そして顧問弁護士(渡辺哲)の「村田組」の3人の動画を掲載、対する社本家3人の動画を「Movie Walker」にて掲載する。それぞれの動画の最後に1文字が隠されているので、そのキーワードを集めて『冷たい熱帯魚』公式サイトのキャンペーンページで入力すると、“幻の超過激予告編”を観ることができるのだ。ここでしか観られない、超過激な映像とは果たしてどんな仕上がりになっているのか…。本番の衝撃の前に心の準備をするためにも、ぜひここでチャレンジしてみては?『冷たい熱帯魚』は1月29日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開。シネマカフェ『冷たい熱帯魚』特別動画『冷たい熱帯魚』キャンペーンページ『冷たい熱帯魚』公式サイト:■関連作品:愛のむきだし 2009年1月31日より渋谷ユーロスペースほかにて公開© 愛のむきだしフィルムパートナーズ冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU■関連記事:吹越満インタビュー「いつも『俳優になりたい』って気持ちで仕事してます」三池崇史×園子温×吹越満がほろ酔い&タバコ片手に過激発言で映画界をメッタ斬り!鬼才・園子温監督最新作『冷たい熱帯魚』試写会に25組50名様ご招待満島ひかり主演の未公開作も上映!園子温監督作品の特集上映開催決定板尾創路入籍の花子を祝福「女らしく可愛らしい」
2011年01月24日映画やドラマで静かに、しかし確かな存在感を感じさせたかと思えば、一転、舞台の上ではこれが同一人物かと見まがうようなコミカルな一面を見せる。吹越満とは何とも不思議な俳優だ。その奇妙な(失礼!)佇まいはインタビューで対峙してもやはり、変わらない。そんな彼が主演を務める映画『冷たい熱帯魚』がまもなく公開となる。メガホンを握ったのは、日本の映画監督の中でも数少ない“鬼才”という形容が似合う監督・園子温。吹越さんは堕ちて、堕ちて、ひたすら堕ちる、救いようのない主人公・社本を演じている。園子温vs吹越満――。タッグを組むのは今回で3度目、主演としては初めてとなったが、吹越さんはこの強烈極まりない作品に何を感じ、どのような思いで臨んだのか――?「楽しかった。現場で監督が一番面白い存在だったから(笑)」監督自身の経験と、90年代に起きた愛犬家殺人事件やほかの猟奇事件からインスパイアされて製作されたという本作。小さな熱帯魚屋を営む主人公が、ある出会いをきっかけに、たったひとつの“破滅”という名の道を進んでいく姿が映し出される。「ひと言で言うと楽しい」とは園組の撮影の印象。3度も組むぐらいだから当然、と思いきやその内容は映画さながらなかなか激しいようだ。「撮影は3週間ぐらいかな。おそらくは十分な時間がない中で、クランクイン前には1週間のリハーサルがあって、クランクインの日は朝から深夜、2日目が朝から次の日の朝まで…24時間以上か。いや、もうウワァって始まりだったんですが、なぜかホントに最後まで全然イヤじゃなかった。それは監督の人柄もあるのかな?やっぱり面白いね、監督が現場で一番面白い存在だっていうのは(笑)」。吹越さんから見た園監督というのは…?「作品の感じから、何となくどういう人か分かる気がするでしょ?でも、結構きちんとしてる。作品からすると意外なくらいね(笑)。酒癖が悪いってのは本当で(笑)、でもそれを認識してるから、ちゃんとお酒を飲まない時間を作って…ってそりゃそうか、大人だし(苦笑)。で、何より監督本人が言うのが『役者のお芝居を撮りたい』ということ。美術も照明も音もカメラもアングルももちろん必要で大切なんだけど、一番大切なのは役者の芝居だと謳ってる。だから、ずっと大切に“見られていた”という感覚はありますよ」。一見、人のよさそうな同業者の村田(でんでん)の恐るべき“裏”の顔を目の当たりにしつつも、抗うことすらできずに絶望へと引きずり込まれていく社本。この2人の関係を吹越さんはこう語る。「村田はものすごい悪だけど、いま考えると社本にも裏があって、『みんなによく思われたい』とか『責任を負いたくない』とか考えて、何とか取り繕うとしてもそれが全部悪い方向に行っちゃう。そういう人間だからこそ、村田は社本のことを狙ってたのかな、というのが僕の解釈。分かりやすい悪人が村田なら、社本は問題になる人間ですね。村田を見ながら僕も『そっちの方が良いなぁ』って思ってましたもん。『お前が考えてる地球はツルっとした丸い石だろう?おれが考えてるのはゴツゴツした岩だ』なんてセリフとしてかっこいいしね(笑)。やってることはひどいけど、すごい人間だなぁって」。「この映画に出て思ったのは“作りモノなめんなよ!”ってこと(笑)」まさに、吹越さんが引用したセリフではないが、破滅への一本道をスルスルと堕ちつつも、要所要所でグサリと突き刺さる何か――単に猟奇殺人事件を映画化したのではない、あえて言うなら“異物感”をこの映画の物語は感じさせる。「観てる側が『こう進む』と思ってるところをカクっと外して、また『こうかな?』と思うとカクっ、カクって全部外していく。それは裏を返せば実は、全部あっているということなんですね。昔、知り合いでビートルズの曲を聴いて、ジョンが歌ってるのか、ポールなのかが分かるっていうヤツがいて。試しにこれはジョン、これはポールってやってみたら、全部外れてた、ということがあったんだけど(笑)。それは、全部聞き分けてたってことなんだよね。それと同じで、園さんは全部“ちゃんと”外してるんですよ。それがエンターテイメントだな、と思います。“事実は小説より奇なり”って言うけど、逆にこの映画に出て思ったのは“作りモノなめんなよ!”ってこと(笑)」。そこで“絶妙”という言葉しか思い当たらない演技を見せている吹越さんもやはり、エンターテイナーだろう。もうすぐ46歳。不惑の40代も半ばを過ぎて、自らをどのように見つめているのか。その言葉は興味深い。「(観客が自分を)ダメというよりは良いと思ってくれているのかなぁ…でも、それを真に受けて自信を持ってよいものかなぁ…?という感じでしょうか(笑)。『俺、良い演技したよね』って言ってもいいかな…と思わなくもないような…と言うのは冗談ですが(笑)。ひとつ、自分で思っているのは『俳優になりたい』ということ。俳優になりたいんですよ、僕(笑)。そのためにこうやって映画やTVや舞台で仕事してるのかな。“良い俳優になりたい”というのでも“俳優を続けたい”でもなくて、あくまでも俳優になりたい。いつなれるのか分からないけれど、このままこうして続けていればなれるのかな…と思って仕事してます。その俳優になりたいって気持ちがなくなったら終わりですよ」。そう言って笑うこの男は“いま”一体何者なのか?もしかしたら、この映画を観たらもっとそんな謎が深くなるかもしれない――。■関連作品:冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU■関連記事:三池崇史×園子温×吹越満がほろ酔い&タバコ片手に過激発言で映画界をメッタ斬り!鬼才・園子温監督最新作『冷たい熱帯魚』試写会に25組50名様ご招待満島ひかり主演の未公開作も上映!園子温監督作品の特集上映開催決定
2011年01月21日映画監督の三池崇史と園子温、俳優の吹越満によるトークイベントが1月20日(木)、東京・港区の東京ミッドタウン内の「ビルボードライブ東京」で行われ、園監督を中心に、3人は過激なトークを繰り広げ会場は大きな盛り上がりを見せた。「三池崇史presents大人だけの空間」と称したトークショー付きの試写会企画の第2弾で、この日は吹越さん主演の園監督最新作『冷たい熱帯魚』の上映を実施。上映前のトークイベントに登場した時点で3人、特に三池監督と園監督はすでにほろ酔い気味!三池監督は『冷たい熱帯魚』を「ここ何年かにおける驚くべき傑作」と絶賛する。一方で「僕と園さんの映画との関わり方は全く違う。僕はいろいろやりつつも、いまは健全な家族で楽しめる作品作ってる(笑)」と自身の健全さをアピールして園監督との違いを強調!「園子温が暴れ回った後を付いていく。(園監督が)僕らの作れる映画の幅をどこまで広げてくれるのか」と続けると、これに園監督が「逆ですよ!三池崇史が森を伐った後を、僕らはスポーツカーで走るつもりなので心外です」と反論し、会場は笑いに包まれた。映画は、90年代に実際に起きた「愛犬家殺人事件」を基にしているが、園監督は「“事実は小説より奇なり”と言うけど、事実は起承転結の“結”がダラダラしたりする。だから“転”から“結”の部分をフィクションにした」と熱弁。勢いあまって「そこで吹越さんが…」と核心を語りそうになり、慌てて吹越さんが「まだ(観客は)観る前ですから!」と止めに入る一幕も。さらに、酒とタバコがトーク中も“注入”されていく中で、発言内容はどんどん過激に。三池監督は、自身の監督作で今年公開となる『忍たま乱太郎』の話題でも自虐的な発言を交えながら会場の笑いを誘う。園監督も負けじと(?)、現役の映画監督や公開中の作品の名を挙げて「消えてなくなれ!」などと毒を吐き続けた。吹越さんが慌てて「普段はこういう人じゃないです!」と再び“火消し”に走るも、2人はどこ吹く風。「いまの映画監督なんて全員ダメでしょ?」(園監督)などとさらに過激な方向に…。吹越さんは「ほかの作品や監督のことは置いといて…」と苦笑しつつ、「『冷たい熱帯魚』のオファーは本当に、本当に嬉しかった」と充実した表情を見せる。ちなみに園監督が吹越さんに主演を依頼した経緯はというと「喫茶店で話してたら吹越さんが入ってきたので『(スケジュール)空いてる?』って(笑)。そのいいかげんさが良いものを呼ぶと信じてる」と力強く語り、三池監督も頷いた。さらに園監督は「血まみれになりながら書いた」など、こちらも過激な製作の過程を暴露。三池監督は「映画は狂人が作るべきものなんですよ!例えば、勝新太郎がいまの時代に二十歳で生きてたとしても、映画関係者は誰も見向きもしない。そんな状況になってしまった。そんな中で園子温は勝手なことして生きてる」と三池流のエールを送り、観客の喝采を浴びていた。ちなみに、ここまで過激な方向で息のピッタリ合ったやり取りを見せた三池監督と園監督だが、今夜が初対面だという…。『冷たい熱帯魚』は1月29日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開。■関連作品:冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU■関連記事:鬼才・園子温監督最新作『冷たい熱帯魚』試写会に25組50名様ご招待満島ひかり主演の未公開作も上映!園子温監督作品の特集上映開催決定
2011年01月20日新作を発表するたびに衝撃と共に観る者に強いメッセージを投げかける園子温監督。最新作『冷たい熱帯魚』は来年1月末の全国公開を前に、すでにヨーロッパ10か国での公開も決定するなど海外でも高い評価を受けている。本作の公開を記念し、“園子温 むきだし特集”と銘打って園監督作品を一挙に上映するイベントが開催されることが決定した。ヴェネチア国際映画祭、トロント映画祭などで上映され、驚愕を持って受け止められた『冷たい熱帯魚』は、吹越満演じる主人公が、娘の万引きをきっかけにズルズルと破滅への道に引きずりこまれていく様子を過激に描いた作品。あの鬼才・三池崇史監督をして、「人生をリセットしたい人に次の句を贈ろう。『園子温ああ園子温園子温』。観て、震えて、透明にされちゃう前にやり直そう。ついでに日本映画もやり直そう。この映画は傑作です」と言わしめた問題作。その公開を前に、「園子温の世界にダイブせよ!」との触れ込みで過激な特集上映の実施が決定!監督、脚本、編集から主演まで全てを自らこなし、ぴあフィルムフェスティバルで入賞を果たした1985年の『俺は園子温だ!』から、写真家の荒木経惟、舞踏家の麿赤児、ファンションデザイナーの荒川眞一郎という3人の表現者が出演した『うつしみ』、吹石一恵を主演に迎えた『紀子の食卓』、237分という長大な物語、西嶋隆弘(AAA)、満島ひかりといった若き才能のきらめきが注目を集めた『愛のむきだし』など計12本が上映される。中でも注目は『Make the Last Wish』。先述の満島さんが主演で2008年に制作された作品だが、劇場では公開されていないため今回がスクリーンで初上映となる。栗山千明(『エクステ』 )、オダギリジョー(『HAZARD ハザード』)ら園監督との出会いで新たな一面を引き出された俳優陣も、もちろん要チェック!特集上映「園子温 むきだし特集」は来年1月8日(土)から21日(金)までヒューマントラストシネマ渋谷にて開催。『冷たい熱帯魚』は1月29日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。※特集上映の詳細はヒューマントラストシネマ渋谷の特設ページ()にて。■関連作品:冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU
2010年12月22日子どもたちから熱い支持を集める人気のシリーズを加藤清史郎を主演に迎えて実写映画化する映画『実写版 忍たま乱太郎』の特報映像が公開され、メガネに忍者姿の乱太郎に扮した清史郎くんが登場している。その他画像『実写版 忍たま乱太郎』は、忍術学園に通う少年・乱太郎(加藤)が、教師・山田伝蔵(寺島進)らの指導を受けながら仲間たちと修行を積み、エリート忍者を目指す姿を描く。このたび公開された特報では、冒頭に「この人は誰でしょう?」という問題と、“メガネをかけた少年です”、“不思議な術を使います”、“ある学校に通っています”という3つのヒントが出され、観客の多くが「ああ、ハリー…」と思いかけたところで、忍者姿の乱太郎が登場するというもの。この映像は現在公開中の映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 Part1』を上映中の劇場(一部をのぞく)で上映されており、忍たま乱太郎のファン、ハリー・ポッターのファンの両方から注目を集めそうだ。本作は、『ヤッターマン』『妖怪大戦争』の三池崇史が監督を、3月公開のアニメ映画『忍たま乱太郎忍術学園全員出動!の段』も手がける浦沢義雄が脚本を務め、2011年夏に公開される。『実写版 忍たま乱太郎』2011年夏公開
2010年11月22日映画『十三人の刺客』の初日舞台挨拶が9月25日(土)、東京・有楽町のTOHOシネマズ日劇2で行われ、主演の役所広司をはじめ、共演の市村正親、山田孝之ら男性キャスト12人と三池崇史監督の計13人が顔を揃えた。江戸末期、暴君として悪名高い将軍の弟で明石藩主・松平斉韶(なりつぐ/稲垣吾郎)の暗殺の命を幕府より受けた刺客十三人の死闘を描く時代劇。1963年公開の同名時代劇(工藤栄一監督)の再構築版。十三人のリーダー、島田新左衛門を演じた役所さんは「血まみれ泥まみれになってがんばりました」と清々しい表情。島田の好敵手、明石藩御用人・鬼頭を演じた市村さんは「早く妻(篠原涼子)と一緒に劇場に観に来たい。きっと興奮して惚れ直してくれると思う」とプライベートネタを交えて軽妙にPR。会場の笑いを誘った。オリジナル版を上回る、クライマックスの約50分もの殺陣シーンが話題で、刺客の一人を演じた波岡一喜が「小っちゃい子にも勧めてください」。隣りの高岡蒼甫は「いやいや」と首を振ったが、波岡さんは「いや大丈夫だって」と妙な自信を見せた。同じ刺客の一人で出席者13人中、一番若手の窪田正孝が、緊張からか「この映画がいい踏み台に…?いや、いい経験になりました」と言い間違えて、役所さんのほか松方弘樹、伊原剛志、沢村一樹ら共演陣は爆笑。役所さんは「僕ら13人は窪田くんの踏み台になりました」とさらに観客を笑わせた。『十三人の刺客』は全国東宝系にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会■関連記事:山田孝之女性の悩み相談に燃える!「メラメラでした」岡ちゃん“サムライシネマ”応援団長就任「まさかこんな風になっちゃうとは」金獅子賞はソフィア・コッポラ作品!“元カレ”タランティーノ感激?日本勢は無冠『十三人の刺客』にスタンディングオベーション7分!金獅子に三池監督手応えアリ?三池崇史監督、SMAP稲垣の“悪役”起用を説明
2010年09月25日映画『十三人の刺客』の女子限定試写会が9月20日(月)、東京・丸の内の丸ビルで行われ、主演の役所広司、共演の山田孝之が来場したOLや女子大生の悩みに答えた。江戸末期、将軍の弟で明石藩主の暴君、松平斉韶を討つ幕府の密命を負った総勢13人の刺客たちの死闘を描く物語。内容にちなみ、この日は観客の悩みを“一刀両断する”として、来場した約300人から就職活動や将来についてなどの相談に回答する趣向。最初の女子大生は「面接で緊張してしまうが…」と相談。山田さんは「僕も、とんでもない数のオーディションに落ちてきていますからね。方法なんてないですよ、巡り合わせですから」と頭を掻きつつ「僕は(オーディションで)自分らしく、を大切にしています。ハキハキ、ニコニコっていうのも大切かもしれませんが、自分はそういうタイプじゃないし、もしそれで受かっても何も発揮できない。自分のできることをPRして、できないことはできない、という」と経験談を披露。続いて、現在24歳で恋をしたことがない“干物女”ですが…というOLが登場すると、役所さんが「恋については山田くんがものすごい上手ですから。恋愛の達人から」と軽妙に前振り。山田さんは「悪いことじゃないし、30歳まで6年、まだまだじゃないですか。好きになる素敵な人と会うはずですよ」と激励。役所さんも「男女問わず積極的に関わっていくことが大切じゃないですかね、そこから何か生まれるかもしれません」と人生の先輩らしいアドバイスを話した。最後に夢って叶う?と尋ねる女性には、役所さんが「叶うことより、あきらめず追い続ける、やり続けることが人生楽しいんじゃないですかね?僕も山田くんも仕事がなかったらただの失業者で仕事があるからやっている。でも夢は叶っていない」。山田さんも「遠くてもやっていけば辿りつきますよ」と揃って継続のススメを説いた計5人からの相談を終え、役所さんは「これだけ女性がいると、山田くん、俄然燃えますね。普段の試写会ではこんなにしゃべらないですよ」と感心。山田さんは「もうメラメラでした」と楽しんだ様子だった。『十三人の刺客』は9月25日(土)より全国東宝系にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会■関連記事:岡ちゃん“サムライシネマ”応援団長就任「まさかこんな風になっちゃうとは」金獅子賞はソフィア・コッポラ作品!“元カレ”タランティーノ感激?日本勢は無冠『十三人の刺客』にスタンディングオベーション7分!金獅子に三池監督手応えアリ?三池崇史監督、SMAP稲垣の“悪役”起用を説明シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第6回)ちょんまげが似合う“まげメン”俳優といえば?
2010年09月20日今年の後半、時代劇映画の公開を控える映画会社5社がタッグを組んだ「サムライ・シネマ キャンペーン」のキックオフセレモニーが9月17日(金)、東京・中央区の時事通信ホールで行われ、応援団長を務めるサッカー日本代表前監督の岡田武史氏、同キャンペーン参加の時代劇5本の主要キャスト、役所広司、大沢たかお、堺雅人、仲間由紀恵、岡田将生、蒼井優らが出席した。業界初の試みで、『十三人の刺客』、『雷桜』を配給する東宝、『桜田門外ノ変』の東映、『最後の忠臣蔵』のワーナーエンタテインメントジャパン、『武士の家計簿』を共同配給する松竹、アスミック・エースエンタテインメントが参加。5社の社長が気合の羽織はかま姿で勢揃いし、東映の岡田裕介社長は「僕らは期待感というより、危機感で集まった。何とか2本は当てたい。本当は5本全て当てたいけど」と本音交じり(?)の軽妙な挨拶で会場の笑いを誘った。今年6月〜7月のサッカーワールドカップ南アフリカ大会で日本代表をベスト16に導いたサムライスピリッツ溢れる采配ぶりを買われ、応援団長に抜擢された岡田さんも羽織はかま姿で「まさかこんな風になっちゃうとは思いませんでした」とおどけ口調。それでも「サッカーでも11人、いい選手を揃えればいい、ということではなく全体を考えないといけない。そういう意味で各社が自分たちの会社の良い悪いを超えて業界全体を考えることは、素晴らしい」とキャンペーンの主旨に熱く共鳴。『十三人の刺客』、『最後の忠臣蔵』に参加している役所さんから「ワールドカップでは夢と感動をありがとうございました。この応援団長のために、代表監督を降りられたんですね」とジョークで歓迎されると、嬉しそうな笑顔を浮かべた。岡田氏の応援団長としての初仕事は、キャンペーン参加5本の作品批評。「僕も批評家にいろいろ言われて、よく思わなかったのに…」とボヤきながらも、元々、時代小説、時代劇好きでもあると言い、それぞれの感想・意見を真摯に、そして時折冗談交じりに述べた。先日まで開催されていたヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門にも出品された話題作『十三人の刺客』には「最後の戦いのシーン、物凄いですね。翌日、筋肉痛になっちゃった。少数で200人を倒すには、やっぱりいろいろ工夫するんですね。勉強になりました」。『桜田門外ノ変』については「こういう人たちがいて、世の中を変えていくんだな」としみじみ。同作主演の大沢さんは「思ってほしいことを言っていただいた。彼らがコトを起こそうとした意味、思いを描いているので、そういうメッセージが伝われば」と喜んだ。『雷桜』には「いろんなしがらみに生きている主君(岡田将生)が、雷(蒼井さん)の前では純粋になるところがいいねぇ!いまに通じる感じがする」と感動した様子だった。一方、質疑応答でサムライとは?の質問が。岡田氏は「プライド、アイデンティティです。こういう時代劇映画を見るとアイデンティティを震わされる」と厳めしい表情。『武士の家計簿』主演の堺さんは「存在しないはずなのに無理くり作った、ちょっと無理めの身分階級」と飄々とした口調で独自の解釈。『雷桜』で時代劇に初挑戦した蒼井さんは「あまり深く考えたことがないのでちょっと答えが見つかりません。これから時代劇を観て勉強したい」と淡々と話していた。同キャンペーンは、今月18日(土)から来年1月末日まで。期間中、岡田氏は5本のパブリシティに何らかの形で参加する予定で調整中。ほかに全国377の劇場で、参加作の半券を応募券にして10万円の旅行ギフト券などが当たるプレゼントキャンペーンなどを展開する。サムライ・シネマ キャンペーン(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:最後の忠臣蔵 2010年12月18日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010「最後の忠臣蔵」製作委員会 武士の家計簿 2010年12月4日より全国にて公開copy; 2010「武士の家計簿」製作委員会雷桜 2010年10月22日より全国東宝系にて公開© 2010「雷桜」製作委員会 桜田門外ノ変 2010年10月16日より全国にて公開© 2010「桜田門外ノ変」製作委員会十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会■関連記事:金獅子賞はソフィア・コッポラ作品!“元カレ”タランティーノ感激?日本勢は無冠『十三人の刺客』にスタンディングオベーション7分!金獅子に三池監督手応えアリ?三池崇史監督、SMAP稲垣の“悪役”起用を説明蒼井優“許されない恋”の理由は「好きな人に聞きます」シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第6回)ちょんまげが似合う“まげメン”俳優といえば?
2010年09月17日第67回ヴェネチア国際映画祭は、11日夜、(現地時間)作品賞にあたる金獅子賞にソフィア・コッポラ監督の『SOMEWHERE』(原題)を選んで閉幕した。授賞式後の会見で、父フランシス・F・コッポラ監督に報告をしたかと聞かれたソフィアは「すぐに両親に電話をしたら、とても感激していたわ。イタリア系である私たちにとって、イタリアの映画祭で賞をもらうことは、特別なこと」と語った。ソフィアの名前を呼ぶ際、審査委員長であるクエンティン・タランティーノが、「この人にこの賞を贈ることが出来るなんて…」と言いながら涙ぐむそぶりを見せるなど、あまりに芝居がかっていたため、一部のプレスからは失笑が出ていたが、作品自体は本命の1本で、納得の受賞となった。ちなみにタランティーノにとってソフィアは元恋人。現在は仲の良い友人だという2人はステージで、抱き合って喜びを分かち合った。会見で、ドイツ人記者から「あなたはアジア映画のファンだが、アジア映画が1本も受賞していないのははなぜか?」と聞かれたタランティーノは、「実際、審査員はみんな三池の作品(『十三人の刺客』)を気に入っていた。しかし、どうしても賞をあげられない場合もある」と答えた。また、男優賞は『ESSENTIAL KILLING』(原題)でタリバンの兵士を一言も発さずに演じきったヴィンセント・ギャロが受賞。しかしギャロはヴェネチア入りしていたものの、自身の監督作の会見やレッドカーペットもキャンセルするなど、最後まで公の場に姿を見せることはなく、相変わらずの変わり者ぶりだった。<主な受賞結果>金獅子賞(作品賞):『SOMEWHERE』(ソフィア・コッポラ監督)銀獅子賞(監督賞):アレックス・ド・ラ・イグレシア(『BALADA TRISTE DE TROMPETA』)脚本賞:『BALADA TRISTE DE TROMPETA』(イエジー・スコモリフスキー)審査員特別賞:『ESSENTIAL KILLING』(イエジー・スコモリフスキー監督)男優賞:ヴィンセント・ギャロ(『ESSENTIAL KILLING』)女優賞:アリアーヌ・ラベッド『ATTEMBERG』マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞):ミラ・クニス (『ブラック・スワン』)(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会ブラック・スワン (仮題) 2011年春、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2010 Twentieth Century Fox.SOMEWHERE (原題) 2011年4月2日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2010 - Somewhere LLC 第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:清水崇がウサギの被り物でヴェネチア参上!3D映画部門は『アバター』&『ヒック』『十三人の刺客』にスタンディングオベーション7分!金獅子に三池監督手応えアリ?村上春樹原作『神の子どもたちはみな踊る』ポスタービジュアル解禁!菊地凛子インタビュー天衣無縫の旅人――「やっぱり直感なんですよね」三池崇史監督、SMAP稲垣の“悪役”起用を説明
2010年09月12日開催中のヴェネチア国際映画祭において、昨年に続いて2度目の試みとなる「3D映画部門」のグランプリ発表に、この部門の審査委員長を務める清水崇監督が登場!つい2日前にクランクアップしたばかりの新作3Dホラー『ラビット・ホラー3D』の一部が会場で上映され、喝采を浴びた。昨年の映画祭では、新設されたこの部門のプレゼンターを務めた清水監督だが、今年は審査委員長に就任。映画祭エグゼクティブ・ディレクターのマルコ・ミューラーの紹介を受けて威厳たっぷりに登場!…と思いきや、清水監督は新作に登場するウサギの被り物を着けたまま姿を現し、これには現地の観客は大喜び!フッテージ上映された『ラビット・ホラー3D』は、いまだスタッフさえも観ていないというもので、正真正銘に“世界初上映”。世界的な撮影監督クリストファー・ドイルをスタッフに迎え、満島ひかり、香川照之、大森南朋といった実力派キャストで描く3Dホラーで、夜な夜な現れる不気味なウサギの着ぐるみと退治する姉弟の姿を描いている。まだVFXなどが全く施されていないながらも、スリルに満ちあふれた映像に、客席からは拍手がわき起こった。そして、「3D映画部門」の発表。15本のノミネート作品の中から清水監督をはじめとする審査員たちが選んだのは『アバター』と『ヒックとドラゴン』の2本。異例の2作同時受賞について清水監督は「全く違う視点で作られているのが面白い」と説明。さらに3D映画の今後について「数年前までは自分も3Dにさほど興味があったわけではなかった。だが、実際に自分で作ってみて、考えを改めた。しかもそんな新しい分野をこの世界で最も歴史ある映画祭がいち早く取り上げたこと、それ自体が映画の可能性を示している。3Dというといまだにどうしても『こけおどしの子供向け』というイメージが強いが、それが変わってほしいと思う。今後もクリエイターとして、技術に操られるのではなく、技術を使って素晴らしい映画を作って行かなければという気にさせられた」と決意と共にその可能性の広がりを訴えた。ちなみに、会場にはホラー映画巨匠ダリオ・アルジェントも姿を見せ、清水監督と握手を交わした。『ラビット・ホラー3D』の日本公開は2011年を予定。■関連作品:ヒックとドラゴン 2010年8月7日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved. アバター 2009年12月23日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2009 Twentieth Century Fox. All rights reservedラビット・ホラー3D 2011年公開予定第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:『十三人の刺客』にスタンディングオベーション7分!金獅子に三池監督手応えアリ?三池崇史監督、SMAP稲垣の“悪役”起用を説明『ラビット・ホラー3D』撮影終了!「怖いのは苦手」な満島ひかり、リアル恐怖体現劇中では赤ジャージのカトリーヌ・ドヌーヴ、華麗なドレスでヴェネチア降臨清水崇が満島ひかり×香川照之×大森南朋で3Dホラー再挑戦!ヴェネチアで一部を上映
2010年09月11日第67回ヴェネチア国際映画祭にて現地時間9月9日夜、三池崇史監督の『十三人の刺客』の公式上映が開催され、大きな盛り上がりを見せた。昼の公式会見に続いて、三池監督に主演の役所広司、山田孝之、そすてプロデューサーのジェレミー・トーマスが出席。海外、特にイタリアではかなりの人気を誇る三池作品とあって、メディアおよび現地のファンが会場に殺到した。本映画祭において、本作に加えて『ゼブラーマン』、『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』の計3本が上映されるという極めて異例の上映スタイルがとられた。特に本作に関しては本格時代劇ということで関心が高く、一般チケットは発売と同時に完売という人気ぶり。会場には、今年の審査委員長であるクエンティン・タランティーノも来場し、上映を待つ観客と共に立ち上がってキャスト・スタッフ陣を迎えた。上映中は、これぞ三池作品!とも言うべき激しい殺陣に何度も拍手がどよめきが起こり、上映後には7分におよぶスタンディングオベーションが!上映後の取材で三池監督は「何度かヴェネチアには来ているが、終わってこれほどお客さんが楽しんでくれたという感触があったのは初めて。日本映画を楽しみに来ているお客さんに応援してもらっている気がした。お客さんに楽しんでもらえたのでスタッフ・キャストのみんなにも許してもらえるかなと」と手応えを語った。また、親しい間柄であり、三池監督作でヴェネチアにも出品された『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』に出演までしているタランティーノが審査委員長を務めていることについては「ちょっと気まずいですよね。彼は映画を観ることにかけては世界最高の観客の一人なので、自分が楽しんだかどうかが選考の基準になるのでは」と語った。役所さんは「お客さんが楽しんでいるのが伝わってきたし、上映後には温かい拍手もいただいて感動しました。反応の良い客席を見て、子供の頃、映画館で大人たちと拍手をしながら映画を観ていたのを思い出しました」と感慨深げ。山田さんは「(上映を観るのは)今回が3回目なんですが、海外のお客さんには下手なのがバレていないかなと安心しています(笑)。またヴェネチアに来られるように頑張ります」とコメント。授賞式は現地時間11日。どのような審判が下されるのか?『十三人の刺客』の日本での公開は9月25日(土)より全国東宝系にて。■関連作品:ゼブラーマンゼブラシティの逆襲 2010年5月1日より全国にて公開© 2010「ゼブラーマン2 ゼブラシティの逆襲」製作委員会第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会■関連記事:清水崇がウサギの被り物でヴェネチア参上!3D映画部門は『アバター』&『ヒック』三池崇史監督、SMAP稲垣の“悪役”起用を説明劇中では赤ジャージのカトリーヌ・ドヌーヴ、華麗なドレスでヴェネチア降臨清水崇が満島ひかり×香川照之×大森南朋で3Dホラー再挑戦!ヴェネチアで一部を上映『ノルウェイの森』に強敵出現ソフィア・コッポラ新作に喝采!現地紙は最高点
2010年09月11日ヴェネチア国際映画祭9日目となる9月9日午後(現地時間)、金獅子賞を争うコンペティション部門に三池崇史監督の『十三人の刺客』がついに登場。公式上映に先立ち、記者会見が行われ、三池監督、役所広司、山田孝之、プロデューサーのジェレミー・トーマスが出席し、各国の記者から盛んに質問が飛んだ。日本の芸能界に詳しい台湾の記者からは、「優しいイメージのあるSMAPの稲垣吾郎さんに、悪役を演じさせたのはなぜですか?」という質問が。三池監督はまず欧米の記者たちに対し「殿を演じた稲垣吾郎さんは、日本ではアイドルなんです。日本ではアイドルは悪い役は普通やらないものなので、(台湾の記者は)まさかと思ったのでしょう」と説明。続けて「稲垣さんは10年以上もNo.1として君臨しているSMAPの中で、特殊な存在なんです。トップでもないし、けれど重要な位置を占めている。とても屈折した魅力の持ち主なので、この役にぴったりだった。映画では彼の存在感そのものが、活かされていると思います」と語った。また、刺客たちを率いる侍を演じた役所さんは、イタリアの記者から役作りについて聞かれ、「(自分をのぞく)12人が命を預けられるリーダーになることが、今回のテーマでした」と語った。会見前に行われたプレス試写も大好評で、受賞に期待がかかる。ある中国の記者は「最高にクール!傑作だと思う」と興奮気味に語った。クエンティン・タランティーノ、ギジェルモ・アリアガら審査員団が、果たして同じ反応を示すか?11日夜(現地時間)の結果発表が楽しみだ。(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:劇中では赤ジャージのカトリーヌ・ドヌーヴ、華麗なドレスでヴェネチア降臨清水崇が満島ひかり×香川照之×大森南朋で3Dホラー再挑戦!ヴェネチアで一部を上映『ノルウェイの森』に強敵出現ソフィア・コッポラ新作に喝采!現地紙は最高点『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!『ノルウェイの森』に質問続出! 凛子、松山ケンイチと「楽屋にこもって話し合った」
2010年09月10日