現在、快調に撮影が進んでいるという、中村倫也主演ドラマ「ハヤブサ消防団」より、大規模な“消防操法大会シーン”に挑んだ写真が公開された。池井戸潤の小説をドラマ化する本作は、スランプ気味のミステリー作家・三馬太郎(中村さん)が山間の集落“ハヤブサ地区”に移住し、地元の消防団に加入したことを機に、連続放火や住民の不審死など怪事件に次々遭遇していく、不穏な物語。撮影では、中村さんら消防団員役の俳優陣が、現役で活躍している消防車や275人のエキストラを動員し、大規模な消防操法大会シーンに挑戦。消防操法大会は、消防団員たちがポンプやホースなどの操作をどれだけ素早く正確に行うことができるか、日ごろの訓練の成果を発表し、競いあう場。第2話では、太郎たちハヤブサ消防団メンバーが、町の消防操法大会に出場。このシーンのために、消防庁をはじめ、消防団関係者が全面協力。消防庁職員や消防団員による指導をクランクイン前から受けたほか、分団長役・宮原郁夫役の橋本じゅんは、休日返上で消防団員の友人に所作を指導してもらったとか。撮影当日も、消防関係者たちが全面的にバックアップ。本物の消防車が集結、100人以上の消防団員がエキストラ出演する、大がかりなロケとなったそう。そして、ハヤブサ消防団メンバーは、練習を重ね、いざ本番へ。一致団結して、放水を披露した。大会シーンの撮影後、中村さんは「クランクイン前にみんなで講習を受けましたが、わからないことだらけでした。でも今回の撮影で、やればやるほど理解度が深まるし、熟練度、スピード感も増していくものだなと改めて実感しました。100人規模の消防団の方々が協力してくださったこともあり、贅沢で躍動感あふれるシーンになったのではないでしょうか!」と達成感に満ちた表情を見せ、太郎の親友・藤本勘介役の満島真之介も「運動会をみんなでやっているような気分になってとてもワクワクしました。気持ちが上がりすぎて、“火消し”なのに心が燃えちゃいました(笑)」と高揚。ハヤブサ消防団部長・山原賢作役の生瀬勝久も「本物の消防団の方々が応援に駆けつけてくださったので、みなさんの前で披露する緊張感がありましたね。消防団の方は僕が競技中のセリフを間違えたらすぐにアドバイスしてくださり、僕らだけでなく、この現場全員でシーンを作っている雰囲気を感じてうれしかった」とエキストラの消防団員たちとの一体感も味わったことを告白。一方、ハヤブサ消防団の活躍を見ていた謎のヒロイン役の川口春奈は「みなさん、カッコよかったです!動きはもちろん、細かいルールがたくさんあって本当に大変だっただろうなと感じました。これからも消防団員のみなさんは大変なシーンが目白押しだと思いますが…ひとまずお疲れさまでした!」と健闘をたたえた。「ハヤブサ消防団」は7月13日より毎週木曜日21時~テレビ朝日にて放送(※初回拡大スペシャル)。(シネマカフェ編集部)
2023年07月11日『食品添加物ほんとうの話』(三輪操著、あさ出版)の著者は、相模女子大学栄養科学部管理栄養学科教授。長らく食品添加物の研究に携わっているという実績の持ち主なので、次のような質問を受けることも多いといいます。「添加物を取るとがんになるってほんとうですか?」「健康によくないのにどうして使い続けるんですか?」「コンビニ弁当は食べないほうがいいんですよね?」しかし、これらの質問はすべて誤解や思い込みによるものなのだとか。そして、偏った情報をそのまま受け入れてしまうことは、巷で危険だといわれている食品以上に危険だといいます。では、家族の食や子どもの食について考えるとき、具体的になにを意識しておくことが大切なのでしょうか?■根拠に基づいて目の前のことを考えようその点について、いちばん身につけてほしいのは「科学的な考え方」だと著者はいいます。科学的な考え方とは、「根拠に基づいて目の前のことを考える」ということ。とはいっても難しいことではありません。なにか問題が起きたとき、判断を迫られたとき、「根拠はなんだろう」と疑ってみるだけでいいということ。こうした考え方を身につけておくと、情報に翻弄されることなく「なにが正しいか」をきちんと自分で判断できるようになるといいます。これは食べものについてだけではなく、すべてのことがらについてもいえそうです。食品添加物にしても、いろんな種類があり、それぞれ働きがあって、消費者にメリットがあるから使われているのだといいます。たとえば、腐ったものや傷んだものを口にして体を壊さないように「保存料」や「防かび剤」が使われます。食べものをおいしく見せるために「着色料」や「香料」が使われています。「うま味調味料」は、料理にうま味を加え、塩分を抑えられるそうです。「甘味料」は、甘さを感じながらもカロリーをぐっと抑えることができるのだといいます。もしもこれらの添加物がなくなってしまったら、現代の食生活は成り立たなくなってしまうかもしれないと著者。「食品添加物はあまり気にしなくていい」というのです。食品のことを考えるときにむしろ気にしていただきたいのは、塩分や糖分、カロリーなどのとりすぎ、そしてアレルギーだといいます。■昔ながらのおばあちゃんの知恵を活かそうお母さんやおばあさんの世代は、食品が腐っているかどうかを見極めるために、自分たちの嗅覚や味覚、視覚をフルに使っていたものです。昨夜つくったお味噌汁の残りがあれば、匂いを嗅いだり、色を見たり、少しだけなめてみて「これはもうダメ」「全然傷んでいない」などと判断したわけです。そんな姿をみた記憶のある方も多いのではないでしょうか?なぜそうしていたかといえば、多少の菌が繁殖しそうな場合でも、十分に加熱すれば菌は死に、体に害を及ぼさないということを経験的に知っていたから。事実、菌の種類にもよるとはいえ、だいたいの菌は一度沸騰させれば死滅するそうです。だからこそ昔は、毎日一度は日を入れて、何日も煮物を食べたりしたわけです。味は落ちるものの、火を通すことで腐敗を遅らせたのです。いわゆる「おばあちゃんの知恵袋」です。■ラベルや数字に頼りすぎないようにしようまた、買いものに行けば、野菜や鮮魚、生肉をしっかりと目で見て、ときには匂いをかいだり、触って弾力を確かめたりして、鮮度を見極めたもの。ところが最近は、鮮度の見極め方が様変わりしたように感じると著者は指摘しています。自分の五感よりも、ラベルや数字を信じる人が多くなってきたということ。だから消費期限や賞味期限が、できるだけ長いものを買うことになる。そして冷蔵庫のなかに期限の過ぎているものを見つけたら、封も開けずに処分してしまう。つくってから時間が経ったものも、「1日経ったから、傷んでいるに違いない」と、匂いもかがずに処分してしまう。でも、それではあまりにも数字に頼りすぎていて、食品に対しての判断が厳しすぎると著者はいいます。著者の研究室にも、たとえば卵の賞味期限を見て、「来週の火曜日が賞味期限だから、その前に実験に使わないと」と心配するような学生が少なからずいるのだといいます。しかし、そういう場合に著者は、「1日くらい過ぎたところで、そんなに変わらないから大丈夫」と使用を促すのだそうです。それに数字やラベルだけに頼ってしまうと、食品ロスもどんどん増えていくことになります。しかし、食品が安全かどうかを確認するため本当に大切なのは、五感を駆使して自分で感じたり、考えたり、判断したりすること。だからこそ、そうした習慣をつけることが大切なのだといいます。*たとえば問題になっている「トランス脂肪酸」についての真実など、本書には知っておきたいさまざまな情報が詰め込まれています。食べものについての客観的な判断能力を磨くためにも、ぜひ読んでおきたい一冊だといえるでしょう。(文/書評家・印南敦史)【参考】※三輪操(2015)『食品添加物ほんとうの話』あさ出版
2016年01月15日