浪曲界において、表情豊かで覇気のある語り口、古典に加え百人一首からジブリ映画やオペラまで様々な題材で新作を作る芸域の広さ、落語・講談・文楽・琵琶・日本舞踊・オペラ・パンソリなど他ジャンルとの舞台や海外公演をこなすアクティブさで、光彩を放つ浪曲師の玉川奈々福。さらに彼女を語る上で欠かせないのが、プロデューサー的な資質だろう。多彩な活動を通じて得た知見や人脈を反映させた彼女の企画は、実に見どころ・聴きどころの多い内容になる。その奈々福が日本の伝統話芸の分野の“惚れるひと”を紹介するあうるすぽっとのシリーズ「奈々福の、惚れるひと。」の第3回が、落語家の五街道雲助と講談師の神田阿久鯉を迎えて開催される。五街道雲助(ごかいどう くもすけ)撮影:橘 蓮二神田阿久鯉(かんだ あぐり)撮影:橘 蓮二五街道雲助は、東京生まれ・東京育ちの“江戸っ子”。その切れ良く味わいのある語り口と情景が目に浮かぶ描写力、三遊亭圓朝ほかの長編落語にも取り組む姿勢などから、「正統派の雄」と称される。2016年には紫綬褒章を受章した名人だ。奈々福は「雲助師匠の高座をぜひ生で聴いてください。とろけますよ」と推す。一方、神田阿久鯉は1996年に三代目神田松鯉に入門し、現在、弟弟子の神田伯山の姉弟子と共に講談界を牽引する実力派だ。女性であることを活かした温かみと男性顔負けの迫力を併せ持つその芸は、奈々福に「阿久鯉先生の規矩正しい素晴らしい高座。女性の芸人さんで私が惚れている方ナンバー1です」と評されている。このふたりの高座に加え、奈々福が数多くの海外公演を一緒にこなしてきた曲師・沢村美舟の三味線で浪曲を披露する。日本にあまたある語り芸の中でも「日本三大大衆話芸」と言われる浪曲と落語と講談は近しく、同種の題材から生まれた演目も多い。と同時に、他にはない特色がそれぞれにある。形式だけで言っても、ひとりで語る落語と講談に対して浪曲は三味線とセットだし、同じひとりでも、講談は釈台と張り扇(おうぎ)で語るが、落語は折に触れて手ぬぐいと扇子を用いながら話す。勿論、話芸そのものも異なっている。「奈々福の、惚れるひと。」は、それらの違いを楽しみ、語り芸の豊かさを満喫できる絶好の機会なのだ。撮影:橘 蓮二『奈々福の、惚れるひと。』出演:五街道雲助神田阿久鯉玉川奈々福(曲師:沢村美舟 )※曲師・沢村豊子が休演の為、沢村美舟が代演となります開催日時:10月7日(水)14:00 / 19:00全2回公演※当日券販売あり会場:あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)文:高橋彩子
2020年10月04日落語中興の祖・三遊亭圓朝ゆかりの「幽霊画展」東京谷中にある全生庵(臨済宗国泰寺派)で、2019年8月1日(木)〜31日 (土)まで、谷中圓朝まつり「幽霊画展」が開催されます。江戶末期から明治にかけて活躍し、「牡丹燈籠」「真景累ケ淵」「死神」など、多くの名作落語を創作した落語中興の祖・三遊亭圓朝は、怪談創作の参考に数多くの幽霊画を収集していました。伝・円山応挙から、柴田是真、伊藤晴雨、河鍋暁斎など、著名な画家たちが描いたさまざまな幽霊たち。現在は、圓朝の墓所がある全生庵でこれらのユニークな幽霊画を所蔵し、毎年8月の1ヶ月間のみ特別公開しているのだとか。左から、伊藤晴雨「怪談乳房榎図」、池田綾岡「皿屋敷」、鰭崎英朋「蚊帳の前の幽霊」。すべて全生庵所蔵。谷中圓朝まつり「幽霊画展」【開催概要】会期:2019年8月1日(木)~2019年8月31日(土)※土日祝祭日も開催開館時間:10:00~17:00(最終入場16:30)拝 観 料 :500円今年は8月3日 (土)に「幽霊の怨返し ― 落語にみる情愛」と題した記念イベントも開催されます。(※定員に達したため、受付終了)「幽霊の怨返し ― 落語にみる情愛」8月3日(土) 16:00 ー 18:00(開場15:30)【ゲスト】【聞き手】雲田はるこ(漫画家)金原亭馬玉(落語家)平井正修(全生庵 七世住職) 昨年NHKでドラマ化された大人気漫画「昭和元禄落語心中」の作者・雲田はるこさんと落語家・金原亭馬玉さんをゲストに迎え、三遊亭圓朝がこれほどまでの幽霊画をコレクションしていた理由や、なぜ落語には幽霊がよく登場するのか、人々が「幽霊」に見た意味と、そこから受け取ることができる「生」への学びを考えるトークセッションです。ほか「谷中圓朝まつり」として、全生庵で多くのイベントが開催されます。■8月11日(日)「圓朝忌」法要/奉納落語/扇子のお焚き上げ「圓朝座」出演:鈴々舎馬桜、古今亭菊之丞■8月17日(土)第三十五回圓朝寄席出演:三遊亭鳳楽、三遊亭好楽、三遊亭圓橘■8月24日(土)実話怪談師が語る「掛け合い噺『死神』」出演:牛抱せん夏、上間月貴詳細は、特設ウェブサイトよりぜひこの貴重な機会に谷中に足を運んでみては?幽霊画展で暑い夏を涼しく乗り切りましょう!全生庵(東京都台東区谷中5丁目4−7)山岡鉄舟居士が明治維新の際に国事に殉じた人々の菩提を弔うため、明治十六年に建立。居士との縁で落語家・初代三遊亭圓朝の墓所があり、圓朝遣愛の幽霊画五十幅が所蔵されている。アクセス◯JR・京成電鉄「日暮里駅」より徒歩約10分◯東京メトロ千代田線「千駄木駅」(団子坂下出口)より徒歩約5分主催:臨済宗国泰寺派 全生庵企画・運営:有限会社エピファニーワークスお問合せ:info@epiphanyworks.net
2019年06月28日「幽霊画展」が、東京・谷中の寺院「全生庵」にて、2019年8月1日(木)から8月31日(土)までの期間で開催される。毎年開催されている「幽霊画展」では、「全生庵」の境内に墓所がある落語中興の祖・三遊亭圓朝が、怪談創作の参考に収集してきた数多くの幽霊画を展示。普段「全生庵」に非公開で所蔵されている作品を公開する、1年に1度の貴重な機会となる。展示作品は、伝・円山応挙とされる『幽霊図』や、伊藤晴雨の『怪談乳房榎図』のほか、柴田是真、河鍋暁斎ら著名な画家たちが描いた“幽霊画”。江戸時代や近代の絵師たちのユニークな世界観を感じることが出来る。また、2019年はNHKでドラマ化された漫画『昭和元禄落語心中』の作者・雲田はるこ、落語家・金原亭馬玉をゲストに招いたトークセッションなどのイベントも実施。三遊亭圓朝が幽霊画をコレクションしていた理由や、なぜ落語には幽霊がよく登場するのか、といったことを通して、人々が“幽霊”に見た意味と、そこから受け取れる「生」への学びを考える。【詳細】幽霊画展開催期間:2019年8月1日(木)~8月31日(土)開催時間:10:00~17:00(最終入場16:30)会場:全生庵住所:東京都台東区谷中5-4-7拝観料:500円■開催記念イベント「幽霊の怨返し-落語にみる情愛」開催日:8月3日(土)開催時間:16:00~18:00(開場15:30)参加費:3,000円(拝観料込)定員:100名(事前申込制)プログラム:住職による幽霊画展解説、ゲストと住職によるトークセッション、金原亭馬玉による怪談落語「死神」※申し込みは7月19日(金)締め切り。※申し込みは「幽霊画展」特設ウェブサイトより可能。
2019年06月23日豊原功補が、落語を原案に企画・脚本・演出を手がける『後家安とその妹』が、5月25日に東京・紀伊國屋ホールにて開幕した。【チケット情報はこちら】本作は2017年に上演された『名人長二』に続く、落語と演劇を融合させた“芝居噺”シリーズの第2弾。今回は三遊亭圓朝の「鶴殺疾刃庖刀(つるごろしねたばのほうちょう)」と、古今亭志ん生「後家安とその妹」を下敷きに、御家人崩れで放蕩の限りを尽くすならず者の兄・後家安(毎熊克哉)と、大名に見初められ側室となる妹・お藤(芋生悠)のふたりに翻弄される人々の運命が描かれる。“芝居噺”にふさわしく、舞台は前座の一席からスタート。後家安の昔なじみ・福蔵役の森岡龍が昨今の芸能ニュースを題材にした創作落語を披露し、客席を沸かせたのも束の間、次の高座には豊原の姿が。改元されたばかりの令和から年号を遡る“まくら”とともに志ん生の原案冒頭を演じてみせ、弘化・嘉永年間(1844~1850年)の上方に設定された作品世界へ観客をいざなう。憂いを帯びた目元でにらみを利かせる毎熊、艶っぽい流し目で背後を見返る芋生のふたりが映し出された公演フライヤーのように、御家人の身分を追われた恨みを抱いて成長した兄妹は劇中でも危険な色香を振りまきながら悪行を重ねる。とはいえ、時折チャーミングな表情を覗かせることがあり、心の底から憎めない。毎熊は、福蔵の妻・お染(広山詞葉)を手込めにした挙げ句、一緒に出奔するも吉原に売り飛ばす……といった鬼畜ぶりをてらいなくまっすぐに造形。終盤には切れ味鋭い殺陣も披露している。対する芋生は、嫁ぎ先の賢君・東城左近大夫氏勝(古山憲太郎)に讒言を繰り返して側室を放逐するなど数々の狼藉で城を傾かせるお藤を貫禄たっぷりに演じた。極悪非道な兄妹の振る舞いを受けて立つキャスト一同の、堂に入った存在感にも注目だ。このほか、豊原の奏でるギターをバックに後家安・お藤・福蔵・お染の4人が歌声を響かせるシーンや、上下する障子や色鮮やかな照明で大名屋敷や遊郭といった劇空間を実現する木製の美術も要チェック。圓朝&志ん生の噺から飛び出してきたような残忍な兄妹と、彼らに関わった人々の悲劇を立ち上げた豊原の演出手腕も見届けてほしい。公演は6月4日(火)まで。取材・文:岡山朋代
2019年05月27日2016年本多劇場にて演出小泉今日子、主演安田顕で「日の本一の大悪党」の初公演を行った明後日プロデュース。その第2弾公演が芝居噺『名人長二』だ。豊原功補が自ら企画と脚本、演出、主演の4役を初めて担当する話題作。江戸・明治期の落語家、三遊亭圓朝が落語速記(口演を速記で記録したもの)としてまとめた本作を、舞台上にどうよみがえらせるのか。豊原に聞いた。芝居噺『名人長二』チケット情報モーパッサンの短編『親殺し』を下敷きに、圓朝が翻案・創作した『名人長二』。職人気質の指物師・長二郎が偶然自分の出生を知ったことから運命の渦に飲まれていくさまが、圓朝らしく人情味たっぷりに描かれる。「元々落語は好きで、この作品も大ファンの古今亭志ん生のCDで知ってはいたんです。ただ色々と調べているうちに、圓朝本人も高座に上げておらず、その後の落語家も志ん生のほか数人しか手をつけていない“幻の名作”だというのが分かったんですね。だからこそ、これを芝居にしてみたいという気持ちが強くなりました」と豊原は話す。実は『親殺し』と『名人長二』とは、内容がかなり異なる。国はもちろん、発表された19世紀当時の宗教観の違いもあるのだろう。「ただ、今回の舞台化ではモーパッサンの原作に漂う陰惨さと、江戸の匂いがする円朝の世界観、両方の要素を取り入れようと思っています。そうすることで、時代や国を越えて人々の間にどうしようもなく“残ってしまったもの”、普遍的な人間の姿というか、そういった部分が僕なりに描けるような気がしています」と豊原。「落語の“語り”がもつ気持ち良さは残したかったので、初めての脚本書きは大変でしたね(笑)」としながらも、「長二郎の周りの人物像を膨らませて、その背負っているものを描くことで、ひとつの物語としてまとめていきました」と内容の一端も明かしてくれた。一方、こだわりはキャスティングにも及んでいる。これが初舞台となる森岡龍を始め、モロ師岡に梅沢昌代、花王おさむ、山本亨、高橋惠子ら、演劇・映画ファンにはたまらない顔ぶれが揃った。「俳優って、もっともっと“遊べる”と思うんですよ。落語がそうでしょう。声の出し方やリズム、表情やたたずまいで、いくらでも作品の奥行きが広がってゆく。この演者たちとならそれが出来るし、また、出来るんですよっていうのを観る人に知ってほしくて」と豊原は語る。「なんて、自分でハードルを上げてますけど」と笑いつつ、言葉の端々には本作への思い入れがひしひしと。豊原らの身体を通して現代によみがえる“長二”の世界。ナマの舞台の醍醐味を、存分に味わいたい。*明後日プロデュースとは…小泉今日子が仲間たちと立ち上げたプロジェクト。舞台、映像、音楽、出版など、ジャンルに捉われず企画製作している。舞台は東京・紀伊國屋ホールにて上演中。6月4日(日)まで。取材・文佐藤さくら
2017年05月29日落語家・三遊亭圓朝の長編人情噺を原作にした芝居噺『名人長二』が5月25日に開幕。本作は、小泉今日子が仲間と共に立ち上げたプロジェクト「明後日プロデュース」の第二弾公演。小泉が舞台初演出を手掛けた『日の本一の大悪党』に続く作品で、今作は俳優として活躍する豊原功補が企画・脚本・演出・主演の4役に挑む。その稽古場に潜入した。芝居噺『名人長二』チケット情報『名人長二』は、「死神」などでも知られる三遊亭圓朝による落語速記(口演を文章化したもの)。フランスの小説家ギ・ド・モーパッサンの短編小説「親殺し」をもとに、近所に住んでいたという指物師(箪笥や箱などを作る職人)長二郎をモデルにして新聞連載として発表した。圓朝自ら高座へあげたことはなく、古今亭志ん生ほか数人しか手を付けていないため、落語ファンでも未体験の人が多い演目だ。出演者は、豊原のほか高橋惠子、山本亨、森岡龍、モロ師岡、梅沢昌代、花王おさむ、菊池均也、神農直隆、岩田和浩、牧野莉佳という重厚感のある顔ぶれ。稽古開始前の時間。豊原は舞台上に作られた高座でまくら(本題への導入となる小噺)を練習していた。今の状況を落語風に話してみたりと、豊原の落語愛が伝わってくる。そして始まった稽古。まずは代役を立て、演出家として見ていく豊原。芝居全体はもちろんだが、例えばボケツッコミの間合いのよさ、鼻歌ひとつで伝わる登場人物の性格など、“落語の面白さ”とも言える部分に徹底的にこだわりながら場面をつくりあげていく。そうやってシーンを何度か繰り返した後、豊原が役者として参加。そうすると空気が締まり、シーンがよりクリアに見えたのは印象的だった。また、舞台初出演の森岡のダメ出しにこたえる姿にも真摯さが滲み、本番への期待につながった。落語ならではの短いテンポで変わっていく場面は、大掛かりなセット転換ではなく、シンプルに小さなワゴンの移動や組み合わせで表現される。冒頭で、噺家が語り描く世界がワゴンの移動によってするりと“演劇”に転換された様子に、落語が始まるまさにその瞬間のグッと引き込まれ目の前に世界が広がる感覚を味わえた。そのほかにも、小道具が手ぬぐいと扇子で表現されていたり、三味線の生演奏が入るなど、落語の香りを濃厚に漂わせながら、生身の人間が演じる演劇ならではの広がりを感じさせる本作。稽古を見ていると『名人長二』の面白さを知り、落語でも体験したくなった。落語好きは演劇の、演劇好きは落語の魅力を体感できる作品になりそうだ。公演は6月4日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて。取材・文:中川實穗
2017年05月26日夏の風物詩といえば怪談。そこで今回は夏にぴったりな“幽霊画”の展覧会をご紹介。そもそも幽霊とは、化け猫や塗り壁などの妖怪とは違う、現世に怨念が残って成仏しきれなかった“人間”の姿。そのうらみつらみといった人の情を、おどろおどろしく、巧みに表現するのが幽霊画で、だからこそ「その気持ちはわかる、可哀想…でもやっぱり、こわい」というリアルな恐ろしさが伝わってくる。本展で並ぶのは、谷中の全生庵(ぜんしょうあん)が所蔵する明治時代の噺家・三遊亭圓朝(さんゆうていえんちょう)ゆかりの幽霊画コレクション50点が中心。圓朝は怪談を得意とした噺家で、幽霊画のコレクターとしても有名だった人物。希代の“幽霊マニア”と呼べる彼が収集した作品だからこそ、間違いなく“怖い”ラインナップだ。会場では「怪談牡丹燈籠」や「四谷怪談」「番町皿屋敷」など、有名な怪談のストーリーも解説。美術に興味のない人でも、名画とともに恐ろしいストーリーを追えば、背筋がゾクッ!お化け屋敷とはまた違う、不気味な肝試し気分が味わえる。◇information「うらめしや~、冥途のみやげ」展―全生庵・三遊亭圓朝 幽霊画コレクションを中心に―東京藝術大学美術館地下2階展示室東京都台東区上野公園12‐8開催中~9月13日(日)10:00~17:00(8月11日・21日は~19:00、入館は閉館の30分前まで)月曜休TEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)一般1100円◇毒殺されたお岩の悲劇『東海道四谷怪談』。病気がちのお岩を厭う夫・民谷伊右衛門は、出世のため隣家の伊藤喜兵衛の孫娘・お梅と結婚すべく、お岩に毒を盛る。容姿が崩れたお岩は苦しみながら死ぬが、その後、民谷家には不幸が続き…。醜い顔のお岩の亡霊が夫の前に現れた恐怖の瞬間が、この場面。歌川国芳≪民谷伊右衛門市川海老蔵・お岩亡霊 尾上菊五郎≫天保7 年(1836)大判錦絵8/18‐9/13(後期)展示◇愛しい男の心変わりで女が鬼に変わる『葵上』。元皇太子妃で光源氏の愛人・六条御息所は気高く教養深い高貴な女性。けれど源氏の足が遠のいたことで、彼の正妻である葵上に嫉妬の炎を燃やし、呪術で葵上の魂を抜き取ろうとする…。この絵は御息所の心に巣くっている嫉妬心が生霊となって表れたシーン!上村松園≪焔≫大正7年(1918)絹本着色東京国立博物館9/1‐9/13展示◇父子で間男を討つ復讐劇『怪談乳房榎』。絵師の菱川重信の妻・お関に惚れた磯貝浪江は、重信に弟子入りして、お関に関係を強要したうえ重信を惨殺。さらに子供まで殺そうとする浪江の前に、重信の亡霊が登場し、我が子を救出する絵がこちら。その後、成長した子が、父の仇討ちを果たす。伊藤晴雨≪怪談乳房榎図≫明治~昭和時代(20世紀)絹本着色全生庵8/18‐9/13(後期)展示※『anan』2015年8月12日・19日号より。文・山田貴美子
2015年08月18日