人気シリーズ完結の後編が「まだできていない!」と堤幸彦監督が自らが語り、その結末どころか公開の行方も心配されている(?)『SPEC~結(クローズ)~爻ノ篇』(11月29日公開)。その主人公、坊主頭の“キレ”キャラ・瀬文焚流を連続ドラマからおよそ3年間演じ続けてきた加瀬亮。一方で、『ペコロスの母に会いに行く』(11月16日公開)では、主人公・雄一の若かりし頃の父親役でまたひと味違った“キレっぷり”を披露している。その確かな演技力と、選ぶ役柄の振り幅の広さでファンだけでなく映画監督たちからも人気の俳優・加瀬亮、その魅力に迫る。鬼才・堤監督のもと、戸田恵梨香とのコンビでW主演を務めて早3年、自身最大のヒットシリーズとなった『SPEC』。数々の謎が明かされ、未曽有のクライマックスへと向かう完結編に、『~漸(ゼン)ノ篇~』初日舞台挨拶では「寂しさ半分、晴れやかな気持ち半分」と語るなど、かなり思い入れ強く瀬文を演じてきた加瀬さん。戸田さん演じる当麻にキレまくる、瀬文の仏頂面がこれで見納めかと思うと、確かに一抹の寂しさがある。だが一転、『ペコロスの母に会いに行く』では、神経症持ちの、線の細い父親役で仏頂面を披露する。認知症になった母・みつえ(赤木春恵)の夢想に時々現れる、雄一(岩松了)の父・さとるは、給料をすべて飲み代に使ってしまい、道ばたで寝てしまうような男。しかし、不器用にも息子を思う愛情はたっぷりな、何とも憎めない父親なのだ。出演シーンはそれほど多くないものの、原作ファンも納得する深い余韻を劇中に残している。幼少期をアメリカで過ごした帰国子女という、正真正銘の高“SPEC”な加瀬さんは、浅野忠信に憧れて役者の道へ。2000年に石井聰亙監督(現、石井岳龍/『シャニダールの花』)による『五条霊戦記』でデビュー。以後、人情喜劇の巨匠といわれる『ペコロス~』の森崎東監督の前作『ニワトリはハダシだ』(’04)など、様々な役柄で異彩を放ってきた。そんな中、加瀬さんの名を一気に知らしめたのは、やはりクリント・イーストウッド監督作『硫黄島からの手紙』(’06)と、周防正行・監督作『それでもボクはやってない』(’07)だろう。特に後者で見せた、平凡さや素朴さを体現する存在感は彼の持ち味でもある。しかし、北野武監督作『アウトレイジ』シリーズでは、それまでの“草食男子”のイメージを覆し、腹の奥底にある弱さを虚勢で隠しながら狂気を放つインテリ・ヤクザを見事演じてみせた。また語学が堪能なことも手伝ってか、映像鬼才ミシェル・ゴンドリーのオムニバス『TOKYO!<インテリア・デザイン>』(’08)や、ガス・ヴァン・サント監督作『永遠の僕たち』(’11)、さらにイランの巨匠アッバス・キアロスタミ監督の『ライク・サムワン・イン・ラブ』(’12)にも起用され、その活躍はワールドワイド。しかも今年の加瀬さんはこれまで以上の大活躍で、モヒカン頭で登場した『インスタント沼』の三木聡・監督作『俺俺』ではぴったり一九分けの斬新な髪型を披露したかと思えば、原恵一監督作『はじまりのみち』では『二十四の瞳』の名匠・木下惠介監督の若かりし頃を演じるという機会も得た。作品によってガラリと印象を変えることから“カメレオン俳優”とも形容される演技力に、名だたる鬼才、名匠、巨匠と呼ばれる監督たちから、ひっきりなしにお声がかかる加瀬さん。『SPEC』の瀬文という自身を代表する役柄に1つ区切りがついたことで、今後の活躍にますます期待が高まる。『SPEC ~結~漸ノ篇~』は公開中、『爻ノ篇』は11月29日(金)より公開。『ペコロスの母に会いに行く』は11月9日に長崎先行上映、11月16日より全国にて公開。(上原礼子(cinema名義))■関連作品:ペコロスの母に会いに行く 2013年11月9日に長崎先行上映、11月16日より全国にて公開(C) 2013『ペコロスの母に会いに行く』製作委員会劇場版 SPEC~結(クローズ)~漸(ぜん)ノ篇 2013年11月1日より全国東宝系にて公開(C) 2013「劇場版SPEC ~結~ 漸ノ篇」製作委員会/2013「劇場版SPEC ~結~ 爻ノ篇」製作委員会劇場版 SPEC~結(クローズ)~爻(こう)ノ篇 2013年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 2013「劇場版SPEC ~結~ 漸ノ篇」製作委員会/2013「劇場版SPEC ~結~ 爻ノ篇」製作委員会
2013年11月07日神の血を引くヒーロー、パーシー・ジャクソンが、仲間たちと共に壮大な冒険の旅に出るシリーズ最新作『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海』。本作はラブストーリーではないが、なぜか、一緒に観た男女の仲が急接近する可能性が高いことが明らかになった。本作は、ギリシャ神話に登場する“海神”ポセイドンと人間の間に生まれた半神、パーシー・ジャクソン(ローガン・ラーマン)が、破壊神クロノスの邪悪な力を止めるため、魔物が巣食う“魔の海”に隠された黄金の毛皮を探す、というスペクタクル・アドベンチャー。生粋の恋愛映画ではないはずなのだが、かつて、カナダの心理学者によって実証された“吊り橋理論”と呼ばれる学説によれば、デートで観ると男女の距離が縮まるタイプの映画のようだ。“吊り橋理論”とは、吊り橋の上にいるようなハラハラ、ドキドキの興奮状態が続いていると、人は自分が恋愛しているかのように認識してしまうこと。通常は恐怖のあまり興奮状態になるホラー映画の鑑賞が効果的だと言われているが、本作でパーシーの親友・アナベスを演じたアレクサンドラ・ダダリオが、「モンスターがいる魔海に行くから、そこで信じられないようなことが起こるの。ハラハラする瞬間が、今回は別のレベルになっているわ」と話しているように、本作でのパーシーたちのクエストはさらなるドキドキとハラハラの連続なのだ。また、吹き替え版では前作に引き続き人気声優の宮野真守、本作でハリウッド映画デビューを果たした渡辺麻友、ふなっしーが担当していることでも話題だが、現在「BeeTV」で好評配信中の「声感☆ラブメッセージ」を監修した恋愛科学研究所所長・荒牧佳代さんによれば、女性は吹き替え版での映画鑑賞でより女子力をアップできるという。「もともとイメージング能力の高い女性は、ファンタジーものが大好き。素敵な男性の声を聞くだけで脳がときめきを感じ、快感ホルモンであるドーパミンが大量に分泌されます。ときめきの快感は、恋愛の感性が磨かれますので、女性をより女らしくさせるでしょう」と語った。さらに、“吊り橋理論”に対しても、本作を観た荒牧さんは「終始、まるで遊園地のアトラクションに乗っているような体験ができるので、観ているだけで緊張感が高まり、イメージング能力の高まりと合わされば、恋の媚薬ホルモンPEAの分泌を促進させ、ときめきのボルテージもますますアップ」と、解説する。特に本作では、パーシーがアナベスや仲間たちを守るべく男らしい台詞を、声までイケメンの宮野さんが多数吹き替えているため、そのことだけでも女子力アップが期待できそう。ほの暗い映画館から出てきた後も、ハラハラ、ドキドキの展開が待っているかもしれない。『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海』は全国にて公開中。(上原礼子(cinema名義))■関連作品:パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海 2013年11月1日より全国にて3D/2Dで同時公開(C) 2013 Twentieth Century Fox
2013年11月01日“スペインの宝石”と呼ばれるオスカー女優ペネロペ・クルスと、演技派エミール・ハーシュが初共演で深い愛の物語を紡ぎ出す『ある愛へと続く旅』。本作で、20代の初々しい女子大生から高校生の息子を持つ50代の母親まで、老けメイクもいとわずに挑んだペネロペの女優魂が称賛を浴びている。旧友人・ゴイコからの誘いで、青春時代を過ごしたサラエボを久しぶりに訪れたジェンマ。彼女は息子のピエトロとの難しい関係を修復するためにも、もう一度自分の過去を訪ねる旅に出ることを決意する。ジェンマが過ごした90年代初めのサラエボは、次第に民族紛争が激化していき…。男女の運命的な愛だけでなく、母性や父性といった人間としての普遍の愛の物語を描き出す本作では、ペネロペが実年齢よりも10歳以上も上の50代の役柄を老けメイクを施し、母親役を熱演している。白髪交じりの髪に、深く皺の入った顔は、試写を観た人たちから「最初、ペネロペがこんなに老けたと思ってショックだった」と言われるほどリアルなものだったという。セルジオ・カステリット監督・脚本の『赤いアモーレ』以来、2度目のタッグとなる本作に惹かれたペネロペは、「何年か前、おそらく3~4年くらい前から、監督のセルジオとこの本の映画化について話し合ってきました」と語る。「女性としても女優としても、子どもを持ってからこの映画を撮れたことは、とても面白い経験でした。私のこの人生経験がなかったら、この主人公・ジェンマの気持ちを違う風に理解していたと思います」と、自身の人生と役柄を重ね合わせた。またペネロペは、ハーシュ演じる青年カメラマン、ディエゴと劇的な恋に落ちる20代の女子大生も演じており、なんとその年齢ふり幅は30歳!若い頃も違和感を感じさせない若々しい美しさで見事に演じ切った。「このような年代を旅する役をいただけて、とても光栄です」と語るペネロペ。撮影は年代ごとの順撮りではなく、映画のストーリーと同様、50代の現在から過去を巡る形だったという。「50代の現在を撮ってから若いころの役に戻るのは面白かったですね。普通の撮影なら逆なのに…。私自身ジェンマについて多くのことを理解するのは面白かったです。それから戦争中の場面や、彼女がサラエボでやっと自分の息子を見つけるシーンなど強烈な場面を撮りましたが、すでに思春期の息子との関係を撮影した後だったので、とても面白い経験となりました」と、撮影をふり返った。激動の地を駆け抜けた青春時代から、高校生の息子と向き合う母親までの女性としての長い年月を、圧倒的な演技で熱演して見せたペネロペ。女優魂を感じせずにはいられない名演を、劇場で確かめてみて。『ある愛へと続く旅』は11月1日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(上原礼子(cinema名義))■関連作品:ある愛へと続く旅 2013年11月1日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開(C) Alien Produzioni / Picomedia /Telecinco Cinema/ Mod Producciones 2012
2013年10月28日映画やドラマなどの映像配信サービス「ひかりTV」が初めて制作したオリジナルドラマ「24時間女優」が、10月25日(金)よりビデオ・オン・デマンドで配信されることが決定。夏帆や橋本愛といった若手実力派女優たちが、気鋭の映像監督とそれぞれタッグを組み、わずか24時間で1本の短編ドラマを撮影する。ドラマ「24時間女優」は、毎回キャスティングが異なる女優と監督が、「待つ女」という与えられたテーマに沿って、24時間以内に短編ドラマを撮りきるという、かつてない試みだ。女優たちが現場に入ってから撮影終了するまでに完全密着したメイキング・ドキュメンタリー(前編)と、完成した約8分の短編ドラマ(後編)の2部構成とし、ドラマだけではなく、限られたわずかな時間の中で苦悩しながら役に入り込む、彼女たちの素顔も垣間見ることができる。初回は、『箱入り息子の恋』など数多くの映画やテレビドラマで活躍する夏帆と、『男子高校生の日常』『アフロ田中』の松井大悟監督が初タッグ。そして、第2回は長澤まさみ&岡田将生主演の『潔く柔く きよくやわく』に出演する波瑠、第3回は『シャニダールの花』『中学生円山』など話題作への出演が続く刈谷友衣子、第4回以降にはNHK「あまちゃん」でさらにブレイクした橋本愛ほか、いまをときめく若手女優が続く。「おはようございます」から「お疲れさまでした」まで、一瞬たりとも気が抜けない異色ドラマとその舞台裏。彼女たちが「待つ女」でどんな素顔を見せてくれるのか、楽しみだ。「24時間女優」(全8回)は10月25日(金)より「ひかりTV」のビデオサービスおよびテレビサービスにて配信。第1回~第8回の前編は無料。第1回前編を無料で先行配信中。(上原礼子(cinema名義))
2013年10月17日いまやフランス映画界を牽引する存在となったフランソワ・オゾン監督が、国語教師と美しく聡明な生徒とのスリリングな個人授業を描いた最新作『危険なプロット』。今週末10月19日(土)に迫った劇場公開に併せ、これまでのオゾン監督の代表作が1週間限定で特集上映されることが決定した。『危険なプロット』は、作家の夢を諦めた高校の国語教師と美貌と文才に恵まれた生徒が共謀して、クラスメートの家庭を題材に“危険な”小説を作り上げていく個人授業の行方を描いた知的サスペンス。時に狂気に満ちた、緊張感あふれる両者の心理戦は、第37回トロント国際映画祭で「国際映画批評家連盟賞」を受賞し、第60回サン・セバスチャン国際映画祭では「最優秀作品賞」と「最優秀脚本賞」をW受賞。フランスでは120万人を動員する大ヒットを記録しており、オゾン監督の最高傑作との呼び声も高い。今回、本作の公開を記念してヒューマントラストシネマ有楽町では「フランソワ・オゾン監督週間」と題した特集上映を実施。過去作の中から、カトリーヌ・ドヌーヴ、イザベル・ユペールなどフランスを代表する女優陣が一堂に会した『8人の女たち』(’02/ベルリン国際映画祭「銀熊賞」受賞)、『スイミング・プール』(’03/カンヌ国際映画祭「コンペティション部門」選出)、『焼け石に水』(’00/ベルリン国際映画祭「テディ2000賞」受賞)、さらに“妊婦”をテーマにした『ムースの隠遁』(’12/サン・セバスチャン映画祭「審査員賞」受賞)と、特に人気の高い4作品をレイトショーで一挙上映する。女性のミステリアスな部分と“毒”を感じさせるオゾン監督。刺激の強いユーモアと仕掛けにあふれたストーリーテラーの手腕を、スクリーンで存分に堪能してみて。『危険なプロット』は10月19日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマほか全国にて公開。「『危険なプロット』公開記念フランソワ・オゾン監督週間」は、10月19日(土)~10月25日(金)より連日21:10~ヒューマントラストシネマ有楽町にて1週間限定レイトショー上映。(上原礼子(cinema名義))■関連作品:危険なプロット 2013年10月19日よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開(C) 2012 Mandarin Cinéma-Mars Films-France 2 Cinéma-Foz
2013年10月15日全米初登場1位を獲得、社会現象を巻き起こした映画、『クロニクル』が、ついに本日27日より首都圏のみ2週間限定で劇場公開される。話題の本作の主演に抜擢された若手俳優デイン・デハーンが、若き日のレオナルド・ディカプリオに激似!?と早くも注目を集めている。高校生のアンドリュー、マット、スティーヴは、ある日特殊な能力“チカラ”を手に入れる。手を触れずに女子のスカートをめくったり、雲の上でアメフトをしたり。3人の退屈な日常は刺激的な日々へと変わっていく。しかし、アンドリューがあおってきた車を“チカラ”を使って事故らせたことから、次第に彼は“チカラ”に翻弄され始め…。心に傷を負った主人公・アンドリューを演じるのが、『リンカーン』『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』『欲望のバージニア』と出演作の日本公開が続くデイン・デハーン。10代独特の繊細な感情、そして等身大の高校生を見事に演じきっている彼は、本作でさらに注目を集め『アメイジング・スパイダーマン2』でハリー・オズボーン役を演じることが決定している。ライアン・ゴズリングの成長した息子役を演じた『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』の公開の際にもうわさにはなっていたが、若きディカプリオを彷彿とさせる儚げな雰囲気と抜群の演技力は、ハリウッドの若手注目株の筆頭といっても過言ではない存在だ。アンドリュー役は、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアで5か月に渡るオーディショで決定し、その参加者は1,000人にのぼったという。当時はまだ無名の存在だったデインだが、「とても新しくてスペシャルな映画だとワクワクした」と、全編がYouTubeのような記録映像で描かれた本作に抜擢されたことを振り返る。「それに、この話は信じられると思ったんだ。アンドリューは究極のパワーの持ち主になったけど、それでもティーンエイジャーであることに変わりはなくて、自分をどう表現していいか、今の状況から抜け出すにはどうすればいいか、わからない。そういうティーンのリアルな側面が軸になっているのが面白いと思ったんだ」と、アンドリュー役を射止めたときのことを興奮気味に語ってくれた。また、本作のジョシュ・トランク監督は、「実は、デインにはキャスティング過程のかなり早い時点で会っていた。席に着いた彼を見てすぐに、彼がアンドリュー・デトマーだと思った」と明かした。「頭ではぼんやりと考えていたことだが、このキャラクターは、人々がかわいそうだと同情しながらも、彼だったらこういう出来事を乗り越えてうまく生きていけるはずだと、信じられるような人物にしなければならなかった。気味が悪いとか、あまりに哀れっぽいとか、バカなヤツにはしたくなかった。デインは、アンドリューに必要だと思われるすべての要素にぴったり合った」と、デインに出会った当初から、彼に魅力を感じていたことを語る。特別な“チカラ”を手に入れた、どこか影のある、地味でオタク気味だったごく普通の高校生アンドリューが、“チカラ”に翻弄されていく様、やがて怒りを爆発させる時の変貌っぷりは必見だ。『クロニクル』は2週間・首都圏にて限定公開中。(上原礼子(cinema名義))■関連作品:クロニクル 2013年9月27日より2週間・首都圏限定公開(C) 2011 Twentieth Century Fox
2013年09月28日3年間の厳しい練習期間を経て、日本でも人気K-POPグループとなった「MYNAME(マイネーム)」が初主演を務める映画『新大久保物語』の予告編がこのほど到着した。「MYNAME」は、2011年に韓国のトップR&B歌手「Hwanhee(ファニ)」のプロデュースによりデビューした、ビジュアル・アイドルグループ。2012年7月に日本デビューを果たし、これまで発売した楽曲は3作連続でTOP10入り、待望のファースト・アルバム「WE ARE MYNAME」はオリコンウィークリーチャートで3位を記録するなど、いま飛ぶ鳥を落とす勢いの“新世代”アイドルグループだ。そんな彼らの魅力が詰まった映画『新大久保物語』は、さまざまな境遇を背負い韓国・ソウルから新大久保にやって来た5人の若者が、スターを目指して奮闘する青春サクセスストーリー。8月に発売されたばかりの新曲「Baby I’m Sorry」、11月に発売が予定されている「Sha la la」の2曲の挿入歌に彩られた予告編からも分かるように、本作の内容は、リアルな「MYNAME」の成長記録とも重なる。自主レッスンやメンバー同士の葛藤を乗り越えて見せる、息の揃った歌、ダンス、日本語での演技は、ファンはもちろん、本作で彼らを知ることになる観客も「MYNAME」の魅力にノックアウトされてしまうはずだ。さらに、本格的なアクションシーンやライヴパフォーマンス、メンバーそれぞれの境遇も明らかにされ、盛りだくさんの内容となっている。この予告編公開を受け、「MYNAME」のメンバーからはコメントも到着。どのシーンが一番難しかったか、との質問には「ほかの共演者の方もいらっしゃるので、間違えないようにすごく神経を使いながら緊張しながら演じました」(コヌ)、「日本語の発音にとにかく苦労しました…」(チェジン)と、やはり母国語でないセリフでの演技に戸惑いながらの撮影だったようだ。さらに本作の見どころについては、「初めての映画だったので足りないところも沢山あったと思いますが、一生懸命な姿と個々のキャラクターに注目してください」(インス)、「5人がステージでパフォーマンスを披露するシーンに期待してください。自分の中でもすごく印象に残っているシーンです」(ジュンQ)、「『MYNAME』の初演技。一生懸命頑張ったので、みなさん温かい気持ちで見て頂けたらと思います」(セヨン)とのコメントを寄せ、初主演への挑戦にも確かな手ごたえを感じさせる。『新大久保物語』は11月16日(土)より新宿ミラノほか全国にて順次公開。(上原礼子(cinema名義))
2013年09月24日ジョニー・デップ、ロバート・ダウニー・Jr、ジョージ・クルーニー…モテ男のハリウッドスターといえば、目がパッチリ、眉毛はキリッ!と、どちらかといえば顏の濃いイケメンが主流。しかし、最近の旬の俳優たちを並べてみると、どうやらそのイメージは払拭されつつあるようだ。近ごろ、女子たちの間で密かに噂となっている、母性本能をくすぐる”困り顏”俳優たちを集めてみた。まずは、10月5日公開のロバート・レッドフォード監督・主演作に出演する『ランナウェイ/逃亡者』で、重要なキーマンを演じるシャイア・ラブーフ。『トランスフォーマー』シリーズで一躍ブレイクを果たし、その後も着実にキャリアを積みつづけている若手実力派。今年、日本で公開された『欲望のバージニア』では、トム・ハーディ、ゲーリー・オールドマン、ジェシカ・チャスティン、ミア・ワシコウスカなど、錚々たる俳優陣と共演し、アイドル俳優から演技派への脱皮を印象づけた。『ランナウェイ/逃亡者』では、レッドフォード演じる、全米を震撼させた元・過激派の主人公を追いつめていく野心家の若手記者を演じ、その少し頼りなさげなルックスとはまた一風違う、頭の切れる曲者な表情を見せている。だが、その表情は、確かに“困り顔”だ。また、『L.A. ギャング ストーリー』ではギャングと戦い、『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』では自らの運命と対峙する父親を演じたライアン・ゴズリングもまた、母性本能をくすぐる“困り顔”の最旬イケメンの1人。さらに、『ダークナイト ライジング』『LOOPER/ルーパー』のジョゼフ・ゴードン=レヴィットも、男らしいアクションを見せる一方で、『(500)日のサマー』で見せたような、「何とかしてあげたい」と思わずにはいられない“困り顔”の草食男子が印象的でもある。マーベルファンの間で“ロキ様”と呼ばれている、『マイティ・ソー』シリーズ、『アベンジャーズ』の宿敵ロキ役、トム・ヒドルストンもその素顔は“困り顔”。ジム・ジャームッシュ監督の最新作『Only Lovers Left Alive』(原題)のため参加した開催中のトロント国際映画祭でも、トムは多くの女性ファンの注目を集めていた。女性ファンの心をつかんだといえば、『007 スカイフォール』の新生“Q”、『クラウド アトラス』の若き音楽家でブレイクしたベン・ウィショー。彼もまた、どこか放っておけない雰囲気が漂う、メガネ男子の“困り顔”の代表格だろう。さらに、英国のドラマ「SHERLOCK/シャーロック」で天才ホームズ(ベネディクト・カンバーバッチ)に振り回されっぱなしのワトソン役がハマっていた、『ホビット』シリーズのマーティン・フリーマンも、大ヒット中のドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で物語の中心となるスターク家の私生児を演じたキット・ハリントンなども、女ゴコロをくすぐる、歴とした(?)“困り顔”だ。男らしさもいいけれど、“困り顔”で強がったり、意地を張ったりする姿に心を奪われてしまう、最旬のハリウッドスターたち。これからも彼らの活躍を見守ってみて。『ランナウェイ/逃亡者』は10月5日(土)より全国にて公開。(上原礼子(cinema名義))
2013年09月13日日本を代表する歌姫・JUJU。その楽曲の中でも随一の人気を誇る「この夜を止めてよ」から、約3年ぶりとなる“悲恋のバラード”となる新曲「Distance」のミュージックビデオ(以下:MV)がこのほど完成した。今回のMVは、映画『東京タワー』『大停電の夜に』、TVドラマ「遺恨有り」「神様のボート」などヒット作をを手がけてきた源孝志を監督に迎え、木村多江と新井浩文が、惹かれ合うのに離れなければならない…禁断の恋に落ちる男女を演じており、まるで映画のような映像に仕上がっている。「終りにしたほうがいいって、頭でわかっても、心が言うことをきかなくて」…。ファン待望のJUJUの新曲「Distance」は、男女の別れの苦しみ・切なさを描いた、 “悲恋のバラード”。「女たちは、本能的に恋の怖さを知っているからこそ潮時を見誤らない。男と女の関係は、絶えず流動的に変化を続ける化学実験のようなものだとわかっている」と源監督が話すように、“終り”の苦悩に打ちひしがれる女性の儚い想いが、JUJUの切ない歌声と重なる。JUJUの新曲「Distance」は9月18日(水)リリース。「Distance」MVショートVer.は、「JUJU Official YouTube Channel」にて公開中。(上原礼子(cinema名義))
2013年09月11日スティーヴン・ソダーバーグ監督の最新作にして、“最後の”劇場映画『サイド・エフェクト』で、薬の副作用に翻弄される女性を演じたルーニー・マーラ。さらに、出演作が続く、元祖“ドラゴン・タトゥーの女”のノオミ・ラパス、そして日本人女優では満島ひかり。作品ごとに役柄を切り替えるだけでなく、1本の映画の中でさえ、まるで違った“顔”を魅せる彼女たちに注目した。現在公開中の『サイド・エフェクト』では、最愛の夫・マーティン(チャニング・テイタム)がインサイダー取引の罪で収監されたことで、うつ病を再発してしまう女性・エミリーを演じたルーニー。だが、ある薬の副作用によって起きた殺人事件が、薬を処方した精神科医・バンクス(ジュード・ロウ)や、エミリーの以前の主治医・シーバート(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)をも巻き込み、それぞれの人生の歯車を狂わせていく。一見、可憐でキュートなルックスのルーニーは、本作では、病いのせいなのか、薬の副作用か、感情の不安定さだけでなく、時には相手を惑わすかのような大胆な振る舞いを見せる。鬼才ソダーバーグが惚れ込んだだけあり、シーンによっても、対峙する相手によっても表情や仕草がまるで違い、“魔性”という言葉だけでは物足りないほどの妖しさを放っている。また、『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』で世界的に注目を集め、今やハリウッドでも引く手あまたのノオミも、作品ごとにガラリと印象を変える女優の1人だ。レイチェル・マクアダムス共演、ブライアン・デ・パルマ監督作『パッション』(10月4日公開)も控えており、10月26日公開の『デッドマン・ダウン』は『ミレニアム』を手がけたニールス・アルデン・オプレブ監督のハリウッドデビュー作にあたる。『デッドマン・ダウン』でノオミは、妻子を惨殺された犯罪組織のヒットマン、ヴィクター(コリン・ファレル)と出会う、交通事故で一生消せない傷を負った女性ベアトリスに扮した。互いに“復讐”という共通の目的を持つ二人は、お互いの胸の内を隠したまま、恋に落ちていく……。恋といえば、瀬戸内寂聴の私小説の映画化『夏の終り』(公開中)で、年上の男と年下の男の間で揺れる女性を熱演した満島さんも印象的だ。放送中のTVドラマ「Woman」とはまったく逆ともいえる役柄で、その演技力を実証している。知子(満島さん)は、一回り上の作家・慎吾(小林薫)の愛人として、週の半分を同じ家で夫婦のように暮らし、8年の月日が過ぎていた。ある日、かつて夫と子どもを捨てて駆け落ちした涼太(綾野剛)と再会したことで、涼太のもとにも通い始めるように。不倫とはいえ平穏を感じる恋か、身を焦がすほど情熱的な恋か。満島さんがそれぞれの場面で見せる“女の業”は、心のままに生き、何者にも染まらない女の真の性(さが)を思わせている。スクリーンの中であらゆる“顔”を見せる、確かな演技力を持った彼女たちは、世の男性ばかりか、多くの女性たちも魅了する。『サイド・エフェクト』はTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開中。(上原礼子(cinema名義))■関連作品:夏の終り 2013年8月31日より有楽町スバル座ほか全国にて公開(C) 2012年映画「夏の終り」製作委員会サイド・エフェクト 2013年9月6日より、TOHOシネマズみゆき座ほか全国にて公開(C) 2013 Happy Pill Distribution, LLC. All rights reserved.
2013年09月07日今年で4回目を迎える「東京ごはん映画祭」。このほど、上映作品の一つ、『エル・ブリの秘密世界一予約がとれないレストラン』のごはんつき上映会のメニューを、フードアーティスト・諏訪綾子さんが主幹を務め、“表現としての食”を追求し続ける「food creation」が担当することが決定した。今年、メイン会場を表参道ヒルズ スペース オーとシアター・イメージフォーラムにして開催される「東京ごはん映画祭」。中でも、表参道ヒルズ スペース オーで開催されるごはんつき上映会の目玉とも言えるのが、“世界一予約がとれない”といわれ、現在は閉店してしまったスペインのレストラン「エル・ブリ」の裏側に迫るドキュメンタリーだ。「food creation」は今回、本作をイメージしたフードとドリンクを担当する。2006年より活動をスタートした「food creation」は、“そのコンセプト 胃まで届けます”という理念のもと、ゲリラ・レストランなど国内外で神出鬼没に活動するフードクリエイティブチーム。“表現としての食”を追求し、味覚だけにとどまらず、視覚や嗅覚などにも訴える総合的な感覚的刺激としての食と、それを体感するための様々な試みを行ってきた。企業やブランドのコンセプトを食で表現した“コンセプトフード”というスタイルを確立し、美食やグルメの枠にはとどまらない、単なる栄養源でもエネルギー源としてではない、新たな食の価値を提案し続けている。それだけに、斬新なアイディアで常に食の固定観念を打ち破ってきたカリスマシェフ、フェラン・アドリアによるレストランとのマリアージュは相性抜群のはず!伝説のレストランとコラボする「food creation」が、東京ごはん映画祭をいっそう盛り上げてくれそうだ。「第4回東京ごはん映画祭」は10月12日(土)~10月18日(金)開催。(上原礼子(cinema名義))■関連作品:エル・ブリの秘密世界一予約のとれないレストラン 2011年12月10日より銀座シネスイッチほか全国にて公開(C) 2010 if…Productions / BR / WDR
2013年09月06日時代の先端を走り続ける脚本家・北川悦吏子が大人の恋愛を描いたスペシャルドラマ『月に祈るピエロ』の放送が10月5日に決定。主演には、北川さんの大ヒット作「愛していると言ってくれ」(’95年)、「Beautiful Life ~ふたりでいた日々~」(’00年)などでコンビを組んだ演技派女優・常盤貴子が決まった。これまでのヒット作で、若い視聴者を中心に絶大な支持を受けてきた北川さんが、今回選んだテーマは“大人の恋愛”。遠く離れて住む男女が、ある小さなできごとをきっかけに、一度も逢うことなく、心を徐々に通わせていくストーリーは、北川さん自身の出身地でもある、清流・長良川が流れる岐阜の美しい風景を舞台に書き上げられた。主人公の女性が閉塞した日常生活の中で、何気ない言葉のやり取りから小さな優しさ・幸せをみつけ、新たな一歩を踏み出す物語となっている。北川作品はじめ、これまで多くの話題作に出演し、ドラマ以外にも舞台、映画で注目を集め続ける、常磐さんが演じるのは、故郷で祖母、母と暮らす41歳独身の玉井静流(たまい・しずる)。静流が、一度も逢わずして心を通わせる相手となる戸伏航(とぶせ・わたる)役には、幅広い役柄をこなし、心地よく響く美声も魅力の谷原章介。また、静流が同居する祖母・さくらを八千草薫、母・時枝を根岸季衣が演じる。出演に際して北川さんから手紙を受け取ったという常磐さんは、「静流という役は、岐阜で平凡な毎日を送っている女性で、私が今までやってきた役の中には、あまりないものでした。どうしたらそんな女性を演じられるのかということを考える作業が楽しくて。いただいたお手紙でも『そういう役、常盤さんできる?』みたいな感じだったので(笑)、これは素敵な挑戦状だと思い、自分なりに色々と考えて役作りしました」とコメント。実際の撮影では、「日常を日々積み重ねてくださる撮り方だったので、静流がこの町で淡々と暮らしている感じが出たのではないかと思います。郡上八幡の景色もすごく綺麗に映っていると思うので、静流とともにこの町で生きている気分になれるのではないかなと思います」と、故郷に暮らす、ごく普通の1人の女性を演じたことに手応えを感じた様子だ。また、相手役を務めた谷原さんは、「(40代というのは)ターニングポイントなのかな。僕が演じた航も、あるきっかけで自分の人生を見つめ直すことになり、小さな出会いに心惹かれ、ささやかなことに幸せを見つけていくようになります。ドラマでは、ずっと逢わずに会話を交わす2人ですが、最後には出逢えたらいいな、と思いますね。楽しみにしていて下さい」と期待を込めて語った。大人の男女の心の機微を、リアリティに満ちた台詞でやさしく紡いでいくストーリーは、まさに北川さんらしいドラマ。なお、放送に先立ち、メールで始まり次第に高まっていく心を描いた本作の世界観を知ってもらうため、「北川悦吏子監修『心をつなぐメールコンテスト』」と題して、思い出の「心をつなぐメール」を募集する。スペシャルドラマ『月に祈るピエロ』は10月5日(土)午後2時~3時24分、TBS系全国28局ネットにて放送。(上原礼子(cinema名義))
2013年08月29日『幸せのちから』のガブリエレ・ムッチーノ監督が、ジェラルド・バトラー主演で新たな父と息子の絆を描く『スマイル、アゲイン』。日本人選手も数多く活躍する欧州サッカーのシーズン開幕と共に公開された本作は、元スター選手を演じたジェラルド・バトラーの華麗なプレーと、肉食系(?)ママたちからのモテモテぶりが好評を博している。出世作『300[スリーハンドレッド]』では屈強なスパルタの戦士、今年公開の『マーヴェリックス/波に魅せられた男たち』ではベテラン・サーファー、『エンド・オブ・ホワイトハウス』では凄腕のシークレットサービスを演じてきた肉体派ジェラルド・バトラー。本作で演じるのは、かつて中村俊輔選手が活躍したスコットランドのセルティックやプレミアリーグの名門・リバプールでプレーし、UEFAチャンピオンズリーグではあのベッカムとゴール数を競ったこともある、という設定の欧州サッカー界のスーパースターだ。ケガで引退後、すっかり落ちぶれてしまった元サッカー選手、ジョージ・ドライヤー。元妻と息子とは5年も音信不通で、まさに公私共に“戦力外通告”を受け、崖っぷちに立たされていた。そこでジョージは、サッカー解説者の仕事を手に入れ、元妻とヨリを戻し、ひとり息子との絆を取り戻すべく、新天地アメリカへと乗り込んでいくのだが、就活はパッとせず、元妻は再婚目前。そんな時、息子が通うサッカーチームのコーチを任されることになった彼は、家族を再生させるべく精一杯の努力を始める……。ご覧のとおりのセクシーなコーチの出現に色めき立つのは、子どものみならず、チームのママたち。『シカゴ』のキャサリン・ゼタ・ジョーンズ、『キル・ビル』のユマ・サーマン、『ファミリー・ツリー』のジュディ・グリアといった、ひとクセもふたクセもあるママ軍団と、『ヒッチコック』のジェシカ・ビール演じる元妻に翻弄されるジェラルドは、モテモテでも情けない、何とも憎めないダメ男を好演する。それでも、彼の第一目標は家族の再生。ママ軍団の誘惑を振り切り、息子にとってたった一人のヒーローでありたいと奮闘するジェラルドの勇姿と、この夏イチバンのハートフルな物語に、あなたも癒やされてみては。『スマイル、アゲイン』は新宿ピカデリーほか全国にて公開中。(上原礼子(cinema名義))
2013年08月23日厚生労働省によれば、日本人の15人に1人が生涯に一度はかかる可能性があるといわれる“うつ”。現在、医療機関にかかっている人だけでも100万人を超え、今や一般的な病気となった、ニッポンの“うつ”を『人生はビギナーズ』のマイク・ミルズ監督が密着取材したドキュメンタリー『マイク・ミルズのうつの話』に、著名人から続々と応援コメントが到着した。マイク・ミルズといえば、「X-girl」「マーク・ジェイコブズ」などにロゴやデザインを提供し、「ビースティー・ボーイズ」「ソニック・ユース」などのCDジャケットやミュージックビデオ、「ナイキ」や「アディダス」のCMなどで、90年代のユース・カルチャーを牽引してきた映像作家。長編映画監督デビュー作の『サムサッカー』はサンダンス映画祭で評価を受け、自身の父親との関係を題材にした『人生はビギナーズ』では、インディペンデント・スピリット・アワードの監督賞と脚本賞にノミネートされ、ゴッサム・アワードの作品賞を受賞した。2000年以降、日本で“うつ”という言葉が急激に広まったことを不思議に思ったミルズ監督は、その理由のひとつに、製薬会社によって行われた「心の風邪をひいていませんか?」という広告キャンペーンがあると考え、その実態に迫るドキュメンタリーを作ろうと思い立つ。彼は日本のネットから参加者を集い、(1)抗うつ剤を飲んでいること、(2)日常生活をありのままに撮らせてくれること、を撮影条件に5人の若者を選び出した……。精神科医の香山リカさんは、本作で描き出された赤裸々な彼らの日常を「病んでいるのではない、ふつうに生きて暮らしている“うつ”の人たちの息づかいが聞こえてくる」と絶賛。また、ミルズ監督の友人でもある写真家のホンマタカシさんは、「マイク・ミルズはただのお洒落な映像作家ではなく、伝統的なアメリカのドキュメンタリーのスピリットを持っているんだ」とコメントした。さらに、サブカルチャーをこよなく愛したエディター・川勝正幸さん(故人)は、2007年の完成時にいち早く本作を見ており、「普通の人々がうつから抜けようと格闘する姿を現在進行形で描いた作品は初めてではないか。マイクの反骨精神と粘り強さに、脱帽!」(『TV Bros』’10年12月号掲載のコラムより抜粋)との言葉を遺していた。うつ患者たちの壮絶な日常を、ミルズ監督独特の優しく明るい目線でとらえた本作。決して他人事ではない現代病の処方箋が、ここにはありそうだ。『マイク・ミルズのうつの話』は10月、渋谷アップリンクほか全国にて順次公開。(上原礼子(cinema名義))
2013年08月22日日本時間の本日22日、ついに日米通算4,000安打を見事成し遂げたメジャーリーガー選手・イチロー。その彼も、いや全メージャーリーガーが年に1度、背番号「42」を背負う日がある…初の黒人メジャーリーガーを称えて。このほど、奇跡の実話を描いた『42~世界を変えた男~』の予告編が解禁となった。本作はただ一人、メジャーリーグ全球団の“永久欠番”となった史上初の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)とドジャースのジェネラル・マネージャー、ブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)が、白人選手以外には開かれることのなかったメジャーリーグ界の堅牢な門戸をこじ開け、“本当の自由とは何か?”“差別に屈しない強さとは何か?”を世界に示した真実のドラマ。公開された予告編では、オープニングから背番号「42」番を背負ったNYヤンキースのイチロー選手の姿が映し出される。実は、イチローとジャッキーには不思議な縁がある。2001年、当時シアトル・マリナーズに在籍していたイチローは「首位打者」と「盗塁王」を同時に獲得しているが、この2部門の同時獲得は1949年のジャッキー以来、実に52年ぶりの快挙だったのだ。だが、予告編前半で描かれるのは、トイレは白人選手とは別、シャワーも一人、観客からは大ブーイングを受け、街では住民たちに狙われ、敵チームからは野次られ、バッターボックスに立てば頭を狙われ、チームメイトからも煙たがられる…ジャッキーが受けた差別の数々が苦悩と共に描かれる。そんな、周りすべてを敵に回した中で、彼を支え、導いたのがハリソン演じる球団オーナー、ブランチ・リッキーだった。「必要なのは“やり返さない勇気”を持つことだ」「相手の低いレベルに自分を落とすな」など、リッキーが語るメッセージは現在を生きる私たちの心にも響き、深い感動を予感させる映像に仕上がっている。何より今回話題となっているのが、名優・ハリソンの熱い演技だ。これまで実在の人物を演じたことがなかったハリソンは、脚本段階でブランチに魅了されリサーチに没頭、自身の提案で特殊メイクも行ったという。その熱演ぶりは相当な入れ込み方で、海外では多くの観客や批評家を唸らせており、すでに今年の賞レースに絡むのでは?とのうわさまで。「本当にいい映画は、個人的な体験の視点で描かれるものではなく、歴史・真実を知り、何が人を動かすか、何が人に影響を与えるか、ということが理解され描かれたものだと思う」と本作について語るハリソン。「いい映画は普通の観客がこの映画を観たときに、ストーリーを体験し感情移入できるものだ。『42』はすべての要素を備えている。この映画で真実を知り、認識してほしい」と意欲的にアピールする。全米そして世界を感動させ、いまもなお伝説として語られる“やり返さない勇気”を示したヒーローたちの真実を、ぜひこの予告編から確かめてほしい。『42~世界を変えた男~』は11月1日(金)より全国にて公開。(上原礼子(cinema名義))
2013年08月22日フジロックが始まる12年前。尾崎豊、ザ・ブルーハーツ、BOOWY、佐野元春といった、当時の若者に絶大な影響力を持つミュージシャンたちがひとつのステージに集結した歴史的ロックフェス「BEATCHILD1987」。そのライブドキュメンタリー『ベイビー大丈夫かっ BEATCHILD1987』が、全国で劇場公開されることに決まった。1987年8月22日、阿蘇。当時、日本のロックシーンで最高峰のアーティストたちが、事務所やレーベルの垣根を超えて集結したロックイベント、それが「BEATCHILD」だ。出演アーティストの累計アルバム販売枚数は4000万枚以上。「リンダリンダ」「DREAMIN’」「シェリー」「SOMEDAY」など、あのころ誰もが口ずさんだ大ヒットソングが、この日の阿蘇山にこだました。前日のリハーサルは快晴。夕方、雲が姿を現すも、本番の予報は晴れ。入口には、すでに客の姿が増え続け、3万人の予定だったチケット販売数はすでに7万枚超。当日になると、空港からのタクシー、福岡からのバス、地元の車やバイクが狭い山道に連なり、開場と同時に、なだらかな“大草原の客席”は10代から30代の若者たちで埋め尽くされた。しかし、そこに突然の豪雨!草原は、一瞬にして泥水であふれた。ステージ上のアーティストたち、企画し運営していたスタッフたち、そして7万2000人の観客たちも、歴史的な12時間のオールナイト野外ロックフェスが、記録的豪雨で幕を開けるとは、予想していなかった……。この「BEATCHILD」について、ネット上では「あの時あの場所でしかできなかった、最大で、最悪で、でも最高の、奇跡のロックイベントだった」と、今なお語り継がれている。今後、放送やDVD化、ネット配信の予定は一切なく、今回、劇場で公開されるのみ。これを見ずしてロックフェスは語れない、真夏の風物詩の原点を見逃さないで。『ベイビー大丈夫かっ BEATCHILD1987』は10月26日(土)よりイオンシネマ、TOHOシネマズ、Tジョイほか全国にて期間限定公開。本編出演:ザ・ブルーハーツ、RED WARRIERS、岡村靖幸、白井貴子、BOOWY、尾崎豊、渡辺美里、佐野元春(以上、出演順)(上原礼子(cinema名義))
2013年08月13日ビキニ姿を特別披露タレントとして、またブランドのプロデュース業なども手がけ、幅広く活動する上原さくら。彼女が8月1日のオフィシャルブログで水着姿を公開し、その変わらぬ美しさが話題を呼んでいる。35歳になる上原だが、ピンクをベースに白のレースが施されたビキニを身につけた姿は、とてもキュートでスレンダー。ブログ読者からも、「スタイルすごくいい!」「かわいい」と大好評だ。水着の七不思議?!ところが、彼女によると、この水着は2年くらい前に購入したもので、着るとめちゃくちゃキツかったのだとか。そしてなぜか下だけがキツく、上は「変わらず」ぶかぶかなのだという。「そうそう。私の記憶では、水着って縮むって辞書に書いてあったわ!しかも下だけが。(笑)」と放っておくと縮む、“水着の七不思議”(?!)について、ちゃめっ気たっぷりにコメントしている。思わずうなずいてしまう“あるある”な話だが、しっかりそんなふうには見えない綺麗さを保っている彼女はやはりさすがだ。それでも、気になるときは下だけ別のシンプルな水着にし、上からパイルのショートパンツを履いてごまかすこともあるとか。まわりから見ればばっちりな美貌も、持ち主にとっては小さな変化が悩みの種ということか。“なぜか縮む水着”も、放っておかずに身につけてみて、ボディを定期的に見直すことも美しさ、若さを保つ秘訣なのかもしれない。元の記事を読む
2012年08月03日今年結婚したばかりのセレブ社長…多額の所得隠しタレント・上原さくらが今年、再婚で結婚し、幸せいっぱいと報じられていた、お相手で現夫・セレブ社長として有名な実業家の青山光司氏が多額の所得隠しを指摘されていたことが19日、明らかとなった。指摘されたのは、同氏が社長を務める岐阜県の建築用資材会社「KRH」で、名古屋国税局の税務調査を受けた際、社長が個人的に使う高級車数台を会社の経費で購入していたことが判明。昨年5月期までの3年間で、総額約1億7000万円の所得隠しをしていたという。追徴税額は重加算税をふくめ、約3000万円で、すでに修正申告しているという。ブログは“一家団欒”だが…報道によると、「KRH」は、青山社長が個人で使用する高級車数台を会社の経費で購入、売却時との差額を損失として計上していたということで、名古屋国税局は所得隠しに該当すると判断、今回の指摘に至ったとみられるという。19日の上原のブログでは、愛犬たちとともに過ごす一家団欒が画像でもアップされ、なごやかな雰囲気が伝えられているのだが、実際のところはやはり穏やかな日々ばかり…とはいかないようだ。元の記事を読む
2011年10月20日人気ボーカルダンスユニット「SPEED」のメンバーで、女優としても幅広く活躍する上原多香子が『恋谷橋 La Vallee de l’amour』で映画初主演を飾ることが明らかになり、その劇中写真が公開された。上原さんはさびれた温泉地で、町おこしに奔走する温泉旅館の娘・朋子を好演し、和服姿も披露している。撮影は昨年11月〜12月にかけて「ゲゲゲの女房」(NHK)で盛り上がる鳥取県の歴史ある温泉地・三朝温泉を中心に、鳥取県内でオールロケを敢行。上原さんは「ものすごく大きな緊張とプレッシャーがありましたが、映画と向き合って見えてくるものや感じることを素直に表現しようと思いました」と無事に迎えたクランクアップに、安堵の表情だ。「第1回スーパーシナリオグランプリ」(主催:スーパーシナリオグランプリ実行委員会/後援:毎日新聞社) の大賞に選ばれた「雨の中の初恋First Love in the Rain」を映画化した本作。不景気のあおりを受けて、東京のデザイン事務所を解雇された朋子(上原さん)は次の仕事が決まるまで、実家のある鳥取県の温泉街・三朝町に戻ることに。かつて多くの観光客に賑わった町も、いまは当時の活気を失い、朋子の実家が経営する老舗旅館も例外ではなかった。朋子はデザイナーの夢を捨てきれないまま、幼なじみの圭太や地元の友人たちと町おこしのイベントを計画する。「自分自身も夢を追って沖縄から東京に出てきたので朋子に共感する部分はあります」と上原さん。一方、メガホンを取った後藤幸一監督は「自然体を貫き、あざとい“形の芝居”とは無縁。人生の岐路で揺れ動く心を丁寧に重ねることで、故郷を愛し、生まれ育った地に足をつけて生きていく魅力的なヒロインを創り上げた」と映画初主演の上原さんを大絶賛する。今回、映画のストーリー同様に温泉地を盛り上げようと、ロケ地募集に手を上げた三朝温泉は1164年開湯という歴史ある温泉地。しかも、朋子の実家という設定の老舗温泉旅館「旅館大橋」は国有形文化財指定旅館として、全国でも非常に貴重な建物だ。「三朝という場所がこの映画においてとても重要で、実際にこの土地の空気や匂い、町の雰囲気などを体感することで朋子という役柄、そして映画自体がより深いものになっていったと思います」(上原さん)。撮影中は県内はもちろん、近隣の県から多くの人たちが見学に訪れ、最盛期の活気を思わせる賑わいだったのだとか。「大変な撮影にもかかわらず、温かく迎えていただき、全面的に協力していただいた三朝のみなさんがいなければできなかった作品だと思います。3週間しか滞在してませんが、三朝は私にとって第二の故郷です」と上原さんも感謝しきりだ。共演陣には水上剣星、松田美由紀、中澤裕子、土屋アンナ、葛山信吾、石橋蓮司、吉行和子、松方弘樹ら豪華な面々が勢揃い。古き良き時代の風景が残る温泉町を舞台に、家族や友人、町の人々に囲まれ、夢と初恋に揺れるヒロイン朋子=上原さんの姿を描いた『恋谷橋 La Vallee de l’amour』。観終わった後には、勇気や希望といった現代人が忘れかけた“効能”がきっとあるはずだ。『恋谷橋 La Vallee de l’amour』は2011年、全国にて公開。
2011年01月19日