「5月19日に逝去された上岡龍太郎さん(享年81)を偲んで、和田アキ子さん(73)や、ビートたけしさん(76)、今田耕司さん(57)などが、それぞれの冠番組で生前の交流を明かしていました。また6月11日には追悼特別番組『さようなら 上岡龍太郎さん』(ABCテレビ)が放送されました」(芸能関係者)6月2日に肺がんと間質性肺炎のため亡くなったことが発表された上岡さん。`00年にタレント業から引退していたにもかかわらず、訃報には大きな関心が集まった。「幼い頃、がんを患っていた実母のもとに霊媒師や霊能者を自称する人たちが押し寄せたが、誰も病気を治すことはできなかったことから、上岡さんはオカルト嫌いになったといわれています。占いにたいしては、上岡さんが占い師に『あなたを殴るか占え』といい、占い師が『殴らない』といい終わる前に殴ったという逸話は、たびたび伝えられています」(前出・芸能関係者)しかし、上岡さんを知る演芸作家は、「占いや、占い師そのものを嫌っていたわけではないのです」と断言する。「上岡さんは、町などで活動するテレビに出演しない占い師は社会に必要な仕事として認めていました。占いに頼る人もそれで救われるならと考えていました。彼が許せなかったのは、占いそのものではなく、社会的影響力のあるテレビで占い師がなんの科学的な根拠もないことを、まるで確実に起きる真実であるかのように軽々と語ることです。発言の真意や影響を検証せずにテレビで垂れ流すことは、社会的に危険だと警鐘を鳴らしていました。そういった考えから、一連の占い師批判を行っていた訳です。決して占い師や占いそのものを否定したり嫌ったりはしていませんでした」“占い批判”の裏には上岡さんなりの哲学があったーー。
2023年06月14日2023年6月2日、元タレントの上岡龍太郎さんが同年5月19日に亡くなっていたことが分かりました。横山ノックさん、横山フックさんとのお笑いトリオ『漫画トリオ』で活躍するほか、長けた話術を生かしてさまざまなテレビ番組に出演していた、上岡さん。中でも、1988~2000年にレギュラー出演したバラエティ番組『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送テレビ)での司会は、関西在住の人を中心に多くの人から人気を博しました。桂小枝、上岡龍太郎さんから渡された『形見分けの手紙』を公開翌3日、落語家の桂小枝(かつら・こえだ)さんがSNSを更新。桂さんは、かつて『探偵!ナイトスクープ』で上岡さんとレギュラーとして共演しており、逝去が明かされた日は、うっかりコップを落として割ってしまったといいます。共演を経て、生前の上岡さんと交友関係があった桂さん。その仲は、上岡さんから形見分けをされるほどだったのだとか。本来、形見分けは故人が生前に愛用していた物を親しい人に渡す行為を指しますが、芸能界の引退が上岡さんにとっての『人生のひと段落』だったのでしょう。桂さんは、上岡さんが芸能活動を引退する直前にくれたという、直筆の手紙を公開しました。引退される直前に上岡さんから頂いた形見の中に入ってた手紙です〜 pic.twitter.com/JYtOtajQ3C — 桂小枝 (@koedanokai2014) June 3, 2023 丸みを帯び、丁寧な字でつづられた、桂さんへのメッセージ。上岡さんは引退をする前から、形見分けとして大切なのれんを桂さんに贈ることを約束していたのだとか。手紙に添えられたのは、歌集『万葉集』に掲載されている、狭野茅上娘子(さののちがみおとめ)の歌。女性が「再び会う日までの形見としてほしい」という想いを込め、縫った衣を贈る一首です。本来であれば、上岡さんと桂さん以外は目にすることがなかった、形見分けのメッセージ。貴重な手紙の公開に、多くの人から反響が上がっています。・なんという家宝!万葉集の一首を手紙に添えるだなんて、まさに粋だ…。・上岡さんがこんなにもかわいらしい字を書くことに衝撃!イメージと違いすぎる!・「いつかまた会いましょう」という気持ちのこもった手紙に、涙…。手紙を通して、『上岡龍太郎という人』について多くの人が知り、その姿に改めて尊敬の念を抱いたようです。[文・構成/grape編集部]
2023年06月04日上岡龍太郎さんが亡くなっていたと6月2日に発表された。81歳だった。米朝事務所によると上岡さんは5月19日、肺癌と間質性肺炎のため大阪市内の病院で死去したという。「上岡さんは横山パンチの芸名で、’60年に横山ノックさん(享年75)や横山フックさん(現在は青芝フック・85)と共に『漫画トリオ』を結成。’68年の解散後はテレビやラジオ番組の司会などで活躍し、人気番組『探偵!ナイトスクープ』(テレビ朝日系)の初代局長を務めるなど関西では“お笑い界のドン”と呼ばれるほど絶大な人気を誇りました。近年では漫才コンビ『ミキ』の伯父として話題になることもありました」(スポーツ紙記者)そんな上岡さんだが、現役時代に「僕の芸は20世紀まで」「落語や講談と違って、テレビの場合は年を取ったら老醜をさらすだけ」と口にしていたように’00年4月に芸能界を引退。テレビからもステージからも完全に姿を消した。58歳での引退を惜しむ声が相次いでいた。以降、表舞台に姿を見せることはほとんどなかった。師として仰いでいた落語家・桂米朝さん(享年89)の葬儀で取材を求められたところ「一般人ですから」と言って、一度断ってから取材に応じたほどで“隠居者の美学”をずっと貫いていた。「引退後の楽しみは、奥さんと一緒に演芸や舞台を観に行くことだったそうです。それも、関係者席ではなく一般席で鑑賞していたといいます。とある落語家が一般席で上岡さんを発見し、驚きのあまり後日、『一言言うてくださったらチケットをお送りしましたのに』というと、上岡さんは『いやいや、僕はもう一般人だから』と謙遜したそうです」(芸能レポーター)■愛弟子の独演会チケットを自腹で購入また上岡さんは義理堅く、隠居後も友人や知人の晴れ舞台にたびたび顔を見せていた。何より、かつての弟子のことを気にかけていたようだ。「上岡さんにはテントさんというお弟子さんがいました。自らがパチンコ台になる『人間パチンコ』など天才肌タイプの芸風に、上岡さんは惚れ込んでしまい、自ら『師匠をやらせてくれ!』と志願したほどです。なかなか公の場に姿を見せないことから“ツチノコ芸人”と呼ばれていたテントさんが’15年、3年ぶりに独演会を開催。すると上岡さんはやはりそのチケットを自腹で購入し、大勢の一般客に混じって弟子の健闘を見守っていたそうです。しかし、テントさんは独演会の翌年に交通事故で急逝。上岡さんは『君は70歳になったら売れる』といってテントさんを励ましてきた分、憔悴していたといいます」(別の芸能記者)訃報に際し、ネットでは《この方の番組は全て面白かった。この人の番組を見られる年代に生まれてよかったと思います》《キレイに引退し、キレイに旅立ったんやな》《21世紀に入ってからの上岡龍太郎さんも見てみたかったです》と追悼の声が絶えない上岡さん。これは引退から23年経っても、人々の心に「上岡龍太郎」という存在が残り続けた証だ。
2023年06月03日元タレントの上岡龍太郎さんが5月19日に肺がんと間質性肺炎のため死去したことが2日、明らかになった。これを受け、間寛平と桂小枝が同日、所属事務所を通じてコメントを発表した。間寛平は「上岡さんにはすごくかわいがっていただいたので、訃報を聞いてショックでした」と心境を吐露。「『探偵!ナイトスクープ』でも大変お世話になりました。個人的には38年前に初めてフルマラソンを走ったホノルルマラソンでタイムが3時間13分57秒やったんですけど、上岡さんからお祝いをいただき、封筒を覗いたら3万1千357円入ってました。アースマラソンではゴール地点のNGKにそっと出迎えに来てくれていました。本当に残念です」と悼んだ。桂小枝は「信じられません、上岡さんはパーフェクトな人で死なないと思ってました」と驚きを隠せず。「怒りの上岡と言われましたがボクは怒られた事がありません、何でも自由にやらせて頂きました、今の桂小枝があるのは上岡さんのお陰です」と感謝し、「上岡さんが引退される前に弱ってからでは遅いので形見分けを下さいってお願いすると楽屋暖簾を下さいました。中に手紙が入ってました。上岡さん、本当に有り難うございました。これからも見守って下さい」と偲んだ。
2023年06月02日2023年6月2日、元タレントの上岡龍太郎さんが81歳で亡くなっていたことが分かりました。産経ニュースによると、上岡さんは同年5月19日に、肺がんと間質性肺炎のため息を引き取ったといいます。横山ノックさん、横山フックさんとのお笑いトリオ『漫画トリオ』の経験によって培った、高いトークスキルが人気を博した上岡さん。逝去を受け、上岡さんのトークに魅了された多くの人から「独特の話術が素晴らしい人だった」「天才的な話術とは、まさにこの人のこと」といった声が上がっています。上岡龍太郎さん逝去を受けた、息子・小林聖太郎のコメントに称賛の声逝去が明かされた日、上岡さんの息子であり、映画監督として活躍する小林聖太郎さんは、コメントを発表。上岡さんのファンや、これまで仕事でお世話になった人たちに向けて、息を引き取るまでの経緯を明かし、息子から見た『上岡龍太郎という人間』についてつづりました。お世話になった方々にも突然のお知らせとなってしまったことを深くお詫びいたします。昨年秋頃、積極的治療の術がなく本人も延命を求めていない、と知らされた時に少しは覚悟しておりましたが、あれよあれよという急展開で母も私もまだ気持が追いついていない状態です。とにかく矛盾の塊のような人でした。父と子なんてそんなものかもしれませんが、本心を窺い知ることは死ぬまでついに叶わなかったような気もします。弱みを見せず格好つけて口先三寸......。運と縁に恵まれて勝ち逃げできた幸せな人生だったと思います。縁を授けてくださった皆様方に深く感謝いたします。産経ニュースーより引用独特かつ軽快なトークで、多くの人から「聞いていて気持ちがいい言葉選び」と評されてきた、上岡さん。どうやらその才能は、息子である小林さんにも受け継がれているようです。コメントからは、上岡さんに対する強い想いが伝わってきますね。タレントの私生活は、ファンには分かりません。しかし、多くの人が小林さんのコメントを読み、「上岡さんは、やっぱり自分の印象通りの人だったのだ」と感じたようです。・知性とユーモアセンスの塊だな。さすがは上岡さんの息子さん。・感動した。自分も、運と縁に恵まれた『勝ち逃げ』をしたいと思いました。・龍太郎さんも粋だったけど、息子さんも負けず劣らずの粋!これが血筋か。上岡さんの歩んだ人生とその美学に、多くの人が改めて尊敬の念を抱いた模様。息子である小林さんのメッセージは、きっと雲の上の上岡さんにも届いていることでしょう。[文・構成/grape編集部]
2023年06月02日切れ味鋭いトークなどで人気を集めた、元タレントの上岡龍太郎さんが、2023年5月19日に亡くなっていたことが分かりました。81歳でした。産経ニュースによると、肺がんと間質性肺炎のため、大阪府内の病院で息を引き取ったとのことです。京都府京都市左京区に生まれた上岡さんは、1959年に横山ノックさん、横山フックさんと共に『漫画トリオ』を結成し、お笑いタレントとしてデビュー。『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送テレビ)の初代司会者を務めるなど、関西地域を中心に活躍し、2000年に芸能界を引退しました。ネットでは、「えぇー!ショック!!」「天才的な話術が大好きでした」など、別れを惜しむ声や、感謝を伝えるコメントなどが投稿されています。上岡さんのご冥福をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2023年06月02日ミュージカル『ドッグファイト』の取材会がこのほど行われ、藤岡正明、大久保祥太郎がリモートで取材に応じた。同作は1991年に上映されたリバー・フェニックス主演の映画を2012年にオフ・ブロードウェイでミュージカル化した作品で、 2015年、2017年と日本でも上演されている。今回は初演・再演に続き屋良朝幸が主演を務め、東京・日比谷シアタークリエで9月より上演される。物語はベトナム戦争出征前のアメリカ・サンフランシスコを舞台にし、訓練期間を終えた新米兵士・エディ(屋良朝幸)、ボーランド(藤岡正明)、バーンスタイン(大久保祥太郎)の3人が親友同士として登場する。2005年~2006年に上演されたミュージカル『レ・ミゼラブル』では藤岡がマリウス役、大久保がガブローシュ役で共演しており、久しぶりの共演に。藤岡は「祥太郎が9歳~10歳とかで、僕は22~3歳だったんです。気付いたらもう、39歳になります。今回ラウンジ・シンガー役の坂元健児さんが当時アンジョルラス役をやっていて、もう坂元さんが50歳」と15年の時の流れにしみじみ。藤岡は大久保について「当たり前ですけど、本当にちっちゃかった。かわいかった祥太郎がどんどん成長して、大人として一緒に共演できるというのがすごく嬉しいですし、僕自身も当時何にもできなかった中で、今は15年も経ってますから、そこそこできるおじさんになってます。祥太郎といっしょにやっていきたいなと思います」と、共に舞台に立てる喜びを表す。大久保も「続けてればいいことあるな、よかったなと思います。最近、子役の時に一緒にやってた方と再び共演させていただけることが多くなってきたので、感慨深いです」と喜びつつ、「歌と離れて演劇の方でやっていたので、藤岡さんと一緒に歌うというのが怖いですね。前は一緒に歌うことがなかったのですが、今回はがっつり親友の役で2人のシーンがあったりするので、嬉しさとドキドキと恐怖と……」と苦笑し、藤岡から「怖いこと、何にもないよ」とつっこまれていた。物語は、親友同士の3人が出征前の最後の夜に、一番イケていない女の子をパーティーに連れてきた者が賞金を得るという最低のゲーム「ドッグ・ファイト」に参加することで展開していく。それは兵士への一歩を踏み出す彼らに感情を捨てさせるために仕組まれた残酷な通過儀礼だったが、真面目なローズ(昆夏美)と接するうちにエディ(屋良)の心は変わっていく。藤岡と屋良は同い年で、大久保は2人より一回り年下だが、親友同士という設定に、藤岡は「おそらく僕と屋良っちが若くて、祥太郎が老けてるんじゃないですかね。だって、妙な貫禄ありますから」と、ニヤリとした。主演の屋良について、藤岡は「僕は本当にダンスが苦手で、屋良くんと言えばダンスの振り付け家をやってるくらいだから、『ダンス苦手なんだ、優しくしてね』と言いました。すごく気さくだし、いい関係が作れるんじゃないかと思います。再々演なので、作品について様々な経験や知識があると思うので、どんどん相談していきたいし、新しい何かを入れられるとすれば、色々話をしていきたいな。共に模索してくれるような包容力があるから」と信頼を寄せる。大久保も「個人的に屋良さんの舞台を客席ですごく観ていた人間なので、歌・芝居・ダンス、何でもできる方だという印象があります。深夜の密着番組を見たときにも『ストイックな方なんだな』という印象があって、屋良さんの雰囲気にも表れてる。芯のある方なんだなと思っています」と、印象を表した。また同作は『ラ・ラ・ランド』『グレイテストショーマン』作詞・作曲を手がけたベンジ・パセック&ジャスティン・ポールコンビが、両作品よりも前に世に送り出していたことでも知られる。藤岡は「1960年代の前半のお話なんですけど、当時の音楽もしっかりと入っている、僕自身もそこらへんのジャンルをよく通ってきているので、リアリティを持って、皆で取り組めるようになるかな」と楽しみにしている様子。大久保は「全部の曲がキャッチーでかっこいい。主題歌になり得るような曲が何曲も入ってるイメージがあって、ロック調もあれば、ジャズっぽい曲、ブルースっぽい曲と色んな要素が詰まってる。オープニングで歌った曲が何回もリプライズで出てきたりして、場面によって心情が変わっていくのも面白いです。高いところから低いところまで使うので、かっこよくフルに熱く歌えたらという思いで稽古に取り組んでいます」と意気込んだ。東京公演は東京・日比谷シアタークリエにて9月17日~10月4日、愛知公演は日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールにて10月6日、大阪公演は梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて10月21日~10月24日。
2021年08月24日元NHKアナウンサーの堀尾正明氏(64)が6月20日、TBS系の情報番組「ビビット」に生出演。「週刊新潮」で50代シングルマザーとの不倫疑惑を報じられたことについて、釈明した。同誌によると堀尾アナは妻子がいるが、妻とは数年前から別居。お相手の女性とは半年前に出会ったとのこと。女性の子どもたちもなついており、今月に入ってから3週間で4回も女性宅に宿泊したという。番組で堀尾アナは目を赤くしながら、「許容範囲を超えた行動をした」と報道について言及。視聴者に対しては「不快な思い、嫌な思いをさせてしまい、言葉もありません」などと直立不動で謝罪した。またお相手の女性に取材した結果、堀尾アナには好意を抱いていなかった旨のコメントも紹介。堀尾アナの妻の謝罪コメントも伝えた。するとMCをつとめる女優の真矢ミキ(55)は、お相手の女性と面識があったことを告白。堀尾アナが普段は家族思いであることを明かし、「(不倫報道で)番組的に説得力はなくなると思いますけど、今回はその優しさがアダになりましたね」とコメントした。このやりとりに対し、ネット上では《真矢さん、かばったらダメ》《堀尾さんの立場的には無責任な行動ですね》など、批判の声が殺到したのだ。「真矢さんはこれまで不倫問題にはズバズバ意見することが多く、それが視聴者の共感を呼んできました。それだけに、今回の対応には疑問の声も出ています。また番組の構成が不倫ではなかったと“証明”するようにしていたのも、逆効果としてとらえられているようです」(芸能記者)
2019年06月21日上岡敏之の音楽監督3年目となる新日本フィルハーモニー交響楽団の2018/19シーズン定期演奏会ラインナップが決定、上岡やソロ・コンサートマスター崔文洙らが出席して発表会見が開かれた(3月26日・すみだトリフォニーホール)。【チケット情報はこちら】宝石の名前を冠した3つのシリーズ、「トパーズ」(8プログラム16公演)、「ジェイド」(8プログラム8公演)、金曜と土曜に開かれる、午後のシリーズ「ルビー」(8プログラム16公演)で構成される新日本フィル定期。「はっきりした色ではなくグレー系で統一した」(上岡)という「トパーズ」は、楽団の柱とも言える、本拠地すみだトリフォニーホールでのシリーズだ。上岡は、9月のシーズン開幕を飾るR・シュトラウス・プロ(第593回定期)、ラヴェルとその同時代の作曲家アルベリク・マニャールが並ぶスパイスの効いたフランス・プロ(第601回)、そして恒例のお楽しみ、年間の来場者アンケートをもとに選曲するリクエスト・コンサート(第608回)を振る。マグヌス・リンドベルイのフィンランド独立百年の祝典曲《タイム・イン・フライト》(2017年)日本初演や(第595回/ハンヌ・リントゥ指揮)、フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮のメンデルスゾーン&シューマン(第606回)も注目。上岡が「発散だけではない、音楽を深めたスケール感」を考慮したと語ったのは、サントリーホールでの「ジェイド」。ブルックナーの「遺言」どおりに未完の交響曲第9番と《テ・デウム》を並べた第596回、マーラー《復活》(第602回)、《運命の歌》《哀悼の歌》《ドイツ・レクイエム》というブラームス合唱曲三昧の第607回と、合唱の入ったプログラムに目を惹かれる(第596回は新国立劇場合唱団、ほかは栗友会合唱団)。名曲シリーズ「新・クラシックへの扉」を前身とする「ルビー」は、リーズナブルな価格設定は踏襲しつつ、「名曲」の概念を聴衆と一緒に広げていきたいという上岡の意志のもと、聴きごたえある真の「名曲」がずらり。現シーズンに続き海外から話題の女性指揮者を招くのも、今後の特徴のひとつになりそうだ。来季は、スウェーデンの合唱指揮者ソフィ・イェアンニン(2019年2月/ハイドン《四季》)と、ニューヨーク生まれのメキシコ美人指揮者アロンドラ・デ・ラ・パーラ(2019年7月/ヒナステラ&ファリャ)のふたりが登場する。「オーケストラがさらに一歩、音楽の中に入っていけるような、それが聴衆のみなさんに伝わるような3年目にできたら」という上岡。会見でコンサートマスターの崔も語っていたが、どんなに繰り返し演奏した作品でも上岡とともに丁寧にスコアを読み直してゆくような念入りなリハーサルによって、オーケストラの音も音楽も確実に変化している。楽団創設以来の持ち味である際立った個性に、さらなる磨きをかける上岡シェフ。その3年目シーズンも目が離せない。取材・文:宮本明
2018年03月28日力強くも美しい歌声で『ミス・サイゴン』のクリス役など、数々の当たり役を得てきた歌手で俳優の藤岡正明が、ロンドン発のミュージカル『タイタニック』に出演する。新演出版 ミュージカル「タイタニック」チケット情報日本では映画版や壮大なセットで話題を集めたブロードウェイ版などで知られるが、本作は英国の気鋭演出家トム・サザーランドによる新演出版。歴史的悲劇に愛や希望を見出したドラマティックな群像劇だ。「台本を読むだけでも様々な人間の考えや思いが交錯していて、どの目線から見ても物語が成立する。最初にひどいと思った人物も、2度目にその人の立場で物語を読み解くと、痛いほど気持ちが分かったり。悪者がいない。地球上に住む60億人すべての人間の共感に値するものが、絶対にあるんじゃないかな」物語は『NINE』や『ファントム』を手掛けたモーリー・イェストンが紡ぎ出す名曲の数々に彩られる。藤岡が演じるガテン系の機関士バレットにも、恋人へ捧ぐ見せ場のナンバー『プロポーズ/輝く夜』がある。「まだ稽古前ですが、作品をよく知る人たちからは『あの曲を歌ってくれるんですね!』とすでに喜ばれていて。名曲を歌わせてもらえることは、ありがたいですね。ただバレットは、史実とは別の末路をたどるので。そこは難しいチョイスだなと。稽古場では彼が育った環境や服装まで掘り下げて、役に深みを持たせたい」俳優業の傍ら、2012年には演劇ユニット「青唐辛子」を旗揚げ。俳優を目指す若者らと交流することで、一層舞台が好きになったという。「いいものはいいと認めてあげたいし、少しでも才能を見出す一端を担えればと始めましたが、僕自身役者として何をすべきなのか使命感を感じるようになりました。『タイタニック』ではよくぞこの面子を揃えたな!と共演するのが楽しみな方たちばかり。魅力的なキャストと骨太な筋書き、歌を聴くだけでも感動できる。間違いなくおすすめできる作品です」主演は『ボンベイドリームス』への出演も決定している加藤和樹。共演に実力派の鈴木綜馬、戸井勝海、津田英佑、シルビア・グラブ。ヴォーカル・グループ「LEVEL VETS」メンバーの佐藤隆紀。注目の若手より古川雄大、矢崎広、声優としても活躍する入野自由。また宝塚歌劇団花組元トップスターで振付家の安寿ミラほか多彩な顔ぶれでおくる。3月14日(土)から29日(日)まで東京・シアターコクーン、4月1日(水)から5日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。チケットは1月17日(土)より一般発売開始。一般発売に先駆け、1月16日(金)18:00より先行先着「プリセール」を実施。取材・文:石橋法子
2015年01月15日