指定流通機構(レインズ)とは指定流通機構(通称、レインズ)とは、宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣が指定した不動産流通機構のことをいいます。不動産業者は、この指定流通機構に登録されたすべての物件を閲覧することができ、これにより買主に最適な物件を早急に見つけることが可能です。このような不動産流通の円滑化を目的に、全国に4法人(東日本、中部圏、近畿圏、西日本)の不動産流通機構が設立されています。指定流通機構の役割とは指定流通機構は不動産物件の情報を一元化しているコンピュータネットワークシステムですが、その役割は何でしょうか。不動産流通機構の役割として、以下の3つが挙げられます。不動産情報の交換不動産業者が売主の依頼により媒介契約を受けた場合、指定流通機構に物件情報などを登録する必要があります(一般媒介契約の場合は依頼者の任意)。上述したように指定流通機構は、登録された物件情報すべてを不動産業者が閲覧できるようにしています。こうすることで、迅速に買主を見つけることが可能となります。指定流通機構は、不動産流通の円滑化が促進される働きを担っているといえるでしょう。成約情報の集約登録した物件の売買契約が成立した場合、不動産業者は以下の項目を指定流通機構に通知する必要があります。『登録番号、売買契約の年月日、取引価格』不動産業者がいつまでも成約済みの物件情報を掲載していては紛らわしいので、成約したらすぐにその旨を指定流通機構に通知する義務があるのですね。ところで、物件価格はどのようにして決められているかご存知ですか。実は物件の販売価格などは、不動産業者が対象物件の近隣の成約価格(実際に販売された価格)を基にして決めています。指定流通機構は、この成約された物件情報を集約することで、不動産業者が次の取引を適切に行えるよう、その環境を提供しているのです。取引情報の提供近年インターネットが普及したことから、私たち消費者は不動産取引情報をスマートフォンなどで収集するようになりました。私たちは不動産に関しては素人なので、相場関係が分かりません。これでは不動産取引時に情報弱者となるといった懸念から、指定流通機構は不動産取引情報提供サイト「RMI(レインズ・マーケット・インフォメーション)」を公開しています。このサイトでは、指定流通機構が保有している成約物件の情報を、私たち消費者でも閲覧できるようになっています。こうすることで、私たち自身の目で取引の相場価格を把握することができ、安心して取引を行うことができます。まとめ不動産業界には、取引流通の円滑化や購入者の利益保護を図るべく、物件情報などを指定流通機構に一元化していることが分かりましたね。不動産業者は不動産取引のプロではありますが、常に正確な情報を提供しているとはいえません(しないと犯罪ですが、私たち素人ではわからない情報もあり隠そうとします)。不動産取引を行う際には、ぜひご自身の目で指定流通機構のRMIで取引相場を確認するようにしてみましょう。
2018年01月23日ローコスト住宅とはローコスト住宅とは、比較的安い価格で販売されている住宅のことをいい、ハウスメーカーが建てることが多いのが特徴といえます。一体どのぐらい安いのでしょうか。住宅を建設する場所にもよりますが、一般的な住宅の坪単価相場は80~90万円ほどです。しかし注文住宅は、なんと坪単価30万円~60万円が価格相場となっています。なぜ、このような格安相場で住宅を販売できるのでしょうか。それは住宅の建築費用として重要な「3つの要素」に理由があるのです。ローコスト住宅の秘密は「3つの要素」にある!?「3つの要素」とは、「材料費」「人件費・広告宣伝費」「諸経費」といった、いわゆる建築費用のことを指します。これら3つの要素を抑えることで、ローコスト住宅の坪単価を30万円~60万円と格安にすることが可能なのです。材料費人件費・広告宣伝費諸経費イメージしにくいのは、3つの目の「諸経費」でしょうか。これは比較的シンプルな間取りにして、また部屋数を少なくするなどをしてコスト削減効果を狙っています。削るところはとことん削って建てられるローコスト住宅ですが、そのメリットは何でしょうか。ローコスト住宅のデメリットとメリットローコスト住宅のメリットを説明する前に、まずはデメリットについてみてみましょう。デメリットには2つあります。デメリットユニット(キッチン、バス、トイレ)のグレードが低いこれはローコスト住宅の前提条件ともいえます。断熱性・耐火性・耐久性・耐震性・遮音性などが優れていないしかし中には上記2つのデメリット要素が優れているものもあります。たとえば、リビングや寝室に床暖房があるIHクッキングヒーターなどオール電化に対応している国で定められた「長期優良住宅の認定」を受けた住居であるなどが挙げられます。これらのような要素があれば、それはそれでメリットの1つともいえます。メリット格安で住宅が建てられて「これ以上にメリットなんてない」と思うところですが、最大のメリットは他にあるのです。それは、「建て替えのしやすさ」にあります。ローコスト住宅は比較的安く家を建てることを念頭とした住宅であり、そのため設備や性能が優れていないのが前提であると先述しました。つまり住宅に耐久性はなく、「一生この家に住む」といった人向けの住宅ではないといえます。しかし逆にいえば「子どもが大きくなるまではこの家でいいか」など、ライフスタイルに合わせて住まいを変えていくといったスタンスをとるのであれば、非常に優れているといえます。これが最大のメリットといえるでしょう。どこに頼めばいい?ここまででローコスト住宅の定義やデメリット・メリットについてみてきました。家探しで苦戦する要因として、「業者探し」があると思います。そこで、考えられる業者を紹介して最後にしたいと思います。ローコスト住宅を依頼するにあたって考えられる業者は以下の3つが挙げられます。ハウスメーカー大手メーカーは、上記で挙げた「3つの要素」のうち「人件費・広告宣伝費」「諸経費」に費用を掛けている傾向があります。「材料費」でお金が掛からないから安心、と思ってはいけません。外構工事費などを「諸経費」に加算してくる場合もあるので、注意が必要です。工務店上記1で挙げたハウスメーカーは全国展開しているのが特徴的ですが、工務店は地域密着型が多いといったのが特徴的といえます。そのためフットワークが軽いといったメリットはありますが、ハウスメーカーほどの資金力はないので「材料費」などにお金を掛けることができず、品質の悪い材料となる場合もあります。もちろんすべての工務店というわけではないので、営業担当マンなどに確認するのが良いでしょう。建築設計事務所建築士が在籍する建築設計事務所なら、設計はお手並みのものなので安心して依頼することができるでしょう。しかし建築士は基本的に設計・施行監督が主な仕事で、施行に関しては下請け業者に依頼する場合がほとんどなので、理想とはすこしズレる可能性も否めません。まとめローコスト住宅を依頼する場合は、設計と設計確認は「建築設計事務所」とし、施行は「工務店」に依頼するのがベターといえるでしょう。「一般住宅を買うほどお財布には余裕がないけれど、子育てをするためにも戸建て住宅には住みたい!」といった方にはお勧めのスタイルといえます。今後のライフスタイルを考慮しつつ、検討してみてはいかがでしょうか。
2018年01月22日ルーフバルコニーとはルーフバルコニーとは、下の階の部屋の屋根部分をバルコニーとして利用することをいいます。ルーフとは屋根という意味で、ルーフテラスともいわれたりします。バルコニーはよく共有部分と思われがちですが、実は専有部分であるのが特徴といえます。バルコニーと似て非なるものにベランダがありますが、ベランダは共用部分です。また両者の違いとして「屋根」の有無があります。バルコニーには屋根がなく、ベランダには屋根があります。下の階の部屋の屋根部分を利用している「ルーフバルコニー」は、あくまでもバルコニーなのです。ルーフバルコニーの魅力とは?ルーフバルコニ―の魅力は、ずばりその「広さ」にあります。屋根の一部と聞くと少々危険性も感じますが、逆にそれを感じさせないためにスペースを広くとっているといえます。そのため、子どもがのびのびと遊ぶスペースもあれば、家族でBBQをして楽しむスペースも確保することができます。また採光範囲も広いため、一度に多くの洗濯物を干すこともできます。家族ひとりひとりにとってメリットのあるルーフバルコニーですが、具体的な使い方にはどのようなものがあるのでしょうか。ルーフバルコニ―の使い方洗濯物を広々と干せる!夏は子どものプール広場に!花火もできちゃう!ペットと子どもの遊戯空間にもカフェテリアのような落ち着いた空間の演出もソファやベンチを置いて、読書などの趣味も堪能できる在宅ワークも快適に夜景や打ち上げ花火も楽しめる!家庭菜園もできる住む人によってルーフバルコニーの使い方は様々ですが、ライフスタイルに応じて変化できる点が、人気の秘訣といえます。ただし注意したい点もあります。ルーフバルコニーの注意点3つ使用料が発生する先述したように、ルーフバルコニーは共用部分です。つまり自分の空間ではないので、当然その分のお金を払う必要があるわけですね。細かい規則がある場合も考えられるマンションによって規則は異なります。共用部分には2種類あり、「法定共用部分」と「規約共用部分」とがあります。これらの規則に、たとえば「BBQなどをする場合には、事前に許可を得ること」や「ルーフバルコニーは避難通路となっている旨」などがあります。掃除の手入れが大変である定期的にウッドデッキや芝生、家庭菜園などをよけて、排水溝の掃除をするようにしましょう。排水溝が詰まると、下の階に雨水が流水してトラブルのもとになりかねません。まとめ実はルーフバルコニーは、最上階にしかないケースがほとんどです。そのため物件数がかなり少なく、費用も高いことが想定されます。しかし子育てにも趣味にももってこいのルーフバルコニーは、少しお金を多く出しても住んでみる価値がある良物件であるといえます。ぜひ、探してみてください!
2018年01月21日スモールハウスとはスモールハウスとは、字のごとく「極端に小さな家」という意味です。生活に最低限の機能しか持たない代わりに、シンプルで無駄のない暮らしを実現するスモールハウスは、「ミニマリスト」たちの間でも大変人気です。スモールハウスの代表例としては、無印良品が提供する『無印良品の小屋』、またスモールハウスのパイオニアともいえるYADOKARIが提唱する『250万円で買える家』なんかがこれにあたります。「ミニマリスト」たちに愛されている理由とは何でしょうか。その謎に迫ってみましょう。スモールハウスの魅力スモールハウスには、以下のような魅力があります。一般住宅よりも圧倒的に安い!掃除やメンテナンスの手間が省ける!好きな場所にいつでも移動できる!用途はそれぞれ!家としても作業場としても、店舗としても。スモールハウスの平均相場は100万円台~200万円台が平均的です。もちろん、一般的な住宅とは異なるので、大きな住宅ローンなどに縛られることもありません。また設備面においては生活に必要なガスや電線、水道管などといった最低限な範囲内に留めており、その分居室スペースは小さいので掃除やメンテナンスに時間を割くことはありません。しかもこれでいて自由に移動できる!「好きな時に好きな場所で好きな人と」といった最近話題のノマドワークスならぬノマドライフが堪能できそうです。また、これは何も居住としての利用に限っているわけではありません。上記のように「好きな場所で仕事を」といったノマドワーカーには、本当にお勧めの物件といえます。仕事場や趣味の作業場として利用するのもアリですし、隠れ家や別荘宅として利用するのも良いですね。まとめいかがでしたか。スマートハウスなら時間や場所に縛られることなく、自由度の高い生活が実現できます。日ごろの主婦業の息抜きに自分だけの空間が欲しいというママさんや、ライターなどフリーランスで働くキャリア女子にも持ってこいの物件ではないでしょうか。自分らしく在れる時間があってこその「人生」。住まい探しから人生を豊かにしていきましょう!
2018年01月20日下がり天井ってなんですか?下がり天井とは、天井の一部分が下がっている状態のことをいいます。つまり、天井高が均一ではなく、一部分でも下がっていれば「下がり天井」となります。またそのためか、天井の隅に梁がむき出しになっているものも「下がり天井」といいます。しかしマンションの場合によくみられる、キッチンの天井が低いなどといった場合には「下がり天井」とはいわず、単に「天井が低い」といった表現となります。下がり天井は、実際に見れば一目瞭然ですが、不動産広告などにみられる間取りでは、その判別がしにくいのです。間取り図を見て、下がり天井であると見抜くポイントを紹介していきます。広告では「点線」で示している間取り図では、下がり天井を「点線」で示しています。たとえばマンションの間取り図を見たとしましょう。キッチン部分に点線はないが、リビングルームには点線が示されていたとします。それはつまり、リビングルームは下がり天井であることを意味しています。下がり天井の特徴として、先述したように梁がむき出しになっている状態などが挙げられます。マンションでは、大梁や小梁、排気ダクトの梁型が、リビングなどの居室を横切っている場合が少なくありません。内観的に見苦しいのは言うまでもありませんが、天井からの照明によって陰になりやすいといった問題が考えられるので、注意が必要です。またプラスして覚えておきたいことがあります。それは梁やダクトはリフォーム時に移動することはできない、ということです。間取りを変更するうえでも障害となるので、下がり天井のある物件は居住者への配慮に欠けているといえるでしょう。しかし高級マンションでは、上記のような問題を心配する必要はありません。なぜなら、天井板と上階住戸の床スラブとの間に梁やダクトを収めてしまうので、天井がフラットとなり、下がり天井ができないためです。まとめ最後に今回のポイントをまとめてみましょう。下がり天井は、天井の一部分が下がっていることである間取り図では「点線」で示されている梁やダクトがむき出しになっている場合があるリフォーム時には、この梁やダクトを移動することはできない高級マンションでは、下がり天井の心配はいらないマンションでの居住をご希望の方は、間取り図の「点線」に注意するようにしましょう。
2018年01月17日住宅性能評価書とは住宅性能評価書とは、「住宅性能表示制度」に基づいて国(国土交通大臣)に認定された第三者評価機関が、住宅の性能について評価したものをいいます。住宅性能評価を受けた物件は、住宅性能が安全であると評価されたことになり、またこれには2つの段階が存在します。1つめが設計段階に住宅性能を検査する「設計住宅性能評価」で、2つめが建設段階に住宅性能を検査する「建設住宅性能評価」です。この制度が導入されたことで、様々な工法によって建設された住宅の性能を一律に評価することができるようになりました。さらにこれによって、私たち一般消費者でも性能評価を受けた物件を容易に比較検討できるようになりました。物件を比較検討するためにも、どのような項目で何について評価されているのかを知る必要がありますね。今回は「設計住宅性能評価」について具体的にみていきましょう。「設計住宅性能評価」10項目住宅性能評価では、以下の10項目を評価します。構造の安定地震などの影響による建物の「倒壊耐久度」や「損傷の受けにくさ」を評価します。等級が高いほど地震などに対して強いことを意味します。等級1の評価でも、大地震(震度7相当)が起きても倒壊することはないとされているので、住宅性能評価を受けていればまず安心といえるでしょう。このほかにも、台風など様々な自然災害に関する評価があります。維持管理・更新への配慮排水管・水道管・ガス管の点検、清掃・修繕のしやすさを評価します。温熱環境暖房や冷房を効率的に稼働するために、壁や窓の断熱性能を評価します。 等級が高いほど、省エネルギー性に優れているといえます。劣化の軽減柱や土台の劣化の進行を遅らせるための対策を評価します。光・視環境東西南北及び上方の5方向について、窓の開閉範囲や採光量などを評価します。空気環境接着剤などを使用している建材から発散するホルムアルデヒドが、シックハウス症候群の原因のひとつとされています。その危険性がないかを評価します。また換気設備が整備されているかも評価の対象となっています。音環境主に共同住宅の場合に多い評価項目で、上・下・隣の住戸からの反響音について評価します。選択表示事項(オプション)なので、申請者が評価対象とするか否かを選択することができます。火災時の安全住宅内で火災が発生したときの避難のしやすさ、隣の住宅が火災のときの延焼のしにくさなどについて評価します。耐火性のある外壁・床・屋根であることや、火災報知器などの設置状況、避難・脱出経路が確保されているかなどがこれにあたります。防犯対策外部開口部(ドアや窓など)について、防犯上有効な建物部品や雨戸などが設置されているかの侵入防止対策を評価します。高齢者への配慮高齢者や子供が暮らしやすいよう、バリアフリーの程度を評価します。1~4は必須項目で、5~10は選択項目です。住宅性能評価書を受けた物件のメリットとは最後に、住宅性能評価書を受けた物件のメリットについてご紹介します。国(国土交通大臣)の登録を受けた第三者機関による評価だから安心!(公平に性能をチェックしてくれている)住まいの性能評価の見方が、等級や数値で表示されているため分かりやすいトラブルが生じても専門機関(指定住宅紛争処理機関)が対応してくれるフラット35(住宅ローンの一種)でも適用可能!資産価値が維持しやすく査定に有利なため、中古売却がしやすいまとめ物件数はたくさんありますが、やはり耐震性などに優れた物件の方が良いですよね。物件選定で迷ったときは、住宅性能評価を受けている物件かどうかが、ひとつの判断材料になりそうですね。安心・安全な住まい環境を維持するためにも、ぜひ、住宅性能評価書を参考にしましょう。
2018年01月14日礼金・敷金とは賃貸住宅の契約を行うとき、不動産広告などに賃料とはまた別に「敷金」「礼金」といった項目を目にすると思います。敷金とは「敷金」とは、部屋を借りるための保証金といった性質があり、そのため退去時には返金されるのが特徴的です。「敷金」には2つの目的があります。家賃滞納分の担保大家さんは、借主が家賃を滞納したら困ります。仮に家賃を滞納したとしても、一時的に敷金から補填することで収支計画の帳尻を合わせます。原状回復などの修繕費用また大家さんは、借主が不注意で建具や設備を破損した場合にその修繕費用として、敷金から差し引くようにしています。仮にそのような事態が起きなかったとしても、退去時のクリーニング代として引かれます(多くの場合、タイルが傷ついていたりするので差し引かれる)。敷金が返還されないといったトラブルが相次ぎ、業界がこの改善に取り組んでいます。礼金とは「敷金」の特徴や目的は分かりました。では、不動産広告でセットのように表記される「礼金」とはどのようなものなのでしょうか。「礼金」とは、部屋を貸してくれる大家さんに対しての『お礼を示すお金』のことをいいます。ここで疑問に思われた方も多いかと思います。「なぜ客側であるコチラがお礼を渡さないといけないの?」と・・・・。ごもっともです。私もそう思いました。実は、これには古い慣習が関係していたのです。礼金の慣習とは礼金の慣習が始まったのは、高度成長期頃のことです。上京する若者が身寄りの無い都会で生活するにあたって、困った際に頼りになったのが、やはり下宿やアパートの大家さんだったのです。そこで親御さんが「息子(娘)を頼みます」といった意味で、大家さんに対して前もってのお礼として渡したのが始まりであるといわれています。またこんな話もあります。戦後はとにかく住宅不足で、「貴重な生活処を提供してくれたお礼」といった意味で、借主が大家にお金を包んだのが由来なんて説もあります。現在になっては借り手市場ではありますが、当時は供給側が少なかった影響があってか、次第に地域でこの慣習が定着したということですね。礼金ありの物件が多い理由礼金は大家さんへの謝礼金なので、大家さんが礼金の「あり・なし」を決めます。しかし最近では大家さんと借主をつなぐ不動産仲介会社がこの礼金を手数料として扱っているケースも増えているようです。仕組みはこうです。礼金は「取引物件の家賃1か月分までしかとれない」と定められています(宅地建物取引業法、以下、宅建業法)。そしてこれは、仲介会社が何社いても「1か月分までが上限」です。つまり、自分のところ以外にも他に大家さんと仲介する会社がいれば、取り分が減るということです。実際に仲介会社は、賃貸契約1つ取るだけでもかなりの労力と時間をかけており、割に合わないのです。(実際に私も現場を体験したことがあるので分かるのですが、割に合いません・・・・。)そこで仲介会社はこう考えたのです。「大家さん、広告を出せば早くに入居者が決まりますよ!しかし広告費を出すのもなんでしょうから、礼金から出されてはいかがでしょう?」上手い話ですね。広告費は上記同様(宅建業法上)、依頼主の依頼によってその報酬を受け取ってはならないとされています。しかも場合によっては、広告費より家賃1か月分の礼金の方がウマイかもしれません。こうすることで、仲介会社が別にいたとしても、契約を取れば家賃1か月分は確実に入ってくる仕組みが成り立ちます。下手したら大家さんですら「礼金は大家さんの取り分」であることを知らず、「礼金は仲介会社へのお礼金」と勘違いされている方も・・・・しかも現在では不動産広告の料金が上がっているので、仲介会社はなるべく広告にお金をかけたくないのです。そのためか「礼金あり」としている業者が、平成26年度では43.0%、平成27年度では47.5%とその数約半数となっています(国土交通省(平成27年度)「住宅市場動向調査報告書」より)。礼金は交渉できる?ここまで読まれた方は、もしかするとこの制度にうんざりしているのではないでしょうか。ともすれば、「礼金あり」の物件を「礼金なし」に交渉したいという方もいらっしゃるはず。礼金の交渉は可能で、大家さんにしましょう。しかし大家さんと直接話せることは少ないので、不動産会社に間を取り持ってもらいましょう。そこで大家さんに、上記で挙げた「礼金の仕組み」について知っているか確認を取ることをお勧めします。礼金を不動産会社に渡すぐらいなら、礼金をもらわなくても信用できる借主なら安心だ」と思う大家さんもいるはずです。太っ腹な大家さんもいる中、最近では敷金・礼金がゼロの『ゼロゼロ物件』も存在しますね。これについてはまた別の記事でご紹介したいと思います。
2018年01月13日住宅性能評価制度には2種類ある住宅の性能品質を確保するため、国は指定機関である住宅性能評価機関に住宅の性能を客観的に評価するよう法律で定めています(住宅の品質確保の促進等に関する法律)。これを「住宅性能評価制度」といい、2段階に分けることができます。1つは「設計住宅性能評価」で、2つめは「建設住宅性能評価」です。「設計住宅性能評価」設計住宅性能評価とは、「設計段階での住宅の検査」を意味します。つまり住宅が未完成時点のものであるため、設計図をもとに検査を行います。検査を受けるかどうかは、住宅の建築時点で決める必要があるので、注意が必要です。「建設住宅性能評価」建設住宅性能評価は、「完成段階での住宅の検査」を意味します。完成時点の住宅を検査するのですが、設計図と照らし合わせながら行うのが特徴といえます。そのため、事前に「設計住宅性能評価」の検査を受けておく必要があるので、この点に注意が必要です。住宅性能評価でチェックする項目は全部で10コあります。住宅性能評価には10コある構造の安定(地震・風・積雪に対しての建物の強さを評価)劣化の軽減(柱や土台の劣化の進行を遅らせるための対策を評価)維持管理・更新への配慮(排水管・水道管・ガス管の点検・清掃・修繕のしやすさ)温熱環境(建物の冷暖房を効率的に行う為の断熱などの省エネ対策を評価)火災時の安全(火災の早期発見のしやすさ、外部からの延焼に対する耐火性を評価)光・視環境(室内の明るさを、部屋の広さに対する窓の大きさの割合で表示)空気環境(室内への有害物質の発散量、換気対策を評価)音環境(開口部の遮音性能や、共同住宅の上下又は隣接する住戸への音の伝わりにくさを評価)防犯対策(犯罪者が住宅に侵入しないよう、開口部に対策がとられているかを評価)高齢者への配慮(高齢者や子供が暮らしやすいよう、バリアフリーの程度を評価)1~4は必須項目で、それ以降は選択項目となっています。住宅性能評価を受けるメリットは、2種類とも似たところがありますが、今回は「建設住宅性能評価」のメリットを中心にご紹介していきます。建設住宅性能評価を受けた物件のメリット地震保険の割引が効ある(10~50%の割引)民間から借入れる住宅ローンの金利が優遇されるトラブル紛争解決の専門機関が、1万円という破格で対処してくれるまとめ今回は建設住宅性能評価を中心にご紹介してきました。建設住宅性能評価は、設計住宅性能評価も兼ねていることから、業者に手抜き工事をさせない手段ともいえ、この点が最大のメリットといえるでしょう。安心・安全な暮らしを実現するためにも、設計段階からの検査を行うようにしましょう。
2018年01月10日ヴィンテージマンションの定義マンションに限らず、一般的に不動産は人間と同じく歳を取ります。しかし人間とは異なって歳を取らない不動産が存在します。それがヴィンテージマンションです。ヴィンテージマンションとは、建設されて数十年経ても資産価値を保っているマンションのことをいいます。ヴィンテージ(Vintage)と聞くと、ワインを思い浮かべる人も少なくはないと思います。ヴィンテージ(Vintage)とは英語で「年代物」という意味であり、「ヴィンテージマンション」は、10年以上前に醸造したいわゆる“当たり年”のワイン(ヴィンテージワイン)から由来しています。ヴィンテージマンションと呼べるには、ただ古いだけでなく、資産価値の高さを保っていることが条件といえます。ヴィンテージマンションの条件について、もう少し詳しく見てみましょう。ヴィンテージマンションと呼べるための条件条件としては以下のようなものが挙げられます。ブランドエリア(好立地)にあるデザイン性に優れている管理(修繕計画の徹底など)が行き届いているコミュニティ性がある具体的な条件として、不動産専門の調査会社「カンテイ」は以下のように設定しています。築10年以上坪単価300万円以上平均専有面積90平方メートル以上ヴィンテージマンションの体質上、国内でもそんなに数多くあるわけではありません。立地も高級住宅街に多く、必然的に住む人のマナーレベルも高いといえます。そのためか、その物件に愛着を持っている人も多く、修繕計画も密に計画されます。資産価値が下落しない理由がここにあり、またメリットともいえます。しかし一方でデメリットもあります。ヴィンテージマンションの多くは古いものです。そのためキッチンやバスなどの水回りなどが使いづらい様式であることが想像されます。また、1981年以前の旧耐震基準に沿って建てられているものが多いので、耐震診断が行われているかどうかをチェックする必要もあります。「内装が使いにくい」「耐震性能に不安」といったデメリットはありますが、こんな場合はリノベーションがお勧めです!一般のマンションと同様、ヴィンテージマンションもリノベーションやリフォームが可能です。外観は昔ながらの味がでているものの、内装は現代的な生活様式といったギャップは、想像するだけでもテンションが上がりますね。まとめ古ければ古いほど、資産価値が上がるヴィンテージマンション。リノベーションなどで内装をアレンジすれば、そこはもう自分だけの世界です。日本でも有数のブランドエリア内に、自分だけのお城を構えてみるのも良いかもしれません。
2018年01月07日ピロティとはピロティとは、2階建以上の建物で1階部分が柱のみの外構空間となっている建築物のことをいいます。この建築様式は、フランスで活躍した建築家ル・コルビュジエによって広められたとされています。その代表的な作品が「サヴォア邸」です。実はこの建築物、一度大学の授業で模擬演習として設計したことがあります(筆者は建築家専攻出身)。当時の設計技術では到底なしえない神業であったと、教授から学びました。余談が過ぎましたが、そんな神業は長い時を経て、近代住宅のひとつの様式として日本でも認知されるようになりました。その有効な活用方法についてみてみましょう。ピロティの有効活用(メリット)ピロティはかなり優れた建築様式で、そのメリットには以下のようなものが挙げられます。駐車場や遊戯スペースとしての利用津波災害から家を守る!(耐津波災害性能)ピロティは容積率に影響しない!一般的に多くみられるのが駐車場としての利用ですね。複数台駐車することができ、家自体が軒となるので、雨風を心配する必要がないですね。また遊戯スペースとして利用している住宅も見受けられます。のびのびと遊ぶことができるので、子どもの発育を手助けしてくれる様式です。物件を探していらっしゃる方は、参考にしてみるのも良いかもしれませんね!(ご近所の友人を招いてBBQもできちゃいますね!)そして、なんといっても津波災害から家を守ってくれるのが最大の特徴といえます。東日本大震災時でさえもピロティ建築が残ったことから、水害に強いといった認識が高まりました。また風通しも良いので、台風にも強いといえるでしょう。災害から家族を守ってくれる家は、教育環境としても安全といえますね!最後になりますが、実はピロティは容積率算定に関係しません。室内型のガレージなんかだと、延べ床面積の1/5までは容積率算定には入れなくて良いのですが、広いガレージを作る場合だと1/5を超えてしまい、容積率算定の基準となってしまいます。しかし先述したように、ピロティは面積に関わらず建築できるので、住居部分(部屋)の容積率を目一杯使うことができます(つまり部屋を広く設けられる)。この点もメリットといえます。まとめピロティは災害にも強く、子どもの発育にも適した建築様式であることが分かりました。物件探しをお考えのお母さんは、ぜひピロティ建築を提案してみてください!
2018年01月06日管理費・共益費の使い道住宅情報誌や物件サイトなどをみていると、よく「共益費」や「管理費」という言葉を目にすると思います。管理費管理費とは、名前の通り物件を管理するために必要となる費用のことです。たとえば、インターホンや電灯、掃除業者や管理人への人件費などがこれにあたります。また、もし大家さんが不動産業者(管理会社など)に管理を委託していれば、その分の費用もこの管理費から抜かれることになります。私たち借主が快適な生活を維持できるよう、物件の設備などを整備するために使われるのが管理費です。共益費しかし一方で、物件の外観修繕(塗装など)やオートロック機能、駐車場や駐輪場などの点検といった共用部分の整備にかかる費用を「共益費」といいます。しかしこれら2つはほぼ同じようなもので、徴収する際にはどちらか一方、もしくは「管理費・共益費込み」などと表示されます。つまりこれらの使い道には、正しい決まりはないということがいえます。家賃と一緒になると初期費用が高額に?私たち借主は、部屋を借りるための費用として「家賃」を大家さんに支払います。家賃は毎月支払う必要がありますし、立地によってその相場は異なってくるので、部屋探しをするうえでは最も重要な基準であるといえます。アパートやマンションを借りる際、先述した「管理費」や「共益費」が家賃とは別記で表示されていることがあります。しかし「管理費」も「共益費」も、実は家賃の一部であることに変わりはありません。なので「管理費」も「共益費」も同義といえるわけですね。ではなぜ「管理費」や「共益費」を、わざわざ別記しているのでしょうか。早い話、家賃を安く見せるためです。『家賃60,000円+共益費(管理費)3,000円』『家賃63,000円(共益等込み)』と表記されるのでは、感じ方が全く異なってきますよね。もちろん人によって感じ方は違いますが、先述したように私たちは家賃を基準にして物件を選定します。つまり家賃の価格で判断する人が多く、当然安い物件の方が、多くの人の目に留まります。また契約時にかかる費用には、「敷金・礼金」も考えられます。これは家賃を基準に考慮されるので、共益費などを表記せず家賃のみの値段を設定した方が、借手負担は軽減され初期費用を抑えることができます。まとめ「管理費」「共益費」は家賃の一部であって、これらに明確な定義はありません。物件を選定する場合には、「家賃」の中に「管理費・共益費」が含まれているのかいないのかをしっかりとチェックしましょう。
2017年12月28日専有部分と共用部分専有部分専有部分とは、分譲マンションなど特定の人が居住(利用)する部分のことをいいます。つまり複数の人が居住・利用する建物部分(居室)から、独立した住居や店舗、事務所のことを指します。この独立して使用できる権利を「区分所有権」といい、またその所有者を「区分所有者」といいます。一般的に私たちはアパートの一室を借りたり、分譲マンションを買ったりして生活を送っています(もちろん、戸建住宅に住んでいる人もいますね)。しかし、アパートやマンションは「区分所有建物」といい、複数の人が同じ建物内で生活しています。日ごろ利用する階段やエレベーター、廊下などはこの専有部分には該当せず、「共用部分」といいます。共用部分共用部分とは、ビルや分譲マンションなどのいわゆる区分所有建物で、居住者や賃貸人が共同で使用する部分のことをいいます。たとえば、以下のような部分を指します。管理人事務室や集会室など、管理規約で定められている場所壁や支柱、基礎、屋根などの建物の主要構造部分共用に属する配管や配線廊下や階段室、エントランスなど、構造上共用とされる部分住戸の窓ガラスや玄関扉、バルコニー、専用庭、駐車場など共用部分は、全所有者(賃貸人含む)が利用でき、またその持ち分(利用できる範囲)は、各所有者の専有部分で決まります。ただし、5の専用庭や駐車場などは、規約によって一定の区分所有者のみ使用できる「専用使用権」であるため、注意が必要です。上記のように、共用部分は専有部分に属さない部分のことをいいます。実はこの共用部分、なんと2種類に分けることができるのです。法定共用部分と規約共用部分共用部分は、「法定共用部分」と「規約共用部分」の2つに分けることができます。法定共用部分区分所有法(マンションなどについて規定した特別法)によって定められている建物部分や設備についてです。たとえば各配管や配線、廊下、階段、エレベーター、屋上などを指します。つまり、法律によって「設置しなさい」と定められている部分のことをいうのですね。規約共用部分上記の法律で定められてはいませんが、管理組合の「管理規約」によって、共用部分とすることのできる部分のことをいいます。たとえば管理人事務室や集会室、駐車場など、本来は専有部分として使用ができる部分のことをいいます。共用部分の変更これら共用部分は、上述したように区分所有者全員が使用できます。しかし場合によっては、これら共用部分を変更しなければならない場合もでてきます。共用部分の変更には、2つあります。普通決議共用部分の軽微な変更を行う場合は、区分所有者および議決権の『過半数』による集会の決議で行います。特別決議共用部分の重大な変更は、区分所有者および議決権の『4分の3以上』の集会の決議で行います。ただしこれにおいては、規約で区分所有者の数を過半数まで減らすことができるとされています。まとめ最後は少々難しめな内容ではありましたが、共用部分には「法定共用部分」と「規約共用部分」の2つがあり、さらにこれら共用部分の変更にも、2種類あることがわかりましたね。アパートやマンションに住んでいても、日ごろ「これが共用部分だ」なんて意識することは少ないかと思います。しかし少しでも認識していれば、共用部分の変更時などあらゆる場面で落ち着いて物事を判断できるかと思います。区分所有建物にも、複雑なルールがあることを覚えておくと良いでしょう。
2017年12月25日はじめに相続と聞くと、一見お金などの財産を受け取れるのかと思いがちですが、実は負の財産を相続するケースも少なくありません。たとえば親が自営業をしていて、その会社の借金を背負う・・・・などといったケースが挙げられます。自分の知らないところで借金を作って、突如、その返済を強いられてはたまったものではありませんよね。こんな場合に、あなたならどうしますか?相続は法律の一種であるため、私たちのような一般人は詳しく知らないのではないかと思います。たとえば上記のケースでいえば、借金を放棄することもできるのですが、コレを知らずに損をした人もいるといった事例が多くあります。(相続放棄)。最近では不動産に関する相続が話題となっていますが、今回は相続の種類についてご紹介していきます。それではさっそくみていきましょう。相続の種類3つ相続の方法には主に3つあります。単純承認相続発生時に、被相続人の財産に加えてすべての権利・義務を相続人が包括的に引き継ぐことを単純承認といいます。注目すべき点は財産部分で、これはプラスの財産(資産)もマイナスの財産(借金などの負債)もすべて受け継ぐということです。限定承認プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ方式のことをいいます。この方式はマイナスの財産(借金)の金額が、プラスの財産より明らかに多い場合や、発覚していない借金が残っている場合などに有効です。つまりこの方式を採用することで、マイナスの財産が後からわかったとしても、プラスの財産の範囲内でしか相続しなくて済むのです。たとえば資産3000万円(プラスの財産)があり、後から4000万円の借金が発覚したとしても、資産3,000万円の範囲でのみ、借金を返済すればよいということになります。相続放棄プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がない方式のことをいいます。相続放棄を行う選択する状況としては、◆プラスの財産(資産)とマイナスの財産(負債)を確認したうえで、マイナスの財産(負債)の方が多い場合や◆マイナスの財産(負債)でも、特に残しておきたい財産が無い場合に相続放棄は有効的といえます。また限定承認ができなかった場合にも、利用することができます。限定承認を行うには、法定相続人全員の意思統一が必要であり、法定相続人がひとりでも限定承認に反対すれば、限定承認制度を使用することはできません。この場合に、相続放棄を行うというのもひとつの手といえます。限定承認と相続放棄の違い限定承認と相続放棄の共通ポイントと異なるポイントがあります。共通するポイントポイント:借金などのマイナスな財産を判別する「熟慮期間がある」借金などのマイナスな財産を判別する期間が設けられています。そのため、法律では「相続の開始を知った日から3か月以内に相続する旨を、被相続人の住所地の家庭裁判所(以下、家庭裁)に相続する旨を申述する」必要があります。異なるポイント【限定承認】「全員」でこれ(家庭裁への申述)を行う限定承認では、相続人全員が共同でこれを行う必要があります。誰かひとりが「イヤだ」といえば、これを行うことはできません。この点には十分注意しておきましょう。【相続放棄】「個人」でこれ(家庭裁への申述)を行う相続放棄は、相続人が個人で相続するかどうかを決めることができます。ただし、これも上記で述べたように家庭裁への申述を行わない限り、相続を放棄することはできません。意外とこれを知らない人が多いので、注意が必要です。まとめ相続の種類には3つあり、その中でも「限定承認」と「相続放棄」には共通点と相違点があることを説明しました。上記2つのどちらかを選択するには家庭裁への申述が必要であり、これを知る人は実に少ないのです(そもそも相続放棄があることなどを知る人も少ない)。相続放棄を知らず、何億といった莫大な借金を背負って人生がメチャクチャになった人もいます。一見、利益を得るであろう相続。しかしその仕組みを「知っているか知らないか」が、今後の人生を大きく左右する分かれ道になることを覚えておくと良いかもしれません。
2017年12月24日身近な法律家「司法書士」とは司法書士とは、一般的に不動産売買時や会社設立時に必要となる『不動産登記』を行うスペシャリストといった認識があります。司法書士の主要業務には、大きく分けて以下の5つが挙げられます。登記業務(不動産、会社設立など)成年後見に関する業務相続・遺言に関する業務債務整理に関する業務裁判業務私たち一般消費者が司法書士と関わる機会は少ないのですが、実は人生で重要な場面でお世話になっているのです。たとえば「1.登記業務」なんかは、その最たる例といえるでしょう。司法書士が私たちの生活をどのようにして支えてくれているのか、具体的にみていきましょう。司法書士の役割とは登記とは上記1で挙げた登記業務(不動産)は、私たちの生活を支えてくれている良い例といえるでしょう。不動産登記とは、土地や建物の「物理的な状況」や、その不動産が誰から誰に移ったかなどといった「権利の変更」を、法務局の登記簿に記録し、国民に広く知らせる制度のことをいいます。司法書士は上記でいうところの「権利の変更」に関する登記申請を、私たちの変わりに行ってくれます。なぜ代わりに申請してくれるのでしょうか。それは「登記の必要性」に答えがあります。登記の必要性とはそもそも登記とはなんぞや!?って感じですよね。登記とは、第三者に対して「これは私の権利だ!」と主張することのできる権利(対抗力)のことをいいます。たとえばあなたが、不動産をAさんから購入するとしましょう。しかしAさんは、あなたの他の人にもその不動産を売却したとしましょう(二重売買といい、実際にこのようなケースは多くあります)。これでは所有者が2人になってしまい、争いが起きてしまいますよね。この場合あなたならどのようにして権利を主張しますか?向こうも当然、自分が先だ!と主張してきます。こうなっては争いになってしまいますよね。法律に無知な私たちはどうすればよいのでしょうか。争いを避けながらも「これは私が先だ!」と主張するためにも、登記を行う必要があります。上記のように、民法など人との争いには法律が絡んできます。ご存知のように法律は複雑なため、私たちのような素人では到底太刀打ちできません。しかも一生に一度しか買い物をしない不動産なんて、なおさらですよね。そこで法律のプロである司法書士に、自身の財産を守ってもらうように登記申請を依頼するのですね。直接依頼しなくても良いから気楽!しかも、司法書士への依頼は“不動産屋さん”がやってくれます。不動産購入の費用の中に「司法書士への依頼報酬(約5万円ほど)」があるのですが、自分の財産を守ってくれるための費用と思えば、安いものですよね。まとめ司法書士は、私たちの財産を他人から守ってくれる身近な法律家です。直接関わることは少ないですが、いざという時には最も頼りになる存在です。これからマイホームを購入される方は、物件の引き渡し時に司法書士の先生と立ち会うこととなるでしょう。有事の際にはぜひ、その先生に頼ってみてはいかがでしょうか。しかし「なんだか敷居が高いな・・・・」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。そんな方は、不動産屋さんに相談してみるのもひとつの手です。不動産や金融に関する相談はもちろん、案件によっては司法書士の先生に繋いでくれるので、気軽に相談してみましょう。
2017年12月21日家賃は「前家賃制」確認ですが、家賃(賃料)とは大家さんに支払う部屋賃料のことをいいます。つまり部屋を借りるためのレンタル費ですね。一般的に家賃は「前家賃制」といって当月分ではなく、翌月分を支払い日までに払います(例、11月に12月分を支払う)。ここで問題となるのが、契約月における支払い計算です。契約月分は「日割り計算」で行い、翌月分と合わせて支払います。たとえば、家賃60,000円の物件を11月20日に契約したとしましょう。この場合の日割り家賃は、家賃60,000円÷30日=2,000円2,000円×10日分(残り日数)=20,000円家賃60,000円(翌月分)+20,000円(当月分)=80,000円とこのように契約月分の支払い料を求めます。少し費用がかかりますね。「部屋を他の人に借りられないために前もって押さえておく」というのが、前家賃制の意義です。大家さんからすれば空室は少しでも早く埋めたいので、実際に借主が住まなかったとしても、その分のお金は欲しいといったのが実のところでしょう。大家さんも商売ですからね。しかし最近では、「契約月分を支払わずに部屋をおさえてあげる」といった借主にやさしい物件も見受けられます。それが、フリーレント物件です。フリーレント物件とはフリーレント物件とは、入居後から一定期間内の間、賃料が発生しない物件のことをいいます。上述のように、「これでは大家さんには不利なのではないか?」「何かウラがあるのでは?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、フリーレント物件は大家さんにとってもメリットのある仕組みであり、以下のようなものが考えられます。空室率を下げる工夫になる前家賃制を採るのも、空室期間をなるべく短くし、家賃収入を確保することにありました。フリーレント物件は、家賃を取らずに部屋を借りることのできる物件なので、前家賃制の物件よりも借主には魅力に映る物件であるといえます。つまり、前家賃制の物件よりも借主が早く見つかる可能性が高く、結果、これが空室率を下げることにつながるのです。一方、デメリットもあります。これは私たち借り手にとってのデメリットといえます。違約金がかかる場合がある大家さんは借主に、家賃を一定期間ゼロにして貸すわけですから、その分損をすることになります。たとえば上記のように、家賃60,000円の物件を契約したとして、11月20~11月30日(つまり11月分の1か月間)を家賃ゼロで貸すわけです。賃貸契約は通常2年間の契約期間を設けますから、『家賃60,000円×24か月=1,440,000円』の家賃収入が見込めるわけです。しかし1か月分の家賃は含まれていないので、大家さんはどこかでそれを回収する必要があります。そこで考えられる手法としては、以下の2つが考えられます。家賃を割高にして回収する方法長期的にみると、これは借主が損をするケースとなります。たとえば通常の家賃相場よりも5,000円高く設定されれば、合計で1,495,000円(23か月分)支払うことになります。これでは本末転倒です。違約金で回収する方法1のケースのように、最終的には通常よりも多く支払うことになると借主が知れば、契約をやめる、もしくは短期間で契約を解除することが考えられます。そこで大家さん側は、退去時に一定期間分の家賃を回収できるよう、違約金を設ける場合があります。つまり中途解約して退去する入居者に対して、解約違約金の支払義務を課すために、特約条項を設けた契約書にサインさせます。違約金額は上記の例でいうと、『フリーレント月数(1か月分)×家賃(60,000円)』と設定されることが多いです。デメリットも考慮すると、フリーレント物件は「〇年間は借りないといけない」といった縛り物件であることがわかります。まとめフリーレント物件は、「すぐには引っ越せないけど部屋はおさえておきたい」といった場合などに有効的です。しかし長期的にみてみると、借手にとって必ずしも得するというわけではなさそうです。デメリットに注意しつつ、利用を検討するようにしましょう。
2017年12月20日建物によって、その構造が異なることはみなさんもご存知のことかと思います。たとえばマンションとアパートではどうでしょうか。マンションはアパートに比べて防音性能がしっかりとしていますし、頑丈にみえます(耐震性能が強い)。このように、建物の構造が異なれば住まいの影響も異なってくるといえます。重要なのは自分の住む建物構造が、どのようなメリット・デメリットを持ち合わせているのかを把握していることにあります。戸建住宅や共同住宅によく用いられる建物構造4つのメリット・デメリットについてみていきましょう。各建物構造のメリット・デメリット木造木造は4つの建物構造の中でも一番性能の低い構造です。主に築年数の古い住宅やアパートなどに採用されています。木造は耐震性能や耐火性能、防音性能が弱いです。しかし通気性に優れているといった利点があります。そのため湿気がたまりにくく、冬でもカビになりにくいといった特徴があります。また家賃が安いというのも、メリットといえます。S造(鉄骨造)S造は柱や梁などの骨組に、鉄骨を採用した構造のことをいいます。こちらも木造と同じく、古い住宅やアパートなどに採用されることが多いです。S造の性能ですが、木造に比べて耐震性能などが高いです。しかし柱や梁などの骨組みで構成されているため、壁が薄いのが欠点です。防音性能には期待できないのが難点です。また鉄骨造は2種類に分けることができます。違いは鉄骨の素材となるスチール材の「厚さ」です。重量鉄骨造厚みが6㎜以上のスチールを使用。ビルやマンションなどに採用されている軽量鉄骨造厚みが6㎜以下のスチールを使用。戸建住宅や小規模店舗などに採用されているRC造(鉄筋コンクリート造)RCとは「Reinforced Concrete」の略称です。補強されたコンクリートの中に、さらに補強された鉄棒のコンクリートを埋め込んでつくられた複合材のことです。RC造も鉄骨造と同じく、柱や梁で構成されます。しかし、これに加えてRC造では、床や壁を鉄筋コンクリートで覆っているため、鉄骨造よりは強い構造となっています。RC造は鉄筋コンクリ―ト構造ですが、「鉄筋」と「コンクリート」それぞれの弱点を補強している点が特徴といえます。鉄筋は引っ張る力が強いですが、熱に弱くさびやすいです。逆にコンクリートは熱に強く、引っ張る力が弱いです。両者の弱点を見事に補強し合っているRC造は、耐震性能・耐火性能・防音性能が高いといえます。また、密閉感が強い分、通気性は弱いといえます。ファミリー層向けのマンションなどに採用されることが多いです。SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)SRC造とは、RC造に鉄筋(スチール)が埋め込まれている構造のことをいい、全ての建物構造の中で一番性能の高い構造です。SRC造はいうまでもなく、耐震性能・耐火性能・防音性能が非常に高く、高層マンションやオフィスビルなどに採用されることが多いです。そのため家賃がかなり高いのが難点です。またRC造同様、通気性はよくありません。まとめ建物構造には、それぞれのメリット・デメリットがあることがわかりました。地震大国である我が国において、耐震性能に不安を感じる木造は避けたいです。しかし日本の伝来工法を採用している木造建築は通気性がよく、それを好む人がいるのも確かです。ライフスタイルや趣味などから、どのような建物構造なら理想とする住まいを実現できるかを想像してみるのが良いかもしれません。
2017年12月19日「梁」とは梁とは、構造物の上部からの荷重を支えるため、または柱をつなぐために架け渡す建築材料のことをいいます。梁には、屋根を支える「小屋梁」というものがあります。また、柱と柱で支えられている「大梁」と、大梁に支えられている「小梁」とがあります。さらに床を支える床梁(ゆかばり)、2階などの床や小屋組に設ける「火打ち梁」があり、梁には実に多くの種類があることがわかります。梁の役割は、地震などの災害時でも建物が倒壊しないよう、建物の主要構造部分である屋根や柱を支えることにあります。このように建物全体が揺れやねじれ、引っ張りといった様々な力に耐えるためにも、梁は必要不可欠であるといえます。2種類の構造形式しかし地震などの災害時でも、建物が建っていられるかどうかはその建物の「構造形式」によって異なってきます。つまり、屋根や柱を支える梁を使用していたとしても、必ずしも建物が倒壊しない保証はないということです。では、どのような「構造形式」が一番安全なのでしょうか。まずは代表的な構造形式である以下の2つをご紹介します。ラーメン構造壁式構造それぞれの特徴をみていきましょう。ラーメン構造ラーメン構造とは、日本の伝統的な工法のひとつで柱と梁で骨格を造り、そこに壁を張っていく構造のことをいいます。ラーメンの語源は、ドイツ語の「枠」「額縁」からきています。柱と梁を強く固定すること(剛接合)で建物の骨格を形成するこの構造は、強靭な「枠」を形成します。この点がラーメン構造の特徴ともいえます。そのため木造建築物には取り入れにくく、鉄筋コンクリート造り(RC造)や鉄骨造り(S造)などで建てられるアパートや低層マンションに用いられることが多いです。ラーメン構造の特徴特徴としては、接合部分がしっかりと固定(剛接合)されている点にあります。しかし先述したように、後から壁を張っていくスタイルなので、壁は非常に薄いといえます。そのためこの構造法を用いている場合は、木造アパートはもちろん、中高層マンションであっても隣の部屋の物音が気になってしまうことが考えられます。また壁が薄いということは、「横からの力に弱い」ともいえます。震災レベルの地震が起きた場合には、十分な注意が必要です。壁式構造一方で、震災レベルの地震にも強いのが「壁式構造」です。壁式構造はラーメン構造とは違って、柱や梁を使用せず、床と壁を接合していく構造のことをいいます。主に一般住宅や中高層マンションなどに用いられることが多いです。壁式構造の利点には、以下のようなものが挙げられます。壁で建物を構成しているため、地震などの強力な影響もバランスよく吸収することができる柱を用いらないので、四隅にスペースが生まれる防音効果がある熱(冷暖房)が室内に渡りやすい柱がない分スペースが広がるので、空間にゆとりがもてます。また建物をコンクリートの壁で構成するので、防音効果もバッチリです。しかし欠点もあります。壁式構造の欠点は以下のとおりです。大規模なリフォーム(リノベーション)ができない柱や梁で建物を支えているラーメン構造であれば、壁を取り壊すリフォームもできます。しかし壁で建物を支えている壁式構造では、壁を取り壊したり、窓をくり抜いたりすることは難しいです。まとめ壁式構造は地震に強く、生活上安全であるうえに防音効果も高いことがわかりました。しかし一方で、壁を取り壊して居室スペースを広くするといった、大規模なリフォーム(リノベーション)は難しいようです。ライフスタイルの変化や居住者が増えるといった場合に、大規模なリフォームができないのは難点といえます。しかし地震の脅威にさらされることなく、安全な住まい環境を維持できる点は非常に魅力的であるといえます。今後のライフスタイルを考慮したうえで、物件購入を検討されるのが良いでしょう。
2017年12月18日ツーバイフォーとはツーバイフォー(2×4)工法とは、木造の建築工法のことをいいます。正式には「木造枠組壁工法」といい、ツーバイフォーはこのうちの1つの工法です。2×4の意味ですが、これは「2インチ×4インチ」のことを指しています。1インチあたり約2.54㎝なので、ツーバイフォーの角材は縦5.08センチメートル(2インチ)、横10.16㎝(4インチ)のサイズとなります。ツーバイフォー(2×4)工法以外にも、以下のような工法もあるので、おさえておきましょう。ツーバイシックス(2×6)ツーバイエイト(2×8)ツーバイテン(2×10)木造枠組壁工法とは?建物のことを、業界では「箱(ハコ)」とよんだりします。木造枠組壁工法の説明は、普段使用する(分厚すぎない)段ボールを想像すると、わかりやすいかと思います。木造枠組壁工法は6面で箱を作るイメージです。四方八方、面で囲んでいく感じですね。そして建物には窓も必要なので、面の一部をくり抜いたりして、窓を設けます。この木造枠組壁工法とは対照的なものに、日本の伝統的な住宅工法である「木造軸組工法(在来工法)」が挙げられます。「木造軸組工法(在来工法)」とは、ツーバイフォー工法などの木造枠組壁工法は、パーツを面で組み立てていくものでした。一方、木造軸組工法(在来工法)では、柱・梁といった、いわば“線”で家を組み立ていく工法となります。先述で木造組工法は、日本の伝統的住宅工法でもあると説明しました。築50年以上も昔からある民家の大半が、この木造組工法でできています。これらの建築物が、俗にいう「古民家」として広く世間に知られています。ツーバイフォーのメリット話をツーバイフォー工法に戻しましょう。実はアメリカやカナダを中心に、世界的に普及しているこのツーバイフォー工法ですが、そのメリットとデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。耐震性・耐風性に優れていること「面」による工法から、「線」によって家を組み立てる在来工法よりも、外的要因は優れているといえます。高断熱・高気密であることツーバイフォーの特徴として、「耐火性能が施されている」ことが挙げられます。工期が短いツーバイフォー工法は、建築前に材料を大量生産し、それを建築現場で組み立てる方式で工事施工するのが一般的です。そのため、通常よりも工期が短くなることが期待できます。ツーバイフォーのデメリット規格が統一されていること上記メリットでも挙げましたように、ツーバイフォー工法による材料は、建築前に大量生産しています。また建物の構造上、「面」で組み立てているため、間取りを変更するといったことに対しては、柔軟性を欠きます。(壁を壊してリビングを広くする、などが難しい)つまり、リノベーション工事がしにくいといったデメリットが考えられます。カビやダニが発生しやすいというのも、高気密・高断熱であるがゆえに、内外の温度差が大きくなるため、結露が生じやすくなります。結果、カビやダニが発生しやすい環境となるので、結露対策が必要といえます。まとめハウスメーカーなんかがこのツーバイフォー工法をよく取り扱っています。大手で安定性があり、ブランド重視の方はこちらが良いかもしれません。しかしリノベーションを考えているのであれば、自由度の高い木造組工法がお勧めです。こちらは工務店に依頼するのが良いでしょう。地域密着型なため、きめ細やかなデザインの相談にも応えてくれることが期待できます。理想とする住まいや現状の予算と相談して、ベストな選択をしましょう!
2017年12月17日土地家屋調査士とは土地家屋調査士とは、不動産の「表示に関する登記(表題登記)」につき、必要な土地又は家屋に関する調査や測量、登記の申請をする国家資格者のことをいいます。依頼者から依頼を受けた不動産がどこにどのような形状で存在し、何に利用されているのかを明確にするべく、高度な測量技術と登記申請についての豊富な知識を駆使して、調査及び測量、登記申請を行います。ゆえに土地家屋調査士は、測量と表題登記のプロフェッショナルといえます。また上記のように、他人からの依頼に基づいて不動産の表題登記ができるのは、土地家屋調査士のみです。土地家屋調査士の業務土地家屋調査士の主業務として、以下の4つが挙げられます。登記申請手続き土地家屋調査士は、土地を売却する際に必要となる境界の確認や調査及び測量、これらに伴う登記事件の申請手続などを行います。また建物を新築、増築、取壊しなどをした場合にも、登記の申請が必要となります。これらの申請手続は、専門家である土地家屋調査士だからこそできる仕事であり、土地家屋調査士業の中でも極めて重要な業務といえます。嘱託による表示登記全国の表示登記案件のなかでも多くの割合を占めるのが、この嘱託(正式な公務員ではないが、国から登記事件の依頼を受け、報酬を受けること)による表示登記です。主に、公共事業や官公署などの嘱託に係る業務があります。地籍整備事業全国には筆界(一筆の土地の範囲を示す境界)を表した地図を備え付けなければなりません。しかし都市部においては、これがまだ十分ではなく、政府の方針により、地籍整備を強力的に推進されているのが現状です。これもまた国からの依頼による業務であり、ほかの資格者では行うことのできない魅力であるといえます。筆界特定とADR(裁判外紛争解決手続)日本では、土地の私有化を認めています。そのため、どの土地が誰のものなのかを示す「筆界」が重要な役割を担います。しかし、私たちのような一般の土地所有者では、簡単に筆界を特定することはできません。そのためか「この土地は私のものだ」「いや私のだ」といった土地の境界線をめぐる争いが相次いでいます。そこで、土地家屋調査士がこの筆界特定の申請代理を業として行うことで、トラブルの解決を図っているのです。さらに、紛争解決手段としては法務大臣より一定の能力を認定された土地家屋調査士が、弁護士と共同して裁判外で紛争を解決していく「ADR(裁判外紛争解決手続)」といった制度も導入され、土地紛争の解決手段としての需要が増えています。まとめ土地境界線の調査や測量、また建物を新築した場合などにその登記申請を代行する土地家屋調査士。生活のなかで膨らんでいく、その土地にたいしての深い思い入れ・・・・。「記憶の足跡」でもある、その人にとって大事な土地(財産・権利)を守る土地家屋調査士の業務には、魅力を感じずにはいられません。
2017年12月16日コーポラティブ(Cooperative)には、「共同の」「組合の」といった意味があります。つまりコーポラティブハウス(以下、コープ住宅)とは、共同で購入・建設された住宅のことをいいます。コープ住宅の歴史コープ住宅の歴史は、産業革命の最中、労働者が資本家に対抗して、生活物資の共同購入から住宅建設・幼稚園運営などを行ったのがきっかけで誕生しました。日本では1921年に住宅組合法が制定され、以降、約35,000戸の住宅が建設されました。聞きなれない法律だと思います。それもそのはず、この法律は1972年に廃止されました。というのも、1950年に住宅金融公庫が設立され、個人に直接持ち家向け融資を展開したために、住宅組合法はその意義を失いました。また1958年には財団法人日本労働者住宅協会(1967年に日本勤労者住宅協会に改組)が発足し、それらの協力で1975年までに約65,000戸の住宅が供給されました。現在では、主に民間のプロデュース会社によって、大都市圏を中心にコープ住宅が建設されています。コープ住宅の特徴自由設計である一般の分譲マンションなんかでは、間取りやデザイン、仕様などはデザイン会社が決めてしまいます。しかしコープ住宅は、共同住宅でありながら注文住宅のように、個々の理想の住まいを実現できるといった特徴があります。こだわりを貫ける料金プランコープ住宅はその名の通り、自分たちで土地を仕入れて、間取りやデザインを設計します。つまり土地取得費用、建築工事費用、設計費用、企画・調査・予備費など、これらの予算を自由に設定することもできるのです。またモデルルーム(広告宣伝)の設置を行う必要もないので、その分の費用を好きな部分に投資することができます。良好なコミュニティ形成理想を同じくする仲間とともに、住宅を設計していくコープ住宅では、建設後も仲間たちとの深い交流が期待できます。安全・安心な生活が実感できるでしょう。1つだけ注意したいこと自分たちの理想とする住まいを実現できるコープ住宅は、想像しただけでもわくわくしますね。しかし気を付けたい点が1点。それは、もし共同開発したコープ住宅を売却する場合、仲介業者によっては割安の査定価格がつけられることが考えられます。自由度の高い設計は、裏を返せばそれに見合ったニーズが必ずしも高いとはいえないからです。売却における資産価値を考慮すると、コープ住宅は市場的には反響が良くない物件となってしまいますが、そもそもコミュニティ性を重視した物件のため、上手に修繕計画を立てていくことが肝心であるといえます。
2017年12月15日デザイナーズマンションとはデザイナーズマンションとは、従来のマンションとは異なり、建築家が外装や内装などにこだわったマンションのことです。デザイナーズマンションは、ライフスタイルやニーズの変化によって生まれた個性的なマンションでもあります。そのため、趣味嗜好の強い若者や、富裕層などの支持が厚いです。しかしこれといった定義はなく、あくまでオーナーや不動産会社がそう呼んでいるに過ぎないので、注意が必要です。デザイナーズマンションと似て非なるものに、ハイグレードマンションというものがあります。ハイグレードマンションとは、一般的なマンションよりも外装や内装、設備などにこだわった物件のことで、高級住宅地に建設されることが多いです。そのため、居住者は比較的富裕層が多いといえます。しかしこれもデザイナーズマンションと同様、法的な定義はありません。デザイナーズマンションと混同する人が多いように思われます。これもオーナーや不動産会社のさじ加減で決まるので、注意が必要です。デザイナーズマンションは、デザインにこだわったマンションのことで、ハイグレードマンションは、オートロックや防犯カメラなど、設備面にこだわったマンションといえます。デザイナーズマンションのメリットデザインが個性的建築家がこだわりを持って設計するマンションなので、デザインはかなり個性的なものとなります。外装はもちろん、内装のコンセプトにもこだわりがあり、ユニークさを求める人には「もってこい」なマンションであるといえます。インテリアにもこだわれるデザイナーズマンションは、個性的なライフスタイルを実現したい人向けに設計されています。当然、インテリアにこだわる人も多いので、間取りに一工夫を置いているのが特徴といえます。良識ある人が多いデザイナーズマンションの需要は、趣味嗜好が特徴的な若者や富裕層から支持があります。自身の趣味を邪魔されたくないように、他人の空間を脅かすことはしない良識ある住人が多いのも、デザイナーズマンションの魅力といえます。デザイナーズマンションのデメリット物件が見つけづらい個性的なマンションであるため、どうしても一般的なマンションよりは数が少ないのが実状です。そのため、理想とする住まいを探すのに苦労するという声も少なくはありません。家賃が比較的高い上記でも挙げたように、デザイナーズマンションは数が少なく、しかも都内に多いことから、どうしても家賃が高くなってしまいます。修繕費が高くなりがち外装はもちろん、内装も建築家がこだわって設計するため、高価なタイルなどを使用することも稀ではありませんそのため、退去時に清算する汚れや損傷による修繕費は、やはりどうしても一般的なマンションと比べると高くなる場合があります。まとめデザイナーズマンションは、個性的なライフスタイルにマッチングするような設計となっています。そのため、自身のライフスタイルや趣味に合わない物件だと、逆にストレスに感じることでしょう。物件数も少なく部屋探しには一苦労しますが、理想とする生活を実現すべく、根気よく探す必要がありそうです。
2017年12月14日二世帯住宅の定義二世帯住宅と聞くと、おそらく「親世代と子世代が同居することのできる住宅」と想像されると思います。しかし正しくいえば、「長屋」と称されます(建築基準法)。長屋とは、1つの建物に独立した住戸が連なり、これらが「敷地の外に出られるような構造」を指します。一般的な長屋では、1階建てのものが多く、それぞれの住戸が直接道路に面するよう造られています。しかし二世帯住宅のような2階建てのものに至っては、専用の階段を設けて、外に出られるような構造をとります。これを「重層長屋」といいます。昔ながらのイメージがある長屋ですが、実は最近話題の「テラスハウス」なんかも、この長屋にあたります。二世帯住宅は、法律的な定義でいえば「重層長屋」と称しますが、建物の運用上、これを「二世帯住宅」と称しています。そんな二世帯住宅は、2種類に大別することができます。二世帯住宅の種類同居型完全同居型完全同居型は、キッチンやお風呂などの設備を共有する形のことをいいます。また設備のみにとどまらず、家計簿も一括管理するのが特徴的といえます。これにおけるメリットとしては、キッチンやお風呂などの設備を2つ用意する必要がないので、住宅取得費を安く抑えられることが挙げられます。しかし同時に、そこにプライバシーがないといったデメリットも存在します。部分同居型部分同居型は、キッチンやお風呂などを部分的に共有する形のことをいいます。完全同居型と比べ、まだ多少なりとも自由の効く点が特徴といえます。たとえば表札や郵便ポスト、玄関を別共有として、リビングなどそれ以外の部屋・設備は共有とする、などがこれにあたります。別居型完全分離型ともいえるでしょうか。それぞれの住空間を別に切り分ける形をいいます。そのため、プライバシーを保つことができます。居住自体は隣り合わせなので、いつでも顔を合わせることができます。近年、このスタイルの需要が高いです。また完全分離とまではいわずともリビングのみ共有するなど、別居型でも一部の居室をシェアするスタイルも、最近では需要が高いです。親世代(子世代)と応相談したうえで、建築士や担当営業マンと打ち合わせするようにしましょう。二世帯住宅のメリット・デメリットメリット・デメリット双方において、生活面や精神面においては上記でも挙げたように想像は容易です。ここでは、少し専門的なメリット・デメリットについてご紹介したいと思います。メリット税金を軽減できる【不動産取得税の場合】たとえば中古住宅を購入し、二世帯住宅にリフォームしたいとします。通常、物件を取得する場合には「不動産取得税」というものがかかります。もしこの物件が、床面積50㎡以上240㎡以下で居宅要件を満たす場合には、1,200万円が控除されます。しかし今回のような二世体住宅にリフォームする場合は、1,200万円ではなく、なんと『2,400万円』が控除されます。かなりおトクですね!【相続税の場合】二世帯住宅の場合、相続税の課税価格の計算の特例である「小規模宅地等の特例」の適用対象となります。これにより、被相続人が自己の名義の土地を同居している子が遺産分割を整えたうえで相続し、かつ相続税の申告期限までに居住と所有を継続するとこの特例が適用され、評価額を最大80%減額することができます。デメリット売却しにくい二世帯住宅は一般の住宅よりも特殊なため、どうしても売却が難しくなります。理由としては、「間取りが特殊な中古物件」であることが挙げられます。中古物件を求めている買手が、二世帯住宅を求めているとは限りませんし、一般の住宅と比べて間取りも特殊なので、通常より買手が見つかりにくいといえます。「二世帯住宅から一世帯住宅にリフォームする」といった考え方もありますが、もとよりリフォームによって設置した機能等を撤去することはこのうえなく、生産性がないといえるでしょう。これを行うには、膨大な費用がかかるためです。まとめ二世帯住宅におけるメリットは多くありますが、それに伴ったデメリットを無視することもできません。親世代・子世代ともにストレスのかからない生活を送るには、共有部分と専有部分とをしっかりと区別するなど、話し合いを重ねて居住スタイルを決めるのが良いでしょう。
2017年12月13日アスベストとはアスベストとは、石綿(地中から産出される繊維状ケイ酸塩鉱物)のことをいいます。このアスベストは単一的なものではなく、その種類を6種類に分けることができます。たとえば、石綿製品の9割以上を占める白石綿(蛇もん石族)や吹付石綿として使用される角閃石などがあります。角閃石にはクロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)、アンソフィライト石綿、トレモライト石綿、アクチノライト石綿などがあります。これら石綿は、細かな繊維状でできているため、熱や摩擦、酸やアリカリに非常に強く、そのうえ変形しにくいといった特徴がみられます。建物の屋根などに使用される石綿は、その効用性から摩擦材や断熱材として使用されていました。しかし発がん性物質であることがわかり、平成16年にその使用が禁止されました(吹付アスベストの場合は昭和55年)。アスベストが与える人体への影響とはアスベストは建材には適しているが、人体にはやさしくないということが先述でわかりました。石綿は繊維が非常に細かく、そのため息を吸い込んだ際に肺に突き刺さり、抜けることなく体内に残り続けます。これが肺がんや中脾腫などを発症させる原因であることが判明しました。正確には、アスベスト(石綿)の粉塵が原因ですが、これによる人体におよぼす影響にはどのようなものがあるのでしょうか。アスベストによる人体への影響3つ肺がんアスベストには潜伏期間があり、アスベストが体内にばく露(散在)してから発症するまでに15~40年ほどかかります。つまり、アスベストを吸い込んだ当時はなんともないのですが、数十年後してから急に体調が悪くなり、その原因がアスベストだった、なんてケースが多いということですね。中脾腫がんの一種であり、胸膜や腹膜などの中脾腫肺にできる悪性のがんです。これも肺がんに似ており、潜伏期間が20~50年ほどあります。石綿肺咳などの症状が特徴的といえます。そのため、重症段階となると、呼吸困難に陥ります。これはアスベスト業者など、職業柄アスベストと隣り合わせの人がかかりやすいです。上記の2つほど影響力はないのですが、10年以上アスベストの粉塵を吸いこんだ際に発症する事例が多くみられています。まとめこれら3つの影響要素からわかるように、がんなどへの影響はアスベストの吸収にあります。舐めたり、触ったりする分には影響力はないのですが、吸い込んだら発症の可能性があるということを覚えておきましょう。しかし、発がん性のあるアスベストが住宅建設に使用されていては、安心して生活を送ることはできません。そこで私たちにできることといえば、未然にこのような問題を防ぐことです。物件の契約前には、不動産業者から物件や契約に関する「重要事項説明」が行われます。そこでアスベストの使用有無の調査結果が記録されているときは、必ず説明されるので確認を怠らないようにしましょう。住宅は私たちの命を守るものでもあります。その住宅から命を奪われては元も子もありません。アスベストの使用有無に気を付けながら、住まい探しを楽しみましょう!
2017年12月13日コンドミニアムとリゾートマンション突然ですが、コンドミニアムという用語を聞いたことがありますか?コンドミニアムとは、アメリカでいうところの分譲マンション・分譲ホテルのことをいいます。つまり、キッチンや洗濯機など生活用具が備え付けられた宿泊施設のことで、また、ホテルなどの客室タイプでそのような設備のあるもののことを指します。コンドミニアムは、1980年代頃からハワイなどのリゾート地にマンションを持つ日本人が増えたことから使用されるようになった用語でもあります。そして同じ分譲マンションでも、これと似て非なるものに「リゾートマンション」が挙げられます。リゾートマンションとは、避暑地(軽井沢など)や温泉街などのリゾート地に、別荘用途として建てられた分譲型マンションのことをいいます。このリゾートマンションは、上述したように別荘として利用されるので、眺望や静けさなどといった、ゆったりと過ごすのに良い環境が重視されています。そのためか、短期滞在を目的とした住居の集合体である別荘地には、商業施設や医療施設は見当たらず、生活環境が整っているとはいえません。この点が他の分譲型マンションとは異なる部分であるといえるでしょう。リゾートマンションの投資には注意したいそのワケ広大な敷地が広がる別荘地には温泉やプール、テニスコートなど、自由快適な空間を満喫できる魅力が満載です(もちろん場所によりますが)。その反面、それら施設の維持費や管理費がかかるといった難点も見受けられます。リゾートマンションが流行したのは1970年代後半頃で、1980年代後半から1990年代初頭のバブル期にはスキーブームと重なったこともあり、爆発的な人気を博しました。ですがバブル崩壊後、建設ラッシュで儲かっていたデベロッパーたちも建設事業から手を引き、リゾートマンションの需要は地に落ちるように下降していきました。そのため現在売りに出ているリゾート物件は、比較的安価であるといえます。しかしだからといって、リゾートマンションには容易に手を出してはいけません。なぜなら、以下のようなマイナス要因が考えられるからです。維持費の設定が高額である先述したように、リゾートマンションには豪華な共用部分(温泉やテニスコートなど)が付随しています。そのため通常のマンションに比べると、管理費や修繕積立金などの維持費が高く設定されている場合がほとんどです。自身が物件を買い取って所有しているのであれば、毎月管理費や修繕積立金を支払わなければなりません。物件のオーナー(デベロッパー)も、買い手が見つからなければ同様の負担を強いられます。管理状態の維持が難しい冒頭において、リゾートマンションは分譲型マンションであることを説明しました。つまり通常のマンションと同様、住民全体で組織する管理組合を設立して、物件の維持を行います。しかし通常のマンションと違ってリゾートマンションは別荘用途として利用するため、全ての住民が別荘地に常駐しているわけではないのが特徴でした。そのため管理組合を設立したとしても、住民の意見がこれに反映されにくく、管理はずさんとなることが容易に想像されます。結果、建物の劣化は進み、修繕費などの維持費だけが積み重なっていくといった悪循環が続きます。まとめ一見、通常のマンションでは見られない魅力が満載なリゾートマンションではありますが、その需要性や用途性から、安易に手を出すべきではないことがわかりましたね。しかし購入してしまえば自分の所有物となるため、自由に利用することができます。管理費や修繕積立金がそれなりにかかったとしても、それに見合った楽しみ方が見込めるのであれば決して損をする買い物ではないともいえます。使用頻度や経済状況などを十分に考慮したうえで、購入を決めるのが良いでしょう。
2017年12月11日外構とエクステリアの違いとは?外構とは、建物外部の“構造物”のことをいいます。たとえば、塀や門、庭、植栽、アプローチ、車庫などがこれにあたります。一方、外構と似て非なるものに「エクステリア」とよばれるものがあります。エクステリアとは、建物外部の構造物(塀や門、庭など)に加え、設備そのものをいいます。設備のたとえとして、庭石などがこれにあたるといえます。つまりエクステリアは、建物外部の空間や環境など、すべての要素を演出するものであるといえます。建物本体の魅力を引き立たせるには、エクステリアの充実が欠かせません。エクステリアを充実させるには、デザイン性が非常に重要といえるでしょう。エクステリアにおけるデザイン3つオープンデザインフェンスで建物を囲まず、門柱のみで外構を表現するのがオープンデザインです。そのため開放感があり、余裕のある空間を演出します。窮屈な住宅街などで用いられることが多いです。ただしその反面、防犯性やプライバシーの確保には配慮が必要です。クローズデザインクローズデザインは、門扉や塀、生垣などによって敷地を取り囲むことで、プライバシーの確保を考慮したデザインが特徴的です。セミオープンデザイン/セミクローズデザイン両方の特徴を盛り込んだデザインのことをいいます。中でも人気なのが「駐車スペースなどの一部をオープンにし、他の部分はクローズにする」といった組み合わせです。また建物本体が隠れぬよう、敷地を囲む塀や生垣の高さを若干低く調整したりするケースも人気があります。エクステリア計画の手順理想とするライフスタイルや趣味を演出するためにも、エクステリアの計画性は非常に重要といえます。エクステリア計画には、以下の3ステップがあります。確認してみましょう。ゾーニングを考えるエクステリア計画の手始めとして、まず敷地内に何をどう配置するのかを考えます。ゾーン分けにはいくつかの方法がありますが、ここでは一般的な分け方をご紹介します。ファサードゾーン門まわりを中心とした、住まいの正面を意味します。プライベートゾーンテラスや中庭など、家族同士の空間を演出します。ヤードゾーン車庫や物置などを設置する空間のことです。これらの分類は固定的なものではなく、物件の状態によって異なってきます。たとえばヤードゾーンに位置する車庫が、玄関付近のファサードゾーンに位置することも珍しくありません。専門業者と確認をとりながら、ゾーニングを進めましょう。ライフイメージをまとめるたとえば「日本庭園のような豪華な庭をつくって、情緒ある静かな空間を楽しみたい」などのライフイメージを固める必要があります。それも自身のみではなく、家族全員でイメージを固めるのが望ましいといえます。また専門業者とのイメージが食い違うことを避けるためにも、イメージに近い図や写真を用意することもオススメです。ライフステージの変化を考慮する現在、家族が人生の中でどの段階に位置し、どのように変化していくのかを考えることも重要といえます。たとえば「ペットと子どもが遊べる安全なスペースが欲しい」となれば、そのスペースと柵が必要でしょう。また「子どもはまだ幼いが、ゆくゆくは車を買うであろう」ことが予想されるのであれば、花壇を駐車場にするのもひとつの手です。実際、筆者の家はそのような計画で進めました。このように現在の暮らしにとどまらず、将来のライフスタイルも考慮したうえで、エクステリアを計画することが望ましいでしょう。
2017年12月09日ポーチとはポーチとは、戸建住宅やマンションなどの玄関(入口)のことで、屋根が突き出ている庇(ひさし)のことをいいます。ドラマなんかでよく雨宿りなどをするときに利用される場所といえば、イメージがしやすいでしょうか。またホテルやマンション全体のエントランス前にある大型のポーチを、「車寄せ」といったりもします。マンションにおけるポーチでは、注意しておきたいことがあります。それが「大規模修繕工事における注意事項」です。大規模修繕工事における注意事項マンションのポーチは、管理規約によって専用使用のできる共用部分とされています。専用使用とは、特定の者が共用部分や敷地などを利用できることをいいます(これを専用使用権といいます)。つまり、ポーチは専用使用のできる共用部分ですから、ある程度自分の好きなように使えるので、物置などとして利用される方も多いです。しかし大規模修繕工事を行うとなると、場合によっては、ポーチに置いてある私物を全て片す必要性がでてきます。なぜなら、ポーチは共用部分でもあるので、床・壁のタイルや門扉の鉄部塗装などの補修を行う場合が考えられるからです。このように、ポーチは専用使用のできる共用部分ではありますが、場合によっては私物を撤去する必要があります。ポーチを利用できるからといって、好き勝手できない場合もあります。これについて、大規模修繕工事の注意事項として記載されている場合が多いので、留意しておくと良いでしょう。ポーチは建物の鏡!ポーチは、雨よけや車寄せなどとしての効力(実用性)を担う一方、建物全体の雰囲気を醸し出す大事な要素(デザイン性)ともいえます。このように、ポーチには「実用性」と「デザイン性」の2つを考慮して設計する必要があるといえます。また庇を設けずにポーチ部分だけをへこませている戸建住宅もみかけます。このような戸建住宅は、デザイン性が特に重視されるので、しっかりと建築士などと相談して設計されることをオススメします。
2017年12月08日マンション管理士とはマンション管理士とは、その名称通り、マンション管理のスペシャリストのことをいいます。主業務には、マンション管理組合の運営や相談、住民との権利関係調整、また大規模修繕の計画立案などがあります。マンション運営におけるコンサルタントともいえるしょう。マンション管理士は国土交通省管轄の国家資格者です。そのため、マンション管理士になるには国家資格である「マンション管理士試験」に合格し、指定登録機関である(公財)マンション管理センターに登録する必要があります。マンション管理士は「名称独占資格」といわれる分野の資格であることから、登録をしないと「マンション管理士」と名乗ることができません。しかし逆にいえば、資格を取得・登録しさえすれば、誰でも「マンション管理士」を名乗れるということになります。つまり、マンション管理士としての実務経験を積む環境が少ないということです。先述したように、マンション管理士はマンションのプロでコンサルタントといえます。そのため実務経験からの知識が豊富な点に魅力があり、それを証明するための資格(看板)であるといえます。なので、マンション管理士にマンション運営のコンサルなどを依頼する際には、必ずそのマンション管理士の経歴をチェックしましょう。管理業務主任者とはマンション管理士と似て非なる資格に、「管理業務主任者」といったものがあります。管理業務主任者とは、管理の前提となる管理受託契約の重要事項説明から、受託した管理業務の処理状況のチェック及びその報告までのマンション管理のマネジメント業務を行う者をいいます。マンション管理業者には事務所ごとに、また30管理組合につき1名以上の管理業務主任者の設置が義務付けられています。マンション管理士は「名称独占資格」でしたが、管理業務主任者は「必置資格」であり、「独占業務」があります。管理業務主任者の独占業務4つ管理受託契約前の重要事項説明重要事項に関する書面への記名・押印管理受託契約にかかる契約書への記名・押印管理事務に関する報告重要事項説明や契約書への記名・押印が主な仕事といえます。不動産(宅建業)取引のプロである「宅地建物取引士(旧:宅地建物取引主任者)」と同じ分野資格といえます。管理業務主任者はマンション管理専門の契約プロといえます。難易度的にいえば、管理業務主任者よりもマンション管理士の方が難しいといわれています。また管理業主任者を取得すれば、マンション管理士試験の一部免除が得られるので、マンション管理士を目指す前に、ステップアップとして管理業務主任者の取得に励む方が多いです。
2017年12月07日竣工とは竣工とは、建築工事が完了したことを意味します。また同じような意味に「竣成(しゅんせい)」といったものがあります。工事が完了した次には、確認の検査が行われます(竣工検査)。竣工検査からその後の流れについて、確認してみましょう。竣工検査後の流れ竣工検査工事施行者と工事の監理者である建築士による、最終チェックが入ります。完了検査の立ち会い竣工検査と同様、工事施行者・建築士と立ち会います。完了検査の立ち会いが無事に終えたら(工事完了後)、4日以内に地方公共団体などに「完了検査申請書」を提出する必要があります。しかしこの手続きについては、建築士が代行してくれます。完了検査にも立ち会います。建主検査工事施行者・建築士立ち会いのもと、建主(依頼者)による目視確認を行います。理想通りの設計となっているかを、今一度確認するわけですね。もし、計画的に言っていない点があった場合には、その箇所を指摘してするようにしましょう。引き渡し不具合がないかを確認する工事に不具合がないか、実際に立ち会って確認を行います。工事担当者や営業責任者とともに、不備がないかをチェックします。たとえば、床や壁などに傷や汚れはないか、建具の開け閉めはスムーズか、設備は正常に動くかといったことを、担当者に説明してもらいながら確認していきます。もし、この竣工検査後の立ち会いで不具合が見つかった場合には、引き渡しまでに修理してもらうか、入居後に修理するかを取り決めます。この場合の注意点としては、業者とその旨を約束する書類を控えることを忘れないようにしましょう。後々のトラブルを防止します。保証書をもらう立ち会いによる工事の修正などが済んだら、次は施行会社から以下のものを受け取りましょう。施行会社の押印のある「工事完了書」「鍵」と「保証書」「検査済証」(確認検査機関が発行)保証書には定期点検とアフターメンテナンスの内容や時期、設備などが故障した場合の連絡先などが書かれているので、大切に保管しておきましょう。竣工図が提出される追加工事なども含めた引き渡し時の図面を、建築士より渡される。瑕疵検査の立ち会い建主と工事施行者との間で、1年後に改めて竣工における瑕疵がないかを確認する約束をします。工事施行は、施工主と建築士とのこまめな連携が重要です。納得のいくよう、建築士を中心に相談を重ねていくのが良いでしょう。
2017年12月04日接道義務とは接道義務とは、「建築物の敷地は、幅員4m以上の道路に2m以上接しなければならない」といった義務のことをいいます(建築基準法第43条1項)。※道路といえるには、建築基準法上の道路である必要がある※上記でいうところの道路とは、道路の側溝の外側を道路境界とみなして道路を測る「道路幅員」のことをいう。なぜこのような義務が定められているのでしょうか。たとえば、火災が発生した場合には消火活動のために救急車が停車できるスペースが必要です。またあまりにも狭い道路ですと、住人などの避難スペースがなくなり、避難救助が間に合わなくなることが危惧されます。これらの危険性をあらかじめ解消するべく、法律でこのような義務が定められています。そのためこの接道義務は、人がたくさん集まる都市計画区域や準都市計画区域内の建築物に義務が課されます。道路は、人が生活するうえで重要な役割を担っているため、このような厳しい規制があるのです。特殊建築物や大規模建築物の接道義務は?各都道府県が条例によって、建築基準法や同法施行令よりも制限を厳しくすることができます。たとえば東京都の例ですと、◆特殊建築物(アパートやコンビニエンスストア、学校、百貨店などの)床面積の合計/道路の長さ2,000㎡超/10m2,000㎡以下、1,000㎡超/8m1,000㎡以下、500㎡超/6m500㎡超/4m※接道義務は、床面積に応じて設ける必要があります◆大規模建築物床面積の合計/道路の長さ3,000㎡超/10m3,000㎡以下、2,000㎡超/8m2,000㎡以下、1,000㎡超/6m※接道義務は、床面積に応じて設ける必要があります都市計画区域などでは、接道義務があることを先述してきました。しかしよく考えてみますと、昔から建ち並ぶ古い町並みなど、道路の狭い(4m未満)地域があることが予測されます。いくら義務があるとはいえ、このような道路だからといって建築を認めないというのは、市街地の開発に大きな影響を与えかねません(都市計画などは、市街地を整備し開発するところだからです)。そのためこのようなケースでは、特定行政庁が指定した道路(2項道路という)であれば、道路幅員4m未満の道路でも、建築が認められることとなっています。これを「セットバック」といい、宅地や建物の売買取引では重要なキーワードともいえるので、併せて確認しておくと良いでしょう。
2017年12月03日建築基準法とは建物を建てる際の敷地や構造、設備及び用途に関する守るべき最低基準を定めている法律のことをいいます。1950年に制定された建築基準法は、国民の生命、健康および財産を保護すべく、都市計画法、宅地造成等規正法、消防法などさまざまな法律の規制を受けます。このことから、建築基準法は建物を建築するうえで最も基本となる法律とされています。そのため、着工前の「建築確認」や工事中の「中間検査」、工事完成後の「完了検査」、違法建築物の「是正勧告」などについての規定も定められています。また建築基準法は以下の2種類に大別することができます。建物自体の安全性や構造・防災・衛生などについて定めた「単体規定」都市の防災や環境向上などの観点から定めた「集団規定」1の単体規定では、具体的には居室の採光(床面積の7分の1以上)や換気(20分の1以上の開口部を設ける)、トイレ、電気設備など、個々の建物を建築する際の基準がまとめられており、全国一律に規定されます。一方、2の集団規定では、敷地と道路に関する基準(接道義務など)、建物の用途や形態に関する基準(建ぺい率や容積率、高さ制限、各種斜線制限など)、都市再生特別地区等、防火地域、景観地区などが集団規定に当たります。また集団規定は、都市計画区域及び準都市計画区域に限ってその規定が適用されます。建築前に確認したい代表的な法令とは建物の建築には、実に多くの法令が絡んでいます。その代表例が、上記で述べた「建築基準法」といえます。建物建築時の基準となるこの法律ですが、そもそもほかの法令も理解していないと、これを理解することは難しいといえるでしょう。数ある法令の中でも、建築基準法と密接に絡んでいる都市計画法について確認してみましょう。都市計画法都市計画法とは、都市の将来あるべき姿(人口、土地の利用方法、主要施設等)を想定する都市計画に基づき、必要な事項を定めている法律のことをいいます。都市計画法では、計画的に街づくりを行う「都市計画区域」と、都市計画区域外の区域で放置すれば、将来、都市としての整備や開発、保全に支障が生じるおそれのある区域であるとして指定される「準都市計画区域」があります。また都市計画区域内では、積極的に市街化する「市街化区域」と、市街化を抑制する「市街化調整区域」とに線引きします。この市街化区域内では、異なる地域が混在しないよう、その地域ごとの用途や使用目的に合った建築物が建つよう、地域ごとに細かく分けられます(例:住宅地と工業地を分ける、など)。これを「用途規制」といいます。建物を建てるには、建築基準法に適しているかどうかを確認する前に、まず都市計画法に適しているかどうかを確認しなければならないといえるでしょう。
2017年11月30日