女性特有の身体や心の不調をケアするフェムテック・フェムケア(Femtech・Femcare)。月経や妊娠期の不調、更年期トラブルなどは、不調とはいえ病気ではないから仕方のないものだと諦めている方もいることでしょう。そのような女性の心身の健康をサポートするFemtech・Femcare(フェムテック・フェムケア)は、昨今注目されていますが、その言葉の認知度はどれくらいなのでしょうか?そこで今回、腸内環境にフォーカスし、乳酸菌サプリNo.1を3冠達成した『CHONY(チョーニイ)』( )を販売するANCHORパートナー株式会社 Sainnatul(サインナチュル)事業部は、20代~40代女性を対象に、「フェムケア・フェムテック」に対する意識・実態調査を実施しました。■ フェムケア・フェムテックの認知度と印象は?はじめに、フェムケア・フェムテックの認知度について伺っていきたいと思います。「フェムケア・フェムテックという言葉をご存じですか?」と質問したところ、『内容まで知っている(12.0%)』『言葉は知っているが内容はよく知らない(16.0%)』『初めて聞いた(72.0%)』という結果になりました。では、フェムケア・フェムテックはどのような印象を持たれているのでしょうか?「言葉は知っているが内容はよく知らない」「初めて聞いた」と回答した方に、フェムケア・フェムテックに関する内容を見たうえで回答してもらいました。「フェムケア・フェムテックについてどのように思いますか?」と質問したところ、『かなり好ましく思う(13.1%)』『少し好ましく思う(30.7%)』『どちらでもない(46.8%)』『あまり好ましく思わない(3.9%)』『まったく好ましく思わない(5.5%)』という結果になりました。フェムケア・フェムテックを今回初めて知った方にも、好意的に捉えられていることがわかります。フェムケア・フェムテックを「好ましい」と回答した方の理由は何なのでしょうか?■「かなり好ましく思う」「少し好ましく思う」と考える理由とは?・薬などを頼らず仕方ないと思っていたホルモンによる不調を改善できるのは嬉しい(20代/兵庫県/会社員)・女性特有の身体の問題が解消されそうで興味が湧いた(20代/群馬県/学生)・女性の心身の不調をテクノロジーでどんどん解決していけるのは素晴らしい(40代/兵庫県/専業主婦)・月経痛があるし、これから更年期もあるので、改善、対策ができるならやってみたい(40代/三重県/専業主婦)「かなり好ましく思う」と「少し好ましく思う」を合わせると、半数に近い方が、フェムケア・フェムテックを好意的に受け入れていることがわかります。■ フェムケア・フェムテックへの興味・関心について調査!先程の調査で、フェムケア・フェムテックへは半数に近い女性が好意的に捉えていることがわかりました。では、フェムケア・フェムテックへの興味・関心はどの程度なのでしょうか。「フェムケア・フェムテックに興味関心はどれくらいありますか?」と質問したところ、半数近くの方が『かなりある(10.8%)』『少しある(38.7%)』と回答しました。では、特にどのような分野への興味関心が高いのでしょうか。「特に興味関心が高いジャンルは何ですか?(上位2つ迄)」と質問したところ、『月経(45.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『メンタルヘルス(26.2%)』『更年期障害(24.6%)』『デリケートゾーン(15.4%)』『婦人科系疾患(14.2%)』と続きました。「月経」について高い関心を持つ方が半数近くいるということは、月経に関するトラブルに悩んでいる女性が多いと推測できます。続いて、フェムケア・フェムテックによって改善したい症状を伺いました。「フェムケア・フェムテックによってどのような症状を改善したいですか?(複数回答可)」と質問したところ、『体に関する月経トラブル(腹痛、貧血など)(57.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『心に関する月経トラブル(PMS、憂うつ感など)(51.5%)』『デリケートゾーンの悩み(かゆみ、ニオイ、肌荒れなど)(39.3%)』『更年期症状(28.5%)』『婦人科系疾患(21.4%)』と続きました。やはり、月経に関するトラブルに悩まされている女性がたくさんいることがわかります。毎月悩まされることもあるため、フェムケア・フェムテックにより改善したいと思っている方も多いのではないでしょうか。■ 実際の生活の中にフェムケア・フェムテックを取り入れている方の割合は…?ここまでの調査で、女性のフェムケア・フェムテックへの興味関心は高いことがわかりました。中でも「月経」に関するトラブルを抱え、改善したいと思っている方が多いようです。では、フェムケア・フェムテックを実際の生活に取り入れている方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか?「フェムケア・フェムテックを実際に生活に取り入れていますか?」と質問したところ、『取り入れている(25.6%)』『取り入れていない(74.4%)』という結果になりました。約4人に1人の女性が、フェムケア・フェムテックを生活に取り入れていることがわかりました。具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか。詳しく聞いてみました。■フェムケア・フェムテックの具体的な活用方法とは?・肌に優しい布ナプキンを使っている(20代/東京都/会社員)・吸水ショーツの使用(20代/兵庫県/公務員)・デリケート用ボディーソープ(30代/神奈川県/パート・アルバイト)・月経カップを利用している(40代/滋賀県/会社員)月経の不快感を改善する取り組みをされている方が多いようです。■ フェムケア・フェムテックで女性特有の症状は改善する?先ほどの調査で、4人に1人の女性がフェムケア・フェムテックを実際に活用していることがわかりました。では、実際に活用した結果、症状改善は見込めるのでしょうか?「フェムケア・フェムテックに取り組むことで症状の改善は見込めると思いますか?」と質問したところ、『かなり改善が見込めると思う(13.8%)』『少し改善が見込めると思う(76.5%)』『あまり改善が見込めると思わない(8.6%)』『まったく改善が見込めると思わない(1.1%)』という結果になりました。『かなり改善が見込めると思う』『少し改善が見込めると思う』を合わせると、9割を超える女性がフェムケア・フェムテックによって特有の症状の改善が見込めると答えています。「そのように思う理由を教えてください」と質問したところ、以下の回答がありました。■フェムケア・フェムテックで、悩みの改善が見込まれると思う理由とは…?・デリケートゾーンのにおいが緩和された(20代/北海道/会社員)・実際かなり前から取り組んでいて、自分自身や周りの人で結果が多数出ている(40代/三重県/自営業/自由業)・ホルモンのバランスを整えてくれそう(40代/愛知県/自営業/自由業)・身体に良いものを使うことで改善ができると思う(40代/東京都/会社員)フェムケア・フェムテックに対する、女性特有の悩みやトラブル改善の期待が高いことや、実際に取り入れた結果改善した方がいることがわかりました。■ 【まとめ】フェムケア・フェムテックを生活に取り入れ女性トラブルを軽減しましょう!今回の調査で、半数近い女性がフェムケア・フェムテックを好意的に捉えており、4人に1人の女性がフェムケア・フェムテックを実際に活用していることがわかりました。また、9割の女性が、フェムケア・フェムテックで不調改善が見込めると回答しています。女性の身体のトラブルはオープンに語られる機会が少なく、誰にも言えず我慢して来た女性は多いでしょう。しかし、最新の技術を用い、女性ならではの悩みや健康不安、不快感を取り除くことが可能になれば、生活の質が向上し笑顔で過ごせる日が増えるのではないでしょうか。■ CHONYは腸活にぴったりなサプリメント今回、「フェムケア・フェムテック」に対する意識・実態調査を実施した、ANCHORパートナー株式会社 Sainnatul事業部は、3冠受賞の腸活・乳酸菌サプリ『CHONY(チョー二イ)』( )を販売しています。CHONY(チョー二イ)は腸にフォーカスし、従来の16種類の乳酸菌生産物質に追加して6種類の菌(ビフィズス菌、ラクリス菌、植物性乳酸菌、納豆菌、酪酸菌、ガセリ菌)配合し、合計22種類の菌が入ったサプリメントとして新たに誕生しました。私たちの体内にある免疫細胞の70%は、なんと!腸内に存在していると言われています。また、腸内には何兆〜1,000兆個ともいわれる菌が住んでおり、その中には善玉菌と悪玉菌、どちらにも属さない日和見菌が住んでいます。これら3種類の菌のバランスが崩れ、悪玉菌が増えると、腸内環境は乱れ、腸の機能が低下して様々な体の不調につながりやすいと言われています。また、昨今では「腸は第二の脳」と言われるくらい大切な臓器であり、腸内環境を整えて腸が持つ本来の力を取り戻すことが、健康への近道と言われています。腸内環境を整えるには、腸内の善玉菌を増やし悪玉菌を減らすことが重要です。CHONY(チョー二イ)に配合されている22種類の菌、乳酸菌やビフィズス菌などの“菌“は、体に必要なエネルギーを作り出してくれると言われています。そして、善玉菌(プロバイオティクス)だけではなく、菌の重要なエサとなるオリゴ糖などの成分(プレバイオティクス)も配合しているため、善玉菌がそのエサを食べて多様な腸内フローラへの適応をしやすく、また大腸の奥まで行きわたりやすいサプリメントになっています。22種類の菌を配合したCHONY(チョー二イ)を試して、あなたの身体に合う菌を見つけて下さい。■CHONY(チョーニイ): ■お問い合わせ先メールアドレス: sainnatul.info@gmail.com ■Instagram( @sainnatul_official ): 調査概要:「フェムケア・フェムテック」に対する意識・実態調査【調査期間】2023年2月6日(月)~2023年2月7日(火)【調査方法】インターネット調査【調査人数】1,013人【調査対象】20代〜40代女性【モニター提供元】ゼネラルリサーチ動画1: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年04月04日春は環境の変化等でココロやカラダが追い付つかず、なんとなく不調になりがち。この不安感や怠さなどの不調を改善したい、まずは市販薬で様子をみたいというかたも多いのではないでしょうか。そこで、現役薬剤師のかえでら実子さんに、この時期のココロやカラダの不調に効果的な市販薬を教えてもらいました。春先のココロやカラダの不調に効果的な市販薬日に日に気温が上がり、春の気配を近くに感じる今日この頃。桜もすでに満開で、気温と一緒に気持ちも上がってきそう!――と油断していたら、朝晩の冷え込みに対応できず喉をやられてしまったみたいです。この時期の体調管理はなかなか難しいですね…。そんな春先は、普段元気なかたでも一時的にココロやカラダのしんどさを感じることも。長く続く体調不良の場合は医療機関を受診していただくほうが望ましいのですが、「一過性のものかも?」「受診の前にまず市販薬を試してみたい…」というかたに向けて、いくつかお薬を紹介していきます!補中益気湯エキス錠クラシエ[48錠](クラシエ製薬株式会社)「体がだるくてなんだか最近疲れやすい」という場合にお勧めしたいしたいのがこちらのお薬。特に精神的な疲れに加えて体力が落ちているなと感じるかたや、胃腸のはたらきが落ちて食欲がわかないかたに効果的です。48錠価格:¥1,551(税込)編集部調べ抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒クラシエ[24包](クラシエ製薬株式会社)「抑肝散」という小児の癇によく用いられている処方に、胃腸の不調に効果のある半夏と陳皮という生薬を加えたお薬です。体力はそこまで落ちておらず元々胃腸が少し弱いかたで、神経が高ぶってイライラしたり怒りっぽい、またそのせいで夜眠りづらいというかたにオススメです。小児の夜泣きや疳の虫にも使えます。24包価格:¥2,420(税込)編集部調べ「クラシエ」漢方加味逍遥散エキス錠[240錠](クラシエ製薬株式会社)こちらは月経の影響で気持ちが不安定になる方にオススメ!月経前や月経中にホルモンのバランスが乱れることにより、イライラ感や不安感といった症状があらわれることがあります。そのような症状がでるかたで、どちらかというと体力がなく、肩こりやのぼせ感があったりちょっと便秘気味、という体質のかたに対して特に効果的です。240錠(20日分)価格:¥4,620(税込)編集部調べネオデイ(大正製薬株式会社)今まで紹介してきたお薬は主に日中のしんどさやイライラ感に対応するものでしたが、こちらは眠りづらさにアプローチするお薬です。ジフェンヒドラミンという成分が脳内の覚醒物質であるヒスタミンの作用を抑制することにより、眠気を引き起こします。いつもはそんなことないのに、「今日はなんだか寝つきが悪いな」「ここ最近夜中目が覚めてしまうことが続いてる…」というときに試してみてはいかがでしょうか?注意点ですが、このお薬は一時的な不眠を改善するものです。飲んでも効かないときや、慢性的な不眠の場合は医師にご相談ください。6錠価格:¥923(税込)編集部調べ春は誰もが体調を崩しやすい時期いくつか疲れや不眠、イライラや不安感に効くお薬を紹介してきましたが、症状に合いそうなものはありましたか?再度のご案内にはなりますが、市販の薬を服用してもカラダや気持ちのしんどさ・不安感・不眠といった症状が改善しないときは、医療機関を受診するようにしてくださいね。かえでら実子…某薬科大学卒業後、ドラッグストアや調剤薬局に勤務し、調剤業務や在宅医療に携わる。趣味は美容とイラスト。現在ネイルの勉強中で、先日ネイリスト検定3級を取得。(C)Atipati Netiniyom / EyeEm/Getty Images(C)AlexanderFord/Getty Images文・かえでら実子
2023年04月02日今の時期は気候や環境の変化で、ちょっとしたことでイライラしたり、些細なことをいつまでも気にかけてしまったりと、気持ちが不安定になる人が多いようです。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、すぐできるメンタル不調対策と、逆にしてはいけないNG行動を教えてくれます。最近、気持ちが不安定になっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 206最近、時間に追われ、心もカラダも余裕がなくなるタイミングが増えてはいないでしょうか。やることや考えることがありすぎて、神経過敏になって怒りっぽくなってしまったり、そうかと思えば急に集中力が途切れたり、仕事に追われ睡眠時間を削り疲労困憊したりとギリギリで生きている方も多いと思います。いっときであればよいのですが、例年4月いっぱいは多くの人が慌ただしく過ごしている印象です。GWに入るまで怒涛の日々が待っていることだと思います。実は漢方医学でも春の不調の特徴として、些細なことに怒ってしまったり、処理する情報量が増え、それに伴い目を酷使することになり、頭痛や肩こりなどの不調を感じることが増えるといわれています。これを『肝』の働きがダメージを受けていると表現したりします。ということで、今週は春のイライラが悪化してしまうNG習慣と食べるとよい食材を紹介していきます。今週は、イライラの対策となる食薬習慣突然ですが、ちょっと思い返してみてください。最近、いつもなら流せるようなことに言い返してしまったり、他人の一言にひどく傷ついてしまったり、一人になると反省会をしてしまうようなことはないでしょうか。春の寒暖差に気圧の変化、人間関係の変化、目を使う前かがみの姿勢の長時間作業など、不調につながる環境が存在しています。その結果、神経過敏になったり、感情が顔や行動、言葉に出てしまうことが考えられます。人間関係やさまざまな段取りにも影響してしまいますよね。さらに、女性の場合には月経周期によってもイライラが加速する時期もあり、余計に怒りや食欲などを爆発的に感じる機会が増えてしまうこともあるかもしれません。この症状を漢方医学では、『肝血虚』や『肝気鬱結』であると考えます。そこで、自律神経を整えるべく鉄やビタミンB群、タンパク質を補給することで『肝血』を補い、ストレスによって発生する活性酸素を減らす『疎肝理気』作用のある食薬を取り入れることがおすすめです。ですが、ストレスが多い時には、すぐにストレスから解放してくれて満足感が高いメリットがあり、体内でイライラの素となる『痰湿・湿熱』に変換されるデメリットのある食事を欲してしまう可能性が高まります。その代表的存在がスイーツです。さらに、お菓子だけでお腹が満たされ栄養補給するタイミングが減ってしまい、『血虚』の後押しをしてしまうことも考えられます。そのため、『肝血』を補い『疎肝理気』してくれる食材を十分に食べ、なるべく『痰湿・湿熱』の材料となる食べ物を控えることが必要です。今週食べるとよい食薬は、【ピーマンの海老詰め】です。逆にNG行動は【ご褒美スイーツ】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:ピーマンの海老詰め】『肝血』を補う高タンパク食材でビタミンB群やミネラルも豊富な海老と鶏肉を『理気』作用のあるビタミンE、ビタミンC、βカロテン、クロロフィルなどの抗酸化物質を含むピーマンに詰め込んだメニューが便利。また、海老の赤い色素アスタキサンチンや鶏肉のイミダゾールジペプチドも疲れた頭を癒してくれます。レシピはこちらです。<材料>タネむき海老100g(荒くミンチ)鶏ひき肉200gオートミール大さじ1味噌大さじ1生姜1かけ(みじん切り)ーーーピーマン4つ(種は捨てずに半分に切る)ーーー調味料酒・水大さじ1醤油小さじ1<作り方>タネの材料をポリ袋に入れてよくこねて、ピーマンに詰める。クッキングシートを長めに切ってフライパンに敷き、ピーマンを並べ、調味料を回しかけ、クッキングシートで包むようにたたむ。フライパンとクッキングシートの隙間に水を150ml程度入れ、蓋をして10分程度中弱火で蒸したら完成。※面倒な人は軽くラップをかけ5~6分レンジにかけてもOK。NG行動【ご褒美スイーツ】気分転換やご褒美として食べるスイーツがNGです。私たちは忙しくて感情がコントロールできないときほど、甘い物を欲しやすくなってしまいますが、そんなときこそ間食や食事の質を、自分のカラダにとって必要な栄養素になるように調整することがベターです。とはいえ、即リラックスでき幸福度をアップしてくれるスイーツは、魅力的で意識的に控えることは難しいかもしれません。そのため、食べてしまったときには、血糖値の急上昇を抑えるように片付けや掃除をして歩き回ったり、お散歩をしたりと気分転換の行動となる運動習慣もセットで取り入れるようにしましょう。血糖値の安定は、感情の安定にもつながりますよ。イライラした時ほど、負のスパイラルに陥らないように食生活を整えたいものですが、なかなかそうはいかないものです。思うようにコントロールできないと感じた人は、忙しさや月経前のイライラがひと段落した心もカラダも元気な時の生活を見直すことから始めてみましょう。体調が悪い時に、生活習慣を変えることは難しいです。元気なときに健康意識のレベルを少しずつ上げて体調の波を小さくできるようにしていきたいですね。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Alexey Yaremenko/Gettyimages©Aja Koska/Gettyimages文・大久保愛
2023年03月31日花粉症などのアレルギー症状に悩まされていませんか。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、その対策と症状が悪化してしまうNG習慣を教えてくれます!今年は花粉症が酷くなっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 205桜が満開となる地域が続々と増えてきていますね。春分の日も過ぎ、暖かい陽気の日も長く続くようになり、ようやく長かった冬も終わりを迎えた印象になりました。そして、マスクとの距離感も徐々にもとの生活に戻りつつあります。ですが、花粉症を強烈に感じている方は、マスクとの距離感がより強固なものへと変化していることだと思います。そして、卒業、入学、進級、転職、転勤などさまざまな区切りとなり変化のときとなる3月。みなさん、健やかにお過ごしでしょうか。今までお世話になった人たちや4月に新しく出会う人たちに対して、爽やかな印象を与えておきたいと考えるかたは多いと思います。ですが、花粉症で常にポケットティッシュを持ち歩き、鼻の周りは赤くむけ、会話をしながら鼻水がたれたり、くしゃみがでてきてしまっては、相手が気にしていなかろうが本調子ではない自分の状態に悲しくなってしまいます。そこで、今週は花粉症が悪化してしまうNG習慣と食べるとよい食薬について紹介していきます。今週は、花粉症の対策となる食薬習慣肌寒いタイミングもありますが、徐々に暖かくなり、お散歩するのが心地よい季節がやってきました。春のピンク色の花が映えた街並みを思い浮かべるだけで、外出の楽しみが一つ増えてラッキーな気分になりますよね。春の美しさは、あっという間に過ぎ去る儚さも心を動かされるポイントだと思いますが、桜日和のポカポカ陽気のタイミングだ!と狙って外に出ると必然的に降りかかるのが花粉です。今年から花粉症デビューしたというかたも多いのではないでしょうか。花粉症などアレルギー症状は、漢方では腸内環境が悪化し『湿熱』というアレルギーの原因が体内に存在すると考えられています。また、花粉や黄砂、ウイルスなどの病原菌、寒暖差などから身を守っているものを『肺』や『衛気』とよびますが、これらの働きが低下しているときにも花粉症に悩まされると考えられています。そのため今週は、『肺』や『衛気』を補う食薬をとりいれて体を守る力を強化し、アレルギーを引き起こす『湿熱』の原因となる食材を食べないようにしましょう。ということで今週食べるとよい食薬は、【キノコたっぷりブリしゃぶ】です。そして、逆に今週のNG行動は、『湿熱』の原因となる【ラーメンを食べる】ことです。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:キノコたっぷりブリしゃぶ】『肺』と『衛気』を養う栄養素といえば、免疫のサポートに働くビタミンD、炎症を抑えるオメガ3脂肪酸、腸から整える食物繊維です。これらを1品で叶えてくれるのが、キノコたっぷりブリしゃぶです。ブリにはオメガ3脂肪酸が、キノコ類には食物繊維が豊富に含まれています。そして、キノコ類とブリには共通してビタミンDも多く含まれています。レシピはこちらです。<材料>ブリ2切れ(4ミリくらいにスライス)舞茸・しめじたっぷりお好みで干しシイタケ3つ千切り生姜2片昆布3cm醤油・みりん各大さじ1水400ml<作り方>ブリ以外の材料をお鍋でコトコト煮て、ブリをしゃぶしゃぶにして食べる。NG行動【ラーメンを食べる】花粉症がひどい!と鼻をかみながらラーメンを食べてはいないでしょうか?小麦製品とオメガ6脂肪酸が多い食材ですよね。腸内環境を乱し免疫を低下させたり、炎症を促したりすることで『湿熱』を作り出し、アレルギー症状を悪化させる原因となってしまいます。花粉症がつらいと思っている人は、ちょっと控えてみましょうね。そして、花粉症に悩む人は、なるべく和食を心がけ、肉と魚があったら魚を選ぶようにしてみましょう。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代では様々な研究が進み明らかになっていることが増えています。様々な研究が進み『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Hiro Kamijo/Gettyimages©Hello World/Gettyimages文・大久保愛
2023年03月24日4月は新年度のスタート。新しい気持ちでいろいろなことに取り組みたいと意気込んでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は体調不良が起こりやすい時期でもあります。今回は、そんな春に起こりやすい体調不良の特徴とその対策についてお伝えしていきます。春に起こりやすい体調不良の原因1.激しい寒暖差三寒四温ともいわれるように、春は日々の寒暖差を感じやすい時期です。寒暖差に対応するために交感神経が活発に働き、エネルギーが消耗されやすくなって、疲れやだるさなどに繋がるといわれています。また、いわゆる「寒暖差アレルギー」といって、寒暖差によりくしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状をきたすこともあります。2.気圧の変化春は低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わり、気圧変動が大きくなりやすい時期です。その影響により、自律神経が乱れやすい時期だともいわれています。気圧の変化によって、片頭痛発作が起こりやすくなる場合もあります。3.環境の変化によるストレス春は新年度をむかえることから、卒業や進学、就職や転勤など、自分自身や家族の生活が大きく変化する時期です。生活環境の変化は緊張感やストレスに繋がってしまうため、自律神経が乱れやすくなるでしょう。4.花粉症花粉症の原因としてよく知られているスギやヒノキ科などは、春先にピークを迎えることが知られています。花粉症は、花粉が原因となってアレルギー症状を起こすものです。花粉に対して人間の体が起こす免疫反応であり、鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどの症状が起こります。そのほかにも、のどや皮膚のかゆみ、熱っぽくなるなども起こりやすく、過剰な免疫反応は自律神経を乱す原因にも繋がります。自律神経と不調の関係性って?自律神経には体を活動的にする交感神経とリラックスさせる副交感神経があり、この二つがバランスよく働くことによって、体の状態が維持されているといわれています。ところが、この自律神経は自分の意思ではコントロールできず、ちょっとしたストレスでもバランスが乱れてしまいがちに。そのため、先ほど挙げたような体調不良の原因が重なりやすい春には、自律神経のバランスが乱れて不調を感じる方が多くいらっしゃいます。自律神経が乱れることで体に起こる不調とは?自律神経が乱れると、めまい、息切れ、肩こり、しびれ、痛み、不眠、頭痛、だるさといった症状がみられる場合があります。もちろん、これらは自律神経の乱れ以外の病気によっても起こりうる症状なので、気になる場合や症状が長引く、悪化するような場合はしっかり医師の診察を受け、診断してもらうことが大切です。自律神経の整え方自律神経を整えるためには、ストレスを避けて良くない生活習慣を見直すことが重要です。それでは、具体的にどんなことに気をつけたらよいのかをみていきましょう。また、慢性的なストレスがあると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されるといわれています。このストレスホルモンを抑えるために大切なのは、運動と睡眠です。運動でストレスを緩和運動をすると、ストレスホルモンであるコルチゾールを、作用の弱いコルチゾンに代謝する働きが高まるとされます。これにより、ストレスによる体への影響を和らげることが期待できるのです。ウォーキングや体操、サイクリングやジョギングなど、自分が取り組みやすい運動を行ってみましょう。適度な運動を取り入れることは、睡眠の質の向上にも繋がります。質の良い睡眠をとる睡眠も、ストレスホルモンを抑えるためにとても重要です。睡眠不足だと、ストレスホルモンが増えてしまうといわれています。必要な睡眠時間には個人差がありますが、おおむね7~8時間程度は確保するのが望ましいでしょう。ただ、睡眠時間さえ確保すれば良いというわけではなく、睡眠の質を高めることも重要です。そのためには、寝る1~2時間前から強い光を目に入れないようにし、食事も控えましょう。寝室はカーテンなどでしっかり遮光し、できるだけ暗くして騒音もない状態が理想です。春を快適に過ごすために季節の変わり目に体調を崩しやすいという方は、ぜひ今回ご紹介した生活習慣を意識してみてください。自律神経を整えて、不調が起きやすい春を少しでも快適に過ごしたいですね。©︎Maria Korneeva/Ekaterina Goncharova/Maria Korneeva/©︎Es75/shuttersutockママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の身体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は13万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこTwitter : 産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2023年03月20日中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、気圧や気温、環境の変化が重なる今の時期は、めまい、頭痛、肩こり、微熱などの不調が起こりやすいそう。特に女性は月経時に酷く感じる人が多いとか。愛先生がすぐできる対策を教えてくれます!最近、頭痛やめまいなどの不調が続いていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 204桜のつぼみが開きながら日本列島を少しずつエリアを拡大し北上していきます。今年は例年より早いともいわれている桜の開花です。例年より過ごしやすい春になりそうですね。いよいよ3月21日には春分の日もむかえ、本格的に冬の終わりを告げます。ただ、油断をしていたらすぐにやってくる低気圧に寒暖差。カラダにこたえますよね。漢方医学では、春になると1年の中でもめまい、頭痛、肩こり、微熱、立ち眩みなどの不定愁訴が増えると考えられています。大きく天気が変化するとき、月経前、寝不足が続いたときなど、カラダが弱っているタイミングで前述した不調を強く感じることはないでしょうか。ということで、今週は季節の変わり目かつ月経前に増えるめまいや頭痛などの対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、月経前のめまいや頭痛などの対策となる食薬習慣春が近づくと寒かった冬の記憶など吹き飛んでしまうような気分になりますよね。ですが、一気に冬の記憶が蘇るような日もまだまだ一定のペースでやってきます。そのたびに、低気圧と寒さがやってきてしまい、漢方では『肺・腎・脾』などが弱く、水分代謝や耳鼻科系に関わる臓器が弱く雨の日に不調になるタイプの人、貧血気味で自律神経が乱れやすい『血虚』タイプの人はつらい思いをすることになるかもしれません。さらに、この時期は天気の変化に伴って花粉の飛散が増えたり、4月からの新しい生活環境に向けて準備を整えるため、心もカラダも慌ただしいという特徴もあります。本来は、常に戦闘モードで段取りよく、テキパキと行動していたいと思う時期ですよね。ですが、気持ちだけが先走り、行動が伴わないと自分に対してうんざりしてしまう機会も多いかもしれません。とくに月経前には、自分の心とカラダのコントロールが上手にできなくなることがあります。そこで、今週は春に不足しがちな『肝血』を補い体調を底上げし、環境変化に備えて『肝気』の巡りを整え、月経前に起こりがちなめまいや頭痛などの不調の対策となる食薬を紹介します。食べるとよい食薬は、『キャベツの豚汁』です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:キャベツの豚汁】レシピはこちらです。<材料>豚肉200gキャベツ6枚(ちぎる)ニンニク1かけ(スライス)鰹節1にぎり(粉々に)味噌大さじ2みりん大さじ1水600ml七味唐辛子お好みで
2023年03月17日中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、今の時期は花粉や発汗による皮脂分泌過多などの外的影響と、ストレスや睡眠不足といった内的影響が重なり、ニキビなどの肌トラブルが起こりやすいそう。愛先生がすぐできる対策を教えてくれます!最近、肌トラブルが増えていませんか【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 203朝起きて鏡を見るとプツンと赤いニキビができていたなんて日には、一日テンションが下がりますよね。春に向けて暖かい日が増えることはうれしいですが、それに伴い皮脂の分泌が増えたり、マスクの中が蒸れたり、花粉が刺激になったり、紫外線が強くなりはじめたりとお肌にとってはちょっとずつダメージを受ける機会が増えてくることだと思います。そんななか、年度末の忙しさや環境変化でストレスがたまったり、暴飲暴食したり、夜更かししたりすることで不摂生がたたり、カラダのベースが崩れていると余計に肌トラブルを感じやすくなってしまうことでしょう。なんだかんだ、人に会う機会も増えがちな3月でもあるので、美肌を保つために外側からだけではなくカラダの中からできる食薬も取り入れてみてはいかがでしょうか。ということで、今週はニキビなど肌トラブルに悩む人のための食薬習慣を紹介していきます。今週は、ニキビなど肌トラブルに悩んだ時の食薬習慣春のような陽気の日も増えてきましたが、それに伴い発汗する量も増えます。同時に皮脂分泌も増える傾向があり、角層の水分と油分のバランスが乱れてしまうことがあります。そんななか、花粉の影響で目や鼻などの炎症がおこったり、搔いてしまったりと外的な影響があったり、ストレスや睡眠不足などで内面的な影響が重なったりすることで、春にはニキビなどの肌トラブルが増えるといわれています。肌トラブルが気になるのにお菓子や麺類などの精製糖やグルテンが多いものばかり食べてストレス発散などはしていないでしょうか。もしお肌のことで悩んでいるのであれば、食べ物のコントロールも肌の状態のコントロールにつながるので気をつけましょう。また、ニキビなど肌トラブルが起こりやすい状態を漢方では、『肝や肺』に熱をもったり『湿熱』がたまっている状態と考えます。そのため、自律神経を整えたり、偏食や睡眠不足、乾燥や紫外線などのケアをきちんと行うことで『清熱』を促し、炎症の原因を少しでも減らしていくことを目指します。ということで、今週は、『肝』と『肺』の働きをサポートし、『清熱』する食薬を紹介します。食べると良い食薬は、『たこハンバーグのカイワレ添え』です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:たこハンバーグのカイワレ添え】レシピはこちらです。<材料>タコハンバーグ(4個分)鶏ひき肉200gタコ50g(適当でOK・粗みじん切り)オートミール大さじ1味噌大さじ1タマネギ1/4個(みじん切り)生姜1かけ(みじん切り)飾りカイワレ大根1パック<作り方>材料をポリ袋にいれて、よく混ぜて丸く形を整えます。フライパンにオリーブオイルをひいて、両面焼いたらお皿に並べ、カイワレ大根をたっぷり添えたら完成。【タコ】肌の新陳代謝や自律神経を整えるためにも必要なビタミンB群、アミノ酸、血流を促し、抗酸化作用のあるビタミンEを含むため春の変化に大切な栄養をとることができます。また、タウリンも含むため、肝機能を助けデトックスを促しお肌の炎症などの緩和にも役立つため『肝』をサポートしたり『清熱』するためにも役立ちます。【カイワレ大根】大根の新芽がカイワレ大根です。ビタミンやミネラルも豊富ですが、特徴は辛みですよね。この辛味には、イソチオシアネートといって、抗炎症作用や抗菌作用などの働きがあり『肺』と『肝』の働きをサポートします。また、消化器系の働きが低下していると肌荒れや疲労感にもつながりますが、カイワレ大根には、ジアスターゼなどの消化を助ける酵素が含まれるため胃腸のサポートにも働いてくれます。すぐにできるストレス発散法として、甘い物やジャンクフードを食べるという人は多いですが、この行動は肌トラブルを増やしてしまいます。そして、肌トラブルは、さらなるストレスを生み悪循環へとつながってしまうこともあります。ストレスを感じたとき、肌トラブルを感じたときは、初心にもどり、好き放題食べるのではなく、食事内容の見直しをすることから始めてみましょう。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…経験則により構築されている『歴史ある漢方医学』と近年急成長している分子栄養学や腸の考え方、生命科学などの『最先端の予防医療』を融合することで、より理論的で具体的な食の提案ができるようにしたものです。東洋医学と西洋医学の良いとこどりをしています。また、漢方医学では、人は自然界の一部として存在し周囲と柔軟にバランスをとることで、よい状態を維持できるという『生体観念』という考え方を根幹としています。そのため、『食薬』では、日照時間、気候、土壌(LPS、ファイトケミカル)、微生物(口腔内細菌や腸内細菌)などの環境変化と連動して体調変化もするものと考えています。季節の移り変わり、日々の気候の変化、腸内細菌の変化などとの関係にも注目し、1年を通して季節や体調にに合わせ食薬を選び習慣として取り入れることで体調のコントロールをしていきます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©hisa nishiya/Gettyimages©Westend61/Gettyimages次ページ>>すぐできる、ニキビなどの肌荒れを防ぐコツの特設ページはコチラ文・大久保愛
2023年03月10日三寒四温という言葉通り、寒暖差の激しい時期となりました。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、そうした気温や気圧の差で自律神経やホルモンが乱れ、月経前の不調が酷くなりやすいのだそう。愛先生が、すぐできるPMS対策を教えてくれます!今の時期は寒暖差で自律神経が乱れ、PMSが酷くなることも【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 202少しずつ春色のお花が街並みを彩り始めました。今年の桜の開花は例年よりも早くなると言われています。今年の3月は暖かくなりそうです。でも暖かい日が続けば、寒い日もやってくるのだと思います。4月に近づくにつれて寒暖差の振れ幅は大きくなり、自律神経やホルモンの乱れを感じる人が増えてくることが予測されます。その結果、月経前に怒りっぽくなったり、過食してしまったり、気分がズーンと落ち込んでしまったりという不調に悩まされることもあるかもしれません。春は、新しいことをワクワク楽しみながらスタートさせたいところですが、気分がダークサイドに振り切っていたらうまくいくものもうまくいかなくなってしまいます。ということで、今週はPMSに悩んでいるときの食薬習慣を紹介していきます。今週は、PMSに悩んでいるときの食薬習慣ピンクの蕾が少しずつ開き始め暖かくなったと思えば、急に冷たい風が吹き込み厳しい寒さを感じるような日々を短いスパンで繰り返すのが、春の風物詩でもあります。ですが、繰り返す変化は、ジワジワと私たちのカラダのバランスをとる機能である自律神経や内分泌系などに負担をかけてしまい、月経にまつわる不調を感じさせてしまうことがあります。いつもよりも月経前に怒りやすくなっている、些細なことばに引っかかってしまう、食欲が収まらないなどちょっといつもの自分と違うと感じたら月経前だったということもあるかもしれません。個人差がありますが、今の時期とくにひどく感じやすいタイプを漢方医学では、貧血まではいかなくても鉄欠乏ぎみである『肝血虚』、ストレスがうまく発散できていない『肝気鬱結』のタイプの人が症状を強く感じる傾向があります。そこで今週は『肝血』を補い、『肝気』の巡りを改善する食薬を紹介します。食べると良い食薬は、『レバーとパセリのクミンソテー』です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:レバーとパセリのクミンソテー】レシピはこちらです。<材料>レバー150g(下処理したもの)トマト1個(くし切り)クミン10振りパセリ1束(ちぎる)塩・胡椒適量<作り方>材料をすべて炒めたら完成。【レバー】鉄分が多い食材の代表といえば、レバーです。貧血ではないけどフェリチン値が低かったりする、鉄欠乏な状態から貧血傾向なものを含め漢方では『肝血虚』といいます。女性が不足しがちな鉄は、脳の神経伝達物質の材料でもあるため鉄不足はメンタルの不調を起こしやすくさせてしまいます。【パセリ】鉄が豊富なレバーと鉄の吸収を促すビタミンCが多いパセリを一緒にとると鉄の吸収が高まります。また、料理の名脇役パセリですが、今週は主役にしてみましょう。香り高く『肝気』の巡りを改善するためにも役立ちます。栄養素的には、鉄、ビタミンCの含有量が野菜の中でもトップクラスで実力もあります。喉や鼻の調子が悪いときには、βカロテンも豊富なので、粘膜を強化しバリア機能を高めてくれます。カラダに炎症がある場合や腸内環境が乱れている状態も鉄の吸収を抑制してします。鉄剤を服用しても体調がよくならないときには、抗炎症作用や抗酸化作用があるビタミンCやファイトケミカルなど、香り高い食材や腸内環境を整える食物繊維をたっぷりとるようにすると鉄の吸収がUPしますよ。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…経験則により構築されている『歴史ある漢方医学』と近年急成長している分子栄養学や腸の考え方、生命科学などの『最先端の予防医療』を融合することで、より理論的で具体的な食の提案ができるようにしたものです。東洋医学と西洋医学の良いとこどりをしています。また、漢方医学では、人は自然界の一部として存在し周囲と柔軟にバランスをとることで、よい状態を維持できるという『生体観念』という考え方を根幹としています。そのため、『食薬』では、日照時間、気候、土壌(LPS、ファイトケミカル)、微生物(口腔内細菌や腸内細菌)などの環境変化と連動して体調変化もするものと考えています。季節の移り変わり、日々の気候の変化、腸内細菌の変化などとの関係にも注目し、1年を通して季節や体調にに合わせ食薬を選び習慣として取り入れることで体調のコントロールをしていきます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Ponomariova_Maria/Gettyimages©Sean Anthony Eddy/Gettyimages文・大久保愛
2023年03月03日2023年は、例年より大幅に多いスギ花粉飛散量と言われています。中医学士で漢方薬剤師の大久保さんが、花粉症の症状が強く表れやすい人の特徴と対策を教えてくれます!2023年は要注意!花粉シーズンの到来です【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 201今年も花粉がちらほら飛び始めるようになってきました。例年よりも飛散数は全国的に増えるといわれていますね。もうすでにアレルギー症状に悩まされている人もいるのではないでしょうか。長い時間空中を漂う杉やヒノキの花粉は、1日の中でもランチ前の時間と日が沈む前の帰宅時間の2回のタイミングで、空気の対流の影響により飛散量が増加します。なるべく浴びたくないですが、ちょうど外に出るタイミングでもあり、つらい状況が待っていることだと思います。花粉症歴の長い人は、花粉をガードして身を守る手段はプロ級だと思うので、カラダの中からアレルギー体質を少しでも軽減できる方法をお伝えします。ということで、今週は本格的な花粉シーズンの到来を目前に食べるとよい食薬を紹介していきたいと思います。今週は、花粉症対策となる食薬習慣まず、食薬としての花粉症対策といえば、腸活やビタミンDの摂取を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。近年、健康志向が高まり、免疫の向上といえば、この2つのワードが一般的になってきましたよね。そして、漢方医学でアレルギー体質の人は、『肺・脾・腎』のどこかが弱っている状態。粘膜のバリア機能は『肺』の役割、胃腸など消化器系統は『脾』の役割、炎症を抑える副腎機能は『腎』の役割と考えます。そのため、乾燥して粘膜が乾燥したり、便秘がちだったり、下痢気味だったり、疲れがとれない状況だったりする人は、花粉症の症状が強く表れやすくなることが予想されます。そして、『肺・脾・腎』を整えるために必要なものが腸活とビタミンDでもあります。さらに、炎症の原因となる小麦製品や甘いもの、揚げ物などオメガ6脂肪酸を含む食材のとりすぎも『湿熱』をため込み、症状を悪化させてしまいます。そこで提案ですが、花粉症がひどいと感じたときから、3日間など短い時間でもよいのでプチ節制を行うことで症状軽減を目指してみてはいかがでしょうか。続けられる人は、花粉シーズンだけでも炎症の原因物質は控えるようにしましょう。ということで、今週は『肺・脾・腎』を支え『湿熱』を除去する食薬を紹介します。今週食べるとよい食薬は、【ブリと水菜のカルパッチョ】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:ブリと水菜のカルパッチョ】ブリに含まれるビタミンDや水菜に含まれるβカロテンなどの脂溶性ビタミンは、カルパッチョのようなオイルと一緒に調理することで吸収が高まります。さらに、レモン汁など酸味のある食材を合わせると胃酸の分泌が促され、タンパク質の消化吸収を促し『脾』の働きを支えてくれます。レシピはこちらです。<材料>ブリ刺身100g水菜1束レモン汁大さじ1オリーブオイル大さじ1醤油小さじ1塩・ブラックペッパー適量<作り方>ブリと水菜をお皿に盛り付け、合わせ調味料を全体にかけたら完成。【ブリ】ブリには、免疫向上に必要なビタミンDやオメガ3脂肪酸が豊富で『腎や肺』の働きを支えます。さらに、疲労回復に役立つイミダゾールジペプチドやカラダの基礎となる『気・血・水』の材料となる鉄などのミネラル、タウリンも含みます。【水菜】水菜には、粘膜を強化するβカロテンが多く含まれ『肺』のサポートに役立ちます。また、ブリに含まれるミネラルの吸収を高めるビタミンC、腸の働きを助ける食物繊維が豊富に含まれ『痰湿除去』にも役立ちます。アレルギー症状がひどい時には、対処療法も必要ですが、合わせて食習慣の見直しを行うと生活の質の向上がより期待できると思います。鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどの不快症状には、控える食べ物への意識も非常に大切なことです。控えるもの+食べた方がよいものを考えながら日々の食事を選択してみましょう。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…経験則により構築されている『歴史ある漢方医学』と近年急成長している分子栄養学や腸の考え方、生命科学などの『最先端の予防医療』を融合することで、より理論的で具体的な食の提案ができるようにしたものです。東洋医学と西洋医学の良いとこどりをしています。また、漢方医学では、人は自然界の一部として存在し周囲と柔軟にバランスをとることで、よい状態を維持できるという『生体観念』という考え方を根幹としています。そのため、『食薬』では、日照時間、気候、土壌(LPS、ファイトケミカル)、微生物(口腔内細菌や腸内細菌)などの環境変化と連動して体調変化もするものと考えています。季節の移り変わり、日々の気候の変化、腸内細菌の変化などとの関係にも注目し、1年を通して季節や体調にに合わせ食薬を選び習慣として取り入れることで体調のコントロールをしていきます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Kiku/Gettyimages©Westend61/Gettyimages次ページ>>すぐできる、花粉症が酷くならないコツの特設ページはコチラ文・大久保愛
2023年02月24日コロナ禍で在宅時間が増えたりと、以前とはライフスタイルも大きく変わりました。同時に、気づかないうちにストレスや疲れが蓄積して「なんとなく不調」を抱えていたりしませんか?筆者はその一人でもあります。今回は漢方薬でもおなじみのツムラによる「第3回 なんとなく不調に関する実態調査」の結果をもとに「なんとなく不調」について見てみましょう。実はみなさんが見過ごしているその症状もカラダや心からのSOSかもしれませんよ。20代〜40代の男女1,800人を対象とした「なんとなく不調」の調査結果2023年、コロナ禍は早くも4年目となりました。この生活にだいぶ慣れてはきましたが、カラダや心には歪みが出るものです。ツムラが行っている20代〜40代の男女1,800人を対象とした調査結果(2022年12月実査 )からは4人に3人 (75.6%)が「なんとなく不調」を感じており、男性(70.0%)よりわずかばかりですが、女性(81.1%)の方が「なんとなく不調」を感じていることがわかりました。この「なんとなく不調」とは、自覚しながらもつい我慢しがちな症状や、調子が悪いものの病名の診断がつかない症状の総称と定義しています。また、3年連続でこの調査は行われていますが、「なんとなく不調」を抱える人は約7割前後で推移しているそう。特に女性が感じる、「なんとなく不調」には上位に「頭痛」「肩こり」「疲れ・だるさ」がきています。PMSなどの代表的な症状の一つである「イライラ感」も5位に入っていて、女性ならではの不調、ストレスもありそうです。筆者も家やカフェで作業することが多くなり、スマホやタブレットを見る機会が増えたことによる目の疲れや、慣れないテーブルと椅子を利用することにより姿勢が悪くなり、肩こりなどの不調をけっこう感じています。「なんとなく不調」を感じたとき、「病院に行く」のは半数以下正直、「頭痛」「肩こり」「疲れ・だるさ」だと日常でも感じる不調なので病院に行くか迷いますよね。そこで調査結果を見てみると、「病院の受診・医師の診察を受ける」と答えた人は全体の35.7% 。そして女性に関しては34.2%という半数以下の結果になりました。市販薬の服用が50%となっていて、特に女性は自力でなんとかしようと、がんばりやさんが多いのが現状です。実際、「なんとなく不調」で病院に行く人は増えてはいるものの、心身の不調で医師の診察を受けることに対して躊躇するかと聞くと、全体の65.1%、女性に関しては70%が「躊躇する」と答えており、この3年間でその意識はほとんど変化していない結果が出ています。その主な理由としては表の通り「お金がかかる」 「病院に行く時間がない」 などが挙げられます。正直、筆者も「頭痛」「肩こり」「疲れ・だるさ」は日常も感じる些細な不調として軽視してしまい、なんとか過ごせてしまうので病院は少しハードルが高い印象です。しかし、「なんとなく不調」を抱える人は「受診を躊躇する人」に多く、女性の方が受診を躊躇する人の割合が高いという結果が出ています。これは受診しないで我慢したまま、症状を抱えている可能性が考えられるんです。専門家が進める「なんとなく不調」ヘの対策外科医&漢方医であり、「芝大門いまづクリニック」院長の今津嘉宏さんは今回調査した「なんとなく不調」の原因は運動不足、移動不足、PCなど電子機器の使用時間の増加が考えられると言います。また、1日中家の中にいることは、動物園の檻の中にいるのと同じ状態となり、精神的なストレスにもつながるそうです。確かにずっと家にこもっていると気分が落ち込んできますよね。そこで、次のような対策を今津さんは進めています。【おすすめ対策1】「なんとなく不調」の症状を改善する「伸び」左右と上への2つの伸びで全身をほぐし心身を開放しましょう。伸び1.両腕をカラダの前に伸ばし、ゆっくりと背中側へ開きます。手のひらを上へ向け、できるだけ小指が上、親指が下になるように回転させます。両腕を伸ばししたまま背中側へ広げていくと、左右の肩甲骨が合わさるようになります。約1分行い、ゆっくりと元の位置へ腕を戻します。伸び2.両腕を真っ直ぐに上へ伸ばします。手のひらは後ろ側へ向くようにし、できるだけ小指が後ろ、親指が前になるように 回転させ、ゆっくりと天高く伸ばしていきます。約1分行い、ゆっくりと下げていきます。この2つの「伸び」を30分に1回程度、1、2の順で行ってみてください。疲れ・だるさ、目の疲れ、肩こりなど、「なんとなく不調」の症状がぐっと楽になるはずです。【おすすめ対策2】かかりつけ医を見つける。withコロナ生活で、リアルに話ができる「かかりつけ医」とのコミュニケーションがより重要に。今回の調査ではコミュニケーション頻度が増えた人は心身の「調子が上がり」、減った人は「調子が下がった」という傾向も出ています。そのため、コミュニケーション環境を見直してみるのもいいと今津さんは言います。その1つとしてオススメしたいのが、話しやすい医療従事者を見つけることです。SNSやWEBではなく、対面で実際に会って話ができるかかりつけ医療機関(病院、診療所、薬局など)を見つけましょう。このように知らないうちにカラダや心に不調を抱えながら頑張りすぎてしまっている自分がいるのかもしれないですね。筆者もずっと家にこもりっぱなしで不調を抱えた時、少し外に出て友人と話すだけでも、心がパッと晴れるのを感じ、人とコニュニケーションを取ることの重要性が身にしみました。無理はしないで今津さんが進める対策を実践してみるなどして「なんとなく不調」と上手に付き合ってみてくださいね。(C)hisa nishiya/Getty Images文・雨宮あゆみ
2023年02月21日便が硬くコロコロしていたり、便が出にくい人は、食事や日々の生活スタイルを見直すべきなのかもしれません。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が誰でもすぐできる対策を教えてくれます!便の状態は、生活スタイルの通信簿【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 200便がコロコロしたり、すごく力まないと出てこないような硬い便になっていることはないでしょうか。便の状態は、私たちの日ごろの生活スタイルの通信簿のようなもの。硬くて出にくいということは、食物繊維や水分摂取量が少なかったり、糖質や脂質の量が多すぎたり、日ごろの姿勢が悪く内臓を支えるインナーマッスルが衰えてしまっている状態かもしれません。便秘気味という女性は多いと思いますがが、腸の状態は美容・免疫・メンタルすべてにかかわるものです。即効性のある便秘薬に頼ってばかりではなく、自分の生活スタイルを見直してほしいというカラダから合図であることを忘れないようにしましょう。とくに、乾燥しやすく、寒くて動かなくなりやすい今の時期、便秘で悩む人は増えてしまうと思います。そこで、今週は便が硬くて困っている人のための食薬習慣を紹介していきたいと思います。今週は、便が硬くて困っている人のための食薬習慣バレンタインデーは過ぎましたが、いただき物や自分へのご褒美として購入したチョコレートを少しずつ消費している人も多いのではないでしょうか。チョコレートも高カカオのものであれば、カカオポリフェノールやカカオプロテインで抗酸化や腸活になりますが、カカオの含有量が少なかったり、砂糖がたっぷり含まれていたりすると、カラダに良いものとは言い難くなります。甘いものは食べ癖を作ってしまい、おやつの量が増えてしまう傾向があります。そして、甘い食べ物は、腸内で悪玉菌の餌となり腸内環境を乱してしまうこともあります。さらに、甘いものを食べすぎた結果、日ごろの食事が減ってしまい、トータルの食物繊維の摂取量が減ってくると便が硬くなったり、黒くなったり、粘り気が強くなってきます。肌荒れを起こしてしまう人も多いでしょう。漢方では、便秘気味で、肌荒れや過食気味になる状態を『湿熱』がたまっている状態と考えます。また、便が硬い状態を『陰』が不足していると表現します。そこで、今週は『湿熱』を取り除き、『陰』を補う食薬習慣を紹介します。今週食べるとよい食薬は、【白菜の胡麻和え】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材:白菜の胡麻和え】レシピはこちらです。胡麻は思いっきりたくさん使いましょう。<材料>白菜1/8(一口大に切る)すり胡麻大さじ4醤油大さじ1オリゴ糖大さじ1<作り方>材料をポリ袋に入れて和えたら完成。【白菜】白菜は、食物繊維が多く腸を整えることに役立ち、カリウムも多いため水分代謝を整えることを助け、『湿熱除去』ができます。また、芯や中心部付近にグルタミン酸やイソチオシアネートなど旨味や抗酸化物質、カリウムなどのミネラルが多く含まれています。外側に向けては、ビタミンCやβカロテンが多く『補陰』に役立ちます。食べ方としては、中心部には生長点があり、周りから養分を吸い取るため、中心部から先に食べていくのがベター。白菜は部位で栄養分布が異なるので、白菜の良さを得るためには丸ごと食べるようにしましょう。【胡麻】胡麻は、半分が油分でできているため腸を潤し『補陰』するために役立ちます。漢方では、タネは総じて潤腸通便を助けるとされています。また、カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、セレンなどのミネラル、ビタミンB群、食物繊維、抗酸化作用の高いゴマリグナン、ビタミンEなども含まれているスーパーフードです。また、胡麻の殻は硬いため、すり胡麻を選ぶと栄養の吸収が高まります。便秘がちになると下腹部が出る、お腹が張ってつらい、痔になりやすいなどの直接的なデメリットもありますが、毒素が腸から全身をめぐることで、肝臓や肌にダメージを与えたり、精神状態が不安定になってしまったり、免疫が低下しやすくなったりしてしまいます。慢性的な便秘を感じている人は、その状態に慣れてしまわずに改善点を探していきましょう。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…経験則により構築されている『歴史ある漢方医学』と近年急成長している分子栄養学や腸の考え方、生命科学などの『最先端の予防医療』を融合することで、より理論的で具体的な食の提案ができるようにしたものです。東洋医学と西洋医学の良いとこどりをしています。また、漢方医学では、人は自然界の一部として存在し周囲と柔軟にバランスをとることで、よい状態を維持できるという『生体観念』という考え方を根幹としています。そのため、『食薬』では、日照時間、気候、土壌(LPS、ファイトケミカル)、微生物(口腔内細菌や腸内細菌)などの環境変化と連動して体調変化もするものと考えています。季節の移り変わり、日々の気候の変化、腸内細菌の変化などとの関係にも注目し、1年を通して季節や体調にに合わせ食薬を選び習慣として取り入れることで体調のコントロールをしていきます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©aki-sugimoto/Gettyimages©PeopleImages/Gettyimages文・大久保愛
2023年02月17日寝ても疲れが取れなかったり、夜中までスマホをいじってしまう人は睡眠の質が低下しているかもしれません。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、快眠につながる簡単な方法を教えてくれます!夜、きちんと眠れていますか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 199みなさん、爽やかな朝を迎えることができていますか?睡眠によってカラダを休めていたはずなのに、カラダが重くスローペースでしか動けないような疲労感を感じていたり、カラダが硬直し寝返りを打たずに寝てしまい肩こりを強く感じてしまう人もいらっしゃいます。さらには、日中すごく疲れていて大事な時に眠くなるのに、夜遅くなるにつれてだんだんと元気になり、寝る時間には目がさえてしまう人もいるようです。その結果、夜食を食べたり、夜中にスマホを見ながらゴロゴロして過ごしてしまうことで夜型が定着し、翌日にはさらに疲労感が増していくという、つらい循環に陥ってしまうこともあります。そんなときには、日々のストレスにより副腎がダメージを受けていたり、体内時計が乱れてしまっていることが考えられます。この悪循環から、良い睡眠を取り戻すためには苦戦してしまうことでしょう。そこで、今週は夜に目がさえてしまい睡眠の質が低下している人のための食薬習慣を紹介していきたいと思います。今週は、夜に目がさえてしまう人のための食薬習慣立春をむかえ、今年も1か月が過ぎました。時が過ぎるのは早いもので、やるべきことがなかなか進まず、イライラしたり、プレッシャーを感じたり、怒りっぽくなったり、気分が急に落ち込んだりとストレスが蓄積してきてはいないでしょうか。そんな状況では、あっという間に年度末がやってきて、そうこうしているうちに4月へと時は過ぎてしまうことだと思います。ですが、今の瞬間を常に大切にして丁寧に過ごすことができたとしたら、忙しい毎日にも充実感を感じることができることでしょう。そためには、睡眠の質を向上し、その日のうちに脳とカラダの疲れをリセットすることが必要だと考えられます。この睡眠の質が低下している状態を漢方医学では、睡眠に関わる神経伝達物質やホルモンの材料となる『血』の不足だったり、ストレス過多による交感神経の過緊張である『気』の滞りがあると考えます。そこで、今週は『血』を補い、『気』の巡りを改善する食薬を紹介します。今週食べるとよい食薬は、【牡蠣と大葉の炊き込みご飯】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材:牡蠣と大葉の炊き込みご飯】レシピはこちらです。<材料>Aお米2合牡蠣100g生姜2片醤油大さじ2酒・みりん各大さじ1水適量B大葉6枚<作り方>Aを炊飯器に入れ、炊いて、Bの刻んだ大葉をまぜて完成。【牡蠣】亜鉛・マグネシウム・鉄などのミネラル、ビタミンB群、必須アミノ酸などとにかく心とカラダを元気にする栄養が豊富です。食材の中でもトップレベルでバランスの取れた、栄養価の高い食材ということができると思います。ストレスが多く交感神経の過緊張がおきていたり、ストレスに関わるホルモンが分泌される副腎の疲れているときに『血』を補い心を穏やかにしてくれます。【大葉】ストレスや緊張したときに無意識にカラダに力が入り、うまくリラックスできないことがあります。そんなときに、カラダを緩ませて『気』の巡りを改善してくれるのが大葉のような香り高い食材です。また、強い抗菌作用ももつため風邪を引きそうなときにもおすすめです。睡眠の質が低下しているときには、夜のタイミングだけ悩むのではなく、日中の栄養管理やお風呂やストレッチ、運動などの習慣の見直しが大事です。睡眠の質は、日中の行動の通信簿のようなものです。そのため、睡眠の質が悪い人は日中の行動に改善できる点がたくさん存在していることが考えられます。その原因一つとして栄養の偏りに心当たりがあるとしたら、ぜひ炊飯器に今週の食薬を詰め込んで、美味しく体調管理をしてみてくださいね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…経験則により構築されている『歴史ある漢方医学』と近年急成長している分子栄養学や腸の考え方、生命科学などの『最先端の予防医療』を融合することで、より理論的で具体的な食の提案ができるようにしたものです。東洋医学と西洋医学の良いとこどりをしています。また、漢方医学では、人は自然界の一部として存在し周囲と柔軟にバランスをとることで、よい状態を維持できるという『生体観念』という考え方を根幹としています。そのため、『食薬』では、日照時間、気候、土壌(LPS、ファイトケミカル)、微生物(口腔内細菌や腸内細菌)などの環境変化と連動して体調変化もするものと考えています。季節の移り変わり、日々の気候の変化、腸内細菌の変化などとの関係にも注目し、1年を通して季節や体調にに合わせ食薬を選び習慣として取り入れることで体調のコントロールをしていきます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©alpacako/Gettyimages©ShotPrime/Gettyimages文・ 大久保愛
2023年02月09日中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、寒い冬の今、食欲が止まらなかったり、午前中は眠く夜は目が冴えてしまったりと、心身のコントロールをうまくできない人が増えているそう。愛先生が今すぐできる対策を教えてくれます!今の時期、食欲が止まらないのはなぜ?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 198突然ですが最近、おやつの量が増えている、コーヒーがないとやる気がでない、晩酌や寝酒の回数や量が増えてしまったなど、食に対する欲求が止まらなくなってきたということはないでしょうか。日々、慌ただしく過ごす現代人にとっては、ほっと一息つく時間として、おやつやコーヒー、お酒は欲するタイミングが増えてしまうのも仕方ないことかもしれません。ですが、今の時期、気候的にも食欲が止まらない原因はほかにも秘めています。暦の上では春といわれる立春をむかえますが、「春」とは裏腹に一年でもっとも寒い時期ともいわれています。大雪になったり、急に冷え込んだりとまだまだ心地よい環境とはかけ離れていますよね。そんなとき、私たちは精神的ではなく肉体的にストレスを感じることになり、自律神経や副腎などに負担がかかってくることがあります。その結果、食欲が亢進してしまうことがあります。ということで、今週は食欲が止まらないときの食薬習慣について紹介して行きたいと思います。今週は、ストレスによる食べすぎ対策となる食薬習慣仕事や家事をしていて、集中できない時間が増えていないでしょうか?そのたびに、クッキーやコーヒーなどで気合をいれているうちに甘いものやコーヒーがやめられなくなったり、ストレス解消に晩酌や寝酒をするようになって飲酒の習慣がついてしまったりしてはいませんか。お砂糖や小麦粉、カフェイン、アルコールなどは、徐々に量が増え、癖になりやすいものです。そして、日ごろのストレスに加え、寒さや気圧の変化によるカラダへのストレスが加わることで、自律神経を乱したり、ストレスに対抗するコルチゾールというホルモンが副腎から分泌され、心身ともにコントロールが難しくなってしまうこともあります。その結果、妙に甘いものやカフェインが欲しくなったり、集中力が低下したり、すぐに疲れてしまったり、夕方になるにつれて目が冴えて眠れなくなる、PMSや生理痛が悪化してしまうこともあるのです。そして、その生活がループしてしまう可能性もあります。また、睡眠時間が短くなると食欲が増大するようにホルモンの分泌が調整されてしまうので、より過食ぎみになってしまいます。これらの状況を漢方では、『湿熱』がたまっている、栄養バランスが悪く『血』が不足し精神的に安定しづらい状況と考えます。ということで、今週食べるとよい食薬は、『湿熱』を取り除き『血』を補う【鶏ひき肉ともやしの玉子とじ】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材:鶏ひき肉ともやしの玉子とじ】レシピはこちらです。<材料>もやし1袋ニンニクの芽1袋鶏ひき肉150g溶き玉子2個みりん・醤油各小さじ2<作り方>もやし、ニンニクの芽、鶏ひき肉を炒め、溶き玉子にみりんと醤油を混ぜたものを加え、火が通ったら完成。【もやし】気兼ねなくたっぷり食べることができ、シャキシャキとした歯ごたえがあるため食べ応えもあり早食いも防ぐことができるので満腹感を感じさせてくれます。もちろん、食物繊維も含むため腸活にも役立ちます。コントロールしがたい食欲を感じさせる『湿熱』の除去に役立ちます。【鶏ひき肉】食欲のコントロールに働くセロトニンなど神経伝達物質の材料となる鉄、ビタミンB群、アミノ酸などを含み『血』を補うために役立ちます。そのほかにも脳の疲労をやわらげるイミダゾールジペプチドも含まれています。食欲が止められないときには、しっかりと食べていても栄養バランスが悪かったり、きちんと食事が消化吸収できていなかったり、不摂生やストレスによって無駄にビタミンB群やミネラルが消耗されていることなどもあります。そんなときには、比較的消化の負担が少ないミンチにしたお肉や玉子などをかさまし食材の代表もやしと一緒に食べることで満足感を得るようにして取り入れるのがおすすめです。不摂生なループから抜け出すことは簡単ではありませんが、少しずつ改善を目指していきましょう。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…経験則により構築されている『歴史ある漢方医学』と近年急成長している分子栄養学や腸の考え方、生命科学などの『最先端の予防医療』を融合することで、より理論的で具体的な食の提案ができるようにしたものです。東洋医学と西洋医学の良いとこどりをしています。また、漢方医学では、人は自然界の一部として存在し周囲と柔軟にバランスをとることで、よい状態を維持できるという『生体観念』という考え方を根幹としています。そのため、『食薬』では、日照時間、気候、土壌(LPS、ファイトケミカル)、微生物(口腔内細菌や腸内細菌)などの環境変化と連動して体調変化もするものと考えています。季節の移り変わり、日々の気候の変化、腸内細菌の変化などとの関係にも注目し、1年を通して季節や体調にに合わせ食薬を選び習慣として取り入れることで体調のコントロールをしていきます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Mono/Gettyimages©Milan Markovic/Gettyimages文・大久保愛
2023年02月03日強い寒気により寒さが一段と厳しくなっています。暖房や厚着、カイロなど外からの保温はもちろん必須ですが、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、それでも冷えを感じる人は、代謝が低く、体内で熱をうまく作り出せないのだそう。そこで愛先生が、今すぐできる寒さ対策を教えてくれます!冷えは、さまざまな不快症状を引き起こします【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 197今週は、10年に一度レベルともいわれる強烈な寒波がやってきましたね。雪が降る地域も多かったようで、その様子は窓から眺めている分には白銀の世界が美しく感じられますが、扉を開けた瞬間に急激な寒さと交通麻痺の影響などが体調や日常生活に影響してきますよね。冷えるとカラダに力が入りやすくなり、肩や首のこりを強く感じたり、手先や足先がしもやけになったり、下半身のむくみが悪化したり、寝つきが悪かったり、朝方起きてしまったりと睡眠の質が低下したりと、ちょっとした不快症状が増えてしまうことがあります。ただ、暖房や厚着、カイロなどに頼ることに加え、栄養バランスを気にかけることで、外部からの保温だけではなくエネルギーを効率よく作り出しカラダの中からも温まる食薬を取り入れることも大切です。ということで、今週は10年に1度レベルの寒さに対抗する食薬習慣を紹介したいと思います。今週は、温活対策となる食薬習慣最近、寒さから肩こりや頭痛、腰痛がつらい、お腹痛くなる、生理痛がひどくなった、夜中にトイレに何度も起きる、むくみがひどくなったということはないでしょうか。これらは冷えに付随する症状ですが、これだけ寒いと『温活』しないと!と考えはじめることもあると思います。みなさん、『温活』と聞くとどんなことを想像しますか?腹巻、レッグウォーマー、白湯、カイロを貼る、ショウガや唐辛子を使った料理などでしょうか。どれも冷えの緩和につながりますが、自ら熱を作り出すことを促すためにはちょっと弱いかもしれません。そんなときに漢方では『脾腎陽』を補い対策をとります。イメージとして『気』を補うだけでは、暖房やカイロや厚着に頼っている状態。『脾腎陽』を補うことは、エネルギーを作り出す仕組みから改善していくことを表します。そのため、根本的に冷え体質を改善していきたいときには、『脾腎』の働きを支えることが大切です。ということで、今週食べるとよい食薬は、エネルギーを作り出すミトコンドリアの働きを助けてくれる【アサリとホタテの海鮮鍋】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材:アサリとホタテの海鮮鍋】レシピはこちらです。<材料>ベビーほたて80gあさり100g昆布3㎝水500mlもやし1袋椎茸4つ醤油・みりん各大さじ1ネギおこのみで<作り方>材料をお鍋にいれてコトコト煮込むだけ。野菜や魚介、肉などお好みで加えてください。【ホタテ】『気』を補うタウリンを含み、低脂質であるため胃が弱い『脾気虚』のタイプの人にとってもおすすめ食薬。エネルギーを作り出すミトコンドリアの栄養となる鉄やビタミンB群、マグネシウムを含み『腎陽』を補うためにも役立ちます。さらに、脳疲労の改善に役立つプラズマローゲンも含むため集中力の低下を感じる人にもおすすめです。【アサリ】貝類は共通して、鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラル、タウリン、ビタミンB群が豊富です。さらに旨味も強いので、顆粒出汁いらずの天然出汁で十分美味しく仕上がります。『補気血』『気滞血瘀』『補腎』の働きが期待できます。寒い時には、カラダを暖める空調や洋服、入浴、腹巻、カイロ、スープなどを取り入れることは自然なことだと思います。それでも、寒さを凌ぐことができない人は、代謝を向上し熱を作り出すために必要な栄養素を補ってあげましょう。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…経験則により構築されている『歴史ある漢方医学』と、近年急成長している分子栄養学や腸の考え方、生命科学などの『最先端の予防医療』を融合することで、より理論的で具体的な食の提案ができるようにしたものです。東洋医学と西洋医学の良いとこどりをしています。また、漢方医学では、人は自然界の一部として存在し周囲と柔軟にバランスをとることで、よい状態を維持できるという『生体観念』という考え方を根幹としています。そのため、『食薬』では、日照時間、気候、土壌(LPS、ファイトケミカル)、微生物(口腔内細菌や腸内細菌)などの環境変化と連動して体調変化もするものと考えています。季節の移り変わり、日々の気候の変化、腸内細菌の変化などとの関係にも注目し、1年を通して季節や体調にに合わせ食薬を選び習慣として取り入れることで体調のコントロールをしていきます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Yukarina/Gettyimages©Tara Moore/Gettyimages文・大久保愛
2023年01月26日おならは臭いもの、お腹が張るときはあるけどあまり気にしない、そう捉えている人は多いかもしれません。ですが、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によるとそういった不調は、自律神経の乱れや腸内環境が悪いことのサインなのだそう。愛先生が、すぐできる対策を教えてくれます!お腹の調子は、過去の自分の食習慣や行動の結果です【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 196最近、おならがよく出る、お腹が張る、おならが強烈にクサイなどでお困りの人はいないでしょうか。「なんでだろう?」と考えてもその瞬間が過ぎてしまえば、そんな悩みもすぐに忘れてしまうことでしょう。でも、本当はその「なんでだろう?」は忘れないでほしいのです。私たちの食習慣の結果が、分泌物や排泄物などとなって現れるケースが多いからです。おならがクサイ、お腹が張って苦しいなどの結果は、自分の過去の行動が原因となっています。明らかな不調として表面化する前におならの状態を元に戻していくように食事を変化させていきましょう。とくに寒さを感じるときには、すぐにエネルギーとなる甘いものやカロリーの高い揚げ物やクリーム系の食べ物を食べたくなりがちです。こういった食材は、腸にダメージを与えてしまいます。ということで、今週は食の見直しとおなら対策をするための食薬習慣を紹介していきたいと思います。今週は、おなら対策となる食薬習慣寒い日はぬくぬくと布団にくるまったり、暖かい部屋でゴロゴロしているのが幸せですよね。暖かい時期と比べると冬は外に出るのが面倒になり、動画や漫画などを見ながら、お菓子を食べてご褒美タイムを過ごす頻度が増えている人も多いのではないでしょうか。このような生活を続けていると増えてしまうのが、お腹の張り、おなら、おならの強烈なニオイです。漢方医学では、体質を判断するときに、便、おなら、舌苔、痰、鼻水、汗など分泌物や排泄物の状態を確認することでカラダの状態を紐解くことがあります。ということで、おならの状態はカラダの状態を知らせてくれるありがたい指標と考えることもできます。漢方では、クサイおならが増えているときに『湿熱』が生じていると考えます。そして、ストレスや気候の変化などにより自律神経が乱れてお腹がパンパンになっているときを『気滞』と考えます。そこで、悪玉菌が増えてしまっている腸から『湿熱』を取り除き、腸の動きをサポートして『気』の巡りを改善する食薬をとっていきます。食べるとよい食薬は、【エノキのステーキ山椒風味】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:エノキの石づきステーキ山椒風味】レシピはこちらです。<材料>エノキの石づき1つオリーブオイル大さじ1塩・山椒適量※「エノキの石づき」は一番下のおがくずがついたところを1センチ程度を切り落とした、茎が固まっている部分のこと。<作り方>エノキに塩と山椒を振り、両面をオリーブオイルで焼いて、味を整えたら完成。【えのき】水溶性の食物繊維の一種βグルカンを含み腸内環境を整え『湿熱』の除去に働きます。また、ビタミンDも含むため腸壁を強化したり、免疫を強化する働きもあります。さらに、リラックス作用があり『気』の巡りを改善するGABAも含んでいるので、おならが気になるときにはおすすめな食材です。【山椒】サンショオールをはじめとした香り成分が、胃腸の働きをサポートしてくれます。とくに腸にたまったガスをとりのぞく『理気』作用が期待できます。放置していると腸内環境が悪化して、免疫が低下し風邪をひきやすくなったり、例年より花粉症などのアレルギー症状が悪化したり、肌トラブルが悪化してしまう可能性もあります。腸は、元気な心と体にとって大切な存在です。腸の悩みは早めに解決していくようにしましょう。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもがカラダに影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Aleksei Morozov/Gettyimages©Maskot/Gettyimages文・大久保愛
2023年01月20日中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、これからの時期は、気温差が激しくなることから自律神経の乱れや血流低下が生じやすくなり、めまいや耳鳴り、だるさに悩む人が増えるのだそう。そこで愛先生が、自律神経を整え、血流を改善する簡単な方法を教えてくれます!最近、めまいや耳鳴り、だるさに悩んでいませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 195正月モードからようやくいつものリズムに戻ってきた頃でしょうか。集中力を取り戻し、テキパキと動いていきたいですよね。そんな中、1月の気候は寒くなったり、暖かくなったりとちょっと不安定です。ですが、これはまだ始まりです。2月、3月と気圧や気温の変化は今以上に大きくなっていくことが例年の傾向です。これによって起こるのが自律神経の乱れや血流の低下。外を歩いていて耳が冷たいなと感じることはないでしょうか。耳周辺には体温調節を行う血管であるAVA(動静脈吻合血管)や心を落ち着かせる神経が密集しています。そのため、今の時期の気候の変化が、自律神経を乱し、私たちのやる気を邪魔してしまう耳鳴りやめまい、だるさを引き起こしてしまうことがあります。ということで、今週は気候の変化に負けないように自律神経を整える食薬習慣を紹介していきたいと思います。今週は、耳鳴り・めまいなど自律神経の乱れ対策となる食薬習慣最近、耳鳴りやめまいで悩む人の声をよく耳にします。毎年、寒い時期になると耳鳴りが増加していく傾向があります。まずは、首の太い血管を温めるマフラーや耳を覆う帽子などで防寒対策、冷えたカラダを温める入浴も忘れないようにしましょうね。また、日照時間が短いことも自律神経の乱れに関係するので、毎朝しっかりと朝日をあびるように心がけ、生活リズムを正していきたいですね。そして、イライラしたり不安になったり、夜更かしをしてスマホをみることも自律神経を乱すので、調子の悪い人は、のんびりしながらリハビリのように正月から日常に戻していくことがベター。また、漢方医学では、冬の耳鳴りは冷えによる『腎陽虚』、自律神経の乱れや血流の低下による『気滞血瘀』などと考えます。そこで、体を温め血流を促し、ストレスにも強くなるように『腎』をサポートしつつ『気や血』の巡りを解消していく食薬をとっていきます。食べるとよい食薬は、【シシャモの南蛮漬け】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:シシャモの南蛮漬け】レシピはこちらです。<材料>タマネギ1/2個(スライス)人参1/3個(千切り)シシャモ5尾お酢大さじ4みりん大さじ1塩お好みで<作り方>シシャモ以外の材料をポリ袋にいれ放置(A)。シシャモを両面焼いたら、Aにシシャモを加えつかるようにした状態で1時間くらいおいたら完成。【シシャモ】シシャモは、骨や頭、内臓まで丸ごと食べることのできるお魚で、『腎』の働きを支えるために役立つ食材です。冬に不足しがちなビタミンDやセロトニンの材料となる鉄やアミノ酸、ビタミンB群なども豊富です。さらに、集中力や記憶力もサポートするオメガ3脂肪酸も含んでいます。【玉ねぎ】『気滞血瘀』を解消するために役立つ食材です。血流を促したり、抗酸化作用や血糖値の上昇を抑えたりする働きもあるため、冬の不快症状やお正月太りなどの解消にも役立ちます。ツーンとする香りのもとアリシンは、シシャモのビタミンBの吸収をサポートしたり、代謝を助け疲労回復を促したり、感染症対策もできます。シシャモは塩味が強いので、塩や醤油などの味付けが不要な便利な食材です。酸味と相性がよく、生臭さも消してくれます。新年早々に不調を感じる人は、少なくはありません。無理やりやる気を振り絞らずに、生活スタイルや食事の見直しを行うことで、カラダの中から改善して根性論ではなく円滑にすごせるようにしていきましょう。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもがカラダに影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©MADUAart/Gettyimages©BartekSzewczyk/Gettyimages文・大久保愛
2023年01月13日寝正月で過ごしていた人にとって、休み明けは心身がキツくて当然かもしれません。そこで中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、正月ボケを軽減し、気力アップにつながる方法を教えてくれます!正月ボケでカラダがだるさを感じていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 194今年もそろそろ世の中が動き始めますね。長期休暇でやる気は十分チャージできたでしょうか?2023年も実りある充実した一年にしたいなと考えながら横になってしまうという、気持ちに行動が伴わないということはないでしょうか。とはいえ、年末年始の休みをゴロゴロ、ヌクヌクとリラックスしながらゆっくりしていた日々から急にテキパキと動き出すのは酷なことですよね。そこで、今週は新年を清々しく過ごし、今年の目標に向かって真っすぐ行動し始めることができるように後押ししてくれる食薬習慣を紹介していきたいと思います。今週は、正月ボケを軽減し、気力アップにつながる食薬習慣久々にのんびりできた人も多いのではないでしょうか。両親や親せき、地元の友人などと久しぶりに会ったり、美味しいものを食べたりとリフレッシュできたことだと思います。ただ、急に日常に戻り、一年の初めだからとやる気100%で走り始めるにはちょっと無理がありますよね。お正月にだるくなるのも冬の風物詩の一つではないでしょうか。ですが、それなりにだるくなったりやる気がなくなったりする理由はあります。一日の歩数は1万歩なんてほど遠く、夜更かししてしまい、朝はゆっくり起きて、起きている時間は横になっているか食べているかという生活スタイルになってしまうことも多いのではないでしょうか。もしそうだとしたら、人間のカラダとしてだるくなってしまうのは仕方のないことかもしれません。また、年末からの食べ続けで胃腸や肝臓が疲れてしまっていることもありますよね。多くの人が、一年の始まりだから全速力で突っ走ろう!なんて次元には至ることはできないと思います。漢方では、この動かず、偏食して、夜更かしして疲れやすくなっている状態を『腎陽虚』と考えます。睡眠のリズムが乱れたり、日光に当たらない日々は『腎』の働きを低下させ、動かず偏食しているとカラダのエネルギーである『陽』が不足すると考えます。そこで、今週は気力アップのために『腎陽』を食薬で補っていきましょう。食べるとよい食薬は、【カレー風味の鱈のムニエル】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:カレー風味の鱈のムニエル】作り方は簡単です。鱈に塩、胡椒とカレーパウダーと、おからパウダーか高野豆腐を擦りおろした粉などをまぶして、両面を焼いてレモン汁を絞ったら完成です。【鱈】冬に不足しがちなビタミンDが豊富で、免疫や骨密度の低下の予防に役立つため『腎』の働きを助けてくれます。また、『陽』を補うタウリンやビタミンB群、タンパク質なども豊富なので、正月のだるさを優しくサポートしてくれます。【カレーパウダー】複数のスパイスの複合体であるカレーパウダーは、血流を促しカラダを温めたり、消化の働きを高めたり、やる気アップを手伝ったりと冬に必要とする効能を兼ねそろえている『陽』を補う食材です。保存食が多いこの時期はカレーパウダーで味変させると味覚的にも体調的にもプラスになりますね。一年の始まりは、できるだけ元気に明るく前向きな姿勢ですごしていきたいですよね。心とカラダのオンオフがしっかり切り替わらずに困っている人は、気合だけでどうにかしようとはせずにカラダの中から整える努力をしてみましょうね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもがカラダに影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©emma/Gettyimages©Ridofranz/Gettyimages文・大久保愛
2023年01月07日疲労がどっと出やすくなる頃です。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、心とカラダに元気をチャージする簡単な方法を教えてくれます!最近、特に疲れていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 193仕事納めも近づき今年もゴールが見えてきましたね。ただ、ほっとするのも束の間に年越し準備や帰省の準備なども忙しくなります。息をつく間もないのが師走ですね。そろそろ、今月だけではなく1年の疲れがどっと出始めている人も多いのではないでしょうか。皆さま、今年一年も本当にお疲れさまでした。自分にエールを送りたくなりますよね。今年の残り時間は、そんな頑張った心とカラダの疲れをリセットして、気持ちよく新年を迎える準備をする時間にもしていきたいですね。ということで、今週は心とカラダに元気をチャージする食薬習慣を紹介していきます。今週は、心とカラダに元気をチャージする食薬習慣朝起きると寒い、眠い、だるいの3拍子が揃い始める時期だと思います。ただ、今年もまだまだ忙しい人が多いのではないでしょうか。毎日に疲れてしまい、朝は起きられなくて朝食を抜いたり、昼はぱっと食べられるもので済ませたり、夕飯は遅い時間になってしまったりと食事の内容とリズムが崩れてしまいやすいですよね。栄養のバランスが乱れ気力が低下してしまうことが考えられます。さらに、寒さからカラダを動かす習慣が減ってしまうことで基礎代謝の低下につながってしまったり、寝る時間が遅くなってしまうことでカラダの修復が思うようにできていなかったり、ストレスが積み重なることで自律神経が乱れてしまったりと、心とカラダの疲れを感じさせる原因が地道に蓄積していきます。漢方では、心もカラダも疲れやすい状態を『気血両虚』とよびます。私たちの心とカラダを元気にするためには、食事・睡眠・運動が必須であることは皆さんご存じだと思います。ですが、すべてを正すことは難しいですよね。その中でも、食事の内容は比較的コントロールしやすいのではないでしょうか。ということで、今週は『気・血』を補い心とカラダに元気をチャージする食薬を紹介していきます。食べるとよい食薬は、【長いもの豚バラまき】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:長いもの豚バラ巻き】作り方は簡単です。皮ごと細く切った長いもに豚バラを巻いていきます。フライパンでニンニクと鷹の爪と一緒に全面焼いて、みりん・醤油を全体に絡めたら完成です。【長いも】心身ともに疲れるといくら寝てもだるい、ホルモンバランスが乱れる、やる気がでないなどの深い症状を感じることはないでしょうか。長いもには、心身ともに疲れているときに疲弊している副腎を支えるジオスゲニンという成分が含まれています。また、消化を助けるジアスターゼも含まれているので、忘年会続きで疲れている胃腸にも最適です。【豚肉】心の元気には『血』が、カラダの元気には『気』が必要です。豚肉には、『気・血』の両方を補うタンパク質、ビタミンB群、ミネラルが豊富に含まれています。アリシンを含むニンニクやネギ、ニラなどのネギ類を組み合わせるとさらに効果的です。今年の仕事も疲れも今年のうちにリセットして、2023年を軽快にスタートできるようにしておきましょうね。それでは皆さま、心とカラダが健やかなよいお年をお迎えください。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもがカラダに影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Aleksei Morozov/Gettyimages©Catherine Delahaye/Gettyimages文・大久保 愛
2022年12月28日冬は太りやすいと思っている方もいるでしょう。しかし実は、夏よりも冬のほうが代謝がアップして痩せやすい季節とも言われているのです。毎年冬になると体重が増えてしまうという場合は、食生活や日常生活を見直してみましょう。今回は管理栄養士の筆者が、冬太りを防ぐために注意したい食事方法について解説します。なぜ“冬太り”が起こるのか?そもそも、なぜ冬に体重が増えてしまうのでしょうか。私たちの体は寒いと熱を生み出そうとする働きがあるため、本来は寒い季節のほうが代謝が上がりやすく、消費エネルギーは多くなる傾向にあると言われているのです。それでも冬に太ってしまう場合は以下の要因が考えられます。寒くて体を動かさなくなる寒い冬は、あまり長い時間外に居たくないという人も多いでしょう。暖房のきいた部屋でついゴロゴロする時間が長いと、活動量減り消費エネルギーも少なくなってしまうのです。家事などでこまめに体を動かすだけでも、消費エネルギーをアップさせることができます(※1)。また気温が高い日中に散歩をするなど、できる限り体を動かしてみましょう。脂質や糖質が多いものを食べすぎる冬は夏に比べて油が多めのものや、こってりしたものを食べたくなることがありませんか?クリスマスや忘年会、お正月などイベントが重なり、つい食べすぎたり飲みすぎたりしてしまうこともあるでしょう。食べすぎたときは早めに調整することで、いつの間にか体重が増えてしまう事態を予防できるはず。塩分でむくみやすくなる冬はさまざまなイベントがあるため、食べすぎることで塩分を必要以上に摂ってしまうことも。その結果むくみで体重が増えることもあるでしょう。特にお正月に食べるおせちは、日持ちさせるために塩分が多い傾向が。食べすぎて体重が増えてきたと感じたら、次の日は食事量を調整してみてください。また、野菜や果物に多く含まれているカリウムは塩分を体の外に出してくれるため、意識的に摂ると良いでしょう(※2)。ただし内臓の疾患がある人はカリウム制限が必要な場合もあるため、病院で相談してください。冬太りを防ぐために注意したい食べ物揚げ物クリスマスなどの時期は、フライドチキンや揚げ物を食べる機会が増えることもあるでしょう。しかし、揚げ物は油が多いためカロリーが高くなります。できるだけ週に2回程度に抑えるようにすると良いでしょう。もし食べすぎてしまったら、翌週以降に揚げ物は控えるようにして調整を。自宅で手作りをするなら、油を少しふりかけてトースターで焼いたり、油を少な目にした「揚げ焼き」にしたりすることで、カロリーが抑えられるでしょう。グラタンやシチューグラタンなど、ホワイトソースを使った料理はパーティーメニューでも人気ですよね。しかし、バターや牛乳が多く使われている一般的なホワイトソースは脂質が多くてカロリーも高くなりやすく、食べすぎに気を付けたいメニューの1つ。またシチューも同様に、バターや牛乳によって高カロリーになりやすいでしょう。手作りするならバターを控え目にしたり、豆乳や低脂肪乳を使ったりすることで、カロリーオフが目指せるはず。鍋鍋はヘルシーなイメージがあるかもしれませんが、食べ方によっては太りやすい場合も。脂肪が多い肉やゴマだれ、糖分が多いすき焼きなどは意外と高カロリーなので、食べすぎには注意が必要でしょう。また、シメに雑炊や麺を食べることでカロリーオーバーになりやすく、味付けによって塩分も過剰になってしまうこともあります。鍋を食べるなら野菜やきのこをたっぷり入れ、食物繊維を摂るように意識してみて。満腹感を得やすく、食べすぎ予防にもなりますよ。また出汁を効かせた味付けで、ポン酢など塩分控えめの調味料で調整し、スープはなるべく飲まないようにすれば、塩分の摂り過ぎも防げるでしょう。肉を入れるなら、脂肪が多い肉よりも赤身肉を選ぶのがおすすめです。冬太りを防いで、イベントを楽しみましょう年末年始は飲み会やイベントが多く、体重が増えやすい方もいるでしょう。しかし、体重を気にしすぎて食事の時間を楽しめないのはもったいないですよね。もし一時的に体重が増えてしまっても早めにリセットすれば大丈夫です。今回お伝えしたポイントを参考にして冬太りを防ぎましょう。【参考】※1 厚生労働省.e-ヘルスネット 身体活動とエネルギー代謝※2 厚生労働省.e-ヘルスネット カリウム©Boy_Anupong/Olga Rolenko/PhanuwatNandee/BURCU ATALAY TANKUT/DigiPub/gettyimages文/管理栄養士・寺内麻美
2022年12月23日年末、やるべきことが山積みでストレス過多になっていませんか。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、ストレスに負けないカラダを作るための心身の整え方を教えてくれます!年末、ストレスが溜まっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 192今年の仕事ができる日も残りわずかになってきましたね。今年中に済ませておきたいことと、長期休暇中に備えておきたい仕事と、やることが山積みになってはいないでしょうか。残り時間はどんどんなくなり、優先順位をつけていくのも一苦労に感じられるかたも多いと思います。そんなときに、私たちが感じるのがストレス。あれもこれも中途半端で、明日やることもたくさんある…という状態では、何かに追われるような悪夢を見てしまったり、睡眠の質を低下させるようなこともあると思います。私たちは、忙しくなればなるほど、食事の内容や睡眠時間などをおろそかに考えてしまいがちですが、日中のパフォーマンスを上げて、仕事をすぐに処理するためにもカラダ作りが大切になります。そこで、今週は心とカラダを整えてストレスに負けないカラダを作るための食薬習慣を紹介していきたいと思います。今週は、ストレスがたまったとき食薬習慣毎日、あわただしく寝る直前までやるべきことに追われていると頭は夜中までフル回転し、睡眠の質が落ちてしまうこともあるのではないでしょうか。寝つきが悪くなったり、朝方目が覚めてしまったり、リアルな怖い夢を見てしまったりすることもあると思います。ただ、この怖い夢は日常のストレス耐性を上げるための予行練習だともいわれています。怖い夢を見た時には、カラダがストレスに対して負けないように準備してくれているものだと考えてみましょうね。また、ストレスが多い時には、カラダの基本として亜鉛や鉄などのミネラルやビタミンB群の補充と腸内環境を整えることが大切になります。これらの栄養が不足していてストレスに弱くなっている状態を『血虚』といいます。さらに、短期的なストレスに負けている状態を『気滞』といいます。これ関しては、香りが高いものを取り入れるとよいとされています。そこで、今週は突発的なストレスに備えて『気』の巡りを改善する食薬を紹介します。食べるとよい食薬は、【セリと塩昆布の混ぜごはん】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:セリと塩昆布の混ぜごはん】作り方は簡単です。炊いたごはんに、みじん切りにしたセリ、塩昆布、ジャコ、ゴマなどを混ぜるだけです。セリは生でも食べることのできる野菜です。セリの香りを楽しむことでリラックス効果を期待していきます。【セリ】セリは、漢方で『水芹』とよばれ、冬のトラブルに役立つ野菜とされています。オイゲノールやピラジンという成分が、『気』の巡りを改善したり、解毒や鎮静、血栓予防、肝機能強化などに役立ちます。【塩昆布】旨味が強い塩昆布は、心とカラダがバテてしまっているときにおすすめな調味料です。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富であったり、腸壁を強化する食物繊維が含まれています。忙しいときには、食事に対する意識が下がってしまいがちですが、忙しくて効率を上げたいときほど栄養バランスを整えることの必要性も上がります。最近、食事を適当にしているなと感じる方は、最後の踏ん張りがきくカラダを作るためにも食薬を取り入れていきましょうね。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもがカラダに影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©wakashi1515/Gettyimages©fizkes/Gettyimages文・大久保愛
2022年12月21日めっきりと寒くなりました。冷えを感じやすい人は体質改善を目指しつつ、同時に即効性も求めたいですよね。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、カラダがすぐ温まる方法を教えてくれます!カラダがすぐ温まる簡単な方法【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 190寒さが厳しくなりましたね。朝起きると布団の中から出るのに時間がかかる日々が始まりました。外出時も腹巻やレッグウォーマー、マフラーなどの防寒対策を徐々に強化している方も多いのではないでしょうか。もともと冷えやすい人は、急に寒さが厳しくなった今の時期とくにつらい思いをしていることだと思います。ただ、冷えの原因は栄養不足、偏食、運動不足、寝不足、自律神経の乱れ、血行不良などさまざまな原因がありますよね。ですが、最近の急な冷え込みに対して、根本から冷え体質を改善するには時間がかかってしまうと思います。そこで、今回は食べるカイロとなるようなポカポカになる食薬習慣を紹介していきたいと思います。今週は、急な冷え込み対策となる食薬習慣急な冷え込みにカラダがついていくのがやっとですよね。最近、暖房を常時つけ始めたり、ダウンを着る頻度が増えたりと本格的な冬へと移り変わっていくことをひしひしと感じますよね。漢方では、腰回りがとくに冷えやすく、一度冷えると温まるまで時間のかかる『脾腎陽虚』というタイプ、栄養不足や浅い呼吸などによる代謝の低下によって冷えてしまう『気血両虚』というタイプ、運動不足やストレスなどで血流が悪くなり冷えてしまう『気滞血瘀』というタイプなどさまざまな冷えのタイプなどがあると考えます。ですが、急な冷えを感じるときには手っ取り早く冷えを解消することが必要となりますよね。ということで、今週は体質を改善する目的ではなく、まずは手っ取り早く寒さを緩和するために『温陽散寒』して急な冷え込みからカラダを救ってあげましょう。食べるとよい食薬は、【生姜と豆板醤の中華風炊き込みご飯】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:生姜と豆板醤の中華風炊き込みご飯】作り方は簡単です。ご飯を炊くときに豆板醤、多めの千切りショウガ、人参などと醤油やみりんを一緒に入れて炊くだけ。仕上げにすりゴマやネギなどをプラスしてもよいですね。【豆板醤】豆板醤は、ソラマメを発酵させ、唐辛子で辛みを加えたものです。寒いなと感じた時には、カプサイシンを含む『温性』の調味料を活用するのがおすすめ。また、豆板醤は意外と余りがちな調味料だと思うので、冷蔵庫を探すと見つかることもあるかもしれませんね。寒い日には、豆板醤の存在を思い出し、体を温めていきましょう。【生姜】生姜は、加熱してから食べたほうが、カラダを温めるショウガオールという成分が増えるため、『散寒』の力が強い食材として有名です。生姜を加熱するとジンゲロールという強い抗菌作用をもつ成分が、カラダを温めるショウガオールに変化します。最後にショウガオールを簡単に取り入れることのできる作り置き生姜の作り方を紹介します。すりおろした生姜を耐熱容器にいれ、水をヒタヒタになるまでいれ、レンジで温めるだけです。このカラダを温める性質をもったショウガを常備して、飲み物やお味噌汁、お浸し、納豆などお好きな食べ物にちょい足ししてみることもおすすめです。また、今回は体質を改善するのではなく、一時的に温める食材を紹介しました。しつこい冷えにお悩みの方は、しっかり原因を追究して対策をとっていきましょうね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもがカラダに影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Elena Pavlova/Gettyimages©Ridofranz/Gettyimages文・大久保愛
2022年12月08日仕事や家事が立て込む時期となりました。いろいろなものに追われるなかで、集中してひとつずつクリアできたらいいですが、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、年末に乱れがちな食生活が集中力低下の一因になるのだそう。愛先生が、当てはまりやすい人の特徴や集中力をアップする簡単な方法を教えてくれます!年末が近づき、仕事や家事に追われていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 189すっかり冬の気候になりましたね。12月に入り今年も残すところわずかとなりました。残された時間に対して、やることが増えてしまうのが、12月の特徴ですよね。あれやこれやと仕事を処理する中で、次々とやるべきことに横やりが入ってきます。頭の中で描いている理想のように行動できず、計画がどんどん崩れてしまい、予定通りにこなすことができないときってありますよね。ということで、今ほしいものといえば、集中力ではないでしょうか。そこで、今週は、集中力アップにつながる食薬習慣を紹介していきます。今週は、集中力アップ対策となる食薬習慣師走がスタートしました。この1か月は、あっという間に過ぎてしまいそうですよね。徐々にカレンダーが埋まりつつある中、今年中にやっておきたいこともリストアップされていき、頑張って年越しをしなければと気が引き締まりますよね。ただ、そんな気持ちとは裏腹にゴロゴロしたい、ぼーっとしたい、お友達の誘いを断れないなどさまざまな誘惑がやってきます。この限られた時間の中、すべてを収めるには、集中力を取り戻し効率を上げていくしか方法がありません。ですが、漢方では、冬は根気よく物事に取り組むために働く『腎』が弱りやすい季節と考えられています。さらに、食べたものをカラダで利用できる形に分解するためには、胃腸の働きが正常でなければなりませんが、甘いもののいただきものがあったり、外食の予定が続き、朝起きると胃が重いなんてことはないでしょうか。そんな人も集中力が低下しがちです。これを漢方では『脾気虚』と呼びます。そして、消化できていなかったり、栄養バランスが悪いと脳に必要な栄養が足りずに集中力が低下することがあります。これを『血虚』と呼びます。ということで、今週は『脾腎』をサポートしながら『気血』を補うことが大切です。食べるとよい食材・メニューは、【ブリとカブのおろし煮】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:ブリとカブのおろし煮】作り方は簡単です。ブリの切り身を醤油、みりん、酒、多めの生姜と一緒に煮込んで、皮ごとおろしたカブをふんわり上からのせたら完成です。おろすのは大根だけだと思っていませんか?カブをおろしても美味しいですよ。【カブの皮】消化を助けるジアスターゼがカブの皮に多く含まれます。ジアスターゼは熱に弱いのですりおろして生で食べましょう。カブは『脾』の働きを助けるために役立つ食材です。また、茎の部分には、βカロテンが多く含まれているので、カブは淡色野菜と緑黄色野菜の2つの要素を兼ねそろえている優秀食材といえます。βカロテンは、抗酸化や粘膜の強化に働くので風邪対策にもなります。【ブリ】『腎』を支えるビタミンDや集中力を養うDHAなどのオメガ3脂肪酸、『気血』を補う鉄やタンパク質、ビタミンB群などの栄養素を含んでいる冬の優秀食材です。12月は、楽しいことがたくさんあり、そして1年を振り返る大切な月。心とカラダに余裕をもつためにも、目先の出来事だけではなく、カラダの中から整えていくことも忘れずに行動していきましょうね。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもがカラダに影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Overearth/Gettyimages©Westend61/Gettyimages文・大久保愛
2022年12月02日中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、寒暖差が激しい今の時期は、くしゃみや鼻水、蕁麻疹などの不調が出やすいのだそう。風邪に似ているけど実は違う、その正体は寒暖差アレルギー。愛先生が誰でもできる対策を教えてくれます!最近、風邪のような症状が出ていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 188少し上を見上げると黄金色の銀杏並木、そして目線を下げても黄金色の絨毯。この時期、各地で紅葉が街並みを色鮮やかに染めていきますよね。そして、気候は12月の冬至を迎えるまでは、暖かいポカポカとした時間と耳や鼻を凍り付かせてしまうような寒い時間を繰り返していくことでしょう。これによって、増えるのが、寒暖差によるアレルギーです。アレルギーの源となる物質はありませんが、寒暖差により鼻がムズムズしたり、くしゃみがでたり、咳がでたり、蕁麻疹がでたりと、風邪と混同してしまうような症状に困惑している人も多いのではないでしょうか。そこで、今週は最近急増中の寒暖差アレルギーの対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、寒暖差アレルギーの対策となる食薬習慣くしゃみや鼻水、咳、じんましんなど、最近原因のわからない不調が増えていると感じることはないでしょうか。風邪かもしれないし、アレルギーかもしれないし、新型コロナウイルスかもしれないし、何か不調を感じた時には、原因は何なんだろうと心配になりますよね。何はともあれ、不快症状をなくすための行動は必要です。この時期、1日の中においても、日ごとを比較しても、寒暖差が非常に大きくなります。気温の変化にカラダがついていかず、自律神経が乱れてアレルギー症状を感じてしまう人が増えます。漢方では、自律神経が乱れやすい状態を『血虚』や『肝気鬱結』、アレルギー症状が現れやすい状態を『湿熱』がたまっている、『気虚』などと表現します。この改善には、ミネラルを中心に『血』を補うこと、極力炎症の原因となる糖質を控えることや腸内環境を整え『湿熱』を取り除き『肺』をケアするような食薬が役立ちます。そこで今週食べるとよい食材・メニューは、【ワカメとタコの酢の物】です。そして、きちんと毎晩入浴すること、少し早く寝ることも同時に行うことも並行して行っていきましょう。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:ワカメとタコの酢の物】作り方は簡単です。一口大にカットしたゆでタコと水で戻したワカメを和えて、お酢や醤油で味を整えたら完成です。ゴマやゆずを添えてもよいですね。また、お酢やレモン汁、ゆずなどの酸味や柑橘系の香りには、『気滞』を解消し、ストレスをやわらげ自律神経を整える働きがあるとされています。そのため、自律神経の乱れによる不調を感じた時には、酢の物がおすすめです。【タコ】高タンパク、低脂質、低カロリーでヘルシーなタコは『血』を補うために役立ちます。また、元気をつけたり、肝臓の働きを助けるタウリンやミネラルを含むため、『肝』の働きを整えたり、『気血』を補うためにも役立ちます。【ワカメ】ミネラルや食物繊維を多く含む特徴があります。そのため、腸の働きを整え、アレルギーの炎症の原因となる『湿熱』や『痰湿』の除去に役立ちます。また、腸内環境が乱れていると、自律神経を整えるうえで必要なセロトニンが減少してしまうので、ダブルの力で役立ちます。体調がなんだかスッキリしないと感じる人は、まずは余分な食事を控え、腸内環境を整えることから始めてみましょう。そうすると、原因がアレルギーだとしても風邪だとしても免疫の低下を防ぎ、カラダを守る支えとなってくれます。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもがカラダに影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©aki-sugimoto/Gettyimages©Antonio Garcia Recena/Gettyimages文・大久保 愛
2022年11月25日中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、日が短くなり寒暖差が大きくなる今の時期は、落ち込んだり、なぜか悲しくなったりと、心の不調を感じる人が増えるのだそう。そこで、愛先生がセロトニンの分泌や疲労回復を促し、心身の体調を整える簡単な方法を教えてくれます!最近、心の不調を感じていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 187最近、涙もろくなってきた、寂しくなってきた、悲しくなってきた、気分が沈みやすくなってきたということはないでしょうか。私たちは少なからず気候や季節の変化に影響されています。ちょうど今頃の、日が短くなり寒暖差が大きくなる時期、心に穴が開いたように感じてしまう人が増えてしまいます。ですが、気候の変化によって体の基礎が揺らいでいる状態なので、栄養状態や運動、睡眠などの状態を整えて、カラダの基礎作りを淡々と行うとその症状は和らいでいくことが考えられます。喉がイガイガする、便秘になった、頭が痛いなどカラダの不調を感じた時には、生活習慣を改善する人が多いと思いますが、心に不調を感じた時にも同じように生活習慣の改善を考えてあげることが大切です。心とカラダはつながっているので、自分ではコントロールできなくなってしまっている心の状態にも注目し、体調管理をしていきましょうね。ということで、今週は悲しかったり、気分が落ち込んでしまうときの食薬習慣を紹介していきます。今週は、悲しかったり、落ち込んでしまうときの食薬習慣1年でもっとも美味しい食べ物があふれている季節ともいえるのが今の時期ではないでしょうか。秋になるとリンゴやミカン、柿などのフルーツや、根菜、キノコ、脂がのったお魚など旨味が強い食材が増えますよね。ただ旬だからと、思う存分柿やサツマイモをいくつも食べたり、季節限定濃厚スイーツ、キノコがたっぷり入ったクリームパスタなど好みに偏ってたくさん食べたりしてはいないでしょうか。旬の食材はよいとはいえ、適切な糖質の量を越えて食べることは控えたほうがベターです。なんだか気分がスッキリしないなと思ったときには、直近3回の食事の中のタンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、脂質、糖質、ファイトケミカルの量を振り返ってみましょう。もしも、糖質や脂質が多めだなと感じる場合には、心が秋の気候に負けてしまいやすくなっていることが考えられます。次の食事からお肉やお魚、お豆などの量を増やしていきましょう。漢方で、心のコントロールがしづらくなっている状態を『血虚』といいます。とくに今の時期、根本的に『血虚』である人は、心の不調を強く感じる傾向があります。そこで、今週は『血』を補い鉄のハートをつくっていく食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは、【牛肉とトマトのさっと炒め】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:牛肉とトマトのさっと炒め】作り方は簡単です。さいの目にカットしたトマトと、牛肉の細切れと、刻んだニンニクを一緒に炒めて塩コショウで味を整えたら完成です。マイタケやシイタケなどのきのこ類を入れるのもおすすめです。【牛肉】鉄をはじめとしたミネラル、タンパク質、ビタミンB群が豊富です。これは悲しくなったり、気分が落ち込むときに不足しがちなセロトニンなどの神経伝達物質の材料となります。『血』を補う代表的な食薬です。【トマト】ストレスによる活性酸素の発生は、疲れやすくモチベーションが上がらない体を作ってしまいます。リコピンやビタミンC、βカロテンなどの抗酸化物質、気力を養うクエン酸を含むトマトがおすすめ。加熱して油と一緒に調理するとリコピンの吸収がアップします。この時期は、日本全国共通でちょっと気分が落ち込みやすくなります。まずは、悲しい気分で頭がいっぱいなのは自分だけではないということを認識しておきましょう。ただ、個人差が生じるのは、栄養状態も関係してきます。そこで、少しでも楽しく秋を快適にすごすために自分に足りない栄養素を補充するイメージで毎日の食事の内容を考えてみてはいかがでしょうか。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもがカラダに影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©alisher9/Gettyimages©Jose Luis Pelaez Inc/Gettyimages文・大久保愛
2022年11月17日寒い時期になると、「体の冷えが気になる」「風邪をひきやすい」など不調に悩む人も多いのではないでしょうか。適度な運動や休養なども大切ですが、食事も体調管理のためには重要です。今回は管理栄養士の筆者が、体のさまざまな不調に合わせて、摂るべき栄養やおすすめの食材、調理法などをお伝えします。体の冷えが気になるとき気温が下がってくるにつれて、体の冷えが気になるという人は多いでしょう。また、夏場であっても手足など体の末端が冷えやすいという人も。このような「冷え性」は、血流が悪いことが主な要因と考えられます。血流が滞っていると、肩こりや腰痛を引き起こす可能性もあるでしょう。冷えが気になる方におすすめの食材は生姜です。加熱した生姜は体の中から温めてくれる働きがあります。寒い季節は汁物や鍋、紅茶など温かいものに入れて摂ると良いでしょう。また、たんぱく質が不足していると筋肉量の不足をまねき、代謝が低下して冷えやすくなる恐れがあります(※1)。たんぱく質を豊富に含む肉・魚・卵・大豆製品などはできるだけ毎食摂るようにすると良いでしょう。風邪をひきそうなとき風邪のひき始めには、免疫力を維持するためのビタミンやミネラル、体を温めてくれる食材を含む料理を食べることがおすすめです。体を温める食材は生姜のほかに、ねぎや玉ねぎ、唐辛子、味噌やキムチなどの発酵食品などが挙げられます。そのほか多くビタミンやミネラルが含まれる野菜や果物を積極的に摂りましょう。また風邪をひき始めた体には、消化に良いものを選ぶことが大切。みそ汁や鍋料理など、ねぎや生姜などを使った消化しやすい料理が良いでしょう。果物は消化に良くないものもあるので、皮や種があるものはなるべく避けて、皮をむいたりんごやバナナを食べるのがおすすめです。肌荒れや乾燥が気になるとき肌の調子が悪いときにおすすめの栄養素は、コラーゲン生成を助けるビタミンC、抗酸化作用のあるビタミンAやE、肌の材料となるたんぱく質、腸内環境を改善する食物繊維などです。ビタミンCは野菜や果物に含まれており、水に溶ける性質があるため、毎日意識して摂るようにしましょう。ビタミンAはにんじんやかぼちゃ、ほうれん草など色の濃い野菜に多く、ビタミンEはアーモンドなどの種実類や植物油などに多く含まれています。ビタミンAとビタミンEはどちらも油に溶けやすく、抗酸化作用が高いビタミンです(※2)。炒め物など、油と一緒に摂ると良いでしょう。食物繊維は野菜や海藻、きのこ、大豆製品などに多く含まれます。食物繊維を効率よく摂るには、主食に取り入れるのがお手軽。主食を玄米や雑穀米、全粒粉パンなどに置き換えてみましょう(※3)。胃の調子が悪いとき胃もたれしている感覚があったり、お腹の調子がよくなかったりするときは、消化に良い食べ物を選びましょう。たとえば、雑炊やうどん。主菜となる食材では白身魚やささみ、豆腐、卵などが良いでしょう。野菜なら繊維質が少ない大根や白菜、人参やかぼちゃなどをやわらかく煮たものがおすすめです。逆に消化に悪いものは、脂質の多い肉や魚、繊維の多いごぼうやたけのこ、きのこ、海藻など。唐辛子や炭酸飲料、アルコール、カフェインの多い飲み物などは胃の刺激になるためできるだけ避けましょう。体調に合わせて栄養補給を不調を感じるときには、バランスの良い食生活を心がけることやストレスをためすぎないこと、しっかり睡眠をとることなども大切です。これから迎える冬に向けて、体調管理を意識した生活習慣を心がけましょう。【参考】※1 厚生労働省.e-ヘルスネット 加齢とエネルギー代謝※2 厚生労働省.e-ヘルスネット 抗酸化ビタミン※3 厚生労働省.e-ヘルスネット 食物繊維の必要性と健康©byryo/Gennaro Leonardi/EyeEm/Elizaveta Antropova/kazoka30/gettyimages文/管理栄養士・寺内麻美
2022年11月12日中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、寒暖差の大きい今の時期が一番寒さを感じやすく冷えやすいのだそう。そこで愛先生が、代謝が上がり温まりやすいカラダになる「冷え対策」を教えてくれます!早くも寒さにヘコんでいませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 186夜になると急激な冷え込みを感じるようになりましたね。早くもダウンを着る準備をしたくなります。これから先、寒さがきつくなり本格的な冬になってしまったら、カラダが耐えられるか心配になってしまいます。ただ、安心してください。暖かい昼があったり、週の中でも気候が穏やかな日が続いたりする中、突然夜になると寒くなったり、気温の低い日が続いたりする今の状況が、冷えを強く感じさせていることが考えられます。温かい、寒いを繰り返す今の時期の方が、カラダに対する負担は大きく、実際毎日安定的に寒いほうがカラダは楽です。ただ、本格的に寒い冬が始まる前に基礎代謝を上げて自ら熱を作り出し、底冷えしにくく、一度冷えても温まりやすいカラダの土台作りをしていくことが大切です。ということで、今週は冷えの対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、冷えの対策となる食薬習慣今週は、皆既月食や天王星食があり、空を見上げる時間が全国的に増えたと思います。雲が少なく、遠くまで澄んだ空の日が続きます。それと連動して雲による保温性が失われ、日中の温かさとはかけ離れた夜の肌寒さを感じます。夜になると真冬のような気分になり、腹巻にレッグウォーマー、肩までかかる羽毛布団が欲しくなります。昼と夜の寒暖の差が大きいとアウターのチョイスに悩みますよね。そんなときには、自分の基礎代謝を上げて自家発電能力を高めてみるのもおすすめ。まずは、寒い時に肩甲骨を動かしたり、その場で跳ねたり、空気椅子をしてみましょう。熱が作り出されることを実感しますよね。インナーやアウターで体温調節することもよいのですが、冬はこれから始まります。インナーアウターに加え、基礎代謝を味方につけていきましょう。漢方では、とにかく『気』を補うことが、体を温めることに必要だと考えます。そこで今週は、『気』を補う食薬とともに『1.スクワット、2.もも上げ、3.空気椅子』のどれかを実践してみましょう。食べるとよい食材・メニューは、【ネギのジャコ炒め】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:ネギのジャコ炒め】作り方は簡単です。斜め切りしたネギを炒めて、ジャコを和えたら完成。味付けはジャコだけでOK。レモン汁をかけてもさっぱりいただけます。【ネギ】ネギ、ニラ、ニンニクなどのネギ類にはツーンと香る硫化アリルという成分を含みます。この成分が、代謝アップを助けて冷えや疲労の改善、デトックス作用、抗菌作用などに働きます。冷えの改善に働く『気』を補う食薬といえます。【ジャコ】丸ごと食べられる小魚の代表ジャコ。内臓や骨まで食べることができるので、ビタミンDやマグネシウム、亜鉛、鉄などのミネラル、ビタミンB群、タンパク質も豊富です。寒い時の調味料として使ってみてはいかがでしょうか。ネギは火種でジャコは燃料のような役割をしています。火種の仲間としては、ニンニク、ショウガ、唐辛子などカラダを温めることで有名な食材です。ですが、継続して温かいカラダを作るためにはカラダの土台である燃料部分の構築も大事です。燃料としては、魚や肉、玉子、豆などが該当します。『寒いな』と感じるのは気候の影響もありますが、同年代・同じ体系の人と比べて自分の基礎代謝は下がっていないかと検討することも大切です。寒さを感じた時には、体組成も意識してみましょうね。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもがカラダに影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©aki-sugimoto/Gettyimages©Ridofranz/Gettyimages文・大久保愛
2022年11月10日気づけば年末がすぐそこに迫っています。いろいろやることが増えて俯瞰するとげんなりしてしまう人は多いでしょう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、日照時間の減少によりセロトニン分泌が減ることから、気候的な理由からもだるさを感じやすいのだそう。愛先生が対処法を教えてくれます!やるべきことが増え、結果、全てが面倒くさくなっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 185今年も残り2か月を切りました。あっという間に過ぎていく1年に驚きますよね。もっと時間を大切にしなければと強く感じますが、実際の行動はあれもこれも面倒くさいという気持ちでいっぱいになってしまうことはないでしょうか。やることが1つしかなければ、すぐに行動に移せそうですが、期限のあるやるべきことが複数あると優先順位をつけることすら面倒になり、結局面倒な気分でいっぱいになり、現実逃避をしたり、ぼーっとしたりしてしまい、時間がどんどん無駄に消費されてしまうという経験はありませんか?もしも、そんな悩みを抱えているという場合には、食事のタイミングと内容を意識してみましょう。日が沈む時間が早くなり、秋風を強く感じる今の時期は、気候的な理由からも面倒くさい病を感じやすくなることが考えらます。そこで、今週は面倒くさい病を軽減するための食薬習慣を紹介していきます。今週は、便秘対策となる食薬習慣朝になると、もう少し寝ていたい、だるい、起き上がりたくない、何もやりたくないとネガティブな感情をいっぱい抱えて目を覚ます人はいないでしょうか。実際、新しい希望の朝を毎日迎えられている人はそんなに多くないかもしれませんね。日の出の時間が遅くなり、日の入りの時間が早くなり、お日さまを浴びる時間も短くなってきています。そして、私たちは年末に向けてやるべきタスクが増え続けていき、そのしわ寄せとして夜更かしと偏食をする機会が増えることでしょう。そうすると、必然的に体内時計が乱れてきます。体内時計は、光刺激と食事の刺激によってコントロールされていますが、そこに支障が生じてしまいます。日照時間の減少によりメンタルのコントロールに必要なセロトニンは減少傾向です。さらに体内時計が乱れてしまうと、気合ではどうしようもないくらいのダルさを感じてしまうケースができてしまいます。漢方ではこの状態を自律神経が乱れやすい『気血両虚』や体内時計を狂わせてしまう『腎虚』と考えます。そこで、今週は『気・血』を補い、『腎』の働きを支える食薬習慣を紹介していきます。今週食べるとよい食材・メニューは、【韓国風TKG】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:韓国風TKG】作り方は簡単です。刻んだキムチとすり胡麻とアボカドやカイワレ、ブロッコリースプラウトなど好きな野菜を混ぜてごはんにのせて、その中央に卵黄をのせ、醤油を刻んだ韓国のりをかけて完成です。そして、できれば朝のタイミングに食べることをお勧めします。【キムチ】発酵食品、食物繊維、カプサイシンは朝にとることで、時計遺伝子や腸内環境などに働きかけカラダのリズムを整えてくれます。また、起床後1時間以内の食事は、代謝の向上につながり、1日の元気を与えてくれます。ということで、朝食にとることで、『腎』の働きをよりサポートし、腸活の効率もあげてくれます。【玉子】朝はタイミングとして、タンパク質を多めにとることが体内時計を整えるために役立ちます。さらに、午前中のタンパク質は時間的に筋肉を養うために効率が良いとされています。また、朝のタンパク質は、セロトニンの生成を促し、それにともない睡眠の質の向上に必要なメラトニンの分泌にも役立ちます。玉子は、『気・血』を補う優秀食材です。今回は、レシピ×タイミングでご紹介させていただきました。これからの時期、年末年始まで生活リズムが乱れてしまう人が増えてきます。この乱れは、私たちのやる気を奪い、面倒くさい病にしてしまいます。タスクがもりもりに溜まってしまう前から食薬で整えていきましょう。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©MarinaBH/Gettyimages©Westend61/Gettyimages文・大久保愛
2022年11月05日中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、徐々に寒さが厳しくなる秋は便秘になりやすい季節なのだそう。そこで愛先生が、すぐできる便秘対策を教えてくれます!最近、便秘になっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 184そろそろ便秘の季節がやってきました。便秘の季節は朝の喉のイガイガや加湿器と一緒にやってきます。漢方では秋は、肺と大腸に不調が生じやすい季節と考えています。実際、乾燥した冷たい空気のなか、耳鼻科系の不調や腸の不調を感じる方は増えていますよね。新型コロナウイルスではないけれども、喉が痛かったり、熱が出たり、便秘や下痢になったりと…不調を感じるたびに「コロナじゃないよ!」と周囲に言い訳をしなければならない面倒な時代となりました。どんな季節も季節の変わり目も元気でいることが、自分の身体的な問題だけではなく、印象もよく面倒な問題もなく過ごすことができます。また、腸の不調は、免疫機能に深く関連するため、秋の便秘は要注意ですよね。ということで、今週は季節的に増える便秘の対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、便秘対策となる食薬習慣最近、水分は定期的にとることはできていますか?湿度の管理はできていますか?秋のコッテリした、甘くて、クリーミーな食べ物ばかりを食べていませんか?もともと漢方では、秋には便秘が増えるとされていますが、気候や秋の味覚を楽しむために作られた加工品も便秘を加速させてしまう要因となってしまいます。また、これからどんどん空気は乾燥し、ごちそうの機会が増え、年末に向けてやることが増えて忙しくなることが予想されます。冬になると毎年、体調を崩してしまうという人も多いのではないでしょうか。そんな人は、まず腸に注目してみましょう。スルッとした便が出ていますか?コロコロとウサギのフンのような便が出ていませんか?黒くてべっとりとした便はでていませんか?単純に数日間便が出ないことだけが問題ではありません。便がすっきり出ない人は、下腹がでて見た目が悪くなることだけではなく、風邪を引きやすくなったり、乾燥肌からの肌荒れも加速しやすくなったりしてしまいます。漢方では、この状態を『肺陰虚』や『虚熱』などと表現します。そこで、今週は『肺陰』を補うことを中心に行っていきます。今週食べるとよい食材・メニューは、【なめこと大根おろしの味噌汁】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:なめこと大根おろしの味噌汁】作り方は簡単です。いつもの味噌汁の具に、なめこを採用するだけ。仕上げに、大根おろしをのせて完成です。【なめこ】なめこのネバネバ成分には、腸内環境を整え、バリア機能を高める成分が含まれます。また、タンパク質の吸収を促す働きも。『肺・大腸』に『陰』を補うために役立ちます。【大根おろし】大根は、アブラナ科の野菜なので抗酸化、抗炎症、抗糖化などに働くスルフォラファンが含まれます。また、胃腸の働きを助けるジアスターゼや食物繊維も豊富です。ただ、熱に弱いので食べる直前にのせましょうね。私たちは、自然の一部として生きています。季節により体調が変動するのは当然のこと。でも、上手に食薬をとりいれることによって変化に柔軟に適応できるようになります。自分のカラダの変化を見逃さずに食薬をつかって、それが悪化して病気につながらないように事前に対応して元気をキープできるようにしましょう。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Satome Yokote/Gettyimages©Oliver Rossi/Gettyimages文・大久保愛
2022年10月28日秋になり空気の乾燥も手伝って、唇がカサついていませんか。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、唇の乾燥を和らげる簡単な方法を教えてくれます。唇、カサカサ荒れていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 183朝起きると喉がイガイガする日が増えてきました。晴れた日は、澄んだ空気に遠くの山々がくっきり見えて感激しますが、それは空気中の水分量が減り、視界がよくなっていることも理由の一つです。これからの時期、リップクリームやハンドクリーム、ボディクリームなどで保湿が欠かせなくなりますよね。唇の皮がカサカサになり、リップクリームをいくら塗っても改善できなかったり、なめてしまって悪化させたり、皮をきれいにはいでまたむけての繰り返しというかたも多いのではないでしょうか。唇は、頬などの皮膚と比べ5倍もの速さで水分が蒸発し乾燥すると言われています。内臓と外界との接点となる唇は、外気の乾燥に加え、内臓の状態というのも影響してきます。そこで、空気の乾燥が増していくこれからの時期、唇の乾燥を少しでも和らげるためにできる食薬習慣を紹介していきます。今週は、唇の皮むけの対策となる食薬習慣そろそろ唇、指先、かかと、スネなどの、秋冬特有の乾燥が出始めるころではないでしょうか。とくに、唇の乾燥は第一印象や清潔感に影響したり、口紅の発色が悪くなったり、大きな口を開けて食事をするときなどに不快感を感じますよね。そして、その場しのぎで舐めてしまったり、マスクをして隠れるからと気にするのをやめたりしてはいけません。唇は、皮膚でも粘膜でもなく、分類的にはその中間くらいの機能をもつとされています。外界から飲食物を摂取するときに口を入り口としますが、その時の異物侵入のための第一関門にもなるため、温度や質感に対して敏感になるよう感覚神経が発達しています。また、漢方では見た目で体調を判断する望診という診断方法をつかいますが、唇も判断するときの材料となっています。唇の赤みはたくさんの毛細血管が透けてみえることによって生じているため、唇の色が青いと冷えていたり血流が悪かったり、白っぽかったら貧血気味だったり、真っ赤だと炎症を起こしていたり、熱がこもりやすい状態と考えます。さらに、カサカサしているときには、胃腸にダメージが加わっているとも考えます。そこで、唇が乾燥してきたときには保湿やクレンジングも大切ですが、それに加え胃腸に対する負担も減らす、『脾』や『腸』のケアをすることを推奨します。そこで、今週食べるとよい食材・メニューは、【サツマイモとリンゴのレモン煮】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:サツマイモとリンゴのレモン煮】作り方は簡単です。サツマイモとリンゴを皮をむかずに一口大にカットします。そして、お水とみりん、お好みで蜂蜜などを加え煮込み、レモン汁をたっぷりかけたら完成です。干しブドウやシナモンなどを加えるのもおすすめです。【サツマイモ】秋といえばサツマイモが恋しくなりますよね。サツマイモといえば、食物繊維が多く腸活のお供としても有名です。その皮は、たまに白っぽい液体が出てくると思いますが、これはヤラピンという成分です。腸の動きをさらに活性化し腸を整えてくれます。皮周辺が腸活には重要です。さらに抗酸化作用の高いビタミンCやβカロテンなども含むため、お肌のトラブルで悩むときにはおすすめです。【リンゴ】リンゴ1個で医者いらずともいわれるリンゴですが、特に皮に強力な抗酸化作用、血流促進、口臭予防などに役立つ成分が多く含まれます。また、加熱すると皮に多く含まれるペクチンの抗酸化力が高まるためおすすめです。サツマイモもリンゴも今が旬ですよね。旬の食材は、基本的にその季節の不調を取り除く力を秘めています。レモンでさっぱり煮込んで、唇ケアをしていきましょう。甘味を強くすれば日持ちもしますよ。たくさん作って、ちょっとずつ食べるのもおすすめです。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©hisa nishiya/Gettyimages©damircudic/Gettyimages文・大久保愛
2022年10月21日最も過ごしやすい時期であるのに、カラダがついていけず体調を崩していませんか。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、粘膜の免疫機能を整えたり、新陳代謝を高めたりと、風邪の引き始めに行いたい対策を教えてくれます!季節が変わり、風邪を引いていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 182地域によっては、アウターが必要な季節になってきましたね。急に季節が変わり、久しぶりに風邪を引いてしまったという声をよく耳にします。みなさんはいかがでしょうか?油断すると体調を崩してしまいそうですよね。こんなときこそ食薬です。10月は、本来1年でもっとも気候が穏やかな時期といわれています。そのため、今月は心と体のメンテナンスをしたり、夏の疲れをリセットして寒い冬に備えたり、好きなことをして快適に過ごせるご褒美のような季節です。ですが、そんなときに体調を崩してしまっていてはすごくもったいないですよね。そこで、今週は風邪を引いてしまいそうなときの食薬習慣を紹介していきます。今週は、風邪を引いてしまいそうなときの食薬習慣日中の温かさにくらべて、日が沈んだ後の冷え込みに体がなれない、自律神経を乱してだるい、寒暖差や乾燥した空気にむせてしまうなど、季節にカラダを適合させることに難しさを感じてしまう日もありますよね。ただ、真夏や真冬、じめじめした冬などと比べると随分とカラダが楽だと思います。むしろカラダが頑丈な人は、秋風のひんやりした夜の風、澄んだ空気を心地よく感じていることでしょう。この時期、風邪を引いてしまいやすい人の特徴として、口内炎ができやすく治りにくい、便がスッキリ出にくくなってきたなどということがあります。これは、粘膜の免疫機能が低下している状態です。漢方では、『肺陰虚』、『気血両虚』などと表現します。ということで、今週は、粘膜を強化するために、新陳代謝を高める亜鉛やビタミンB群、アミノ酸を豊富に含み『気血』を補う食薬と粘膜を強化する『肺陰』を補う食物繊維を多く含む食薬をとりいれることがおすすめです。食べるとよい食材・メニューは、【ゴボウの牛肉巻き】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:ゴボウの牛肉巻き】作り方は簡単です。ゴボウのまわりにクルクルと牛肉を巻き付けて焼き、醤油やみりん、ニンニク、七味唐辛子などで味を整え、食べやすい大きさにカットして、刻んだネギを添えたら完成です。【ゴボウ】皮やアクに高い抗酸化力をもつゴボウ。よく洗い、皮は剥かずにアクは抜かずに食べるのがおすすめ。また、イヌリンなどの食物繊維を含み、腸の働きを高め『肺陰』を補ってくれます。【牛肉】必須アミノ酸がバランスよく含まれ、さらに鉄や亜鉛などのミネラル、ビタミンB群もとりいれることができ『気血』を補うための優秀食材です。ただ、脂身の多い部分は、消化に負担がかかるので、赤みの部分を選ぶようにしましょう。風邪を引く前には、ちょっとした不調やいつもと違った負荷のかかる行動をしていることが多いです。毎年、この時期には風邪を引いてしまうという人は、自分のカラダをしっかり観察して、客観的分析をすることで、行動を変化させて風邪を未然に防ぐようにしていきたいですね。まずは、何をしていいかわからないというかたは、ゴボウの牛肉巻きをお試しください。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©SHIROKUMA DESIGN/Gettyimages©Westend61/Gettyimages文・大久保愛
2022年10月14日